米西海岸と急接近、中国深圳や香港、台湾に根付くハードウェアスタートアップの今

編集部注:この原稿は土橋克寿氏(@dobatty )による寄稿である。土橋氏は海外ハードウェアスタートアップに特化したブログ「Build Something!」を書いており、現在は東アジアや北米を主軸に活動している。

米西海岸のハードウェアスタートアップにとって、中華圏都市は身近な存在となっている。シリコンバレーのスタートアップエコシステムと結びつく形で、中国深圳や香港、台湾などが興隆しており、ハードウェア特化のインキューベーターも続々と出てきている。各都市にはそれぞれ異なる良さがあり、中華圏のスタートアップコミュニティといっても欧米人が多い。彼らはその違いを感じ取った上で、自らが最適と選んだ地へ足を運んでいる。

深圳の電気店が集約しているモール内の様子

独特のエコシステムを形成する深圳

香港の中心街から電車で40分ほど北上した所に位置する中国都市・深圳。名立たる電機メーカーの発注をこなす巨大工場から、試作や量産の相談がすぐにできる中小規模の製造工場、マニアックな部品を扱う売店まで集積しており、高い利便性を誇る。現在の深圳では、数個、数十個、数百個、数千個と幅広い単位での発注が可能だが、以前はこれが叶わなかった。

ハードウェアに特化したアクセラレータプログラム「HAXLR8R」ファウンダーのCyril Ebersweilerは「5年前に『これを1000個作ってほしい』とお願いしても断られていましたが、今日では問題ありません。現地のハードウェアスタートアップにとって深圳が本当に好都合なのは、プロトタイプ製作が迅速にできるからです。モノによっては24時間以内、しかも非常に安く。これらの変化がスタートアップにとって重要です」と話す。

HAXLR8RファウンダーのCyril Ebersweiler氏

HAXLR8Rのプログラム全体は111日間で構成されており、メンターの指導内容は創案・製造・梱包・戦略・流通・財務など、多岐に及ぶ。参加者は6割アメリカ、2割ヨーロッパ、2割アジアで構成されており、中国出身者は意外と少ない。要因の一つとして、深圳にはテンセントなどの巨大企業が本拠を構えており、優秀なエンジニアを高額給与で大勢雇い入れていることが影響している。その一方で、深圳に住むエンジニアたちは、スタートアップへ正式参加する代わりに、平日夜や週末に技術的サポートを行うことが多い。

「大企業の仕事だけでは物足りないのでしょう。深圳のスタートアップのエコシステムは、北京などと比べるとまだ発展途上ですが、深圳は他都市とは異なる、新たなエコシステムを形成する可能性を持っています。ハードウェアに携わる日本の皆さんには、是非もっと深圳へ足を運んでもらいたいです。恐れることはありません」

深圳視察研修を組み込むSFインキュベーター

HAXLR8Rは深圳を本拠としており、プログラムの最後にはサンフランシスコで製品発表を行う。一方、それとは逆アプローチのインキュベーターも存在する。ハードウェアのリスク縮小を目標とした4カ月のプログラムを提供するHighway1だ。サンフランシスコを本拠としており、参加希望者の合格率が7%という狭き門である。Highway1は各業界の有識者で構成されたメンターと共に、プロトタイピングプロセスやビジネスについてのブートキャンプを行い、参加者のプロダクト・ブランド・戦略がより強固になるよう手助けしている。

Highway1 VPのBrady Forrest氏

Highway1を運営するのは、世界的に製造・物流を手掛けているサプライチェーンマネジメント企業PCH Internationalだ。そのため、参加者はプログラム中に入居する施設で工作機械を自由に使えるだけでなく、Appleなどを顧客に抱えてきたPCHのノウハウも活用できる。

4カ月のプログラムには、深圳の工場を2週間巡る視察研修が含まれている。その思いについて、Highway1 VPのBrady Forrestは「中国の製造の現場について、サンフランシスコのスタートアップにもよく知ってもらいたい」と話す。滞在中、プログラム参加者は多くの工場を訪れる。直接メカニックと話し合うことで、プロダクトや製造プロセスについての助言を受けられる。そこでの議論が気に入り、視察研修の後半には製造パートナーを変更するチームも出るほどだ。

香港で醸成されるスタートアップコミュニティ

深圳のすぐ隣に位置する香港を本拠に選んだハードウェアスタートアップも少なくない。香港のスタートアップコミュニティStartupsHK共同ファウンダーであり、3Dプリンターを開発するMakibleファウンダーでもあるJonathan Bufordは、その魅力についてこう語った。

「私は2000年から14年間、香港に滞在しています。もし起業家が深圳で全てをまかなおうとしたら、中国の様々な規則を遵守する必要があります。顧客とのコミュニケーションやファイナンス面においても、余分なコストが掛かるでしょう。対して、香港では税金が安く済む上、ビジネスを行うためのプロセスが簡略化されています」

StartupsHK共同ファウンダーでMakibleファウンダーでもあるJonathan Buford氏

Ambi Labsも香港に魅力を感じたハードウェアスタートアップの一つだ。彼らは快適な気温へ自動調整するエアコン制御器「Ambi Climate」を開発しており、アジア最大級テックカンファレンス ECHELON 2014 でPeople’s Choice Awardを受賞した。8月末頃には、Kickstarterでのキャンペーン掲載も予定している。Ambi Labs CEOのJulian Leeは「香港には中国のサプライヤーをよく知り尽くし、国際基準に則って動ける人材が多く、世界各地への販路構築にも役立つ」と話す。実際、同社はまだ少人数だが、イギリス、シンガポール、アメリカ、スイス、カナダ、日本の出身者で構成されている。

Ambi Labs CEOのJulian Lee氏(右)

昨今、ハードウェア特化型インキュベーターに参加するスタートアップが増えているが、Ambi Labsはその道を選択していない。同社の場合、時間をかけてハードウェアと機械学習技術を融合させつつ、大量のデータを集めていく必要があった。アジア市場を調査したり、コンセプトを繰り返し考え直すことに9カ月、さらにそこからデータ分析やモデルタイプ製作に15カ月掛けている。

「この2年があったからこそ、私たちはAmbi Climateを納得した水準で世に送り出せました。ハードウェアインキュベーターが一般的に要求する約3ヶ月という時間フレームに縛られていれば実現できなかったでしょう。インキュベーターから受けられる製造面でのサポートは、ここ香港のスタートアップコミュニティからの助言で十分でした」

長期ビジネスを支える台湾のサプライチェーン

数カ月という比較的短期間で構成されがちなハードウェアインキュベーターのプログラムに疑問を抱き、1年以上の長期支援に対応するところも出てきた。クラウドファンディングサービスや製造業アドバイザリープラットフォームを提供する台湾のHWTrekである。ドイツやシリコンバレーに拠点を持ち、参加者の5割がアメリカ、3割がヨーロッパ、 2割が台湾で構成されている。

HWTrekはサービス開始当初から80名以上のデジタルデバイス専門家と連携してきた。製造やコスト管理、資材調達、流通問題に関するアドバイスを行い、限られた期間・予算内で良い製品を作るサポートを行う。HWTrekを運営するTMI台灣創意工場社CEOのLucas Wangは「ハードウェアは長期ビジネスであり、スケジュールも思い通り進行しません。そんな中、台湾にはハイレベルなサプライチェーン・マネジメントがあり、モノを作ることに関して本当に便利な場所だ」という。

HWTrekを運営するTMI台灣創意工場社CEOのLucas Wang氏

同社はこのほど、アイデアを製品化し、効果的に市場まで繋ぐプロジェクトマネジメントツール「HWTrek Project Development Hub」を公開した。Foxconnなどの大手EMS企業との直接的なチャネルを活かし、国際的なハードウェアメーカーコミュニティの繋ぎ手を目指す。

「例えば、アップルストアのようなお店で自らの製品を販売したいと望んだら、彼らは非常に多くの審査プロセスを課すでしょう。その時、世界的に知られた工場で製造している事実は信頼関係を強くします。名が通っていない工場で製造した場合、一定の品質を保てるか、リコールを生じないかと心配され、審査が難航するでしょう。つまり、世界的な製造工場と関わることは、販売面でも非常に役立つのです」

今回は深圳、香港、台湾と駆け足で紹介してきた。各都市のコミュニティが形成されていく中で、ハードウェアスタートアップにとっては様々な選択肢が生まれてきている。日本のスタートアップにもハードウェアを組み合わせたものが増えているので、この辺りは注目しておいた方がいいだろう。


ビジネスSNSの側面を持ち始めたWantedly、ソーシャル強化の狙い


Facebookのつながりを活用したソーシャルリクルーティングサイト「Wantedly」が19日、ユーザーがフォローする会社や知人の最新動向を一覧できるニュースフィード機能を導入した。ウォンテッドリー代表取締役の仲暁子によれば、最近のWantedlyは、イベントや仕事で会ったユーザー同士がつながったり、企業が自社ブランディングに活用するなど、求人以外の使われ方も目立ってきているという。Facebookライクなニュースフィード機能をリリースすることで、ユーザーと企業の距離感をさらに近づける狙いがあるようだ。

Wantedlyの月間ユーザーは約40万人に上り、1日あたり100組の知人の新しいつながりが生まれているのだという。ニュースフィードではこうした「仕事でつながった知人」の情報を一覧できるようになる。ニュースフィードで受け取れるのは、フォロー中の会社の投稿や知人の新しいつながり、知人の新しい紹介文(mixiの他己紹介的なメッセージ)、知人が書いた新しい紹介文、知人の応援している求人募集。まずはウェブ版から提供を開始し、順次モバイルにも対応していく。

ニュースフィードに先立ちウォンテッドリーは7月28日、求人企業が社内の活動や告知を投稿できる「会社フィード」機能をリリースした。Facebookのいいね!に近い機能だが、求人企業は自社をフォローしたユーザーのプロフィールを閲覧できる点が異なり、潜在的な採用候補者を抱えることができる。ユーザーにとっては、気になる求人企業を「フォロー」することで、Wantedlyの募集要項だけでは伝わりにくい会社の様子がわかるのがメリット。そのタイミングで仕事を探していなくても、フォローした企業が新たに求人募集した際にはプッシュ通知を受け取れるのも利点だ。

ビジネスSNSとしての側面を持ち始めたWantedlyだが、ニュースフィードや会社フィードといったソーシャル機能を強化する狙いは、「ユーザーが求人にエントリーする際の心理的なハードルを下げることにある」。というのも、ユーザーにとってWantedlyは、採用に至るまでに若干遠回りなサービスであるからだ。

ユーザーが求人企業にアプローチするには、企業のページの「話を聞きに行きたい」ボタンを押してエントリーした上で、企業に興味を持ってもらえた場合にオフィスに招待してもらう必要がある。(ユーザーのプロフィールを見た求人企業からスカウトのメールが届く場合もある)。さらに言うと、Wantedlyは他の求人サイトと異なり、報酬の記載欄が存在しない。条件面ではなく、やりがいや理念で仕事をマッチングすることを重視しているためだ。求人ページには、どんな人材を募集しているのかは事細かく紹介されているものの、待遇面は最終段階で詰めていく。

しかし、会社フィードで「会社をフォロー」するという選択肢ができたことで、ユーザーは気になる会社を気軽にウォッチできるようになったと、仲は語る。「今まではエントリーする人にとってハードルが高かったかもしれませんが、会社をフォローするだけなら心理的な負担は軽くなる。ユーザーとしてはフォローした後、その会社に興味を持てばエントリーすればいい」。


ネットワークアドミンが毎晩安眠できるための、AWS出身者らによるトラブル自動フィクサーNeptune.io

ネットワークの管理者(ネットワークアドミニストレータ)のポケベルが鳴ったりスマートフォンがネットワークのトラブルをアラートしてきたときには、徹夜になることが多い。これまで何百回も直してきた同じ問題が、彼をベッドから蹴り出すのだ。YC育ちのスタートアップNeptune.ioは、よくあるネットワークのトラブルを自動的にフィックスして、そんな彼らを助けようとする。アドミンたちに安眠を約束し、まれにある本当に深刻な問題のときだけ、起きていただくのだ。

協同ファウンダのKiran GolluはそれまでAmazon Web Servicesにいたので、このように夜中に叩き起こされるときの状況を体験的に知っている。“ディスクが満杯になったりプロセスが壊れたら、飛び起きてその問題を30分か45分以内に直さないといけない”、とGolluは説明する。“Amazonには5年いたが、夜中に起こされてそういう問題のフィックスをやるのは、ほんとうにかったるい”。

彼が、もう一人の協同ファウンダSatish Talluriと共にNeptune.ioを始めた大きな動機の一つがそれだった。彼によるとNeptune.ioは、これまであったモニタリングツール(New RelicやAppDynamics)とアラートツール(PagerDutyなど)の間隙を填めるものだ。NewRelicやAppDyamicsは問題をウォッチする。PagerDutyはアラートを作ってそれを担当のアドミンに送る。

しかしNeptune.ioは、問題をフィックスするための二つのオプションをアドミンに提供する。ひとつは、よくある問題をスクリプトによって自動的に修復すること。たとえばディスクが満杯になったらログや古いアーカイブファイルを掃除する。メモリが過負荷ぎみなら、スレッドダンプをやらせる。

Golluによると、スクリプトは顧客の要望に合わせてどんな言語でもよい。“それならどんなシェルコマンドでも使えるし、セキュリティの懸念がある場合はNeptuneが使えるコマンドのパーミッションを顧客が制限できる”。

Neptuneのもうひとつのオプションは、解決方法の示唆を含むメールによるアラートだ。たとえばディスクが満杯の場合、従来のモニタリングツールは修復の参考になるようなコンテキスト情報をくれないから、アドミンが自分で調べて、オフロードしてもよい大きなファイルを見つけなければならない。そんな場合Neptune.ioは、ヒントを提供して時間節約を図る。

彼によると、NetflixやGoogle、Facebookなどの大企業ではそういった修復用スクリプトを内製しているが、公開と共有をしてない。モニタリングツールの中には、スクリプトを提供しているものもあるが、それらはあまりにもベーシックなものばかりだ。Neptune.ioは、それぞれの問題の性質やコンテキストに合ったスクリプトを提供する。

同社の今の主なターゲットはAWSのユーザで、仮想サーバ数50〜100基という中規模な展開を一人のエンジニアが担当しているようなところを、主にねらう。そして将来的には、そのほかのクラウドIaaSや、もっと大規模な展開も対象にしていきたい。

同社は、総合的なネットワーク管理エコシステムを作ることにも関心があり、モニタリングツールやアラートツールの既存の企業たちに働きかけている。そんなコミュニティができれば、企業のITの人たちも万一のための監視修復のシステムを構成しやすいだろう。

同社は昨年11月にスタートしたが、YCのインキュベータ事業に加わったのはこの夏だ。すでにプロダクトは稼働しており、有料の顧客もいる。これまでは自己資本のみだったが、秋ごろには正規の資金調達を図りたい、とGolluは言っている。

同社の窓口はNeptune.ioのWebサイトで、今は有料顧客と共にパイロットを進めている段階だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonが大成功した4つの秘訣を徹底検証

ウェブ解析業界の重鎮の一人、ブライアン・アイゼンバーグのブログの翻訳許可を得ましたので気になった記事があれば定期的に紹介していきたいと思います。第一回目は彼があのAmazon.comの成功を独自の視点で分析した内容をとあるカンファレンスで行ったプレゼンから抜粋して紹介する記事を。アイゼンバーグの的確な分析力を垣間見つつAmazonの凄さが改めてわかる内容です。 — SEO Japan

4 Amazon pillars infographic

今週、初めてニューヨークで開催されたClickZ Liveで、光栄にもプレゼンターの大役を任せてもらえた。今回は、リクエストにお応えして、プレゼンの一部をここでシェアする。

ここ数年、私はAmazonに注目しており、同社を大きな成功に導いた幾つかの秘訣をこのイベントで紹介した。Amazonに対して、どんな印象を持っていようとも、同社は、あらゆる企業にとって、手強い敵である。ジェフ・ベゾスCEOのビジネスへのアプローチにおいて、最も尊敬すべきは、あらゆる企業と重複する力を持つ点である。簡単ではないが、単純ではある。

Amazon.comは、1995年7月に初めて本の発売を行った。2013の暮れには、744億5000万ドル相当の商品を販売する一大事業に発展していた。Amazonは、インターネットでの取り組みを始めたその他の会社と比べて、十分な知識を持った状態で、事業を始めたわけではない。先を読み、データをベースとした技術を開発し、そして、ウェブビジネスのベストプラクティスを覆すことを厭わなかったため、最大のオンライン小売りサイトに成長したのだ。現在、Amazonは、米国内(そして、その他の多数の市場)のEコマースの売り上げの30%を占めるだけでなく、B2Bのベンダー、ハードウェアの開発者、そして、パブリッシャーとしても成功している。

Amazonは、10年先を進んでおり、Walmart等のデータを大事にする企業をリードしている。Amazon.comは、ジェフ・ベゾス氏のビジョン、そして、4本の成功の柱を足場としている:

  1. 顧客中心主義
  2. 継続的な最適化
  3. イノベーション文化
  4. ビジネスアジリティ

「最も重要な点は、顧客に執拗に焦点を絞る方針である。地球で最も顧客を中心とした会社になることが、Amazonの目標だ」– ジェフ・ベゾス、Amazon.comの創設者 & CEO

Amazonの顧客中心主義

ベゾス氏が、1994年にAmazon.comを立ち上げる決断を下した時、同氏は、プログラムを用いて、顧客の詳細を把握し、ユーザー体験をパーソナライズすることが出来る点こそが、インターネット固有の利点だと悟った。ベソズCEOは、あらゆる情報のやり取りから、顧客の個人の固有の識別子(eメールアドレス)に関連するデータを活用することが出来ると確信したのであった。Amazonは、あらゆる売上げ、クリック、レビュー、そして、マウスの動きから、情報を得ることが出来た。このレベルのデータは、Walmart等の店舗型の会社が持つ顧客のデータよりも、遥かに重要であった。Amazonは、「本を売るのではなく、本を顧客が購入する手伝いをする」事業を始めたのだ。このアプローチを基に、Amazonは、忠誠心の高い顧客を獲得していった。Amazonは、優れたサービスに固執し、CEOを含む社員全員が、2年ごとに少なくとも2日間は、カスタマーサービスの最前線に身を置く。これは、顧客中心主義を体現する取り組みの一部に過ぎない。

計画、計測、学習、そして、適応

Amazonは、ビジネスのあらゆる局面を、継続的に最適化している。と言っても、ボタンの変更や買い方の流れをA/Bテストで最適化する従来のマーケティングのアプローチではなく、業務、マーケティング、財務等の改善に力を入れている。全ての業務を最適化する方針を正しく理解するため、Slideshareの「Amazon.com: The Hidden Empire」(Amazon.com: 隠れた帝国)に目を通すことを薦める。

2004年、Amazon.comが、常に200点を超えるマーケティング最適化テストを実施していることを私達は掴んでいた。 現在でも、大半の企業は、平均で1ヶ月に2-5点のテストを行う程度である。つまり、Amazonがテストの規模を変えずに、月に200点のテストを行うペースを継続し、その一方で、競合者が、月に10点のテストしか行なわない状態で時が過ぎたとすると、Amazonは、競合者よりも、遥かに多くのことを学習し、最適化してきたことになる。Amazon.comは、最適化が手法やプロジェクトではなく、事業の経営に摺り込まれた、競争を戦略的にリードする取り組みである点を理解している。そして、最終的な責任はCEOが持つ

他社の収益よりも多額の資金をイノベーションに投資

昨年、Amazonは、研究開発(R& D)の予算に、65億円を投入していた。Amazonは、以前から、優れた社内のテクノロジーを構築し、ビジネスを強化するため、莫大な資金を投入して、例えば、フルフィルメント業務を改善するKivaのロボットから、3D印刷のマーケットに至るまで、ストートアップのテクノロジーを手に入れてきた。Amazonはイノベーションに夢中だ。IterateStudio(小売業者およびブランドの外部委託型R&Dラボ)が作成したこのインフォグラフィックを見れば、Amazonによる壮大なイノベーションの取り組みが分かる。

アジリティが鍵を握る時代の会社経営

Amazonは、基本的な価値の一つとして、アクションを優先する。

「スピードは、ビジネスの世界では、重要です。多くの決定、そして、行動は、表裏一体であり、詳細な調査を行う必要はありません。Amazonは、リスクを承知で行動を起こす姿勢を高く評価しています」

Amazonは、実行を意識して、組織を構築している。同社は、(ピザが2枚あれば、メンバーの腹を満たすことが出来るAppleと同じように)小さな、複数の機能を持つチームを抱えている。Amazonのチームは、他のチームから情報を集めることなく、自分達だけで、徹底して行動を起こすことが出来る。Amazonは、グループの目標、そして、社員全員がリアルタイムでパフォーマンスのデータを見ることが可能な手段を明確に伝えている。つまり、有名人が他界する、または、連邦航空局が離着陸時の電子機器の利用を認める等のイベントが発生すると、その数分後には行動を起こし、数時間後にはサイトに反映させることが出来るのだ。大半の会社は、肥大化し、2時間後に会議を行うこともままならない。一方、Amazonは、事業のパーツを完全に組み換え、ほぼリアルタイムで反応する方針を掲げている。

状況は一刻一刻と変化しており、どのように変化するのか、そもそも、本当に変化するのかどうかを見極めようとして、待つばかりでは、置き去りにされてしまう。小売業界の未来は、明白である。大半の企業は、接戦を繰り広げるどころか、追いつくことも出来ないだろう。努力して、Amazonの成功を支える4つの柱に順応するのか、あるいは、Amazonに破壊される日を待つのか…選択肢は限られている。

P.S. Amazon.comに対抗することが可能な方法を私はたくさん知っている。リクエストが多ければ、次回のコラムでその幾つかを披露する。


この記事は、Bryan Eisenbergに掲載された「Amazon’s Performance Secrets」を翻訳した内容です。

顧客中心主義、PDCA、イノベーション投資、アジリティ経営、、、どれも納得の内容です。しかし20年前からインターネットの利点をプログラムを用いて、顧客データ把握と分析によるパーソナライズとユーザー体験最適化と見据えていた点が、ビッグデータが騒がれている今日のインターネットを見ても、流石ジェフ・ベゾスという感じですね。さらに10年前から常時200以上のテストを走らせていたという文化、、、2004年といえば私がLPOサービスを思いついた年ですからね(それでも日本では相当早かったと思いますが)。そして何よりも最後のチーム体制には驚愕するばかり。Amazonの成功から何か学んで自社、自社サービスの成功につなげたい私でした。 — SEO Japan [G+]

Droneにフライトレコーダーを搭載して「ソーシャル化」を実現するFlytrex Live

趣味でドローン、とくにクアッドコプターを飛ばす人はどんどん増えている。そうした人に向けて、飛ばすことに加えて「ソーシャル」な楽しみを提供するプロダクトが登場してきた。名前を「Flytrex Live」という。実際の飛行機のフライトレコーダーのように飛行経路を記録し、かつリアルタイムでインターネットにも繋がる。互いの飛行経路をシェアしたり、あるいは飛行距離などを競うこともできるようになったわけだ。飛行データを通じていろいろと楽しむことができるようになる。

「わたしたちは以前からクアッドコプターを飛ばすことを趣味にしています。楽しみつつ、しかし他の人と一緒に楽しむ方法はないものかと考えてもいたのです。趣味のドローンに“ソーシャル”の要素を持ち込めば、楽しみは何倍にも膨らむのではないかと考えていました」と、Flytrex Liveを共同ファウンダーのAmit Regevとともに開発したYariv Bashは言っている。

まずはよりシンプルな形でスタートしたのだそうだ。すなわち、「Live」版の元となったFlytrex Coreは、インターネットには接続しない方式だった。飛行データをmicro SDに保存する形式だったのだ。

「ファンの集まるサイトでFlytrex Coreを紹介してみました。すると、ぜひともそうしたデータを元に情報をシェアしたり、あるいはある種のチャレンジを行いたいという人が非常に多くいることがわかったのです」とBashは言う。そうしてFlytrex Liveが生まれたのだ。

microSIMスロットに2G GPRSを装着することで、リアルタイムのインターネット接続を実現し、それによりいろいろと面白い機能を実装することができた。

たとえばFlight Channelにて、Googleマップを使って自分の飛行記録をリアルタイムで確認することができる。もちろん、こうしたデータは友人と共有したり、あるいはFacebookのタイムラインに載せることもできる。

Flytrex Liveは、趣味のドローンを「ソーシャル化」するツールである、とBashは定義する。また、飛行データを使って誰が最も遠くまで飛ぶことができるのかといった「チャレンジ」を行うこともできる。こうしたチャレンジのためのリーダーボードも設けられていて、さらにアクティビティに応じた「バッジ」も用意されている。今後はさらに改良を重ね、すべてのドローンで利用できるようにして、データをFlytrexのサイトに集約しつつ、いろいろな楽しみ方を提供していきたいとしている。

もちろん、このFlytrex Liveは実際のフライトレコーダーと同様の使い方をすることもできる。すなわちドローンを見失ってしまったり、あるいは墜落させてしまった際の解析に使うことができるのだ。

Bashの発言を引いておこう。「ドローンが墜落してしまったり、あるいは制御不能になって行方不明になったりすることはあります。Flytrex Liveは、自己原因の分析を行ったり、あるいは見失ってしまったドローンの探索に役立てることもできるでしょう。分析や探査を行うことで、同じような原因でドローンを失い、何千ドルもも失ってしまうことを避けることができるでしょう。GoProやDSLRを載せたドローンをなくしてしまうのは、誰にとっても相当な痛手であると思います」。

(Bashは自転車の盗難防止のためのThe Cricketサービスのファウンダーでもあり、また無人の月着陸宇宙船を飛ばそうとするSpaceILのファウンダーおよび前CEOでもある)

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Yコンビネーター、女性起業家に対するセクハラ防止を強く訴える

来週のデモデーに先立ち、Y Combinatorはファウンダーに対するセクシャルハラスメントを一切許さない同社の「ゼロ容認」ポリシーを、投資家に再通告した

「絶対に許さない」とY CombinatorのJessica Livingstonは書いた。「必ず見つけ出す。Y Combinatorはそことは今後一切仕事をしない」

この投稿は、女性ファウンダーが自分のスタートアップの投資家を探す際しばしば経験する、性的な誘惑や差別にまつわる話題の高まりを受けたものだ。Wiredは、偏見を受けた経験のある女性ファウンダーのストーリーを「これがIT業界の醜悪な性差別問題の実態だ」と題した記事にして、読者の再認識を促した。続いてForbesも、積極的に乗り出したい女性は武装する必要がある、と語る女性ファウンダーの匿名記事を掲載した。

匿名SNSのSecretでこの問題を論じる人々もいる。どの男性ベンチャーキャピタリストが女性ファウンダーに不適切な性的誘惑を行い「だましてデートに連れ出した」かを具体的に尋ねる投稿さえある。Secretのこの投稿は、名誉毀損や中傷であるという多くの非難を受け、複数のコメンターがここはそうした行為を犯したベンチャーキャピタリストの名前を公表する適切な場ではないと指摘した。

Secretは、シリコンバレーにおける尺八や最新解雇情報に関する匿名噂話の保管場所であり、そのような侮辱的、不適切行為に関する重要な報告の場にすべきではない。しかし、ファウンダーたちがここに報告しているという事実は、女性起業家が評判を犠牲にすることなく訴えられる場所が他にないことの証しだ。

彼女たちには人事部門もなく、告発に対する反発への恐怖から、ビジネスパートナーや他の投資家に相談することさえ極めて困難だ。特に、投資家と駆け出し起業家との相対的権力の違いを考えればなおさらだ。

新しい企業の女性ファウンダーは、金を持った(かつ大半が男性の)門番たちの深くて暗い海に直接飛び込み、この種の差別行為を容認し続ける同じ投資会社からの資金に頼らざるを得ないかもしれない。

Forbes誌の匿名記事とSecretへの投稿以来、この問題について、女性が公の場に出て名前を明らかにするまで、修正は困難だと言う意見も一部に出ている。しかし、責任は不適切な行動をする投資家や、傍観者の同僚に帰すべきであり、彼らが態度を改め、何かを発言するべきだ。被害者がプライバシーを求めることを非難すべきではない。Re/codeのファウンダー、Kara Swisherは、先月私が参加したインターン・イベントで端的に語った。彼女は殆どが男性のパネリストと聴衆に対して、問題は「女性が乗り出すとか何かをすべきだとかいうことだけではない」と念を押した。投資家、特に男性投資家もこの問題の議論に参加する必要がある。

最近のメディアの注目以前、投資家のファウンダーに対するセクシャルハラスメントは、タブー視されていた。Y Combinatorのプレジデント、Sam AltmanValleywagの取材に対して、同社は過去にもこの問題に対して行動を起こしたことがあり、不適切行為の疑いのある投資家はデモデーに呼ばず、紹介もしないと語った。しかし、ついにこの問題を公に語ることによって、Y Combinatorは他のアクセラレーターや投資会社が、同様の「ゼロ容認」ポリシーを採用する道筋を作った。

「われわれが知る殆どの投資家は完全に真っ当でプロフェッショナルだが、不適切事象はたとえ1件でも多すぎる」とLivingstonは書いている。

あとは、その真っ当でプロフェッショナルな投資家たちが、何らかの変化を起こすことを期待するだけだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ランサーズ、2014年第1四半期の契約金額は4.5億円

クラウドソーシングサービスのランサーズが8月12日に自社の戦略説明会を開催した。同社はその中でクラウドソーシングのプラットフォームをオープン化する「Lancers Open Platform」を発表した。
プラットフォームの詳細は後ほど紹介するとして、同社が公開した数字をまず紹介したい。
同社の2014年第1四半期(4-6月期)の流通総額は49億円、契約金額(実際に発注者と受注者との間で仕事が成約した金額)は4億5000万円だという。
同社が契約金額を公式に発表したのは今回が初めて。直近では月額2億円規模になる見込みだそうだ。また会員数は36万6000人、クライアント企業数は9万1000社となる。


RISING EXPO 2014優勝のスペースマーケット、今後はパートナーシップを強化

RISING EXPOのファイナリスト。前列中央がスペースマーケット代表取締役の重松大輔氏

サイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)が8月8日にイベント「RISING EXPO 2014 in Japan」を開催した。

このイベントでは、事前審査を勝ち抜いてきたスタートアップが、資金調達や事業提携を目指し、国内外のベンチャーキャピタルや大手事業会社の新規事業担当者を中心としたオーディエンスの前でプレゼンテーションを繰り広げる。

RISING EXPOは2012年から開催されており、2012年はコイニー、2013年はモイがそれぞれ優勝。その後両者は大規模な資金調達を実現するに至っている。また2014年には日本のほか、CAVが拠点を持つ東南アジア(シンガポール、インドネシアが中心)、韓国、中国の4地域でイベントを開催している。

今回登壇したのは合計15のスタートアップだが、見事優勝を勝ち取ったのは貸しスペースのマッチングサービス「スペースマーケット」を展開するスペースマーケットとなった。2位には鮮魚流通サービスを展開する八面六臂、3位にはインドネシアで女性向けアパレルのフラッシュマーケティングサービスを展開するVIP Plazaが入賞した。

スペースマーケットは4月のローンチ時にも紹介しているが、企業の持つ遊休スペースや利用時間外のスペースを、ミーティングや株主総会、研修、イベントなどで使いたい人に貸し出すためのマーケットプレイスだ。

イベント全部を見られなかったこともあって、イベント終了後に改めてスペースマーケット代表取締役 CEOの重松大輔氏に話を聞いたのだけれども、現在利用できるスペースはスタート時の4倍となる400スペース。利用時間外、遊休スペースを活用できるとあって、スペース管理者への営業も順調だという。

また重松氏の叔母が運営する東京・表参道のギャラリーがスペースマーケットに登録したところ、本来のギャラリーとしての利用以外に問い合わせ8件、成約3件、見積総額280万円と、それなりの実績を出しているそうだ。サービス全体での見積総額は1億円とのことだが、実績に関しては「まだまだこれから」(重松氏)とのことだ。

スペースマーケットでは今後、各種事業者とのアライアンスにも注力していく。例えば旅行代理店と組んで合宿プランを用意したり、ケータリング運営会社や研修運営会社と組んだサービス展開も予定しているそうだ。

RISING EXPOは応募条件に「1億円以上の資金調達を検討していること」という項目があるのだけれど、すでに同社も資金調達に向けて準備中とのことだ。

なお、今回のファイナリストは以下の通り。詳細はRISING EXPOのウェブサイトでも確認できる。

PurpleCow

iCARE

スペースマーケット

Pocket Supernova

ウタゴエ

オリフラム

グライダーアソシエイツ

トイロ

八面六臂

カブク

iCook.tw

必趣旅行

Tunedra

VIP Plaza

MatchMove Global


中学生たちが夏休みにスタートアップ起業体験…自作アプリがApple/Googleのストアに並ぶまで

テクノロジの世界には、Mark ZuckerbergEvan Spiegelをはじめとして、若い起業家がありふれている。でも、ここまで若くはない。

カリフォルニア州Torranceの四人の中学生(上図)が、夏休みを利用して、Flappy Birdからヒントを得たBankItというシンプルなゲームを作った。親たちは、ただゲームを作るだけじゃなくて、アプリの設計やデザインにはじまり、その開発、そしてマーケティングという、スタートアップの全過程を経験してほしい、と望んだ。

そこで四人はまず、それぞれの役割を決め、彼らのイニシャルを取ったSKYS Studiosという名前の会社を作った。Seia Watanbe14歳がアプリのデザイナー、Yua Watanabe12歳がプロダクトマネージャ、Kai Mackenzie11歳がプログラマ、そしてSho Mackenzie13歳がマーケティングプランを指揮し、勇敢にも本誌TechCrunchにメールした。

BankItはAppleGoogleのアプリストアでダウンロードできるが、そんなに難しくないゲームだ。画面に現れるボールを上へスワイプして上辺に当て、それが下辺のゴールに入れば得点になる。バスケの、いわゆるバンクショットをやるので、BankItという名前になっている。これまでの最高得点が記録されるが、自分自身のそれに挑戦するだけでも、けっこう、はまってしまう。

でもSKYS Studiosのキモは、ゲームそのものではない。子どもたちの心に、テクノロジの世界への関心を芽生えさせたことが重要だ。

最近は、あそこここもと、ダイバーシティレポート(diversity report)*を発表することがテク界隈で流行っている。女性やマイノリティの人たちにもっとコンピュータ科学を勉強してもらって、テクノロジの世界に就職してもらわんと困る、というわけだ。Girls Who Codeなどの、女性や子どもたちのためのプログラミング教育サービスの役割も、きわめて重要だ。でもテクノロジの世界の仕事はプログラミングを書くだけでは終わらないから、SKYSのような総合的な取り組みを、軽く見て忘れ去るべきではない。〔*: diversity report, 多様性報告書、社員構成の性的人種的多様性を示す報告書。日本の主要企業・銀行などのダイバーシティレポートもネット上で公開されている。〕

Mackenzie兄弟の父親Harold Mackenzieが、本誌宛てのメールでこう言っている: “このスタートアップ体験で子どもたちに言ったのは、失敗してもいいから、何か自分たちが誇れるものを作ること、その一部始終を自分で経験することに、すごい価値がある、ということだ。みんなが、私の言うことをわかってくれたのが、とても嬉しい。しかも、失敗どころかアプリが実際にAppleやGoogleのストアにまで行ったんだからね”。

ぼくはSKYSの若き起業家たちにインタビューすることができたが、みんな、ちょっぴりシャイな子たちだ。でもぼくがSkypeする数秒前にはHarold Mackenzieが、今連中は互いに物を投げ合って遊んでいる、と言っていたのだ。

未来のシリコンバレーのスポークスマンSho Mackenzieは、このプロジェクトでいちばんおもしろかったのは、設定をいろいろ変えてテストをしたとき、と言った。ボールの数とか、いろんなパラメータの値を、変えてテストを行ったのだ。

アプリは完成したけど、子どもたちの仕事はまだある。数週間後に始まる新学期のための、マーケティングの計画を作らなければならない。Instagramを利用してクラスメートたちにアプリの宣伝をするのだ。

SKYS Studiosの今後は? 四人とも、またアプリを作りたい!と興奮している。大人になったら何になりたいか、という質問への明確な答はなかった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スマートニュースがグリー、Atomico、ミクシィなどから約36億円の資金調達

ニュースリーダーアプリ「SmartNews」を手がけるスマートニュースは8月8日、グリー、外資系ベンチャーキャピタルのAtomicoをリードインベスターとした総額約36億円の資金調達を実施したことを明らかにした。出資比率などは非公開。引受先はグリーとAtomicoのほか、ミクシィ、グロービス・キャピタル・パートナーズ、エンジェル投資家のWilliam Lohse氏(米Ziff-Davis Publishing元President)、川田尚吾氏(ディー・エヌ・エー共同創業者)、その他となっている。

ニュースリーダーアプリと言えば、「Gunosy」を提供するグノシーが、直近(3月、6月)にKDDIなどから合計24億円の資金調達を実施したことを明らかにしており、テレビCMを含めた大々的なマーケティングを展開。テレビCMによると、現在450万ダウンロードを突破しているという。またグライダーアソシエイツの「Antenna」もテレビCMや交通広告を展開している。それ以外にも、LINEの「LINE NEWS」やユーザベースの「NewsPicks」、JX通信社の「Vingow」などさまざまなサービスが提供されており、その覇権争いも激化している。

スマートニュースも7月末に400万ダウンロードという実績を発表しており、8月からはテレビCMを展開している。広告代理店関係者から6月に「資金調達すればすぐにもテレビCMを作成することになるだろう」といった話を聞いていたし、7月には複数の関係者から「すでに一部の資金が着金して、テレビCMの制作に入った」という噂も聞くことがあった。スマートニュースはバリュエーション(評価額)を公開していないが、200億円超のバリュエーションで資金調達を進めていたとの噂もある。

AtomicoはSkype創業者であるニクラス・ゼンストロームが手がけるベンチャーキャピタル。日本拠点では、元Skype日本代表の岩田真一氏が投資や投資先のビジネスマッチングなどを手がけている。ソフトバンクとガンホー・オンライン・エンターテイメントによるフィンランドのゲーム開発会社Supercellの買収のアレンジなども手がけている。この出資をきっかけに世界進出を進める。またグリーとはゲーム等の事業で、ミクシィとはネイティブ広告ネットワーク分野での業務提携を行うとしている。かつては国産SNSの競合とも言われたグリーとミクシィが1社に出資するのは、芸者東京エンターテインメント以来となるはずだ。

なお、スマートニュース創業メンバーであり、取締役を務めていた鈴木健氏が6月18日付けで共同代表に就任している。TechCrunchではこのあと鈴木氏らスマートニュースのメンバーに取材をする予定だ。


クラウドワークスがリクルートを割当先とした第三者割当増資–理由は資金ニーズより事業シナジー

クラウドソーシングサービス「クラウドワークス」を運営するクラウドワークスは8月8日、リクルートホールディングスの投資子会社である合同会社RSPファンド5号を割当先とする第三者割当増資を実施した。金額は非公開だが、数千万円程度と見られる。

同社はこれまでサイバーエージェント、電通といった事業会社のほか、ベンチャーキャピタルなどから約14億円を調達している。今回の調達は資金ニーズありきの資金調達というよりは、事業シナジーを狙ったもののようだ。

クラウドワークスは2014年7月までに会員登録数19万8000人。累計約3万6000社が発注。登録された仕事の予算総額は142億5000万円を突破。月間契約額も増加しているという。

クラウドワークス代表取締役社長の吉田浩一郎氏によると、今回の増資を契機にリクルートグループ全体でのクラウドワークスの利用を促していくという。あわせて、クラウドソーシングを活用したリクルートグループの新規事業も検討する予定だ。

ところでリクルートグループと言えば、2013年にオーストラリアのクラウドソーシングサービス「Freelancer.com」のM&Aに関する話題があった。今回の資金調達をきっかけにクラウドワークスがリクルートへのバイアウトを狙っているか吉田氏に尋ねたところ、「原則はIPOを目指す。ただし、リクルートとのシナジーを考えると、資本提携の比率を増やすといった選択肢は考えられる。だが100%のM&Aについては現段階ではあり得ない」ということだった。


画像SNSのPinterestにメッセージ機能、LINEやFacebookとどう違う?

メッセンジャーサービスというと、まず「LINE」や「Facebook Messenger」あたりを思い浮かべる人は多いんじゃないだろうか。もちろん他にも「Snapchat」だって「WeChat」だって「カカオトーク」だってあるし、最近ではクローズドSNSとしてスタートした「Path」もメッセンジャーアプリ「Path Talk」をリリースしており、果たしてどのサービスで誰とコミュニケーションを取ればいいのか迷ってしまう。そんな中で今度は画像SNSの「Pinterest」が「メッセージ機能」をグローバルで同時に開始した。スマートフォンアプリとウェブのどちらからでも利用できる。またメッセンジャーが1つ増えるのか?とも思ったのだけれど、この機能は「友人関係ありき」の既存のサービスとは異なるのだとPinterest共同創業者でCCO(チーフクリエイティブオフィサー)のEvan Sharp氏は語る。

Pinterest共同創業者でCCOのEvan Sharp氏

国内ユーザーは半年で1.8倍に

まずPinterestについて改めて紹介しておくと、このサービスはお気に入りの画像をPin(ピン:ブックマーク)して、(コルクボードに写真をピンで留めるところから名付けられた)ボードと呼ぶスペースに保存できるサービスだ。ボード上にピンされた画像は、グリッドと呼ぶ、画面一面に画像が並ぶインターフェースで閲覧できる。Facebookアカウントでのログインが可能なので友人のボードをフォローすることもできるが、ボードをみて、同じような趣味趣向を持つユーザーをフォローしていって、ソーシャルグラフでなくインタレストグラフを作ることに主眼を置いている。

検索エンジンが「検索(Search)」によって「特定の答え(例えば東京とサンフランシスコの距離、といった1つの正解があるもの)」を提供するのであれば、Pinterestは1つの正解ではなく、様々な物事との出会いを通じていくつもの可能性を提供する「発見(Discovery)」のためのツールだそうだ。

2010年にサービスを開始しており、2012年には楽天が同社に出資。その後日本法人のピンタレスト・ジャパンを設立し、2013年11月には日本語版のサービスが始まった。日本法人代表取締役社長の定国直樹氏によると、日本語版開始から半年弱でユーザー数は1.8倍になっているそうだ。ユーザー数自体は非公開とのことだが、グローバルではこれまで7億5000万以上のボードに300億以上のピンが登録されている。また、トラフィックの75%はスマートフォンおよびタブレットによるものだという。米国の状況をお伝えすると、2014年5月に2億ドルという大型の資金調達を実施。現在は検索連動型の広告の導入も一部の企業限定で試験的に開始している。ちなみに日本のマネタイズについては現在具体的なスケジュールはなく、ここ1〜2年でまずユーザー拡大を進める。

新機能は「コンテンツありきであって、友人ありきではない」

ピンタレスト・ジャパン代表取締役社長の定国直樹氏

今回導入されたメッセージ機能は、2013年5月に導入された「友人にPinを紹介する」という機能を発展させたもので、10人以内のグループを作成して、メッセージを送受信したり、自分のPinやPinterest上での検索結果を共有したりできる。この機能によって、ユーザー間で「(Pinterest上での)発見」を共有したり、休暇の計画やリフォームのプランを相談するといった使い方ができるとPinterestは説明する。

確かに、「この機能のために友人とPinterestを利用する」というものではなくて、「普段からPinterest上にアイデアや好みのアイテムをPinしているユーザーにとって非常に価値がある」というものだ。Pinretestユーザーであれば、LINEやFacebook Messengerで逐一お気に入りのアイテムのURLを貼り付けて会話するよりはるかに効率よく情報を共有できる。これが冒頭でSharp氏が語っていた「友人関係ありき」のメッセンジャーとは異なる点だという。

繰り返しになるが、友人ではなくPinterestで同じプロジェクトを共有するユーザー同士のコミュニケーションでこそ最大の価値を見いだすことができる。逆に言うと、Pinterestを利用していないユーザーにどうやってその価値を理解してもらうかは課題になるのかもしれない(一応、FacebookやSMS経由で非Pinterestユーザーとも情報を共有できるそうだ)。

ちなみに競合について尋ねたところ、Sharp氏は「既存のスタートアップには(競合は)いない」とした上で、あらためて「コンテンツありきであって、友人ありきではない」と説明した。また国定氏も「Pinterestでやって欲しいのは『発見』と『実行』。これらをより早く、より深くするのがメッセージ機能」だとしている。


これが新Foursquareだ―チェックインを分離してローカルスポット推薦サービスに生まれ変わる

「ゲーム化された位置情報共有」というアプローチを5年続けた後で、今日(米国時間8/6)、Foursquareはこれまでで最大のアップデートを行った。では、生まれ変わったFoursquareをご紹介しよう。新アプリはもはや位置情報共有とは無関係だ。FoursquareはYelpに真正面から対抗するローカルスポット推薦エンジンになった。

最近、Foursquareはメインのアプリから位置情報共有機能を切り離すことを発表した。位置情報共有はSwarmというアプリが担当し、Foursquare自身はユーザーごとにカスタマイズされたローカルビジネス、スポットの発見と推薦を担当する。

Swarmがリリースされてからしばらく経ち、それなりにユーザーを集めているが、依然として旧Foursquareを懐かしみ、Swarmを嫌う声も消えない。

しかし、新しいFoursquareはそんな状況を一新するだろう。


ルック&フィール

読者が昔のFoursquareを懐かしむ一人なら、それは忘れた方がいい。もう終わったことだ。新Foursquareは見た目も機能もまったく異なるサービスだ。ロゴもスーパーヒーロー的なFのデザインに変わり、画面はブルーとピンクを基調としている。そして―チェックイン機能は姿を消した。

新アプリをインストールして最初に起動すると、ユーザーはまずいろいろな「好み」を尋ねられる。表示された候補から「ピザ」、「史跡」、「映画館」、「広東料理」など関心のあるキーワードをタップして選択する。トップの検索バーに「寿司」などとキーワードを入力して検索することもできる。「好み」を選択し終わるとメイン・ページに移る。

アプリはユーザーの現在位置を把握し、その付近のスポットを検索する。トップの検索バーの下に横にスライドするバナーがあり、「飲食店、コーヒー、ナイトライフ、買い物」などのセクションが表示される。

いろいろな推薦アイテムを眺めていくと、新Foursquareはユーザーの好みに合わせて高度にカスタマイズされたレストランガイドのような印象を受けるかもしれない。たとえば「ナイトライフ」のタブを開くとナイトクラブからカラオケボックス、居酒屋までいろいろなジャンルの店が表示されるだろう。こうした推薦はユーザーの位置、前に選択した「好み」などをベースにフィルタされている。

候補に示された店をクリックすると地図、住所、電話番号、営業時間などの基本情報が表示される。また旧Foursquareのユーザーのチェックイン情報と、ユーザーが残したTipが写真入りで表示される。画面下部の「Tipを残す」をタップすれば新たにコメントを書き込むことができる。

アプリを開いたときに自動的に表示される推薦に加えて、もちろんユーザー独自の検索も可能だ。 検索結果はデフォールトではリストで表示されるが、画面右上隅のブルーのアイコンをタップすると地図表示になる。この場合、画面下部に横スクロールで個別店の基本情報が表示される。現在表示されている店は地図上で緑色のアイコンで強調表示される。.

SwarmとFoursquare

前述のとおり、チェックイン機能はSwarmアプリに移された。個別スポットの表示画面の右端に「チェックイン」が表示されているが、タップするとSwarmが起動する(インストールしていない場合はインストール画面に飛ぶ)。Swarmのユーザー体験は旧Foursquareに近い。

メインアプリとチェックインの機能を別のアプリに分割するという方向は基本的に正しいと思う。この点について私はプロダクト体験担当副社長のJon Steinbackにインタビューして話を聞いた。

Jon Steinback

「もともとfoursquareが使われる理由は主に2つありました。どちらもニューヨーカーの必要から生まれたものです。まず自分の好みにあった夕食の場所を探す。食べ終わると友だちがいるバーを探す。ところがこの2つの活動というのはそれぞれが独立で、たった2%しかオーバーラップしないことにわれわれは気づきました。『夕食はチリを食べたい。今チリを食べている友だちは近くにいるだろうか?』とは誰も言わないのです」とSteinbackは説明する。

そうであっても、メインの機能を一新してピボットするのはどんなソフトウェア企業にとっても難事業だ。Swarmはユーザーとその友だちのチェックイン履歴というかけがえのない宝物を、いわば泥棒したかたちになった。そういうわけでSwarmを憎むユーザーが多く、AppStoreストアでの評価は1.5と低いままだ。

しかし新アプリのローンチで、SwarmとFoursquareはうまく補完、協調して作動できるようになった。また新アプリが無事にスタートしたので開発チームはSwarmの改良にいままでより時間を割けるはずだ。新Foursquareは基本的に旧アプリをベースにしており、新しいUIを加え、チェックイン機能を外したものだ。それに対してSwarmはゼロからスクラッチで開発された。Steinbackによれば、開発チームは今でもバグや不具合の修正に追われているという。Foursquareファンの熱望するゲーム化も近くSwarmに戻ってくるようだ。

【中略】

今後の展望

Foursquareとしては、これまでのファンを新しいアプリに引き込み、満足スべきユーザー体験を与えていくためにやるべきことは多い。 その過程には多くの困難が伴うだろうが、この改革は避けて通れない道だった。

旧Foursquareはこのところユーザーエンゲージメントの指標が主要ソーシャルメディアの最下位に転落するなど深刻な不振に陥っていた。主要ユースケースを2つのアプリに分離することによって、Foursquareはこの問題を解決すると同時に、Yelpの独占で沈滞ぎみだったローカルビジネスの推薦エンジンという分野に革新を持ち込むという挑戦に打って出たわけだ。

新しいFoursquareは今日、App StoreGoogle Playで公開される。〔日本語版公開ずみ〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Evernote、Google Drive、およびDropboxのデータをマインドマップ化するMohiomap

読者の方々にも、情報保管にはEvernoteを使っているという人が多いことだろう。筆者もやはりEvernoteを利用している。使うにあたっては、ノートブックを分割したり、タグを工夫して効率的な管理を心がけている。しかし何年分ものPDFファイルやウェブのクリッピング、そしてもちろん各種ノートが増殖し続け、今や全く管理不能な状態になってもいる。

もしかするとMohiomapが、そうした状況を救ってくれるのかもしれない。Evernoteをマインドマップ化するウェブアプリケーションだ。また最近になってGoogle DriveおよびDropboxにも対応するようになった。

地元であるニュージーランドの投資家よりシード資金を獲得し、現在はフリーミアムモデルでの展開を行なっている。無料でもマインドマップデータを閲覧し、情報を辿って行ったり、あるいは検索することができるようになっている。月額5ドルのプレミアム版では、カスタムテーマを利用したり、ノード間にコネクションの設定を行ったりすることができるようになる。また分析用のダッシュボードも利用可能となり、メモやファイルにコメントを付け加えることもできるようになる。

このMohiomapは、膨大な情報をビジュアライズすることで整理しやすくするためのツールだ。Evernote、Google Drive、およびDropboxに加え、Twitter用のビジュアライズツールのプロトタイプも開発している。Mohiomapの技術の応用範囲を探っている段階だということだろう。

サービスを立ち上げたのはChristian Hirschだ。オークランド大学にてPhDとしてコンピューターサイエンスの研究を行なっている際にアイデアを思いついたのだそうだ。

「ビジュアルランゲージないしビジュアライズ技術を、言語コンテンツの整理に役立てるための方法について研究していました。そうするうちに、商用サービスとして展開する可能性に気づいたのです」とHirschは述べている。そしてEvernoteのデベロッパー・コンペティションに参加してみたのだそうだ。

「ぜひともEvernoteを素材として技術を試してみたいと考えました。Evernoteには膨大な情報がたまることが多く、情報をビジュアライズして俯瞰するような方法が必要とされているはずだと感じたからです。こうした技術を組み合わせることで、Evernoteはより一層便利なツールになるはずだと考えたのです」とのこと。

コンペティション参加時点では、Mohiomapは実験的なプロダクトだった。しかし好意的な反応で迎えられ、またEvernoteのアプリケーションマーケットに登録すると良いというような提案も受け、たしかに成功の可能性があると感じたのだそうだ。そしてMohiomapのサービスは1年前に公式にスタートをきった。

ちなみにHirschによれば、マインドマップとは「情報を探し、また情報を結びつけるためのシンプルな方法のひとつ」であるとのこと。

「私たちは、多くの情報を扱う際にはリスト型のアプローチをとることが多いのです。ドキュメントの中に情報を延々と記して行ったり、あるいは整理する目的で、数多くのファイルないしフォルダに分類するという方法をとります。しかしコンテキストに基づいた情報の関連付けを行うことができれば、異なる情報間にも共通性を見つけることができたり、あるいは同じ内容に言及するさまざまな情報を一括して比較検討することができるようになったりするのです」。

まずは、Evernote、Dropbox、およびGoogle Driveなどで情報を検索する際の利便性を感じてもらいたいと考えているようだ。何か特定の情報を探す場合のみならず、自分がためたデータを新たな視点から見ることで、何か新しい発見を得る人も多いことだろう。

Mohiomapは今後、Twitterや他のクラウドストレージプラットフォームにも対応したい考えだ。さらに個人ユーザーのみではなく、企業内でも利用してもらえるようにしていきたいのだとのこと。従業員の持つ情報を、簡単便利に、かつ有効なかたちでマインドマップ化する魅力を売り込みたいと考えているそうだ。またiPad用のネイティブアプリケーションも開発中であるとのこと。

現在のところマネタイズは有料プレミアムサービスを通じてのものとなっている。今後は企業利用者に向けたビジュアライズした情報データベースを構築したり、あるいは専用のドキュメントリポジトリといった、カスタムプロダクトの提供も行なって行きたい考えだ。

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(翻訳:Maeda, H


アジア人向け婚活サービス「EastMeetEast」、海外起業の日本人チームが50万ドル調達してNYCに集結中

日本人起業家が海を渡って海外市場にチャレンジするケースが増えている。もともと戦後にホンダやソニーがやってきたことだから、今さら何を言うんだとフンガイする人もいるかもしれないけど、ここで言うのは製造業ではなく、輸入超過すぎて「ソフトウェア敗戦」と名付けたくなるようなIT分野のサービス業のことだ。北米やヨーロッパ、東南アジアに出て行く例もあるし、日本を拠点にガンガン攻めているLINEやゲームのgumiといった例もある。最近だと「言語非依存」で競えるシンプルゲームをリリースして米AppStoreのゲームカテゴリで1位を獲得したBrainWarsなんていうのもある。日本市場をテストベッドとして見て、日本で成功したモデルをタイムマシン経営で東南アジアに展開するという動きも見られる。

というように、スタートアップの世界は、ますますボーダーレスになってきているわけだが、いまちょっと変わったチーム構成とターゲット市場で日本人を中心としたスタートアップ「EAST MEET EAST」がニューヨークを拠点にして活動を本格化しつつある。

EAST MEET EASTが提供するのは、アジア系社会人向け婚活サービス「EastMeetEast」で、2013年11月にローンチして以来、ニューヨークを中心にユーザーを増やしている。この7月にはiPhoneアプリをリリースしたほか、ディー・エヌ・エー、システムソフト、エウレカベンチャーズなどから50万ドルの第三者割当増資を実施した。

バーチカルデーティング市場で「アジア向け」に注力

アジア人向け婚活サービスといっても、日本人には2つのことがピンと来ない。

1つは、そんなニッチなマーケットがあるの? ということ。もう1つは、婚活サービスって使われてるの? ということだろう。

共同創業者で代表取締役CEOの時岡真理子さんにSkypeで話を聞いたところ、「海外だとオンラインデーティングを使うのは一般的。Webの黎明期から存在する」という指摘が返ってきた。日本では「出会い系」というといかがわしいニュアンスを帯びることもあるが、Match.comやeHarmonyなどは創業がそれぞれ1995年、2000年と古く、社会的に認知され定着しているのだとか。

デーティングサイト市場では、さらに2つの潮流があって、それはこうした古いWeb1.0と異なる新世代のサービスとしてOkCupidやTinderなどが登場していること。もう1つは、バーチカルのデーティングサービスとして、ユダヤ人同士向けのJDate.com、キリスト教徒同士向けのChristianMingle.comなどがあることだ。この辺の感覚は日本人には分かりづらいが、現代米語や現代アメリカ文化を共有はしていていも、人種や文化によってグループが分かれ、恋愛対象も限定されるのは珍しいことではない。

こうしたバーチカルのデーティングサービスは色々あるが、「アジア人向けが実は今までほぼなかった」(時岡氏)のが現状だという。時岡氏自身、オックスフォード大学でMBAを取得し、その後はロンドン拠点のスタートアップ「Quipper」で共同創業者兼COOを勤めるなど、海外生活が長く、こうしたニーズを感じていたそうだ。既存のデーティングサービスだと、「アジア人はアジア人としてくくられてしまうので、日本人を探しているのにインド人を推薦されたりする」という。海外在住のアジア人で婚活をしている友人らも同様の問題を感じていたところから、サービスを着想したという。

こうした「ちょっと違うんだよね」感をすくい取って、EastMeetEastでは、人種、言語、移民ステータスなどの詳細をお見合いの釣書に近い形で表示して、ふさわしい相手を効率的に探せる仕組みを提供するという。米国在住アジア人といっても、何歳で渡米したかは結構重要らしく、0歳(つまり完全なアメリカ人)であるのか、10歳で渡米して2つの文化的背景を持っているのか、16歳で渡米して、英語はあくまでも第二言語であるのかなどで、違ってくる。共同創業者でCTOの江島健太郎氏は「アメリカ生まれのアジア人、アメリカ育ち、移民の3種類」があるといい、これらをマッチングアルゴリズムのパラメーターに使うという。

EastMeetEastは登録ユーザー数は非公開だが、定着率は3〜4割といい、ニーズは掴んでいるようだ。

サービスは今回の増資を皮切りに、大多数のユーザが集中するニューヨークから、アジア人率の高いロスアンゼルス、サンフランシスコなどを中心に米国全体へ展開するという。東京などと違い、人口の多いニューヨークでも800万都市、サンフランシスコに至っては70万人に過ぎず、「人口密度の低さがマーケティングコストに跳ね返る。意外とマーケティングコストが高い」(江島氏)といい、感覚的には日本で1000万円できるものが1億円にもなるという。アジア人同士が集まるコミュニティなどに顔を出してビラ配りをしたり、そうしたコミュニティのリーダーを巻き込んでイベントやったりと、徐々に泥臭いところからマーケティングしているという。

ビジネスモデルは有料課金。月額29.98ドルのほか、サイト上の自己アピールスペースを活用したり、バーチャルギフトを送るといった特典でのバーチャルコインによる課金も予定しているという。2015年末までに50万ユーザーを目指すという。カップルになることがゴールなので、実はデーティングサイトの1人当たりの課金は平均9カ月程度で終わってしまうもの。不倫相手を探すというアシュレイ・マディソンなんかと違うマネタイズの難しさだそうだ。一方、サービス立ち上げのマクロな追い風としてはアメリカへの移民人口はアジア系がヒスパニック系を上回っている上に、高学歴で高収入の「高級移民」が多いことがあり、ここは成長市場と見ているという。もう1つ、これも日本人には分かりづらい感覚だが、離婚経験者の婚活問題もデーティングサービス興隆の背景にあるという。「40代になって仕事が忙しく、合コンもないときにどうやって出会うのか。効率化された探し方が出てくるキッカケになっている」(時岡氏)。

現在北米市場をターゲットにしているが、うまく立ち上がれば、将来的には日本を含むアジア市場への展開も考えているという。

ところで、EastMeetEastのCTOである「江島健太郎」という名前に見覚えのある人も多いことだろう。ブロガー、そしてスーパーエンジニアとして、特にエンジニア界隈ではよく知られた人物だ。元は日本でオラクルに勤めていたが、独立系ソフトウェア企業の米子会社立ち上げのために渡米し、いくつか先進的なC向けサービスを手がけ、今回は4つの目のプロダクトとなるという。現在はラスベガス在住だが、EastMeetEastの活動本格化にあたってニューヨークへ移住予定という。CEOの時岡氏も近々ロンドンからニューヨークへ引っ越すそうだ。


弁当版Uber「bento.jp」とクックパッドが協業、レシピを商品化

スマートフォンで注文してから20分以内に弁当が届く「bento.jp」とクックパッドが協業する。bento.jpで本日から期間限定で、クックパッドに投稿されているレシピの中から、「暑い夏に弁当でおいしく食べられるレシピ」を日替わりで販売する。販売期間は8月4日から8日まで、および18日から22日まで。金額は800円で、配送地域は渋谷と六本木の一部地域となっている。

クックパッドはこれまで、カレーの人気レシピを大手スーパーの総菜として販売したり、パスタの人気レシピを大手コンビニで商品化するなど数々のコラボを行っている。bento.jpを運営する小林篤昌氏によれば、今回の協業で金銭的なやりとりは発生しないそうだが、「好評であれば新たなレシピも弁当化したい」と意気込んでいる。「つくれぽ1000人超え」のレシピが弁当になって注文後20分以内に届けば、かなりの反響があるかもしれない。

弁当版Uberを目指すというbento.jpは今年4月に渋谷と六本木でサービスを開始。当初は予想を上回る注文が殺到し、一部で配送が遅延したことから、いったんは対象エリアを渋谷に限定していた。その後、常時10人以上のスタッフで配送する体制を整え、7月30日に六本木エリアでの配送を再開している。

最近では、法人単位で販売する「シャショク」が好調のようだ。法人は福利厚生の一環として100円単位で弁当代を負担し、残りを社員が負担するというもの。会社が300円を負担すれば、社員は500円で弁当が買えることになる。これまでに、BASEやクラウドワークスをはじめとするスタートアップなど50社が導入している。bento.jpは50社突破を記念し、9月末まで300円の会社負担を0円にするキャンペーンを実施中だ。


「既存プレイヤーをひっくり返す」オンライン学習塾のアオイゼミが1.2億円調達

中高校生向けオンライン学習塾「アオイゼミ」を運営する葵が4日、ジャフコから1億2000万円の第三者割当増資を実施した。オンライン学習塾は教室のテナント代を抑えることで、生徒の教育コストを下げられるのが特徴。一般の学習塾もネット化を進めれば良さそうだが、オンライン学習塾の月額料金は高くても数千円程度。その倍以上の授業料を取る学習塾からしてみれば、既存の事業をカニバリズムで破壊してしまうことになりかねないのでアクセルを踏み込めないのだと、葵代表取締役の石井貴基氏は話す。7月に福岡で開かれたイベント「B Dash Camp」で「既存プレイヤーを一気にひっくり返したい」と意気込んでいたのが印象的だった。

アオイゼミは一般の学習塾のような教室ではなく、都内にある小さなスタジオで毎週月曜日から木曜にかけてライブ授業を配信している。中学生向けには日替わりで数学、社会、理科、英語の授業があり、金曜日は特別授業や再配信を行っている(国語は不定期)。会員登録をすれば、PCやスマホアプリから無料でライブ授業を受講でき、現在は3000人以上のユーザーがリアルタイムで視聴している。

有料会員になれば、過去に配信された3000件以上の授業がいつでも見られるほか、授業後の講師への個別質問が可能となる。月額料金は1教科2000円、2教科3500円、3教科4500円、4教科5000円。プレミアム会員には、成績が上がらなかった場合に全額返金するプログラムも用意している。

講師は社会を担当する石井氏のほか、有名予備校で教えた経験がある専属スタッフや現役大学生が担当。学習塾や通信教育でよくある「第一志望合格率」は86.3%を謳っている。今回調達した資金では、高校生向けの教材コンテンツを増やすとともに、システム開発を強化するためにエンジニア採用に注力する。9月上旬には、生徒の学習時間を把握できる保護者向けのアプリをリリースする予定だ。

生徒の心が折れないコミュニティを育成する


オンライン学習はやる気が続くかどうかが懸念されるところでもあるが、アオイゼミはユーザーが自主的に参加したくなる仕組みづくりで継続率を上げようとしている。例えば、ライブ授業中にはコメント欄を通じて講師にリアルタイムに質問できるほか、「なるほど!」や「わからないー」といった感情を表すスタンプが飛び交う。動画プレイヤーにテキストが表示されないニコニコ動画のような感じのインターフェイスは「みんなで勉強している一体感」を生み出し、生徒のやる気を刺激するのだという。

生徒同士が交流するSNSでは、勉強だけでなく遊びや恋愛に関する話題も投稿されるが、「学校の放課後感があっても構わない」と石井氏。「またアオイゼミでみんなと一緒に勉強しようか」と思ってもらうためのコミュニティ育成を重視しているのだという。「勉強だけが目的だと、どうしても途中で心が折れてしまいがち。この辺は実際の学習塾のマネジメントと変わりません」。志望校ベースのSNSでは生徒同士が励まし合ったり、切磋琢磨していて、実際に継続率向上につながっているそうだ。

既存のプレイヤーをひっくり返したいうアオイゼミだが、オンライン学習塾の競合も少なくない。例えば、リクルートの大学受験生向けサービス「受験サプリ」は、無料で大学入試の過去問をダウンロードしたり、大学入試センター試験の模擬テストを受けられる。月額980円を払えば大手予備校講師による動画を視聴可能で、無料ユーザーを含めて累計利用者は108万人に上る。教育専門出版社の旺文社は月額980円で600本以上の動画授業が見放題の「大学受験まなぞう」、個人情報の大量漏えいが話題となっているベネッセもライブ授業サービスを手がけているほか、現役大学生のボランティアが講師を務め、誰でも無料で授業を受けられる「manavee(マナビー)」などもある。


中高生向けIT教育のライフイズテックが3.1億円を調達–リクルートやDeNA、キッザニアとの協業も

中高生向けのプログラミングキャンプ「Life is Tech!」を展開するライフイズテックが8月4日、総額約3.1億円の資金調達を実施したことをあきらかにした。引受先はジャフコやEast Ventures、Mistletoe(孫泰蔵氏の投資会社)といったベンチャーキャピタルや個人投資家のほか、キッザニアを運営するKCJ GROUPやディー・エヌ・エー、リクルートホールディングスといった事業会社が名を連ねる。

Life is Tech!は、春休みや夏休みの3〜8日間を利用した短期集中型の「キャンプ」、1年間毎週通学して学ぶ「スクール」、インターネットを通して学ぶ「オンライン」の3つの形態で、スマートフォンアプリの開発や動画制作などを学ぶプログラムを運営している。これまでの5000人の中高生がプログラムに参加しており、今夏のプログラムにも約1300人が参加する予定。ちなみに参加者の約8割がパソコンやスマートフォンをほとんど触ったことがない初心者なのだそう。また全体の約4割がリピートして再びプログラムに参加するという。そしてさらに驚くのは、すでにここから2人の学生起業家が生まれているということだ(もちろん実績としてはこれからだけれども)。

同社はこれまでにサイバーエージェントから出資を受けており、小学生向けプログラミング教育事業を展開するジョイントベンチャーのCA Tech Kids社も2013年5月に共同で設立している。

日本のIT教育を全部やっていきたい

ライフイズテック代表取締役社長の水野雄介氏

これまでもLife is Tech!や受託でのプログラミング教育イベントの運営などを展開してきたライフイズテックだが、代表取締役社長の水野雄介氏は、「Life is Techだけでなく、日本のIT教育を全部やっていきたいと思った」と調達の意図について語る。同社が今回の調達で重視したのは協業。そのため、引受先にはVCに加えて複数の事業会社の名が連なる。KCJ GROUPとは、中高生向けのアントレプレナーシップ教育プログラムを展開する予定であるほか、DeNAやリクルートでもそれぞれ新事業について検討中だという。

協業に加えて、オンライン教育の強化やグローバル展開(すでにシンガポールで一度Life is Tech!を開催しているそうで、10月には現地法人を設立する)、学習管理システムの開発および販売なども進める。また、「Life is Tech! Stars」と題して、プログラム卒業生の起業家やAO入試合格者などを紹介しているのだが、将来的には卒業生への投資を含めた支援を検討しているという。「ITの世界でヒーローを生み出す仕組みを作りたい」(水野氏)。「IT教育全部」と聞くと最初はちょっと大げさとも思ったのだけれど、すでに東南アジアではすでにプログラム開催の打診を複数受けていたり、ニーズは明確に感じているそうだ。

ちなみに水野氏、慶応義塾大学大学院在学中に、2年間高校の物理非常勤講師を勤めたのち、人材コンサルティングに務めていた経験を持つ。学校教育から抜け出して、自身で教育のあり方を模索する中でLife is Tech!のプログラムにたどり着いたそうだ。

スタッフ育成、紹介も事業の柱に

実は今回の取材は、Life is Techのプログラムが開催されていた東京大学の中で行っている。そのため水野氏に話を聞く前に、プログラムの様子を見ていたのだけれど、これが非常に活気があるものだった。ある中学1年生の男の子は、前回「席替え」のためのくじ引きアプリを作っていたそうだが、現在はサーバサイドと連携した、ノートや写真の共有アプリを作っていた。もちろん今すぐこのアプリがヒットするかどうかは別の話だが、ここまで手がけられるものかと驚かされた。

また、プログラムでは4〜5人の中学生に対して1人の大学生がスタッフとして付いて指導を行っていたのだけれど、すでにこのスタッフの競争率は3倍(年間100人ほど採用するとのこと)になっているのだそうだ。そしてスタッフに採用されると60時間の研修を受ける必要があるとのことで、クオリティ管理には徹底している。そのためスタッフの学生に興味を持つ企業も多く、新卒としてスタッフの大学生を企業に紹介するといったケースもあるという。


「タブレット時代」を予感させたFotopedia、8月10日でサービスを終了

6年ほど前、Appleのアプリケーション部門のCTOを務めていたJean-Marie HullotがFotopediaのサービスを開始した。大型のフォトブック(coffee table book)を眺める楽しみをiPad(のちにはiPhoneにも対応した)上で実現しようとするサービスだった。旅行関連ということで世界中の写真を掲載し、利用者は増え、広告との連携もなかなかうまくいっていた。2012年後半には写真閲覧回数が30億を超えた。しかしそこからの次なる発展を成し遂げることができなかったようだ。

Fotopediaはアプリケーションおよびウェブを含むサービス全体を8月10日に停止する旨をアナウンスしている。サービスで利用してきた写真やデータは一切が廃棄されることとなる。

簡にして要な公式アナウンスによれば、Fotopedia運営メンバーたちは展開しようとしてきたサービスに対する需要は間違いなくあるのだと感じているとのこと。しかしそれに関連したビジネスモデルの構築ができなかったとのことだ。

Skypeでインタビューを試みたところ、FotopediaのCEOであるJean-Marie Hullotは、プロダクトに対する興味関心はおおいにあり、また熱心な利用者も多く存在するのだと主張している。「ただ、利益をあげる方法がみつからなかったのです」と話してくれた。

当初、アプリケーションは有料でリリースされていた。そして広告モデルにシフトしたという歴史をもっている。アプリケーションは2000万ダウンロードを数えるなど、多くの人の注目を集めたが、しかし「InstagramやTwitterほどの広がりを見せるまでにはいたりませんでした」とのこと。また、利用者は世界各地に存在したものの、広告出稿社はさほどの広がりをもつには至らず、世界規模に広がった大勢の利用者を活用したマネタイズを行うことができなかったようだ。そうこうするうちに、広告収入も減っていき、そしてサービス拡大の望みも絶たれることとなってしまったわけだ。

ちなみに、Fotopediaは2011年のCrunchiesでベストタブレットアプリケーション賞を獲得している。10以上もの国でローカライズ版を(Fotopediaはそれぞれを「マガジン」と呼んでいた)出していた。またFotopedia Reporterという、Fotopediaの画像を使って特定地域のイベント関連コンテンツなどを作成するサービスの提供も行なっていた。

CrunchBaseを見ると、Fotopediaはこの7月に行われたシリーズAも含め、これまでに1270万ドルの資金を調達している。出資したのはRon ConwaySoftTechIgnition Partners およびCreative Commonsのファウンダー兼MIT Media LabのディレクターであるJoi Itoなどだ。

Hullot曰く、今後のことを考えながら、しばらくは休養する予定なのだとのことだった。

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(翻訳:Maeda, H


はてな創業者の近藤社長が退任し会長に–新事業に注力

はてな代表取締役社長の栗栖義臣氏(左)と会長の近藤淳也氏(右)

2001年に京都で産声を上げたはてな。同社の創業者であり、代表取締役社長だった近藤淳也氏が社長職を退任することをブログで発表した。新社長にはサービス開発部本部長の栗栖義臣氏が就任し、近藤氏は代表取締役会長となる。また、取締役副社長の毛利裕二氏は取締役ビジネス開発本部長に、創業メンバーの大西康裕氏は執行役員サービス開発本部長にそれぞれ就任する。

新代表の栗栖氏は2008年にはてなに入社。任天堂「Wii U」向けのサービス「Miiverse(ミーバース)」のディレクターを務め、2013年にはサービス開発部本部長に就任している。

はてなは2001年に「人力検索はてな」を公開。その後もブログサービスの「はてなダイアリー」「はてなブックマーク」など主にコンシューマ向けのサービスを展開してきた。2004年には東京に本社を移転したが、2006年に米国にHatena Inc.を設立して近藤氏を中心としたメンバーが渡米。その後2008年には再び本社を京都に移した。最近では、サーバー監視ツール「Mackerel」の提供も始めている。

近藤氏は自身のブログで、新規事業を手がけるとしつつ、「これまで開発組織を卓越したマネジメント能力でまとめあげてきた栗栖に経営執行を託す。新たな役割分担に移行することで、より魅力的なはてなを作り上げ、会社の発展を促進することができると判断した」と説明。

ところではてなと言えば、2012年2月に転職サービスのビズリーチを通じて、上場に向けてのCFO募集を実施していた。すでにCFOは参画しており、「上場に向けての準備中」(はてな)とのこと。

ただ一方で近藤氏がブログでも「はてなの価値の核であると考えているユーザー様向けのサービスにおいては、必ずしも期待したとおりの目覚ましいサービスの成長や、新サービスの創出ができていないという自覚もある」と説明しているし、東京都とはてな本社のある京都との距離的な問題もあるのかも知れないけれど、あまり同社の大きな話題を聞くことがないのは事実だ。近藤氏も新しいサービスに注力するということだし、はてなが新体制で生み出すサービスが気になるところだ。