テスラの第1四半期は786億円の赤字

Tesla(テスラ)は水曜日、予想より大きな赤字7億200万ドル(786億円)を計上した第1四半期決算を発表した。1株あたりの赤字は4.10ドルだ。出荷がふるわなかったことやコスト、車両の価格調整などが響いて黒字回復とはならなかった。

この損失には今回のみの発生となる1億8800万ドルも含まれていて、一度限りの損失を調整した後の赤字額は4億9400万ドル(1株あたり2.90ドル)となる。1年前は1株あたりの赤字は3.35ドルだった。Teslaはまたリストラと今回のみの費用の組み合わせによる6700万ドルも赤字に含まれる、としている。

アナリストは赤字を予想していたが、Factsetによると予想は売上高54億ドル、1株あたりの損失1.15ドルだった。しかし実際は損失のためそうした期待された数字にはるか及ばなかった。

CFOのZachary Kirkhorn氏は水曜の決算発表時に、Model 3の海外納車の促進や他の動きに触れながら、テスラの歴史の中で「最も複雑な四半期の1つだった」と語った。

TeslaとCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は今月初めに、出荷台数が想定を下回ったことや価格調整のために四半期決算が赤字になることが予想されると警告していた。Tesla車購入者が1月1日から連邦税の優遇を受けられなくなり(さらに詳しく言うと、半分になった)、そうした措置を経て今回が初の四半期決算だった。

Teslaは今年第1四半期は、前四半期から3分の1近く落ち込んだ63000台の電気自動車を納車した、と発表した。納車の内訳はModel 3が5万900台、Model SとX SUVが1万2100台だった。

マスク氏は水曜日の決算発表で、多くの納車が第2四半期にずれ込んでいることに触れながら、不測の事態による納車問題に繰り返し言及した。

「誰もがTeslaの第1四半期の赤字を予想していた。しかし、こんなに大きな額になるとは思いもしなかった」とKelley Blue BookとAutotraderの出版責任者Karl Brauer氏は電子メールでコメントした。「興味深いのは、この赤字が1つの原因によるものではないことだ」。

Brauer氏は税リベートがなくなったこと、競争が激しくなったこと、「最初のModel 3需要が落ち着いたこと」など、小さい要因が組み合わさっていることを指摘した。Tesla以外の選択肢も増えている。「これは、Teslaにとって新たな“常態”だ」とBrauer氏は語った。

決算発表ではまた、Model 3の販売により今後四半期連続で収益を回復する、とした。同社は7四半期連続で赤字を計上したあとの昨年10月にようや黒字化し、利益1億3900万ドルを計上した。

キャッシュはというと、2018年末の22億ドルから15億ドルに減ったと明らかにした。これは主に、1億8800万ドルもの転換社債がオペレーティングキャッシュフローにマイナスに作用したためだ。Teslaは3月に9億2000万ドルの転換社債債務を現金で払った。

要点を以下に示す。

・第1四半期の売上高は45億ドルで、第4四半期の72億ドルから減少した。

・第1四半期のオペレーティングキャッシュフローにおける資本支出は9億2000万ドルで、第4四半期は9億1000万ドルだった。

今回の四半期決算の発表は、航続距離を10%のばしたModel SとXのドライブトレーンデザインへの変更など、いくつかの発表の後に行われた。1回のフル充電で、新装備のModel SはEPA基準で370マイル、Model Xは325マイルを走行することができる。これらは同じ100kwHバッテリーパックを搭載している。

Teslaはまたこれより前に、自動運転車両テクノロジーを開発する取り組みを紹介するイベントも開催した。ここでの発表にはカスタムメイドのコンピューターチップも含まれていて、Musk氏の計画では2020年にロボタクシー事業と試乗を立ち上げる。

イメージクレジット: Tesla

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(翻訳:Mizoguchi)

Teslaが保険商品を販売へ

Tesla(テスラ)は保険商品を開発中で1カ月ほどで発売する計画だ。CEO Elon Musk(イーロン・マスク)氏が米国時間4月24日の第1四半期決算会見でアナリストらに語った。

「現在世に出ているどの商品よりも魅力あるものになる」とマスク氏は言った。

同氏は、それがどんな保険商品になるのか詳しくは語らなかったが、同社のオートパイロットシステムに重点を置くものになることは間違いない。オートパイロットは高度な運転支援システムであり、この分野の史上最も堅牢かつ最も議論のあるシステムだ。

そしてマスク氏は、Teslaはすでにオートパイロットの情報を保険会社に提供していることを付け加えた。その情報は保険料を安くすることを目的にしている。

「来月販売開始するわれわれの保険商品でも、その情報を保険料算出に組み込む予定だ」とマスク氏。

Teslaには「情報裁定の機会」があると同氏は言った。同社は走行データを入手することが可能であり、運転と自動車のリスク特性を直接知ることができる。Teslaの保険を購入したい顧客は、「常軌を逸した運転をしない」ことを約束する必要がある」とし、できない人も保険には入れるが保険料が高くなるだけだと付け加えた。

保険のスタートアップであるRootなどは、オートパイロット機能のついているTesla車のオーナーに割引料金を適用している。

Teslaは第1四半期に予測より悪い7.02億ドルの損失を計上した。これは1株あたり4.10ドルに相当し、予想を下回る配車台数や、車両のコストと価格の調整などが同社を黒字への道から遠ざけた。

損失には1.88億ドルの臨時支出が含まれている。一時損失を調整するとTeslaの損失は4.94億ドル、1株当り2.90ドルになり、前年同期の3.35ドルより少ない。Teslaは組織再編およびその他の経常外費用によって、さらに6700万ドルの支出があったことを報告した。

Teslaの第1四半期売上は45億ドル、2018年第4四半期は72億ドルだった。営業キャッシュフローから資本支出を除いた数字は9.2億ドルの損失となり、前四半期の9.10億ドルの利益から下落した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Waymoがデトロイトの工場で自動運転車を生産

Alphabet傘下の自動運転車企業Waymoが、デトロイトのAmerican Axle & Manufacturingの敷地内の工場に自己のショップ(生産施設)を開設する。

米国時間4月23日のWaymoの発表によると、同社はAmerican Axle & Manufacturingとパートナーして、最近まで地元の部品サプライヤーの荷下ろし場として使われていた建物をリフォームする。その目標は、2019年半ばまでにその建物に移ってレベル4の自動運転車の生産のための準備を開始することだ。レベル4はSAEの定義によると、一定条件下で車両自身が運転のすべてを担当することだ。

州知事のGretchen Whitmer氏は声明でこう言っている。「Waymoが新しい工場をデトロイトに設立することを選んだことにより、同社は市の活性を維持継続し、自動車産業のリーダーであり先進的な自動車製造技術の発信地としてのミシガン州の地位をさらに確実なものにした」。

1月にMichigan Economic Development Corporation(ミシガン州経済開発公社、MEDC)は、同州にWaymoが自動運転車の製造工場を設立する計画を票決により承認した。MEDCはこのプロジェクトへの800万ドルの補助金も承認した。

WaymoはMagnaとパートナーしてこの工場で数千台の自動運転車を作る。それには、Jaguarの全電動車I-PACEの自動運転バージョンと、ChryslerのハイブリッドミニバンPacificaが含まれ、同社のライドシェアサービスの本格展開に起用される。

12月にWaymoはフェニックスで商用ロボタクシーの限定的なサービスを立ち上げ、それをWaymo Oneと呼んだ。

Waymo Oneの自動運転車とそのアプリは、Waymoが教育訓練した人間ドライバーの同乗を前提していた。しかし最終的には、安全のための人間ドライバーはいなくなる。最近このサービスは、利用者数を徐々に増やしている。

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タクシー配車DiDiが東京と京都でサービス開始、東京は当面迎車無料、PayPay決済も可能に

DiDiモビリティジャパンは4月24日、同社のタクシー配車プラットフォームサービス「DiDi」サービスエリア拡大を発表した。本日から東京と京都、2019年度中に北海道、兵庫、福岡などをはじめとする全国10都市でサービスを提供する。これにより、先行でサービスが始まっている大阪を加えて計13都市でサービスを利用可能になる。

東京と京都でのサービス開始に合わせて、東京ではアプリ内決済で迎車料金が無料、京都では初回利用時に1000円ぶんのクーポンがもらえるキャンペーンをそれぞれ実施する。

東京のキャンペーンは、23区と三鷹市、武蔵野市、そして成田空港が対象エリアとなり、DiDIアプリに登録したクレジットカードでの支払が前提となる。キャンペーンの終了はいまのところ未定なので、東京に限って言えば、当面は迎車料無料で使える点に注目だ。

京都のキャンペーンは、京都市(旧北桑田郡京北町区域を除く)、向日市、長岡京市、宇治市、八幡市、城陽市、京田辺市、木津川市、乙訓市、久世郡、綴喜郡、相楽郡が対象エリアとなり、東京と同様にDiDIアプリに登録したクレジットカードでの支払が前提となるが、京都の場合は事前にクーポンコードの入力が必要になる。

さらに、「DiDi」アプリを「Yahoo!乗換案内」のルート検索画面に表示され、そのままDiDiを起動してタクシーを呼ぶことが可能になる。さらには5月末に、コード決済サービスのPayPayにも対応。PayPayとは6月中旬以降にキャンペーンも実施する予定だ。なお、DiDiのPayPay決済はコードの読み取りや提示などが不要なオンラインの決済方法となる、

今夏には、DiDiの利用実績に応じて割引クーポンが貯まる会員プログラムも開始する。3段階のランクを設けて利用者の囲い込みを狙う。

大阪では5分以内に配車、到着時間1分以内にドライバーと利用者が出会える確率が63%という高い実績とのこと。調査会社が収集したアンケートでは、顧客満足度も高いとのこと。他社にはない、電話、メール、チャットの24時間365日のサポートも特徴。なお、中国語チャットサポートを提供するなど、中国からの観光客を強く意識している。

将来的にはドライバーに向けて、ヒートマップやユーザーの帰宅経路、乗車中の配車処理機能などを提供予定とのこと。

Teslaは独自開発の自律運転用新型チップを「世界最高」と誇示

TeslaのAutonomy Day(自律の日)イベントが始まり、同社の自律走行用ソフトウエアを走らせる新しいカスタムチップの詳細が発表された。Elon Muskはこれを「世界最高のチップ、客観的にね」と自慢げに呼んでいた。背伸びをしている感はあるが、完成したことは確かだ。

現在はFull Self-driving Computer(完全自律運転コンピューター、FSDC)と呼ばれているが、自律運転と安全確保を目的とした高性能な専用チップだ(製造はテキサスのサムスン)。競合他社のチップよりも性能が上回るのか、またどう優れているのかを判断するのは簡単ではない。もっと多くのデータが提示され、詳しい分析が行われるのを待ってからでなければ、なんとも言えない。

AppleのチップエンジニアだったPete Bannon氏は、FSCDの仕様を調べてこう話した。この数値は、ソフトウエアのエンジニアがこのプラットフォームで仕事をするためには重要だが、より高いレベルでさらに重要になるのは、自律運転特有の多岐にわたるタスクの要求を満たすことだと。

おそらく、自律走行車両に求められる機能のうち、ひとつ明確なものは冗長性だろう。FSCDでは、まったく同じ2つのシステムが、ひとつの基板の上に並んでいる。これにはすでに前例があものの、大きな決断だ。システムを2つに分ければ、当然のことながらパワーも半分になる。性能だけを重視するなら(たとえばサーバーなど)、決して行わないことだ。

しかし冗長性は、なんらかの原因でエラーが発生したりダメージを受けたときに効果を発揮する。異常のあるシステムは全体のシステムから切り離され、照合ソフトエアによって不良箇所を特定し通報できるからだ。その間も、正常なほうのチップは、専用の電源とストレージを使って異常とは関係なく動作する。もし、両方のシステムが故障するような何かが起きたときは、自律運転アーキテクチャーなど心配している場合ではないはずだ。

冗長性は自律走行車両にとっては自然な選択だが、それは、今日ニューラルネットワークで可能となった非常に高いレベルでの高速性と専門性によって、より好ましい選択になる。私たちが使っている普通のノートパソコンの汎用CPUは、グラフィック関連の計算が必要になるとGPUに教えを請うわけだが、ニューラルネットワーク用の特殊な演算ユニットは、GPUを超える。Bannon氏によると、計算の大部分は特別な数学的演算で、そこを支えることで性能は劇的に向上するという。

高速なメモリーとストレージを組み合わせれば、自律運転システムの最も複雑な処理を行う上でのボトルネックは大幅に低減できる。その結果として得られる性能は驚異的で、プレゼンテーションの間、TeslaのCEOであるイーロン・マスク氏が自慢げに何度も主張するほどだった。

「なぜ、今までチップ開発などやったことのないTeslaが、世界最高のチップを開発できたのか? しかしこれは厳然たる事実です。ほんのわずかな差で最高なのではなく、大きな差を付けての最高なのです」。

NVIDIAやMobileye、その他の自律運転関連のエンジニアからは、この出張にはさまざまな角度から異論が出るに違いないことを考慮すれば、話半分に聞いておくのがよいだろう。もしこれが世界最高のチップだったとしても、数カ月後にはこれを上回るものが出て来る。またそれとは別に、ハードウエアとは、そこで走るソフトウエアの性能以上の能力は発揮できないものだ(幸い、Teslaにはソフトウエア方面でも優秀な人材が揃っているが)。

ここで、OPSという専門用語をご存知ない方のために、簡単に解説しておこう。これは1秒間の演算回数を示す単位だ。現在は、10億とか1兆という桁で語られる。FLOPSもよく使われる言葉だ。こちらは1秒間に浮動小数演算が行える回数のこと。どちらも、科学演算を行うスーパーコンピューターの性能を語る上では欠かせない尺度だ。どちらかが低くてもう片方が高いということはなく、これらは直接比較することはできず、取り違えたりしないよう注意が必要だ。

【更新情報】まさにタイミングよくNVIDIAは、Teslaが示した資料の比較内容を「不正確」だと反論してきた。Teslaが比較対象としたXavierチップは、自動運転車のための機能を提供する軽量チップであり、完全自律運転のためのものではない。比較をするなら320-TOP Drive AGX Pegasusのほうがふさわしい。確かに、Pegasusは電力消費量が約4倍になるのだが。そのため、ワット数あたりの性能となれば、Teslaが、宣言どおり上回っていることになる(ウェブキャスト中にChrisが指摘してくれた)。

高速なコンピューター処理には、大量の電力が必要になる。トランスコーディングや動画編集をノートパソコンで行えば、45分で電池切れになるだろう。それが自動車で起きたら、かなり慌てる。当然のことだ。ただ嬉しいことに、高速化は別の効果ももたらしてくれる。効率化だ。

FSDCの消費電力は、およそ100ワット(1ユニットあたり50ワット)だ。携帯電話のチップほど低くはないが、デスクトップパソコンや高性能なノートパソコンのチップに比べれば低い方だ。たいていのシングルGPUよりも低い。自律運転車両用のチップの場合は、これよりも消費電力が高いものもあれば低いものもあるが、Teslaは、それらの競合チップとは違い、ワット数あたりの性能が高いと主張している。自律運転車両の開発は秘密裏に行われることが多いため、今すぐそれを詳しく検証することは、やはり難しい。しかし、Teslaのチップには少なくとも競争力があり、一部の重要な基準において競合他社製チップを大きく上回っていることは確かだ。

このチップには、二重化はされていないが(どこかでパスが合流している)、自律運転車両専用の機能があと2つある。CPUのロックステップとセキュリティーレイヤーだ。ロックステップとは、2つのチップのタイミングを正確に合わせて、まったく同じデータを同時に処理させるものだ。2つのチップの間で、または周囲のシステムとタイミングがずれてしまっては致命的な問題となる。自律走行車両の中のすべてのものは、遅延のない、非常に正確なタイミングに依存している。そのため、しっかりとしたロックステップ機能を組み込み、タイミングを監視させるのだ。

チップのセキュリティーセクションは、とくにハッキングの攻撃から身を守るための、命令とデータの暗号化を厳しく検査する。自律運転車両のすべての搭載システムがそうであるように、これも精密に作られ、いかなる理由があろうとも外部の干渉を受けないようになっている。人の命が掛かっているからだ。そこで、このセキュリティー・セクションは、たとえば歩行者がいるかのように車を騙す偽の視覚データなどの疑わしい入力データから、実際に歩行者を検知したたときも適切な警告を出さないよう改ざんされた出力データなど、入出力データを慎重に監視する。

Teslaがフル自動運転コンピューターを全新車に搭載、次世代チップも「完成半ば」

とりわけ驚いたのは、このまったく新しいカスタムチップが、Teslaの既存のチップと下位互換だということだ。そのまま置き換えることができて、コストもそれほどかからない。このシステム自体の原価がいくらなのか、消費者向けの価格はいくらなのか、正確なところは変動があるだろうが、「世界最高」のわりには、このチップは比較的安価だと言える。

その理由のひとつには、他社が採用している10nm以下のプロセスルールではなく14nmプロセスを採用している点が考えられる(いずれTeslaも微小化に進まざるを得ないだろうが)。省電力の観点からは、大きいよりも小さいほうがよく、すでに実証されたことだが、この世界では効率化が命だ。

マスク氏には申し訳ないが、より客観的な情報、本当に客観的な事実は、このチップと他社のチップをテストすれば判明することになる。それはともかく、わかったことは、Teslaはサボってなどいないこと、そして、このチップにはモデル3を公道に送り出す以上の力があるということだ。

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(翻訳:金井哲夫)

テスラがフル自動運転コンピューターを全新車に搭載、次世代チップも「完成半ば」

Tesla(テスラ)のCEOを務めるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、フル自動運転を可能にするために設計された新しいカスタムチップであるTesla Computerが、Model 3、X、Sの全新モデルに搭載されたことを同社主催のAutonomy Dayで語った。

Teslaは、NVIDIAの開発プラットフォーム「Drive」から自社製カスタムチップへの切り替えを、Model SおよびXは約1カ月前、Model 3は約10日前に行った。

「生産される車はすべて、完全自動運転に必要なハードウェア(コンピューターもそれ以外も)を備えている」とマスク氏は言った。「必要なのはソフトウェアをアップデータすることだけ」

次世代チップもすでに開発中だと同氏は付け加えた。現在のチップの設計は「1年半か2年くらい前」には完成していた。現在Teslaは次世代チップの設計を半分くらい終えている。

マスク氏は現行チップの話に集中しようとしていたが、後に次世代チップは現在の「3倍の性能」であり、約2年後に完成すると話した。

フル自動運転のソフトウェア要件は重要だ。現在のTesla車は完全自動運転とは考えられていない。すなわちSAEの定義する一定条件下で運転のあらゆる側面を人間の介入なしに処理できることを意味するレベル4指定ではない。

Tesla車は「レベル2」であり、現在道路を走っている車に搭載されているほとんどのものより高度な運転支援システムだ。マスク氏は、Tesla車の高度な運転支援システム(ADAS)は今後も改善を続け、最終的にフル自動運転という高い目標に到達することを約束している。

Teslaは、2種類の運転支援システムパッケージを顧客に提供している。オートパイロットとフル自動運転だ。オートパイロットは適応走行制御と車線維持を組み合わせたADASで、 新車には標準装備されている。車両の価格はオートパイロットが標準機能に追加されたことを反映して改定された。

フル自動運転(FSD)にはさらに5000ドルが必要だ(念のために言うが、真のフル自動運転ではない)。FSDは、SummonおよびNavigate on Autopilotからなり、後者はインターチェンジや車線変更を含め高速道路の入口から出口までを案内するアクティブ・ガイダンスシステムだ。ドライバーはナビゲーションシステムに目的地を入力したら、その経路の「Navigate on Autopilot」を有効にできる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「ライダーに依存する自動運転車に未来はない」とイーロン・マスクが主張

米国時間4月22日にTesla(テスラ)が初めて行った株主のためのイベント「Autonomy Day」で、イーロン・マスクCEOは記者からの質問にも答えたが、時間がなくてライダー(lidar)に関する質問には十分に答えられなかった。以前から彼はこの技術関して声高に述べることが多かったが、その中でも今回はいちばん明快だった。

彼はこう言う。「ライダーは無駄な努力だ。ライダーに頼っている人たちに明日はない。将来性がないんだよ。高価なセンサーだし、そもそもあんなものは要らない。高価な盲腸がたくさんある人と同じだ。盲腸は1つでも要らない。それを、たくさん身につけているんだ。滑稽だよね」。

彼のこの話の前には「テスラが発表したばかりの自動運転ハードウェアはライダーからのデータも扱えるか」という質問があった。テスラの車は現在、自動運転機能のためにいくつかのデータソースを使っている。それらはレーダー、GPS、地図、超音波センサーなどだ。でもテスラの一部のコンペティターと違って、ライダーはない。以前マスク氏は「ライダーは自動運転車用の松葉杖だ」と言ったことがある。テスラにとってはカメラが未来への鍵であり、マスク氏もカメラならどんな悪天候にも十分対応できる、と構想している。

AIのシニアディレクターであるAndrej Karparthy氏もステージに立って、世界は視覚的認識のために作られていると言った。彼によると、ライダーはプラスチックの袋とゴム製のタイヤを簡単に見分けられず苦労する。自動運転車がレベル4からレベル5の自動化のレベルを達成するためには大規模なニューラルネットワークの訓練と視覚認識能力が必要だと彼は言う。

Karparthy氏はこう述べる。「それをやってないという意味でライダーは実はショートカットだ。基本的ないくつかの問題と、視覚認識という重要な問題を避けている。進歩の錯覚を与えるが、実は松葉杖だ。とても早くからデモを見せられるけどね!」。

自動運転技術にライダーを採用しているUberやWaymo、Cruiseらは、悪天候や低照度の環境では今のカメラよりもライダーの方が見通し性がいいと主張する。しかし、高いし、相当な電力を食う。そこで、テスラはカメラに固執する。

同社は4月22日、同社の自動運転車用コンピューターの今の世代の機種について詳しく紹介した。それはテスラの既存の車種すべてで使用できる。ソフトウェアが完成したら、テスラのすべての車種が既存のセンサーセットで自動運転できるだろう、と同社は言う。そしてそのセンサーセットにはライダーが含まれていない。その代わり、テスラ車が搭載するセンサーは、これまでにすべてのテスラ車が集めたデータで訓練されたニューラルネットワークに依存する。

マスク氏曰く「全員がいつでもネットワークを訓練している。オートパイロットがオンでもオフでも、ネットワークは訓練されている。hardware 2以上の車種を運転しているときは常時、ネットワークを訓練している」。

「データの中には怖いものもある」とその後の記者会見でマスク氏はぼそっと言ったが、でも、ライダーに依存するほど怖くはないと言いたいのだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テスラが2020年に自動運転のロボタクシー展開を計画

Tesla(テスラ)は、2020年に自動運転車によるライドシェアサービスネットワークを展開するという大きなビジョンの一環として、初のロボタクシーを投入する見込みだ。CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏が、同社開催の自動運転に関するイベントで明らかにした。

「来年、Teslaの自動運転ロボタクシーが走行するようになると自信を持っている。各地で規制の承認は得ないので、全エリアでの展開ではない」とマスク氏は語り、ここでいう規制が何のことなのかには言及しなかった。同氏はまた、Teslaが来年には当局の承認を得ることに自信を持っているとも付け加えた。

Teslaは、Tesla車オーナーが適切な装置を取り付けたマイカーをTeslaのライドシェアアプリに加えることができるようにする予定だ。このビジネスモデルはUberAirbnbのものと似ている。そしてTeslaはそうしたライドシェアによる売上の25〜30%をとるとマスク氏は語った。車をシェアする人が十分にいないところではTeslaが専用のロボタクシー車両を展開するかもしれない。

マスク氏はTeslaネットワークと、Tesla車オーナーが自分の車両を配車アプリで稼働させることができるようにすることについて2016年から言及していた。

新しいTesla車両はすべてカスタムの完全自動運転コンピューターチップが搭載される、とマスク氏は4月22日のイベントで詳細を語った。マスク氏によると、このチップは完全自動運転のためのハードウェア必須要件を満たすもので世界最高のものだと豪語(Tesla車両は前向きレーダーやカメラなど、センサーの一式を備えている)。ライダーや光感知、測量レーダー、そしてほとんどのAV開発業者が必須と言っているセンサーも搭載していない。しかし同氏は、それらは無駄でいずれなくなる運命にあると主張している。

残りのステップはソフトウェアだ。これはマスク氏いわく、来年の半ばまでに機能は完成し、誰も注意を払う必要がないというレベルに達するとのことだ。

「我々の考えでは、1年後、いやおそらく1年3カ月後、来年には確実に100万台超のロボタクシーが走っている」とマスク氏は語った。「車両はソフトウェアのアップデートで対応可能になる。それで準備完了だ」。

同氏はまた幾度となく、完全自動運転とロボタクシー車両は当局の承認を要すると述べた。しかしながら彼は、どのような種の当局の承認が必要なのかは説明しなかった。連邦政府には自動運転車両を規制する法律はない。任意のガイドラインがあるだけだ。例えばハンドルやペダルをなくすなど車両がハードウェア的に変更されなければ、連邦政府がどのようにTeslaを規制するのかは不明だ。

もしかするとマスク氏は、配車ネットワークを規制する地方自治体や州の法律のことを言っているのかもしれない。繰り返しになるが詳細は不明で、もしTeslaが新たな情報を出したらアップデートする。

Teslaロボタクシーの充電は、展開準備を進めるにあたって同社が直面する数少ない課題の1つとなる。

マスク氏は、将来はロボタクシーが自分で家に帰り、自動で駐車・充電するようになると述べた。Teslaが2015年に発表したスネーク・チャージャーの生産バージョンにも少し言及し、似たようなバージョンがロボタクシーネットワークとともにマーケットに投入されることを明らかにうかがわせた。

イメージクレジット: Screenshot of Tesla presentation

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(翻訳:Mizoguchi)

月定額のマイカー賃貸サービス「カルモ」を展開するナイルが15億円を資金調達

月定額で自動車を保有できるサブスクリプションサービス「カルモ」を運営するナイルは4月22日、総額約15億円の資金調達を発表した。このラウンドのリードインベスターは、未来創生2号ファンドを運営するスパークス・グループで、ほかSBIグループ、AOKIグループなど複数の投資家を引受先として第三者割当増資を実施している。

ローンで車を購入するのと、レンタカーやカーシェアリングで一時的に車を借りるサービスとの中間にあたる、車をある程度の長期にわたって「賃貸」するサービス、それがカルモだ。

以前、本誌記事でも紹介しているが、カルモは月額定額料金でメーカー保証付きのディーラー新車に乗れる、個人向けのカーリースサービス。取り扱い車種は国産全メーカーのほぼ全車種を網羅。日本全国に納車が可能だ。

カルモでは、1年から9年の賃貸期間、車種や契約期間によるが月額1万数千円からの定額で利用できる。料金には税金などの法定費用が含まれ、オプションで、返却時の原状回復費用補償や車検整備、消耗品交換などのメンテナンスも月額払いで受けられるプランもある。2019年2月には事前に契約しておくことで、リース契約満了後に乗っていた車がもらえるオプションも加わった。

自家用車を家のように賃貸する「カルモ」

ナイルは2007年1月に、当時大学在学中だった代表取締役社長の高橋飛翔氏により設立された(当時の社名はVOLARE)。設立からしばらくは、ウェブソリューションやSEOなど、法人向けのデジタルマーケティング事業を展開してきた。その後「Appliv」などのインターネットメディアをスタート。さらに2018年1月、個人向けの自動車サブスクリプションサービス、カルモをリリースし、最近では個人向けサービスにも注力している。

車好きの両親の影響もあって、幼い頃から車が好きだという高橋氏。実は2012年のAppliv立ち上げのときにも車に関するサービスを検討するほど、自動車関連事業については注目をしてきたそうだ。カルモ立ち上げのきっかけも、車好きの実家の両親が「ヤフオク!」で自動車を買おうとしていたことに衝撃を受けたことから。「実物を見ないで買うような時代になっている」と驚いたという。

「既存で展開してきたサービスからは、カルモは不連続なサービスに見られることが多いが、デジタルマーケティングで社会を良くするのがナイルの使命。ソリューションサービスに加えて、世の中に残る事業を作り、社会を良くしたいと始めたのがカルモだ」(高橋氏)

高橋氏は「モビリティの分野はこれから10年は伸び続ける革新的な分野だが、プレイヤーは日本ではまだ少ない」として、「今までになかったものができる」と考えている。

この分野で今注目されているサービスとして、高橋氏が挙げるのは「コネクテッドカー」「自動運転」「電気自動車」そして「シェアリング」の4ジャンルだ。

大手メーカーやGAFAが手を付ける前者3ジャンルはさておくとして、高橋氏がはじめに着目したのはカーシェアリングだった。しかし「自家用車のシェアリングは、日本では(適法な状態での)解禁はまだ見込みがない。また人口が密集していない地方では、損益分岐点が高く採算が取れず、サービス展開が現実的でない」と分析。

その“地方”に目を付け、「車のサブスクリプションサービス」ならニーズがある、と踏んだ。

「地方は都市設計的に車が必要なようにできている。地方での人口1人あたりの自動車(乗用車)の所有率は60%以上で、まさに必須アイテムだ。となれば、車の所有の概念を変えた方がいい」そう考えた高橋氏は、自家用車を家のように賃貸するサービス、カルモを立ち上げた。

ナイル代表取締役社長 高橋飛翔氏

「スマホのように車が持てる」世界を目指す

他の領域でもサブスクリプションモデルのサービスが注目を集める中で、利用者を着実に増やしているカルモ。月額固定の料金設定に加えて、オプションとして提供されているメンテナンスサービスも評判となっているそうだ。

メンテナンスに関しては、車検や修理を取り扱う自動車整備工場やガソリンスタンドなどからも、経営が苦しい中でのクロスセル商材として注目されているという。

利用の80%は地方で、7年以上の契約が多数を占める。「カーローンの返済期間設定は3〜5年がほとんど。だけど地方では同じ車に7年、8年、9年と長く乗る人が多く、実は利用者のニーズを外している。7年とか9年の契約なら、リースでも月当たりの金額は十分減らすことができる」(高橋氏)

サービス開始から1年3カ月で、カルモは累計申込数が約3000件に達した。高橋氏は「このサービスはより伸びるという感触を得た」という。既存事業は順調で「資金調達しなければ困るという状況にはない」という同社だが、あえて調達を行い、投資によりさらにカルモの成長を加速させる考えだ。

カルモは現在は新車のみの扱いだが、今年の初夏をめどに、中古車版カルモの立ち上げを目指している。「地方で車が必須アイテムなのだとすれば、対象を中古車にも展開することで利用料金を引き下げ、より拡大が目指せる」と高橋氏。中古車買取事業者などとの提携により、全国でサービスを展開し、数万台の在庫から選べるようにしたいという。

「必需品として、スマートフォンの分割払と月額利用料を合わせた金額ぐらいで車が持てるようになれば。中古車版カルモなら、月額7500円ぐらいからの価格設定も実現可能ではないかと見込んでいる。サービスが広く地方にも利用されるようになったところで、『シェアリング機能付き』サービスなども展開して、より低料金で誰もが利用しやすいサービスにしていきたい」(高橋氏)

テスラは役員数を2020年までに大幅に減らす

米証券取引委員会(SEC)が4月19日公開した書類によると、Tesla(テスラ)は2020年までに役員の数を3分の1ほど減らして7人とする。この削減には、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏の初期アドバイザーや盟友の何人かが含まれる。

この書類は、Teslaにとって忙しくなりそうな週が始まる前に明らかにされた。4月22日には自動運転車両テクノロジーの進歩にフォーカスしたイベントが開かれ、4月24日には四半期決算発表、そしてマスク氏のTwitter使用による法廷侮辱をめぐってマスク氏とSECが問題解決に至ることができるかどうかが決まる判事によるヒアリングがある。

長らく役員を務めているBrad Buss氏と、独立取締役として2年前に役員会に加わったLinda Johnson Rice氏は今年、再任について模索しないようだ。2人の任期は次の株主総会で満了となる。役員会は委任の書類で2人の後任は置かないとしている。

Antonio Graciasの任期は2020年に切れ、そしてベンチャーキャピタリストSteve Jurvetson氏も2020年に役員会を去る見込みだ。

役員会に独立取締役を加え、Teslaとマスク氏のSECとの昨年の和解合意に従うというのが最新の役員会の動きだ。和解では、Teslaは独立取締役2名を役員会に加え、マスク氏が会長職を3年間離れることに同意していた。

昨年12月、Teslaは役員会に2人の独立取締役を加えた。Oracleの創業者で会長・CTOのLarry Ellison(ラリー・エリソン)氏と、Walgreensの取締役Kathleen Wilson-Thompson氏だ。

マスク氏の初期アドバイザーであるJurvetson氏は今月、休職から役員会に戻ったばかりだ。Jurvetson氏はDraper Fisher Jurvetsonでのパートナー職辞任に伴い2017年からTeslaとSpaceXを休職していた。

Jurvetson氏はアーリー・ステージベンチャー企業Future Venturesを立ち上げていて、2億ドルを調達したことを最近発表した。Ira Ehrenpreis氏とKathleen Wilson-Thompson氏は2019年の株主総会での再選候補となっている。

SECとの和解合意は、マスク氏が昨年8月に1株420ドルで会社を非公開とするための「資金は確保した」とツイートしたことに端を発した問題の結果だ。SECはマスク氏が嘘をついたと9月に連邦地方裁判所に告訴した。

マスク氏とTeslaは悪行を認めることなくSECと和解し、Teslaは罰金2000万ドルを払うことに同意した。マスク氏はTeslaの会長職を少なくとも3年間離れることに合意しなければならなかった。そしてTeslaはTwitterなどを含め、マスク氏の社会に向けた会社に関する発信をモニターする方策を講じることも求められた。

マスク氏とSECの関係は緊張状態のままだ。マスク氏は何度も公然とSECを馬鹿にするなど、折に触れてTwitterでSECをあからさまに批判してきた。和解合意に至った後ですらもだ。SECはマスク氏の2月のツイートが和解条件に違反したとして、マスク氏を法廷侮辱罪に問うよう裁判所に求めている。

イメージクレジット: Justin Sullivan

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(翻訳:Mizoguchi)

Uberの自動運転部門がスピンアウトを前にトヨタやソフトバンクから1100億円超調達

Uberは、トヨタや自動車部品メーカーのデンソー、ソフトバンク・ビジョン・ファンドから計10億ドル(約1119億円)を調達し、自動運転部門をスピンアウトすることを明らかにした。

自動運転部門のスピンアウトは昨年10月ごろから推測されていたことだった。このスピンアウトは、Uberの主要事業から利益を上げていない部門を切り離して損失を縮小するのに貢献する。そしてUberのAdvanced Technologies Group(Uber ATGとして知られている)が、自動運転車両をマーケットにもってくるという難しい課題に専念することにもつながる。

今回の資金調達により、Uber ATGの企業価値は72億5000万ドル(約8114億円)になるとUberは発表した。出資の内訳は、トヨタとデンソーが6億6700万ドル、ビジョンファンドが残る3億3300万ドルを拠出する。

この出資は今年第3四半期に完了する見込みで、これは間もなく行われるUberのIPOにおいて投資家に新たな展望を提供する。Uberは2018年に18億5000万ドルの損失を計上していて、自動運転車や空飛ぶ車といった「ムーンショット」にかかったR&D費用4億5000万ドル超は損失の数字を大きなものにした。そうした資金を多く必要とするR&D部門を新会社として切り離すのは、Uberの決算数字を実際的なものにするのに役立つ。しかし明らかに損益ゼロもしくは収益化にたどり着くのは簡単ではない。

それでもなお、そうした数字はUberの勢いをくじくものではない。Uberは1世代に1社出てくるかどうかという企業として見られている。IPOで100億ドルほどを調達すると予想され、これにより企業価値は900〜1000億ドルになると報道されている。Uber ATGのスピンアウトそのものと同様、今回出資する3社の顔ぶれは驚きではない。

ビジョンファンド(そして親会社のソフトバンク)は2018年1月にクローズしたディール以来Uberをサポートしていて、一方のトヨタも昨年8月にUberに5億ドル出資している。トヨタとUberは自動運転車両のSiennaを2021年までにUberのサービスに投入すべく、ともに取り組んでいる。さらに協力関係を示すものとして、ソフトバンクとトヨタは合同で自動運転車両を使ったサービスを日本で展開する準備を進めている。

この2社はまた、Uberが株式の23%強を持つ東南アジアの配車サービス会社Grabも支援している。ソフトバンクは2014年から投資していて、トヨタは昨年10億ドルをGrabに出資した。この投資は配車サービス業界では最高額とされた。

「Uberグループで培われたテクノロジーとサービスネットワークに、トヨタグループの車両制御技術と量産ノウハウ、高度安全運転支援のガーディアンシステムを融合させ、より安全、かつ高品質で低コストの自動運転ライドシェア車両の実用化を目指す」とトヨタのコネクティッドカンパニーを率いる副社長の友山茂樹氏はプレスリリースで述べた。

以下にUberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏の短いツイートを掲載する。

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(翻訳:Mizoguchi)

電動スクーターが2018年の全マイクロモビリティ移動の45.8%を占める

米国の都市交通全国協会(NACTO)によると、電動スクーターのシェアリングが自転車のシェアリングに取って代わろうとしている。2018年にあった8400万回ものマイクロモビリティ移動のうち、3850万回がスクーターによるものだった。

その他の4550万回は、ステーションベースあるいはドックレスの自転車によるものだった。ステーションベースの自転車の利用は3650万回で、2017年から9%の増加となった。前年に比べ2倍以上の移動がマイクロロビリティでのものだった。

「都市部の通りで展開されている新たなシェアリング用の多くの乗り物を管理するのは大変だ」とNACTOの戦略担当ディレクターのKate Fillin-Yeh氏は声明で述べた。「ベンダーから得られる情報はムラがあり、システムを規制したり、いいポリシーを作成するのは難しい。設備の大半は新しく、大規模にテストされていない。そして不確かな経済見通しにより、マーケットは目まぐるしく変化している。最も成功しているシェアリングマイクロモビリティのシステムは都市と手を携えて計画されてきた。都市が持続可能で、安全な移動へとシフトを促す交通手段を創造することを手伝うのを楽しみにしている」。

ステーションベースの自転車は昨年より利用が増えた一方で、NACTOはドックレス自転車の利用減は電動スクーターの影響によるものだろうとしている。ドックレス自転車は「シアトルでまだ使われていることをのぞき、その多くが通りから消えてしまった」とNACTOは書いている。これは、NACTOが2019年もドックレス自転車の利用が減ると予想している理由の1つだ。

Citi BikeとFord GoBikeを買収したLyftにとってこれは素晴らしいニュースだ。しかしドックレス自転車シェアリングのスタートアップJUMPを昨年初めに買収したUberにとってはよくないものとなる。

イメージクレジット: Armen Chlchatian / EyeEm / Getty Images under a Armen Chlchatian / EyeEm license.

 

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(翻訳:Mizoguchi)

アウディの自動運転車はアップルとニコンの出身者が作ったAevaのセンサーを採用

Audi(アウディ)の自動運転車部門は、ユニークなライダー(LIDAR)を開発しているスタートアップと手を組んだ。自律走行可能なSUVタイプの電気自動車、e-tronに搭載して、ミュンヘン市内でのテストを拡大する。

Audiの子会社となっているAID(Autonomous Intelligent Driving)は、Aevaによって開発されたライダーセンサーを採用したことを、水曜日に明らかにした。AevaはAppleとNikonの出身者によって、わずか2年前に設立されたスタートアップだ。

Aevaは、カリフォルニア州のマウンテンビューを拠点とする会社で、Soroush Salehian氏とMina Rezk氏によって設立された。同社が開発した「4Dライダー」は、距離はもちろん、かなり遠くのものまで瞬間速度も計測できる。また太陽光や他のセンサーによる干渉を受けないのも特長だ。「4D」というネーミングはともかくとして、この技術には説得力がある。

ライダー(「ライト」と「レーダー」を組み合わせた造語)は、光線によって距離を測定するレーダーの一種だ。勃興する自動運転車業界では(Teslaは例外だが)重要かつ不可欠なセンサーと考えられている。そして何年もの間、その市場はVelodyneの独壇場だった。

今日では、Velodyneよりも高解像度で精度も高く、そのうえ低コストのセンサーを提供するためのブレークスルーを実現したと主張する何十ものライダーのスタートアップが登場している。これはかなり大胆なチャレンジだ。特に大量生産を可能にするのは難しい。

伝統的なライダーセンサーは、可視光のスペクトルの外にある高出力の光パルスを送出し、そのパルスが戻ってくるのにかかる時間を計測することで、距離を特定することができる。パルスが戻ってくると、そのパルスを反射した物体の方向と距離が記録され、測定結果から3次元のマップが生成できる。

Aevaによれば、同社のセンサーは連続的な低出力レーザー光を放射する。それにより、フレーム内のポイントの瞬間速度を、最長で300メール先まで計測できるという。言い換えれば、Aevaのセンサーは、物体までの距離、方向、そしてその物体がセンサーに近づいたり遠ざかったりする速度までも測定できるのだ。

これは、歩行者、自転車、他の車など、さまざまな速度で移動する物体が存在する環境で運行される自律走行車にとって、有効な知覚機能となる。

Aevaは、Lux CapitalやCanaan Partnersといった投資家の支持を受けている。同社のセンサーは、他のセンサーや太陽光による干渉とは無縁である、という大きな特長も備えているとされる。

AevaのセンサーがAIDのCTO、Alexandre Haag氏を納得させたのは、このように長距離の測距、毎秒何センチという精度での瞬間速度の計測、そして干渉に強いという特長を兼ね備えていたからだ。

Aevaのセンサーは、Audiと、その親会社のVolkswagen(フォルクスワーゲン)による、過去18か月に渡る検証プロセスを通過した。今回の発表は、AevaがAudiの自動運転車事業における重要なハードルを乗り越えたことを確認するものだ。Aevaのセンサーは、すでにミュンヘン市内を走行中のAudi e-tronの開発用車両に搭載されている。Audiでは、都市部での移動サービス用として、自動運転車を今後数年以内に供給することを計画している。

もし干渉の影響を受ければ、3次元のマップ上に、ランダムな点が次々に出現してしまうことになる。ライダーが直接太陽の方に向けられた場合や、同じクルマに複数のセンサーが取り付けられているような場合、その可能性は否定できない。ライダーのメーカーは、いろいろな干渉パターンを防ぐために、さまざまな手法を考案してきた。また自動運転車のメーカーも、太陽や雪の影響による干渉の問題を把握していて、それによって発生する異常値を無視するようなアルゴリズムを開発している。

Salehian氏も、やはり干渉は重大な課題であると主張している。

規模に合わせて開発したり、大規模に利用される製品を設計するという課題について言えば、それは単にどれだけ容易に製造できるかという問題ではない、とSalehin氏は強調する。「そうしたものをずらっと並べて使うときでも、完全に協調して動作するようにしなければならないということです。そのような車を何十万台も作るとなれば、それは一大事なのです」。

画像クレジット:Aeva/スクリーンショット

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

WaymoがロボタクシーのアプリをGoogle Playで公開

自動運転車のWaymoは、より多くのフェニックス住人にサービスを提供するため、自社の配車アプリをGoogle Playストアで公開して広く使えるようにしようとしている。

Alphabet傘下のスピンアウト企業であるWaymoは昨年12月、フェニックスエリアでWaymo Oneと呼ばれる限定商業ロボタクシーサービスを立ち上げた。Waymo One自動運転車サービスと専用のアプリは、アーリー・ライダー・プログラムに参加していたフェニックスの住人だけが利用できた。

テクニカル的には、WaymoAndroidiOSのアプリをしばらく有していた。しかしサービスに興味を持っても、Waymoのウェブサイトで申し込んだ後でなければアプリにアクセスできないようになっていた。アーリー・ライダー・プログラムへの参加が許可されると、デバイスにアプリをダウンロードするためのリンクが送られてくる。

20174月に始まったアーリー・ライダー・プログラムの参加者数は、前回Waymoが公表したところでは400人超だった。Waymoは、何人がWaymo Oneサービスに移ったかについては「数百人が使っている」とだけしか明らかにしていない。

そしていま、Waymo OneGoogle Playでの公開で、同社は門戸を広げようとしている。しかしそれでもまだサービスには制限がある。

アンドロイド端末を所有している興味のある人は、アプリをダウンロードできる。しかし、UberLyftのような従来の配車サービスとは異なり、Waymo Oneではユーザーがすぐにアクセスできるというわけではない。その代わり、許可される可能性のある人はウェイトリストに加えられる。そして一度受け入れられれば、ユーザーはアプリで乗車をリクエストできるようになる。

こうした新規顧客はWaymo Oneの前に、まずWaymoのアーリー・ライダー・プログラムに案内される。これは重要な点だ。なぜなら、アーリー・ライダー・プログラム参加者は秘密保持契約に署名しなければならず、ゲストを連れてくることはできないからだ。そうした新たな利用者は最終的にWaymo Oneに案内されることになる、と同社は説明している。Waymo Oneの利用者はゲストを招待したり、写真やビデオを撮ったり、乗車体験について語ったりすることができる。

火曜日のブログ投稿でWaymoは「この2つのサービスは深く結びついている。というのも、アーリー・ライダー・プログラムでのフィードバックから学ぶことが、Waymo One利用者に提供する乗車体験を形成するのに役立つからだ」とした。

Waymoは、2016年にチャンドラーなどの郊外で自動運転のChrysler Pacificaミニバンのテストを開始して以来、フェニックスでの商業展開に向けてそっと歩みを進めてきた。

2017年、Waymoはアーリー・ライダー・プログラムを立ち上げた。同じ年に同社はまた、空の自動運転車での公道試験を開始した。

Waymo20185月に一部のアーリー・ライダーが、テストドライバーなしのミニバンを呼び出せるようにした。直近では、バス停や電車・ライトレールの駅に人を輸送することにフォーカスしたパブリック・トランジット・プログラムをフェニックスで開始している。

イメージクレジット: Waymo

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(翻訳:Mizoguchi)

米国の電気自動車の新規登録台数は昨年の2倍となる20万8000台

IHS Markitの分析によれば、米国で電気自動車が占める割合は自動車市場全体から見ればまだ小さいものの、着実に増え始めているという。

IHSが米国時間4月15日に発表したところによると、2018年に米国では20万8000台の電気自動車が新規登録された。これは2017年の2倍以上にあたる。

電気自動車の成長は、ZEV(ゼロエミッション車)プログラムに署名しているカリフォルニア州などの10州に集中している。カリフォルニア州は最初にZEVプログラムの実施を開始した州で、州の規制により自動車メーカーは電気自動車と電気トラックを販売しなくてはならない。コネチカット州、メイン州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、オレゴン州、ロードアイランド州、バーモント州もZEVプログラムに署名している。

カリフォルニア州の2018年の電気自動車の新規登録は95,000台で、米国全体のほぼ46%にあたるとIHSは述べている。米国で登録されている電気自動車のうちカリフォルニア州が59%を占めている。

今後2年間で市場に登場する電気自動車はさらに増え、すでに購入しているオーナーも電気自動車を使い続けると考えられることから、登録台数も増えると予想される。

最近のIHS Markitの分析では、2020年には米国で35万台以上の電気自動車の新車が販売されると見られている。これは米国全体の2%にあたる。2025年までに販売台数は1100万台以上、シェア7%と予想されている。

Inside EVsの推計によると、今年これまでに米国で最も売れた電気自動車はテスラModel 3で、これにシボレー・ボルトEV、テスラModel X、テスラModel S、日産リーフが続く。キアのNiro EVやヒュンダイのKona EVなど、新しい電気自動車も市場に登場している、あるいは今後数カ月以内に登場する予定だ。スタートアップのRivianは2020年に生産を開始する見込みだ。

IHS Markitの自動車関連アナリストのDevin Lindsay氏は発表の中で「電気自動車の急速な普及は、今後10年間に予想される成長の始まりだ。テスラModel 3など比較的成功しているモデルは市場で成熟しているが、ほかの歴史の長い自動車メーカーはこれまでのように電気自動車を1モデルだけ出すのではなく、電気自動車のプラットフォームで複数のモデルを出すようになるだろう」と述べている。

IHSの分析では、2018年第4四半期中に市場に戻った新規の電気自動車オーナー全体のうちほぼ55%が電気自動車をもう1台取得(購入またはリース)していて、これは直前の四半期の42%よりも増えているという。

Image Credits:Tesla

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(翻訳:Kaori Koyama)

Lyftが空港での客待ち改善に「タクシー行列」を復活

ライドシェアリング会社と空港の間には、常に難しい関係がある。UberやLyftに乗ろうとする客は、駐車場歩き、間に合わせの掲示に従ってどこかの乗車位置を探さなくてはならない。一方そこには慌ただしい空港で客の到着を待つ車があふれている。

Lyftは、乗客とドライバーを引き合わせる新しい方法をサンディエゴ空港で試行している。これはLyftの行列だが、相乗りサービスではなく実質的にはタクシーの待ち行列だ。

決められたドライバーを探す代わりに、Lyftを利用しようとする乗客は、空港の物理的な待ち行列に並びドライバーとリアルタイムでマッチングされる。行列の先頭にきたらドライバーに4桁の数字を見せれば、乗客とドライバーがマッチングされてすべてが動き出す。

ありとあらゆる新しいことを試してきた会社が、昔のやり方に落ち着くのはちょっとおかしいが、実際これは誰もが同じ場所から乗ろうとするレアなケースであり、複数の場所でピックアップすればすべてが遅くなり、遅刻したり場所を間違える乗客を待つLyftドライバーが立ち往生するなど、交通整理が困難になる。

これに、タクシー会社がLyftとUberに楽をさせないために空港に圧力をかけ、ピックアップ場所を遠くに追いやってきた事実を考え合わせると、関係者全員が楽できるうまい方法かもしれない。

これはライドシェアリング利用者にとって普段とは少し違うやり方なので、Lyftはサンディエゴ空港第2ターミナルに社員を派遣して乗客を待機場所まで連れて行く予定だ。スタートは5月半ばなので、果たしてこれがうまくいくか、他の空港にも適用されるのかはまだ判断できない。しかし、LyftとUberには、みんなが楽になる方法を発見してくれることを期待したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Birdが今後ヨーロッパの50以上の都市で電動スクーターを展開

Birdがさらに50以上のヨーロッパの都市で電動スクーターを展開すると発表した。

米国でスタートしたBirdは、1年足らず前にヨーロッパへの進出を開始した現在はパリ、ブリュッセル、ウィーン、チューリッヒなどのヨーロッパの都市で事業を展開している。今回の発表で、ヨーロッパでの拠点は10倍以上になる。

BirdのCEOであるTravis VanderZanden氏は、発表の中で次のように述べている。「世界的な企業やブランドは、経済の完璧な公式と、成長とスケールのための能力を持っている。Birdがグローバルに展開するにあたり、私たちは卓越した革新と、利用者、地域、都市へのコミットメント、そしてオペレーショナルエクセレンスを示しながら、爆発的な将来予測値を生み出していく。この公式には大きな影響力があり、私たちの都市や地域社会をもっと住みやすいものにするという私たちの使命を前進させていくだろう」

およそ1カ月前、Birdは従業員の4〜5%を解雇した。これはBirdが年に1回実施している業績評価プロセスの一環であり、解雇されたのは米国拠点の従業員のみだった。解雇された人たちは医療給付を含めた退職手当の対象となった。

Birdはこれまでに4億ドル(約448億円)以上の資金を調達しており、さらに3億ドル(約336億円)を調達中と見られる。

Image Credits:Justin Sullivan / Staff / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

Uberが2018年に自動運転とeVTOLの開発に使った費用は512億円

4月11日にUberが提出したIPO趣意書によると、同社は昨年、自動運転、空飛ぶ車(eVTOLとして知られる)、その他の「テクノロジー・プログラム」の研究開発に4億5700万ドル(約512億円)を費やし、未来的なテクノロジー(まだしばらくは人間のドライバーに頼ることが予想されるが)に今後も集中的に投資を続ける。

UberのR&D費用は、自動運転車両部門であるUber ATGで発生している。同部門内のeVTOL部署Uber Elevateと他の関連するテクノロジーで、R&Dコスト全体の3分の1を占める。Uberの2018年のR&D費用は15億ドル超だった。

Uberは木曜日にS-1書類を提出したが、そこには来月株式公開する同社の基本的な考え方が示されている。この書類提出は、競争相手のLyftが上場デビューしてから1カ月もたたずに行われた。Uberはニューヨーク証券取引所にティッカーシンボル「UBER」で登場する見込みだが、公開価格はまだ明らかにされていない。

長期的にみて自動運転車両(AV)は株式公開の重要な部分を担うとUberは確信している。すなわち、AVは安全性を高め、乗車体験をより効率的なものにし、顧客が払う運賃を下げると考えている。

しかしUberは、どのように、そしていつ自動運転車両を展開するのかについてはIPO趣意書では慎重なトーンで記している。前CEOのTravis Kalanick(トラヴィス・カラニック)がAVを同社事業が抱えているリスクと呼んだ、Uber ATGの初期とは大きな差だ。

Uberは、「ハイブリッド・オートノミー」の長い期間があり、当面同社の主要事業は人間のドライバーに頼り続けるだろう」と主張している。たとえ、自動運転タクシーが展開されても「現在の交通、複雑なルート、異常な気象条件を含む」状況に対応するために人間のドライバーがまだ必要だ、としている。人間のドライバーはまた「十分に利用できる状態で、フル自動運転となっている車両が対応しきれない」コンサートやスポーツイベント、その他のかなりの需要を伴うイベントで必要とされるだろう、とUberはS-1書類に書いている。

以下にS-1書類からの抜粋を示す。

来るべき自動運転車の将来に向けては、ハイブリッド・オートノミーの長い期間があり、その期間中、自動運転車両は特異な利用ケースで徐々に展開される一方で、ドライバーが消費者の需要の大半に対応し続けると考えている。特異な自動運転車両の利用ケースを解決してから、我々は実際に自動運転車両を展開する。

Uberは、ハイブリッドオートノミーは人間のドライバーと自動運転車両が共にプラットフォームにあるというやや奇妙な過渡期のバランスを取るのに最適だ、と主張している。

「ゆえにドライバーは必須で、他社にはないアドバンテージであり、長期的に我々の大事なパートナーであり続ける」と書いている。

Uberの予想や控えめなトーンにかかわらず、同社は自動運転車両を前に進めている。

Uber ATGは2015年にピッツバーグでCarnegie RoboticsとCarnegie Mellon Universityからの研究者わずか40人で設立された。しかし今日ではUberATGはピッツバーグに加え、サンフランシスコ、トロントにもオフィスを構え、1000人超の従業員を抱える。

UberはS-1のリスク要因セクションに、自動運転車両テクノロジーの開発や商業展開ができないかもしれない、または競争に敗れるかもしれず配車・配達事業を脅かすかもしれない、としたためている。

自社にとっての最大の脅威についてのUberの見方は特に興味深い。Uberは競合する可能性のある12社近くの名前を挙げた。そこにはWaymoやGM Cruise、Zooxといったお馴染みの企業から、May MobilityやAnthony Levandowskiの新会社Prontio.ai.など、あまり知られていないスタートアップも含まれている。そのほかS-1に名前が挙がっているのは、Tesla、Apple、Aptiv、Aurora、Nuroだ。Fordの子会社Argo AIはリストにはない。

ATGはこれまでに250台以上の自動運転車を製造し、Volvo、トヨタ、Daimlerの3社と提携している。これは、UberのAVに対する複数の戦略を示している。

UberはVolvoと最初の契約を結んだ。2016年8月に発表された合意では、UberはVolvoの車両を所有し、そこにAVテックを搭載して、自社ネットワークで展開する計画だ。

Daimlerとの提携はまったく正反対だ。2017年1月に発表されたこの提携では、Daimlerは同社のAV車両をUberのネットワークに提供することになっている。これはLyftのAptivとの提携に似ている。

最後にトヨタだ。2018年8月に発表された比較的新しいこの提携はVolvo、そしてDaimlerのケースを合わせたようなものだ。Uberは、自社のAVテクノロジーをそれ用につくられるトヨタ車に統合してネットワークで展開することを想定している、と話している。

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(翻訳:Mizoguchi)

UberのIPOでトラヴィス・カラニック氏はビリオネアに、1000億円価値の株を保有

Uberの共同ファウンダーTravis Kalanick(トラヴィス・カラニック)氏は、2017年に会社を辞めたが、5月に予定されている同社のIPOで数十億ドルを手にする見込みだ。

ライドシェアリングの巨人は米国時間4月11日午後にS-1書類を提出し、ニューヨーク証券取引所でティッカーシンボル「UBER」として取引される計画であることが正式にわかった。同社は目標とする評価額を公表しなかったが、100億ドル前後の株式を売る計画だと言われている。

この提出書類によって、Uberの主要株主たちに注目が集まった。カラニック氏は同社の公開前株式の8.6%を保有しており、これはIPO後の評価額を1000億ドルと仮定すると、約90億ドル(1000億円)の価値に相当する。

Uberはこれまでに200億ドル近い資金を、借入れおよび株式発行によって調達しており、新規株式公開前企業として最も資本の多い企業とされている。同社のIPOは米国史上8番目の規模で歴史的であるとAxiosが報じている

申請書類によると、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが公開前株式の16.3%を保有している。その他の主要株主には、Benchmark(11%)、Uber共同ファウンダーのGarrett Camp氏が設立したスタートアップ・スタジオ、Expa(6%)、サウジアラビアの公共投資ファンド(6%)、およびAlphabet(5.2%)らがいる。

申請書類には書かれていないが、Uberの初期株主たちもこのIPOで大金を稼ぐことは間違いない。Menlo Ventures、Lowercase Capital、First Round Capital、および多数の個人投資家がいる。

UberがIPOを申請、評価額は11兆円超えか

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

UberがIPOを申請、評価額は11兆円超えか

UberはS-1書類を提出し、来月の上場に向けて舞台を整えた。ライバルのLyftが公開市場にデビューしてからまだ1カ月も過ぎていない。

Uberは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)にティッカーシンボル「UBER」で登場する予定だが、想定IPO価格はまだ明らかにされていない。Uberは希望評価額を表明していないが、これまでの報道によればUberは100億ドル相当の株式を発行する計画で、評価額は900億~1000億ドルになる見込みだ。

提出資料によると、Uberの2018年決算は売上112.7億ドル、純利益9.97億ドル、調整後EBTTDA損失18.5億ドルだった。これは以前Uberが財務状況を公表したため、すでに知られていた数字だ。

なお、Uberの財務状況を目にするのはこれが初めてではない。過去数年間、Uberは多くの数値を公表してきた。非上場企業として最後となった2月の報告で、Uberは2018年Q4の売上30億ドルおよび営業損失の増加を公表した。

ライドシェアリングに限ると、Uberの売上は2016年の35億ドルから、2018年は92億ドルに増え、ブッキング総額は415億ドルに達した。

Uberのライドシェアリング、新モビリティー、およびUber Eatsの2018年Q4月間アクティブプラットフォームユーザー数は9100万人。そこから生まれた総利用回数は15億回だった。

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UberのS-1には多くの情報が詰め込まれているので、その他の興味深い点をざっと紹介する。

  • 2018年Q4にUberでは、月間アクティブプラットフォームユーザー1人あたり5.5回の乗車があった。
  • Uber Eatsは同四半期ブッキング総額の18%を占め、これはライドシェアリングのブッキング総額よりも多かった。
  • 2018年のライドシェアリング利用総数は34%増加したが、ブッキング総額は1%減少しした。

主要な株主がどれほどの金額を手に入れるのかは明らかにされていないが、Uber共同ファウンダーのTravis Kalanick氏は8.6%、1.175億株を持っている。その他の著名な株主にCayman 2 LtdとAlphabetがいる

ライバルのLyftは3月にS-1書類を提出し、2018年の損失は10億ドル近く、売上は21億ドルだった。ブッキングは81億ドルで、乗客数3070万人、ドライバーは190万人だった。その約一週間後、LyftIPO価格を6268ドルの範囲に設定し、最大21億ドルの調達を目標にした。NASDAQにデビューした後、Lyft株は上場当日に10%近く急騰した後、苦戦を強いられている。

Travis Kalanick stands to make billions from Uber’s IPO

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook