アップル直営店が米国で一部店舗の営業再開、マスク着用義務や体温チェックなどの安全対策も

3月中旬にApple(アップル)は中国以外の店舗を「無期限」休業とした。これは、拡大する新型コロナウイルスのパンデミックに直面した世界における、徹底した、かつ必要な行動だった。同社は、米国時間5月17日付の「To our Customers」(お客様へ)と題した声明で、同社の営業再開計画についてリテール担当上級副社長のDeirdre O’Brien(ディアドラ・オブライエン)氏が展望を語った。

同氏によると、100店舗近くがすでに営業再開している。ただし、開店した店舗スペースは、感染力の強い新型コロナウイルスへの対策で大きく様相が変わっている。「どの店舗でも滞在人数を制限し、全員に十分な空間を与えるとともに、ジーニアスバーをはじめ店舗全体で、当社の1対1パーソナルサービスのやり方を見直した」とのこと。

アップルの広報担当者はさらに「来週も、米国内店舗の営業再開を非常に緩やかにかつ慎重に進め、7つの州で25店舗を追加する予定だ。多くの顧客が地元店舗の再開を待っていることを承知しているが、安全が確保されている確信がもてた店舗を再開することが当社の義務だ。お客様と早くまたお会いできることを願っている」と述べている。

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写真のように、店員、顧客ともにマスクの着用が必要で、これは多くの地域で法的制約となっている。多くの店舗が実施しているやや珍しい取り組みとして、店の入口で体温の検査が実施され、健康に関する質問が掲示されている。さらに同社は、壁面や陳列商品などあらゆる部分の清掃を強化徹底している。

最後の点は、同社の店舗レイアウトが商品を手に取ることを中心にデザインされていることを考えると特に重要だ。対人接触を避けたいという当然の要求に答えるために、路上での受け渡しも実施している。

各店舗の営業再開時期についてAppleは、健康状況の傾向と地域・国の指示を見定めてスケジュールを決定する、と語った。地元店舗の営業状況はここで見られる。そして、感染の第2波到来の話題が現実のものとなりつつある中でオブライエン氏は、必要があれば再び店舗を閉鎖すると語った。「これは結論を急ぐべき問題はなく、今回の営業再開にかかわらず、地域の状況によっては予防措置として再度の営業中止もありうる」とのことだ。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Everlywellの在宅新型コロナ検査キットが米食品医薬品局の認可を取得

Everlywell(エヴァリーウェル)は、新型コロナウイルス(COVID-19)の在宅検査キットに取り組んでいると最初に発表したスタートアップの中の1社だ。当初、規制当局がガイドラインに沿っていないと判断を下す前にキットを出荷することを模索していた。後に同社は、消費者にキットを提供する前に、FDA(米食品医薬品局)の正規の緊急使用許可(EUA)を取得することにした。そうしたアプローチは報われ、FDAは5月16日に同社の技術に対しEUAを出した。

EverlywellのCOVID-19在宅検査キットではユーザーが自分で検体を採取できる。この手のものをFDAが認可するのは初めてだ。他のキットは医療従事者による検体採取が想定されている。また特定の検査所で調べられるものだったりする。そうした点で、今回の認可はユニークだ。Everlywellはあらゆるテストラボにサンプルキットを提供し、さまざまなラボと協力して検査体制を拡充させることができる。

Everlywellのテストキットは、別の新型コロナEUAが認可されている2つのラボのどちらかに送られる。このラボの数は近い将来さらに増えることが予想される。ただし、EUAを申請し、緊急許可を受けるにあたって必要なデータを提出しなければならない。綿棒を使って鼻からサンプルを採取するやり方で家庭で回収された検体がラボに搬送される間も安定した状態を保てることを示すために、Everlywellはビル&メリンダ・ゲイツ財団の支援を受けた研究などから得られたデータを提出・開示したとFDAは言及している。

そうしたデータは同様のテストキット提供を考えている他社も閲覧できる、とFDAは述べている。これにより、競合する製品で認可を得ようとしている企業は証明にかかるかなりの負担を減らすことができる。これはひいては、さらなる検査実施につながる。多くの公衆衛生の専門家らは、新型コロナ抑え込みでは検査が鍵を握ると考えている。

「複数のラボで使え、複数のテストに使用できる在宅新型コロナ検査キットの認可では、患者がテストを受けやすくなるだけでなく、ウイルスとの接触から人々を守ることができる」とFDA機器・放射線医学センターのディレクター、Jeffrey Shuren(ジェフリー・シュレン)氏はTechCrunchへの声明文で述べた。「今日の決定は、私費研究のデータがEUA申請をサポートするために業界で使われるという公私提携の素晴らしい例であり、パンデミックに関する取り組みを続ける中で時間を節約することになる」。

画像クレジット: Sebastian Gollnow / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

フォードが新型コロナ症状のある労働者に対してPCR検査を実施、工場再開計画の一環として

フォードは米国時間5月16日、主要事業を展開する4つの都市圏での今月の工場再開に向けて準備を進める中で、新型コロナウイルス(COVID-19)の疑いのある症状を持つ、時間給、月給従業員に対して検査を行うと発表した。

5月18日以降北米の工場で、生産と操業の一部を再開する予定だ。工場労働者のほかにも、車両のテストや設計など、リモートで行うことができない仕事を行う約1万2000人の従業員も呼び戻す。なお、同社の北米部品流通センターは、5月11日に再開済みだ。

まず、ウイルス感染を識別するためにPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査を行うと発表している。PCR検査はウイルスRNAの存在を検知するためのものであり、身体の免疫応答である抗体の存在を調べるためのものではない。

同社は、テストを実施するために各地の保健機関と契約した。フォードの検査に協力するのは、ミシガン州南東部にあるBeaumont Health(バーモントヘルス)病院、ケンタッキー州西部ルイビルにあるルイビル大学保健機関、ミズーリ州西部カンザスシティ地域のLiberty(リバティ)病院、イリノイ州シカゴ地域のシカゴ大学医療センターならびにシカゴ大学Medicine-Ingalls(メディシン=インガルス)記念病院。同社は、ミシガン南東部、ルイビル、カンザスシティー、そしてシカゴに、合わせて7万2000人を超える従業員を雇用している。

フォードのメディカルディレクターを務めるWalter Talamonti(ウォルター・タラモンティ)博士によると、この契約によって、フォードは症状が疑われる従業員を検査し、24時間以内に結果を出すことを目指せるようになる。検査結果は同時にフォードの医師と共有され、感染した労働者と密接に接触した可能性のある他の従業員を特定するのに役立てられる。それらの従業員は、14日間の自己隔離を求められる。

フォードCTOのKen Washington (ケン・ワシントン)氏は声明で、同社は検査の拡大に取り組んでいると語った。同氏はまた、フォードは従業員のために将来的には自主的な抗体検査も検討していると付け加えた。

同社は、工場での生産が再開された際に進めるべき手順について説明した業務再開手順書を5月1日にリリースした。従業員は毎日自己診断による健康診断を行い、フォードの作業場に到着したら体温を測定する必要がある。フェイスマスクの着用も義務付けられる。仕事上対人距離が十分とれない場合には、サイドシールドまたはフェイスシールド付きの保護メガネの装着が必要とされる。

画像クレジット: Ford

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(翻訳:sako)

パンデミック中の買収でフェイスブックが再び独禁法調査の標的に

多くの業界が身動きをとれず損失に動揺するなか、テック業界のビッグプレイヤーたちは、ここでもルールの外にいることを証明しつつある。米国時間5月15日、Facebook(フェイスブック)はGIPHY(ジフィー)を買収する計画を発表した。人気GIF検索エンジンの価値は4億ドル(約430億円)といわれている。

フェイスブックは、GIPHYとは新たな開発およびコンテンツで関係を結びたいといっているが、世界最大のソーシャルネットワークが人気のGIFプラットフォームを欲しがる本当の理由は別にあるかもしれない。Bloomberg(ブルームバーグ)などの報道によると、フェイスブックの真の狙いはGIPHYを競合プラットフォームのユーザー動向を見るメガネとして使うことだという。GIPHYのGIF検索ツールは現在いくつかのメッセージングプラットフォームに組み込まれていて、その中にはTikTok、Twitter、Apple(アップル)のiMessageもある。

2018年にフェイスブックが、Onavoというモバイルアプリの使用を巡って窮地に立たされたことはよく知られている。このアプリはフェイスブック以外のアプリの利用状況を覗き見するもので、アップルのデータ収集に関するポリシーに違反した。その問題が修正された後も、フェイスブックはライバルの動向を見ることに執着するあまり、未成年を含むユーザーに報酬を渡し、ユーザーのモバイル行動をすべて見ることのできるアプリをインストールさせたことをTechCrunchは2019年に暴露した。

議員や規制当局にとって、GIPHYの買収は2種類の警鐘を鳴らす案件だ。1つはテック業界における反トラストに関わるの不正行為の新たな証拠として、もう1つはこの買収が消費者のプライバシー侵害となる可能性だ。

「司法省や連邦取引委員会はこの買収提案を精査すべきだ」とミネソタ州のAmy Kobuchar(エイミー・クロブシャー)上院議員がTechCrunch宛の声明で語った。「フェイスブックのライバルも含め多くの企業がGIPHYの共有コンテンツライブラリーなどのサービスに依存している。そのためこの買収提案に関して私は大変懸念している」。

2020年4月に提案された法案でElizapeth Warren(エリザベス・ウォーレン)上院議員(民主党・マサチューセッツ州)とAlexandria Ocasio-Cortez(アレクサンドリア・オカシオ・コルテス)下院議員は、 大型買収の凍結を求め、巨大企業はパンデミックに乗じて中小会社を買い叩くことで権力基盤を固めようとしているのではないか、と警告した。

ウォーレン上院議員の広報担当者は声明で、フェイスブックのニュースを「巨大企業がパンデミックを利用して権力基盤をさらに広げようとしている」と指摘し、同社の「プライバシー違反の歴史」に言及した。

「ウォーレン上院議員によるパンデミック期間中の大型買収の一時休止計画は必要であり、巨大テック企業を分割する執行者が必要だ」と広報担当者は語っている。

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フェイスブックのこの最新の動きは、UberがGrubhubの買収を計画していることをWall Street Journalが暴露した数日後だった。GrubhubはフードデリバリーでUber Eatsと直接競合する会社だ。

そのニュースは、巨大テック企業の分解を目論んでいた規制賛成派議員たちも驚かせた。下院の反トラスト小委員会委員長を務めるDavid Cicilline(デビッド・シシリーニ)下院議員(民主党・ロードアイランド州)は、この買収を「パンデミック不当利益の最悪事例」と評した。

「本件は買収停止令の緊急度を改めて強調するものである。これは私が同僚議員とともに党によるサポートを強く要請してきたことだ」とシシリーニ氏がGrubhubに関する声明で語った。

パンデミック初期の日々には、テック大企業の反トラスト対する注目はやや薄らいでいたかもしれないが、政府も国民も新型コロナウイルス危機の中でリズムを取り戻すと、それも長くは続かなかった。5月15日のWall Street Journalは、司法省と何人かの州検事がGoogle(グーグル)に対する反トラスト訴訟を準備中で、夏頃には実行する予定だと報じた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型コロナ時代に企業はいかにオフィスを再開させるのか

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がパンデミックとなって数カ月が経つ。規模を問わず企業はオフィスを再開するのか、そうだとしたらそれはいつになるのか、再開に向けどのような措置が必要になるのか、など多くの疑問がある。今後の見通しはかなり不透明で、不動産業界の人間でもすべてには答えられない。しかし彼らは、次に何が起こるか知識や経験に基づいて推測し始めている。

商業用不動産サービス大手のCBREが5月15日に発表した新たなデータでは、従業員が直面すると思われる決断しにくい状況が示されている。これまで通りオフィスで業務を行うと答えた世界の200社を対象としたCBREの調査によると、59%が従業員にフェイスカバーを用意すると答え、28%がフェイスカバーの常時使用を必須とする計画だ。そして21%がオフィス再開初期にオフィスへの訪問者を許可するとし、13%が全施設で従業員のスクリーニング検査を行うと答えた。

だが、ソーシャルディスタンス(社会的距離)策をいかに正しく導入するかというのは、全体の一部にすぎない。新型コロナウイルスを根絶させることができるワクチンが開発されるまで、従業員の安全と平常維持のバランスをとらなければならない企業にとって、オフィスでの業務再開は難しいものとなる。実際、管理部門にとって唯一確かなことは、変更を加える必要があるということだ。調査でCBREが尋ねた多くの質問の中で「はい」の答えが最も多かったのが、ソーシャルディスタンスを反映させたスペース使用ポリシーを設ける計画か(80%)と、オフィスのレイアウトを再設計する計画か(60%)というものだった。

おそらく多くが、休憩室やカフェテリアすらも廃止する。従業員同士が少なくとも6フィート(約1.8メートル)離れて座るようにし、シフト制で出社させる企業も出てくるだろう。しかし他にも多くの変更が予想される、と不動産と建設テックを専門とし、今後数カ月あるいは数年にわたって最も需要が見込まれるテックを現在見出そうとしているベンチャー投資家2人は指摘する。

2人ともプロの投資家で、彼ら自身もまだリモートワークをしている。まずBrick and Mortar Ventures(ブリック・アンド・モーター・ベンチャーズ)の創業者Darren Bechtel(ダレン・ベクテル)氏から。同社は主に建設テックにフォーカスしており、最初のファンドは9750万ドル(約104億円)で9カ月前にクローズしたばかりだ。ベクテル氏は、自身と妻、幼い子供が住んでいる賃貸物件のドライブウェイに停めたAirstream社製トレーラーで働いている。自身も妻も、仕事の電話が1日中あるからだ。トレーラーに入ったり出たりするのは理想的ではない。しかし、カリフォルニア州が徐々に経済を再開させているものの、ベクテル氏はベイエリアにあるオフィスをすぐに再開させる準備はしていない。「我々は急いでいない。私はかなり保守的だ」。

不動産技術にフォーカスしているロサンゼルス拠点のFifth Wall(フィフス・ウォール)の共同創業者Brendan Wallace(ブレンダン・ワラス)氏もまた、従業員をすぐにオフィスに戻すことを躊躇している。「チームがリモートワークの環境でかなり生産的であることはうれしくも驚かされている」とも付け加えた。

もちろん2社とも従業員に負担をかけたくない。しかし他の多くの企業と同様、彼らもオフィスのデザインを再設計すべきかを現在考えており、異なるテクノロジーの活用も真剣に検討している。

例えば、ワラス氏もベクテル氏もそれぞれの電話で、暖房や換気、空調の一環で空気をきれいにして循環させるのに使用される高度な空気清浄機やエアハンドリングユニットに言及した。ビルオーナーやデベロッパーが関心を寄せるものになるだろう、と2人は口をそろえる。

ワラス氏はまた、他のスマートテクノロジーを積極的に採用する動きが出てくるとみる。部屋の最適人数や回転式扉で何人通すかを決めることができるセンサーや、身体接触を最小限に抑えるのに役立つ顔認証技術などを挙げる。そしてこれまでより多くの企業が建物内のパトロールに、そしておそらく清掃にもロボットを活用するかもしれない、と想像している。

事業者は現在、「これまでになかった責任をテナントに対して持たなければならない」とワラス氏は話す。事業者は(スペースを)より大胆に改変しようとしていて、「我々はそうした動きに先駆けたい」という。

一方のベクテル氏は、業界に個々のプライベートオフィスの需要が出てくるかもしれないとみている。同氏はまた、例えば抗菌のテキスタイルを生産する材料の企業に光が当たるかもしれないと考える。「このところ環境に優しい材料を開発する動きがあったが、需要はなかった」とベクテル氏は指摘する。

Brick and Mortar Venturesは主に建設テクノロジーに注力しているため、建設会社が建設現場の安全を向上させ、生産性を改善する方法を熱心に模索している。これは、接触追跡から、写真やレーザースキャンをもとに3Dモデルを作り出す「現実キャプチャソフトウェア」と呼ばれるものまですべてを意味する。

オフサイトのプレハブ建設需要の高まりがあるかもしれない、ともベクテル氏は話す。「エリアの中で働ける人数に制限があり、働いている人同士が重ならないようにあなたが管理しなければならないとする。すると、次世代HVACシステムが空気を清浄し、フロアにマーキングされるなど、よりコントロールされた環境にどうやったらできるかという疑問がわいてくる」。

