ドイツ人が大挙してWhatsAppからThreemaへ移行: Facebookの一員になったのでプライバシーが心配

スイスのThreemaは、こうなることを予想しなかっただろう。Süddeutsche紙によると、Threemaのユーザ数は過去24時間で倍増した。今ではドイツのApp Storeで有料部門のトップだ。Threemaが売り物にしている機能は、本格的なエンドツーエンド(end-to-end)の暗号化だ。このサービスのユーザになったドイツ人は、もう二度と、Facebookがオーナーになったあのアプリを使いたいと思わないだろう。

同社のWebサイトは曰く: “今人気の高いメッセージングアプリの多くは、暗号化をしていると称するものですら、外部からメッセージを読むことができる。Threemaでは、サーバを実際に動かしているわれわれ自身ですら、どんなことをしても、あなたのメッセージを読むことはできない”。

WhatsAppもセキュリティの重視を約束しているが、過去にセキュリティホールが見つかったこともある。今ではもちろん、190億ドルで買われてFacebookのものだが、そのFacebookは所詮、広告で稼いでいる企業にすぎない。

Facebookは、WhatsAppブランドの温存を約束している。だから、Facebookの広告をベースとするビジネスモデルには組み込まれず、独立を維持するはずだ。でもドイツのユーザにとっては、約束だけでは十分でない。

ドイツのWhatsAppユーザは約3000万人おり、WhatsAppのヨーロッパ市場の先頭に立っている。この、WhatsAppにとって欠かせないマーケットリーダーに、ユーザ離れの大雪崩(なだれ)が起きようとしているのだ。

Threemaは社員が三人しかいないので、急増したサポートリクエストに圧倒されている。アプリのルックスや使い勝手はWhatsAppに酷似しているが、同社のサービスはサーバのアドミンすら、暗号の鍵を持っていないからメッセージを読むことができない。

ドイツのシュレースヴィヒ-ホルシュタイン州政府のデータ保護コミッショナーThilo Weichertは、WhatsAppが買収されたことによってデータ保護の問題が生ずる、と言っている: “Facebookには何でも見える。何でも筒抜けだ。そしてWhatsApp alsoにも、何でも見える”…彼は地元紙でこう述べている。Weichertは人びとに、利用するサービスは慎重に選べ、とアドバイスしている。しかしそう思っているのは、政府の高官だけではない。1ドル99セント払って新たにThreemaのユーザになった20万人の、80%はドイツの住民だ。

ドイツの首相Angela Merkelの携帯電話は、長年、合衆国の諜報機関から盗聴されていた。今のドイツ人にとっては、プライバシーの侵犯がとても身近で現実的な杞憂だ。これからのWhatsAppは、プライバシー問題にそれほど敏感になってしまっているドイツ人を安心させなければならない。Facebookの傘下であろうがなかろうが、うちのプライバシー保護は完璧、とドイツ人に対して証明する必要があるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoft、予定通りにSkyDriveをOneDriveに名称変更

SkyDriveは死んだ。死んだがすぐにOneDriveとなって生まれ変わった。Microsoftは1月、イギリスのペイTVプロバイダーのBSkyBとの間で起こったSkyDriveという名称を巡る商標紛争をうけて、同社の運営するストレージサービスの名称を変更する予定だとアナウンスしていた。そしてそれがついに現実となり、ウェブサイト、モバイルアプリケーション、およびデスクトップアプリケーションにて、利用するサービスの名前がOneDriveというものに変更されたわけだ。

尚、これにともなってMicrosoftは、Dropboxによるものにそっくりな紹介プログラムの提供も開始した。自分の提供したリンクから誰かがサインアップすると、ストレージの容量が500MB増加するようになっているのだ。最大10人を紹介して、5GBまで無料で増加させることができる。また、Windows、iOS、あるいはAndroidから、自動での写真アップロードオプションをオンにすると3GBの無料ストレージを取得することができる。

いまや、さまざまなビッグネームからもクラウドストレージサービスが提供されるようになってきており、個人利用者は非常に安価でクラウドスペースを利用することができるようになっている。言うまでもないだろうが、GoogleはGoogle Driveを提供しており、AppleはiCloud、MicrosoftはOneDriveを提供している。各社ともアプリケーション、全体的な機能、そしてもちろんマーケティング戦略にて差別化をはかろうと懸命になっている。

ちなみにMicrosoftのコアプロダクトであるOffice 2013やWindows 8.1からは、まだクラウドスペースの名称がSkyDriveとなっている。もちろんこれもすぐに変更されることとなるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Frontback、日本でブーム―クリエーティブなユーザーに世界から注目が集まる

今日(米国時間2/13)、 Frontbackメジャーアップデートをしたが、この写真共有アプリには思いがけないことが起こっている。Frontbackの人気が日本、中国、ブラジルで爆発的に上昇しているのだ。実際Frontbackはアメリカより外国のユーザーの方が多くなっている。

アメリカでは、たとえばスーパーボウルの観客がそこにいたことを記念して自分と周囲を撮影するというような使い方が一般的だ。しかし電話インタビューで共同ファウンダー、CEOのFrédéricdella Failleは「日本のユーザーはもっとクリエーティブで、自己表現の手段としてこのアプリを使っている。アメリカとは非常に違う」と語った。

Frontbackの撮影フォーマットはかなり特殊なものだ。強い制限の中での表現ということでいえば、Frontback写真はビジュアルな俳句のようなものかもしれない。

日本ではユーザーコミュニティーが自発的に組織化を図っている。2月24日にはFrontbackミートアップが渋谷で開催されるという。Frontbackでの表現の可能性を熱心に追求しているパワーユーザーのHimesora氏も参加するとのこと。

この女性はアート、マンガ、グラフィティが大好きで、自画撮りにはいつも持ち歩いている紙で作ったニセの目を使うのがトレードマークだ。Frontbackで作品を撮るときにはそのシーンにあった紙にイラストした目を取り出してメガネの上に貼る。彼女はFrontback上のキャラクターを創りだしたといってもいいだろう(トップの写真)。

グローバル・フィード機能が追加されたので、世界のユーザーもHimesoraに気づいて興味を持ち始めた。アメリカ、メキシコ、南アメリカの多くのユーザーがHimesoraをフォローし、テキストや写真でコメントを寄せている。

他にもFrontbackにはユニークなユーザーがいる。Tamkaiは日常生活の一コマを写真とイラストで記録している。Willie Myersはわずか2枚の写真で物語を作っている。

Frontbackの開発チームは自分たちの新しいメディアがもつ力に気づいて驚いている状態だ。

Frontback写真の強いインパクトは、すべてフィルターなし、トリミングなし、フォトショップなし、本物の人々による本物の物語であるというところから生じるのだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


大人気の写真共有アプリFrontback、メジャーアップデートで日本語化―タイマーなど新機能も多数

ユニークな写真共有アプリ、 Frontbackがメジャーアップデートされた。 日本語など4ヶ国語がサポートされた他、通知画面と、写真撮影の際に画面内に表示させることができるタイマーなど多数の機能が追加された。

タイマー機能を有効にすると、フロントカメラはシャッターボタンを押してから5秒後に撮影される。スピード写真のブースのような仕組みだ。

このタイマー機能を使えばリアカメラをハンズフリーで撮影できるのでいろいろと面白い撮り方ができる。画面にはタイマーが表示されるのでポーズを決めたりジャンプしたりできる。自分でシャッターを押して自画撮りするよりずっと撮り方の可能性が広がるだろう。

共同ファウンダー、CEOのFrédéric della Failleは私の電話インタビューに答えて「これまで欲しかった機能をやっと実装できた」と語った。彼はまた「これでやっとバージョン1.0になった感じだ。通知パネル、人気の写真を見られるDiscoverタブ、それにコミュニティで人気の高い写真を選び出すアルゴリズムなどを追加することができた」と付け加えた。

実のところ、della Failleが「これがバージョン1.0だ」と私に言ったのはこれが3回目だ。実際、最初にApp Storeに公開されたバージョンは問題が多かった。4週間で開発されたというだけあって、コンセプトの実証プロトタイプのような出来栄えだった。写真撮影アプリとしてはよくできていたが、ソーシャル機能がまったく不十分だった。ユーザーのプロフィールも登録できず、フォローやフォロー解除の機能もなかった。

去年9月にやっとアップデートされ、こうしたソーシャル機能が追加された。 このときdella Failleは「これがバージョン1.0だ」と宣言した。しかしまだ重要な機能が欠けていた。コミュニティのサポートだ。

そこでFrontBackはコミュニティ・マネージャーとしてElissa Patelを、ユーザー関係担当者としてSpencer Chenをスカウトした。

この前後の数ヶ月、Frontbackはアプリの問題を解決するため意識的にPRを避けていた。たとえばDiscoverタブは先月追加されたのに、Frontbackからそれについての発表はなかった。

今回のアップデートではFacebookアカウントを利用したサインイン、日本語、スペイン語、中国語、フランス語対応、フルスクリーンでの写真表示、半透明ステータスバーなどが追加され、たしかに完成度が高くなった。

FrontBackは国際的に大ブームを呼んでいる。ユーザー数では日本、中国、ブラジルのほうがアメリカより多い。現在新規ユーザーの90%はアメリカ以外から来ているという。

最近のアップデートはユーザーの参加を促すのに非常に効果的だった。たとえばユーザーが1回アプリを起動するたびに12.5回「いいね!」を押している。12月から1月にかけてFrontbackのアクティブ・ユーザー数は2倍に伸びた。このスタートアップはいよいよ本格的な飛躍の時期を迎えたようだ。

Frontbackは短時間に熱心なユーザーのコミュニティを形成することに成功したが、中でも重要なのはアジアだ。日本のユーザーはアメリカのユーザーよりずっと熱心に利用しており、写真の共有数は4倍だという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Mozilla、収入の安定を求めてFirefoxの「新しいタブ」に広告表示を検討

オープンソース・ブラウザのFirefox公式ブログで、「新しいタブ」ページに広告を表示することを検討していることを発表した。パブリッシャーは通常のショートカットタイルの横に表示される広告タイルを購入することができる。このタイルには「広告」というはっきりしたラベルが付加されるという。

現在、インストールして最初に立ち上げたFirefoxでは、「新しいタブ」ページはFirefoxサイトへのタイルをのぞいて白紙だ。他のブラウザのスピードダイヤル機能と同様、Firefoxもユーザーのウェブ履歴をベースにして「新しいタブ」ページにリンクを追加していく。履歴がクリアされると「新しいタブ」ページも白紙に戻る。

そこでMozillaではユーザーの居住地域でもっともポピュラーなサイトへリンクするタイルを予め設定しておくことにした。これらのタイルのいくつかを広告枠にしようというのが今回の計画だ。

おそらくMozillaでは全面的に広告表示を行う前に、まず一部のユーザーで実験して反応を確かめるだろう。

現在Mozilla財団は財政を主としてGoogleからの広告収入に頼っている。 MozillaはGoogleをFirefoxの既定の検索エンジンに設定するという契約を結んでいる。また両者はFirefox上に表示されるGoogle AdWords広告の収入を分配することでも合意している。.

このGoogleからの収入がMozillaの年間売上高の90%を占めている。Firefoxのシェアが減少を続けているため、Mozillaは新しい収入源を探す必要に迫られていた。Mozillaは以前はGoogleの主要なパートナーだった。しかしGoogleの独自のブラウザ、ChromeがFireoxよりはるかに大きなシェアを獲得した現在、Mozillaが契約を更新を望んでも条件の大幅ダウンは避けられないだろう。

またこの数年Mozillaと広告業界は緊張関係にあった。Mozillaがターゲット広告を無効化するdo-not-track(トラック禁止)という機能を実装したためだ。ユーザーがこの機能を有効にすると、サードパーティーのクッキーを一切拒否するようになるので、ターゲット広告の表示が非常に困難になる。さらに昨年はユーザーが初めて訪問するサイトのクッキーを自動的にブロックする機能も追加されている。

しかし、必要に迫られてMozillaは広告主とうまくやっていくことに決めたようだ。新しいユーザーに広告タイルを表示し始める時期は不明だ。いずれにせよMozillaはまず広告主と交渉しなければならない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Appleが$14B相当の自社株を二週間で買い戻す–株主圧力に配慮か

AppleのCEO Tim Cookが最近Wall Street Journalで行った発表には、Carl Icahnの影が見える。その発表によるとAppleはこのほど、同社の大規模な株式買い戻し計画の一環として、Appleの140億ドル相当を買い戻した。ただしそれは、今日の同社の時価総額の3%強にすぎない。

投資家で業界の活動家でもあるCarl Icahnは先月、Twitterを利用してAppleに圧力をかけた。Appleの株式買い戻し計画は不十分だ、とツイートしたのだ。

[ツイート訳: Appleの取締役会は、買い戻しを顕著に増加させないことによって株主に大きな損害を与えている。詳細は後報で。]

iPhoneが5000万台売れるという記録的な売上を達成したAppleだが、2014Q1の業績は好悪相半ばしていた。その大きな売上額は証券業界の予想より少なく、利益は多かった。しかし利益が131億ドルもあるのだから、同社の現金保有額は増える一方だ。

実際に同社の手元現金は1588億ドルに増加した。それは今後もAppleの大きな戦略的資産でありつづけるが、しかし株主たちは、自分もその分け前に与りたいと思う。

Appleは最初数年前に、配当を検討した。しかし株価が同社の期待より低かったので、株の買い戻しを開始した。

同社の株式買い戻し計画は、自社の株に対する大きな自信の表れだ。それは、Appleが手元現金の投資方法としてそれしか考えていないことを意味する。言い換えると、Appleのお金の最良の投資先はAppleの株だ、とTim Cookは考えている。また一方では、それによって社外株を減少させる。Appleという会社の、既存の投資家の持分が増える。

過去12か月で同社は、買い戻し計画の総額600億ドルのうち400億ドルを買い戻した。そして現状では、そのペースで今後もさらに株の買い入れを続ける、という話はない。

しかし、Googleが1月に32億ドルでNestを買収したが、Appleはむしろそれに先駆けて、自分がNestを買うべきではなかったか?

この電脳温度計企業には、Apple出身の技術者が多い。ファウンダでCEOのTony Fadellは、AppleのSVPとして初代iPodの開発を担当した〔原文では“iPhone”〕。それだけの人材がGoogleに行ってしまうのは、得策とは言えない。本誌の取材によると、Nestの連中がGoogleのハードウェア部門を中核的に担うのだ。〔余計な訳注: 何言ってんだよ、製品開発でぶつかる==自分のやりたいことができないから、Fadellは独立したんだろ。ぶつかる連中を馘あるいは隔離しなけりゃ、絶対舞い戻らないぜ。同じ中東の血を持つJobsは、もういないんだし。〕

これまでの15か月で、Appleは21の企業をそれぞれ10億ドル以下という小額で買収した。株式買い戻し計画に関するTim Cookの発表は、今および今後の株主たちを安心させるだろうが、同社にとって次の重要なステップは、誰にもその重要性が理解できるほどの有意義な大型買収に、思い切って踏み出すことではないか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Facebookの株価、一晩で16%アップ―好調な決算とPaperの発表が好感

Facebookの株価(NASDAQ:FB)は過去数ヶ月堅調だったが、始値が62.12ドルと昨日の終値53.53ドルを16%も上まわるという今日(米国時間1/30)のパフォーマンスにはさらに驚かされた。

つまりFacebookの時価総額は一晩で200億ドルも増加し、今や1510億ドルに達したわけだ。

この株価急上昇の原因は、四半期決算の好調と新アプリの発表によるものだ。アメリカとカナダでは普及が飽和状態に近づいており、ティーンのFacebook離れも囁かれているものの、Facebookの決算は売上、一株あたり利益ともに予想を上回るものだった。

もうひとつ注目すべき点は、今期初めてモバイル広告の売上がデスクトップの売上を上回ったことだろう。モバイル広告は売上の53%を占めた。Facebookがこれほど急速にモバイル化に成功するとはどのアナリストも予想していなかった(この懸念が上場直後の株価低迷の原因だった)。

昨日の時間外取引で株価は初めて60ドルの大台に乗った。

そのままであれば株価の上昇はそこで止まったかもしれないが、FacebookはすかさずPaperの発表を行った。Paperはまったく新しいiPhone向けのキュレーションされたニュースリーダーだ。Facebook本体とはまったく独立のアプリで、ユーザー体験を大胆に変えていこうとする試みの一つとなる。アプリが一般に公開されるのは2月3日(Android版についてはまだ情報がない)だが、決算の直後に機を逸せず発表を行った。

もしかするとFacebook自身も四半期成績がこれほど良くなると思わずに、株価のテコ入れのためにPaperの発表をこの時期としたのかもしれない。いずれにせよFacebook株は現在絶好調だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Appleの前四半期決算を図表で見る

Appleの12月四半期は好悪相混じっていた。数字だけを見ると、売上は過去最高でiPhoneとiPadの成長が続いている。しかしアナリストの目で見ると、純利益は横ばいだ。

その真犯人は誰か? たぶんiPhone 5cだ。それは、期待したようなマーケットシェア拡大マシンにならなかった。

3か月で5000万台のiPhoneを売るのは驚異的だが、でもまだスマートフォンは成長市場だから、誰もがiPhoneの売上の二桁成長を見たいと望んだ。利益が131億ドルの企業にふつうの物差しは当てはまらない。どこの企業も、売上が130億なら狂喜するだろう。しかし金融アナリストや投資家たちから見ると、Appleは別格だ。彼らは、もっと最高の結果を求めるのだ。

売上/利益/一株当たり利益

ハードウェアの売上

現金割高

地域別売上

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、悲喜半ばの2014年Q1。売上576億ドル、利益131億ドル、EPS 14.50ドル

先ほどAppleは2014年Q1の収支報告を公開した。売上は576億ドル、純利益131億ドル、1株当たり利益(EPS)14.50ドルだった。前年同期と比べると、売上は5.7%増、EPSは5%増、純利益は横ばいだった。

同四半期にAppleはiPhoneを5100万台、iPadを2600万台、Macを4800万台売った。iPhoneは依然としてApple最大の金を生む製品だが、アナリストの予測は5500万台だった。Appleは彼らの期待を上回ることができなかった。2013年Q1と比較すると、iPhoneの売上は6.7%増(Appleの総売上よりも増加率が大きい)で、iPadは13.5%増だった。ハードウェア売上の詳細については本誌の別記事を参照されたい。

Apple CFOのPeter Oppenheimerは収支会見で「供給不足にもかかわらず」iPadを2600万台売ったと語った。つまりもっと在庫があればもっと売っていたということだ。「12月期終了時にはほぼ需給のバランスが整った」とOppenheimerはiPadの生産について言った。

「iPhoneおよびiPadの売上が新記録を達成し、Mac製品は好調、iTunes、ソフトウェア&サービス部門も引き続き成長していることを喜んでいる」とCEOのTim Cookがリリース文で語った。「お客様に満足していただくことを喜びとし、今後もわが社の製品とサービスをによってさらに体験を向上させるべく投資を続けていくつもりだ」。

売上は予測を下回ったが、EPSは予測以上

Fortuneによると、アナリストの総意は1株当たり14.36ドル、売上581億ドルと、いずれも成長を見込んでいた。WSJの予測は、売上574.6億ドル、利益126.8億ドルで利益は前年比3%減と予測していた。

iPhoneの販売台数が初めて5000万台を越える史上最高を記録しながら、売上はウォール街の予測を下回った。一方利益は横ばいでEPSは予想を上回った。利益率は37.9%、前年同期は38.6%だった。それが純利益が横ばいだった理由だ。

ちなみに、Appleは2013年Q4、売上375億ドル、純利益75億ドル、1株当たり利益8.26ドルだった。

前四半期決算報告時の指針で、Appleは売上550~580億ドル、利益率36.5~37.5%と予測していた。過去3四半期にわたり、Apple自身による指針は大きく精度を高めており、予測の上限は実際の数字に極めて近い。

ソフトウェア売上は前年比26%増だった。iOS 7は対応機種の80パーセントにインストールされた。「iOSは世界で最も人気の高いオペレーティングシステム」とOppenheimerは言った。iWorkアプリはOS X、iOSの両方で無料になったが、今のところ成長に影響を与えていない。

今四半期、iTunes、ソフトウェア&サービス全体で44億ドルを売上げた。

同社の現金保有高は1467.6億ドルから1588億ドルへと増えた。これは今でもAppleにとって重要な戦略資産だ。ただし米国内ではわずか344億ドルしか保有していない。

この数年間、同社は配当および株式買い戻しに関して寛容さを増しているが、それでも今四半期だけで120億ドルを加えている。多くのIT企業は12億ドルの〈売上〉を切望していることだろう。

暗い見通し

Appleは次四半期の売上予測を420~440億ドル、純利益を37~38%としている。2013年Q2の売上実績は436億ドルだった。つまり、Appleは来期売上に関して前年比ほぼ横ばいと予想していることになる。

Apple株は、時間外取引で5.7%ダウンを示しているが、主たる理由は今期の売上ではなく来期の指針によるものだろう。

海外売上

大中華圏およびヨーロッパにおける売上は前年から成長を続けているが、その他の地域では横ばいに近い。海外売上の詳細については別稿を参照されたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ソニーの格付けをムーディーズが「ジャンク」に引き下げ

大手証券格付会社のMoody’sはソニーの投資格付をBaa3からBa1に引き下げ、将来見通しを「安定している」とした。Ba1は「投資適格」より1階級下の格付けとなる。つまり現在ソニーは投資先として「投機的」と格付けされたわけで、今後資金調達の困難さが増すことが予想される。

今日(米国時間1/27)の引き下げは純利益の不安定な動きを反映したものだ。大規模な人員削減の努力にもかかわらず、パソコンやテレビ事業は依然として赤字ないし赤字すれすれだ。この不振の原因は競争の激化によるものとされている。

ムーディーズは「われわれはテレビ、モバイル、デジタルカメラ、パソコンなど多くのソニーの中核事業が今後とも利益を引き下げる強い圧力にさらされると予想している」と述べた。

しかしPlayStation 4はユーザーにもジャーナリストにも高い評価を受けているし、クリスマス商戦では400万台が売れた。しかしゲーム機は発売の直後の時期には利幅が薄く、ソニーの利益確保にはまだ大きく寄与していない。しかし初期投資が回収されれれば利益率が向上し、将来はゲームの売上も伸びるようになるだろう。長期的に見れば明るい兆候だ。

また最近ソニーはデジタルカメラで健闘している。しかしこの分野も競争が激しく、スマートフォンの圧力で価格は下落傾向だ。

ソニーは同時に有力な映画スタジオであり音楽レーベルでもある。これらの事業部は好調だが、浮き沈みの激しい業界であり、将来の予測は立てにくい。映画製作における利益のほとんどは公開後数ヶ月で決まってしまう。毎年次々にヒットを重ねていくことが求められるビジネスだ。

スタンダード&プアーズ(S&P)のソニーの格付はBBBで、これはジャンクより1等級だけ上だが、フィッチの格付はジャンクだ。現在(16.03)の株価は 金曜日の終値より4.13%低い。ムーディーズは「ソニーの格付が近い将来改善する見込みは少ない」としている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Instagramの投稿写真からランダムに構成する世界旅行Somewhere…意外とやみつきに

フランスのハッカーBenjamin Netterがこのほど、Somewhereと名づけたクールなハックをリリースした。それはInstagramとFoursquareとWikipediaのデータを利用して、あなたの次の旅の目的地…世界の秘境…をランダムに選んでくれるという、一度見るとやみつきになりそうなアプリケーションだ。実際、このWebサイトのビジターの平均滞留時間は13分にも達する。すごい。

Netter曰く: “Tripovoreで仕事をしてたとき、Instagramの写真の方がプロの撮った写真よりもその場所の雰囲気がすごくあることに気がついた。そこで、自分以外の人の目で旅をするのは、きっとすばらしいぞ、と思ったんだ”。

Netterは、Webの上でビューティフルな場所に出くわすたびに、その名前をSomewhereのデータベースに加えていった。たとえば原発廃墟都市、砂漠というよりも乾燥粘土漠、見るだけでも怖くなる浜辺の海溝、などなど。

ビジターは、彼が書いたスクリプトにより、Instagramにあるおよそ150の写真を“旅する”。顔認識アルゴリズムを使って、セルフィーは排除する。美しいところへ行くと、そこでセルフィーを撮る人がとっても多いのだ。人間であるNetterがやることといえば、写真を拾い上げることだけだ。

Somewhereは、FoursquareとWikipediaを使って地図と説明文を写真につける。

Somewhereのコードを書いているとき、Instagramのデータベースがものすごく大きいことにNetterは気がついた。だからInstagramを巨大なデータプラットホームと見立てて、意味のあるストーリーやその結末を導けるのだ。たとえばInstagramの上の過去7日間の人気上位の場所を見つけたら、世界中から新しいツアープランを作り出すことができる。

でもSomewhereの魅力は、その、ジュークボックスのようなランダム性にある。画面右下にある大きな青い[somewhere else]ボタンを押すと、ランダムに別の場所へ行く。これは、やり始めるとやめられない。平均滞留時間13分は嘘ではない。今のところビジネスモデルや将来的な目標はないけど、あなたにひまが十分にあるときには、すばらしい白昼夢を見せてくれる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


アプリの(UI/UXの)デザイナーのためのQAテストツールDuologue

モバイルアプリのQAテストにうんざりした二人のフランス人が、一か月かけてDuologueというサービスを作った。このサービスを利用して、アプリのスクリーンショットをモックアップと比較したり、バグを調べたり、コメントを書くなどのことができる。

デベロッパのPaul Dupuyはぼくにこう言った: “これまでいろんなモバイルアプリを作ってきたけど、UXをテストしてバグを報告するのはほんまにかったるいね”。

デザイナーのOskari Grönroosと一緒に今日(米国時間1/16)ローンチしたこの小さくて気の利いたツールは、月額49ドルの会費で利用できる。プロジェクト数は無制限、一つのアカウントで最大10人が使える。

これまでも、フリーのデベロッパに仕事をさせる企業は、こんなツールを使っていた。使い方は単純明快で、かなりの時間を節約できる。アノテーションツールのSkitchや、DroplrBugshotなどはしかし、Duologueほど強力ではない。

これまで何人かにDuologueの試用をお願いしたが、そのほとんどが今でもずっと使っていて、とても気に入っているという。少人数で作ったマイナーなプロダクトだけど、すでにデベロッパたちのファン層ができつつある。

〔ここにスライドが表示されない場合は原文を見てください。〕

〔原文のコメントでは、概して好評。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


レシピのSoundcloudを目指すYoumiam、41万ドルを調達してフランスから世界へ

フランスののYoumiamというスタートアップが、レシピ共有のためのウェブサイトを新しくし、そして41万ドル(30万ユーロの資金を調達した旨をアナウンスした。出資したのはエンジェル投資家のPatrick Robin(24h00)、Thierry Petit (Showroomprivé)、およびDenis Chavanis(Nestlé Watersの前Managing Director)だ。Youmiamは、レシピのブラウズ、作成、共有を簡単に行うためのサービスだ。

扱うのはレシピに限定しているが、YouTubeやSoundcloud風の「ソーシャル」機能も充実している。レシピというのはシェアするのに適したコンテンツでもあり、そこに着目してブログやウェブなどで簡単に共有することができるようにしているのだ。また、サービスサイトでは自分の投稿したレシピやシェアしたレシピなどをまとめたプロフィールページも作成される。もちろん他の人をフォローして、レシピを軸としたいろいろな人との繋がりを構築することもできるようになっている。

サービスに登録してサイトを訪問すると、画面いっぱいにアペタイザー、アントレ、あるいはデザートなどが多数表示される。これは食事関連専門のPinterestといった趣きだ。気になる写真をクリックすると、材料と調理時間が表示されるようになっている。そこからレシピを見ることもできる。レシピはたいていの場合スライドショー形式で提供されている。各スライド毎にステップバイステップで説明してくれるものとなっているわけだ。

自分でレシピを作ろうとする場合、用意されているフォームを埋めるていけば完成するようになっている。長い文章は登録することができなようになっている。短い文に限定することで、レシピを見やすくしようと心がけているのだろう。

検索機能も充実していて、これがサービスの人気の元なのかもしれない。作りたいものはあるものの、作り方がわからない場合など、もちろん検索すれば作り方がわかる。また、調理時間や材料、料理のタイプ、あるいはキーワード(#easy、#summer、#chocolate等)で検索することもできる。

Youmiamはレシピを再利用可能なコンテンツとして扱い、またSEO対策も施すことにより、他のレシピサイトと一線を画すものとなっている。また、人気レシピをたくさん公開している人が目立つような仕組みも取り入れていて、他のレシピサイトを見るよりもおいしい料理を作れる可能性が高くなってもいる。

2013年に、5人による開発チームは、パリで開催された3ヵ月におよぶMicrosoft Ventures Programに参加した(以前はMicrosoft Sparkと呼ばれていた)。同時期に参加グループの中で。最初に多額の投資を受けるサービスとして成長した。今回の41万ドルの他にも、Xavier Niel(フリー)、Jacques-Antoine Granjon(Vente-privee.com)、Marc Simoncini(Meetic)が、若いアントレプレナーを支援するために立ち上げた101projetsより3万4000ドル(2万5000ユーロ)の資金を調達している。

今回調達した資金は、サービスの英語版の立ち上げ(2月を予定している)、モバイルアプリケーションのリリース、レコメンド機能の充実などをはかる予定にしている。英語版の運用を始めて、世界を相手にしていくにあたり、これまで以上にコミュニティを盛り上げていく必要が出てくるだろう。サービスの動向を見守っていきたい。

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(翻訳:Maeda, H


フランスの‘反Amazon法’が成立すると送料無料がなくなる–それで個人書店は持ち直すのか?

Cultural exception文化例外)がまた襲ってきたようだ。フランス議会は数日後にほぼ確実に、いわゆる’反Amazon法’を成立させる。この法律が成立するとAmazonは、書店を保護するために、送料無料で本を売れなくなる。この法律は、本の値引き販売を禁じているLang Lawラング法)の建て増しみたいなものだ。

フランスの本の価格は、外国人にとって分かりにくい。1981年にフランスの文化相が、本の定価販売を義務付ける法律、ラング法を制定した。それ以降、出版社は定価制を採用し、本の裏表紙に価格を印刷することになった。

大手書店チェーンも個人書店も含め、すべての書店が、本を定価で売ることしかできなくなった。ただし例外があって、定価の5%までのディスカウントは認められている。多くの書店がこの例外規則を利用しているが、わずか5%をディスカウントと称するのは、地球広しといえどもフランスの本屋さんぐらいしかいないだろう。

1981年の制定当時は、個人書店を大型書店チェーンから守ることが目的とみなされていた。法律は功を奏し、今でもフランスでは個人書店が健在だ。それにその後、イタリア、ポルトガル、スペイン、ドイツなどでも本の定価制を法律で保護するようになった。

でも当時の書店は、Amazonという恐ろしい怪獣の来襲を予期していなかった。今ではAmazon以外にも、Fnacなどいくつかのフランス固有のネット書店が町の本屋さんの経営をおびやかしている。

ネット書店の二大大手AmazonとFnacは、法律で許されている5%の値下げとともに、一律の送料無料で町の本屋さんに対抗することを選んだ。本屋さんたちはそれを、不当競争とみなした。

文化相曰く送料無料の禁止はAmazon敵視策ではない

Amazonはタックスヘイブンとしてルクセンブルグを利用しているから、送料無料でも利益があり、マーケットシェアを拡大してきた。フランスでの同社のシェア拡大のやり方はほかの国と同じで、薄利多売*の徹底だ。もちろん理論的にはAmazonは、いつでもその逆を行って、値上げと利幅増大に転向できる。〔*: 在庫回転率が年30~40(一般書店の10~15倍)、毎日大量の日銭が入るが納入者には90日済度。〕

今日、フランスの文化相Aurélie Filippettiは、その法律が反Amazon法とあだ名されていても、実際にはAmazonという特定企業を対象とする法律ではない、と述べた。今後のオンライン書店はAmazonにかぎらず、5%値引きしてさらに送料無料にすることは許されない。

定価制が競争の活性化に導く理由

本の定価制といえば、もう一方に、合衆国におけるAppleのeブックの定価制がある。Appleのそれは、自由競走の妨害として有罪になった。

2010年にiBookstoreが発足したときには、いわゆる代理店タイプの価格モデルがeブックストアを席巻した。Appleは出版社に定価を維持させるが、それと同時にKindleなどほかのeブックストアでも定価販売を強制される。

そのことが司法省の逆鱗に触れ、省は反トラストの嫌疑で告訴状を書いた。しかし、小売レベルでの価格付けを自由にしたことによって、むしろ競合他社はつまづき、Nookのeブックの売上は落ち込んだ。ほかのストアでも、同様だっただろう。

今では、Amazonは押しも押されもしないマーケットリーダーだ。司法省は代理店型モデルを有罪化したことによって、独占に近い状態を招いた。出版社との利益分有交渉においては、Amazonが断然有利なのだ。

フランスの’反Amazon法’では、政府はその逆を行き、個人書店や小規模出版社を守ろうとしている。しかし、それは行き過ぎだろうか?

12月に、フランスの書店チェーンの二番目の大手Chapitreが倒産した。2014年には、オンライン書店に苦しめられている本の業界に、1230万ドルの救済資金が投じられる。

そこで問題は、送料無料をめぐるこの法律は、単なる行き過ぎか、それとも、これで十分にフランスの2500軒の個人書店が救われるのか、だ。

(画像クレジット: Casey Bisson)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Android搭載カメラと小型プリンターを一体化して世に問うPolaroid Socialmatic

懐かしのPolaroidブランドは、まだ死に絶えてはいない。ポラロイドのコンセプトが、再びPolaroid Socialmaticとして登場してきたのだ。14メガピクセルのカメラと4.5インチのタッチスクリーンLCDディスプレイ、Android、Zero Inkプリンター、そしてwi-fiとBluetoothに対応している。価格は299ドルだ。既にスマートフォンを所有している人が、この価格でわざわざ手を伸ばすのかどうか、少々微妙な値付けであるように思える。

プロダクトの大きなウリは印刷機能と共有機能だ。背面カメラないし2メガピクセルの前面カメラで撮影すると、内蔵のWi-Fi機能を使ってFacebook、Twitter、あるいはPinterestで写真を共有することができる。そのためのアプリケーションは予め用意されている。そして小さいながら(2インチ×3インチ)も印刷することもできる。

印刷した写真の隅にはQRコードが印刷され、Polaroidサーバー上での、Socialmatic利用者間で交流したり、あるいはサーバーの写真を取り込んで印刷したりすることができるようになっている。なるほど、面白いアイデアではあるが、写真自体を楽しみたい場合には、少々邪魔に感じることもあるかもしれない。

Androidで動作するそうなので、ほとんどの人はInstagramをインストールすることになるだろう。そして、やはりInstagram専用カメラ的な使われ方がメインになるような気もする。そうであるならば、QRコードは無用の長物ということになりそうな気もする。

内蔵メモリーは4GBで、Micro SDのスロットも用意されている。外出先で写真の共有を行う場合は、ネットワークに対応した携帯端末に写真を移してから行うか、あるいはスマートフォンのテザリング機能を活用してアップロードすることになる。

Instagram Socialmaticは、PLR IP Holdings、C&A Licensing、Socialmatic、ZINK Imagingが生み出したものだ。これらはPolaroid Corporationの遺産ともいえる企業群で、ポラロイドのネームバリューや特徴的な外見をもって、新プロダクトを市場に問おうと考えているわけだ。この試みが成功するかどうかは、今後の動きを見てみたいと思う。

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(翻訳:Maeda, H


Appleイベント速報:新MacBook ProはRetinaディスプレイ、Intel Haswell搭載、スリム化されて価格は値下げ

今日(米国時間10/22)のプレスイベントで、AppleはMacBook Proの新モデル2機種を発表した。13インチ、15インチ、両モデルとも最新のIntel Haswellプロセッサーを採用している。

13インチ版は軽く(3.5ポンド=1.58kg以下)、スリム(0.71インチ=1.8cm)になった。バッテリーは大型化され駆動時間は9時間だ。インテグレート・タイプのグラフィックスチップととThunderbolt2ポートを装備する。新しいThunderboltはRetinaを外部接続できる。フラッシュドライブはさらに高速化され、Wi-Fiは高速な802.11acチップを採用している。新しい13インチ・モデルは従来の1499ドルから200ドル値下げされて1299ドルとなった。1299ドルのモデルには,2.5GHz、デュアルコアi5、4GBのRAM、128GBのストレージ、Intel Irisグラフィックス・チップが搭載されている。

15インチ版はクアドコア・プロセッサー、Intel Iris Proグラフィクックス・チップを採用している。ハイエンドモデルにはさらにNVIDIA GeForce GT 750Mディスクリート・グラフィックスが装備される。ただしエントリーモデルにはディスクリート・グラフィックスはつかない。エントリーモデルは現行モデルの2199ドルに対して新モデルは1999ドルから。この価格で2.0GHzのクアドコアi7、8GBのRAM、256GBのストレージがつく。Iris Proはインテグレート・タイプだ。専用グラフィックス・カードを搭載したモデルでなくなったのは一歩後退のようにも見えるが、 バッテリー駆動時間には好影響を与えるだろう。Intelのチップがハードな処理にも耐える能力があるかどうかに注目だ。

2機種の新しいMacBook Proは本日から出荷される。Phil SchillerはDVDドライブ装備のMacBook Proの旧モデルの今後についてはまったく言及しなかった。おそらく次第に消えていくのだろうが、その時期などは不明だ。Schillerは新モデル”だけがMac Book Proのすべてであるかのように説明していた。Appleが旧モデルにまったく重きを置いていないことは確かだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ついのめりこんでしまうビデオジュークボックスMindie; 短篇ビデオで音楽共有を

Mindieは、デザインのきれいなiPhone用ビデオ共有アプリだ。でも、ビデオはこのアプリの機能の一部にすぎない。しかも、Vine的でもInstagram的でも、あるいはMixBitと競合するアプリでもない。Mindieのやることといえば、音楽の発見だ。曲を選び、Vineみたいに数秒のビデオを撮り、その二つの組み合わせをTwitterやFacebookやMindie自身の上で共有する。

協同ファウンダのGrégoire Henrionが、電話インタビューでこう語った: “音楽は人間の創造力を作り出す触媒だ。おもしろいビデオを作るのはとても難しいが、へたくそなビデオでも音楽が付くとおもしろくなるんだよ”。

彼が言うように、たしかに映像ではなく音楽がビデオのストーリーだ。別の言い方をすると、ビデオはキャプションであり、音楽がキャプションではない。現実音がないと最初はつまらないと感じるが、それでもその体験はきわめて個人的なものとなり、音楽がビデオを視る人の感情や気分を喚起するのだ。

同社のスタッフ(Henrionなど)が作ったビデオの中には、トレンディなファッション店でDisclosureの曲が鳴ったり、ヒップなコーヒーショップでChvrchesのすてきな曲がかかったりする。自転車に乗ってヘッドマウントカメラで撮ったパリの街には、Lana Del Reyの声が流れる。

ビデオはキャプション、音楽はそうではない。

音楽発見アプリは、とても難しい。たとえば、Turntableは、同社のソーシャルミュージックアプリPiki閉鎖せざるをえなくなった。だから最初は、Mindieについても危惧した。

でも、アプリを開いてみると、すぐに虜(とりこ)になる。Frontbackと同じく、主役はコンテンツだ。ビデオのまわりに装飾はない。自分の気持ちが、友だちにダイレクトに伝わる。ビデオの長さは7秒だが、それはInstagram Videoの15秒は長すぎる、と感じたからだ。それにもちろん、自分が選んだ数秒のサウンドトラックが付く。

画面をスワイプすると、別のビデオ+別の曲が出る。その操作は、えんえんと、いつまでも続く。しかも、とってもスムースだ。新しいビデオを見るたびに、だれかがあなたと共有したがっているまったく新しい個人的体験を、見つけた気分になる。そしてその曲を、いいね!したり、共有したり、iTunes Storeで買ったりできる。

Mindie自身は、ソーシャルグラフを作らない。アカウントを作ったら自動的に、このアプリを使っているFacebookやTwitterの友だちをフォローすることになる。ビデオの制作は、とても簡単だ。まず、曲を決める。するとMindieはiTunes StoreのAPIを使って曲のプレビューを取り出す。それから、VineやInstagram Videoと同じように、ビデオを撮る。最後にキャプションを加えて、TwitterやFacebookで共有する。

Mindieはビデオ共有アプリか、音楽発見アプリか、と聞くと、Henrionはきっぱりと、“Mindieは音楽アプリだ。App Storeでは音楽のカテゴリーのところにある”、と言った。彼によると、Vineはお笑い共有アプリになりつつあるから、Mindieとは全然違う。Vineはもはや、個人的な瞬間をとらえるアプリではない。だから、MindieとVineは互いに競合関係にはない。

パリに住む4人が作ったMindieは、まだ自己資本のみだ。でも彼らは、音楽共有をぎりぎりまで削ぎ落として単純化した、と自負している。Henrionは、“誰でも、短いビデオを撮っていると、どうしても音楽を共有したくなるんだよ”、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


営業がiPadで持ち歩く3D電子カタログをAR(拡張現実)化するAugment…大きな家具などに好適

拡張現実(augmented reality, AR)が登場してからしばらく経つが、Augmentはそれで稼ぐことをねらっている。同社が今日(米国時間8/30)リリースしたBusiness Catalogは、営業マン/ウーマンのためのツールだ。月額30ドルの使用料を払うと、いつも持ち歩いているカタログをすべてAR化してiPadに収め、客先の“現実”(部屋など)の中で似合う・似合わないなどを見てもらえる(下図)。このやり方はとくに、家具や雑貨、美術品などに向いているだろう。

協同ファウンダでCEOのJean-François Chianettaによれば、“うちより強いのは、お客の家で必ず実物を見せる営業だね”、という。“うちのプラットホームを使えば、(既製のアプリで作った)3Dモデルをほんの数分で拡張現実のオブジェクトとしてアップロードできる”。

今では3D化したカタログをスマートフォンやタブレットで持ち歩く営業は多い。実機にダウンロード済みだから、ネット接続は要らない。ただしそんなサービスも、無料アカウントでは限られた数の品物しか見せられないことが多いし、ネットに接続してないと使えないサービスもある。そんな3D電子カタログのAR化は、たぶん今回が初めてだ。

Business Catalogの有料バージョンはこれまでの2か月ベータをやっていて、3000人あまりのユーザが試用した。しかし今週からは、正規に有料制で一般公開される。

Augmentを利用するのはどんな企業か、と聞くと、その答えは単純明解だ。“今すでに3Dモデルを使っているところだね”、と協同ファウンダでCMOのMickaël Jordanは言う。“Augmentがサポートするファイルタイプは、3ds MaxとMayaとSketchUpの三種だ”。

Curioosは、デジタルアートの販売にAugmentを利用している。お客はそれ(ARオブジェクト)を見て、自分の部屋に合うサイズを注文したり、部屋のどこに飾るのがベストか、検討できる。

Augmentのビジネスには、別の側面もある。それは、ARを利用する広告キャンペーンだ。たとえばスーパーマーケットの一角で発売直後のDVDの宣伝販売をやるとすると、そこでARを使って、お客が人気スターと一緒に並んで立っている写真を撮ってあげられる。そのスターの像はもちろん、Augmentのアプリにより3D化されている。ふつう、こういうキャンペーンをやろうとすると広告代理店にでかい仕事を発注することになるが、Augmentを使えばとても簡単にできる。

このフランスのスタートアップは4月に、複数のエンジェルから30万ドル(22万ユーロ)を調達した。数か月後に、また新たな資金調達を予定している。今すでに黒字だから、VCたちにとっては魅力的な企業だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoft CEOのスティーブ・バルマー、12ヵ月以内の退任を発表

寝耳に水のニュースが入ってきた。MicrosoftはながらくCEOを務めてきたスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)が12ヵ月以内に引退することを発表した。後任CEOを任命する特別の委員会が設置され、後任が決まるまではバルマーが引き続きCEOを務める。

「このような話をするのにパーフェクトなタイミングというのはあり得ないと思います。しかしなかなか良いタイミングではないかと思うのです」と、Microsoftのプレスリリースにてバルマーは言っている。「新たな体制で、新しい方向を目指してきましたが、立派な上級管理職たちも育ってきました。デバイスおよびサービスを主力におく方向へと動き出してから引退しようと考えてはいました。しかし新たな動きを行うには、より長い目で動きを見据えることのできるCEOが必要であるとの結論に達したのです」。

Microsoftは7月11日に、一層ハードウェアに力点をおいた大規模な組織再編をアナウンスしている。この動きはスティーブン・シノフスキー(Steve Sinofsky)を退職に追い込み、しかる後に顕在化してきたものだ。その時点でバルマーは「全社的意思統一と、より統合した迅速な開発サイクルを実現すべきだ」と話していた。

会社を複数の事業部(Windows、Office、エンターテインメント、オンライン等)に分割しておくのではなく、ひとつの事業を支える機能体(OS、デバイス、アプリケーション、サービス等)として運用すべきだと考えたわけだ。これはApple風の運営方法と言えるものだ。

バルマーは、こうした大規模改革に乗り出したばかりだ。それであるので、本日の突然の引退発表が一層意外に感じられるのだ。もしバルマーが進めようとしていた「One Microsoft」ビジョンが継続されないということになれば、改めて大規模組織変革が行われることになる。

ちなみに、バルマーの引退がアナウンスされる前からも、時期CEOについてはいろいろと話があった。たとえば、結局Microsoftを去ることになってしまったが、スティーブン・シノフスキーは大いなるやり手であり、バルマーの後継であるという声も大きかった。またジュリー・ラーソン-グリーン(Julie Larson-Green)をおす声もある。後継が決まらないうちにバルマーの引退をアナウンスしたというのは、バルマーの引退が予定よりも早いものであることを意味するのだろう。時期CEO任命のための特別委員会でも、未だ候補者すら定まっていないという状況であるようだ。

バルマーは、共同ファウンダーのビル・ゲイツ(Bill Gates)が2000年1月に引退して以来、MicrosoftのCEOを務めている。以来Windows XP、Xbox 360などでは好成績を収めた。一方でWindows Vista、Kin、Zune、あるいは最近のSurface RTなどは失敗であったと評価されている。バルマーは、ステージでの熱いスタイルでも有名な人物だった。

この10年間、Google、Apple、Amazonなどの株価が大幅に上昇する中、Microsoftの株価にはほとんど動きがなかった。今回のニュースを受けて、プレマーケットにて9%の伸びを示している。

スティーブ・バルマーは以下のメモ(英文ママ)を発表している(強調はTechCrunchによる)。

I am writing to let you know that I will retire as CEO of Microsoft within the next 12 months, after a successor is chosen. There is never a perfect time for this type of transition, but now is the right time. My original thoughts on timing would have had my retirement happen in the middle of our transformation to a devices and services company focused on empowering customers in the activities they value most. We need a CEO who will be here longer term for this new direction. You can read the press release on Microsoft News Center.

This is a time of important transformation for Microsoft. Our new Senior Leadership team is amazing. The strategy we have generated is first class. Our new organization, which is centered on functions and engineering areas, is right for the opportunities and challenges ahead.

Microsoft is an amazing place. I love this company. I love the way we helped invent and popularize computing and the PC. I love the bigness and boldness of our bets. I love our people and their talent and our willingness to accept and embrace their range of capabilities, including their quirks. I love the way we embrace and work with other companies to change the world and succeed together. I love the breadth and diversity of our customers, from consumer to enterprise, across industries, countries, and people of all backgrounds and age groups.

I am proud of what we have achieved. We have grown from $7.5 million to nearly $78 billion since I joined Microsoft, and we have grown from employing just over 30 people to almost 100,000. I feel good about playing a role in that success and having committed 100 percent emotionally all the way. We have more than 1 billion users and earn a great profit for our shareholders. We have delivered more profit and cash return to shareholders than virtually any other company in history.

I am excited by our mission of empowering the world and believe in our future success. I cherish my Microsoft ownership, and look forward to continuing as one of Microsoft’s largest owners.

This is an emotional and difficult thing for me to do. I take this step in the best interests of the company I love; it is the thing outside of my family and closest friends that matters to me most.

Microsoft has all its best days ahead. Know you are part of the best team in the industry and have the right technology assets. We cannot and will not miss a beat in these transitions. I am focused and driving hard and know I can count on all of you to do the same. Let’s do ourselves proud.

Steve

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(翻訳:Maeda, H)


プレゼン用ウェブアプリ、Bunkrは優れもの―HTML5出力でどんなデバイスでもブラウザだけでスライドが再生可能

フランスのスタートアップ、BunkrはPowerPointキラーになろうという野望を抱いている。

このウェブ・アプリを使うユーザーはビジュアルなコンテンツをさまざまな場所から収集、編集してスライドに仕上げることができる。UIはよく考えられており、デザインも美しい。スライドショーはHTML5ファイルで出力されるので、パソコンでもタブレットでもスマートフォンでも自由に再生できる。またPDF、PPT形式でも出力できる。

共同ファウンダーで最高マーケティング責任者のÉdouard Petitは私の取材に対して「われわれは役立つ情報を収集、分析してクライアントのために戦略を立案するのに使う以上の労力を美しいPowerPointプレゼンを準備するために費やすという本末転倒に陥っている。そこでBunkrではどうやったら最小限の時間でわかりやすいスライドが制作でくるかを追求した」と語った。

その回答はこのプロダクトの2つの側面、情報の収集とプレゼンの制作に現れている。PowerPointでは役に立つ画像や動画をウェブで検索し、ダウンロードして、スライドに体裁よく配置することに非常に長い時間がかかる。また情報の収集と保存にはEvernoteのような別のアプリを使わねばならない。

これに対してBunkrはこのプロセスをすべて引き受ける。 単なるスライド制作ツールではなく、Evernote的なクリッピングと整理のツールでもある。ウェブで役に立ちそうな情報を発見したらブックマークレットでチェックするだけで、Bunkrのアカウントに保存される。ユーザーは画像、ビデオ、ウェブページ、ノート、引用などをこうして処理できる。

Bunkrは伝統的スライドショーを枠組みを守りながらあらゆるデバイスのあらゆるブラウザで自由に再生できる能力を加えた

その結果はテーマごとにPinterest風のグラフィカルなデータベースに保存される。毎日なんらかのプレゼンをしなければならないようなエグゼクティブ―つまりPowerPointのパワー・ユーザーにとっては非常に魅力的な機能yだ。

Petitは「“共同ファウンダーと私は以前、広告代理店に勤務しており、毎日の大半の時間をプレゼンの準備に使っていた。それがBunkrの開発を思い立った理由だ」と語った。

ただしプレゼンの構造に関してはBunkrはたとえば、Preziのように過激に新しくはない。これはPowerPointユーザーには安心できる要素だ。しかしPreziなどのライバルとの最大の違いはBunkrがフルHTML5出力をサポートしている点だ。Flashプログインを必要とせずにブラウザなどのデバイスで再生できるl.スマートフォンで再生するにも専用アプリをインストールする必要がない。ユーザーはプレゼンへのリンクを送るだけで、相手はどんなデバイスのどんなブラウザでも再生できる。またYouTubeのエンベッドも簡単だ。

Google Driveのプレゼンテーション・ウェブアプリと同様、複数のユーザーが同時にスライドを同時に編集できる。サービスを使い始めるのは無料だが、HTML5ファイルやPPTフォーマットでダウンロードせずにオンラインで同時に3つ以上のプレゼンを保存しようとすると、月額2.50ユーロ(日本からは3ドル/月)の利用料金がかかる。現在、7000ユーザーのうち200人が有料契約をしているという。

Bunkrはフランスのルーアンに本拠を置くTheFamilyアクセラレータ参加のスタートアップで、年内にもシード資金調達のラウンドを行う予定だ。しかしプロダクトはすでに完成しており、出来は非常に良い。これだけのデザイン力と技術力があればBunkerが有力なPowerPointのライバルに成長できる可能性は十分ある。まずは試してみることをお勧めする。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+