トップクリエイターから学べるライブ動画プラットフォームのBrightが16億円調達

ファンたちがお気に入りのクリエイターや著名人とライブで会話をすることができるライブ動画プラットフォームBright(ブライト)が新たに1500万ドル(約16億円)の資金を調達したと発表した。この調達ラウンドは、同社の共同創設者でタレントマネージャーのGuy Oseary(ガイ・オザリー)氏がAshton Kutcher(アシュトン・カッチャー)氏とともに設立したファンド、Sound Ventures(サウンド・ベンチャーズ)が共同で主導。RIT Capital(RITキャピタル)とRegah Ventures(レガー・ベンチャーズ)も共同主導している。

その他にも、Marc Benioff(マーク・ベニオフ)氏のTIME Ventures(タイム・ベンチャーズ)、Globo Ventures(グローボ・ベンチャーズ)、Norwest Venture Partners(ノースウェスト・ベンチャーズ・パートナーズ)、Shawn Mendes(ショーン・メンデス)氏とマネージャーのAndrew Gertler(アンドリュー・ガートラー)氏のAG Ventures(AGベンチャーズ)の他、Twilio(トゥイリオ)のCEO兼共同設立者であるJeff Lawson(ジェフ・ローソン)氏などが同ラウンドに参加している。

さらにBrightによると、Rachel Zoe(レイチェル・ゾー)氏、Drew Scott(ドリュー・スコット)氏、Jonathan Scott(ジョナサン・スコット)氏、Judd Apatow(ジャド・アパトー)氏、Ashton Kutcher(アシュトン・カッチャー)氏、Amy Schumer(エイミー・シューマー)氏、Bethenny Frankel(ベセニー・フランケル)氏、Ryan Tedder(ライアン・テダー)氏など、多くのアーティストやパフォーマー、俳優などさまざまな著名人が出資しているという。また、Jessica Alba(ジェシカ・アルバ)氏、Kane Brown(ケイン・ブラウン)氏、Maria Sharapova(マリア・シャラポワ)氏がアドバイザーとして参加している。

5月に誕生したBrightは、マドンナやU2のタレントマネージャーであるオザリー氏と、YouTube(ユーチューブ)初期のプロダクトマネージャーであるMichael Powers(マイケル・パワーズ)氏が共同で設立した会社である(パワーズ氏は以前Google在籍中にYouTubeチャンネル機能を立ち上げた経験もある)。同スタートアップの目的は、成長中のクリエイター経済を活用してクリエイターらがYouTubeのような広告ネットワーク以外でマネタイズできるような仕組みを作り、クリエイター自身でビジネスを成長できるようにすることである。

同社のプラットフォーム自体はZoomを基盤として構築されている。これによりリアルタイム動画の技術をゼロから作る必要がなくなった上、パンデミックによって広く普及したZoomを活用すればその分のメリットがあるというわけだ。

サービスを開始した当初、200名以上の著名なクリエイターが自身のストーリーや専門知識を共有したり、インタビューに答えたり、アドバイスをしてくれるというチケット制のオンラインイベントを開催すると発表した同社。現在では320人以上の著名人が同サービスに参加し、ファンとの交流や自身のブランド構築を続けている。その中にはMadonna(マドンナ)、Naomi Campbell(ナオミ・キャンベル)氏、D-Nice(Dナイス)、D’Amelio Sisters(ダミリオ・シスターズ)、Laura Dern(ローラ・ダーン)氏、Deepak Chopra(ディーパック・チョプラ)氏、Lindsey Vonn(リンゼイ・ボン)氏、Diego Boneta(ディエゴ・ボネータ)氏、Jason Bolden(ジェイソン・ボルデン)氏、Yris Palmer(イリス・パーマー)氏、Cat & Nat(キャット・アンド・ナット)、Ronnie2K(ロニーツーケー)、Chef Ludo Lefebvre(シェフ・ルード・ルフェーブル)氏などが名を連ねている。今後のセッション開催に向けてさらに多くのクリエイターが続々と参加しており、同社は年末までに参加クリエイターの数を倍増させる予定だという。

ソーシャルメディアのクリエイターツールとは異なり、同社のサービスは単に「いいね!」や「フォロー」を獲得するのではなく、知識を共有することに重点を置いている。例えば最初のセッションでは、俳優のローラ・ダーン氏が「自己成長」について語ったり、ストリーマーでオンラインクリエイターのRonnie2Kが「ゲーム界でのキャリア構築」についてシリーズを開催したりしている。つまり、Brightでは単にハリウッドの娯楽やトップアーティストを売りにしているのではなく、彼らの話を聞くためにお金を払ってくれる誰もが顧客になり得るのである。

現在ではクラフト、ホーム、マネー、カルチャー、ボディ、マインドなどの各分野でさまざまな興味やトピックのセッションが行われている。

Brightのセッション例

同社はクリエイターの収入に対して20%の手数料を取ることで収益を得ている。これは従来のマーケットプレイスの30:70(プラットフォーム:クリエイター)という比率よりはやや低いが、手数料なしのダイレクトペイメントを提供するClubhouse(クラブハウス)のような新しいプラットフォームよりは高額な設定となっている。

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今回の資金調達は、学習セッション、視聴者とのコミュニケーション、収益パフォーマンスを管理するための新しいクリエイターツールセットであるCreator Studio(クリエイター・スタジオ)の展開に使用されるという。これらのツールはファンベースの拡大に加え、ライブセッションによってビジネスを構築しようとしているクリエイターに向けたものである。

まず、9月にクリエイターたちに提供されるのは、今後開催されるセッションの告知を管理したり、チケットや価格を設定してセッションを販売したりするためのセッションリストツールだ。その後、分析機能や参加者に直接メッセージを送るための接続機能、収益をトラッキングするためのウォレット機能などが追加される予定だと同社は伝えている。

同社は今回の資金により、即時投票や学習資料を参加者と共有する機能などのインタラクティブな新機能を追加したり、新しく入ってきた人材のオンボーディングに使用したりすることができるようになるという。

YouTube、Facebook(フェイスブック)、TikTok(ティックトック)、Twitter(ツイッター)などの大手企業をはじめ、オンラインクリエイターにサービスを提供しようとする競合他社が増え続ける中、これらの機能はBrightを際立たせる重要な要素となるかもしれない。しかし今のところは、ビッグネームを呼び寄せることのできるオザリー氏の個人的なネットワークの強みの方がより注目すべき差別化要因と言えるだろう。

「私は生涯学習というコンセプトに深く共感しているため、オーディエンスが最も尊敬するアーティストや専門家から直接学べる類い希な機会を提供するBrightのようなプラットフォームに投資できることを誇りに思います」と新規投資家で監督兼プロデューサーのジャド・アパトー氏は声明内で伝えている。「Brightを通じて作家仲間や監督志望者、コメディを愛する人たちと直接つながり、知識を共有することができるのです」。

Brightは収益の詳細については公表していないものの、1〜2時間のセッションで25ドル(約2750円)から150ドル(約16500円)のチケットを販売しているとTechCrunchに話してくれた。

BrightのCEOであるパワーズ氏は次のように述べている。「著名なアーティストや起業家だけでなく、すばらしい投資家の支援を得ることができ、大変うれしく思っています。憧れの人から直接学ぶことで人生をレベルアップさせたいというBrightのビジョンを全パートナーが共有しています。Brightを通じて著名人は自らの知識を共有し、そのトピックや情熱を前面に押し出すことで、オーディエンスとより真摯に向き合うことができます。我々のプラットフォームとミッションをさらに向上させるための新機能を本格展開できることに胸を躍らせています」。

画像クレジット:Bright

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

Instagram、クリエイターがブランドとのコラボをするための新ツールを展開

Instagram(インスタグラム)は、クリエイターがプラットフォーム上でコミッションを得たり、ブランドとパートナーシップを結んだりするための新しいツールをテストしている。Facebook(フェイスブック)所有の同社は、6月に開始したクリエイターが商品を発見して、フォロワーと共有し、自分の投稿による売上でコミッションを得ることができるようにする既存のネイティブ・アフィリエイト・ツールを拡張している。

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今回の新機能では、クリエイターが自分のプロフィールの「ショップを見る」ボタンの中に、すでにアフィリエイト提携している商品やコレクションを紹介するデジタルストアフロントを追加し、売上に応じてコミッションを得ることができるようになった。なお、Instagramによると、現在この新しい機能は、ネイティブ・アフィリエイト・プログラムに参加しているクリエイターのみが利用できる。

また、Instagramは、クリエイターがブランドに発見されるのを助けるために、新しいブランドコンテンツパートナーシップ機能をテストしている。クリエイターは、提携したいと思うブランドを「ブランドリスト」に追加することができるようになり、企業が新しいクリエイターを探す際に優先的に表示されるようになる。

さらに、Instagramは、DMの中にパートナーシップメッセージ専用の新しいフォルダを展開している。この新しいフォルダは、クリエイターの受信箱に埋もれてしまうかもしれないブランドからのメッセージを、クリエイターが見逃さないようにすることを目的としている。パートナーシップメッセージは、リクエストフォルダをスキップして優先的に配置されるため、ブランドとクリエイターは、コンテンツのパートナーシップを見つけて管理することができる。

画像クレジット:Instagram

また、ブランドは、データや独自のフィルターを使って、キャンペーンに適したクリエイターを見つけることができる。また、ショートリストを作成し、複数のキャンペーンやクリエイターを管理することもできる。また、ブランドコンテンツのリール広告も作成できるようになった。さらに、Instagramは、クリエイターが自分の投稿、ストーリー、リールのいずれかからブランドがコンテンツ広告を作成できるようにする新しいアカウント権限を導入した。

「これらのブランドとクリエイターのパートナーシップツールは、ブランドとのパートナーシップ、広告収入、オーディエンスからのサポート、Instagramからの直接のボーナスなど、クリエイターがInstagramで生計を立てられるようにするための当社の継続的な取り組みの大きな部分を占めています」と同社はブログ記事で述べている。

Instagramは、これらの機能のテストと改良を続け、将来的にはより多くのブランドやクリエイターが利用できるようにすると述べている。

Instagramは、ブランドとクリエイターがより協力しやすくなるように取り組んでいるいくつかのデジタルプラットフォームの1つだ。例えば、TikTok(ティックトック)は、マーケターがブランドキャンペーンのためにTikTokのトップパーソナリティを発掘するためのCreator Marketplace(クリエーターマーケットプレイス)を提供している。同様に、Pinterest(ピンタレスト)もクリエイターがブランドと提携するための機能を提供している。

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画像クレジット:Instagram

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

Spotifyは「見て」ももらいたい、ビデオポッドキャスト用ツールを同社傘下Anchorのクリエイターに開放

Spotify(スポティファイ)は、買収、独占契約、その他のパートナーシップの間で、ポッドキャスティングにすでに約10億ドル(約1130億円)を投資している。そして、Spotifyは人々に聴くだけでなく、見てももらいたいと考えている。同社は米国時間10月21日、クリエイターがビデオポッドキャストできるようになる新しいツールを開始することを発表した。このツールは、Spotifyのポッドキャスト制作プラットフォームAnchor(アンカー)が提供するもので、一部のクリエイターのみを対象に、2020年にグローバルで開始したビデオポッドキャストを発展させたものだ。

当時、Spotifyは、ビデオポッドキャストのデビューラインナップには、Spotify Originals and Exclusives(オリジナル&独占)に加え、サードパーティ制作のポッドキャストも含まれていると述べていた。しかし、どんなクリエイターでも動画を配信できるわけではなかった。代わりに、YouTube(ユーチューブ)などの他の動画プラットフォームを利用する必要があった。

この状況が変わる時が来た。Anchorによって、現在のオーディオエピソードの作成・公開するのと同じように、クリエイターが自分のアカウントを使って動画をアップロードできるようになる。公開されたポッドキャストは、Spotifyのモバイルアプリ、デスクトップアプリ、ウェブプレイヤー、そしてほとんどのスマートテレビやゲーム機など、さまざまなプラットフォームで聴くことができる。また、クリエイターは、音声ポッドキャストと同様に、定額制を利用してビデオを収益化することができる。

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クリエイターは価格を設定し、サブスクリプションに何が含まれるかを決めることができるが、Spotifyは、サブスクリプションによって独占的なビデオコンテンツへのアクセスを提供したり、クリエイターのポッドキャストのビデオ部分をアンロックしたりすることができると提案している。ビデオポッドキャストには、クリエイターの既存の広告パートナーも組み込むことができ、近々、より新しい自動化された広告にも対応する予定だ。

Spotifyは正式にAnchorクリエイターへのアクセスを開始したが、機能は徐々に展開されている。つまり、興味のあるクリエイターは、当面はウェイティングリストに登録する必要がある。ちなみに、Appleはすでに、ビデオポッドキャスティングのホスティングを、すべてのホスティングソリューションを使用するすべてのクリエイターに提供している。

一方、Spotifyのビデオラインナップには、The Ringer(リンガー)のHigher Learning with Van Lathan and Rachel Lindsay(ハイヤーラーニング・ウィズ・ヴァン・レイサン・アンド・レイチェル・リンゼイ)やThe Joe Rogan Experience(ジョー・ローガン・エクスペリエンス)などのオリジナル&独占番組のビデオポッドキャストが含まれている。また、Philip DeFranco(フィリップ・デフランコ)、Jasmine Chiswell(ジャスミン・チズウェル)、The WAN ShowJuicy Scoop with Heather McDonald(ジューシー・スクープ・ウィズ・ヘザー・マクドナルド)など、今後Spotifyで公開される他のビデオクリエーターも含まれる。

Spotifyは過去に、動画への進出を試みては失敗してきた。5年前に行ったオリジナルビデオへの最初の取り組みは大失敗に終わり、同社はしばらくの間、ビデオ計画を棚上げにしていた。しかし最近になって、同社はYouTubeをベースにした動画事業を持つスポーツネットワークのThe Ringerを買収し、動画への復帰の可能性を示唆した。その後も、TikTok(ティックトック)のスターからNetflix(ネットフリックス)の女優になったAddison Rae(アディソン・レイ)との契約など、動画への移行が可能な契約を次々と行っている。

今回のポッドキャストクリエイターへの動画配信の拡大は、YouTubeが自社のポッドキャスティング事業へのさらなる投資を検討しているというニュースに直結している。2021年10月、Bloombergは、YouTubeがポッドキャストに特化した初の幹部を採用すると報じた。実際にアップロードを開始するためのアクセスは、まだウェイティングリストによってブロックされているものの、このニュースを受けて、Spotifyが自社のビデオポッドキャスティングへの取り組みを推進することになったのかもしれない。

現在、Spotifyで動画コンテンツを探すには、見たい番組からエピソードページに移動し、再生ボタンを押してエピソードを開始する必要がある。画面下の再生バーをタップすると、動画がフルスクリーンで表示される。あとは、何をしているかに応じて、聞くか見るかを選ぶことができる。

ただし、動画に対応しているすべてのポッドキャストを簡単に確認する方法はまだない。Spotifyは、サービス開始時にビデオとして利用できるポッドキャストの数については明らかにしていないが、年末までに「数千」のポッドキャストへのアクセスを提供する予定であると述べている。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

SpotifyがShopifyと提携、アーティストのプロフィールに商品販売セクションを追加

Spotify(スポティファイ)は米国時間10月20日朝、電子商取引プラットフォームを提供するShopify(ショッピファイ)との新たな提携を発表した。これにより、Spotifyのサービスを利用しているアーティストは、SpotifyのプロフィールとShopifyのストアを結びつけることができ、Spotifyのアプリを通じてファンに直接商品を販売することが可能になる。アーティストは、Spotify for ArtistのアカウントとShopifyのオンラインストアを連携させることで、商品カタログをSpotifyに同期させ、音楽ストリーミングアプリ内のプロフィールに任意の商品を表示することができる。

ファンはそこから商品を閲覧し、購入することができるようになる。この統合により、アーティストの既存のShopifyストアへのアクセスが容易になるだけでなく、まだ商品サイトを開設していないアーティストにとっては新たな収益源となり、すでに他の場所でウェブサイトを開設しているアーティストにとっては、Shopifyのプラットフォームに切り替えるよい理由となるだろう。

Shopifyによると、すでに何千ものアーティストのウェブサイトが運営されており、音楽だけでなく、彼らが「完全に認知される」ブランドを構築するためにビジネスを拡大している。

「今日のアーティストは起業家のようです。彼らは多面的なブランドやビジネスを構築しており、私たちは彼らがファンと出会うことを容易にしています。Spotifyに起業家精神をもたらすことで、アーティストが従来の商品モデルを超えて、収益化のための新しい方法を考えたり、コマースを通じてブランドを試したりすることを可能にしています」と、ShopifyのプロダクトディレクターであるAmir Kabbara(アミール・カバラ)氏は述べている。

画像クレジット:Spotify

また、Shopifyは、アプリのエコシステムが充実していることから、アーティストがオンデマンド印刷や商品発見ツールのような新しいサービスを実現するのにも役立つとしている。Shopifyのインフラは、多くのフォロワーを持つアーティストが新製品を発表したときなどに、大量のトラフィックを管理することもできる。

今回のShopifyとの提携は大きな意味を持つが、Spotifyが他社と提携し、アーティストがアプリを通じて商品を販売できるようにするのは初めてのことではない。Spotifyは、長年にわたり、アーティストのプロフィールを他の商品サービスプロバイダーと統合して提供してきた。現在は、Merchbar(マーチバー)との契約が行われているが、過去にはBandPage(バンドページ)Topspin(トップスピン)との提携もあった。

Merchbarでは、アーティストが自分のプロフィールに掲載する商品を3つ選ぶことができる。今回、Shopifyを利用しているアーティストも同様のことができるようになる。

アーティストは、まずデスクトップでSpotify for Artistの管理画面にログインし「プロフィール」タブを開き「マーチ」をクリックする。そこから、Shopifyのストアから3つのアイテムを選んでプロフィールに掲載する。現在、アーティストは1人のアーティストにつき1つのShopifyストアしか接続することができないようになっている。

Shopifyは、登録を促進するために、Spotifyアーティストが初めて登録した場合、90日間の無料トライアルを提供している。

ただし、Spotifyによると、この機能は現在「ベータ版」だという。世界中のすべてのアーティストがShopifyストアにリンクすることができるが、当面はオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国、米国のリスナーにのみ商品が表示される仕様になっている。

画像クレジット:Spotify

ShopifyとSpotifyは、新しいクリエイターエコノミーを実現するという点で共通しているが、両者の重点分野は異なる。Shopifyは、自社のeコマースプラットフォームをあらゆる種類のクリエイタービジネスを補足する存在だと考えているのに対し、Spotifyの関心は、アーティスト(現在はポッドキャストクリエイターも含む)の方だ。Spotifyはこれまで、アーティストのビジネス拡大を支援するために、チケット販売チップスーパーファン限定メールなど、クリエイター向けのツールを数多く展開してきた。

2021年初め、SpotifyのCEOであるDaniel Ek(ダニエル・エク)氏とShopifyのCEOであるTobi Lütke(トバイアス・トビ・ルーク)氏は、Clubhouse(クラブハウス)のセッションに参加し、今日のクリエイターがマネタイズ戦略を多様化するさまざまな方法について語った。

その際、エク氏は、多くのアーティストがShopifyのプラットフォームを利用していることに触れ、Shopifyとの連携の可能性を示唆していた。

「今、成功しているほとんどのクリエイターは、オムニタレント(万能型のタレント)であり、オムニチャネルである」と彼は当時語っている。「つまり、YouTubeで動画をアップしたり、Instagramを利用したりしているのです。おそらく、ブランドをまとめてShopifyにアップしているでしょうが、音楽や商品もShopifyにアップし、音楽はもちろんSpotifyにアップして、ツアーもしているでしょう。このように、彼らはさまざまなことをして、さまざまなプラットフォームでファンとつながっているのです」とエク氏は語った。

画像クレジット:Spotify

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)a

YouTubeが1週間にわたりクリエイターによるライブ配信ショッピングイベントをテスト開催

YouTube(ユーチューブ)は2021年初め、一部のクリエイターを対象に、ライブ配信ショッピングの試験運用を開始することを発表した。そこでついに、ライブショッピングプラットフォームのより大きな試験運用の準備が整ったようだ。同社は11月15日から、1週間にわたってライブショッピングイベント「YouTube Holiday Stream and Shop」を開催する予定だ。このイベントでは、視聴者が新商品を購入したり、期間限定の特典を適用したり、Q&Aや投票を通じてクリエイターや他の視聴者と交流したりすることができるとのことだ。

同社は、2021年初頭に、YouTube上での統合型ショッピングをめぐるより大きな取り組みの一環として、ライブショッピングへの投資計画を初めて発表した。最初のテストでは、2021年夏にライブ配信の試験版が開始されるまで、オンデマンド動画に焦点を当てていた。

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それ以来、多くのユーチューバーがファンと一緒にライブブ配信ショッピングを試している。その中には、ネイル磨きコレクションSimply Not Logicalチャンネルで280万人のファンに向けて発表したSimply Nailogicalや、スキンケアライン「Selfless」を450万人のファンに向けて発表したHyram、Walmart(ウォールマート)と提携して商品を販売するライブブ配信ショッピングセッションを行ったRaven Elyseなどがいる(Walmartは以前にも複数イベントでTikTok上でライブショッピングを実験していた)。

YouTubeによると、他の小売業者もより直接参加したそうだ。例えば、Sephora(セフォラ)はライブQ&Aを開催し、Target(ターゲット)は新機能を使ったライブスタイルの販売を行った。

Merrell Twins(メレル・ツインズ)の登場で幕を開けることになっている今後のStream and Shopイベントでは、Walmart、Samsung(サムスン)、Verizonな(ベライゾン)などの一流小売業者の製品も紹介される予定だ。

また、宣伝ウィークでのパネルディスカッションでは、ライブショッピング体験をより深く理解するために行ったリサーチの詳細と、YouTubeがどのような役割を果たしているかを紹介した。Publicis(パブリシス)とTalkShoppe(トークショップ)と共同で実施したこの調査では、視聴者の75%が、クリエイターの#ShopWithMeビデオを見るなどして、ショッピングのインスピレーションを得るためにYouTubeを利用していることがわかった。また、85%の視聴者がクリエイターの推薦を信頼しており、視聴者は動画の制作価値よりも情報の質と量を重視していることがわかった。

YouTubeは、ライブ配信でのショッピングに向けた取り組みを進めているが、まだこの機能を広く提供しているわけではない。その代わり、個々のクリエイターを対象にライブショッピングのテストを続けている。

一方で、ライバルのTikTok(ティックトック)は、独自のライブショッピング機能を進めている。

2021年初め、TikTokはShopify(スポティファイ)と提携し、米国、英国、カナダでTikTokショッピングの試験運用を開始した。2021年9月のイベントでは、新しいパートナーであるSquare(スクエア)、Ecwid(エクウィッド)、PrestaShop(プレスタショップ)、Wix(ウィックス)、SHOPLINE(ショップライン)、OpenCart(オープンカート)とBASE(ベース)とともにショッピングを拡大していると語っていた。また「TikTok Shopping」というブランドで、商品を動画や広告に統合する方法や、ライブショッピングのサポートなど、一連のソリューションや機能を紹介した。

また、Facebook(ファイスブック)は、2021年の春と夏に独自のライブショッピングイベントを開催し、FacebookアプリとInstagramアプリの「ショップ」内にライブショッピング専用のセクションを設けている。

YouTubeは、ライブショッピングイベントの開催日が近づくにつれ、詳細を発表する予定だ。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

クリエイティブ業界の環境改善を目指すプラットフォームContact、女優メイジー・ウィリアムズやZ世代起業家が支援

生活のあらゆる面をデジタル化したパンデミックの影響で、かつてないほどの盛り上がりを見せているクリエイターエコノミーは、今や1000億ドル(約11兆円)以上の市場になっているという試算もある。しかし、モデル、俳優、作家、デザイナーのプロとして生きていくためには、電子メール、手作業の契約手続き、膨大なPDFファイルなど、さまざまなものを処理する必要がある。トップレベルのタレントエージェンシー全体の評価額が200億ドル(約2兆2000億円)に達しているにもかかわらず、クリエイターたちは支払いの遅延や不透明な業界慣習に苦悩している。しかし、モデルとして活躍するタレントが、20~40%ものコミッション料を請求されることがある一方、ソーシャルメディアは、タレントの参入障壁を下げ、タレントにコンタクトしやすくすることで、従来のエージェンシーを徐々に排除してきた。それでもやはり、いうまでもなく、誰もがソーシャルメディアで自分のキャリアを高められるわけではない。

2020年末に登場したContact(コンタクト)は、当初、モデルの契約の代行や、仕事の一部を管理するといったサービスを提供していた。現在は、クリエイティブ業界のキーパーソンたちを巻き込んで新たな資金調達を行い、前述の広範な問題に対処しようとしている。

「Game of Thrones(ゲーム・オブ・スローンズ)」で名を馳せたMaisie Williams(メイジー・ウィリアムズ)氏は、クリエイティブ業界の環境改善を熱心に訴えるとともに、このスタートアップのクリエイティブストラテジスト兼アドバイザーに就いている。

コンタクトは今回、Founders Fund(ファウンダーズ・ファンド)が主導するシードラウンドで190万ドル(約2億1000万円)の資金を調達した。また、LAUNCH(ローンチ、投資家のJason Calacanis[ジェイソン・カラカニス]氏が率いるファンド)、Sweet Capital(スウィート・キャピタル、Pippa Lamb[ピッパ・ラム]氏主導)、Rogue VC(ローグVC、Alice Lloyd George[アリス・ロイド・ジョージ]氏主導)、エンジェル投資家のSimon Beckerman(サイモン・ベッカーマン氏、Depop[デポップ]の共同創業者)、Eric Wahlforss(エリック・ウォールフォース氏、SoundCloud[サウンドクラウド]の共同創業者で、現在はDance[ダンス]の創業者兼CEO)、Abe Burns(アイブ・バーンズ)氏、Joe White(ジョー・ホワイト)氏も参加している。

コンタクトの原型は、モデルの世界を対象としているが、その視線ははるかに大きなものを見据えている。コンタクトの共同設立者兼CEOのReuben Selby(ルーベン・セルビー)氏は、ファッションデザイナーであり、ウィリアムズ氏がキャリアをスタートさせた会社の設立チームに所属していたことや、Nike(ナイキ)、Thom Browne(トム・ブラウン)、JW Anderson(JWアンダーソン)などと仕事をしてきたこともある。同氏によると、このプラットフォームは、1042億ドル(約11兆4000億円)規模のクリエイターエコノミー全体のスケーラブルなバックエンドソリューションとなり、世界トップクラスのクリエイティブな才能へのアクセスを「民主化」することを目指しているという。

ルーベン・セルビー氏(画像クレジット:Reuben Selby)

近頃、自閉症の創業者であることを語ったセルビー氏は、自身のレーベルReuben Selby(ルーベン・セルビー)の創業者兼クリエイティブディレクターでもあり、クリエイティブエージェンシー兼コミュニティCortex(コルテックス)の共同創業者でもある。セルビーには、Deliveroo(デリバルー)、Daisie(デイジー)、Government Digital Service(ガバメント・デジタル・サービス)などを手がけたJosh McMillan(ジョシュ・マクミラン)氏がCTOとして加わっている。

大まかに言えば競合他社には、Patreon(パトレオン)Creatively(クリエイティブリー)The Dots(ザ・ドッツ)などが挙げられるが、これらのプラットフォームのさまざまな側面を1つの屋根の下に集めようとするコンタクトのビジョンは、意欲的であると同時に、魅力的であると言えるだろう。

エージェンシーに牛耳られているこの業界で、個人や企業がエージェンシーを介さずに直接クリエイターやクリエイティブなサービスを見つけ出し、契約できるというのは挑戦的な試みだ。

コンタクトはまず、2020年10月にファッションモデルの発掘や契約機能を備えたプラットフォームを立ち上げたが、資金調達後はフォトグラファー、スタイリスト、ビデオグラファーなど、他のクリエイティブ分野でのサービスも展開する予定だ。

画像クレジット:Contact

セルビー氏は、自身がモデル、フォトグラファー、クリエイティブディレクターとしてクリエイティブ業界に参入しようとした経験から、コンタクトのアイデアを思いついたという。同氏は、報酬を得るための安全で確実な方法がほとんどないこと、委託会社には基本的な技術的ツールが欠けていることを知り、さらに「中間業者」と「エージェンシー」がピンハネによって利益をむさぼる黒幕であり、多くの場合サービスのクオリティーも低いことに気づいた。

では、コンタクトはどのような仕組みになっているのだろうか。

クリエイターが登録すると、さまざまなクリエイティブサービスに渡って自身のポートフォリオを公開し、直接オファーを受けられるようになる。

企業は、フィルターを使って人材を閲覧して見つけ出し、クリエイティブな人材を絞り込み、仕事の詳細を伝え、クリエイターと直接契約することができる。クリエイターは、ウェブ上のプラットフォームや、間もなく公開予定のスマートフォンアプリを使って、仕事の受諾や拒否を行うことができる。仕事が終われば、クリエイターにはコンタクトを通じて報酬が支払われる。

モデル業界での限定公開以来、コンタクトは約600人のクリエーターと、デポップ、Farfetch(ファーフェッチ)、Nike(ナイキ)、Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)、Vogue(ヴォーグ)など1400以上のクライアントを獲得したという。そして、このプラットフォームのユーザー数は、前年同期比で100%増加したとのことだ。

セルビー氏によると、コンタクトはバックグラウンドに徹し、タレントがさまざまな分野で独立してブランディングできるようにするつもりだという。重要なのは、コンタクトがクリエイターからは料金を取らず、委託会社からのみ取引に対して20%の手数料を徴収することだ。

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ファウンダーズ・ファンドのパートナーであるTrae Stephens(トレエ・スティーブンス)氏は「特定の会社を作るために生まれてきたような創業者を見つけると、いつも興奮する。ルーベン氏は、まさにそのような創業者の1人だろう。コンタクトが規模を拡大し、新たなクリエイティブ分野に進出していくのを見ることが楽しみだ」とコメントしている。

また、スウィート・キャピタルのパートナーであるピッパ・ラム氏は「コンタクトのチームは『クリエイターエコノミー』という言葉がバズワードになるずっと前から、クリエイターエコノミーのフロンティアを開拓してきた。コンタクトは、世界レベルの技術的才能と、今最も創造的な精神から生まれる真の革新性を併せ持つ稀有な存在だ。この次の展開に期待している」と述べている。

「ゲーム・オブ・スローンズ」のArya Stark(アーヤ・スターク)役で知られるウィリアムズ氏にとって、スタートアップで働くことは初めてではない。同氏は以前、デイジーのプラットフォームに貢献したことがある。そのプラットフォームは、クリエイター同士を結びつけてお互いのプロジェクトに取り組むことや、クリエイターが自分の作品のための協力者を見つけることを支援している。

しかし「中間業者」に支配されているクリエイティブ業界の構図を破壊したいという同氏の思いは、その経験ではまったく満たされなかった。

ウィリアムズ氏とセルビー氏は、筆者の独占インタビューに答えて、自分たちのビジョンを説明してくれた。

セルビー氏は、現在のモデル市場はほんの始まりに過ぎないとし「ビジョンは、常にクリエーターを中心に据え、クリエーターが自分の仕事に対して報酬を得られるようにすることだ。基本的に、モデル業界という1つの分野からスタートした。そして今、フォトグラファー、メイクアップアーティスト、スタイリストなど、新たな分野に展開しているところだ。しかし、それは全体的なビジョンの中では非常に小さな部分だ」と語る。

また同氏は現在「作品の配信、視聴者との関係構築、収益化の方法」に焦点を当てているという。そして「つまり、物理的な制約の解放だけでなく、創造性を収益化するためのツールキットを提供することであり、今はそれを模索しているところだ。マーケットプレイスはあるが、それはごく一部であって、もっと大きなものを考えている」と述べる。

マーケットプレイスモデルは、企業とクリエイターを直接結びつけることができるが、企業が大きな力を持っていることに変わりはないと、同氏はいう。そして「クリエイターたちは、誰かが何かを与えてくれるのをただ座って待っているだけだ。そのため、クリエイターが自分の作品を配信し、自分のやり方で収益化できる方法を模索している。バックエンドではすべてのロジスティックスが機能し、運用面では当社が構築したサービスを使って、支払いやライセンス、保険を処理している」と述べる。

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ハリウッドの大スターであるにもかかわらず、ウィリアムズ氏は、同氏がよく知るクリエイティブ業界やエンターテインメント業界は、テクノロジー業界が構築し使い慣れているプラットフォームではなく、電子メールやハイパーリンクといった旧態依然とした世界に留まっていると話してくれた。「タレント事務所に所属していたため、オンラインでのやり取りはすべてメールだ。デジタル化されている資産もなく、台本を保管する『オンライン金庫』も、オーディションテープをアップロードする場所もない。いつもメールの中にリンクがあるだけだ。業界標準というものがない。エージェンシーについていえば、彼らが行う仕事はどれもあまり効率的ではなく、方向性も定まっていない」と同氏は語る。

同氏は、それを変える必要があるとし「キャスティングのプロセスがあるが、今はまだ、キャスティングディレクターと俳優、脚本家などの間では、非常に時代遅れな方法が取られている。そのため、もっと効率的なプロセスを構築したいと考えている」と述べる。

コンタクトを支援するために集めた投資家について、セルビー氏は、チームがファウンダーズ・ファンドをリードインベスターとして選んだ理由は、同社のアプローチにあるという。「彼らが創業者と一緒に仕事をする方法は、個人に対して非常に裁量を持たせてくれるものだ。[彼らは]創造的に考えるために、多くの自由とスペースを与えてくれる。そのため、明快な連携を取ることができる」と述べる。

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今回のラウンドに参加した他のエンジェル投資家について、同氏は「エリック・ウォールフォース氏やサイモン・ベッカーマン氏のような人たちは、ファッションや音楽文化全体に渡って大きなコネクションを持っている」という。

一方でウィリアムズ氏は、エンターテインメント業界がコンタクトにどのような反応を示すかについて「俳優は、俳優業以外にもさまざまなことをしている。そのようなことすべてを収益化できるプラットフォームを持てるということは、特に俳優は仕事がない時間も長いため、とても重要なことだ」と述べる。しかし、現在のシステムは「エージェントが受けさせてくれるオーディションからしかチャンスが得られない」仕組みになっていると同氏はいう。そして「これでは意欲が湧かずやりがいもない。だから多くの俳優は、ストリーミングプラットフォームで自分の番組を配信したり、自身のドキュメンタリーを作ったり、他の方法で作品を売ったりしている」と続ける。

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同氏は、コンタクトがプラットフォームを通じてそういった場を作り、クリエーターがより自立できるようにしたいと述べ「映画業界や音楽業界には、さまざまな分野でマルチな才能を発揮する、信じられないほど優秀な人たちが溢れている。しかし、彼らはいまだに、強大な権力をもつエージェンシー、レコード会社、マネージャーらに支配され『萎縮』している。才能を発揮するために、他の多くの手段を提供することは、本当に重要なことだと思う」と語る。

セルビー氏、共同設立者、そしてウィリアムズ氏のビジョンが非常に大きなものであることは明らかだ。問題は、同氏らがそれを成し遂げられるかどうかということだ。

しかし、ハリウッドスターを含めたZ世代の影響力を持つ情熱的なチーム、本格的なテクノロジープラットフォーム、米国の有力な投資家、クリエイティブ業界から集められたエンジェル投資家らの組み合わせは、確かに成功の可能性を示しているといえるだろう。

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(文:Mike Butcher、翻訳:Dragonfly)

ツイッターが米国でAndroidユーザーに「チケット制スペース」の提供を開始

Twitter(ツイッター)は、有料のTicketed Spaces(チケット制スペース)を米国のAndroidユーザーが数日中に利用できるようになると発表した。Twitterのライブオーディオルーム機能であるスペースのホストは、チケット制スペースへのアクセスを販売できる。今回のAndroid版のリリースは、8月下旬にまずiOSユーザー向けに始まったチケット制スペースの展開に続くものだ。

関連記事:ツイッターが有料の「チケット制スペース」展開をiOSで開始

チケット制スペースは最初6月に、18歳以上で、過去30日以内に3つのスペースを開催したことがあり、1000人以上のフォロワーを持つiOSおよびAndroidユーザーを対象に、テスト参加の募集が始まっていた。Twitterは現在、Androidユーザーに対して、チケット制スペースの利用とこの新機能へのフィードバックを呼びかけている。

チケット制スペースがAndroidに提供されます!チケット購入オプションは、数日中に米国のすべての人に展開されます。

この機能は、公開される会話を主催したり司会したりするクリエイターの、時間と労力を支援する方法であると、Twitterは述べている。クリエイターはチケット制スペースを利用して、ワークショップやユーザーとの対話、ファンとの交流会などを開催することができる。この大手ソーシャルメディアは以前、クリエイターが得た収益の3%を手数料として徴収すると表明していた。

そのスペースがチケット制スペースである場合、ユーザーにはホストが設定した金額でチケットを購入するオプションが表示される。また、ユーザーはチケット制スペースの参加者から、リンク付きのDMでチケット購入の誘いを受けることもある。

チケット制スペースは、Twitterが競合するClubhouse(クラブハウス)やInstagram(インスタグラム)との差別化を図るのに役立つだろう。これらの2つのプラットフォームは、事前チケット販売の機能を導入していないからだ。

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Instagramがライブ動画に注力、クリエイター向けの配信スケジュール管理機能と「練習モード」を追加

米国時間10月13日、Instagramはライブ配信のクリエイターのためのツールを2つ発表した。今後のライブ配信を最長で90日前までにスケジュール予約して話題を盛り上げ、ニュースをInstagram全体で共有してファンに知らせることができる。また「Practice Mode(練習モード)」という機能を準備中で、クリエイターはライブ配信前にゲストを集めて接続や照明などをテストし、その他の事前準備を管理できる。

Instagramによると、練習モードは以前からクリエイターたちが要望していたという。

一方、Instagram Liveをスケジュール予約できる機能は、同サービスをYouTubeやTikTokだけでなく、Instagramの親会社Facebookにも負けないものにしてくれる。

YouTubeのライブ配信はかなり前からスケジュールツールがあり、クリエイターは事前に宣伝を始めることができる。2018年には機能を拡張して、クリエイターは以前録画した動画のリリースをプレミア機能でスケジュール予約できるようになった。これもやはり、スーパーチャットへのアクセスなど、似た機能を提供している。2020年はプレショー機能も加わった。

Facebook Liveはかなり前からクリエイターツールを提供しており、スケジューリングやマーケティングや放映前のロビーなどの機能がある。

一方、2021年のTikTokも一連のクリエイターツールを展開し、そこにはTikTok LIVEビデオのスケジューリング機能もある。同社はさらにライブ動画への注力している。

Instagramによると、Live Scheduling機能はグローバルで利用できる。今後のライブ動画をスケジュール予約したら、そのコンテンツをストーリーズやtoriesやフィードでの投稿でフォロワーと直接共有できる。

フォロワーはリマインダーをセットするツールを使って、好きなクリエイターのライブ動画を見逃さないようにできる。

画像クレジット:Instagram

今回のローンチは、ライブコンテンツの市場がホットになってきた時期のものだ。Instagramが大きな投資をしているリアルタイムのeコマースに加えて、Instagramの最大のライバルであるTikTokも、ライブコンテンツをユーザー体験の大きな部分にしようと努力している。TikTokが最近導入したのは、ユーザーがランダムにライブ動画を見つけるのではなく、ライブセクションの「検索&発見」ボタンを使ってライブ動画をカテゴリーで調べる機能だ。

一方、Instagramは、このところ動画戦略を練り直している。2021年10月、IGTVブランドを捨てて、代わりに長編動画をフィードの動画と一緒にする。これらの努力の一環としてIGTVアプリもブランドを変更しリールを除き、そしてLiveも含む、Instagramのすべての動画のホームになる。

リールは、依然としてInstagramアプリの主役の座にあり、センターボタンやユーザーのプロフィール、検索&発見、そして最近確認したところによると、ハッシュタグのページからでもアクセスできる。

Live Scheduling(ライブスケジューリング)は本日から、グローバルで利用できる。Practice Modeのは、同社によると「もうすぐ」だという。

関連記事:InstagramがIGTVブランドを廃止、リール以外のビデオを「Instagram Video」フォーマットに統一

画像クレジット:Instagram

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ツイッターがユーザーにより多くの広告を見せるための方法を検討

Twitter(ツイッター)は、同社のプラットフォーム上で新しい広告フォーマットと配置をテストする予定だ。米国時間10月13日、同社の収益プロダクトリーダーであるBruce Falck(ブルース・ファルク)氏は、Twitterがモバイル端末向けに、会話のスレッド内で1、3、8回目の返信の後に広告を表示し始めると述べた。同社はこの変更が永続的なものになるかどうかは明言しなかったが、最も理に適った挿入ポイントとレイアウトを決定するために、この方式で実験を行うという。また、Twitterは、広告の表示をクリエイターに強制するのではなく、クリエイターが選択できるようにすることも検討していると述べている。その場合、クリエイターにも広告収益の一部が還元されることになるという。

Twitterはこれまで、ユーザー数を大幅に増やすことに苦労してきた。そのため、既存のユーザーから得られる収益を最大限にするために、よりクリエイティブにならざるを得なかった。この1年ほどの間に、オーディオチャットルーム、チケット制イベント、クリエイターツール、サブスクリプション、バーチャルチップなど、さまざまな新プロダクトが次々と登場した。Twitterは、2020年に37億ドル(約4200億円)だった収益を2023年には75億ドル(約8500億円)以上に倍増させ、収益化可能な1日のユーザー数を3億1500万人にするという投資家への約束を果たしたいと考えている。

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ほとんどのあららしいプロダクトが初期段階のテストではあるが、Twitterはまだ大ヒットを飛ばしていない。例えば、第三者機関のデータによると、最近のTwitterの新しいクリエイタープラットフォームSuper Follow(スーパーフォロー)は、米国とカナダで公開されてから2週間で約6000ドル(約68万円)、もしくはそれより少しの多い程度の収益しか得られていない。(他の分析によると9月の17日間で1万2400ドル[約140万円])。どちらの数字が真実に近いかは別にして、クリエイターのサブスクリプションに対する需要がまだ高まっていないことは明らかだ。

関連記事:ツイッターのクリエイター向け機能「スーパーフォロー」、開始から2週間の売上はわずか66万円

一方、Twitterは、新しいプレミアム製品であるTwitter Blue(ツイッターブルー)サブスクリプションを、米国をはじめとする最大の市場にまだ投入していない。このプロダクトには、ユーザーが求める「ツイートの編集」ボタンに近い機能として、誤字脱字をすぐに取り消すことができる「アンドゥ」オプションが含まれている。

しかし、このような新機能が次々と追加されてはいても、Twitterの収益の大半は広告によってもたらされている。Twitterは7月、ウォール街の利益予想を上回る10億5000万ドル(約1190億円)の広告収益を上げた。これは、より良いターゲティングのために2500のトピックカテゴリーを新たに導入し、広告の効果が向上したためと考えられている。

同様に、Twitterは、会話中に表示される広告を、議論されている内容に関連したものにすることを計画している。

Twitterの発表によると、ファルク氏は「私たちは、クリエイターと広告主にとって価値を生み出し、インセンティブを一致させる広告サービスを構築する大きな機会を得たと考えています」と述べている。「今後数カ月間、このフォーマットを試していく中で、このフォーマットがどのように機能するのか、また人々や会話にどのような影響を与えるのかを理解することに集中します。さまざまな頻度、レイアウト、文脈に応じた広告、異なる挿入ポイントなどをテストします。そして、得られた結果を検証し、これを恒久的なものにするかどうかを考えます。私たちは、広告主のためにこの試みを行うことを楽しみにしていますし、Tweetのクリエーターに報酬を与える機会を増やす方法を模索したいと考えています」と付け加えた。

最後の部分は、コンテンツが広告掲載に適した長いスレッドにつながったクリエイターへの収益シェアの提案について言及している。ツイッターでは、ツイートが話題になると、ユーザーはよく画面をスクロールして他のユーザーの反応を読む。これにより、Twitterは、現在提案されているように、スレッドの先頭付近だけでなく、スレッドの下の方にも多くの広告を挿入することができる。しかし、このように話題のツイートをマネタイズすることは、Twitterのコンテンツや文化に影響を与える可能性がある。Twitterはすでに、悪口やジョーク、怒りのツイート、その他の感情的なコンテンツを投稿するような、ある種のパフォーマティブなタイプのユーザーが注目を集める傾向のある場所だ。ツイートの「話題性」をクリエイターの収益に結びつけることは、Twitterが提供したいと主張する、純粋で思慮深い会話からTwitterをさらに遠ざける可能性がある。

しかし、Twitterに多くの広告が表示されることで、それを嫌って広告なしの体験にお金を払う人たちに、Twitterは別のプロダクトを提供できるようになるかもしれない。現在、Twitter Blueは広告ブロック機能を提供していないが、アプリでは、ユーザーがお金を払うことで広告を表示しない方法を提供していることがよくある。この機能は、Twitter Blueにバンドルされるか、あるいは単独で購入できるようになるかもしれない。(念のためにいっておくと、Twitterはこれを検討しているとは述べていない。質問を受けた際、同社は現時点ではその計画の「一部ではない」と答えている)。

必要な場合もあるが、広告の表示は多くの人が好まず、敏感に反応する収益化ツールだ。Twitterは、四半期や年度末になると、タイムライン上に数ツイートごとに広告が表示されるようになり、ユーザーから不満の声があがる傾向にある。この新しい広告に対するユーザーからの激しい反発や、プラットフォーム上での消費者行動への悪影響があれば、Twitterがこのテストを再考する可能性はある。

関連記事:タイムラインにプロモツイートがあふれると一部Twitterユーザーが不満を漏らす

しかし、レイアウト、配置、コンテクストターゲティングの正しい方法が確立されれば、収益拡大を目指すTwitterが、この変更を展開していく可能性は高い。すでにTwitterは、広告を掲載するための新しいセクションを提供できるはずだった「stories(ストーリー)」を機能させることに失敗している。storiesは、継続的な投資に見合うだけのユーザーの支持を得られなかった。

そのためTwitterは、広告で収益を上げるための他の方法を模索している。そして、より多くの場所でより多くの広告を表示することが、現在の同社の答えのようだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

Twitterが「スペース」を強化するためのオーディオクリエイタープログラムSparkを開始

Twitterは、2021年発表したClubhouse(クラブハウス)に似たオーディオルームの「スペース」への投資を強化している。

同社は米国時間10月12日、スペースのための新しいクリエイタープログラムの開始を発表した。このSpark(スパーク)プログラムは、3カ月間のアクセラレータープログラムであり「Twitter上ですばらしいスペースを発見し、金銭的、技術的、マーケティング的なサポートを行う」ことを目的としている。Twitterは、このプログラムに、既存のスペース内のオーディオ番組や未検証の実験を受け入れるとしており、オーディオに興味のあるクリエイターたちに応募を呼びかけている。

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スペースを発表して以来、Twitterはこのオーディオ機能が、早々に消え去ってしまう単なるテスト機能ではないことを示唆していた。同社は2021年9月、チケット制のスペースの提供をはじめ、ホストが自分のホストするオーディオチャットへのアクセス権を販売することで、オーディオルームを収益化できるようにした。今週は、ホストがスペースを開始する際に、DMを使ってリスナーを招待する方法が追加された。また、専用のスペースタブをより多くのiOSユーザーに展開し、さらに英語以外の言語やAndroidにも拡大する計画だ。

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Sparkプログラムに合格したクリエイターは、3カ月間週に2回オーディオルームを運営することが要求される。Twitterは月に2500ドル(約28万4000円)の報酬を用意する。スペースのパフォーマンスに左右されない定額制となっており、番組を盛り上げるための広告クレジットが毎月付与される。このプログラムにサインオンした人は、ツイートやディスカバリー機能でTwitterのアカウントから宣伝してもらえるというメリットが得られる。

TwitterはSparkプログラムの発表の中で「私たちは、説得力があり、魅力的で、人々を惹きつけてやまないオーディオコンテンツを作るには、大変な努力が必要だということを理解しています」と書き「そして何よりも、私たちは人びとのアイデアとライブソーシャルオーディオの可能性を信じていて、あなたのようなオーディオコンテンツクリエーターの飛躍を支援する機会を見つけたのです」と続けている。

週に2回Twitterの後援でオーディオプロジェクトを作成することに興味のあるTwitterユーザーは、10月22日までこのプログラムに応募できる。合格者には、11月上旬に通知が行われる。

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画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:sako)

フェイスブックが米国でポッドキャストやライブオーディオなどを集めた「オーディオ」ハブを公開

Facebook(フェイスブック)はオーディオの取り組みに対する投資を拡大しており、米国でモバイルアプリに新たに「オーディオ」を集めたハブの役割を果たす部分を設けた。ポッドキャスト、Live Audio Rooms(ライブオーディオルーム)、短尺のオーディオと、Facebookで配信されている各種のオーディオフォーマットを1カ所で発見できる。さらに同社によれば、Clubhouse(クラブハウス)のライバルであるLive Audio Roomsをグローバルで利用できるようにし、TikTok(ティックトック)のオーディオ版のような短いオーディオクリップのSoundbites(サウンドバイツ)という新しいプロダクトも公開を開始している。

新しいオーディオハブの初期バージョンは、米国の18歳以上のFacebookユーザーに対してiOSとAndroidで公開がすでに開始されていたが、正式には米国時間10月11日に発表された。Facebookのビデオのハブである「Watch」の上部からアクセスできる。オーディオコンテンツは聴くものであって見るものではないから「Watch」からというのはちょっと違和感がある。

Facebookは、新しいハブを設けたことでクリエイターにとっては自分の番組を見つけてもらいやすくなり、ユーザーにとっては好きなクリエイターのコンテンツを見つけ、知らないコンテンツを発見し、コンテンツを保存して後で聴くこともできるようになるとしている。提供開始時点では、オーディオのセクションにはすでにフォローしているクリエイターのコンテンツの他、パーソナライズされた提案、Facebookで人気のオーディオも表示される。

「オーディオ」ハブは、オーディオコンテンツを聞いたり多くのクリエイターをフォローしたりすることで時間が経つにつれて自分好みにパーソナライズされていくと同社は述べている。

この公開に合わせて、Facebookはオーディオプロダクト全般に関するアップデートも提供する。

2021年春に同社はオーディオの新機能として、ClubhouseのライバルであるLive Audio Rooms、短尺のオーディオプロダクトであるSoundbites、ポッドキャストのサポートを発表した。またSpotify(スポティファイ)との連携で音楽サービスをFacebook上でストリーミングする新しいミニプレイヤーも発表した。

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Live Audio Roomsは2021年6月に米国の著名人やFacebookグループに対して正式に公開された。それ以降、人々がつながり会話を交わす手軽な手段として機能しているとFacebookはいう。Lil Huddy(リルハディ)、Noah(ノア)、Miley Cyrus(マイリー・サイラス)、アメフトのクォーターバックであるRussell Wilson(ラッセル・ウィルソン)、歌手のBecky G(ベッキー・G)、コメディアンのSherry Cola(シェリー・コーラ)、Mereba Music(メレバ・ミュージック)などがこれまでにLive Audio Roomsを利用した。

画像クレジット:Facebook

Live Audio Roomsは米国以外の著名人やクリエイターと、米国以外を拠点とするFacebookグループにも順次公開されているという。iOSに加えてAndroidにもこの機能が導入され、デスクトップでもLive Audioを聴けるようになって、これまで以上に多くの人が利用できる。

一方、短尺オーディオのSoundbitesは2021年6月から注目のクリエイターなどを対象にテストが実施されている。テストには、コメディアンでベストセラー作家のJosh Sundquist(ジョシュ・サンドクイスト)、女優で社会活動に取り組むライフスタイルインフルエンサーのLolo Spencer(ロロ・スペンサー)、デジタルクリエイターのMolly Burke(モリー・バーク)などが参加している。最近になってテストに参加するクリエイターを増やし、Facebookによれば数週間以内にこれまでより多くの米国ユーザーにSoundbitesが公開される予定だという。

Facebookは、2021年前半に発表したポッドキャストのサポートにも引き続き取り組んでいると述べた。2021年夏に米国のユーザーはポッドキャストを利用できるようになった。最近ではポッドキャストの短いクリップをニュースフィードで共有できるようになり、Androidでは字幕に対応した(iOSでは未対応)。ポッドキャスト制作者はデスクトップとモバイルでFacebookページに自分のRSSフィードを追加できるようになった。ただし、ポッドキャストを聴取できるのは当面米国に限られる。

Facebookはオーディオエクスペリエンスの拡張を続けていると語る。Facebook上の有害コンテンツを自動で特定するなど、同社のコミュニティ規定に違反するコンテンツを見つけて対応するツールの開発に取り組んでいる。さらに同社は、規定に違反するオーディオコンテンツを検知して調整するテクノロジーとプロセスの両方を、学習を続けながら対応させていくと述べた。

このところ、Facebookには大変な日々が続いている。これまでで最長のシステム障害が発生し、米国上院では内部告発者がエンゲージメントベースのアルゴリズム、誤情報に対応する能力の欠如、人間よりも利益を優先する企業としての決定といったFacebookプラットフォームによって引き起こされる害悪について証言したニューヨーク・タイムズでは、Facebookの従業員はこの内部告発者の証言に対して意見が割れていると報じられている。同社はオーディオやライブオーディオに深く関わっていこうとしているが、これは節度を保つのが難しい分野だ。オーディオを安全な環境にするのに必要なテクノロジーを構築できなければ、Facebookはこれまで以上に誤情報が広がりやすいプラットフォームになる危険性がある。

関連記事:フェイスブックの内部告発者が身元を明かし、同社は「安全よりも利益を選ぶ」と発言

画像クレジット:Facebook

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

クリエイターの報酬データが大量流出、Twitchのストリーマーの反応は

ストリーミングプラットフォームのTwitchは米国時間10月6日、クリエイターの報酬を含む膨大な内部データが流出し、オンラインで公開されてしまったことを認めた。同社はブログ記事で、流出の原因はTwitchのサーバー構成を変更した際のエラーであり、悪意のある第三者がそのデータにアクセスしたと述べた。今回の漏洩は、多くのストリーマーにとって、ストリーミングにおける給与の透明性とTwitchにおける安全性を巡るこれまでの緊張を悪化させるものだ。

今回の漏洩は、この数カ月間に起こった。TwitchはAmazon傘下のプラットフォームだ。2021年初めの時点で、ゲームのライブストリーミング視聴者数の72.3%を占め、Facebook GamingやYouTube Gamingなどのプラットフォームに比べ、圧倒的な強さを誇る。疎外されたクリエイターが憎しみに満ちたボット攻撃の標的にされたことから、一部のストリーマーは9月1日「#ADayOffTwitch」と称してプラットフォームをボイコットした。その結果、ピーク時の同時視聴者数は平均を100万人下回った。その後、Twitchは新たな安全機能を追加したが、コミュニティの緊張感は依然として高いままだ。

「このようなことが起こるのは時間の問題だったと思います」と、#ADayOffTwitchのボイコット主催者の1人であるトランスジェンダーのストリーマー、Lucia Everblack(ルシア・エバーブラック)氏は話す。「Twitchの活動において、そもそも安全性やセキュリティが最優先されていなかったことが明らかになりました」。

流出したのは、ソースコード、独自のソフトウェア開発キット(SDK)、Amazon Game Studiosが準備中のSteamと競合するサービスなどの未発表データだった。日中はソフトウェアエンジニアとして働くエバーブラック氏にとって、今回のクリエイターへの支払いデータの流出は、同氏が感じていることを裏付けたにすぎない。それはTwitchが、最も金を引き寄せられるストリーマーに報いることを優先しているということだ。Reddit(レディット)の投稿によると、今回流出した2019年から現在までのストリーマーのデータを分析したところ、Twitchの上位1万人のストリーマーのうち10%が、ストリーマー全体の収益の49%を占めているという。約2000人のストリーマーが、同期間にTwitchで10万ドル(約1100万円)以上稼いだ。

「Twitchのあらゆる機能がこの仕組みの上に成り立っていますが、これではプラットフォームの他の部分が成長できません」と同氏はTechCrunchに話した。「このことが他の人すべてにとって大きなブレーキになっています。特にBIPOC、LGBTQI+、障害者にとってです」。

Twitchパートナーであり、9年以上にわたってtehMoragの名で配信しているScott Hellyer(スコット・ヘリヤー)氏も、Twitchが稼げるユーザーを優先していると感じている。

「Twitch全体では、ディスカバリーが常に問題となってきました」とヘリヤー氏はTechCrunchに話した。「YouTubeにはとてもクールなアルゴリズムがあり、コンテンツを見たいと思う人と繋がる方法をコンテンツの作者が探すのを手伝ってくれます。Twitchも同じことを試みていますが、十分に努力しているとは思えません。今、人々は『ああ、ディスカバリー機能を高めようとしないのは当然だ、Twitchは人々を上位のストリームに押し込むだけだ。彼らはすでにTwitchにとって必要なお金を稼いでいるのだから』と言っています。その方が投資効果は高いし、それは理解できます」。

4chanのスクリーンショット

漏洩した情報によると、トップストリーマーの大半は白人男性で、ゲーム業界の多様性の欠如を大きく反映している。リストの中で最も高い報酬を得ている女性ストリーマーであるPokimane39位にすぎない。しかし、探索しやすい機能があれば、Twitchはより多様なクリエーターを増やすことができるだろう。エバーブラック氏をはじめとする社会から疎外されたストリーマーらはTwitchに対し、アイデンティティベースのタグをストリームに追加するよう働きかけた。そうすればユーザーは、支持したい多様なクリエイターを見つけることができる。Twitchは5月にこのタグを追加したが、エバーブラック氏はその前にPeer2Peer.liveを立ち上げた。これは、疎外されたストリーマーと視聴者がお互いを見つけるためのオプトインの探索ツールだ。ユーザーの中には、このタグが悪意ある人たちによるヘイト・レイド(差別的コメントによる荒らし)のためのターゲット探しを助長するのではないかと心配する人もいるが、エバーブラック氏は、このタグによって大きな成長が見られたと語る。一方、Twitchは、これらのユーザーを攻撃の標的となる危険性から守るため、電話による認証が必要なチャット機能を追加した。

関連記事:Twitchが電話認証付きチャット機能の追加とメール認証設定を拡大、ハラスメント抑制のため

しかし、ストリーマーがいったん視聴者を獲得したとしても、Twitchでそれなりの収入を得ることは難しい。収入上位者が稼ぎ得る金額にもかかわらずだ。ストリーマーが十分な人気を得ると、Twitchパートナープログラムへの参加を申請することができる。プログラムからクリエイターに多くのツールや収益化の選択肢が提供される。だが、TechCrunchが話を聞いた複数のストリーマーは、すべてのTwitchパートナーが同じ給与体系ではないことは公然の秘密だとした。2017年にInsiderは「パートナーは人気に応じて、サブスクリプション収入の2〜6割を受け取る」と報じた。サブスクリプション収入は、TwitchパートナーとTwitchが折半するのが標準だが、一部のストリーマーが主張するところでは、クリエイターらが最近、より有利な6〜7割の受け取りの交渉に成功し、勢いを増すYouTube Gamingの標準的な支払いと肩を並べた。CouRage、DrLupo、Valkyraeなどの人気ストリーマーの中には、YouTubeとの独占契約のためにTwitchを離れた人もいる。

JessGOATの名でストリーミング配信を行っているJess Bolden(ジェス・ボールデン)氏はInputに対し「Twitchと50対50の割合で契約しているLGBTQIAや女性のストリーマーの数と、広告契約でおそらく75対25の割合で契約している男性(私は違うが)の数を比較したら、とてつもなく大きな問題に発展しそうです」と語った。

Twitchは、一部のパートナーの契約条件が他のパートナーよりも良いという主張について、コメントを控えた。

ヘリヤー氏は、情報漏洩後にTwitterで、Twitchでの報酬についてもっと話したいとずっと思っていたが、パートナー契約によってそれができなかったと投稿した。

「情報漏洩があるまで、Twitchは契約の種類ごとの分け前について決して明らかにしませんでした。ですが、生の数字が出てきたことで、本当に頭のいい人たちは、そうしたストリーマーのCPM(cost-per-mile、広告視聴1000回あたりの支払金額)がいくらなのか、Bitsをどれだけ稼いでいるのか、サブスクリプション収入はどうなのか、といったことを把握できます。こうした情報を追跡するサイトはありますが、いったいストリーマーはどれだけ稼いでいるのかという部分は除外されています」とヘリヤー氏はTechCrunchに話した。「実際に稼いでいるお金について話すことはできませんが、購読者数のような代替値を示すことはできます。しかし、そこには透明性がありません。私の購読者は、私が50対50で分け前をもらっているかどうか知りません」。

テクノロジー業界では、給与の透明性を高めるための大きな動きがある。これは、例えば、同じ仕事を担当する2人のエンジニアの給与が大きく異なっていないことに関する説明責任を企業に負わせるものだ。

「Twitchは社会を反映しています」とRekItRavenはTechCruchに語った。Ravenは、#ADayOffTwitchのボイコットを主導し、#TwitchDoBetterのハッシュタグを始めた。「給料やお金の話をしてはいけないことになっていますが、それを正当化できる理由はまったくありません」。

ただし、Twitchからの支払い額は、テック企業がエンジニア1人1人に支払う金額より複雑だ。Twitchはパートナーの契約条件を設定しているが、すべてのチャンネルが同じように作られているわけではない。

Critical Roleは2019年8月以降、962万6712ドル(約10億6000万円)を稼いだとされ、高額所得ストリーマーの中でトップに立った。2位はxQcOWで、845万4427ドル(約9億3000万円)を稼いだ。しかし、ダンジョンズ&ドラゴンズのショーを31人のチームメンバーで制作するCritical Roleの費用は、eSportsのストリーマーであるxQcOWよりも多いだろう。さらに、すべてのストリーマーがTwitchの総収入から同じ割合を得ているわけではない。多くのクリエイターは、スポンサー契約やPatreonページ、直接の寄付、その他のプロジェクトなどのために、それぞれ収入源が異なる。

「Twitchは私の実際の収入の40%にすぎません」とヘリヤー氏はいう。「今回のようなことが起こっても大丈夫なように、収入源を多様化しなければなりませんでした」。

エバーブラック氏は、数百万ドル(数億円)を稼ぐクリエイターよりも、小規模なクリエイターの方が、流出した報酬額について非難されやすいのではないかと心配する。同氏は、小規模なストリーマーが安心してチャンネルを成長させられるようなコミュニティ主導の機能をTwitchが実装すれば、情報が流出したかどうかにかかわらず、疎外されたクリエイターにとってTwitchがより良いものになると考えている。同氏が提案する追加機能は、コミュニティの優れたメンバーとなっている視聴者にストリーマーが報いる手段や、大規模なストリーマーが1人の無防備なストリーマーに何千人もの人々を送り込むのではなく、複数のストリームに小規模なレイドを送り込むツールだ。

「Twitchコミュニティにおいて、マージナライズド・ボイス(阻害された人々の声)は非常に重要です。もしTwitchが彼らを正直に招き入れ、彼らの声に耳を傾けるならば、彼らが遭遇し続けている多くの状況を回避することができると思いますし、実際に人々のためになる機能を積極的に追加することもできるでしょう」とエバーブラックは語る。「Twitchは、一部の大規模なクリエイターに光を当てすぎて、プラットフォームに参加していない巨大なネットワークを間違いなく見逃していると思います。プラットフォームが本当に気にかけているのはゲームをする白人の男性だからです」。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

TikTokがNFT市場に参入、トップクリエイターの作品を販売

2021年、NFT(非代替性トークン)の分野はかなりの盛況を呈している。数千億円規模の暗号化投機を、潜在的なインフラの変化から切り離すことは難しいかもしれないが、多くの主だったテック系企業がこの分野に足を踏み入れ、今後の関心を示している。

そして今度はTikTok(ティックトック)の番だ。全世界の月間ユーザー数が10億人を突破した急成長中のソーシャルメディアプラットフォームは、Lil Nas X(リル・ナズ・X)氏、Grimes(グリムズ)氏、Bella Poarch(ベラ・ポールチ)氏、Rudy Willingham(ルディ・ウィリンガム)氏、Gary Vaynerchuk(ゲイリー・ヴェイナチャック)氏などのトップクリエイターのコンテンツを活用し、独自のNFT作品を用意している。

今回の唯一限定のNFTのリリースは、アプリ内のユーザーにNFTを提供することが目的というよりも、既存のNFTコミュニティに話題を提供することに重点を置いているように思われる。

TikTokは、ブロックチェーンのエネルギー問題を回避するために、イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューションであるImmutable X(イミュータブル・エックス)を活用した専用サイトにNFTを置き、このサイトを利用して取引されたNFTは「100%カーボンニュートラル」であると述べている。NFTの公開は、10月6日にLil Nas Xのコレクションから始まり、月末まで続く予定だ。

そもそも、なぜTikTokはNFTの世界に参入するのだろうか?それについては、TikTokのドロップサイトにかなり的確な答えが書かれている。

TikTokのクリエイターコミュニティの創造性と革新性に触発され、TikTokは新たなクリエイターを力づけるツールとしてのNFTの世界を模索しています。NFTは、クリエイターがコンテンツを評価され、報酬を得るための新しい方法であり、ファンはTikTokにおいて文化的に重要な瞬間を所有することができます。

TikTokで生まれる創造は、文化を牽引し、社会に影響を与えるトレンドの発生を後押しします。TikTokは、このような文化的に重要な瞬間をキュレーションし、著名なNFTアーティストと組み合わせることで、NFTの世界に格別で画期的なものをもたらします。

これまでTwitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)のようなレベルのNFTに対する関心を示してこなかったTikTokにとって、これは明らかにニッチな初期の試みではあるものの、同社がNFTは注目に値する分野であると考えていることを表すものでもある。

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画像クレジット:AaronP/Bauer-Griffin/GC Images / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ツイッターが企業やクリエイター向けプロアカウント「Twitter for Professionals」を今週中に開始

Twitter(ツイッター)は、新製品の発表なしには1日も過ごせないらしい。しかし、もしあなたが企業や公人・有名人のアカウントを運営しているのであれば、同社の最新の追加機能に興味をそそられるかもしれない。これにより近々、企業やクリエイターは「プロフェッショナルアカウント」を選択できるようになり、プロフィールの差別化、広告によるコンテンツの迅速な宣伝、将来的にはTwitterのeコマースツールを追加することができる。

Twitterは人気のあるツイッタラー向けに収益化のオプションを導入してきたが、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、TikTok(ティックトック)などの競合他社がすでにしばらく前から取り入れている、企業向けのさまざまなプロフィールタイプを広く導入していない。

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画像クレジット:Twitter

Twitterでは、仕事でTwitterを利用するユーザーであれば誰でも「プロフェッショナル」として分類している。プロアカウントとして認められるためには、ユーザーはガイドラインに繰り返し違反した履歴がなく、アカウント名、経歴、プロフィール写真が本物でなければならない。つまり、架空のキャラクターやパロディアカウント、ペットのアカウントは認められていない(ただし、ペットの中には飼い主に収入をもたらすほどソーシャルフォロワーがいる場合もあり、その場合は……犬はプロなのだろうか? )。

まだ、すべてのユーザーがプロアカウントに切り替えることができるわけではない。しかし、この機能が利用可能になると、ユーザーはアプリのホームタイムラインからサイドバーをスワイプして開くことにより「Twitter for Professionals(プロ向けTwitter)」タブを見つけることができるようになる。また、プロフィール設定の下に「Switch to Professional(プロに切り替える)」タブが表示される。次に、最も的確なカテゴリーと、ビジネスアカウントまたはクリエイターアカウントのタイプを選択する。プロフェッショナルアカウントに切り替えると、トピックをフォローしたり、広告キャンペーンでツイートを宣伝したり、モジュールでプロフィールをカスタマイズするよう促される。これらのモジュールには、アバウトモジュール、ショップモジュール、Twitterが2021年初めに買収したニュースレターサービスであるRevueのユーザー向けのニュースレターモジュールなどがある。

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もししばらくして、自分はプロというよりアマチュアのツイッタラーだと判断した場合は「プロフィールの編集」→「プロフェッショナルプロフィールの編集」→「アカウントタイプの変更」でアカウントを元に戻すことができる。また、ビジネスアカウントかクリエイターアカウントかを切り替えることもできる(この時点では区別がつきにくいこともあるからだ!)。また、TwitterはFAQで、既存のTwitterアカウントをプロアカウントに変更することしかできない(最初からプロ用の新規アカウントを作成することはできない)としており、現時点ではプロアカウントだけをターゲットとした広告を可能にする予定はないとのこと。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

大ヒットのきっかけをつくる、インフルエンサーと若手ミュージシャンをつなぐ音楽アプリBreakrが4.6億円調達

音楽アプリのBreakrは2021年7月中旬、Slow Venturesが率いる420万ドル(約4億6000万円)のシードラウンドを調達したと発表した。Andreessen HorowitzのTxOファンドによる70万ドル(約7700万円)の資金調達は、このサービスの開発者がアイデアを実現するための概念実証のようなものだと考えられていたが、今回の資金調達はそれに続くものである。

Breakrのサービスが投資家にとって魅力的な理由は明白である。新進気鋭のミュージシャンとソーシャルメディアのインフルエンサーを結びつける手段として機能する同プロダクト。ミュージシャンはメディアへの露出を高めることができ、インフルエンサーは業務時間中にリスニングセッションを効果的にホストすることで報酬を得る。そしてBreakrは収益の10%を得るという仕組みである。

画像クレジット:Breakr

このサービスは、飽和状態となった音楽市場においてとてもユニークなアプローチを用いたものだ。音楽を発掘すること、発掘されることはともに困難であると誰もがわかっているが、音楽を聴く人のためにアルゴリズムを調整するのではなく、発掘されていない音楽を適切なリスナーの耳に届けるということに焦点をあてているのである。同スタートアップは6人の創業者によって設立されているが、そのうちの2人に話を聞いた際、ラッパーたちがレコード店の前に立ち、ミックステープのCD-Rを1枚5ドルで売ろうとしていた時代のことを思い出した。以来、さまざまなことが進化を遂げてきたが、音楽の発掘に関する問題はまだ誰も完璧に解くことができていない。

「Breakrはアーティスト、インフルエンサー、ブランドを効率的につなげるために必要不可欠なツールです。私自身の経験からいうと、多様なインフルエンサーを見つけるだけでなく、彼らを効果的に動かし、このプロセスを手動で行うというのは非常に手間がかかる作業です」とAMP TechnologiesのMarc Byers(マーク・バイヤーズ)氏はリリース中で述べている。「インフルエンサー・モールと私は呼んでいますが、同社のサービスを活用すれば、キャンペーンが必要とするテイストに最適な才能を購入するだけで良いのです」。

媒体がソーシャルメディアに変わっても、苦労の大きさや無益感は変わっていない。Def Jam(デフ・ジャム)のオフィスから出てきたラッパーのQ-Tipがその場で数小節聞いてくれたという、モブ・ディープの成功話はどこでも起き得る話ではない。もちろん、一般論として世界にはもっと多くのQ-Tipが必要であることは間違いない。しかし人間のクローンを作る技術はまだ存在しないため、Breakrは金銭的なインセンティブを加えて、その体験に近いものを提供したいと考えている。

「世界的に有名なDJやメジャーレーベルのA&RのメールやDMSには、彼らの気を引こうとするアーティストからのメッセージで溢れかえっています」。金融大手のGoldman Sachsに勤務していたこともあるCEOのTony Brown(トニー・ブラウン)氏はそう話す。「私たちは彼らに固有のURLを渡し、彼らはそのURLを送信して『おい、俺のDMSには近づくな、ここで会おう。価格はこうで、あとは話し合おう』という感じになるわけです」。

インフルエンサーがアーティストに対して課金する価格はフォロワー数に応じて高くなる。Breakrによると、約1万2000人のユーザーがインフルエンサーアカウントに登録しており、現在審査が行われているが、すでに3000〜4000のアカウントが承認されている。

「WarnerやSonyのような大企業から、SoundCloud上のラッパーのような無名アーティストまで、あらゆる企業や人々と仕事をしてきました」と、元Adobe勤務の創案者兼製品責任者のAmeer Brown(アミール・ブラウン)氏は付け加える。

ラッパーおよびインフルエンサーであり、長年の友人でもあるTobe Nwigwe(トビー・ノウィーグェ)氏も共同設立者に名を連ねており、自らリスニングセッションを開催するなど、ソーシャルメディアを通じてブランドの普及に積極的に貢献している。

「Breakrチームが構築しようとしていた、インフルエンサーとアーティスト間の技術的な仲介役としてのビジョンを見た瞬間、Breakrこそが未来だとすぐに感じました」とノウィーグェ氏は振り返る。「エリカ・バドゥやデイブ・シャペルのような文化的アイコンが私の音楽を後押ししてくれて、彼らのプラットフォームで私を徐々に広げてくれたことが私にとって非常に大きなチャンスでした。今後はBreakrで、あらゆるレベルのアーティストやインフルエンサーに対してこういったことができるのです」。

文化的アイコンとしては、ラッパーのNasも注目すべき投資家の1人である。TechCrunchに寄せられたコメントによると「つながりを知る前から同社のことは気に入っていましたが、この偶然がこの取引をさらに特別なものにしてくれました」とNasは話している。

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画像クレジット:Breakr

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

Facebookリールは米国内でのベータを終了、再生回数の多い動画のクリエイターに対する報酬支払手段を提供

Facebook(フェイスブック)は、2021年8月にベータテストを開始したばかりの機能「リール(Reels)」を、米国時間9月29日、iOSとAndroidの両方で、米国内のすべてのFacebookユーザー向けに提供を始めた。この機能は、TikTok(ティックトック)に対するFacebookからの回答だ。クリエイターは、音楽やオーディオ、ARエフェクト、タイマーやカウントダウンの使用といった、さまざまな編集ツールを使って短編動画コンテンツを作成し、共有することができる。今回の公開によって、クリエイターはFacebook上で直接リールを作成することができるようになり、また、Instagram(インスタグラム)で公開したリールをFacebookにも共有することで、両方のアプリでフォロワーを増やすことができるようになる。

またFacebookは、リールの制作をどのように強化していくかについての、より詳細な計画を公開している。

同社は、他の人がリールを見たときに、そのクリエイターに報酬が支払われるような新しいボーナスプログラムを導入する。このプログラムには、2022年までにクリエイターに10億ドル(約1120億円)以上を投資するFacebookの大きなコミットメントの一部として資金が投じられる。また、クリエイターが特定の種類の広告を掲載する場合や、Facebookスター(仮想チップ)による支払いを受ける場合などにも報酬が支払われることになる。

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Reels Play(リール・プレイ)ボーナスプログラムは、InstagramのReels Summer(リール・サマー)ボーナスを拡張したものだ。対象となるクリエイターには、FacebookとInstagramでのリールの再生回数に応じて報酬が支払われ、30日間で1000回以上の再生回数を記録したリールに対して支払いが行われる(ただし、Facebookは最終的な支払い額については言及していない)。

この新しいプログラムは、米国のクリエイターのみが対象で、当面は招待制である。最終的には、より広くグローバルマーケットに展開する予定だ。

Facebookによれば、クリエイターがリールから収益を得るための他の方法の開発にも取り組んでおり、スタンプ広告やバナー広告などの新しい広告フォーマットをリール内でテストする予定だ。また、仮想チップシステムであるFacebookスターをリールに統合し、ファンがお気に入りのリールクリエイターに直接支払いができるようにすることも検討している。
また、TikTokの広告のように、リールの間に表示されるフルスクリーン広告や没入型広告をテストすることで、プロダクトとしてのリールの収益化も図る予定だ。こうした広告を通して、ユーザーはブランドや他のスモールビジネスつながることができるようになる、とFacebookはいう。また、視聴者はリール自身と同様に、すでにInstagramリールに表示されている広告に対して、コメント、いいね!、閲覧、保存、共有、スキップすることができる。

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InstagramリールをFacebookへオプトインで共有(画像クレジット:Facebook)

Facebookユーザーがリールを作成できる場所はいくつか用意されている。ニュースフィードをスクロールすると表示される新しいリールセクションの中の「作成」ボタンや、リールを見ているときやニュースフィードの上部にある「リール」をタップすることでも作成することができる。一方、ユーザーはニュースフィードからリールを見ることができる(ここには、Instagramから共有されたリールも加わる)。また、一部のページやグループでもリールを見ることができる。

当初リールは、TikTokのクローンのようなものとして、ちょうど1年前に世界のユーザーに向けてローンチされた。現在、リールはTikTokと同様の機能を提供しており、オーディオや音楽の大規模なカタログへのアクセス、タイマーやカウントダウン、ARエフェクトなどを使って動画を編集するツール、速度調整やクリップをつなぎ合わせるためのツールなどが含まれている。リールの編集ツール、特にARエフェクトのラインナップはTikTokには及ばないが、クリエイターが他社の編集アプリで作成した動画をそのままリールにアップロードすることも簡単にできる。また、TikTokのウォーターマークが表示されたリールは、アルゴリズムによってランクダウンされるものの、現在のところ、複数のサービスにクロスポストされたコンテンツが禁止されることはない。

グループ内のリール(画像クレジット:Facebook)

Facebookは、TikTokの台頭を自社のビジネスにとっての脅威と考えていることを明言してきた。競合他社に直接言及しない企業もある中で、Instagramの責任者であるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は2021年6月に、Instagramがより多くの動画を含むように進化している理由の1つとして、TikTokを具体的に名指ししている 。さらに同氏は「私たちはもはや写真共有アプリでも、単なる正方形写真共有アプリでもありません」とユーザーに訴えた。

一方、TikTokの成長には目を見張るものがある。それは、2020年に最もダウンロードされたアプリとなった。7月には、Facebook以外のアプリとしては初めて、全世界で30億ダウンロードを達成。そして今週、TikTokは月間アクティブユーザー数が10億人に達したことを発表している。これに対して、Facebookのアプリ群の月間アクティブユーザー数は現在35億1000万人に達している。

Facebookのリール機能は、米国時間9月29日から米国のユーザーを対象にFacebookのモバイルアプリ上で展開される。

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画像クレジット:Facebook

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

「Guardian」のオーナー企業がサブスクやメンバーシップ用に設計されたNFTプロトコルUnlockに投資

クリエイター経済における収益化は大きな課題であると同時にチャンスでもある。だがクリエイターがその価値を実体化するためには、Patreon(パトレオン)のようなプラットフォームに閉じこもるしかないのが現状だ。だがもっと良い方法は、複数のプラットフォームにまたがるクリエイターのための会員制システムを作ることだ。

このたび、GMG Ventures(「The Guardian」の親会社)が、コミュニティのメンバーシップを収益化・管理するために設計された、イーサリアムベースのオープンソースプロトコルの開発者であるUnlock(アンロック)に投資を行った。

今回の400万ドル(約4億4500万円)の資金調達ラウンドは、Betaworks、Cygni Labs、GMG Ventures、Metacartel Ventures ChinaなどのVC企業が主導し、初期投資家たちも参加している。

Unlockによれば、そのメンバーシップ / マネタイズソリューションは、アーティスト、ミュージシャン、ゲーム開発者(Decentralandも含まれている)、ライター、Discordコミュニティなどに利用されているという。また、同社のプロトコルを採用している大手メディアブランドとの提携も予定している。

UnlockのCEOであるJulien Genestoux(ジュリアン・ジェネストゥ)氏は「これまでに調達した資金で、Unlockは目標を達成するために、最も完全なオープンソースのプラットフォームになるための成長を続けます」と語る。

ジェネストゥ氏は、Medium(メディウム)が買収したRSSフィードAPIであるSuperfeedr(スーパーフィーダー)を開発した経験を持つ。

2018年に設立されたUnlockは、イーサリアムのブロックチェーンにすべての取引を記録するNFTベースのプロトコルだ。考えられる利用例としては、たとえばWordPressのプラグインを使うことで開発者が会員制 / 購読制のオプションを追加することができたり、コミュニティが作成したShopifyのプラグインを使えば小売業者は自分のウェブサイトにUnlockを利用した購入オプションを追加することができたりする。

Cherry VenturesのThomas Lueke(トーマス・ルーケ)氏は「Unlockが開発するクリエイターコミュニティメンバーシップためのオープンソースプロトコルは、今後数年間でクリエイターがファンと交流し、成長していく方法を再定義するものとなるでしょう」という。「私たちは、この分野での活躍を続けるUnlockの成長を祝えることを楽しみにしていますし、同社に投資できたことをうれしく思っています」。

画像クレジット:Julien Genestoux, Unlock Protocol

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(文:Mike Butcher、翻訳:sako)

ツイッター「ビットコインのチップ」「NFTの認証」「スペースの録音」、クリエイター向けファンド」など新機能ラッシュ再開

Twitter(ツイッター)の新サービス発表の勢いが止まらない。米国時間9月23日、同社は暗号資産によるチップ、NFTの認証、参加したばかりのユーザーに会話の状況を説明する実験など、同プラットフォーム上の会話とコミュニティのサポートを強化するための新たな取り組みを多数導入した。さらに同社は、オーディオクリエイターに経済的、技術的、マーケティングのサポートを提供する独自のクリエイターファンドを数週間以内に発表する予定であることも話した。

Twitterはまだファンドの金額や対象範囲などを詳しくいえる状態にないが、参加クリエイターについて見ると、ソーシャルオーディオサービス最大のライバルであるClubhouse(クラブハウス)を牽制するものであることは明らかだ。Clubhouseは自身の クリエイター向け「アクセラレーター」で、参加者にブランド契約を紹介し、あるいはプログラム参加中毎月5000ドル(約55万2000円)を提供している。

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同様に、Twitterも自社のクリエイターファンドの目的を、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、Snap(スナップ)といったライバルのファンドのようなクリエイターが作るコンテンツに対する報酬ではなく、Twitterスペース上でクリエイターがオーディオ制作を始めるための支援だと考えている。

画像クレジット:Twitter

「真の目的は技術とマーケティングの専門知識を提供することです」とTwitterのクリエーター収益化のプロダクト責任者であるEsther Crawford(エスター・クロフォード)氏は説明する。「私たちはこれを、応急援助的ソリューションのようなものと考えています。クリエイターのみなさんには別の長期的収益化機能に取り組んでもらいたいと思っています。私たちはそのための初期ブーストを与えるだけです」と彼女は話した。

Twitterスペースのホストは自分のプログラムの録音と再生もできるようになる。これは録音機能を差別化要素として謳うライバルプラットフォームの脅威に対する反撃に違いない。この機能は「数カ月」以内に公開されると同社はいう。

この日、Twitterは、いくつかの新たなサービスと最近公開した機能の拡張も発表した。

その1つが、NFT(非代替性トークン)を利用するクリエイターの利便性を高める機能で、ブロックチェーンに保存されたデジタル資産の認証を行う。現在アーティストたちは自分たちの作品のNFTを作り、そのNFTはOpenSea、Rarible、Foundation、SupeRareなどのNFTマーケットプレイスを通じて販売されている。

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Twitterは、NFT認証のサポートを「近々」実施する計画だという。これによってNFTクリエイターは自分の暗号化ウォレットをTwitterと接続し、プラットフォーム上で自分のNFTの管理と展示ができるようになる。この計画はまだ初期段階にあり、Twitterはその仕組みについて明確な説明ができていない。同社は、認証済みコレクションをもっているクリエイターが、もっビジュアルに目立つ方法をいくつテストしていると語った。おそらく、プロフィールバッジや形の異なるアバターなどのことだろう。

長期的のNFTロードマップについて質問を受けると、Twitterはコメントを拒んだ。

他の暗号資産関係の新機能では、Bitcoinチップがある。Twitterは2021年5月にベータプロダクトとして「Tip Jar」機能を導入し、ユーザーがPayPal(ペイパル)、Venmo(ベンモ)、Patreon(パトレオン)、Cash App(キャッシュ・アップ)、Bandcamp(バンドキャンプ)などのサードパーティサービスを使って1回限りの支払い / 受け取りができるようにした。この度、その機能が拡大され、全世界のiOSとAndroidユーザーに近々公開される他、Bitcoinによるチップもサポートされる。

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Bitcoinチップにはいくつか使い方がある。ユーザーはBitcoin Lightiningウォレットまたは自分のBitcoinアドレスを追加してBitcoinチップの受け取りを開始できる。Lightiningウォレットは手数料が安いことで暗号化コミュニティのユーザーに人気だと同社はいう。Twitterの実装ではStrike(ストライク)を使用している。これは、Bitcoin Lightning Network上に作られた決済アプリケーションで、ユーザーはBitcoinの送信と受信を無料で即座に行うことができる。

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実際この夏、Twitter CEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、TwitterがBitcoinブロックチェーン上の1レイヤーであるLightning Networkをプラットフォームでサポートするのは「時間だけの問題」とツイートした。当時、この種のサポートはまず少額支払いサービスで行われるのではという予想がなされたが、今回それが正しかったことが証明された。

Tip Jarには、他にGoFundMe(ゴーファンドミー)とブラジルのモバイル決済サービス、PicPay(ピックペイ)などのサービスのサポートも追加される。

もう1つ、「Heads Up」と(現時点で)呼ばれている新しい実験は、ユーザーが参加する前に会話の雰囲気を感じとるための初の試みだ。

Twitterにとって最も厄介な問題の1つは、プラットフォーム上で人々が安心して自分の思いや意見をシェアするのを手助けする仕組みがないことだ。これが「キャンセルカルチャー」とよばれる問題や、「あらし」集団が、活動家、テック業界の女性(Gamergate論争で知られている)や女性ジャーナリストなどの少数意見や気に入らない発言に襲いかかる温床となっている。

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この領域でTwitterは、ユーザーが自分のツイートにリプライできる人を制限する新機能を開発した。それが過去4週間の嫌がらせ報告の減少に貢献している、と同社はいう。

また、セーフティモードのベータ版も開始され、悪用が増大する時期に嫌がらせに対する一種の自動的保護を提供している。これによってユーザーは、ブロックせず静かにフォロワーを解除することが可能になる。そして本日Twitterは、自分がメンションされた会話から脱出できる新機能を近く公開すると発表した。また、”word filters”と呼ばれる新機能を実験中で、ユーザーはTwitterポリシーに反するところまではいかない悪意あるツイートを遮断できる。

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Twitterは、来るべき新規参加者に議論の特質について警告する「Heads Up」機能で、会話の雰囲気をどのように評価するのか、その方法を詳しくは語らなかった。しかし、エモジリアクション(現在まだテスト中)と、人を傷つける可能性のある投稿に対する「返信の警告」機能のデータを活用するつもりだと同社はいう。

関連記事:Twitterが有害なツイートを減らすため「返信の警告」機能の改良版を公開

この数カ月間、Twitterは驚くべきスピードで新サービスを公開しており、オーディオチャットプラットフォームのTwitter Spaceの迅速な改善関心事に基づく「コミュニティ」、クリエイタープラットフォームのスーパーフォロー、Renueの買収によるニュースレター、チップを贈れる「Tip Jar」、プレミアムサブスクリプションサービスのTwitter Blue、クラウドソース利用のファクトチェックBirdwatch、新たなeコマース機能、新しいユーザープロフィールラベル、アカウント検証システムの再開、会話のコントロール、ダイレクトメッセージの改善などの追加や改善を実施してきた。

この日、上記サービスのいくつかについてもアップデートが行われた。

スペースの発見ツールを改善し、タイムラインやアプリのその他の部分でスペースを見つけやすくしたと同社はいう(おそらくモバイルアプリのスペース専用タブのこと)。Ticketedスペース(チケット制スペース)のアクセスも容易にしたほか、ニュースレターの発見機能の改善、クリエイター収益ダッシュボードの新設、アカウントラベルの追加(ブランドや故人のアカウントの記念など)などを行った。

画像クレジット:Twitter

Twitterは、今後のコミュニティ機能内でのモデレーションの扱いについても語り、関心事に基づくコミュニティには専門のモデレーターを配置し、そのコミュニティに即した基準を、Twitterルール以外に設定すると説明した。

「これは、モデレーションを分散化することでTwitterをあなたの場所にする取り組みの第一歩です」と、Twitterの会話安全性のためのプロダクト責任者、Christine Su(クリスティーン・スー)氏は語り、コミュニティはもっと多くの人々に「近いうちに」開かれる予定であることを付け加えた。

Twitterはもっと広く自社の戦略を説明しようとしたが、「throw spaghetti at the wall and see what sticks(スパゲティを壁に投げつけて何がくっつくかを見る=試行錯誤する)」的要素がますます強くなったようで、今まさにそれをやっているのかもしれない。

「今後も私たちがこのビジョンを実験し繰り返すのを見ることになるでしょう」とTwitterのコンシューマープロダクト責任者であるKayvon Beykpour(ケイボン・ベイクプア)氏は説明した。「その間私たちは、過去数年やってきたように会社の進展状況を公表します。また、うまくいっていないものにしがみつくことはありません。Fleetがその例で、今後も他のプロダクトのテストで同じことが起きるでしょう。時々ものごとを終わりにしなければ、大きな賭けはできないと私たちは信じています」と彼は言った。

Twitterの発表は、米国時間9月23日午前の記者会見とQ&Aで詳しく説明があり、一部のニュースはその後公式ブログで公開された。

画像クレジット:Twitter at CES 2020

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ツイッターのクリエイター向け機能「スーパーフォロー」、開始から2週間の売上はわずか66万円

Twitter(ツイッター)のクリエイター向けプラットフォーム「Super Follows(スーパーフォロー)」の幸先は芳しくない。公開から2週間の米国iOS売上は6000ドル(約66万円)ほどだった。Sensor Tower(センサータワー)提供のデータによる。そしてカナダでの売上はわずか600ドル(約6万6000円)ほどだった。収益のごく一部は、別のアプリ内購入の仕組みである「Ticketed Spaces(チケット制スペース)」による可能性もあるが、社外からこの部分を調べる方法はない。

Twitterが最初にスーパーフォローの計画を発表したのは、2月のAnalyst Dayイベントで、新たな収益ストリームを生み出す将来の取り組みの詳細を数多く予告していた。

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現在、Twitterのビジネスは大きく広告に依存しており、スーパーフォローは同社の収益多様化に向けた数少ない方法の1つだ。Twitterはクリエイターがライブイベントを 有料で提供するTicketed Spaces(チケット制スペース)を提供している他、米国外ではパワーユーザー向けのプレミアム商品、Twitter Blue(ツイッター・ブルー)のテストを開始している

画像クレジット:Twitte

しかしクリエイターがターゲットのスーパーフォローは、主要ユーザー層に最も強くアピールするはずだ。

これは、クリエイターがフォロワーを集め、サブスクリプションを通じて直接収益を生むクリエイター経済を育てることで、Twitter自身の広告やブランド契約への依存を減らす試みの一環でもある。クリエイターたちがこのビジネスのために使うプラットフォームは、収益のごく一部を受け取ってクリエイターツール開発費に宛てる(Twitterの場合、取り分はわずか3%)。

この機能は、すでに有名人と一般の人々が同じタイムラインで、親しく付き合い会話しているプラットフォームであるTwitterにとって理に適っているように思えた。スーパーフォローは、ファンがお気に入りのクリエイター(ミュージション、アーティスト、コメディアン、インフルエンサー、ライター、ゲーム、あるいはその他のエキスパート)にもっと近づけるようにすることでアクセスを増やす。クリエイターは月額サブスクリプション価格を2.99ドル(約330円)、4.99ドル(約550円)、9.99ドル(約1100円)のいずれかに設定して、ファンに「舞台裏」コンテンツなどのボーナスを提供する。それらは、追加のツイートやQ&Aその他サブスクライバーとのやり取りで受け渡される。

画像クレジット:Twitter

サービス開始時点でTwitterは、スーパーフォローを少数のクリエイターに開放した。美容・スキンケアに特化したアカウント、@MakeupforWOC、星占いのアカウント、@TarotByBronx、スポーツ専門の@KingJosiah54、ライターの@myeshachou、インターネットパーソナリティーでポッドキャスターの@MichaelaOkla、スピリチュアルヒーラー@kemimarie、ミュージックチャートをツイートする@chartdata、Twitchストリーマーの@FaZeMew@VelvetIsCake@MackWood1@GabeJRuizおよび@Saulsrevenge、ユーチューバーの@DoubleH_YT@LxckTVおよび@PowerGotNow,そして暗号トレーダーの@itsALLrisky@moon_shine15などの面々だ。Twitterは、スーパーフォローを利用できるクリエイターは100人以下がと言っている。

クリエイション側の利用は限定されているが、クリエイターのサブスクライブはそうではない。米国またはカナダのTwitter iOSユーザーなら、支援したいクリエイターのアカウントをいくつでも「スーパーフォロー」できる。米国には 2021年第2四半期時点で、収益可能なデイリーアクティブユーザーが3700万人いる。もちろんiOSユーザーはその一部にすぎない。

それでもTwitterには、スーパーフォローのプラットフォーム開始時点で数百数千万人の「潜在」顧客がいた。現在の収益は、アプリ内購入ランキング上位の多くが、低い価格設定でコンテンツを提供しているクリエイターのものであることを踏まえると、利用しているのはわずか数千人程度のようだ。

画像クレジット:Twitte

Sensor Towerは、TwitterのiOSにおける米国消費者利用額である6000ドルは、9月最初の2週間(9月1~14日)に測定されたという。この期間前の8月25~31日、米国のTwitter iOSユーザーは100ドル(約1万1000円)しか消費していない。これはユーザーがチケット制スペースに支払った金額を表す数字だ。言い換えると、iOS消費者の利用合計6000ドルに占めるチケット制スペースの割合はごくわずかである可能性が高い。

スーパーフォローをサブスクライバーが利用できるもう1つの市場であるカナダでは、9月1~14日のTwitterのiOSアプリ内購入収益はわずか600ドルだった(これにはカナダとオーストラリアでテスト中のTwitter Blueのサブスクリプション収益も含まれている)。

全世界では、同じ期間にiOSのTwitterユーザーは9000ドル(約98万9000円)を消費しており、これにもチケット制スペースとTwitter Blueのテストによる収益が含まれる(クリエイターに直接支払う方法であるTwitterのTip Jarはアプリ内購入を経由していない)。

ハッシュタグの利用やコンテンツのリツイートのように、元々ユーザーがやっていたことを観察して開発された他のプロダクトと異なり、最近のTwitterの新機能の多くは、プラットフォーム上でのユースケースを再定義しようとしている。数多く売り込んでいる製品ラッシュの中でTwitterは、クリエイター向けだけでなく、eコマース読むコンテンツの整理ニュースレターのサブスクリプションコミュニティのソーシャル化オーディオによるチャットコンテンツの事実検証トレンドのフォローよりプライベートな会話などを提供している。

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スーパーフォローの遅いスタートは、何かを決めるにはまだ早すぎるというTwitterのポジションを示している。それも一理あるが、利用状況を追跡して、新しいプロダクトが幸先の良いスタートを切ったかどうか確認する価値があるだろう。

「これはスーパーフォローの始まりにすぎません」とTwitterの広報担当者がSensor Towerの数字に関するコメント要求に答えて言った。「私たちの最終目標はクリエイターが成功するための準備を整えることです。そのためにこの1巡目のでは少人数のクリエイターたちと密に働くことで、スーパーフォローで最高の体験が得られることを、広く公開する前に確認します」。

さらに広報担当者は、Twitterのスーパーフォローはクリエイターがスケールに合わせて収益を増やせるように設定されていることも指摘した。

「スーパーフォローでは、クリエイターは生涯の収益が5万ドル(約549万6000円)になるまで、アプリ内購入手数料差し引き後収益の最大97%を受け取れます。5万ドルを超えてからは、アプリ内購入手数料差し引き後収益の最大80%%を受け取れます」と広報担当者はいう。

画像クレジット:Twitter

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

TikTokとSnap元社員が作ったソーシャル音楽作成アプリmayk.itが約4.4億円調達

新型コロナパンデミックという世界的な大混乱を経験し、多くの労働者が自分のキャリアパスを再検討し始めている。TikTok(ティックトック)のグローバルマーケティング責任者を経て、Cameo(カメオ)のチーフ・マーケティング・オフィサーとなったStefan Heinrich Henriquez(ステファン・ハインリッヒ・ヘンリケス)氏もそのうちの1人だ。

「TikTok時代から音楽のことを考えていて、本当は自分で何かを作ってみたいと思っていたのですが、最終的に行動に移す勇気を出すまでにさらに1年かかりました。その後、パンデミックが始まったとき、多くの人が『自分は何のために生きているのだろう』というようなことを考えていたと思います」。とヘンリケス氏はいう。

ヘンリケス氏は、Snap(スナップ)のSpectacles(スペクタクルズ)のソフトウェアエンジニアだった共同設立者のAkiva Bamberger(アキバ・バンバーガー)氏とともに、2020年夏に「mayk.it(メイクイット)」の開発を開始した。米国時間9月7日、このソーシャルミュージックアプリがiOSに登場し、Greycroft(グレイクロフト)、Chicago Ventures(シカゴ・ベンチャーズ)、Slow Ventures(スロウ・ベンチャーズ)、firstminute(ファーストミニッツ)、Steven Galanis(スティーブン・ガラニス)氏、Randi Zuckerberg(ランディ・ザッカーバーグ)氏、YouTuberのMr.Beasts(ミスター・ビースト)のNight media(ナイトメディア)、Spotify(スポティファイ)初代CMOのSophia Bendz(ソフィア・ベンツ)氏、Cyan Banister(シアン・バニスター)氏、アーティストのT-Pain(ティペイン)氏、音楽業界のベテランZach Katz(ザック・カッツ)氏などの投資家から400万ドル(約4億3900万円)のシードラウンドを受けたことを発表した。

mayk.itは、人々がスマートフォンだけで音楽を簡単に制作、所有、そして共有できるようにしたいと考えている。ユーザーは、自分で作ったビートをアップロードするか、他のユーザーが作った既存のビートを選択して、ボーカルを加え(恥ずかしければ、ボイスエフェクトや少し古臭い歌詞制作ジェネレータも利用できる)、Giphy(ギフィ)からビジュアルを追加する。作ったものをアプリ上に投稿すると、他のユーザーがディスカバリーページで閲覧することができる。ディスカバリーページでは、ジャンルではなく、フィーリングやテーマによって音楽が分類されている。

mayk.itでは「ペットは今、何を考えていますか」「初恋の人についての歌を作ってください」など「アイデア」や創造性を刺激するものも用意されている。また、曲を左右にスワイプできるTinder(ティンダー)のようなタブもあり、気に入った曲があれば、コメント(応援の意味を込めて「エンカレッジメント(激励)」と呼ばれている)を残したり、リミックスしたりすることができる。

画像クレジット:mayk.it(スクリーンショット)

もちろん、自分の作品にもう少し真剣に取り組みたいと思っているクリエイターにとって、リミックスやコラボレーションは、所有権の問題を引き起こす。誰かが作ったビートに他のユーザーが歌を乗せた場合、それは誰のものになるのだろうか?mayk.itでは音楽を収益化することはできないが、それをエクスポートして他の場所で販売する権利はある。ヘンリケス氏によると、アプリ上のオーディオクリップや曲の制作に関わった人は誰でも等しく分け前を得ることができるそうで、ビートメーカーは利益の50%、シンガーは50%を得ることができる。mayk.itが利益を受け取ることはない。

現状、mayk.itにはアプリ内課金はないが、ヘンリケス氏は、将来的にはブランドと協力したり、アプリ内のマーケットプレイスを確立したりすることで、利益を得ることができるかもしれないと述べている。今のところ、mayk.itはシード資金を使って、新機能の追加、製品の改善、創造性を刺激するツールの構築に注力している。ヘンリケス氏は、LGBTQ+である創業者として、ユーザーがアプリのソーシャル機能を通じてコミュニティを見つけられることが重要だと考えていると付け加えた。

「YouTubeで働いていた頃は、Adobe Premiere(アドビ・プレミア)やAfter Effects(アフターエフェクツ)の知識が必要でした。そして、Musical.ly(ミュージカリー)やTikTokで学んだことは、これらのことを経験しなくてもビデオクリエイターや役者になれるということです。ゲームではRoblox(ロブロックス)が、デザインツールではCanva(キャンバ)がそれを実現していると思います」。

mayk.itは、音楽の作曲や共有ができるRobloxやCanvaのような存在になりたいと考えている。現在のところ、mayk.itでは、Ableton(エイブルトン)をマスターしたアーティストが作ったようなサウンドを作ることはできないが、mayk.itで作ったもので、簡単にTikTokで話題にすることはできる。

mayk.itはApp Storeで公開されているが、アクセス権を得るためのウェイティングリストがある。また「vibe check(バイブ・チェック)」で自分のスキルを試すこともできる。これは、曲を作って、既存のユーザーがあなたを受け入れてくれるかどうかを確認するためのものだ。自慢ではないが、私たちは合格した。

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画像クレジット:mayk.it

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Akihito Mizukoshi)