ベクテル氏は「人々はいまこう口にしている。我々はどれくらいオフサイトを準備できるだろう」という。

こうしたテックの出現やその浸透は、効果的なワクチンが出てくるまでにどれくらいの時間を要するかにもよる。予想しているよりも早くワクチンが実用化すれば、事業者は物理的スペースへの大きな変更はさほど優先することではないと考えるかもしれない。すぐに忘れるのは人間の性だ。

それでも、経済再開に伴い、事業者や大学、さまざまな機関はウイルス拡散を阻止するための計画を立てるより他はなく、これはおそらく永久的な変更につながる。

投資家らはそう願っている。現在では「建物は役立たずだ。ほとんどは暖房と冷房を保つためだけに存在している」とワラス氏は話す。

いまこの現状から何かいいものが生み出されるとしたら、それは長期的によりスマートで安全に作られた、そして今回のような健康リスクに対応できる建物かもしれない、と同氏は期待している。

画像クレジット:Hero Images

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(翻訳:Mizoguchi

Uberがドライバーと乗客に5月18日からマスク着用を義務付け

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで出されていた外出禁止令を多くの州や町が解除しているのを受け、Uberは5月18日から配車サービスとオンデマンドフードデリバリーのアプリに一連の変更を加える。

変更は新型コロナ感染拡大を阻止するためのもので、全ユーザー向けのオンライン・チェックリスト、乗客数の制限、ドライバー用のフェイスマスク着用証明機能などがある、とUberは13日に説明した。

ユーザーの監視がこれらの新ポリシーの中心にある。乗客やドライバー、そしてデリバリースタッフ、そしてUber Eatsを使っているレストランすらも、COVID-19のリスクを伴うような行動を報告したり、低い評価をつけたりすることができる。たとえばデリバリースタッフは、レストランがソーシャル・ディスタンシング(物理的距離の確保)など適切なプロトコルを実施していない、とフィードバックすることができる。一方、レストランは、デリバリースタッフがマスクを着用していなければフィードバックできる。

「全ての関係者の間でのフィードバックの輪は安全を維持する上で重要なものだ」とUberの安全責任者Sachin Kansal(サチン・カンサル)氏は述べた。同氏は、新ポリシーは今後数カ月間適用され「状況の変化に応じてポリシーを変更する」とも説明。

すべてのUberアプリユーザーは客を乗せたり、配車を依頼したりする前にオンライン・チェックリストを読んで同意しなければならない。オンライン・チェックリストでは、乗客とドライバーに新型コロナウイルス拡大を抑止するためのフェイスマスク着用や手指洗浄といった取り組みの確認を求めている。

Uberはドライバーと乗客に、もし安全でないと感じる場合や、フェイスマスクを着用していなかったり顔を覆っていなかった場合に乗車をキャンセルことを推奨する。乗車キャンセルは過去においては低い評価につながることもあった。ドライバーや乗客が低いレートを付けるとき、これまであった「遅いピックアップ」「無礼」「清潔度」といった選択肢に加えて「フェイスカバー・マスクなし」も選べるようになる。もしユーザーがレビューの中で「フェイスカバーなし」を選べば、乗客またはドライバーにはUberプラットフォームを使用するための条件を知らせるメッセージが送られる。

もしこうした条件を繰り返し満たさないようであれば、乗客またはドライバーのプラットフォーム使用を不可とする、とカンサル氏は述べた。

ドライバーは、Uberがすでに導入しているドライバーセルフィー技術を使って、乗車リクエストを受ける前にマスクを着用していることを証明しなければならない。アプリには、マスクの着用方法についてのビデオ指導もある。

2016年から使用されているセルフィー技術は乗客のアプリでは使用できない。その代わり、乗客はドライバーによってチェックされる。また可能な場合、乗客は窓を開けるよう求められる。

目下、Uberは相乗りのUber Poolを提供していない。また、UberXとUberXLの乗客にも新たな規制を加えており、乗客は助手席に座ることはできない。UberXでは乗客は最大3人となる。これにより車内でより互いの距離を保つことができると同社は説明する。

画像クレジット: Uber

“新型コロナウイルス

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(翻訳:Mizoguchi

フランス政府が接触者追跡アプリのソースコードの一部を公開

フランス国立情報学自動制御研究所であるInriaは、フランス政府の接触者追跡アプリ「StopCovid」を動かすプログラムのソースコードの一部をリリースした。いくつかのGitLabリポジトリに分け、Mozilla Public License 2.0に基づいて利用できるようになっている。フランス政府は、すべてをオープンソースにすると発表していたが、実際にはそれよりも多少複雑な状況になりそうだ。

Inriaが発表資料に書いているように、このプロジェクトは現在3つの部分に分かれている。インフラに関する重要度の高い要素は、GitLabリポジトリとして利用できるようにはならない。その代わりInriaは、セキュリティ実装に関するドキュメントのみをリリースする予定としている。それも、ANSIAと、フランスのデータ保護に関する監視機関CNILが、この面でもある程度の透明性を確保することを促したからだ。

2番目の部分は公にリリースされる予定となっている。ただしInriaは、外部からの貢献は求めない。デベロッパー用語で言えば、プルやマージのリクエストには応じない。ここに含まれるのは、主にユーザーインタフェースに関するもので、接触者追跡プロトコルとは直接のやり取りのない部分となる。

3番目の部分は、接触者追跡プロトコルと、その実装を含んでいる。これについては、Inria自身と、StopCovidに取り組んでいる企業や研究チームのコミュニティが、外部からの貢献を求めている。プライバシーとセキュリティに関して、プロトコル自体を改善するためだ。

フランスでは、ROBERTと呼ばれる集約型の接触者追跡プロトコルを推進している。InriaとFraunhoferが、その仕様をリリースした際に、私は同プロトコルの長所と短所を分析した

それは、Apple(アップル)とGoogle(グーグル)による接触者追跡APIとはかなり異なっている。ROBERTは、中央のサーバーを使用して永続的なIDを割り当て、その永続的なIDに関連付けられた複数の一時的なIDも割り当てる。スマートフォンは、周囲にいる他のアプリユーザーの一時的なIDを収集しておく。誰かが新型コロナウイルスに対して陽性であると診断された場合、サーバーは、その人が接触を持った人たちに関連付けられたすべての一時的なIDを受信する。もし、ユーザーの一時的なIDの1つ以上にフラグが付けられると、そのユーザーは通知を受け取ることになる。

このような匿名のシステムを選択するということは、その実装が完璧なものであると、政府を信頼する必要が生じることを意味する。たとえば、サーバーと通信する際、アプリがありとあらゆる情報を送信するように作られていれば、サーバー側で永続的なIDに実名を関連付けることも可能になってしまうからだ。

Inriaによれば、すべてがうまくいった場合、StopCovidは6月上旬にもリリース可能であるという。フランスのデジタル大臣であるセドリックO(Cédric O)氏は、テレビのインタビューで、政府としては6月2日にStopCovidをリリースしたいと考えていることを表明した。

関連記事:Hundreds of French academics sign letter asking for safeguards on contact tracing

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

工場再開後も自宅に留まるテスラ社員には失業手当が給付されない可能性

「一時帰休しているTesla(テスラ)社員が操業再開で呼び戻れれた時、新型コロナウイルス(COVID-19)を恐れて自宅に残ることを選択すると、失業手当を受けられないかもしれない」と同社の人事責任者であるValerie Workman(ヴァレリー・ワークマン)氏が5月13日に社員に宛てたメールに書いた。

TechCrunchが入手した社内メールには「失業手当をもらえるかどうかは州の判断次第であり、同社は自宅待機することついて社員を罰することはない」と書かれている。CNBCがこのメールについて最初に報道した。

「呼び戻された後は一時帰休状態ではなくなるため、出社しないことを選んだ場合は地方自治体の判断によっては失業手当の給付に影響があるかもしれない。テスラの判断ではない」とワークマン氏がメールに書いている。そして「会社はみなさんの判断を全面的に尊重し支援していく。会社が不利を強いることはない」と。

TeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は従業員宛ての社内メールで「仕事に戻ることに不安を感じるなら、家に留まるべきだ」と語った。しかし、この最新のメールは社員に苦渋の選択を迫っている。仕事に戻って新型コロナの感染リスクに直面するか、自宅に残って失業手当を失うか。メールの一部のスクリーンショットは以下のとおりだ。

Tesla HR email

5月13日に送られたメールでは、同社がカリフォルニア州フリーモント工場で生産再開の準備を進めていることが社員に伝えられた。同工場は、新型コロナウイルスのパンデミックの最中、いつ、どうやって操業を再開するかに関する議論の的になっている。

マスク氏は、アラメダ郡と衛生当局が外出禁止令を5月末まで延長したことに対する批判を繰り返し投げかけてきた。先週末に同氏は、テスラの事業拠点を州外に移し、郡を訴えることもほのめかした。

同氏氏が郡を公然と非難し、5月11日には外出禁止令を無視して工場を再稼働させるとまだツイートしている一方、当局とテスラの交渉は水面下で進められている。5月12日の夜アラメダ郡は、追加の安全対策を実施すれば、来週にもテスラが操業を再開できる可能性があると述べた。

衛生当局の声明によると、テスラからフリーモント工場における独自の新型コロナウイルス対策計画を受け取った後、「テスラ代表者と同社の安全・予防計画に関する建設的な議論を交わし、追加の安全対策についても話した」という。

画像クレジット:David Paul Morris / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラのフリーモント工場再開をカリフォルニア州アラメダ郡が来週にも許可へ

米国時間5月13日、米国カリフォルニア州アラメダ郡は、Tesla(テスラ)が追加の安全対策を実施すれば来週にも操業再開できる可能性があると発表した

アラメダ郡公衆衛生局の発表によると、テスラからフリーモント工場における独自の新型コロナ対策計画を受け取ったあと、「テスラの代表者と同社の安全・予防計画に関する建設的な議論を交わし、追加の安全対策についても話した」と説明されている。

「テスラが予防・管理計画に新たな方策を加え、健康に関する指標が安定ないしは改善すれば、当局はテスラが早ければ来週の操業再開を目指して今週から最小限の運用を進めることに同意する」と付け加えた。

アラメダ郡当局はフリーモント警察署と協力して、同社がソーシャル・ディスタンスを含め安全対策を実施しているかどうかを検証すると語った。

この合意は、アラメダ郡とテスラの工場再開日時を巡る衝突を受けたものだ。5月11日にTeslaのCEO であるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、アラメダ郡が製造業に対する外出禁止令を解除していないにもかかわらず、フリーモント工場で生産を再開したと発言した。同社は先週末にかけて、アラメダ郡に対して外出禁止令の解除を求めて訴訟も起こした。

関連記事:テスラがアラメダ郡の命令に反してカリフォルニア州フリーモント工場を再開

アラメダ郡はベイエリア地区5つの郡とともに、5月4日に一部の規制を緩和。建設、土木など主として屋外で行われる事業の再開を許可している。新型コロナウイルスの主要指標数値によっては、5月18日にそのほかの事業の再開も認められる可能性がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米国が「中国のハッカーが新型コロナ研究を標的にしている」と非難

米連邦捜査局(FBI)と、米国土安全保障省(DHS)傘下のサイバーセキュリティ専門とするCISAは稀に見る共同声明というかたちで、中国のハッカーが新型コロナウイルス(COVID-19)に関する米国の研究を盗もうとしていると非難した。

5月13日に出された声明文には、中国のハッカーが「新型コロナウイルス関連の研究を行っているネットワークや研究者から、ワクチン、治療法、テストに関連する価値ある知的財産や公衆衛生データを特定して不正に入手しようと試みていることが確認された」と書かれている。

「こうした部門をターゲットにする中国の動きは、米国の新型コロナウイルス対応への大きな脅威となる」としている。FBI、CISAいずれも主張の根拠を示さなかったが「『数日内』に詳細を公表する」とした。

これは、米国と英国が先週出した共同声明に続くものだ。共同声明では、「医療機関・医療研究機関に対して、ハッカーがIDやパスワードを組み合わせて連続的に不正ログインを試みるパスワードスプレー攻撃を使っている」と警告していた。これらの機関は、医療支援サービスと医療用品を一体となって提供し、事故を防止し、新型コロナウイルスの対応に集中している。

研究会社と製薬大手は新型コロナウイルスのワクチン開発を競っている。専門家に言わせると、厳しいロックダウンの規制を世界中で解除するにはワクチン開発がおそらく唯一の方法となる。新型コロナ感染が昨年12月に確認されてからこれまでに世界中で420万人超が感染しているのだ。

米当局は長い間、中国が米国のシステムをハッキングしていると非難してきた。2018年以来、司法省の検事は中国政府のために働いているといわれるハッカー数人を検挙してきた。これらのハッカーは2015年のAnthem情報漏洩、数十社ものテック大企業や政府系組織が影響を受けた事案などにかかわっていたとされ、最近のものとしては中国軍のハッカーが消費者信用情報大手Equifax(エクイファックス)から1億5000万件近くの記録を盗んだ事案などがある。

中国政府は繰り返しハッキングの疑いを否定してきた。しかし新型コロナ研究を盗むためにサイバー攻撃していると非難されている国は中国だけではない。今週初め、ロイターはイランが支援するハッカーが米国の製薬会社Gilead(ギリアド)を攻撃したと伝えた。同社の抗ウイルス薬「レムデシビル」はこれまでに新型コロナウイルスの治療薬としての有効性が示された唯一のものだ。

画像クレジット: Jane Barlow / WPA Pool / Getty Images

“新型コロナウイルス

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(翻訳:Mizoguchi

Uberがドライバー向け保護用品に約53億円の支出を約束

Uber(ウーバー)はドライバーの安全を守る保護用品の購入、配布に5000万ドル(約53億円)を支出すると発表した。保護用具には、マスク、消毒剤、殺菌剤、手袋などがある。Uber CEOのDara Khosrowshahi(ダラ・コスロウシャヒ)氏が米国時間5月13日の電話会見で語った。

Uberは、全世界のドライバーに配布するためのマスクを2300万枚以上確保済みで、これまでに約500万枚のマスクをドライバーに配ったことを明らかにしている。。一部の保護用品は自宅に直接送付しているほか、国によっては費用の精算も行っている。今月初め、Uberはドライバーと乗客にマスクの着用を義務付けることを発表した

これまでドライバーは、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック対策をもっと支援するよう会社に要求しており、本日の発表はそれを受けたかたちだ。5月11日、約100人のドライバーがサンフランシスコのUber本社前に集結し、ギグワーカー保護法 AB 5の遵守を要求する抗議行動を起こした。デモの前に私が話したドライバーは、Uberには自分たちを守るためにもっと費用をかけてほしいと言っていた。

「Uberは、AB 5法案の反対運動対策に何百万ドルも使うより、その資金でパンデミック下のドライバー支援を充実してほしい」とドライバーのMekela Edwards(メケラ・エドワーズ)氏はコメントする。Uberは反対運動の対策に少なくとも3000万ドル(約32億円)を費やしており、LyftとDoorDashも3000万ドル以上使っている。

「あのお金を私たちの支援に使えたはずだ」と5月11日の抗議デモの前にエドワーズ氏は私に言った。「私はこの仕事を楽しんでいる。ただ労働者の受けるべき敬意と配慮が欲しいだけだ」。

財政的責務に加え、Uberはほかにも安全への予防策を発表した。5月18日から始める自撮り写真を使ったドライバーのマスク着用検証システムがその1つ。マスクを付けていない人物が乗車しようとした場合、ドライバーは理由を説明することで反発なく容易に乗車を拒否することが可能になる。もし誰かが乗車中にマスクをはずせば、ドライバーも乗客もそのことを通報できる。

相乗りサービスのUber Poolはまだ利用できないが、UberはUberXに変更を加える予定だ。ドライバー保護を重視して、UberXの最多乗客数は3名とし、全員が後部座席に座らなくてはならない。

詳細はこちらで読める。

関連記事:Rideshare drivers stage caravan protest over Uber’s labor practices

画像クレジット:Anindito Mukherjee / Bloomberg / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米国の4月のeコマース売上高は新型コロナ禍の需要で49%増、パジャマは143%増

オンライン小売業者は、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの影響でブラックフライデーのような売上を目の当たりにしている。Adobe(アドビ)のDigital Economy Index(デジタル経済インデックス)の新たなデータによると、米国のeコマースは、ベースとなっている外出禁止令が出る前の3月上旬に比べて4月は49%増えた。オンライングローサリーが売上増に貢献し、3月から4月にかけて日々の売上は110%増だった。一方、エレクトロニクス製品の売上は58%増、書籍の売上は倍になった。

アドビのDigital Economy Indexを参考にしているこのデータは、1億ものSKUにまたがる1超件あまりのオンライン決済を分析したものだ。データを収集するのに米国のトップ小売100社のうち80社の協力を得ている。

こうした数字は、新型コロナウイルス危機に対応するのに役立つプロダクトに消費者が進んで金を使っていることを示している。ここには、大部分を占めるオンライングローサリーのピックアップと配達が含まれている。

Amazon(アマゾン)やWalmart(ウォルマート)、Instacart(インスタカート)などの企業は増大する小売需要に対応するために新たに従業員を雇用した。The Informationが最近報じたが、Instacartに関していえば、新型コロナ感染拡大で需要が大幅に増えて初めて黒字になった。同社は4月の最初の2週間に7億ドル(約750億円)ぶんのグローサリーを販売し「これは2019年12月の売上より450%多い」と記事にはある。

一方、オンライン販売のエレクトロニクス製品部門はここ数年で初めてインフレとなった。アドビによると、オンラインのエレクトロニクス製品価格は2014年以来デフレとなっていたが、新型コロナウイルスにより価格下落傾向が止まった。

コンピューターの価格は需要増により4月には上がりさえした。加えて、オーディオミキサー、マイク、マイクケーブル、他のオーディオ関連機器の販売は4月に459%増えた。ポッドキャスターやクリエイターが家をスタジオにしたようだ。

エレクトロニクス製品部門全体がいま販売増となっているようだ。「エレクトロニクス製品サプライチェーンへの新型コロナウイルスの影響が今後しばらく続くかもしれないことを考えると、この傾向はすぐに終わるものではなさそうだ」とアドビのレポートは指摘している。

一方で消費者は4月にアパレル購入でもオンラインを利用した。販売は34%増えたが、価格は下がっている。解雇されたり在宅勤務になったりして職場に行くための服を着る必要がなくなり、アパレルの価格は月間としては過去5年間で最大の落ち込みとなった。4月の価格成長率は通常マイナス2.9%だが、今年の4月はマイナス12%だった。在庫を早く一掃しようと小売がセールを展開したため、価格はなお下がった。

アパレルの購入動向をみると、驚くことではないが消費者の購入意欲は快適アイテムに向かった。4月はパジャマ(143%増)のようなものがよく売れ、ズボン(13%減)やジャケット(33%減)といったビジネス服が振るわなかった。

特定の部門での販売増に加え、4月はまた「オンラインで購入し、店でピックアップ」の注文もかなり増えた。ショッピング時のソーシャル・ディスタンスを維持しようと、4月1〜20日の間、このスタイルの注文は前年比208%増となった。

アドビのデータは、4月にオンラインショッピングが急増したとする他のレポートと同調する。

たとえば6200種を超えるブランドと小売サイトのネットワークに基づくBazaarvoiceのデータは、4月は3月よりもeコマースが増えたことを示している。消費者は生活必需品(おそらくトイレットペーパー!)の確保を3月に終え、4月になっておもちゃやゲーム、エンターテイメント、スポーツグッズ、ペット用品に意識が向かった。

アドビのレポートではまた、消費者が新型コロナ危機を耐えていた4月にワインやビール、スピリッツとそれに関連するアクセサリーのオンライン購入が74%増えたことも明らかになった。

デジタルマーケティング会社のBazaarvoice(バザーボイス)によると、ページビューや注文、レビュー提供、質問の数など同社が追跡しているあらゆる指標が4月は3月よりも増えた。

ページビューに関しては、3月は前年比25%増だったが、4月は同88%増だった。また、注文数は3月に同21%増となり、4月は96%増だった。加えて、3月はページ閲覧のようなブラウジング行動が購買行動よりもはるかに多かったが、4月は購買の方が多くなった。

「オンラインへのシフトの全体的な影響として価格上昇があるかもしれない」とアドビは警告した。

「オンラインがオフラインの小売経済を吸収するにつれ、ここ数年なかったインフレが見られている。特にエレクトロニクス製品など、オンラインでデフレが続いていた部門で顕著だ」と Adobe Digital Insightsのディレクターを務めるTaylor Schreiner(タイラー・シュレイナー)氏は指摘した。「米国人はオンラインで安く販売されることに慣れているが、そうしたトレンドは終わるだろう。オンライン・コマースはこれまでと同じようにはならない。新型コロナウイルスがそうしたプロセスを加速させたようだ」

画像クレジット: AlexRaths

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(翻訳:Mizoguchi

米国12州の州司法長官がアマゾンとホール・フーズに新型コロナ禍の労働環境について公開書簡

Amazon(アマゾン)のCEOを務めるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏とWhole Foods(ホール・フーズ)のCEOを務めるJohn MackeyIn(ジョン・マッケイ)氏に宛てた連名の公開書簡で、米国の12州の州司法長官が、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの脅威の下で働いている労働者の保護を強化するよう求めている。書簡はマサチューセッツ州司法長官であるMaura Healey(マウラ・ヒーリー)氏が執筆し、コネチカット、デラウエア、イリノイ、メリーランド、ミシガン、ミネソタ、ニューメキシコ、ニューヨーク、オレゴン、ペンシルベニア、およびD.C.の各州司法長官が署名している。このメンバーは3月にも同様の書簡を送っている。

書簡に付随するプレスリリースでヒーリー氏は「アマゾンとホール・フーズには、新型コロナウイルスパンデミックの間に従業員と顧客を護るための、あらゆる可能な手段を講ずる責任と義務がある。我々は再び両社に呼びかけることによって、彼らが州の法律と国の指導方針を遵守して、危機の間に企業の基盤である労働者の安全を確実に維持するように働きかけたい」。

書簡で強調されているのは、病欠と安全措置、従業員に何かを通告する場合の方法、そして最近相次ぐ世間の注目を浴びるような解雇の問題だ。特に最後の問題は、9名の民主党上院議員による同様の趣旨の書簡を裏打ちするものだ。上院議員たちは「従業員の解雇が危険な労働条件に関して内部告発をしたことへの報復ではないか」と問うていた。

州司法長官たちは 「そのような行為は、もし証明されれば、職業安全健康法11条c項および、一部の州の報復を禁じている法律に違反している可能性がある。この公衆衛生の緊急事態においては、報復と感じられただけでも、健康と安全に関する合理的な懸念を表明しようとする従業員を黙らせる効果があり、これらの社員やその同僚、顧客、および公衆を深刻な危険にさらすものである」と述べている。

この書簡はこれまでより一歩進んで、アマゾンが所有するホール・フーズの行為を別個に取り上げている。具体的には「州司法長官事務所や一般公衆が、これらの深刻な展開をホール・フーズから直接ではなく、メディアの記事から間接的に知っていることは問題である。したがって我々はホール・フーズ自身が、そのポリシーやプロセスの説明を提供するよう求める。特に重要なのは、同社店舗における新型コロナウイルスの状況を消費者や一般公衆、そして公衆衛生当局に通知するために、どのようなポリシーやプロセスが用いられているかである」という内容だ。

アマゾンは、内部告発者を解雇したという説をもちろん否定し「パンデミックの間も従業員が仕事を続けられるための措置を取っている」と主張している。書簡では「アマゾンとホールフーズはともに大きな売上増を経験しているだけでなく消費者が家にいて食料品を買うことが増え、オンラインショッピングにますます頼るようになっている」と結んでいる。

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Twtterが社員の在宅勤務を期限なしに認める措置を発表

Twitter(ツイッター)のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は5月12日、在宅勤務がうまくいっていると従業員が感じている限りそのまま続けられるようにするとの電子メールを従業員に送った。ドーシー氏は、同社が在宅勤務モデルをいち早く取り入れたと記したが、他の企業と同様、そうした取り組みは新型コロナウイルス(COVID-19)による外出禁止によって加速した。

同社はTechCrunchへのメールで在宅勤務措置を無期限とする決定を認め、次のように述べた。

「労働力の分散と、どこからでも働ける労力配分のサポートに力点を置いてきたため、当社は在宅勤務に素早く対応できた。在宅勤務が機能することはこの数カ月で証明された。よって、従業員が在宅勤務が可能なポジションにあり、この先ずっと在宅勤務を続けたいと思っているなら、それを認める。もし在宅勤務を希望しない場合、以前の状態に戻っても安全だと感じるようになった時に、追加のコロナ対策を取った上でオフィスで歓迎する」。

加えて同社は、出社を希望する人のために直接顔を合わせての勤務やミーティングを再開する計画の概要も示した。サンフランシスコのLondon Breed(ロンドン・ブリード)市長は4月27日に、同市が外出禁止令を5月末まで延長すると発表した。その一方でGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)州知事はすでに規制の一部を緩和する方針を示している。

たとえそうにしても、Twitterは当然のことながら出社再開に向けて注意深いアプローチを取っているようだ。HR責任者のJennifer Christie(ジェニファー・クリスティー)氏はTwitterの計画を以下のように示した。

  • オフィスの再開は社が決める。オフィスに戻るかどうか、戻る場合のその時期は従業員が決める
  • ごく少数の例外はあるが、オフィスは9月まで閉鎖する。オフィスを再開する場合、以前の状態に速やかに戻すことはない。注意深く、意図的に、少しずつ戻す。
  • ごくわずかな例外を除き、9月まで出張はない。直接顔を合わせる社内イベントは年内は行わない。2021年のイベントに関しては今年後半に判断する。

もちろん状況によって物事は変わるが、Twitterの言葉からするに、計画にある措置を継続することは大いにあり得るようだ。Faceboo(フェイスブック)やGoogle(グーグル)を含む他のテック大企業は在宅勤務措置を年末まで延長した。Twitterのアプローチは同社のサイズに合っているようだ。しかしサンフランシスコの本社や他のロケーションのオフィスが将来どうなるかははっきりしていない。

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(翻訳:Mizoguchi

子供の在宅学習を支援、ホームスクーリングプラットフォーム開発のPrimer

新型コロナウイルスのパンデミックの中、世界中の両親は子供の自宅教育の責任を持たされて苦労している。家庭で子供にリモート教育を与えるプロセスを容易にする、いわゆるホームスクーリングのアプリが投資家の注目を集めている。

ホームスクーリングのスタートアップであるPrimer創業者のRyan Delk(ライアン・デルク)氏によれば、ホームスクーリングには双方向で対話可能かつ多様な機能を備えた「フルスタックのインフラ」を用意しなければ家庭におけるメインストリームのサービスとならないという。

デルク氏のスタートアップはこのほどFounders Fund がリードしたラウンドで4億円のシード資金を調達したことをTechCrunchに明かした。ラウンドに参加した他の投資家にはVillage Global、Naval Ravikant(ナバル・ラビカント)氏、Cyan Banister(サイアン・バニスター)氏などの著名なエンジェル投資家が含まれる。

2016年に米国でホームスクーリングを受けていた子供たちは240万人に過ぎなかった。デルク氏は、ホームスクーリングがほぼ全員に拡大した現在、両親が利用できるインフラがまったく提供されていないことにショックを受けている。「私自身、幼稚園から中学2年生までホームスクーリングで教育を受けた」とデルク氏は懐かしむ。

Primerはあくまでプラットフォームであってそれ自身のカリキュラムは提供していない。 少なくともこれまでのところPrimerは保護者がさまざまなホームスクーリングのカリキュラムになじみ、理解するのを助けるツールを構築してきた。

PrimerがリリースしたNavigatorは、州の基準を守りながらホームスクーリングを受けさせるためにどういう手段があるかをチェックするための無料ツールだ。そして Libraryは、ホームスクーリングを実行するにあたって参考となるマニュアルや資料をを集めたデジタル図書館。

昨年末にこれらのナビゲーションとライブラリのリリースした後、Primerは次のプロダクトの開発をスタートさせた。これはホームスクーリングを行う両親が参加できるオンラインコミュニティのためのツール群となる予定だ。このコミュニティは米国の新学期に合わせて8月にスタートする。5種類から7種類のテーマを考えており、「ロケットからチェス、クッキングまで幅広いトピックを扱いたい」とデルク氏は述べた。各クラスは専門家が指導し、子どもたち同士でも交流できる。Primerではまだ料金は決定していないが、クラスへの参加は月極めのサブスクリプションとなる予定だ。

米国時間5月12日、Primerはこのサービスのウェイティングリストを立ち上げた。興味ある保護者はPrimerのサイトでメールアドレスを登録できる。デルク氏はブログ記事で「来年は保護者が優れたホームスクーリング体験を与えるために必要なサービスをさらにいくつか増やしたい」と書いている。

同氏は、パンデミックが収束して自宅隔離が解除されても、ホームスクーリングは大規模な成長が続くと確信しており、「ホームスクーリングを体験した保護者の一部はこれが長期にわたる教育としても適切な手法だと考えるはずだ」という。Primerのチームが開発しているプロダクトの多くは一般の両親にとってはまだかなり高度であり、ホームスクーリングのように誰もが利用するサービス向けではないという。

「ホームスクーリングは個別性が高い。我々は問題を実践的に解決していく。Primerは『子供たちをiPadの前に毎日6時間しばりつけておく』ようなプロダクトは作らない」と同氏は語った。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

新型コロナ偽情報の動画「Plandemic」にYouTubeやTwitter、Facebookなどが緊急対応

パンデミックの中で拡散する偽情報に対し、各プラットフォームが強硬な姿勢を見せているにもかかわらず、有名なワクチン陰謀論者を特集した新型コロナウイルス(COVID-19)に関する動画が5月4日の週、ソーシャルメディアで山火事のように広がった。

プロが制作した動画の中で、Mikki Willis(ミッキ・ウィリス)氏というインタビュアーが反ワクチン活動で近年最もよく知られている人物であるJudy Mikovits(ジュディ・ミコビッツ)氏にインタビューしている。この動画は、オンラインの陰謀論者が好む多くのトピックに触れている。ほぼ全編にわたり、ワクチンが医療被害を引き起こす金儲けの道具だという見方に基づいている。

この動画は5月4日にVimeoとYouTubeに最初に投稿され、週半ばに広がり始めた。Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、Twitter(ツイッター)にも飛び火し、より広範囲に配信され、何百万もの再生回数を記録した。現在、この動画はどのソーシャルプラットフォームでも非常に簡単に検索できる。広範に再投稿されており、AIモデレーションによる検出を避けるためタイトルが削除・変更されていることもある。

Twitterによると、ミコビッツ氏によるツイートはTwitterが定める新型コロナ偽情報に関するルールに違反していないようだが、Twitterはその動画のURLを「安全でない」とし、関連するハッシュタグ「#PlagueOfCorruption and #Plandemicmovie」をブロックした。Twitterは、同氏のアカウントが仕組まれたキャンペーンの一部として拡散されているという証拠は発見していない。

アップデート:TwitterはTechCrunchに対し5月8日、その動画から個人が作成したクリップがTwitterのルールに違反しているか調査中だと明らかにした。同社はまた、動画のフルバージョンへのリンクに警告ラベルをつける予定だ。ただしTwitterはリンクの削除は行わない方向だ。ユーザーが動画に異議を唱える際もツイートにリンクを入れるからだ。

この動画は新型コロナや健康に関する偽情報を取り締まるFacebookのルールにも反しているが、Facebook上ではいまだに動画を非常に簡単に見つけることができる。筆者はフルバージョンの動画のコピーを数秒で見つけた。執筆時点では、Instagramの#plandemicハッシュタグや#coronahoaxのようなハッシュタグに動画からの長いクリップが多数関連付けられていた。 Facebookはすでに動画の拡散食い止めに動いているが、すでに短時間で数百万回のビューを獲得している。

YouTubeで「Plandemic」と検索すると、動画が主張する多くの誤った主張をただすコンテンツも多数表示されるが、依然として検索結果上位には動画からのクリップが表示される。

動画自体はオンラインで拡散している誤った新型コロナ陰謀論の寄せ集めであり、科学的根拠のない反ワクチン論と迫害の主張だ。

動画でミコビッツ氏はワクチンに反対したわけではないと述べているが、後になってワクチンが何百万もの人々を殺したとの主張を繰り返した。「これは、インフルエンザワクチンが新型コロナに感染する確率を高めると知っていながら、誰もが感染しワクチンを接種するまで治療法を確立しないというゲームだ」と同氏は陰謀論的に述べている。同氏はまた、医師と医療施設がメディケアの支払いで新型コロナの症例を過大に報告するよう奨励されていると示唆している。これは新型コロナの症例数が依然として実態より有意に少ないという専門家のコンセンサスと矛盾する。

ミコビッツ氏は動画で、ホワイトハウスの新型コロナ対策本部のメンバーであるAnthony Fauci(アンソニー・ファウチ)博士がヒドロキシクロロキンのような治療を抑制していると非難している。ヒドロキシクロロキンはトランプ大統領が誤って後押しした。ミコビッツ氏の主張は機会に乗じる動きとしては完璧だったようだが、ファウチ氏に売った喧嘩は過去から長く続いている。Buzzfeed(バズフィード)が報じたように、ミコビッツ氏は6年前に書いた本の中で、ファウチ博士が同氏のNIH(米国立衛生研究所)の施設への立ち入りを禁止したと非難した。ファウチ氏は覚えがないという。

ミコビッツ氏はまた、パンデミックを利用してワクチンから利益を得る動きにBill Gates(ビル・ゲイツ)氏が何らかのかたちで関与しているという考えに固執する陰謀論に触れ、「このウイルスが実験室で操作および研究されたことは非常に明白だ」という根拠のない主張を展開している。

ミコビッツ氏は別のインタビューで、フェイスマスクは着用者のウイルスを「活性化」させる可能性があり危険にさらすと示唆した。同氏はまた「Plandemic」動画で、「治癒効果のある海水中の微生物」と新型コロナから保護する効果のある砂の「シーケンス」を考えれば、ビーチは閉鎖されるべきではなかったという科学的ではない主張もしている。

知識のない視聴者にはミコビッツ氏が科学的に適切に答えているように見えるかもしれないが、同氏の科学面の実績は非常に疑わしい。同氏は2009年、慢性疲労症候群に関する研究を発表したが、Science誌が2年後に発表を取り消した。同誌の監査により「不十分な品質管理の証拠」が発見され、研究結果を後続の研究で再現できなかったという。この出来事とその後同氏が研究所から解雇されたことが、反ワクチン十字軍、陰謀論者、作家としての同氏の方向性のスタートになったようだ。

Plandemic」のおかげで、ミコビッツ氏はパンデミックを巡る情報の空白をついて首尾よく自分自身のポジションを確保したようだ。同氏の書籍売り上げはAmazonで急上昇した。クリップの終わり近くで、インタビュアーはソーシャルメディアプラットフォームからの取り締まりを確実に招くような挙動に出た。この動画に含まれるような健康に関する有害な陰謀説を取り締まる動きをばかにして見せたのだ。

「市民を封鎖した輩がおり、大きなテクノロジープラットフォームがそれに続き、すべてを封鎖した」ウィリス氏は断固として懸念を示す。「この自由な国では、もはや反対意見は認められていない」

TechCrunchが以前報じたように、新型コロナ危機は陰謀説と偽情報にとって肥沃な土壌だ。「Plandemic」動画が主流を巻き込んで成功したことが証明している。広範囲にわたる不確実性と恐怖は強力だ。偽りの思想に新しい命を吹き込むことができる。新型コロナがなければ、陰謀論者の吹き溜まりでほこりを集め続けるにすぎなかったはずだ。

画像クレジット:Photo by JEFF KOWALSKY/AFP via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナ用ワクチンの早期開発に欠かせない伝令RNAの生成技術を持つGreenLight Biosciensesとは

新型コロナウイルス(COVID-19、SARS-CoV-2)ワクチンを開発している医薬品会社が現在頼りにしているのがmRNA(伝令RNA、タンパク質生成の命令を出す)ワクチンだ。mRNAは比較的新しい手法で、動物を治療するために承認された例があるが、人体への利用はまだ承認されていない。そして、mRNAの生成はかなり特殊な作業だ。しかし、このほどmRNAの生成に特化したバイオ技術スタートアップが、製造能力拡大のための特別目的ファンドとして1700万ドル(約18億2200万円)を調達した。

ボストン拠点のGreenLight Biosciences(グリーンライト・バイオサイエンス)は、既存および新規の出資者から新たな資金を引き出した。Flu Lab、Xeraya Capital、Baird Capitalらが出資した資金は同社のmRNA生産能力の強化に用いられる予定で、世界中で実施されるであろう新型コロナウイルスワクチンの試験、および効果が証明された場合の「数十億投与」分の生産に寄与することになる。

ちなみにGreenLightは、そのmRNAを利用して新型コロナウイルスによる感染を予防するワクチン候補も何種類か独自に開発している。資金の一部はこれに充てられる。

新型コロナによる世界的パンデミックを受け、さまざまな企業がmRNAワクチン候補の開発に力を入れており、すでに臨床試験に入っているところもある。この種のワクチンは人間の細胞に対して、ウイルスをブロックする能力のあるタンパク質を生成する特殊な命令群を送り込むことで、ウイルスが足場を築くのを防ぐ。これは従来のワクチン開発が、実際のウイルスの無効化されたものあるいは少量を投与して免疫反応を誘発するのとは異なる手法だ。

mRNAワクチンは実際のウイルスを含まないため比較的安全であり、かつ非臨床開発時間を短縮できるという利点がある。これは試験から接種までの開発時間全体が短縮されることを意味している。この分野が注目を集め、パンデミックによってさらに投資熱が高まっている理由はそこにある。しかし、上記のとおり開発が完了し、人体の治療が認められた例はまだ存在しない。

この投資は、mRNAワクチンが人体に有効であることが証明されるだけでなく、このパンデミックに限らずインフルエンザなど既存のウイルスによる脅威も抑制する有効な手段になることへの大きな賭けである。

画像クレジット:JUAN GAERTNER/SCIENCE PHOTO LIBRARY / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

中国の4月のスマホ出荷は前年比17%増、新型コロナ禍による大幅減から一転

スマートフォンの出荷は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより激減していたが、伝えられたところによると、中国で復活の兆しを見せ始めている。中国情報通信研究院(中国政府とつながりのある機関)が発表したデータでは4月のスマホ出荷は前年比17%増となり、マーケット回復を示している。

中国政府がサポートしているグループが出している数字は、Canalysが発表した第1四半期の18%減を反映している。COVID-19が出荷減の主な原因だが、中国のスマホ購買支出額の減少やサプライチェーンのかなりの混乱、新型コロナ拡大を遅らせるために多くのアジアの国がロックダウン措置を取ったことも影響した。

Huawei(ファーウェイ)とApple(アップル)は共にリバウンドの恩恵を受けた。ただし、中国情報通信研究院はここ最近では初めてOSの割合を示さなかったとロイターは記していて、各メーカーのマーケットシェアは不明だ。

スマホ出荷は、ほかの多くの産業と同様に苦戦している。中国マーケットのリバウンドは、業界の数字が今後良くなることを示すものとなるかもしれない。中国がグローバルのサプライチェーンと密接に結びついていることを考えると特にそうだ。新型コロナパンデミックに最初に見舞われたにもかかわらず、欧州や北米の国々に比べて中国が公表しているCOVID-19死者数は少ないままだ。

これは部分的には感染拡大を抑止するために導入された厳しい措置によるものだろう。他の国(特に米国)はパンデミックからリバウンドするとはさほど考えられず、グローバルマーケットへの影響が長引くことにつながりそうだ。

画像クレジット: JOHANNES EISELE/AFP/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Twitterが誤解を招く新型コロナ関連投稿に警告やラベルを表示へ

Twitter(ツイッター)は5月11日、議論や誤解を招くような新型コロナウイルス(COVID-19)に関するツイートに警告メッセージやラベルを付けると発表した。ラベルでは、そうしたツイートを読んだユーザーをTwitterのポリシーのページや、ツイートの主張に関する追加情報を提供する外部リソースへと誘導する。一方、警告メッセージはツイートそのものを覆い、コンテンツを閲覧するにはさらにクリックしなければならない。

Twitterが公開したスクリーンショットを見ると、有害でミスリードしそうな情報を含むツイートには「Get the facts about COVID-19(COVID-19に関する事実をチェックする)」とあるリンク付きのラベルが表示される。このリンクにはユーザーの注意を引きつけるためにエクスクラメーション記号(!)が表示される。

ツイートの「有害の程度」と誤解を招く情報のタイプによっては、ラベルではなく警告メッセージが表示されるツイートもある、とTwitterは説明する。たとえば、公衆衛生専門家のガイダンスに反するアドバイスをツイートする人は、自身のツイートに情報リンクだけでなく警告が表示されることになる。

こうしたケースでは、ツイートそのものが「このツイートで共有されたコンテンツの一部あるいはすべてが、新型コロナウイルスに関する公衆衛生専門家のガイダンスと矛盾しています。さらに情報を見る」と書かれた警告で覆われる。

ただし、警告の隣にある「View」(閲覧する)ボタンをクリックすることでユーザーはそうしたツイートを読むことができる。

ツイートにラベルを貼るシステムは、Twitterが「ディープフェイク」ビデオのような偽の操作されたメディアを含むツイートにラベルを貼るためにすでに開発されていたものだ。一方で同社は3月、健康情報を発出しているグローバル・ローカル当局のガイダンスに直接反するコンテンツを有害なものに分類すべく、有害の定義を拡大していた。

この定義拡大により、人々の健康や福祉にリスクを与えると考えられるコンテンツの削除が可能になり、新型コロナウイルスガイドラインに違反する可能性のある世界的リーダーによるツイートに「Public Interest Notice(公的関心の通知)を添付できるようになった。

ただ、Twitterの新型コロナウイルス誤情報に関するラベルと警告の使用は、新型コロナウイルスに関する新たな陰謀ビデオの拡散を受け、急いで展開されてきた。陰謀ビデオは、信用されていない科学者で、研究職を解かれ執筆に向かっているよく知られたワクチン陰謀論者によるものだ。声高な主張でいとも簡単に正当さを人々に確信させ、ソーシャルメディア上であっという間に拡散する事態となった。

Twitterは5月8日、そうしたビデオがルールに違反していないかどうかを判断するために、各ビデオクリップを調査すると述べた。ビデオ閲覧に向かわせるリンクを含むツイートに警告を表示する、とも話した。同社はまた、多くの人がツイッターでこのコンテンツを論じているために、リンクを含むツイートを検証していないことも明らかにした。

警告やラベルを表示するという今回のニュースは、Twitterがバイラル動画に新型コロナウイルス誤情報を含めようとしていることを示している。

どのようにツイートをキャッチしてラベル表示を決定するか、Twitterは詳細を明らかにしていない。しかし、どの程度のツイートがラベルや警告を表示されたり、あるいは何もアクションが起こされないのかを示すチャートを公開した。

「我々のチームは新型コロナウイルスに関するコンテンツを積極的にモニターする内部システムを向上させながら活用している」と同社は声明文で説明した。「このシステムは、警告あるいはラベルを伴うツイートを拡大させないようにし、多くの人が目にしているコンテンツを素早く感知するのに役立っている。加えて、オフラインの危害につながりそうなコンテンツを特定するために信頼できるパートナーに今後も協力してもらう。変動的な状況のため、ウイルスとの接触や感染につながり得るコンテンツのレビューとラベリングを引き続き優先する」とTwitterは述べた。

「このシステムでは今後、新たなラベルが追加されるかもしれない」とも付け加えた。

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(翻訳:Mizoguchi

Facebookとの関係をなかなか断ち切れないユーザーの苦悩

Haje Jan Kamps(ヘイジ・ジャン・キャンプス)氏は、数年前にTechCrunchのライターとして活躍し、その後、Konf(カンフ)というバーチャル会議プラットフォームを立ち上げた、起業家であり写真家でありジャーナリストだ。先日、私は彼に連絡をとり、新型コロナウイルス(COVID-19)蔓延している現在の仕事や生活について話を聞いた。しかし話の内容は、ソーシャルネットワーク、メッセージ、ライブストリームの各プラットフォームで行動が記録され、このパンデミックの間も多くのユーザーが使い続けそうな気配があるFacebookのことで長々と盛り上がった。

そして、もともとは大学生専用のSNSだったFacebookが、2006年ごろに13歳以上で有効な電子メールアドレスを持つ人なら誰でも参加できるようになったときからFacebookを使っているキャンプ氏に寸評というかたちで意見を聞いた。

以下はあくまで彼の私的見解だが、世界中で友だちや家族と離れ離れになっている数多くのFacebookユーザーが、その巨大ハイテク企業との関係を深めるほどに、その成長の勢いを助長している現実への苦悩を裏付けている。

なおキャンプス氏の言葉は、字数の調整と明瞭化のために、多少編集してある。


私はこれまで何度もFacebookとの関係を絶ってきた。なぜなら、それはあまりにも多く、あまりにも頻繁に人のアルゴリズムを変更するために、ときどき本当にうんざりさせられるからだ。だから私はマウスカーソルを使って、しばらくの間そこから抜け出るほうに投票する。そしてまた戻ってくる。すると、たくさんの友だちが新しいことや何やらをやっている。

私は、友だちの人生が更新されるのはいいと思う。だが、世界の重荷を自分で背負いたいとまでは思わない。私は少し前、自分の気持ちを楽にしたくてニュースを読むのを意識的に止めた。もしそれがFacebookの裏口から入り込むようなことがあれば「いらねーよ」と言ってやる。

今朝、ちょっとした出来事があった。目が覚めて少し寝坊したけど、Facebookを見ると私の友だちがライブ配信をしていた。人々を少しだけ励まそうと考えたようだ。彼女はウクレレを引いて15分ほど歌っていた。20人ぐらいの友だちが見ていたが、彼女は「みんなにとって良い日でありますように」みたいなことを言っていた。みんなが自宅隔離を要請される以前は、そんなことを言う人じゃなかった。

たくさんのグループが登場している。古いグループの活動再開も見られる。私も、Human Awareness Institute(ヒューマン・アウェアネス・インスティテュート、人間性を覚醒させるワークショップ)でひとつ始めてみた。そこには、大規模なグループでの共有というコンセプトがある。基本的に、大勢の人の前に立って真実の、心がこもった、自分と密接な事柄を話すというものだ。ワークショップはすべて中止せざるを得なかったが、反対にデジタル版でもみずみずしく美しい連帯感が得られることがわかった。みんなは支えがほしくてそこへ飛び込んでくるわけだが、私の話に寄せられた大量のコメントには、Facebookが長い間失ってきたものが感じられた。

実にわかりやすいと思うが、私の一番大きな気付きは、Facebookは単なるツールに過ぎず、どのツールを使うか、それで何をするかは自分で決めなければならないということだ。そこを、喜びやクリエイティブな活動を広めるための場所だと自分で決めれば、そして他の人たちがそうしているのを見た私がとてもいい気分になれたなら、私も同じようにするかもしれない。

私とFacebookとの間には愛憎がある。何週間も、ときには何カ月もサインインしないときがある。インターネットと、そこで得られる情報には大変に感謝しているが、米国では基本的な原典批評すらまったく教えられていないようだ。つまり、インターネットで何かを読んだとき、それが真実かどうか判断できるかどうかだ。私が育ったノルウェーでは、歴史の時間に原典そのものを批評することを教わる。「これは信頼できる情報源か?」「『勝者のが書いた記録』ではないのか?」「どのように情報源をつなぎ合わせれば、現実に起こったことを心地いい話にできるか?」と問われる。

フェイクニュースがなんとなく支配権を持つようになった事実に、私は恐れを抱いている。先日のヨガの教室でのことだ。ヨガの先生が小さなスプレーボトルを持ってきて(マットをきれいにするためのものだ)こう言った。「この中にはエッセンシャルオイルが入っています。手やマットや顔にも使えます。食用なので飲んでも大丈夫です」と。これって「食用だったらウイルスには効くわけねーよな」みたいな。たしかに、エッセンシャルオイルの中には一部のウイルスに有効なものもあるだろう。私はわからない。だが、消毒剤が発明されたのには相応の理由があるのだ。

人は、自分が信じたいものには幻想を抱き、それを肯定する言葉だけが聞こえる場所に身を置きたがる。ワクチン忌避運動もそのひとつだ。ほかにも馬鹿らしいニュースが世間には山ほどある。今の社会状況を真剣に知りたいと思えば、私ならBBCやニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストのようなしっかりとした報道機関に頼る。なぜなら、公表されているものは実際にある程度の分別のある内容かどうかを検証する仕組みを彼らは内部に持っているからだ。

インターネットでそれをやるのは、かなり難しい。現在は、これまでになく大量の情報にあふれている。望むならば、もっとも優れた情報が手に入る。医療専門サイトで新型コロナウイルスに関する記事を読むこともできる。だが、絶対に100%捏造でありながら、人々が真実だと思い込んでいるニュースも大量にある。私ならこう言う。「寄ってたかって馬鹿ばっかりなのか、ただそう信じたいだけのどちらからだ」とね。

Facebookが真実を見極めるを監視人になるべきかどうかについて、私は特に意見を持っていない。しかし、偽情報がいとも簡単にシェアされ拡散してしまう事実は、大規模なパンデミックが続く中で、何ひとついいことはない。

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画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)