全世界の登録ドメインネームが2億5千万を突破: 約半分が.comと.net

Verisign’sが発行しているDomain Name Industry Briefの最新号によると、インターネットの登録ドメインネームの数は2012年の最終四半期に2億5000万を超えた。2012年の第四四半期には600万あまりのドメインネームが登録され、全世界のドメインネームは合計で2億5200万になった。

もちろんもっとも多いのは.comドメインだ。昨年12月現在で.comドメインネームは1億620件、.netは1490万だ。この二つのドメインは新規登録数でももっとも多く、2012年で計800万が登録された。前年の790万より、やや増えている。

.comと.netのWebサイトの約21%が1ページだけのサイトと、そして15%はサイトが存在しない。

この二つのTLD以外では、国別コードが前年同期比で5%伸び、合計で1億1020万となった。とりわけ、中国の成長が大きい。このVerisignのデータによると、.cnドメインネームは7番目に多いTLDである。

上位のTLDは: .COM, .DE, .NET .TK

上位のTLDは、次のようになっている:

登録数の多いTLDを順に挙げると、次のようになる:

  1. .com
  2. .de(ドイツ)
  3. .net
  4. .tk( トケラウ)
  5. .uk(イギリス)
  6. .org
  7. .cn(中国)
  8. .info
  9. .nl(オランダ)
  10. .ru(ロシア)

トケラウ(Tokelau)諸島を表す.tkが多いのは、無料登録のFreedom Registryで使われているためだ。このドメインネームはフィッシングサイトが悪用しているという噂もあるが、これだけ多いのはやはり無料登録の魅力だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoft、あと365日でサポート終了とXPユーザーにクギを刺す

もしまだWindows XPを使っているなら、あるいは使っている人を知っているなら、Microsoftは、サポート終了まであと365日しかないことを思い出してほしいと言っている。XPは2001年10月25日にニューヨークで登場したWindows XP SP3およびOffice 2003共、2014年4月8日にはサポート対象外となり、それ以降XPユーザーは、Microsoftからセキュリティー・アップデート、緊急修正、その他サポート(有償無償を問わず)を受けられなくなる。全世界のデスクトップおよびノートパソコンの40%弱が今でもXPを使っている、とNet ApplicationsのNetMarketShareが報じている。

すでにMicrosoftは、Windows XPの主たるサポートを2009年4月に打ち切っているが、企業ユーザーの拡張サポートおよび全ユーザーに対するセキュリティーアップデートは続けている。

2014年4月以降、XPの利用は「移行しないことを選択した利用者の自己責任」であるとMicrosoftは書いており、XPを使い続けれる時間が長くなるほど移行コストは高くなる可能性が強い。

今日の発表でMicrosoftは、XPを使い続ける落伍者たちに対して、「検討提案から移行完了まで」に平均的企業で18~32ヵ月を要すると念を押した。現時点でWindows 7または8への移行を提案することは簡単(Windows 8の方が難しいとしても)に思えるかもしれないが、現実には相当数の企業が新OSへの移行を決断していない。もちろん、XPからWindows 7への直接アップグレードパスがないことも移行を難しくしており、技術サポート要員のいない中小企業ではなおさらだ。

もちろんMicrosoftにとって、Windows XPの終了は潜在顧客にWindows 8の「利点」を再考させるチャンスでもある。同社はWindows 8について「近代的企業のための近代的OSであり、Windows 7のスピード、信頼性、およびセキュリティーといった中核機能に基づき、新しい世代のハードウェアオプションのためにデザインされた最新プラットフォームを作り上げた」と言っている。

しかしMicrosoftは、企業によって「全社一斉にWindows 8に移行するのが最善である場合と、まずWindows 7に移行する方がよい場合とがある」ことも認めている。しかし多くの場合、モバイルユーザーにはWindows 8タブレットといった具合に、Windows 8とWindows 7を並行して展開していくシナリオが主流になるだろう。

Windows 8への移行を促進するためにMicrosoftは、2013年6月30日までWindows 8 ProおよびOffice Standard 2013の15%割引キャンペーンを実施している。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google、 Playストアから低品質アプリ6万件近くを削除―スパム撲滅に本腰

Googleはスパム・アプリその他Googel Playストア利用の約款に違反しているアプリに対し、ここ数週間で大ナタを振るったようだ。たとえば2月のアプリの登録削除数は6万件と、これまでの月間削除数の最高を記録している。近く行われるものと予想されているGooglePlayのv 4.0へのアップデートに先立ってこのニュースが飛び込んできた。

業界の事情に通じたある会社からわれわれは今回のアプリ大量削除に関する情報を得た。

念のため言っておくと、消えたアプリのすべてがGoogleによって削除されたわけではない。Sprintのバンドルのアプリなどいくつかは開発者自身によって取り下げられたのだろう。しかし6万件という総件数をみれば、やはり大多数は直接Googleによって削除されたと見なければならない。

カテゴリー別に見ると、もっとも削除数が多いのはMP3/着メロだ。この分野には、非常に婉曲に言っても、理想的な振る舞いをするとはいえないデベロッパーが多い。

Apple同様、Googleもアプリを事前審査しているものの、これまではマルウェアや露骨な性的内容が含まれているなど明らかにサービス約款に違反したものをそのつど削除するに留まっていた。

Googleはアプリの削除について一切コメントを出していないが、Google検索と同様、アプリの審査のアルゴリズムの改良を続けてきたものとみられる。Appleは人海戦術で人間による事前審査を行っているが、Googleはアプリが公開された後でスキャンをかけるというまったく対照的なアプローチを取っている。GooglePlayストアが拡大するに従い、Googleの収集したデータも増え、スパム判定アルゴリズムも強化されたはずだ。

スパム・アプリはGoogleの約款の多くに違反することになるので削除される可能性がある。事実、Googleはサービス約款に1章を設けてスパムを定義している。

デベロッパーはGoogleにおける優れたユーザー体験を維持する上で重要なパートナーなので、

  • 同一コンテンツを繰り返し投稿してはならない。
  • アプリの説明は誤解を招き、あるいはストアにおける関連性検索順位を操作するためのキーワードを含んでいてはならない
  • デベロッパーはストアにおける表示順位を操作するためにユーザーに複数回の評価を投稿させたり、評価を高め、あるいは低めるための見返りをユーザーに与えたりしてはならない。
  • 自動アプリ作成ツール、ウィザードの提供者が他人に代わってそのようなツールで作成されたアプリを登録してはならない。
  • 主たる目的が以下のようなアプリを登録してはならない: 自分が管理していないウェブサイトへのアフィリエイト・トラフィックないしページビューを誘導するもの(そのサイトの運営者、所有者から明示的に許可を得ている場合はこの限りでない)。
  • ユーザーにおる内容の確認と承認なしでユーザーの名前で他人にSMS、メール、その他のメッセージを送信するアプリ

スパムで悪名高い着メロアプリ分野に大量の削除が行われたことからみみると、Appleとは違ったやり方ではあるが、Googleもアプリストアの品質維持に本腰を入れ始めたようだ。

ちなみに、これだけアプリが増えてくると、各ストアにおけるアプリの絶対数はさして意味を持たなくなってくる。2月にAppleのApp storeには80万件が登録されていた。昨年10月のAndroidの公式数字は70万件だった。最近の推計ではこの数字は80万件とも67万6000件とも言われている。ただしGoogleの今日の発表では依然として70万件という数字が使われている。

一般ユーザーにとっては60万件だろうと80万件だろうと変わりはない。その大部分はどのみちいわゆる「ロングテール」に属する。現在のAndroidユーザーにとっての関心事はそれよりもダウンロードしようとしているアプリの品質だ。Googleのアルゴリズムによる自動的なチェックが品質管理にどのような効果を上げるか注目だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ソーシャル・ログイン市場は依然Facebookが46%を占めてトップ―Googleも2四半期連続で差を詰める

今年に入ってすぐ、GoogleがGoogle+によるサービス開始したので、ソーシャル・ログイン市場は再び激戦区となった。ログイン・プロバイダーのJanrainが発表したところによると、Facebookは依然としてソーシャル・ログイン市場のシェアでトップを占めているが、Googleに追い上げられている兆しがあるという。

JanrainやGigyaなどは、ユーザーがウェブサイトにサイン・インする手続きを簡単にし、同時にウェブサイトにはさらに豊富なユーザー情報を提供するサービスだ。こうしたサービスはユーザーの身元確認にさまざまな方法を用意している。Facebook、Google、Yahoo、LinkedIn、Twitterなどがポピュラーなオプションだ。しかしニッチなウェブサイト向けにSoundCloudやTumblrなどもそれなりのユーザーを得ている。Janrain Engageは25のネットワークをサポートしている。

現在JanrainのソーシャルログインではFacebookが46%を占めてトップ、Googleが34%でこれに続いている。ただしFacebookについては2012年第4四半期と比較して3%の減少で、同時期にGoogleのシェアは逆にちょうど3%増加している。これで2期続いてFacebookとGoogleの差が縮まった。Janrainは「Googleのサービスが信頼性、親近性を増している表れだろう」という。Googleは自らの既存の各サービスへのログインにGoogle+を使わせることでこのソーシャル・ネットワークへのトラフィックの増大を図っている。JanrainはGoogle+ログインを最近になってサポートしたので今回発表された数字には含まれていない。次期のレポートの結果が楽しみだ。

Janrainのレポートによれば、ソーシャル・ログインに用いられるネットワークには地域によって大きな差があるという。たとえばオランダでは地元のソーシャル・ネットワークのHyvesが好まれ、ブラジルとインドでは依然GoogleのOrkutが人気だという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook HomeのChat Headがもたらす真のマルチタスキング。今後の「標準」はここにあり!

モバイル環境においては、シングルタスク式のやり方が一般的だった。しかしFacebook Homeの登場で、Google、Yelp、地図などのアプリケーションを使いながら、オーバーレイ式のドロップダウンウィンドウでチャットができるようになる。これはデスクトップの効率性を小さなデバイスにも持ち込むことになるものだ。Homeで実現されたカバーフィードやレスポンシブデザインの完成度の高さは確かにすばらしい。しかし言ってみればそれは「当たり前」のことでもある。ところがチャットをマルチタスキング化するというのはすなわち、コンピューティングとコミュニケーションを融合するという意味で、携帯デバイスの新次元を切り開くものであると言えるだろう。

ちなみにイノベーションというのは、誰も思いつかなかったアイデアを生み出さなければならないというものでもない。問題解決のための、新たな方法を提供するものをイノベーションと称するわけだ。これまで、モバイル環境でメッセージのやり取りをする際には、コンテクストの切り替え作業が必要だった。すなわち、誰かとメッセージをやり取りするか、「あるいは」アプリケーションを使うかであったわけだ。この両者を「同時に」行うことはできなかった。AndroidもiOSも「マルチタスク」をうたってはいたが、いずれも「タスクスイッチング」であり、「同時に」作業できるわけではなかったのだ。確かに通知機能があって、他の作業をしていても送られてきたメッセージに気づくことはできた。しかし返信を行うためには作業を中断する必要があった。作業を切り替えるにあたっては、「意識の中断」も生じることになっていた。

こうしたコンテクストの切り替え作業は不自然であり、不便なものだ。私たちはしばしば、今まさにコンピュータ画面で行なっていることについてコミュニケーションを行う。たとえば画面で示される疑問に答えようとしたり、同じ資料を見ながら共通認識を持つために会話をしたり、あるいは特定の場所に道案内をしたり、何か面白いものを見つけて、それについて意見を言い合うというような形でコミュニケーションを行なっているのだ。会話している友人に細々とした物事を正確に伝えたり、複雑に絡み合った事象を説明するには、SMSないしFacebook Messenger画面と、他のアプリケーション画面を行ったり来たりしなければならなくなる。これは非常にストレスを感じることだ。スピーカーフォンモードにして音声通話をするのがベストかもしれないが、場合によってそうした方法が取れないこともある。

デジタルワールドをいろいろと見て回りながら会話をするというやり方は、モバイル時代以前には当然のことだった。デジタル以前についても、何かをしながら会話するというのは当たり前過ぎる行為だった。IRCや(TechCrunchの親会社である)AOLのインスタントメッセンジャーでも、画面を見ながら同時にチャットを行うことができていた。それがモバイル時代になってからは不可能となり、これまでは単純に画面サイズのせいで行えないのだと納得して(させられて)きた。Galaxy Note IIのような大画面ファブレットや、iPadのようなタブレットなら可能かもしれないが、スマートフォンのような画面では無理だと考えてきたわけだ。

しかしFacebookのデザイナーに、「そうではないのだ」と考える人がいたわけだ。デザインチームは、人びとの「実際の生活」の様子に注意をはらってデザインプロセスを進めている。たとえば既読通知機能なども、そうした流れから導入されたものだ。面と向かって話をしているときには、話が聞こえればそれを態度で示すものだ。Facebookメッセージにも同様の仕組みが必要であると考えたわけだ。発表当時、FacebookのProduct部門ディレクターのPeter Dengに話を聞いた。相手に読まれたかどうかを示す仕組みは絶対に必要だと考えたのだそうだ。

技術というのは、私たちの手伝いをするために存在するのです。強引にやり方を変えさせたり、複雑な手順に従わせるというようなものであってはならないと思います。たとえば私たちは、人間同士の「会話」を模するための仕組みを作りました。何千年もの間、慣れ親しんできた実際の「会話」に着目するところから始めたのです。面と向かって行う会話と同じような効果を出すことを心がけました。今回導入した既読通知機能は、今後に向けての第一歩なのです。

Facebook Homeで実現するマルチタスクチャットも、そうした流れの一環であるということができる。誰かがメッセージを送ってくれば、現在使っているアプリケーションの上に送信相手の顔アイコンがポップアップ表示される。そして送られてきたメッセージの最初の方の文字がアイコン横に表示されるようにもなっている。従来型のアプリケーションであれば、ここで送信相手の顔をタップすると、使用中のアプリケーションを閉じてFacebookメッセージ画面に遷移することとなるだろう。しかしFacebook Homeでは利用中のアプリケーションが見えるままの状態で、オーバーレイ式のメッセージウィンドウが表示されるようになるのだ。チャット画面上の顔アイコンを再度タップすると、メッセージウィンドウが小さくなって元の画面に戻ることになる。これにより、メッセージのやり取りをする際に何をやっていたか見失ってしまうようなことはなくなる。発表イベントでデモに触れてみることができた。モバイル機器を操作しながら、シームレスにメッセージ送受信が行えるのは非常に快適なエクスペリエンスだった。この仕組みならばチャットも「邪魔するもの」ではなく、「相補的なもの」として利用することができそうだ。

ここで実現しているチャットシステムこそ、他のモバイルエクスペリエンスと「同時に」楽しむことができるものだ。ただ、オーバーレイ画面を表示したままで、下に表示されている別アプリケーションをスクロールしてみたりすることができないのが残念ではある。HTC Firstの画面や、標準的なサイズのAndroidデバイスには、そうした操作を有効に行うための広さが足りないということなのだろう。しかしそれでも操作できれば便利だろうと思うのだ。最近は画面サイズが拡大する傾向にあるようなので、サイズ的な制約は今後消えていくことにもなるだろう。

Facebook Homeのハンズオンビデオを見た人や、説明を聞いた人は皆、このチャット機能に導入されたマルチタスクに拘りを見せる。「Chat Heads」(頭部のアイコンが表示されるからそう呼ぶらしい)という妙な名前ながら、機能的に大いに注目を集めているわけだ。ワシントンDCで27歳の非テック系の女性にも紹介ビデオを見てもらった。ここでも人気を集めたのはやはりChat Headだった。「欲しい」という声や「ぜひHTC Firstを買いたい」とも言っていた。

きっと、ここから新しい時代が切り拓かれていくことになるに違いない。他のアプリケーションでも同様の仕組みを実装し、あるいはさらに進化させていくに違いない。たとえばAppleのiMessageの新版が、が同様のマルチタスク機能を備えていなければ非常にがっかりすることになるだろうと思う。もちろんこれは近々の登場が噂されているGoogleの統合メッセージングシステムについても同じ事が言える。真の「マルチタスク」はもちろん、さらなる進化を見せて貰いたいと思っているのだがどうだろうか。

少なくともしばらくのうちは、このChat Headsの魅力によってFacebook Homeのダウンロード数は伸びるだろうし、HTC Firstを購入するという人もでてくることだろう。メッセージングの重要性については、改めて各開発者が再認識している段階でもある。メッセージのやり取りから、ここからさまざまなコミュニケーションが始まっているのだ。非同期のメッセージングシステムのおかげで、安心してネットから離れる時間を持つことができるようにもなっているのだ。そしてメッセージングアプリケーションはさまざまな進歩を遂げてきた。そのような中でスマートフォンが広まり、利用者としてはさらなる進歩を期待するようになってきているのだ。

Facebook Homeの今後について、少なくともしばらくのうちは注意しておくべきだろう。

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(翻訳:Maeda, H)


Apple、iOSアプリ発見サービスのAppGratisをApp Storeから削除

Appleは、発見と日替り特典のアプリ、AppGratisをApp Storeから削除した。今のところこの問題に関してAppGratisから発表はなく、ユーザーは何が問題なのかを憶測するほかない。時としてAppleは、アプリの最新バージョンがクラッシュする、あるいはアプリが非公開APIを使っているという理由でアプリを閉鎖することがある。その場合デベロッパーは新しいバージョンを提出してApp Storeに復活する必要がある。しかし問題がもっと大きい可能性もある。

昨年10月、AppleはiOSデベロッパー・ガイドラインに新たに規則を追加した。そこにはこう書かれていた。「App Storeと類似あるいは紛らわしい方法で、購入または宣伝目的に自身以外のアプリを表示するアプリは却下される」。ちなみにAppGratisは、App Storeからアプリを収集し、短い説明を加え1日間有料アプリを無料で配布する。

当時AppGratisのCEO Simon Dawlatは、おそらくAppleが問題にしているのは質の悪い類似アプリでありAppGratisではないと答えた。AppGratisの特徴は、発見と収益分配によって独立系デベロッパーを助けることだ。

他の人気発見アプリの中にもAppleの新ガイドラインの影響を受けたものがある。PocketGamer.bizによると、AppShopperはApp Storeから削除されて以来復帰できていない。AppShopperはApp Storeを検索する方法を提供していて、Apple自身のApp Storeと直接競合していた。しかもユーザーはアプリが値下げされた時に通知を受け取るので、結果的にデベロッパーのユーザー当たり売上を減少させる恐れもあった。

別のシナリオがいくつもあり得る理由はこれだ。おそらくAppGratiが非公開APIを使ったか、些細なガイドライン違反を犯したために、Appleは次期バージョンが提出されるまでアプリを戻さないのかもしれない。いずれにせよデベロッパーは常にAppleレビュー・チームに翻弄される。デベロッパーは、アプリをストアに置いておくために、チームからあれこれと修正を要求されることがある。

ちなみにフランス・パリ拠点のAppGratisは、1月に1350万ドルの資金を調達したところだ。700万のユーザーを擁し、1本のアプリを最大50万回ダウンロードさせる力を持つこの会社は決して新参ではない。もしAppleがAppGratisを追い出したければ、数ヵ月前にそうしてはずだ。

彼らにできることと言えば、Appleの最終決定を待つことだけだ。現在のところ既存ユーザーは引き続きAppGratisを使い続けられる。おそらくわずかなUX変更あるいは、インフラストラクチャーの修正によって、同アプリはApp Storeに復活できるだろう。

AppGratisには取材を申し込んであるので、新しい情報が入り次第この記事を修正する予定。

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(翻訳:Nob Takahashi)


ビットコインは近代国家を崩壊させるか

Bloombergの論説者でプリンストン大学の学生、Evan Soltasが、Bitcoinについて「近代自由主義国家の脅威」と書いている。この一文には二通りの読み方がある。彼の論説記事の一つの解釈は、われわれが皆危険な状態にあり、課税や追跡が不可能なbitcoinが闇市場を栄えさせ財務調整を弱体化させた結果、社会は崩壊するというもの。もう一つSoltasの偏向を踏まえると、彼はタイトルにある「近代」よりも「自由」の部分に強く焦点を当てているのではないかと私は想像している。つまり、近代国家は、富裕層に不公平な課税ができなくなり、そのため国民の福祉に浪費する余裕がなくなり、特定種の人々のための財政の涅槃になるというもの。いずれにせよ、現在の経済レーダーの見方としてはおそまつと言わざるを得ない。

金銭を匿名で移動する手段は遠い昔からあった。中東に伝わるハワラのようなネットワークを使うことによって、何世紀も前から比較的スムーズに富の移動が行われてきた。富を貴金属や宝石、宝飾品に圧縮する方法もある。国境間で悪事が栄えることを許した一種の金銭ZIPファイルだ。

いずれの方法も、資金洗浄や戦争支援、戦争犠牲者の援助などに使われており、Soltasは「近代自由国家への脅威」を生み出していると指摘する。FBIも、「bitcoinの作成、運用、配布の方法は、不法な資金移動の疑いが著しく高いい」と言っている。同じことは、20万ドルの腕時計をつけて国境を越えそこで転売する者についても言える。

Bitcoinには、仮想通貨を現実世界で使える何らかの形に変換する方法が必要だ。bitcoinでポルシェを買うこともできるが、今度かき氷を買いに行く店が対応しているほど普及するとは私には思えない。

その一方でBitcoinは経済活動における新しい役割を担っている。現実的に、ウォレットサービスや自分のパソコン何百万ドルものbitcoinを預けるのはリスクが高すぎる。移動はスムーズにできるかもしれないが、引き出すのは大変だ。あちこちの政府機関がプログラムによってbitcoinのの入出金や変換を追跡できるようになるとは思わないが、ある日あなたが100ドル持っていて、翌日には2万ドルになっていたら、勇敢な監査員なら危険信号を出すことができるだろう。

近代銀行システム崩壊に関するこの議論は、3Dプリンターによる銃製造と似ている。興味深い話であることは別として、昔流のやり方の方がまだずっと簡単で安上がりだ。もしBitcoinが真にスムーズになり比較的安定してきた時には、多少なりとも心配する原因になることが想像できる。実際これは、何世紀にもわたって行われていることをするためのクールな方法の一つであり、注目すべき対象であることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


アプリでは不十分:Facebook Homeを追ってモバイル画面の陣取り合戦が始まる理由

スマートフォンアプリの器は限られている。視聴者にコンテンツや情報を提供することはできても、あくまでもオペレーティングシステムの制約の範囲に制限される。使ってもらうためには、ユーザーをまず自社アプリまで誘導する必要があり、必然的にユーザーが自社製品「内」にいる時と「外」にいる時とがある。先週Facebookは、その区別を自分で決める意向を明確に宣言した。そして他の人々も同じことができないか探りはじめているに違いない。

Facebook Homeは、モバイル端末における物ごとの自然な順番を従来と逆転させる。ユーザーはますFacebookに入り、そこからソーシャルネットワーク「外」(ただし完全に外ではない)のAndroid本来の世界へ行き他のアプリを使うためのランチャーが利用できる。このソーシャルネットワーク会社は、Facebook Homeでは人が第一と謳っているが、実際にその背後にあるビジネス動機は、Facebookが第一だ。

Facebook HomeのしくみやAndroid OS自体の修正やアプリによる方法との違いを説明するためにFacebookが使った図(OSの基本部分とその上で動くアプリの間にサンドイッチされたレイヤーだとFacebookは言っている)は、なぜこれがFacebookにとって望ましい状況であるかを表す完璧な例だ。モバイルユーザーはデスクトップユーザーと比べて同時に複数のことを行う傾向にあり、モバイルSDKやAPIによって他社ソフトウェアとの統合が簡単になった今何をどう共有するかの選択肢も増えた。そんなユーザーからより多くの価値を引き出そうとする他社にとってもこれは好ましい状況だ。

一般に、従来のウェブモデルからモバイル第1への移行を試みる企業は産みの苦しみを経験する。特に、小さな画面とアプリ中心の環境に広告モデルを転換する方法が問題だ。Facebook Homeは当初広告を入れていないが、CEO Mark Zuckerbergは、いずれカバーフィードに広告を導入する意向を強く示した。これはFacebookのAndroidランチャーのメイン画面で広告が重要な位置を占めるようになるとことを意味している。

Androidでは、開発リソースと時間とやる気のある者なら誰でも、独自のランチャーを作り、OS本体とアプリの中間位置に入ってさまざまな方法でユーザー体験を制御できる。シェアされたり話題にしてもらいたいサービスを持つ会社なら誰でも、ユーザーの端末上に場所を確保できることによって大きな恩恵に預かることができる。Evernoteフォンはもちろん、GetGlueタブレットやTwitterフォンも、容易に想像できる。

ユーザーが自分の端末体験の大部分を一サービスやアプリメーカーに委るだろう、と企業が考えるのは少々傲慢かもしれない。だから月間アクティブユーザー10億人のFacebookならその試みが許されると感じるのかもしれない。他の小さなネットワークが同じことをやろうとするのは、さらに非常識かもしれないが、仮に十分な数のユーザーを説得してモバイル体験の鍵を渡させることができるのなら、長期的に見て初期リスクを負う価値はあるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


今やネット上の醜い化石のようになっているフォーラムをフレッシュに蘇らせるMoot

新しい形のフォーラムを提供するMootが、3年半の開発期間を経て今日(米国時間4/5)ローンチする。ディスカッションサービスは今でも各種存在するが、Mootはサイトのオーナーのニーズに応じて自由にカスタマイズでき、しかもクリーンでシンプルでリアルタイムで組み込み可能でクロスプラットホームであることを特長とする。スマートフォンやタブレットからも利用できる。

同社のファウンダはポートランドの起業家Courtney Couchと、UIライブラリjQuery Toolsの作者Tero PiirainenJanne Lehtinen、二人は共にヘルシンキに住む。このチームは以前、人気のWebビデオプレーヤーFlowplayer作り、そのときに経験し感じたことからMootのアイデアが生まれた。

Couchは次のように説明する: “Flowplayerの全面改築をやろうとしていた。それまではサポートシステムもフォーラムも別々だった。しかし、全体的にスタティックな(動的に生成される部分のない)サイトにしたかった。でも、そのためのツールがなかった。別のフォーラムソフトを単独でインストールすることも考えたが、既存のフォーラムサービスはどれも90年代の産物で、アプリケーションとフォーラムを一体化することができなかったし、ましてやそのための自由な構成も不可能だった”。

そこで彼らが自作したのが、Mootだ。

このプラットホームは、サイトのオーナーがその機能性を自由に設計できる。

たとえば、コメントの投稿だけ、という使い方ができるし、コメント投稿とフォーラムのディスカッションの両方がある形にもできる。フォーラムとコメントが融合してもよい。フラットなコメントも可、スレッドも可能だ。ユーザが、そのサイトのアプリケーション(サービス)の本体で使っているユーザ名とパスワードを、そのまま使えるようにもできる。

Mootにはこのような柔軟性があるが、そのほかの機能もある。たとえば写真やビデオ付きの投稿機能はデフォルトではないが、サイトのオーナーの構成次第でそれができるようになる。

好き/嫌い、賛成/反対、などのいわゆる人気投票の機能はない。それがあると議論に参加するユーザが混乱する、とCouchは言う。

ブログのプラットホームは、Tumblrのようなシンプルなものから、WordPressのような複雑高度なものまで、いろいろある。それと似てMootは、今市場にあるものに比べてずっとシンプルなコメントおよびディスカッションのためのプラットホームだ。Couchによると、ベーシックなフォーラムを立ち上げるまでに1分もかからない。あとは、いくつかの埋め込みコードをコピペするだけだ。

Mootでいちばん目立つのはそのクリーンでシンプルな外見だが、Mootのホームページにはサイトをおもしろくするための多様な機能が詳しく説明されている。たとえば、新規投稿をリアルタイムでフィードできる。また”My Feed”というページで、ユーザが自分自身の対話履歴を閲読できる。こちらもリアルタイムだ。

検索は高速で、入力時にスペルや文法の間違いを訂正してくれる。また関連語彙を見つけてくれる。たとえば”configuring Pyton”とタイプすると、”configure Python”で検索してくれる。

検索結果として出てくるディスカッションは、最初は折りたたまれているが、そのディスカッションへ行かなくても検索結果のページの上で広げることができる。アップデートは、リアルタイムで反映される。リプライも検索結果ページに居るままでできる(上図)。

コメントは、フラットにもできるし、スレッドにもできる。ただし、複雑化を避けるためにスレッドは一段のみ。コメントの[Like]はできるので、それとWordPressのAkismetを使ってスパムを管理できる。サイトのアドミンは、ダッシュボードの上で簡単に悪質なコメントを削除できる。ダッシュボードからの一括管理は、とても簡単便利だ。

ユーザ名の横のボタンが赤だったら今オンライン、グリーンだったら今オフラインだ。ユーザ名はユーザが決められるが、その後勝手に変えることはできない。投稿してから2.71分(またの名: “e“)経つと、編集や削除はできない。アドミンが削除するまで、その投稿はパーマネントになる。

“あとからの削除や編集を自由放任にすると、読者にとって議論のスレッドが理解不能になるからね”、とCouchは言う。たしかに、何のことだか分からなくなるのは、困るね。

Mootの中核的な機能(コメンティング/ディスカッション)は、DiscourseやLivefyre、Disqus、などなどと競合する。今は無料だが、今後は3つの機能を有料化したいと考えている: シングルサインオンが月額20ドル、独自ブランド化が月額5ドル、非公開フォーラムが月額10ドル。ただしこれらの機能は、今のところまだない。

Mootを使ってみたくなったWebサイトのオーナーは、ここで申し込む

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Compute Engineが月額400ドル24/7電話サポート付きの利用形態をローンチ

昨年のGoogleのデベロッパカンファレンスI/Oで、Compute Engineローンチされた。それはクラウドコンピューティングのプラットホームで、デベロッパはGoogleの大規模なインフラストラクチャの上でホストされているLinuxの仮想マシン上で、自分のアプリケーションを稼働できる。しかしこれまでは制約のあるローンチで、デベロッパは招待されるかまたはGoogleの営業からアクセス許可をもらわないと、利用できなかった。

しかし今日からは、月額400ドル払ってGold Supportの会員になると24/7の電話サポートが利用でき、招待も営業へのコンタクトも不要でCompute Engineにアクセスできる。

新しい料金体系

この有料サポート付きパッケージは、Compute Engineを利用する権限を与えるだけだ。アプリケーションがGoogleのインフラを利用するときには、それなりの料金が発生する。ただし今日の発表とともにGoogleは、その料金を4%引き下げた(11月にはストレージの料金を20%下げた)。新しい料金体系では、最小の仮想マシンが1時間0.132ドル(13.2セント)で、現在の最高の料金は8コアのマシン、52GBのメモリ、1770GBのハードドライブ2基という構成で1時間1.211ドル(1ドル21.1セント)だ(ヨーロッパではこれよりやや高くなる)。

新しい機能

Compute Engineの機能とインスタンスタイプも増えた。たとえば、各インスタンスタイプにはディスクレスのバージョンがある。管理コンソールも改良され、これからはルートファイルシステムとしてマウントされた永続性のディスクからブートできる。ヨーロッパのゾーンが二つ増え、それにより“ヨーロッパの顧客に低レイテンシと高パフォーマンスを提供できる”という。新機能の詳細は、このページにある。

Googleのインフラは大きくて潤沢だから、そのCompute EngineはクラウドコンピューティングにおけるAmazonの強敵になるかもしれないが、しかし現状ではAmazonの幅広いサービス構成にGoogleは追いついていない。数週間後に迫っている今年のI/OでもCompute Engineについて何か発表があるかもしれないが、月額400ドルのサポートパッケージに続いて今度は無料の最小構成が出てくるのなら、まあ当然と思うだろうね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Facebook Homeの心はAndroidにあり。当分iOSにはやってこない

Facebookが、アプリを開かずすぐに友達とつながれる新しいAndroid端末用ランチャー、”Home” を発表した後、私はFacebook CEO Mark Zuckerbergに、このようなプロダクトがiOSに載ることはあるのか尋ねた。

Zuckerbergが発表イベントの冒頭で言ったように、「Android第一」の理由は明らかに、GoogleのモバイルOSが完全にオープンで、どのモバイルOSよりも自由に誰でも改造したりカスタマイズしたりできるからだ。

iOSについてZuckerbergは、同社がすでにAppleと提携関係にあり、Facebookは可能な限りOSの奥深くまで統合されていることをすぐに指摘した。現在iDeviceでは、通知画面からツイートしたりFacebookの近況をアップデートしたりできる。今回のような完全なカスタム化をAppleに受け入れさせることは難しい。またAppleは、一ソーシャルサービスがAppleユーザーの体験をそこまで支配することも望んでいない。

ともあれ、Androidユーザーが享受するレベルのカスタム化をiPhoneユーザーが欲しがる時が来れば、Facebook Homeは、長年のiDeviceユーザーが離脱する初めてのケースになるかもしれない。果たしてそれだけでAppleを動かす理由になるだろうか?すぐにはないだろうが、もしAppleが「低価格」iPhoneを計画しているのなら、iOSに柔軟性を持ち込むのはその時かもしれない。2種類のバージョンのiOSを維持するのは狂気の沙汰に思えるかもしれないが、ローエンドiPhoneのユーザーたちは、いずれ成長してAppleが提供する最上位機種を買う人々だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google曰く「Facebook HomeはAndroidのオープン性を立証するもの」。Appleの制約を示唆


Facebookの“Home”発表に対するGoogleのコメントは、短かく優しかったが、非常に多くを語っていたので、少々これを解析してみたい。本誌が以前報じたように、FacebookはAndroidを第一としたが、これはその柔軟性とカスタマイズのしやすさが理由だ。

他のプラットフォームではそうはいかない。Zuckerbergは、Windows Phoneが多少やりやすいかもしれないとも言い、AndroidとiOSの「間のどこか」だと評した。

Googleは少し前本誌にこう語った。

Androidプラットフォームは何百種類もの端末の開発を促進した。この最新デバイスは、Androidをここまで普及させたオープン性と柔軟性を立証するものだ。

この会社が最初に、同社のモバイルOSを塔載した端末が「何百」種類も存在していると言っていることに注目されたい。かつてそれは悪いことだった。断片化のためだ。今、明らかにGoogleはこれを優位性と位置づけており、消費者にとって選択肢が多いと言っている。そう、Appleよりも。

第二に、「この最新デバイス」とはHTC Firstのことで、Facebook Homeがプレインストールされており、Androidの柔軟性を示している。ここでも明らかにGoogleは、カスタマイズに関して非常に頑なライバルAppleに対してロケット弾を打ち込んでいる。Appleの考えは、ユーザーはそれを見せられるまで自分が何を欲しいか知らない、である。Facebookのような会社に、ユーザーが端末を立ち上げた後最初の体験を支配させることは、何もかも渡すことに等しい。これまたGoogleが競争優位性に挙げていることだ。

VentureBeatに向けた長い声明の中で、Googleは同時に自社製品群も強化することを明言している。

そしてこれは、Androidエコシステムの中心Google Playから、Gmail、検索、GoogleマップなどのGoogle製品と同様に、カスタマイズされたFacebook体験をダウンロードしたいユーザーにとっても朗報だ。

ここでGoogleは、検索、メール、マップといった同社の標準Androidサービスに注目を戻すことを忘れなかった。Googleは一連のFacebook騒動に嫉妬しているのか?それは全くない。これらの会社は、どちらもユーザーを獲得したいという意味ではライバルだが、ソーシャルな交流、という意味ではこれ以上ないほど別物だ。ここでGoogle+の議論はしない、あれはFacebookのライバルとして作られたわけではない。Googleが検索とメールを支配しいるのには理由がある。他社より優れた製品だからだ。

ここではFacebookとGoogle、両方が勝者だ。Facebookは専用の端末やOSを作らなくて済み、一方Googleはカスタマイズについて、消費者がそれを望んでおり、Appleにはそれができないという事実を訴え続けることができる。両社は互いを利用しており、MG Sieglerが指摘するように、奇妙な関係にある。

そう、FacebookはAppleと組み、近況アップデートやメッセージを簡単に送る方法をユーザーにもたらしたが、今日Facebook Homeを見た後では、このソーシャルネットワークにとってあれでは十分ではないことは明らかだ。モバイル端末でかなりの時間をFacebookに費やす人々は、スマートフォンを立ち上げ、Facebookアプリを探し、それを開いて通知を読むことがすぐに面倒になるだろう。ひとたびHTC FirstやFacebook Homeをインストールした他のAndroid端末を使う友達を見れば、なぜ同じことがiPhoneでできないのかを疑問に感じるだろう。

Facebook以外の会社も、自社ユーザーにカスタム版ランチャーを提供することについてこのアプローチに関心を寄せ始めるだろう。Tumblrのファウンダー・CEO、David Karpは今日のHomeイベントに来ていたが、ニューヨークに戻ったら、TumblrをテーマにしたAndroidがどんな外見と機能になるかを開発チームと話しているのではなかろうか。同じくイベントに出席したDropboxのDrew Housotonはどうだろうか。ファイル共有はモバイル体験の推進力になるのではないだろうか。どれがようかはあなたがどんなタイプのユーザーかによる。

誤解してほしくないのだが、たった今Appleが窮地に立たされているわけではない。しかし、今日のニュースを見た社内の誰かは、Facebookの後を追ってAndroid第一の戦略をとりそうになっているデベロッパーたちを取り戻す方法を考え始めているはずだ。

Facebook Homeは、ついに「Android/オープン vs iOS/クローズド」問題を主流にした。
[写真提供:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi)


カスタマイズOS搭載のFacebook携帯、HTC Firstはダウンロード版Homeアプリにない機能を提供

今日(米国時間4/5)のFacebookの発表は“Home”と呼ばれるホームスクリーン・アプリに重点が置かれていた。これは標準的なAndroidの多くの機種で作動する〔HTCの数機種とSamsungのGalaxyIII/IVが当面サポートされる〕。

一方、HTCは私の取材に対して、「われわれはFacebookと協力してAndroid OSのカスタマイズに取り組んできた。HTCのFirstスマートフォンにはダウンロード版のHomeにはない機能がいくつもある。たとえばFirstではメールとカレンダーの通知をホームスクリーンに表示できる機能がある」と述べた。HTCの提携担当マネージャー、Michael Goodwinは私にこう説明した。

そう、われわれはOSにいくつか手を加えねばならなかった。システム通知をホームスクリーンに表示するために新たなフックをいくつか開発した。Android OSのカスタマイズのおかげでAndroidの通知トレイに現れるさまざまな通知がすべてFacebook Homeに表示される。

また発表イベントでFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグとプロダクト・ディレクターのAdam MosseriはHTCのFirstスマートフォンはHomeの体験を最良とするために最適化されていると述べた。

「Facebookはカスタマイズ版のAndroidを搭載したHTCスマートフォンも発表する。これにはダウンロード版にはない機能が含まれている」という先週の私のスクープはやはり正しかった。HTC Firstは現在、99.99ドルでAT&Tが予約受付け中だ、。出荷開始は4月10日でユーザーの手元には4月12日まで届くという。

HTCの社長、Jason MackenzieはHTCがFirst向けにAndroid OSの改造をするという努力を払った理由をこう説明している。

ユーザー体験の一貫性を高めたかったからだ。ユーザーにとってもっとも簡単でもっとも使いやすい方法を提供したかった。Chat Headsや通知機能でホームスクリーンでFacebook関連のメッセージを扱えるのに、他のメッセージやメールは別のアプリを起動しなければならないというのでは一貫性に欠ける。HTC Firstはスマートフォンの中心にアプリではなくユーザーの友だちを据えるというFacebookとザッカーバーグのビジョンをもっともよく実現するものとなっている。

Google PlayからダウンロードできるHomeはFacebookのコンテンツのみをホームスクリーンに表示するが、OSをカスタマイズしたHTCFirstはGoogleカレンダー、Microsoft Outlookのメール、利用可能なWi-Fiネットワーク、その他の通知をホームスクリーンに送り込む。またHTCFirstは上にスワイプしてアプリのショートカットが表示でき、右スワイプでGoogleの検索バーが表示される。これらもダウンロード版にはない機能だ。

つまり、やや逆説的だが、HTCのFacebook携帯はダウンロード版にくらべてFacebookコンテンツ以外も広く表示し、いわばより中立的なユーザー体験を提供するものとなっている。

下はHTCのMichael Goodwinのインタビュー

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook Homeは殆んどの端末でGoogle検索をホーム画面から追い出す

今日(米国時間4/4)Facebook Homeが発表された直後、私はFacebookのAndroid担当技術責任者のTom Allisonと話す機会を得た。そこでは彼がHomeで気に入っている点、ベースとなるOSをどのくらい変更する必要があったか(=多くはない)、およびHomeの開発でもっとも苦労した点について話を聞いた。

特に興味深かったことの一つがこれだ。発表されたばかりのHTC Firstに内蔵されるバージョンのFacebook HomeにはGoogle検索が組み込まれているが、その他のユーザーがダウンロードするバージョンには入らないという。これがプレインストールされていない端末では、まずChromeに入って専用の検索アプリを立ち上げるか、旧ホーム画面を使う必要がある(後者は驚くほど簡単だ。下のビデオ参照)。

なぜこれが重要なのか。検索(もっと正確に言えば、検索結果に入る広告)はGogleのビジネスモデルにとって極めて大きい部分を占めている。ホーム画面に検索ボタンがあれば、検索は衝動的に行われその結果検索の量が増える。もしFacebookが、望み通りにこれを多くの端末に載せることができれば、Googleが検索によってAndroidから得る収益を多少なりとも減らすことになるかもしれない。

ホーム画面に関していえば、もしFacebook Homeをインストールしてみたいが、元のホーム画面(SamsungのTouchWizであれHTCのSenseであれ、Android標準のホーム画面であれ)やそのウィジェットを使い続けたいという人も心配は無用だ。以前Galaxy Note 2でFacebook Homeが動いているのを見た時、2つのホーム画面が共存しているデモを見た。設定画面をいじったりスイッチを切り換えたり端末をリセットする必要はなく、アプリドロワーに隠れているMore…ボタンをタップするだけでよい。その後端末のホームキーを押すと、再びFacebook Homeに戻る。

(ひどい音声で申し訳ない。混雑した部屋にいた上に私のiPhoneが怖がって耳をふさいでいたようだ)

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(翻訳:Nob Takahashi)


ザッカーバーグが発表したAndroidランチャーFacebook Homeの4つのメリット

今日(米国時間4/5)のFacebook のイベントで“発表されたHome on Androidはまさにその名のとおり、AndroidスマートフォンにFacebookの新しいホームを提供する。本質的には高度にカスタマイズされたAndroidランチャーで、Facebookのさまざまな機能をAndroidのユーザー体験のすみずみにまで行き渡らせている。ほとんどの場合、ユーザーはFacebookの専用アプリを起動する必要がない。通常のAndroidとはまったく異なったユーザー体験となる。ここではそのうちもっとも重要と思われる4点を紹介しよう。

1. カバー・フィードは人が主役

Facebookのファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグはイベントで、「Facebook Homeプロジェクトは、デバイスをアプリの回りに作るのではなく、人間の回りに作ることにしたらどうかというアイディアから始まった」と述べた。Homeはまず友達とのつながりをベースとしたカバー・フィード・スクリーンから始まる。

フィードスクリーンには1回に1つのテーマを表示する。テキスト投稿やコメントに加えて画像がフルスクリーンで表示され、友だちが今何をしているのかリアルタイムで知ることができる。

ニュースフィードをそのまま流すのではなく、1回に1人の友だちに絞って表示するというのはエレガントなアイディアだ。通常のソーシャルフィードに混じる騒々しい雑音が押さえられることになるだろう。「人を中心にデザインした」と主張することは簡単だが、文字通り人をテーマにしたインタフェースを作り上げたことには感心せざるをえない。

2. Chat headsはiMessageの強化版

Chat headsというのは妙な名前だが、実用性は十分だ。ユーザーはさまざまなアプリを使いながら連続してチャットすることができる。チャット自体はデバイス組み込みの標準アプリでもFacebookアプリのチャット機能を使ってもよい。会話はユーザーが現在開いている画面の上にオーバーレイで表示される。チャットを始めるために他のアプリを閉じる必要がない。

これはモバイル・メッセージ・システムとして非常にスマートなやり方だし、考えてみればどうして今まで誰もこういうチャット機能を実装しなかったのか不思議なほどだ。本番でもChatheadsという名前になるのかどうかわからないが(良い名前とは思えない)、非常に役に立つサービスであり、WhatsApp、LINEといったメッセージ・サービスに対する有力なライバルとなるだろう。

3. アップデートは毎月

Facebookは大胆にもFacebook Homeを毎月アップデートすると宣言した。ユーザーはいつ新機能が追加されるのかあらかじめ日時を知ることができる。ユーザーにとってはさほど重要性のない話だが、こうした約束ができるのはFacebookならではだ。とくに多機種のAndroidでの作動の確認にはかなり手間がかかり、厳しい作業になるかもしれない。問題点の修正や新機能の追加についてユーザーにはまったく情報が流れてこないのが普通だから、毎月必ずアップデートがあるという約束はやはり心強い。

4. 通知

標準のAndroidには強力な通知システムがなかった。Facebook Homeはこの点でも大きな改良だ。カバー・フィードにポップアップで重要な通知が表示される。HomeはFacebookからの通知だけでなく、他のアプリからの通知も処理する。ユーザーはコンテンツのアップデートをリアルタイムで知ることができる。

Facebook HomeはAndroidをフォークした別バージョンではない。あくまでもアプリのランチャーだが、それとして現在最高のできばえといえる。Facebookのヘビーユーザーには非常に魅力的だ。GoogleのAndroidOSの改良にはデバイス・メーカー、デベロッパーがこぞって手を染めてきたが、Facebook Homeは周到に考え抜かれたアプローチを取っている。過去につまらないランチャーをインストールして嫌気がさしたことがあるユーザーにも使ってみる気を起こさせると思う。

〔関連記事:Facebook Home、4月12日よりPlay Storeにて提供開始予定(米国情報)

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook Home、4月12日よりPlay Storeにて提供開始予定(米国情報)

Facebookフォンに関わるイベントにおいて、FacebookはFacebook Homeのアナウンスを行った。ホームスクリーンを改変して、そこでさまざまな機能を提供しようとするアプリケーションだ。Playストアに登場するのは4月12日の予定で、これから毎月、種々のアップデートを行なっていく予定だとのこと。

タブレットについては現在開発中で、「数ヶ月」のうちに提供される予定なのだそうだ。Androidタブレットを使っている人は、数ヶ月のうちにFacebook Homeが利用できるようになる予定ながら、まだFacebook版は「開発途上」であるとのことだ。

「タブレット上でのFacebook Homeは非常に便利なものになると思います」と、Facebookの関係者は述べている。HTCと共同でFacebookフォンをリリースするが、戦略的にはPlay Station上でFacebook Homeをリリースすることこそ必要なことであると考えているようだ。

「Androidはオープンな環境であることが非常な魅力です」と、Homeリリース前にZuckerbergが言っていた。「Facebook Homeを利用するにあたって、特殊なAndroid OSを用意して頂く必要はありません」とも述べている。Facebookは、多くのAndroid利用者がそのまま利用できる形で提供することこそ重要なのだと考えているのだろう。

但し、Facebook Homeはまず特定のデバイスにのみ対応することになる。機能的にハードウェアメーカーとのすり合わせが必要となる部分があるためだ。まず対応するのはHTC One、HTC One X1、Samsung Galaxy SIII、Samsung Galaxy S4、そしてSamsung Galaxy Note IIということになる。現在のところ、Facebookとの間で調整ができているのがSamsungとHTCであるということなのだと思われる。

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(翻訳:Maeda, H)


GoogleがWebKitをフォークして新レンダリングエンジンBlinkをローンチ, 速さと単純性を追求

Googleがさきほど(米国時間4/3)、WebKitのフォークBlink発表した。Googleの説明によると、Blinkは“包括的なオープンソースコミュニティ”および“WebKitをベースとする新たなレンダリングエンジン”であり、将来的には当然、“WebKitとは異なる方向へ進化していく”。Googleによると、Blinkはスピードと単純性がすべてだ。それはもうすぐChromiumからChromeのさまざまなリリースチャネルへ持ち込まれ、ユーザは近い将来、ChromeのBlinkで実装されたバージョンをデスクトップや携帯やタブレットで見ることになる。

WebKit: コラボレーションは最高だったが

Googleの技術担当VP Linus UpsonとOpen Web PlatformのGoogle側プロダクトマネージャAlex Komoroskeの話では、WebKitをフォークする決定は完全に技術者チームからの発意であり、その動機はただ一つ、WebKitの技術的複雑さと、それがもたらす束縛だ。Komoroskeによると、WebKitプロジェクトにおける他社との協働関係そのものは、たいへんすばらしかった、という。

しかし、プロジェクトの立ち上げまでには難関もあった。Upsonによると、このWebKitフォークの動きに関して、“管理部門からは厳しい質問を大量に投げかけられた”が、結局は、技術的な複雑性を軽減して、Googleのレンダリングエンジンをチームが望む方向に進化させていくことが優先された。

Blinkはスピードと単純性がすべて

Komoroskeによると、具体的な問題としては、Chromium(ChromeとChrome OSを支えるオープンソースプロジェクト)の多重処理を核とするアーキテクチャは、WebKitとの相性があまり良くなかった。GoogleがWebKitでGoogle流を貫こうとすると、WebKitのほかのパートナーたちとの統合という課題が発生し、開発過程の全体を牛歩にしてしまった、とKomoroskeは回顧する。

ChromiumとBlinkはオープンソースプロジェクトなので、誰もが自由にコミットできるが、この種のプロジェクトの通例として、そのためにはプロジェクトの正規メンバーである必要がある。

現時点ではWebKitとBlinkは機能的にほとんど同じだが、Googleの予想としては、長期的には両者は非常に違った方向に進化していくだろう。たとえばKomoroskeは、IFRAMEを別のプロセスとして実装したいと考えているが、それを今のWebKitでやるのはきわめて困難だ。

ただし今のところは作業の中心がアーキテクチャのレベルでの改良なので、機能や見た目の上での違いはほとんどない。Googleによると、今行われている改良とはたとえば。“7つのビルドシステムを取り除き、7000あまりのファイル(計450万行あまり)を一度に削除する”、といった低レベルの作業だ。このような大掃除によって、コードベースがより健康的になり、安定性が増し、バグが少なくなる、とGoogleは期待している。

WebKitプロジェクトは、Appleが同社のSafariブラウザのためにKDEのオープンソース製品KHTMLエンジンをフォークするところから始まった。その後KHTMLのチームとAppleのあいだにいろんなやりとりや経緯があり、Appleは2005年にWebKitをオープンソースにすると発表した。そしてGoogleはそれを、同社のChromeブラウザに採用した。興味深いのは、初期のChromiumが実はWebKitのフォークされたバージョンを使っていたこと。そしてその後、そのフォークがあらためて、WebKitプロジェクトの本流に合流したことだ。

というわけで、今現在WebKitを使ってブラウザを作っているベンダは、実はすでにそれぞれが、きわめて異なった実装を使っているのだ(そして彼ら独自のJavaScriptエンジンも使っている)。

WebKitの開発におけるGoogleの今の役割

目下、WebKitのリビュワーの大多数がGoogleから(95名)で、次に多いのがApple(59名)だ。以下、Blackberry、Intel、Nokia、Samsung、Adobe、Netflixなどが続く。WebKitのリポジトリへのコミットも、その大半はGoogleがやっているから、Googleが脱けたら今後のWebKitがどうなるのか、それを見守っていきたい。Googleの広報は今日、Blinkのチームメンバーは今後も“そうしたければ”WebKitに貢献できる、と言ったが、おそらく、そんな余裕のない人がほとんどだろう。

WebKitに切り換えたばかりのOperaはどうなる?

数週間前にOperaは、独自のエンジンの開発をやめてWebKitに切り換える、そのためにブラウザのベースとしてはChromiumを採用する、と発表した。今回のGoogleの発表がOperaにどう影響するのか、それはまだ分からないが、本誌は同社に声明を求めている。

Operaが切り換えを発表したとき、多くのデベロッパたちがWebKitによる文化的独占を心配した(とくにモバイルのWebで)。GoogleがBlinkを手がけたことにより、その心配はなくなり、イノベーションが再び加速すると思われる。Komoroskeも、GoogleのWebKit離れにより他社もWebKitをよりはやく開発するようになり、Googleのこれまでとはまったく異なる実装(Blink)がその動きを一層刺激するだろう、と言っている。

アップデート: Operaが今、次のような声明を寄越した: “Webがデベロッパにとってさらに一層オープンになりアクセスしやすくなることは、喜ばしい。それは動きの激しいプラットホームであり、継続的かつ迅速な更新が必要とされる。Googleのブラウザ担当者たちと話し合った結果、弊社は今後、オープンソースのプロジェクトすなわちBlinkに貢献していくことを志向したい。弊社からのインプットを有効利用できると思われるさまざまなオープンソースのプロジェクトに対して、これまでもそうしてきたように”。

なぜ”Blink”か?

Googleはなぜ、新しいレンダリングエンジンをBlink(まばたき)と呼ぶのか? Upsonによると、それは当然、スピードと単純性を重視するからだ。しかしブラウザのデベロッパたちには、名前で遊ぶ傾向が以前からある。たとえばChromeは、”chrome”(派手で中身のない外見)をできるかぎり消滅させることと関連している。そして彼によるとBlinkは、90年代にNetscape Navigatorが導入した、古き良き(そして迷惑な)<blink>タグを、人びとに思い出させるためだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ディズニー、ルーカスアーツを買収後わずか154日で閉鎖

わがゲーマーの友たちよ、今夜はGold Guyに一献を。業界の聖なる柱が倒れた。

Lucasfilmから40億ドルでLucasArtsを買収してからわずか154日、Disneyはこの伝統的ビデオゲーム開発会社を消滅させた。

今日(米国時間4/3)からDisneyは、LucasArts作品(即ち〈スターウォーズ〉)のライセンス供与は継続するが、社内プロジェクトの開発をすべて中止する。いくつかのプロジェクト(例えばあの驚くべきStar Wars 1313は、他の開発会社に行き先を見つけるかもしれないが、その状況も現在は宙に浮いている。

この動きは予想されていなかったわけではないが(同社の最近のいくつかのゲームは必ずしも成功しておらず、買収以来プロジェクトの閉鎖が噂されていた)、それでも今日のニュースによる落胆が和らげられることはない。私の子供時代、いやあらゆる世代のゲーマーの子供時代の一部は、LucasArtsと共にあった。

今日解雇されたであろう150名の人たちと、これまでLucasArtsの歴史を作ってきた人たちに感謝したい。

ガイブラッシュ・スリープウッドとモンキーアイランドの世界にぼくたちを送り出してくれてありがとう。

マニアックマンションとデイオブザテンタクルは、ビデオゲームに「ユーモア」を持ち込めることを証明したゲームだった。

グリムファンダンゴとフルスロットルにありがとう。みんなが10年以上待ち望んでいる続編を見ることはもうないだろうが、これらのゲームはプロジェクトリーダーのTim Schaferにゲームの世界を紹介し、彼が自分の会社、Double Fine Productionを作るきっかけになった(この会社は、Psychonauts、Brütal Legend、およびKickstarters史上最大級のヒットを生んだ)。

The Digをありがとう。このゲームは、小学校3年生でひどいインフルエンザにかかった私を慰め、当時萎えかけていた私のコンピューターへの興味を再び燃え上がらせてくれた。

Sam and Maxをデジタルワールドに連れてきてくれてありがとう。彼らはTelltale Games(Double Fineと同じく、LucasArats出身者が立ちあげたチーム)の中に住んでいるが、Sam and Maxに単なるインディーズ・コミック以上のポテンシャルを見出したのはLucasArtsだった。

Star Wars: Battlefront(Pandemic Studiosと共作、この会社も消えた)、The Force UnleashedX-Wingシリーズ、そしてKnights Of The Old Republicへの関わりをはじめとする数えきれない思い出をありがとう。

LucasArtsにはヒットも外れもあったが、その遺産はどのゲームやブランドやシリーズだけにも留まらない。彼らのゲームは新たなジャンルを生みだし、LucasArtsが90年代を通じて育て上げた多くの才能は、業界全体を動かす力となった。

さらば、LucasArts。そしてあのSCUMMのすべてに感謝している。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Gmail、検索のオートコンプリート予測を改善。過去の検索履歴も利用

Gmailの開発チームは今日(米国時間4/3)、検索オートコンプリートの予測に、ユーザーの連絡先や過去の検索履歴を利用するよう改善したことを発表した

Googleが検索の王であることを考えれば、これは歓迎できる当然ともいえる改善だ。さらに、GmailユーザーおよびGoogle Apps for Businessのユーザーは、連絡先のサムネイル等これまでになかった機能を使えるようになる。

オートコンプリートと検索サジェストは、Googleのメイン検索で長年主要な位置を占めており、世界で起きているトレンドや、ユーザーが過去に検索した内容に基づく予測の精度はかなり高い。

今日の改善点に関するGmailチームの発表は以下の通り。

もしあなたが、”supercalifragilisticexpialidocious”のような長いフレーズでメールを検索したことがあるなら、これからはずっと探すのが楽になる。Gmailのオートコンプリート予測が、過去のGmail検索を利用するようになった。

過去の検索や、下のスクリーンショットにある連絡先サムネイルは、世界中のGmailユーザーに徐々に公開中だ。

これが役に立ちそうな好例として、特定の人物、例えば自分の上司からのメールを探す時や、旅行好きな人がフライト予定を探す時などが挙げられる。これはGmail Blueでこそないが、時間と努力の節約になることは間違いない。

Gmailのゴールは、何を削除するかを心配することなくあらゆるメールのやりとりを集めることなので、検索は、アーカイブ機能と共にこのサービスを魅力的にするために不可欠な要素だ。Gmailは世界最大のウェブメールサービスとして、細かな微調整やメール作成画面の改訂などの新機能を提供していくことによってユーザーの利便性を高める努力を続けている。

Googleは、モバイル体験の向上にも力を入れており、昨年12月に公開したiOSクライントのバージョン2.0はレビューでも概ね好評だ。

要するに、Gmailは9年前にスタートして以来ベータ版を続け、われわれが2004年まで慣れ親んできたメール体験を完全に作り変えた。Googleは、検索、アーカイブ、会話スレッドなどを活用し、メールをより早くより反応よくすることによって、受信トレイが読まれることのないメールで一杯になることを防ごうとしている。そして、何かを読みたくなった時には、検索するだけだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Android版リリースから1年後、Instagramの1億のユーザーの半数がAndroidに

このごろではInstagramは大昔から存在していたような気がする。しかしiOS専用アプリだった時間が長く、Androidにドアを開いたのはかなり後になってからだ。

公式ブログの記事によると、実は今日(米国時間4/4)がAndroid版リリースの1周年に当たるのだそうだ。このわりあい短い期間に、ユーザーのほぼ半数がAndroidとなっているということだ。

Instagramの1月の月間アクティブ・ユーザーは1億人だと最近発表された。この依然として続いている急成長の非常に大きな部分がAndroid版のリリースによるものだという。なにしろリリース後わずか24時間で100万ダウンロードを記録したほどだ。当時、InstagramのiOSインストール数は3000万くらいだった。

その後InstagramはFacebookに10億ドルで買収されたが、昨年4月9日の買収以後もiOS版、Android版ともにユーザー数を着実に伸ばした。実際、買収のわずか2週間後にInstagramは毎週新たに500万人が加入中で、ユーザーは5000万人を突破したと発表した。Android版がリリースされて5ヵ月後にはユーザーは8000万人に達した。

このInstagramなどは典型的な「こんな簡単なアイディアをなんで自分は思いつかなかったのだろう」と思わせるタイプのアプリだ。しかしその成長戦略は非常に周到なものだった。Instagramは写真の見栄えを大きくアップするフィルタ機能と共有の簡単さで他のライバルすべてを打ち負かした。モバイル・テクノロジーの歴史に残るシンプルだが決定的なソリューションといえるだろう。

またInstagramはiOSのみの環境で1年近く改良と準備を重ねてからAndroidに門戸を開いた。これらの戦略は1年後に大きな見返りをもたらすこととなった。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+