AIマットレスのBryteが25億円調達、商品販売からのライセンス供与へ

米国時間1月13日、BryteはARCHina Capitalが主導するシリーズAで2400万ドル(約24億9000万円)を調達したと発表した。Bryteは8000ドル(約83万円)のマットレスを消費者に直接販売していたが、今後は同社のテクノロジーを利用するマットレス業者と提携することにともない、今回の資金調達を実施した。

Bryteは提携の話がいくつか進んでいると述べている。

Bryteによれば、このピボットは常に計画の中にあった。人々の睡眠体験を向上させるという目標をライセンス供与を通じてより良いかたちで達成できると見ている。同社はコンシューマブランドを目指すのではなく、最高品質のマットレスを支えるテクノロジーを提供する方針だ。

Bryteのオリジナルの製品はRestorative Bedという製品名で、現在も購入できる。このマットレスにはセンサーとコンピュータ制御の空気式コイルが100個内蔵され、所有者の睡眠パターンを学習してそこで眠る2人に合わせて調整するプラットフォームと連携して動作する。同社は、このテクノロジーで温度や体圧がかかるポイント、部屋の環境をモニターしてマットレスを調整することにより睡眠パターンが改善されると説明する。

ユーザーは最初にマットレスのシステムの設定をいくつか選択する。システムは眠る人に合わせてシステムを調整する。毎晩眠るたびにマットレスのデータポイントが増え、設定の調整が続けられる。2〜4週間で効果が、90日以内に最適なレベルに到達することが多いという。

今回の資金調達ラウンドで、Bryteはミッションの達成にとって重要なキャッシュを得た。

このラウンドはARCHina Capitalが主導し、ARCHinaの共同創業者であるAmy Huang(エイミー・ファン)氏がBryteの経営陣に加わる。このラウンドにはAdobe共同創業者のJohn Warnock(ジョン・ワーノック)氏とRambusのプレジデントだったDave Mooring(デイブ・モーリング)氏も参加した。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Bryte資金調達睡眠

画像クレジット:Bryte

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(翻訳:Kaori Koyama)

フォードの新型EV「マスタング・マックE」に初試乗、第一印象はがっかり

これは2021年型Ford Mustang Mach-E(フォード・マスタング・マックE)スポーツSUVのレビューではない

数週間前、私はこのフォードが間もなく発売するEVに、2時間という短い時間のみ乗ることができた。わずか数時間ほど運転しただけで結論を出すのは気が引ける。マックEにはもっと時間が必要だし、フォードがこの記事を読んだ後、私はおそらく長期テストの列の最後に並ぶことになるだろう。

私がマックEと短い時間を過ごしている間に、1つのことが明らかになった。マックEはマスタングと呼ばれるべきではないし、SUVと呼ばれるべきではない。

マックEをマスタングのSUVと呼ぶことで、フォードは実体のない体験を顧客に売り込もうとしている。これは意味論による議論ではない。マックEは、伝統的な作法に則ったスポーティSUVではない。それはAudi E-Tron Sportback(アウディ・イートロン・スポーツバック)やTesla Model X(テスラ・モデルX)を見ればわかるだろう。これらはマックEに欠落しているいくつかの重要な特性を備えている。マックEが小さく、ゆるく、締まりがなく感じるのに対し、これらのSUVは頑丈で、骨太で、パワフルだ。

気になる点はいくつかある。私はヴィークルダイナミクス(車両の運動性能)に疑問を感じた。スロットルは不快感を覚えるし、リアエンドはトラクションを維持するのに苦労している。航続距離(一度の満充電で走れる距離)はライバル車に比べて劣っており、AWD(4輪駆動)バージョンはテスラの競合モデルより80kmも短い。電気自動車において、運動性能や航続距離よりも重要なことが他にあるだろうか?

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初期の印象

数週間前、私は2021年式マスタング・マックE AWDに乗って、ミシガン州南部の慣れ親しんだルートを回った。自動車ジャーナリストなら、誰もがこの地域をミシガン州の地獄と呼ぶことを知っている。だが、そんな名前とは裏腹に、原生林の広葉樹が並び、クルマが息を吹き返すような緩やかなワインディングロードが続く素敵なエリアだ。幹線道路を降りて、砂利道でちょっとしたスリルを味わうのも楽しい。しかし、このエリアはマックEには優しくなかった。

短時間のテストだったが、いくつかの印象が残っている。

マックEは、安物のクロスオーバーのようにガタガタと走る。乗り心地やハンドリングに自信も安心も感じられない。「マスタング」という名前がついていても、マックEはマスタングのようには走らない(冗談は置いといて、最新型のマスタングは素晴らしいクルマだ)。マックEは、コーナーに飛び込んで安全に立ち上がることを期待できるようなクルマではない。ボディは大きく傾き、後輪はだらしなく滑り、マスタングという名前に対する敬意は失われてしまう。

アクセルは過敏で微妙な調整がやりづらい。ペダルに足を乗せるだけで、マックEは前方に飛び出す。アクセルペダルを戻すと積極的に作動する回生ブレーキと相まって、マックEの運転には慣れが必要だ。パワートレインは気力が感じられない。電気自動車には洗練させるための修練が必要だ。電気モーターは滑らかに、そしてドライバーの予想どおりにパワーを供給する必要がある。威圧することなく、ドライバーに興奮と自信を感じさせなければならない。難しい公式であり、最初から正解を導き出せる自動車メーカーはほとんどない。

運転してすぐに、AWDのマックEのハンドリングの酷さに困惑させられた。最近のEVは、運転しても安定しているが退屈なものが多い。しかしマックEは違う。リアエンドは乗用車にしては元気が良すぎる。かといってスポーティな性格というわけでもない。これでは単に粗雑で無頓着なだけだ。普通の交差点を曲がるだけで簡単にタイヤが滑ってしまう。アクセルペダルを踏み込んで車輪を回転させようとすると、後輪が空転しないように頻繁にトラクションコントロールが作動する。

マックEをスポーティなクルマと言い張ることで、フォードは自らの技術力以上のものを顧客に期待させようとしているのだ。だが、ドライバーがマックEの性能面に向き合うと、緩みが生じてしまう。私がマックEに試乗していた時、普通にコーナーを回っているのに後輪が予想外の挙動をしたり、車幅が広すぎると感じることが何度かあった。これはスピードが上がるとさらに誇張される。AWDシステムが雪や氷にどれだけ対応できるかも気がかりだ。私が試乗中に、砂利の上で何度か苦労したからだ。

試乗後、フォードのエンジニアにオーバーステアがあまりにも強いことについて尋ねると、彼は「ああ、そんな運転をした場合にはね」と答えた。それが引っかかったのは、私は自分のせいではないと思うからだ。私はミシガン州アナーバー周辺で、マックEを特にアグレッシブに走らせたわけではない。しかも路面は乾いていた。それなのに、私の短いドライブの間に、何度かトラクションコントロールが作動した。そんなことはあってはならないはずだ。

マックEは、真っ直ぐ走る分にはずっと良かった。加速は速い。アクセルペダルを床まで踏み込むと、マックEは後ろ足で路面を蹴り、勢いよく前方に飛び出す。テスラより速いかって?それはない。だが、それでもこの価格帯のクルマの中では一番速いし、信号が変わって発進する際に隣車線のクルマを置き去りにすることは容易だろう。

マックEには3つのドライブモードが用意されている。標準モードとエコノミーモードでは、粗雑で扱いにくい印象のあるパフォーマンスモードよりも、より洗練された秩序に基づいてパワーが供給される。どのモードでも、積極的に回生ブレーキを利用して、いわゆる「ワンペダル走行」(ブレーキペダルを使わず、アクセルペダルの開閉だけで加減速をまかなう走り方)が可能だ。

航続距離もマックEで考慮すべき要素の1つだ。EPA(米国環境保護庁)による推定航続距離は、テスラ Model Y(モデルY)のAWDバージョンが326マイル(約524.6km)であるのに対し、マックEのAWD仕様は最大270マイル(約434.5km)に過ぎない。

今回のような短いテストでは、マックEのバッテリーが現実の路上でどのくらいの距離を走れるかについて、判断を下すことはできない。それにはもっと長い時間、日常的にマックEと過ごし、街中と長距離の両方を含む様々な状況で実際に走らせる必要がある。私が報告できるのは、2時間のドライブの結果だけだ。その際に私は、1kWの電力で平均2.7マイル(約4.3km)の距離を走行した。クルマを返却した時、あと112マイル(約180.2km)の距離が走行可能と表示されており、バッテリー残量は56%だった。私が試乗したのは、容量88kWhのエクステンド・レンジ・バッテリー(標準バッテリーは68kWh)を搭載したAWDモデルだったが、EPAとフォードによると、このバージョンのマックEは1度の充電で270マイル(約434.5km)の距離を走行できるとされている。

マックEの価格設定は、4万2895ドル(約444.2万円)からと競争力がある。AWD+エクステンド・レンジ・バッテリー搭載バージョンは5万4700ドル(約566.5万円)からで、オプションを付ければさらに高くなる。米国の購入者のほとんどは、7500ドル(約77.7万円)の税額控除を受けることができる。テスラ Model 3(モデル3)は3万7990ドル(約393.4万円)から。ロングレンジAWDのModel 3は4万6990ドル(約486.7万円)から、クロスオーバーのModel Y(モデルY)は4万9990ドル(約517.7万円)からだ。

競合他社にも不利な面がある。テスラのModel 3とModel Yは、クラストップの航続距離を誇る斬新なクルマだが、製造品質に疑問が残るなど、欠点がないわけではない。他にもPolestar 2(ポールスター2)のような素晴らしいクルマはあるが、航続距離が短く、価格も5万9900ドル(約620.4万円)からと高い。

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マックEのインテリアは素晴らしい。だが、それで驚くことはなかった。フォードはそのクラスで最も美しいインテリアをいくつか作っているからだ。マックEの車内もとても素敵だ。

ほとんどのEVと同様に、フォードは伝統的な自動車の部品を現代的な同等品に置き換えるという大きなステップに踏み出した。メーターパネルの代わりに、小さな細長い液晶画面がドライバーの前に装備されている。高級感があり効率的だ。センタースタックには、メディアの再生や空調コントロール用の大型LCDスクリーンが設置されている。スクリーンの下部には回転するノブが取り付けられており、物理的な操作で音量調節が可能だ。私はこのボリュームノブがとても気に入った

シートも問題なさそうだ。私は2時間しか座っていないが。

車内は少し窮屈だが、小型クロスオーバーとしては許容範囲。ドライバーはコマンダーポジションと呼ばれる高い位置に座るので、これがこのSUVを選ぶ理由になるかもしれない。大人2人が座れる後部座席は、街中を巡る小旅行には最適だが、足元のスペースが不足しているので、長時間座っていたいとは思わない。

マックEの車内にはいくつかの楽しい装備も見られるが、私にはそれよりも運動性能に対する不満の方が大きかった。オーナーは自分のスマートフォンをクルマのキーとして使用でき、よくできたロードトリップマップのアプリを使ってドライブ前にナビゲーションルートを設定しておくことができる。ドアはボタン操作で開閉可能。それによってドアノブのないすっきりしたエクステリアを実現している。フォードはさらに、無線アップデートでハンズフリー運転機能も追加するという。しかし、これらの項目はほとんど重要ではない。残念な味のケーキを食べたとき、誰がその飾り付けを気にするだろうか?

長すぎて読む気がしない人へ

私はマックEに乗れることに興奮し、楽観的な気分で短い試乗に臨んだ。だが、私のこのクルマに対する第一印象は悪かった。私にとって、このフォード・マックEは、電気自動車の楽しさを、慣れ親しんだ車名と伝統ある自動車メーカーを通じて、大衆に届ける存在であるはずだった。私はミシガンに住んでいるフォードファンであり、地元の誇りを持ってマックEの開発を見てきた。それなのに、がっかりだ。

現時点では、私は自分の第一印象に基づき、消費者がフォード・マスタング・マックEを購入する前に、競合他車を試すように勧めすることしかできない。私はこのクルマがテスラよりも十分に買う価値があるとは思えない。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:フォード電気自動車Mustang Mach-Eレビュー

画像クレジット:Matt Burns

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(翻訳:TechCrunch Japan)

人気の宇宙船での人狼「Among Us」がNintendo Switchにやってきた

これはびっくり!「Among Us(アマング・アス)」がNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)に5ドル(日本では税込520円)でやってきた。Switchバージョンにはクロスプラットフォームプレイ機能があり、PC、モバイル、Switchのプレーヤーが一緒にゲームをプレイできる。

このヒットゲームは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック中に予想外のヒットとなった後、このゲーミングプラットフォームに登場した。2018年に公開された「Among Us」は、パンデミックの初期に熱心なユーザーを集め、現在も人気は上昇を続けている。

うちの子どもたちも、この瞬間にプレイしている可能性も十分ある。

このニュースは、任天堂が小さな会社のタイトルを紹介する配信映像であるIndie World Showcaseの最新号に掲載された。同社はこのタイトルをプレゼンテーションの最後に残していた。それも当然。「Among Us」は間違いなく現在、最もホットなタイトルの1つであり、あらゆるプラットフォームのゲーマーをひきつけているからだ。選挙前、Alexandria Ocasio-Cortez(アレクサンドリア・オカシオ・コルテス)下院議員はこのゲームを有権者を投票所に呼ぶためのプラットフォームとして利用しており、一時は同時ビュアーが43万5000人いた。

ゲームの価格は5.00ドル(日本では税込520円)で、現在NintendoのeShopからデジタル購入できる。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Among USNitendo Switch

画像クレジット:Among Us

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

置き場所を問わないワイヤレス充電パッドのAiraに車両パーツサプライヤーのMothersonが戦略投資

Aira(アイラ)は、最もエキサイティングなワイヤレス充電イノベーションの1つを手がけている企業だ。そしていま、同社のテクノロジーが車両に搭載されようとしている。Airaはグローバルでも有数の車パーツサプライヤーであるMotherson(マザーソン)からの戦略投資を発表した。

Airaのテクノロジーを使って企業はより良いワイヤレスチャージャーを作ることができる。ユーザーがワイヤレス充電で特定の場所を使用することを余儀なくされる代わりに、Airaのテクノロジーではユーザーは表面のどこにでもデバイスを置くことができる。NomadのBase Station Proを支え、そして開発が中止されたApple(アップル)のAirPower充電ステーションがうたった機能を満たすマジックの技術だ。

「Mothersonは世界最大、そして最も前向き思考の車部品サプライヤーです。我々はワイヤレス充電のエクスペリエンスと車両のバリュープロポジションを高めるという目標を共有しています」とAiraの共同創業者でCEOのJake Slatnick(ジェイク・スラトニック)氏は話した。「Mothersonが持つ専門性と繋がりは、検証済みで認証された車両向けワイヤレス充電モジュールを世界中で提供する取り組みを大きく前進させるでしょう」。

戦略投資を通じて、MothersonとAiraは車両向け充電モジュールを開発・製造・供給する。どの車に搭載されるのか?これら充電モジュールを車両に組み込むことを契約した自動車メーカーがいるかどうかは現時点では不明だ。

Airaのソリューションは、自動車産業で現在見られる充電パッドへの歓迎されるアップグレードとなるかもしれない。デスクトップで使用するものと同じように、今日車両に搭載されている充電パッドでは、ユーザーが特定の場所にデバイスを置かなければならない。パッド上にデバイスをキープすることすらクルマが動いているときは難しい。一部のメーカーは、スマホを特定の場所にキープするためにクリップをデザインに加えたりもした。Airaのテクノロジーではより大きなパッドにさほど正確に置かなくても充電できるようになるはずで、これは車内使用に向いているだろう。

「我々の核となるミッションは世界の車メーカーや主要サプライヤー向けに最善のテクノロジーソリューションを見つけて提供することです」とMotherson Innovationsの事業開発担当グローバルディレクターであるEdward Saenz de Viteri(エドワード・サエンズ・デ・ヴィテリ)氏は説明した。「FreePowerは車載ワイヤレス充電向けの最高のQiソリューションだと確信しています。すでにコンシューマデバイスでうまくいっていて、車への応用で得られるメリットはさらに大きなものです。Airaの置き場所を問わないテクノロジーを車載ワイヤレスチャージャーのグローバル基準にすることを楽しみにしています」。

投資の取引条件は明らかにされなかった。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:AiraMotherson充電器投資

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(翻訳:Mizoguchi

新型EVフォードマスタングMach-Eを体験、まずはタッチスクリーンの「ボリュームノブ」に感心

2021年型フォードマスタングMach-Eには巨大なタッチスクリーンが搭載されており、その下部にはボリュームコントロール用の大きなノブがある。私はこれがとても気に入った。タッチスクリーン上に、物理的なノブが備わっているのだ。それをひねって!回す!ひねるとカチッと手応えがある。このノブはタッチスクリーンのスライダーバーよりもはるかに使い勝手がよい。私は他の自動車メーカーに、フォードの先導に従うことを強くお勧めしたい。このノブは驚くほどシンプルなソリューションだ。

このノブの裏にはタッチスクリーンが感応する小さな帯が仕込まれており、ノブを回すとその部分がスクリーン上でドラッグされる。人間がタッチスクリーン上のスライダーを指で触れて操作したかのように、システムを騙すのだ。私が知る限り、このノブはスクリーンに接着されたプラスチックのパーツに過ぎない。

フォードがマスタングMach-Eに搭載したシステムは、巨大なタッチスクリーンと優れたユーザーインターフェースの間の幸せな妥協点である。ユーザーは回転するノブの恩恵を受けることができるが、フォードはそのために物理的な部品を追加で製作したり設置したりする必要がない。私の経験によれば、ボリュームのコントロールには知覚できるようなラグはなく、非常にうまく機能する。回転させれば音量を変更できるし、中央のボタンを押せばオーディオをミュートできる。思った通りに操作できるというのは、優れたデザインである証だ。

オーディオの音量は、回転するノブやダイヤル、ホイールで操作するべきである。議論の余地はない。

自動車メーカーは長い間、何度となくこれに替わるボリュームコントロールを導入してきたが、私はまだシンプルなノブより使いやすいものを見たことがない。

BMWは車内でジェスチャーコントロールを採用している。センタースタックの上に手を置き、片方の指を突き出して空中に円を描く。確かにこれはちゃんと機能する。私はいくつかの点でこのジェスチャーコントロールを良いと思う(未訳記事)が、しかし音量を変えるために指を回していると、馬鹿みたいに感じる時がある。

他にキャデラックなどの自動車メーカーは、音量をコントロールするためにタッチ感応式のスライダーバーを採用してきた。しかし、そのほとんどの自動車メーカーは、いくつかの理由からこのデザインを放棄してしまった。コントロール用のタッチスライダーはダッシュボードの表面に埋め込まれていることが多く、触れてもユーザーにフィードバックを返さない。また、システムの反応も遅いことが多く、イライラするばかりでちっともおもしろくない。

ありがたいことに、最近のほとんどのクルマには、メインのボリュームノブのほかに、ステアリングホイールにオーディオのコントロールが装備されている。回転するホイール式もあれば、上下ボタンを押して操作するものもあるが、私は明らかに回転ホイール派だ。

車内にタッチスクリーンが普及し始めると、より多くの自動車メーカーがボリュームのコントロールを画面上のスライドバーで行わせようとした。多くの場合、物理的なボタンよりもタッチスクリーンを使う方が安価だからだ。しかし、操作性は決して優れているわけではない。現在、ほとんどの自動車メーカーはインタラクティブなコンテンツを画面に表示し、音量とミュートのためのノブをダッシュボードの別の場所に設置するようになっている。

2021年型フォード マスタングMach-Eは運転するとどうだったかって?それは数日後まで話すことはできない。

ところでこの記事では、私に割り当てられた1カ月分の「ノブ」という言葉を消費してしまったことに留意していただきたい。全部で14回もこの言葉を使ってしまった。申し訳ない。

カテゴリー:モビリティ
タグ:フォード電気自動車Mustang Mach-Eレビュー

画像クレジット:Matt Burns

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(翻訳:TechCrunch Japan)

焚き火の代わりに2020年の嫌なことを燃やすインタラクティブなライブ配信を観よう

ホリデーシーズンが迫る中、ストレスや不安、不平の声が聞こえてくる。2020年はさらにひどかった。暖炉の中で木が燃えるのを見る代わりに、私たちは家の中で世界が燃えるのを見ている。

虚空に向かって叫ぶのではなく、このインタラクティブなゴミ箱の火を試してみるのはどうだろう。やり方は簡単だ。メモや写真をメールで送るだけで、あなたの不安を燃やしてくれる。これによりカタルシスを感じることができるが、時間はかかる。私はメールを送ってから約20分間、それが燃えるのを待っている。

家族と、あるいは猫と一緒に。新型コロナウイルス(COVID-19)を焼き、政治を燃やす。あなたのQAnon(アメリカの陰謀論)好きなおじさんの写真を送ろう。火はすべてを燃やしてくれる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Dumpsterfire

画像クレジット:Dumpsterfire.email

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

EPA発表のフォードMustang Mach-Eの走行距離は340〜483kmと平凡な結果

EPA(米環境保護庁)はMustang Mach-E(マスタング・マッハ-E)に関する調査結果を発表したが、そこには良いニュースと悪いニュースが混在していた。モデルによって異なるが、EPAによれば、Mach-Eの走行距離は211マイル(約340km)から300マイル(約483km)の範囲に収まるとのこと。Mach-Eの走行距離はFord(フォード)が提示したものと一致しており、EPAがそれを認めた形になった。だがその一方で、この数値はライバルとなる他メーカーの車種をずいぶん下回るため、競争の激しい電気自動車市場では劣勢になるという問題がある。Fordは9月にMach-Eを値下げしている。

Mach-Eには、標準レンジと延長レンジの2タイプのパワートレーンがある。どちらも、オプションでデュアルモーターの全輪駆動仕様が選べる。延長レンジでは、走行距離が60〜70マイル(約70〜113km)延長される。このオプションを選択すれば、全輪駆動仕様で270マイル(約435km)、後輪駆動仕様で300マイル(約483km)走れるようになる。標準レンジでは、全輪駆動仕様が211マイル(約340km)、後輪駆動仕様が230マイル(約370km)だ。

これらの数値は、フォードがMach-Eで目標にしていたものとほぼ一致しており、同メーカーの技術力を向上が伺える。

だが、後輪駆動モデルの300マイルという最高の値ですら、Mach-EはTesla(テスラ)Model 3の走行距離を大きく下回る。Mustang Mach-Eと同等の価格でありながら、Model 3は400マイル(約644km)走ることができる。Mach-Eにより近いライバルとなるModel Yも、やはり走行距離で秀でている。デュアルモーターで全輪駆動というこのTeslaのクロスオーバーモデルは、同じ仕様のMach-Eの270マイル(約435km)に対して、最大走行距離が326マイル(約525km)と長い。

Mustang Mach-Eはフォード初となる主力電気自動車だ。予約していた人たちには12月から納車が開始される。この車両は、ますます競争が激しくなる分野に投入されようとしている。TeslaとともにMustang Mach-Eは、夢のようなPolestar(ポールスター)2やAudi(アウディ)の車種を増やしつつある電気自動車ラインアップ、Kia(起亜)やHyndai(現代)のお手頃なクロスオーバーなどと対抗して販売を伸ばさなければならない。あるものはこの同社初の電気自動車よりも走行距離が長く、あるものは価格が安い。

Mustang Mach-Eは、フォードによる電気自動車の最初の提案に過ぎない。走行距離がマーケットリーダーよりも劣ることは、同社も承知していたはずだ。目標は、楽しくて手頃な価格のフォード製電気自動車の「馬小屋」を立ち上げることのようだ。だとすれば、走行距離は短いものの、Mach-Eはその役割を果たしている。

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カテゴリー:モビリティ
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画像クレジット:Ford

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(翻訳:金井哲夫)

新型Mac mini: 高性能で低価格なデスクトップMacの復活

最新のMac miniに小さなところはない。

Mac miniの小さなサイズや価格の安さを気にすることはない。この小さなデスクトップは、Appleの新しいチップセットのおかげで、ほとんどのユーザーにとって革命的な存在となった。M1と呼ばれるこのチッププラットフォームは、Appleのデスクトップコンピュータやポータブルコンピュータの心臓部に長年搭載されてきたIntel CPUに取って代わるものであり、その仕上がりは素晴らしいものになった。

M1 Mac miniの使い心地は、まるで新しいiPadやiPhoneを使っているような感覚だ。すべてが満足のいく形で、あるべきところに当てはまる。私は試用機が遅くなるのをずっと待っていたが、1週間近く経った今も、使い始めた日と同じくらい速い。新型Mac miniは驚異的だ。ほとんどのユーザーは既存のMacコンピュータが大幅にアップグレードしたとわかるだろう。価格は関係なく、これに勝てるマシンはほとんどない。

カジュアルなユーザー、つまりWebブラウザやAppleのアプリを使って生活している人にとって、Mac miniは文句なしの選択肢である。私が自分のために買うデスクトップということだ。パワーユーザー、つまり専用アプリケーションを使う人にとっても、Mac miniは真剣に検討すべき製品だ。主要なアプリケーションのほとんどは、新しいMac miniで十分に使える。特に、写真やビデオなどを扱うクリエイティブなアプリケーションには最適だ。

Mac miniは、Macのラインナップの中でも、長い間忘れ去られた存在だった。ほとんどアップデートされず、プロモーションもされず、何年もベンチを温めながら、Appleのポータブル機器がアップデートやモデルチェンジを繰り返し、世の中がモバイル化するのを眺めてきた。しかし今、我々は終わりのないパンデミックの真っ只中にいる。コーヒーショップが閉店し、出張が制限される中、COVID-19の危機はデスクトップコンピュータの再発見につながるかもしれない。

M1を搭載したMac miniは勝ち組だ。

レビュー

はじめに知っておくべきことがいくつかある。1つは、新しいMac miniがM1 SoCを搭載しており、Intelの先代モデルとは根本的に異なるということ。CPUの代わりにSoC(System on a Chip)を採用することには利点と譲歩がある。このチップセットはARMの設計を中心に構築されており、CPUよりも多くのコンポーネントが統合されている。多くの点において、従来のコンピュータで使用されているチップよりもスマートフォンやタブレットに使われているシステムに近い。この設計のため、これまで別々だったコンポーネントが、今ではチップに直接統合されている。

2つめ。Appleは私にテスト用のMac miniと共に6K 32インチのPro Display XDRを提供してくれた(これらはAppleに返却される)。私自身が所有する24インチのディスプレイもHDMI経由で稼働させている。Mac miniの製品ページによると、モニターは2台まで接続できるとのこと。サードパーティ製のソフトウェアを使って3台目のモニターをつなぐこともできたが、不安定なので使えるとは考えない方がいいだろう。

そして3つめ。TechCrunchでは新しい13インチMacBook Air13インチMacBook Proもレビューしている。これらのシステムを同じ条件でベンチマークを行い、ユニット間の違いを確かめた。

我々のテストでは、AppleのM1 system on a chip(SoC)が価格に関わらずライバルを上回ることがわかった。M1を中核に搭載するMac miniは、超高価なMac Proを除くすべてのApple製コンピュータよりも、ほとんどの点において高速で、ときにはMac Proよりも高速だ。さらに、このパフォーマンスの向上は、専用に作られたアプリケーション上のコンピューティングタスクに限らず、システム全体で顕著に現れている。このシステムはサクサクと動作し反応がよく、コンピューティングの新時代の幕開けのように感じられる。

新たなMac体験

新しいMac miniの体験をサクサクという言葉では表現しきれない。このシステムは爆速だ。ユーザーは起動時間からアプリケーションの起動までの速さも向上していることにすぐ気付くだろう。これまでは、パワフルなマシンでも、macOSはiOSに比べて重く感じたが、もうそんなことはない。M1チップとmacOS(Big Sur)の組み合わせは、軽くて自由で、使うのが楽しい。

さらに良いことに、ARMベースのM1チップによって、MacでiOSアプリを実行することが可能になった。MacでもiPadと同じようにスムーズに動作する。

Intelの入っていない新しいMacを受け入れることに、躊躇する人もいるかもしれない。いま使っているインテルチップ用のレガシー・アプリは新しいMacで動くだろうか? 快適に使えるだろうか? すべての可能性に答えることはできない。私は数日の間に十数本のアプリをこの新しいシステムにインストールして動かしてみたが、障害を経験したことは一度もなかった。 旧いプログラムを使っても、すべてが宣伝文句通りに動作し、ほとんどの場合は数ヶ月前に使っていた15インチのMacBook Proより、このM1搭載Mac miniの方が快適に動いた。新しいプラットフォームで実行できないアプリケーションは1つも見つからなかった。

最大の速度向上は、M1プロセッサ用のネイティブ・アプリケーションを使っているとき、最も顕著に現れる。AppleのFinal Cut Proでは、アプリケーションの読み込みは一瞬にして行われ、ボタンを押してから起動して使えるようになるまで、わずか2秒しか掛からなかった。

M1チップを使ってネイティブのFinal Cut Proアプリで8K映像を編集するのは、Intel Macで4K映像を編集する時よりも苦痛が少ない。しかし、ファイルの書き出しにはまだ時間が掛かる。これはIntelのプラットフォームがM1を上回る数少ない作業のひとつだ。

レガシーなソフトウェアを使っているときも、システムは軽々と処理をこなした。Photoshopでの編集はより円滑に感じられた。Lightroomではフォトアルバムの読み込み速度が上がり、なんの面倒もなかった。Premiereでのビデオ編集は、6Kの映像をスクラブしながら編集するのも簡単で苦ではない。ファイルの解凍さえもはるかに速くなった。

Image Credits: Matt Burns

くだらないデモだが、上のGIFを見てほしい。アプリケーションが瞬時に起動するのが分かるだろう。ほとんどすべてのアプリが同時に起動する。AppleがBig Surにもビーチボールを組み込んでいるとしても、私はまだそれを見つけていない。

M1チップはARMの設計をベースにしているため、Appleはこの新しいコンピューティングプラットフォーム上で動作するようにmacOSを作り直す必要があった。見た目はほとんど同じだが、Big SurはApple独自のシリコン用に作られている。再設計されたチップを最大限に活用するためには、アプリケーションをArmフレンドリーな設計になるようにコードを書き換えなければならない。にもかかわらず、意外なことがわかった。AppleのRosetta 2はIntelプラットフォーム用にエンコードされたソフトウェアを、新しいAppleのプラットフォーム上で動作させ、M1のパワーを活用することができるのだ。

ほとんどの用途では、このハードウェアとソフトウェアを総合的に構築するアプローチは、大きなメリットをもたらす。一般的なシステムレベルのタスク、例えばアプリの起動、スリープ状態からの復帰、ファイルの解凍などは一瞬で実行される。ビデオのレンダリングや写真の編集など、その他の処理も同様に高速だ。音楽や写真、Safariまで、新しいMacの発売時にはすべてのApple製アプリケーションがM1用に再エンコードされている。Adobeなど他社製アプリケーションの多くは、まだネイティブではないが、旧いバージョンでも問題なく動作し、そして多くの場合、IntelプラットフォームよりもM1の方が快適に動くのだ。

M1プラットフォームには専用のグラフィック処理ユニットがない。チップのコアに内蔵されているのだ。機械学習専用メモリのおかげで、ディスクリートGPUがないことは、プロのユーザーでもほとんど気にならないだろう。それでも、集中的なグラフィックス作業を行う人(プロのgfxビジュアルアーティストのような)は躊躇するに違いない。しかしそれも、アプリケーションが新しいARMアーキテクチャにネイティブになれば、この結論は変わるかもしれない。

M1はまた、eGPU(外部グラフィックスカード)を使用する機能を持たないが、ほとんどのユーザーは心配する必要はない。IntelベースのMac miniと強力なeGPUの組み合わせが、Mac Proの代わりになる低価格で有用な選択肢だと感じていたプロにとっては問題かもしれない。しかし、我々のテストによると、これらのM1システムのGPU性能は素晴らしく、クリエイティブなメディア編集アプリケーションにおいてさえ、ほとんどの人には十分な性能を発揮する。

一般的なワークフローに加え、システムがどれだけ反応するかを確認するため、いくつかのベンチマークを実行してみた。さらに一歩進んで、Appleの最上位システムと、新しい13インチのMacBook Airや13インチのMacBook Proとの間のパフォーマンスをチャートにした。

ベンチマークは時に結果を単純化しすぎてしまうことがあるが、それでも必要なテストである。これによって、様々なシステムを同じ環境で比較することができるからだ。複数のテスト結果を見たところ、結果は同じだった。M1は本当に優れている。

新しいMacのラインナップ

Mac miniには2つの兄弟モデルが存在する。Appleの13インチMacBook Airと13インチMacBook ProにもM1が搭載されているからだ。その性能の差は僅かだ。3台すべてが同じコンピューティングプラットフォームを採用しているが、MacBook ProとMac miniは冷却方式が異なる。これら2モデルは冷却性能が改善されているため、MacBook Airよりも持続的なパフォーマンスを発揮するのに適している。

我々のテストでは、3つのマシンはすべて同じようなパフォーマンスを見せた。Airは長時間のテストで低下し始めたが、これはファンを搭載せずパッシブ冷却を採用していることが原因だと思われる。MacBook ProとMiniのSoCはファンで冷却されるが、Airではヒートシンクが使われているのだ。

これにどれほどの意味があるだろうか。Airのパフォーマンスは長時間の集中的なタスクの間だけ遅くなるものの、ほとんどのユーザーにとって十分に高性能だ。ウェブの閲覧、写真の編集、動画の視聴といった仕事なら、Airは完璧にこなす。

新しいMac miniには、Intel製の兄弟モデルと比べて1つだけ欠点がある。M1 Mac miniは、Thunderbolt 3入力ポートを2つしか搭載していないのだ。ユーザーによってはこれを受け入れられない人もいるだろうが、私はそうではない。Mac miniのThunderbolt機能を拡張する方法は数え切れないほどあるし、私にとっては、そのパフォーマンスはポート数の制限を補って余りあるものだ。

また、M1 Mac miniには10GBのEthernetも搭載されていないため、サーバーとして活用したいユーザーの希望は叶えられない。これもM1の制限である可能性が高く、将来のチップセットの改訂で対応されることを期待したい。

マルチモニター対応は、M1 Mac miniの大きな欠点だ。1台はThunderbolt経由で、もう1台はHDMI経由で接続するしかないため、合計で2台のモニタしか使えない。サードパーティ製のソフトウェアを使えば3台目のモニターを低解像度で動作させることができたが、不安定でパフォーマンスも低かった。私を含む一部の人にとって、マルチモニター対応は大きな問題であり、2台のモニターでは十分ではないことが多いのだ。

ベンチマーク

AppleはM1を搭載したコンピュータを宣伝する際、チップセットについていくつか突拍子もない主張をした。しかし、その主張のほとんどは事実であることがわかった。我々はM1システムでいくつかのベンチマークを実行し、Mac Proを含む最新のMacと比較してみた。

ベンチマークは大雑把な表現で描かれるため、微妙なニュアンスを見逃してしまうことがよくある。ここでもそれが当てはまる。最初の数回のベンチマークではM1の速さが実証されているが、最終テストではFinal Cut Proの重要な側面を捉えきれていない。確かに、インテルベースのシステムよりも書き出しは遅いが、M1ネイティブバージョンのFinal Cut Proを使うと、旧いシステムよりもずっとスムーズに作業が行える。8K映像の操作、スクラブ、編集も、何の支障もなく簡単にできる。レンダリングはインテル版より時間がかかるものの、編集はずっと楽にできるだろう。

Image Credits: TechCrunch

このテストではXcode 12.3ベータをダウンロードし、その解凍時間を比較した。11.57GBのファイルを解凍すると28.86GBのフォルダになった。バーが低い方が優れている。

Image Credits: TechCrunch

次にWebKitをコンパイルしてその時間を計測した。バーが低い方が優れている。

Image Credits: TechCrunch

Image Credits: TechCrunch

Geekbenchを使って2つのテストを行った。1つはRosetta 2を使ってレガシー・アプリケーションを実行したときのシステムのパワーを実証するもの。もう1つはM1ネイティブモードでGeekbenchを実行し、Apple Siliconの実力をテストした。バーが高い方が優れている。

Image Credits: TechCrunch

Final Cut Proでは、8K動画(80GB)のレンダリングに要する時間を計測した。バーが低い方が優れている。

結論

長所

  • 価格の割には画期的な性能
  • レガシー(Intel)アプリやiOSアプリを簡単に実行できる
  • 排熱と静粛性に優れている

 

短所

  • モニターを2台しか接続できない
  • eGPUに対応しない
  • 2つしかないThunderbolt 3ポート

テストしたMac miniのスペック

  • 8コアCPUと8コアGPUを持つApple M1チップ
  • 16コアのNeural Engine
  • 16GB ユニファイドメモリ
  • 1TB SSD ストレージ
  • Gigabit Ethernet
  • テスト機の価格:$1299(同仕様の日本価格:13万2800円)

新しいMac miniは素晴らしいマシンで、静かな復活の始まりのように感じられる。別の時代にはAppleは信頼できる適正価格のデスクトップで知られていたが、その言葉はこのMac miniにもそのまま当てはまる。

長年Mac miniを愛用してきた私は、デスクワーカーのための素晴らしい選択肢として、Mac miniを再び見ることができて興奮を抑えられない。

M1チップセットにより、Appleはパーソナルコンピュータの長い歴史の中で新たな章を歩み始めた。このチップセットは、優れたパフォーマンスを小さくて電力効率に優れたパッケージで提供することで、コンピューティングのパラダイムを再定義した。Mac miniでは、M1はMacのデスクトップ機に新しい体験を提供する安定した馬車馬として輝きを放っている。新しいMacBook AirMacBook Proでは、M1は従来よりも大幅に長いバッテリー駆動時間と安定した性能を発揮する。これらのレビューはこちらこちらでご覧いただきたい。

新しいMac miniを買うべきか? デスクにかじりついている人ならそうするべき。新しいMac miniは最高だ。

 

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Apple M1チップ搭載の新MacはeGPUをサポートせず

Apple(アップル)は米国時間11月10日のイベント(未訳記事)で、同社初のMacハードウェア向きの自社開発プロセッサーを発表した。「M1」と呼ばれるそのシステムオンチップ(SoC)は、IntelではなくArmアーキテクチャーに基づいている。これは非常に大きな切り替えであり、発表のほとぼりが冷めるにつれ、新しいMacBook AirMacBook ProおよびMac Miniのオプションに関する詳細が明らかになってきた。

TechCrunchは、最初のApple Silicon MacはeGPUをサポートしないという情報を得た。正確にどこからの非互換なのかははっきりしない。M1チップ自身がeGPUと仲良くできないのか、この日発表された3台の新型Macに関する何かなのか。

以前から消費者は、メモリー負荷の高い作業を劇的に高速化するために外付けグラフィックカードに頼ってきた。eGPUは、ノートパソコンや性能不足のデスクトップに同じ体重物階級で抜きん出た力を与えることができる。中でも、アップルの過去のノートパソコンは十分なRAMとCPU性能を持ちながらグラフィック処理能力が不足しているといわれてきた。そこでユーザーは、旧世代Mac miniに拡張RAMとeGPUを加えることでMac Proに匹敵する性能をわずかな価格で手に入れられることを発見した。しかしながらさきほど発表されたMacではいまのところ不可能だ。

本日のM1発表の中で、アップルの広報担当者はチップに統合されたGPUを繰り返し称賛したが、詳しい技術仕様は明らかにしなかった。この日発表されたバージョンのM1は7または8コアで、同社によると同等のPC向けGPUと比べて2倍のGPU性能を33%の消費電力で実現するという。これが本当なら(チップのベンチマークが終わればわかる)、このM1はモバイルチップとしては本格的なGPU性能を有することになるが、専用外付けグラフィックカードとは比較にならないため、見捨てられたと感じるユーザーもいるだろう。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleApple SiliconMacApple Mac EventApple M1

画像クレジット:Apple

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

大麻株がバイデン氏勝利で高値更新中

カナビス(大麻)は米国選挙で大きな勝利を得た。業界各社の株価は選挙結果と最新の収益両方によって高騰している。Canopy Growth Corporation(キャノピー・グロース)やTilray(ティルレイ)、Aurora Cannabis(オーロラ・カナビス)などの企業は、業界の吉報が増えるにつれ時間外取引で高値をつけている。

市場が正式に始まる前に2桁の伸びを見せている会社もある。Aurora Cannabisは本稿執筆時点で50%以上値上がりしている。これは、有望な新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンのニュースに世界の株式市場指標が爆発している中の出来事だ。

Aurora Cannabis、Tilray、Canopy Growth Corporation各社の最新決算報告は、業界改革の実態をよく表している。パンデミック下、各社は大麻への関心が高まる中で労働力コスト削減に苦闘してきた。中には前の四半期より減収した会社もあるが、投資家は明るい未来をはっきり見すえている。

例えばCanopy Growthは時間外取引で10%高、Tilrayは25%高だった。もしこのレベルが市場開始後も維持されれば、2020年の株価水準は2018年に上場した直後のカナビス株高騰に匹敵する。

ほとんどの大麻企業がカナダに本社を置いており、大麻に対する米国の連邦品目分類は、カナダ企業による米国消費者との自由なやりとりを妨げている。それが変わる可能性がある。先週、大麻合法化法案が5つの州で提出されすべて州で勝利した。米国時間11月7日土曜日、Joe Biden(ジョー・バイデン)氏は大統領選挙に勝利宣言し、同氏は以前、大麻法制度の改訂を検討すると発言していた。

米国で合法大麻がこれほど実現に近づいたことはない。投資家は民主党によるホワイトハウスを明確に望んでいる。

今後数カ月間、議会は大麻に関する重要議題をいくつか取り上げ、銀行が国の法的措置を恐れずに大麻企業と取引できるようにするSAFE Banking(安全で公正な執行)法もその1つだ。別の法案(STATES Act)では州が国による介入のリスクなしに大麻を合法化できるようにする。さらに、MORE Actは国のControlled Substance Act(規制物質法)から大麻を除外する。議員の中には、死に体の議会はこれらの問題を会期終了直前に取り上げるだろうと予想する向きもある。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Cannabis / 大麻

画像クレジット:CasarsaGuru / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

9万円超のtCentric Hybridはアーロンチェアに代わる確かなワークチェア

まずいわせて欲しい。アーロンチェアはいい。でも完璧じゃない。その理由を話そう。

ergoCentric(エルゴセントリック)のtCentric Hybrid(ティーセントリック・ハイブリッド)の価格は900ドル(約9万3000円)〜。働きづめの人たちに、本物の座り心地とサポートを提供する。自由自在な調整レバー、ノブ、オプションがある。アクセサリーや付属品は山ほど揃っている。私がいま座っているものには、オプションのヘッドレストが付いているが、机に向かったまま家族にバレることなく何時間も居眠りができる心地よさがある。

造りは岩石のように頑丈だ。しっかりしていて重厚で、工業的な美しさがある。ランバーサポートはゆったりとしていて、クッションも、中年の私の背中を支えるには十分に入っている(でも多すぎることがない!)。誤解しないで欲しいのだが、これはくつろぐためのチェアではない。オフィスチェアなのだ。だけどやっぱり心地いい。

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このHybridチェアには、欲しいオプションがすべて揃っている。どの部分も調整可能で、ランバーサポートには空気を出し入れしてちょうどいい形状にできる機構もある。肘かけも自在に調整でき、あり得ない位置に合わせることも可能だ。肘かけは自由を得た。

私はおよそ2カ月前にこの試用品を借りてたのだが、以来、ハーマンミラーのアーロンチェアを脇にどかして、これを使っている。tCentric Hybridのほうが好きかって?そうともいえない。私にすれば、ほとんど同じだ。ただし、アーロンチェアと同じレベルに調整できるようになるまでには1週間ほどかかった。

私が試しているこのチェアには、いくつかの付属品が装着されていて、それがとてもよくできている。メーカーには、このチェアのオプションが何十種類も用意されている。もっと高くしたい?それなら大きめのリフトを注文すればいい。脚が長い?それなら長めのシートに交換できる。クッションの選択肢も幅広い。おわかりいただけるだろうか。

このチェアは、カナダのオンタリオ州ミシサガのergoCentricで作られている。同社は米国市場を目指して販路を南下させている。ergoCentricはサードパーティーの販売業者から購入できるが、同社の販売チャンネルを通じて直接買うことも可能だ。

Hybrid Mesh Backは900ドルからだが、問題はそこだ。みんなが憧れるハーマンミラーのアーロンチェアと同価格帯なのだ。2カ月間、このチェアを使ってきたが、アーロンに戻りたいと切望する気持ちはない。2カ月経って、私はこれを快適な作業用の玉座として認め、当面使い続けたいと思っている。アーロンチェアに対抗するチェアは数多く出回っているが、私が見てきた中では、tCentric Hybridは、その造りの質の高さからも最高だといえる。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:ergoCentricリモートワークレビュー

画像クレジット:Matt Burns

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(翻訳:金井哲夫)

米国の5つの州でカナビス合法化法案が承認

カナビス(大麻)合法化の住民投票が、米国時間10月4日、米国の5つの州で締め切られた。すでにカナビスが合法化されているオレゴン州でも、ドラッグの街頭販売の解禁とマジックマッシュルームの治療目的の使用許可が承認された。

カナビス関連の住民投票が行われた5つの州のうち4つの州で、21歳以上の成人の嗜好用マリファナの使用が法的に認められた。ミシシッピ州では医療目的での使用が認められたが、サウスダコタ州は医療目的と嗜好目的の両方が一度に承認された。

新たな市場を探るカナビス関連スタートアップにとって、いまが肝心なときだ。消費者とビジネスを獲得しようとこの分野の多くの企業が、新たに解禁されたこれらの州でゴールドラッシュが起こると注目している。だが、いますぐとはいかない。カナビス企業が学習し準拠しなければならないルールと規制が、州ごとに異なるからだ。

10年前、カナビスは米国全土で禁止されていた。そこに変化が起きたのは、2012年にコロラド州とワシントン州の有権者が嗜好用マリファナを合法と認めたときからだ。国レベルでは違法のままだが、これらの新たに合法化された州では、3人に1人の米国人が合法的に大麻を買えるようになる。

ニュージャージー州

  • ニュージャージー州の有権者は嗜好用カナビスの合法化を承認し、2021年1月1日より解禁となる。
  • ニュージャージー州議会は、現在、消費者向け市場のためのルールと規制の制定に取り組んでいる。
  • ニュージャージー州は中部大西洋岸でこの法案を通過させた最初の州となった。

モンタナ州

  • モンタナ州の有権者はこの法案と大麻合法化のための州憲法修正を承認し、21歳以上の成人の使用を認めた。
  • モンタナ州の住民は、2021年1月1日午前12時1分より、マリファナの所有、使用、栽培が認められる。新年おめでとう!
  • 嗜好用の販売は2022年1月から開始できる。

サウスダコタ州

  • サウスダコタ州の有権者は、全国で初となる医療用と嗜好用のカナビスの合法化を同時に承認した。これは、州憲法修正と住民投票によって実現した。
  • カナビスは2021年7月1日までは違法。それ以降は、サウスダコタ州の住民はマリファナの所有、使用、そして3本までの栽培が許される。
  • 医療用の販売は2021年7月1日から解禁される。
  • 同州は、2022年4月1日までに、嗜好用カナビスの販売に関するルールと規制の制定を行う。

アリゾナ州

  • 2016年に合法化法案が否決されたアリゾナ州だが、有権者は嗜好用カナビスの合法化法案を承認した。カナビスの所有が合法化される時期は不明。
  • 販売は2021年4月5日までに許可される予定。

ミシシッピ州

  • ミシシッピ州の有権者は医療用マリファナの合法化を住民投票で承認した。
  • 同州は、2021年7月1日までにルールと規制を制定する。

オレゴン州

  • オレゴン州は全国で初めて、一般にはマジックマッシュルームとして知られているシロシビンの規制下での医療用使用の合法化を認めた。
  • 医療用使用は、2年間の開発期間の後に解禁される。
  • オレゴン州の有権者は、少量の街頭販売ドラッグを違法物から除外する法案も通過させた。違反しても交通違反程度のものとなる。

関連記事:コロナ禍に大麻吸入器メーカーの売上が急増、全米での合法化を見据え転換期を迎える大麻業界

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Cannabis / 大麻

画像クレジット:Kirill Vasikev/EyeEm / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

Navisが合法大麻の流通プラットフォーム拡大に向けて約5億円を調達

大麻ビジネスが今、米国で急成長している。そして、この業界で重要な役割を果たしているのが、サンフランシスコに本社を置くNabis(ナビス)のような企業である。ナビスは米国時間10月16日、事業拡大とサービス拡充を目的とするシリーズAラウンドで500万ドル(約5億2700万円)を調達したと発表した。

ナビスはB2Bの流通事業者で、配送、支払い、倉庫管理に関するサービスを顧客に提供している。とはいえ、扱っているのはビールやスナック、ペット用品などの商品ではなく、大麻だ。ナビスは大麻の生産者と小売業者の中間に立ち、両者にユニークなサービスを提供している。大麻を従来の物流網で流通させるのは違法であるため、大麻の生産者や小売業者のほとんどは、その流通を、認可を受けた専門業者に頼っている。

Vince Ning(ヴィンス・ニン)氏とJun Lee(ジュン・リー)氏によって2017年に創業されたナビスは、カリフォルニア州だけで毎年2億5000万ドル(約260億円)に相当する大麻を流通させているという。このほど調達した資金によって、ナビスはカリフォルニア州における合法大麻の流通量の25%を取り扱えるようになるそうだ。この目標を実現するため、ナビスは現在、生産者や栽培者が小売業者にまとまった量を直接卸せるようにするオンラインB2Bマーケットプレイスを構築している。

ナビスの共同創業者でCEOでもあるヴィンス・ニン氏が今回の資金調達ラウンドと今後の計画についてTechCrunchに語ってくれた。

ナビスはカリフォルニア州の大麻ビジネスにとって必要不可欠なサービスを提供している。生産者や栽培者は、ナビスのサービスを利用することにより、自らのブランド・アイデンティティーを訴求しながら販売店や小売業者に商品を卸せる。小売業者も、ナビスのおかげで、発注や配送、そして現金送金が簡単に行える。特に、金融業界の規制により大麻の売買にクレジットカード決済が使えない現状では、ナビスが提供する現金送金サービスは重要な存在だ。

大麻商品は産地から倉庫へと送られ、厳重なセキュリティの下で品質検査を受けた後、小売業者からの発注を待つ。商品は発注を受けてから36時間以内に小売業者へ配送される。商品の配送時にナビスが小売業者から商品代金を現金で回収し、それを一時的に預かることも可能だ。

ニン氏は次のように語る。「商品を発送するだけでなく、配送の度に新規注文の代金を回収することもできる。受注から配送までを36時間で回しているので、Amazon Prime(アマゾン・プライム)のような配送サービスを提供している感じだ。一週間に何度も同じディスペンサリー(大麻調剤薬局)に行くので、請求と代金回収を同時に行うこともできる。しかも、現金、小切手、電子送金に対応している。当社は銀行ときちんとした関係を築けているので、現金の預かりも心配ない」。

「[現金預かりサービスの]手数料は結構高額だ」とニン氏は言う。「それでも、大麻ビジネスにとっては許容範囲のはずだ。当社が商品代金を現金で預かって、それを電子送金で生産者へ届ける」。

現在ナビスがサービスを提供しているのはカリフォルニア州のみだ。全米の合法マリファナの売り上げの3分の1がカリフォルニア州に集中しており、しかも急速に増え続けている。ニン氏は、カリフォルニア州限定で事業を展開していても、ナビスはいずれ10億ドル(約1100億円)を売り上げる企業に成長できると見込んでいる。

ニン氏は次のように語る。「カリフォルニア州の合法大麻の市場規模は現在、小売りベースで40億ドル(約4200億円)ほど。毎年10億ドル(約1100億円)から20億ドル(約2100億円)のペースで市場は拡大しているから、カリフォルニア州から出ていかなくても当社の売り上げを10億ドルに乗せることは可能だ。カリフォルニア産大麻にはブランド力がある。全米を見渡しても、カリフォルニア州以上に優れた生産地はない。例えて言えば、カリフォルニア産の大麻は、信頼性と評判の点で、ナパバレー産ワインのようなものだ。カリフォルニアほど品質の高い大麻を作れるところはない」。

法律の高い壁が立ちはだかるものの、ナビスはいずれ事業を全米に拡大したいと考えている。とはいえ、米国の法律では、州境を超えて大麻を流通させることが禁じられている。さらに、大麻に関する規制や認可は州ごとに異なる。ニン氏いわく、「ビジネスモデルはコピペ」で済むが、新たに進出する州ごとに物流拠点を設け、その州内に限定して流通業務を行うことが必要になるのだという。

今回500万ドル(約5億2700万円)を調達したシリーズAラウンドの投資者には、スタートアップ向け投資ファンドのY Combinator(Yコンビネーター)や、Doordash(ドアダッシュ)の共同創業者であるStanley Tang(スタンレー・タン)氏、Gmail(Gメール)を開発したPaul Buchheit(ポール・ブックハイト)氏、Twitch(トゥイッチ)の共同創業者であるJustin Kan(ジャスティン・カン)氏、Babel Ventures(バベル・ベンチャーズ)、Liquid 2 Ventures(リキッド・ツー・ベンチャーズ)、そしてSoma Capital(ソマ・キャピタル)が名を連ねる。2017年の創業から今回のラウンドまでにナビスは合計1000万ドル(約10億5400万円)を調達している。

ナビスが初めて現金を調達したのは2019年3月にYコンビネーターの起業家養成スクールを卒業したときだ。ナビスによると、同社は現在、カリフォルニア州で流通している合法大麻の7%を扱っているが、今回の資金調達によってこれを25%まで増やすことができるという。具体的には、今回調達した500万ドル(約5億2700万円)を、ソフト開発と、大麻事業者への融資を行うための金融サービス強化に投じる予定だ。

現在ナビスは、カリフォルニア州内にある1000件の大麻調剤薬局および200件の配送業者と取引している。さらに、小売業者が生産者に直接発注できるオンライン発注システムを開発することも計画中だ。新しい発注システムが完成すれば、小売業者と営業担当者が商談を通じて商品を調達・発注する従来のシステムが覆される。このプラットフォームは、ブランドが自社の商品を思い通りにアピールできる場になる、とニン氏は考えている。

ニン氏はこう語る。「今は商談のためだけに(営業担当者が)販売店に直接出向くか、Zoomで会って話す必要がある。そして、発注を受けると、その内容を営業担当者が当社のシステムに入力する。ところが、当社が作ろうとしているオンラインのマーケットプレイスではこの流れが逆になり、小売業者が当社のシステムに直接アクセスして生産者に発注できるようになる。さらに、発注するだけでなく、チャット機能を使って色々な生産者のことをより深く知ることも可能になる」。

このようなチャネルが大麻業界に存在したことは今までなかった、とニン氏は言う。同氏はナビスが構築しようとしているシステムを、医薬品のサプライチェーン管理ソリューションを提供するMcKesson(マッケソン)になぞらえ、ナビスは同様のソリューションを医薬品よりもはるかに規制が多くて厳しい業界で提供しようとしている、と語る。
大量の大麻と現金を回収、保管し、流通させているナビスにとって、安全とセキュリティ対策は死活問題である。

ニン氏によると、ナビスはカリフォルニア州での事業認可を取得しており、取得条件をクリアするために、配送用の車両には様々な装備が施されているという。また、すべての車両に保険がかけられている。全車両に複数のカメラが装備されていて、金庫は床にボルトで固定され、常時GPSで追跡されている。それだけではない。車両での運搬担当者は預かった現金を入金することしかできない。現金を引き出すことができるのは倉庫のスタッフだけであり、こちらは入金することはできない。

米国で社会不安が高まったのをうけて、ナビスはセキュリティ対策をさらに強化した。
ナビスのような事業者が今、急速に成長しており、大麻ビジネスが直面する課題に対処できるだけの実力をつけてきている。変化の激しい規制の海を巧みに泳ぎながら業績を伸ばし続けるこれらの新しい事業者たちが業界の主要プレイヤーとなる日は近い。しかし、この成長も、連邦政府の古臭い考え方のせいで州境を超えることができずにいる。多くの大麻事業者は、この状況がいずれは変化すると信じているが、それがいつになるのかは誰にもわからない。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:大麻 資金調達

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(翻訳:Dragonfly)

「テスラはスタートアップの集合体だ」とイーロン・マスク氏と語る、まもなく保険事業も開始

米国時間10月22日、投資家やジャーナリストとの電話会議の中で、Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、自身の21日のツイートを説明するに求められた。その中で、マスク氏は「テスラは、実際にはおよそ十数社の技術系スタートアップと考えるべきで、その多くは伝統的な自動車会社とはほとんど、あるいはまったく関係がありません」と述べている。

マスク氏によれば、テスラには10社以上のスタートアップが存在し、製品ラインや工場をスタートアップとして捉えていると説明しているという。テスラはバッテリーや家庭用ソーラーパネルなどを製造しており、さらに自動車保険も提供しようとしている。

自動車製造以外の分野での成長の可能性について質問されると、マスク氏は保険に言及した。保険事業はテスラの自動車事業の30~40%に成長する可能性があるという。

この戦略は高いペースで常に製品のアップデートを展開しているテスラにとって、うまく機能しているようだ。新機能は予告なしにやってくるし、テスラがさまざまな自動車部品部門を部門の集合体ではなく、会社の集合体として扱うこの戦略は理に適っている。

マスク氏によるスタートアップの中には自律運転、チップ設計、車両サービス、販売、駆動装置の設計、モーター、スーパーチャージャーネットワーク、そしてまもなく保険などが含まれるという。

「テスラについて人々が理解していないのは、(会社は)スタートアップの連鎖であるということです」とマスク氏は語る。「人々は『以前はそんなことをしていなかったのに』といいますが、ええ、現在はそれに取り組んでいますよ。我々は他のスタートアップと比べて少し遅れていますが、実際に失敗したことはないと思います」。

マスク氏はどの事業もスピンアウトする計画はないと結論、複雑さを増す必要はないと指摘した。

関連記事:Teslaの第3四半期決算がウォール街の予測を大幅に超え9163億7000万円の売上を報告

カテゴリー:モビリティ
タグ:Teslaイーロン・マスク

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

Netflixが第3四半期の決算報告後に株価を下げた理由

動画ストリーミングサービスのNetflix(ネットフリックス)の株価は、同社の第3四半期決算報告を受けて、米国時間10月20日の市場公開後に急落した。

Netflixの株価が突然5%も下がったのはなぜだろう?その答えは、良し悪しな決算報告書、期待外れの新規顧客数、やや緩いガイダンスにあるようだ。

第3四半期に向けてNetflixは投資家に、63億3000万ドル(約6640億円)の収益、12億5000万ドル(約1310億円)の営業利益、約9億5400万ドル(約1000億ドル)の純利益、1株当たり利益で約2.09ドル(約219.2円)の価値が予想されると伝えていた。

そして同日、Netflixは64億4000万ドル(約6760億円)の収益、13億2000万ドル(約1380億円)の営業利益、7億9000万ドル(約830億円)の純利益と1.74ドル(約182.5円)の1株当たり利益を報告した。

Netflixは収益目標を達成したが、利益率では及ばなかった。

またNetflixはアナリスト予想の63億8000万ドル(約6690億円)を上回る売上を達成したが、アナリストが予想していた1株当たり利益の2.13ドル(約223.4円)には到達しなかった。

さらに悪いことに、新規顧客数の増加も予想を下回っている。Netflixは第2四半期の決算で「第3四半期(2020年第3四半期)の有料会員の純増数は前年同期の680万人に対し、250万人と予想される」と述べ、その理由は「上半期の好調な業績が下半期の需要を前倒しした可能性が高い」と伝えた。

Netflixの報告によると新規顧客はわずか220万人で、目標を達成できておらず、さらにアナリストの予測である330万人を大きく下回った。一部のアナリストの予想(CNBC記事)はさらに高かった。

今後の見通しとしてNetflixは第4四半期に65億7000万ドル(約6890億円)の収益、8億8500万ドル(約928億円)の営業利益、6億1500万ドル(約645億円)の純利益、1.35ドル(約141.60円)の1株当たり利益、600万人の新規有料顧客を見込んでいるとしている。ウォール街は65億8000万ドル(約6900億円)の利益と0.94ドル(約98.6円)の1株当たり利益を求めていたので、予測のどの部分が投資家の心理に影響したのかを判断するのかは難しい。

いずれにせよ、今回の決算報告はNetflixの株価を史上最高値から大きく動かすものではない。同社は利益を逃したことによる影響を受けるかもしれないが、それは重要な点ではない。

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タグ:Netflix決算発表

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

ライドシェアサービスLyftでVenmoによる乗車料金支払いがまもなく可能に

Lyftはまもなく利用者がVenmoを利用して運賃を支払ったり、あるいは分割したりするオプションを利用できるようになると、米国時間10月22日の朝のブログで発表した。PayPal、クレジットカード、デビットカード、Lyft Cashなどの支払い方法にVenmoが加わることになる。

Venmoによる支払い方法を有効にするには、Lyftアプリから承認する必要がある。

Lyftによるとこの機能は2020年10月に公開され、数週間のうちに同社のネットワークで利用できるようになるという。

この機能がLyftに登場したのは、2018年にUber(ウーバー)で初めてVenmoが利用できる(未訳記事)ようになってから数年後となる。ユーザーはVenmoを通じてライドシェア料金を含む支払いを共有する、一種の金融ソーシャルネットワークを作ることができる。UberやLyftのようなサービスにとって、これはユーザーが自分が選んだ相乗りサービスを気づく新しいマーケティングとなる。理論的には、もし親しい友人が特定のライドシェアサービスを利用していれば、自分もそのサービスを利用する可能性が高くなる。

料金の分割はVenmoアプリで行われる。乗車が完了したら、ユーザーはVenmoの支払いフィードでLyftの取引を見つけ、選択する必要がある。またVenmoユーザーは、料金を分割する相手を選択できる。なおLyftも、Venmoを必要としないネイティブの運賃分割サービスを提供している。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

約840万円のフルEV仕様Hummer EVのティーザー動画公開

GM(ゼネラル・モーターズ)はGMC Hummer EVを公開したが、それは素晴らしい出来に見える。車両は2022年にディーラーで販売され、2021年に予約注文が開始される。また同時にティーザー動画も公開された。

車両スペックはこの記事(未訳記事)が詳しいが、1000馬力のパワー、350マイル(約560km)の航続距離、自動運転モードを備えている。Hummer EVはTesla(テスラ)のCybertruckの価格を大幅に上回っているが、それでも印象的な車だ。

関連記事:GMCがフルEVの新型「GMC Hummer EV」を公開

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(翻訳:塚本直樹)

Nanoleafから大・小三角形のライトパネルが登場、画面ミラーリングや光と音楽の同期が可能

Nanoleaf(ナノリーフ)は7月に次世代のライトパネルを発売した。Shapeと呼ばれるこの新製品は、同社のオリジナル製品に似ているが、より優れたコネクタ、よりシンプルな取り付け方法、そして最も重要なポイントとして、異なる形状のパネルに対応できることだ。米国時間10月15日、同社はこの7月に発売した六角形の形状に加えて、三角形のパネルを発表した。

これは、2つの異なる形状を同時に使用できるNanoleafの最初の製品ラインとなる。三角形は大小のサイズが用意されており、画面のミラーリングや音楽との同期など、ほかのNanoleafパネルに見られる機能をすべて搭載している。パネルはまた Googleアシスタント、Amazon Alexa、Apple Homekit およびSamsung Smartthingsに対応する。

過去のNanoleaf製品とは異なり、Shapeラインのパネルは所定の場所にスナップするリジッドコネクタを使用して接続する。取り付け方法も改善されており、各パネルを壁にネジ止めすることなくパネルを設置できるようになっている。

以前に新しい形状である六角形パネルをレビューしてみての結論は以下のとおり。

Nanoleaf Hexagonsは、Nanoleafのラインアップに新たに加わった素晴らしい製品だ。当社の既存のオプションと比較しても、より幅広い顧客層にアピールできる可能性が高いモデルだろう。個人的には、Nanoleaf全般の大ファンになるとは思っていなかったし、今までこれらの製品にそれほど興味を持ったことはなかった。しかし、実際にHexagonを使ってみて、この空間の美学がいかに改善されたかを実感した。

キットの価格は、フルサイズの三角形が199ドル(約2万1000円)、ミニ三角形が119ドル(約1万2560円)。拡張パックはそれぞれ59(約6220円)ドルと119ドル(約1万2560円)。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

セダンタイプの電気自動車Lucid Airの普及モデルは実質約736万円で登場

電気自動車メーカーのLucid Motors(ルーシッド・モータース)は、ついにセダンタイプの電気自動車Lucid Airの最も安価な車の価格を明らかにした。価格は7万7400ドル(約815万円)からで、米国では多くの人が7500ドル(約79万円)税額控除が受けられるので実際の価格は6万9900ドル(約736万円)になる。

Lucid Airのこの低価格バージョンは、当然のことながら装備が少なくなっている。ただしLucid Motorsによると、480馬力のパワートレインを搭載しており、408マイル(656km)の走行が可能だという。デュアルモーター、全輪駆動バージョンも利用できる。

このモデルは、Lucidの成功に不可欠なものだ。同社は以前、より高価格なLucid Airセダンのスペックと価格を発表した。今回発表されたモデルはほかのモデルよりも大幅に安価で、競争力のある機能を提供しながら、より多くの購入者にリーチすることができる。

本日までは同社は、低価格モデルが8万ドル以下になることだけを明言していた。

TechCrunchとの最近のインタビューの中で、LucidのCEOであるPeter Rawlinson(ピーター・ローリンソン)氏は「Lucid Airが8万ドルよりも驚くほど安い価格で提供されるだろう」と語っていた。

Lucid Airは、Tesla(テスラ)によって支配されている電気自動車市場に投入される。Lucid AirはTesla Model Sと同じような価格で、デュアルモーター、全輪駆動、幅などの仕様もほぼ同じだ。

関連記事:イーロン・マスク氏がTesla Model Sの値下げをツイート、米国で730万円程度に

カテゴリー:モビリティー
タグ:Lucid Motors、Lucid AirLucid Air、電気自動車

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(翻訳:TechCrunch Japan)

イーロン・マスク氏がTesla Model Sの値下げをツイート、米国で730万円程度に

Tesla Model Sの価格が少し安くなりそうだ。

Tesla(テスラ)のCEOであり、ミームメーカーであるイーロン・マスク氏は、Model Sセダンの価格がまもなく6万9420ドル(約730万円)になるとツイートした。これは気まぐれや共同購入によるものではなく、Lucid(ルーシッド)が数時間前にLucid Airの価格を引き下げたことに反応したものと思われる。

上のツイートにあるようにマスク氏は「The gauntlet has been thrown down」(挑戦状は投げ捨てられた)と書いている。

Lucidは米国時間10月14日、エントリーレベルのセダンが7万7400ドル(約815万円)から7500ドル(約79万円)の米国税額控除を差し引いた価格になることを発表した。ほとんどの購入者がこの控除を受けられるので実質6万9900ドル(約735万円)になる。つまり、そういうことだ。

Model Sセダンの新しいスタート価格は6万9420ドルで、これは今週2回目の値下げとなる。CNETの自動車情報メディアであるRoad Showは米国時間10月13日、テスラが今週初めにModel Sは3000ドル(約31万6000円)値下げしたと報じた。今年の初め、テスラはModel Sを当初の価格から2000ドル(約21万円)値下げしている。

Lucid Airは、Model Sに対抗する強敵になりそうだ。Model Sの航続可能距離をほぼカバーしており、現在価格が設定されているエントリーレベルのモデルでさえ、Model Sの400マイル(約643km)以上に対応している。Lucid AirはModel Sより軽く、速く、正直言って新しい。Model Sは2012年の発売以来、全体的な形状と使用感は変わっていない。

TechCrunchとの最近のインタビューの中で、LucidのCEOであるPeter Rawlinson(ピーター・ローリンソン)氏は、Lucid Airの価格は「8万ドルよりも驚くほど安い」と語っていた。今回の価格設定は「驚くべきこと」とは言えないが、Lucid Airは、装備の整った欧州の中型スポーツカー、さらに重要なのはModel Sとと同じ価格帯になることだ。

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タグ:Tesla、イーロン・マスク

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(翻訳:TechCrunch Japan)