産直通販サイトの食べチョクが生産者の直伝レシピ200件を公開、料理に使う食材を探せるレシピ検索機能リリース

産直通販サイトの食べチョクが生産者の直伝レシピ200件を公開、料理に使う食材を探せるレシピ検索機能リリース産直通販サイト「食べチョク」(Android版iOS版)を運営するビビッドガーデンは2月9日、食材をよりおいしく調理するためのレシピ集「生産者直伝レシピ」200件を一挙公開。また、シーンに合わせたレシピと食材を探せる「レシピ検索機能」をリリースした(レシピ検索機能はウェブサイト版のみの機能)。

食べチョクは、6500軒の生産者が約40000点の商品を出品している産地直送の通販サイトで、野菜・肉類・魚介類・加工品など様々な商品を取り扱っている。商品発送時に食材を使ったオススメのレシピを同梱する生産者もおり、そのレシピを活用するユーザーも多くみられるという。

また食べチョクは、「生産者によるいちばんおいしく食材を食べるレシピ集」をテーマにした書籍「#食べチョクごはん」を2021年10月に発売。食材の良さを知りつくした生産者が考案したレシピや、フードコーディネーターによるレシピを60品厳選して掲載しているという。

そういった背景を受け、ユーザーに食べチョクでの商品選びをさらに楽しんでもらうため、生産者オススメのレシピをウェブ上に多数掲載し、各レシピページから食材の購入をしやすい機能を今回新たに追加した。生産者直伝レシピは「ご飯もの」「おかず」「汁もの」「おやつ」などのカテゴリー別で閲覧が可能。レシピページを開くと、そのメニューで使用している食材の販売ページに移動できる。

レシピ検索機能では、定番料理とは違う一工夫を加えた「アレンジレシピ」、15分以内で作れる「時短レシピ」、低カロリー重視の「ヘルシーレシピ」、食材の魅力を引き出す生産者こだわりの「本格レシピ」のカテゴリーを用意。シーンに合わせたレシピを検索できる。

アレンジレシピ例

手羽先とトマトの洋風炊き込みご飯

手羽先とトマトの洋風炊き込みご飯(熊本県:日本一鶏肉研究所)

時短レシピ例

ごまココアもち粉チーズ焼き

ごまココアもち粉チーズ焼き(新潟県:アフコ秋山農場)

ヘルシーレシピ例

にんじんホットケーキ

にんじんホットケーキ(千葉県:大成農園)

本格レシピ例

和梨のタルト

和梨のタルト(千葉県:斎藤農園)

 

レシピやメニューコスト計算機などのツールを一元管理、キッチンのDXを進めるMeez

プロ向けレシピソフトウェアと料理オペレーティングシステムを作成しているMeez(ミーズ)は、引き続きシェフのレシピ管理を支援するツールを開発するために、初のラウンドで650万ドル(約7億5000万円)を調達した。

MeezのCEOジョシュ・シャーキー氏(画像クレジット:エヴァン・ソン)

CEOのJosh Sharkey(ジョシュ・シャーキー)氏は、自身もキャリアの大半をシェフとして過ごし、2015年にニューヨークを拠点とするテクノロジー会社を法人化した。しかし、自身のレシピや調理工程を保存する場所を探すきっかけとなったのは、15年以上前にレシピや料理の作り方を記録していたノートを紛失したことだった。同僚たちは、標準的なGoogleやWord文書、スプレッドシートなどを使っていたが、シャーキー氏はさらにデジタルなアプローチを望んでいた。

「すべてをデジタル化するにはどうしたらいいのか、というアイデアがひっかかりました」とシャーキー氏はTechCrunchに語った。「在庫管理のためのツールや財務ソフトのようなものはありますが、キッチンで使うために作られたものや、私たちが実際に行っていることに関連したものはありませんでした」。

シャーキー氏とそのチームは、コラボレーションツール、レシピキーパー、進行、トレーニング、下ごしらえツールを1つにまとめたMeezを構築した。同氏はそれを「シェフのためのGoogle Drive」と呼んだ。

この技術には2つの構成要素がある。1つはユーザーがレシピをシステムに入れること、そしてユーザーと厨房の同僚の両方がレシピを拡張して使えるようにすることだ。また、成分量や単位換算、メニューコスト計算機、アレルゲンの自動タグ付けや栄養分析など、シェフが日々活用するリソースも備える。

このソフトウェアは2020年に発売され、MeezはすでにJose Andres(ホセ・アンドレス)氏やJean-Georges Vongerichten(ジャン-ジョルジュ・ヴォンゲリヒテン)氏といった大手レストラン経営者や、Institute of Culinary Educationなどの料理学校を顧客に抱える。

今回の資金調達はStruck Capitalがリードし、Craft Ventures、Relish Works、Aurify Brands、Food Tech Angels、Branded Strategic Venturesが参加した。エンジェル投資家には、Snapの元製品責任者Bobby Lo(ボビー・ロー)氏、Shefの創業者でBento Boxの創業者兼CEOのKrystle Mobayeni(クリステル・モバイェニ)氏が含まれる。

Meezのソフトウェア(画像クレジット:Meez)

Meezは2020年12月に20の有料顧客からスタートし、今では高級レストランからファストカジュアル、料理学校まで多様なレストラン750以上に増えていて、シャーキー氏は2023年にこの分野を掘り下げる予定だ。また、この間、同社の売上高は前年同月比22%増と順調に伸びていて、これは同社独自のアプローチとデジタルの導入が厨房に浸透してきたことが要因だとシャーキー氏は話す。

「食の世界で普及曲線が初期段階に達しました」とも同氏は語る。「料理のプロは、より少ない労力でより多くのことを行う方法を認識し始めており、常に労働力に頼ることはできません。パンデミック以前はうまくいっていたことが、今はうまくいかないのです。レシピに頼るだけではもうだめで、コンテンツを運用できるようにするために、他にやらなければならないことがあります。以前はそれをする場所がなかったので、これは役に立つツールであり、必要なものです」。

シャーキー氏は、新しい資本をiOSアプリの開発や、メニュー計画、セルフオンボーディングの自動化などの技術開発に投入し、消費者への直接のレシピ提供の立ち上げとテストなどをするつもりだ。

さらに同社は2022年中に新しいレストランを引きつけ、チームを拡大する。Meezの従業員数は現在17人だが、2022年中に10人増やす予定だ。

「料理のプロは、地球上で最もクリエイティブで独創的な人たちに含まれます。しかし、彼らの仕事は物理的なものであるため、デジタル技術を活用してワークフローや共同作業のためのシステムを改善する方法には、ほとんど注意が払われていません」とStruck CapitalのCEOであるAdam Struck(アダム・スタック)氏は声明文で述べた。「ジョシュはプロのシェフであり、レストラン業界のオペレーターであり、テクノロジーの専門家であるという点で、ユニークな創業者です。彼は、ほぼすべての厨房を悩ませている問題点を、直感的で美しいデザインのプラットフォームに統合し、世界最大かつ最古の産業の1つである厨房の大きな問題点を解決することができました」。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Christine Hall、翻訳:Nariko Mizoguchi

アジアの伝統的な食材を家庭に届けるUmamicartが約6.8億円調達

人々は好きな食べ物が並ぶ食卓に集まる、しかし、Umamicart(ウマミカート)の創業者兼CEOであるAndrea Xu(アンドレア・シュー)氏にとって、家族と一緒に食べて育った料理を作るための食材を見つけるのはいつも簡単ではなかった。

シュー氏の両親は中国人だが、スペインに移住し、自分たちの中華料理店を開いた。彼女は、スーパーに、アジア料理でよく使われるソースや薄切りの肉、野菜などが置いていなかったことを思い出す。大学進学のために渡米したときも、スーパーのアジア料理専用の通路に何がないか、友人たちと話していたそうだ。

Umamicartの創業者兼CEOのアンドレア・シュー氏(画像クレジット:Umamicart)

「食べ物はアイデンティティを再確認する手段ですが、私の家庭に普及している食べ物にアクセスすることは困難でした」彼女はTechCrunchに語った。「米国には2900万人のアジア系米国ホトがいますが、商品にアクセスするにはまだハードルがあります」。

最近は何でもデリバリーできるようになったので、シュー氏はアジアの食材でそれを試してみることにした。3月に、元FJ Labs(FJラボ)のWill Nichols(ウィル・ニコルズ)氏と共同で、アジアの伝統的な商品と独創的な商品を厳選して提供する、アジアのオンライン食料品・宅配サービスUmamicartを立ち上げた。

Umamicartは、家庭で料理をする人のためのあらゆる商品を取り扱うショップを目指しており、定番商品やパントリーの必需品、レシピのインスピレーション、休日のローストダックやDIYの寿司ナイト、火鍋や餃子作りなどの調理活動のための特別なキットを提供している。

注文は同社のウェブサイト(そして近日中にモバイルアプリ)ですることができ、ニューヨーク市のカスタマーには即日配達、ニューヨーク市以外のニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット、マサチューセッツ、ペンシルバニア、デラウェア、バージニア、メリーランド、マサチューセッツ、ワシントンD.C.の郵便番号には翌日配達を行っている。

米国時間12月3日、同社は、M13とFJ Labsが共同で主導し、Picus Capital(ピカス・キャピタル)、Starting Line(スターティング・ライン)、Golden Ventures(ゴールデン・ヴェンチャーズ)、First Minute Capital(ファースト・ミニット・キャピタル)、Goldhouse Ventures(ゴールドハウス・ベンチャーズ)が参加したラウンドで、600万ドル(約6億7600万円)のシード資金を調達したことを発表した。これにより、100万ドル(約1億1200万円)のシードラウンドを含め、同社の資金調達総額は700万ドル(約7億8900万円)となった。

M13の投資家であるBrent Murri(ブレント・ミューリ)氏は、FJ Labsからシュー氏を紹介され、Umamicartは、食品のデジタル化を視野に入れた、彼の会社が通常投資している消費者向けテクノロジーの種類と一致していると述べた。M13は、これまでにThrive Market(スライブ・マーケット)やShef(シェフ)などの類似企業に投資してきた。

「シュー氏とニコルズ氏の共同創業者という組み合わせは、私が2021年に見た中で最も市場にフィットしている」ミューリ氏は言った。「シュー氏は両親から学び、食品流通業者との多くの関係を維持しており、ニコルズ氏はInstacart(インスタカート)のニューヨーク市場を率いていたため、彼は食料品ビジネスの規模を拡大する方法を知っています。これらの要素が彼らを際立たせています」。

同氏は、食料品の専門家が、2022年には米国の人口の半分が少なくとも1回はデジタルで食料品を購入すると予想していることを指摘した。しかし、食料品店のデジタル化はすべての人に平等ではなく、アジア市場は大部分がオフラインであり、Umamicartのような企業が厳選された食品を優れた顧客体験とともに提供する場を提供していることを挙げている。

今回の資金調達により、同社は配送範囲の拡大、チームの成長、商品カタログの追加、カスタマカーからの需要が多くなっているサービスエリアの拡大が可能になる。シュー氏は、東南アジアの料理をより多様に提供し、ユーザーが利用できるレシピの数を増やしたいと考えている。

「アジア料理を食べて育ったわけではないが、アジア料理を楽しんだり、料理をしたりするようになった人たちからも大きな関心が寄せられています」と彼女は付け加えた。

ResearchAndMarkets.comのレポートによると、世界のフードデリバリー市場は、昨年は約1110億ドル(約12兆5100億円)と推定され、2023年には1540億ドル(約17兆3600億円)になると予測されている。エスニック料理を作って食べることへの関心は、全体的に高まり続けている。米国のエスニック食品の小売売上高は、2013年の110億ドル(約1兆2400億円)から2018年には125億ドル(約1兆4000億円)となり、米国の中華料理店での年間消費額は、2020年には150億ドル(約1兆6900億円)強になると推定されている。

Umamicart自体は、3月のローンチ以来、前四半期比で313%のウェブトラフィックの伸びを示し、前月比で20%から30%の成長を遂げており、現在では3000以上の商品を取り扱っている。

今回のパンデミックで、アジア料理を作る際には新鮮なプロダクトが好まれるが、それらが手に入らないと料理に支障をきたし、人々は代替品を探そうとするという重要な洞察が得られたとシュー氏は述べた。

「また、コンシューマーは、インターナショナルやエスニックの通路にあるものを拒否し、より良い製品やブランドを求めています」と彼女は付け加えた。「私たちはそのことを大切にしています。ですから、彼らがUmamicartに来たとき、私たちが棚に並べるものは吟味された製品であり、試行錯誤された定番商品や、私たちが探し出すことができた最高の新しいブランドであることを知っているのです」。

画像クレジット:Umamicart

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(文:Christine Hall、翻訳:Yuta Kaminishi)

料理系クリエイターがレシピ・コンテンツを収益化できるマーケットプレイス「Foody」

Foodyの共同設立者Dan Stitzel(ダニエル・スティッツェル)氏とBrenna Stitzel(ブレナ・スティッツェル)氏(画像クレジット:Foody)

夫婦で共同創業したDaniel(ダニエル)とBrenna Stitzel(ブレナ・スティッツェル)氏は、グルメな人々が自分の作った料理を収益化する方法を開発しており、そのマーケットプレイス「Foody」を正式に立ち上げるためにプレシード資金として150万ドル(約1億7000万円)のラウンドをクローズした。

このラウンドはSerena Venturesが主導し、Goodwater Capitalと、Patreon(パトレオン)のJack Conte(ジャック・コンテ)氏、Postmates(ポストメイツ)の元COOであるVivek Patel(ヴィヴェク・パテル)氏、Greenoaks CapitalのNeil Mehta(ニール・メータ)氏、KeepTruckinのShoaib Makani(ショエイブ・マカニ)氏などを含むエンジェル投資家グループが参加した。

ほとんどの米国人(98%)は、少なくても週に一度は家で料理をするが、レシピを見つけるためには長い時間インターネットで検索したり、広告や料理ブログの記事をかき分けてレシピを見つけなければならない。

そこでFoodyは、ユーザーがレシピを購入したり、自分のレシピをアップロードしたりして、それらを広告なしで1つの場所に保管できる場所を提供する。また、Jeremiah Tower(ジェレマイア・タワー)氏のようなミシュランの星付きシェフやフードブロガーと提携し、彼らはファンとの関係を築きながら、レシピやその他のコンテンツを収益化している。

Foodyアプリ(画像クレジット:Foody)

この会社のアイデアは、ブレナ・スティッツェル氏が金融業界でのキャリアを経て、2020年に料理学校に行くことを決めた頃に生まれた。世界的なパンデミックで学校が閉鎖され、店の棚にある利用可能な食料品が減っていったとき、スティッツェル氏は友人たちから、手元にある基本的な食材で何が作れるかという問い合わせを受けるようになった。

「多くの人がコンテンツを求めていたので、レシピを発信し始めたのですが、既存のツールには満足できませんでした」と彼女は語る。「レストランから作家まで、あらゆる種類のフードクリエイターがコンテンツを収益化して世に出すための優れたソフトウェアはありませんでしたし、家庭のシェフがレシピを一カ所に保存、共有、保管できる場所もありませんでした」。

そこでスティッツェル夫妻は、クリエイターがレシピを公開・共有し、QRコードやURLでファンにアピールできるツールの構築に着手した。料理好きな人は、無料で登録してサイトを利用でき、少額の料金でレシピ集を作ることができる。

Foodyは、タワー氏や、Mister Jiu’sのシェフBrandon Jew(ブランドン・ジュー)氏、Rich TableのEvanとSarah Rich(エバン&サラ・リッチ)氏、Harold Villarosa(ハロルド・ヴィラロサ)氏、Gaby Dalkin(ギャビー・ダルキン)氏、Amanda Frederickson(アマンダ・フレデリクソン)氏、Amanda Haas(アマンダ・ハース)氏、LauraとSayat Ozyilmaz(ローラ&サヤット・オジルマ)氏、A16レストラン、Tu David Phu(トゥ・デイビット・フー)氏など、12の厳選されたシェフやレストランを含む30人以上のクリエイターが参加してスタートする。

Serena Venturesについて「クリエイターに力を与え、家庭での料理の作り手の日々の生活を向上させるすばらしいソフトウェアを構築するというビジョンを共有できる」パートナーを見つけた、とスティッツェル夫妻は述べている。

Serena Venturesの創設者で経営パートナーのSerena Williams(セリーナ・ウィリアムズ)氏は、声明文の中でこう述べた。「仕事でも家族といるときも、食べ物と料理は、私の生活の大きな部分を占めています。Foodyで新しいレシピを試すことをとても楽しみにしています。そして、あらゆる文化やバックグランドを持つ料理クリエイターが、その創造性を収入につなげる機会を持つべきだと信じています」。

今回の資金調達は、新製品や機能を構築していく中で、エンジニアリングおよび開発部門の10人のチームを強化するために使用する予定だとダニエル・スティッツェル氏は語った。

「私たちは、毎週の食事のプランニングや、食料品の配達サービスと統合するなど、すばらしいキッチンソフトウェアを実現するための大きなビジョンを持っています」と彼は付け加えた。

画像クレジット:Christine Hall

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(文:Christine Hall、翻訳:Aya Nakazato)

ハンバーガーをひっくり返すロボット「Flippy」の能力が向上、調理前後の作業を追加

Miso Roboticsは米国時間11月2日、ファストフードチェーンWhite Castle(ホワイト・キャッスル)の一部店舗でのパイロット運用に続き、ハンバーガー調理ロボット「Flippy」の新バージョンを発表した。新バージョンのロボットは「Flippy 2」と名づけられ、ファストフード店での簡単な調理作業をさらに自動化することを目的としている。

Misoのプレスリリースによると、オリジナルバージョンに対するスタッフからのフィードバックは、Flippyの主な調理作業の前後に人間の助けが必要すぎるというものだった。それには、調理されていない食材を最初に扱うことと、調理された食材をホールディングエリアに置くことが含まれる。基本的にFlippyは、調理中の食材を常に監視し、調整する必要がある部分の作業を置き換えていたが、その前や後の段階ではあまり助けになっていなかった。

画像クレジット:Miso Robotics

MisoのMike Bell(マイク・ベル)CEOはこう述べている。

すべてのテクノロジーがそうであるように、Flippy 2は前作から大幅に進化しています。実際のレストラン環境で開発を推進するために、White Castleから得た知見に非常に感謝しています。Flippy 2は前ほどキッチンのスペースを取らず、新しいバスケットを充填し、空け、戻す機能により、生産量を飛躍的に向上させます。Flippyが誕生して以来、当社の目標は、どんな厨房にも調和し、混乱なく機能するカスタマイズ可能なソリューションを提供することでした。

Misoは、よりコンパクトになったFlippyは、従来のロボットに比べてスループットを3割近く向上させることができ、人間の手を煩わせることが大幅に減ったと述べている。2代目のFlippyは、パンデミックの影響でレストラン業界が深刻な人手不足に直面している中で発表された。

画像クレジット:Miso Robotics

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

EBILABが日本で初めて伊勢海老の脱皮をAIで検知するシステムを開発、映像解析で食材の「最旬」の見極め目指す

EBILABが日本で初めて伊勢海老の脱皮をAIで検知するシステムを開発、食材の「最旬」の見極め目指すEBILAB(エビラボ)は10月7日、日本で初めてAI映像解析により伊勢海老の脱皮を検知するシステムを開発し、10月1日から実証実験を行っていることを発表した。これは、伊勢海老の水槽を暗視カメラで監視し、AIが伊勢海老の脱皮を検知するとユーザーのモバイル端末に通知されるというもの。実験終了後は、三重県伊勢市の老舗伊勢海老料理店「倭庵黒石」(やまとあんくろいし)に導入される予定。EBILABが日本で初めて伊勢海老の脱皮をAIで検知するシステムを開発、食材の「最旬」の見極め目指す

エビの香の大部分は皮に含まれているため、皮ごと食べるのがおいしいとされている。皮が非常に固い伊勢海老も、脱皮直後なら柔らかい。その瞬間が伊勢海老がもっともおいしくなる最旬とされている。このシステムを導入予定の倭庵黒石でも、脱皮直後にさばいた伊勢海老を「幻の伊勢海老」として提供している。ところが、伊勢海老の脱皮には特定の周期がなく、生育環境や個体差によるばらつきもあり、その時期を見極めるには、現状では職人の勘と経験に頼るしかない。しかも夜行性のため、寝ずの番になることもある。そんな苦労が、このシステムを使うことで軽減されるという。EBILABが日本で初めて伊勢海老の脱皮をAIで検知するシステムを開発、食材の「最旬」の見極め目指すこのシステムでは、映像解析にMicrosoftの「Azure Cognitive Services」を利用している。これは、言語や音声や視覚など、人の認知を模した機能をウェブAPIとして簡単に利用できるAIサービスだ。このサービスを導入したことで、開発コストや運用コストを、飲食店が導入しやすいレベルにまで抑えることができた。

EBILABは、三重県伊勢市で150年の歴史を誇る老舗「ゑびや」の経営メソッドから生まれたサービス産業のためのシンクタンク。飲食店向けのクラウドサービスの開発、提供を行っている。このシステムは、「人の経験や勘に頼らず正確かつ効率的に食材の『最旬』を見極める仕組み」として、伊勢海老以外にも応用できると、EBILABは話している。

米アマゾンがHaloサブスクでフィットネスと食事プランナーのサービスを提供

Amazon(アマゾン)はユーザーの健康とフィットネス、そしてHaloパーソナルヘルスデバイスに関係する2つの新サービスを導入する。Apple Fitness+のようなインタラクティブなホームビデオによるエクササイズのHalo Fitnessと、パーソナライズされたガイド付き食事プランナーのHalo Nutritionだ。

これらのサービスはいずれも、AmazonのHaloラインナップのフィットネストラッカーを使用する人向けのHalo会員サービスに含まれる。ラインナップにはOLEDディスプレイを搭載している新しいHalo Viewアクティビティトラッカーも加わる。HaloのサブスクはHalo Bandに付いてくる3カ月の無料トライアル、あるいはHalo Viewに付属する12カ月のトライアルの後は月3.99ドル(約450円)だ。Fitnessは2021年後半に提供が始まり、そして2022年1月からはNutritionも提供される。

Halo Fitnessは「業界の専門家」による「スタジオ品質のワークアウト」を提供し、Haloフィットネスバンドがとらえる心拍や心拍強度ゾーンなどの数値をリアルタイムに表示する。ワークアウトのコーチにはMichael Hildebrand(マイケル・ヒルデブランド)氏、Elena Cheung(エレナ・チュン)氏、Elizabeth Andrews(エリザベス・アンドリュー)氏らがいる。そしてワークアウトには有酸素運動、強度トレーニング、ヨガ、屋外移動クラスなどがある。

Halo Nutritionはレシピの検索や食事プラニングを提供し、食事の好みや必要に応じたメニュー、あるいはクラシック、ケト、地中海、北欧、パレオ、完全菜食、ベジタリアンといった特定の食事のためにあらかじめキュレートされたメニューを作るオプションもある。サービス開始時は、Whole Foods やWWなどのパートナーが提供する500超のレシピをライブラリーに備え、材料を探すためのAlexa買い物リストも統合している、とAmazonは説明している。

画像クレジット:Amazon

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

共働き世帯向けに作り置き用家庭料理を週に1度配達するサービス「つくりおき.jp」のAntwayが15億円調達

共働き世帯向けに作り置き用家庭料理を週に1度配達するサービス「つくりおき.jp」のAntwayが15億円調達

「あらゆる家庭から義務をなくす」ことをミッションに、作り置き用の家庭料理を週に1度配達するサービス「つくりおき.jp」のAntway(アントウェイ)は8月10日、第三者割当増資と金融機関からの融資を合わせて総額約15億円の資金調達を行ったことを発表した。引受先は、既存株主のニッセイ・キャピタル、DIMENSIONに加え、ジャフコ グループ、KDDI Open Innovation Fund3号(グローバルブレイン)、SMBCベンチャーキャピタルが新たに加わった。

Antwayは、主に共働き世帯の「忙しいママ・パパ」の料理にまつわる悩みから解放し、子どもといっしょに「罪悪感なく」食べられる、管理栄養士の監修のもとに専任の料理人が手作りした料理をサブスクリプション型サービスで提供している。2020年に都内の4つの区からサービスを開始し、約10カ月で東京23区全域にサービスを拡大した。

今回調達した資金で、大型キッチンの増設、人材採用と組織体制の強化を行い、23区以外のエリアへのサービス拡大を目指すという。また、製品開発にもこれまで以上に力を入れるとのこと。

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カテゴリー:フードテック
タグ:Antway(企業)サブスクリプション(用語)食材宅配 / フードデリバリー(用語)食品 / 食料品 / 食材 / 食品加工(用語)D2C(用語)料理 / クッキング(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

料理を学びたい人向けミールキット宅配「シェフレピ」がレシピと動画のみ版「#シェフレピアーカイブ」を期間限定で提供

料理を学びたい人向けミールキット宅配「シェフレピ」がレシピと動画のみ版「#シェフレピアーカイブ」を期間限定で提供

本格的な料理を学びたい人向けのミールキット宅配サービス「シェフレピ」を展開するefoo(イフー)は7月12日、レシピと動画のみを販売するサービス「#シェフレピアーカイブ(β版)」を期間限定で開始すると発表した。購入できるのは「シェフレピ」で過去に発表した全10品と、正式公開前の9月に発売されたレシピ10品の計20品。

シェフレピは、家事労働の軽減やメニューの質の向上を目的とした「家事改善型」とは異なり、「シェフのテクニックや食材の知識といった知的財産」の習得に特化した「スタディ型」のミールキット・サービス。2021年4月からサービスを開始したが、5月は売上げ前月比1.35倍(販売初日から20日間の売り上げで算出)、6月は前月比1.93倍(月初から月末の売り上げで算出)と大きく成長しているという。しかし、相次ぐ緊急事態制限で内食需要が高まり、またミールキットの配達区域外の人から、レシピと動画だけでも販売してほしいとの要望を受け、食材のつかない「#シェフレピアーカイブ(β版)」をスタートさせた。

販売期間は7月12日12時から8月22日23時59分まで。購買者には、レシピのPDFデータと調理動画のURLを記載したメールが送られてくる。販売レシピは次のとおり。価格はそれぞれ1500円(税込)。

煮込み特集

  • 米沢豚のトムセップ風|h.b.(フリーランス料理人)
  • 牛ホホ肉の赤ワイン煮込み|大森雄哉(TOYO Tokyo)
  • ウサギ肉のバスク風シードル煮込み|清水和博(エチョラ)
  • ブランケット・ド・ヴォー(仔牛肉のクリーム煮込み)|白竹俊貴(ペルティカ)

ラム肉特集

  • 水煮羊肉片(スイジュウユイロウピェン)|東浩司(AUBE)
  • ラム肩ロースのラグーと手打ちカバテッリ パスクア(復活祭)風 グリーンピースと木の芽添え|田淵拓(サッカパウ)
  • ごまとクミンで香りを付けたラムチョップのロースト ひよこ豆のピュレ添え|福田浩二(プルマン東京)
  • 仔羊背肉のローストと骨つきバラ肉のブレゼ|宮島由香里(フランス料理人)

スパイス×肉特集

  • スパイスをまぶした鴨ムネ肉のエギュイエット 焼きリンゴとゴボウのチップス|h.b.(フリー料理人)
  • 石黒農場ホロホロ鳥のバロティーヌ馬告とスモークパプリカ|小泉敦子(フランス料理人)

また同時に、正式リリース前の9月に販売していた、以下の「幻」のβ版レシピも販売。価格はそれぞれ1400円(税込)。

「幻」のβ版レシピ

  • 海水のフィロ|竹矢匠吾(フリー料理人)
  • 季節の果物とオレンジのグラニテ|竹矢匠吾(フリー料理人)
  • 蟹のグラタン~バスク風~|清水和博(エチョラ)
  • 鶏肉のバスク風煮込み|清水和博(エチョラ)
  • 豚肩ロースとムール貝のフヌイユ風味|h.b.(フリーランス料理人)
  • 羊肉のクスクス|h.b.(フリーランス料理人)
  • 麻婆豆腐|yuccho(フリーランス料理人)
  • 四川風ごまだれ雲呑(ワンタン)|yuccho(フリーランス料理人)
  • ラザニア|表原平(ペルトナーレ)
  • ネチっと食感のパンナコッタ~季節の果物のソース~|表原平(ペルトナーレ)

今回の取り組みは、緊急事態宣言で苦しむ料理人たちを応援する目的もあり、レシピが1つ売れるごとに、それを考案したシェフに1000円が還元される仕組みになっている。以前にミールキットを購入した人が、シェフを応援する目的で再度購入する場合は500引き(β版は400円引き)クーポンが発行される。この場合も、考案シェフには1000円が還元される。

「お力をお借りしているシェフのみなさんに『いつか』お返しをしなければ」と思い続けてきた共同創設者・代表取締役の山本篤氏は、今こそ応援すべきときだと、まだ準備が不十分ながらβ版として「#シェフレピアーカイブ」の販売に踏み切ったという。シェフレピには、本格的な料理を指導するという目的以外に、「シェフのレシピで料理をする」文化を創出してシェフの存在感を高め、「シェフの知的財産」に価値が付けられるような未来を創造することも掲げていると、山本氏は話している。

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カテゴリー:EdTech
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買い物データから栄養を分析しレシピを提案する「SIRU+」と西鉄ストアが健康的食生活を支援する社会実験を開始

「がんばらないヘルスケアアプリ」SIRU+と西鉄ストアが買い物内容から健康的食生活を提案する社会実験を開始

買い物から健康的な食生活を目指す「がんばらないヘルスケアアプリ」SIRU+(シルタス。Android版iOS版)を展開するシルタスは7月12日、西鉄ストアと共同で、福岡ヘルス・ラボの支援を受けた健康寿命延伸のための社会実験を開始すると発表した。

購買履歴から栄養を分析し食材・レシピを提案するSIRU+と西鉄ストアが買い物内容から健康的食生活を支援する社会実験を開始

2019年からサービスを開始した「SIRU+」は、スーパーのポイントカードなどを紐付けることで、購買履歴から栄養の偏りを可視化し、栄養バランスが整う食材やレシピを提案するというアプリ。消費者には、より健康的な食材の購入に役立ち、スーパー側にとっては、店舗や地域ごとの消費者の栄養傾向がわかり、健康的な品揃えの参考にできるという。

今回の実験では、福岡市内で西鉄ストアが運営する「にしてつストア レガット」22店舗において、にしてつストアの「ナイスカード」または「あんくるふじやカード」を持つ20代から60代の男女を対象に、購入商品の栄養バランスを自動的に分析し、不足栄養素を補う食品やレシピを提案する。2021年7月15日から8月15日まで被験者の募集を行い、利用開始から6カ月間続けられる。

社会実験の概要

  • 募集期間:2021年7月15日~8月15日(300名程度想定)
  • 参加方法:募集期間中、にしてつストアのポイントカードをアプリに登録。利用は無料
  • 実験期間:利用開始日から6カ月間
  • 対象者:「ナイスカード」または「あんくるふじやカード」を所有する20代〜60代の男女(既往などによる食事制限がない方、妊娠中・授乳中でない方)
  • 実施店舗:福岡市内の、にしてつストア・レガネットの22店舗(SIRU+利用可能店舗は、市外店舗を含む61店舗)
  • 検証内容:SIRU+の利用前後における、参加者の栄養摂取状況や健康意識、購買意識、購買行動の変化

この実験は、福岡市と福岡地域戦略推進協議会が設立した「福岡ヘルス・ラボ」の支援によるもの。福岡ヘルス・ラボは、リビングラボ(市民参加型の共創活動)の手法で、市民、企業、大学などが一体となり社会課題を解決するという取り組み。実験は、その第三期事業に採択されたことで実現した。

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味の素が一般アスリート・部活生向け自動献立提案AIアプリ「勝ち飯AI」β版を開発、限定ユーザーテスト開始

味の素が一般アスリート・部活生向け自動献立提案AIアプリ「勝ち飯AI」β版を開発、限定ユーザーテスト開始

味の素は3月31日、アスリート向け献立提案AIアプリ「ビクトリープロジェクト管理栄養士監修 勝ち飯AI」β版を開発し、ユーザーテストを開始した。限定ユーザーテストを通してコンセプトの受容性を確認するとともに、同社では今後さらに多様な領域において生活者への価値を創出・提案する予定。

勝ち飯AIは、同社がトップアスリート向けに培ってきた栄養計算や高度なサポートの知見を、一般のアスリートにも広く提供することをコンセプトとして開発した、自動献立提案アプリ。アスリートの厳しい栄養基準を満たしつつ好きなメニューを献立に組み込むなど、食事を楽しみ、親子のコミュニケーションなどを促しながら選手の目標に向けてサポートを行う。

同アプリは、献立やレシピに関する独自テクノロジーを基盤に、栄養面でトップアスリートへの食サポート活動を実施している同社「ビクトリープロジェクト」管理栄養士監修の下、開発。ビクトリープロジェクトのサポート現場で使用される栄養計算基準をアルゴリズム化し、ユーザーがアプリ上で必要な情報を入力するとAIが栄養基準を満たす献立を提案する。

また、必要栄養価を充たす献立を提案するためのメニューデータベースには、同社運営のレシピサイト「AJINOMOTO PARK」のデータを活用。各メニューに対し、栄養情報に加えて、ジャンル・季節・調理時間など様々な情報を紐づけており、AIがユーザーに適した献立を提案するという。

具体的な使用方法として、「選手」と、食で選手をサポートする「調理する人」とがアカウント連携することで利用できるという。

「選手」は、性別・体重・体脂肪率などの基礎情報に加え、種目(瞬発系、持久系、球技系、その他)や目標(体重を減らす、体重を増やす、現状維持)を選択し登録。日々の体組成をアプリに登録し、食事記録の際に味や食べた量を5段階で評価することでどのくらいの栄養価を摂取したかが分かるとともに、AIがユーザーの好みの味や量を学習し、使えば使うほど選手に最適化された献立が提案されるようになる。

「調理する人」は、選手の目標や体組成に応じてAIが提案する献立(10日分、毎食3パターン)から調理するメニューを選ぶことが可能。その際、あらかじめ選手が食べられない食材を登録したり、選手からのリクエストメニューを表示することもできる。

味の素は2018年、「食から未来を楽しく」というミッションの下、「生活者にとってのさまざまな価値」を実現することをすべての起点とし、新たな事業を生み出す部署として生活者解析・事業創造部を創設。研究機関やパートナーとの連携、AIなどのテクノロジーやデータの活用、サービスの開発と運用、生活者やパートナーからのフィードバックを通して世の中全体で多様な生活者価値を生み出し、新たな食の楽しい未来を作り上げたいという。

同アプリ開発にあたり生活者にヒアリングやリサーチを実施した結果、食事によるパフォーマンス向上への関心が高い「一般アスリート・部活生」に、トップアスリートと同様の食サポートプログラムを提供するサービスのニーズが高いことが判明。さらに、中高部活生を子に持つ親にインタビューを行ったところ、親としても食事面からサポートすべく講習会などに参加するものの、自分の子供に置き換えた場合栄養計算や献立の組み立てなどが結局分からないといった声があったという。

また、コロナ禍において活動休止・縮小となっている部活動も多く、「これまでの『たくさん動いて、たくさん食べよう』といった指導ができなくなっている」といった声も指導者から多く聞かれたそうだ。思うように練習ができない時にどのような食事でカラダ作りをするべきかなど、食事の内容に対する関心度の高まりを感じ、アスリート・部活生や食サポートをする方々の悩みを同社の知見を活かし解決することをアプリの目標として位置付けているという。

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カテゴリー:フードテック
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レストランに近い味が楽しめるスマートオーブンと食事キットサービスTovalaがさらに約31億円調達

新型コロナウイルス(COVID-19)をきっかけに自宅で過ごす時間が増えたことで、食事の仕方や内容に注目が集まっている。料理をするのが好きな人であっても、特に忙しい人や料理が得意でない人にとってはなおのこと、美味しいもの、栄養のあるもの、新しいものをいつでも食べられるように工夫するのは難しいだろう。そうした状況に機運を得て事業が好転したスタートアップの1社が2021年2月初旬、事業拡大のための資金調達ラウンドを発表した。

スマートオーブンと食事キットサービスを提供するTovalaがシリーズCラウンドで3000万ドル(約31億円)を調達した。シカゴに拠点を置く同スタートアップの共同創設者でCEOのDavid Rabie(デビッド・ラビー)氏はTechCrunchに対し、今回の資金の大部分は米国西部への生鮮食品の流通を支援する第2の施設を開設するために使われる予定であり、それはおそらくユタ州になるだろうと語った。その他の投資用途には、顧客サービスの改善や人材の獲得などが含まれる。

さらに将来的には調理済みの料理やレシピの選択肢も徐々に増やしていく予定だ。ラビー氏によると、Tovalaオーブンでの調理を目的とした料理づくりのサービスを、一流のレストランやシェフと提携して準備しているという。

「このオーブンがあれば、レストランに近い体験ができると思います」とラビー氏は説明する。「温め直すだけのものではなく、下ごしらえされた食材の提供により、地域のレストランへのリーチを開拓できると考えています」。

資金調達はLeft Lane Capitalが主導しFinistere Ventures、Comcast Ventures、OurCrowd、Origin Ventures、Pritzker Group Venture Capital、およびJoe Mansueto(ジョー・マンスート)氏も参加している。すべてこれまでの支援者だ。

Y Combinator出身のTovalaは、食肉加工大手Tyson(タイソン)をはじめとする興味深い投資家を惹きつけてきた。注目すべきは、2020年6月のシリーズBラウンドで2000万ドル(約21億円)を調達して以来、半年で2回目の資金調達ラウンドとなることだ。

前回のラウンドと同様、評価額は公表されていない。しかし、同社が相当数の実績を上げていることは今回の資金調達で証明されており、同社の価値がいかに上昇傾向にあるかを示している。

過去18カ月の年間収益は10倍に増加し(新型コロナ以前の増加を含む)、従業員数は40%増加、出荷量は300万食を超えている。同社によると、オーブンは毎月平均32回所有者によって使用されている(デバイスが接続されているため追跡可能)。

しかしラビー氏によると、総ユーザー数はまだ明らかにされていないという。

Tovalaのオーブンは299ドル(約3万1200円)で販売されているが、購入後半年の間に11.99ドル(約1250円)の食事(1食につき1人分)を6回注文することを約束すると、通常100ドル(約1万500円)安くなる。Tovalaは現在、そうした食事の義務なしに最大で130ドル(約1万3600円)の割引を提供しており—レストランが休業して家で過ごす時間が増えたことで、食事を考え直す人達の波に乗ろうとしているのかもしれない—オーブンの価格は約170ドル(約1万7800円)程度に下がっているようだ。

オーブンに入れ、付属のつけ合せを添えるだけで完成する同社独自の既製トレイの食事に加え、Tovalaのオーブンを使用して店で売られている何百もの既製食品もパッケージのバーコードをスキャンして仕上げることができる。Tovalaのアプリを使って自分でプログラムして調理したり、それとは別にトースト、スチーム、ベイク、ブロイルなど、通常のオーブンと同じようにTovalaのオーブンを使用したりすることも可能だ。

指1本でタップするだけで食べ物を注文することができるキット食品や宅配食品の数々は、多くの人々の家庭での食事に対する考え方に変化をもたらした。

どれも手軽に食べられるように作られている。しかしTovalaは、より幅広い選択肢の中で特定のニッチをカバーできることを期待して事業を拡大してきた。自宅で調理した新鮮な料理を食べたいが、料理キット会社によってあらかじめ加工された材料があったとしても、そうした料理を準備する時間も関心もない人たちである。

しかしそれはビジネスの一側面にすぎない。Tovalaのオーブンは同社が構築したバーティカルインテグレーションの中心的な部分であり、ハードウェアは売れにくいと言われている中でも依然として事業提案の一部として残していくとラビー氏はいう。

「私たちは高品質の食事を人々に届けるビジネスを進めています。オーブンはそれを実現するための重要な手段です」と同氏は続ける。「私たちはテクノロジーと食品に携わる会社であり、オーブンビジネスから離れることはありません」。

一方で、同社はオーブンを製造する他社との提携も拡大している。

たとえばTovalaはLGと契約を結び、自社のソフトウェアをLG製オーブンに組み込んで、アプリとバーコードスキャンシステムでプログラムできる料理やTovalaの食事キットを作れるようにしている。ラビー氏は、Tovalaのソフトウェアを動かすフルサイズのLG製オーブンは「私たちが参入するような製品ラインではない」ためこの取引は理に適っていると語っている。

LGは出資者ではないとされており、これらの新デバイスがいつ発売されるのかも不透明だ。なお両者の提携は2019年に発表されている。

とはいえ、この提携はインターネットに接続された機器やその周辺のサービスを構築しているハードウェア企業が、次の段階に向けて既存企業とより緊密に連携するというケースの良い例である。

競合となり得る企業を買収するケースは他にもある。BBQ製品大手のWeber(ウェーバー)は2021年1月、以前に投資していたスマートオーブンのスタートアップJuneを買収した。そして2017年にはElectrolux(エレクトロラックス)が真空調理家電のスタートアップAnova(アノーバ)を2億5000万ドル(約260億円)で買収している。

関連記事:アウトドアクッキングの人気メーカーWeberがスマートクッキングのJuneを買収、Weber会長はJuneの大ファン

この種のエグジットはTovalaのメニューにあるかもしれないし、ないかもしれないが、将来的に前菜からメインコースに移行するための選択肢であることは否めない。

今のところ同社は、独立性を維持して成長するという方針だ。ラビー氏によると、Left Laneが興味を示した背景には「家庭でスマート食品を作る」というPeloton(ペロトン)のようなカテゴリー定義の役割をTovalaが担っており、人々の日常の習慣や日課の一部になり得るという考えがあったという。

「Tovalaは、食事のサブスクリプションと接続されたデバイスを組み合わせることで、食品デリバリー業界で見られる他のどの製品よりも高い顧客定着率を達成しており、これまで定着率が低かったフィットネス業界でPelotonが達成してきたことと多くの点で類似しています」とLeft Lane Capitalの共同創設者でマネージングパートナーのJason Fiedler(ジェイソン・フィードラー)氏は声明で述べた。「私たちのチームはカテゴリーを定義する消費者サブスクリプション事業への投資における実績を有しており、Tovalaが次なる大手食品テック企業になる可能性に期待しています」。フィードラー氏は今回のラウンドで取締役会に加わる予定だ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Tovalaスマート家電資金調達料理

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

TikTokがWhiskと連携して料理動画からレシピを保存する機能をテスト

TikTokが他社サービスとの統合を拡大し、フード関係のクリエイターがWhiskアプリのレシピに直接リンクできる機能のテストを開始した。TikTokのフード動画にオーバーレイで新たに表示されるようになったボタンからレシピをダウンロードできる。この機能によりTikTokの料理動画は行動につながるものになり、利用者はコンテンツを視聴するだけでなく後で使えるコンテンツを保存するという次の段階へ進めるようになる。

この新しいボタンからWhiskへのトラフィックが大幅に増える可能性もある。最近の「TikTokパスタ」動画のようにレシピがバズればなおさらだ。

TikTokはTechCrunchに対して、このボタンはWhiskとの連携により設けられたもので、現在は「アルファテスト」の段階であることを認めた。TikTokはWhiskと協力して、この新機能を最初に利用するフードコンテンツのクリエイターを選んでいるという。

TikTokのトップフードクリエイターの1人The Korean VeganことJoanne L. Molinaro(ジョアン・L・モリナロ)氏のプロフィールにこのボタンが表示されることが確認できた。

画像クレジット:TikTok(スクリーンショット)

このボタンは、ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナバラ)氏がTikTokの@feelgoodfoodieアカウントで初めて発見した。

TikTokの視聴者からすると、この機能の使い方は簡単だ。

テストグループに含まれているユーザーに対して、TikTokアプリの動画に「See full recipe(詳しいレシピを見る)」と書かれたボタンが表示されることがある。このボタンは画面の左下、クリエイター名と動画の説明のすぐ上に表示される。他の動画で「Green Screen(グリーンスクリーン)」ボタンが表示されるのと同じ位置だ。Whiskを使っている人がレシピのボタンをタップするとWhiskのページに移動し、レシピの写真や材料を見たりレシピを保存したりすることができる。

これはすべてTikTokアプリ内で動作する。

クリエイター側は、動画を投稿するワークフローの中で新しい「add link(リンクを追加)」のオプションを使ってレシピのボタンを追加する。

「レシピを保存する」機能がTikTokの動画に追加されたが、この機能は必ずしもフードコンテンツのクリエイターだけに限定されるものではない。Whiskのプラットフォーム上では誰でもレシピのコミュニティを作ることができ、たとえばインスタントのペットフードやスムージーのアイデア、簡単なパン作りなど特定のカテゴリーやテーマに関するお気に入りのレシピを集めるだけでフォロワーを増やすことができる。

画像クレジット:Whisk

Whiskはレシピコミュニティの拡大にも取り組み、キュレーターやクリエイターが自分のウェブサイトを持っていればそこへ、あるいはInstagramやYouTube、そしてもちろんTikTokなどのソーシャルメディアのプロフィールへリンクを張って、Whiskをキュレーターやクリエイターのホームにしようとしている。

ファンはソーシャルメディアでコンテンツを見て興味を持ち、次のステップとしてWhiskを見てレシピを保存したり買い物リストを作ったり、家でそのレシピで料理をしたりするかもしれない。このような「行動につながる」コンテンツは、ストーリーピンでショートビデオに進出しているPinterestへの挑戦とも考えられる。Pinterestのクリエイターはストーリーピンでタップ可能な「ストーリー」形式の動画コンテンツを共有することができ、そこにはレシピや料理の動画も含まれる。

関連記事:iOS 14の画面デザイン機能で注目のPinterestがストーリーピンのベータ版を正式に公開

Pinterestはストーリーピンを他社のショートビデオと差別化する手段にしたいと考えている。2月第1週の業績発表で同社は、ストーリーピンは「エンターテインメントに特化したものではなく」むしろ「ピナーが自分の生活を豊かにするために使えるもの」だと述べた。

TikTokが新しいパートナーとしてWhiskを選んだのは、Whiskが2019年末のサービス開始以降、急速に利用者を増やしていることを考えれば納得がいく。現在、Whiskでは月間150万回以上のインタラクションがある。Google PlayのBest of 2020受賞した

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TikTokのボタンが他のサービスと統合されるのは、Whiskが初めてではない。

2021年1月に、教育ジャンルのクリエイターを対象に学習プラットフォームのQuizletで同様の機能が発表された。動画のオーバーレイに表示されるボタンから直接、Quizletのデジタルフラッシュカードなどの学習コンテンツにリンクできる。1月の時点では、Quizletのこの新機能がTikTokの動画を別のアプリやサービスに直接結びつけるという大きな取り組みの一部であることはわからなかった。この取り組みはTikTokのコンテンツ、そしておそらくインフルエンサーのスポンサーシップの拡大にもつながるだろう。

TikTokは多くのジャンルで流行を牽引する力があり、画像にブックマークして集めるPinterestに対してその動画版になる効果があると考えられることから、他にもこのような連携が生まれる可能性がある。

TikTokは2020年末に料理、音楽、美容、ファッションの「トップトレンド」を公開した。ファッションに関していうと、TikTokはWalmartと手を組み、インフルエンサーが登場して売上を伸ばすライブストリームのビデオショッピングのテストを実施し、流行のファッションの分野でも動画の刺激が消費者の行動につながる可能性を示した。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:TikTokWhisk料理

画像クレジット:Whisk

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

クラシックな炭火焼きとモダンなアイデアが融合したNomadのスーツケース型炭火焼きグリル

ダラスを拠点とするNomad(ノマド)は、古典的な調理方法を現代化した。とは言っても、ネットにつながったりスマート機能を搭載しているわけではない。Nomad Grill & Smoker(グリル・アンド・スモーカー)は昔ながらの炭火焼きグリルを、気の利いた工業デザインできれいな形に収めてポータブル化したというもの。同時に、上級者レベルの調理も可能ながら、初心者でもおいしい炭火焼きが作れる。

基本仕様

Nomadのグリルの外観は、映画の撮影班が持ち歩いていそうな洒落た機材ケースと、最新のMac Proなんかを掛け合わせたような感じだ。一体鋳造されたアルマイト加工のアルミニウム製で、外側は耐久性に、内側は保温性に優れている。サイズは縦横およそ60センチメートル、厚みが約24センチ、総重量は約13キログラム。中に収まるステンレスの鋳造グリルが基本セットに含まれる。

13キロはちょっと重いように思えるが、Nomadの調理面積を考えれば非常に軽いほうだ。グリル1枚で蓋ができるモード(スモークができる)でおよそ1370平方センチメートル、オープンモードなら約2740平方センチメートルまで広げられる。グリルをもう1枚追加購入すれば、両面を使って調理ができる(網焼きのBBQ向き)。

ケースには、頑丈な二重ラッチ式の留め具が2つと、持ち運ぶことを考えて強化型のハンドルが備わっている。本体を置いて調理する際には、シリコン製の滑り止めが表面を保護してくれる。手でスライドさせて空気の流れと炎の強さを調整できる、磁石式の通気口が両脇にそれぞれ1つずつある。

デザインと性能

画像クレジット:Nomad

Nomadのデザインは思いのほかシンプルだ。言ってしまえば金属の箱なわけだし。しかし、その中をちょっと覗くだけで、非常に高度な仕組みが見てとれる。外側が高温にならない二重構造もそのひとつ。調理する人にとって安全であるばかりか、実際に調理する際の置き場所も、素材による制限をあまり受けない。ポータブルグリルにとって、それは大きな長所だ。

とくにグリルは熱伝導のいいハニカムデザインで、わずかにドーム状に盛り上がっているため、下の炭火からの距離が稼げるようになっている。取り外しができ、本体には磁石で固定される仕組みだ。これは持ち運ぶ際に安心できる。少々ぶつけても、中のものが散乱しない。

もうひとつの大きな特長は、ちょっと見には細かいことのようだが、ケースに取り付けられた温度計だ。グリルの温度が一目でハッキリとわかる。アナログ式なので電池もいらない。これも持ち運ぶ際には有り難い。

実際にグリルは、優れた炭火焼きグリルに求められる要素をすべて備えている。このサイズのポータブル式にしては驚くべきものだ。ひとつ、ぜひお薦めしたいのは、チムニー型の火起こし器だ。これがあれば火起こしがずっと楽になる。どんなバーベキューコンロを使うときでもかなり重宝する。

画像クレジット:Nomad

私はスモークをした際に、Nomadの性能に本当に感心した。蓋を閉じると一定の温度を長時間保ってくれる。調理具合を調整したいときも、本体に備わっている通気口で簡単に温度調節が行える。炭火から食材までの適切な距離も、素晴らしい味わいを与えてくれる。

まとめ

Nomad Grill & Smokerの価格は599ドル(約6万2000円)。かなり高価に感じられるが、市場では、便利でありながら、これだけの性能を提供してくれる唯一の存在だ。家でも旅先でも、Nomadは趣味の料理人の道具一式にぜひ追加したい1台だ。その気になれば据え置き型の炭火焼き専用グリルに置き換えることも可能な、オールインワンの助っ人になる。

関連記事:アウトドアクッキングの人気メーカーWeberがスマートクッキングのJuneを買収、Weber会長はJuneの大ファン

画像クレジット:Noma

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

アウトドアクッキングの人気メーカーWeberがスマートクッキングのJuneを買収、Weber会長はJuneの大ファン

アウトドアクッキング業界のリーダーであり、バーベキューコンロの人気メーカーとして名高いWeber(ウェーバー)は、2013年にMatt Van Horn(マット・バン・ホーン)氏とNikhil Bhogal(ニクヒル・ボガル)氏が設立したスマートクッキングのスタートアップJune(ジューン)を買収した。この取引の金銭的な条件は公表されていないが、JuneはWeberーStephen Products(ウェバースティーブンプロダクツ)の完全子会社として、今後もJuneブランドで事業を続け、June Ovenと関連製品の販売と開発を継続するとWeberは認めている。一方、Juneの共同創設者ニクヒル・ボガル氏は、Weber製品のテクノロジーおよびネット接続デバイス担当上級副社長の役職に就く。

Weberは以前からJuneとは協力関係にあり、Weber Connected(ウェーバー・コネクテッド)スマートグリルプラットフォームにはJuneのテクノロジーと専門知識が活かされている。ネット接続によるスマートグリルの機能をすべてのグリルに適用できるWeber Connetedスマートグリルハブ、木質ペレット式グリルSmokeFire(スモークファイヤー)シリーズに内蔵されているスマートクッキング機能などがそうだ。両社の提携関係は、2018年、Weberの創業者の息子であり、当時のWeberのCEO、現会長のJim Stephen(ジム・スティーブン)氏から突然届いた謎のメールから始まった。

「彼はファンであり、顧客であり、Juneの技術がWeberのすべての製品に力を与える未来を想像して止まないと話してきました」とバン・ホーン氏はインタビューで私に話した。「私はこう聞きました。『ちょっと待って、なんの話ですか?というか、あなたは誰?』と。すると彼は『これからそっちに向かう。月曜日には着く』というのです。いつもはデモ用の準備を整えて、チョコレートラバケーキやステーキをJune Ovenで焼いて見せているので、15分は早く現場に行かなければなりません。しかしジムはすでにオフィス前の階段に立っていて、私のためにドアを開けようと待ち構えていました。そしてこういったのです。『デモは結構。持ってるから』と」。

「彼のエネルギーと、誰よりも早く物事を見抜く才能には、度肝を抜かれました」とバン・ホーン氏は言葉をつなぐ。「そのすぐ後に、私はCEOになる予定のクリス(Weberの現CEOのChris Scherzinger[クリス・シャージンガー]氏)と会い、一緒に歴史あるWeberブランドの、正直大変な驚きの素晴らしい文化に初めて触れることができました」。

前述のとおり、JuneはWeberのパートナーとなり、2020年のCESで初披露されたネット接続クッキングプラットフォームの技術を支えている。Weberはまた、JuneのシリーズC投資ラウンドを主導した。それは今回のエグジット前の2018年にWeber主導で実施された、これまで非公開だった最後の資金調達ラウンドだ。

バン・ホーン氏は、新しい取り決めのもとでJuneの社長を務め、現行と将来の製品開発の指揮を継続することになる。

国際的な規模の、また現在展開されているグローバルな足がかりを通じた流通網によるWeberの支援力は、この創立63年の老舗企業との合併を決める大きな誘因になったと彼は話す。だがもう1つ、常に顧客を中心に考え、食べ物を愛するJuneの企業文化にWeberがどれほど相応しい場所であるかが証明された点も重要な鍵だった。

「ニクヒルと私がJuneを立ち上げたのは、いうまでもなく食べ物が大好きだからです。料理が大好きだからです」とバン・ホーン氏。「そして、私たちの製品の作り方を考える際の原則は、Apple(アップル)の原則と大きく重なっています。Juneの従業員の大半がApple(アップル)出身者です。私たちはそれを、見てのとおりの従業員60人という小さなスタートアップに凝縮しました。しかし、Weberの非常に熱心なチームと仕事ができるようになり、最初から本当にエキサイティングで、ずっと驚きの連続です」。

Weberは、技術優先の視点から調理にアプローチするというアイデアから生まれたJuneのソフトウェアと技術を手に入れた。その専門知識を、高品質の伝統と顧客の熱烈な支持を見すえつつ、Weberの製品全般に吹き込む考えだ。

「今あるソフトウェアのエンジニアリング、ネット接続を前提としたデザイン、機械知能の専門知識を吹き込むだけで、そのコアコンピタスや能力を得ることができますが、それは実に控えめな見方です」とシャージンガー氏はインタビューで私に語った。「マットはスーパースターのチームを作り上げ、私たちはそれをドラフトの第1巡で獲得したのです。それがWeberのゲームを別次元に高めます。これにより、私たちの無数の取り組みが加速され、消費者に新しい体験、新しいサービス、新しい製品を確実に届けるという意味において、Weber Connectの未来は拡大されます。それは早ければ2021年から2022年に始まります」。

前にも述べたとおり、今回の取引の詳細はWeberもJuneも公表していないが、シャージンガー氏は「マット(・バン・ホーン)と彼のチーム、彼の投資家は、みんなよくやってくれました」と話している。Juneの以前からの投資企業にはAmazon Alexa Fund、Lerer Hippeau、First Round Capital、Promus Ventures、Industry Ventures、Eclipse Venturesなど数多い。

関連記事:Juneの第3世代のスマートオーブンが予約開始、価格は約6万3000円から

カテゴリー:ハードウェア
タグ:WeberJune買収料理

画像クレジット:Weber

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(翻訳:金井哲夫)

めん類、丼もの、点心を作ってくれるYo-Kai Expressの家庭用スマート自動調理器「Takumi」

Yo-Kai Expressはオフィス、ショッピングモール、ホテルなどで利用されるレストランの自律テクノロジーで知られる。新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大により人々が外出しなくなる中、同社は複数の機能を持つスマートホームクッキング機器のTakumiを発表した。Takumiにはコーヒーメーカー、IH調理器、調理器具や哺乳瓶を消毒するためのスチーマーが備わっている。あらかじめプログラムされたレシピが入っているアプリとTakumiをRFIDで接続したり、水の容器の残量が少なくなったらアラートを送ったりすることもできる。

Yo-Kai Expressは現在、CESの台湾テックアリーナでTakumiを紹介している

Yo-Kai Expressのスマートホームクッキング機器、Takumi

米国西海岸のベイエリアではYo-Kai ExpressのOcto-Chefを見かけることがある。温かい麺類(ラーメン、うどん、フォー)を出す自動販売機だ。サンフランシスコ国際空港、サンフランシスコのMetreonショッピングモール、企業内などに設置されている。しかしYo-Kai Expressは人々が家にとどまっている状況に対応しようとしている。2020年4月には家庭用のミールキット配送サービスを始め、現在では米国全州で利用できる。

家で料理をしたいけれど時間(とスペース)がない人のために、あらかじめプログラムされたTakumiのレシピはわずか2〜8分で作れるようになっている。Yo-Kai Expressはめん類で有名だが、Takumiのメニューには丼もの、点心、餃子、パスタもある。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Yo-Kai Express料理CES 2021

画像クレジット:Yo-Kai Express

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(翻訳:Kaori Koyama)

GoogleのAIが新たなハイブリッド焼き菓子のレシピを考案

2020年、みなさんの多くがクッキーやパン、ケーキなどのあらゆる種類のものを焼いてきたと思うが、驚くべきことにGoogle(グーグル)のAIが「breakie(ブレッキー)」と「cakie(ケーキー)」という2種類のハイブリッドスイーツのレシピを考案した。

これら新しいレシピの起源は、同社のツールAutoML Tablesのデモのようだ。AutoML Tablesはコードレスモデル生成システムで、「人工知能」というよりむしろ、スプレッドシートの自動化に近い。しかしそんな細かいことにこだわってると、レシピにたどり着けない。

昨年の春、Sara Robinson(サラ・ロビンソン)氏はこれらのツールで遊んでいた。機械学習とベーキングに興味があった彼女は、新型コロナウイルスの猛威を避けるために引きこもる間、いろいろと試し始めた。

そのとき彼女は、レシピ見てそれがパンなのか、クッキーなのか、ケーキなのかを自動的に判断しその理由も教えてくれるシステムを設計しようと思っていた。たとえばバターと砂糖の量が多いとクッキーに答え、イースト菌があればパンだと判断するような。

画像クレジット:Sara Robinson

もちろん、そんな単純でわかりやすいレシピばかりではないし、ツールも100%正確ではない。そこでソビンソン氏は考えた。それが何なのかをシステムが判断できないレシピは、どのようなものだろうか?と。

彼女はさまざまな材料を使って試し、ついに機械学習のシステムがきっちり50 / 50でクッキーでもあり、ケーキでもあると判断するレシピ「ケーキー」を考案した。

「ケーキー」(写真左)と「ブレイキー」(写真右)とロビンソン氏(画像クレジット:Sara Robinson/Google)

「おいしいです。不思議なことに、ケーキとクッキーのハイブリッドを作るようにマシンに命令したときに出来上がるだろうと私が想像していたような味がします」と彼女は書いている。

彼女が作ったもう1つのハイブリッドスイーツが、お察しのとおりパン(bread)が半分、クッキー(cookie)が半分の「ブレッキー」だ。「ふわふわのクッキー、マフィンのような触感」だという。確かにブレッキーは下の固いところがないマフィンのようだ。名前も「muffin tops(マフィントップ)」というよりもブレッキーのほうがいい(最初は「brookie(ブルーキー)」と名づけたとのこと)。

これらの材料とその比率はおそらく以前から存在していたか、試されていたものだが、古いレシピを使って新しいレシピを生み出す方法としては確かにおもしろい。

以下のレシピはそのまま使うことができるものだが、バニラやチョコチップはロビンソン氏が自身が加えたもので、アルゴリズムが考案したのは各材料の比率だけだ。また焼き方も人間が考える(AIは焼く温度や容器については何も把握していない)。いつもの週末スイーツとは違うものを作ろうとした場合、AIが考案したレシピのほうがおいしいかもしれない。

画像クレジット:Sara Robinson/Google

画像クレジット:Sara Robinson/Google

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Googleレシピ料理

画像クレジット:Sara Robinson

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa