ファッション系ECの統合管理システム開発のBranditが1億円調達、人材強化とD2Cブランドの拡充を計画

Branditは8月24日、プレシリーズAラウンドにおいて1億円資金調達を発表した。第三者割当増資による調達で、リード投資家はギークス、そのほか既存投資家のDIMENSIONからのフォロー投資と、新規投資家として三菱UFJキャピタル(三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合)が加わった。

今回調達した資金は、同社が6月にローンチしたアパレル向けECプラットフォーム「BRANDIT system」の システムの強化に投下される。具体的には、リード投資家のギークスが展開するIT人材事業を活用したエンジニアのほか、インバウンドマーケティングとインサイドセールスの人材強化を計画している。

BRANDIT systemは、複数のツールによる煩雑なオペレーションやヒューマンエラーなどを回避する統合EC管理ツール。受注、原価、各チャネル別手数料、販売開始日、配送データ、出荷売上などの項目を1つのシステムで一元管理可能で、アイテムごとの損益分岐点をカラー別やサイズ別、販売チャネル別で参照できるのが特徴だ。​

そのほか資金調達の、同社が手掛けるD2Cブランド事業「TRUNC 88」に続き、3つのプライベートブランドを立ち上げるための準備資金にするとのこと。

画像提供:Brandit

病理AIソリューション「PidPort」開発のメドメインが11億円調達、病理医不足をAIと画像認識で支援

病理AIソリューション「PidPort」を開発するメドメインは8月24日、総額11億円の資金調達を発表した。第三者割当増資による調達となる。

写真中央がメドメインの代表取締役兼CEOの飯塚 統氏(提供:メドメイン、2019年11月に撮影)

なお同社の今回の資金調達で、同社への出資を目的とした専用ファンドをHike Venturesが組成し、病院経営者をはじめとした複数のリミテッドパートナーから調達するSPV(Special Purpose Vehicle)スキームを採用している。最近でSPVスキームといえば、HRテックのSmartHRがシリーズBの調達ラウンドでリード投資家のCoral Capitan(旧・500 Startup Japan)が採用した手法として有名だ。

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今回の調達ラウンドに加わったの以下の複数の病院グループ、ベンチャーキャ ピタル、事業会社、個人投資家。このスキームによる調達額が一気に増え、既存調達額の1億円を加えると累計調達額は約12億円となった。

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  • 病院グループ:福岡和白病院グループ ・国際医療福祉大学・高邦会グループ
  • 既存投資家:ディープコア、ドーガン・ベータ
  • 新規投資家:QTnet、Hike Ventures、みらい創造機構、個人投資家(非公開)

同社は今回調達した資金を、独自開発の病理AIソリューション「PidPort」の開発、デジタル化領域への設備投資、営業・開発体制の強化、マーケティング費用に投資する予定だ。 PidPortは2020年2月の正式リリース後、国内外で50施設以上の医療機関と共同研究を実施。共同研究施設および新規の施設への製品導入を進めてきた。

PidPortは、クラウドストレージ、遠隔病理診断、AI画像解析の機能を提供。病理診断用のプレパラートをデジタル化する「イメージングセンター」も社内を設置しており、病理診断の現場におけるさまざまな問題解決をメドメイン内でサポートできる体制も整えている。まだ実証実験段階だが、日本国内においてはAI解析に関する機能について薬事申請を進めており、将来的な提供も計画している。

同社によるとPidPortは現在、臨床的に症例数の多い、胃・大腸・乳腺・肺の腫瘍性病変における組織判定および、子宮頸部や尿の細胞判定(腫瘍性判定の有無)に対応しているとのこと。今後は膵臓・肝臓・皮膚などほかの臓器における腫瘍性病変を含む疾患などもカバーしていくだけでなく、人工知能の特徴を生かした疾患予測モデルを創出するための研究開発を進めていきたいとしている。

画像提供:メドメイン

パンデミックで生じたサプライチェーンの混乱にインテリジェンスを持ち込むCraftが10.6億円を調達

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックで、サプライチェーンににわかに日が当たった。それは、誰も想像しなかったことだ。防護着や人工呼吸器、それに食料のようなありふれた物でさえ奪い合いになり、未だに大きな問題になっている。しかし、おそらくもうすぐ「サプライチェーンソフトウェア」という言葉に新しい意味が与えられるだろう。多くのプラットフォームが「空の状態」で立ち上がり、クライアントが自分のデータで満たすのを待つ。そんなユーザーインタフェイスは時代遅れになるだろうが、マニュアルの参照や手作業で苦労する部分はなくならない。そこで、そんな状態と戦おうとするスタートアップが現在、投資家たちの注目を集めている。

米国時間8月21日、エンタープライズインテリジェンスのCraftが「サプライチェーンインテリジェンスプラットフォーム」の構築のため、シリーズAで1000万ドル(約10億6000万円)を調達したことを発表した。同社はその資金でサンフランシスコとロンドン、ベラルーシの首都であるミンスクのオフィスを拡張し、北米とヨーロッパではエンジニア、営業、マーケティング、オペレーションもすべてリモート化する。

この分野にはDun & BradstreetやBureau van Dijk、Thomson Reutersといった先行する大手企業が存在している。以前より彼らは、公開企業に関する財務データを主に提供しているが、データソースからのリアルタイムのデータ、生産や販売の現状データや人的資本、リスクの予想値などは得意でない。

Craftの考え方は、企業が自らのサプライチェーンとエンタープライズシステムをモニターし、最適化できるようにすることだ。今回の資金調達はHigh Alpha Capitalがリードし、Greycroftが協力した。その他の気前の良いエンジェル投資家はDeloitte Consultingの元CEOであるSam Palmisano(サム・パルミサーノ)氏、Oktaの執行副会長で共同創業者であるFrederic Kerrest(フレデリック・ケレスト)氏、そしてシードラウンドを担当したUncork Capitalなどだ。High AlphaのパートナーであるKristian Andersen(クリスチャン・アンデルセン)氏が、Craftの取締役会に加わる。

Craftが解決する問題は、複雑なグローバルサプライチェーンの可視性の欠如だ。当然ながら新型コロナウイルスはグローバルなサプライチェーンを混乱させ、多くのリスク、業界全体の構造的な弱点、そしれそれらがどのように関係しているのかということに対するインテリジェンスの欠如を明らかにする傾向があった。Craftのソリューションは、既存のエンタープライズワークフローに統合する独自のデータプラットフォームとAPI、ポータルだ。

ビジネスインテリジェンのプロダクトにはクライアントが自らのデータを用意しなければならないものが多いが、Craftのデータプラットフォームは機械学習と人による検証で更新される300以上のデータポイントなど、何千もの金融および代替ソースからのデータで事前に用意されている。公開された企業プロファイルは、5000万件の検索結果に表示されている。

Craftの共同創業者でCEOのIlya Levtov(イリヤ・レフトフ)氏は声明で「私たちは、エンタープライズのサプライチェーンに強力な追跡機能と可視性を導入することにフォーカスしている。私たちの究極のビジョンは、エンタープライズのテクノロジースタックにインテリジェンスのレイヤーを築くことだ」と述べている。

High Alphaのパートナーであるクリスチャン・アンデルセン氏は「エンタープライズソフトウェアの中で十分な投資がされておらず、サプライチェーンの管理に関する分野のイノベーションが遅れている」という。

Craftは2020年前半に売上が3倍近くにまで成長したと報告している。主な顧客はFortune 100社や政府および軍部機関、そして多くの中小企業だ。

カテゴリー:人工知能・AI

タグ:Craft 資金調達

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

農業スタートアップのiFarmが4.2億円調達、画像認識と機械学習で約120種類の栽培を屋内垂直農園で自動化

垂直農法技術を提供するiFarmは、既存投資家であるGagarin Capitalが主導する400万ドル(約4億2300万円)のシードラウンドで資金を調達した。このラウンドのほかの投資家として、Matrix Capital、Impulse VC、IMI.VC、複数のエンジェル投資家が含まれている。

iFarmはフィンランド拠点のスタートアップで、食品加工会社や日用消費財大手、農家、大学の研究センター、さらには大規模なオフィスを運営しているためにケータリングのニーズがある大企業などをターゲットに、垂直農業を実行できるようにするソフトウェアを提供することに注力している。

同社のSaaSはサラダ菜、チェリートマト、ベリー類など、その名のとおり垂直に積み重ねて栽培された植物の管理を自動化する。「このシステムには、画像認識(コンピュータビジョン)と機械学習を適用し、農場の分散ネットワークから収集した「何千もの」植物のデータを利用して、作物のケアを監視し、自動化するためのさまざまな技術が含まれている」とiFarmは説明する。

現段階では、ヨーロッパと中東の約50件のプロジェクトに技術を提供しており、合計1万1000平方メートルの農場をカバーしている。iFarmのプラットフォームは現在、約120種類の植物の世話を自動化でき、2025年までに500種類に増やすことを目標としている。同社によると、毎月10種類の新品種が追加されているとのこと。

「iFarmは3年前に3人の創業者でスタートしました。iFarmは3年前に3人の創業者でスタートしました。「目標は、私たちがすでに食べているおいしくて健康的な食品を育てるための技術を構築することです」と共同創業者でCEOのMax Chizhov(マックス・チゾフ)氏は語る。

「私たちは温室からスタートしました。最初の年はサービスの基盤となる技術を開発していました。そして1年間の実験の後、いくつかのパイロット実験を経て、現在では屋内農業の垂直農業に焦点を当てています。垂直農法とは、高度に管理された屋内環境で植物を密に積み重ね、太陽光の代わりにLED照明を使用して1年中農業を行う都市型農業の技術だ。

さらにiFarmの完全に自動化されたアプローチは、食用の野菜、ハーブ、果物、花、野菜などを栽培するために農薬を使う必要がない点もポイントだ。一方、背の高い植物や木を積み重ねて栽培することはできない。深く根を張る野菜の栽培にも適していないが、iFarmはベビーキャロットを製品ポートフォリオの中に入れている。

「私たちは収益性の高い製品に焦点を当てています」とチゾフ氏。「小さな作物、非常に成長の早い作物、灌漑が簡単で何層にも分けて栽培しやすいもの。多層栽培は屋内農園の利点です」と続ける。

画像クレジット:iFarm

現在、スーパーやその他の食品小売店に供給するなど、自分たちが育てた食用の農産物を販売することをビジネスモデルとする垂直農業の新興企業は何百社もあるが、iFarmは屋内農業の自動化をサポートする技術の開発に純粋に焦点を当てている。垂直農業の最適化技術の潜在的な顧客としては、Infarm、Bowery、Plentyなどを挙げることができるかもしれない。

同社のシステムは、20~2万平方mの垂直農園に適用でき、拡張性も備えているという。「iFarmの主な利点は、各野菜の栽培方法を熟知していることであり、栽培方法を知るための特別な技術は必要ありません。当社のアルゴリズムやデータはすべて当社のソフトウェアに基づいています」とチゾフ氏と説明し、ソフトウェアはハードウェアに依存しないことを強調した。つまり、顧客はiFarmのハードウェアキットを必ずしも使う必要はなく、そのソフトウェアをセットアップするだけいいのだ。

チゾフ氏によると同社は、肥料ユニットやLED照明などを同社が供給するだけでなく、顧客と共同開発するためのハードウェアを設計している。しかし、SaaSの使用は特定のキットに限定されないのだ。

「ソフトウェアの主な機能としては、湿度、温度、CO2などの最適化システム。そして、なぜ、どのように、いつから栽培を始めるのか、どの顧客が使うのかというビジネス面での機能です。これはCRM(顧客関係管理)に加えて、すべてのパラメータを制御するERP(企業資源計画)システムのようなものです」と説明する。

「このシステムでは、コンピュータビジョンを使用しています。栽培作物の味を向上や収穫量を上げるためにAIを活用しています。また、農場内を飛行するドローンを使用して、すべての野菜や植物を観察しています。私たちは、ソフトウェアとそのソフトウェアを利用するいくつかのハードウェアを駆使して、農場内のすべてのプロセスを最適化しています」とのこと。

チゾフ氏は今回のシード資金を、2年後の米国市場進出も視野に入れ、徐々に新しい地域へと事業を拡大していくために使う予定だ。現在の主な優先事項は、さらなるソフトウェアの改良だという。具体的には「主な目標は、新しいタイプの作物の追加です。研究、開発、新製品です」とのこと。

競争力の面でiFarmは、急成長する垂直農業部門に販売しようとしている唯一の技術プロバイダーではない。チゾフ氏によると、同様の農業技術を持つスタートアップは10~15社ほどあるという。しかし同社の技術とアプローチは、英国を拠点とするIntelligent Growth Solutions、ベルギーを拠点とするUrban Crop Solutions、スイスを拠点とするGrowcer、米国を拠点とする「コンテナファーム」プロバイダーのFreight Farms、中国を拠点とするAlesca Lifeなどの同業者のサービスに勝ると主張する。同分野の他のプレイヤーを一握り挙げることができると主張する。

「この市場には、ソリューションを提供している企業もありますが、最適化されておらず、ソフトウェアの価値も低く、製品構成や製品ラインが少ないです。iFarmとの主な違いは、栽培できる作物の種類と提供するソフトウェアです。顧客側では栽培方法を知る必要やスペシャリストになる必要はなく、ボタンを押すだけでいいのです。私たちは、設計から設置、運用、最終製品の販売支援まで、顧客に優れたサービスを提供しています」と語る。

チゾフ氏はまた、iFarmがその技術の一部を保護するために特許を申請していることにも言及した。

iFarmのシードラウンドの主な投資家であるGagarin Capitalのジェネラル・パートナーであるMikhail Taver(ミハイル・テイバー)氏は、「iFarmはこの分野での競争上の優位性を持っているという理由で際立っていた」と述べている。また、Gagarin Capitalの農業技術戦略は、屋外が主流ではなく屋内を焦点を当てており、これもまたiFarmとの相性のよさを物語っている。

「世界的な人口増加に伴い、垂直農業分野に大きな可能性があると考えています。私たちは食料の需要が増加していることを目の当たりにしているし、それは今後も続くでしょう。私たちは地球温暖化と一般的な持続可能性の問題を注視しています。iFarmはそのほとんどを解決できそうだ」とテイバー氏はTechCrunchに語った。

「私は、緑色野菜以外のものを栽培できる競合他社をあまり見たことがありません」と同氏は付け加え、iFarmの競争優位性の主張を詳しく説明した。「普通、垂直農場で栽培されたトマトや食用の花などは手に入りません。せいぜい2〜3種類の葉物が中心です」。

チゾフ氏は「競合他社の多くは、実際の農家との競争に重点を置いていますが、私たちは農家自体を強化しようとしています。彼らを市場から強制的に追い出そうとはしていません。これまでとはまったく違うアプローチで、もっとうまくいくはずです。少なくとも私はそう信じています」と締めくくった。

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カテゴリー:人工知能・AI

タグ:iFarm AgTech 資金調達

画像クレジット:iFarm

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(翻訳:TechCrunch Japan)

レーダー用いた高齢者見守りデバイスの米Tellusが7.3億円を調達、日本出荷とともに高齢者施設への普及目指す

高齢者見守りデバイスの米Tellusが7.3億円を調達、日本出荷とともに高齢者施設への普及目指す

レーダー技術を用いた高齢者向け見守りデバイス開発の米スタートアップ「Tellus You Care」(Tellus、テラス)は8月20日、シリーズAラウンドとして総額7.3億円の資金調達を実施したと発表した。

引受先は、リード投資家の東京大学エッジキャピタルパートナーズ、NTTドコモ・ベンチャーズ、環境エネルギー投資、DG Daiwa Ventures、All Turtles LLC、個人投資家。今回の調達を経て累計調達額は10.5億円となった。

調達した資金は、研究開発、SaaSプラットフォーム開発、マーケティングなどに投資し、Tellusの事業基盤をさらに強固なものとする。日本国内の高齢者施設へのデバイス導入に注力し、在宅介護、将来的にはコンシューマー向けへの商品開発も計画。サンフランシスコ本社に加え、2020年2月に設立した日本法人でも多くのポジションを強化。パートナー企業とともに日本での事業展開を進めるとしている。

Tellusは、自動運転に使われる最新のレーダー技術をいち早く活用し、プライバシーを守る非接触な方法で人のバイタル(心拍・呼吸)情報を測定する研究を進行。2019年夏にNTTドコモと実施した実証実験など、複数・長期のテストを経て開発した最新デバイス「Tellus」は、室内の壁に設置するだけで対象者のバイタルや活動状況(在室・歩行・睡眠・転倒など)の情報を収集できるという。

