Uberの空飛ぶタクシー、料金がどれくらいになるか最新情報

Uberは、空飛ぶタクシー事業についての情報共有を目的とした大規模な会議Uber Elevateを今日8日からロサンゼルスで開いている。この事業についてよく知らない人のために説明すると、Uberは2020年に垂直離着陸可能な機体のテストフライトを実施し、最終的には2023年に商業運転を開始するという計画を立てている。今日の会議では、空飛ぶタクシー事業の最高責任者Eric Allisonがコンシューマー向け空飛ぶタクシーのライドシェアuberAIRのコストについて言及した。

Allisonが言うには、乗客が払う1マイルあたりのコストは、車を所有したときのコストと比べても競争力を持つものでなければならない、とのこと。全米自動車協会によると、自家用車を所有した場合、1マイルあたりのコストは0.464〜0.608ドルになると試算されている。

しかし、uberAIRのサービス開始時の乗客1人が支払う1マイルあたりの料金は自家用車のコストほどにはならなさそうだ。当初は1マイルあたり5.73ドルになると見込む。0.44ドルというのが理想で、そこにたどり着く前にまずは1.86ドルにすることができると踏んでいる。

Allisonは、今後空での移動が早く安くなり、車を所有するのはコスト的に見合わなくなるはずだ、と述べた。一方で、空でのライドシェア需要は驚くほど大きい、とも語った。もしuberAIRを今使える状況であれば7億人が利用するだろう、というUberが実施した調査の結果に基づく発言だ。

私はいま、Elevateに来ているが、この後も新たなニュースが出てくるかアンテナを張っておこう。

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(翻訳:Mizoguchi)

Uber、東南アジアのビジネスをライバルに売却――Grabの27.5%を得たのはwin-winの取引

スポーツの世界では「強いチームは調子が悪くても勝つ」と言われる。Uberがそれに当たるかもしれない。

Uberが東南アジアのライドシェア事業をGrabに売却することは大きな反響を引き起こしている。しかしこれをGrabが勝ってUberが負けたと捉えるならものごとを単純化し過ぎる。以下この点について背景を交え検討してみよう。

普通に考えればUberの東南アジア市場からの撤退はGrabの勝利だ。しかし神は細部に宿ると言われる。この取引は詳しく見ていけば双方にとって利益をもたらすwin-winの関係だとわかる。勝敗というより新たな提携関係の樹立という側面が重要だ。

まず事実関係をみていこう。

Uberは最近60億ドルと評価されたGrabの27.5%を得た。この所有権は単純計算で16.5億ドルの価値がある。過去5年間にUberが東南アジア市場に投じた資金は7億ドル程度だったことを考えれば、まずこれだけで十分なリターンを得たことがわかる。

一方、Grabは最大のライバルの事業を閉鎖させることに成功した。急成長中のフードデリバリーサービスのUber Eatsも含め、Uberのドライバー、顧客のすべてを手にすることになる。

数年前にスタートしたGrabは、当初は免許のあるタクシーに限った配車サービスで、しかも顧客は料金をキャッシュで支払う必要があった。Grabがライドシェア・ビジネスに転じたのは3年前に過ぎない。Uberが進出したことによって市場の性格は一変した。今度はその市場をGrabがほぼ独占できることになった。この点、Grabにとって画期的な取引だったことは間違いない。

資金、戦略ともGrabが優勢

スタートは比較的ささやかなだった(マレーシアで創立され、後にシンガポールに本拠を移した)にもかかわらず、 Grabはこの2年で長足の進歩を遂げた。現在、タクシー配車、自動車共有、自転車共有、バイクタクシーなど10種類の交通サービスを8カ国で展開している。Grabのローカライゼーションの取り組みはきわめて印象的であり、成長の重要な要素となってる。

ライドシェア企業にとってフードデリバリーへの進出はいわば定石だが、Grabは GrabPayで金融サービス部門にも進出を果たしている。これはオフラインでの商品販売やサービス料金などの支払いを可能にするサービスで、Grabはさらに少額金融や保険といった新たな分野も手がけている。

Grabの目標は単に新しい交通サービスを提供するにとどまらない。交通サービス以外の新しい分野はユーザーに利便性を提供するだけなくGrabにとっても利益率が高いという。

ただし―ここが重要だが―注意すべき点があった。つまり新規事業が現実に利益に反映されるには時間がかかるため、Uberとの競争には役立っていなかった。

ビジネス上の競争は結局のところ資金という要素に行き着くことが多い。

簡単に言えば、Grabは投資家にひんぱんに新たな投資を要請する必要があった。過去2年間、資金調達はGrabに有利に展開してきた。2016年には7億5000万ドル、 2017年には25億ドルを調達することに成功し、60億ドルの評価額に対して総額40億ドルの資金を得ている。

この間、Uberが東南アジア市場に投じた資金は7億ドルだったことと比較すれば、Grabが資金という重要な側面で優位に立っていたことが見てとれる。Uberが世界の市場に投資した資金の総額は印象的だが、東南アジアに関してはUberは投資額に枠をはめていたようだ。

またGrabへの投資には戦略的な意味が見てとれる。

SoftBank と中国版UberのDidi〔滴滴〕は直近の20億ドルのラウンドをリードしている。またトヨタ、Hyundai、Tiger Global、Coatue Management、またインドネシアの有力企業Emtek、Lippoも年来Grabを支援してきた。

こうした広汎なネットワークの構築に成功したことがGrabに大きな利益をもたらしているが、その一つは優秀な人材の獲得だ。特筆すべきなのは1年半前に辣腕のディールメーカーとして名高いMing Maaをプレジデントとして迎え入れたことだろう。Maaはゴールドマン・サックス出身でSoftBankの投資部門にも在籍していた。

Uberは国際化に当って、現地支社にローカライゼーションの主導権を与えているとたびたび主張してきたが、東南アジアにおける現地化にはかなりの混乱が見られた。Uberは早くから東南アジアに参入したにもかかわらず、事業のトップを任命したのは4年後の昨年8月だった。このことはUberが東南アジア戦略の確立にあたってそうとうに出遅れたことをよく象徴している。

Win-winの取引

しかしUberは中国からの撤退でもロシアからの撤退でも有利な取引をまとめている。今回もその例に漏れない。

Grabは未上場企業なので正確な株主情報は得られないが、Uberは今回の取引で最大の株主の一人となったことは間違いない。 東南アジアはライドシェア市場としてもっとも有望と考えらえれているので、この市場で最大の企業の大株主となるのはUberにとってもその投資家にとっても理想的な展開だ。

GrabにとってもUberにとって東南アジア市場は赤字だが、売上は過去2年で倍増しており、Googleも加わっている最近のレポートによれば、2017年には50億ドルの大台に乗ったという。Uberは投資を続けて事業を継続することも十分可能だったはずだが、むしろGrabという代理を通して東南アジア市場におけるプレゼンスを維持することにした。前述したとおり、Uberが保有することになるGrabの株式は直近のラウンドの評価額をベースにすれば16億ドル以上の価値がある。しかも今後利益が出るようになればGrabの価値はさらに大きくアップする見込みだ。

今回の取引にきわめて近い情報源によれば、Uberの500人前後の社員とUber Eatsを含む3カ国でのライドシェア事業を引き取るにあたってGrabはキャッシュでUberに1億ドル弱を支払うという。

Uberは赤字を出す事業を止め、キャッシュを得るだけでなく東南アジアのGrab、中国のDidiに大株主として参加する。UberのCEO、ダラ・コスロウシャヒはGrabの取締役会に加わるという。これは単なる金銭的価値を超えてUberがGrabに強い影響力をもつことを保証するものだ。

東南アジアにおけるライドシェア事業の焦点はGrab対インドネシアのGo-Jekの対決に移る。同社はGoogleやTencentといった有力企業が支援する50億ドルのスタートアップだ。Go-Jekはインドネシアを超えて事業を拡大する野心をがあり、事業分野はまさにGrabとバッティングすることになる。

Go-Jekに近い筋がTechCrunchに語ったところでは同社は今月中にもフィリピンで事業を開始するかもしれないという。 Go-Jekは慎重に戦略を立てることで知られているが、Uberが退場した今、同社はいよいよ正面からGrabとの対決に臨むことになるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Sonyも日本でタクシー配車サービスを開始、AI利用を差別化要因に

Sony Corporationの今日の発表によると、同社はタクシー会社5社との提携により、AIを使った配車サービス(ride-hailing service)*を始める。AIは主に、天候や交通事情や地域のイベントなどに基づいてタクシーの配車割当を管理し、また需要を予測する。〔*: hailとは声かけ呼び出しのこと。〕

Sonyの発表の直後には、今アジアを訪問しているUberのCEO Dara Khosrowshahiがやはり、提携先の日本のタクシー会社をもっと増やしたいと述べた。Bloombergによると、昨年の8月にUberに参加したKhosrowshahiは、日本を重要な市場機会と見ているが、同社のこれまでのアプローチは“率直に言ってうまく行かなかった”、と認めている。

Sonyの配車サービスはこの春スタートし、提携タクシー会社は Daiwa Motor Transportation, Hinomaru Kotsu, Kokusai Motorcars, Green Cab, Checker Cab Groupの計5社だ。Sonyのサービスはそのアプリも含めて、日本のそのほかのタクシー事業者にも提供される。日本はタクシードライバーが専用の免許を必要とするので、Uberのような企業は東京やその他の大都市でライドシェアリングサービスを提供できない。Uberは今、タクシー会社のない小さな地方都市でのみ操業している。その結果日本では、配車呼び出しアプリが乗客とタクシー免許のあるタクシーを結びつける。タクシー免許のないふつうのドライバーは、だめである。

Sonyのサービスは、ソフトウェア企業のJapanTaxiとToyotaが始めた、やはりAI利用の配車サービスと競合する。この二社の提携は今月初めに発表された本誌記事〕。JapanTaxiによると、日本のタクシーの約1/4に相当する60000台のタクシーが同社のサービスに登録しており、したがって日本のタクシー配車アプリの中でマーケットシェアが最大である。ほかに、 UberDidi Chuxingもライバルだ(両社ともSoftbankが投資)。こちらはタクシー企業Daiichi Koutsu Sangyoとすでに提携している。Uber CEO Khosrowshahiも、今年は日本におけるプレゼンスの拡大に注力する、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

JapanTaxiがライドシェア実証実験に参加、公式アプリ「相乗りタクシー」をリリース

日本交通の関連会社で、タクシー配車アプリ「全国タクシー」を運営するJapanTaxiは1月22日、国土交通省のライドシェア実証実験に参加するための公式アプリ「相乗りタクシー」をリリースした。

このアプリでは、ユーザーが乗る場所と行き先を指定することで、付近にいる同方向への相乗り希望ユーザーを検索してマッチング。乗車地や降車地が離れすぎているユーザー同士や、合理的なルートを算出できない位置にいるユーザー同士では相乗りが成立しないようになっているので、必ず通常のタクシー料金より安くなる仕組みだ。

同乗者がマッチして、ユーザー双方が相乗り条件に合意すると、近くのタクシーが配車システムで自動的に手配され、ユーザーの指定した場所へ順番に迎車に向かう。料金は乗車前に、ユーザーの乗車距離に応じて振り分けられた金額を確認できる。支払いは事前にアプリに登録したクレジットカードで行われる。

実証実験は1月22日から3月11日まで行われる。実験には日本交通グループの300台のタクシーが参加。配車エリアは東京都23区と武蔵野市、三鷹市だが、22日から23日にかけての大規模な積雪予報を受けて、安全性の面から、配車自体の開始は1月24日午前9時にずれ込むことになった。

アプリのダウンロードと会員登録は1月22日時点から受け付けており、実験期間中限定で公開される。提供されるのはiOS版のみとなる。

また相乗りタクシーは、ヴァル研究所、NTTドコモ、ナビタイムジャパン、日本航空の4企業とパートナーとしてサービス連携し、終電後などの交通手段としての利用促進や、ポータルサイトからの利用促進などを行っていく。

なお、ライドシェア実証実験には、大和自動車交通グループの参加も決まっている。こちらは既存の配車アプリ「大和自動車交通タクシー配車」内で、相乗りのマッチング機能を提供。アプリの地図上でターミナル駅近辺に配置された「乗場」アイコンをタップすることで、各乗場の相乗り募集を確認し、アプリ内で「相乗り乗車券」を購入するスタイルとなっている。

日本では、Uberが2012年に進出して、2014年3月にハイヤーの配車サービスを開始しているが、ライドシェア事業に関しては規制の壁があり、現在もサービス実現には至っていない。Uberが2015年2月に福岡で実施していた実験は国交省による行政指導で中止されている。

大和自動車交通のアプリでの相乗りのフロー

SoftBankのUberへの巨額投資、間もなく完了――株式公開買付の成功が報じられる

ここしばらく大きな話題になっていたSoftBankのUberへの投資がほぼ完了した。

Wall Street Journalによれば、 SoftBankがリードする投資グループがUber株式の15%前後を所有する手続きが、早ければ太平洋時間の今日(米国時間1/28)にも完了するという。

発行済株式を株主から買い上げる取引については、総額は480億ドルとなるもようだ。Uberが前回ベンチャーキャピタルから資金を調達した際の会社評価額をベースにした場合、株式の額は690億ドルだったはずで、SoftBankの取得価格は大幅な割引となった。これと別にSoftBankらはUberに直接10億ドルを投資するが、こちらは690億ドルの会社評価額をベースとしている。

Uber社員やBenchmark Capital、Menlo Venturesなど、初期から投資を行っていたベンチャーキャピタルはSoftBankに所有する株式を売却するものとみられる。これによって現在まで「ペーパーマネー」に過ぎなかったものがキャッシュに置き換わるわけだ。Uberは現在まで株主に株式の売却を原則として禁じていた。

UberとSoftBankはこの件に関するコメントを避けた。

SoftBankの投資が完了すればBenchmarkはUberの元CEO、トラビス・カラニックへの訴えを取り下げる。この訴訟はカラニックが取締役会の決議を経ずに取締役を任命する権限があるかどうかを巡って提起されていた。

カラニックはUberに対して社会的批判が高まったのをうけて6月にCEOから退いた。Uberは性的差別やハラスメントを容認する企業文化があったとして非難されてきた。また、Googleの親会社Alphabetグループが所有するWaymoから自動運転テクノロジーを盗んだとして巨額の特許訴訟を起こされている。

今回の株式公開買付ではSoftBankが唯一のメンバーというわけではなく、このグループにはDragoneer Investment Groupが含まれている。先月TechCrunchが報じたとおり、Sequoia Capital、Tencent、TPGなど他の投資家もUber株式の買い付けに興味を示していた。

画像:: ANTHONY WALLACE/Getty Images

〔日本版〕Reitersが報じたところによれば、Wall Street JournalはUberの株主は同社の20%程度を所有しているとしている。これが事実ならSoftBankグループは公開買付の成功でUberの20%を所有することになる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ヨーロッパのUberに打撃、EUの最上級審が交通サービスだと裁定

EUの最上級審CJEU(Court of Justice of the European Union, 欧州司法裁判所)が、各国のタクシー組合による長年の訴訟に最終評決を下した。Uberの、同社はテクノロジープラットホームにすぎない、という主張に対して、評決は同社は交通サービスである、と裁定した。

この判決によりUberはEU各国の交通法規の遵守を義務付けられ、それらの規則を回避することはできなくなる。

判決によると、Uberの“仲介サービスはその目的が、スマートフォンのアプリケーションと報酬によって、自分の車を使うノンプロフェッショナルのドライバーを都市内の移動旅程を求める人物に結びつけるのであるから、それは本質的に交通サービスに関与していると見なされるべきであり、したがってEUの法の意味内では‘交通分野のサービス’として分類されるべきである”、ということだ。

判決はさらに加えて、“その結果、そのようなサービスは、サービスを一般的に提供する自由の範囲からは除外されるべきであり、また内輪的な市場におけるサービスに対する指令や、電子商業に対する指令からも除外されるべきである。それゆえ、EUの現在の法においては、そのようなサービスがEU条約の一般規則に準拠して提供されるための条件を、EU各国が規制すべきである”、と言っている。

裁判所の評決に対してUberのスポークスパーソンは、メールで声明文を発行した: “この裁定は、われわれがすでに交通法のもとに操業しているEUの多くの国においては、何も変えないであろう。しかしながら、今なお数百万のヨーロッパ人が、われわれのもののようなアプリを使うことを妨げられている。弊社の新CEOが述べたように、Uberのようなサービスを規制することは妥当であるので、今後とも弊社は、ヨーロッパ全域の都市との対話を継続したい。これが、誰もがボタンをタップするだけで信頼できる乗車を確実に得られるために、弊社がこれからも採る方式である”。

最初の訴訟は、2014年に、バルセロナの職業的タクシー運転手組合が起こした。それは、Uber Systems Spainの活動が人を欺くやり方であり、不正な競争の行いである、という法廷の宣言を求めていた。その判定のために法廷は、Uberが提供するサービスが交通サービスであるか、情報の社会的サービスであるか、両者の組み合わせであるかを判決で決めることが必要、と決定した。かくしてこの事案は、CJEUに委ねられた。

裁判所のこの評決はヨーロッパにおけるUberの拡張意志を削(そ)ぐかもしれないが、しかしロンドンなど一部のヨーロッパ市場では同社はすでに交通法の下(もと)で操業している。ただしロンドンでは、別の理由で営業免許を取り消されている。

そこでUberの主張では、EUの多くの国では判決によって操業のやり方が変わることはない。

この判決が対象としているのは、Uberのピアツーピアの乗車呼び出しサービス(ride-hailing services)のみである。それはフランスやスペインなど一部のヨーロッパ市場では長年、完全に禁じられている。

そんな市場の一部(ベルリンやマドリッドなど)でUberは、ピアツーピアではないプロフェッショナルな乗車呼び出しサービスを立ち上げている。それは、地元の交通法に準拠するためだろう。しかしスペインでは今なお、地元のタクシー組合がUberやそのほかの乗車呼び出しサービスが存在することに反対している。彼らは、タクシーの免許の数を制限するはずの法が破られている、と主張している。

続報があればこの記事を更新する…

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Uberがスキャンダルで低迷、ライバルのLyftは売上が三倍増

Lyftにとっては、Uberの苦難の一年が大きな商機になったようだ。

The Informationの記事によると、この、アメリカにおけるUberのライバル企業は、売上が前年に比べて三倍に増加した。すなわち2017年前半のLyftの売上は4億8300万ドル、前年同期では約1億5000万ドルだった。

利益も改善されて、損失が2億8300万ドルから2億600万ドルに減少した。一乗車当たりに換算すると、損失額は4ドルから1ドル20セントに減った。

一方Uberは、損失が加速している。最近の四半期(2017Q3)の決算報告によると、同社の損失はおよそ15億ドルとなり、前年同期の10億6000万ドルから急騰した。

本年前半に関しては、フードデリバリーサービスUberEATSを含めると、30億の売上に対して20億ドルの損失となった。

訴訟があり、同社の企業文化に対する社会的非難〔←被害者手記〕があり、Uberの今年1年はスキャンダルまみれだった。その結果6月には創業者CEOのTravis Kalanickが退き、8月に元ExpediaのCEO Dara Khosrowshahiが引き継いだ。

両社とも今はさらなる資金獲得により、事業を加速しようとしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SoftBank 、Uber株買付に30%割引を提示――14%取得のために値上げの可能性も

SoftBank Groupをリーダーとする投資家はUber株式の公開買付にあたって直近の会社評価額で計算した額を30%下回る価格を提示したと事情に詳しい情報源がTechCrunchに明かした。直近の評価額は700億ドル弱とされるが、情報源によればSoftBankの提示額は32.96ドルであり、会社評価額に換算すると500億ドルとなる。

この件はBloombergが当初報じたところによると、SoftBankとUberはここ数か月にわたって直接投資及び株式公開買い付けの条件を巡って交渉を続けており、SoftBankは直接投資はUberの直近の会社評価額700億ドル弱をベースとするものの、売却済株式の買い付けについてはそれより低い価格を要求していたという。

Uberは数週間前に、SoftBankとDragoneerがリードするコンソーシアムと投資の可能性をめぐって基本合意に達したことを発表して交渉を一歩前進させている。われわれが予測したとおり、公開買付は明日から実施されるものと見られる。

直接投資と公開買付は一組のパッケージとなっており、SoftBankによる10億ドルの直接投資が実施されるかどうかは公開買付の成否にかかっている。SoftBankをリーダーとするグループはUberの14%を所有することを目標としており、そのためには90億ドル分の株式を既存の株主から買い付ける必要がある。

われわれが得た情報によると、今回の公開買付ではUber社員で少なくとも1万株をストックオプションで割り当てられた社員は売却が可能になる。また他の株主、すわなちベンチャーキャピタリスト、エンジェル投資家、以前の社員なども対象となる。

ただし売り手は「適格投資家」であることが条件となる。ベンチャー投資において買い手が「適格投資家」であることが求められるのは普通だが、売り手にこの資格が要求されるのは異例だ。具体的にいえば、Uber社員が株市を売ろうとすれば、年収が20万ドル以上であるか、住居とする不動産を除いた資産が100万ドル(これには所有する株式の価値も含まれる)以上あるかしなければならない。つまり今回株を売って儲けるにはすでに金持ちでなければならないというわけだ。

ともあれ売却の資格があるなら、これまで単に理論的価値に過ぎなかったUber株式をキャッシュに変えるチャンスが生まれたことになる。

さらにTechCrunchが得た情報では、1株当り32.96ドルの提示額で十分な株式が入手できない場合、SoftBankは14%の所有が可能になるまで値上げする可能性もあるという。

最近までUberの株主は売却を禁じられていた。しかしSoftBankからの10億ドルの投資は2019年を目標とする上場に向けてさらに会社を成長させるのに役立つはずだ。

Uberにとってはきわめて重大な局面を迎えることとなった。2017年はAlphabetの自動運転技術を盗んだとする 訴訟から各種の差別を容認する企業文化があるとの非難まで同社にとって多難な年だった。6月には共同ファウンダーのトラビス・カラニックがCEOから辞任を余儀なくされている

I今回の取引が成功すれば、取締役会にメンバーを送り込んでいるBenchmark Capitalはカラニックへの訴訟を取り下げるとしている。この訴訟は本人の分を含めて3人の取締役を任命する権限がカラニックにあるかどうかを巡って起こされていた。

カラニックは最近、Ursula Burns、John Thainの2人を取締役に任命している。SoftBankとの取引が成立した場合、もしこの2人のどちらについても、今後辞任することがあれば、カラニックは後任を任命するにあたって取締役会の承認を必要とする。

画像: Spencer Platt/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Lyft、10億ドルのラウンドに続いてさらに5億ドル調達へ

Lyftは先月、Alphabetのベンチャー投資部門、CaptialGから10億ドルの資金を調達したばかりだが、現在さらに5億ドルのラウンドを準備しているという。同社がAxiosに語ったところでは、この5億ドルは前回のラウンドの延長という形になる。まだこのラウンドは完了していないということだが、資金調達が完了すれば(つまりポストマネーで)Lyftの会社評価額は115億ドルに上るとみられる。

Axiosによれば、Lyftは新たな資金で乗客、ドライバー双方の体験を向上するプロダクトを開発するという。この時期はLyftにとってきわめて重要な意味を持つ。12月にはは初の国外進出を果たし、カナダのトロントとハミルトンで運営を開始するという。

Lyftは目一杯アクセルを踏んで規模拡大に突っ走っている。現在アメリカの人口の95%をカバーしているが、2017年には 新しい運営地域を100箇所加えた。創立以来5億回運行され、この数字はさらに伸びている。自動運転テクノロジーにも本腰を入れており、テスト・プロジェクトを実行中だ。われわれも報じたが、同社は最近カリフォルニア州当局から自動運転車を公道で実験する許可を得ている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Lyft、評価額11億ドルで10億ドル調達――AlphabetのCapitalGがリード

ライドシェアリングの有力企業、Lyftが新たに10億ドルの資金を調達した。これにより同社の資金調達後後評価額は110億ドルとなった。このラウンドをリードしたのはGoogleの親会社、AlphabetのCapitalGだった。グロース投資に特化したベンチャーファンド、CapitalGのパートナー、David LaweeはLyftの取締役会に加わる。

Lyftはこのニュースを公式ブログで発表し、これまでに 5億回の営業走行を達成しており、アメリカでは人口の95%をカバーするようになったと述べた。カバー地域は今年の始めには54%に過ぎなかったという。

Lyftは今年4月に75億ドルの評価額で6億ドルを調達している。投資パートナーにはカナダの公務員年金基金が含まれる。また9月にはAlphabetが関係する投資家から10億ドルを調達することを明らかにしていた。

興味深いことにAlphabetのグロース投資ファンドはUberに対する初期の投資家の一つでもあった。 しかしその後Alphabetグループの自動運転車企業、WaymoはLiDARテクノロジーに関する企業秘密を不当に利用したとしてUberを訴えている。こうしたことが原因となってAlphabetとUberの関係は緊張したものに変わったようだ。

LyftもWaymoと提携したことを去る5月に発表している。これはLyftの自動運転テクノロジーに関するオープン・プラットフォームの一環とみられる。

取材中…

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ライドシェアリングで新たなユニコーンが誕生:Careemが楽天などから3億5000万ドルを調達

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2016年も残すところあと少しだが、ライドシェアリング業界に誕生したもう1つのユニコーン企業を紹介する時間はまだ残されている。エマージング市場におけるUberのライバル企業Careemは、楽天とSaudi Telecom Company(STC)がリードするラウンドで3億5000万ドルを調達したことを発表し、世界中の脚光をあびることとなった。

今回の資金調達により、ドバイを拠点とするCareemのバリュエーションは10億ドルとなる。STCが発表したところによれば、同社はCareemの発行済株式数の10%を1億ドルで取得するという。

4年前に創業したCareemは現在、11カ国47都市でビジネスを展開しており、そのほとんどがトルコ、パキスタン、北アフリカ諸国など中東の国々だ。同社が「Captains」と呼ぶドライバーの数は15万人にものぼり、すでに600万人のユーザーを獲得している。Crunchbaseによれば、Careemがこれまでに調達した合計金額は7200万ドルであり、今回の調達ラウンド(シーリズD)は同社にとって大きなステップアップだったと言えるだろう。

今回調達した資金は、主にマーケット拡大のための費用に充てられるようだ。先日Careemはトルコへの進出を発表したばかりであるが、その他にも、12月中にパキスタン、サウジアラビア、エジプトの15都市にもビジネスを拡大すると発表している。これにより100万人の雇用を創出することを目指すだけでなく、R&Dにも一定の資金を投下していくとのこと。今年の夏、Careemは中東地域における「交通関連のテクノロジー・インフラストラクチャーを加速する」ための1億ドル規模の研究計画を発表している。

Careemの共同創業者兼CEOであるMudassir Sheikhaは、プレスリリースのなかで「楽天やSTCのような世界クラスの戦略的パートナーをもつことができ、身の引き締まる思いです」とコメントしている。「彼らとのパートナーシップは新しいCareemを支える大きな力となるだけでなく、彼らがもつグローバル・テクノロジー業界におけるリーダーシップとローカルマーケットにおける豊かな経験によって、この地域に住むすべての人々の生活を改善するという私たちの目標にさらに一歩近づくことができました」。

Careemに投下される資金はこの3億5000万ドルだけではない。同社によれば、今回の調達金額はCareemが現在交渉中の5億ドル規模の資金調達の一部でしかない。この資金調達が完了するまでの具体的なタイムフレームは公表されていない。

本調達ラウンドには、UberのライバルであるLyftと南アフリカのCabifyにも出資する楽天と、中東最大の通信企業であるSTCの他にも、Abraaj Group、Al Tayyar Group、Beco Capital、El Sewedy Investments、Endure Capital、Lumia Capital、SQM Frontier、Wamda Capitalなどが参加している。

STCはこれまでにも、STC Ventures(同ファンドはSTCとは独立して運営されており、STCも主要LPの1つとして参加している)を通してCareemの株式をすでに取得している。しかし今回の調達ラウンドは、STC本体が「イノベーティブなデジタル企業への投資戦略」の一環として直接Careemの株式を取得するというものだ。

Uberがビジネスを展開する都市には中東諸国の都市も含まれているが、それだけではなく、同社とこの地域には財政的なつながりもある。Uberは今年6月、サウジアラビア政府が出資するPublic Investment Fund(PIF)から約620億ドルのバリュエーションで35億ドルを調達したと発表している。その当時、中東地域におけるUberドライバーは39万5000人だった。女性による運転が禁止されているサウジアラビアでは、Uberを利用する乗客の約8割が女性だという。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

自動運転技術の普及に伴う新たな自動車保険のかたち

Long exposure photograph captured with a front-mounted camera. Streaking reflections in the car's surface and streaking city-background.

【編集部注】執筆者のKevin Wangは、世界最大級のテクノロジーイノベーションプラットフォームPlug and Play Tech Centerの保険テック下部組織であるPlug and Play Insuranceに所属している。Plug and Play Insuranceは、業界トップの保険イノベーションプラットフォームで、Munich Re、USAA、State Farm、SOMPO Digital Lab、Farmers、Nationwide、Deloitte、Travelers、Aviva、AIGといった世界的な保険機関とのパートナシップによって最近誕生した。Kevin自身は、Case Western Reserve Universityでファイナンスを学び、製造や流通、戦略コンサルティングの世界で経験を積んだシリアルアントレプレナー(連続起業家)。

モビリティ業界での技術革新によって、より安全に、より早く、そしてより便利に移動ができるようになった。様々な調査からもその功績が見て取れる。Insurance Information Instituteによれば、過去三年間で自動車関連の死亡事故は33%減少し、9つのモデルに関して100万台単位で見たときの1台あたりの死亡者数は0だった。さらに、UberやLyftといった配車アプリの登場がモビリティサービスの裾野を広げ、今では60ヶ国以上で一日あたり合計100万回以上も利用されている

このようなポジティブな面が存在する一方、イノベーションには犠牲が伴う。今年の5月7日、あるドライバーがTeslaのオートパイロット機能を利用中に命を落としたのだ。彼の車は後方から迫ってくる白いトラックと空の景色を識別できず、トラックに衝突してしまった。この事故で自動運転技術に関する論調や世論が変わってくるかもしれない。また、この事件が、自動車の未来と現在が実際どのくらい離れているかや、社会が今後そのような未来を完全に受け入れるのかどうかということを見直すきっかけとなった。

そもそも自動運転車は事故の減少に繋がると考えられている。昨年アメリカでは3万5000件の交通死亡事故が報告されており、これはアメリカの人口の0.01%にあたる。この数字は大したことがないように映るが、全て人間が原因で起きた事故であり、ソースコードに人の命がかかったアルゴリズムによるものではない。ここから、プログラマーや彼らの書いたコードに与えられることになる、自動運転車を購入した消費者の生死を決める力に関する問題が浮上してくる。そして究極的には、自動運転車関連の事故や命に関わる事象が起きた際に誰がその責任を負うのだろうか?

その次の重要なステップが、自動運転技術の拡散といかに安全にその技術を私たちが住む社会のフレームワークに埋め込んでいくかという課題の解決だ。これらの問題を念頭におきながら、企業や政府関連組織が自動運転車の普及を目指したステップを踏もうとしている。Googleは自動運転技術のテストを進めており、彼らの自動運転車隊はこれまでに150万マイルの路上走行テストを行ってきた。

2014年にアメリカ合衆国運輸省は、自動車の衝突に繋がることの多いヒューマンエラーを防ぐべく、自動車同士が「会話」できるよう自動車間の通信テクノロジーの利用を認可した。そして今年の3月、General MotorsはCruise Automationと呼ばれるスタートアップを10億ドルで買収した。当時同社は既に、Cadillac CT6のラインに高速道路での走行に特化したスマートクルーズ制御システムを導入しようとしていた。ここから自動運転車の技術・制度的インフラは既に成熟しようとしているのがわかる。

自動運転技術が人間のドライバーを完全に代替することはないかもしれないが、事故の減少には貢献する可能性が高い。

しかし、未だに自動運転技術が実際に広く普及するかどうかを決定づける課題の多くが未解決のまま残されている。消費者の受容がそのひとつだ。必ずしも全ての消費者が自動運転車を必要としているかどうかはわからない。そもそもアメリカ人は車好きで、Experian Automotiveの調査によれば平均で2.28台の車が各家庭に存在する。もしも自動運転車が本当に普及していくとすれば、エンドユーザーはそのうち車の所有権と移動を分けて考えなければならず、このコンセプトはElon Muskのマスタープランでも強調されている。

Deloitteによれば、モビリティ業界の未来には4つのステージが存在する。漸進的な変化、カーシェアリング、ドライバーレス革命そして自動運転技術の普及の4つだ。現在私たちが進んでいる道はドライバーレス革命のステージに向けられたものだと考えられ、そのステージに到達する頃には消費者の中に未だ車を所有している人もいるかもしれないが、その車には自動運転を可能にする技術が備わっていることになる。4ステージ全てが同時期に存在する可能性もあるが、全人口の各セグメントが平等に全てのステージに到達するとも限らない。また、ドライバーレス革命に向けてGMのCadillacに備えられる予定の新たな自動運転技術のように、今私たちのいる地点から漸進的な変化が起きるかもしれない。

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そして自動運転技術の普及ステージに到達する頃には自動車保険にとてつもなく大きな変化が起きることになるだろう。まず、事故の件数が減ることで保険金請求の数が減り、それが保険会社の払い出し額の減少に繋がる。Insurance Institute for Highway Safetyのエグゼクティブヴァイスプレジデント兼チーフリサーチオフィサーのDavid Zubyは、「前面衝突防止テクノロジーを備えた自動車の場合、対物賠償保険の請求頻度が7〜15%低いことが分かっています」と語っている。つまり、テクノロジーの力で事故の件数が減るだけでなく、保険会社の払い出し額も減るというWin-Winな状況が生まれるのだ。

さらに保険会社は自動運転車が広く普及する前に新しく革新的な商品を生み出す必要が出てくるだろう。ドライバーレス革命のステージにおいて、衝突防止テクノロジーは保険料の低減に関して大きな役割を担うことが予想されるが、保険会社はそれに合わせて新たな商品の開発を行わなければならない。カーシェアリングステージでは、保険会社がUberやLyftのような企業に対してギャップ保険やライドシェアリングポリシーを販売することができた。ドライバーが車にお客をのせる際の保険を必要としていたのだ。

しかし新たなポリシー下では保険料が増加することになる。Geicoを例にとると、シカゴに住む男性ドライバー向けの個人保険の料金は1140ドルである一方、同じ人がライドシェアリング用の保険に加入するとその金額は3743ドルに増加する。自動運転車用のポリシーにも同じような値上げ戦略が適用される可能性があるのだ。

Tesla車の事故によって、大衆が自動運転車を完全に受け入れる道が遠のいただけでなく、社会が自動運転技術の普及ステージに到達せずに自動運転が拡張機能として導入されるだけになるかもしれない。また、ドライバーは自動運転車を利用していても事故の責任を問われることになる可能性が高い。つまり自動車保険のニーズが無くなることはないだろう。結局のところ、自動運転技術が人間のドライバーを完全に代替することはないかもしれないが、事故の減少には貢献する可能性が高いのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter