【コラム】自由とプライバシーの保有格差、デジタルフロンティアにおける不平等の拡大

プライバシーは感情的な側面がある。不快なデータエクスペリエンスにさらされて脆弱性や無力感を感じたとき、私たちは往々にしてプライバシーの価値を最大限に高めるものだ。しかし裁判所の視点では、感情は必ずしも、プライバシーの法的体系における構造的変化につながるような損害あるいは理由をなすものとはみなされない。

米国が切実に必要としているプライバシーの改善を促進するには、拡大するプライバシーの格差と、それがより広範な社会的不平等に及ぼす影響について、実質的な視点を持つ必要があるかもしれない。

Appleのリーダーたちは2020年に、App Tracking Transparency(ATT)に関するアップデート計画を発表した。端的にいうと、iOSユーザーは、アプリが他社のアプリやウェブサイトを横断して自分の行動を追跡するのを拒否することが可能になる。このアップデートにより、iOSユーザーの実に4分の3が、アプリ間トラッキングからオプトアウトしている。

ターゲティング広告の個別プロフィール作成に利用できるデータが少なくなることから、iOSユーザー向けのターゲティング広告は、広告代理店にとって効果的かつ魅力的なものとは映らなくなってきている。その結果として、広告主がiOS端末に費やす広告費は3分の1程度減少していることが、最近の調査で明らかになった。

広告主らはその資金をAndroidシステムの広告に振り向けている。AndroidはモバイルOSの市場シェアの42.06%余りを占めており、一方iOSは57.62%だ。

こうした動きが生み出すプライバシーの格差は、漠然とした不快感を超えたところにある、感情的、評判的、経済的などの実質的な害のリスクを徐々に高めていくだろう。多くのテック企業がいうように、プライバシーが私たち全員に等しく帰属するのであれば、なぜそれほどのコストが費やされているのか。あるユーザーベースがプライバシー保護措置を講じると、企業は単純に、最も抵抗の少ない道に沿って、法的または技術的なリソースがより少ない人々に向けてデータプラクティスを方向転換するのだ。

単なる広告以上のもの

Android広告への投資が増えるにつれて、広告テクニックはより巧妙になるか、少なくともより積極的になることが予想される。カリフォルニア州のCCPAのような関連法の下で、ユーザーのオプトアウトの法的権利を遵守する限りにおいては、企業がターゲティング広告を行うことは違法ではない。

これは2つの差し迫った問題を提起している。第1に、カリフォルニア州を除くすべての州の住民には現在、そのようなオプトアウト権がない。第2に、ターゲティング広告をオプトアウトする権利が一部のユーザーに供与されていることは、ターゲティング広告に害あるいは少なくともリスクがあることを強く示唆している。そして実際にそうしたことはあり得るのだ。

ターゲティング広告では、第三者がユーザーの行動に基づいてユーザーのプロフィールを舞台裏で構築し、維持する。フィットネスの習慣や購買パターンなど、アプリのアクティビティに関するデータを収集することで、ユーザーの生活の微妙な側面に対するさらなる推測につながる可能性がある。

この時点で、ユーザーの表現は、ユーザーが共有することに同意していないデータを含有する(正しく推測されているかどうかに関係なく)、規制が不十分なデータシステム内に存在することになる。(ユーザーはカリフォルニア州居住者ではなく、米国内の他の場所に居住しているものと想定)

さらに、ターゲティング広告は、ユーザーの詳細なプロフィールを構築する上で、住居取得や雇用の機会における差別待遇を生む可能性があり、場合によっては連邦法に違反することもあることが調査で明らかになっている。また、個人の自律性を阻害し、ユーザーが望まない場合でも、購入の選択肢を先取りして狭めてしまうこともある。その一方で、ターゲティング広告は、ニッチな組織や草の根組織が関心のあるオーディエンスと直接つながるのを支援することができる。ターゲティング広告に対するスタンスがどのようなものであっても、根本的な問題となるのは、対象となるかどうかについてユーザーが発言権を持たない場合だ。

ターゲティング広告は大規模で活況を呈するプラクティスだが、ユーザーのデータを尊重することを優先していない広範なビジネス活動網の中のプラクティスとしては唯一のものだ。米国の多くの地域ではこうした行為は違法ではないが、法律ではなく、自らのポケットブックを使用することで、データの軽視を回避することができる。

高級品としてのプライバシー

著名なテック企業各社、特にAppleは、プライバシーは人権であると宣言しているが、これはビジネスの観点において完全に理に適っている。米国連邦政府がすべての消費者のプライバシー権を成文化していない現状では、民間企業による果敢なプライバシー保護のコミットメントはかなり魅力的に聞こえる。

政府がプライバシー基準を設定しなくても、少なくとも筆者の携帯電話メーカーはそうするだろう。企業が自社のデータをどのように利用しているかを理解していると回答した米国人はわずか6%にとどまっているにしても、広範なプライバシー対策を講じているのは企業である。

しかし、プライバシーを人権だと宣言する企業が、一部の人にしか手が届かない製品を作っているとしたら、それは私たちの人権について何を物語っているだろうか?Apple製品は、競合他社の製品に比べて、より裕福で教育水準の高い消費者に偏っている。これは、フィードバックループが確立され、持てる者と持たざる者との間のプライバシー格差がますます悪化するという厄介な未来を投影している。プライバシー保護を得るためのリソースがより少ない人は、ターゲティング広告のような複雑なプラクティスに付随する技術的および法的な課題に対処するためのリソースがより限定されてしまう可能性がある。

これについて、プライバシーとアフォーダビリティを巡ってAppleとの確執を抱えるFacebookの側に立つものだと解釈しないようにしていただけたらと思う(最近明るみに出たシステムアクセス制御の問題を参照)。筆者の考えでは、その戦いにおいてどちらの側も勝ってはいない。

私たちには、誰もが手にすることができる、有意義なプライバシー保護を受ける権利がある。実際、その表現を重要な論点へと転換するならば、どの企業も自社製品から除外するべきではない、尊重すべきプライバシー保護を受ける権利を、私たちは有している。プライバシーの意義に重きを置き、プライバシーの広範な適用を確保するという、両方の側面を満たす「both/and(両方 / および)」アプローチがなされるべきである。

私たちが進むべき次なるステップ

先を見据えると、プライバシーの進歩には2つの鍵となる領域がある。プライバシーに関する法制化と開発者のためのプライバシーツールである。筆者はここで再び、both/andアプローチを提唱する。私たちは、テック企業というよりも、消費者のために信頼できるプライバシー基準を設定する立法者を必要としている。また、開発者がプロダクトレベルでプライバシーを実装しない理由(財務的、ロジスティクス的、またはその他の理由)を持たない、広範な適用を確保できる開発者ツールも必要だ。

プライバシーの法制化に関しては、政策の専門家がすでにいくつかの優れた論点を提起していると思う。そこで、筆者が気に入ったいくつかの最近の記事へのリンクを紹介しよう。

Future of Privacy ForumのStacey Gray(ステイシー・グレイ)氏と彼女のチームは、連邦プライバシー法と、州法の新たな寄せ集めとの相互作用に関する、良質のブログシリーズを公開している。

Joe Jerome(ジョー・ジェローム)氏は、2021年の州レベルのプライバシー状況と、すべての米国人のための広範なプライバシー保護への道筋について見事な要約を発表した。重要なポイントとして、プライバシー規制の有効性は、個人と企業の間でいかにうまく調和するかにかかっていることが挙げられている。これは、規制がビジネスに優しいものであるべきだということではなく、企業は明確なプライバシー基準を参照できるようにして、日々の人々のデータを自信を持って、敬意を払って処理できるようにすべきだということを示している。

プライバシーツールに関しては、すべての開発者に対してプライバシーツールへの容易なアクセスとアフォーダビリティを確保することで、プライバシー基準を満たすための弁解をテクノロジーに一切残さないことになる。例としてアクセス制御の問題を考えてみよう。エンジニアは、すでに機密性の高い個人情報が蓄積されている複雑なデータエコシステムにおいて、多様なデータにどの担当者とエンドユーザーがアクセスできるかを手動で制御しようとする。

そこでの課題は2つある。まず、すでに取り返しの難しい状況にある。技術的負債が急速に蓄積される中、プライバシーはソフトウェア開発の外に置かれている。エンジニアには、本番稼働前に、微妙なアクセス制御などのプライバシー機能を構築できるツールが必要だ。

このことは第2の課題につながっている。エンジニアが技術的負債をすべて克服し、コードレベルで構造的なプライバシーの改善を行うことができたとしても、どのような標準や広く適用可能なツールが使用できる状態にあるだろうか?

Future of Privacy Forumによる2021年6月のレポートが明らかにしているように、プライバシー技術には一貫した定義が切実に求められており、それは信頼できるプライバシーツールを広く採用するために必要なものだ。より一貫した定義と、プライバシーのための広く適用可能な開発者ツールという、技術的なトランスフォーメーションは、XYZブランドの技術に限られない全体的な技術としてユーザーによる自身のデータ制御に寄与する方法の、実質的な改善に結びつく。

私たちには、このゲームに関わっていない機関によって設定されたプライバシー規則が必要だ。規制だけでは現代のプライバシーの危険から私たちを守ることはできないが、有望な解決策には欠かせない要素である。

規制と並行して、すべてのソフトウェアエンジニアリングチームは、すぐに適用可能なプライバシーツールを持つべきである。土木技術者が橋を建設しても、一部の人々にとっては安全ではない可能性がある。橋の安全性は、横断するすべての人のために機能しなければならない。デジタル領域内外の格差を拡大させないようにする上で、データインフラストラクチャについても同じことが言えるだろう。

編集部注:本稿の執筆者のCillian Kieran(シリアン・キエラン)は、ニューヨークを拠点とするプライバシー企業EthycaのCEO兼共同設立者。

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(文:Cillian Kieran、翻訳:Dragonfly)

ダイバーシティの数字遊びから脱却し、Twilioが反人種差別企業になるため取った取り組みとは

2020年5月にGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏が殺害されたとき、多くの抗議活動が行われ、米国やその他の地域における人種差別の問題にスポットライトが当てられた。これを受けて、多くの企業が有色人種を支援する姿勢こそ表明したものの、実質的な変化を起こせていないのが現状だ。そんな中、口先だけでなく実際に反人種差別企業になるための取り組みを始めたのがTwilio(トゥイリオ)であり、CEOのJeff Lawson(ジェフ・ローソン)氏の決意は固い。

取り組みの一環として、ローソンは企業におけるダイバーシティ推進に長年携わってきたLybra Clemons(リブラ・クレモンズ)をチーフダイバーシティオフィサーに採用し、クレモンズ氏および他の経営陣と連携して、同社が掲げる人種差別撤廃のビジョンを推し進めている。

個人的な偏見や制度的および社会的な人種差別を分析した上で、そうした偏見や差別を解消できる会社作りを進めるのは至難の業だが、ローソン氏とクレモンズ氏はテック業界の手本となるべく本気のようだ。

こうした取り組みの中で、Twilioのダイバーシティレポートが先日発行された。取り組みの進捗状況と、よりインクルーシブな企業を目指す中で得られた知見が示されている。

筆者は、反人種差別に対する想い、個人、ビジネス、社会の各種レベルで差別に対処する方法、そしてそれがいかに終わりのない戦いであるかについて、ローソン氏とクレモンズ氏から話を聞くことができた。

全力で取り組む

クレモンズ氏は、2020年9月に入社したとき、ローソン氏をはじめとする経営陣全体の尽力で反人種差別企業に向けて取り組むことが決まり、彼女の役割は内容の定義付けだったと語った。それには他社が行っている「その場しのぎの対応」からの脱却に加えて、従業員の採用方法や、人種、容姿、出身地に関わりなく1人ひとりを迎え、成功をサポートするためのシステムを刷新することが含まれたという。

「すべての企業でとは言いませんが、(ジョージ・フロイド氏殺害事件の後)その場しのぎの対応が多かったですね」とクレモンズ氏は述べる。「(Twilioでは)反人種差別企業になるとはどういうことか、反人種差別とは何か(を解明する)ということ、私たちが現在取り組んでいることになるわけですが、そして解明したことに基づいてダイバーシティ、公平性、インクルージョンをどのように促進できるか、こういった点に全力で取り組んでいたと思います」。

こうしたテーマについてはジョージ・フロイド氏殺害事件をきっかけに気づいたわけではなく、自身が長い間考えていたことだった、とローソン氏は述べる。Twilioの初期の支援者にKapor Capital(ケイパーキャピタル)があるが、そのプリンシパルであるMitch Kapor(ミッチ・ケイパー)氏とFreada Kapor Klein(フリーダ・ケイパー・クライン)氏は何十年も前からダイバーシティとインクルージョンの推進を説いており、Twilioの2008年の設立当初にはダイバーシティについて話し合う会議に参加するようローソン氏に勧めていた。

ケイパー・クライン氏は2017年のインタビューで、スタートアップのできるだけ早い段階でポジティブな企業文化を醸成することの重要性についてTechCrunchに語っている。会社が大きくなればなるほど、それは難しくなるからだ。

当時のインタビューで、同氏は「初めからポジティブな企業文化を意識的に醸成することの重要性を強調しすぎることはありません。価値観や理念、会社のブランディングを明確にする時間を設けることが重要です。これは本当に大変なことなんですが、大企業に企業文化やダイバーシティとインクルージョンを後付けするのはもっと難しいことです」と述べていた。

ケイパー夫妻をはじめとするスタートアップの創業者たちとの出会いにより、自分が作りたい会社のイメージが固まったとローソン氏は述べる。同氏によれば、スタートアップを軌道に乗せるためのビジネス構築に手一杯だった当初、DEIB(D:ダイバーシティ、E:公平性、I:インクルージョン、B:帰属意識)について考え始める最適なタイミングなどないこと、そして同氏の言葉を借りれば「1000人の白人男性の会社になってしまう」前に、その場で考え始めることがスタートアップのリーダーとしての責任だということに気づいたという。

この考え方が2020年の反人種差別企業に向けた取り組みへとつながっていき、Ibram X. Kendi(イブラム・X・ケンディ)の著書「アンチレイシストであるためには」にヒントを得て、ローソン氏は全力で取り組んでいるのである。

「反人種差別は、どんな社会にも特定の人種を差別する制度化されたシステムがあり、差別は意図的にも無意識的にも行われるという事実に基づいています。そして反人種差別運動とは、そのような制度が何であるかを明らかにし、それにどう立ち向かうかを考えることです」とローソン氏は語った。

証明するためではなく、変化を起こすためにデータを使う

クレモンズ氏によると、2000年代半ばまでのダイバーシティに対する標準的な考え方は、単にデータを見て、目標値を達成していたら喜んで終わりというものだった。とはいえ同氏は、Twilioがさらにその先を行って、データを活用して会社に実質的な変化をもたらせるようサポートしたいと思ったという。

「データは特定の人口層や集団が増加したか、しなかったかを示します。では、実際に企業方針や手法を変えたりシフトしたりする上で、そのデータをどのように活用すればいいのでしょうか」とクレモンズ氏は問う。

「これはレイシズム(人種主義)、コロニアリズム(植民地主義)、カラリズム、ホモフォビア(同性愛嫌悪)といったあらゆる主義に関わる米国および世界の歴史を本当の意味で理解し、それに取り組む道のりです。自社が行っている選択と、その選択における個人的な利害関係を見つめ直した上で、人種差別撤廃に向けた施策や手法を構築していくことで、ダイバーシティ、公平性、インクルージョンの戦略が実際に変化し始めるのです」。

黒人のプロフェッショナルの職場における地位向上を目的として立ち上げられたスタートアップ「Valence(ヴァランス)」について2021年初めに取り上げたが、その記事の中で同社のCEOであるGuy Primus(ガイ・プリムス)は、クレモンズ氏が指摘したような数値遊びから企業が脱却できるようサポートしたいと語っていた。

「誰もが数字を上げたくて、議題には採用、維持、昇進(という概念)があるわけです。問題は、みんなが採用パイプラインばかりに注目して、究極的には採用に影響する維持や昇進に取り組んでいないことなのです。つまり、これはパイプラインの問題ではなく、エコシステムの問題なのです」とプリムスは述べていた。

これこそTwilioが実行可能なプログラムを策定している分野である。ただ人材の採用にとどまらず、1人ひとりの働きが評価され、各自のスキルに応じて昇進でき、帰属意識を持てる会社作りに取り組んでいるのである。

同社のダイバーシティレポートでは、これを実現するための具体的なプログラムがいくつも挙げられている。

1つは、2017年に始動した「Hatch(ハッチ)」と呼ばれるプログラムだ。これはコーディングブートキャンプの参加者で異色の経歴を持つ人材を探し、6カ月間の実習プログラムに参加させるというものだ。実習プログラムでは、より高度なコーディングスキルを習得する他、コーチングやメンターシップを通じて、コーダーとして成功するために必要なことを学ぶことができる。

ローソン氏によると、2020年の時点で、このプログラムを通じて入社した社員の93%が会社に残っているという。これは、従業員の成功をサポートするシステムを導入している会社に人が集まってきていることを示す実績である。

他にも、黒人やラテン系の従業員がリーダーシップ開発プログラムを通じて管理職に就けるようサポートする「Rise Up(ライズアップ)」や、歴史的に排除されてきた集団の出身者にテック企業の面接で成功する方法を伝授して、採用に向けた第一歩をサポートする「Twilio Unplugged(Twilioアンプラグド)」といったプログラムを設けている。

こうしたプログラムは、同社が掲げる人種差別撤廃の目標を達成するために策定されたものだ。ローソン氏は同社のシステムが完璧ではないことを真っ先に認め、クレモンズ氏らのサポートを受けながら、従業員全員が成功を収め、チームの一員であると感じられる会社を作るために、Twilioの経営陣は努力と学習を続けている最中だと述べた。

Twilioは2020年時点で依然男性社員が60%、女性社員が6%増加して38%強だ。全体の人種と民族構成は概算で白人が51%、アジア人が26%、ラテン系が6.5%、黒人が5.5%となっている。アジア人の割合が高いおかげで白人と非白人の比率は上出来だが、歴史的に排除されてきた各種集団についてはまだ課題がありそうだ。

画像クレジット:Twilio

同社もそのことは理解している。ローソン氏は個人、会社、社会の各レベルで取り組んでいくことで、Twilioとしてこの点を改善していきたいと述べた。その一環として、ダイバーシティレポートで知見を共有することで、現状に満足するのではなく社外に向けて課題を発信しているのだ。

Twilioのダイバーシティレポートに添付された動画の中で、クレモンズ氏が述べている言葉に言い表されている。「誰もが良くも悪くもさまざまな経験をしてきており、それを変えることはできませんが、Twilioとしてみんながチームの一員であると感じられる空間を提供することはできます。そのためには反人種差別の枠組みとなるこのダイバーシティレポートを通して、誰もがTwilioですばらしいキャリアを積み、充実したキャリアを歩めると感じられる公平性を確保することが重要なのです」。

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(文:Ron Miller、翻訳:Dragonfly)

2022年1月5日から開催する「CES 2022」の参加者はワクチン接種証明が必要に

2022年1月5日から開催する「CES 2022」の参加者はワクチン接種証明が必要に

ROBYN BECK/AFP via Getty Images

2022年1月5日~8日にラスベガスで対面イベントとして実施される予定の国際家電見本市CES 2022ですが、運営元のCTAより、参加するにはワクチン接種証明を提供する必要があると発表がありました。

CES 2022は対面式イベントとしてラスベガスで開催へ

ワシントンなど米国の一部州では、飲食店や劇場など、屋内施設の利用にはワクチン接種証明の提示が義務付けられましたが、CTAとしては、州や地域のガイドラインや、米国疾病予防管理センター(CDC)の勧告に従うとのことです。

世界中から人が集まるだけに、米国で認可されていないワクチン(アストラゼネカや中国のシノファームなど)を接種している場合にどうなるのかなど、気になるところではあります。ただ、ワクチン接種証明の代わりに、抗体検査が陽性であることを証明して参加できる可能性もあるとしており、こちらに関しては、後日詳細を共有するとのことです。

ウイルスの変異体も広がっており、この先パンデミックがどうなるのか見通しが難しい状況ですが、CTAは引き続き状況を監視・評価し、開催日に近い段階でプロトコルの追加や修正を発表する予定としています。

(Source:CTAEngadget日本版より転載)

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タグ:イベント(用語)CDC / 米国疾病予防管理センター(組織)新型コロナウイルス(用語)CES(イベント)ワクチン(用語)

Zoomの使用を中止せよ、独ハンブルグのデータ保護機関が州政府に警告

ハンブルグ州政府はZoom(ズーム)の使用に対する公的警告を発した。データ保護の懸念が理由だ。

ドイツ同州のデータ保護機関(DPA)は、現地時間8月16日に公的警告を発する措置を取り、上院事務局における人気ビデオ会議ツールの使用は、ユーザーのデータが米国に転送されて処理されるため欧州連合(EU)一般データ保護規則(GDPR)に違反する、とプレスリリースに書いた。

DPAの懸念は、2020年夏に欧州最高裁判所がEU-米国間の重要なデータ転送協定(Privacy Shield)を、米国の監視法がEUのプライバシー権利と相容れないために無効とした画期的裁定(Schrems II)を受けたものだ。

Schrems IIの影響は、法的不確定性による即時適用以上には、なかなか現れていない。しかし、現在欧州のいくつかのDPAが、データ転送問題を理由に米国拠点のデジタルサービスの使用に関する捜査を進めており、Facebook(フェイスブック)やZoomといった主要米国製ツールに関して、海を渡ったユーザーデータは適切に予防できないとして、その使用に警告を発した例もある。

ドイツの諸機関はこの件に関して最も積極的だ。しかしEUのデータ保護監察機関も、欧州圏におけるAmazon(アマゾン)、Microsoft(マイクロソフト)ら米国の巨人のクラウドサービスの使用に関して、同じデータ転送の懸念を理由に捜査している。

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一方で欧州委員会(EC)とバイデン政権による代替データ転送協定を探る交渉は今も続いている。しかし、EUの立法者たちは性急な修正への警告を繰り返し、プライバシー・シールド復活のためには米国監視法の改定が必要となる可能性が高いと言っている。法的に不安定な状態が続くにつれ、欧州ではますます多くの公的機関が米国拠点サービスを捨てEU圏内の代替サービスを利用するよう圧力を受けている。

今回のハンブルグの事例でDPAは、以前に起きた懸念に関する適切な回答を示さなかったために、上院事務局に対して公的警告を発行したと話した。

DPAは、公的機関によるZoomの使用は個人データ処理に関する正当な法的根拠に関するGDPRの要求を満たしていないと主張し、次のように書いている。「上院事務局から提出されたZoomの使用に関する文書は、GDPR標準が遵守されていないことを示している」。

DPAは、2021年6月17日の聴聞会で公的手続きを開始したが上院事務局は同ビデオ会議ツールの使用を中止しなかった、と言っている。また、規則に沿った使用を説明する追加の文書も証拠も提出しなかった。このため、DPAは一般データ保護規則第58条(2)(a)に従って公的警告の手続きを踏んだ。

ハンブルグのデータ保護および情報の自由担当委員、Ulrich Kühn(ウルリッヒ・キューン)氏は声明で、地域機関がZoomを使うためにEU法を無視し続けていたことは「理解し難い」と評し、ドイツ企業のDataport(いくつもの州、地域、地方当局にソフトウェアを提供している)が提供している代替製品がすでに利用可能であることを指摘した。

キューン氏は声明(原文はドイツ語からGoogle翻訳で英訳)で「公的機関はとりわけ法の遵守が重要です。このため、このような公的措置を取らねばならなかったことは非常に残念です。自由ハンザ都市ハンブルグでは、全従業員が第三国通信に関して問題のない十分にテストされたビデオ会議ツールを利用できます。主要サービス・プロバイダーであるdataportは、自社のデータセンターでも別のビデオ会議システムを提供しています。それらはシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州など他の地域でも問題なく利用できています。このため、上院事務局が別の非常に問題のあるシステムの使用にこだわることは理解できません」。

TechCrunchはハンブルグのDPAと上院事務局に連絡を取り質問を送った。

更新:ハンブルグDPAの広報官はTechCrunchに次のように伝えた。「現時点でこれ以上の公的措置を講じる予定はありません。当該管理者が我々の法的論法を評価の上必要な行動をとることを期待しています。もちろん、さらに話し合い、可能な方法を探し続けることにやぶさかではありません。それが公的警告のそもそもの目的であり、そのままでい遭遇するであろう問題を管理者に気づかせることです。

Zoomにもコメントを連絡を取り、コメントを求めている。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:ドイツハンブルグZoomビデオ会議EUGDPR

画像クレジット:OLIVIER DOULIERY/AFP / Getty Images

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nob Takahashi / facebook

TikTokが13歳~17歳のアカウント対象に新たな制限、16歳未満はデフォルトで非公開・DMやダウンロード無効

TikTokが13歳~17歳のアカウント対象に新たな制限、16歳未満はデフォルトで非公開・DMやダウンロード無効

LOIC VENANCE/AFP via Getty Images

TikTokが、10代の若者の安全とプライバシーを保護するため、13歳~17歳のユーザーを対象とした、アカウントや動画の視聴、ダイレクトメッセージ(DM)機能に関する新しい制限を設けました。

これにより、13歳~15歳のアカウントについては、デフォルトで非公開となり、動画を公開する際、誰が動画を観られるかを選択するポップアップが表示されるようになります。公開範囲としては、フォロワー、友人、自分のみが選択でき、誰でも観られる設定は行えません。また、DuetやStitchの機能も利用できません。

16歳~17歳のユーザーは、DM機能がデフォルトでオフとなります。ただしこれは設定から変更が可能。初めてDMを利用する場合にもプライバシー設定の確認を求めるメッセージが表示されます。また、同様に公開した動画のダウンロードを有効にする場合にも、同様に確認のメッセージが表示されます。なお、13歳~15歳については、DM機能は利用できず、ダウンロード機能も無効になっています。

このほか、いじめ防止や健康的なデジタル習慣の促進のため、13歳~15歳のアカウントでは午後9時から、16歳~17歳では午後10時からプッシュ通知が無効になります。

TikTokは、以前からいじめやプライバシーに関する取り組みを強化してきています。ただ、これらに関しては終わりがなく、今後数か月でさらに多くの取り組みを伝えていきたいとしています。なお、10代を対象としたプライバシー保護などの取り組みは、Instagramなども力を入れているところです。

TikTok、不快なコメント防止に2つの新機能を導入。コメント承認制も
Instagram、16歳未満の新規アカウントをデフォルトで非公開に。広告も一部制限

(Source:TikTokEngadget日本版より転載)

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タグ:いじめ(用語)子ども / 子ども向け(用語)SNS / ソーシャル・ネットワーキング・サービス(用語)TikTok(製品・サービス)ティーンエイジャー / 10代(用語)デジタルリテラシー / メディアリテラシー(用語)プライバシー(用語)ペアレンタルコントロール(用語)

マッチングアプリ「Tinder」で里親募集中のペットとデート!? ドイツの動物保護団体が15匹のプロフィールを登録

マッチングアプリ「Tinder」で里親募集中のペットとデート!? ドイツの動物保護団体がペットのプロフィールを登録

GK Hart/Vikki Hart via Getty Images

ドイツのミュンヘン動物福祉協会が、マッチングアプリのTinderにペットのプロフィールを登録する試みを行っています。評判は上々で、既に何人かの人と最初のデートが設定されているとのことです。

同協会曰く、コロナ禍での自宅時間の増加により、ペットを飼う人は増加傾向にありますが、今度はコロナが収束に向かうにつれてペットを捨ててしまう人が増えるのを懸念しているとのこと。こうしたこともあり、新しい飼い主を見つける方法として、Tinderの利用に思い至ったようです。

マッチングに際しての本気度も高く、広告代理店に依頼して、プロカメラマンの手で15匹のペットの写真を撮影しTinderに登録したとのこと。こうした甲斐があってか、同協会のJillian Moss氏によると、反響は非常に大きいとのことです。

一方で、新しい出会いを求めているのに違いはないとはいえ、こうした利用はTinder側的にはどうなのだろうと思うところですが、Tinderのコミュニケーションチームで働くBenjamin Beilke氏は「これらの動物たちが本当に新しいパートナー、数週間だけでなく、長期的に “パーフェクトマッチ “を見つけてくれることを願っています」とロイターの取材に応えており、好意的に捉えているようです。

(Source:ReutersEngadget日本版より転載)

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WeedmapsのiPhoneアプリで大麻購入が可能に

Apple(アップル)のApp Storeガイドライン緩和によって、Weedmaps(ウィードマップ)ユーザーは人気アプリの中でカナビス(大麻)を購入できるようになった。これは、Weedmapsのユーザーがカナビスを一覧、選択、購入し、受取りあるいは配達までをアプリ内で行えるという意味だ。これまでユーザーは、地元小売店を探してメニューを見ることしかできなかった。それはApple(アップル)および地方、国のガイドラインのためだった。

アップデートされたアプリはすでに公開中だ。

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この変更は、Appleが一部のカナビスアプリのためにApp Storeの規制を緩和した結果だ。新しいガイドラインの下では、ライセンスを受けたカナビス販売業者はライセンスを受けた薬局と同じ制限を(Appleから)受けるため、Weedmapsのようにライセンスを受けたカナビス業者を掲載しているアプリは販売サービスの提供が可能になる、という意味だ。

「当社のiOSアプリから購入できる機能は、当社の顧客とビジネスパートナー双方にとっての利便を改善する画期的な出来事です」とWM Technology, Inc.の最高技術責任者であるJustin Dean(ジャスティン・ディーン)氏はいう。「Appleのような会社が業界のリーダーたちと強力して私たちの業界のイノベーションを進めるソリューションを見つけてくれたことに感謝します。カナビスに対するポリシーや姿勢が目覚ましい成長を約束する形で変化していることに勇気づけられるとともに、当社プラットフォームを通じて小売店にカナビスを注文するもっと簡単な方法を提供できることを期待しています」。

Weedmapsはこの市場で独特の位置にいる。カナビス・アプリの第1人者として、すでに全米を通じて利用されている。競合するデリバリーサービスのEaze(イーズ)などと異なり、Weedmapsは配達に関与していない。ライセンスを受けたディスペンサリー(販売薬局)が商品とサービスのリストを載せるためのプラットフォームを提供しているだけだ。

新しいApp Store規則の下では、Weedmapsのようなアプリはユーザーがカナビスの販売が合法である限定地域内でのみ注文できるように制限しなければならない。これは、カナビス販売が違法な場所に住んでいるユーザーは、合法地域内のディスペンサリーから購入できないことを意味している。

以前のApple App Storeポリシーは以下のとおりだ。

たばこや電子タバコ(関連製品を含む)、違法な薬物、過度のアルコールの摂取を助長するAppは、App Storeでは許可されません。未成年者にこれらの摂取を促すAppは却下されます。また、規制薬物の販売(許認可を受けた薬局を除く)、およびたばこの販売を幇助することは認められません。

米国時間6月7日に改定されたポリシーは以下のとおり、変更部分を強調してある。

たばこや電子タバコ(関連製品を含む)、違法な薬物、過度のアルコールの摂取を助長するAppは、App Storeでは許可されません。未成年者にこれらの摂取を促すAppは却下されます。また、規制薬物の販売(許認可を受けた薬局、または許認可済みかその他の合法的な大麻ディスペンサリーによる販売を除く)、およびたばこの販売を幇助することは認められません。

規制の多い分野(バンキングや金融サービス、ヘルスケア、ギャンブル、合法大麻の使用、航空旅行など)でのサービスを提供するApp、機密性の高いユーザー情報を必要とするAppは、個人のデベロッパではなく、そうしたサービスを提供する法人によって提出される必要があります。大麻の合法的な販売を促進するためのAppは、それが合法とみなされる法的管轄地域でのみ利用できるよう、地域制限を設定する必要があります

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Weedmaps大麻AppleiOSApp Storeアメリカ

画像クレジット:Weedmaps

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(文:Matt Burns、翻訳:Nob Takahashi / facebook

関西在住のU25学生・起業家対象に「スタートアップ・イニシャルプログラムOSAKA(SIO) 連続講座」が受講者を募集開始

関西在住のU25学生・起業家対象に「スタートアップ・イニシャルプログラムOSAKA(SIO) 連続講座」が受講者を募集開始

公益財団法人大阪産業局は8月10日、参加費無料の「スタートアップ・イニシャルプログラムOSAKA(SIO) 連続講座編」の受講者募集を開始した。同プログラムは、起業する際に知っておく必要がある基礎知識などを体系的に学べるという連続講座。ビジネスアイデアを持つ25歳以下の学生または若手起業家が起業に必須の知識を身に付け「知っていたら避けられる失敗」を回避し、よりスムーズに起業を進められることを目的としている。

また今回は、プログラムの中でブラッシュアップしたビジネスアイデアについて受講生が発表するピッチコンテストを開く予定。コンテスト前には、毎日放送(MBS)現役アナウンサーによるプレゼン講座「資料に頼らず話し方のみで伝えたいことを伝える」を実施し、短時間で自分の事業を説明するというスタートアップにとって重要なスキルを身に付けられるようにする。

同プログラムの対象は、関西在住で、25歳以下の学生や若手起業家、またスタートアップビジネスでの起業をめざしている者。参加条件は、社会課題をはじめとする世の中の未解決の課題を市場・ニーズと捉え、ビジネスとしてこれらの解決を目指すアイデアがあること。エントリー締め切りは9月17日18時。プログラム開催日時は、2021年10月5日~11月27日。2022年度以降も、SIOアクセラレーションなどの他プログラムにつなぐことで起業に向けた切れ目のないサポートを継続し、関西のスタートアップ創出拡大に貢献する。

なお同プログラムでは、スタートアップの定義として、創造的イノベーションにより革新的なビジネスモデルを作り、成長を目指していることとしており、個人経営・家族経営などのスモールビジネスの創業や、既存市場に参入するビジネスの創業・起業とは区別するとしている。

募集要項

  • 開催日時:2021年10月5日~11月27日
  • 開催場所:講座・ワークショップは原則オンラインで実施。成果発表会はMBS本社1階「ちゃやまちプラザ」(大阪市北区茶屋町17番1号)
  • 定員:20名(応募者多数の場合は抽選)
  • 対象:関西在住、スタートアップビジネスでの起業を目指している者、25歳以下の学生または若手起業家
  • 参加条件:社会課題をはじめとする世の中の未解決の課題を市場・ニーズと捉え、ビジネスとしてこれらの解決を目指すアイデアがあること
  • 申込締切日:2021年9月17日18時まで
  • 結果通知日:2021年9月24日
  • 参加費:無料
  • 応募方法:「SIO連続講座 申込みフォーム」で必要事項を入力しエントリーする。入力したメールアドレス宛てに、事務局からエントリーシートのダウンロードURLが届くので、これに記入し事務局にメールで送付

プログラムスケジュール(全7回)

  • 第1回:講座(1)「事業作り基礎講座」「起業家マインド醸成講座」
  • 第2回:ワークショップ(1)
  • 第3回:講座(2)「ファイナンス戦略基礎講座」
  • 第4回:ワークショップ(2)
  • 第5回:ワークショップ(3)
  • 第6回:プレゼンテーション講座
  • 第7回:成果発表会(ピッチコンテスト)

大阪では、関係機関が一体となって、オール大阪で起業家を生み育てる環境を整備するとともに、スタートアップ・エコシステムの構築・拠点形成に取り組んでいるという。その一環として、大阪・関西でのスタートアップ・エコシステム構築と将来の大阪発のロールモデルとなる企業の発掘・成長支援のため、2019年(令和元年)にSIOをスタートさせた。新たな価値を自ら創出する、初期段階のスタートアップおよび起業前後の方を対象とし、連続講座やアクセラレータープログラム、イベントなど事業立上げ時に必要とされる専門的な支援プログラムを実施している。

アクセラレータープログラムに参加したスタートアップの以後の成果としては、事業会社との連携・協業が23件、資金調達が4件、チーム増強・人材採用につながったものが6社、次の成長段階のプログラムやコンテストなどの採択・受賞5社といった実績が上がっているという(2019年実績)。

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タグ:アクセラレータープログラム(用語)大阪産業局(組織)日本(国・地域)

大麻大手のLeaflyがSPAC合併経由で上場へ、評価額は約590億円

Leafly(リーフィー)は公開企業となるのにMerdia Merger Corp. IとのSPAC合併に目を向けている。Leaflyを約5億3200万ドル(約590億円)と評価し、上場で1億6150万ドル(約180億円)の調達を見込んでいるこの取引には、同社がMerida Capital Holdingsなどの投資家からこのほど調達した3150万ドル(約35億円)も含まれる。

MeridaはLeaflyの社名を受け入れ、Leaflyはティッカーシンボル「LFLY」でNASDAQに上場する。Leaflyの既存の株主は合併会社の約72%の株を保有する。取引は2021年第4四半期に完了する見込みだ。

Leaflyは2010年に創業され、大麻のマーケットプレイスとリソースのリーダーとして成長した。同社は痛みや小売店、最近のイベントなどに関する詳細な情報を含む、消費者向けコンテンツの専門ライブラリーを提供している。小売店向けとしては、7800のブランドと4600の小売購読者が利用しているサブスクベースのプラットフォームを運営している。報道によると、Leaflyは2021年に4300万ドル(約475億円)、2022年には6500万ドル(約720億円)の売上高を見込んでいる。

成功しているにもかかわらず、同社は解雇や経営陣の交代など不安定な2020年を送った。2020年8月にYoko Miyashita(ミヤシタ・ヨウコ)氏がCEOに就任し、より良いオンラインショッピング体験の構築に注力してきた。2021年2月に同社はeコマースツールを改善すべくJaneと提携した

SPAC合併経由で上場することで、Leaflyはまさに米政府が大麻規制を緩和しようとしている時期に成長段階へと足を踏み入れていることを示している。

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(文:Matt Burns、翻訳:Nariko Mizoguchi

新型コロナワクチン誤情報の投稿でツイッターが米共和党員のアカウントを一時停止

Twitter(ツイッター)は米国時間8月10日、ジョージア州の共和党員Marjorie Taylor Greene(マージョリー・テイラー・グリーン)氏がワクチンは新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大を抑制しないと主張するツイートを投稿したことを受け、同氏のアカウントを一時停止した。

グリーン氏は「これらのワクチンは失敗であり、ウイルスの拡散を抑制しない。マスク着用もそうだ」と、科学者らに反論し、FDA(米食品医薬品局)にワクチン承認を拒否するよう求める内容をツイートした。グリーン氏のツイートは同氏のフィードに残ったままだが、Twitterの誤情報警告も一緒に掲載されており、警告の中でユーザーにCDC(米疾病対策予防センター)の情報を案内している。

TwitterはTechCrunchに、グリーン氏のツイートは「(社の)新型コロナに関するミスリーディング情報規則に則ってラベルが貼られ」、プラットフォーム規則を「繰り返し破った」ために同氏のアカウントは7日間閲覧のみのモードとなる、と話した。グリーン氏は2021年7月、ウイルスは65歳以下の健康な人にはほぼ害を及ぼさないと誤った主張を展開したために12時間の一時停止処分となった

Twitterの現在の新型コロナ関連誤情報に関する違反回数に基づくシステムにおいて、今回の新たな一時停止は同氏に対する4回目の措置となる。グリーン氏はTwitterで繰り返し規則を破っていて、同氏のアカウントが復活後に5回目の違反を犯した場合は永久追放となる危機に瀕している。

新型コロナ感染の症状悪化を大幅にそして効果的に抑制したり、感染を予防することがわかっている3種のワクチンが接種できるにもかかわらず、米国の新型コロナ新規感染の件数は増えている。フロリダ州は1日あたりの新規感染者数の最多を更新し続けていて、ワクチン接種が始まる前の2020年の新規感染者数を上回っている。

極めて感染力の強いデルタ変異種のケースが増えているにもかかわらず、オンライン上の誤情報が引き続きワクチン接種に対して米国人を消極的にさせる主要因となっている。ワクチン接種率が最下位の州の1つであるアラバマでは、住民が新たな変異種に対していかに脆弱であるかを認識するにつれて誤情報の件数は増加傾向にあり、ワクチンを接種していない人に痛ましい被害を及ぼしている。

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タグ:Twitter新型コロナウイルスワクチンアメリカ誤情報陰謀論

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

犯罪ライブ配信「Citizen」が地域ジャーナリズムに取って代わることはない

地元で起こった犯罪を撮影するアプリCitizenが、1時間あたり25ドル(約2760円)で極秘にジャーナリストを雇って、犯罪現場の映像をサードパーティのウェブサイト経由でアプリからライブ配信していることがわかった。やれやれ。

Citizenが2016年に初めてApp Storeに登録されたときはVigilanteという名前で、透明性によって不正と戦うプラットフォームと銘打ってマーケティングを展開していた。というと聞こえはよいが、実際には、犯罪現場を探し出すよう故意にユーザーを煽って、その現場を報告させるというものだった。Vigilanteは、Apple(アップル)のアプリ開発者レビューガイドラインの「アプリはその使用によって身体に害を及ぼすことがあってはならない」という条項に違反しているとしてApp Storeから削除された。

もちろん、これでこの悪質なアプリの芽は摘まれるはずだった。が、大災害の後のゴキブリのように、このアプリも生き残っていた。VigilanteはCitizenと名前を変えて、利用者は犯罪現場に介入しないものとするという免責条項を追加してApp Storeに再登録を果たし、引き続きVCから資金を調達している。このアプリは現在、App Storeの同アプリページによると、クラウドソース型事件記録簿ということになっており「警察が対応する前に発生中の犯罪を市民に知らせる」のだという。しかし、このような行き過ぎた自警行為は、市民に安心感をもたらすどころか、混乱に拍車をかける可能性がある。アプリユーザーによる犯罪報告は、単なる間違いで済めばよいが、下手をすると人種差別につながり兼ねないことはいうまでもない。このアプリは911番通報からデータを取得しているが、911番通報の情報はすべて確認されているわけではないため、誤通報の原因となる可能性がある。

Citizenの代表は、このアプリは不審人物の通報を禁止しており「未確認のコンテンツや利用者によって報告された犯罪」は訓練を受けた専門家のレビューを受け許可されるまで配信されないと主張している。しかし、ほんの数カ月前、CEOのAndrew Frame(アンドリュー・フレーム)氏はライブ動画で放火犯と疑われる人物を追跡したCitizenのユーザーに情報提供料として3万ドル(約330万円)を支払ったが、結局その人物は犯人ではなかったことが判明した。

Citizenは十分なユーザー数が確保されないと機能しないため、同社はこのアプリを使うよう一般市民を囲い込もうとますます躍起になっている。SensorTower(センサータワー)によると、Citizenは、Black Lives Matter抗議活動の拡大に乗じて、2020年6月に月間最高ダウンロード数を記録した(米国全体が警察の残忍な行為に抗議する中、67万7000人の市民が警察アプリをダウンロードした)。しかし、その翌月のダウンロード数は20万7000件に低下し、以降、2020年3月は29万2000件、2021年3月は28万3000件と、ダウンロード数は頭打ちになっている。

Daily Dot(デイリー・ドット)は6月「ランドン」とうい名前のユーザーが1日に複数の犯罪現場からライブ配信を行ったという記事を掲載した。こうした犯罪現場に偶然出くわす頻度からして、この人物は単なる熱狂的なアプリユーザーではないように思われた。昨日もニューヨークポストに、1日で6つの犯罪現場をCitizenでライブ配信した「クリス」という名前の別のユーザーの記事が掲載された。Citizenによると、ランドンもクリスも、Street Team(ストリートチーム)のメンバーとしてアプリでの犯罪通報を行っているという。

「Citizenではいくつかの都市にチームを配置しています。これらの都市では、Citizenプラットフォームの動作方法をデモし、まさに犯罪が発生しようとしている状況での責任のある配信行為の見本を示すためにアプリを利用できます。最終的には、これらのチームが、効果的、有用かつ安全に配信を行う方法をユーザーに示すことになると信じています」とCitizenの広報担当は語った。

Citizenはアプリの立ち上げ以来、ストリートチームを配置しており、その事実を隠そうとしたことはないと同社の広報担当はいう。しかし、このストリートチームの仕事はCitizenのウェブサイトでは求人されておらず、Flyover Entertainmentというサードパーティのリクルート業者がJournalismJobs掲示板でCitizenの名前を出さずに求人広告を出している。NYU Journalismのウェブサイトでも、同じような求人広告を掲載しているが、こちらにはCitizenという名前が明記されている。Citizenによると、これらはどちらも、Citizenのストリートチームの求人広告だという。報酬は、ロサンゼルスでは10時間のシフトで250ドル(約2万7000円) / 日、ニューヨークでは8時間のシフトで200ドル(約2万2000円) / 日(25ドル[約2700円] / 時)となっている。

「放送記者たちには安全に責任を持って放送してきた経験があります。これこそストリートチームのメンバーに必須の条件です」とCitizenの広報担当は語り、これらの求人広告がCitizenのウェブサイトではなくサードパーティの求人掲示板に掲載されている点については、Citizenは本職の記者を求めていたからだという点を強調した。ただ、自社のウェブサイトでも本職の記者を募集することはできたと思われる。

監視による自警主義に対する懸念はさておき、ローカルニュースは瀕死状態であるし、Citizenは個人ジャーナリズムに替わるものとして開発されたわけではない。もちろん、地域の新聞も犯罪を報道するわけだし、詳細を調べるために報道記者を犯罪現場に送るというCitizenのやり方も前例のないことではない。しかし、ニュース報道と、監視アプリを使った犯罪現場からのライブ配信とでは意味が違う。しかも、Citizenは本職の記者が配信したのか、それとも一般市民が配信したのかを質問されない限り明らかにしない。「透明性の向上」を謳い文句にしているアプリにしては、求人広告に自社名を明記しないというのは透明性が高いとは思えない。また、福利厚生も有給もないのに、しっかりとした放送スキルを要する不定期のフリーランスの仕事にしては、時給25ドルというのはかなり低い報酬と言わざるを得ない。

現在、Citizen’sは、成長を目指す最新の試みとして、月額19.99ドル(約2200円)のProtectと呼ばれる有料サービスを提供している。このサービスを利用すると、ユーザーは、自分のカメラからProtectエージェントに自分の居場所とライブストリームを送ることができる。Citizenによると、Protectエージェントには、前警察官や911オペレーターが在籍しており、緊急時には「緊急対応部隊」を派遣できる。これは、個人向けの911オペレーターに料金を支払っているようなものだ。今でさえお粗末な警察システムのお粗末な代替システムのような感じだ。ユーザーが犯罪を恐れるほど、自分たちの身を守ってくれると信じて月額サブスクリプションサービスに料金を支払う動機も高まる。ニューヨーク市議会議員のJustin Brannan(ジャスティン・ブラナン)氏は、次のように書いている。「自分の近辺で起こった犯罪を絶えず把握できれば、都市の犯罪発生率が現在歴史的低水準になっているとはいえ、ユーザーは多少は安心できます。ただし、脱走したトラが実はアライグマだったなどということもあります」。

おそらくシリコンバレー育ちのテック企業では、1世紀近くの長きに及ぶ米国の警察の残忍行為、人種プロファイリング、監視を抑えることはできないのかもしれない。犯罪を減らすには、すべての人が医療施設を利用でき仕事にありつけ手頃な価格の住宅を購入できるようにしたほうが、よほど効果的なのかもしれない。答えは誰にもわからない。

関連記事:論議呼ぶ防犯アプリ「Vigilante(自警団員)」改め「Citizen」が月額約2180円のProtectサービスを開始

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:CitizenジャーナリズムマスコミアプリApp Store透明性犯罪

画像クレジット:Citizen

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Dragonfly)

電子フロンティア財団などが批判する中、アップルの児童虐待対策用iCloud写真スキャンに関する社内メモ流出か

電子フロンティア財団などが批判する中、アップルの児童虐待対策iCloud写真スキャンに関する社内メモ流出か

Apple

アップルが予告した次期iOS 15等での児童の性的虐待対策は、メッセージアプリに添付された写真やiCloudに保存される画像をスキャンすることから、複数の方面からプライバシー侵害や監視の恐れがあると批判を集めています。

こうした反発に対して、アップルが新機能を「誤解」を招きやすいと認めつつも、これらの新機能は子供たちの安全を守るための「重要な使命」の一部だと信念を強調した社内メモが流出したと伝えられています。

アップルが5日(米現地時間)に発表した「子供のための保護機能の拡張(Expanded Protections for Children)」への反発とは、具体的にはエドワード・スノーデン氏(米国国家安全保障局の情報を持って逃亡し、米政府が個人情報を監視していることを暴露した人物)や電子フロンティア財団(EFF)など著名な関係者からも寄せられているものです。

批判の対象となっているのは、主にアップルがiCloud画像をスキャンして児童性的虐待資料(CSAM)のデータベースに照合して一致するかどうかチェックする計画であり、わずかな変更により他の個人データも監視できるようになる可能性です。

さて米9to5Macが入手したのは、アップルのインテリジェントシステムエクスペリエンス担当副社長 セバスチャン・マリノー・メス(Sebastien Marineau-Mes)が社内スタッフ向けに書いたメモです。そこでは、アップルは「子供のための保護機能の拡張」に含まれる「機能の詳細を説明していく」ことを続けていくと述べられています。

マリノー・メス氏は、これら新機能に対して「多くの好意的な反応」を確認している一方で、どのように機能するのかを「一部の人々が誤解している」ことや、「少なからずその影響を心配している」ことも認識していると述べています。それでも、これらの機能は「子どもたちを守る」ために必要であり、同時に「ユーザーのプライバシーに対する深いコミットメント」を維持するものであるというアップルの信念を強調しています。

そのメモの全文は、次の通りです。

本日、「子どものための保護機能の拡張」が正式に公開されました。この数年間の皆さんのご尽力に感謝するために、この場をお借りしたいと思います。皆さんのたゆまぬ努力とたくましさがなければ、このような節目を迎えることはできませんでした。

子どもたちの安全を守ることは、とても重要な使命です。アップルらしく、この目標を達成するためには、エンジニアリング、GA、HI、法務、プロダクトマーケティング、PRなど、部門を超えた深い関与が必要でした。本日発表した製品は、この素晴らしいコラボレーションの成果であり、子供たちを守るためのツールを提供すると同時に、ユーザーのプライバシーに対するアップルの深いコミットメントを維持するものです。

今日は多くの好意的な反応をいただきました。誤解をされている方や、その影響を心配されている方も少なからずいらっしゃると思いますが、私たちが作ったものを理解していただけるよう、今後も機能の詳細を説明していきます。また、数ヵ月後に機能を提供するために多くのハードワークが待っていますが、本日NCMEC(全米行方不明・被搾取児童センター)から受け取ったこのメモを共有したいと思います。私自身、非常に刺激を受けましたし、皆さんにもぜひ読んでいただきたいと思います。

このような素晴らしいチームと一緒にアップルで働けることを誇りに思います。ありがとうございました。

このメモには上記の通り、NCMECからのメッセージも含まれています。

そこでは「全員がみなさん(アップル)を誇りに思っており、子供の保護を優先するという名目で行った信じられないような決断を称賛したいと思い、励ましの言葉をお伝えします」と称賛が述べられるとともに、激しい批判に晒されているアップルに対して「この長い日と眠れない夜の間、御社のおかげで何千人もの性的搾取の被害を受けた子供たちが救出され、癒しと彼らにふさわしい子供時代を過ごすチャンスを得ることができることを知って、慰めにしていただきたいと思います」という励ましの言葉も添えられています。

ほかアップルは、米国外でのCSAM検出機能の拡大は、現地の法律や規制に応じて国ごとに行われると9to5Macに対して確認したとのことです。ただし、いつ、どの国や地域に拡大するのかは具体的なスケジュールは提供されていません。

アップルやNCMECが言うとおり、新機能が本当に「プライバシーを守りつつ、子どもを保護するための道筋」となり、その他の使い道へと逸脱するおそれがあり得ないのか。今後もアップルに対しては技術の詳細につき説明が求められ、専門家らの厳しい精査にさらされる展開となりそうです。

Engadget日本版より転載)

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タグ:iOS(製品・サービス)iOS 15(製品・サービス)iPhone(製品・サービス)iPadOS 15(製品・サービス)Apple / アップル(企業)子ども / 子ども向け(用語)機械学習 / ML(用語)電子フロンティア財団 / EFF(組織)プライバシー(用語)

Best Buyがマイノリティ創業者の支援を専門とするVCに最大約11億円を出資

Brown Venture Groupのマネージングパートナーであるクリス・ブルック氏、パートナーのJerome Hamilton(ジェローム・ハミルトン)氏、パートナーのChris Dykstra(クリス・ディクストラ)氏、マネージングパートナーのPaul Campbell(ポール・キャンベル)氏。ミネアポリスにあるオフィスの外で

George Floyd(ジョージ・フロイド)氏殺害を受けて、Best Buy(ベストバイ)は2020年夏に有色人種コミュニティのサポートを「さらに推進する」ことを約束した。過小評価とテクノロジーの不平等の問題にこれまで以上に取り組むというBest Buyが自らうたったミッションの一環として、同社は米国8月5日、Brown Venture Group(ブラウン・ベンチャー・グループ)に最大1000万ドル(約11億円)を投資すると発表した。

ミネソタ州を拠点とするBrown Venture Groupは「先端テクノロジー」を手がける黒人、ラテン系、先住民のテックスタートアップに特化して支援することを約束している創業3年のベンチャーキャピタル会社だ。Crunchbaseのデータによると、2020年の資金調達総額のうち黒人とラテン系のコミュニティが獲得した資金はわずか2.6%だった。

Brown Venture Groupは5000万ドル(約55億円)を目標とするの第1号ファンドの資金調達を行っていて、同社幹部によると目標額の75%は目処がついている。これは、ミネアポリスを拠点とするBest Buyの「最大1000万ドル」投資するという約束がBrown Venture Groupが調達する資金の最大20%を占め、これによりBest Buyがこのファンドのリーディングパートナー(LP)になるかもしれないことを意味する。

Brown Venture Groupの共同創業者でマネージングパートナーのPaul Campbell(ポール・キャンベル)博士は、自身と共同創業者のChris Brooks(クリス・ブルック)博士が会社設立の初期に「複数の地元の人」から「資金はすべて海岸側にある」ためツインシティーズ(ミネアポリス・セントポール都市圏)を去るべきだと言われた、と話した。

「ごく初期段階に、我々はツインシティーズにとどまり、ツインシティーの物語にすると固く決心しました」とキャンベル氏はTechCrunchに語った。「ですので、ツインシティーズのエコシステムについて、そして誰に当社のリードLPになって欲しいかを考えたとき、Best Buyがリストの一番上にきました。Best Buyが当社のファンドのリードLPとなることに勝る喜びはありません」。

この件について2020年の売上高が470億ドル(約5兆1800億円)だったBest Buyは、今回の動きは「資金へのアクセスやテック産業における次世代サポートの欠如など、黒人・先住民・有色人種(BIPOC)起業家が往々にして直面する組織的な障壁をなくす」ことをサポートするのが目的だと述べた。

また「Brown Venture Groupとの提携では、テクノロジースタートアプ分野をより包括的で多様なサプライヤーの強固なコミュニティを作り出すものにすることに向けて取り組む」と同社は付け加えた。

Best Buyのファンド出資の発表と併せて、Best BuyとBrown Venture Groupは教育、メンター制度、ネットワーキング、資金へのアクセスを通じて若い起業家の成長をサポートすべく、Best Buy Teen Tech Centersで起業家プログラムを共同展開することも明らかにした。

代表者らの「包括的な」皮膚の色を示すためにこの社名を選んだBrown Venture Groupは、これまでのところクリーンエネルギースタートアップEcolution kwhを含む5社に投資した。

1000万ドルという出資額は2020年の売上高が470億ドルという企業にとってはわずかなものにみえる。Best Buyはこのイニシアチブは同社がBIPOC企業をサポートしようとしているいくつかの取り組みの1つにすぎないと話す。その他の取り組みには、BIPOCの学生のための大学進学と就業の機会を増やすために4400万ドル(約48億円)を拠出する計画や、2025年までにBIPOCと多様性がある企業に少なくとも12億ドル(約1320億円)を注ぐという約束が含まれる。同社はまた、2025年までに時間給ではない3つの新たな業務の1つをBIPOC従業員に任せ、テクノロジーチームで1000人を新規雇用し、うち30%を黒人、ラテン系、先住民、女性など多様な人材とする、と述べた。

「BIPOCの起業家が直面してきた困難を解決するために意義ある行動を起こすことを約束します」とBest BuyのCEO、Corie Barry(コリー・バリー)氏は声明文で述べた。「今回のような提携を通じて、もしかすると将来Best Buyのパートナーになるかもしれないテック産業における多様な革新者たちの、これまでよりも強固で活気のあるコミュニティの構築をサポートすることで問題解決に着手できると確信しています」。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Best BuyVC投資マイノリティ

画像クレジット:Brown Venture Group

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

バカンとあいおいニッセイ同和損害保険が防災領域で提携、リアルタイム被害予測サイト「cmap」で避難所混雑情報を公開

バカンとあいおいニッセイ同和損害保険が防災領域で提携、リアルタイム被害予測サイト「cmap」で避難所混雑情報を公開

AIとIoTを活用してあらゆる空き情報を配信するバカンは8月5日、あいおいニッセイ同和損害保険と避難所混雑可視化に関する提携を8月から開始すると発表した。今回の提携により、あいおいニッセイ同和損害保険のリアルタイム被害予測ウェブサイト「cmap」(シーマップ)およびアプリ(Android版iOS版)上で、バカンが配信する全国150超の地方自治体が運営する避難所1万カ所以上の混雑情報を閲覧できるようになる。無償一般公開としており、利用時にユーザー登録などの必要はない。

バカンとあいおいニッセイ同和損害保険が防災領域で提携、リアルタイム被害予測サイト「cmap」で避難所混雑情報を公開

cmapは、被災規模の早期把握や迅速な救助・支援活動に貢献を目的として、台風・豪雨・地震による被災地域の被災建物棟数を最新の気象観測データに基づき現在進行形で予測し、無償公開するシステム。あいおいニッセイ同和損害保険、エーオングループジャパン、横浜国立大学による産学共同の研究から誕生した。

台風の場合は上陸前から(最大7日先まで)、豪雨、地震による被害が発生した際は被災直後から、被災建物棟数、被災件数率を市区町村ごとに予測し、地図上に表示する。また、洪水ハザードマップなどの機能も実装している。

利用者は、cmapにスマートフォンやPCからアクセスすることで、災害発生時には避難所のリアルタイムの混雑情報や位置を地図上で確認できる。​混み具合の情報は、各避難所の職員や災害対策本部の職員がインターネット上で入力することで更新され、「空きあり」「混んでいる」「満席/満室」の3段階で表示される。

また今回の連携により、従来より掲載していた予測情報などだけでなく、災害発生時のリアルタイム情報もcmapに掲載される。両社で連携することで、混雑情報可視化の対象となる避難所を増やすとともに、防災プラットフォームとして機能を拡充するとしている。

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アマゾンに自分の掌紋を提供すると約1100円分のクレジットがもらえる

あなたの掌紋の値段はいくらかな?あなたが自分の掌紋(パームプリント)をAmazonのレジなしストアで登録してAmazonのアカウントにリンクしたら、10ドル(約1100円)のクレジットをもらえる。

2020年、Amazonは生体認証の掌紋スキャナーAmazon Oneを導入し、顧客が何かを買ってスキャナーの上に手のひらをかざせば支払いが終わるようにした。2月には掌紋スキャナーが、食料品や本、Amazon 4-starなど、シアトルの他の店にも導入された

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さらに掌紋スキャナーの拡張は続き、ニューヨークやニュージャージー、メリーランド、テキサスなどにも設置された。

リテールとクラウドの巨人は、この掌紋をスキャンするハードウェアは「あなたの手のひらの細かい特徴を捉えます。溝や起伏などの表面部分だけでなく、静脈のパターンといった皮膚の下の特徴も捉えて、あなたの手のひらのサインを生成します」という。ユーザーの手のひらの証拠データはその後クラウドに保存されて、ユーザーが来店すると本人確認できる。

Amazonの最新プロモーション。掌紋と引き換えに10ドルのプロモーションクレジットを提供(画像クレジット:Amazon)

しかしAmazonは、そんなデータで何をしているのか?人間の手のひらの模様なんて、何の役にも立たないのでは?しかしAmazonによると、同社はごく一部の不特定の掌紋を使って、この技術を改良しているのだ。でもそれはユーザーのAmazonアカウントにリンクしているため、そのデータを利用してショッピング履歴などの情報を集め、広告のターゲティングや今後のリコメンデーションに利用できる。

そしてAmazonによると、掌紋データを保存する期間は不定である。ただし未払の代金などがないかぎり、データの削除をユーザーは指定できるし、また無使用期間が2年続けば自動的に削除される。

買い物の支払いに無接触で掌紋をスキャンすることは、パンデミックにふさわしい新奇なアイデアかもしれないが、生体認証技術の開発におけるAmazonの履歴を考えると、用心と懐疑をもって接するべきだ。論争を巻き起こしたAmazonの顔認識技術は、警察や法執行機関に売った履歴があり、また同社は、個人の生体認証データを許可なく使用し州法に違反したとして、訴訟されている。

ニューヨークのSurveillance Technology Oversight Project(監視技術監督プロジェクト)の事務局長Albert Fox Cahn(アルバート・フォックス・カーン)氏はTechCrunch宛のメールで「SFで描かれていた暗黒社会が今ここにあります。Amazonが自分の体を売れと求めていることは恐ろしいが、多くの人がそれに、とても安い代金で応じていることはさらに恐ろしい」。

「生体認証データは、企業や政府が私たちを恒久的に追跡できる数少ない方法の1つです。名前や社会保障番号は変えられますが、掌紋は変えられます。こんなやり方が普通になれば、それから逃げることも難しい。越えてはならない一線を今のうちに引いておかないと、恐ろしい未来が訪れるでしょう」とカーン氏はいう。

Amazonの広報担当者はコメントを拒否した。

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画像クレジット:Amazon/file photo

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

メルカリCEO山田氏がダイバーシティ&インクルージョン推進財団設立、高校入学時点で理系を目指す女性100名に奨学金支給

メルカリCEOの山田進太郎氏が財団設立、高校入学時点で理系を目指す女性100名に奨学金支給

メルカリ代表取締役CEOの山田進太郎氏は、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を推進していくため、「山田進太郎D&I財団」を7月1日に設立したと発表した。第1弾として、「高校入学時点で理系を目指す女性」最大100名に対して奨学金を支給するプログラムを開始する。今後総額30億円を財団に寄贈し、D&I推進のための取り組みを行う。第2弾以降のプロジェクトとしては、第1弾の対象ではない高校へ進学した・する方も対象にできるように検討中という。

また、理系に興味のある女子中学生を対象に、理系職で活躍する女性研究者や起業家が登壇するオンラインイベントを8月22日に開催する。

メルカリCEOの山田進太郎氏が財団設立、高校入学時点で理系を目指す女性100名に奨学金支給

山田氏は、これまで企業活動を通じてD&Iの推進に取り組んできたものの、中長期な取り組みは営利企業では難しいことも多くあると感じ、一般財団法人を設立したという。ジェンダー・人種・年齢・宗教などに関わらず誰もが自身の能力を最大限に発揮できる社会の実現を目指すとしている。

同財団は、初の取り組みとして、理系職種が男性に偏り、国内の女性エンジニア比率は20%にとどまる(情報サービス産業協会「2019 年版 情報サービス産業 基本統計調査」)などジェンダーバランスが崩れているという課題に注目。この背景には、日本の大学における理工学系女性比率が18.15%とOECDの中でも最低という現状がある(令和2年度 文部科学省 学校基本調査 関係学科別 大学入学状況より)。また、中学生時点では理系科目の成績の男女差はないにも関わらず、周囲の反対やロールモデルの欠如から、進学時に文系を選択する女子学生が多くなっているという。

このような状況をふまえ、同財団は、中長期的な課題解決として中高生教育の時点で理系を選ぶ女子学生の増加に取り組む。目標として、大学における理工学部系の女性比率を2035年までに28%まで伸ばすことを目指す。

「高校入学時点で理系を目指す女性」100名に対して奨学金を支給

第1弾として「高校入学時点で理系を目指す女性」100名に対して奨学金を支給するプログラムを開始する。これにより、理系科目が好き・得意、あるいは理系職種に興味があるにも関わらず、周囲の環境からイメージがつかめない、または金銭的な問題で諦めているなどの女子学生が自身の可能性を広げるために理系を選ぶことを後押しする。

同奨学金プログラムでは、応募・選考・支給などのプロセスを極力オンライン化することで、劇的な効率化を目指し、将来的には常時1000名以上への支給を目指す。

また、より多くの方に興味を持って気軽に応募できるよう、能力主義ではなく抽選制で支給者を決定する。応募のハードルを下げるため、面接も行わない(ただし、多様性などの観点から調整を行う可能性はある)。

奨学金募集概要

  • 募集期間:2021年8月4日~9月30日
  • 対象高校:日本国内の高等学校理数科、令和3年度スーパーサイエンスハイスクール指定高等学校、または高等専門学校を受験し入学予定(中学校からの内部進学者を除く)
  • 選考方法:選考は書類審査と抽選により実施。抽選では、同財団が掲げるミッションであるD&Iなどの観点から調整を行うことがある
  • 支給金額:国公立学校25万円(年額)、私立学校50万円(年額)
  • 支給方法と時期:2022年5月頃、指定の口座への振り込みを予定。最大高校在学中の3年間、高専在学中の5年間の支給(ただし継続審査を行う)
  • 採用人数:最大100名程度
  • 応募方法:財団サイト上の「エントリーフォームより応募
  • その他支給条件:他の奨学金との併用可。休学・復学・転学・退学や、停学・除籍等の処分を受けた際、正規の最短修業年限での成業の見込みが立たなくなった場合等は給付を中止することがある。負傷、疫病などで就学が困難になった場合や、氏名・住所・電話番号・メールアドレスなどの重要事項に変更がある場合には必ず問い合わせフォームより連絡

オンラインイベント概要

  • タイトル:活躍中の先輩が語るSTEM(理系)の面白さ
  • 日時:2021年8月22日17:00〜18:00(オンライン)
  • 対象:理系に興味のある女子中学生
  • 参加料:無料
  • 内容:第1部は「理系職先輩のパネルディスカッション&QA」。登壇者は、スプツニ子!氏(アーティスト/東京藝術大学デザイン科准教授)、高橋祥子氏(ジーンクエスト代表取締役社長/ユーグレナ執行役員、農学博士(生命科学分野))、大隅典子氏(東北大学副学長・附属図書館長・大学院医学系研究科教授)、山田進太郎氏(同財団代表理事/メルカリ 代表取締役CEO)。第2部は奨学金の概要、第3部は事務局QA
  • 申し込み:「8月22日【女性中学生向け】オンライン配信イベント開催のお知らせ」より応募(学校推薦は不要)

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労働組合形成を支援するUnit、従業員の組織化を模索

従業員を取り巻く環境は1年前とは大きく変化した。テクノロジーという点では、リモートが職場の在り方を変えている。説明責任の拡大やリモートでの新人研修、ソーシャルディスタンスを確保するための何らかの手当など、雇用者は無数の決定を行っている。

ある初期段階(アーリーステージ)のスタートアップは、その決定権の一部を従業員に返すべきだ、と考えている。ニューヨークに拠点を置くUnit(ユニット)は、今日のメインストリームテクノロジーの中で、おそらく最もつかみどころがなく、議論を呼ぶトピックであろう「労働組合」に取り組んでいる。

組合員が非組合員よりもはるかに高い賃金と充実した福利厚生を得ていることは、多くの研究によって明らかになっている。その一方で、組合による収益への影響や、自主性を持った従業員により管理が制限されてしまうことを理由に、組合に反対する企業も多い。

Unitは、従業員が簡単にバーチャルな労働組合を組織し、管理できるようにして、従業員を雇用主から守ることを目的としている。Unit自体は労働組合ではなく、ソフトウェアと人材を組み合わせて、従業員組織による組合の設立、組合員の募集、管理を支援する。

清掃員の起業家精神

「ウォール街を占拠せよ」運動が起こったのは、Unitの創業者かつCEOのJames White(ジェームズ・ホワイト)氏が大学院生の時だった。ホワイト氏は、MIT(マサチューセッツ工科大学)やハーバード大学で働く清掃員がSEIU(Service Employees International Union、サービス従業員国際労働組合)に加盟するのをサポートしていた。サービス従業員国際労働組合はサービス業全体から約200万人が加盟する組合である。

「昼間はMITの生体計測研究室で医療用注射器の研究をして、夜や週末は学生を組織して、給料や労働条件の改善を求める清掃員を支援していました」とホワイト氏は話す。「(ボランティアによる組織化は)手作業で非効率なものでしたが、2、3年かけていくつかのことを勝ち取ることができました」。

その後10年間、ホワイト氏は医療機器関連の会社で働きながら日雇いの仕事の調査を続ける。ビジネスとセールスのノウハウを身につけたところで同氏は退職し、自分のビジネスを始めたが、労働組合のことは考え続けていた。

ホワイト氏は次のように話す。「テクノロジーを駆使した組織化は常に頭の中にあり、最も興味を魅かれたのと同時に最もインパクトのあるものでした。私は所得格差や個人の権利の拡大という側面で世界を変えたいと考えていたのです」。

組合がすぐに利用できるソリューション

Unitは、確実な組合設立プロセスのために、教育から始まる一連のサービスを提供している。具体的には、職場をバーチャルに組合化する方法を段階的に説明し、ウェブサイトで無料公開している。

Unitは組合を結成しようと決断した従業員のプロセスを支援する。従業員はウェブサイトにアクセスして資格調査を受け、同僚を組織化プラットフォームに招待する。興味を持った従業員が書類にサインすると、組織内に小さな集団が形成されていく。

同時並行で、Unitが全国労使関係委員会などの全国組合や地域組合に働きかける際に必要な、法的な自動化プロセスの処理を始める。同社は、従業員に代わって嘆願書を提出するボストンの法律事務所と連携している。

「今までに組織化アプリケーションで得られた最も良いフィードバックは、『全国組合の労働者オーガナイザーやボランティアに連絡するのではなく、Unitを選んだのは、最速な方法だと思ったから』というものです」とホワイト氏はいう。

労働組合が承認された後は、Unitが労働相談窓口の役割を担う。Unitはデジタルサービスと人的サービスを組み合わせて、組合運営の「ターンキー(すぐに利用できる)ソリューション」を実現している。

Unitは、従業員に代わって、アンケートや調査の実施、コンセンサスツールの提供、憲章の草案とレビューのプロセス(組合のガバナンス)の監督を行う。また、交渉の調査、契約書の作成と見直し、報酬、戦略的分析などのネゴシエーションも支援する。それ以外にも、Unitは新規組合員の教育やストライキの計画などの継続的な組織化や、契約の維持にも力を入れている。競合他社のUnionWare(ユニオンウェア)は組合員の管理を行うが、Unitはフルサービスの提供を目指している。

「多くの作業を自動化して作業時間を大幅に短縮することを計画しています。ソフトウェアを使って投票したり更新情報を入手したり、新しい役員を指名したり、小さな組合の中で立候補したり、すべてソフトウェアでできるようにします」とホワイト氏。いうなれば、組合員のためのShopify(ショッピファイ)だ。

従業員は組合が承認されてから組合費を支払うことになるが、同様にUnitは結成プロセスが完了してから課金する。同社によると、全国組合の組合費は賃金の1.5%で、年収4万ドル(約440万円)の従業員は月に約50ドル(約5500円)を支払う。Unitは従業員の月収の0.8%を徴収する。

「No Strings Attached(無条件)」のビジネスモデルでは、いったん組合が承認されれば、Unitは顧客の90%を失う可能性がある、とホワイト氏は話す。同社は現在、Unitのソフトウェアで組合の時間とリソースを節約、というプロモーションで全国規模の組合との提携を進め、Unitのネットワークを経由して同社が承認した組合が加盟するたびに報酬を得られるようにしようとしている。

同社は特に中小企業の組合結成を支援し、ソフトウェア開発会社、デジタルメディア企業、ファストフード店、メンタルヘルス企業などを顧客に持つ。

「解決すべきは技術的な問題ではない」

サービス従業員国際労働組合で20年間、労働組合のオーガナイザーを務めたArianna Jimenez(アリアナ・ヒメネス)氏は、組合結成プロセスが簡単過ぎると、労働者に誤った希望を与える、と注意を促す。同氏の経験では、交渉プロセスは組合結成の中でも最も難しい部分で、6カ月~10年もかかるという。

「カードに署名して法律上は組合員になったとしても、それだけでは労働者の生活を物理的に向上させることはできません」とヒメネス氏。「変化をもたらすには、労働者が法律で保護された法的手続きを踏んで、雇用主との契約を正式に変更し、福利厚生、医療保険、年金の増額などを勝ち取る必要があります」。

Unitや全国の労働組合が交渉プロセスを支援する一方、雇用主主導の弾圧や恐怖政治によって、従業員が雇用の不安を感じ、組合結成に反対票を投じることも少なくない。例えば2021年初め、Amazon(アマゾン)は従業員に圧力をかけて組織化活動に反対票を投じるよう反組合キャンペーンを実施した。その結果、Amazonは組合結成運動を阻止し、同社の27年の歴史の中で最大の組合結成運動は失敗に終わった。

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ヒメネス氏は、組合結成が完全なターンキーソリューションになるとは考えていない。なぜなら「組合の有無が労働者に与える変化を測るのは法的な基準値ではない。(組合結成による変化は)力を奪われ、権利を奪われたと感じている人たちが、力を感じるようになるという、無形の変化」であるからだ。

ヒメネス氏は、Unit の規模拡大は、米国労働法を書き換えることを意味すると話す。

「私たちが解決しなければならないのは技術的な問題ではなく、価値観の問題です」。

「考えたくない問題」を孕むベンチャー

規模を拡大するためにはベンチャーキャピタルに頼らざるを得ないだろう、とホワイト氏はいう。2020年7月、Unitは、Bloomberg Beta(ブルームバーグベータ)、Draper Associates(ドレーパーアソシエイツ)、Schlaf Angel Fund(シュラフエンジェルファンド)、Haystack(ヘイスタック)、E14(イーフォーティーン)、Gutter Capital(ガターキャピタル)などの投資家から、140万ドル(約1億5000万円)の資金調達を完了した。

そして、ホワイト氏によれば、ここにUnitとの緊張関係の核心があるという。規模を拡大するためには、VCの出資を募る必要があるが、その資産を当てにするということは、(労働者を守るという同社の)直観と相いれないことだからだ。

Unitの投資家が投資している企業において、労働組合設立を支援する例を考えてみるといい。利益相反ではないか。あるいは投資家の資本政策に影響が出ないように、投資先の労働組合設立に力を入れないよう、Unitに圧力をかけることができるのではないか。

2020年、カリフォルニア州の有権者は「Proposition(プロポジション) 22」に賛成を投じた。この法案はUber(ウーバー)、Lyft(リフト)、DoorDash(ドアダッシュ)、Instacart(インスタカート)、Postmates(ポストメイツ)による、ギグワーカーには従業員と同じ労働権を与えず、個人事業主という分類を継続させるという主張を支持する。このムーブメントは、世界中の労働者団体の取り組みに打撃を与えるとともに、VCの支援を受けた企業は、労働者の福利厚生や保護への幅広い活動に反対する動機となり得ることを思い出させるものだった。

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ホワイト氏は、スピードと規模の点でVCからの支援が最適だったとしながらも、これらの問題点を認め、特に創業チームが会社の過半数を維持できない場合、投資家が後のラウンドで影響力を行使する可能性について懸念している。同氏は、Unitをできるだけ長期間、VC資金なし、あるいは限られたVC資金で運営することで、そのような懸念が現実になるのを完全に回避するか、先送りしたいと考えている。

Draper Associatesの投資家であるSiri Srinivas(シリ・スリニバス)は、Unitは、規制のある複雑なプロセスに、より優れたツールを構築しているサービスであると考えている。言い換えれば、政治的な要素を排除した、理にかなったSaaS(サービスとしてのソフトウェア)ツールということだ。

「端的にいうなら、私たちはVCとして、人々が求めるテクノロジーに投資しています。私たちはチームとして、タバコなどの特定の製品に投資しないことを強く求めていますが、これは世界にとってマイナスにしかならないと考えているからです。Unitについては、規制業界でソフトウェア製品を開発している他の企業に投資することとそれほど変わらないと考えています。Unitは労働者の公平性を実現し、ユーザーに多くの価値をもたらすことができるので、目的は一致しています」とスリニバス氏は話す。

ホワイト氏は、職場の再構築に対する一般的な関心が高まることで、Unitの案件が増え、収益の確保につながることを期待している。

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がこれほどのインパクトを持ち、労働と安全に関する会話にさらに火をつけることになるとは予想できませんでした。国レベルでこのような問題に直面し、みんなが打撃を受けた今だからこそ、人々は同じ方向に向かって考えることができると思います」。

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画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Dragonfly)

ピッツバーグのグーグル請負社員65名が労組結成で請負会社と合意

2年近く前、Google(グーグル)のペンシルベニア州ピッツバーグ事業所の請負業者らは、労働者の権利をより強く主張するために、全米鉄鋼労働組合(USN)に加入するための投票を行った。それは、テック業界の労働者全般で起きている組合結成への動きの早期事例だった。しかし、これまでブルーカラーやホワイトカラー労働者の間で起きてきた他の熾烈な争いと同様、交渉では双方とも徹底的に戦った。今週、ようやく何らかの具体的な結果が生まれた。

契約労働者たちは、テック業界の他企業と同様の待遇、と彼らが信じるものを要求した。当時Googleは、労働者を派遣していたITコンサルティング会社であるHCL Technologiesとの戦いを避けたがっているように見えた。

「当社は多くのパートナーと仕事をしていて、その中には労働組合員のいる会社もいない会社も数多くあります」とGoogleは最初の組合結成投票の後に語った。「他のパートナーの場合と同じく、HCLの従業員が組合を結成するかどうかは彼らと彼らの雇用者との間の問題です。当社は今後もHCLとパートナー契約を続けます」。

USWによると、ピッツバーグの労働者65名はHCLとの契約を承認した。3年契約で、労働条件、雇用保障、給与などが対象であると組合のメモに書かれている。

「HCLで働く当協会メンバーの2年近い努力と忍耐と団結の結果、合意に至った内容に私たちは誇りをもっています」とUSWのTom Conway(トム・コンウェイ)委員長が本件を伝えるリリース文で語った。「何よりも、私たちとHCLとの戦いは、あらゆる労働者に労働組合契約による保護と利益を受ける権利があることを明確に示しています」。

先週、契約完了を間近に控え、HCLは The Verge(ザ・バージ)に提供した声明で次のように語った。「この過程を通じて、HCLはUSWとの意義のある公正な議論に誠意を持って前向きに取り組んできました。従業員は望めば組合を結成できる、という彼らの権利を尊重する私たちの誓約は揺るぎません」。

しかし、USWが発行したリリースで、交渉委員会メンバーでHCL従業員のAmanda Parks(アマンダ・パークス)氏は、交渉の過程で明確な衝突があったことを指摘した。「私たちの懸念を無視したHCLは、組合結成を阻止しようと試み、失敗すると交渉手続きを引き伸ばし、その間に私たちの仕事を海外に移す報復行為にでました」とパーク氏が語った。「強力な組合と契約を得られた今、私たちは自分たちの声が届く確信を持っています」。

TechCrunchはGoogleにコメントを求めている。

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画像クレジット:lex Tai/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitterが「業界初」機械学習アルゴリズムの「バイアス」を対象とする報奨金コンテスト実施

Twitterが「業界初」機械学習アルゴリズムの「バイアス」を対象とする報奨金コンテスト実施、ハッカーと企業をつなぐHackerOne協力

Andrew Kelly / Reuters

Twitterが、システムが自動的に画像をクロップする際の”偏り”を発見した人に謝礼を支払う報奨金コンテストをHackerOneを通じ開始しました。報奨金と言えば、セキュリティ上の問題や処理上の不具合を発見した人に対して賞金を支払うバグバウンティ・プログラムが一般的におこなわれていますが、今回Twitterが始めたのは、ユーザーが投稿した写真をサムネイル化するため、ちょうど良い具合にクロップ(切り抜き)するアルゴリズムにどこか偏りがないかを探そうというコンテスト形式のプログラムです。

Twiiterの自動画像クロップは2018年から使われ始めましたが、一部ユーザーからはこのアルゴリズムが肌の白い人を中心にするようなバイアスがかった処理を行う傾向があると批判の声が上がっていました。

「われわれは5月に画像切り出しアルゴリズムの提供をいったん止め、認識の偏りを識別するアプローチを共有し、人々がわれわれの作業を再現できるようにするためコードを公開しました」とTwitterはブログで述べ「この作業をさらに進めて、潜在的な問題を特定するため、コミュニティに協力を仰ぎ、奨励したいと考えています」としました。

Twitterいわく、この報奨金コンテストは「業界初」のアルゴリズムのバイアスを対象とした報奨金プログラムとのこと。賞金額は最高3500ドル(約38万円)と控えめではあるものの、Twitterで機械学習倫理および透明性・説明責任チームのディレクターを務めるRumman Chowdhury氏は「機械学習モデルの偏りを見つけるのは難しく、意図しない倫理的な問題が一般に発見されて初めて企業が気づくこともあります。われわれは、それを変えたいと考えています」としています。

そしてこのプログラムを行うのは「これらの問題を特定した人々が報われるべきだと信じているからであり、我々だけではこれらの課題を解決することはできないからだ」と述べています。このコンテストは、2021年7月30日から2021年8月6日までエントリーを受け付けるとのこと。受賞者は、8月8日に開催されるTwitter主催のDEF CON AI Villageのワークショップで発表されます。

(Source:TwitterEngadget日本版より転載)

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アップルが反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除、Google Playでは公開継続

アップルが反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除、Google Playでは公開継続

Morsa Images via Getty Images

アップルは新型コロナや誤報に関するガイドラインに違反したとして、反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除しました。このアプリは「医療の自主性と言論の自由を支持する、志を同じくする人々」のための場所と自称しており、記事執筆時点ではAndroid版は今なおGoogle Playで公開されています。

Bloomberg報道によると、このUnjectedアプリは5月にサービスを開始したもの。ユーザーはプロフィールの作成や他の人とのマッチング、メッセージのやり取りなどを行うことができたと説明されています。

本アプリは基本的には反ワクチン主義者のための出会い系サービスであり、その公開は偶然にもTinderやBumbleといったマッチングアプリが新型コロナワクチン接種をユーザーに勧める特典を追加した時期と重なっており、そのため「アンチワクチン主義者向けのTinder」と呼ばれていたそうです。

また最近UnjectedはFacebookやTwitterのようなソーシャルフィードを追加したところ、これが(Android版では)Google Playによる審査のきっかけとなり、ユーザーが投稿した誤報を含むコンテンツを十分に取り締まっていないと判明したとのことです。GoogleはUnjected社へのメールで、ワクチンが「実験的なmRNA遺伝子改変剤」や「生物兵器」だという主張、人々を5Gネットワークに接続する「ナノテクノロジーマイクロチップ」などの投稿にフラグを立てた(規約違反と判断した)と伝えられています。

そして7月16日、GoogleはUnjected社に対して、それら投稿を削除するか、あるいはアプリをストアから削除されるかを選ぶ2週間の猶予を与えることに。それを受けてUnjectedの共同創設者シェルビー・トムソン氏は「私たちは検閲の綱渡りをしなければなりませんでした」と語りつつ、最終的にはソーシャルフィードを削除しています。

しかしトムソン氏は、フラグが立てられた投稿とともにソーシャルフィードを復活させる予定であり「レーダーに探知されないようにしたい」と語っており、反ワクチン活動を諦めるつもりはなさそうです。

一方、iOS版のUnjectedアプリは最近までApp Storeで配信されており、この件につきBloombergがアップルにコメントを求めたところ、削除されたとのことです。アップルはUnjectedの開発者に、削除理由を「コンセプトやテーマにおいて、COVID-19感染拡大に言及していることが不適切である」と伝えたそうです。

アップルの広報担当者いわく、最初の審査プロセスではUnjectedを拒否し、新型コロナ関連アプリのポリシーに準拠するよう変更した後にアプリを承認したとのことです。が、それ以降「開発者がユーザーに対して対外的に発言したり、アプリを更新しましたが、その結果、再びコンプライアンスから外れることになりました」と述べられています。

さらにアップル広報は、Unjected社がユーザーに対して、検出を避けるために特定の言葉を使わないように勧めていたとも付け加えました。こうした行いは、App Store Reviewガイドラインにある「システムに対して不正を働こうとした場合は(中略)そのデベロッパのAppはApp Storeから削除されます」の箇所に抵触するというわけです。それらアップルの回答は、米Engadgetも確認しています。

新型コロナのワクチン接種に反対する人々は世界各地でデモを起こすなど、少なからず社会問題となっています。すべての人々がどのように考え、どういった思想を持つことも自由ですが、あくまで正しい知識に基づいて行動し、誤った情報を拡散しないよう心がけたいところです。

(Source:Bloomberg。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

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