これら情報はクラウドで管理・分析を行い、どこからでもアクセスが可能。高齢者などの長期的な健康管理や介護の負担軽減、さらには施設の経営支援に貢献するという。測定したバイタルデータを分析するアルゴリズムなどについては、すでに複数の特許を取得済みで、その他多くの特許も申請中。

高齢者見守りデバイスの米Tellusが7.3億円を調達、日本出荷とともに高齢者施設への普及目指す

Tellusの見守りデバイスは、手のひらサイズの90×90×32mm。使いやすさ・設置の容易さを重視しており、国内外での受賞歴のあるプロダクトデザイナー、鈴木元氏がデザインしている。設置についても、業者などによる工事は不要。ひとつの部屋に1デバイスを壁に掛けてコンセントに挿すだけで、対象者を見守り続ける。

介護施設向けの管理画面では、日本国内の複数施設での試用を繰り返し、使いやすさを追求。介護士の携帯電話に対して、転倒や離床などの事態にアラートが送られる。

高齢者見守りデバイスの米Tellusが7.3億円を調達、日本出荷とともに高齢者施設への普及目指す

Tellusは、スタンフォード大卒でGoogleなどでの事業経験を持つ2名が、遠方に住む祖父母の介護という原体験をきっかけに、最先端の技術でエルダー・ケア(高齢者介護)を革新的に変えることを目指し2017年7月創業。2018年からは All Turtlesの支援を受け、研究開発、日本市場へのフォーカス、事業提携や資金調達を行っている。

2020年7月31日、Tellusの見守りセンサーは、日本の介護保険制度における「要介護者等の日常生活の便宜を図るための用具」として認定された。これによって利用者は介護保険の補助を受けて、費用の1割~3割の自己負担(所得に応じて変動)でTellusをレンタルすることが可能となった。

商用電動トラックの普及を促進するXos Trucksが21億円を調達

商用電気トラックのスタートアップであるXos Trucks(エクソス・トラックス)は2000万ドル(約21億円)を調達した。カリフォルニア州が導入した画期的な排ガス規制にいち早く対応し、新たな潜在需要に応えようと生産を拡大する計画だ。カリフォルニア州のこの法律では、2035年までに州内で販売されるトラックの半数を排ガスゼロの車両にすると定められている。

以前はThor Trucking(ソー・トラッキング)という名で知られていたこのスタートアップが受けた今回の投資は、Metalsa(メタルサ)の持ち株会社の支援を受ける自動車専門のベンチャー投資会社Proeza Venturesと、BUILD Capital Groupからなるグループからのものだ。Xosはこの投資と同時に、数人の新しい取締役を受け入れた。Proeza VenturesのRodolfo Elias Dieck(ロドルフォ・エライアス・ディーク)氏と、元Daimler(ダイムラー)の幹部であり現在はBUILD CapitalのMark Lampert(マーク・ランパート)氏だ。Xosはさらに、CFOとしてKingsley Afemikhe(キングスレー・エイフェメケ)氏を、Tesla(テスラ)の最初の従業員であり科学ディレクターだったRob Ferber(ロブ・ファーバー)氏をCTOに迎え入れて経営陣を強化した。

「私たちは、宅配用の最高クラスの電気自動車を顧客にお届けする事業を、引き続き拡大していくことに闘志を燃やしています」と、Xos Trucksの共同創設者でCEOのDakota Semler,(ダコタ・セムラー)氏はいう。「新型コロナ禍によってeコマースの需要拡大が加速される今、信頼性の高い、安価な、そして持続可能な運送手段を供給することが私たちの目標です」。

今回調達した資金は、事業の拡張とクラス6(おもに密集した都市部の宅配に使われる中型トラック)用にデザインされた電気スケートボードシャシーの生産拡大に使われる。同社のスケートボードシャシーはX-Platform(エックスプラットフォーム)と呼ばれ、さまざまな中型ボディー、ホイールベース、200マイル(約320km)までの走行距離に対応できる。メキシコの自動車部品サプライヤーであるMetalsaは、このシャシーの開発に協力し部品も供給している。

Xos Trucksによると、同社の車両は、UPSが8カ月前からロサンゼルス地区の宅配ルートで運用しているという。Xosの以前からの顧客であるLoomis(ルーミス)は、2019年の試験導入に続き、新たに20台のトラックを発注した。

カテゴリー:モビリティ

タグ:Xos Trucks 電気自動車 資金調達

画像クレジット:Xos Trucks

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(翻訳:金井哲夫)

SpaceXがこれまでで最大規模となる約2000億円を資金調達

米国時間8月18日に米証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、SpaceX(スペースX)は新たに19億ドル(約2000億円)を調達した。最初にReutersが報じている。以前、SpaceXが資金調達中だとBloombergが報じており、今回の調達でSpaceXのポストマネーバリュエーションは460億ドル(約4兆8000億円)になると予想していた。

まだ未公開企業であるSpaceXにとって、今回のラウンドはさほど驚きに値するものではない。Elon Musk(イーロン・マスク)氏が率いるこのロケット打ち上げ会社は2020年初めから資金調達を模索していた。しかし投資家たちからの強い需要を受けて資金調達の規模を拡大した、とBloombergは先週報じている。

今回、募集枠を上回る申し込みがあったようだが、ラウンド参加者については情報は明らかになっていない(Bloombergの報道ではFidelity Investmentsが最大の出資者とされているが未確認だ)。このところの一連の成功を考えると、SpaceXは投資家から巨額出資を引き出すのに絶好の状況にある。

一連の成功には、米国からの打ち上げとしては初となる民間企業による有人宇宙飛行ミッションが含まれる。宇宙飛行士が乗り込んだDemo-2が2020年5月にフロリダから打ち上げられ、国際宇宙ステーションに2カ月滞在したのち宇宙飛行士は今月初めに地球に帰還した。このミッションの成功は、SpaceXが地球と国際宇宙ステーションの間の輸送サービスを定期的に提供できることを意味する。そして民間ツーリストや研究者ら向けの商業宇宙フライトサービスの提供にもかなり近づいた。

また、同社の宇宙船開発も順調で、今月プロトタイプの短いテストフライトを成功させている。加えて、NASAと米政府から打ち上げサービスでいくつかの複数年契約を獲得している。

同社は現在多額の資金を必要とする時期にあり、今回のラウンドもそうした理由によるものだ。巨大な衛星コンステレーションStarlinkの展開にも取り組んでおり、Starlinkの運用が始まればインターネット接続が難しいエリアに住んでいる人々に商業・家庭用のブロードバンドインターネットサービスを提供する。ちょうど8月18日朝、SpaceXはStarlink衛星58基を打ち上げたが、世界中をカバーするという最終目標を達成するにはまだ多くの衛星を打ち上げる必要がある。

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カテゴリー:宇宙

タグ:SpaceX イーロン・マスク Demo-2 NASA Starlink 資金調達

画像クレジット:NASA/Bill Ingalls / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

米国大手VCのLightspeedのインド拠点が約290億円規模のファンド組成、インド向けとしては最大規模

米国の大手ベンチャーキャピタルのインド拠点であるLightspeed India Partnersは米国時間8月17日、世界第2位のインターネット市場への投資を強化するため、2億7500万ドル(約290億円)の第3ファンドをクローズしたことを発表した。

「この新しいファンドはインド向けとしては最大規模で、Lightspeed India Partnersはこの地域の24社以上のアーリーステージのスタートアップ投資を進められるようになる」と同社パートナーのHemant Mohapatra(ヘマント・モハパトラ)氏はTechCrunchのインタビューで述べている。

2007年にインドへの投資を開始した同社は、過去1年間に2つの注目すべきイグジットを実施(未訳記事)した。格安宿泊施設を手掛けるスタートアップであるOyoとEdtechの巨人であるByju’sからの撤退で、合計で9億ドル(約950億円)以上のキャッシュリターンを得ている。

そのほかの主要な投資先としては、昨年27億5000万ドル(約2900億円)以上の評価を受けた企業間取引市場のUdaan(未訳記事)、10億ドル(約1060億円)以上の評価額で資本調達が進んでいるローカル・ソーシャルメディア・プラットフォームのShareChat(未訳記事)、SaaSスタートアップのDarwinBox(未訳記事)、Yellow Messenger(未訳記事)、OkCredit(未訳記事)などがある。

同地域に6社のパートナーを擁する同社は、2015年に1億3500万ドル(約142億円)のインド向け初の専用ファンドをクローズした。2018年には1億7500万ドル(約184億円)の同地域向け2本目のファンドをクローズした。同社はスタートアップにこれまで7億5000万ドル(約790億円)以上を投資している。

アーリーステージのスタートアップに投資を行っている同社のインド拠点は、レイターステージでいくつかの投資先スタートアップを支援するために、より大きな投資を行うために、Lightspeed本体との連携を継続している。投資の80%以上はインドのシードやシリーズAの段階にある企業だ。

「これは、当社の差別化の最大のポイントの1つです。これほどグローバルなプレゼンスを持つベンチャーキャピタルはそう多くはありません。グローバルファンドとのシナジーは今後も続くでしょう」とモハパトラ氏は述べている。Lightspeedは中国でも大きな存在感を示している。昨年、同社の中国拠点は5億6000万ドル(約590億円)のファンドを発表(未訳記事)した。

インドのLightspeedパートナー。写真に向かって左から、Bejul Somaia氏、Akshay Bhushan氏、Harsha Kumar氏、Dev Khare氏、Vaibhav Agrawal氏、Hemant Mohapatra氏(写真提供:Lightspeed)

Lightspeedは、今年初めにグローバルで40億ドル(約4220億円)のファンドをクローズした。同社は、インドでの積極的に投資先を探している数少ない米国のベンチャーキャピタルの1社だ。世界的な同業他社であるSequoia Capital(セコイア・キャピタル)は先月、インドと東南アジア向けに13億5000万ドル(約1420億円)規模の2つのファンドを発表した。Sequoiaのアーリーステージ投資のうち11件は、この地域で過去14年間にユニコーン企業に成長している。

モハパトラ氏は「インドのスタートアップのエコシステムはここ数年で成熟し、高い成長率を示し、大きな成果をもたらしている」と述べている。また、これまで以上に多くのイグジットが見られるようになっている。今月初めにByjuは、子供たちにプログラミングを教える創業18カ月のWhiteHat Jr.(未訳記事)を3億ドル(約316億円)で買収している。

インドのスタートアップ企業は昨年145億ドル(1兆5300億円)以上の資金を調達(未訳記事)しており、これはローカルコミュニティの記録となっている。ただし、新型コロナウイルスの感染蔓延は、ほかの市場と同様にインドでの資金調達の動きを減速させている。

モハパトラ氏は、同社の投資先スタートアップのごく一部が新型コロナウイルスの影響を受けていることを明らかにしたが、ほとんどのスタートアップは前進を続けており「ここ数カ月で事業展開が加速しているスタートアップもある」と指摘した。

「Lightspeedは、未来における最高の起業家と企業が出現するのは今だと考えています。強力な創業者は、インドのデジタルエコシステムの成長の追い風を利用して新しい未来を構築しており、Lightspeedはこれらの創業者を支援することに強く関与していく」と同社は声明で述べている。

カテゴリー:VC / エンジェル

タグ:Lightspeed Venture Partners インド 資金調達

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

法人向け無線メッシュネットワーク技術のPicoCELAが資金調達を完了

法人向け無線メッシュネットワーク技術のPicoCELAが資金調達を完了

PicoCELA(ピコセラ)は8月18日、第三者割当増資および長期投資による資金調達を完了したと発表した。調達額は非公開。引受先は、清水建設、双日、日本郵政キャピタル、岡三キャピタルパートナーズの4社。調達した資金は、事業の拡大、独自の無線通信技術を基盤としたエッジクラウド連携ソリューションの拡充に利用する。

PicoCELAは、2008年の創業以来、世界最高の無線メッシュ技術の開発と実用化を目指してきた。国内外で200サイト以上の運用実績を有しており、年間のべ利用者数は100万人以上に達するという。多くの導入箇所で7割以上のLANケーブル削減に成功し、建設現場や物流倉庫などのIoT普及を促進させる技術のひとつとして注目されているとしている。

また、コロナ禍におけるテレワーク環境の早期構築実現を支援する「ケーブルいらずを提供。これらのエンタープライズ無線メッシュ製品群は、VPN接続によるセキュアなテレワーク環境を、本社オフィスでのWi-Fi環境と同等レベルで構築可能としている。

またクラウド管理システム「PicoManager」を活用することで、テレワーク環境下の労務管理にも利用できる。

今後も人々の生活空間に偏在する情報とインターネットを今以上にフレキシブルに結びつけて、情報通信産業に革新的な数々のサービスをもたらす立役者となるよう努めるとしている。

 

ファッションD2Cのpickiが1.2億円を調達、マーケティング・DX強化やM&Aに利用

ファッションD2Cのpickiが1.2億円を調達、マーケティング・DX強化やM&Aに利用

ファッションD2Cプラットフォームを展開するpicki(ピッキー)は8月18日、1.2億円を資金調達したと発表した。引受先はサイバーエージェント・キャピタル、セゾン・ベンチャーズ(クレディセゾンのコーポレートベンチャーキャピタル)、個人投資家。

「picki」は、「違いが魅力になる世界をつくる」をビジョンに掲げ、タレント、モデル、アーティストなど、個人のオリジナルアパレルブランドをプロデュースし展開するファッションD2Cプラットフォーム。

調達した資金は、pickiで展開するブランドの拡充、プロデュースするブランドのマーケティングおよびDXの強化、アパレルブランドのM&Aに充てる予定。pickiは、D2Cプラットフォームにとどまらず、ファッション業界におけるデジタルシフトの促進を加速させ、クリエイター個人が持つ世界観やセンスが、アパレル商品を通じて、価値あるものとしてより世間に届くような世界を目指すとしている。

昨今のコロナ渦の影響を受け、従来のオフラインを中心としたアパレルビジネス展開は変化し、ブランドの世界観の表現、消費者への届け方、購入方法など、さらにデジタルが中心になっていく中、今後pickiでは、自社で培ったデジタル・コミュニティを活かしたマーケティング、DXの強化による、ソーシャルを中心としてアパレルブランドを展開していく「ソーシャルネイティブブランド」の創出と、ブランドの拡充、さらにはM&Aも進めていく予定。

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インフルエンサープラットフォームのBitStarがシリーズDラウンドで10億円を調達

YouTuberをはじめとしたクリエイターのプロダクション事業、コンテンツ制作事業、インフルエンサーマーケティング事業を提供するBitStarは8月17日、第三者割当増資と金融機関からの融資により、シリーズDラウンドで総額10億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

プロダクション、コンテンツ、広告の3領域統合とテクノロジーが武器

BitStarは2014年7月の設立。当初はデータを活用したインフルエンサーマーケティングを核とした広告領域から事業を始め、2017年秋以降、プロダクション領域やコンテンツ制作領域にも事業を展開している。

今年4月にリブランディングを行い、プロダクション事業、コンテンツ制作事業に、より注力するようになったというBitStar。代表取締役社長CEOの渡邉拓氏は「プロダクションからは実在スターを創出し、コンテンツ領域からはIP(知財)を生み出す。その結果、それらをマネタイズする広告領域へも価値が返ってくることを期待している」と話す。

2年前の資金調達時の取材で渡邉氏は、UUUMやCandeeといった他のインフルエンサーマーケティングのプラットフォーム事業との比較で「それぞれプロダクションやコンテンツなどの得意分野がある中で、我々は広告・プロダクション・コンテンツ制作の3領域を垂直統合し、一気通貫で対応できる点が強み」と語っていた。

今回の取材でも「その強みは変わらない」と渡邉氏は述べ、「垂直統合とテクノロジーを中心にビジネスを大きくしている」と話している。

テクノロジーについては、スターあるいはIPを生み出すまでの「発掘」「育成」「マネタイズ」の一連のプロセスをデータを用いて仕組み化。「この仕組み、プロダクトは、ある意味エンタメ業界のDXのような形で、我々の事業と組織をスケールしていく上での成長エンジンとなっている。路上スカウトではなく、定量的にデータで旬なクリエイターを発掘するツールや、データを分析して自動でアウトプットする育成のシステムもある。マネタイズでも、従来なら有名人を感覚的にキャスティングしていたところを、定量的に分かるデータベースを提供している」(渡邉氏)

所属クリエイター80名、マーケ事業のクライアントは800社以上に

3年前からスタートしたクリエイタープロダクション事業「BitStar」(旧E-DGE)の現在の所属クリエイターは80名、総ファン数は3000万人を超えているという。プロダクションビジネスではGoogleアドセンスが収益源となるため、KPIには月間再生数を採用しているが、昨年比で200%に成長したと渡邉氏は説明する。

所属するクリエイターのジャンルは幅広く、ゲーム実況や“詐欺メイク”などの美容系、テレビでも活躍する大食いタレントなど、多種多様だ。芸能プロダクションとの連携により、アーティストやアイドル、モデルなども含まれる。YouTuberだけでなく、育成枠ではTikTokerなど、さまざまなプラットフォームのクリエイターが参加しているそうだ。

クリエイターのサポートについては、「画一的なサービスを一律で提供するというよりは“機能組織”をつくり、イベントならイベント運営、テレビ出演ならテレビのキャスティングに強い人といった具合で、それぞれの領域のスペシャリストが、必要なときに都度、クリエイターのやりたいことに合わせて参画するような形を取っている」と渡邉氏。クリエイターの満足度も高く、多くのクリエイターに利用してもらっているとのことだ。

コンテンツ制作事業の「BitStar Studio」もプロダクション事業と同じ3年前に、芸能人のYoutubeチャンネルづくりからスタートした。現在はマスメディアと共同でのYouTubeチャンネル運営や、ブランド・企業との協業、自社メディアとしてのチャンネル開設も行う。

「メディアとの協業では『情熱大陸』や『オカルト部』のYouTubeチャンネル運営により、3年で損益分岐点を超えるところまで育ってきたところ。ブランド・企業との協業では、テレビに代わり、YouTubeチャンネルへ年間でスポンサードしてもらうという流れが昨年あたりからできてきた。僕らは、制作費をいただきながらレベニューをシェアするというSaaSビジネスのようなモデルでやらせてもらっている」(渡邉氏)

YouTubeはほかのSNSと異なり、コンテンツ制作が番組作りに近いと渡邉氏。「コンテンツを頻度高く、毎日のように配信していくので、PDCAが試される。そういうサイエンス的なところは我々が強いので、業界の先駆けとして伸ばしてきたところです」(渡邉氏)

直近では、新型コロナウイルス感染症の影響で、新製品リリースなどのタイミングでライブ配信需要も増えており、「制作の幅も広がっている」と渡邉氏はいう。

VR/VTuber対応でも、2018年に「BitStar Akihabara Lab」を立ち上げ、専門の制作・運営体制を提供。他社キャラクターを協業で運用したり、VR空間を生かした体験型イベント、AR技術を生かしたアトラクションを提供したりしている。AR技術で深度センサーを使い、VTuberキャラと触れ合ってチェキを撮影できるイベントは、来場者300人でチケット3000枚を販売するほどの人気だったそうだ。

VTuberのリアルファンイベント「わくわく!VTuberひろば」はオンライン化も試みられた

創業当初はYouTuberと企業のマッチングプラットフォームとして始まった、インフルエンサーマーケティング事業「BitStar Ads」は現在、インフルエンサーのキャスティングから広告運用・出稿、データ分析と幅を広げ、クリエイティブ領域、コンテンツ領域にも対応し、「人を軸にしたエージェンシーとしていろいろな広告商品を開発・展開している」(渡邉氏)という。

BitStar Adsの利用クライアントは累計約800社以上、動画配信数は4000本以上となった。「広告領域で特に強みとするのは、定量的にデータでキャスティングを最適化する国内最大級のインフルエンサーデータベース『IPR(Influencer Power Ranking)』で、こちらは現在約1500社の登録がある。YouTubeに加え、InstagramやTwitterなどのプラットフォームも合わせて10万以上のクリエイターをデータベース化しており、キャスティングに役立てていただいている」(渡邉氏)

投資家の電通、マルイなどと事業提携も進める

今回の資金調達ラウンドに参加した投資家は、電通グループ、丸井グループ、フォーイット、SKIYAKI、ビーマップ、セガサミーホールディングスと、既存株主であるコロプラネクスト、ABCドリームベンチャーズ、および複数の個人投資家。これまでの累計調達額は約30億円となった。

調達によりBitStarでは、大手事業会社との戦略的協業を具体的に始める。広告事業では、電通グループとの資本業務提携を通じて、ナショナルクライアント獲得と共同での広告商品開発を図る。「既存業界との協業により、知見や発想、ソリューションを共有して、商品開発を行う」(渡邉氏)とのことで、提携内容については今後随時発表を予定しているという。

プロダクション事業では、ファンクラブやファンサービス運用のプラットフォームを提供するSKIYAKIと、ファングッズ販売関連で既に提携を開始している。またコンテンツ制作事業では、事業会社とのYouTubeチャンネルの共同運営や、企業のオフィス内に配信スタジオを展開する際の協力などを行っていく。

丸井グループとの提携では、BitStar Akihabara Labで開発・運営するイベントアトラクションの「わくわく!VTuberひろば」を渋谷モディに常設することが決まっている。

フルスピード子会社でアフィリエイトプラットフォームを運営するフォーイットとは、プロダクト開発で協業。プロダクション所属には至らないマイクロ/ミドルインフルエンサーを対象とした、仕事依頼のためのプラットフォームを共同で開発する予定だ。

渡邉氏は、プロダクション・コンテンツ制作・広告と、「インフルエンサーサービスの3領域いずれのエリアでも成長したい」と述べている。

今期、「業界ナンバーワンの成長を目指す」と話す渡邉氏。成長率で170%を今期の業績目標としているという。直近ではプロダクション事業のKPIだけでなく、コンテンツ制作事業でも月間売上を昨年比で約2倍に伸ばしており、「新規領域でも順調に成長している」と渡邉氏は述べている。

新型コロナの業績への影響について渡邉氏は、前述したようにライブ配信コンテンツ制作など、需要が増えた部分もあるが、「リアルイベントや物販会、実写制作では影響が出ている」という。ただ「経営的には全般に大きなインパクトがあるわけではない」とも話している。

「視聴者層は増えていて、事前の市場予測よりさらに130%の伸びとなっている。芸能人がテレビから動画配信へ進出するなど、エンタメ界でDXが起きやすくなっている環境」という渡邉氏。「再度、緊急事態宣言クラスの制限があれば、痛手がないということはないが、リアルビジネスについてもECやD2Cを物販に取り入れたり、VR握手会を企画したりすることで、オンラインへの移行は進めている。もともとエンタメ業界のDXを進めてきた立場として、柔軟に対応したい」と語っている。

各種SaaSのアカウント管理・権限設定を自動化する「YESOD」のイエソドが2億円を調達

各種SaaSのアカウント管理・権限設定を自動化する「YESOD」のイエソドが2億円を調達

イエソドは8月17日、プレシリーズAラウンドにおいて、CE型新株予約権の発行として総額2億円の資金調達を実施した。引受先はDNX Ventures、ANRIなど。イエソドは、散らばった人事・組織情報を統合し、各種SaaSのアカウント発行・権限設定を自動化するSaaS統制プラットフォーム「YESOD」を開発・提供している。

各種SaaSのアカウント管理・権限設定を自動化する「YESOD」のイエソドが2億円を調達

同社プロダクトは高度なデータモデルが前提としたプロダクトであり、開発および導入に向けてハイレベルな人材が必要となるビジネスという。そのため、今回調達した資金を基に人材の採用を積極的に推進。特に主要サービスの開発を行うエンジニア、導入を行う業務コンサルタントの拡充を急速に進める予定としている。

2018年9月設立のイエソドは、「企業の人・組織・情報にまつわる非効率をなくす」をミッションに、IT系スタートアップ管理部門・情報システム部門向けのクラウド型サービスYESODの開発・提供を行うスタートアップ。

DXの実現に欠かせない存在として、ソフトウェアをサービスとして提供するSaaSが国内外で次々とローンチされている。企業においてもSaaS導入が進む一方で、SaaSを管理する管理部門、システム部門、監査部門は様々な課題に直面し、企業全体のコンプライアンス違反リスクが高まっているという。

同社は、SaaS管理における課題の本質が「人事・組織の情報を正しく管理できていないこと」にあると考え、YESODには組織の階層構造をまるごと格納でき、かつ時系列に管理できるデータベースを内包。これにより「個人」ではなく「組織と役割」に基づくSaaSのアカウント管理、権限管理の自動化を実現するとしている。企業の人・組織・情報を正しく整理することで、業務改善、内部統制、情報セキュリティへの対応を一気通貫に整えるという。

各種SaaSのアカウント管理・権限設定を自動化する「YESOD」のイエソドが2億円を調達

各種SaaSのアカウント管理・権限設定を自動化する「YESOD」のイエソドが2億円を調達

YESODは、以下のような特徴を備えるものとして開発を進行。現在は基盤となる人事・組織データベースのプロトタイプ開発を終え、SaaS管理機能の開発に鋭意取り組んでいる段階としている。

  • 過去、現在、未来の人事・組織情報を格納可能な多次元データベース
  • 国内外のSaaSサービスとのシームレスな連携
  • 社内規定に沿ったSaaSの確実なアクセス管理の自動化
  • IT監査など内部統制を楽にする各種レポート出力

セレブ起用で有名なオンライン募金プラットフォーム運営のOmazeが約32億円を調達

有名人を起用した募金活動で有名になったスタートアップのOmazeが、シリーズBラウンドで3000万ドル(約32億円)を調達したことを明らかにした。同社は、慈善活動を支援するキャンペーンや商品を提供するオンライン募金プラットフォームを運営している。

同社の最も有名なキャンペーンには、Michelle Obama(ミシェル・オバマ)氏に会える機会「スター・ウォーズ」のキャストに会える機会「スター・トレック ビヨンド」のセットを訪問できる機会などがあった(実はスター・トレックのキャンペーンに応募したことを告白しておく)。しかし、共同創業者兼CEOのMatt Pohlson(マット・ポールソン)氏によると「近年のOmazeのモデルは『タレントキャンペーン』から、高級キャンピングカーのAirstream Caravelのオーナーになる権利や、南太平洋のボラボラ島にあるフォーシーズンズリゾートへの旅行などの賞品を提供する募金活動を含むようになった」とのこと。

ポールソン氏は、Daniel Craig(ダニエル・クレイグ)氏に会うチャンスとアストンマーチンを獲得するチャンスを組み合わせたキャンペーンを発表した後、賞品モデルに興味を持つようになったそうだ。「アストンマーチンだけで十分に募金を調達できるのではないか」と考えたという。その直後の2018年、同氏は手術中に臨死体験をしたことで会社を新たな方向に向かわせたいという信念が強まったそうだ。

同氏は当時担当した外科医から「4分半ほど昏睡状態で生存の可能性が極めて低かったこと、彼と一緒に部屋にいた家族からの『愛と楽観主義』があったからこそ乗り切れた」と伝えられたことを思い出したそうだ。

「私は200万人に1人の幸運を得られました。できるだけ多くのことを世の中に出したいと思っています」と同氏。「その方法として各種キャンペーンで資金を調達し、楽観主義を広めることです。これを人材を活用して進めると拡張性が制限されます」と続ける。

さらに独自のキャンペーンを組織することでOmazeのチームは、有名人が支援したいと思う内容に限定されるのではなく、自分たちが関心を寄せている内容を選ぶことができるようになる。

同時にポールソン氏は「Omazeがこのような方向に進めたのは、多くのユーザー層を魅了したスターの助けがあってこそ」と付け加え、「同社はタレントキャンペーンも引き続き進めていく」と説明した。もちろん大規模な戦略の一部にすぎないが。

新型コロナウイルスの感染蔓延の影響で、Omazeではいくつかの賞品の贈呈や実施を延期せざるを得なかった。また、いまとなっては有名人との会合や手の込んだバケーションはあまり人々を引きつけない。しかし同氏は「人々はそれを理解している。そして新型コロナウイルスの流行は我々の事業についての関心を高め、人々に『社会還元をしたいという欲求』を与える一方で『これまで以上に夢を見たい』と思わせるようになった」と語る。

ポールソン氏によると「Omazeの平均的なキャンペーンのパフォーマンスは過去18カ月間で4倍になり、収益は500%増加した」とのこと。

Omazeは以前、シリーズAラウンドで1200万ドル(約12億7900万円)を調達した。今回の新規ラウンドはFirstMark Capitalがリードし、Causeway Media Partners、BDMI、Tusk Ventures、Inherent Group、Gaingels、Penni Thow(ペニ・タウ)氏が創業したCopper、Guy Oseary(ガイ・オセアリー)氏が参加した。タウ氏とNBAのBoston Celtics(ボストン・セルティックス)のオーナーであるWyc Grousbeck(ウィック・グラウスベック)氏がOmazeの取締役会に参加する。

タウ氏は声明の中で「Omazeは、体験型の資金調達と社会的インパクトのリーダーとして、世界を変える慈善団体に力を与えるという点でほかに類を見ないものです」と述べている。「私はOmazeの取締役会に参加し、単年度で10億ドル(約1060億円)を慈善団体に寄付する初の営利企業になるというビジョンの実現に貢献できることを光栄に思います」と続けている。

ポールソン氏によると、Omazeの事業が拡大したのが車が始まりだったが、最近では高級住宅のキャンペーンも開始したという。新たな資金を使ってこれらのキャンペーンを拡大する一方で、キャンペーンのカテゴリーを追加していく予定だという。また、同社は最近英国でもサービスをローンチしたほか、西ヨーロッパとアジアへの拡大も計画している。

Omazeはすでに1億3000万ドル(約138億円)以上の資金を集めているが、ポールソン氏は「(タウ氏が言及したように)大きな目標の1つは、Omazeを営利企業として初めて1年間で10億ドルを集める企業にすることだ」と説明する。

ポールソン氏は「我々は他の社会起業家のために道を開きたいのです。世界でなにか良いことをすることと、多くのビジネスチャンスを待つことの間に、誤った選択があるようです。我々の文化では良いことをした人が必ずしも報われないことが、人々の善行を妨げていると考えています」 と語る。

関連記事:シャオミやアリババ、バーキンが採用するHRツール開発のMokaが総額約46億円のシリーズBラウンドをクローズ

カテゴリー:フィンテック

タグ:Omaze 資金調達

画像クレジット:Omaze

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(翻訳:TechCrunch Japan)

シャオミやアリババ、バーキンが採用するHRツール開発のMokaが総額約46億円のシリーズBラウンドをクローズ

投資家は中国における人材管理の自動化に賭けている。昨年、この分野のキープレイヤーの1社であるMokaが、Hillhouse Capitalが主導するシリーズBラウンドで約2700万ドル(約28億7800万円)を調達したことを報告した。先週同社はシリーズB+を1億元(1440万ドル、約15億3300万円)以上で完了し、Bラウンドの資金調達総額を3億元(4320万ドル、約46億円)に引き上げたことを発表した。

Mokaは今回調達した資金を、人材採用と製品開発、事業拡大に投下することを明らかにしたが、シリーズB+ラウンドの投資家の情報は開示しなかった。なお、米国カリフォルニア拠点のGGV CapitalはシリーズAラウンドに投資している。

中国の投資家は近年、コンシューマーテック市場での競争が激化する中、企業向け製品への注目度を高めている。Mokaは、求人情報の掲載から潜在的な候補者の発掘、既存スタッフの管理まで、人事管理者の日々の業務を支援するソフトウェアを開発している。例えば、従業員が履歴書を更新すると、Mokaは人事管理者にアラートを出す。

Mokaの新CEOに就任した李 国興氏は、元Facebookのエンジニアだ(画像提供:Moka)

新たなラウンドが終了すると同時に、Mokaは共同創業者のLi Guoxing(リー・グオシン)氏を新たな最高経営責任者(CEO)に任命した。北京を拠点とする設立5年のスタートアップは、Facebookのベテラン社員だったリー氏と、これまでMokaのCEOを務めていたZhao Oulun(ジャオ・オウルン)氏によって設立された。ジャオ氏はサンフランシスコのカーシェアリングサービスであるTuroに勤務したあと、中国に帰国した。

新CEOのリー氏は「Mokaは業界平均の3分の2のコストでユーザーを獲得しており、SaaSの契約更新率は100%を超えている」と主張している。「ビジネスにおける競争の未来は、間違いなく人材の採用にかかっている。今後は採用が企業戦略になることは間違いない」と説明する。

6月の時点でMokaは、Xiaomi(シャオミ)、Didi(ディーディー)、Arm China、Shopee(ショッピー)、Alibaba(アリババ)といった技術大手からファーストフード大手のバーガーキングとマクドナルドまで、700社以上の有料クライアントを持つ。300人のスタッフで構成される同社のチームは、中国の5つの主要都市で活動している。

画像クレジット:The Moka team

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(翻訳:TechCrunch Japan)

企業の財務計画と分析業務に特化したツールを開発するCubeが総額5億円超を調達

米国時間8月13日朝、Cubeは総額500万ドル(約5億3300万円)強のシードラウンドを終えたことを発表した。同社は財務計画と分析(FP&A)業務に特化したツールを開発しているスタートアップで、先日380万ドルを調達し、残りの125万ドルは以前のプレシードラウンドで調達した。

CubeのCEO兼創業者であるChristina Ross(クリスティーナ・ロス)氏はTechCrunchに「最新の資金調達を3月に開始し、数週間以内にタームシート(融資金額、金利等、前提条件、期限前弁済、表明保証などが記載された書類)を数枚作成した」と語った。最終的にはBonfire VenturesのBrett Queener(ブレット・クイーン)氏を投資ラウンドのリーダーとなり、Operator Collective、Clocktower Technology Ventures、Alumni Ventures Group、Techstarsなどが参加した。

FP&Aとは何か、そしてなぜCubeはこれほどまでに多くの関心を持つ投資家を引きつけているのか。その両方について解説していこう。

スプレッドシートを攻める

古くからのスタートアップの名言がある。起業の種を見つけるなら大企業に行くべきだ。企業内をくまなく歩き回ってどの部署がまだスプレッドシートを使っているかを調べ、それに代わるものを構築すればいい。ロス氏はCubeで同様のことを実践している。

ロス氏はインタビューの中で、GE、Deloitte(デロイト)で財務の仕事をしていたこと、アパレルレンタルのRent The Runwayでは従業員34人で最初の財務部長を務めたこと、デジタル広告のCriteoでは北米の財務部長を務めたこと。そして最後にビデオ広告会社のEyeviewではCFOを務めたことなど職務経験を詳しく語っている。同氏は、成長する企業の資金源を管理・追跡し、将来の計画を立てるのを支援してきた。

業界用語で言えば、FP&Aというビジネスプロセスに多くの時間を費やしてきた同氏は「FP&Aは旧式のスプレッドシートでの業務がまだ多すぎるというビジネス」とのこと。

そこでCubeの出番となる。ロス氏は、CFOの業務の多くはCarta、Bill.com、Expensify、その他のツールで自動化されつつあるが、FP&Aはまだそのような恩恵を受けていないと説明する。

Cubeが提供するのは、Quickbooksのような総勘定元帳、SalesforceのようなCRM、ADPなど人事管理システムからの情報を1つのリポジトリに収集することだ。そこから企業のFP&A担当者は、Cube独自の可視化ツール、スプレッドシート、またはウェブインタフェースを使用して、データを管理できるほか、ソートして表示方法を変えられる。

自分好みの方法で情報を参照できるようになれば、FP&Aの本当の仕事、つまり未来のスケッチに取り掛かることができる。そのスケッチは何に役立つのか?具体的には、企業のリーダーに損益予測やその他の業務内容を提供できるようになる。ロス氏の考えではFP&Aは非常にシンプルだ。数字させ片付ければ、過去の物語を語り、与えられた企業の未来の物語を書くことができる。

このようなFP&Aの問題を解決する同社のサービスの料金は月額850ドル(約9万円)からで、スタートアップ企業向けの割引も予定している。Cubeは、優れたメモ作成アプリを作ろうとしているのではなく、企業の財務面を支援するツールを提供したいと考えている。同社のサービスは企業の支出と資金に密接にかかわることになる。ミッションクリティカルではないSaaS製品よりもランニングコストはかかるが、サービス内容を考えると妥当な価格設定だ。

ビジネス上の重要性とその価格設定が、Cubeが新型コロナウイルスの感染蔓延の最中でも資金調達に苦労しなかった理由の1つだと推測される。ニューヨーク市を拠点とする同社は資金調達サイクルを終了したため、来年にはスタッフの規模を3倍にする予定だ。

Cubeのソフトウェアはいまの私が使うものではない、しかし、私が会計・財務機能が成熟し始めた頃にスタートアップで働いていたころは、数字を並べていくだけでも大変だし、決算書を完璧にそろえて、細かい活字から目を上げて地平線を少し眺めるだけでも大変だった記憶がある。もしCubeが多くの企業のFP&A業務を助けることができれば、かなりの効率化が図れるだろう。

今後、Cubeが成長していけば追って記事を書くつもりだ。

画像クレジット:Jackie Niam / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

抜け毛や偏頭痛、消化不良の治療薬を患者に直接提供するThirty Madisonが約50億円調達

ニューヨークを拠点とするThirty Madisonが、新たに4700万ドル(約50億円)の資金調達を行った。同社は、抜け毛や偏頭痛、慢性的な消化不良の人に、治療薬を直接提供している。

先のTeladocとLivongoの約190億ドル(約2兆250億円)の合併後、ヘルスケア産業ではリモート療法とバーチャルケアの企業が大流行しており、Thirty Madisonの事業もその例外ではない。

これらの企業がヘルスケアビジネスの未来にとってどれだけ重要なのか、それは先日のThirty Madisonのへの投資にJohnson & Johnson Innovationが加わっていたことからもわかる。

このラウンドをリードしたのはPolaris Partnersだが、既存投資家であるMaveronNorthzoneも参加した。Thirty Madisonの総調達額はこれで7000万ドル(約75億円)になる。

ちょうど3年前にSteven Gutentag(スティーブン・グテンタグ)氏とDemetri Karagas(デメトリ・カラガス)氏が創業したThirty Madisonは、2018年まではKeepsというブランドで抜け毛の治療を提供していたが、2019年前半には偏頭痛治療のCove、後半には胃食道逆流症治療のEvensをローンチした。

Thirty Madisonは最近、患者が払いたいだけ払うというモデルで緊急治療相談を始めている(Thirty Madisonサイト)。

同社の創業者は、資金状態のいい競合他社であるHimsやRoと比較して、一度診療が終わっても継続的にケアを提供することと、症状に応じて多様な治療オプションから選べることを、Thirty Madisonの差別化要因として挙げている。また、さまざまな症状の特性に合わせて的を絞った治療法を提供できることが他社と違うところだという。

Polaris PartnersのパートナーでこのたびThirty Madisonの取締役会に加わったAmy Schulman(エイミー・シュルマン)氏は、「米国人の59%以上が1つ以上の慢性症状を抱えているが、彼らの医療の点と点を結びつけるリソースはほとんど存在しない」という。

カテゴリー:ヘルステック

タグ:資金調達 Thirty Madison

画像クレジット:OstapenkoOlena / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

がんの標的治療の開発を改善するMission Bioが約75億円を調達して技術のスケールアップを目指す

カリフォルニアのMission Bioが、シリーズCで7000万ドル(約74億6000万円)を調達した。このラウンドはNovo Growthがリードし、Soleus Capitalと前からの投資家であるMayfield、Cota CapitalおよびAgilentが参加した。Mission Bioはこの資金を使って同社のTapestriプラットフォームを拡大していく。このプラットフォームは、単一細胞マルチオミクス解析の技術における同社の取り組みを利用して、標的化された精密ながん治療の最適化を支援している。

Mission Bioの単一細胞マルチオミクス解析プラットフォームは、治療産業の中でもユニークだ。臨床試験中のさまざまな治療を使用した場合の遺伝子型(完全に遺伝的なもの)と表現型(遺伝やその他の要因に由来する形質)両者への影響を観察できるという点で単一細胞に的を絞ることができる。Mission BioのTapestriは同一細胞内のDNAとタンパク質の変化の両方を検出可能で、バルク分析(細胞群をまたいだ分析)ではコントロール不能な他の要因の影響を除外することができるため、標的とする治療法の効果判定において重要だ。

2012年にUCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)で行われていた研究からスピンアウトして創業されたMission Bioは、今日まで1億2000万ドル(約127億9000万円)の資金を調達している。同社の技術はAgios、LabCorp、Onconova Therapeuticsなどさまざまな大手製薬企業や治療技術企業で利用されてきた。またUCSFやスタンフォード、スローンケタリング記念がんセンターなどのがん研究センターでも利用されている。

Mission Bioの技術は、血液のがや腫瘍などの治療のための臨床試験の最適化を支援するだけでなく、ゲノム編集の検証にも利用できる。それは、CRISPRをベースとする治療アプリケーションの台頭により、次の数年間で大きな成長が見込まれる可能性の大きな市場だ。

画像クレジット: Mission Bio

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Impossible Foodsが220億円超を追加調達、世界展開とポークやステーキ、ミルクなどの開発を推進

植物性代用肉のメーカーであるImpossible Foodsが、さらに2億ドル(約213億円)の資金を調達した。調査会社のPrimeUnicorn Indexのデータによると、このラウンドにより同社の評価額は40億ドル(約4274億円)に跳ね上がった。

このラウンドをリードしたCoatueは、テクノロジーにフォーカスしたヘッジファンドだ。ニューヨークのヘッジファンドであるXNに、このラウンドに参加した。

Impossible Foodsはこれまで、Mirae Asset Global InvestmentsやTemasekなどから合計15億ドル(約1600億円)を調達している。同社のキャップテーブル(Cap Table、株主とその保有株式数・保有割合、株価などをまとめた資料)には公開・非公開さまざまな新しい投資家が並んでいてIPOも近いかと思われるが、現状ではまだ憶測の域だ。

同社は以前に、Horizon VenturesやKhosla Venturesのような投資企業から資金を調達していたが、投資家の顔ぶれの中には米国の大物セレブも少なくない。名前の一部を挙げると、Jay Brown氏、Common氏、Kirk Cousins氏、Paul George氏、Peter Jackson氏、Jay-Z氏、Mindy Kaling氏、Trevor Noah氏、Alexis Ohanian氏、Kal Penn氏、Katy Perry氏、Questlove氏、Ruby Rose氏、Phil Rosenthal氏、Jaden Smith氏、Serena Williams氏、will.i.am氏、Zedd氏などだ。

PrimeUnicornによると、Impossible Foodsの最近の株価16.15ドルはシリーズFのときの15.4139ドルを上回っている。

Impossible Foodsによると、新たな資金は研究開発の強化に向けられ、とくにポークやステーキ、ミルクなどの新製品開発に力を入れる。また国際市場を広げ、製造能力の向上も目指す。

同社の創業者で一般博士号のほかに医学博士号を持ち、さらにはCEOでもあるPatrick O. Brown(パトリック・O・ブラウン)博士は声明で「動物を使って食べ物を作ることは、地球上で最も破壊的な技術であり、気候変動の主な原因であるとともに、全地球規模で起きている野生動植物と生物多様性の破滅的崩壊の主因でもある。Impossible Foodsのミッションは、その古めかしいシステムを、世界でも最も美味で栄養豊富で持続可能な植物由来の食肉の生産で置き換えることである。そのためにはImpossible Foodsはその生産と売上の指数関数的な成長を持続し、研究開発に大きな投資をしていく必要がある。投資家たちは、グローバルな食糧システムを変えていく私たちのミッションを信じ、またそこに莫大な経済的機会があることも理解している」。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

顧客情報管理プラットフォーム開発のGongが約214億円調達

Gong(ゴン)にとって昨年2月から数えて3度目の資金調達はかなりの金額となった。昨年2月の調達額は4000万ドル(約43億円)だった(未訳記事)。同12月には6500万ドル(約70億円)を獲得していた(Gongリリース)。今回は22億ドル(約2350億円)のバリュエーションで2億ドル(約214億円)を調達した。18カ月足らずで総調達額は計3億500万ドル(約327億円)となる。

Coatueがラウンドをリードし、新規投資家としてIndex Ventures、Salesforce VenturesThrive Capitalが、既存投資家からBattery Ventures、NextWorld Capital、Norwest Venture Partners、Sequoia Capital、Wing Venture Capitalが参加した。同社によれば、これまで総額で3億3400万ドル(約357億円)を調達しているという。

これほど投資家の注目を集めているのはなぜか。シリーズBラウンドについてGongに取材(未訳記事)た頃の顧客数(Gongサイト)は300社だった。それから大きく成長し、今は約1300社を数える。同社によれば、今年だけでも売上高は2.5倍になった。

GongのCEOであるAmit Bendov(アミット・ベンドフ)氏によると、同社は「レベニューインテリジェンス」と呼ばれるカテゴリーを作ろうとしている。本日の販売データはCRMデータベースに格納されており、その中身は営業や顧客サービス担当者が書き込む顧客とのやり取りの記述だ。Gongはそのプロセスに変革を持ち込もうとしている。顧客とのやり取りを両面から捉え、人工知能でそれを転写・分析するという方法だ。

ベンドフ氏は、パンデミックと景気収縮が、市場が流動性にあふれ投資家が資金の投資先としてGongのような会社を探すという状況を作り出したと言う。

「市場には流動性があふれている。投資機会は極めて少ない。投資業界は市場がどう揺れ動くのかを見極めており、ニューノーマル(新常態)の下で長期的に利益を稼げる企業に賭けようとしている。当社はその1つだと思う」とベンドフ氏はTechCrunchに語った。

同氏は資金を求めていたわけではないと言う。実際、シリーズBの資金がまだ残っている。だが投資家が小切手帳を開いて有利な条件を打診してきたとき、同氏は断わろうとしなかった。「CEOの中には必要なときにではなく、可能なときに資金を調達すべきと主張する人たちがいる。そうすればバリュエーションでたたかれることはない。今回のプロセスは非常に簡単だった。ディールプロセスはタームシートから銀行口座への入金まで14日で完了した」と同氏は述べた。

ベンドフ氏は、資金を受け取ることは「かなり簡単なことだ」と語った。資金によって経営に自由が与えられ、さらに市場での正当性が得られると言う。「資金があれば、企業を買収し、戦略的投資を行い、計画を加速することができる。特に当社の顧客である大企業に対し、当社が存続するという安心感を与える」

現在約350人の従業員を抱えるが、年末までに100人を採用する予定だ。ベンドフ氏は、同社にとって多様性(ダイバーシティ)と均等な機会(インクルージョン)は「極めて優先度が高い」と語った。同社は最近、アトランタに採用拠点を開き、より多様な候補者を会社に迎え入れるよう取り組んでいる。FlockJayという会社と協力してカスタマーサクセスの担当者を少数派グループから採用して研修を行っている。R&Dセンターがあるイスラエルでは、コンピュータサイエンスのバックグラウンドを持つアラブコミュニティーの人々にインタビュースキル習得の支援を行っている。いずれもGongで働く人もいれば、他の会社に行く人もいる。

同社は急速に成長し将来性を示しているが、ベンドフ氏はまだIPOを考えていない。同氏は会社を少なくとも数億ドル(数百億円)の売上高にまで成長させたいが、現時点では2〜3年先だと語る。確かに同社にはそれまで事業に必要なキャッシュが十分にある。

画像クレジット:MarsYu / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

フードロス削減プラットフォーム「TABETE」運営のコークッキングが資金調達を実施

フードロス削減「TABETE」運営のコークッキングがJR東日本スタートアップなどから資金調達

フードロス削減のためのプラットフォーム「TABETE」(タべテ。iOS版Android版)運営のコークッキングは8月13日、プレシリーズAラウンドのセカンドクローズとして資金調達を実施したと発表した。引受先は、JR東日本スタートアップ、Social Entrepreneur3投資事業有限責任組合(PE&HR)、東松山起業家サポート投資事業有限責任組合(PE&HR)、麻生要一氏。

調達した資金は、サービス開発の強化、TABETE展開エリアの拡大、TABETEレスキューデリ(駅ナカをはじめとする商業施設において展開中)の拡大を通じた提供価値の最大化に利用する。

フードシェアリングサービス「TABETE」は、まだおいしく食べられるのに「捨てざるを得ない危機」にある飲食店の食事を、ユーザーが「1品」から購入できる仕組み(プラットフォーム)。飲食店・小売店で廃棄の危機にある食事と、テイクアウト購入をしたい消費者とを直接マッチングさせることで、食品ロス発生を水際で防いでいるという。

現在、20〜40代の働く女性を中心とした約29万人のユーザー・飲食店や惣菜店を中心とした約1300店舗が登録。累計4万9000食以上の食品ロス削減に成功した。

フードロス削減「TABETE」運営のコークッキングがJR東日本スタートアップなどから資金調達

TABETEではサービスコンセプトとして「フードロス削減」を掲げており、予想外のできごとや急な予約のキャンセルなどによって頻繁に発生し、完全な対策が難しいとされる飲食店・惣菜店におけるフードロスの削減に寄与する仕組みを構築。「想い」を込めて準備した食事を無駄にせず、ユーザーの多様な食事の選択肢にも繋がるという、「これからの新しい食のあり方」を提案していくという。

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