Google Pixel 4は顔認証とレーダー利用の「モーションセンス」を搭載

 Googleの次世代スマートフォン、Pixel 4についてはだいぶ以前からリーク情報が出ていた。それに加えてGoogle自身が、発売直前のプレゼンですべてを明らかにする伝統的手法ではなく、外観写真など情報を少しずつ出すPR戦術を採用している。

米国時間7月29日、GoogleはPixel 4の新しいビデオクリップをYouTubeにアップした。実際に入手できるのは今秋になってからのはずだが、ビデオで紹介された「モーションセンス」と顔認証は魅力的な新機能だ。

「モーションセンス」はPixel 4がユーザーの手のジェスチャーを認識し、対応する動作をするというものだ。 音楽を聞いているならスキップして次の曲を再生したり、アラームをスヌーズさせたり、着信音を消したりできる。Googleによれば対応動作は今後拡大されるという。Pixel 4のモーションセンスはGoogleが開発したSoliをベースにしている。これはカメラではなくレーダーを利用して手のジェスチャーなどを認識するテクノロジーだ。

最初に発表されたのは20015年のGoogle I/Oカンファレンスだったが、しばらく音沙汰がなく、2016年のGoogle I/Oでいくつかの応用が発表された。ここでは指で時計のリューズを巻くジェスチャーなどの微細な動きを認識できることがデモされた。また今年1月には電波利用機器とし連邦通信委員会から認証を得ており、実用化が近いことが予測されていた。

Pixel 4はSoliテクノロジーを搭載する最初の商用プロダクトとなるが、Googleは「Piexe 4販売開始の際にSoliが搭載されるのは一部の国となる」と述べている。米国の場合と同様、各国でも電波利用機器としての認証を得る手続きが必要だからだろう。

Googleはまた顔認証によるロック解除機能も搭載する。これはAndroid OS自体でもサポートされていたが、Pixel 4の実装はこれまでとは大いに異なるようだ。これにもSoliテクノロジーが用いられている。ユーザーがデバイスに手をのばすとSoliがそれを認識して顔認識センサーを起動し、データが一致すればアンロックされる。つまりユーザーがスマートフォンを顔の前に持ってきたときにはすでにアンロック済みで、すぐに使える状態になっているわけだ。この自動アンロックシステムは他のアプリの認証にも利用できるという。

顔認証によるアンロックは支払いを含めて各種のAndroidアプリへのログインに用いることができる。またこうした顔認証はデバイス内で完結する。 これはAppleがFace IDで用いているのと似ているが、ユーザーのプライバシーを確保するために顔認識情報をデバイスの外に出さない仕組みだ。さらにセキュリティを確保するために、顔認識関連情報は他の情報と別個にTitan Mというカスタムチップ内に保管される。これもAppleのFace IDと同様のアプローチだ。

公開までだいぶ期間があったが、Googleでは6月に外観写真(あるいは写真的精細度のCG)を公開し、メインカメラが複数台になるなど新機能を見せて消費者の関心をかき立ててきた。今回のアップデートも同様のアプローチだが、使い勝手に関する重要な機能が明らかになった。これまでの例からするとプロダクトの最終的な発表は10月になる見込みだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

SonosとIkeaが共同開発したスピーカーは音とデザインを融合

Sonos(ソノス)とIkea(イケア)のSymfonisk(シンフォニスク)コラボが今年初めに発表された時、多くの人が驚いた。しかしこのコラボはなくはないものだ。Ikeaのミッションは、実用的で、かつ多くの人が手にしやすい価格の高品質なデザインコンセプトを提供することにある。家具ではなくサウンドではあるが、これこそが今回Sonosとのコラボで行なったことだ。新しく発売される99ドル(約1万800円)のSymfonisk Wi-Fi本棚スピーカーと、179ドル(約1万9400円)のSymfoniskテーブルランプWi-Fiスピーカーはどちらも素晴らしいパフォーマンスだ。Sonosブランドに期待される音質で、そしてIkeaにより毎日使えるよう実用的デザインとなっている。

Symfonisk本棚スピーカー

ここでいう本棚スピーカーという記述は、言葉以上のものを意味する。Ikeaはこのスピーカーを本棚にある実際の本のコレクションとマッチするよう、そして壁に取り付けるマウントと物を載せる(最大6.6ポンド)ときに表面を保護するためのゴム製マットを含むアドオンのアクセサリーキットを使ってスピーカーを棚そのものとして使えるようデザインしている。このスピーカーはまた、Ikeaの便利なキッチン据付のためのキッチンレール製品に取り付けることもできる。そして縦置き、横置きどちらにもできるようにボトムと両側面はゴム製パッドで覆われている。また、縦・横どちらでも使えるようケーブルの差し込みは2カ所ある。そしてイーサネットが1つあり、ネットワークにつなげるためのケーブルが付いてくる。

99ドルというのはPlay:1より50ドルも安く、Sonosシステムを最もリーズナブルに利用する新しい手段となる。どこにでも設置できるという実用性は置いておいて(面積は約30×15cmで、多くの人のベッドサイドテーブルに置ける大きさだ)、Sonosの製品は高価すぎると感じている人にとってSonosを初めて使うにはパーフェクトなものだろう。そしてこのスピーカーはSonosサラウンドサウンドホームシアターのコンフィギュレーションのリアスピーカーとしてぴったりだ。私はSymfonisk本棚スピーカーをすでに設置していたSonos BeamサウンドバーとSonos Subにペアリングしたが、Symfonisk本棚スピーカーとPlay:1の操作性はほぼ同じだ。

そうは言っても、音質に関していえば、個々に、あるいはステレオとペアリングしたスピーカーとして使用するときにはSymfonisk本棚スピーカーとPlay:1の違いに気づくことになる。本棚スピーカーは完全に新しい内部スピーカーデザインとなっていて、形状は現在販売されているその他のSonos製品とは異なる。結論を言うと、よりずんぐりとして丸い形のPlay:1とは異なるサウンドプロフィールとなる。

私の耳には、Symfonisk本棚スピーカーよりもSonos One and Play:1の方がわずかに音質は良い。これは驚きではない。Sonos One and Play:1はより高価で、全体的な音質でいえば、このクラスのスピーカーとしては最上位のものとなる。Symfonisk本棚スピーカーは同レベルではないにしても、それでもこの値段にしては素晴らしい音質のワイヤレススピーカーではある。Sonos OneにビルトインされているAlexaやGoogleアシスタントは必要でない、けれどもハイファイサウンドを聞きたいという場所に置くのには、私は間違いなくPlay:1sではなくSymfonisk本棚スピーカーを選ぶだろう。ステレオとペアリングしたときには、これらスピーカーの違いはさほど顕著ではない。

Symfonisk本棚スピーカーのデザインはほぼ実用性を重視しているようだが、見た目はいい。長方形ボックスのルックスはSonos Oneに比べてインテリアと調和させるのが難しいように私には思える。その一方で、Symfonisk本棚スピーカーがぴたっと収まるセッティングがある。ソファの後ろの壁に設置したり、本棚でブックエンドとして使ったりする場合だ。ファブリックのスピーカーグリルは取り外しができ、将来的にはSonosが外観を変えられるように素晴らしいアップデートをすることが期待できるかもしれない。

ワイヤレススピーカーなので、他にもパフォーマンスで重要な点がある。接続性だ。Symfoniskスピーカーは(本棚スピーカー、そしてこの後に取り上げるテーブルランプの両方とも)この点におて、私が数日テストした間は完璧で、音楽の再生が一度も途切れたことはなく、私の既存のSonosスピーカーネットワークとも問題なく動いた。スピーカーの数に関していえば、おそらく私はかなり特異なSonos客だろう。Symfoniskを含めて現在14のスピーカーを活用しているが、全てのスピーカーがイーサネット接続なしに完全にワイヤレスで作動し、このIkea新製品を試す間、ワイヤレスでの再生はしっかりしたものだった。

Sonosを使うのが初めであっても利用したことがあっても、セットアップはかなり簡単で、Sonosのアプリでできる(Ikeaが私に語ったところによると、同社はゆくゆくは自前のスマートホームコントロールソフトウェアを加えるとのことで、そうなったときにはどちらででも操作できる)。アプリを加え、AlexaやGoogleアシスタントをSonosシステムにリンクさせると、そうした音声アシスタントからもスピーカーを操作できるようになる。

Symfoniskテーブルランプスピーカー

本棚スピーカーと同様にSymfoniskテーブルランプも驚くほどセットアップやSonosアプリの使用が簡単で、Alexa、Googleアシスタント、そしてAirPlay 2が使える。ワイヤレスの接続性や他のスピーカーとの接続のパフォーマンスも素晴らしく、空間に合ったサウンドになっているかスマホのマイクを使って素早く調整できるTruePlayサウンドチューニング機能も使うことができる(これは本棚スピーカーでも使える機能で、いずれのSonos製品ででも使用することをお勧めする)。

テーブルランプは音質で、そしてスピーカーと同様にランプとしても素晴らしいという点で本当にすごい。ランプのベースにはスピーカーが搭載されていて、遠くから見ても近くから見てもかっこいい取り外し可能なファブリックで包まれている。シェードは手細工で作られた不透明なガラスでできていて、明かりをつけたとき快適な光を発する。固定するには口金突起のマウントを使う。

このマウントとシェードを選んだのはルックスのためだけではない。SonosとIkeaはいくつかのオプションを検討したが、大音量で出力できるランプの残響とガタガタする音を最小限にするためにはこのスタイルが簡単でベスト、との結論に至った。この選択は正しかったようだ。テストでSymfoniskランプスピーカーを通じで大音量の音楽をかけたが、ガタガタする音は少しも聞こえなかった。

繰り返しになるが、デザインのおかげでルックスはいい。最初、写真で見たときに私はモダンすぎると思ったが、いざ部屋に置いてみるとすごく良くて、私の部屋の装飾で最もお気に入りのものになった。このランプスピーカーで気になる点はあまりないのだが、強いていえば側面についているダイヤルだろうか。最初私はそれを音量調整ノブだと思ったのだが、実際はオン・オフのスイッチだった。その代わりコントロールはソーサーのように見えるベース部分にある。これは、ガジェットらしさを抑え、より家具のように見せる賢い方法だ。

ライトそのものは、シャンデリアなどでよく使われているE12口金で最大7Wの電球を使用する。Ikeaが私に提供したのは、ワイヤレス接続し、ホワイトスペクトル温度の調整が可能なTradfriスマート電球の一つだった。ランプスピーカーで使うには最適なもので、私はこのランプを使用しているPhilips Hueハブにすぐさま接続させることができた。スマート電球のおかげで、Symfoniskスピーカーランプでは照明やスピーカー機能を音声でコントロールできる。

Symfonisk本棚スピーカーは音においては他のSonosプロダクトとは異なるが、Symfoniskランプスピーカーは驚くほどPlay:1(149ドル)やSonos One ($199)に似ていて、価格はその中間の179ドルだ。Sonosによると、内部構造の大部分はそうしたプロダクトのものを応用していて、そのために基本的に小さめの円柱形のようなデザインとなっている。ともあれ、その結果は素晴らしいものだ。素敵なスピーカーとして機能するランプで、パーティーなどでゲストにハイクオリティで部屋を満たすほどの音のソースがどこにあるのか謎かけすることもできる。このランプは室内の装飾に溶け込むので、質の高いサラウンドサウンドを選ぶか、あるいはHi-Fiオーディオショップのように見えない居間にするかのどちらかを選択しなければならないという古い問題を解決してくれる。

だが、Symfoniskランプは大きい。シェードなしでSonos Oneより2インチ背が高く、ベース部分とソーサーのようなボトムはどちらも幅が広い。外観は私には魅力的にうつるが、必ずしも皆にとってそうではなく(好みで黒と白のバージョンを選ぶこともできるが)、これは他のSonos製品を選ぶ理由となるかもしれない。しかしこのライトとSonosスピーカーのコンボはユニークな製品で、強力な価値を持っている。

結論

Symfoniskのラインアップで、IkeaとSonosは実用的で素晴らしいオーディオ機器でもあるスマートな装飾品というかなりすごいものを出してきた。妥協なしに2社の世界をうまくブレンドし、人中心のデザインに2社が一緒になって取り組み、名前を連ねる以上に深く連携することに注力したとき、何ができるのかを真に示す例となっている。

SonosとIkeaの連携は限定コレクションにとどまらない。長期的なパートナーシップであり、今後も何か出てくることが期待できる。しかし差し当たっては、Symfonisk本棚とSymfoniskテーブルランプのスピーカーが、米国のIkeaのオンラインストアIkea.comと店頭で8月1日に発売される。もしスマートスピーカーを探しているなら、いい選択肢だ。

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(翻訳:Mizoguchi)

100万時間の滞空を達成したインターネット接続気球、1カ所に留まれる巧妙な仕組み

Googleの親会社であるAlphabet傘下のLoonは、全世界の空から高速インターネット接続を提供することを目指しており、数週間前にケニヤで商用トライアルをスタートさせることが発表されている。このLoonのインターネット気球が総計で滞空100万時間の大台に乗ったという。

気球の高度は成層圏の最上部で、1万5000mから2万mあたりをジェット気流に乗って飛ぶ。Loonのエンジニアは地域ごとの上層気流に関する詳細なデータを収集し、人工知能によって気球の高度を調節することによって同一地域の上空に留まれる航法システムを開発した。

Loonの気球群はこれまでに延べ4000万kmを飛行した。これは月まで50回往復できる距離だ。この間気球を操縦したソフトウェアは狙いどおりの位置をキープするためにユニークな方法を用いている。

気球は上から見てジグザグのコースを飛ぶ。これはヨットがタッキングしてセールの開きを変えながら進むのに似ている。ただし、そのナビゲーションは直観に反しており、いかに熟練したヨットマンでも思いつかないようなものだ。気球は成層圏の気流に沿って吹き送られていくが、それでも目指す場所に行く方法を編み出せるのだ。

figure8 Loon

気球が長時間同一区域に留まるためには上下に高度を変えて8の字型の飛行が必要な場合がある。逆方向に吹く気流が高度によって何層にもなっている場合があるからだ。8の字パターンによる飛行は単純な円運動の飛行に比べて、安定した長時間のLTE接続を実現するうえで有効であることが確認された。

こうした複雑な運動パターンは人間が操縦するのであれば普通選択されない。ナビゲーションを自動操縦システムにまかせて、気球が置かれた状況下で最適なパラメータをシステム自身に発見させる方法の有効性がここでも証明された。

LoonのCTO(最高技術責任者)であるSalvatore Candido(サルバトーレ・キャンディド)氏はブログ記事で「この自動操縦システムがAIと呼べるかどうかはよく分からない」と説明している。最近、テクノロジー企業はAIの定義を思い切り拡張し、多少でも複雑な動作をするソフトウェアはすべてAIだと主張する傾向があるだけに、Cキャンディド氏の慎重さは称賛すべき公正な態度といっていいだろう。しかし呼び名はどうであれ、このソフトウェアが気球を一箇所に滞留させ、安定したインターネット接続を提供するという目的を果たしたことはすばらしい。

Loonはすでに台風に襲われたプエルトリコ、地震が起きたペルーで壊滅した通信網を代替するために役立っている。これまで地上に中継設備を建設することが主として経済的な理由によって阻まれてきた遠隔地に、手頃な価格のインターネットをもたらすためにLoonが果たす役割は今後大きくなっていくだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

SpaceXが地上係留なしでのStarHopperの「ホップ」飛行に初成功

SpaceX(スペースX)は今週、延期されていたCRS-18ミッションの打ち上げの後、米国時間7月25日の夜にはStarHopperのプロトタイプの初となる地上に係留されていない状態での低高度飛行に成功した。なお、今週には同プロトタイプ機体は打ち上げテストに失敗していた。

このテストでは、StarHopperは高度20mに到達し、わずかに動き回り自身をナビゲートした。その後StarHopperは予定どおりに着陸したことで、SpaceXのチームが意図した通りのテスト結果であったことを示唆している。

StarHopperは再使用可能な宇宙船ことStarshipの実物大の建設に先立ち、SpaceXが新しいRaptorエンジンの重要な準備試験を実施するのを支援するために設計された、小型版のテスト機である。そしてStarshipはSpaceXが開発中の次期ロケットで、完全に再使用が可能(現在のロケットは部分的にしか再使用や再打ち上げができない)となり、SpaceXでCEOをつとめるイーロン・マスク氏によれば、最終的には搭乗員と荷物の火星への輸送や、さらには同社のミッションのすべてを置き換える予定だ。準備が整い次第、SpaceXの「Super Heavy」と組み合わせることで軌道投入能力を得る。

係留なしでのホップ飛行はSpaceXの開発において重要なマイルストーンで、そのテストに数週間をかけている。マスク氏はすでに、フルサイズのStarshipのプロトタイプの飛行も視野に入れている。そして、Mark IとMark IIが米国テキサス州のボカ・チカとフロリダのSpaceXの施設で同時に開発中だ。マスク氏によると、SpaceXは同じ場所で約1週間後に、StarHopperによる200mとさらに高い高度でのホップ飛行を予定している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

人気インディーズアクションゲーム「Cuphead」が8月にテスラ車両にローンチ

Tesla(テスラ)車両のゲームライブラリは大きくなりつつあり、新たに発表されたタイトル「Cuphead」(カップヘッド)は、おそらくゲームファンにとっておなじみのものだろう。2013年にデビューした後、2017年にXbox OneやWindowsにリリースされたこのインディーズゲームは、手書きのレトロなディズニー風のアニメーションスタイルで大いに注目を集めた。

Tesla でCEOを務めるイーロン・マスク氏は、車内アーケードライブラリへの「Chess」のリリースの投稿への返答の中で、Cupheadが8月のいずれかの時期にTesla車両にリリースされることを明かした。マスク氏によれば、ゲームは車内ディスプレイでは60fpsにて動作するが、4K解像度はサポートされない。レトロ風ゲームであることを考えれば、その必要もないだろう。

CupheadはmacOSとNintendo Switchにもリリースされており、そのユニークなグラフィックだけでなく、挑戦的なゲームプレイも称賛されている。このゲームは1人もしくいは2人のプレーヤーがプレイでき、頻繁なボス戦を含む横スクロールスタイルのシューティングゲームだ(Tesla車両は現在、ゲームパッドのコントローラーを使った他のゲームもサポートしている)。

マスク氏はツイートにて、「CupheadのローンチにはTeslaの車載OSのUnity(ゲーム開発環境)の導入を利用することになるが、これはすでに完了しておりコントロールの改良が進められている。USB経由でゲームストレージが追加できるようになることで、オンボードストレージの制限が解消され、Teslaオーナーはフラッシュドライブを追加することでより多くのダウンロードしたゲームを保存できるようになる」と表明している。

今月Netflix(ネットフリックス)はCupheadをベースにしたアニメーションシリーズを開発すると発表しており、またゲームは全世界にて400万本以上が販売された。Telsaは先月、専用の車載アプリとしてTesla Arcadeをローンチしており、車内で楽しめるゲームのコレクションを増やしている。もちろん、ゲームは停車中にしか遊べないのことはいうまでもない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

レトロPCの時代を思い起こさせてくれるウェブサイト「Poolside.fm」

ここ数年、インターネットはますます複雑化するばかりだ。しかし時には、Poolside.fmを訪れてみるのも面白い。このウェブサイトは1980年代後半のデスクトップをブラウザのウィンドウに再現し、完璧なサウンドトラックと低解像度のレトロビデオが再生される、コンピューターがシンプルだった時代のタイムマシンだ。

Poolside.fm自体は新しいものではない(2014年にサイトが開設された)が、クラシックなMac OSをベースにした新しいデザインにより、さらに洗練された。これはNiek DekkerLewis KingMarty Bellといったデザイナーや開発者のクループによるプロダクトで、この新鮮な外観はテーマを変えてパーソナライズすることができる。

「オーディオ・プレーヤー・アプリ」はいくつかの異なるステーションが用意されており、より活用したい場合にはアカウントを登録して自分のプレイリストに曲を保存することができる。また、アカウントがなくても、3つのステーション(Poolside.fm、Hangover Club、Tokyo Disco)のお気に入りの曲をリンク経由で友達と共有することもできる。

つまり、仕事用のタブのなかに紛れ込ませ、バックグラウンドのサウンドトラックに最適なのが、このPoolside.fmなのだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テスラの車内ゲームセンター「テスラアーケード」にチェスがやってきた

Tesla(テスラ)のオーナーは、7月26日から新しいゲームで遊べるようになる。同社は6月のゲームカンファレンスE3で、車載インフォテインメントシステム用の「アーケード」(ゲームセンター)アプリを発表し、そして今度はそこに世界で最もスリリングなゲームであるチェスを加える。

テスラのインフォテインメントシステムの画面にゲームが登場するのはこれが初めてではない。以前はいわゆる「イースターエッグ」、つまり隠れソフトとしてゲームがあった。そして6月にはアーケードをデモして、ショウルームに来る人は6月30日まで遊べるようにした。

テスラのドライバーは乗客と対戦したり、あるいは車と対戦、または車が自分自身と対戦するのを観戦できる。チェスのデモビデオでは、西部劇スタイルのテスラドライバーが原野で勝負しているが、おもしろいアプローチだ。駐車中にプレイしているデモもあるが、言うまでもなくそれは実際にこのゲームをプレイできる唯一の機会だ。

車の0mphから60mph(97kmh)までの加速時間よりあなたが次の手を決めるまでの時間のほうが長かったら、チェックメイト(詰み)とする。全世界のテスラアーケードに今日からチェスがやってくる。

本日の一般的なアップデートに加えてテスラは「ビーチバギーレース」のアップデートも発表した。テスラのステアリングホイールで遊ぶカートレースだが、今度は2つのゲームコントローラーを使えるようになったので、車内の乗客とローカルなマルチプレイができる。もちろん、これも運転中はノー。

Bethesda(ベセスダ)はE3で、モバイルゲームのFallout Shelterを車内で遊べるようにし、イーロン・マスク氏はこのプラットホームをいろんなデベロッパー向けにもっと開放するとコメントした。ということは、次はテスラアーケードにもやってくるってことかな。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ダーウィンの進化論に倣って自動運転車のAIを訓練するWaymoとDeepMind

Alphabet傘下で自動運転とロボタクシーの会社であるWaymoは、自動運転車のソフトウェアを強化するために人工知能を改良し、進化させるための訓練に力を入れている。最近同社は、やはりAlphabet傘下でAIを専門とするDeepMindと協力して、新たな訓練方法を開発した。質の高い訓練を効率的にできるようにすることを目指したもの。

両社が協力して開発した訓練方法は、Population Based Training(PBT、集団に基づく訓練)と呼ばれている。これは、より良い仮想ドライバーを育成するというWaymoの課題に対応するために考えられた方法で、その成果は印象的なものとなった。DeepMindがブログ記事で明らかにしたところによれば、PBTはWaymo車両が搭載する多くのセンサーによって発見された歩行者、自転車、バイクを認識して、それらの周囲に箱を描くニューラルネットワークで、誤認識が24%も減少したという。そのうえ、訓練に必要な時間とリソースの両方を削減することもできた。Waymoがこれまで採用していた標準的な方法に比べて、いずれもほぼ半減することができたという。

ちょっと戻ってPBTとは何かについて見てみよう。これは基本的に、ダーウィンが唱えた進化の仕組みからヒントを得た訓練方法だ。基本的にニューラルネットは、何かを試してみて、その結果を何らかの標準に対して評価し、その試みが期待した成果に比べて、より「正しい」か、より「間違っている」かを確認する。Waymoが使用していた訓練方法では、同じタスクに対して独立して動作する複数のニューラルネットを走らせていた。それらは、いわゆる「学習率」が異なるように設定されていた。言い換えれば1つのタスク、例えば画像の中の物体を認識するようなタスクを試みる際に、毎回アプローチに変化をつけられるようにしていた。学習率が高いほど、結果の質の変化も激しい。かなり良い結果が出ることもあれば、ものすごく悪い結果となることもある。一方、学習率が低いと進歩は緩やかとなる。急激に改善されたりする可能性は低いのだ。

このような比較による訓練は膨大なリソースを必要とし、どれが正しい答えを出したかということを判断するためには、担当エンジニアの直感に頼る必要があった。またエンジニアは、ダメなニューラルネットを「間引き」して、より良い結果を出すニューラルネットに処理能力を割り振るために、関連するコンポーネントを大規模に手動で検索する必要もあり、非常に労力がかかるものだった。

DeepMindとWaymoが、この実験によって試したのは、基本的にその間引きのプロセスを自動化すること。つまり、成果の上がらない訓練を自動的に切り上げて、そのタスクに対して最高の成果を発揮したニューラルネットから派生した、より見込みのあるものに置き換える。そこが、進化の過程に似ているというわけだ。いわば、人工的に「自然淘汰」を起こさせる。それこそが、この方法のキモとなる部分だ。

この方法に潜む落とし穴を回避するために、DeepMindは予備的な研究の後で、やり方を少し修正した。たとえば、モデルの評価を高速化し、15分間隔とした。また、確固とした評価基準とサンプルセットを作成し、テストによって現実の世界でも良好な性能を示すニューラルネットが生成できるようにした。訓練のために与えられた特定のデータに対してだけ、良好なパターン認識エンジンとして機能するようなものではない。

最後に両社は、一種の「孤立集団」によるアプローチも開拓した。限定されたグループの中でだけ、互いに競い合うニューラルネットの亜母集団を作ったのだ。つまり、島に取り残されたりして、大きなグループから切り離された動物の集団のようなものだ。大陸にいる親類と比べて、異なる特徴を発達させ、時にはよりうまく適応した特性を示すこともある。

すでに私たちの日常生活に組み込まれている技術に対して、深層学習と人工知能が実際にどのような影響を与え、さらに人間の生活に食い込んでくるのか。見ているだけでも、極めて興味深い。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

SpaceXが再々使用のドラゴン補給船を打ち上げ国際宇宙ステーションへ

SpaceXが18回目の商用補給ミッションであるCRS-18を打ち上げた。これは NASAの依頼を受けて、実験用、研究用、そして補給物資を国際宇宙ステーション(ISS)に届けるというものだ。このミッションで運ばれる荷物にはISSに装着される第2世代自動ドッキングリングであるIDA-3も含まれている。

IDA-3が装着されることで、将来宇宙ステーションを訪れる商用宇宙船が人手を煩わせずに自動的にドッキングを行うことができるようになる。CRS-18はフロリダのケープ・カナベラルから米国時間7月25日の東部標準時午後6時01分(日本標準時7月26日午前8時01分)に離陸した。

今回のミッションのために打ち上げられたドラゴン補給船には、約5000ポンド(約2300kg)の貨物が搭載されていた。またCRS-18には、Techshot(テックショット)という名の会社による3Dバイオプリンティングに使用するための有機組織や、Goodyear(グッドイヤー)によるタイヤ材料製造実験への研究材料も運んでいる。それどころかNickelodeon(ニッケルオデオン)で有名なグリーンスライム(ご想像のとおり、あのグリーンスライムだ)も持ち込まれる。これはISS米国国立研究所の担当で、宇宙飛行士たちが学生たちに流体が微小重力の下でどのように振る舞うかを教えるために利用される。

SpaceXは、前回のISS補給ミッションCRS-17で使ったFalcon 9の第1段ロケットブースターを、今回のミッションで再利用した。これは再整備されたロケットの迅速な再利用であり、最終的な目標である完全な再利用打ち上げ能力の実現が着実に近づいていることを示すサインである。今回のミッションに使われているドラゴンカプセルも、2015年4月のCRS-6と、2017年12月のCRS-13の2回にわたって使われた実績がある。

crs 18ファルコン9打ち上げをスピードアップ

CRS-18のFalcon 9の着陸の様子(2倍速)

今回の打ち上げではFalcon 9の回収も目標とされており、予定どおりケープ・カナベラルの空軍基地にあるSpaceXのLZ-1着陸ゾーンに着陸した。1段目のブースターは予定通り2段目とドラゴン補給船から切り離され、制御された降下を行って無事に地表に着陸した。打ち上げられたFalcon 9が無事回収されたのは、これで44回目である。

ドラゴンカプセルに次に控えているイベントは、7月27日に行われる予定のISSとのドッキングだ。その後、宇宙飛行士によって貨物が降ろされ、3300ポンド(約1500kg)の戻り貨物が受け取られる。この戻り貨物ははドラゴンとともに地球に戻り、太平洋への着水でミッションが締めくくられる。

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(翻訳:sako)

日本の宇宙開発企業ispaceの子会社が欧州宇宙機関による月の水探査プロジェクトに参加

日本の宇宙開発企業のispace(中国のiSpaceとは別会社)の子会社でルクセンブルクを拠点とするispace Europeは、欧州宇宙機関(ESA)が2024年〜2025年に実施する南極での水探査ミッションことPROSPECTに参加する。

PROSPECTは「Pprospecting」(展望)のクールな言い回しであるだけではない。これは「資源観測パッケージおよび探査、商業利用および輸送のための現地調査(Package for Resource Observation and in-Situ Prospecting for Exploration、Commercial exploitation and Transportation)」を意味する。具体的には、ロシアのRoscosmosによる月ミッションを利用し、ESAのペイロードを輸送するというものだ。ESAのペイロードは、常に太陽光の当たらない極にある月の水からなる氷を探すことになるだろう。

ispaceの貢献は、ミッションが取得したデータの計画、運用、解釈を支援するために選ばれた3人のメンバーを通じて、才能を証明するという形をとる。ispace Europeの宇宙・地球鉱山計画エンジニアのCalros Espejel氏は、探査の観点から現場での資源探査(将来の月ミッションにて現地の資源を利用することになる)の調査と任務とするミッションを率いる。

2010年に東京で設立されたispaceは、2018年に1億ドル以上の資金を調達しており、2020年と2021年にSpaceX(スペースX)のFalcon 9ロケットを利用した2つのミッションを予定している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

iSpaceが中国初となる衛星の民間打ち上げに成功

米国東部時間7月25日1時10分にゴビ砂漠からの打ち上げが成功したことで、中国のiSpace(あるいはStarCraft Glory Space Technology、日本のispaceとは別会社)は中国初の民間商業打ち上げ事業者となった。同社のSQX-1 Y1ロケットは2機の商業人工衛星を高度約300kmの軌道へと投入した。

打ち上げはiSpaceによって開発された固体ロケットのSQX-1 Y1によって実施され、4段式のこのロケットは重量6万8000ポンド(約31トン)で、260kgのペイロードが搭載できる。これは中国の宇宙産業にとって重要なマイルストーンであり、iSpaceはLandSpaceやOneSpaceといったまだ商業打ち上げ市場で成功していない強力なライバルを打ち負かした。

2016年10月に設立されたiSpaceは、CDH Investment、Matrix Partners China、Shunwei Capitalからの投資を含む、金額非公開のシリーズA資金調達ラウンドを6月に実施した。同社は以前、SQX-1 Y1ロケットの前モデルにて2018年に弾道飛行を成功させている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

光の力で帆走する宇宙船「LightSail2」から届いたソーラーセイルの素晴らしい展開画像

米国時間7月24日にクラウドファンディングによって資金が調達された宇宙船「LightSail 2」は、宇宙空間において効率的な飛行を可能にするために表面で光子を受け止める大きなシート状の反射素材である、マイラー(ポリエステルの一種)製のソーラーセイルを展開することに成功した。これまでは宇宙船から送られたデータによる観測だったが、LightSail 2が地上局の通信範囲に入った時に送信した新しい画像のおかげで、それが視覚的に証明された。

これらの画像と、魚眼カメラから撮影された一連の画像から生成されたアニメーションGIFは、ボクシングリング大のマイラー製セイルが展開される様子を示しており、GIF画像は実際にセイルが完全に展開された時間の100倍速となっている。これは重要なマイルストーンであり、先代のLightSaildでは達成できなかった偉業だ。今回のミッションではLightSail 2がCubeSatをソーラーセイルにより自力で推進するデモが予定されており、これは宇宙での研究におけるアクセシビリティと運用コストの両面で大きなメリットがある。

この宇宙船はジョージア工科大学の学生チームによって組み立てられ、6月のFalcon Heavyのミッションで打ち上げられた。宇宙船では展開前のテストが実施されており、惑星協会によれば戻ってきたデータは「クリップほどの重さ」と同等の太陽光の推進力により、セイルが押されていることを観測している。このわずかな力が蓄積されることで最終的には、計画通りにことが進めばLightSail 2の軌道を上昇させ、小型人工衛星に向いた推進方法の可能性を実証するだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXが次世代宇宙船開発で小休止、推進システムのテスト機StarHopperの実験失敗

SpaceX(スペースX)は、次世代宇宙船のStarshipの開発にあたり、つまづきをみせている。具体的には、Starthipの推進システムの開発に使用する小型デモテスト機のStarHopperが、テキサスのボカ・チカ・ビーチのテストサイトで実施された地面への係留なしのテスト飛行に失敗したのだ。

計画では、独自の誘導システムによる推進により、デモ機を離陸させて高度20mまで飛行させ、地上へと着陸させる。しかし実際には、ロケットは出火し煙に包まれ、消火される数分前までテスト機は上部から火を吹いていたようだ。ただし、StarHopperは比較的損傷が少ないように見えた。我々はSpaceXからの正式な回答を待っているが、彼らはテストの配信にて「中止」(Abort)であることを強調していた。

先週のスタティック・ファイア・テストにて、StarHopperは火球に包まれた。これは計画されたイベントではないが、SpaceXは後に大きな損傷はなかったと伝えた。

StarHopperは今年4月に係留状態での最初の飛行に成功し、その後は係留なしでの飛行に備えてさらなるテストを実施している。SpaceXでCEOを務めるイーロン・マスク氏は今月、係留なしでのテストが成功すれば、7月末にSpaceXの宇宙船「Starship」の計画を完全に披露する予定だとしていたが、その後のテストでいくつかの問題に直面している。

SpaceXや他の会社がこのようなテストを行う理由は、開発プロセスの早い段階で潜在的な問題を特定するためなので、それが一般的な係留なしでの飛行という「成功」でなくとも、前進していることは間違いない。

SpaceXが設計したStarshipはFalcon 9やFalcon Heavyとは異なり完全に再使用が可能な機体なので、打ち上げ費用を削減できる。同社は最終的にはStarshipをすべての打ち上げに使うつもりだが、顧客がFalcon 9やFalcon Heavyでの打ち上げを望む場合は、それを受け入れる予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXが運搬するISSの新型自動ドッキングアダプタはなぜ重要なのか

SpaceX(スペースX)は米国時間7月25日に国際宇宙ステーション(ISS)へのCRS-18補給ミッションを実施する。この輸送ミッションでの着目点は、Boeing(ボーイング)によって製造された新型のインターナショナルドッキングアダプター「IDA-3」だ。新型のドッキング・アダプターは、Boeingの「CST-100 スターライナー」やSpaceX(スペースX)の「クルー・ドラゴン」、およびそれに続くISS向けの宇宙船に向けた新しいタイプの標準ポートを提供する。

IDA-3に搭載されたこれらの新しい標準ポートとセンサーアレイのおかげで、新しいドッキングステーションはISSの宇宙飛行士の支援がなくても、新しい宇宙船と自動的にドッキングすることができる。これは大きなアップグレードで、なぜならドラゴン補給船のような宇宙船の最終的なドッキング手順では通常、宇宙飛行士が宇宙ステーションのロボットアーム「Canadarm2」を利用してカプセルをキャプチャし、最終的な接続を行っていたからだ。

実際には、これはISSに導入される自動ドッキング機能を備えた2番めの新型ドッキング・アダプタだ。最初のIDA-2は2016年に設置され、SpaceXのクルー・ドラゴンのテスト飛行の際に利用されている。このミッション「Crew Dragon Demo-1」は3月に実施され、3月3日にはIDA-2とのドッキングに成功した。

Canadarm2はIDA-3を降ろし、ISSのHarmonyモジュールに設置するのに利用され、今年後半には宇宙飛行士が船外活動で永続的に固定する予定だ。

一度設置されると、IDA-3は将来のクルーミッションにてISSのドッキング能力を2倍に拡張し、あらゆるタイプのミッションにおけるより多くの機会を提供する。

もしナンバリングが気になるのなら、実際にはIDA-1も存在していた。これは最初にISSに設置される予定だったが、2015年のSpaceXのCRS-7補給ミッションてにFalcon 9ロケットが打ち上げ後に爆発したことにより、損失したのだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テスラがフリーモント工場でModel Yの生産準備を開始

Tesla(テスラ)でCEOを務めるイーロン・マスク氏によると、同社はまもなく発売するコンパクトな電動SUV「Model Y」の生産に必要な準備をすでに開始している。マスク氏は2019年第2四半期の業績発表の冒頭コメントにて、Fremont(フリーモント)の工場で準備が始まったことに言及し、CNBCの3月の報道を認めた。

Teslaの2019年の最初の収支会見にて、マスク氏はModel Yの生産をフリーモントかネバダのGigafactory(ギガファクトリー)のどちらかに決めると発言していた。Model YはModel 3のプラットフォームをベースとしており、部品の一部を共有する予定で、生産コストの削減に役立つ。

3月に公開されたModel Yは、一見したところではModel 3と非常によく似ている。また、若干高めの車高でありながら、コンパクトSUVの範疇に収まっている。横長の15インチタッチスクリーンなど、内部の機能はModel 3と似ており、より大型のプレミアム電動SUVのModel Xのようなパノラマルーフも備えている。Model Yの価格は3万9000ドル(約420万円)からで、同モデルの航続距離は230マイル(約370キロ)。2020年秋のいずれかの時期に出荷される予定だ。

マスク氏はアナリストの質問に答えるなかで、Teslaは年末までにフリーモント工場にてModel Yを約7500台〜8000台生産できると発言している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXのドラゴン補給船によるCRS-18ミッション、天候理由に延期

アップデート:SpaceX(スペースX)は嵐が打ち上げ地点を通過することを理由に、米国時間7月24日の打ち上げを延期した。次の打ち上げ予定は明日だが、当日の天気予報は大きく変化しないことが予測されており、さらなる延期が予測される。

SpaceXは現在、フロリダのケープカナベラル空軍基地のLC-40発射施設から国際宇宙ステーション(ISS)への18回目の商業輸送ミッション(CRS-18)を、東部時間7月24日午後6時24分に予定している。このミッションでは実験や科学研究のための機器のほか、将来ISSを訪れるクルーが利用する宇宙船のドッキングプロセスを自動化する新しいドッキングアダプタも運搬される。

予定では、打ち上げの15分前からライブストリームが始まる予定だ。しかし打ち上げ前の天候状況はいいとはいえず、好天の可能性は30%であると、今週初めに第5空軍は伝えた。本日の打ち上げが延期された場合、7月25日木曜日の6時01分に予備日が用意されている。

今回のミッションで利用されるドラゴン補給船にはアポロ11号の月面着陸ミッションの50周年を記念し、宇宙船のサイドハッチ付近には「アポロ50周年」の記念グラフィックが施されている。1969年7月24日、月面着陸を成し遂げた宇宙飛行士は司令船の「コロンビア」カプセルにて、太平洋に着水したのだ。

新しい自動ドッキングモジュールの輸送は、宇宙開発プログラムの視点からもこのミッションのハイライトであるが、SpaceXにとっては別のマイルストーンがある。このミッションで利用されるFalcon 9の最初のステージはケープカナベラルのLZ-1に着陸し、またこの第1段とドラゴン補給船は再使用品なのだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

カナダの駐車場マーケットプレイス「Rover」がサブスクをテスト中

【この翻訳記事は、英語版記事を抄訳、編集したものです】

カナダのトロントに拠点を置くスタートアップのRoverは、空いている駐車スペースをリスティングしてほかの人にオンデマンドで貸すサービスを運営し、自社のサービスを「駐車場版のAirbnb」と説明している。駐車場の所有者にとっては受動的ではあるもののいくらかの収入が得られ、おそらく駐車スペースの稼働率が上がる。そのRoverが、サブスクリプションのテストをしている。

Roverはこれまで、プラットフォーム上のスポットを1回の利用ごとにオンデマンドで提供してきた。現在は初秋までの予定で、月額サブスクリプションのテストを実施している。オンデマンド価格より割引、事前予約、プレミアムな顧客サービスなど、いくつかの異なるサブスクリプションを試しているという。

Roverは現在、トロント、モントリオール、オタワで駐車スポットのサービスを提供しており、今後はカナダの西海岸へ、将来的にはカリフォルニアに進出する計画だ。

Uberは最近、配車サービス、Eats、自転車、スクーターのサブスクリプションのテストを開始した。Roverは、これはオンデマンドからサブスクリプションへという動きが広まっていることの一例だと述べている。サブスクリプションは、利用者にとっては何度も料金を支払うより便利な方法だ。しかしさまざまな業界でこのビジネスモデルが増えれば、利用者が便利さと引き換えに支払うコストの限界が試されることになるだろう。

画像:Harry How / Getty Image

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(抄訳、編集:Kaori Koyama)

Twelve SouthのStayGoはUSB-Cドックの決定版

StayGoは、MacやiOSデバイスで使える便利でユニークなアクセサリを提供しているTwelve South(トゥエルブ・サウス)から新たに発売されたUSB-Cドックだ。人気のカテゴリーであるUSB-Cドックにひと工夫加えて、優れた製品になっている。

StayGoのユニークなところは、短いUSB-CーUSB-Cケーブルが本体に収納されていることだ。ケーブルが本体に直付けになっていたら持ち運ぶのに邪魔になる。USB-Cコネクタが本体に直接取り付けられているタイプだと、バッグの中で破損したり他のものを傷つけたりする恐れがある。ケーブルはもう1本、3フィート(約90cm)のものが付属していて、出先ではMacBook、家ではデスクトップを使うといった場合に簡単につなぎかえることができる。

ちょっとしたことのように見えるが、短いケーブルを収納できると出張中や出先で仕事をするときの利便性が増す。筆者はこの種の製品をたくさん使ってきた。StayGoを1カ月ほど試用し、その間に数回の出張があった。その結果、この製品が気に入った。

ポートも使い勝手のよいものを備えている。Hi-Speed USB-A 3.0ポートが3つ、イーサネットポートが1つ、USB-Cコネクタが1つ(最大85Wのパススルー充電対応)、4K 30Hz HDMポートが1つ、SDとmicroSDの各スロット(UHS-Iの転送速度をサポートし、同時に使用可能)がある。出張先で使う人や写真家に必要なものは全部そろっているだろう。省スペースで、これさえバッグに入れておけば間に合う。

  1. TwelveSouth-StayGo-7

  2. TwelveSouth-StayGo-6

  3. TwelveSouth-StayGo-5

  4. TwelveSouth-StayGo-4

  5. TwelveSouth-StayGo-3

  6. TwelveSouth-StayGo-2

  7. TwelveSouth-StayGo-1

パフォーマンスの点でも、今のところ問題ない。撮影した写真を転送しているときにメモリカードのマウントが解除されてしまうととても困るが、StayGoは安定して動作している。不満があるとすればビデオ出力が60Hzでないことだが、ビデオ編集をするための専用のビデオ接続ではなく、出先で外部モニタを使いたいという用途なら必須ではない。

動作中にやや温かくはなるが、熱くなることはなかった。ケースがアルミニウム製なので、放熱しやすい。

価格は99.99ドル(約1万1000円)で、Amazonにあるほかのハブよりは高いかもしれない。しかし信頼性、スペック、ポート、出先でも家でも使いやすいという興味深いアプローチを考えれば、妥当な価格だろう。

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(翻訳:Kaori Koyama)

コンセプトから出荷まで、スマートブラインド開発のAxisの道のり

Axis(アクシス)は最初の製品であるAxis Gearを、Amazonならびに自社サイトで直販している。しかしこれは4年目の会社にとって比較的最近の製品だ。ほぼすべての手動巻き上げ式ブラインドを、自動化されたスマートブラインドに変えてくれる、249.00ドル(この記事を書いている時点ではセールで179.00ドル)の変換ガジェットであるGearのアイデアが、共同創業者兼CEOのTrung Pham(チュン・ファム)氏の頭に実際に浮かんだのは2014年のことだった。だが開発は翌年の初めまで始まらなかった。「ハードウェアは難しい」という格言が極めて有効であることが再確認されたのだ。

もともとファム氏のバックグラウンドはビジネスだったが、彼はずっとテクノロジーやガジェットが大好きな人物だった。最初は自分の興味を満たすことに着手したことが、結果的に彼の会社のアイデアへとたどり着いたのだ。トロントで初めてコンドミニアムに引っ越したときに、彼はスマートブラインドの市場に出会った。しかしほとんどの予算が、カウチ、ベッド、そしてテレビのような必需品に食われてしまったあとでは、スマートシェードのような贅沢品のための残高は銀行に残されていなかった(特にそれらがいくら位するかを知ったあとではなおさらだった)。

「私はテックガジェット好きで、自動シェードが欲しかったのですが、買うための余裕がありませんでした」とファム氏はインタビューで答えた。「私はデザイナーのところへ行って、本当に素晴らしいハンター・ダグラスの製品の見積もりを出してもらいました。そのとき示されたのは、1枚の窓あたり1000ドル超えの電動化オプションでした。なので、私はただ手動のシェードを選んだのです。数カ月後、本当に暑くて日差しの強い日のことでした、熱気に参った私はデザイナーを再び訪れて改めて尋ねました『やあ、今度こそシェードを電動化できるかな?今ならもう少し予算があるんだ。リビングルームをそうしたいんだけど』と。そのとき私が学んだのは、一旦シェードを取り付けてしまうと、それを電動化することはできないということでした。全部を新しいシェードに取り替えなければならないのです」。

自らの懐事情のおかげで、ファム氏は既存の大企業によって無視されてきたチャンスが市場の中にあることを知ったのだ。そしてそれは開発が難しくない技術(どちらかといえば単純なモーターと、スマートフォン部品のサプライチェーンのおかげで入手が容易なワイヤレス接続などを使う)でアプローチすることが比較的容易な問題だと考えたのだ。そして、市場の需要がそこにあった。ファム氏によれば、特に若い住宅所有者たちは住宅購入(や賃貸)に多額の費用を使い、電動シェードのような高価なアップグレードにはあまりお金を掛けないのだという。


Axisのソリューションは比較的手ごろな価格(1ユニットあたりの通常の希望価格は249ドルなので、取り付けようと思っている窓の数で価格は上がって行くが)であり、既存のシェードやブラインドすべてを置き換えなければならないということもない。ただGearと互換性があるところを必要に応じて置き換えて行けば良いだけだ(一般的なシェードとの互換性は高い)。電源オプションは2つのものから選ぶことができる、1つは通常のコンセント用のACアダプターを使うもの、あるいは使いやすい場所にコンセントがない場合には単三形充電池のバックアップ付きの太陽電池バーを使うものだ。

ファム氏は初期の投資家ミーティングで、ダイソンをインスピレーションの源として引用したときの事を説明してくれた。なぜなら彼らは、既存の産業の中で標準的で中心となっていたものに着目し、それを捨て去ってしまったからだ…具体的には掃除機のバッグを無くしてしまったということだ。彼はAxisが、スマートブラインド市場でも同様のアプローチを取っていると考えている。既存の市場は現状を維持することで過大な利益を得ているが、そこにAxisのアプローチで挑戦するのだ。さらにファム氏は、Axisは6つの特許を申請していて、そのうちの3つがその特定の技術的アプローチのために付与されていると述べている。

「私たちは、消費者の皆さんに、スマートシェードに対する認識を、もっと持ってもらいたいと思っているのです」と彼は言う。「そしてそれこそが狙い目なのです。これは大きなチャンスなのです、なにしろドアベルやサーモスタットを1つだけ購入するひとは居ません。複数のユニットを購入するのが普通です。1つか2つを買ったあと、すぐに買い増しを行ってくれるお客さまがいますし、一気に20個も買っていただけるお客さまもいらっしゃいます。各家庭に、まとめて売ることができる可能性があることで、ビジネスとしては非常に利益が期待できるのです」。

とはいえAxisが大規模な商用展開に興味を持っていないというわけではない。ファム氏によれば、「多くの商用ユーザーやホテルがテスト中」であるという。そして「米国内で、わが国最大の建築会社と一緒にプロジェクトを遂行中」であることも指摘した。とはいえ、これまでのところ、同社は消費者向け製品に焦点を絞り、顧客からのアプローチを中心に据えている。商用営業チームの構築というより厳しい仕事は計画中だ。しかし、こうしたことはAxisに将来的に、大きな機会を与える可能性がある。特に「障害を持つアメリカ人法」(Americans with Disabilities Act)のような、建物に電動シェードの設置を要求する法律上の基準に建物の管理者が準拠しようとしたときに、彼らの製品が役立つからだ。

これまでAxisは、家族や友人たちと、エンジェル投資家たちからの投資でまかない、Indiegogoのクラウドファンディングプロジェクトで最初の注文分の資金を確保してきた。ファム氏によれば、収益も販売数も前年に比べてすべて堅調であり、「これまできわめて多数の」製品を出荷できたという(彼は詳細は明かさなかった)。現在スタートアップはつなぎのささやかな資金調達ラウンドを完了させようとしているところだが、その製品ラインを拡大することを狙ってこの後シリーズAの調達ラウンドを計画している。新しい製品ラインでは互換性を最優先により広く窓を覆うことができるようにする予定だ。

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(翻訳:sako)

光の力だけで帆走する宇宙船LightSail 2が帆の展開に成功

クラウドファンディングから生まれた宇宙船「LightSail 2」は、その名に恥じず、ついに軌道上でその太陽帆を広げることに成功し、光の力だけで前進する準備ができた。マイラーでできている帆の表面が太陽からの光子を反射し、数え切れないほど多くの原子よりも小さなレベルのインパクトの累積効果により、徐々に速力を蓄える。チームによると、帆の展開は太平洋時間午前11時47分に始まり、総帆展開は太平洋時間午前11時50分に完了した。

LightSail 2は6月25日にFalcon Heavyの打ち上げに、NASAや空軍の実験器具など、さまざまなペイロードとともに便乗して発射された。この宇宙船を作ったThe Planetary Societyはビル・ナイ(Bill Nye)氏が率いる非営利団体で、宇宙探検の未来の進歩について研究している。現在の同団体の目標が、太陽帆走の実用化だ。その着想は数世紀前からあったが、何らかの実物による検証はきわめて困難だった。そのわずかな例の1つとして、2010年のJAXAのIKAROSミッションがある。

帆の総推力はびっくりするほど小さく、そしてその割には帆のサイズは大きくてボクシングのリングぐらいある。その大きな帆から得られる力は、あなたの手にとまるイエバエ程度だ。しかしそれはまた、理論的には燃料切れがありえない。そして宇宙の真空の中では摩擦がないので、時間とともにスピードは徐々に増えていく一方だ。すごい高速にもなるだろう。

The Planetary Societyのチーフサイエンティストであるブルース・ベッツ(Bruce Betts)氏は、帆の展開のライブストリーミングを見て、「計画どおりにうまくいっている」と語った。展開時の画像は、宇宙船が次に地上局との通信圏域に入った時に得られるだろう。画像が得られたら、本誌の記事もアップデートしよう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa