Tesla(テスラ)は水曜日、予想より大きな赤字7億200万ドル(786億円)を計上した第1四半期決算を発表した。1株あたりの赤字は4.10ドルだ。出荷がふるわなかったことやコスト、車両の価格調整などが響いて黒字回復とはならなかった。
この損失には今回のみの発生となる1億8800万ドルも含まれていて、一度限りの損失を調整した後の赤字額は4億9400万ドル(1株あたり2.90ドル)となる。1年前は1株あたりの赤字は3.35ドルだった。Teslaはまたリストラと今回のみの費用の組み合わせによる6700万ドルも赤字に含まれる、としている。
アナリストは赤字を予想していたが、Factsetによると予想は売上高54億ドル、1株あたりの損失1.15ドルだった。しかし実際は損失のためそうした期待された数字にはるか及ばなかった。
CFOのZachary Kirkhorn氏は水曜の決算発表時に、Model 3の海外納車の促進や他の動きに触れながら、テスラの歴史の中で「最も複雑な四半期の1つだった」と語った。
TeslaとCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は今月初めに、出荷台数が想定を下回ったことや価格調整のために四半期決算が赤字になることが予想されると警告していた。Tesla車購入者が1月1日から連邦税の優遇を受けられなくなり(さらに詳しく言うと、半分になった)、そうした措置を経て今回が初の四半期決算だった。
Teslaは今年第1四半期は、前四半期から3分の1近く落ち込んだ6万3000台の電気自動車を納車した、と発表した。納車の内訳はModel 3が5万900台、Model SとX SUVが1万2100台だった。
マスク氏は水曜日の決算発表で、多くの納車が第2四半期にずれ込んでいることに触れながら、不測の事態による納車問題に繰り返し言及した。
「誰もがTeslaの第1四半期の赤字を予想していた。しかし、こんなに大きな額になるとは思いもしなかった」とKelley Blue BookとAutotraderの出版責任者Karl Brauer氏は電子メールでコメントした。「興味深いのは、この赤字が1つの原因によるものではないことだ」。
Brauer氏は税リベートがなくなったこと、競争が激しくなったこと、「最初のModel 3需要が落ち着いたこと」など、小さい要因が組み合わさっていることを指摘した。Tesla以外の選択肢も増えている。「これは、Teslaにとって新たな“常態”だ」とBrauer氏は語った。
決算発表ではまた、Model 3の販売により今後四半期連続で収益を回復する、とした。同社は7四半期連続で赤字を計上したあとの昨年10月にようや黒字化し、利益1億3900万ドルを計上した。
キャッシュはというと、2018年末の22億ドルから15億ドルに減ったと明らかにした。これは主に、1億8800万ドルもの転換社債がオペレーティングキャッシュフローにマイナスに作用したためだ。Teslaは3月に9億2000万ドルの転換社債債務を現金で払った。
要点を以下に示す。
・第1四半期の売上高は45億ドルで、第4四半期の72億ドルから減少した。
・第1四半期のオペレーティングキャッシュフローにおける資本支出は9億2000万ドルで、第4四半期は9億1000万ドルだった。
今回の四半期決算の発表は、航続距離を10%のばしたModel SとXのドライブトレーンデザインへの変更など、いくつかの発表の後に行われた。1回のフル充電で、新装備のModel SはEPA基準で370マイル、Model Xは325マイルを走行することができる。これらは同じ100kwHバッテリーパックを搭載している。
Teslaはまたこれより前に、自動運転車両テクノロジーを開発する取り組みを紹介するイベントも開催した。ここでの発表にはカスタムメイドのコンピューターチップも含まれていて、Musk氏の計画では2020年にロボタクシー事業と試乗を立ち上げる。
イメージクレジット: Tesla
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(翻訳:Mizoguchi)