駐車管理サービスのFlashParkingが約66億円を調達

米国テキサス州オースティンを拠点に駐車管理ソフトウェアとサービスを開発するFlashParkingが、プライベートエクイティ投資会社のL Cattertonから新たに6000万ドル(約66億円)を調達した。

画像:Jason Hawkes / Getty Images

FlashParkingのソフトウェアが最初にリリースされたのは2011年で、駐車場業者に対してリアルタイムのデータと変動価格のオプションを提供している。

FlashParkingのCEOで共同創業者のJuan Rodriguez(ファン・ロドリゲス)氏は、同社のソフトウェアとサービスはさまざまな状態の輸送や自律車両、ロボット車両を網羅する新たなハブの土台であると考えている。同社の支払い、監視、管理ソフトウェアはアプリ対応の駐車サービスだけでなく、電気自動車の充電、車両の整備とクリーニング、ドローンの打ち上げ・着陸・メンテナンス、配車サービスのハブにまで拡大することができる。

ロドリゲス氏は発表の中で「我が社独自のプラットフォームで、現在の駐車場インフラに最適のソリューションのみならず、将来的なモデルについてもオペレーティングシステムを構成することができるようになった」と述べている。

FlashParkingによれば、すでにテキサス医療センターだけで34の施設、3万台分の駐車場を管理している。同社のサービスを利用して駐車料金を支払っている顧客は毎月600万人で、およそ10億ドル(約1100億円)の取引収入があるという。

FlashParkingのファイナンシャルアドバイザーはBofA Securities。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Uberがサンフランシスコで電動支援スクーターの試験運用を開始

Uber(ウーバー)のJUMPは、San Francisco Bike Rentals(サンフランシスコ・バイク・レンタルズ)とのパートナーシップのもと、電動アダプティブ(支援)スクーターの試験運用を開始した。これはサンフランシスコ市においてUberが許可された事業の一部であり、同市は電動スクーター事業者にアダプティブスクーターの試験導入を義務付けている。

「我々は、サンフランシスコのすべての人が改良された移動手段にアクセスできるように取り組んでいる。このアダプティブスクーターは、自宅での移動支援を必要としない人や、ホームスクーターの購入プログラムを受ける資格がないが、公共の場ではまだ制約を受ける人にとって、まさにその役割を果たすと信じている」とUberのスポークスパーソンは述べている。

Uberはパイロットプログラムの一環として、2種類のスクーターを配備している。しかし、ローンチ時には4台しか用意されていない。今後は利用者の反応を受け、地域団体と連携しながらフィードバックをもとにプログラムを拡大していく予定だ。

 

「我々の車両の選択とサービスモデルを導くために、全国のアダプティブ車両プログラムを管理している、あるいは参加しているコミュニティメンバーにインタビューを実施している」と、Uberの担当者はTechCrunchに語っている。「またインタビューの過程で指摘された、国際プログラムについても調査した」。

 

ただし当初は、これらのアダプティブスクーターはUberのアプリからは使用できない。これはUberの調査によれば、運用には顧客サービスとパーソナルアシスタントが不可欠だからだ。

代わりに、利用者はSF Bike Rentalsでスクーターを予約し、市内にある2カ所の同社のロケーションのうち1カ所からピックアップする必要がある。一度利用すれば、SF Bike Rentalsは利用者のオプションの選択をサポートできるようになる。

Uberの電動アダプティブスクーターは、低所得者向けプランを利用しない場合は毎分0.33ドル(約36円)かかる。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

空飛ぶタクシー事業目指すJoby Aviationはトヨタ主導で650億円を調達

Joby Aviation(ジョビー・アビエーション)は、シリーズC投資で5億9000万ドル(約650億円)を獲得し、そのうち3億9400万ドル(約433億円)が、この投資を主導したトヨタ自動車からのものであることを、米国時間1月15日に発表した。同社は、自社開発の電動垂直離着陸航空機(eVTOL)を使用した空飛ぶ電動タクシーの運用準備段階にある。そこでは、戦略パートナーであるトヨタの自動車製造の経験が一部生かされている。

今回の投資により、Joby Aviationが受けた投資総額は7億2000万ドル(約792億円)となった。投資に参加した企業には、 Intel Capital、JetBlue Technology Ventures、Toyota AI Venturesのほか、数多くが名を連ねる。この新たな投資に伴い、Jobyの取締役会い新しいメンバーが加わった。トヨタ自動車執行副社長の友山茂樹氏だ。

2009年に設立されたJoby Aviationは、米国カリフォルニア州サンタクルーズに本社を構える。創設者はJoeBen Bevirt(ジョーベン・ベバート)氏。彼はカメラとエレクトロニクスの一般消費者向けアクセサリーのメーカーであるJobyの創設者でもある。同社が独自開発した乗用eVTOLは、時速約320km、1回の充電で約240km飛行できる。電気駆動のマルチローターという構造のため、Joby Aviationによれば「従来の航空機に比べて離着陸時の騒音は100分の1で、飛行中はほぼ無音」とのこと。

そうした利点により、eVTOLは都市部の航空輸送ネットワーク開発における第1候補とされており、Jobyの他にも、中国のEHangやAirbusなど、数多くの企業が都市部での人や物の短距離輸送に使える同タイプの航空機の開発を進めている。

今回のラウンドでのトヨタによる巨額の投資には、同社が将来の航空輸送にかける思いの強さが表れている。この投資の詳細を記した広報資料で、トヨタの社長兼CEOの豊田章男氏は、同社がeVTOLと航空輸送全般に真剣に取り組んでいることを示唆している。

「航空輸送はトヨタの長年の目標であり、自動車産業で事業を続けつつ、今回の契約により私たちの空へ展望を固めることができました」と豊田氏は述べている。「私たちは、成長著しいeVTOL分野のイノベーターであるJoby Aviationとともに航空輸送への挑戦に乗り出し、未来の交通と生活に革命を引き起こす可能性を引き出します。この新しく胸躍る試みを通して、移動の自由と喜びを世界中の土地の、そしてこれからは空のお客様にお届けしたく存じます」。

Joby Aviationは、短距離飛行での従来型ヘリコプターと比較して相当な費用便益を実現できると信じている。最終的には、利用率を最大化し燃料を削減することで、「誰にでも利用できる」レベルにまでコストを下げたいと考えている。現在、Jobyは、その航空機の縮小スケール版でのテストを完了し、製品版試作機による本格飛行テストに入ったところだ。2018年末には、米国連邦航空局(FAA)による航空機の承認のための手続きを始めている。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

ヘルメットを着用しよう!電動スクーターによるケガがこの4年間で3倍に急増

これから電動スクーターを使う?それならヘルメットの着用を!医学雑誌のJAMA Surgery(ジャマ・サージェリー)に掲載された最新の調査結果によると、安全帽をかぶらない、あるいはその他の予防対策を怠ったために病院に運ばれる若者の数が増えているという。骨折や頭部外傷など怪我が4万件を超える。

残念なことに、この調査でヘルメットを着用している人は5%に満たず、頭部に外傷を負った患者の3分の1近くに上っている。自転車で頭部を怪我する割合の2倍以上だ。

この怪我の増加は、都市部の若者の間で人気が高まっている電動スクーターの増加によるものと考えられる。2014年から2018年までの間に、電動スクーターで怪我をした人の数は、18歳から34歳までの全体で222%増え、病院に運ばれたスクーター運転車の数は365%増えている。特に2019年は劇的に増加した。スクーターで怪我をしたこれらの人の3分の2近くが若者で、そのほとんどが頭部保護具を使用していなかった。

「頭部外傷の患者の率が非常に高く、とても危険な状況です」と話すのは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の提携病院ザッカーバーグ・サンフランシスコ総合病院および外傷センターで泌尿器科部長と泌尿器科教授を務めるBenjamin Breyer(ベンジャミン・ブレイヤー)博士だ。「2017年から2018年にかけて、電動スクーターによる外傷はほぼ2倍に増えていることが、運転車の安全対策や規制強化の必要性を示しています」。

昨年の初めに施行された改正法のおかげで、現在のところは、カリフォルニアで電動スクーターに乗る場合に頭部保護具の着用を求められることはなさそうだ。そのため、カリフォルニアでは18歳以上ならヘルメットをかぶらずスクーターに乗るのは合法的で自由だ。電動スクーターにヘルメットなしで乗れる州はほかにもいくつかある。

こうした新事実を受け止めて法律を見直すべきだろうが、当面は、電動スクーターのメーカー自身が安全対策に貢献できる。私たちはいくつものメーカーに問い合わせたが、返事をもらえたのはごくわずかだった。Lime(ライム)はTechCrunchに対して、ユーザーにヘルメットをかぶるよう奨励し、安全に心がけていると話していた。同社ではヘルメット代金の割り引きを提供し、キャンペーンの一環として2万5000個のヘルメットを無償で配布している。Bird(バード)とほかの数社も、それぞれのサイトでヘルメットの着用を奨励し、一部の企業は別の地域でヘルメットのレンタルを行っている。

だが、電動スクーターの良いところは、その手軽さにある。何も持ち歩かずに済むところだ。アプリをクリックしてスクーターに飛び乗るだけでいい。あまりにも簡単なので、事前の心構えやヘルメットの準備を忘れてしまいがちになる。

では、どうすればいいのか?この点においては乗る人自身の責任ということになる。乗るのは自由だ。しかし、不便ではあっても、ヘルメットをかぶって乗ることで重大な事故が防げる。

「ヘルメットの装着と頭部外傷のリスク低減との相関関係は証明されています」と、カリフォルニア大学サンフランシスコ校薬学部の医学生で、調査結果の筆頭著者Nikan K. Namiri(ニカン・K・ナミリ)氏は言う。「ヘルメットはかぶるべきだと、私たちは強く信じています。電動スクーターのメーカーは、気軽に使えるヘルメットを用意して装着を奨励すべきです」。

画像クレジット:ROBYN BECK/AFP/Getty Images / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

テスラの株価が上昇し500ドルを超える

米国時間1月13日の取引で、米国の電気自動車メーカーTesla(テスラ)の株価が500ドルを超えた。

おそらく世界で最も有名な電気自動車メーカーであるテスラの株価はこの12カ月かなり変動があった。過去52週間の同社株の最低額は176.99ドル(約1万9500円)で、最高額は今日の507.50ドル(約5万5800円)だ。

この記事執筆時点で株価は507.28ドルで、Google Financeによるとバリュエーションは913億8000万ドル(約10兆455億円)だ。これまで度々指摘されてきたが、テスラのバリュエーションはFord(フォード)とGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)の合計よりも大きい。米国外のメーカーを引き合いに出すと、Aston Martin(アストン・マーティン)の64倍近くだ。

Tesla株上昇の背景

なぜTesla株が上昇しているのか。最新のElon Musk(イーロン・マスク)氏の発言によるものではないと推測している(少なくともそうであってほしくはない)。CNBCによると、マスク氏は「間もなくテスラ車は話せて、おならの音も出せるようになる」と話した。

そうではなく、今朝の株価上昇は投資家によるアップグレードが主な理由かもしれない。IBDが指摘しているように、投資銀行Oppenheimerの新たなターゲットは600ドル超だ。

これで本日の株価急上昇の説明がつく。しかし今朝の株価上昇は中国での操業がうまくいき、グローバルでの納車台数も順調に増えていることと結びついている。

目下、中国の自動車マーケット縮小傾向にあり、中国政府による電気自動車へのインセンティブも少なくなっている。しかし波に乗っているテスラにはそれらは些細な問題でしかないようだ(同社の成功で、中国の電気自動車メーカーNIOも上場に踏み切り、そして他のメーカーも後に続こうと考えている)。

今月初め、中国で生産されたテスラ車が初めて納車されて以来、同社の株価は上昇傾向にある。12月初めに400ドルに到達し、そして現在はさらに20%アップしている。

そのほかにも納車台数などテスラにとって最近いいニュースが続いている。TechCrunchKirsten Korosec記者は今月初めに以下のように報じている。

Teslaは金曜日(1月3日)、2019年に36万7500台の電気自動車を納車したと発表した。この数字は前年比50%増と過去最多で、安いModel 3の販売が大きく寄与した。3分の1超にあたる約11万2000台が第4四半期に納車された。Teslaはまた、生産台数も前四半期から10%増えて10万5000台に達したことも明らかにした。

従って、同社に対して批判的な人は儲けの少ない車種が販売の大半を占めることで、収益に影響が出ると言うかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

GMがHummerのフル電動ピックアップトラックをリリース予定、との報道

General Motors(ゼネラルモーターズ)がHummerブランドを復活させるかもしれない。The Wall Street Journalの報道によれば、フル電動化したHummerのピックアップトラックがGMCブランド下で発売され、プロバスケットボール選手のLeBron James(レブロン・ジェームズ)氏がその販促に一役買うという。

航続距離や定員などの詳細はわかっていない。

この動きは、物議を醸しているGMのブランドの1つを復活させ、異なる方向で推し進めることになる。Hummerブランドの車両は、その大きさとほぼ万能なSUVであることで知られる。Hummer H2は、2000年代初めにガソリンを食うクルマの代表的存在だった。ブランドの復活と電動化は、これまでのHummerに慣れている人を困惑させるかもしれない。

Hummerのフル電動ピックアップトラックは、スーパーボウルの際、ジェームズ氏が出演する広告で発表される、とWSJは報道している。もしそれが本当なら、GMはこのモデルを1年か2年でマーケットに投入することになりそうだ。もう1つのクラシックなブランド、Ford Mustangが電動化されるのと同じタイムラインだ。

画像クレジット: Wikipedia

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

電動化やネット接続など未来感を満載したSea Rayのプレジャーボート

自動車産業は最近の10年間で動力系と操縦系の両方に大きな変化を経験したが、でもボートはどうだろうか?ボートもやはり、スマートフォンのパワーとパフォーマンスの改良に貢献している同じ技術で最先端のアップグレードが進められている。そしてSea Ray(シー・レイ)はCES 2020で、それらの最新技術をたっぷり詰め込んだ美しい最上級の船外機ボートを披露した。

そのSea RayのSLX-R 400eには、ボート愛好家たちに知れ渡ったらそのほかのプレジャーボートにも当然普及していくと思われる、まったく新しい機能がひとつある。それは、パートナーのBrunswick(ブランズウィック)が開発したFathom e-Powerシステムで、SLX-R 400eに盛り込まれたイノベーションを支えている。それはこの船の動力系の電動化の部分で、大容量のリチウムイオン電池を搭載し、エンターテインメントを含め同船のすべてのアクセサリーシステムを動かす。

ただしメインエンジンに使われるのは昔ながらの燃料だ。そして3台の450馬力8気筒Mercury船外機が、この全長12mのボートを動かす。でもFathom e-Powerシステムがあるので、水の上で定員上限21人の友だちが楽しんでいるときでも燃料は消費しない。そしてこの「エコフレンドリーな」プレジャーボートは、同型の船と比べて航続距離が長い。

  1. Brunswick-Future-Boat-1

  2. Brunswick-Future-Boat-2

  3. Brunswick-Future-Boat-3

  4. Brunswick-Future-Boat-4

e-Powerシステムに加えて、Sea Ray SLX-R 400eにはジョイスティックによる操船機能がある。船外機の方向をより精密にコントロール可能になるだけでなく、船の操縦経験のあまりない人でも容易に操船できる。

コックピットもかなり未来的で、複数台の16インチディスプレイに船とシステムの状態が刻々映し出される。オーディオシステムは船全体に装備され、しかもApple(アップル)のAirPlay(エアプレイ)によるストリーミングをサポートしている。しかもこれは、単なるコンセプトボートではない。Sea Rayの発表では、今年後半に発売の予定だ。

CES 2020 coverage - TechCrunch

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

空飛ぶタクシーのEHangが米国で初の自律飛行を披露

空飛ぶ旅客用ドローンのスタートアップであるEHangは米国時間1月7日、米国ノースカロライナにて2人乗り自律飛行タクシーのEHang 216による完全自律飛行を実施した。これは同社にとって、米国おいても、そして北米においても初の試みだ。

中国の広州を拠点とするEHangは、すでに中国国内およびヨーロッパとアジアのさまざまな地域で機体の飛行を実証しているが、同社の航空機がFAA(連邦航空局)から飛行認可を受けたのはこれが初めてであり、EHangは現在その認可を乗客を乗せての飛行へと拡大しようとしている。これは、EHangが最終的に米国で商業サービスを提供するという目標に向けた重要な要件である。

州都のローリーで実施されたこのデモ飛行には、州知事のRoy Cooper(ロイ・クーパー)氏も参加した。EHangは最終的には、都市部およびその周辺の短距離ルートに沿って乗客と貨物の両方を自律的に輸送し、さまざまな産業に向けてこれらを展開したいと考えている。

EHangにとって、2019年も多忙だった。同社は昨年12月にNasdaq(ナスダック)で上場した。Ehangはまた、広州で航空シャトルサービスを開始する計画を明らかにし、また市内を対象としたドローンタクシーサービスではその自律飛行能力だけでなく、複数の機体を相互に連携させたり、あるいは市内上空の空域を共有する他の航空機と連携させたりして、どのような展開と運用ができるかを示すことが目的となっている。

2019年末には、EHangは計画の遂行に向けた初期段階として、216台の車両を同時に飛行させる試験飛行を2回実施した。同社は約40機の航空機を顧客に販売しており、すべてが計画通りに進めば、来月までに中国民用航空局とのパイロットプログラムを完了し、中国での商業飛行のための機体耐久性に関する完全な承認が得られる。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹Twitter

電動キックボードのLimeが12都市から撤退し約100人を解雇

Limeは今年、全従業員の14%を解雇し、12マーケットから撤退して黒字化を達成しようとしている。Axiosが最初に報じた

「財政的な自立が我々の2020年の目標だ。Limeが次世代モビリティ企業として黒字化を達成する最初の企業になる自信がある」とLimeのCEOであるBrad Bao(ブラッド・バオ)氏はTechCrunchに宛てた文書で述べた。「チームメンバー、ライダー、Juicer(スクーターを充電する人)、我々をサポートしてくれた都市に深く感謝している。時が来たらこうしたコミュニティに再び戻って来られるよう願っている」。

Limeは、米国ではアトランタとフェニックス、サン・ディエゴ、サン・アントニオから、オーストリアではリンツから、コロンビアではボゴタから、アルゼンチンではブエノスアイレスから、ウルグアイではモンテビデオから、ペルーではリマから、メキシコではプエルト・バヤルタから、そしてブラジルではリオデジャネイロとサンパウロからそれぞれ撤退する。

Limeがサービスを展開していたマーケットから撤退するのは今回が初めてではない。過去1年間でLimeは新たに69マーケットに参入した一方で、少なくとも11マーケットから撤退した。2018年から2019年にかけて競合相手のBirdは36マーケットに参入し、38マーケットから撤退した。

解雇はいただけないが、これはLimeに限った話ではない。昨年BirdとLyftも従業員を解雇した。Birdは3月に全従業員の5%を、続いて12月には買収したScootの従業員12人をレイオフした。同様にLyftも、3月に自転車とスクーターのチーム50人を解雇した。

Limeは2月にBain Capitalがリードする資金調達ラウンドで31000万ドル(約3400億円)を調達し、バリュエーションは24億ドル(約2630億円)となった。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

ドコモやJapanTaxiがお台場でMaaS実証実験、専用アプリでマルチモーダルルート検索が可能に

ナビタイムジャパン、ドコモ・バイクシェア、JapanTaxi、東京臨海高速鉄道、一般社団法人東京臨海副都心まちづくり協議会、KDDIは1月9日、お台場エリアの観光情報の提供と移動支援のためのMaaS実証実験アプリ「モビリティパス」を発表した。1月16日から一般配布される。

具体的には、お台場エリアの地図や観光関連記事、スポット情報を閲覧できるほか、エリア内で利用できるクーポンを配信する。移動支援については、りんかい線だけでなく。シェアサイクル、無料の予約制シャトル「東京臨海シャトル」などの移動手段を組み合わせたマルチモーダルルート検索機能を備える。

しかも、ルート検索の結果画面から、シェアサイクルの1日パスの購入や予約、東京臨海シャトルの予約が可能となっている。なお、東京臨海シャトルは今回のアプリの公開に併せて運行される期間限定シャトルで、1月16日〜2月12日ままでの期間限定で10時~19時の営業時間内に、勝どき〜お台場回遊、お台場回遊の2ルートで運行される。実証実験のため料金は無料だ。

今回公開されるモビリティパスは、東京都が公募した「MaaS社会実装モデル構築に向けた実証実験プロジェクト」に基づく実証実験の一環として提供される。実証実験を通じて、国内外の観光客のスムーズな移動と回遊率向上を図り、観光活性化を目指すのが目的だ。なお、アプリ内でアンケートに回答すると、りんかい線1日乗車券のプレゼントキャンペーンも実施される。

アリババ支援のAutoXとフィアット・クライスラーが中国でロボタクシーを運用へ

アリババが支援する自動運転車のスタートアップであるAutoX(オートエックス)は米国時間1月7日、Fiat Chrysler Automobiles(FCA、フィアット・クライスラー・オートモービルズ)と提携して、中国をはじめとするアジアの国々で大量のロボタクシーを展開すると発表した。

AutoXによれば、このクライスラーのミニバンであるPacifica(パシフィカ)を使ったロボタクシーの一般向けサービスを、2020年前半に中国で開始するとのこと。利用者はWeChat(ウィチャット)のミニアプリや、その他の中国で人気のアプリを使ってロボタクシーを呼べる。

今回の提携は、自動運転のフルスタック開発を行うAutoXにとっては大変に重要な一歩となる。AutoXは、カリフォルニアと中国でロボタクシーの試験運用を行っているが、その真の狙いは、自社でロボタクシーを運用したい企業に技術をライセンスすることにある。

FCAにとっては、この提携はそれほど重要ではないかも知れないが、FCAは中国でのロボタクシー事業を展開したいと思えば、理論的にはそれが可能になる。

香港とカリフォルニア州サンノゼに拠点を置くAutoXは、すでにカリフォルニアと中国で試験を行っている。2019年の初めには、深圳の繁華街で一般向けのサービスを開始し、9月には上海市と提携して100台のロボタクシーを使った運用試験を上海で行っている。

AutoXのCEO肖健雄(シャオ・ジアンシャオ)氏は、次なるステップは安全のためのドライバーを必要としない、完全な無人運用だと話す。「そのゴールのためには、ハードウエアを完成させることが不可欠です」と彼は言う。同社によれば、FCAとの提携はその助けになるとのことだ。

「完全な無人運用を実現するためには、完全な冗長性を備えたドライブ・バイ・ワイヤー・システムによる信頼性の高い車両プラットフォームが必要になります」と肖氏。「このレベルの冗長性は、自動車業界ではまだ新しく希少なものです。その点、クライスラーのPacificaプラットフォームは、無人運用での信頼性が実証されています」。

AutoXは、CES 2020でクライスラーのPacificaを展示する予定だ。この車両には一連のセンサー群が装備されている。現在このハイブリッドカーに搭載されているのは、360度の半導体ライダーセンサー、何台もの高解像度カメラ、死角ライダーセンサー、レーダーセンサーだ。AutoXは、RoboSence(ロボセンス)とドローンメーカーDJIのライダーセンサーを採用している。

さらにこの車両には、AutoXが開発したXCUという車両制御ユニットも装備されている。XCUは、ライダーやレーダーなどのセンサーを含む自動運転スタックを制御し、車両に統合する。XCUの高速処理能力と高度な演算能力で、中国の市街地に見られる複雑なシナリオに最適に対応できるとAutoXは話している。

「街は自動車、歩行者、自転車、スクーター、その他の動くものにあふれていて、その多くが交通ルールを無視しています」とCOOの卓李(ズオ・リー)氏は声明の中で述べていた。「急速な発展を遂げる中国では、建設工事や改修工事が夜通し行われています。朝と昼と夜とでは、街の様子はまったく異なります。そのため私たちのシステムは、各オブジェクトの認識と追跡を、高速に、非常に正確に処理するよう求められています」。

一方、FCAの自動運転戦略は、自動運転車開発企業との提携に重心を置いている。2016年5月、Waymo(ウェイモ)とFCAは、Waymoの自動運転システムを組み込んだPacificaを100台ほど共同で開発すると発表した。そして去年、FCAは商用自動運車の開発でAurora(オーロラ)と提携した。

昨年AutoXは、スウェーデンの持ち株会社で電気自動車のメーカーでもあるNEVS(ナショナル・エレクトリック・ビーグル・スウェーデン)と提携し、2020年末までにヨーロッパでロボタクシーの試験サービスを展開すると発表した。同社はカリフォルニア規制当局からロボタクシーでの乗客の輸送の認可も得た(安全のため人間のドライバーを乗せるのが条件)。AutoXでは、カリフォルニアのロボタクシーサービスを「xTaxi」と呼んでいる。

画像クレジット:AutoX

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

テスラオーナーをターゲットにした最高速度320kmで超安全な電動バイク

Damon Motorcycles(デーモン・モーターサイクルズ)は、オートバイメーカーのTesla(テスラ)になるつもりはない。しかし、その電動二輪車はテスラのオーナーの精神を最初に捉えるものだと、このスタートアップは考えている。2万4995ドル(約270万円)というDamonの新型バイクHypersport(ハイパースポート)がターゲットとする市場はそこにあると、Jay Giraud(ジェイ・ジロー)CEOは語る。

カナダのバンクーバーに本社を置くスタートアップであるDamon Motorcyclesは、12月に動画で予告していた電動バイクを、1月7日に米国ラスベガスで開催されているCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で披露した。

Damon Hypersportは、最高速度は時速200マイル(時速約320km)、高速走行距離200マイル(約320km)、トルクは147フィート重量ポンド(約199.3N·m=ニュートンメートル)、80%までの充電時間は20分、重量は500ポンド(約226.8kg)に満たないと、ジロー氏はTechCrunchに電話で伝えてくれた。この電動バイクはクラウドに接続され、デジタル乗車モデルを通して性能が管理される。その結果、停止状態から時速60マイル(時速約95.6km)に達するまでの時間は3秒を切る。

この性能だけをとっても、Hypersportは競争が激化しつつある電動バイク市場でひと際目立つ存在だが、それはDamonが提供するパッケージの一部に過ぎない。現在シードステージのこのメーカーには、オートバイの構造に共通する欠陥(と彼らが見ているもの)を克服するために開発した独自のデジタル安全技術がある。

COPILOTセンサー・アレイ:荷重センサー、テレマティックス・アレイ、非視覚センサー・アレイ、1080pカメラ、77Ghzレーダー

「私たちは、安全性、操作性、快適性、そして現在のすべての電動バイクメーカーを含む、この業界の全員が訴えてきた問題に対処することで、業界を変革したいと考えています」と、ジロー氏は12月、TechCrunchに話していた

その目的のためにDamonは、独自の技術的機能を搭載することで、Hypersportを、超高速のスマートで安全なバイクとして位置づけた。まず手始めに、同社独自のCoPilot(コパイロット)システムを搭載した。これは、センサー、レーダー、カメラを使い、死角を含むバイクの周囲で動くものを追跡し、ライダーに危険を知らせてくれる。

Damonはまた、オートバイのデザインにおける「全サイズ共通」という問題にも、調整可能な人間工学的システムをHypersportに導入し対処した。彼らのデビュー作となるこのバイクでは、ウインドスクリーン、シート、フットペグ、ハンドルバーの位置が、街中での体を起こした乗車姿勢から攻めの高速走行での姿勢まで、姿勢や状況に応じて電子的に位置を変えられる。DamonではHypersportの予約を受け付けているが、ディーラーは通さず、消費者へ直接販売しサービスを行うモデルを採用している。

同社は、電動バイクで混み合う様相を見せつつある、停滞した米国のオートバイ市場に参入する。米国自動二輪工業審議会の統計によれば、米国でのオートバイの新車販売台数は2008年のおよそ半数に落ち込み、40歳未満のオーナー数は激減しており、改善の傾向は見られていない。

若いライダーへの販売と興味を復活させるために、ハーレーダビッドソンは2019年、大型バイクメーカーとしては初めてとなる道交法上合法な電動バイクLiveWire(ライブワイヤー)の販売を米国で開始した。これが、ハーレーダビッドソンの電動バイク製品ラインの先駆けとなった。

ハーレーダビッドソンLiveWire

ハーレーダビッドソンは、Alta Motors(アルタ・モータース)、Mission Motors(ミッション・モータース)、Brammo(ブラモ)など、いくつもの電動バイクのスタートアップが経営破綻した後、2019年に1万9000ドル(約200万円)という最高速度120マイル(約193km)のSR/FをデビューさせたZero(ゼロ)など、今も存続する電動バイクのベンチャー企業とともに市場参入した。

イタリアの高性能電動バイクメーカーであるEnergica(エネルジカ)は、米国でのマーケティングと販売を拡大しており、2020年にはカリフォルニアのLightning Motorcycles(ライトニング・モーターサイクルズ)が電動バイクの発売を開始し、仏米資本の企業Fuell(フュエル)が1万ドル(約108万円)で走行距離が約240kmというFllow(フロー)を発売する予定だ。

電動バイクメーカーの参入が目白押しの米国のオートバイ市場で、Damon Motorcyclesはどのようにスケールを拡大していくのだろうか。同社のCEOであるジロー氏は、飛び抜けた高性能と安全機能を融合させることで、Damonは競合他社に差を付けられると信じている。彼はまた、DamonのHypersportと計画中の後続モデルは、既存の、しかし電動バイクにはまだほとんど手を出していない市場セグメントに売り込めると考えている。つまりそれは、テスラのオーナーだ。

「彼らは電動ドライブというものをよく知っています。あの強烈な加速感とか。さらに彼らは、信じられないような性能のみならず、EVの安全性を保つ技術についても正しく認識しています」とジロー氏は語る。ジロー氏はカナダ人のDominique Kwong(ドミニク・クオン)氏とDamonを共同創設した。

ジェイ・ジロー氏とドミニク・クオン氏

だが、四輪のテスラのオーナーが、果たしてバイクを買うのだろうか?「もちろん買います」とジロー氏。「大変な数のテスラオーナーがバイクを所有しています。私たちのウェブサイトのフォームで興味ありと答えてくれた方のうち1700人が(テスラの)オーナーだと教えてくれました」

Damonは、ジロー氏が言うところのテスラ効果に期待している。「テスラを買ってからほぼ6カ月以内に人々は家やガレージの中で他に電動化すべきものを探すようになります。私たちが最初に追いかけるのは、そうした人たちです」とジロー氏は言う。

Damonが裕福な電気自動車の所有者たちに270万円で最高速度320kmの電動バイクを売り込めるのかは、時間と販売台数が教えてくれる。

さらに、その核心的なデザインがDamon効果を生み出すか否かにも注目したい。OEMや電動バイクのスタートアップに対する市場の期待が、高性能と高度なデジタル安全機能を備えたバイクへと変化していくかどうかだ。

関連記事:Zero MotorcyclesのCEOに話を聞き、2020 SR/Fを持ち帰ってみた(未訳)

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

BMWは自動運転車をラウンジに変える

CESでBMWは米国時間1月7日、今後の車に関する多くの新技術を発表した。それに加え、自動運転が普及する際に、それに見合った快適な乗車体験を創造するための仕事についても紹介している。それはつまるところ、(ロボットの)運転手が高速道路を飛ばしている間、あなたは「豪華なZeroG Lounger」でくつろいでください、というもの。そして、あなたの車のインテリアは、ほとんど「ブティックホテルのリラックスした雰囲気」そのものです、ということになる。

すべてのプロトタイプと同様、BMWはそのコンセプトについて、かなり真剣に考えている。同社が求めているのは正しいものであり、過去数年間にわたって熟考してきたところだ。自分の車が自分のために運転してくれるようになれば、結局のところ、乗客としての体験をゼロから考え直すしかない。

ラウンジャーシートは、後ろに最大60度まで傾くので、景色(あるいは本や映画)を楽しみながらリラックスできる

ただし、ここでの本当のハイライトは、BMW i3 Urban Suiteだ。基本的には、標準的なi3電気自動車に、モダンなホテルのロビーの見た目と雰囲気を持ち込んだもの。ラウンジャーシートを備え、隣にはランプとテーブル、前方には折り畳み式のスクリーンを設置している。それなりのスペースが必要なので、助手席はない。快適な後部座席だけのラウンジャーなのだ。車の世界では、今でも本革素材を使うことで、豪華さを演出することが多い。BMWはそれを廃止し、代わりにファブリックと木材を使っている。また、洋服ハンガー、充電ポート、さらに飲み物を温めたり、逆に冷やしたりもできる温度調整機能付きのカップホルダーも備える。可能なことは何でも実現する精神だ。

ああ、それから、車内の画面だが、これはAmazonが担当し、Fire TVプラットフォームを搭載している。

実は私自身は、こうした考え方にはやや懐疑的だった。しかし、昨日実際に改造された車に乗せてもらったところ、非常に快適だった。ふんぞり返って足を投げ出し、誰かにラスベガスの街を運転してもらうのは、かなり愉快な体験だとわかった。フットレストを動かすコントロールは、横にある木製テーブルに組み込まれている。夜にランプを灯せば、なんとも言えない雰囲気が味わえる。実は私自身は、慣れないスクリーンを見ていたら、ちょっと気持ち悪くなった。それでも、これでテレビや映画を見たいという人がいるのも理解できる。いずれにしても、これはちょっとやみつきになりそうなものではある。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

クアルコムが自動車用クラウドサービスでアップデートや遠隔測定をネット化

Qualcomm(クアルコム)が米国時間1月6日、同社のCar-to-Cloud(カーツークラウド)サービスを発表した。その名のとおり、クルマをクラウドに接続するこのサービスは、同社初となる自動車のコックピットプラットフォームとSnapdragon自動車プラットフォームを、4Gと5Gサポートで統合する製品だ。

このプラットフォームにより、自動車メーカーは自分のクルマをアップトゥデートに保ち、クラウド上のインフォテインメントプラットフォームも最新状態を維持できる。さらにまた、このサービスを使って自動車とその使われ方のアナリティクスを集められる。Qualcommによると、自動車メーカーはクラウドを介してさまざまな有料サービスを提供できるため、売上機会も増やせるという。

クルマの所有という概念が変わりつつあり、またドライバーが期待するものも変わってきた。今ではアップデートできるインフォテインメントシステムが新車の標準装備になりつつあるが、そのアップデートはディーラーのWi-Fiで行われている。Qualcommは、自分たちのCar-to-Cloudサービスを使えばアップデートは確実になり、また、そのデプロイも迅速になり、アップデートのコスト効率が良くなるとも主張している。さらに、こんなクラウドチャネルがあれば、カーシェアリングやCar-as-a-Service(CaaS)などのコネクテッドサービスやオンデマンドサービスといった分野で新しいプロダクトがどんどん登場してくる、とQualcommはこのクラウドプラットフォームを売り込んでいる。

ドライバーには、もっと個人化された体験が提供できるようになる。高級車には今でもパーソナライズ機能はあるが、今後は大衆車にも浸透してくる。さらにQualcommの売り込みでは、自動車メーカーやディーラーなどが独自のコンテンツやアプリやサービスを販売できるようになり、ここでも売上機会が増える。

Qualcomm Technologiesの製品管理担当上級副社長のNakul Duggal(ナクル・ダガル)氏は「Qualcomm Car-to-CloudServiceを、Snapdragon Automotive 4G and 5G PlatformsとSnapdragon Automotive Cockpit Platformsに結びつければ、自動車メーカーとティア1のサプライヤーに力を与えて、今日の見識あるクルマのオーナーの期待に応えることができる。現代の自動車保有者はテクノロジーの柔軟で継続的なアップデートに慣れており、車の生涯時間の間にさまざまな新しい機能を自ら進んで経験する」と語る。

CES 2020 coverage - TechCrunch

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

BMWがドライバーが見ているモノを認識する注視検出システムを発表

BMWは米国時間1月8日、CES会場で開いた記者会見で、新しい注視検出システムを発表した。このシステムは、ドライバーがクルマの外の何を見ているかを検知して、関連する情報を提示するというものだ。

ドイツの自動車メーカーは、2019年10月に発表したコンセプトカー「i Interaction EASE」を会場に持ち込んでいた。この車両が提案している機能は、クルマのシステムへのドライバーの関わり方を簡略化するというコンセプトに基づいている。具体的にはタッチコントロール、ジェスチャー、音声認識といった内容だが、特に自動運転が実現した際の環境に焦点があてられている。

「BMW i Interaction EASEは、自動運転が当たり前になった未来のクルマでの移動がどのようなものになるかを示しています。それは贅沢で、人間的で、直感的なものです」と、BMW Group Design(BMWグループ・デザイン)の上級副社長Adrian van Hooydonk(アドリアン・フォン・ホイドンク)氏は説明する。「同乗者は、すでに到着したかのような気分で旅を始められます」

BMWは、ドライバーが見ているものを追跡するこのシステムを、EASEを初公開した際、すでにほのめかしていた。このクルマの車載システムは、独自のAIツールを利用しており、ドライバーが見ているものを観察して解釈できる。例えば、クルマで通り過ぎたレストランの詳しい情報や、映画館で何が上映されているかといった情報を知ることができる。

これらの機能はすべて、BMWの「インテリジェント・パーソナル・アシスタント」と連動する。そのため、今見ている場所に関する会話を始めることもできる。しかも、EASEにはフロントガラスの全面をカバーするヘッドアップ・ディスプレイがあるため、走る大きな拡張現実画面として使うことも可能なのだ。

ちなみにこの画面には次の3つのモードがある。探索モード(explore)は、窓の外のモノに重点が置かれる。娯楽モード(entertain)では、映画を観ることができる。安楽モード(ease)を選ぶと、車内が「落ち着いたリラックスできる場所」に変わる。

ジェスチャーと自然言語認識と注視検出を組み合わせれば、クルマの中でのあらゆる操作が、非常に自然なマンマシン・インターフェイスで可能になる。

「BMWには、車内の自然言語認識に関してすでに長い歴史があり、現在、実際に走っているクルマにおいて最上級の音声検出技術を有しています」と、BMW Group Electronics(BMWグループ・エレクトロニクス)の上級副社長Christoph Grote(クリストフ・ゴルテ)氏は、本日の発表に先立ち、記者会見で述べていた。「iNEXTとBMWによって、自然なインタラクションは新しいレベルに達します。iNextは、音声によるコマンド、ジェスチャー、さらには視線の方向を複合的に分析します。それは、人間同士がコミュニケーションをとるときと、ほとんど同じやり方です。またこれにより、特別な状況でドライバーが何を求めているかを、クルマがより正確に理解できるようになります」

EASEは、かなり先の将来を見据えたプロトタイプなので、5G接続に対応させてシステムにパワーを与えることも想定されている(しかし、この使用事例では5Gでなければならないほどの回線容量は必要なく、遅延もそれほど心配することはないと私は思う)。BMWは記者会見で、BMW iNextは2021年のどこかで発売される際には、車載システムは5G対応になっているとも話していた。

EASEから生まれた最初のアイデアのうち、そのいくつかは2020年の後半にはBMWの次世代電気自動車iNextに採用されていく。どの機能が搭載されるかはまだ不明だが、注視検出が最初ということは、まずないと思っていい。

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

クアルコムは全レベルの自動運転車に対応するSnapdragon Rideを発表

画像クレジット:Frederic Lardinois

Qualcomm(クアルコム)は、米国時間1月6日、Snapdragon Rideと呼ばれる新しい自動車用プラットフォームを発表した。このプラットフォームは、あらゆるレベルの自動運転車に対応するように設計されたものだ。現在の乗用車のアクティブセーフティシステムから、やがて街中を定期運行することになるはずのロボタクシーまで対応できる。

このプラットフォームは拡張性があり、Snapdragon Ride SOC(システム・オン・チップ)、アクセラレーター、自動運転用スタックによって構成されている。

Qualcommは、おそらく携帯電話用のチップメーカーとして最もよく知られているが、クルマ向けのテレマティクスシステム用半導体を含む、自動車用製品のファミリーも持っている。Snapdragon Rideは、すでに競合の多いADAS(先進的運転補助システム)や自動運転車の業界で、より多くの市場シェアを獲得するための、最新かつおそらくこれまでで最も注目すべき取り組みと言える。また、この結果Qualcommは、再びNVIDIA(エヌビディア)や、Intelの子会社、Mobileye(モービルアイ)などと競合することになる。

Snapdragon Rideプラットフォームは、自動運転に関する上位3つの業界セグメントをサポートするように設計されていると、Qualcommの製品管理担当上級副社長であるNakul Duggal(ナクル・ドゥッガル)氏は、最近のTechCruchによるインタビューで語っている。このプラットフォームは、現在の乗用車に搭載されるような、アクティブセーフティを実現する先進的な運転補助システムのハードウェアの要求を満たすことが可能。例えば車線維持、交通標識認識、自動緊急ブレーキなどにも対応できる可能としている。ドゥッガル氏によれば、高速道路の自動運転や自動駐車など、いわゆるレベル2+システムをサポートするための、より厳しいハードウェア要件にも対応可能という。さらに、ロボタクシーなどを実現する、都市部での自動運転機能として指定されるレベル4にも対応できるとしている。

このプラットフォームは、モジュラー型のマルチコアCPU、消費電力の少ないAIおよびコンピュータービジョンエンジンそしてGPUによって構成される、と同社は述べている。発熱も少なく、低レベルのアクティブセーフティシステム用には、30テラオペレーション/秒(TOPS)、自動運転用なら、最大700TOPS以上を、130Wの消費電力で実現できる。これは、水冷システムなどを追加しなくても、さまざまなレベルに対応して動作できることを意味している。ドゥッガル氏によれば、コストを下げつつ信頼性を向上させることが可能で、とりわけ電気自動車には最適だという。

Snapdragon Rideは、2020年の前半には開発の前段階用として、各自動車メーカーと一次部品メーカーに対して供給されるものと予想される。2023年には、Snapdragon Rideを搭載したクルマも生産されることになるだろう。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Mobileyeが大邱でのロボタクシー運行で韓国と契約

Mobileye(モービルアイ)は米国時間1月7日、韓国の大邱市でロボタクシーサービスのテストを行い最終的に運行を目指す契約を結んだ。これまで同社は自動車メーカーに運転支援システム向けコンピュータービジョン技術を提供してきたが、今回の契約はそこから一歩前進しようとする戦略の一環だ。

CES 2020で発表されたこの契約で、Mobileyeは同社の自動運転システム(視覚、センサーフュージョン、 REMマッピングシステム、ソフトウェアアルゴリズム、運転ポリシーなど一式)を統合し、自動運転による「サービスとしてのモビリティ(MaaS)」を韓国で提供する計画だ。同システムの運転ポリシー、すなわち自動車の意思決定方式は、2017年にMobileyeが白書で発表した数学モデル、「Responsibility Sensitive Safety(RSS)」に基づいている。

Intelの子会社であるMobileyeは、衝突を防ぐコンピュータービジョンセンサーの開発元として、自動車業界の特定分野を長年支配している。同社はこのビジネスで10億ドル(約1100億円)近い売上げがあり、2019年に1750万台の自動車にこの技術が使われていると、Mobileyeの社長兼CEOでIntelの上級副社長、Amnon Shashua(アムノン・シャシュア)氏が本誌のインタビューで語った。

しかしここ数年、同社はマッピングおよび高レベルの自動運転のための完全自動運転スタックの開発に注力し始めた。MobileyeのREMマッピングシステムは、同社の技術を搭載した数百万台のクルマから情報集める一種のクラウドソーシングで、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転システムで利用できるデータを提供する。

2018年、Mobileyeは単なるサプライヤーからロボタクシーサービスの運行にも焦点を当て始めた。IntelとMobileyeは2018年5月にエルサレムで自動運転の試験を開始。それ以来同社は、Volkswagen(フォルクスワーゲン)とChampion Motors(チャンピオン・モーターズ)と提携した。3社はNew Mobilityjlaジョイントベンチャーをイスラエルで結成し、現地での自動運転ライドシェアリングの運用を計画している。

その後MobileyeはRATP(パリ交通公団)とも提携を行い、フランスへのロボタクシー進出を目指している。さらに同社は中国の電気自動車スタートアップ、Nioとも消費者が購入可能な自動運転車の開発に向けて2019年後半に契約を結んだ。この契約でNioは、中国およびその他の市場でMobileyeに車両を提供する。

米国時間1月7日、Mobileyeは中国の上海汽車集団(SAIC)が、レベル2+システム向けのマップを中国で作るためにREMマッピング技術を使用することを発表した。レベル2+は最新の業界標準で、幹線道路の走行が可能だが、特定の条件下では人間のドライバーが介入する必要がある。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

自動運転レベル3に欠かせない500mの遠距離計測が可能な3D-LiDARセンサーをパイオニア子会社が発表

パイオニアスマートセンシングイノベーションズは1月8日、500mの遠距離計測が可能な3D-LiDARセンサーの試作機を米国ラスベガスで開催されているコンシューマー・エレクトロニクス・ショー「CES2020」に出品したことを明らかにした。同社は自動運転関連事業を承継する新会社として2019年10月に設立された、パイオニアの連結子会社。

同社は、キヤノンと条件付き自動運転である自動運転レベル3以上の実現に不可欠とされる「3D-LiDARセンサー」を共同開発しており、CESにはパイオニアのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems、微小電気機械システム)ミラーを用いたスキャン技術とキヤノンの光学技術を用いた波長905nm量産モデルも展示、。3D-LiDARセンサーは、両社のコア技術をベースに韓国SK Telecom(SKテレコム)の送受信技術を加えることで、計測距離を大幅に伸長させた波長1550nmのモデルとなり、500mの遠距離かつ高解像度な計測が可能とのこと。具体的には、SKテレコムが開発した、1550nm波長レーザー送信モジュールと単一光子検出器を利用する。

2020年秋から量産を開始する、準広角短距離用、中距離用、長距離用、広角タイプのモデルに、今回の遠距離モデルを加えることで、セキュリティ、交通監視用途や、路側センサーなどのモニタリング用途、自動運転車両における遠距離計測など、さまざまな市場、お客様のニーズに対応することが可能なるという。各LiDARセンサーを使用して、物体検知や自車位置推定などを高精度に行えるソフトウェアも開発・提供する。

パイオニアスマートセンシングイノベーションズは、今後も3D-LiDARセンサーの高性能化、小型化、ソフトウェアの開発を進め、2021年以降の実用・商用化を目指す。

参考資料:2020年秋より量産を開始する「3D-LiDARセンサー」‟2020モデル”について

自動運転OS開発のティアフォーと韓国LGが自動運転のクラウドシミュレーターで戦略的提携

オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」を開発・提供しているティアフォー(Tier IV)は1月8日、韓国LGエレクトロニクスとの戦略的提携を締結した。LGが自動運転向けに開発したLGSVLシミュレータを利用して、Autowareの各種実証実験をさらに進めていく。

ティアフォーの創業者でCTO、Autoware Foundationの理事長を務める加藤真平氏。2019年11月に開催したTechCrunch Tokyo 2019では、JapanTaxiとの協業で自動運転タクシーの実証実験を進めることを発表した

LGSVLシミュレーターは、LGが3Dゲーム開発環境として知られるUnityで開発したソフトウェアだ。シミュレータ上に構築した仮想マップ上で多数のNPC車両を走らせ、その中で自動運転のアルゴリズムを検証できる。ティアフォーでは2019年2月にLGSVLシミュレータを利用した自動運転の実証実験についてブログ記事で触れており、今回の戦略的提携によって自動運転技術の精度がさらに増すことが期待される。また同社は、LGSVLシミュレーターとAutowareを使った自動運転チュートリアルも公開している。

ティアフォーの創業者でCTO、そしてAutoware Foundationの理事長を務める加藤真平氏はリリースの中で「ティアフォーは、今回の戦略的パートナーシップ、そしてLGSVLシミュレーターとAutowareの統合により、自動運転のシミュレーション環境を誰でも簡単に使えるソフトウェアとして提供する予定です。この環境を使うことで、Autowareベースの自動運転車で効率的で費用対効果の高いテストと検証を実現できるでしょう」と語る。

シリコンバレーにあるLGのAdvanced Platform Labでエンジニアリング担当副社長を務めるSeonman Kim(キム・ソンマン)氏は「高性能シミュレーションエンジン、広範なデータおよびコンテンツ生成パイプライン、シームレスなローカルおよびクラウドシミュレーションの統合機能により、LGはさまざまなユースケースをシミュレーションの力で解き放つことができる独自のポジションにいます。LGSVLシミュレータとAutowareを組み合わせることにより、両社は共同で自動運転開発のパイプラインを有効にし、より安全でより信頼性の高い製品とサービスを短期間で作成できます」と語る。

関連記事
「自動運転はタクシーから」Autowareが作り出す未来
ティアフォーがクアンタ・コンピュータから10億円調達、Autowareを搭載したECU開発が加速
自動運転技術開発のティアフォーが累計113億円の資金調達、本格的な商用化目指す

Amazonが支援するEVメーカーRivianがピックアップトラックとSUVにAlexawo搭載

Rivian(リビアン)はAmazon(アマゾン)の音声アシスタントAlexa(アレクサ)をピックアップトラックのR1TとSUVのR1Sに搭載する。R1TとR1Sは同社初の電気自動車で、2020年末のデビューが予定されている。

また、Rivianは1月6日の月曜日に、Alexaの搭載をAmazonから受注した配送トラック10万台にも広げることを明らかにした。この配送トラックは2021年から顧客への荷物配達に使用される見込みだ。

R1TとR1SへのAlexa搭載では、音楽再生や電話、ナビといったAlexaのスタンダード機能に加えて空調やトランク開閉、その他の操作がコントロールできる。

R1TとR1S専用の特殊操作もできるようにする予定だ、とRivianは話した。例えば、R1T内にどんなギアが隠されているのかをチェックするために、車内に設置したカメラをAmazonのEcho ShowやFire TVからリモートで操作できる、といったものだ。またAlexaを搭載することで車両がオフラインのときでも一部のAlexa機能にアクセスできるようになるが、実際にそのように設定するかどうかはこの車両をどのように使うかにもよる。

「Rivianは、妥協することなく探検できる未来像を描いている。そして、オーナーがどこで乗ろうともこの車両でいつでも最良のデジタル体験ができるようにする」と Rivianの創業者でCEOのRJ Scaringe(RJ・スカリンジ)氏は述べた。「我々は車両へのAlexa搭載をマーケットで最も包括的でシームレスなものにしたい」

CES 2020の前に発表された今回のAlexa搭載は、Amazonが自動車業界にも足を踏みこみ進めているという最新の動きを表している。Lamborghini(ランボルギーニ)もまた同社のスポーツカーHuracán EVOにAlexaを搭載する計画を発表した。

AmazonがAlexaの搭載、クルマへの配達サービス、Rivianへの直接投資を通じて自動車業界に触手を伸ばして数年が経つ。eコマースのAmazonはまた、顧客がドアのキーパッドとスマートセキュリティカメラを使って配達中のドライバーが家の中に入れるようにするAmazon Keyサービスも立ち上げた。2018年にこのサービスはKey by Amazon In-Car配達サービスとしてクルマにも拡大した。

GM(ゼネラルモーターズ)とVolvo(ボルボ)が最初にこのKey by Amazon In-Car配達サービスを導入し、2019年4月にFord(フォード)も続いた。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi