Uberがドライバーと乗客のマスク着用を義務化へ

Uber(ウーバー)はドライバーと乗客にマスクの着用を義務付けようとしている。新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックに苦闘するライドシェアリングビジネス復旧に向けての取り組みだ。

CNNが最初に報じたニュースによると、米国を含む一部の地域でドライバーと乗客のマスク着用を義務付ける新たなポリシーを経営陣が承認した。TechCrunchは米国時間5月4日に、Uberが一部の市場向けにポリシーを制定したことを確認した。

しかしUberはまだ、ある大きな課題に直面している。それはドライバーを保護するために必要なマスクその他の用具を十分確保することだ。同社によると、主要メーカーは医療従事者をはじめとする救急作業者を優先しているため、複数の注文が遅延あるいはキャンセルされているという。

Uberがどうやってこのポリシーを強制するかもわかっていない。

「国の経済が再開するにあたり、Uberは安全を最優先し慎重に進めていく」とUberの広報担当者がメールによる声明で語った。「現在当社は、ドライバーに対して可能な限り家に留まるよう求める一方、不可欠な利用に従事するドライバーのために保護用品を配送している。同時に我々は復旧の次期フェーズに向けての準備も進めている。そこには我々全員が果たすべき役割がある。最終方針が決まり次第ユーザーに伝える予定だが、それまでも全乗客およびドライバーには、Uberを利用する際マスクやフェイスシールドを使うことを強く推奨する」。

Uberはユーザーに対しても家に留まるようアプリ内メッセージやテレビCMなどを通じて訴えている。アプリは今も利用可能であり、ユーザーは食料品の買い物や薬局など不可欠な外出に利用している。Uberは乗客とドライバーにマスクなどの顔面保護具の着用を強く勧めているが、まだ強制はしていない。

ドライバーの保護

新型コロナパンデミックがヨーロッパと北米を急速に襲うにつれ、Uberドライバーたちは自分たちが最前線にいることに気づき始めた。医療従事者など感染者と接触した可能性のある救急要員を乗せることも多い。

2020年4月にUberは、全世界のアクティブなドライバーと配達員にマスクを購入、配布すると発表した。しかし、新型コロナは世界中でマスクや消毒薬の供給を圧迫した。Uberやその他のライドシェアリングのドライバーが、マスク入手の問題を報告している

4月第1週、Uberは約50万枚のマスクを入手しドライバーへの配布を開始したと語った。当初同社は、ニューヨーク市、ロサンゼルスなど新型コロナ感染多発地域のアクティブなドライバーを対象とした。ロサンゼルスのEric Garcetti(エリック・エリック・ガーセッティ)市長は、企業が不可欠な任務につく労働者に個人防護具を提供することを義務付ける労働者保護命令に署名している。さらにUberは、ドライバーにマスク着用を義務付けているサンフランシスコ、ワシントンDCおよびニュージャージー州の各地域にも優先的に配布すると語った。

必要な用具をさらに入手でき次第、アクティブなドライバー全員に行き渡るようにするつもりだとUberはいう。同社の最終目標は、地域の規則に関わらず全国にマスクを提供することだ。

Uberは今週までに、米国内でマスク140万枚の発送あるいは発送準備を終えている。さらに同社は、4月初めから消毒薬をシカゴ、ロサンゼルス、ニューヨーク、シアトルおよびワシントンDCのドライバーに配布している。

画像クレジット:Thomas Trutschel / Contributor / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

日本参入狙う自動車データ活用プラットフォーム開発のOtonomoが49億円調達

最近の車は貴重なデータを生み出すことができる。ただ、適切なツールなしではデータは埋もれたままで、その価値は生かされない。

コネクテッドカーから生み出されるデータを自動車メーカーが管理したり使ったりできるようにしようと、多くの企業が登場氏、サービスを開発している。イスラエルのスタートアップであるOtonomo(オトノモ)もそうした企業の1社だ。車両のデータを収集して匿名化するクラウドベースのソフトウェアプラットフォームを開発し2015年にこの業界に参入した。これらのデータを、電気自動車の管理やサブスク式の充電、駐車、マッピング、使用量ベースの保険、緊急サービスなどを提供するアプリを作るのに使うことができるようにする。

Otonomoは今週、自動車データプラットフォームを次のレベルに進化させるためにはシリーズCラウンドで4600万ドル(約49億円)を調達したと発表した。本ラウンドにはSK Holdings、Avis Budget Group、Alliance Ventures、そして既存投資家のBessemer Venture Partnersも参加した。Otonomoがこれまでに調達した資金は8200万ドル(約88億円)となる。

同社によると、新たに調達した資金は事業拡大やプロダクトの改良、競争力の保持に活用される。同社はまた新たなマーケット、特に韓国と日本への参入を狙っている。

「最も厳しいプライバシーとセキュリティの基準に準拠しつつ、我々はいま車のデータを全体的な交通エコシステムのために可能な限り価値あるものにするというビジョンを展開するのに必要なリソースを拡大中だ」とOtonomoのCEOで共同創業者のBen Volkow (ベン・ヴォルコフ)氏は声明で述べた。

同社は、コネクテッドカーのデータを取得する際に安全を確保しつつ、データを収益につなげる機会を創造することにフォーカスしている。データが安全に収集されると、企業が車両やスマートシティ、個人客向けのアプリやサービスを開発するのにデータを使えるようプラットフォームがデータに修正をかける。プラットフォームではまた、個人データと集計データの両方を使いながらもGDPRやCCPA、その他のプライバシー規制に沿うソリューションにする。

Otonomoのプラットフォームは今では車メーカーや車両、農場、建設メーカーとの提携を通じて、車両2000万台超から1日あたり26億データポイントを取得している。Otonomoは25社超と提携していて、そのリストには Daimler(ダイムラー)、BMW、三菱自動車、Avis Budget Groupなどが含まれる。Otonomoによるとさらに7社が間もなく加わるとのことだ。

Otonomoのチャンスは拡大する見込みだ。SBD Automotiveは、2020年に北米と欧州のマーケットで販売される車の70%超がコネクテッドカーになると予測している。

画像クレジット: Art Wager / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Lyftがオークランドとオースティン、サンノゼでの電動スクーターシェア事業から撤退

従業員982人の解雇と288人の一時帰休を発表したばかりのLyftは、いくつかの都市でのスクーター事業から撤退する。「我々が最も影響を及ぼすことができ、かつ自治体やライダーに最も歓迎されるところにリーソースを振り向ける」とLyftの広報担当はTechCrunchに述べた。「当社は引き続き自転車とスクーターの事業に投資を行う。しかし3つのマーケットから、長期的な成功が望めるところへとリソースを転換させるという難しい決断を下した」

オークランドのユーザーに昨日送られた電子メールの中で「スクーターはもう利用できない、即時発効」とLyftは書いている。「我々のスクーターを利用してくれて感謝している。失うのは残念なことだと承知している。しかし心配しないでほしい。Lyftはまだオークランドで前進を続けている。この困難な時期に、行く必要のあるところに移動できるようサポートする」

同社はまたオースティンサンノゼのサービスも完全に停止した。オースティンでのサービス廃止の決断は、同社が3月中旬に一時的にスクーターを撤去し、4月初めにエッセンシャルワーカーのためにスクーターを戻したことに続くものだ。

同社のサイトによると、今後Lyftのスクーターはデンバー、ロサンゼルス、サンディエゴ、サンタモニカ、ワシントンD.C.でのみ利用できる。目下、マイアミでの同社のオペレーションはまだ一時停止したままだ。

新型コロナウイルスパンデミックで影響を受けているスクーター事業者はLyftだけではない。たとえば、LimeとBirdもいくつかのマーケットでオペレーションを停止している。Birdはまた、Lyft同様に経済的な問題も抱えている。Birdは3月に従業員の30%を解雇した。

しかしパンデミックの前からLyftは多くの都市でスクーター事業を停止している。昨年11月にはナッシュビル、サンアントニオ、アトランタ、フェニックスエリア、ダラス、コロンバスでサービスを終了させた。その際、同社は20人を解雇した。

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(翻訳:Mizoguchi

クラス8の電動大型トラック「Tesla Semi」は2021年に発売延期、当初より2年後ろ倒し

Tesla(テスラ)は全電動のクラス8(大型)トラックTesla Semiの生産・販売開始を2021年に延期する。4月29日の四半期決算発表で明らかにした。当初計画より2年ずれ込むことになる。

「我々は最初のTesla Semiの発売を2021年にシフトさせる」と同社は説明し、それ以上の情報は出さなかった。

Tesla Semiは2017年11月に、同社のデザインスタジオとElon Musk(イーロン・マスク)氏の別の会社SpaceX(スペースエックス)があるカリフォルニア州ホウソーンでの華々しいセレモニーで発表された。デビューさせたとき、マスク氏はSemiがテスラの Model X、Model S、そしてModel 3のような走りになることを約束した。またSemiは、最大積載量の荷物を積んで時速100kmで走っても、フル充電での航続距離は800kmという驚くべきスペックも誇った。

プレオーダーを入れたWalmart(ウォルマート)やAnheuser-Busch(アンハイザー・ブッシュ)を含め、顧客から関心が寄せられた一方で、目標としていた2019年に開発が間に合わなかった。

今年初めの第4四半期決算発表で、テスラは久しぶりにSemiについての情報をアップデートし、「台数限定ながらTesla Semiの生産を今年開始する計画だ」と述べていた。

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(翻訳:Mizoguchi

テスラが中国でModel 3を今年2回目の値下げ、補助金条件変更に対応

Tesla(テスラ)は、中国でのModel 3標準レンジモデルの販売価格を下げると発表した。中国政府の新たな補助金交付条件に合わせるためだ。値下げは今年2回目となる。数カ月前、中国産のModel 3ベースモデルの価格は9%下げられた。

中国政府からの電気自動車へのリベートを受け続けるためには、テスラ車両の価格を下げる必要がある。中国政府は、補助金を受けるには価格は30万元(約455万円)以下でなければならない、とする新たなルールを設けた。

中国で生産されたModel 3ベースモデルの本体価格は補助金なしでは32万3800元(約490万円)だ。

「4月30日から価格を引き下げる」とテスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は29日の決算発表で述べた。マスク氏は具体的な数字は挙げなかったが、価格を下げても利益を生むと自信を示した。

同社の最高財務責任者Zachary Kirkhorn(ザック・カークホーン)氏は、第1四半期の上海工場での車両生産コストはすでに米国でのModel 3生産コストを下回っている、と付け加えた。この利ざやは中国でのサプライチェーンが改善するにつれ大きくなるはずだ。上海工場で車両を生産するために同社はまだ部品の一部を米国から送っている。

画像クレジット: Qilai Shen/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

テスラのQ1売上高は約6400億円、新型コロナ禍でも3四半期連続の黒字

Tesla(テスラ)は4月29日、第1四半期の売上高は59億8500万ドル(約6400億円)で、最終損益は1600万ドル(約17億円)の黒字だったと発表した。車販売利益の改善や営業費用の削減が貢献した。

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックによりオペレーションが停止し、販売も落ち込んだため、第1四半期の売上高は2019年第4四半期よりも少なかった。しかしTeslaはなんとか利益を確保し、COVID-19による混乱にもかかわらず、3四半期連続の黒字となった。

同社の決算は複雑だ。米国会計基準で利益を確保した一方で、フリーキャッシュフローは8億9500万ドル(約960億円)のマイナスとなった。同社は2020年にフリーキャッシュフローをプラスにすることを目標としていた。

Teslaの黒字は、営業費用が2019年第1四半期に比べて13%減となったことと、車販売利益の改善によるものだ。同社はまた、ゼロエミッション車規制制度で得られるクレジットを昨年よりも多く現金に換えた。同社はクレジットからの収入を自動車売上高に計上している。

自動車販売の粗利益率は25.5%となり、前年同期の20.2%から改善した。クレジットからの収入を自動車販売に加えていて、その数字から粗利益率が算出されている。第1四半期のクレジット額は3億5400万ドル(約380億円)で昨年同期比64%増となった。昨年のクレジット収入は第2四半期以降に1億1100万〜1億3400万ドル(約120〜140億円)に落ち込んだ。

59億8500万ドルという売上高は、前四半期の73億8000万ドル(約7900億円)より19%少ない。しかし昨年同期の45億ドル(約4800億円)からは32%の増加だ。

最終損益は1600万ドルの黒字で、1株あたり利益は9セント(約9.6円)だった。この数字は1億500万ドル(約110億円)の黒字だった前期より85%少ない。前期の希薄化後の1株あたり利益は56セント(約60円)だった。ただ、今回の第1四半期の決算内容は、7億200万ドル(約750億円)の赤字だった前年同期よりもずいぶんいいものだ。

一時的な項目調整後では、2020年第1四半期は2億2700万ドル(約240億円)の黒字で、1株あたり利益は1.24ドル(約132円)だった。

同社の現金及び現金同等物は、前四半期よりも18億ドル(約1900億円)増えて81億ドル(約8700億円)となった。主に2月の23億ドル(約2500億円)もの資金調達による増加だ。

第1四半期はTeslaにとってマイルストーンづくしとなった。上海工場が量産を開始して初めての四半期であり、同社がModel Yの生産と販売を開始した四半期でもあった。

同社は先に発表していた、2020年に50万台販売するという目標はまだ据え置いているが、目標を達成できるとは言っていない。生産の一時停止にもかかわらず、今年50万台超を販売できるだけの生産能力にしたと同社は述べている。

「米国の工場に関しては、我々とサプライヤーが操業再開後すぐに生産増やせるかは不透明だ。各サプライヤーや行政と緊密に連携を取っているところだ」と同社は株主へのレターで述べた。

同社が決算を発表した前日に、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は彼のフォロワー3340万人に向けて「FREE AMERICA NOW」とツイートした。これはベイエリアの一部が外出禁止措置を5月末まで延長することへの反応だ。同社はパロアルトに本部を置き、主力工場といくつかの関連施設はカリフォルニア州フリーモントにあり、いずれも外出禁止例が出ている。

同社は3月24日に生産を停止した。5月4日に再稼働させる計画だった。ネバダ州スパークスの工場やニューヨーク州バッファローのソーラー施設など米国内の他のオペレーションも一時停止している。

4月初めにTeslaは、第1四半期の販売台数が8万8400台だったと発表した。ほとんどのアナリストの予想を上回るものだったが、COVID-19パンデミックによる需要押し下げやロジスティックの混乱で前四半期比21%減となった。

同社は第1四半期に前四半期より2%少ない10万3000台の電気自動車を生産した。

画像クレジット: Tesla

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(翻訳:Mizoguchi

GMが完全電気自動車GMCハマーEVの発表を延期

GMは米国時間4月29日、新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、GMCブランドの全電動車Hummer(ハマー)の発表を延期することを明らかにした。

画像クレジット:GM

5月20日に予定されていたハマーEVのデビューは、新型コロナウイルス感染症の流行が原因で延期されることになった自動車関連のイベントとしては、ここ数カ月間で最新のものとなる。ジュネーブモーターショーも中止が決まり、キャデラックのLyriqの発表も延期されている。

GMは、発表のスケジュールは再検討するとしており、GMCハマーEVの開発作業自体は「順調で障害はない」と述べている。

同社は今年初め、ハマーを新たに電気自動車として復活させると発表していた。そしてそれ以降、この「スーパートラック」のビデオをティーザーとしていくつも公開していた。中には、NBAのスター選手であるLeBron James(レブロン・ジェームズ)氏を主役に採用し、「Quiet Revolution」(静かな革命)と題された、スーパーボール用のハマーの30秒間の広告映像もあった。

GMはまだ、この車の基本価格を発表していないが、いくつかの仕様は公開していた。それによると、1000馬力相当のパワーを持ち、3秒で静止状態から60mph(時速約96.5km)まで加速する。またトルクは、1万1500フィート(約1590kgm)を備えている。

ハマーEVは、ミシガン州にあるDetroit-Hamtramck(デトロイト・ハムトラック)工場で生産される予定だ。GMは以前、同組立工場に22億ドル(約2345億円)を投資する計画を発表していた。そこで、全電動トラックやSUV、および子会社のCruiseが発表した自動運転車を生産するためだ。その際にGMは、さらに8億ドル(約853億円)を、サプライヤーの設備や、新たな電動トラックの発売に関連したプロジェクトのために投資する予定だと明かしていた。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Lyftが新型コロナ影響で従業員982人解雇、288人を一時帰休に

Uberが全従業員の20%の解雇を検討しているという記事が出てから24時間もしなうちに、Uberの最大のライバルであるLyftも人員削減を発表した。

Lyftは4月29日、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、全従業員の17%にあたる982人を解雇し、さらに288人を一時帰休とする、と明らかにした

同社はまた給与カットも行い、経営トップは30%、幹部は20%、その他の従業員も10%削減される。一方、Lyftの取締役会は2020年第2四半期の報酬の30%を辞退する。

その結果、リストラ費用2800万〜3600万ドル(約30〜38億円)が発生し、第2四半期決算に計上される見込みだと同社は述べた。

3月11日以降のテクノロジー部門のレイオフが3万2221人を超えたところでの今回のニュースだ。外出禁止令を受けて人々がさほど移動しなくなったこと、車内で他人と接近すると感染の懸念があることなどから、輸送事業は大きな打撃を受けている。

Lyftの解雇は労働市場ではほんの一部にすぎない。Lyftのドライバー(そして世界中の他の配車サービスプラットフォーム)は同様に収入減に直面している。需要が多ければ、ドライバーはプラットフォームが扱う額の増大により恩恵を受けられる。Lyftが従業員を解雇すれば、プラットフォーム取扱高が急減することは想像に難くない。同社が2020年のガイダンスを撤回したことを考えるとこれは予想されることだが、車の支払いを抱えた自営ドライバーの視点で考える必要がある。

LyftはCOVID-19の影響を受けた「ドライバーと脆弱なコミュニティをサポートするイニシアチブ」に650万ドル(約7億円)を拠出することを約束した。Uberはパンデミックの間、ドライバーをサポートする取り組み展開してきた。両社はまた、Uberが医薬品の配達を模索し、Lyftは支援組織のための配達に取り組むなど、コロナ危機下で自社プラットフォームは役立つとアピールしてきた。

マーケットの反応

2020年を迎える前、UberとLyftは投資家に対し黒字化を約束した。しかし新型コロナウイルスと移動への影響のためにその約束の実現は疑わしい。ただ、今年初め、Uberはアナリストと会合の場を持ち、「たとえ配車サービスがうまくいかず今年の残りの期間に需要が大きく落ち込んでも、キャッシュが不足することはない」とその場で約束した。

そうしたニュースを受けてUberとLyftの株価は値上がりした。そして本日4月29日、Uberの従業員解雇の検討やLyftの解雇発表を受けて、Uberの株価は6%、Lyftの株価は5%上昇している。投資家は従業員の削減がオペレーションに悪影響するということには無関心なようだ。実際のところ株価上昇は、そもそも解雇がなぜ必要なのかという懸念ではなく解雇の是認を示している。

決算のシーズンだが、Uberは5月7日に、Lyftはその前日の5月6日に発表する。詳細が間もなく明らかになる。

画像クレジット: Mat Hayward / Getty Images

“新型コロナウイルス

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(翻訳:Mizoguchi

フォードが自動運転車両によるサービス開始を2022年に延期、新型コロナの影響で

Ford(フォード)は4月28日、自動運転車両によるサービス開始を2022年に延期すると明らかにした。新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックを受けてGTM(Go-To-Market)戦略を見直した結果だ。

計画の後ろ倒しは、4月28日の市場がクローズした後に発表された同社の四半期決算の中で明らかにされた。第1四半期決算は20億ドル(約2130億円)の赤字で、前年同期は11億ドル(約1170億円)の黒字だった。新型コロナウイルスの事業への影響はまだ続いており、第2四半期は赤字幅が大きくなると同社は予想している。

フォードは、米国で自動運転車両のパイロットを立ち上げた他の企業と少し異なる。同社は2021年の商業展開前に統合される2つのプロジェクトを並行して進めてきた。自動運転ビジネスモデルがどうなるかをテストして追求する一方で、それとは別に自動運転車両テクノロジーを開発していた。

同社が2017年に10億ドル(約1070億円)を出資したピッツバーグ拠点のArgo AIは、フォードの自動運転車両向けにバーチャル・ドライバー・システムと高解像度マップの開発を手掛けている。フォードはWalmart(ウォルマート)やDomino’s(ドミノ)、Postmates(ポストメイト)、その他いくつかのローカル事業会社などのパートナーとのパイロットプログラムを通じて、GTM戦略をテストしてきた。

フォードは4月28日、新型コロナウイルスが顧客の行動にもたらすであろう長期的な影響を精査する必要があると述べた。自動運転車両計画に関する同社の声明文は以下の通りだ。

現在の事業環境、そして新型コロナウイルスによる顧客の行動への長期的な影響を精査する必要性を考慮し、フォードは自動運転サービスの開始を2022年にシフトさせることを決めた。顧客の行動を理解することは新たなモビリティサービスを信頼のもとに構築し、人々の暮らしをより簡単なものにするために重要な部分だ。

顧客の行動の変化を研究するのに時間を割くことで、顧客の新たな需要に応じるためにGTM戦略を精査したり、変更したりすることができる。精査の一環として、我々が構築している顧客エクスペリエンスが人々に、我々の車両の中で自分自身や荷物が安全で守られているという安心感を提供しているかどうかも確認したい。

新型コロナウイルスはすでに消費者の行動に影響を及ぼしている。最初に新型コロナウイルスが発生した中国において、フォードはオンライン販売を導入した。CEOのJim Hackett (ジム・ハケット)氏は、今や中国における販売の3分の1がオンラインでのものだと語った。

同社はまた、特定のプロダクトに対する需要も変化すると予想している。「このパンデミックは今後数年にわたって顧客の暮らしや仕事に影響を及ぼすと考えている。今後の生活で重要なものとしてタッチゼロ(セルフサービス)があるが、特に商品の配達やマイクロモビリティの分野で自動走行導入への関心に拍車がかかるだろう」と最高執行責任者のJim Farley(ジム・ファーレイ)氏は決算発表時に語った。

決算発表の一環で公開したスライドで、フォードは「AlgoへのVWの中間投資は予定どおり」とした。VWグループは2019年7月に資本と資産で26億ドル(約2770億円)をArgo AIに投資すると発表した。

Fordの自動運転以外の車、デザインを新しくしたF-150トラックやハイブリッドバージョンなどの発売は予定通りだ。同社は中型SUVであるFord Bronco(フォード・ブロンコ)の発表も計画していて、そして今後3年間で中国でFordとLincoln(リンカーン)の車30種(うち10種は電気自動車)を発売する計画だ。

新プロダクトの小型オフロード車両や電動Mustang Mach-E(マスタング・マッハ-E)、ブロンコの立ち上げのタイミングは、生産が戻ってオペレーションの準備が把握でき次第アップデートすると同社は述べた。

“新型コロナウイルス

画像クレジット: Ford Motor

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(翻訳:Mizoguchi

フォードが自動運転車両によるサービス開始を2022年に延期、新型コロナの影響で

Ford(フォード)は4月28日、自動運転車両によるサービス開始を2022年に延期すると明らかにした。新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックを受けてGTM(Go-To-Market)戦略を見直した結果だ。

計画の後ろ倒しは、4月28日の市場がクローズした後に発表された同社の四半期決算の中で明らかにされた。第1四半期決算は20億ドル(約2130億円)の赤字で、前年同期は11億ドル(約1170億円)の黒字だった。新型コロナウイルスの事業への影響はまだ続いており、第2四半期は赤字幅が大きくなると同社は予想している。

フォードは、米国で自動運転車両のパイロットを立ち上げた他の企業と少し異なる。同社は2021年の商業展開前に統合される2つのプロジェクトを並行して進めてきた。自動運転ビジネスモデルがどうなるかをテストして追求する一方で、それとは別に自動運転車両テクノロジーを開発していた。

同社が2017年に10億ドル(約1070億円)を出資したピッツバーグ拠点のArgo AIは、フォードの自動運転車両向けにバーチャル・ドライバー・システムと高解像度マップの開発を手掛けている。フォードはWalmart(ウォルマート)やDomino’s(ドミノ)、Postmates(ポストメイト)、その他いくつかのローカル事業会社などのパートナーとのパイロットプログラムを通じて、GTM戦略をテストしてきた。

フォードは4月28日、新型コロナウイルスが顧客の行動にもたらすであろう長期的な影響を精査する必要があると述べた。自動運転車両計画に関する同社の声明文は以下の通りだ。

現在の事業環境、そして新型コロナウイルスによる顧客の行動への長期的な影響を精査する必要性を考慮し、フォードは自動運転サービスの開始を2022年にシフトさせることを決めた。顧客の行動を理解することは新たなモビリティサービスを信頼のもとに構築し、人々の暮らしをより簡単なものにするために重要な部分だ。

顧客の行動の変化を研究するのに時間を割くことで、顧客の新たな需要に応じるためにGTM戦略を精査したり、変更したりすることができる。精査の一環として、我々が構築している顧客エクスペリエンスが人々に、我々の車両の中で自分自身や荷物が安全で守られているという安心感を提供しているかどうかも確認したい。

新型コロナウイルスはすでに消費者の行動に影響を及ぼしている。最初に新型コロナウイルスが発生した中国において、フォードはオンライン販売を導入した。CEOのJim Hackett (ジム・ハケット)氏は、今や中国における販売の3分の1がオンラインでのものだと語った。

同社はまた、特定のプロダクトに対する需要も変化すると予想している。「このパンデミックは今後数年にわたって顧客の暮らしや仕事に影響を及ぼすと考えている。今後の生活で重要なものとしてタッチゼロ(セルフサービス)があるが、特に商品の配達やマイクロモビリティの分野で自動走行導入への関心に拍車がかかるだろう」と最高執行責任者のJim Farley(ジム・ファーレイ)氏は決算発表時に語った。

決算発表の一環で公開したスライドで、フォードは「AlgoへのVWの中間投資は予定どおり」とした。VWグループは2019年7月に資本と資産で26億ドル(約2770億円)をArgo AIに投資すると発表した。

Fordの自動運転以外の車、デザインを新しくしたF-150トラックやハイブリッドバージョンなどの発売は予定通りだ。同社は中型SUVであるFord Bronco(フォード・ブロンコ)の発表も計画していて、そして今後3年間で中国でFordとLincoln(リンカーン)の車30種(うち10種は電気自動車)を発売する計画だ。

新プロダクトの小型オフロード車両や電動Mustang Mach-E(マスタング・マッハ-E)、ブロンコの立ち上げのタイミングは、生産が戻ってオペレーションの準備が把握でき次第アップデートすると同社は述べた。

“新型コロナウイルス

画像クレジット: Ford Motor

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(翻訳:Mizoguchi

フォードはRivianとの協業によるリンカーンの電動車開発をキャンセル

Ford(フォード)の高級ブランドであるLincoln(リンカーン)は、Rivianのスケートボード型プラットフォームをベースにしたまったく新しい電気自動車の開発計画をキャンセルした。

画像クレジット:Lincoln

Crain’s Detroit Businessによると、米国時間4月28日に各ディーラーに通知されたという。

Rivianとフォードは、TechCrunchに宛てた声明で、これは現在の状況を鑑みた両社合意による決定であると述べている。つまり、新型コロナウイルスのパンデミックが主な原因であることを暗に示している。また両社は将来、共同で車を開発する計画だとしている。

「現在の状況を考慮し、リンカーンとRivianは、Rivianのスケートボード型プラットフォームをベースにした全電動車の開発にこれ以上踏み込まないことを決定しました」と、リンカーンの広報担当者はその声明で述べている。「リンカーンとRivian両社の電動化に関する戦略的なコミットメントは変更されていません。リンカーンの今後の計画には、Quiet FlightのDNAを受け継いだ全電動車も含まれることになるでしょう」。

この決定は、フォードがRivianに5億ドル(約532億8000万円)を出資した1年後になされたもの。Rivianはミシガン州を拠点とするEVのスタートアップで、全電動ピックアップトラックとSUVを開発している。当時フォードは、Rivianと共同で電気自動車を共同開発する計画も発表していた。

2020年の初めまでは車がどのようなものになるのか、またどのブランドのものになるのか、といったことも明らかにされていなかった。フォードは1月に、リンカーンとRivianが共同開発している全電動車が、SUVになるであろうことを発表した。このバッテリーで動作するリンカーンの電気自動車は、Rivianのフレキシブルなスケートボード型プラットフォームをベースに開発されることになると、その際に同社は明らかにした。

フォードはTechCrunchに「開発サイクルを進めていく中で、現在の状況を考えると、リンカーン独自の完全な電気自動車を開発する取り組みに集中するほうがよいと判断するに至りました」と語った。

フォードは、Rivianとは依然として強固なパートナーシップを保っていると付け加えた。

「当社の戦略的コミットメントは変更されておらず、Rivianのスケートボード型プラットフォームを利用した別の車の開発に、引き続きRivianと協力しながら取り組んでいます」と、フォードは述べたが、その車がどのようなものになるかについては言及していない。

リンカーンは、これまでに2車種のプラグインハイブリッド車を生産している。2019年11月のロサンゼルスモーターショーで発表したAviatorとCorsair Grand Touringだ。同社はまだ全電動車を製造したことはない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

テスラ車は最新のソフトウェアで赤信号や一時停止の標識を認識して止まる

適合する装備が施されたテスラ車は、ソフトウェアアップデートによって、信号機と一時停止の標識を認識して対応できるようになった。このアップデートは、先週末からオーナーに向けた配信が開始されている。

画像クレジット:Tesla

最初のうち、今回のソフトウェアアップデートは、ごく一部のテスラのオーナーにしか行き渡っていなかった。その際にも、それを手に入れた人が、新機能のビデオを投稿していた。現在では、テスラはソフトウェアのアップデート(2020.12.6)を、より多くのオーナーに向けて配信している。

この機能は、現在市場に出回っているすべてのテスラ車で利用できるわけではない。車両には最新の「Hardware 3」パッケージと、同社が「完全自動運転」と称して販売している「オートパイロット」オプションをフル装備している必要がある。

「Traffic Light」と「Stop Sign Control」と呼ばれる機能により、車は信号機と一時停止の標識を認識して対応できるようになる。

誤解のないようにいっておくと、テスラの車は完全な自動運転車ではないので、これらの機能には限界がある。この機能は、適合した装備のテスラ車で「交通認識クルーズコントロール」あるいは「Autosteer」を有効にしている場合、車を減速して停止させるものだ。ソフトウェアのリリースノートによると緑、黄色の点滅、すべて消灯している場合を含み、信号機を検出するととりあえず減速するという。

車が交差点に近づくと、減速するつもりであることが通知される。その後、車は実際に減速し始め、中央のタッチスクリーンのドライブモニターに表示されている赤い線に合わせて停止する。

DragTimesは、この機能のベータ版をテストした、以下のようなビデオを共有している。

オーナーはオートパイロットのノブをいったん引くか、自らアクセルペダルを踏んで、停止線を通過する必要がある。テスラによればこの機能は当初、安全を重視したものとして設計してあるという。オーナーは、車がしょちゅう減速したり、交差点で曲がって行こうとしない場面に遭遇することになる。「そのうち多くの車の動きから学習して、この機能もより自然に動作するものとなるでしょう」と、リリースノートには書かれている。

またリリースノートは「他のオートパイロットの機能と同様、ドライバーは常に注意を怠らずブレーキなど、すぐに緊急の行動が取れるよう準備している必要があります。この機能では、あらゆる信号機や標識を認識して止まるとは限りません」と警告している。

今回のソフトウェアのアップデートによって、車内のタッチスクリーンの表示も改善されている。ストップライト、一時停止標識、あらかじめ選択した道路上のマーキングなどといったオブジェクトもディスプレイに表示されるようになった。一時停止の標識やストップライトの表示は、注意深いドライバーの代わりになるものではなく、それによって車を止めることはない、とテスラはリリースノートで述べている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

テスラ取締役に日本の年金積立金管理運用独立行政法人の元最高投資責任者が就任、長年の空売り反対派

Tesla(テスラ)は同社取締役および監査委員として水野弘道氏を迎えた。同氏は財務および投資分野で長年の経験を持ち、世界最大規模約1.5兆ドルの資産を管理する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の理事兼最高投資責任者を務めた。水野氏は3月末に同職を離れた。

水野氏の加入によって、テスラの取締役会は、Oracle(オラクル)の創業者で会長、そしてCTOのLarry Ellison(ラリー・エリソン)氏やWalgreens(ウォルグリーンズ)の幹部、Kathleen Wilson-Thompson(キャスリーン・ウィルソン・トンプソン)氏を含む10名となる。水野氏は取締役会の監査委員会にも名を連ねる。

GPIF在任中水野氏は、環境、社会、ガバナンスの実践を推進した。同氏は空売り、テスラとCEO Elon Musk(イーロン・マスク)氏を蝕んだ取引行為の反対論者としても知られている。在任中に同氏は、ストックレンディング(株式賃借取引)を中止したことで多くの人々を驚かせた。水野氏の空売り反対は、この種の投資戦略(株価の下落を見越した思惑買い)はむしろ株価の透明性を高めるものだと信じる一部の市場原理主義者と対立している。以前水野氏はFinancial Times(フィナンシャル・タイムズ)などのメディアのインタビューに答えて、空売りは長期的視点と相容れないと語った。

水野氏はさまざまな政府諮問機関に所属しており、PRI(国連投資原則)理事、世界経済フォーラムのグローバル未来委員、日本政府の内閣官房官民ファンドの活躍推進に関する閣僚連絡幹事会有識者委員などを務めている。同氏は企業の長期的価値創造を推進するために、空売りを始めとする業界のさまざまな慣行に反対してきた。

水野氏は取締役の初期報酬として、2020年6月18日に行使可能なテスラ通常株2778株の購入権利を得る。監査委員会の委員としては、テスラ通常株4000株の購入権利を、12カ月間の均等割りで、各月の権利改定日に任務を継続している条件で取得する。これは米国時間4月23日の届出書類による。

テスラの取締役会は、2018年にCEOのマスク氏の悪名高い上場廃止ツイートを巡る米国証券規制当局との示談の一環としてエリソン氏とウィルソン・トンプソン氏が独立取締役として加わって以来変わっていなかった。テスラはその示談で、独立取締役2名を加えてマスク氏が会長職を3年間退くことに同意した。2018年11月、通信会社のTelstra(テルストラ)の元最高執行責任者であるRobyn Denholm(ロビン・デンホルム)氏が会長に就任した。

2019年4月、テスラは取締役会を3分の1以上縮小して2020年までに取締役7名にすると発表した。それはマスク氏のかつてのアドバイザーや支持者の離脱も意味していた。

長年取締役を務めたBrad Buss(ブラッド・バス)氏と2年前に独立取締役として加わったJohnson Rice(ジョンソン・ライス)氏の二人は、任期が満了した2019年6月の年次株主総会で再選に立候補しなかった。当時の委任状の届出で取締役会は、空席を埋める予定はないと語った。

2020年に任期を終えるAntonio Gracias(アントニオ・グラシアス)氏とベンチャーキャピタリストのSteve Jurvetson(スティーブ・ジャーベットソン)氏も2020年に取締役を辞任すると昨年の規制申請書類に書かれていた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米国郵便公社が崩壊したら、中小企業も潰れてしまう

eコマースに多大な悪影響が及ぶ

米国に引っ越して以来 、私は米国郵便公社(USPS)を、米国の創造力と粘り強さの象徴として認識し、賞賛するようになった。

USPSは電気、電話、高速道路システムのように、私たちのより大きなストーリーの一部であり、米国を一つに結びつける存在だ。しかしそれはまた、あって当たり前のものだと思われてしまいやすいものだ。USPSは、法外な料金を請求することもなく、毎日1億8190万通の郵便を配達している。もし住所を持っているのなら、それはすでにUSPSによってサービスを受けているということだ。そして住所を持っていることに対して料金を求められることはない。

企業の配送の最適化を支援するeコマーステクノロジープラットフォームであるShippoのCEOである私は、USPSとそれがeコマースへ与える影響に独自の視点を持っている。USPSは、Shippoの初期の頃から、成長するビジネスたちが配送をより行いやすくするための重要なパートナーだった。私たちがUSPSと協力しながら、他にもいくつかの新技術(サイトビルダー、電子商取引プラットフォーム、決済処理など)を導入した結果、中小企業にとってeコマースがこれまで以上に身近なものになった。

また、USPSの重要性についてこれから述べる私の意見は、私の会社と郵政公社との利害関係に基づくものではないが、Shippoがその収益の一部を、USPSの出荷ラベルを(他社の出荷ラベルと同様に)私たちのプラットフォームを通して販売していることから得ていることはまず述べておきたい。仮にUSPSが営業を停止した場合には、それはShippoの収益に影響を与えることになる。とはいえその悪影響は、当社に対するものよりも膨大な数の中小企業に対するもののほうが、はるかに大きなものになるだろう。

私たちがこのことを知っているのは、Shippoで3万5000を超えるオンラインビジネスの運営方法と顧客へのリーチ方法を直接目にしているからだ。私たちは販売者が支払い時に顧客に提示するオプションから、返品の処理方法に至るまで、その間のプロセスのすべてを知り、サポートしている。また、すべてのビジネス毎に、製品、顧客への対応と戦略が異なり、独自の展開が行われているものの、配送を行わなければならないという点は共通している。

米国では、この出荷の大部分は、特に中小企業の場合には、USPSによって助けられている。状況を説明するならば、USPSは世界の全郵便のほぼ半分を扱い、トップの民間配送業者たちが毎年運ぶ合計量以上のものを、わずか16日で配送している。そしてこれらすべては、従業員にヘルスケアと年金を提供しながら税金を投入することなしに行われている。

さて、多くの組織の場合と同様に、新型コロナウィルス(COVID-19)はUSPSに大きな影響を与えた。eコマースパッケージの出荷は増加し続けているもの(Shippoのデータに基けば、3月上旬から30%増加)、レターメールの大幅な減少を補完するには不十分なものだ。これに伴い私は「効率が悪い」という意見や、民営化を求める声、大幅な価格設定や構造改革を求める圧力、そしてUSPSが閉鎖される可能性に対する無関心な声さえも耳にしている。

だがこの危機の中で私たちは皆、今まで以上にUSPSとその重要なサービスを必要としているのだ。USPSが縮小または解体された世界で苦しむのは、Amazonや他の大企業(そしてShippo)ではない。もしUSPSを死なせてしまったら、それに伴って中小企業が殺されてしまうのだ。

USPSの効率性(またはその欠如)に関する意見は、かなり頻繁に、非常に狭い範囲で論じられている。もちろんUSPSは、面倒な配送ルートを回避し、価格を上げ、サービスを提供する相手を選択することで、バランスシートを改善し、営業損失を利益に変えるような方向転換を行うことができる。

ただし、その議論にはUSPSの全体像と真の価値が省かれている。一部の人々が非効率的な運用だと呼んでいるものは、実際には米国における中小企業の成長の鍵となる触媒なのだ。USPSは、規模、場所、財務リソースに関係なく、全国の企業にその顧客にリーチする能力を提供する。

USPSをバランスシート上の効率で厳しく評価したり、抽象的な「公共財」として評価したりすることはできない。私たちは、どれほど多くの中小企業が USPS のおかげで事業を開始することができたのか、いったい何千億ドルもの年間商取引が USPSによって可能になったのか、またUSPSがなければ商品を手に入れることができなかった消費者が、一体どれくらいいるのかに注目すべきなのだ。

米国では、eコマースの売上高は年間5000億ドル(約53兆7000億円)に迫り、毎年2桁のペースで成長している。eコマースの成長についての話を聞くと、Amazonが真っ先に出てくることが多い。だがあまり目立たないのは、中小企業の大いなる成長の部分だ。これは一般に、商取引の健全性に不可欠なものなのだ(独占を望むものはいない!)。実際、SMB(中小企業)セグメントは、Amazonと並ぶように着実に成長している。また、新型コロナウイルスで従来の企業が直面する課題によって、これまで以上に小規模企業がオンラインに移行している。

USPSのプライオリティメールは、米国のほぼどこでも2~3日で荷物を届けてくれる(平均配送時間はShippoのデータに基くと2.5日)。フルサービス(追跡、保険、無料の集荷、さらには無料の梱包さえ)が提供される1回の配送は、約7ドル(約750円)からスタートする。

消費者としての私たちが、オンラインショッピングで無料で迅速な配送に慣れている現在、USPSは中小企業が追いついていくために不可欠なものなのだ。消費者として、私たちがeコマースビジネスとやり取りするときに、その舞台裏を見ることはほとんどない。中小企業の経営者が自宅や小さな店先で注文を処理している姿は見られず、電子商取引のウェブサイトを見ているだけだからだ。USPS のサポートがなければ、中小企業のオーナーが消費者の高い期待に応えることはさらに難しく、場合によっては不可能に近いものになってしまう。状況を説明するなら、Shippoプラットフォームを利用している米国を拠点とする中小企業(月商1万ドル=約107万円未満)の89%がUSPSに依存している。

これまで私は、USPSとAmazonとのパートナーシップや、現在の状況に対する問題点、そして現在の問題点が民間モデルの下でどのように改善されるのかに関する多くの議論を目にしてきた。Amazonとそれがeコマース市場に与える影響については、私たち自身もはっきりとした意見を持っているが、AmazonはUSPSの課題を解決するための推進力ではない。なお事実としてはAmazonは、USPSの最も利益性の高い収益源である小包配送の、継続的な成長に対する主要な貢献者ではある。

USPSとAmazonの間の取引の正確な経済状況は不明だが、eコマースの配送おいては、量と効率性への引き換えに大幅な値引きが行われるのが一般的だ。Amazonの価格設定の一部は、平均的な配送業者と比較して、Amazonの注文を引き受けることが、USPSにとって実際に安くて簡単であることの結果として現れたものだ。このプロセスの場合、AmazonはUSPSの配送センターに貨物をまとめて配送する。これによって、USPSのコストと物流上の課題が大幅に削減される。

もしUSPSがなかったとしたら、Amazonは民間の運送業者と同様のプロセスと効率性について交渉することができる。だがこれは、中小企業にとっては不可能なことだ。USPSと民間配送業者の間の、日常の運用とインフラストラクチャの劇的な違いを考えると、中小企業が民間配送業者を使おうとした場合には、配送費が大幅に、場合によっては2倍以上に増加することになるだろう。これに加えて、USPSによる日常的なルートが存在しない状況で、中小企業が配送会社のシステムに荷物を取り込ませようとした場合には、新たな運用上の負担が発生することになるだろう。

全体として見たときに、米国では、もしUSPSがない、または利益優先の考え方で運営される民間のようなUSPSが使われる場合には、eコマースに対する起業家精神の勢いが削がれてしまうだろう。参入障壁はさらに高くなり、新しいビジネスにとって、最初に必要となるコストとインフラストラクチャ投資が大きくなる。Shippoの場合には、私たちの顧客が使用する配送業者の多様性がさらに大きくなるだろう。複数の配送業者を横断して最適化できるようにする当社の技術は、顧客企業にとってさらに重要なものになるだろう。ただし、そのような最適化を行ったとしても、依然として中小企業が最も苦しむグループだということには変わりはない。

現在、Shippoのデータによれば、ほとんどの中小eコマースブランドは、収益の10〜15%を配送に費やしているが、これは既に大きなコストを占めている。特に追加料金と集荷料金を考慮に入れると、これは優に20%を越える可能性があり、すでに厳しいスペースにいる企業にさらなる負担をかけることになる。

USPSは、中小企業が困難な時期に生き残り繁栄できるようにするための重要なサービスであり、市民がどこに住んでいたとしても、基本となるサービスにアクセスできるようにするための大切なものであることを、私は議員や指導者たちに強く訴えたいのだ。

これは、新型コロナウイルスの危機を乗り切るために、政府による財政的および精神的な支援が提供されるべきであることも意味する。こうすることで、USPSは従業員を保護し安全を保ちながら(それには最前線での仕事を適切な安全保護具を身に着けて遂行できることも含まれる)、中小企業と市民の両方にサービスを提供し続けることができる。

結局の所、USPSを単なるバランスシートと見なし続け、利益だけを見つめて最適化を行っていくならば、最終的に私たちは、手に入れるものよりも、はるかに多くのものを失うことになるのだ。

【編集部注】著者のLaura Behrens Wu(ローラ・ベーレンス・ウー)氏は、21世紀のeコマース向け発送プラットフォームを構築しているShippoの共同創設者兼CEOである。

新型コロナウイルス 関連アップデート

画像クレジット: Chad Springer (opens in a new window)/ Getty Images

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(翻訳:sako)

テスラのライバルPolestarが2020夏発売する初EVの米国価格は約640万円

Volvo(ボルボ)のスピンアウト電気自動車ブランドPolestar(ポールスター)は、同社初の電気自動車(EV)の米国でのベース価格が当初考えていたよりも低い5万9900ドル(約640万円)になると明らかにした。

高パフォーマンスの電動ファーストバック車Polestar 2は、3年前に再スタートを切った同ブランドから最初に発表されたEVだ。かつてVolvo Carsの高パフォーマンスブランドだったPolestarは2017年にパフォーマンスEVブランドとして立ち位置を変えた。目的は、エキサイティングで楽しい運転となる電気自動車を作ることだ。このニッチな分野はTeslaが最初に切り開いて以来、同社が独占している。

Polestarの車は低めの価格や税制上の優遇措置、顧客がオンラインで購入できることなどから、米国マーケットへの参入を成功させる上で有利な立場にある、とPolestar USAの責任者Gregor Hembrough(グレゴール・ヘンブロー)氏は述べている。カリフォルニアやニューヨークなどを含むいくつかの重要なマーケットでも、米国での販売価格はインセンティグが適用される額を下回っている。

PolestarはPolestar 2についてここ数カ月間、情報を小出しにしてきた。そのうちの1つが欧州での価格で5万8800ユーロ(約680万円)〜となる。同社は4月23日に、顧客に提供するさまざまなオプションの価格も明らかにしており、パフォーマンスパックが5000ドル(約54万円)、ナパ革インテリアへのアップグレードが4000ドル(約43万円)、20インチのアロイホイールが1200ドル(約13万円)だ。

Polestar 2はTesla(テスラ)のModel 3の競合相手になると見込まれる。この2つの車両の価格は7500ドル(約80万円)の税額控除を受けられる米国のインセンティブが考慮されなければ同様ではない。Polestar 2はインセンティブの対象だ。一方、Teslaは既に20万台販売済みのためこれ以上連邦税のインセンティブを受けることはできない。

インセンティブなしでみるとPolestar 2のベース価格は、Model 3パフォーマンスバージョンの5万6990ドル(約610万円)〜を上回る。

Polestarは2020年夏にも発売を開始する見込みだが、それまではどのようにModel 3に対抗するのかわからない。

Polestarは、ファーストバック車のテックと高パフォーマンスのスペックで消費者を引きつける狙いだ。最大出力408馬力、最大トルク487ポンドフィートそして欧州WLTP基準で航続距離292マイル(約470km)を生み出す78kWhのバッテリーを搭載する。EPA基準での航続距離はまだ発表していない。

Polestar 2のインテリア。 Google(グーグル)のAndroid  Automotiveオペレーティングシステムを搭載する。

Polestar 2のインフォテイメントシステムはAndroid OSで作動し、その結果、GoogleアシスタントやGoogleマップ、GoogleプレイストアなどのGoogleサービスが搭載されている。Android Autoと勘違いしないで欲しい。こちらはOS上で提供されるインターフェースで、Android OSはLinuxで動くオープンソースのモバイルオペレーティングシステムを模倣したものとなる。しかしスマホやタブレットを動かす代わりに、Googleは車で使用できるように手を加えている。

Volvo Car Groupと中国のZhejiang Geely Holding(浙江吉利控股集団)が共同所有するPolestarは、新型コロナウイルス(COVID-19)による外出禁止命令が解除されたら、Polestar Spaceというショールームをオープンさせる計画だ。最初のショールームは米国西海岸とニューヨークで2020年夏にお目見えする、と同社は話している。Polestar 2は50州で購入またはリースできるようになる見込みだ。

画像クレジット:Screenshot/Polestar

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(翻訳:Mizoguchi

台湾の電動スクーターGogoroが新ブランドバイクを5月に米国で発売

電動スクーターで知られる台湾のGogoroが新たな電動バイクブランドを発表した。まずは米国で発売される。Eeyoと呼ばれる電動バイクの詳細はまだ明らかになっていないが、Gogoroが米国で展開する初のプロダクトとなり注目に値する。

Eeyoは欧州と台湾で2020年夏発売される前に、5月に米国で購入できるようになる。

Gogoroは元HTC 幹部のHorace Luke(ホレイス・ルーク)氏とMatt Taylor(マット・テイラー)氏が2015年に創業した。同社のスマートスクーターは台湾において最もよく売れている電動二輪車ブランドだ。同社はまた、交換・再充電ができるバッテリーなどの技術をヤマハやAeon、PGOなどのメーカーにライセンス供与している。

欧州ではBoschが展開し、2019年に終了したスクーターシェアリングサービスCoup向けにバイクを提供した。

Gogoroはスマートスクーターで最も知られ、また間もなくEeyoを立ち上げるにもかかわらず、自社を電動車両メーカーだと考えていない。2019年のExtra Crunchでのインタビューの中で、CEOのルーク氏は同社の未来は省エネのためのプラットフォーム提供にある、と話している。

2019年に同社は「あらゆる形状」の車両ですぐに使えるソリューションとして他のモビリティ企業に提供される車両シェアリングプラットフォームのGoShareを立ち上げた。

画像クレジット:Gogoro

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(翻訳:Mizoguchi

中国のEVスタートアップ「Byton」が米国本社社員450名の半数を一時帰休に

中国拠点の電気自動車スタートアップ、Byton(バイトン)は、カリフォルニア州サンタクララにある北米本社の従業員450名の約半数を一時帰休させたことを発表し、同社の電気自動車、M-Byteの発売時期は不確定要素が高まってきた。

BytonはTechCrunchに、一時帰休はCOVID-19(新型コロナウイルス)パンデミックが理由だと語った。休ませた社員は将来呼び寄せる意向だと同社は言っているが時期は明らかにしていない。

「パンデミックが世界経済と自動車産業に与えている影響を踏まえ、当社は他の一部企業と同じく、直面する課題に対して行動を起こす必要があった」とByton広報担当者がTechCrunch宛のメールに書いた。「この一時帰休はBytonの米国事業全域が対象であり、中国の社員は一時帰休させていない」

Electrek(エレクトレック)が最初にこのニュースを伝えた

この一時帰休は同社が電動SUV、M-Byteを今年中に量産するための準備をしている最中に起きた。新型車はおそらく48インチの巨大デジタルダッシュボードで一番よく知られており、中国の南京(ナンキン)工場で製造される予定だ。M-Byteは中国、米国、および欧州で販売される。

Bytonは以前、中国では2020年後半に販売を開始し、続けて米国で販売すると言っていた。欧州への上陸は2021年前半の予定だった。しかし、新型コロナ・パンデミックとそれに伴う一時帰休によって、Bytonの予定は変わるかもしれない。

Bytonは、現在新型コロナがM-Byteの生産に与えた影響を評価しているところだと、TechCrunchに伝えた。同社の中国工場は2月中旬に再開し、現在はほぼフル稼働している、と同社は言っている。

Bytonは8億2000万ドルの資金を調達済みで、同社の創業チーム、FAW Group、Nanjing Qiningfeng New Energy Indstry Investment Fund、およびCATL(寧徳時代新能源科技)が出資した。

BytonはシリーズC調達ラウンドの準備をこの数ヶ月間続けている。同社はTechCrunchに、現在ラウンド準備の「最終段階」にあり、FAW Group、南京市政産業投資ファンド、韓国のMyoung Shin Co、MS Autotech、および日本の丸紅株式会社らが参加する予定だと語った。.

画像クレジット:Byton

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GMがカーシェアリング事業から撤退、Mavenを終了

GM(ゼネラル・モーターズ)のカーシェアリング実験は終了する。同社は米国時間4月21日、2016年に立ち上げたカーシェアリングサービスMaven(メイブン)を終了することを明らかにした。

Mavenは新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックのためにサービスを一時停止していた。同社は21日、事業やカーシェアリング産業、新型コロナウイルスによる現況を精査した結果、サービスを終了することを決めたとのメールを顧客に送った。このニュースは最初にThe Vergeが報じている。

新型コロナウイルスが「シェアリング」モビリティ部門をノックダウンするずいぶん前から、Mavenは何カ月も不調だった。2019年にMavenは、展開していた北米17都市の約半分でサービスを停止し、規模を縮小した。そしてデトロイト、ロサンゼルス、ワシントンD.C、トロントでサービスを継続した。しかしMavenが提供する消費者向けカーシェアリングとピア・ツー・ピアサービスの2つのプログラムの提供はワシントンD.Cでも停止となり、ギグワーカーに貸し出すプログラムだけが継続された。

GMはTechCrunchに対して、Mavenを終了させる作業を開始したことを認めた。GMの広報担当によると、すべての資産とリソースはGMのグローバルイノベーション組織に引き継がれるという。

同社は、2020年夏までにMaven事業を清算するとしている。Mavenは既に新型コロナウイルスにより消費者向けカーシェアリングとピア・ツー・ピアサービスを一時停止している。これとは別のギグワーカーに貸し出すプログラムは「かなり限定されて事業終了まで継続される」とGMの広報担当は話した。

「我々は自社カーシェアリング事業の運営から極めて価値のある知見を得た」とGMのグローバルイノベーション担当副社長のPamela Fletcher(パメラ・フレッチャー)氏は電子メールで述べている。「Mavenから学習し構築したものはためになり、GMの他の事業の成長を加速させる」

以下が21日朝にMaven顧客に送られた電子メールのスクリーンショットだ。

我々は先月、マーケットの状況や地元当局の指導、我々の会員や従業員の安全を鑑みてサービスを一時停止した。

事業、業界、そして新型コロナウイルスによる現況を詳細に分析した結果、事業を終了させるという困難だが必要な決断をするに至った。

Mavenカーシェアリングは間もなく利用できなくなる。

Mavenコミュニティの一部でいてくれことに感謝する。あなたがメンバーでよかった。

画像クレジット:スクリーンショット / Maven電子メール

同社にはカーシェアリング事業に再参入する計画はない。「我々はMavenから得たすばらしい知見を手元に残し、カーシェアリングの技術を新GM車両サービスの展開や他の新サービス模索に生かす」と同社はTechCrunchに語っている。

MavenはGMブランドの下でGMの既存テストプログラムのいくつかを持ち寄って拡大させることが意図されていた。立ち上げ当初、Mavenには3つのカーシェアリングサービスがあった。アプリを通じてGM車両を時間単位で借りられる都市部を対象にしたサービス、それからシカゴとニューヨークでのアパートメント居住者を対象にしたサービスだ。

Mavenはスマートフォンアプリを開発し、立ち上げた。このアプリは顧客の車両検索・予約、ドア開錠、遠隔からのスタートや車内温度調整に使用された。

GMそして同社会長兼CEOのMary Barra(メアリー・バーラ)氏にとって、アプリの立ち上げは重要なものだった。バーラ氏はGMの企業文化やオペレーションを変える彼女の計画を加速させるために、エンジンスイッチ技術面でのスキャンダル後、委託の勉強会を活用した。何十人もの幹部たちがリーダー変革プログラムに参加した。Mavenはそのときにスピンアウトされた成果の1つだ。

イニシアチブと投資が2016年に発表され、GMの関心が型にはまらない輸送事業に向かっていることが明らかになった。型にはまらない輸送事業とは、消費者への車やトラック、SUVの生産、販売、ローンという主幹事業に隣接したものだった。

しかしMavenは決して1つの事業モデルに落ち着くことはなかった。カーシェアリングサービスは都市に参入しては撤退し、特定のプログラムを提供したりといったことを続けた。例えば、同社は2017年にロサンゼルスとサンフランシスコで、顧客が1回の予約で1カ月間GMブランドの車両を借りることができるMaven Reserveを立ち上げた。また、ライドシェアや配達アプリドライバーの増大する需要を取り込もうとMaven Gigもスタートさせた。

その後Mavenは2018年夏にシカゴ、デトロイト、アナーバーで、個人が所有するGMブランドの車両をMavenカーシェアリングプラットフォームを通じて貸し出せるサービスを開始した。ピア・ツー・ピアのカーレンタルサービスはTuroやGetaroundと似たようなやり方で運営されるようになっていた。

サービス終了に向けた動きは、2019年1月にCEOのJulia Steyn(ジュリア・ステイン)氏が社を去った後に始まっていたようだ。その数カ月後にサービス規模を縮小し、新型コロナウイルスパンデミックが事業にさらなるプレッシャーをかける前には、既にいくつかの都市でのみの運営だった。

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(翻訳:Mizoguchi

Voyageがカリフォルニアの公道上での自動運転タクシーサービスの認可を取得

Voyage は、これまでカリフォルニア州サンノゼにある退職者コミュニティの私道内に限られていた同社の自動運転サービスを、規制のハードルをクリアすることによって州の他の地域の公道に拡大できるようになった。

California Public Utilities Commission(CPUC、カリフォルニア州公共事業委員会)は、米国時間4月20日にVoyageに対して、州の公道上で自動運転車を使って乗客を移送する許可を与えた。同州のAutonomous Vehicle Passenger Service(自動運転車乗客サービス)パイロットプログラムの一部であるこの許可により、Voyageは従来の自動運転車テストを超えて拡大することを目指す新しい成長企業グループに加わることになる。Aurora、AutoX、Cruise、Pony.ai、ZooxそしてWaymoはすべて、CPUCから「運転手同乗」自動運転車乗客サービスパイロットプログラムに参加する許可を得ている

許可証はまた、Voyageへより広い商業化への道を拓く。

同社はこれまで、カリフォルニア州サンノゼで4000人以上の住民が暮らすコミュニティーであるThe Villagesの中で、常に運転席に運転手が同乗する形で、6台の自動運転車を運行してきた(こうした活動は、新型コロナウィルス感染症パンデミックによって促された州全体の屋内避難命令の下で一時的に停止されていた)。Voyageはまた、フロリダ州の中央部にある、広さ40平方マイル、人口12万5000人の退職者の街でも運行を行う。

このコミュニティは私道で構成されているため、VoyageはCPUCの許可を必要としていなかったが、CEOのOliver Cameron(オリバー・キャメロン)氏は、技術的な問題には関係なく州の規則を遵守したいと述べていた。Voyageはまた、The Villagesの住民たちをコミュニティ外の目的地まで輸送するという、より大きな野望にも動機付けられていた。

「私たちは人びとを、The Villageの外にあるすべての場所、病院や食料品店といった場所に連れていきたいのです」とVoyageのキャメロン氏は月曜日のインタビューでTechCrunchに対して語った。

Voyageの戦略は、顧客からの特定の需要があり、周囲の環境がよりシンプルな退職者コミュニティから始めるというものだった。Voyageがサービスを提供している集団の平均年齢は70歳だ。今回の目標は、顧客ベースを変更することではない。そうではなく、キャメロン氏は会社の現在の運用デザイン領域を拡大して、Voyageにより大きな運行範囲を提供したいと考えている。

最終的な目標は、キャメロン氏がパワーユーザーと呼ぶVoyageのコア顧客である人びとが、近所の家に夕食に行ったり、ショッピングや医者に行ったり、空港に行ったりと、あらゆることにサービスを利用できるようになることだ。

CPUCは、2018年5月に自動運転車で乗客を移送するための2つのパイロットプログラムを設定した。1つ目は「Drivered Autonomous Vehicle Passenger Service program」(運転手同乗自動運転車乗客サービスパイロットプログラム)と呼ばれ、企業は特定のルールに従う限り、自動運転車を使用して配車サービスを運営できる。企業は乗車に対する料金を請求することはできず、人間の安全運転手が運転席に座っていなければならず、特定のデータを四半期ごとに報告しなければならない。

2番目のCPUCパイロットプログラムは、同乗運転手なしの乗客サービスを許可するものだ。ただし、その許可を取得している会社はまだない。

今回の許可の下では、Voyageは乗車料金を請求できない。ただし、ちょっとした法的な抜け道の余地はある。Voyageは、The Villages内の乗車に対しては課金をすることができる。実際、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミック関連のシャットダウンの前には、同社は配車サービスに対する料金を請求し始めていた。

The Villagesの外での乗車は無料でなければならないが、車両がコミュニティーから出るまでの走行距離や時間に対して、会社が請求できるかどうかは不明だ。

Voyageはこれをさらに推し進めることを望んでいる。同社はまたリムジン、バス、およびその他のサードパーティのチャーターサービスの運行に必要な、従来のトランスポーテーションチャーター許可も申請している。キャメロン氏によれば、同社はまず、CPUCの運転手同乗自動運転車両認可の厳しい申請プロセスを経なければならなかったと言う。

CPUCのプログラムをカリフォルニア州のDepartment of Motor Vehicles(DMV、自動車管理局)と混同してはならない。DMVは公道で自動運転車をテストするための規制を行い許可を発行している部局だ。ただしこちらのテストは常に安全運転手の同乗の下で行われる必要がある。DMVによって発行された自動運転車両テスト許可を保持している企業は65社存在する。CPUCプログラムへの参加を希望する企業は、まずDMVのテスト許可が必要だ。

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(翻訳:sako)

Uberが小売品や個人の荷物配送サービスも開始、新型コロナによる事業環境の変化に対応

Uberは今週、Uber DirectとUber Connectという2種類の新サービスを導入すると発表した。Directは小売品の配送プラットフォームで、Connectは家族や友人に荷物を送るためのピア・ツー・ピアのパッケージ配送サービスだ。これは、新型コロナウイルスのパンデミックがライドシェアリング事業を抑制し続けているため、既にUber Eatsプラットフォームを食料品に導入しているが、今回の発表はUberが宅配サービスにこれまでで最も積極的に進出することを意味する。

Uberは既に、最前線の労働者に個人用保護具を輸送するプラットフォームの新たな拡張を導入しており、一部の市場ではEatsも食料品に加えて、便利な商品を配送している。DirectとConnectのサービスは、当初は一部の都市で開始される予定だが、その内容は利用する場所によって大きく異なる。例えばニューヨークでは、Cabinetと提携して市販薬の配送を行う一方、ポルトガルでは郵便小包の配送で公共郵便サービスを補完する。

Uber Connectはある人から別の人との間で当日中に連絡を取り合って配送を行うサービスで、同社はこれを介護用品、必需品、ゲーム、その他の日用品を友人や家族に送る方法だとしている。サービスはオーストラリア、メキシコ、アメリカの25以上の都市で開始される。Connectは本質的にはUberの基本的なライドシェアサービスと大差はないが、ドア・ツー・ドアで人を運ぶのではなく、荷物を移動させる。

どちらのサービスも米国時間4月20日から導入されるが、Uberが利用状況を把握し、ユーザーがサービスに何を求めているのかを見極めながら、徐々に進化していくだろう。また、Uber Eatsの利用が急増している一方、一般的なライドシェアサービスの需要が大幅に減少している中で、荷物の配送事業を強化することは、ドライバーの稼働率を高め、さらには収入を継続させることにもつながる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter