Google、ニュースサイト運営者が自己情報を管理できるダッシュボードを公開

ヨーロッパのニュースサイトのパブリッシャーがなにかと喧嘩腰なのとは違って、アメリカのパブリッシャーはGoogleニュースに取り上げられることを歓迎している。 今日(米国時間8/4)、GoogleがスタートさせたGoogle News Publisher CenterはGoogleのクローラーがニュースサイトをインデクシングする方法をパブリッシャーがある程度コントロールできるようにするダッシュボードだ。

これまで、パブリッシャーはGoogleのクローラーがサイトの構造を適切に把握してくれるよう祈るしかなかった(sitemapsを使えば多少の影響を及ぼすことはできたが)。今日からパブリッシャーはPublisher Centerを利用して、たとえば、サイトの各セクションに「政治、テクノロジー、旅行」のようにカテゴリーを付与することができるようになった。Google自身もニュースの分類が容易になり、また選挙や大きなスポーツ試合など、特別のイベントが起きていることをいち早く知る手がかりにもなる。

「Publisher CenterはあなたのサイトがGoogleニュースに掲載される場合、そのニュースソース情報を定義するツールです。サイト情報を正確かつ最新のものに保っておくことはGoogleニュースの読者、パブリッシャー双方の利益になります」と サービスのFAQに書かれている。

パブリッシャーはPublisher Centerを利用してサイト名や種類(ブログ、風刺、意見)などサイトの基本的な情報をアップデートできる。

これまでGoogleのクローラーがこうしたアップデート情報を正しく取得してくれなかった場合、サイトのパブリッシャー側でその間違いを訂正する手段はほとんどゼロだった―Googleというのは懇意な担当者に電話して訂正を依頼できるような相手ではない。今回のアップデートでパブリッシャーは自分たちのサイトの記事のGoogleニュースへの取り上げられ方をいくぶなりとコントロールできるようになった。

当面、Publisher Centerはアメリカを本拠にするサイトが対象だが、Googleでは近く他地域にも拡張するとしている。また機能もおいおい拡充されていくという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


マルチプラットホームな総合メディアセンターシステムXBMCが名前をKodiに変えて完全にXbox臭を一掃

さかのぼること2002年に、数名のデベロッパたちが集まって、Xboxを完全なメディアプレーヤーに変えるハッキングプロジェクトを開始した。ありとあらゆる種類のビデオや音楽を再生することは、当時の、そのままのXboxにはできなかった。プロジェクトは、”Xbox Media Player”と呼ばれた。

その後10年あまり彼らは、その最初の名前を振り払う努力をしてきた。そして今日、その最後の痕跡がなくなる。

時間とともに、その名前はだんだん不適切になってきた。彼らの小さなプロジェクトはハードウェアハッカーたちのあいだでヒット作になり、機能もどんどん増えた。ユーザベースの爆発的な増大とともに、対応プラットホームも最初のXboxを超えて多様化し、今ではWindows、OS X、iOS、Android、Linuxなど、さまざまなプラットホームの上にその実装がある。スピンオフしたプロジェクトに、Plexなどがある。

“Xbox Media Player”は”Xbox Media Center”になり、さらにXboxの名が消えて”XBMC”になった。〔XBMCに特化したLinuxディストリビューションもいくつかある(参考: 「日経Linux」2014/8月号pp26)。〕.

今日(米国時間8/1)は名前がさらに変わり、Xboxの名残りが完全に消え去って、”XBMC”は”Kodi”になった。

チームは、改名の理由を次のように述べている:

  • “XBMC”の意味を尋ねられたとき、その正しい答にはいまやほとんど意味がない。プロジェクトはとっくにXboxを離れているから、混乱を招く名前になっている。そもそも今では、Xboxの上で動く実装はどこにも存在しない。
  • “XB”が”Xbox”を意味するかぎり、”XBMC”は独自の商標になることができない。むしろこの名前は常時、“法律的危うさ”を抱え込むことになる。オープンソースソフトウェアを支援した経験の豊富な弁護士たちと相談した結果、名前を変えることが最良のオプションだ、という結論に達した。

改名に関するもっと詳しい説明が、ここにある。

余計なお世話かもしれないが、専用ハードウェアや、それらに対するライセンシングなど、このシステムの今後のなお一層の普及と大衆的広がりをチームが目指しているなら、マーケティングのためにも”Kodi“は”XBMC”より、ずっと良い名前だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


本が本でなくなる日

Hachette vs. Amazonの戦争があり、Kindle Unlimitedが登場、そんな中で、出版者であることと、ライターであること、そして読者であることの意味が、今非常に悩ましく問われようとしている。Laura MillerがSalonに書いた優れた記事は、“自費出版本の熱心な読者たちは、アメリカ中のぬかるみ*の中を歩きまわることに合意した”、と言っている。それは、今やAmazonが、誰でも壁に糞を投げつけてよいと言っているので、われわれ読者はそれらの糞が壁に張り付くか床に落ちるかを確認しなければならない、という意味だ。〔*: slush pile, 愚作の持ち込み原稿の山。〕

でも、現実はこうだ: われわれが知っていた本の姿は、変わりつつある。本は、雑誌や新聞と同じ運命をたどりつつある。 散文テキストの分厚い塊は価値を失いつつあり、人びとがそれに対して払う価格も下がっていく。たとえばKindle Unlimitedがスタートしたとき9歳の息子に、好きな本を何でもダウンロードして読みな、と言った。彼はHarry Potterなどの長編フィクションには見向きもせず、すぐさまMinecraft関連の大作をダウンロードしたが、それはしかし私が見ればRedditのMinecraftギャグを本の形に集めたようなものだ。“それは本じゃないよ”、と彼に言ったが、今や、それが、本なのだ。

Amazonは積極的に、われわれの本に対する考え方を変えようとしている。前世紀には、出版社は限られた数の作品を、“安い”製品を作ることが善とされる経済システムの中で生産し、配布した。紙とボール紙で作られた本(ハードカバーの本、ペーパーバックでない本)は、高級品のように売られた。売れ残りは砕かれてパルプになり、新本として売られることはなかった。そして、古書市場というニッチの市場ができあがった。

そして今や、eブックの登場により、ハードカバーの本の価値は大幅に減価した。しかも、大手出版5社は、本をおかしな、新しい方法で売るはめになった。その形は、サンドイッチに似ている。彼らは大量の本を売るが、それらはAmazonのUnlimitedのMinecraftストアで売られるような本だ…セレブの伝記、料理本、政治的暴言集、などなど。それらの厚いパンにはさまれた薄い具の部分が文学書だが、その売上の大半はStephen Kingなど少数の人気作家に依存している(とよいのだけど)。昔の文学書ジャンルの、厚いハムだった部分は、今や干からびた薄いカルパッチョだ。

出版人たちは、口癖のように、自分たちは大きな付加価値を提供している、と言う。それには同意しよう。彼らのところには、偉大なる編集者と、優れたアーチストと、有能なPR部員がいる。歴史的には、大手出版社は文化の司祭であり、言葉の大法官だった。人類の知的生活に仕える執事でもあった。でも彼らの強大な権力も、必勝とは言えない。最近友人が立派な本を有名出版社から出して、1年で750部売れた。ぼくはIndiegogoとAmazonを利用して、自分のインディー本を同じ期間に数千部売った。ぼくも、出版社と心中すべきだっただろうか? 全国の書店まわりをやって、サイン会もして、Jon StewartがホストするDaily Showで自分の本を宣伝すべきだったか? それもいいけど、ぼくは死なずに生き延びたい。

Amazonは、金目当てでHachetteやそのほかの取次と喧嘩しているのではない。Amazonは、有料コンテンツを配布するための新しい市場を自分が支配するために、彼らを蹴落としたいのだ。もちろん、そのコンテンツの要(かなめ)が、eブックだ。

今では、ブログというものがある。ブログ記事と本は、本質的に異なっている。本は長いし、完璧な編集作業を要するし、製作に長時間かかる。良い本を作るためには、時間をかけるか、またはエキスパートたちのチームに良い仕事をさせるか、だ。でもインディーのライターには、コピーエディタ(原稿整理編集者)を雇うほどのお金がない。だからインディー作品のクォリティには、今後も疑問符がつく。

でも、ブログはどうか。これまでは、とにかく早く書いて早くお金をもらうライターといえば、ジャーナリストだけだった…自称ジャーナリストも含めて。でも今では、MediumやWordPressなどのソフトの上で出版が行われるので、平均的なライターたちが早く書いてわりと早めにお金をもらえる。彼らには、コンサルタントなどの副業もある。対して、大手出版社や大手マスコミだけを相手にしているジャーナリストは、今や泥の中でもがいている。誰しも、昔からやってきたことしか、できない。コピーエディタがしっかり手を入れた記事、事実をチェックされて、ジャーナリズムの黄金律と呼ばれるThe New York Timesに載った500語の力作を、懐かしむのもよい。ぼくもTimesに記事が載ったことがあるが、でもあそこの人たちは、たしかに優秀だけど、ここTechCrunchやTMZやBuzzfeedやJoeの釣りブログなどで仕事をしている人たちと比べて、とくに良いとか悪いということはない。違いは、NYTはかつて強力であり、その記憶の残像のおかげで世界中の寄稿者のネットワークが維持されていることだ。でも、ぼくたちみんなは、TMZもEngadgetもBuzzfeedも、短編記事でマネタイズしてきた。NYTがそれをやって生き延びることは、まずできない。

そして、かくして出版産業は衰退していく。なんとか生きていけるインディーのライター1000人に対して、大きく稼ぐ者が数十名、そして大手出版は対応を誤る。音楽産業のように派手な無様(ぶざま)さにならないのは、大手出版による、印刷物による、堅牢な本の顧客が、ある程度は残るからだ。でも、彼らが時代に取り残されることは、間違いない。Kindle Unlimitedはインディーライターが好きな読者層を獲得し、Amazonはインディーの本を値引きしてでも売るが、大手出版5社は逆に彼らに対し大手いじめ屋になる。そして、Bezosが勝つ。

ぼくはライターであり、書くことが好きだ。書いたものは、読んでほしい。Laura Millerがぬかるみと呼んだライターや作品も、そこらにたしかにある。でも、それはかまわない。ここ10年ほどは、ブログにも色とりどりのぬかるみやジャングルがあった。しかし今では大手インターネットメディアの傘下に入ったものと、多数の小さなインディーに両極している。インディーの出版にも、同じことがやがて起きるだろう。それは避けられないことだし、Amazonはそういった動きのすべてから稼ぐつもりでいる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


メルマガの次はオンラインサロン? ホリエモンが月額1万円の「堀江貴文サロン」始動

いっときの有料メルマガブームの火付け役となったホリエモンこと堀江貴文氏。獄中にいながら年商1億円以上を稼いだことで知られるが、次に目を付けたのは有料オンラインサロンだ。Facebookグループのクローズドなコミュニティで交流する月額課金型サロンプラットフォーム「Synapse」で8月1日から、月額1万円の「堀江貴文サロン」をオープンする。7月28日には200人限定で会員募集を開始した。

具体的な活動内容としては、月1回、会員限定でオフラインの勉強会や、Google+ハングアウトなどを使った「オンラインオフ会」を開催。そのほかには、会員限定で突発的に生放送を配信したり、動画やテキストによるコンテンツも配信していく。今までのメルマガのQ&Aコーナーでは難しかった堀江氏との濃密なコミュニケーションや、参加者同士の交流が図れることが特徴だという。

堀江氏が有料メルマガを始めたのは2010年2月。その後、ネットの著名人や芸能人などが相次いで有料メルマガに参入したが、Synapseを運営するモバキッズ代表取締役社長の田村健太郎氏が「ブームは2年前くらいに沈静化した」と言うように、2013年頃には多くの廃刊もあった。オンラインサロンがメルマガに続くネットの月額課金モデルとして成立するかどうかは、ひとまず堀江貴文サロンが試金石となりそうだ。

モバキッズはSynapeseで平均単価1000円のオンラインサロンを複数運営し、売上の20%を手数料として徴収している。現在は「読者との交流に慣れているネットリテラシーの高いブロガー」(田村氏)が中心にサロンを開設。最も人気を集めているのは、はあちゅうこと伊藤春香氏と村上萌氏が手がけるサロンで、参加者は752人に上る。今後は地下アイドルなど非ITなジャンルの著名人を「ファンクラブのリプレイスとして」取り込むとともに、高額なサロンについては「書籍を20〜30万部売るような著者が少数のファンと交流できる場所」を目指していくという。


GoogleのChromecastが1歳の誕生日、4億のストリームコンテンツを”キャスト”した

Googleはちょうど1年前の今日(米国時間7/24)、Chromecastをローンチし、そしてこの35ドルのストリーミングスティックはこれまでの365日で目覚ましい進歩を遂げた。機能もどんどん増えてきたが、Googleの今日の公表によると、このメディアプレーヤーはこれまでに、4億件あまりのメディアストリームをキャストしてきた。それらの行き先は、さまざまなユーザのAndroid、iOS、PCデバイス、そしてChromecastを接続したディスプレイやテレビ受像機などだ。.

このデバイスは今では相当国際化し、最近加わったアイルランドを含めて20か国で発売されている。Chromecastを扱っているお店の数は全世界で約3万、これにGoogle自身のGoogle Playデバイスストアも加わる。Chromecastをサポートしているアプリの数も、ローンチ当時に比べるとたいへん多くなり、また一部のAndroidデバイスの画面を映し出す機能も加わった。これまでの累計売上台数は、Googleによると、“数百万台”だそうだ。

Chromecastは、これまでの度重なる改良や機能追加により、本格的なOTTストリーミングデバイスへと育ってきたが、でもその、Androidデバイスからキャストするという特殊な能力は、Android TVにいずれ焼き込まれるわけだから、Chromecast自身は一種の過渡期的なデバイスという位置づけになり、その機能はいろいろなサードパーティのセットトップボックスやテレビ受像機、そしてそのほかのデバイスにも載っていくことになる。GoogleはAndroid TVの成功を大いに期待していると思うけど、そうなればユーザにとってChromecastは不要になり、過渡期としての役目を終える。でもそれまでは、Chromecastほどの機能を持ったアクセサリが35ドルで買えるなんてすばらしいし、しかもGoogleがとても熱心に、中断することなく、その改良に勤しんでいるんだから、なおさらすばらしいと感じてしまう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ブログのように簡単な個人出版プラットホームTablo、KindleやiBookで再出版もできる

21歳のAsh Daviesが作った個人出版プラットホームTablo.ioが、Y CombinatorのパートナーKevin HalePaul Reiningから40万ドルを調達した。Tablo.ioは、テキストのYouTubeと呼ばれるWattpad的な個人出版サイトだが、ルックスはずっと良い。それに、ここで作った作品を、AmazonやiBooksであらためて再出版することも簡単にできる。

Daviesはこう言う: “ぼくはブロガーだったから、何かをタイプして[Publish]ボタンをクリックすることに慣れっこになっていた。でもこれからは、まだ無名の著者たちに創作と共有と読者につながる場を提供したいと思った。Tabloで本を出版することは、ブログをパブリッシュすることと同じぐらい簡単で、しかも作品が完成したら、すでに読者がそこにいるんだ”。

このサービスは今、およそ100か国の著者たち約10000名が利用している。各著者のプロフィールもあり、また読者を招待して作品の評価について彼らをフォローすることもできる。このサービスのインタフェイスはとてもなめらかで使いやすく、ブックエディタの画面でテキストを入力したら、それをすぐにパブリッシュ/出版できる。本の各章はこのサービスの中の‘ポスト’(投稿)として扱われ、ユーザがそれらを読んだり、会員登録をしてアップデートの通知をもらったりする。

インディー出版のためのツールはすでにいろいろあるが、Daviesは良いデザインと使いやすいインタフェイスで人気を得たいと考えている。なかなか魅力的な取り組みだし、今回のシード資金でさらに細部を磨くことができるだろう。なお、今このサイトが無料で提供している超常現象を扱ったおとぎ話は、とても楽しい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


土俵際でこらえるAereo、今度はケーブル企業としての再出発をトライ

Aereoが最高裁から違法と判決され、先月サービスを停止したときは、テレビのストリーミングはだめだ、できないんだ、と誰もが思った。

しかし水曜日(米国時間7/9)にAereoの弁護士たちはニューヨーク地裁に書簡を提出して 、今では同社が自分をケーブルプロバイダとみなしていることを示した。ケーブルプロバイダとしての免許が取得できれば、ほかのプロバイダと同じくロイヤリティを支払い、法律によって保護されるはずである、と。

この書簡の一週間前には、CEOのChet Kanojiaが会員たちに、著作権法の改正を求める陳情に参加することを会員たちに呼びかけた。それが、最高裁で違法になれば終わりだ、と言っていた同社の、バックアッププランだった。

6月に最高裁が放送企業に有利な判決を下したとき、その判決は主に、同社が従来のケーブルプロバイダが提供しているサービスと同等であって、単なる機器装置のプロバイダではない、という判断に基づいていた。今回同社はその同じ判決を、自社のために有利に利用しようとしている。

Aereoの弁護士たちは今回の下級裁判所への書簡で、次のように述べている: “Aereoは著作権法の下(もと)におけるケーブルシステムであるとする最高裁判所の判示は重要な意味を持つ。なぜならば、ケーブルシステムとしてのAereoは著作権法に準拠した著作権の下で取得する免許の、恩恵を得る資格があるからである。Aereoはそのために必要なアカウント取得とロイヤリティ支払いのための、準備を進めている”。

しかし原告であった放送企業は、Aereoは最高裁でも下級審でも、同社がケーブルプロバイダではないと主張していたのだから、その弁護は通らない、と主張する。

Aereoはさらに、下級審が同社をケーブルプロバイダとみなさなかったとしても、そのサービスに対して課す差止命令には一定の“範囲”を設けるべきであった、と主張している。なぜならば最高裁の判決は、“Aereoの公的サービスは、空中電波によるテレビ放送とほぼ同時の送信を行う技術によるもののみである”、と判断しているからだ〔ほかのサービスは可能性として可〕。 法的に現在のAereoは仮差止に直面しているだけだが、自発的にサービスを停止した。

Aereoの弁護士たちが書いた文面によると、しかし最高裁は、“消費者が作ったコピーからの同時的でない再生”を認めている〔その消費者自身(や家族)だけが見るもの〕。Aereoがこれまでの形でのサービスを再開できない場合には、ユーザ自身が録ったテレビ番組の〔そのユーザによるそのユーザ向けの〕再生を、サービスとして続けるのかもしれない。〔それなら今の最高裁判決からしても合法である。〕

Kanojiaは水曜日に、弁護士たちの書簡を会員にメールで送った。

Aereoがケーブルプロバイダの免許を取得して、前と同様のサービスを続けるのか、それともある種の再生サービス(上記)に限定するのか。それはまだ分からないが、今日(米国時間7/9)の行動は同社にまだギブアップする意思のないことを、示している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


インターネットテレビの総据え付け台数は10億台、2018には20億、Googleは二股デバイスAndroid TVで市場支配をねらう

Strategy Analyticsによる最近の調査報告によると、インターネットテレビの世界中の据え付け総台数は今や10億台を超えている。ここでの‘インターネットテレビ’という用語は、狭義の、インターネット接続機能のあるテレビ受像機だけでなく、Apple TVのようなセットトップボックスや、インターネットに接続するゲーム機やブルーレイプレーヤーなどもカバーしている。この総台数は4年後の2018年には倍増して20億台に達し、いわゆるスマートテレビが最も多い利用デバイスとなる。

セットトップボックスも成長を引っ張る。そしてGoogleが発表したAndroid TVは、テレビメーカーによる受像機内蔵と、消費者が利用するセットトップボックスの両カテゴリにまたがる。Googleは数年前に発表したGoogle TVがインターネットテレビの初挑戦で、今回は二度目だ。Google TVはSonyなども製品化したが、消費者の反応は鈍かった。そこでインターネットテレビのコンセプトをゼロから再検討したプロダクトが、Android TVだ。

Android TVはコンテンツを最優先し、YouTube、Netflixなどなどお好みのコンテンツプラットホームへのアクセスを消費者に提供する。アプリは二の次三の次となり、ゲームはあくまでもコンテンツの一環となる。しかしAndroid TVが他製品との競合上いちばん意識しているのは、インタフェイスの単純化と、これまでのテレビ受像機と変わらない安易で怠惰な使い方をそのまま温存することだ。

Strategy Analyticsの調査報告では、今のマーケットリーダーはApple TVで、2013年のマーケットシェアが約35%だ。GoogleとRokuが共に10%台だが、報告書は今後のGoogleの伸びを予想している。それはChromecastの成功と、この秋RazerやAsusから出るAndroid TVのボックスがもたらすであろう成長によるものだ。ただし、気軽に買えるお値段であることも重要だが。

結局のところGoogleはGoogle TVとChromecastから多くを学び、学んだことをAndroid TVにつぎ込んだのだ。今後数年間で上げ潮に乗れるかどうかは、価格と使いやすさ、この二点にかかっている。なんか、新しいテレビを買ったらAndroid TVもあった、というインストール努力ゼロの形が、いちばん理想的だ。 Chromecastの人気の原因も、その使い方の簡単さにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


バイラルメディアCuRAZY運営会社が1億円調達、独自コンテンツ制作に注力


思わず友人にシェアしたくなるような、バズを生みやすい動画や画像、まとめなどを中心にコンテンツをキュレーションして提供し、FacebookやTwitterといったソーシャルメディアでの拡散を狙うブログメディアである「バイラルメディア」が国内で急増している。米国ではBuzzFeedUpworthyがその代表例だが、国内でもCuRAZYViratesWhatsをはじめとして、数多くのバイラルメディアが登場している。サイバーエージェントも10のバイラルメディアを立ち上げるとしており、SpotLightなどに注目が集まっている。

これらのバイラルメディアは、ソーシャルメディアでの「シェア」によって短期間で大きなトラフィックを生み出すことに成功しており、例えばViratesなどは、スマートフォンアプリを含めるとすでに2000万ページビュー(PV)を達成していると聞いているし、今回取り上げるCuRAZYも1900万PV(CuRAZYは現状アプリがないのでウェブサイトのみの数字)を達成したそうだ。ただ純粋にバイラルメディアと今までのメディアのPVを比較できる訳でもないし、むしろPVという指標自体が意味をなさなくなってくるのではないかという話もバイラルメディアの運営者からも聞いている。

さてそんなCuRAZYを運営するBitGatherが7月9日、サイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)、ディー・エヌ・エー(DeNA)、Skyland Venturesを割当先とする、総額1億円の第三者割当増資を実施したことを発表した。あわせて、社名を「LAUGH TECH」に変更。ライター陣を拡大するほか、データ解析などを強化し、「笑いを科学する」をコンセプトにしたメディア運営を進めるという。

独自コンテンツで差別化狙う

BitGather代表取締役の伊藤新之介氏に話を聞いて印象的だったのが、最近バイラルメディア間でネタの「かぶり」が起きているということだ。僕も国内のバイラルメディアを読んでいてなんとなく感じていたし、ほかのバイラルメディア運営者からも「あのメディアは露骨にネタをパクっているのではないか」と具体的なサイト名まで聞くこともあった。

そういった状況を打破するためにも、CuRAZYでは独自コンテンツの提供を進めるという。正直バイラルメディアは読んでいて楽しいものが多いけれども、結局のところ既存メディアや他人のアップロードした動画が中心なのが現状。なので、独自コンテンツを作るという動きは1人の読者としても楽しみだ。

伊藤氏いわく、例えばBuzzFeedは(1)コストをかけた調査報道(2)まとめやクイズといった記事(3)今日本で主流となっている動画や画像を中心にしたトラフィックを生むコンテンツの3層構造になっているそうだ。だが国内でバイラルメディアと言われているのは(3)のコンテンツがほとんど。CuRAZYでが日本ではあまりない(1)の調査報道ができるまでの体制作りを進めたいと語る。「編集者4人、その編集者の方針に会わせて動くキュレーターが20人程度の体制を作りたい」(伊藤氏)。このあたりの話はViratesも語っていたののだけれども、調達で一足先にその体制を整えつつあるようだ。

また、社内で利用しているアナリティクスツールを強化し、国内外のウェブメディアに関するソーシャルでの反応などを解析できるサービスとして提供することを予定する。今夏にはスマートフォンアプリも提供する予定で、アプリにはこの解析サービスのアルゴリズムを使って、ソーシャルメディアで反響の大きいコンテンツを紹介する機能なども導入することを検討している。バイラルメディアのGunosy、SmartNewsといったところだろうか。

CuRAZYは現在、PVは前述の通り1900万で、UUは500万ほど。スマホ利用率は80%に上る。シェアされるソーシャルメディアはFacebookが8割以上(残りはTwitterが中心)、メインのユーザー層は30〜40代の男女が半々程度だという。今後は独自コンテンツを武器に、年内1000万UUを目指すとしている。すでにバナーや記事広告も展開しているそうだが、この1年については、マネタイズよりもユーザーの拡大に注力するそうだ。「ユーザーはまだ捕まえきれていない、『暇なときに立ち上げるアプリ』という立場に持っていってユーザーをしっかり捕まえないと意味がないと考えている」(伊藤氏)


カリフォルニア州選出民主党下院議員、.wine ドメインに反対要請

去る5月、カリフォルニア州選出民主党下院議員マイク・トムソンが、Internet Corporation for Assigning Names and Numbers(インターネットのドメイン名、IPアドレスを管理する非営利組織、ICANN)に,書簡を送り、.wine および .vin ドメインを「いかなる申請者」にも割当てないよう要請した。転売目的のドメイン名占拠を恐れてのことだ。

トムソン議員の選挙区、カリフォルニア5区には、ワインカントリーとして名高いナパバレーがある。

おそらく彼が心配しているのは、新たなジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)が作られると、.wine および .vin ドメインへの殺倒騒ぎが起きることだ。もちろんワイナリーは、自分たちの名前である .wine や .vin を他人にさらわれることを望んでいないので、保護を求めている。

別のカリフォルニア州選出民主党議員も、同じ要求の書簡をICANNに送っている。アンナ・エシュー下院議員は、ワインを表す2つのgTLDを「永久に対象から外す」ことを要請した。The Hillの報道によると、彼女の書簡は先週送付されたが、最近になって公表された。彼女の選挙区はシリコンバレーの大部分を含んでいる。

今あるgTLDの数にはいささか驚かされる。そして、そのインパクトの小ささにも。例えば私は、alexander.ninja を買うことができる。誰でも .ninja ドメインを買えることをご存じだろうか。私は知らなかった。

数千のワイナリーが、これらのgTLD作成に対し、一致団結して反対している。

いろいろ考えた結果私は次の結論に達した。.rich や solar や .lightning ドメインを登録できて、alexthinks.scotchwhiskeyisgreat は登録できないような時代に、私は住みたくない。

画像:FLICKRユーザー、CHRISTIAN HAUGEN CC BY-SA 2.0ライセンスによる(画像はトリミングされている)

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Twitterタイムラインで電子書籍の”立ち読み”を実現、KADOKAWAが共同開発

KADOKAWAは2日、Twitterのタイムライン上でEPUB形式の電子書籍を読めるサービス「Tw-ePUB」を開始した。KADOKAWAグループの電子書籍のURLをツイートすると、タイムラインに“立ち読み”用の電子書籍が埋め込まれるようになる。

ユーザーはTw-ePUBのサイトからお目当ての書籍を選び、再生ボタンをクリックすると数ページを読むことができる。試し読みの最終ページに表示されるツイートボタンから感想と一緒にツイートすると、自分のタイムライン上に電子書籍が埋め込まれるようになる。

KADOKAWAによれば、Tw-ePUBはTwitterと共同開発した技術で、Twitterのタイムラインに電子書籍ビューワーを埋め込める世界初のサービスだとしている。


最高裁はAereoを違法と裁定

【速報抄訳】

本日(米国時間6/25)、合衆国最高裁判所(Supreme Court of the United States, SCOTUS)は、テレビ放送をストリーミングするサービスAereoと大手放送ネットワーク各社との間の法的抗争に対して裁定を下した。

SCOTUSは、Aereoは著作権法に触れないとする第二巡回区控訴裁の判定は否定される、と裁定した。それは6対3の裁決で、判事Antonin Scalia、Clarence Thomas、およびSamuel Alitoはこれに反対した。

Aereoはこれよりも前に、 放送企業が最高裁に提出したこの意見書が支持されるなら、同社は終わりだ、と公式に声明していた。Aereoはこれまでの数年間で1億ドル近い資金を獲得しているから、廃業は相当大きな損失となる。

今回の裁定に関するSCOTUSblogの記事は、最高裁判事Stephen Breyerの次のような所感を紹介している: “判決の核心は、Aereoはケーブル企業と同等であり、単なる機器装置のプロバイダではない、という点にある”。

Aereoと従来のケーブル企業との技術的な違いは、Aereoの技術はユーザが受信同調しないかぎり不活であり、コンスタントにストリーミングしているのとは違う。しかし裁判所にとっては、このたった一つの技術的な違いは、Aeroeのサービスを一般公開的ではなくプライベートであるとするには不十分だった。

この、Aereoのサービスが一般公開的(public)か非公開的(private)かという議論は、合衆国著作権法における「放送権」の問題となる。つまりそれが公開放送なら、(オリジナルの放送者に対する)著作権侵犯になるから、裁判において放送局側が断然有利だ。局側は、Aereoが制御不能に巨大化する前に、閉鎖に追い込むことができる。

【後略】

ABC v Aereo Decision

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


配信記事キャッシュ開始したGunosy、広告収益分配ではSmartNewsを先制

昨日KDDIなどからの12億円の資金調達を発表したばかりのGunosyだが、また新たな発表があった。同社は6月24日、ニュースリーダーアプリ「Gunosy」上で閲覧できるオンラインメディアの記事のキャッシュ化と、メディアに対して広告収益の一部を還元すると発表した。

同社に聞いたところ、すでに6月6日から大手を中心にいくつかのオンラインメディアの記事をキャッシュしているそう。対象メディアの記事は、高速かつ、通信環境を問わずに閲覧できるようになっているという。Gunosyではキャッシュを許諾した媒体名を明らかにしていないが、僕が実際にスマートフォンのネットワークを切って記事を閲覧したところ、共同通信と毎日新聞の記事は閲覧できた。少なくともこの2媒体はキャッシュを許諾しているとみてよいのではないだろうか。Gunosyでは今後、大手を中心としたオンラインメディアに対してキャッシュ取得の打診をしていくとのことだ。

Gunosyでは、2014年に入ってアプリの方向性を変え、パーソナライズからみんなの注目するニュースを集める「メジャー化」に舵を切った。以降、競合サービスであるスマートニュースのニュースリーダーアプリ「SmartNews」に似てきたという声も聞くが、ユーザー体験を比較すると、記事をキャッシュしているSmartNewsに対して、キャッシュしていないGunosyでの記事閲覧に速度的な不満を感じたことがあるのは正直なところだった。

だがキャッシュの取得について言えば、SmartNewsが「メディアの許諾を取らずに記事をキャッシュをしている」として問題になったこともある。余談ではあるが、当時はとある新聞社をかたる警告書までがスマートニュースに届き、それがまたNAVERまとめにまとめられる(現在は削除されている)といったことにもなっていた。スマートニュースに近い関係者に聞いたところ、この警告文はあくまで「かたったもの」だったとのことで、その後その新聞社のコンテンツはSmartNewsで閲覧できるようになっている。こういった背景もあったからなのか、Gunosyではメディア各社に打診したのち、キャッシュを取得するという慎重な姿勢を見せている。

また、キャッシュの取得とあわせて、媒体社に対して広告収益の一部を還元していくという。数字こそ明言しないものの、Gunosyは月間で億単位の売上があるという。その一部について、キャッシュの取得を許諾したメディアに対して還元していくという。

金額などは非公開だが、レベニューシェア、月額固定などいくつかのパターンを想定しているとのこと。Gunosy取締役CFOの伊藤光茂氏は、「Gunosyはバリューチェーンで言うところのデリバリー。コンテンツを作っているところには還元していく」と語る。また伊藤氏は「おこがましいかも知れないが…」とした上で、将来的には自社の広告だけでは収益を上げられないメディアであっても、Gunosy経由での記事配信で大きな収益を生めるような環境を整えたいと語っていた。なお、当面は自社に編集部を持ってオリジナルのコンテンツを作るといったことは予定していないとのこと。

収益の還元についてはスマートニュースでも以前からメディアに対して何らかの形で行うとしているものの、現時点では広告事業も収益還元プログラムなども発表されていない(メディアが指定する広告をスマートモード(キャッシュ)上に掲出する機能は提供している)。もちろんスマートフォンでのニュースアプリの覇権を争っているのはGunosyとSmartNewsだけではないが、両社の展開は僕らオンラインメディアにも少なからず関係する話だ。今後について注目していきたい。


アメリカのパロディーニュースの老舗、Onionが釣りネタでトラフィックを集めるClickHoleをローンチ

大げさな釣りタイトルの記事、なんとか診断、トップなんとかのリスト等々で手段を選ばずトラフィックをかき集めたいと考えているなら良い知らせがある。パロディー・ニュース専門サイトのthe OnionがClickHoleという釣りネタでクリックを集めるとBuzzFeedスタイルのサイトをオープンした。ソーシャルメディアのユーザーはこういう記事を拡散することで労せずに大きな反響を得ることができるというわけだ。出だしはなかなか好調のようだ。

現在のトップ記事は「流砂に埋まっていないビヨンセの写真トップ16枚」というものだ。次には「映画の有名シーンはやらせだった・トップ5」(パルプ・フィクションの殺し屋ジュールスは実在しない。サミュエル・L・ジャクソンという俳優が演じていた)とか「誰も聞いたことがない権力者」(それはバラク・オバマという男だ)というような記事が続く。なんとか診断も用意されているが、神がかり的にバカバカしい。

しかしそのうち、「こういう記事をいくら読んでもどこがおかしいのかわからない人々がネットには大勢いる」ということに気づいて暗い気持ちになる。

ClickHoleの運営で最大のハードルはこういうバカバカしい記事を今後も大量に補給できるかどうかという点だろう。願わくばこのサイトが長続きしてFacebookのニュースフィードに笑い(と恥かき)の種を撒き続けんことを。

〔日本版〕the OnionThe Borowitz ReportThe Daily Currantはアメリカ版虚構新聞のトップ3。日本のソーシャル・メディアでもこれらのサイト発のネタ記事を真に受けた読者が拡散しているのを見かける。ご用心。アメリカのパロディーニュースはこちらにリストアップされているので参考になる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Amazon、Prime会員向け音楽ストリーミングを開始―地味なスタートは意図されたもの

今日(米国時間6/12)、AmazonはPrime会員向けのAmazpn Primeという音楽ストリーミング・サービスを開始したが、当面、Spotifyなどのライバルが恐れるに及ばないようだ。Amazonの新サービスにユーザーをさらわれる心配はまずないだろう。提供される楽曲は100万曲と少なく、半年以内の新曲はない。またUniversalのアーティストは含まれない。それに加えてユーザー・インターフェイスは恐ろしく古臭い。しかしAmazonは「Prime会員に馴染みがあるデザインにした」のだという。

Amazonの音楽ストリーミングはSpotify、Rdio、Beats Musicなど人気のストリーミング・サービスとはまったく異なるUIだ。 これは既存のダウンロード販売のページに単にストリーミングのオプションを付け加えただけに見える。ライバルのサービスがクリックひとつで無数の曲を聞き始めることができるのに対して、Amazon Primeでは無料の楽曲を探し、ライブラリーに加えてからでなければストリーミングが始まらない。

ところがこのデザインは意図したものなのだという。

Amazonのデジタル音楽担当副社長、Steve Boomは今日、私の取材に答えて「われわれはPrime Musicを現在のAmazonの顧客をを念頭に置いてデザインした」と語った。つまりAmazonを利用する消費者はスーパーマーケットの通路を往復して好みの商品を探し、カートに入れて家に持ち帰るようなユーザー体験に慣れているのだという。

このUIはクリックすると即座に曲の再生が始まり、アルゴリズムによって選択された曲がその後に続くRdioなどのUIとは対照的だ。

Boomは音楽ストリーミングの主流のサービスについて「われわれはクローンを作るつもりはない」 と述べた。SpotifyとRdioが提供する楽曲は共に2000万曲を数えるのに対してPrime Musicは100万曲にすぎない。またUniversalの曲はまったく含まれない。

「もしわれわれの目標が(Spotifyなどの)クローンであるなら楽曲数が少ないことは大問題だろう。しかしわれわれの目標はそこにはない」とBoomは言う。

Prime Musicの一見地味なスタートはPrimeインスタントビデオのスタートを思い起こさせる。Amazonがインスタントビデオをスタートさせたとき、Netflixのライバルになれそうにはとうてい思えなかった。しかし6年後の現在、ことにHBOのコンテンツを追加してからは、Primeインスタントビデオは最良のビデオストリーミング・サービスと言ってよいと私は思う。

Amazonは現在主流となっているストリーミング・サービスと競争するつもりは全くない。Boomは「調査してみたところAmazonの顧客は複数の音楽サービスを利用していることがわかった。Prime MusicはPrime会員が使い慣れたインターフェイスで無料の音楽コンテンツを提供するのが目的だ」と語った。しかしPrimeインスタントビデオの成長を考えれば、Spotify、Rdio、BeatsもAmazonのPrime Musicに油断しない方がいいだろう。しかし大きな成長を望むならPrime Musicのユーザーインターフェイスはやはりなんとかしなければなるまい。

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Amazon、今週中にも音楽ストリーミングを開始のもよう―内容は小規模

New York Timesによれば、AmazonはPrime会員向けの音楽ストリーミングを今週中にもスタートさせるという。 このサービスはPrime会員の年会費以外は無料で、広告も入らないが、新曲は提供されない。またユニバーサル・ミュージックのアーティストは除外されるという。

AmazonのサービスはRdio、Spotify、そしてAppleが買収したBeats Musicなどのライバルに比べて大きく異る。他のサービスはすべてユニバーサルも含めて新曲を提供する(一部除外されるサービスもある)。またAmazonのサービスが当初提供するのが数千曲だというのに対して何百万という曲を聞くことができる。しかしAmazonのストリーミングが既存のPrime会員向けの追加サービスだというのであれば、他の独立のストリーミング・サービスとは直接のライバル関係にならないわけだ。

Amazonは最近Prime会員の料金を年額79ドルから99ドルに値上げしたが、同時にPrime会員向けインスタント・ビデオにHBOのタイトルを加えるなどコンテンツを拡充している。

Amazonのストリーミング・サービスが当面きわめて小規模であるのはレコード会社とのライセンス交渉の不調によるものらしい。レコード会社はAmazonの提示したライセンス料が低すぎると考えたようだ。Amazonのライセンス条件は、インディーズレーベルの場合は、年間500万ドルのライセンス料をプールして配分、ソニーとワーナーに対しては年間アクセス料金を一括して支払うというものだという。 Amazonが最終的にどれほどのコストを負担することになるのかは明らかになっていない。

昨年末にAmazonが発表したところによると、Prime会員の数は2000万人程度のようだ。Primeは非常に利益を上げている事業なので会員数をさらに増加させるために努力することは理にかなっている。他の独立の音楽ストリーミングと比べると見劣りがするとはいえ、こうした小さな付加価値でもPrimeサービスの魅力をアップするのには役立つだろう。

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TorrentムービーのPopcorn TimeがついにAndroidに来た(Google Playは拒絶)

ハリウッドにとって最悪の悪夢が、ついにモバイルにやってきた。

Popcorn Timeのフォークの中でも人気のあるTime4PopcornのAndroidアプリが、デベロッパのWebサイトで誰もが入手でき、その海賊版ムービーをモバイルでも見られるようになった。

Androidアプリはデスクトップ版と使い勝手は同じで、アクセスできるムービーやテレビ番組もデスクトップと変わらない。torrent(BitTorrentファイル)をストリームする点でも、デスクトップ版と同じだ。データプランの料金が跳ね上がり、キャリアはウハウハだろう。

試してみたが、プログラムは正常に動く。ただし高速回線でなければスタートまで1〜3分かかることもある。Android版はUIがやや粗い。いくつかのUI成分、たとえばサイドトレーなどは無効だが、プログラムの動作には支障がない。

デベロッパによると、GoogleはGoogle Playからこのアプリを取り去った。“知的所有権を侵犯している”からだそうだ。プログラムのダウンロードはtime4popcorn.euでできる。

このバージョンにかぎらず、Popcorn Timeの各種フォークと過去のバージョンは、ソースファイルをすべてGitHubで入手できる。

このAndroidアプリを作ったTime4Popcornは、テレビ番組を前面に出したバージョンに新しいUIをつけてリリースしている。Windows XPバージョンも、近く出すそうだ。Popcorn Timeのオリジナルは頓死したが、今では少しずつルックスの違うフォークが各種出回っている。海賊同士の戦いのような抗争も、一部に起きている。

Time4Popcornも、それらのフォークの一つにすぎない。以前はFlixtorがPopcorn TimeをAndroidとChromecastに持ち込んだことがある。彼らの共通点が、ひとつだけある…海賊行為は既成勢力に対する反逆なのだ。〔関連記事。Google Play Storeに前からあったPopcorn Timeも今はない。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ネットワークカメラの多機能化(いろんなアプリ、そしてデベロッパ用APIも)で飛躍したいEvercam

プログラマという人種は、自分のオフィスという穴蔵に引きこもるのが好きだ。そこで、彼等にとっては自分専用のカメラが使えるとありがたい。外を見なくても、今ピザの配達が到着したことが分かる。そのために生まれたのが、Evercamだ。

このシステムの使い方は三通りある:

1)自分のネットワークカメラをシステムにつなぎ、Evercamの“アプリ”を自分のスマホに加える。たとえば、Big Red Buttonアプリ(下図上左2)なら赤い大きなボタンを押すとスナップ写真を撮ったり、一定時間のビデオを撮れる。

2)デベロッパはこのシステムの、アプリではなくAPIを使って自分が作るアプリにカメラ機能を持たせられる。

3)さらに、カメラのメーカーがカメラにこのシステムを統合すると、カメラがEvercamの機能を持つ。

作者のVinnie QuinnとMarco Herbstは、大学でウィスキーを売ることからビジネスを始めた(本当に!)。次は2000年にJobs.ieを作り、2005年にそれを売ったあと、CCTVのホスティングサービスCamba.tvを作り、Cambaが進化してEvercamになった。

Evercamは最近50万ユーロのラウンドを終え、来年はシリーズAの調達を予定している。

DropcamやSensr.netなどはカメラをホストするが、デベロッパ指向でない。Milestoneなどはデベロッパ向けのカメラプラットホームだが、自分ではホストしない”、とHerbstは言う。“うちは、両方やる。カメラに関してTwilio的な経験を提供するのだ”。

[ここにスライドが表示されない場合は原文を見てください。]

“カメラのプロジェクトは難しい。監視ビデオの市場は、昔のアナログの連中もまだ健在だから、競争が激しくて、儲からない”。

だからネットワークカメラを将来的には、監視カメラではなく、“ソーシャルメディアカメラ”や“マーケティングカメラ”、“企業情報カメラ”などに変えていきたいのだ。無脳な監視カメラから、多方面に有脳なカメラに。彼等は今日(米国時間5/5)のTechCrunch DisruptでTC Disrupt Battlefieldに出場する。

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海賊版ムービーのPopcorn Time, 人気フォークのAndroid版が早くも明日登場

Popcorn Timeの進化が続いている。そのデベロッパの一人が本誌TechCrunchに語ったところによると、オリジナルからのフォークとして人気のあるバージョンのAndroid版が早くも明日(日本時間4/30)出る、遅れる可能性はない、ということだ。最近ではこのソフトでHBOなどの番組も見られるようになり、海賊版コンテンツのワンストップショップになってしまった。

このフォークバージョンでもオリジナルのPopcorn Timeと同じく、海賊版の映画を簡単に見られる。言うなればそれは、あなたの本当に見たいものが見つかるNetflixだ。無料だが、海賊版というものは本来、法律的立場がアヤシイ。しかし本誌が最初にPopcorn Timeを取り上げてから以降、このソフトは最近では安定性を増し、テレビ番組など新しいコンテンツも増えた。

このフォークに関わったデベロッパは本誌TechCrunchに、まだMPAAなどからの法的苦情などは来ていない、と言っている。ただし、来たときの備えはしてあるそうだ。でもAndroid版が出たら世間の関心も増えるから、ついにハリウッドの法的猟犬たちが匂いを嗅ぎつけるかもしれない。

元々の方針がオープンソースだから、今回のAndroidバージョンのソースコードもGitHubから入手できるようになる。Popcorn Timeにとって最良の防御が透明性だろう。

〔訳注: この記事で取り上げられているフォークではないと思うが、Popcorn Timeは4月29日現在ですでにGoogle Play Store上にあり、無料で簡単にダウンロードできて簡単に映画を見られる。各フォーク等の詳細については、原文のコメントを見てください。〕

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ストリーミング機能ありで容量無制限のクラウドストレージサービスStreemがY Combinatorを卒業して本番ローンチ

大きなメディアファイルをたくさん保存したい、と願っていた人にとっては、Streemが理想のクラウドストレージサービスかもしれない。

Y Combinatorから巣立った同社は先週、そのメインプロダクトであるStreem Driveをローンチし、87万5000ドルのシード資金を得たことを発表した。

協同ファウンダでCEOのRitik Malhotraは、Streemをメディアファイルの保存のためによく使われる外付けハードディスクと比較する。これまでのクラウドストレージサービスは、外付けドライブのようにローカルな感覚で気軽に使えない、と彼は言う。ハードドライブにあるものをすべてコピーしておこうと思っても(コピーだけならできるが)、大量のHDビデオを抱えている者にとってはクラウドの容量が小さすぎる。たとえばDropboxなら、無料アカウントでは2GB、Proプランは100、200、500GB(ほぼ10ドル、20ドル、50ドル/月)だ。

しかしStreemなら、月額20ドルで容量は無制限だ。同社にそれができるのは、Malhotraによると、重複排除と圧縮を併用しているからだ。“重複排除のスペース節約効果はとても大きい”、と彼は言う。

ファイルの使い方などは自分のハードディスク上のファイルと同じだが、クラウドだからローカルなスペースはまったく消費しない。Malhotraによると、その技術はメディア向けに最適化されており、たとえばビデオストリーミングのクォリティはユーザの帯域に合わせて調整される。

Streemのアプリケーション/アプリは、Mac、Windows、Linux、iOS、Android、そしてWeb用がそれぞれある。

資金は、YC、500 Startups、Start Fund、IronFire Capital、Arbor Ventures、Grooveshark/OnswipeのファウンダAndres Barreto、そのほか多くのエンジェル投資家たちから出ている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))