AOSデータが政府系ファンドJIC VGIと共創ファンドより9億円の資金調達

AOSデータが政府系ファンドJIC VGIと共創ファンドより9億円の資金調達

あらゆる産業のDX推進を目指し、さまざまなデータ資産管理事業を展開するAOSデータは7月6日、第三者割当増資による9億円の資金調達の実施を発表した。引受先は、JIC ベンチャー・グロース・インベストメンツ(JIC VGI)が運営するJICベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合と、ICMGグループが運営するICMG共創ファンド1号投資事業有限責任組合。

AOSデータは、クラウドデータ事業、システムデータ事業、データ復旧事業、リーガルデータ事業、AIデータ事業と、多岐にわたるデータ資産管理のためのソリューションを提供しており、「すべての産業分野に業界型DXソリューションを融合し、デジタル化を進め、市場競争力を高めるインテリジェントなデジタルイノベーションとなる『AOS IDXプラットフォーム』」の開発と普及を目指し、今回の資金調達を行った。

AOS IDXは、コアエンジンに、金融、法律、テレワーク、メディカル、政府自治体、農業、製造業、メディアなどさまざまな市場に求められる機能を組み合わせて、各産業に適合したDXプラットフォームを提供。それぞれが必要とするデータ駆動のソリューションを、SaaSやAPIと連携することで短期間に構築できるようにするというものだ。

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タグ:AOSデータ資金調達(用語)日本(国・地域)

妊娠中の母親と養子縁組を希望者をつなぐマッチングプラットフォーム「PairTree」

養子縁組をする、あるいは養親を探すという選択は、法的に複雑で、感情的な負担が大きく、費用も時間もかかるプロセスである。PairTree(ペアツリー)は、エージェントなどの組織が仲介せずに、妊娠中の母親と養子縁組を希望する人がお互いを検索できるオンラインのマッチングプラットフォームを展開。難しい養子縁組プロセスを少しでも簡単かつ迅速にすることを目指している。同社は先日225万ドル(約2億5000万円)のシードラウンドで資金調達を完了したが、この業界では珍しい。

養子縁組プロセスは人により異なるが、手続きを開始してからマッチングを成立させるまでに、5万ドル(約560万円)以上の費用と1年半を超える時間がかかることはどのケースでも共通している。養子縁組にともなう法律上のハードルもあるが、養子縁組の機会が限られることや、お互いの相性が保証されていないことも大きな要因だ。不妊治療がうまくいかずに養子縁組を検討している多くの人にとって、養子縁組プロセスは負担が大きく、気が滅入るほど長期間待たされることにもなる。

PairTreeはCEOのErin Quick(エリン・クイック)氏とCTOのJustin Friberg(ジャスティン・フリーバーグ)氏が共同で設立した。クイック氏によると、現代の養子縁組は95%近くがオープン、すなわち生物学的母親と養子縁組先の家族の間で継続的な接触があることが特徴だという。

自身も円満な養子縁組をしているクイック氏は、TechCrunchのインタビューに応じ「生物学的母親と養子縁組先の家族は生涯関係を持ち続けることになるので、相性の良い相手を見つけることが重要になる」と語る。しかし、一般的な養子縁組は、州の認可を受けたエージェントを通じて行われ、関係者が連絡を取れる範囲は制限される。

クイック氏は次のように話す。「地理的な縛りが強いのです」「養子縁組は州レベルで規制され、州レベルで進められています。州の法律のせいではない、つまり、州外で養子縁組をしてはいけないという規則はないのですが、エージェントが小さな非営利団体であるのが原因です。彼らは、自分たちが提供できるサービスがその地域にあるという理由で、その地域に囚われています。私たちは、養子縁組プロセスをもっと簡単に、より効率的にするためのプラットフォームを構築しています」。

PairTreeのプラットフォームは、出会い系アプリに非常に似ている点が多い(もちろん、この比喩は正確ではなく、養子縁組を選択することの重大性を反映したものではない)。しかし、交際相手との出会いと同じように、養子縁組においても、人格や個々のニーズを反映できる「場」を介して、つながりを求める人々がいる。

妊娠中の母親が相性の良い養子縁組先の家族をフィルタリングして検索する方法を示すスクリーンショット

PairTreeでは、妊娠中の母親と養子縁組先の両方の性格診断を行う。この性格診断は、OkCupid(出会い系アプリ)のような簡単なものではなく、その人の人生における大まかな優先順位を示す、もっと広範で重要なユングの元型(ユング心理学における概念、人が産まれながらに持つイメージの源)を使用する。例えば「旅をして学びたい」と「何かを与え、育てたい」という思いは、必ずしも両立しないわけではないが、チェックボックスで簡単に答えられない、その人の指向性を示す重要な指標となる。もちろん、これは複数ある基準の1つで、その他の人口統計学的や個人的な情報も収集する。

養子縁組を希望する人は待機リストに追加され、妊娠中の母親はその中から選んで、連絡を取ることができる(この点で、PairTreeは、女性からメッセージを送るという女性優先の出会い系アプリであるBumbleのシステムと同じだとクイック氏はいう)。PairTreeでは、身元確認や学習状況等の重要なステップの確認などの基本的なデューデリジェンスも行う。

マッチしそうな相手が見つかると、関連情報がすべて養子縁組のエージェントに送られ、エージェントがその他の法的・経済的な手続きを調整する。PairTreeは、これらのエージェントの代替機関となろうとしているのではない。(クイック氏によると、)PairTreeは待機時間を短縮し、良い結果に結びつけることができるので、エージェントに強く支持されているという。これまでの成功した養子縁組のデータでは、待ち時間を半分~3分の2に減らすことができ、結果として、コスト(エージェントに検索や法的作業を行ってもらうための定期的な支払いを含む)も同程度に削減できたとのことだ。

クイック氏は「これらのエージェントは小さな非営利団体で、技術的な能力はあまりありません。立ち上げ当初は弁護士に依頼していましたが、エージェントから連絡が来て驚きました」と説明する。

エージェントが養子縁組を希望する家族にPairTreeを紹介してくれたことが、PairTreeの初期の原動力になった、とクイック氏はいう。重要なのは、当初成功した養子縁組には大きな多様性があった、という点だ。

養子縁組は歴史的に、信仰に基づく制度によって否定され、LGBTQの家族や独身女性は差別の対象となっていた、とクイック氏は指摘する。実際、米国時間6月17日、米国最高裁判決は、宗教を重視する養子縁組エージェントに同性カップルへのサービスを拒否する権利を認めた。クイック氏は、PairTreeが提供する同性カップルや独身者の養子縁組の支援に誇りを持っている、と話す。

また、PairTreeは純利益の5%(それなりの額になると期待される)を、養子縁組の手続きを行った生物学的母親にカウンセリングとサポートを提供する「Lifetime Healing Foundation(ライフタイムヒーリング財団)」に寄付する予定だ。

225万ドルのシードラウンドは、Urban Innovation Fund(アーバンイノベーションファンド)が主導し、Founder Collective(ファウンダーコレクティブ)、Female Founders Alliance(フィーメールファウンダーアライアンス)、Techstars(テックスターズ)が参加した。養子縁組がベンチャーキャピタルにとって特に重要視する産業ではないと聞いて驚く人はほとんどいないと思われるが、不妊治療テクノロジーへの関心と投資が増加することで、隣接分野でのビジネスチャンスが注目されるようになったのかもしれない。養子縁組は、テクノロジーを活用した大幅な改善が可能な分野であり、これはスタートアップ企業がポジティブな結果を出して急成長できることを意味している。

同社は今回の資金調達により、サービスのポートフォリオの拡充、さらなるパートナーシップ、ネイティブなモバイルアプリの構築を計画している(同サービスのユーザーの90%がモバイルを使用していることから、この点はユーザーにとって最も重要だろう)。

今回の資金調達の発表で、クイック氏は次のように述べた。「養子縁組はもっと多くの人が親になれる現実的な手段であるべきだと、いう私たちのビジョンを共有する、専門家やさまざまな投資家の方々に感謝しています」「私たちと同じように、投資家の方々は、養子縁組と生物学的母親および養子縁組先の家族を支援することの重要性を確信しています。養子縁組は1回限りの取引ではなく、生涯にわたって彼らがたどる道すじなのです」。

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タグ:PairTree資金調達養子 / 養子縁組妊娠

画像クレジット:Pairtree

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Dragonfly)

スマホでセラピストを選んで呼べる訪問型リラクゼーションマッチングアプリ「HOGUGU」が総額2億円調達

スマホでセラピストを選んで呼べる訪問型リラクゼーションマッチングアプリ「HOGUGU」が総額2億円のプレシリーズA調達

リラクゼーションマッチングアプリ「HOGUGU」(ホググ。iOSカスタマー用アプリiOSセラピスト用アプリ)を手がけるHOGUGUテクノロジーズは7月5日、プレシリーズAにおいて、第三者割当増資による総額2億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は田川翔氏(ギフト代表取締役)など個人投資家数名。

調達した資金は、HOGUGUの認知促進に向けたマーケティングの強化、サービスエリアの拡大、Android版アプリやウェブ予約などの拡張と、事業の成長スピードを加速するための体制強化や人材の採用などにあてる。

HOGUGUは、アプリを使った訪問型リラクゼーションサービス。自宅や出張先のホテル、オフィスなどに、アプリを使って手軽にセラピストを呼ぶことができる。現時点で国内インストール数は2万人を突破したという。

また需要拡大に伴い、東京・神奈川、大阪・兵庫の既存サービスエリアに加え、埼玉・千葉でも一部エリアでサービス提供を開始した。

HOGUGUテクノロジーズによると、成熟市場であるリラクゼーション業界では「業務委託契約で完全歩合」という厳しい労働環境を強いられることが多く、セラピストの賃金低下や離職率の高さが問題となっているという。

そのため、リラクゼーション業界全体で、セラピストの労働条件と環境の改善が急務となっており、集客を含めたビジネスモデルの転換が必要と考えられるとしている。

不要不急の外出自粛要請により、飲食業のデリバリー需要増加のようにリラクゼーション業界もシフトしており、セラピストの新たな働き方として店舗や時間・シフトに縛られない働き方に急速に移る傾向にあるという。

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スタートアップ、文化、ミームの波

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。準備OK?ここではお金の話、スタートアップの話、IPOの噂話などをお伝えする。

さてさて!米国では長い週末を迎えた(7月4日は独立記念日で7月5日に振替休日)。ということでこのニュースレターは休み前のひと仕事だ。苦行も文章書きも大好きな私から、いつも以上にたくさんの話題をお届けしたい。しかし内容としては繰り返しだ。

最初の話題: スタートアップと文化について。

先週、私が非常に楽しみにしていたのは、Robinhood(ロビンフッド)のIPO申請だった。こちらの記事では最初の報告を、そしてこちらの記事では数字の詳細を紹介している。しかし、今回は文化(カルチャー)について再確認してみよう。以下の抜粋は、S-1申請書に記載された会社の目標に関するメモの冒頭から。

時間をかけて、私たちはRobinhoodを世界で最も信頼され、最も低コストで、最も文化に寄り添ったマネーアプリにすることを目指しています。

「文化に寄り添った」という言葉が入り込んでいることに驚いただろうか?では、目論見書の「概要」欄に記載されているこの内容を確認してみよう(強調は私):

文化的影響。私たちは、多くの追随者が現れた、最低取引金額を規定しない手数料無料の株式取引のパイオニアです。また、金融システムへのアクセスをさらに拡大する新商品を導入し、お客様との関係を築いてきました私たちは、投資を文化に寄り添って理解できるものとしてきましたし、私たちのプラットフォームによって、お客様が長期的な投資家となり、ご自身の財務をよりよく管理できるようにできたと考えています。2021年3月に実施した自社ブランド調査によれば、米国の18~44歳の半数以上の方がRobinhoodを知っています。現在の私たちの関わり合いの強さをさらに示すものとして、Robinhoodは2021年の第1四半期にApple App Store(アップル・アップストア)で何度も1位を獲得し、2020年から2021年の第1四半期にかけてApple App Storeのファイナンスカテゴリで頻繁に1位を獲得しました。

まあApp Storeの自慢話はどうでもいいが、 文化へのこだわりが私の注意を引いた。

私は、文化が時間とともにどんどん進化していくのを見るのが好きなのだが、TikTokがその流れをさらに加速させた。そして、世界の若者の間では、誤解を恐れずに言うならば、ブランドと文化の境界線が曖昧になってきていて、ブランドが文化的な領域にどんどん入っていこうとしていると言えるだろう。RobinhoodのS-1申請はいろいろな意味で前向きなものだが、上場する企業がこのような形で文化について議論しているのを見ると、未来を感じる。

次の話題:米国の製造業は死んでいない。

先週The Exchangeは、Xometry(ゾメトリー)のCEOとの会話から、そのことを学んだ。同社は最近上場したばかりだ。それに関連する私たちからの記事はここで読むことができる。このスタートアップは、Robinhoodのように、多額のベンチャーキャピタルを調達しており、私たちの広範な興味の対象となる。

これまで取り上げられてこなかったのは、今回の会話のおかげで知ることができたものづくりについての話だ。CEOのRandy Altschuler(ランディ・アルトシュラー)氏によれば、ものづくりを必要とする企業と、ものづくりができる人を結びつける彼のビジネスは、ほぼすべてが米国内で行われているという。つまり、まだ米国で作られているものがあるということなのだ。

実際Xometryの事業は、マーケットプレイスの仲介役として金融サービスを提供するなど、非常にすばらしいものだ。だが私たちが最も注目したのは、デジタルサービスによって、ニーズを持つ人とツールを持つひとを米国内で結びつけることができるというアイデアだった。もしXometryゾメトリー社のビジョンがうまくいけば、米国内の製造業を維持し、さらには成長させることさえできるだろう。これまで誰がそんなことができると考えただろうか?

XometryのIPOも大成功だったことも付け加えておこう。価格帯を超えたところで価格が決まり、その後上昇した。企業としてはそれこそが望みだ。

そして3つ目の話題:楽しいものをごちゃごちゃと

  • テック企業の資金がさらにF1へ: F1カレンダーの週末のレースが終わるたびに、私は、レース界の頂点に立つこの世界に、また別のテック企業が資金を投入していることに気づく。たとえば、Zoomはたくさんのブランディングを展開している。そして先週は、Crypto.com(クリプト・ドット・コム)がF1リーグと5年間で1億ドル(約111億円)の契約を結んだというニュースが入ってきた。こいつは大金だ。特に、Tezos(テゾス)はすでにいくつかのチームのスポンサーとなっているし、またあちこちにAmazon(アマゾン)とMicrosoft(マイクロソフト)のブランド名が見られる。そういえば、Splunk(スプランク)とMcLaren(マクラーレン)の提携も延長されたばかりだ。ということで新しい人生の目標:大金を稼ぎ、F1チームのスポンサーになり、パドックに入れるようになること。それで何の問題もない筈だ。
  • Unqork(アンコーク)がCRO(Chief Revenue Officer、最高収益責任者)を採用した。念の為にいうがCFOではない。ということで、大企業のアプリ構築を支援するこのノーコードサービスのIPOに関しては、あまりお話ができない。しかし、それでもこのニュースは、ノーコードファンにとっては重要なものだ。
  • 最後に、Apptopia(アプトピア)にはネオバンクのダウンロード数が掲載されている。どれが1位だったか想像できるだろうか?

関連記事:2020年に辛うじて黒字化したRobinhoodが上場手続き開始、2021年第1四半期は売上高4倍

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タグ:The TechCrunch ExchangeRobinhood

画像クレジット:Nigel Sussman

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

フェイスブックが一部の著名人ページでツイッターのような「スレッド」機能をテスト中と認める

糸巻きの絵文字を用意しておくべきだろうか。もうすぐFacebook(フェイスブック)に、スレッドが導入されるかもしれない。Facebookでは同プラットフォーム上の著名人が、関連するテーマの過去の投稿と結びつけて新しい投稿を作成できる新機能のテストが行われていることが確認された。この機能により投稿がより視覚的に結びつき、ファンはより簡単に更新情報を追うことができる。フォロワーのニュースフィードに新しい投稿が表示されると、スレッドの他の投稿とつながっているように表示される。

ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナヴァーラ)氏はこの機能が動作しているのを最初に発見し、その様子のスクリーンショットを公開した。コメントを求められたFacebookはTechCrunchに対し、当面はFacebook上の「public figures(公人・著名人)」の中の少人数グループでこの機能をテストしていることを確認した。Public figuresとは、知名度の高い個人や、Facebook上でより公的な存在感を示したいユーザーを対象とした、特定のタイプのFacebookページのカテゴリーだ。

画像クレジット:Matt Navarra

Facebookの説明によると、これらのスレッド化された投稿には「View Post Thread(スレッド投稿を見る)」ボタンがあり、フォロワーは簡単にスレッド内のすべての投稿を見ることができる。このボタンをタップすると、スレッド化されたすべての投稿を1カ所にまとめて見られる場所が表示されるという。

Facebookは、このテストをFacebookプラットフォーム上の他の著名人にも広く展開するかどうか、あるいは後にビジネスなどの他のページカテゴリーやFacebookグループにも拡大するかどうかについてはコメントを控えた。

スレッドは、文字数制限のためにニュアンスのある会話がしにくいTwitter(ツイッター)のようなサイトでは役に立つ。Twitterで「Notesアプリ謝罪(有名人がNotesアプリで書いた謝罪のスクリーンショット)」投稿が悪い意味で流行したのは、そうした失われるニュアンスのせいだ(現在、Twitterではスレッドを書くと同社のニュースレターアプリ「Revue」を宣伝してくる)。しかしFacebookでは、投稿の長さは正確にいうと6万3206文字(言い換えれば、約225ツイート)までとなっている。

Facebookのスレッドは、より長い投稿を促すというよりは、授賞式のようなイベントのライブ解説に使えるかもしれない。それかユーザーは、既存の投稿を更新して「……を追加するため編集しました」という不便なアナウンスをするのではなく、スレッドに更新情報を投稿することもできる。Facebookはこの機能を著名人向けにテストしていることから、おそらくニュースの共有をより合理的にすることを目指しているのだろう。

Facebookが過去に誤報問題に取り組んできたことは周知の事実であり、ジャーナリストや政府関係者が発展中のニュースについて情報を共有する際に、スレッドは有用なコンテキストを提供できる可能性がある。

今回のテストのニュースは、Facebookが週初め6月29日に発表したニュースレター配信プラットフォーム「Bulletin(ブレティン)」の試運転に続くものだ。

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画像クレジット:Anadolu Agency / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

マイク・タイソンやメイウェザーも支援、自宅でボクシングの練習ができるFightCamp

家でボクシングやキックボクシングの練習ができるインタラクティブなトレーニングシステム「FightCamp」が、9000万ドル(約10億円)の資金を調達した。その投資家たちのリストはとても長く、中には有名ボクサーの名前も多く見ることができる。

FightCampは、グローブに埋め込んだセンサーと、有料の訓練動画のセットだ。動画に従って練習していくと、パンチの回数やスピードとその上達が計測される。単純なすぎる表現をすると、それはパンチを鍛えるためのPelotonだ。

この資金調達ラウンドはNEAとConnect Venturesが仕切ったが、後者はNEAとハリウッドの芸能プロダクションCreative Artists Agencyの共同事業だ。他にSupercellのCEOであるIikka Paananen(イルッカ・パーナネン)氏やClassPassのCEOであるFritz Lanman(フリッツ・ランマン)氏、歌手のUsher(アッシャー)、そしてテレビのVikingsで武道を披露するKatheryn Winnick(キャサリン・ウィニック)氏らが投資をした。おっと、そしてもちろんMike Tyson(マイク・タイソン)やFloyd Mayweather(フロイド・メイウェザー)、格闘家のGeorges St-Pierre(ジョルジュ・サンピエール)、世界最強のパンチと言われるFrancis Ngannou(フランシス・ガヌー)ら、そのパンチで有名な人たちも数多く投資に参加している。

FightCampは今のところiOSのみだが、近くそれも変わるだろう。今回の資金調達を発表するプレスリリースで、国際展開と有料コンテンツの充実、そしてAndroidバージョンの提供を、現在計画中だと述べている。

画像クレジット:FightCamp

価格は、揃えるものによって439〜1349ドル(約4万8700〜14万9800円)までとなっている。ちなみに1219ドル(約13万5400円)なら、自力で立つパンチバッグ、その下のマット、ボクシング用グラブ、そしてその中に入れるパンチ計測用センサー「パンチトラッカー」を揃えることができる。すでにジムの器具をいろいろ揃えていて「パンチトラッカー」だけが必要なら439ドルだ。月額会費は39ドル(約4300円)。

FightCampは2016年に、パンチ力を調べるハードウェア「Hykso」でスタートした。しかし2018年に有料コンテンツに注力するようになり、FightCampを立ち上げたが、今ではすべてをこの名前の下にまとめたようだ。

同社は今回の投資の前にも800万ドル(約8億9000万円)を調達しているので、調達総額は9800万ドル(約108億8000万円)になるという。

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画像クレジット:FightCamp

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Hiroshi Iwatani)

子どもがCEOになって実際にオンラインショップを経営、様々なことも学べるプラットフォーム「Mighty」

子どもたちがある年齢に達するまで、充実したプログラムは学校、スポーツ、キャンプなどに限られており、お金を稼ぐ機会はほとんどない。

しかし現在、 創業1年のロサンゼルス拠点のMighty(マイティ)というスタートアップが、子ども向けのShopify(ショッピファイ)のようなプラットフォームを構築し、子どもたちに新たな選択肢を提供しようとしている。同社は、GOOD誌を創刊した創業者のBen Goldhirsh(ベン・ゴールドハーシュ)氏と、Etsyに5年近く在籍し、Sidewalk Labsのアドバイザーを務めたDana Mauriello(ダナ・マウリロ)氏が率いていて、フィンテック、EdTech、エンターテインメントが交わるところでサービスを提供しているとファミリーにアピールする。

よくあることだが、コンセプトは創業者自身の経験から生まれた。コスタリカに住んでいたゴールドハーシュ氏は、生徒6人という小さな学校に通う2人の娘のことが心配になり始めた。勉強が米国の学校に比べて遅れをとっているのではないかと懸念し、ソフトウェアプラットフォームであるKhan Academy(カーン・アカデミー)を使って放課後に勉強させ始めた。しかし、娘たちの反応は決して良いものではなかったという。

「彼女たちは、『ふざけないでよ、お父さん。学校から帰ってきたばかりなのに、また授業を受けさせる気なの』という感じでした」。

どうすればいいのかわからず、同氏は子どもたちが作っていたブレスレットをオンラインで販売することを勧めた。そうすれば、必要な数学のスキルを身につけることができるだけでなく、起業資金やビジネスプラン(それを書かせた)、マーケティングについても学ぶことができると考えたのだ。この「プロジェクトベースの学習」が成功したことを友人に話すと「うちの子にもやってくれないか」と頼まれるようになったという。

ゴールドハーシュ氏はマウリロ氏がEtsyに入社する前に運営していたクラウドファンディングのプラットフォームに投資していた。時が経ち、ゴールドハーシュ氏とマウリロ氏は、今はまだベータ版のスタートアップMightyの舵取りをし、Mightyは3000人の「CEO」のホームになっている。

この関心は驚くべきものではない。子どもたちは、歴史上最も多くの時間をオンラインで過ごしている。かつて子どもたちを雇っていたような実社会的なビジネスの多くは、規模が縮小している。ベビーシッターや街角でのクッキー売りを除けば、高校以前に仕事を見つけるのは困難だ。米労働省の公正労働基準法(Fair Labor Standards Act)では、14歳以上を雇用の対象としているからだ。それでも、多くの雇用者は、若い従業員は割に合わない仕事をしているのではないかと心配している。

投資家はこれがかなり堅実な考えだと思っている。Mightyは最近、Animo Venturesがリードする650万ドル(約7億2200万円)のシード資金を調達した。ラウンドには、Maveron、Humbition、Sesame Workshop、Collaborative Fund、ファミリーオフィスのNaHCO3などが参加した。

しかし、子ども向けのプラットフォームを構築するのは難しい。まず第1に、11歳の子どもたちの多くは、自分のビジネスを長期にわたって維持するために必要な粘り強さを持ち合わせていない。ゴールドハーシュ氏は、このビジネスを「21世紀のレモネードスタンド」に例えているが、午後の終わりに消滅しないビジネスを運営するというのとはまったく異なる命題だ。

ゴールドハーシュ氏は、どんな子どもでも、自分のビジネスに「努力」しなければならないとか、一定の軌道に乗せなければならないということを聞きたがらないとを認める。だが、起業家精神が旺盛で、継続的に活動している人もたくさんいると話す。実際、ゴールドハーシュ氏は、今回のシード資金によって、若いCEOたちを満足させるためにやるべきことがたくさんあるという。

例えば、多くの人が不満に思っているのは、自分の手作りの商品をMightyで売ることができないことだ。その代わりに、帽子やトートバッグ、ステッカーなど、自分でカスタマイズしたアイテムを販売してもらい、それをMightyの現在の製造パートナーであるPrintfulが製造し、最終顧客に発送する(Mightyユーザーは、Mighty同様に売上の一部を受け取ることができる)。

また、Mightyは、ナショナルジオグラフィックでも販売を行っているインパクトマーケットプレイスのNovicaと提携し、世界の職人が作った商品を販売することもできるようになった。

最初の段階では、できるだけ摩擦の少ないプロセスを導入することを考えていたが「顧客たちは怒りました。私たちにもっと多くを要求してきました」とゴールドハーシュ氏は述べた。同氏によると、Mightyは今後、小規模な起業家が自分で作った商品を販売できるようにする他、現在はサポートしていないサービスも提供していく予定だという。

収入源としては、売上高に基づく取引手数料の徴収に加えて、まだ公にする準備は整っていないがサブスクリプションサービスを導入することを計画している。

全体的に興味をそそられるが、MightyはShopifyのような既存のプレイヤーとの競争に勝たなければならないかもしれない。また、Mightyがやろうとしていることに対して、子どもの擁護者とまではいかなくても、親たちが反発することも考えられる。結局、起業というものは、気分を高揚させたり、意気消沈させたりするものだ。それは、一部の人が幼い年齢の子どもを乗せたがらないかもしれないローラーコースターだ。

しかし、マウリロ氏は、今のところそのようなフィードバックはないという。例えば、Mightyは最近、若いCEOたちがお互いに励まし合ったり、営業のヒントを交換したりできるオンラインコミュニティを立ち上げ、彼らはそこに積極的に関わっているという。

また、マウリロ氏は、スポーツや楽器を習うように、Mightyでお店を作ることで学べることがあると主張する。ストーリーテリングや売り方もそうだが、重要なのは、若い顧客が「失敗しても立ち直って、またチャレンジすればいい」ということを学んでいることだと同氏は話す。

ゴールドハーシュ氏は「『思っていたよりも難しい』と感じている子どもたちは絶対にいます。ただサイトを立ち上げてお金が入ってくるのを見ていればいいというわけではありません。それでも、子どもたちは、自分たちが目にする成功が、自分たちで稼いだものだという事実を気に入っていると思います」と付け加えた。

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画像クレジット:Klaus Vedfelt

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(文:Connie Loizos、翻訳:Nariko Mizoguchi

Pinterestが広告ポリシーを改訂、減量を促す言葉や画像は掲載禁止に

Pinterest(ピンタレスト)は7月1日以降、すべての広告で減量を促進する言葉と画像の掲載を禁止する。これには、減量に関する言葉や画像、減量やダイエット商品の宣伝、特定の体型を理想化または否定するような言葉や画像、BMI(健康状態を示す指標としては不十分なことが多い)を参照することが含まれる。主要なソーシャルメディアの中で、このような姿勢を取ったのはPinterestが初めてだ。

ソーシャルメディアは、それが誕生して以来ずっと、人にとって有害な「美の基準」を助長する役割を担ってきた。「ボディポジティブ」という言葉が、10年前にTumblr(タンブラー)で流行した「シンスポ(thinspo、痩せる努力を鼓舞すること)」に取って代わった今でも、そのトレンドが体重偏重主義を薄いベールで覆い隠していることさえある。例えば、Weight Watchers(ウエイト・ウォッチャーズ)という会社は、2018年に「Wellness that Works(効果のある健康)」を意味する「WW」にブランド名を変更したが、同社のウェブサイトでは会員の減量話の自慢を続けている。減量に関するオンラインコンテンツが善意のものであっても、それは健康的な習慣よりは乱れた食行動の増加を助長することが多く、ウェルネス産業が有害である理由となっている。

Pinterestは、これまでTumblrやFacebook(フェイスブック)などのプラットフォームとも協力してきた全米摂食障害協会(NEDA)の指導と助言を受けて、改訂した広告ポリシーを策定した。米国で新型コロナウイルス感染流行が発生した2020年3月以降、NEDAは摂食障害に悩む人々のための相談窓口にアクセスが増加していることを確認した。Vox(ヴォックス)のRebecca Jennings(レベッカ・ジェニングス)氏が指摘するように、ロックダウン中に人々はさらに多くの時間をオンラインで過ごすようになり、それはつまり、自分自身のことを悪く思わせるコンテンツに触れる機会が増えたことを意味する。TikTok(ティックトック)で有名な16歳の女優Sissy Sheridan(シシー・シェリダン)氏でさえ「私はTikTokをダウンロードする以前は、自分の身体が好きだった」とツイートしている。

画像クレジット:Pinterest

Pinterestの新しい広告ポリシーは、特に他の主要なプラットフォームが追随する前例となれば、明らかな変化をもたらす可能性がある。ソーシャルメディアのプラットフォームには、自社のアプリ上で起こる有害な行為を最小限に抑える責任があるが、新しいポリシーはどこまで影響を与えることができるだろうか? Pinterestの報告によれば「body neutrality(ボディ・ニュートラル)」の検索数は2020年の5倍に増加したという。これは、トレンチコートを着たダイエット文化に過ぎない「body positivity(ボディ・ポジティブ)」運動に代わる考え方だ。しかし、特にTikTokのようなアルゴリズムを駆使したアプリでは、自分の「For You(おすすめ)」ページに表示されるコンテンツを常にコントロールできるわけではない。料理が好きな人であれば、TikTokは料理の動画を表示しようとするが、AIはそれほど賢くないので、プロフィールに「減量」と書かれた料理アカウントをフィルタリングすることができない。Pinterestは最近、TikTokの競合となる独自の機能を導入した。もちろん、Instagram(インスタグラム)は2020年追加された「Reels(リール)」という機能で、TikTokの成功を横取りしようとしている。

Pinterestの広告ポリシー改訂は良いことの始まりであり、他のプラットフォームが追随すれば初めて良い影響を与えることができるものだ。しかし、ソーシャルメディアは我々の文化を反映するものだから「減量」と「健康」は同義ではないと理解する文化的な変化が拡がらないと、広告ポリシーの改訂だけではその力にも限りがある。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Pinterestソーシャルメディア広告ダイエット

画像クレジット:SOPA Images / Contributor / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

研究予算・指導方針・就職先など全国の研究室情報と口コミを検索できる「研究室サーチ by LabBase」ベータ版が公開

理系学生に特化したスカウト型就活サービス「LabBase」(ラボベース)を手がけるPOLは7月1日、研究室選びで誰もが知りたい情報をオープンにし、理系学生の進学進路決定をサポートする研究室ポータルサイト「研究室サーチ by LabBase」ベータ版を公開した。これにより、就職活動の前段である進学進路決定のサポートも行うことで、研究者のキャリア全体をサポートするプラットフォームへとLabBaseを進化させる。

同社によると、現在、研究室に関する情報は長らく更新されていない、集約されていないなど、非常にアクセスしづらい状況にあるという。大学院進学を希望する学生が研究室を探そうとすると、大学での研究室紹介オリエンや教授のツテなど、アナログな方法に頼らざるを得ない状況にあるそうだ。また、研究室の実態は外部からは知ることが難しく、所属してからミスマッチを感じる学生も少なくない。

これを受け同社は、研究室サーチ by LabBaseのベータ版により、ネット上に点在する研究室情報を集約するとともに、独自に学生の口コミを集めて情報提供するとしている。利用者が、各研究室の研究予算・指導方針・拘束時間・就職先・就活のしやすさなど、多角的に研究室の情報を取得できるようにするそうだ。

「研究室サーチ by LabBase」概要

  • 研究室が扱う技術の独自情報を含め全国の研究室情報を集約:全国の研究室データ、在籍学生・卒業生の口コミや研究室が扱う技術の独自情報など、研究室選びに必要な多様な情報を集約。異なるソースをたどらなければ取得できない複数の研究室情報も一括で収集できる
  • 研究分野、研究予算、先輩の就職先などの切り口で検索可能:研究分野、研究予算、先輩の就職先など、様々な切り口で研究室が検索可能。指導方針や拘束時間、就活のしやすさなど独自のコンテンツも用意
  • 教授の指導方針、研究室の雰囲気など研究室所属学生の口コミを収集:教授の指導方針、研究室の雰囲気、先輩の就職先など、研究室に所属していないと入手しづらい情報を所属している学生の口コミを知ることができる。研究室情報をオープンにし、透明性を高めることで、理系学生の就職活動・研究活動をサポート

LabBaseは、学生がデータベース上に自分の研究内容やスキルを書きこむだけで、企業からのスカウトを受けられるという理系特化のダイレクトリクルーティング型就活サービス。学生は研究を続けながら、自分の専門知識を活かせる企業を知ることができるという。企業側は 一般的な就活サービスではリーチできない専門性を備えた学生に直接アプローチできるとしている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:POL日本(国・地域)

TikTokが動画の長さを最大60秒から3分に拡大

TikTokに、より長い動画を投稿できるようになる。過去数カ月の間に多くのクリエイターを対象とするテストを行った結果、同社は最長3分間の動画を作成できるオプションを導入すると、米国時間7月1日に発表した。TikTokの動画の長さは、当初の15秒から60秒に拡大されたが、この60秒の動画フォーマットは「Snapchat Spotlight(スナップチャット・スポットライト)」や「YouTube Shorts(ユーチューブ・ショート)」など、TikTokの新たな競合製品に模倣されていた。

TikTokによると、クリエイターコミュニティから寄せられた意見に基づいて、同社は動画の最大時間を拡大することに決めたという。クリエイターたちは、ある種の動画を作成する際に、例えば料理の実演や、美容のチュートリアル、教育コンテンツ、コメディタッチの寸劇などの動画では、より多くの時間と柔軟性を求めていた。

TikTokのプロダクトマネージャーを務めるDrew Kirchhoff(ドリュー・キルヒホフ)氏は「より長い動画を投稿できるようになったことで、クリエイターは新しい、あるいは拡張された種類のコンテンツを、もう少し余裕を持って、柔軟に制作することができるようになります」と、同社の発表の中で説明している。

3分に拡大される以前、多くのクリエイターはTikTokの制限を回避するために、動画をパート1とパート2(あるいは3、4……)に分け、続きを見せるために視聴者に「いいね」や「フォロー」を促していた。フォロワーを増やすためには有効かもしれないが、視聴者の側には、最初に興味を持った動画の続きを見るためだけに、そのクリエイターの他の動画をわざわざスクロールしたくないという不満があった。またこれは、どれほど多くのTikTokクリエーターが、無意味で人為的な制限に対する解決策を見つける必要に迫られているかということも明らかにした。

動画の長さを拡大した今回の変更によって、TikTokはさらに強力なYouTubeの競争相手となる可能性もある。YouTubeはTikTokの成長を懸念して、自社のアプリに「YouTube ショート」というTikTokと直接競合する機能を導入した。しかし、TikTokは、自社のプラットフォームの優位性は、動画が短いことではなく、さまざまな特殊効果や、ARツール、音楽カタログ、そしてステッチやデュエットなどの特殊なツールを使ってクリエイター同士が生み出す対話など、豊富な機能の組み合わせにあることを理解している。

他のライバル企業も、TikTokの脅威に注目している。

今回のTikTokの発表の前日には、Instagram(インスタグラム)の責任者であるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏が、これまで写真の共有に特化していたこのFacebook傘下のアプリで、短くておもしろい動画を、よりInstagram体験の中心に据える実験を間もなく開始すると語ったばかりだ。Instagramでは「フルスクリーン、没入型、エンターテインメント性、モバイルファーストの動画」など、動画をより良く魅力的にするための新しい方法を試していくと、モセリ氏は約束している。

「率直に言って、今は非常に厳しい競争があります。TikTokは巨大です。YouTubeはさらに大きい」と、モセリ氏は言及した。

TikTokは、2020年末より3分間の動画のテストを始めていた。同社によると、より長い動画を撮影できるオプションは、今後数週間のうちに世界中のユーザーが利用できるようになるとのこと。アップデートが適用されたら、ユーザーに通知があるはずだ。

関連記事:TikTokのライバルとなる60秒以内の動画サービス「YouTubeショート」が米国に上陸

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TikTokクリエイター動画SNS

画像クレジット:Nur Photo / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Twitterが「友達だけへのツイート」「複数のペルソナ」など新機能を検討中

Twitter(ツイッター)には、検討中の機能やデザインを非常に早い開発段階で公表してきた歴史がある。たとえば2021年6月中旬、同社はユーザーが他者のツイートから自分のタグを外す 「unmention(アンメンション、メンション削除)」機能のコンセプトを披露した。そして米国時間7月1日、Twitterはユーザーが自分のツイートを誰が見られるか、誰がリプライできるかなどを細かく管理できる仕組みを発表した。新たなコンセプトには、信頼している友だちのグループのみに向けてツイートする方法、リプライを投稿する前に言葉の選択を考え直すよう促すプロンプト、仕事、趣味、興味に関するツイートなど、異なる状況に応じてツイートできる「ペルソナ」機能などが入っている。

関連記事:ツイッターが@mentionをユーザーが管理できる新しい攻撃防止ツールを検討

同社は、これらのコンセプトを熟考中であり、開発の参考にするためのフィードバックを集める予定だと言っている。

最初のアイデアは、2020年公開した投稿者が自分のツイートに誰がリプライできるかを選べる機能とともに検討が始まった。現在ユーザーはリプライできる人を、ツイートでメンションされた人のみ、自分がフォローしている人のみ、あるいはデフォルトの「全員」から選ぶことができる。しかし、こうすることで返信できる人を制限することはできるが、ツイートそのものは誰でも見られる。また、いいねやリツイートや引用したりすることもできる。

提案されているTrusted Friend(信頼する友達)機能では、ユーザーが自分で選んだグループに向けてツイートできる。これは、Twitterをリアルライフの友達や個人的によく知る少人数のネットワークとのやりとり使う方法になり得る。たとえばニューヨークの友達だけにツイートして自分がそこを訪れていることを知らせる、といった使い方もできる。あるいは、テレビ番組やスポーツイベント、趣味などの嗜好が共通する人たちだけにツイートすることもできるだろう。

画像クレジット:Twitter

公開のツイートと別にプライベートな会話を可能にすることで、Twitterの利用を促進することが期待され、初めてツイートするユーザーを後押しすることもできるかもしれない。しかし同時にこれには、Twitterにとって破壊的な一面もある。誰もが会話に参加できる公開メッセージボードのようなプラットフォーム、という同社本来のアイデアを損なうものだからだ。ユーザーは自分の投稿が公共でシェアされる価値があるかどうかを考えた結果、その多くを広くTwitterユーザーに公開することを控えるようになるかもしれない。それはTwitterのエンゲージメント指標に影響を与える可能性がある。またこれは、一部の投稿だけを世界に向けて発信し、友達とだけシェアすることのほうが多いFacebook(フェイスブック)の領域にTwitterを近づけるものでもある。

Twitterはこのプライベートな「友達のみ」方式の利点について、現在行われている回避方法、たとえば複数のアカウントを使ったり、公開ツイートと非公開ツイートを切り替えることをしなくてすむことを挙げている。

次に検討されている新機能が、Reply Language Prompts(リプライ表現プロンプト)だ。この機能によってTwitterユーザーは、自分へのリプライで見たくない言葉遣いを選ぶことができる。誰かがリプライしようとすると、該当する単語とフレーズが強調表示され、投稿主がなぜこれらの言葉遣いを望んでいないかを説明するプロンプトが表示される。例えばユーザーは自分の投稿への下品な表現を含むリプライに対してプロンプトを出すように設定することができる。

画像クレジット:Twitter

この機能はリプライの送信を止めるものではない。どちらかというと、よく考えて欲しいという穏やかな「nudge(ナッジ、ひと押し)」だ。

こうした「ナッジ」には影響力が期待できる。例えば、以前Twitterが、リツイートして拡散する前に投稿を読むことを促すナッジを導入したとき、ユーザーは以前より40%多くリツイート前に記事を開くようになった。もっとも、荒らしに確信犯にはさほど効果がないかもしれない。

関連記事:Twitterが「リツイートの前に読め」プロンプトを全ユーザーに適用、脊髄反射リツイート防止へ

第3の、おそらく最も複雑な機能は、Twitterが「Facets(ファセット)」と呼んでいるものだ。
これは1つのアカウントから異なるペルソナでツイートすることに関する初期段階のアイデアだ。この機能は、仕事、副業、個人や家族の生活、熱中しているものなど、自分の異なる側面についてツイートすることの多い人にとって意味がある。

画像クレジット:Twitter

Trusted Friendsがパーソナルなネットワークに向けてツイートするのに対して、Facetsは、自分の全ツイートをフォローして欲しいのか、興味のある「facet」に関するものだけをフォローして欲しいのかをユーザーが選ぶことができる。例えば誰かのテクノロジーに関するツイートはフォローするが、その人がひいきチームのプレイを見たリアクションの連続投稿は無視できる。あるいは、友達の個人的なツイートだけをフォローして、仕事関係のコンテンツを無視することもできる、等々。

これは興味深いアイデアだ。なぜならTwitterユーザーは、いわゆる「off-topic(オフトピック、主題から逸脱した)」なツイートでフォロワーを遠ざけてしまうことを常に恐れているからだ。しかしこれは、どのツイートをどのユーザーに見せるかという問題をエンドユーザー自身に決めさせるものでもある。どのコンテンツが合っているか、どれを無視しがちかを理解しているアルゴリズム的タイムラインのほうが、ユーザーにとってありがたいかもしれない。

これらの機能が開発中であるかどうか、Twitterは何も述べていない。これは会社が考えているアイデアを見せるための単なるモックアップ・デザインだ。どれかを開発するかどうかも決まっていない。Twitterが期待しているユーザーフィードバックが決定を手助けするだろう。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TwitterSNS

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Slackの新音声・動画ツールは買収完了後のSalesforceプラットフォームにうまくフィットする

忘れるのは簡単だが、Salesforce(セールスフォース)は2020年末におおよそ280億ドル(約3兆1240億円)でSlack(スラック)を買収し、この取引はまだ完了していない。完了がいつになるのか正確なところはわからないが、Slackは最終的にSalesforceの一部になるのを待つ間も、新たな機能を加えてプロダクト計画を発展させ続けている。

ちょうど米国時間6月30日朝、Slackはこのところ話していた新しいツールを正式に発表した。ここには、6月30日から利用できるようになったSlack Huddlesという音声ツールや、ビデオメッセージ、Slack Atlasというディレクトリーサービスが含まれる。

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これらのツールは、取引完了時にSlackがSalesforceの一部になったとき、プラットフォームの機能性を高めるのに役立つと証明されるはずだ。Salesforceのプラットフォームに統合されたとき、Huddlesやビデオツール(あるいは会社内部と外部組織の閲覧向けのSlack Atlasすら)の統合がどのように機能するか想像するのは難しいことではない

SlackのCEOであるStewart Butterfield(スチュワート・バターフィールド)氏は、コミュニケーションに関する当局の制限があるためにSlackとSalesforceはまだ協業を始めていないと話すが、これらのツールがSalesforce Service CloudやSales Cloudなどと連携して機能し、ユーザーがSalesforceにあるデータをSlackのコミュニケーション能力と合体させ始めるのを必ず目にするはずだ。

「(Salesforceの)大きなSoRから(Slackの)コミュニケーションへのワークフロー、そして会話が行われているところにデータを表示するといったところに変化があります。セールスやマーケティング、サポートなど顧客とのやり取りにおいてこれらの機能を間接的に活用することに多くのポテンシャルがあると考えています」とバターフィールド氏は述べた。

2020年導入された、社外の人とやり取りできるようになるSlack ConnectをSalesforceが利用するかもしれない、とも同氏は話した。

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「Slack Connect内に全機能をそろえています。会話をきちんと開始する、問題を解決する、(顧客と)コミュニケーションを取るもっといい方法としてビデオを使うのにHuddlesを活用したときに得られるものと同じメリットを手にします」と同氏は説明した。

これらの発表は、仕事の未来、そして買収がらみのものとに分けられるようだ。Salesforceのプレジデント兼COOのBret Taylor(ブレット・テイラー)氏は、買収を発表した2020年12月にその取引についてTechCrunchに語ったとき、その点を確かに認識していたようだ。同氏は2社が仕事のフェースを変えることに直接取り組んでいるとみている。

「Customer 360向けの次世代インターフェースになるためにSlackが本当に欲しいというとき、我々が意味するところは2社のシステムを合体させるということです。我々が現在身を置いている、どこででもデジタルで働ける世界ではチームが分散していて、どのようにこうしたシステム周辺でチームを集めるのでしょう。コラボレーションはかつてないほど重要になっています」とテイラー氏は述べた。

CRM Essentialsの創業者でプリンシパルアナリストのBrent Leary(ブレント・リアリー)氏は、2社が一緒になることで仕事方法の未来が明らかに出現する、と話す。「自宅からミーティングやコラボレーションを行うためにウェブカメラとマイクの前でますます多くの時間を費やすようになっているとき、今日のSlackの発表のような動きは、仕事の将来に関しトレンドとなっているものに応えるものです」とリアリー氏は話した。

Huddlesは、多すぎるミーティングや意見のタイピングによるスクリーン疲れをSlackがなんとかしようとしている1例だ。「こうした『オーディオファースト』の能力により、うまく機能させようと追加で何かすることなしに、ただ口で伝えられるようにして要点が得られれば、意図するところをタイプしようとしなくてもよくなります」と同氏は話した。

さらにリアリー氏は「ただ人々が話せるようにするだけでなく、人々に話しかけながら沸き起こる感情や心の状態をより理解して、チャットのテキストの裏にある意図や感情を推測しなくてもいいようにします」と付け加えた。

EngadgetでKarissa Bell(カリサ・ベル)氏が指摘したように、Huddlesはビジネスの文脈でDiscordのチャット機能のようにも働く 。これはSalesforceのプラットフォームに統合されたときにSalesforceツールにとってかなり有用かもしれない。

当局が買収を精査している間、Slackはプラットフォームやプロダクトの開発を続けている。巨大な買収取引が完了しても、Slackはもちろん独立会社として引き続き事業を展開するが、クロスプラットフォームの統合がかなり行われるのは確かだろう。

そうした統合がどのようなものになり得るのか、たとえ経営陣が公に語れなくても、買収取引が完了した暁にはSalesforceとSlackでは、さらには概して仕事の将来にとって、これらの新しいツールがもたらす可能性について多くの刺激があるはずだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SlackSalesforce買収

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

Instagramがクリエイターがファンにだけコンテンツを独占公開できる機能「Exclusive Stories」を開発中

Instagram(インスタグラム)は、Twitter(ツイッター)のSuper Follow(スーパーフォロー)の独自バージョンを開発している。オンラインクリエイターが自分たちのファンだけが見られる「独占」コンテンツをInstagram Stories(ストーリー)で公開できるようになる機能だ。利用には何らかのサブスクリプション料金が必要になると思われる。

Instagramは、最近SNSに出回っている新機能のスクリーンショットが、現在開発中でまだ公開テストを行っていない社内プロトタイプのものであることを認めた。同社は計画の詳細については公表せず、このプロジェクトについてまだ話せる段階ではないという。

開発中のExclusive Story(画像クレジット:Alessandro Paluzzi

しかしこのスクリーンショットは、Instagramの考えていることを数多く語っている。そこにはクリエイターが「Exclusive Stories(エクスクルーシブ・ストーリー)」と呼ばれるものをファンに向けて発信する方法が示されており、その対象は別の色(現在は紫色)で表されている。それ以外のInstagramユーザーがExclusive Storiesに遭遇すると「メンバーのみ」がこのコンテンツを見ることができる、というメッセージが表示される。ストーリーはスクリーンショットができなくなっているようで、Highlight(ハイライト)としてシェアすることができる。新しいプロンプトは、クリエイターに「これをあなたのファンにHighlightとして保存」するよう促していて、そうすることで「ファンは参加した時いつでもなにか見るものがある」と説明している。

Exclusive Stories機能を発見したのはリバースエンジニアのAlessandro Paluzzi(アレサンドロ・パルッツィ)氏で、モバイルアプリのコード内の未公開機能をよく見つけている人物だ。先週彼は、発見したものに関する一連のスクリーンショットをTwitterのスレッドで公開した。

開発中のInstagram Exclusive Stories Highlight機能(画像クレジット:Alessandro Paluzzi

Exclusive Storiesは、Instagramがクリエイターの収益化ツールを拡張するもっと大きい計画の一部にすぎない。

同社はこの分野の取り組みに関する詳細を徐々に公開していて、Instagram責任者のAdam Mosseri(アダム・モッセーリ)氏は2021年5月に、同社がサブスクリプションの可能性をNFTなどの新機能とともに「検討中」だったことをThe Informationに話した。

パルッツィ氏は最近、NFT(非代替性トークン)機能であるCollectiblesに関する記載も発見した。そこには、デジタル収集品がクリエイターのInstagramプロフィールの新しいタブに表示される様子が示されている。

開発中のInstagram NFT機能(画像クレジット:Alessandro Paluzzi

画像クレジット:Alessandro Paluzzi

Instagramは、今のところ、一連の製品開発状況について公に発表することはせず、サブスクリプションやチップなどの計画について高いレベルで話すことを選んだようだ。

例えば2021年6月初めに行われたInstagram主催のCreator Week(クリエイター・ウィーク)という、この種のアイデアを紹介するのには最適の場で、モッセーリ氏はInstagramが開発を検討しているクリエイターツールについて一般論を語ったが、具体的に何を開発中であるかには言及しなかった。

「長期的にクリエイターにとって最高のプラットフォームになるためには、クリエイターがしたいことをするために使えるものやツールを一式作る必要があります」とモッセーリ氏は言い、Instagramはクリエイティブツールや安全機能に加えて、クリエイターが生活を維持するためのツールにも取り組んでいると説明した。

「さまざまなツールを作ることが非常に大切だと私は考えています。それは、クリエイターにとって何を使うか、何が重要なのかは、アスリートやライターとはまったく異なるかもしれないからです」と彼は言った。

「そして、大きく分けて(クリエイター収益化ツールは)3つのカテゴリーに分けられます。1つ目はeコマースで、ブランド付きコンテンツやアフィリエイトマーケティング、商品販売などをお手伝いします。2番目はユーザーがクリエイターに直接支払う方法で、個人情報と引き換えにアクセスするゲーテッドコンテンツやサブスクリプションやチップ、バッジなどのユーザー支払いタイプのプロダクトです。そこでできることはたくさんあると思っています。私がこれを気に入っているのは、クリエイターがファンと直接関係を構築できるためで、長い目でみて持続的で予測可能だと私は考えます」とモッセーリ氏は言った。

第3のカテゴリーは収益分配で、IGTV(Instagramの長尺動画アプリ)を使った長尺動画やReels(リール)などの短編動画などがある、と同氏は付け加えた。

開発中のInstagram Exclusive Story機能(画像クレジット:Alessandro Paluzzi

クリエイターの収益化を推進している大手ソーシャルプラットフォームはInstagramだけではない。

OnlyFans(オンリーファンズ)やPatreon(パトレオン)などのプラットフォームが広めたメンバーシップモデルが、クリエイター経済の確立とともに、いくつかの大手SNSでも採用され始めている。

たとえばTwitter(ツイッター)は、まず独自のクリエイターサブスクリプションを発表し、2月のAnalyst Day(アナリスト・デー)イベントでスーパーフォロー機能の計画を発表した。先週同社は、スーパーフォローとTicketed Spacesのためのアプリケーションを公開した。Ticketed SpacesはClubhouse(クラブハウス)のオーディオ・ソーシャルネットワーキング・ルームの対抗品だ。

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フェイスブックがニュースレター配信プラットフォーム「Bulletin」始動、まずは米国中心ベータ

一方、Facebook(フェイスブック)は6月29日に、Substack(サブスタック)のニュースレターに対抗するBulletin(ブレティン)を公開した。クリエイターはプレミアムサブスクリプションの販売や、メンバー専用グループ、ライブ・オーディオルームの利用ができるようになる。Spotify(スポティファイ)さえも、オーディオ・チャットルームとClubhouseのライバル、Greenroom(グリンールーム)をスタートし、ゆくゆくは収益化も計画している。

新しいスクリーンショットの数々は、Instagramのこの分野における製品計画の詳細をもたらすものだが、開発中の機能が公開時にどんな風に見えるのか、最終的にどう振る舞うのかを必ずしも表していないことに注意すべきだ。一般公開を完全に約束するものでもない。もっとも今回のケースは、Instagramが独占のメンバー専用コンテンツの計画を中止することは考えにくい。同社はクリエイターの支援に力をいれており、収益化は会社がクリエイターに提供する最重要部分だからだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Instagramクリエイター

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アマゾンがFTCの新委員長と独占禁止強硬派のリナ・カーン氏の辞任を求める嘆願書を提出

Amazon(アマゾン)が、新任のFTC委員長で、同社を容赦なく批判しているLina Khan(リナ・カーン)氏を同社関連の決定から外すよう陳情している。同社は、Amazonに対する規制にこれまで失敗してきたことを批判する彼女の言葉遣いがあまりにも感情的であり、問題を公正に取り扱うことができない、と主張している。

カーン氏が外されるかどうかは、FTCが決めることであり、監督委員会が判定する。FTCの広報担当者は、この問題に関するコメントを拒否した。

Amazonの陳情書を以下に引用したが、同社の言い分は、彼女の委員長着任確定前のAmazonに対する批判はあまりにも言葉が過ぎており、同社に関する問題を客観的に検討する彼女の能力を疑わせるに十分であるというものだ。

同社に関するカーン委員長の結論をAmazonは強く否定するが、彼女が以前の役割において長々と挑発的に語ったことの権利は否定しない。しかし彼女の、Amazonに関する詳細な意見表明の長い履歴と、Amazonが反トラスト方に違反したとする度重なる宣言からは、合理的な観察者であれば、彼女はもはや同社の反トラストに関する弁護を公平に検討することができないと結論するだろう。

しかし「合理的な観察者」は同じく、世界最大で最強企業の1つであるAmazonが、現在の反トラスト法は不適切であり古いというプロとしての意見を持つエキスパートの、分析の対象に当然なることは否定できないだろう。

そしてそういうプロフェッショナルだからこそ、彼女は指名され、突如FTCの委員長の座に上ることになったのだ。彼女の論文「Amazon’s Antitrust Paradox」(アマゾンの反トラストのパラドックス)は、オンラインサービス大手に対する復讐状ではない。彼女によるとそれは、まるで独占を法律で認めているような、反トラストの古びた考え方に対する告発状だ。

Amazonはそのための標的の1つだったかもしれないが、しかし実際には同社は、カーン氏がその説得力に富む数多くの論文や記事で主張している、消費者の被害と利益の狭い定義にばかり拘泥する規制に関する古い学派を表すスタントマンだ。企業が消費者の利益に反した行いをする例は、他にもある。たとえば買収した企業のコストを助成して、安売り競争の先頭に立たせ、競争を無にしてその市場を支配するやり口は、Amazonのビジネスモデルの常套手段だ。

関連記事:ワシントンD.C.の司法長官がアマゾンを「オンライン小売市場の競争を阻害している」と提訴

しかも、FTCの委員長という地位は、完全な公平性などではなく、リーダーシップとプライオリティの設定が期待されている。公平性はあくまでも司法のテーマであり、例えば企業のやったことが違法か否かが問われる。判事が長年固執していた意見などの出番はない。カーン氏がプロとして公開し表明してきた意見についても、同様だ。彼女がAmazonに敵対するFTCの捜査や審理を指揮するとしたら、彼女は事実と系統的な議論に基づいて、自分の法解釈をサポートしなければならない。

若いカーン氏をいきなり抜擢した現政権の意図は、推察するしかないが、彼女が主張していた哲学と変化に対する心からの支持表明があったことは間違いない。

反トラストに関するカーン氏の専門家としての能力と観点は、Amazonを映画の悪役に仕立ててしまう。カーン氏が偏執狂的な改革運動家だからではなく、Amazonが規制の史上最大の失敗を表しているかもしれないからだ。それを指摘したことは、Amazonが陳情で求めている「カーン外し」の根拠にはならないが、歴史を作る土台にはなるかもしれない。

下図は、Amazonの陳情書の全文となる。

リアルな会場が再開し始める中、コンサートライブストリーミングのMandolinが約13億円調達

Mandolin(マンドリン)は6月初旬に創業1年を迎えたばかりだ。にもかかわらずインディアナポリス拠点の同社はもう1200万ドル(約13億円)のシリーズAを発表した。2020年10月初旬に500万ドル(約5億5000万円)のシード資金を調達してから間もない動きだ。コンサートストリーミングプラットフォームを立ち上げて成長させるのに、世界的なパンデミックは思いがけず幸運な時間となった。

申し込み超過だったラウンドは645 VenturesとFoundry Groupが共同でリードし、High Alpha、TIME Ventures (マーク・ベニオフ氏)といった既存投資家からの追加出資も受けた。

もちろん、世界が以前の暮らしに戻り始めた時にMandolinのような企業はどうなるのかというのは大きな疑問だ。ツアーが取り止めとなりファンやアーティストが手段を模索する中でコンサートライブストリームは確かにかなり勢いづいた。しかし今、会場が再開し始めている。

「アーティストが完売御礼の会場での公演に戻るにつれ、Live+は間違いなくライブのショーを広める、なくてはならないデジタル補完になります」とCEOのMary Kay Huse(メアリー・ケイ・ヒューズ)氏はリリースで述べた。「新規の資金調達ラウンドは、すべての公演がLive+で展開されるよう、当社の中心的なソリューションであるイノベーションの促進、新しいデジタルサービスの展開、マーケットへのルート補強に役立ちます」。

画像クレジット:Mandolin

認めよう。かなり抽象的だ。しかしこの会社は必然的な再開よりも前に会場イベントの推進を目指していた、というのが単純な答えだ。基本的に同社は公演のためのコンパニオンアプリを作りたいと考えている。

ヒューズ氏は先週Varietyに次のように語った。「早ければ年末までに、参加者の50%以上が会場にいながらデジタルで何かを体験するようになればいいと思っています。参加者に使いたいと思わせる、人の心を掴んで離さないコンテンツを制作しています」。

同社は引き続きストリーミングにも注力する。ストリーミングはヒットとなったが、パンデミック後すぐに廃れそうにはない。今回の資金調達とともに、645 Venturesのマネージングパートナー、Nnamdi Okike(ナムディ・オキケ)氏が取締役会に加わる。

「新型コロナの間、ライブストリーミングはお気に入りのアーティストのパフォーマンスを体験したいファン、そしてエキサイティングなライブイベントをファンに届けたいアーティストと会場にとってゲームチェンジャーでした」とオキケ氏は述べた。「Mandolinはこうしたエクスペリエンスを可能にするために最高のテクノロジープラットフォームを提供し、そしてこの急成長中の分野のニーズを満たすために会社を成長させています」。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Mandolinライブストリーミング資金調達音楽コンサート音楽ストリーミング

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

ID認証の独IDnowが同業の仏ARIADNEXTを買収、新型コロナ追い風に事業好調

ドイツ拠点のID認証スタートアップIDnow(アイディナウ)が、リモートID認証とデジタルID制作を専門とするフランスの同業ARIADNEXT(アリアドネクスト)を買収する。両社は買収額を非公開としたが、情報筋から得たところでは取引はおおよそ5900万ドル(約66億円)だったとTechCrunchは理解している。

AI駆動から人間によるサポート、オンラインから店頭での認証オプションに至るまで、合併会社は総合的なID認証プラットフォームを提供することができる、とIDnowは話す。同社は英国、フランス、ドイツ、スペイン、ポーランド、ルーマニア、その他のマーケットでサービスを提供していて、2021年の売上高は2019年の3倍超を見込んでいる。

IDnowはまた、パンデミックにより企業がデジタルプロセスに切り替えたことから同社のプロダクトの使用が前年比で200%以上増えた、とも話す。

IDnowのCEO、Andreas Bodczek(アンドリアス・ボドゼック)氏は声明で次のように述べた。「ARIADNEXTとの合体は欧州広域でID認証・アズ・ア・サービスのソリューションのリーダーになるというビジョンに向けた重要なステップです。直近のTrust Management AG買収に加え、ARIADNEXTとともにIDnowは1つのプラットフォームを通じて顧客にさらに幅広いプロダクトをシームレスなユーザーエクスペリエンスで提供できます」。

ARIADNEXTの社長Guillaume Despagne(ギヨーム・デスパーニョ)氏は「IDnowのチームに加わり、欧州広域の顧客に安全で将来性のあるソリューションを提供するという共有するビジョンに向けて協業するために経験とスキルを合体させることを楽しみにしています」と述べた。

IDnowは、ARIADNEXTがレンヌ、パリ、マドリッド、ブカレスト、ヤシ、ワルシャワに置く拠点と125人超の従業員を維持する。買収は当局の承認次第だ。

この買収はIDnowが欧州のもう1つの同業大手OnFidoに肩を並べることを意味する。TechCrunchの理解では、IDnowは2021年5000万ユーロ(約66億円)超の売上高を達成し、2023年までに売上高を1億ユーロ(約131億円)とする目標を上回ることが予想される。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:IDnow買収個人認証ドイツ

画像クレジット:IDNow founders

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(文:Mike Butcher、翻訳:Nariko Mizoguchi

米政府による顧客データ要求の3分の1が秘密保持命令をともなう、マイクロソフト幹部が乱用に警鐘

Microsoft(マイクロソフト)の顧客セキュリティ責任者によると、同社が受ける顧客データに関する政府の要求のうち3分の1が、令状の対象者に捜査内容を開示できない秘密保持条項付きで発行されているという。

この数字は、トランプ政権下の米司法省がニューヨークタイムズ紙、ワシントンポスト紙、CNNの記者に機密情報が漏洩した事件の調査の一環として、通話記録や電子メール記録を秘密裏に入手しようとしたことを受け議員たちが立法措置を検討している中、米国時間6月30日の下院司法委員会に先立って行われたMicrosoftのTom Burt(トム・バート)氏による証言で明らかにされた。

バート氏は、このような秘密保持命令は「残念ながらありふれたものになっている」と述べ、Microsoftは「法的または事実的に意味のある分析に基づかない形式的な秘密保持命令」を定期的に受け取っていると語った。

バート氏は証言の中で、2016年以降、Microsoftは毎年2400~3500件、1日に7~10件の秘密保持命令を受け取っていたと述べた。同社は透明性レポートの中で、2020年、米国当局から1万1200件近くの法的命令を受けたと述べている。

一方、米国の裁判所が10年前の2010年に承認した秘密保持条項付き令状の数は全体で2395件であり、バート氏によると、これは過去5年間のいずれかの期間においても、Microsoft1社が1年に受けた秘密保持命令の数よりも少ないという。

「これは、クラウドサービスプロバイダーの1社であるMicrosoftが受けた要求にすぎません。この数字を、データを保持または処理するすべてのテクノロジー企業に掛け合わせれば、政府による秘密監視の乱用の範囲がわかるかもしれません」とバート氏は証言している。「私たちは、秘密保持命令を無理な基準でしか得られないように提案しているわけではありません。意味のある基準であることを求めているだけです」。

秘密保持命令をめぐる論争の多くは、ここ数週間でApple(アップル)、Google(グーグル)、Microsoftに出された秘密保持命令が失効し、トランプ政権下の司法省がデータをホストするハイテク企業にデータを要求することで記録を極秘に入手しようとしていたことを、各社が報道機関に開示できるようになったことに端を発している。

バイデン米大統領は、ジャーナリストの電話や電子メールの記録の収集を中止することを約束するとともに、機密保持に関する条項を一部削除した。しかし議員たちは、この政策を法制化するには法改正が必要であると指摘するだろう。

バート氏は、Microsoftは「秘密保持命令の乱用を防ぐために、できる限りのことをする」と述べている。ソフトウェアとクラウドの巨人は、2016年にも秘密保持命令の合憲性を問うために司法省を提訴した。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:アメリカマイクロソフトプライバシー透明性

画像クレジット:Jeenah Moon / Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Aya Nakazato)

Slackが新しいオーディオビデオ機能を発表、コロナ禍を経て変化する仕事のあり方を反映

Slack(スラック)は2020年末に、テキストベースのチャネルを拡張する新しいコミュニケーションツールについて触れていた。同社は米国時間6月30日「Slack Huddles(スラック・ハドル)」と呼ばれる新たなオーディオツールをリリースし、ビデオメッセージを残す機能や、Slack内からアクセスできる改良された従業員ディレクトリなど、その他いくつかの新しいツールの詳細を発表した。これらはすべて、変化する仕事のあり方を念頭に置いて設計されているようだ。

関連記事:Slackが企業間メッセージングを容易にするセキュリティ機能を新導入、ビデオ・音声埋め込み機能も実験中

まずは「Slack Huddles」の話から始めよう。これは、自分の考えをすべてタイプアウトするのではなく、Slack内で誰かとリアルタイムに会話ができるオーディオツールだ。タイピングが苦手な人にとっては非常に楽になるが、同社はそれだけでなく、より自発的な議論が可能になり、少なくともある程度はオフィスにいるのと似た状態になると考えている。

「Huddlesは、Slackの中でオーディオを使いコミュニケーションをとるための、軽量でオーディオファーストな方法です。これは、予定されたミーティング以外の場で起こる自発的でセレンディピタスなインタラクションを再現します」と、SlackのチーフプロダクトオフィサーであるTamar Yehoshua(タマール・イェホシュア)氏は6月29日のプレスブリーフィングで説明した。

企業はより柔軟なワークモデルを導入し続けるのに合わせ、働き方も調整しなければならない。SlackのStewart Butterfield(スチュワート・バターフィールド)CEOは、Huddlesはそのための1つの考え方だという。

関連記事:オフィス再開に向けて大手テック企業はそれぞれ柔軟なワークモデルを検討中

「同期的といっても、3分しかかからないこともあります。そうスケジュールにあるからといって、来週火曜日の11:30から12:00までの30分全部を使ってミーティングをするのではなく、今話せば2分か3分ですむかもしれません。もしHuddleで会話が途切れても、オープンにしておけば、後で誰かが参加して何かいうかもしれません。これは、電話などの会話ではできないことです」と同氏は語った。

また、すべての人が音声を聞けるわけではないことを考慮し、新しいツールにはリアルタイムのトランスクリプション機能が搭載されている。

同社は2020年から、何らかのビデオメッセージ機能を提供することも検討していた。このコンセプトは、ビデオボイスメールかまたは、短い動画を撮影してSlackに投稿するというInstagramストーリーに近いものだ。イェホシュア氏はこう述べた。「当社はこれまで考えてきましたが、人々が表現力豊かに非同期的に情報を共有・消費する方法を提供することで、人々の働き方をより柔軟にし、ビデオ会議の必要性を減らすことができると確信しています」。

この新機能により、SlackユーザーはSlack内でビデオ、音声、画面の録画をネイティブに再生できるようになる。録画した短いクリップをチャンネルやDMにアップロードすることで「他の人が自分のスケジュールに合わせて視聴・応答できるようになります」とイェホシュア氏は説明している。この機能はまだリリースできる段階ではないが、同氏によると現在試験的に導入されており、今後数カ月のうちに有料チームに提供される予定だという。

最後の部分は、Slackが2020年、企業ディレクトリを強化する目的で買収したRimetoの買収に基づいている。RimetoはSlack Atlasとして再利用され、ユーザーは情報を探すために別のプログラムに移動するのではなく、企業ディレクトリとしてSlackの中ですぐにアクセスできる。これは、Slackがユーザーを同アプリ内にとどめ、必要な情報を見つけられるようにするための方法の1つであり、コンテキストの切り替えを避けるための動きだ。この機能は現在限定的な顧客テストが行われているが、2021年の後半には利用できるようになるとのこと。

Slackはこれらのツールを2020年初めて発表し、当初は実験的なものとしていたが、すぐに製品ロードマップに移行した。バターフィールド氏は2021年3月、元TechCrunchライターで現在はSignalFireの投資家であるJosh Constine(ジョッシュ・コンスティン)氏とのClubhouseインタビューに登場し、表向きは仕事の未来について語ったが、これらのツールについても初めて詳しく説明した。

このディスカッションを、仕事の未来や、2020年に同コミュニケーションツールを270億ドル(約3兆円)で買収したSalesforceの一部としてのSlackの未来に結びつけないわけにはいかないだろう。仕事のあり方は変化しており、Slackは将来的にそのソリューションの中でより幅広い役割を果たすことを目指している。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Slackボイスメッセージビデオメッセージ

画像クレジット:AlexSecret / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Aya Nakazato)

グーグルが食料不安に悩む米国人向け新ウェブサイトとリソースを公開

Google(グーグル)は米国時間6月29日、全米で食料不足に悩む人々のための新たなリソースを提供するプロジェクトを開始する。このプロジェクトでは、ホットラインやフードスタンプの情報、地元のフードバンクやフードパントリー、学校給食プログラムの受け取り場所などを紹介するGoogleマップのロケーターツールなど、人々を食料支援リソースに結びつける新しいウェブサイト「Find Food Support」を立ち上げる。

Googleは発表の中で、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが米国における食糧危機の悪化を助長し、2020年の間に約4500万人(米国人の7人に1人)がある時点で食糧不安を経験することになったと説明しています。この数字は、2019年に比べて30%増加したと同社は指摘している。その4500万人のうち1500万人が子どもだった。

ビジネスが再開され、個人活動が再開されているためパンデミックの影響は収まり始めているが、学校給食プログラムが利用できなくなる夏の間、多くの子どもたちが空腹に耐えている。

このようなニーズに対応するため、グーグルの新しいウェブサイト「g.co/findfoodsupport」では、食料支援のリソース、米国の食料不安の問題に関するYouTubeの動画、Googleマップのロケーターツールを組み合わせて、近くのフードバンクやその他の食料支援の場所を案内している。

Googleは「No Kid Hungry」や「FoodFinder」、「米農務省」などの団体と協力して、米国50州で9万の無料フードサポートを提供する場所を捕捉したという。ウェブサイトの訪問者は、このオンラインツールで自分の住んでいる場所を入力すると、その地域の学校給食プログラムのピックアップサイト、フードバンク、フードパントリーを確認することができる。

画像クレジット:Google

本ツールでは、その場所の住所や電話番号、営業日や営業時間などの詳細が表示される。

このような情報は、Googleマップで直接見つけることができるが、適切なキーワードがわからないと難しい場合がある。例えば「food support」と検索すると、「Food Lion 」や「Lowe’s Foods」など、キーワードが一致するビジネスと一緒に、慈善団体、フードバンク、公共サービスが組み合わされて表示されました。一方、「food assistance」を検索すると、より詳細な情報を得ることはできるが、「US Food & Drug Administration」のような関連性のない結果も返される。このオンラインツールの検索結果は、より正確で精密なものになる。

新サイトでは、SNAPの特典情報や高齢者、子ども、家族など特定のグループに対するサポート、州ごとの給付ガイドライン、フードサポートホットラインなど、その他のフードサポート情報も紹介している。また、食料支援の問題に直面していない人のために、お金や時間、食料を必要としている人たちに寄付に関する情報も提供している。

またサイトには、食料不安の問題にそれぞれのコミュニティで取り組む団体が作ったYouTube動画もいくつかある。それらの動画は、軍人の家族や子ども、高齢者などいろいろな人たちが食料支援を利用している様子を見せて、食料不安は恥ずかしいことではないと説得しようとしている。Googleによると、軍人の家族というのは、まだ除隊になってない軍人兵士の家族の9人に1人は食料不安を経験しているとのことだ。また、子どもは6人に1人、学生は3人に1人、そして500万人あまりの高齢者が食料不安を抱えている。

この新しいサイトは、Emily Ma(エミリー・マー)氏が率いるGoogleの「Food for Good」計画から生まれた。Food for Goodは当初、元Google(X)、現在ではAlphabetのX事業の下の、よりスマートな食料システムの創造をめざすアーリーステージ・ムーンショットプロジェクトである「Project Delta」として始まった。チームが目指したのは、食品廃棄物が埋め立てへ向かうことを止め、食べ物を最も必要としている人たちに向けていくことだ。2020年12月にマー氏は、Project DeltaがGoogleに移行してスケールアップすると発表した。そのコアチームは「Food for Good」としてGoogleに加わり、食品追跡のチームはXに残って、より広範な問題に取り組むことになった。

Googleによると、本事業のGoogleマップ上の食料支援施設やサービスは、現在の9万から今後もっと多くなるという。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleGoogleマップ

画像クレジット:Danny O. / Flickr under a CC BY 2.0 license.

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

レシピから食事プランを作成、食材を自動的に買い物かごに入れてくれるLollipop AIのオンライン食料品マーケットプレイス

今回のパンデミックによって、オンラインで食料品を購入するようになって以来、私はいつも、なぜスーパーマーケットは、手作り料理に必要なアイテムを自動的に集めてくれるような、簡単な「レシピ」機能を提供しなかったのだろうと考えていた。それは、まだ手をつけられていないチャンスのように思えた。だがそれもこれで終わりだ。

英国の新しいオンライン食料品マーケットプレイス「Lollipop AI」(ロリポップAI)は、その機能を果たすパブリックベータ版を英国時間6月29日に公開した。このマーケットプレイスは、英国の成功したスタートアップ企業であるOsper(オスパー)、Monzo(モンゾ)、Curve(カーブ)の立ち上げに参加した英国人の連続起業家によって立ち上げられた。

創業者でCEOのTom Foster-Carter(トム・フォスター-カーター)氏が思い描くのは、複数のレシピから食事プランを作成し、食材を自動的に買い物かごに入れ、残りの生活必需品を提案するというプラットフォームだ。フォスター-カーター氏によれば、Lollipopは、健康上の目標を達成したり、料理スキルを向上させたり、食品ロスを最小限に抑えたりするために役立つだろうという。システムはマーケットプレイスとして構築されており、Sainsbury’s(セインズベリー)やBBC Good Food(BBCグッドフード)をはじめとする多くのパートナーと提携し、実際のフルフィルメントは小売のパートナーが行う。ビジネスモデルとしては、小売のパートナーから少額のコミッションを受け取り、消費財ブランドのオーナーなどからの広告も許可する予定だ。

サイトは無料で利用できるが、有料プレミアムプランも予定されている。ウェイトリストに登録した最初の1万人のベータテスターには、プレミアム機能へのアクセスが「生涯にわたって」提供され、価格は通常のスーパーマーケットと同じレートで提供されると、スタートアップは述べている。

フォスター-カーター氏は、自身の子どもが生まれた後、普通のスーパーマーケットを利用するのに何時間もかかっていることに気づき、このアイデアを思いついた。彼はこのアプローチで、一般家庭では週に数時間の節約になるはずだという(彼は、毎週の買い物をした後にこのようなサイトを作らなければならなかったという事実も簡単に指摘しておこう……)。Lollipopは、80%の家庭が1週間に1時間以上の時間をかけて食事の計画を立て、オンラインで食料品を購入していると述べている。

Lollipop MealPlanner(ロリポップ・ミールプランナー)

創業チームには、共同創業者のChris Parsons(クリス・パーソンズ)氏やIb Warnerbring(Ibワーナーブリング)氏などをはじめとして、Monzo、Farmdrop(ファームドロップ)、Amazon(アマゾン)、Sainsbury’s、HelloFresh(ハローフレッシュ)の元社員たちが名を連ねている。

フォスター-カーター氏は、このアプローチのためにどれだけの資金を調達したかについては口を閉ざしているが、JamJar Investments、Speedinvest、そして「食料品 / テクノロジー界の大物たち」であるIan Marsh(HelloFreshの元英国GM)や英国内外のオンライン食料品店の元リーダーや創業者たち、さらに「スーパーエンジェル」のCharles Songhurst(チャールズ・ソングハースト)氏やEd Lando(エド・ランド)氏たちが支援するプレシードラウンドを行ったという。

特に、ダイエットをしたい人にとっては、食事の計画が簡単になり、レシピボックス(レシピ提供)のスタートアップにも影響を与える可能性がある。

Lollipopのような野望を抱いている企業は他にもある。米国のJupiter.co(ジュピター.co)は 自身を「groceries on autopilot(食料品自動操縦)」と呼び、Jow(ジョー)は「recipe-led shopping(レシピを決めてお買い物)」を提供し、Side Chef(サイドシェフ)も同様のサービスを提供。またCooklist(クックリスト)は「食事の計画と料理のサポート」を米国で展開している。

フォレスター-カーター氏はこう語る「これはマーケットプレイスなので、私たちは従来のスーパーマーケット(Sainbury’s、Tescos、Waitroseなど)や、オンライン小売店(Ocado、Amazon)、農場直送 / オーガニック(Riverford、Farmdrop)、専用目的の単一商品(Oddbox、Milk & Moreなど)、レシピボックス(Gousto、Hello Fresh、Mindful Chefなど)、そして迅速デリバリー(Gorillas、Getir、Weezyなど)と提携することができます。

これは始まりに過ぎません。すべての食品に対するニーズを1カ所でまかなえるようにするのが私たちの計画です。Deliveroo(デリバルー)やレストランキット(Dishpatchなど)も当社から注文できるように致します。食料品はパートナーから届けられ、料理をする際には、料理用のコンパニオンアプリ(2021年7月公開予定)を使うことができます。将来的には、Lollipopを通じてお料理の腕を上げることができるでしょう」。

たくさんの商品(50~100個以上)を極めてすばやく購入できる機能を実現しているプレイヤーは、Amazonも含んでほとんど存在していない。もし上手く実現できたならそれはLollipopにとって独自の強みとなるだろう。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Lollipop AIイギリスレシピ食品ショッピング

画像クレジット:Lollipop AI

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(文: Mike Butcher、翻訳:sako)