カリフォルニア州当局、Googleに謎の艀(はしけ)の移動を勧告

時として、早く動いてぶち壊すことは、壊れた物を残すことになる。今日(米国時間2/3)報じられたニュースによると、州機関であるサンフランシスコ湾保全開発委員会(BCDC)は、Googleに対してその悪名高き謎の艀(はしけ)を移動するよう勧告した。

同社は必要な認可を受けずに建設を開始したものと思われる。APは、BCDC専務理事、Larry Goldzbandによると、トレジャーアイランド開発委員会(TIDA)は、同プロジェクトを許したことに関して罰金あるいは「執行手続」を科される可能性があると伝えている。

Google広報はTechCrunchに対して、「先ほどサンフランシスコ湾保全開発委員会から書簡を受け取り、精査しているところ」であると答えた。

TechCrunchは、BCDCおよびTIDAに連絡を取り、APの記事に関してコメントを求めている。
Googleの艀は数々の臆測を呼び、結局はGoogleのオモチャを展示するハイテク・ショウルームであることが以前明かされた。クール、ではあるが大衆の注目を維持するほどの悪役ではない。

これで艀が公式の場となるためには、新たな安住の地 ― あるいはしかるべき認可 ― を見つけなくてはならなくなった

画像:Portland Press Herald

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Aereoのサービスがニューヨークでは全容量売り切れ…目下拡張工事中

アメリカ人のテレビの見方を変えようとしているテレビストリーミングサービスAereoの、ニューヨークのユーザために用意していた全容量が売り切れた。

ファウンダでCEOのChet Kanojiaが、このニュースをTwitterで確認した。

同社は2011年ににニューヨークをパイロット市場として立ち上がり、これまでに計11の市場に展開してきた。全国ネットワークの既存テレビ局には憎まれる存在となり、ユーザ消費者にはリモートのミニアンテナを提供するという形で、テレビのOTAシグナル(無料で受信できる空中の放送電波)をとらえ、それらをインターネットに接続された受像機器へとストリーミングした。

しかもユーザは、AereoをリモートのDVRとしても利用でき、放送のリモート受信も含めて料金は月額わずか8ドルだ。

しかしAereoはこれまで、この種のビジネスの合法性を立証しようと苦労を重ねてきた。個人が兎の耳(型のテレビ受信アンテナ)を使ってテレビ放送を見ることが合法的であるように、Aereoのユーザが自分専用のレンタルのリモートアンテナを使ってテレビを見たり録画することも合法的であるべきだ、とAereoはかねてから主張してきた。

しかし、一つのアンテナで受信した信号を複数へ送信すると違法になる。そこでAereoは、そのサービスのユーザ個々にアンテナを提供しなければならない。そのため今回は、ニューヨークではもうこれ以上新規ユーザに対応できません、という状態になったのだ。

電力の問題という報道もあったが、それは誤報で、私がファウンダのChet Kanojiaから直接聞いたところによると、今、今後の新規ユーザに対応できるべく、容量の拡大に努力している、という。

だからこれは深刻な問題ではないが、同社の今後の課題は、容量拡大を迅速に行える技術と体制の整備だろう。それなくして、同社の成長はありえない。

放送企業はニューヨークでAereoが売り切れ(==大繁盛)と聞いて、不愉快だろう。彼らはAereoの立ち上げ以来、同社をいじめつづけてきた。最初はニューヨークで訴訟を起こし、次はボストンに飛び火、それからユタ、そして最近では、最終的裁定のために最高裁が乗り出してきた

これまでの地方レベルの判決を見るかぎり、Aereoは最終的にも勝訴すると思うし、テレビの見方の革命をこれからも拡大していけるだろう。番組のパッケージに対して料金を払わなければならないし、オンデマンドでもマージンを取られる、これまでの(ケーブル企業経由の)テレビの見方に、アメリカ人はおさらばできるのだ。

Aereoは、こんな公式声明を出している:

幸運にも弊社のすべての市場で堅調な成長が続いている。弊社のチームは今、全員残業体制で既存市場の容量拡大に努めている。拡張工事が終わり次第すでに申し込んでおられるお客様にはご通知申し上げるので、あらためてサインアップし、Aereoのアカウントをお作りいただきたい。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Ustreamは企業顧客重視へ移行, 無料アカウントのビデオは30日で自動削除へ

Ustreamは最近、無料のライブストリーミングをあまり強調しなくなった。でもそれは、同社が本格的に企業向け有料サービスに移行していく大きな動きの一環にすぎない。

先週Ustreamは、無料アカウントのユーザ全員にメールを送り、ビデオの保存とアーカイビング(長期保存)の方法を変える、と告げた。広告が入る無料のUstream Basicアカウントでは、ビデオは30日保存され、その後自動的に削除されるのだ。

一方、有料アカウントでは、ストレージの容量無制限、というプランが加わった。月額$19ドル99セントの会費を払うと、30日という制限はなくなる。でもProバージョンにアップグレードしないユーザには、自分のビデオをダウンロードしてユーザ自身がオフラインで保存するオプションが提供される。

無料ユーザのビデオアーカイビングを淘汰することは、企業アカウント重視への移行の一環だ。昨年同社は、機能を増強して、メディアや一般企業の顧客を増やしてきた。

協同ファウンダでCEOのBrad Hunstableによると、同社の最大の成長源は大手メディア企業だ。また、全視聴数のうち、アーカイブされたビデオの比率はとても小さい。だから、アーカイブはなくなってもかまわない。

“うちの強みはあくまでもライブのブロードキャスティングであり、そのこと自体は変わっていない”、と彼は言う。“ビデオを保存するための場所はたくさんあるが、うちの場合は視聴数の80%がライブだ”。

また同社のライブストリーミングサービスは、メディア企業以外でも使われ始めている。一部の企業は、自社ブランドの露出性を高めるためにライブストリーミングを利用しているが、そのほか、顧客やパートナーや社員たちとのコミュニケーションのためにビデオを使っている企業もある。

“ここ数年では、LinkedInやSonyといった一般企業がまるでメディア企業のようにうちのサービスを利用するようになっている。たとえば公開企業が決算報告をビデオでやる例があり、また社内放送に利用しているところもある”。

Ustreamは2007年に創業されたこの道の老舗だが、でもライブストリーミングビデオサービスの消費者離れは同社だけの傾向ではない。競合するLivestreamは元々、大きなイベントが主な収益源だし、Justin.tvはeスポーツに転向、2年あまり前には名前をTwitch*に変えた。〔*: Twitchは野球ゲームなどのライブストリーミングで毎月4000万あまりの視聴数を稼いでいる。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


動物専門のニュースサイトThe DodoをHuffington Post創業者の娘がローンチ, Softbankも出資

【抄訳】

Huffington Postの協同ファウンダKen Lererはヴァイラルに広まるニュースを今のようなビッグビジネスに育て、今ではBuzzFeedBetaworksの会長もやっている。そしてその娘Isabel Lererが今日(米国時間1/13)、動物専門のヴァイラルなニュースサイトThe Dodoをローンチした。まさに、親の血である。The Dodoは、父と息子*たちが経営するVC Lerer Venturesから200万ドルを調達している。なお、息子のBen Lererは、Thrillistの協同ファウンダだ。〔*: たぶん、Kenの息子、という意味。〕

昨年秋に終了して、そのときは発表されなかったこのラウンドには、Greycroft、RRE、Softbank Capital Technology Fund、Sterling Equities、そしてOak Investment PartnersのパートナーFred Harmanが参加している。

Lerer家は、たまたま先週末、NY Mag誌が“小型のマフィア一家”として紹介している。ニューヨークの人気スタートアップのほとんどに、彼らの手が及んでいるからだ。NBCUniversal News Groupの投資で今週話題になったNowThis Newsも、その一つだ。

ところでThe Dodoに関しては、まったくの家族プロジェクトで、娘のIzzieが協同ファウンダ、メインの投資家はLerer Venturesで、同じくLererが投資している新進のCMS、RebelMouseの上に構築/運営されている。

【中略】

Isabelは動物の権利(animal rights)に関する熱心な活動家で、コロンビア大学でも動物と人間の関係に関する研究で博士号を取った。彼女は父のKenに、肉食をやめるよう勧めるほどだ。彼のその肉なしの食生活がいつまで続くのか、という記者の質問にKenは笑いながら、“うちの娘に会ったら、それが一生続くことが分かるだろう”、と答えた。

動物専門のニュースサイトというと、いわゆる“心温まる”お話が多くなりがちだが、The Dodoの場合は、動物の権利問題が主力だ。最初の号のトップ記事でも、SeaWorldにおける動物調教師の死を、辛口な視角で取り上げている。

【後略】

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


がんばれAereo, ついに最高裁判所が最終裁定に乗り出す

メディア界の大御所Barry Dillerが後ろから支えているストリーミングTVサービスAereoは昨年の時間の大半を、既存の全国ネットワークテレビ局との法廷闘争に捧げてきた。

しかしこの裁判もやっと、最後の直線コースに入ってきたようだ。最高裁判所が今日(米国時間1/10)、この問題に最終決着をつける、と決断したのだ。

Aereoは、放送局が常時オンエアしていて一般に自由な視聴が可能な放送信号を小型のアンテナでとらえ、小額の月額料金でそのコンテンツをインターネットからストリーミングする。これまでアメリカの世帯の多くが、かなりの額の料金でケーブル企業と契約してテレビを視聴しているが、その長年の慣行をディスラプトする最初の大きな一歩がAereoだ。

ケーブル業界や、そこと長年癒着している放送業界は、Aereoに顧客を奪われることになるからおもしろくない。しかし一方裁判所は、Aereoを、クラウド上のDVRおよび消費者が使用するテレビアンテナの一種として、合法とみなしている。

これまでは、裁判でのAereoの勝訴は、ニューヨーク、ボストンなど、毎回市場が限定されていた。そこで放送局は次から次と新たな市場に関して訴訟を起こしてきた。事の本質に関する議論を棚上げして、Aereoをきりのない消耗戦でつぶすことがねらいだ(下の声明文参照)。

しかし上訴で負けてばかりいることにそろそろうんざりした放送局側は、最高裁の介入を要請し、そしてやや意外にもAereoは、この訴訟の最高裁行きに同意した

最高裁がこれまでの各地での判例を尊重してAereoに有利な判決を下せば、それは包括的な決定となるので今後は地域ごとの面倒な裁判の繰り返しがなくなる。つまり、最高裁の裁定は最終決定である。

この訴訟を審理することに同意した最高裁判所は、メディア産業の未来の形を決めるための重大な決定を行うことになる。Aereoの長期的な目標はコンテンツクリエイターが作品を視聴者に直接売れるようなマーケットプレースを作ることだ。テレビ局、ケーブル企業といった、既得権の上にあぐらをかく中間搾取者が不要になり、消える。だからもちろん、そのお値段も安くなる。今目指している既存テレビ放送のストリーミングは、過渡期的な形にすぎない。

Aereoの操業が合法と決定されれば、顧客には最終的に、無料の放送信号へのアクセスが提供される。そして最高裁は、よりオンデマンド中心型の、メディアの未来への扉を、開くことになる。

この件でAereoのCEO Chet Kanojiaは次のような声名を発表した:
[以下、英文ママ]

We said from the beginning that it was our hope that this case would be decided on the merits and not through a wasteful war of attrition. We look forward to presenting our case to the Supreme Court and we have every confidence that the Court will validate and preserve a consumer’s right to access local over-the-air television with an individual antenna, make a personal recording with a DVR, and watch that recording on a device of their choice.

This case is critically important not only to Aereo, but to the entire cloud computing and cloud storage industry. The landmark Second Circuit decision in Cablevision provided much needed clarity for the cloud industry and as a result, helped foster massive investment, growth and innovation in the sector. The challenges outlined in the broadcasters’ filing make clear that they are using Aereo as a proxy to attack Cablevision itself and thus, undermine a critical foundation of the cloud computing and storage industry.

We believe that consumers have a right to use an antenna to access over-the-air television and to make personal recordings of those broadcasts. The broadcasters are asking the Court to deny consumers the ability to use the cloud to access a more modern-day television antenna and DVR. If the broadcasters succeed, the consequences to consumers and the cloud industry are chilling.

We remain unwavering in our confidence that Aereo’s technology falls squarely within the law and our team will continue to work hard to provide our consumers with best-in-class technology that delights and adds meaningful value to their lives.

〔訳注: 自前のアンテナによるテレビ視聴の多い日本では、このAereo訴訟の問題点がややもすれば分かりにくいが、(1)Aereoの主張は、消費者にテレビを見るためのアンテナの一種を提供してわずかな使用料を得ているにすぎない、となり、(2)既存テレビ局やケーブル業界は、Aereoは放送の勝手な(ノーライセンスの)再放送により利益を得ようとしている(ケーブルの領分を犯している)、と主張する。これまでの各地裁の判決では、すべてAereoが勝訴している。ただしAereoのようなサービスの真の将来性は、実は、既存テレビ放送受信のための新型アンテナの提供がその中心ではない。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


本気のビデオ作家がYouTubeよりもVimeoを選ぶ理由, 最新プレーヤーは完全HTML5になり強力な差別化要因はもっともっとある

これまで何年間も、Vimeoの強力な差別化要因は、単純にそのユーザ体験、そしてそれは主に同社のビデオプレーヤーに由来している。さまざまなアーチストたちや、表現にこだわるビデオ作家がYouTubeではなくVimeoをアップロード先に選ぶのは、それが理由の一端だ。

しかしそれでも、当のVimeo自身は、そのユーザ体験やビデオプレーヤーにまだ改良の余地がある、と考えていた。そしてビデオプレーヤーに関してはなんと、新たにゼロから再設計し、高速化、アクセス門戸の広さ(==デバイスやプラットホームの違いを不問)、そして美しさの実現に努めた。

Vimeoの新しいビデオプレーヤーは現時点では世界最速、ビデオのロードは一瞬で終わる。同社自身の従来のロード時間の、半分になっただけなんだけど。またユーザの指示等に対する反応も素早いし、HTML5がベース、したがって、ほとんど、どんなブラウザでも、プラグイン不要でビデオを再生できる。

上で述べたアクセス門戸の広さは、HTML5に因(よ)るところが大きい。今や、デスクトップでもモバイルでもタブレットでも単純にブラウザ上でOKだ。スクリーンリーダーやボイスオーバ(あとのせ音声)も旧版と互換性があり、ビデオの作者はクローズドキャプションや字幕の翻訳をつけられる。

Vimeoのプレーヤーは共有もやりやすい。メールで友だちに送れるし、ソーシャルネットワーク上に投稿したり埋め込んだりもできる。

そして、何といっても最大の新機能はプレーヤー内トランザクションだ。同社のVimeo On Demandサービスを使ってビデオを売ることが、とてもやりやすくなった。ビデオの作者はプレーヤーの中に、それを売る機能を加えられるのだ。

Vimeoは同社のオンデマンド機能の普及~大衆化にこのところ力を入れている。多くの人が進んで利用できるように、Vimeoは売上の10%しか取らない(どこかのように30%ではない)。またプレーヤー上で気楽に買えるようになったので、いわゆるコンバージョンレート(見る→買うへの変換の率)も高まるだろう。買うためにわざわざほかの場所に行かなくてもよいのだから。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AOLが手放したWinampとShoutcastはインターネットラジオ集積サイトRadionomyが買収へ

本誌TechCrunchのオーナーでもあるAOLは、同社の古い在庫であるWinampとShoutcastを、最初は閉鎖するつもりだったが、その後売ることに心変わりした。噂では、買い手はMicrosoftと言われていたが、しかしそれは虚報だった。この2社を買うことになったのは、ベルギーのブラッセルに本拠を置く国際的なインターネットラジオアグリゲータRadionomyだ。

Radionomyとのつながりに最初に気づいたのは、WinampのフォーラムのユーザBryon StoutCarsten Knoblochだった。彼らは、Winampのネームサーバ(DNS)がRadionomyに転送されていることを発見した。その時点ではShoutcastのDNSは変わっていなかった。本誌の信頼すべき情報筋によると、しかし買収案件は2社を含み、金曜日までには契約が完了するという。

Radionomyのカタログにはおよそ6000のインターネットラジオ局が載っているが、DIYのプラットホームであることを売りにしていて、誰でもチャネルを作れる。Shoutcastのカタログには50000あまりのラジオ局が載っているから、Radionomyの業容拡大を助けるだろう。Winampのメディアプレーヤーソフトは傘下ラジオ局の番組制作を助け、またそのほかのサービスも提供できるようになるだろう。

買収によってこの二つのプロダクト/プラットホームは、より商用的な場に置かれることになる。たとえばRadionomyに投資しているMusicMaticは、商店などのためのオーディオ/ビデオ番組を制作している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Flickrの写真がやっと埋め込み可能に(しかもセットをすべて見られる)

Yahooが、Flickrの写真を、よりまともな形で埋め込み可能にした。ぼくは今、3年前の記事を読み返しているわけではない。

3年前なんて、意地悪な言い方のようだが、でもぼくはFlickrの埋め込みは、すばらしいアイデアだと思うのだ。今ではインターネットを利用する人の誰も彼もが、必ずどこかでFlickrのコンテンツを利用している。なかでも、あの偉大な、Creative Commonsライセンスの画像は広く利用されている。そしてこれからは、同サイトの画像を見ている人たち全員のネットワーク効果を利用して、さらに人気を拡大できるのだ。

埋め込みを提供すると、起源サイト/サービスへのトラフィックが増えることは、数年前からどのメジャーなサービスも経験している。Twitterはツイートの埋め込みを発表し、次いでInstagramやFacebookも発表した。Vineは立ち上げの2か月後に埋め込みを導入し、最近のモバイルアプリ/サービスはそのほとんどが埋め込みを提供している。適切な場所にそのサイトのストリームの一部を埋め込むことは、そのサイトそのものへユーザを誘うよりも、ずっとスマートだ。

Flickrから埋め込みできるのは、一般公開で共有されている写真だけで、プライベートはだめだが、それはまあ当然だろう。どの写真にもタイトルとFlickrのユーザ名が付くが、これも当然の礼儀だ。プロの写真家も一般公開/一般共有で写真をポストするときは報酬を期待しないが、しかしそれでも、クレジットなしで利用してよい、と思う人はいない。利用する側も、クレジットを明記することが、作者へのせめてもの‘報酬’だ。というわけで、Flickrの埋め込み写真にクレジットが付くのは、良いことである。

画像の下に大きくFlickrのロゴがあるのは、なんだか気になる。そのほかの多くのサービスのように埋め込みコンテンツを併置するのではなく、Flickrの埋め込み画像はわざわざIFRAMEに入れられている。それもまた、ロゴと並んで、画像をくっきりと独立させ、注目度を高める工夫なんだろう。

でも、ロゴは透明にした方がいいと思うね。あるいは、マウスオーバーしたときだけ表示されるとか。ささいな問題のようだけど、写真によってはロゴの存在が致命的な欠陥になることもある。

セット(写真集)からの写真を埋め込むと、そのセットの写真をすべて見ることができる。しかもそれらの写真は、縮小されずに原寸で表示される。下の、ウサギさんの写真をクリックしてみよう。

画像クレジット: Thomas Quine

後記: Flickrの埋め込み機能は前からあり、今回のはそれのアップデートである。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


良質な調査報道をクラウドファンディングで育て維持したいと願うUncoverage

Israel Mirskyは民主主義におけるジャーナリズムの役割を、次のようなアナロジーで説明する: 自由な社会は、強力な免疫系がないと機能しない。調査報道に従事するジャーナリスト(investigative journalists)は、感染を見つけて闘うヘルパーT細胞の役を担う。彼らはたとえば、訴追者や立法者*や世論の注意を腐敗に向けさせる。〔訳注: 訴追者や立法者, prosecutors, lawmakers…ふつうに訳すと検事や議員、となる。〕

しかし、インターネットがニュースのビジネスモデルを変えたため、媒体は記者たちに十分な報酬を支払えなくなり、その免疫系の力は弱くなっている。

今月の初めにMirskyは、クラウドファンディングのサイトIndiegogoで、新しいクラウドファンディングプラットホームUncoverageを立ち上げるための資金募集を開始した。そのねらいは、人びとが直接、調査報道のプロジェクトを支えることによって、今経済的な苦境に立つ新聞や雑誌に依存せずに、記者たちが自分の仕事をできるようにすることだ。記者の企画に資金が集まれば、Uncoverageはその記事を全国紙誌に売り込む。この際もちろん、報酬期待ではなく掲載依頼の売り込みだ。

“ぼくのような、つねに良いニュースに飢えている人間は、今調査報道が経済的に成り立ちにくくなっていることを、怖いと思う”、とMirskyは語る。

ジャーナリズムをクラウドファンディングする試みは、これが初めてではない。2011年にAmerican Public Mediaが買収したSpot.usは、ローカルニュースの充実を目指して2008年に創業された。今年の9月にローンチしたBeacon Readerは、映画/TV番組配給のNetflixのように、有料会員制(月額5ドル)でライターたちの記事を読ませようとする。ジャーナリストたちの仕事を広告収入依存にしない、という試みだ。

Uncoverageは、市民ジャーナリストを対象としない。企画がこのサイトで採用されるためには、その記者が既存のメディアの経験者でなければならない。

また、Mirskyによれば、地域ニュースも対象にしない。Uncoverageに持ち込まれる企画は、世界全体や特定地区(例: “東アジア”)、あるいは国を対象とするものでなければならない。つまり、期待されるオーディエンスが相当大きいこと。また報道写真の企画も単独では対象としないが、ジャーナリストと組んだ報道写真企画は取り上げる。

期限まであと17日の今日(米国時間12/17)現在で、目標額55000ドルに対し12000ドル弱が集まっている。

今後支援者たちは、特定の企画を支援してもよいし、あるいはより広い話題(トピック)を支えてもよい。どちらにも編集者が付き、たとえば経済的~金銭的腐敗を担当する編集者Sharona Couttsは、ジャーナリストたちと協働して企画の評価と彫琢を行う。ただし彼女の役割は、今後変わることもありえる。

また、資金を募る話題も、今後流動的である。Mirskyの頭の中に今ある話題は、経済的腐敗と、ビジネスとしての刑務所などだ。しかし今後の編集者やパートナー次第で、メインの話題は変わっていく。もちろん出資者や読者の意向によっても。

Mirskyによると、取材資金を得るためにUncoverageに持ち込まれる企画の内容や形式は、その完成度を問わない。びっしり書かれた企画書でも、未完の企画書でも、わずか500語のメモでもよい。Uncoverageは出版者と密接に協働するが、出版者側からの給与は出ないので、編集者とライターのあいだ力関係が従来とは変わるかもしれない。

“資金の一部が企業でなく個人から来るということは、全然別の形の会話をもたらすだろう”、とMirskyは言う。

しかし会話が変わっても、それが編集者いじめになるわけではない。

“目標は、記事がメジャーな全国紙誌(+インターネットサイト)に載ることだ。良質な調査報道が、記者にとっても、出版者にとっても、どんどん書けてどんどん載るようになることを期待したい”。

[画像: Flickr / NS Newsflash]

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


YouTubeがライブストリーミングとGoogle+ Hangouts On Airを完全一般公開

【抄訳】

学校の休日行事でもいい。あるいは、地域の野球大会、詩の朗読の独演、などなど、などなど、YouTubeのライブビデオサービスを今日からは、われわれ一般大衆も使えるようになる。正規のアカウントを持っていれば誰でも、YouTubeの上でライブのビデオをストリーミングできるし、Google+のHangout on Airを作れる。

YouTubeのライブサービスの“視聴率”の数字はないが、有名企業や有名人などによるライブのイベントは相当な数のビューワを稼いでいる。たとえばRed Bull Stratos Missionは、同時視聴数が800万に達した。

ライブイベントのビデオストリーミングを大衆化したことによって、Googleの(YouTubeの)、ロングテールをアーカイブしヴァイラルなビデオクリップを保存する役割が拡充される。また予約視聴は広告主にとって新しい広告手法になり、YouTube自身はテレビと互角な媒体としての地位を確保する。

膨大な視聴数を稼ぐことはないロングテールのコンテンツが、メディアとしてのYouTubeの未来にどう貢献するか、それはまだ未知数だが、近隣ローカルな広告に機会を与え、小企業のためのワンストップマーケティングを自負するGoogleの提供リソースを充実させることは確かだ。

【後略】

画像: Middle School Musical, Breaking Bad

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Open Galleryは豪華に進化したブログサービス; 美術館も個人も高機能なアートスペースを持てる

Googleはインターネット上のグローバルなミュージアムGoogle Cultural Instituteを充実させるべく、各地のミュージアムの協力を求めている。今日(米国時間12/10)同社はこれを一般公開し、ミュージアムでも個人のアーチストでも誰でも展示できるようにした。そのためにはGoogleのOpen Galleryというサービスを使用し、これを使って誰もがビデオや画像やストリートビューのコンテンツなどをアップロードできる。またそれにテキストをつけて、対話的なガイドつきツアーを構成することもできる。〔訳注: museumは博物館と美術館の両方を含意するので、ここではミュージアムという片仮名語を使わせていただきます。ここではどちらかというと‘美術館’のようですが。〕

今日は45のGoogle Open Galleryプロジェクトが公開されるので、主にヨーロッパのアーチストたちの見事な作品展示を鑑賞できる。招待のリクエストやツールへのアクセスは誰でもでき、画廊へのアクセスもツールの使用も無料だ。ブラウザ上で使用するパブリッシャーツールを使って独立のサイトを作ったり、自分の既存のWebサイトに展示やコレクションを加えることもできる。プログラミングの知識は要らないから、写真家やアーチストが自分で仮想鑑賞ツアーを構成できるのだ。

GoogleのCultural InstituteにはLabと呼ばれる物理的な別棟がフランスのパリにある。そこでは3Dスキャナや高解像度のカメラ、対話的なスクリーンなどがあり、ミュージアムやアーチストたちにとっての、それらの今後の実用方法を実験している。たとえば近未来には、写真家/フォトグラファーの作品発表方法が3D化/対話化するかもしれない。

こうやって世界中の文化的な作品を万人にアクセスできるようにするGoogleの取り組みは、ぼく自身がファンであるだけでなく、今後のインターネットやその部分集合であるWeb上の表現を、ますます充実させていくための新技術の温床にもなるだろう。まるでそれは、Googleがかつて買収したBloggerの骨を拾った形だが、もちろん単なるブログサービスの提供よりは、このような文化的芸術的な創造と展示の場を提供する方が、ずっとモアベターだ。たとえば、自分の作品をいちばん魅力的に見せられる場を探していた写真家/フォトグラファーたちは、Googleのこのプロジェクトを知ってどう思うだろうか?

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


マーケターは抑えておきたい、日本で人気のYouTube動画広告トップ10

日本でも盛り上がりを見せつつある動画広告。YouTubeでは多くの企業やブランドがプロモーションを行っているが、グーグルが12月9日、今年日本で人気を集めた動画広告のランキング「YouTube Ads Leaderboard」を発表した。トップ10では著名人が出演するTVCMの映像が目立つ一方で、15秒や30秒といったCMの時間的な制限にとらわれないメイキング映像も数多くランクインしている。以下、マーケティングに携わる人にとって広告戦略のヒントになるかもしれないトップ10の動画広告を紹介する。

1位は炭酸飲料スプライトのTVCM「スプラッシュ自販機」篇の15秒メイキング特別映像

2位は千葉県船橋市の非公認キャラクター「ふなっしー」がドワンゴの着ボイス「お・も・て・なっしー」をアピールするTVCM

3位はビキニ姿の美女がスバルのフォレスターで荒野を爆走するショートムービー

4位は再びスプライトのTVCM「スプラッシュ自販機」のドキュメンタリームービー

5位は心がざわつくと話題になった NIKE BASEBALLの選手宣誓

6位は2月20日にニューヨークで開催されたPlayStation Meeting 2013のイメージムービー

7位はAKB48の小嶋陽菜が出演する下着ブランド「ピーチジョン」のドリームブラを宣伝するショートムービー

8位は矢沢永吉がHeyJudeを熱唱するサントリー「ザ・プレミアム・モルツ」のショートムービー

9位は外国人ユニット「デジタル本兄弟」がノリノリでダンスを踊りながら電子書籍ストア「BookLive!」の魅力を伝えるショートムービー

10位はきゃりーぱみゅぱみゅが東京の街をスマホで操ることでauが目指す世界観を表現したショートムービー


Facebook、ニュースフィードに「関連記事」へのリンクを追加

Facebookは、ユーザーにとって最大のコンテンツ発見場所になる使命を帯びている。そこで、ニュースフィードにちょっとした修正を加え、記事にリンクを追加してクリックすると「関連記事」ボックスが表示されるようにした。また友達が記事にコメントをつけるとフィードのトップに浮上する。ゴールは、Facebookがニュースの共有とディスカッション両方のハブになることだ。

Facebookによると、ニュースサイトへの参照トラフィックは今年170%増加し、これはユーザー数の伸びよりも早い。それでも、ニュース発見分野では、Flipboard、Prismatic、Circaその他の専門サービス、さらにはTwitter、Google+といったソーシャルサービスとの激しい競争に直面している。

今日の変更は、ライバルたちを蹴落とす目的があるだろう。さらには、リアルタイム・イベントのためのグローバルな井戸端になろうという、Facebookの過激な野望ともつながっている。Facebookは、思い付きの話題だけでなく、もっと大きな出来事をシェアするリンクを集めたいと考えている。

具体的には、ユーザーがより面白いニュース記事を探しやすくするために、フィードにはニュース記事へのリンクを多く表示する、「特にモバイルで」。クリックしたリンクの下には「関連記事」ボックスが表示される。ここには、同じニュースメディアによる他の記事、あるいは同じ話題に関連する記事が表示される。

Facebookは、以前見たことのあるリンクをフィードの先頭に再浮上させることがある。それは友達が新たにコメントを付けた場合だ。Facebookは、エンゲージメントを高める最大の方法は、人がニュースを投稿しやすくすることだけでなく、それについて議論する場を与えることだと信じている。

さらに、Facebookはくだらない噂話と、本物のニュース記事を区別することによって、ニュースフィードからクリックベイト[釣り]を減らそうとしている。Facebookは、「これは、質の高い記事が今よりも少しだけニュースフィードで目立つようになり、他愛もない写真は少しだけ目立たなくなることを意味している」と警告する。これは、Facebookのトラフィックに頼っているコンテンツパブリッシャーにとっては大ごとだ。Facebookページは、もはやLolcatsなどの人寄せ画像をバラまくだけでは、ブランドの露出を高められなくなるかもしれない。

Facebookの〈関連順〉フィードは、新鮮な記事やその日の話題を発見するためには役立つが、速報ニュースに強い〈時間順〉フィードの持つ即時性はない。ニュース発見の戦いに勝つために、Facebookは最高のコンテンツだけでなく、〈この瞬間〉に最も重要なものを見分け、表面化させる手段を必要としている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi facebook


Facebook、「後で読む」機能をテスト中。エンゲージメント向上を目ざす

Facebookは、InstapaperやPocketに似た「後で読む」機能の導入を検討している、とAllThingsDが伝えている。しかし現在Facebookをオフラインで読む方法はないため、ユーザーのエンゲージメントや、他のユーザーがシェアした記事のクリック率を高める目的に他ならないだろう。

実装方法は実にシンプルで、ニュースフィードでシェアされているリンクを見つけたら、右側の小さなブックマークアイコンをクリックすると、アプリメニューの「保存されたリンク」のリストに追加される。例によって現在この機能は限られた少数のFacebookユーザーにしか提供されていない。広く公開されることになるのかどうかは未知数であり、Facebookのこの種のテストからは、一般公開されたものもそうでないものもある。

この手の機能の利点は、Pocketその他のサービスが示すように、サイトのコンテンツパートナーにエンゲージメントの向上をもたらすことだ。それは読む時間がない、あるいはクリックしてブックマークする時間がないなどの理由でリンクを無視していたユーザーでも、保存して後日読む可能性が生まれるからだ。

以前Pocketは、彼らのエンゲージメント効果の高さを主張してたことがある。FacebookやTwitterのようなソーシャルネットワークと異なり、成長率は低くても少数のユーザーから高いエンゲージメントを得ることが彼らの狙いだ。Pocketでのコンテンツの人気は、ソーシャルフィードで盛り上がった後にピークを迎えることがあり、ブームをこだまさせると共に長期にわたってエンゲージメントを高める。つまり、FacebookやTwitterのような一過性のものと比べて、長期間安定したユーザー行動が続くことを意味している。

例えオフラインモードがなくても、Facebookは保存記事モードを使ってユーザーエンゲージメントや再来率を高め、同サービスが取り込みに力を入れているパブリッシング・パートナーたちに高価値を提供することができる。Facebookは今以上にポータル的になろうとしている。危険が潜んでいるとすれば、FacebookがパーソナライズされたYahooホームページのようになり、友達や大切な人たちと繋がる場ではなく感じられることだが、だからこそ今、果たして適切なバランスを取ることができるかどうかをテストしているのだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)


新記録: League of Legends Season 3 Finalのビューワ数が3200万を達成, eスポーツがメジャーメディアに成長

若者たちのあいだで、対戦ゲーム(eスポーツとも呼ばれる)の人気が急騰している。今週は、世界最高の人気を誇るビデオゲームLeague of Legendsが、ロサンゼルスのStaples Centerが全席売り切れとなった最近のSeason 3のファイナルイベントにおいて、全世界のビューワ数3200万という記録を達成した。瞬間最大風速ならぬ瞬間最多同時ビューワは850万に達した。

比較してみると、10月に同じくロサンゼルスで行われたLeague of Legend Season 2のファイナルはビューワ数が820万となり、瞬間最多同時~~は110万だった。つまり、Leagueのオーディエンスは、二つのイベントの間にこれまでの1年分以上の増加を見たことになる。

なぜこのことが重要か? それは、Leagueのようなeスポーツが、人びとの、とくに若い男性層の、メディア消費パターンを変えつつあると思われるからだ。しかもこの層は、広告の最大のターゲットでもある。また、Xbox OneやPlaystation 4が出たことによってゲーム専用機の高機能化が進んでいる中で、依然としてPCゲームの人気が高いことを、あらためて認識させてくれる点でも、重要だ。

League of Legendsは5人対5人のチームゲームで、各人が100種類あまりの中から選んだ‘チャンピオン’を演じつつ戦う。チームの目的は敵の基地を破壊することだが、そのためにモンスターを使ったり、戦闘をしたり、あるいはプレイ中に得たゴールドで購入したアイテムを使ったりする。カラフルで楽しいとも言えるが、混沌のきわみでもあり、ゲームプレイはものすごく難しい。

eスポーツの人気急騰の原因は、アジアでテレビが取り上げたからだけではない。むしろ、ライブストリーミングのTwitchによって、あらゆるゲームのオーディエンスが一挙にグローバル化したことが大きい(まだときどき不具合はあるが)。SonyとMicrosoftがともに、この技術を自社の新鋭機に取り入れたのは、偶然ではない。

上で見た数字に対する疑問は、単純だ: 2014年のシーズンにLeagueはどれだけ大きくなるのだろう?

画像クレジット: LoLEsports

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Pewによるソーシャルメディア比較レポート:米国成人の30%のニュース入手元はFacebook。意外な存在感を示すのはYouTube

Pew Research Centerが、アメリカの成人がどのソーシャルネットワークからニュースを取得しているかという調査を行った(以前、FacebookTwitterに関して行った調査の続編のような感じだ)。

ニュースを印刷メディアから入手するというスタイルはますますマイナーなものとなりつつあり、その代わりにソーシャルメディアの場がニュースメディアにとってさらに重要な場となりつつある。ソーシャルメディア側とすれば、自身の広告ビジネスを一層拡大するために、魅力的なニュース消費の場を提供して、多くの人の注目を集めたいと考えているわけだ。つまりニュースメディアおよびソーシャルネットワークは、同じ方向に向かって互いを大事にしつつ踊るダンスパートナーのような存在になっているのだ。今回のPewの調査は、相互依存ないし相互発展の方向性が、うまく機能しているのかどうかをチェックする意味もある。

調査結果の報告内容を見て行こう。おそらく読者の方の想像通りだろうが、世界最大のソーシャルネットワークであるFacebookが、アメリカ国内においてもやはり強大なパワーを持つ。66%のアメリカ成人が利用していて、利用する人のうちのほぼ半数(全体からみると30%ほど)が、ニュースをFacebookから得ていると回答している。

ところでニュースの人気投票のようなサービスを提供しているRedditについて見てみる。すると調査対象のうちの2%がRedditからニュースを得ていると回答している。しかしRedditを使っていると回答している人はわずか3%だ。つまり、Facebook利用者では50%がサービスからニュースを得たと述べているのに対し、Redditでは66%の人がサービスによってニュースを得ているということになる。内容から考えれば当然のことかもしれないが、ニッチとしてのRedditの存在意義がよく表れていると思う。

ニュースを得ている人数がFacebookに次いで多いのはTwitterだ。利用者数はアメリカ成人の16%で、そのうちの半数ほど(52%)がニュース目的であるとしている。全体に占める割合でいえば8%ほどということになる。

ちなみに全体に占める割合(人数)だけに注目するのなら、実はFacebookの次はYouTubeとなっている。Pewのレポートによると、アメリカ成人の51%が定期的にYouTubeを利用しているのだそうだ。もちろんここでニュースを取得したという人の割合は20%に留まっている。しかし母数が大きいことで、アメリカ成人全体の10%が、YouTubeからニュースを得ている計算になるのだ。

ちなみにLinkedInからニュースを得たと回答した人は少ない。利用者率は19%だが、ここでニュースを入手したと回答した人は13%となっている。すなわち全体に占める割合でいうと3%ということになる。当該サイトからニュースを得たと回答した人の割合でいえば、(なんと)MySpaceの方が上回ることとなっている。

LinkedInがPulseを買収したのには、こうした状況についての対応策としての意味もあったのだろう。LinkedInと融合したサービスを提供しようとしているのだ。こうした動きが奏功するかどうかについては今後を見守りたい。取りあえず利用者層について言えば、ニュース消費を積極的に行う層と重なっているとは言えそうだ。

それぞれのソーシャルネットワークからニュースを得ていると主張する人の割合と、利用者数を乗じて全体に占める割合を示した図を示しておく。

構成層データ(Demographics). 先にも記したように、LinkedInの利用者と言うのは、ニュース消費者としても積極的な層であるということができよう。しかし18-29歳の人口層におけるTwitter人気の高さも注目に値する。アメリカ国内における18歳から29歳までの人口層では、45%がTwitterからニュースを得ているというデータもある。もっと言えば、50歳以下の層ではTwitterの強さは圧倒的でもあるのだ。50歳以下のアメリカ人のうち83%が、Twitterからニュースを得ていると話している。Facebookもこれより10%低く、73%ということになっている。

ちなみに、Twitterは男女構成がほぼ50/50であるという点にも特徴がある。Facebookは58%が女性利用者となっている。一方でYouTubeおよびLinkedInでは男性利用者が多いようだ。計算してみると、ソーシャルメディアからニュースを入手しているアメリカ成人女性全体のうちの52%が、Facebookからニュースを得ていることになるようだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


もうサードパーティのストリーミングサービスは要らない, AWSがGPUインスタンスにより自前でサービスを提供

ラスベガスで行われているAmazonのデベロッパカンファレンスre:Inventで今日(米国時間11/13)、モバイルデベロッパ向けの新しいサービスが発表された。そのサービス、Amazon AppStreamは、同社が最近ローンチしたEC2のGPUインスタンスを利用して、ストリーミング機能を必要とするアプリケーションのデベロッパが、どんなモバイルデバイスに対しても簡単にHDでストリーミングできる、というサービスだ。このインスタンスタイプはもっぱらモバイルデベロッパ向けに売り込みされているが、でもデスクトップアプリケーションがこのサービスを使えない理由はない。

現状は制限付きのプレビューなので、利用したいデベロッパはここで登録する。

Amazonによると、この新しいサービスによりデベロッパは、“再現性の高い、リッチなグラフィクスを要するアプリケーションを多様なデバイスの上で動かせるようになり、しかもそのアプリケーションは始動が速く、AWSクラウド上のコンピューティング/ストレージリソースのすべてにアクセスできる”。

ストリーミングには、Amazonが開発した新しいプロトコルAmazon STXが使われる。それによりデベロッパは、複雑な3Dゲームの対話的なHDビデオから、彼らのアプリケーションの計算集約的な部分に至るまで、あらゆるものを、クラウドからストリーミングできる。EC2のg2インスタンス(GPUインスタンス)を使えば、デベロッパはグラフィクスのすべてをクラウドでレンダー(render, 描画処理)できる。

AppStreamを使用するアプリケーションは、デバイスのセンサをすべて利用でき、それらのデータをクラウドへ送れる。

Amazon Web Services担当SVPのAndy Jassyが今日のキーノートで述べたところによると、この新サービスが提供されることによってデベロッパは、これまでモバイルデバイスでは利用の困難だったリソース(高品質なストリーミング+使いやすいAPI)に容易にアクセスできるようになる。モバイルは、デバイスが小さいので重要な処理はどうしてもクラウドに依存することになる。今人気の高いモバイルアプリの多くが、すでにモバイルの上で(とりわけAWSの上で)動いている。というわけで同社の主張によると、“アプリケーションの可利用性はそれが利用されるエンドユーザデバイスの性能…コンピューティングパワー、ストレージ、グラフィクスのレンダリング能力…に制約されない”、ということになる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ジャーナリスト向けツールを集めたGoogle Media Toolsサイト公開―マップAPIのチュートリアルなども提供

GoogleはGoogle Media Toolsというメディア、ジャーナリスト向けのツールを集めたサイトをローンチした。Google検索、トレンド、マップなど記者や編集者などのジャーナリストに役立つツールを一箇所に集め、さらにそれぞれの効果的な利用法のチュートリアルを提供するものだ。このサイトには選挙から災害の報道まで、記事をわかりやすく、強く印象づけるさまざまな手段が集められている。

このツールのセットは先週開催されたOnline News Association (ONA)の2013年カンファレンスで発表されたものだが、今日(米国時間10/21)、Googleの公式ブログを通じて一般公開された。

Google Media ToolsはさまざまなGoogleサービスへの単なるリンク集ではない。ジャーナリストは、Googleの透明性レポートの仕組みやGoogle Maps APIを使って記事にビジュアルに印象的なカスタム地図を埋め込む方法などを学ぶことができる。

また執筆した記事をGoogleのさまざまなプラットフォーム上で公開するための正しい手順についても解説されている。たとえばGoogleニュースに収録させるための手続きやGoogle+ハングアウトを利用してビデオインタビューを一般公開する方法などだ(私自身の個人的経験からしてもビデオチャットを利用したリモート取材の必要性は非常に高まっている)。

GoogleがMedia Toolsをスタートさせたのは、ライバルのFacebookとTwitterがそこで生産されるさまざまなソーシャル・データを積極的にジャーナリストに提供する努力を続けているのに対抗するためだろう。この夏FacebookはTwitterの後を追って公開投稿を他のサイトにエンベッドできる機能を追加した。同時にFacebookはトレンド、ハッシュタグ、認証ユーザーなど他のTwitterの機能も取り入れた。Facebookはまた最近、公開フィードAPI、キーワード・インサイトAPI発表した。これはCNN、Today Show、BSkyBなど一部の有力メディアにFacebookの公開データ全域に渡ってキーワードなどによるあらかじめプログラムした検索の実施を許すものだ。

こうしたツールの利用はメディア関係者に限られるわけではない。企業やマーケッターにとってもコミュニケーションの効果をアップするのに使える。今やデータこそ商品の時代だ。

Twitterの場合、早くからサービスをメインストリーム・メディアで利用にしてもらうよう売り込む努力を重ねていた。これによって一般ユーザーのTwitterへの認知が高まり、その利用法も広く知られるようになった。Googleの知名度はもちろん圧倒的だが、それでも利用者を増やす努力は止めていない。特にスマートフォンとタブレットの登場によって新たにインターネットのユーザーに加わった層に対するアピールには力を入れている。

Googleのメディア支援責任者、Daniel Siebergの説明によれば、「この新サイトはジャーナリストが取材し、読者にインパクトを与える記事を制作する過程で利用できるインターネットの資源のショーウィンドウを提供するのが目的だ。今後、ケーススタディー、チュートリアル、多言語サポートなどによってさらに内容を拡充していく予定だ」という。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


HuluがNintendo 3DSにもやってくる…二画面を便利に使って

Huluは、あなたがもうすぐケーブルテレビとおさらばした方がよいと思われる三つの大きな理由の一つだが*、今日(米国時間10/17)は同社がストリーミングで提供するテレビ番組や映画をNintendo 3DSとNintendo 3DS XLとNintendo 2DSからも見られるようにする、と発表した。〔*: 映画やオンデマンドTV番組をインターネットで見るならHuluやNetflix、リアルタイムのテレビ放送をインターネット経由で視聴/録画するならAereoで、計“三つの大きな理由”。多くのアメリカ人は、電波受信でテレビを視ない。〕

Huluの公式ブログによると、HuluとNintendoの協働により、さまざまなハンドヘルド(手持ち型)ゲーム機に良質な試聴体験を提供する。とりわけ、それらのデュアルスクリーンオプションを有効利用する。

つまり、ユーザは上部画面でHuluのコンテンツを見ながら、下部画面でコンテンツの各種オプションを閲覧できる。閲覧内容は、それまでのHuluユーザのユーザ体験と同じで、各カテゴリーごとにトレイがあり、リコメンデーションもある。

また、Nintendo 3DSとNintendo Wii/Wii Uの両方を持っているユーザ向けに、外出時に3DSアプリは番組をWiiから3DSに自動的に入れ替える。なんとお利口な!

Huluの3DSアプリにはSmart Playという機能があり、どのデバイスで見ていた番組でも、視ていた最後のエピソードをボタン一つで即座に再開する。

3DSアプリにはKids Lockがあり、子ども用コンテンツしか視られないようにできる。Nintendo 3DSや2DSは、オーナーが子どものことが多いから、この機能は親にとって安心だ。

Huluの登録は、ここで行うが、ほかのデバイスの場合と同じく、一週間の無料お試しがある。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ダンス専門のYouTubeネットワークDanceOnが$4Mを調達–オリジナルコンテンツの充実へ

YouTubeネットワークDanceOnは、成長著しいビデオビジネスのために資金を調達した最新のニューメディア企業だ。YouTubeでダンスといえばここ、といわれるナンバーワンのチャネルが、Plus CapitalとAMC Networksが幹事するラウンドで400万ドルを確保したのだ。

このところYouTube上では、多くのチャネルをアグリゲート(集積)し、自分のビデオも作る、というマルチチャネルネットワークがいくつも登場しているが、DanceOnもその一つだ。また、Machinimaはゲーマー、Tastemadeは食べ物、というように、DanceOnもやはり特定の垂直市場をターゲットとする。それは、ダンスエンタテイメントだ。

数年前にスタートした同社は、YouTubeがオリジナルコンテンツ育成のために用意した1億ドルのファンドの対象となる、100あまりのチャネルの一つに選ばれた。その幸運がバネとなって、同社はオリジナル番組の制作や、YouTube上のそのほかのクリエイターたちとのパートナーシップにより、人気を増していった。

DanceOnのCEO Amanda Taylorによると、彼女が最初に考えたのは、ダンス愛好家のコミュニティを作ることだった。会社の立ち上げは、 MadonnaのマネージャでA-Gradeの協同ファウンダでもあるGuy Osearyや、MachinimaのCEO Allen Debevoiseに助けられた。

DanceOnは、YouTube上にダンス専門のチャネルやクリエイターを見つけて彼らのビデオのマネタイズを助けるだけでなく、人気の高いDance Showdownに代表されるような有料オリジナルコンテンツのシリーズも制作している。たとえばダンスコンペ”So You Think You Can Dance”ふうのシリーズでは、ダンスとは関係ないカテゴリーのYouTube上のスターたちを招き、コンペに無理やり参加させる。またドキュメンタリーシリーズ”The Edge”では、ミュージシャンのツアーやビデオ制作現場を追う。

今後は、オリジナルコンテンツにより力を入れると同時に、技術にも投資していく。たとえば、パートナーたちがコンテンツをもっと容易にアップロードできるためのツールがほしい。今社員は16名だが、数か月以内に25名あまりに増やす予定だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))