普通のサウンドバーに満足できないDevialetがハイエンドのサウンドバーを発売

ハイエンドスピーカーメーカー、フランスのDevialet(デビアレ)から登場した新しいスピーカーのDevialet Dioneを紹介しよう。この新製品で、同社は新しい市場であるホームシネマサウンドシステムに参入する。Devialet Dioneはオールインワンのドルビーアトモス5.1.2対応サウンドバーで、価格は2190ユーロ(約29万7400円、日本での販売価格は税込35万9000円)だ。

DevialetのCEOであるFranck Lebouchard(フランク・ルブシャール)氏は筆者に対し「当社はハイエンドのマーケットの企業ですが、オールインワンオーディオシステムの製品があります」と語った。その意味するところは、標準的なサウンドバーとDioneは比較の対象ではないということだ。

例えばSonos(ソノス)のラインナップでDioneと同等のデバイスを見つけるとするなら、Sonos ArcサウンドバーとSonos Oneを2台、そしてサブウーファーのSonos Subのセットになるだろうとルブシャール氏はいう。このセットの現在の価格は2000ドル(約24万3300円)を超える。

ルブシャール氏は「すべてを1つのデバイスに収めたことが技術的な成果です。つまり17基のスピーカーを組み込む必要があり、これは前代未聞です」と付け加えた。

同社はパリのオフィスに試聴室を設けており、筆者は大型テレビとともにDevialet Dioneを聴く機会を得た。「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の冒頭の数シーンと音楽を数種類、このスピーカーで聴いてみた。

確かにこのスピーカーのサウンドはすばらしい。没入感のあるサウンドを生み出し、テレビの前ではなく映画館にいるように感じられる。

これはレビューとしては十分ではない。筆者はオーディオの専門家ではないので、現在のトップクラスのサウンドバーと比較した場合のDevialetのサウンドバーの音はわからない。購入前にご自身で試聴することをお勧めする。

ルブシャール氏は「Sennheiser(ゼンハイザー)のサウンドバーにはスピーカーが12基あります。我々は17基のスピーカーを組み込んでいます。完全に魔法のようだというわけではありませんが、スピーカーを5つ増やせば聴いて違いがわかります」と述べた。

画像クレジット:Devialet

中身がぎゅっと詰まったサウンドバーだ。重量は12キロ、そして1.2メートルの長さがある。大型の55インチテレビを持っているなら、このようなスピーカーの購入を検討するといいだろう。

デザインは、これまでのDevialetのスピーカーに比べると控えめだ。Devialetの特徴的なデザインである卵型から、エッジや角が直線的なよくある四角い形になっている。

目立つのはデバイスの中央部にある小さな球だけだ。この球の中にはスピーカーが1つあり、動かせるようになっている。このため、サウンドバーを壁に取り付ける場合は球を動かして自分に向けることができる。

デバイス内部には17基のスピーカーがある。フルレンジドライバーが9基、四角いサブウーファーが8基だ。このサブウーファーはサウンドバーの仕様に合わせて設計された。したがって、Devialet Dioneではサブウーファー(またはサテライトスピーカー)を別に用意する必要がない。

このデバイスには独自のD/Aコンバーターも組み込まれている。実はDevialet Dioneには同社のフラッグシップ製品であるPhantomシリーズと同じSoCが使われている。Devialetはこの専用チップに関して複数の特許を取得しており、バックグラウンドノイズなし、サチュレーションなし、ディストーションなしのサウンドを謳っている。

ドルビーアトモス対応でない映画を再生する場合は、Devialet Dioneでサウンド信号を5.1.2オーディオに「アップスケール」できる。会話を聞き取りやすくするライブバランス機能もある。

接続に関しては、Devialet DioneをeARCとCECに対応したHDMIケーブルでテレビにつなぐ。スタンドアローンのスピーカーとして音楽を聴くこともできる。

Devialet DioneをWi-FiかEthernetでローカルネットワークに接続する。Bluetooth 5.0にも対応し、Devialetアプリを使用する。Spotify ConnectやAirPlay 2も利用できるので、音楽を聴く際に必ずしもアプリを使わなくてもよい。

画像クレジット:Devialet

オーディオマニア専用ではない

同社はDevialet Dioneには勝機があると見ている。ストリーミングサービスが注目作の映画を早期に配信するようになっているからだ。ルブシャール氏は「市場は大きく成長しつつあると認識しています」という。

同氏はさらに「このサウンドバーの典型的なお客様は55インチ以上の高画質テレビを持っている方です。そのような方々は画質に引けを取らない優れた音質を求めます。音楽をたくさん聴くDevialetの典型的なお客様とは少し違います」と述べた。

もし事業の目標を達成をしようとするなら、Devialet Dioneは1年間で同社売上の20%を担わなくてはならない。同社は新製品を発売する際に販売拠点のきめ細かいネットワークの力を借りることができる。現在、Devialetの販売拠点は世界各地に1900カ所ある。

同社は2015年のシリーズA以降は資金調達ラウンドについて公表していないが、その後の2回のラウンドで7000万ユーロ(約95億円)を調達している。直近では2020年1月に既存の投資家から5000万ユーロ(約67億9000万円)を調達した。

Devialet Dioneは米国時間3月29日からフランス、ベルギー、ルクセンブルク、スイスで発売され、その他の国でも同日に予約注文が開始されている。

画像クレジット:Devialet

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)

インドの電子機器&ライフスタイルのスタートアップboAtがIPOを申請

インド発の希少なハードウェアスタートアップの1つである電子機器&ライフスタイルブランドboAt(ボート)の持ち株会社Imagine Marketing(イマジン・マーケティング)は、最大2億6600万ドル(約305億円)のIPOを申請した。

Warburg Pincus(ウォーバーグ・ピンカス)が支援するboAtは、現地時間1月27日に地元の規制当局に提出したDRHP(予備目論見書のこと)の中で、約1億2000万ドル(約137億円)相当の新株発行と1億4600万ドル(約167億円)相当の株式の売り出しを計画していると述べている。boAtの出資者の1人であるSouth Lake Investment(サウス・レイク・インベストメント)氏は、IPOで1億640万ドル(約122億円)相当の株式を売却する予定であると、申請書は述べている。

1年前のシリーズBラウンドで3億ドル(約344億円)と評価されたこのスタートアップは、IPOの手続きを過去の債務の支払いや現在の債務の「前払い」に充てる予定だという。匿名を希望する投資家の1人によると、新規株式公開では15億ドル(約1721億円)以上の評価額を求めているとのこと(求められる評価額は、地元メディアによって以前に報告されている)。

boAtはヘッドフォン、フィットネスウェアラブル、スマートウォッチ、ゲームコントローラー、充電ケーブル、携帯バッテリーパック、イヤフォン、その他のモバイルアクセサリーなど、さまざまな電子製品を「製造」し販売している。同社の低価格でプレミアム感のある美しい外観デザインのデバイスは、顧客層の大半を占める若者の支持を得ている。

boAtは近年、展開カテゴリーを拡大し、そこでも最初に際立った存在となったのと同じ戦略を取っている。フィットネス用ウェアラブルは25ドル(約2870円)以下から、スマートウォッチとAirPodのようなイヤフォンは30ドル(約3440円)以下、充電ケーブルは3ドル(約340円)、ホームシアター用サウンドバーは約50ドル(約5740円)、ワイヤレススピーカーは10ドル(約1140円)強、ヘッドフォンは5.5ドル(約630円)である。

boAtは提出書類の中で、オーディオ、ウェアラブル、パーソナルケアなどのカテゴリーを含む製品の生産について、多くの契約メーカーに依存していると述べている。

「当社は、製品の製造をこれらの契約メーカーに依存しており、当社の契約メーカーは、同様に、当社の製品に使用される多くの構成部品をサードパーティサプライヤーに依存しています。2019年、2020年、2021年および2021年9月30日に終了した6カ月間において、11億6092万ルピー(約17億7900万円)、34億833万ルピー(約52億2400万円)、71億7618万ルピー(約110億円)および99億1081万ルピー(約151億9200円)、もしくは、我々の仕入れの57.79%、69.34%、57.19%、60.73%は、それぞれ最もよく使うサプライヤー5社からです」と述べた。インドと中国の地政学的緊張がスタートアップのビジネスに影響を与える可能性があるとも指摘した。

また、boAtが商品の販売にサードパーティーのマーケットプレイスであるAmazon(アマゾン)とFlipkart(フリップカート)に大きく依存していることも、潜在的な懸念材料となっている。「当社の主要な販売チャネルはオンラインマーケットプレイスを介しており、2019年、2020年、2021年の会計年度および2021年9月30日までの6カ月間、当社の営業収益の85.11%、86.26%、85.84%、83.24%はオンラインマーケットプレイスに由来し、当社の営業収益の78.59%、81.35%、83.72%、75.02%はトップ2のオンラインマーケットプレイスに由来しています」と申請書には書かれている。

「当社の上位2つのオンラインマーケットプレイスとの契約は、非独占的なものです。一部の顧客については、彼らとの契約に基づき、一定期間後に売れ残った商品について再購入または追加価格支持を行う義務を負っています」。と記されている。

マーケティング調査会社IDCによると、boAtは2021年初頭の時点で、インドのウェアラブル市場の30%以上を占め、同カテゴリーにおいて世界第5位のブランドとなっている。

このスタートアップの新規株式公開は、ここ数日、世界中の投資家が米国の金利上昇とテック系株への影響を懸念して急落している現地の株式市場にとって、試金石となる可能性がある。2021年上場したインドのテック系スタートアップ4社(Zomato、Paytm、Nykaa、PolicyBazaar)の株価は、過去2週間で下落している。

画像クレジット:Boat Lifestyle

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

モバイルゲームでオーディオ広告を配信するAudioMobがシリーズAで約16億円調達、グーグルなどが支援

AudioMobは「押しつけがましくない」オーディオ広告をモバイルゲームに配信するスタートアップだ。ポップアップするようなちょっとした広告はプレイヤーの気に障るようなものではなく、AudioMobはそのメカニズムをどうにかして解明したようだ。

AudioMobは、Makers FundとLightspeed Venture Partnersが主導するシリーズAで1400万ドル(約15億9500万円)を調達した。Sequoia Scout ProgramとGoogleも参加した。これまでの調達金額の合計は1600万ドル(約18億2200万円)となった。

AudioMobは今後も実験的なオーディオテクノロジーの開発、複数の国での特許申請、ロンドンとアブダビにあるオフィスの拡大を続ける計画だ。同社は、評価額が1億1000万ドル(約125億3000万円)程度であると主張している。

筆者は2020年にCEOのChristian Facey(クリスチャン・フェイシー)氏とCTOのWilfrid Obeng(ウィルフリード・オベン)氏に会った。同社が活発に動き出し早期のトラクションを得て、Ed Sheeran(エド・シーラン)やNas(ナズ)、そしてIntel、Jeep、KitKatなどのブランドと協業したころだ。

AudioMobは現在、中国を除くすべての国のモバイルゲームにオーディオ広告を配信し、特にアラブ首長国連邦、ドイツ、カナダでは成長が目覚ましい。

フェイシー氏は「我々は、AudioMobのビジョンに対して長期的な成功と我が社の未来を期待する投資家の熱い思いに感動しています。我々はオーディオで業界全体に革新を起こそうとしています。業界を適切なやり方でディスラプトする技術とチームを作り、最終的にはテック業界の新たなユニコーンになるでしょう」と述べた。

オベン氏は「利用者は邪魔をされたくない、広告主は広告を聞いてもらいたい、ゲーム開発者はリテンションに影響を及ぼさずに収益を上げたいと考えるものです。我々はこの3つのニーズをすべて満たすプロダクトを開発しました」と述べた。

Googleは2021年6月に、ヨーロッパの黒人ファウンダー基金の対象とする30社のスタートアップの1つとしてAudioMobを選出した

画像クレジット:AudioMob、共同創業者のクリスチャン・フェイシー氏(左)とウィルフリード・オベン氏(右)

原文へ

(文:Mike Butcher、翻訳:Kaori Koyama)

【レビュー】たくさんのワイヤレスイヤフォンの山から自分に合うものを見つける方法

イヤフォンのレビューは簡単なはずだ。日々出てきては消えていく無数の製品カテゴリーと比べて、変数はさほど多くない。音はいい?バッテリー寿命は?ノイズキャンセリングはどう?フィット具合は?

最後の1つは、もちろん、極めて主観的であり、他よりもはるかにそうだ。そしてそれは、この種の製品をレビューする上で最大の問題を暗示している。それを使ってどんな音楽を聞くかとというのと同じく、好みは個人によるところが非常に大きい。続けて何時間も身につけることが多い製品であり、仕事中も旅行中もエクササイズ中も、寝ている時でさえ私たちの耳と密に接触している。

何度も書いてきたように、Bluetoothイヤフォンほど移り変わりの早い消費者エレクトロニクス製品カテゴリーは見たことがなく、目新しかったものが一夜にして日常になったように感じる。そして真実はと言えば、そのほとんどがかなりよくできている。

原則として自分のスマートフォンを作った会社のイヤフォンを選ぶのがよい、と人にはよく言っている。一体となって動くように作られたイヤフォン製品には良いことがあるものだ。もちろん、スタート地点としては申し分ない。しかし、自分のためにイヤフォンを買う時、検討に値する要素は沢山ある。ホリデーシーズンのギフトでも同じだ。音質、価格、使い心地、デザイン、サイズ、すべてが考慮に値する。

この1年間、TechCrunchではワイヤレスイヤフォンを他のどの商品カテゴリーよりも(大きく引き離して)数多くレビューしてきた。その中に、1つですべてを満たすものはなかったし、おそらくこの分野では将来もないだろう。以下、この急成長、急上昇しているカテゴリーの中で、私のお気に入りをいくつか紹介する。どれを選んでも間違いはない。

Apple AirPods Pro

画像クレジット:Brian Heater

価格:249ドル(税込3万580円)

関連記事:AirPods Proはワイヤレスイヤフォンの価格水準を引き上げる

つい先日発売2周年を迎え、Appleのプロレベルイヤフォンもやや年老いてきた。しかし、パッケージ全体としては今も他社の目標の1つだ。Appleは標準型AirPodsの第3世代を出して、両社の境界をぼやかすような新機能を搭載させたが、価格を別として、Proはさまざまな面で上をいっている。ただし、あなたがシリコンチップを嫌っていなければ。

音はすばらしく、着け心地も良く、ノイズキャンセリングは完璧で、iOSデバイスでシームレスに使える。

Beats Fit Pro

画像クレジット:Brian Heater

価格:199ドル(国内未発売、約2万2700円)

この日まで、誰かに良いワークアウト用ヘッドフォンを尋ねられたらいつもPowerbeats Proを薦めていた。Fit Proはそれを完全に置き換えるものではないが、このカテゴリーで私のリストのトップに躍り出た。最近ランニングを復活した1人として、Beats(ビーツ)がこのニッチなカテゴリーでここまでできることに感心している。過去に固くて痛いモデルをテストした後、イヤーフックに嫌悪感を覚えるようになったのだが、会社はしっかり解決した。

OnePlus Buds Pro

画像クレジット:Brian Heate

価格:150ドル(国内未発売、約1万7000円)

関連記事:【レビュー】OnePlus Buds Proは高コスパイヤフォン、1.65万円で音質、フィット感ともに文句なし

最初のワイヤレスイヤフォンで三振を喫した後、OnePlusはProモデルで多くの点を改善した。そこに世界を驚かせるような技術イノベーションはないが、堅実でバランスの取れた製品でローンを組む必要もない。Proには良いノイズキャンセリングが付き、着け心地もよく、おまけとして、ステムを掴むと瞑想的なホワイトノイズが耳に流れ込む。

Samsung Galaxy Buds 2

画像クレジット:Brian Heater

価格:150ドル(税込み1万5109円)

関連記事:【レビュー】サムスンの「Galaxy Bud 2」は派手さはないが堅実なワイヤレスイヤフォン

他のGalaxyシリーズ製品と異なり、SamsungのBudsに派手さはない。そして正直なところ、それで問題ない。コンパクトで堅実で仕事をこなす。OnePlus Buds Proと同じく、限界に挑戦しているものはないが、外部音取り込みもできるアダプティブ・ノイズキャンセリングを備えた150ドルの完璧なイヤフォンだ。Samsungデバイスとの相性は特にいいので、Galaxyエコシステムにいる人には特におすすめだ。

Sony WF-1000XM4

画像クレジット:Brian Heater

価格:280ドル(税込3万3000円)

レビュー記事:【レビュー】ソニー新型「WF-1000XM4」は高性能ワイヤレスイヤフォンの新基準、2年待っただけの価値がある

気の弱い人には(財布の弱い人も)向かないが、Sonyは2021年真の完璧なオーディマニア向けイヤフォンをひっさげて帰ってきた。大きくてかさばる傾向の製品なので、イヤフォンを着けてランニングする人には薦めないが、例えばすばらしいジャズのライブレコードを楽しむためのイヤフォンを探している人にとっては、これを越えるものを見つけるのは難しい。旧機種のWF-1000XM3や紛らわしい名前のヘッドフォン、WH-1000XM3 / 4とともに、Sonyは最高音質ヘッドフォンの絶対的標準であり続けるだろう。

選外

Nothing Ear (1)

画像クレジット:Brian Heater

価格:100ドル(約1万1400円)

レビュー記事:【レビュー】成熟した市場に参入する低価格の変わり種、Nothingのワイヤレスイヤフォン「Ear(1)」

大企業以外の製品を探している人のために特別賞。Nothingはよくできたイヤフォンのペアをお手頃価格で作った。気の利いた半透明デザインもよい。当初接続がうまくいかないことがあったが、その後のファームウェアのアップデートで問題はほとんど解決した。Apple、Samsung、Sony以外の世界で財布に優しい製品を探している人は検討されたい。

Nura NuraTrue

画像クレジット:Brian Heater

価格:200ドル(約2万2800円)

レビュー記事:【レビュー】Nuraがパーソナライズを実現する革新的なサウンド技術をついにワイヤレスイヤフォンに搭載

Nuraは独自のサウンド・アダプティング技術をワイヤレスイヤフォンに採用した。オーバーイヤー型ヘッドフォンの没入感は少々欠けるが、カスタム・プロファイルを使うことによって実に印象的な音楽体験を作り出している。

画像クレジット:Brian Heater

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

メルセデス車は2022年からDolby Atmosオーディオをオプション提供

より没入感のあるDolby Atmos(ドルビーアトモス)を搭載したクルマが欲しいときに、Lucid Air(ルーシッドエア)を買う必要はなくなる。メルセデスは、最新のSクラスに搭載された最新のインターフェースMBUX、またはオプションの「Burmester(ブルメスター)3D/4Dサウンドシステム」を採用した全モデルに、アトモスオーディオを搭載する。実際に運転する機会があるかどうかはともかく、同レベルの音楽を立体的に拡大された音場で聴くことができる。その音質はメルセデスが主張する「ライブコンサート」のようなサウンドではないかもしれないが、通常のステレオ再生よりもワンランク上のサウンドになるはずだ。


4Dシステムには31個のスピーカーが搭載されており、そのうち6個のスピーカーが上方から3D効果を生み出す。また、フロントシートには4つの「耳近傍」スピーカーが設置されていて、4つのシートにはそれぞれ2つのサウンドトランスデューサー(別名エキサイター)が設置されている。まあ1750Wの総出力(18.5Lのサブウーファーを含む)が投入されれば、オーディオ処理方式に関係なく満足できる可能性が高いだろう。

ただ、すぐにアトモス搭載車を買いに走ることはできない。この装備は、2022年夏にまずメルセデス・マイバッハ(Mercedes-Maybach)に搭載され、その後すぐにSクラスにも搭載される予定だ。他のモデルも追随するだろうが、アトモスを搭載したAクラスの販売はすぐには期待できないだろう。

編集者注:本記事の初出はEngadget。執筆者のJon Fingas氏はEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Daimler

原文へ

(文:Jon Fingas、翻訳:sako)

ソニーが1万1000円前後の完全ワイヤレスイヤホンWF-C500発表、360 Reality AudioやIPX4相当の防滴対応

ソニーが1万1000円前後の完全ワイヤレスイヤホンWF-C500発表、360 Reality AudioやIPX4相当の防滴対応

ソニーはオブジェクトベースの360立体音響技術を使った音楽体験360 Reality Audioに対応する、完全ワイヤレスイヤホン「WF-C500」を2021年10月8日に発売します。市場想定価格は1万1000円前後(税込、以下同)となっています。

WF-C500は本誌読者からの注目度が高い「WF-1000XM4」(3万3000円)の音質、基本性能、装着設計を継承しつつ、価格を抑えたモデルです。同社いわく市場では1万円以下のマーケット構成比の増加が顕著だとし、ラインナップを拡充したい考えです。

昨今のトレンドである『ノイズキャンセリング機能』や『外音を一時的に取り込む機能』には非対応ですが、360RA対応が注目点です。これは、全天球に広がる仮想的な音場空間に各音源をオブジェクトとして任意の位置に配置することで、リスナーがスピーカーやヘッドホンを通して立体的な音響を楽しめるというものです。

そして音質に関しては、チューニング方法などの詳細は非開示なものの、5.8mmドライバーユニットを備え、圧縮音源をCD音質相当まで補完するDSEEにも対応。同社によれば、低域から高域までのバランスを保ち、ボーカルが鮮明に聞こえるとのこと。ソニーが1万1000円前後の完全ワイヤレスイヤホンWF-C500発表、360 Reality AudioやIPX4相当の防滴に対応

ソニーが1万1000円前後の完全ワイヤレスイヤホンWF-C500発表、360 Reality AudioやIPX4相当の防滴に対応

イヤホンと耳の接触面を増やす形状をWF-1000XM4から継承し、装着時の安定性を確保しているという

スマート機能としては、イヤホンから音を鳴らして位置確認が行える「Google Fast Pair」や、Windows 10 PC に近づけるだけでペアリングを促すポップアップ画面が立ち上がる「Swift Pair」に対応。もちろんソニーのワイヤレスオーディオ機器と連携する「Sony|Headphones Connect」アプリも使えます。

このほかの主な仕様と付属品は以下の通り。

  • 連続音楽再生時間:最大約20時間
    → 充電ケースで1回の充電が必要。本体10時間+充電ケースで充電して10時間の合計20時間再生可能
  • 質量:本体5.4g、ケース35g
  • 対応BTコーデック:AAC / SBC
  • 耐久性:IPX4相当の防滴
  • カラー:アイスグリーン / コーラルオレンジ / ホワイト / ブラック
  • 付属品:ハイブリットイヤーピース(SS / M / LL 各2)、充電ケース、USB Type-CRケーブル ( USB-A – USB-CR 約20 cm )

イヤホンと耳の接触面を増やす形状をWF-1000XM4から継承し、装着時の安定性を確保しているというちなみに、日本流行色協会が発表した2021年春夏のプロダクツ・インテリアのトレンドカラーでは、カラーグループ 1.Experiment エクスペリメントに「アイスグリー ン」の色合い、3.Spontaneous スポンテーニアスに「コーラルオレンジ」の色合いが掲載されており、ソニーいわくWF-C500のカラー選定の参考にしたとのことです。イヤホンと耳の接触面を増やす形状をWF-1000XM4から継承し、装着時の安定性を確保しているというイヤホンと耳の接触面を増やす形状をWF-1000XM4から継承し、装着時の安定性を確保しているというイヤホンと耳の接触面を増やす形状をWF-1000XM4から継承し、装着時の安定性を確保しているという

(Source:ソニーEngadget日本版より転載)

空間オーディオのためのデザイン、元アップルデザイナーが興した高級オーディオスタートアップSyngが約54億円調達

オーディオスタートアップSyng(シング)は、平均的な新参のハードウェアスタートアップよりも少し華々しい。それは主に、同社を率いているチームのためだ。創業者でCEOのChris Stringer(クリス・ストリンガー)氏は、Jony Ive(ジョニー・アイブ)氏がApple(アップル)で最初に雇った人物であり、同社で21年間働いた。インタビューでストリンガー氏は、ステレオオーディオを初めて聴いた時のことを「最も感銘を受けたプロダクトデモだった」と述懐した。そして同氏の会社は、空間オーディオを使ってホームリスニング体験を刷新することができる「triphonic(トリフォニック)」オーディオハードウェアを作ることでその感銘を具体化しようとしている。

「究極的には壁にかかっている画像にすぎないステージ / オーディエンスの静的なエクスペリエンスから、実際にあなたの家の一角をステージにするという、ステージ変革なのです」とストリンガー氏は話す。

Syngはパロアルト拠点のEclipse Venturesがリードした4875万ドル(約54億円)の「組み合わさった」シリーズAをクローズした、とTechCrunchに語った。他の投資家には、Instagramの共同創業者Mike Krieger(マイク・クリーガー)氏とLionel Richie(リオネル・リッチー)氏、そしてAirbnbの共同創業者Joe Gebbia(ジョー・ゲビア)氏がいる。Syngは、デザインと高度なテックにかなり特化したオーディオハードウェアスタートアップを運営するためにこれまでに計5000万ドル(約55億円)を調達した。

同社のハードウェアは、消費者がHomePodのようなプロダクトで目にしているテックに似ているコンピューター計算のオーディオテクノロジーに頼っている。このテックではスピーカーは置かれた空間に合わせて音を調整することができる。しかしSyngのプロダクトは何よりもまず空間オーディオのためにデザインされている。同社の初のプロダクトであるSyng Cell Alphaは1799ドル(約20万円)する高級スピーカーで、20世紀中盤のモダンな宇宙船の仲間のような外観だ。Appleのデザイン精神は、Jony Ive(ジョナサン・アイブ)氏がデザインしたHarman Kardon SoundSticksにみられるように、プロダクトにはっきりと表れている。現在超ハイエンドなオーディオと区別されているブルータリストなタワースピーカーとしてよりも家具のように扱われることを意図している、とストリンガー氏は話す。

筆者はそのハードウェアが出す音を聴くチャンスはなかった。なので意見は控えておくが、1799ドルは確かにスピーカーとしてはかなり高価で、ほとんどのユーザーが1つのだけ購入しただけではその恩恵を最大限引き出せないことは明らかだ。Cell Alphaスピーカーは互いに連動するようになっていて、ユーザーのためにダイナミックなサウンドステージを作り出しながらフィードバックも受ける。自動調整の最大の長所は、スピーカーが完全に固定設置するタイプのものではなく、部屋の自然な音響よりも、スピーカーが置かれた場所であなたのデザイン指向を見せつけられることだ。これは、ある程度まではおそらくそうだろうが、壁にかけられた巨大なテレビの近くに固定されたオーディオシステムを減らし、多くの人が真に家庭で音楽を楽しめることにつながることをストリンガー氏は期待している。

同社は現在、1つの部屋で最大4台のスピーカーをサポートしている。Cell Alphaは今のところ1種類のみだが、今後展開するプロダクトでは価格やサイズに幅を持たせることをストリンガー氏はほのめかした。

超ハイエンドなオーディオ機器を家に設置するというのは通常、業者を雇ってスピーカー、ケーブル、レシーバー、アンプ、そして誰でも使えるようにするユニバーサルなリモコンの集合体を作りだすことを意味する。SyngのモデルはSonosのようなアプローチをとっており、偽装して隠される実用的な物体というより家財道具のようにデバイスを扱っている。

彼らがいうように、ハードウェアは難しい。消費者向けオーディオは参入するのに特に難しい分野だ。人々は往々にしてプレミアムなホームオーディオ製品を何十年も、少なくとも他のテックデバイスよりも長く維持できるため、インターネット接続オーディオでは大半の他のハードウェアよりもレガシーが重要だ。生涯にわたるファームウェアのアップデートの信頼性を新しいスタートアップに賭けるというのは、消費者にとってやや微妙だ。Cell Alphaのような高額なものになるとなおさらだ。大半のユーザーが空間オーディオを再生するのにはわずかなオプションしか持っていないこともSyngにとってはハードルとなっている。ほとんどの音楽ストリーミングサービスは空間オーディオに対応していない。ストリンガー氏が指摘するように、このテクノロジーを積極的に推進し始めたAppleのような大手にはあてはまらないが、ハードウェアスタートアップとマーケットのタイミングは常に複雑な関係にある。

Syngに出資する他の投資家にはBridford Group、SIP Global Partners、Renegade Partners、Animal Capital、Schusterman Family Investments、Vince Zampella、Alex Rigopoulosがいる。新たに調達した資金は将来展開するハードウェアとソフトウェアのR&Dに使われる、とストリンガー氏は話している。

画像クレジット:Syng

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Nariko Mizoguchi

NetflixがiPhoneとiPadで空間オーディオ導入へ、同業他社に対抗

もしあなたがAirPods ProあるいはAirPods Maxを使っているのなら、モバイル端末でのNetflix視聴がこれまでよりもう少し投入感ある体験になる。Redditユーザーによる発見を受け、Netflix(ネットフリックス)は米国8月18日、iOS 14で動くiPhoneとiPadで空間オーディオのサポートを開始したと認めた。

Netflixはこの機能の導入でHBO Max、Disney+、Peacockのようなストリーミング競合他社の仲間入りを果たす。その一方で、Amazon Prime VideoやYouTubeといった人気のアプリはまだこの機能を取り入れていない。ただし、同機能はすぐには導入されない、とNetflixは述べた。アップデートのお知らせがきたユーザーはコントロールセンターで同機能のオン・オフができるようになる。

直近では、Appleが空間オーディオを売り込んでいる。同社は2020年に開かれたWWDC会議でAirPods Proで空間オーディオを利用できるようにすると発表した。そして2021年のWWDC会議では、追加料金なしでApple Music購読者に空間オーディオとロスレスオーディオでストリーミングを提供すると明らかにした。この機能の追加ではダイナミックヘッドトラッキングもサポートしており、頭の動きに応じてサウンドを調整する。Apple MusicアプリのAndroid版も空間オーディオとロスレスオーディオをサポートしている。2021年2月にSpotifyはハイエンドなサブスクSpotify HiFiを展開すると発表した。このサービスはロスレスオーディオが利用できるものだが、発表以来新たな動きはない。

関連記事
アップルがAirPods Proに空間音声の機能を追加、WWDC20で発表
Apple Musicが空間オーディオとロスレスオーディオの提供を開始
Apple Musicの空間オーディオとロスレスストリーミングがAndroidでも利用可能に
Spotifyが要望の多かった高品質サブスクプラン「Spotify HiFi」を提供へ
Netflixがゲーム分野への拡大を表明、追加料金不要でまずはモバイル向けから

Netflixは7月、オリジナルの映画やテレビシーリーズに加えて、モバイルゲーミングにも取り組み始めたことを明らかにした。すでに「Black Mirror:Bandersnatch」や「Stranger Things」ゲームのようなプロジェクトでインタラクティブエンターテインメントを実験している。

「当社は、オリジナルの映画やアニメ、台本なしテレビなどへの拡大と同じく、ゲーミングを新たなコンテンツ部門ととらえています」と同社は四半期決算発表で述べた。

空間オーディオはビデオゲームプレイヤーの間で人気だ。なので、今回のアップデートでiPhoneとiPadでのビデオストリーミング体験が向上する一方で、おそらくゆくゆくは同様の機能が今後展開される同社のモバイルゲームでも利用できるようになる。

画像クレジット:Chesnot / Getty Images

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

ソニーが完全無線イヤホン「WF-1000XM4」のノイズキャンセリングが切れる問題を解消、ソフトウェアアップデートで更新

ソニーが完全無線イヤホン「WF-1000XM4」のノイズキャンセリングが切れる問題など解消、ソフトウェアアップデートで更新

ソニーは2021年7月27日、完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」(3万3000円)向けにソフトウェアアップデートの配信を開始しました。

アップデート後はBluetooth接続の安定性のほか、特定の条件でノイズキャンセリングや外音取り込みの効果が瞬間的に切れる事象などが改善するとしています。

なお、アップデートにはAndroid / iOSアプリ「Sony | Headphones Connect」が必要。ダウンロード中、データ転送中、アップデート実行中に、本体を充電ケースに収納したり、電源を切ったりすると、WF-1000XM4を使用できなくなる可能性があるとのことです。

ソニーが完全無線イヤホン「WF-1000XM4」のノイズキャンセリングが切れる問題など解消、ソフトウェアアップデートで更新

ソニーが完全無線イヤホン「WF-1000XM4」のノイズキャンセリングが切れる問題など解消、ソフトウェアアップデートで更新

ちなみに、WF-1000XM4は人気で生産が追いつかず、SNSに「まだ入手できない」との投稿がアップされるなど、安定的な生産体制が求められている状況です。

前世代からの主な進化点は、統合プロセッサーV1によるノイズキャンセリング性能の向上に加え、Bluetooth用コーデックLDACや、圧縮音源をAI技術でアップスケールする DSEE Extreme に対応したこと。オブジェクトベースの360立体音響技術を使った音楽体験「360 Reality Audio」や、ヘッドホンを外さず相手と会話できる機能「スピーク・トゥ・チャット」、IPX4相当の防滴性能なども備えます。

(Source:ソニーEngadget日本版より転載)

関連記事
【レビュー】ソニー新型「WF-1000XM4」は高性能ワイヤレスイヤフォンの新基準、2年待っただけの価値がある
ソニーが新型完全ワイヤレスイヤフォン「WF-1000XM4」正式発表、さらに小型化・ノイキャン性能向上
ソニーが立体音響「360 Reality Audio」を4月16日国内展開、対応ワイヤレススピーカーも発表
基本性能に優れたソニーのWF-1000XM3は毎日使いたいノイキャンワイヤレスイヤフォン
ソニーの新ワイヤレスイヤフォンは優れたノイキャン性能とバッテリー駆動時間を実現

カテゴリー:ハードウェア
タグ:オーディオ / 音響機器(用語)ガジェット(用語)Sony / ソニー(企業)ノイズキャンセリング(用語)Bluetooth(用語)ヘッドフォン / イヤフォン(用語)日本(国・地域)

ルイ・ヴィトンから35個のLEDが光るポータブルスピーカー「ホライゾン ライト・アップ・スピーカー」、価格35万2000円

ルイ・ヴィトンから35個のLEDが光るポータブルスピーカー「ホライゾン ライト・アップ・スピーカー」、価格35万2000円

Louis Vuitton

スマートウォッチやワイヤレスイヤホンなどテクノロジー製品にも積極的なルイ・ヴィトンが、ポータブルスピーカー「Louis Vuitton Horizon Light Up Speaker」(ルイ・ヴィトン ホライゾン ライト・アップ スピーカー)を発売しました。

直径18cmほどの独楽のような形状で、立てれば360度オーディオ、倒せば傾いた方向に指向性を持つユニークな仕組みです。

ライト・アップの名のとおり、天面のトップリングや周縁部のミドルリングに35個のLEDを搭載。音楽にあわせ、LOUIS VUITTON の文字やフラワーモノグラムがカラフルに光ります。

ルイ・ヴィトンから35個のLEDが光るポータブルスピーカー「ホライゾン ライト・アップ・スピーカー」、価格35万2000円

Louis Vuitton

素材はステンレススチールと強化ガラス、牛革。Bluetooth 5.1とAirPlay 2, Qplayに対応しており、iPhoneほか一般的なスマートフォン、ワイヤレスオーディオ機器と接続できます。

スピーカーとしての構成は0.75インチ径ツィーター x2 と3インチ径ウーファー。アンプ出力は2 x 30W。

ルイ・ヴィトンらしい旅のおともとして内蔵バッテリーで最大15時間再生できるほか、部屋に飾って使うために充電ドック兼スタンドが付属します。内蔵バッテリーは12V 3A USB-C高速充電に対応するのも優秀。

中身にはクアルコムのスマートスピーカー向けSoC QCS 404を採用。3つのマイクを搭載しスピーカーホンとしても機能します。

ルイ・ヴィトンから35個のLEDが光るポータブルスピーカー「ホライゾン ライト・アップ・スピーカー」、価格35万2000円

Louis Vuitton

サイズは直径18センチ、高さ14センチ。重さ約1kg。モノグラムも含めてSF映画に出てくる古代のエイリアン・アーティファクトのようですが、形状としてはルイ・ヴィトンが以前から販売している独楽型のバッグ「トゥピ」そのものです。

ルイ・ヴィトンから35個のLEDが光るポータブルスピーカー「ホライゾン ライト・アップ・スピーカー」、価格35万2000円

Louis Vuitton

価格は35万2000円。国内向けにもすでに販売しており、7月30日以降に順次出荷予定です。

(Source:ルイ・ヴィトン ホライゾン ライト・アップ スピーカー |ルイ・ヴィトン 公式サイト – QAC000Engadget日本版より転載)

関連記事
カシオが「パックマン」コラボのレトロなデジタルウォッチ「A100WEPC」を8月21日に発売、価格は1万2100円
スーパーマリオコラボの限定スマートウォッチがタグ・ホイヤーから、価格は25万3000円
1670万色に光る「透明スマートマスク」をゲーム機器メーカーRazerが年内に限定販売、製品版はライト追加
グッチがRobloxとの新パートナーシップで2週間限定の仮想空間とデジタルアイテムを提供
高機能マスク「Xupermask」が商品化、換気ファン・HEPAフィルターやノイキャン対応イヤホンを搭載
HIKKY主催VRイベント「バーチャルマーケット5」にVR来店できる「ディズニーストア」がオープン

カテゴリー:ハードウェア
タグ:オーディオ / 音響機器(用語)ガジェット(用語)スピーカー(用語)デザイン / デザイナー(用語)ファッション(用語)Bluetooth(用語)Louis-Vuitton / ルイ・ヴィトン

【レビュー】Sonos Roamはほぼ完璧なポータブルスピーカー

Sonos(ソノス)が2021年3月に発表した新型スピーカーは、さまざまな点において同社のこれまでの製品とは大きく異なる。米国では4月20に発売される(日本では2021年夏に発売予定)この「Sonos Roam(ソノス・ローム)」は、内蔵バッテリーとBluetooth接続を備えたコンパクトなポータブルスピーカーだが、無線LANストリーミング、マルチルーム機能、音声アシスタントのサポート、そして驚くほど優れた音質を備え、Sonosシステムの一員であることに変わりはない。

基本仕様

価格169ドル(約1万8500円、日本での価格は未定)のSonos Roamは、高さ168mm×幅62mm×奥行き60mmと小さなサイズで、重量は430グラム。カラーはマットホワイトとブラックの2色から選べる。また、IP67規格に準拠しており、水深1mまでの場所で30分以内の耐水性を備えている。

スピーカーの操作系は本体の側面片側に配置されており、マイクボタン、ボリュームコントロール、再生 / 一時停止ボタンが備わる。これらはすべて物理ボタンが採用されており、他のSonosのスピーカーに見られるようなタッチセンサー式ではない。外へ持ち出すことを想定したスピーカーとしては、雨や水に濡れてタッチ操作が効かなくなる場合も考慮した、理に適った設計と言えるだろう。

背面には電源ボタンがあり、その隣に充電用のUSB-Cポートも備えている。スピーカーの底面に組み込まれたレシーバーを介して、ワイヤレス充電も可能だ。専用にデザインされたマグネット式充電アダプター(別売り)の他、一般的なQi対応のワイヤレス充電器と組み合わせて使用できる。

Sonos Roamは、Wi-Fiストリーミングに加えて、Bluetooth 5.0であらゆるデバイスと接続することができる。Apple(アップル)製デバイスとWi-Fi接続するためのAirPlay 2にも対応しており、箱から取り出して電源を入れればSpotify Connectにもすぐにつながる。内蔵のバッテリーは、フル充電で最大10時間の再生が可能で、スリープ状態のスタンバイモードでは最大10日間保持される。

デザインと性能

本機はSonosからこれまでに発売されたスピーカーの中で最も小型の製品だが、このカテゴリーのデバイスとしては、その小ささは間違いなく大きなプラス要素だ。全体のサイズはレッドブルの缶を少し高くしたような感じといえば、携行性の高さがおわかりいただけると思う。Sonos初のバッテリー内蔵ポータブルスピーカーだったSonos Move(ソノス・ムーブ)と違って、Roamはバッグに入れて本当にどこにでも持ち運べるように設計されていることが感じられる。

小さなサイズにもかかわらず、Sonos Roamは迫力のあるサウンドを発する。おそらく、このサイズのポータブルスピーカーとしては、筆者がこれまで聞いた中でベストだ。その内部にはデュアルアンプ、ツイーター、そしてSonosが独自開発した楕円形ミッドウーファーが詰め込まれており、通常の小型スピーカーでは得られない低音と中音を忠実に再現する。Roamはそのサイズから予想するよりかなり大きな音を出すことができるが、それと同時に音質はクリアで歪みのない状態を維持する。

Roamの優れた音質を生み出す鍵の1つとなっているのが、Sonosの自動チューニング技術「Trueplay」だ。これは周囲の環境に合わせて音質を積極的かつ継続的に調整する機能で、これを作動させるにはマイクを有効にする必要があるが、ほとんどの設定でオンにしておく価値がある。Wi-FiだけでなくBluetoothでストリーミングする際にも利用でき、サウンドに大きな違いをもたらす。この機能は、スピーカーの向きが水平から垂直に変わったときの調整にも役立つため、このサイズと価格帯の他のスピーカーと比較して、Roamが優れている理由の1つとなっている。

この価格であれば、Roamは音質だけでも勝負できるが、Sonosシステムに特化した機能を追加することで、真のカテゴリーリーダーになることができた。例えばRoamは、自宅システムに接続してSonosアプリ経由のWi-Fiストリーミングに備えた状態のまま、バッテリーを保持するスタンバイモードに移行できる(これは便利だ。電源ボタンを5秒間押し続けると、本当の意味での電源オフになり、さらに長くバッテリー残量を維持できるので、旅行の際などスピーカーを使用しない時にはそうした方がいい)。

Roamの驚くべき機能の1つに、再生 / 一時停止ボタンを長押しすると、聴いていた音楽をシステム内の最寄りのSonosスピーカーに受け渡すハンドオフ機能がある。まるで魔法のようなこの機能は、Roamをポケットに入れて家の中を歩き回ったり、庭で雑用をするときに優れた能力を発揮する。

結論

Sonosは、旅行に適したポータブルスピーカーを初めて発売するまでに長い時間を費やした。しかし、その長い時間を賢く使ったことは明らかだ。Sonos Roamは、200ドル(約2万2000円)以下で購入できるポータブルスピーカーの中で、最も考え抜かれたデザインと豊富な機能、そして最高のサウンドを備えている(さらに、多くのもっと高価な製品と比べても優れている)。たとえ自宅にSonosシステムを持っていなくても、ポータブルで頑丈なBluetoothスピーカーを探しているのであれば、この製品は選ぶ価値がある。もし、あなたがすでにSonosユーザーであるのなら、さらにその価値は増すだろう。

関連記事
SonosがフルポータブルのBluetoothスピーカー「Roam」を約1万8400円で発売
Sonosが月840円のストリーミングラジオサービスを米国と英国で開始

カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマートスピーカースピーカーオーディオSonosAirPlayレビュー

画像クレジット:Darrell Etherington

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

さらに進化した最高のクリエイターに向けモバイルマイクRode Wireless Go II

Rode Microphones(ロード・マイクロフォン)が、人気の高いGoポータブルマイクの、新しい改良版であるWireless Go II(ワイヤレス・ゴーII)を発表した。これまでのものとサイズは同じだが、多くの新機能と改良された機能を搭載している。最も注目すべき点は、Go IIには1台の受信機に接続できる2台の送信機が同梱されており、2人の話者の声を同じカメラもしくは接続機器で録音することができることだ。

基本

Rode Wireless Go II(299ドル、約3万1500円)には、3.5mmジャックに接続可能なカメラその他のデバイスへ、高品質なオーディオの録音を行うために必要なものがすべて同梱されている。送信機(2台の送信機が同梱されている)自体にも高品質のマイクが内蔵されているが、必要に応じて3.5mmジャックでピンマイクを接続して使用することもできる。

受信機は3.5mmの3極ジャックへの出力を行うが、USB-Cを使った音声転送も行うことができる(USB-Cからの充電も可能)。USB-Cは今回のバージョンから登場したものだが、Rodeは同時にUSB-C→USB-CやUSB-C→Lightningのケーブルも販売しているので、ユーザーは最新のAndroid端末やiPhone、iPad、Mac、PCで使用することができる。

画像クレジット:Rode

送受信機にはそれぞれバッテリーが内蔵されており、1回の充電での稼働時間は最大7時間だ。それぞれの送信機でゲインを個別に調整したり、受信機から送信機を個別にミュートしたり、両方をミュートしたりすることができる。また、各送信機を1つのチャンネルとしたモノラル録音と、ステレオ録音モードを切り替えることもできる。

送信機は、見とおしが良い場所なら、受信機から200メートルまでの範囲で動作させることができる。また受信機は、入力レベル、バッテリーの状態、接続性などを表示するディスプレイを備えている。送信機にはそれぞれ2つのLEDが搭載されており、接続性とゲインを視覚的にフィードバックする。また、接続が途切れた場合に備えて、それぞれの送信機は自動的に内蔵ストレージに最大24時間までの録音を行う能力も持っている。

デザインと性能

今回のアップデートでは、Rodeが真剣にすべてを再検討したような気がする。たとえば送信機と受信機は事前にペアリングされた状態で出荷され、デフォルトで左右のチャンネルに割り当てられているので、すぐに使い始めることができる。これは本当に利用者にとって利便性が高い、そして集中管理のためにRode Centralという名の新しいWindowsならびにMac用アプリが用意されているが、それを使わずとも録音を始めることができる。

アップデートされたバージョンは、128ビットの暗号が組み込まれた新しいRF伝送技術が使用されていて、直線での伝達距離も延びている。この製品は、すでに多くのRFトラフィックが飛び交う場所で、はるかに信頼性の高い通信をするために設計されている。たとえば(まあ新型コロナウイルス感染症が落ち着いてからのことだが)混雑したショッピングモール、会議場、または多くの人間やスマートフォンが周りにあるようなその他の公共施設のような場所だ。

オンボードメモリも新しい機構だ。送信機自身の上にローカルファイルが常に保持されているので、接続が切れる可能性を心配する必要はなくなる。同様の安心機能として、-20dbでバックアップトラックを同時録音しているセーフティチャンネルがある。これにより、仮に大きな音が入って主トラックがピークアウトしたとしても、別のオプションが残されていることになる。これらの機能はどちらもRode Centralアプリを使って意識的にオンにする必要があるものの(同アプリはGo IIのためのファームウェアアップデートを配布するためにも使用される)、非常に歓迎すべき追加機能だ。

画像クレジット:Darrell Etherington

さていろいろ説明したものの、最高の新機能は、これまでと同様のすばらしいパッケージのままで、上で説明したすべての改善点が手に入ることかもしれない。Rodeのオリジナル版Goは、小型で持ち運びに便利なパッケージに入っていて、マイクを内蔵した送信機を搭載しているというだけでなく、仕上げがすばらしいという点でも注目されていた。新しいバージョンも、サイズはまったく同じで、すべての既存Go用純正アクセサリーと互換性があるように同じ統合クリップを使用している。

まとめ

レースには「ラッピング」という概念がある。これはあまりに速く走りすぎて周回遅れのクルマを追い越すということだ。要するにRodeがGo IIで行ったことはこの「ラッピング」だ。オリジナルのいくつかの欠点に対処するスマートな機能を加えたことで、市場で最高のモバイルビデオ / フィールドポッドキャスティング用マイクとしてのリードをさらに広げたのだ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:マイクRode音響機器

画像クレジット:Darrell Etherington

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:sako)

高品質な録音作業がどこでも簡単にできるオーディオインターフェイス「iRig Pro Duo I/O」

現代、我々が使っているモバイル機器やコンピューターシステムは、オーディオインターフェイスを接続するだけでも難解で頭が痛くなる。だが、2020年のCESでIK Multimedia(アイケー・マルチメディア)が発表し、先日発売になったiRig Pro Duo I/O(アイリグ・プロ・デュオ・アイオー)があれば、高品質の音声をどこでも録音できるようになる。あらゆるデバイスで使用できる柔軟性があり、接続の煩わしさからも解放される(価格は199.99ドル、日本国内の価格は3万円前後)。

基本仕様

The iRig Pro Duoは、IK Multimediaのラインナップに新しく加わったiRig Proの上位機種であり、その名称からわかるように2つ目のXLR入力を備えている。それでもとても小型で持ち運びがしやすく、手の平にも乗るほどだ。電源は単三乾電池2本の内蔵式だが、USBまたは別売りの専用ACアダプターも利用できる。

ホームオーディオ愛好家の間でスタンダードになっているScarlett Focusrite 2i2(スカーレット・フォーカスライト・ツーアイツー)などのデスクトップ型USBオーディオインターフェイスと比べると、iRig Pro Duoはものすごく小さい。もちろんiRig Proよりは大きくなるが、必要な機能や能力をすべて備えながら究極のポータブルを実現しており、モバイルポッドキャスターなら手持ち機材にぜひ加えたい理想のデバイスだ。

またiRig Pro Duoには、左右の1/4標準バランス出力、パッシブマイク用48V内蔵ファントム電源、ダイレクトモニター用3.5ミリステレオジャック、MIDI入力2系統、専用ゲインコントロール、48V電源の状態と音声入力のピークを示すシンプルなLEDインジケーターが装備されている。

デザイン

面取りがなされ、わずかに丸みを帯びた四角いボディ形状は、格調高いデザインの世界では決して大注目されるようなものではないが、この手のデバイスにすれば非常に実用的なフォームファクターだ。片側に入力、反対側に出力が配置されている。IK Multimediaは、その出力ケーブル用に特殊なコネクターを採用しているがMac、iOS、Windows、Androidとの接続に必要なものは、すべて同梱されている。

そのすべてを収めるケースは、表面がわずかにゴム加工されたツヤ消しになっており、握った感触がよく耐久性もある。地味な外観も補助装置として相応の好ましい仕上がりだ。大きめのツマミは回しやすく、微調整もしやすい。底面にはパッドが付いていて、テーブルやカウンターの上に置いても滑りにくくなっている。

インジケーターの光り方は、システムに何が接続され、どのような作業をしているかを簡潔に表示するという意味で大変に効率的にできているが、例えばデバイス上のオーディオレベルなどをより細かく表示してくれたらもっとよかった。それでも十分に仕事はしてくれる。もっともデジタルオーディオのワークフローに組み込んで使うことが多いわけだから、細かい視覚情報は他の装置で確認できる。だからあまり問題にはならない。

結論

前述のとおり、iRig Pro Duoは箱から出してすぐに実質的にあらゆるプラットフォームに接続できる。また、そのすべてに物理的に確実に接続できるケーブルも揃っている。さらにIK Multimediaからは、すべてのプラットフォームごとの無料のDAWソフトウェアとエフェクトが提供されている。ただしソフトウェアはユーザー1人につき1つと限定されているので、どのプラットフォームを使うかをあらかじめ決めておくことが大切だ。

もしあなたが楽曲のレコーディングや、ひとり語りまたはインタビュー形式のポッドキャストの録音用に簡単で、手間のかからない、万能なセットアップを探しているなら、これは基本的に思い付く限り欲しい機能のチェックボックスをすべて埋めてくれる候補のひとつとなる。

原文へ

(翻訳:金井哲夫)

「Sonos Arc」は単体でも組み合わせても素晴らしいサウンドバー

Sonos(ソノス)は過去2年間、驚くほどのペースで常に新しいハードウェアをリリースし続けてきた。さらに称賛すべき点は、同社がリリースするすべての製品が素晴らしいパフォーマンスを発揮しているということだ。今回新たに発表されたSonos Arcサウンドバーも例外ではない。筋金入りの5.1chサラウンド信者でさえ転向させてしまうほどの、同社史上最高のホームシアターサウンドデバイスを生み出してくれた。

概要

Sonos Arcは、すでにあるSonosのホームオーディオシステムにワイヤレスで組み込めるように設計されたサウンドバーで、HDMIオーディオリターンチャネル(ARC)を介してテレビやA/Vレシーバーからのオーディオも受け入れる。最近のほとんどすべてのテレビにはHDMI ARCポートが少なくとも1つは搭載されているため、Arcはビデオソースの標準HDMI入力として機能するだけでなく、接続されているスピーカーやステレオシステムにもオーディオを出力できる。

ARCをサポートしていない場合に備えて(テレビにこれがない場合は、ほぼ確実にTOSLINKデジタルオーディオ出力ポートがあるはずだ)、Arcには光デジタルオーディオHDMIアダプターも付属する。また、Sonos独自のメッシュネットワーキングテクノロジーを介してSonosの他のスピーカーに接続するワイヤレススピーカーとしても機能するため、自宅全体のワイヤレスオーディオセットアップに、マルチルームスピーカーがもう1つ加わるということになる。

Arcは、Sonos Sub、Sonos One、One SL、Play:1などSonosの他のスピーカーと組み合わせることで、サブウーファーと2台のリアスピーカーを備えたより完全なワイヤレス5.1chシステムを作り上げることも可能だ。ただし、これはオプションの拡張機能であり、Sonos Arcの優れたバーチャルサラウンドレンダリングを堪能するために必ずしも必要ではない。この新しいハードウェアには、Sonosのサウンドバーでは初めてのDolby Atmosのサラウンドサウンドエンコーディングも含まれている。

デザイン

Sonos Arcは、Sonos Oneのデビュー以来同社が守り続けているモダンなデザインを受け継いでいる。黒か白のモノブロックのボディに滑らかなライン、円形のホールグリルデザインが施され、Play:1で見られたコントラストカラーのグリルデザインよりも現代的な雰囲気に仕上げられている。

ArcはSonos Beamのデザインの真髄を継承しているようにも見える。Sonos Beamは内蔵マイクとGoogleアシスタントやAmazonのAlexaなどの仮想音声アシスタントをサポートしたSonosの最初のサウンドバーだ。しかし実際はSonos Beamよりもかなり大きく、45インチという長さはむしろ、同社がこのカテゴリーに初めて参入した際に発表したSonos PlaybarやPlaybaseに近い。

この長さをお伝えするために書くと、これは著者が所有する65型のLG C7 OLED TVの全長とほぼ変わらない。またSonos Beamよりも少し高さがあり、3.4インチとなっている。私の環境の場合はそれでもまだ十分に余裕があり、テレビ台のテレビの前に置いても、観ていて画面が隠れることはないが、もし読者がBeamと同様のセットアップでArcを設置しようとお考えなら、機器周辺を少し片付ける必要があるかもしれない。

この大きなサイズは見掛け倒しではない。これによってArcよりも低価格のBeamと比べてはるかに優れたサウンドを実現している。Arcの内側には音を上向きに響かせるドライバー2つと、長い円柱状のサウンドバーの両端に面したドライバー2つを含む11基のドライバーが搭載されている。これらのドライバーによる効果と、その長いプロファイルによって可能となった距離間隔が、左右背後から響く臨場感を実現している。

背面には音質をさらに向上させ、Arcを専用のウォールマウントに取り付けられるようにする土台を備えたベントバーが付いている。壁に取り付けるにしてもテレビ台の上に置くにしても、Arcは非常に魅力的なハードウェアだ。電源とテレビに接続するのにたった2つのケーブルしか必要なく、ホームシアターにありがちなケーブルの散乱を解決してくれる上、ほとんどのインテリアと難なく調和する。

性能

上述したように、単一のスピーカーだけでこれほどまでに音の分離感と没入感のあるバーチャルサラウンドを実現したSonos Arcの達成は実に素晴らしい。同製品は私が体験したSonosのサウンドバーの中で最高のサウンドレンダリングであり、おそらく既存のサウンドバー史上最高のオーディオ品質と言っても過言ではないだろう。

ステレオサウンドフィールドのテストでは、オーディオトラックが左右で良い結果を示しており、Dolby Atmosサポートはそれを提供するコンテンツがある場合にこのメリットを発揮している。音声明瞭度に関してもArcは単体使用で非常に優れている。Beamの場合はシステムにSonos Subを追加してローエンドの周波数を処理し、ハイエンドの明瞭度を高めるようにしない限り、場合によっては聞きにくいこともあったと感じる。

ArcはSonos Subやリアとして機能するSonosの他のスピーカーと組み合わせることで間違いなくメリットを発揮するが、同サウンドバーはこれまでに同社が発表したどの製品よりも単体としての性能が高く、出費を節約したい場合や、テレビの内蔵スピーカーに最小限のシステムをプラスして何とかしたい場合におすすめだ。

Sonos Arcにはマイクも含まれているため、AlexaやGoogleアシスタントに話しかけて音楽を再生したり、テレビをオンにしたりとさまざまなことができる。アシスタントを接続しないでマイクをオフのままにしておく場合は別だが、私にとっては素晴らしい機能で、リビングルームエクスペリエンスの中心的存在となっている。大きな部屋で同デバイスから離れた場所にいても、このマイクはコマンドを十分に認識できるようだ。リビング、ダイニング、キッチンを仕切る壁がないオープンコンセプトの広いエリアであっても、音声対応スマートスピーカーは1台で済むだろう。

Arcはさらに、そのままでAppleのAirPlay 2のスピーカーとしても機能する。ミニマリストにとってこれはもう1つのセールスポイントだ。例えばテレビの背面にApple TVを取り付けてワイヤレスで使用できるため、ワイヤーをまたひとつ減らすことができる。また、Sonosアプリを開かなくてもスマートフォンからArcに音楽やオーディオを簡単にストリーミングできる。

アップデートされたSonosのアプリ

アプリと言えば、Sonos Arcは6月8日にリリース予定の同社の新モバイルアプリと互換性がある。既存のアプリも新アプリと並行して残る予定だ。既存のアプリは新しいバージョンを使用できないSonosの古いハードウェアをサポートするために引き続き利用される。

著者はSonos Arcのテスト期間中にこの新アプリをベータとして使用したが、期待していたほど劇的な変化は見られなかった。新アプリは確かによりクリーンでモダンな印象で、より優れたインターフェイスとなっているが、既存バージョンのユーザーにとっては予想通りの位置にすべてが収まっている。ほとんどの変更はおそらく見えない場所に存在するのだろう。同アプリは、最近リリースされたSonosのスピーカーやアクセサリーの最新チップセット、高メモリー、および更新されたワイヤレステクノロジーで動作するように設計されているはずだ。

一言で言えば、この新しいアプリでは使い慣れた制御システムがより快適で新鮮なものにアップデートされており、Arcのような最新のスピーカーには美的観点からも性能面からしてもぴったりだと言える。ベータ版でさえも、2週間のArcのテスト中に問題が発生することはなく、すべてのサービスと音声アシスタントにおいて問題なく動作した。

総合評価

Sonos Arcは間違いなく最高レベルのサウンドバーである。799ドル(108,800円/税抜)という価格とそれに見合う優れたオーディオ品質を備えている。PlaybarとPlaybaseの素晴らしい後継機種であり、あらゆる点においてこれらを上回る結果となっている。またBeamとの比較対象にもなり得るため、Sonosのホームシアターラインナップには、あらゆる予算に応える卓越したオプションが揃うようになった。

汎用性とデザイン性に優れたトップクラスのワイヤレスサウンドバーをお探しなら、Sonos Arcスピーカーをぜひ試してみてはいかがだろうか。

関連記事:IKEAがSonosと共同開発したWi-Fiスピーカーを発表、2台でステレオ化も

Category:ハードウェア

Tag:Sonos オーディオ     ガジェット

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)