衛星コンステレーション構築を目指すアークエッジ・スペースがシリーズA追加クローズとして約6.3億円調達

衛星コンステレーション構築を目指すアークエッジ・スペースがシリーズA追加クローズとして約6.3億円調達超小型衛星の開発・運用などを手がけるアークエッジ・スペースは3月29日、シリーズA追加クローズとして6億3500万円を調達したと発表した。引受先は、新規株主のスパークス・イノベーション・フォー・フューチャー、シンガポールのPavilion Capital、既存株主のインキュベイトファンド、三井住友海上キャピタル。

同社は、シリーズAラウンドとして、リード・インベスターのインキュベイトファンド、またリアルテックファンド、三井住友海上キャピタルを引受先として、約17億円の調達を2022年1月に実施している。シリーズAラウンドにおける調達額は累計23億円となった。シードラウンドからこれまでに調達した資金調達は累計総額で約27億円となっている。

今回の調達した資金は、採用などにより衛星開発体制の構築・強化を加速させ、すでに着手しているSDGs対応向けのIoT通信、地球観測、海洋VDES衛星などの6U衛星コンステレーションの構築を確実に実現する。また2025年をめどに、月面活動にむけた衛星コンステレーション構築に必要となる超小型衛星の開発・実証に取り組む。衛星コンステレーション構築を目指すアークエッジ・スペースがシリーズA追加クローズとして約6.3億円調達

NASAがSpaceXと並んで有人月着陸船を開発する第2の企業を募集

NASAは、企業に月着陸船を送り込む新たなチャンスを与える計画を発表した。SpaceXがBlue Origin、Boeing(ボーイング)らのライバルを破ってから1年近く後のことだ。

新しい計画の下、NASAは着陸システムの2度目の競争入札を、SpaceXを除く全米国企業に開放する。第2の着陸船の打ち上げは2026年または2027年を目標にしている。Sustaining Lunar Development(持続的月開発)契約と呼ばれるこの2回目の競争の勝者は、SpaceXとともに「月面に立つ宇宙飛行士のための将来の繰り返し可能な月輸送サービスへの道を開く」とNASAは言っている。

これは競争参加者にとって良いニュースであるだけではない。同局はさらに、既存のSpaceXとの契約を拡大し、もう1機の着陸船を製作する計画も発表した。2020年代後半に、無人および友人のデモンストレーション飛行ミッションを実施する。

NASAの3月23日の発表は、アポロ計画以来初めて人類を月に送り出す同局による一連のミッションであるArtemis(アルテミス)プログラムの大がかりな拡張だ。

これは、大きな方向転換でもある。NASAは2021年4月にSpaceXと28億9000万ドル(約3500億円)の単独契約を結んだ後、民間産業、議会の両方から集中砲火を浴び、Blue Originが連邦裁判所でNASAを訴えるところまできている(これは、Blue Originと防衛契約業者のDynetics[ダイネティクス]が、政府説明責任局とともに、異議を唱え、後に棄却されたあとのことだ)。しかし今回、NASAのBill Nelson(ビル・ネルソン)長官は、同局が重視するのは競争を育てることだけだと発言した。

「NASAそして議会も、競争はより優れたより信頼性の高い結果と全員にとっての利益を生むと考えています」と同氏は述べた。「それはNASAの利益であり、米国民の利益です。これは間違いなく、競争が生み出す利益です」。

同局は3月末に暫定提案依頼を公開する、と月着陸プログラム責任者のLisa Watson-Morgan(リサ・ワトソン=モーガン)氏が23日に記者団に語った。これには今春末の最終提案依頼が続き、SpaceXを除くすべての米国企業に参加資格がある。

これまでNASAは、費用がいくらになるのかについて、固定金額契約になること以外は口をつぐんでいる。これは重要であり、なぜなら同局は2021年の月着陸システムの契約に1社のみを選んだ理由の1つは予算の制約のためだとしているからだ。契約金額の詳細は、来週バイデン大統領が会計2023年度予算を発表したあと明らかにされる、とネルソン長官は付け加えた。

「私たちは議会およびバイデン政権両方の支持を得られることを期待しています」と同氏は語った。

更新:Blue Originの広報担当者はTechCrunchに次のように語った「Blue Originは競争に参加する準備が整っており、今後もArtemis計画の成功に全力を注いでいきます。当社はNASAと協力して、できるだけ早い月への帰還という米国の目標を達成するために努力していきます」。

画像クレジット:

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nob Takahashi / facebook

NASAの超高額な月ロケットが18日に発射場へ移動

最初に発表されてから12年、NASAの巨大な「Space Launch System(スペース・ローンチ・システム)」がついに公に姿を現すことになる。この超重量級ロケットと「Orion(オリオン)」宇宙船は、米国時間3月17日に、フロリダ州ケネディ宇宙センターの発射場へ向けて搬入が開始される予定だ。遅延と費用高騰に悩まされてきた打ち上げシステムにとって、待望の進展だ。

11時間かかると予想される木曜日のロールアウト(移動作業)後、NASAはソフトウェアシステムの検証やブースターの整備など、打ち上げ準備のための多くのテストを実施することになっている。その後、NASAは推進剤を充填した「ウェット・ドレス・リハーサル」と呼ばれる一連の打ち上げ前試験を行う予定だ。Artemis(アルテミス)計画の打ち上げディレクターを務めるCharlie Blackwell-Thompson(チャーリー・ブラックウェル-トンプソン)氏は、米国時間3月14の記者会見で、予定通りにロールアウトが進めば、ウェット・ドレスは4月3日に実施される可能性があると語った。

ここまで長い年月がかかった。米国議会は2010年に、NASAの最初の宇宙輸送システムだったSpace Shuttle(スペースシャトル)に代わるものとして、SLSの開発を同局に指示した。NASAのアルテミス計画の一環として、SLSは人類を再び月に送り込み、さらに将来的には太陽系探査に向かうことも見据えた乗り物として構想されている。

しかし、それ以来、このプロジェクトは度重なる挫折と技術的な問題に直面してきた。1年前、NASAの監察官室は、SLS計画に関連するコストと契約にまつわる厳しい報告書を発表し「コスト上昇と遅延」によってプロジェクトの全体予算が当初の範囲をはるかに超えていることを明らかにした。この混乱で最大の勝者となったのは、間違いなく航空宇宙産業の主要企業だ。特にSLSの開発を指揮するBoeing(ボーイング)や、Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)、Aerojet(アエロジェット)は、監察官室によれば、2019年にSLSの全契約に費やされた総資金の71%を、これらの企業の契約が占めているという。

このようなことがすべて積み重なり、非常にコストのかかるプロジェクトになってしまった。3月初め、NASAの監査役は、最初の4回のアルテミスミッションの運用経費がそれぞれ41億ドル(約4850億円)になると報告した。4回の合計ではなく、1回ずつそれだけかかるのだ。

SLS1基の建設費はその約半分の22億ドル(約2600億円)。NASAの探査システム開発担当副長官であるTom Whitmeyer(トム・ウィットマイヤー)は、この金額について、プロジェクトは「国家的投資」であると記者団に語り、暗黙のうちに見解を示したようだ。

「私の観点から言えば、それは強力な国家的投資で、我々の経済への国際的関与である」と、同氏は語った。

SLSのコストが高いのは、第1段、第2段とも再利用できないため、それぞれのミッションに専用のロケットが必要になることも一因だ。SLSとは対照的に、SpaceX(スペースX)のElon Musk(イーロン・マスク)CEOは2022年2月、同社の超重量級完全再利用型ロケットである「Starship(スターシップ)」の打ち上げコストは、今後数年以内に1回あたり1000万ドル(約11億8000万円)以下になると推定している。SpaceXは2021年29億ドル(約3400億円)の契約を獲得した後、アルテミス計画の一環としてNASAのためにこのロケットの月着陸船バージョンを開発している。

画像クレジット:NASA

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

スペースX、初の商業宇宙遊泳を年内に計画

SpaceX(スペースX)は、初の民間人のみによる宇宙飛行を開始するだけでなく、近い将来、本格的な民間宇宙プログラムの本拠地となる見込みだ。The Washington Postによると、Shift4(シフト4ペイメンツ)の創業者でInspiration4ミッションのリーダーを務めたJared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)氏は、SpaceXによる「最大3回」の有人飛行を含むPolaris Program(ポラリスプログラム)の構想を発表した。最初のフライトである「Polaris Dawn(ポラリスの夜明け)」は2022年の第4四半期に予定されており、初の商業宇宙遊泳が含まれるはずだ。この取り組みは理想的には、人間が乗った最初のStarship(スターシップ)の飛行で終わる。月旅行を期待していた方たちには申し訳ない。

Polaris Dawnチームは、史上最高の地球周回軌道を目指し、健康研究を行い、レーザーを使ったStarlink(スターリンク)通信のテストも実施する予定だ。アイザックマン氏はミッションコマンダーとして復帰し、Inspiration4のミッションディレクターで空軍経験者のScott Poteet(スコット・ポティート)氏がパイロットを務める。また、SpaceXのリードオペレーションエンジニアであるAnna Menon(アナ・メノン)氏とSarah Gillis(サラ・ギリス)氏の2名も搭乗する。メノン氏の役割は、昨今の民間宇宙飛行へのシフトを象徴している。彼女の夫であるAnil Menon(アニル・メノン)米空軍中佐はNASAの宇宙飛行士に選ばれているが、彼女はその配偶者よりも先に宇宙に到達する可能性が高いのだ。

このプログラムの実現は、SpaceXとパートナー企業がいくつかの問題を解決することにかかっている。SpaceXは宇宙遊泳に必要な宇宙服を開発中であり、アイザックマン氏のグループはクルーのうち何人が宇宙船の外に出るかをまだ決めていない。また、Starshipには不確定要素もある。十分なテストが行われ、多くの進歩を遂げているが、この次世代ロケットシステムの開発は必ずしも計画通りには進んでいない。Polaris Programは、比較的緩やかなスケジュールで、場合によってはいくつかの挫折を経験することになるだろう。

それにしても、これは民間宇宙飛行の常態化を意味する。Polaris Programは、億万長者が率いる民間宇宙飛行の最近の「慣習」を引き継ぐものだが(アイザックマン氏も例外ではない)、宇宙遊泳や新しい宇宙船のテストなど、これまで政府の宇宙飛行士だけが行っていたことが商業化されることも見込まれる(SpaceXのDemo-2は、NASAの宇宙飛行士が操縦した)。近い将来、民間宇宙飛行士が他の役割を果たすようになっても不思議ではない。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Jon Fingas(ジョン・フィンガス)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Polaris Program / John Kraus

原文へ

(文:Jon Fingas、翻訳:Aya Nakazato)

アークエッジ・スペースがJAXA「『⽉⾯活動に向けた測位・通信技術開発』に関する検討」委託先に選定

アークエッジ・スペース、JAXAの「『⽉⾯活動に向けた測位・通信技術開発』に関する検討」の委託先に選定、コンソーシアムにて開発計画を検討

アークエッジ・スペースは1月11日、JAXAの公募型企画競争(コンペ)「『⽉⾯活動に向けた測位・通信技術開発』に関する検討」の委託先に2021年12月22日に選定されたこと、同時にKDDIや東京大学などとコンソーシアムを組織し、月探査のための測位・通信システムの総合アーキテクチャーなどの開発検討を行うことを発表した。

アークエッジ・スペースは、超小型衛星の製作運用などを行う東京大学発の宇宙企業。コンソーシアムのメンバーは、アークエッジ・スペースの他、ispace、AAI-GNSS技術士事務所、清原光学KDDIKDDI総合研究所東京大学大学院工学系研究科三菱プレシジョンの7団体となっている。そこで、2022年1月初旬から3月25日まで、月探査の基盤となる測位・通信システムの総合アーキテクチャー、月測位衛星システム、月と地球を結ぶ超長距離通信システムなどの開発計画を検討する。これを通して、国際的な技術調整の場で提案できるアーキテクチャーの設定や、そのアークテクチャーに必要なキー要素技術の研究開発を加速するという。

アメリカが中心となって進められている国際宇宙探査計画「アルテミス計画」の中で、日本は測位や通信といった基盤を「早期に整備し、リードしていく」ことが求められているとのこと。産官学連携でスピーディに技術開発や実証を推進し、「日本の持続的な月・月以遠の深宇宙探査や月面産業の構築に貢献していきます」とアークエッジ・スペースは話している。

中国の探査機「嫦娥5号」が月面に水が存在する証拠を直接確認、世界初

中国の月探査機Chang’e-5(嫦娥5号)が、月面で水の存在を確認するデータを観測した。これは、地球の衛星に水が存在することを現地で確認した初めての例になる。中国の研究者は、Science Advancesに掲載された研究論文で、探査機がH2Oや水酸基(H2Oに近い化学物質)の兆候を検出したと主張している。嫦娥5号は、着陸地点の近くにあるレゴリスの組成をスペクトロメーターで分析した。その結果、ほとんどの土壌のスペクトル観測による水の濃度推定値は120ppm以下で、月面は地球の表面よりもはるかに乾燥していることがわかった。

Honglei Lin他。

中国の科学者たちは、これらの分子のほとんどが太陽風移植と呼ばれるプロセスによって月にもたらされたと考えている。太陽からの荷電粒子が水素原子を月面に追いやり、後に酸素イオンと結合して水と水酸基を形成したという説だ。今回の研究は、NASAが2018年に発表した、空中赤外線望遠鏡を用いて月の太陽に照らされた表面に水が存在する証拠を発見した知見に基づいている。何十年もの間、科学者たちは、月には大気がほとんど存在しないため、月は完全に乾燥していると考えていた。大気がないということは、太陽の厳しい放射線から水分子を守るものがないと考えられていたのだ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Igor Bonifacic(イゴール・ボニファシッチ)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:China Daily CDIC / Reuters

原文へ

(文:Igor Bonifacic、翻訳:Aya Nakazato)

宇宙ロボットのGITAI、トヨタの月面モビリティ「有人与圧ローバ」向けロボットアームの開発に着手

宇宙ロボットのGITAI、トヨタの月面モビリティ「有人与圧ローバ」向けロボットアームの開発に着手

宇宙ロボットスタートアップのGITAI(ギタイ)は12月13日、トヨタが開発を進めている月面用モビリティ「有人与圧ローバ」(Luna Cruiser。ルナ・クルーザー)向けのロボットアームの開発に着手したことを発表し、開発中の試作機を公開した。

GITAIとトヨタは、2021年6月25日にLuna Cruiser向けロボットアームの開発を進める共同研究契約を締結している。今回公開されたのは、ロボットアームの先端ツールを着脱するシステム「グラップルエンドエフェクタ」(本体側インターフェイス)と「グラップルフィクスチャ」(受け手)のブレッドボードモデル(宇宙機における初期段階の設計実証用試作機)。

グラップルエンドエフェクタ

グラップルフィクスチャ

月面での探査・点検・メンテナンスを行うためには、ロボットには複数の仕事を行う「タスク性能」と、広範囲での作業を可能にする「移動性能」が求められる。この2つの課題を解決するのが、グラップルエンドエフェクタを両端に装着したロボットアームだ。ロボットアームは、片側のグラップルエンドエフェクタを有人与圧ローバ壁面のグラップルフィクスチャに固定して、反対側のグラップルエンドエフェクタに様々なツールを着脱して、いくつもの仕事をこなすことになる。移動は、ローバー壁面の別のグラップルフィクスチャにアームの先端を嵌合(かんごう。軸と軸受けがはまり合っていること。はめ合わせるといった意味)し、反対側を切り離すことで行う。フラップルフィクスチャをローバー以外の建造物などに設置すれば、移動範囲は無限に広がる。

床や壁面に設置されたグラップルフィクスチャと嵌合(かんごう)することで移動するロボットアーム

床や壁面に設置されたグラップルフィクスチャと嵌合(かんごう)することで移動するロボットアーム

グラップルエンドエフェクタとグラップルフィクスチャは、嵌合すると、機械結合、電力結合、通信結合がなされる。またアームには充電器があり、グラップルフィクスチャに充電機能を備えれば、移動しながらの充電も可能となる。

今後は、2029年のLuna Cruiserの打ち上げを目指し、自律制御技術と、低重力・真空・極低温~高温・レゴリスといった月面特有の過酷な環境への対応に取り組んでゆくという。

 

月面で宇宙飛行士が乗る車両の設計チームをノースロップ・グラマンがリード

航空宇宙最大手企業のNorthrop Grumman(ノースロップ・グラマン)は、AVL、Intuitive Machines(インテュイティブ・マシンズ)、Lunar Outpost(ルナ・アウトポスト)、Michelin(ミシュラン)を含むチームを率いて、Artemis(アルテミス)計画の宇宙飛行士が月面で移動するための車両を設計する。このLunar Terrain Vehicle(月面地形車、LTV)は、まだ人類が一度も訪れたことのない月の南極地域における探査の重要な鍵となる。

ノースロップは、各システムの統合と宇宙機の設計を担当する。チームの他の企業は、LTVの設計に重要な幅広い能力を持っており、それぞれの得意分野に注力する。AVLは自動車のパワートレインや先進運転支援・自動運転システムの開発・試験を行っており、Intuitive Machinesは自社の「Nova-D(ノヴァD)」宇宙船でペイロード輸送の経験がある。Lunar Outpostは地球外の地表を走る無人探査機の開発に取り組んでいる。フランスの多国籍企業であるミシュランは過去に月面探査車のタイヤをNASAと共同開発した実績がある。

チームはほぼ間違いなく、近々NASAから通達される提案要求の一部として、NASAに設計を提出することになるだろう。これはNASAがHuman Landing System(有人着陸システム)契約の下で、月着陸機の開発をてがける企業を選定した際に用いたプロセスと同様だ。NASAはまだLTVの提案依頼書を発表していないが、ノースロップ・グラマンでは来年初めになるのではないかと予想していると、広報担当者はTechCrunchに語った。

しかし、契約募集がまだ発表されていないにもかかわらず、同宇宙機関はすでに車両の開発に影響を与える要求を開示し始めている。NASAは、このプロジェクトに関連する文書の中で、落札者に求めるものとして、月面で最大20kmの距離を充電なしで移動できること、長い月の夜に耐えられる可能性があること、最低でも800kgの輸送能力があること、などの詳細を示している。

NASAの発表によると、この月面車の打ち上げは2027年頃の打ち上げを想定しているとのこと。つまりこれは、アルテミス計画が始動してから月に送られることを示唆している。NASAの代表者は先日、人類を数十年ぶりに月に送ることを目的とした同プログラムの最初の有人ミッションが、2025年に延期されることを認めた

画像クレジット:Northrop Grumman

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

NASAがアルテミス有人月面着陸を2025年に延期、ブルーオリジンによる訴訟で

Blue Origin(ブルーオリジン)がNASA(米航空宇宙局)を相手取って起こした有人着陸システム(HLS)に関する訴訟が先週判事によって却下されたこと、中国の宇宙開発計画が進展していることが、米国時間11月9日に行われたNASAのアルテミス計画に関するブリーフィングで、NASA関係者が最も気にかけていたことだった。

NASAのBill Nelson(ビル・ネルソン)長官は、この訴訟について強い言葉を残した。HLSを巡る訴訟で「7カ月近くを失った」と述べた。その結果、今後予定されている2つのミッションが1年以上も延期されることになった。現在、アルテミス2が2024年5月に、女性と有色人種の初の月面着陸を目指すアルテミス3が2025年までに実施されることになっている(アルテミス1は、NASAのスペースローンチシステムとオリオンカプセルを使用した初めての無人ミッションで、2022年初めに予定されている)。

アルテミス計画は、アポロ計画以来、人類を月に戻すためにNASAが計画してきた野心的な一連の打ち上げだ。HLSは、宇宙飛行士を月面に運ぶ最後のカプセルとなる。

Blue Originは、HLSをSpaceX(スペースX)に発注したNASAの決定について、米会計検査院への申し立てに失敗した後、8月にHLSの発注をめぐってNASAを提訴した。同社は、NASAによる提案の評価が「違法かつ不適切」であると主張し、他の抗議活動でも単一の契約を結んだことが反競争的であると述べていた。

しかし、Blue Originとの法廷闘争が、ミッション遅延の唯一の理由、あるいは支配的な理由であるかどうかは不明だ。例えば、ネルソン長官は、トランプ政権が第3ミッションの目標を2024年としていたことについて「技術的な実現可能性に拠っていない」とし、議会が複数の有人着陸システムの開発を支援するための十分な資金を計上していないことも指摘していた。

上院予算委員会は、NASAがHLSプログラムの開発者を2社選ぶことを望んでいることを極めて明確にしていたが、そのために追加で計上した予算はたった1億ドル(約113億円)だった。

「この6カ月間よく調べてみた結果、私にとって明らかになったのは、プログラムの長期的な成功のためには、NASAが真剣に変化する必要があるということだ」と長官は述べている。

また、サプライチェーンの混乱や労働力へ影響を与えている新型コロナウイルス感染症も、遅れの原因の1つだと指摘している。

ネルソン長官「我々は、非常に積極的で優れた中国の宇宙プログラムに直面している」

ネルソン長官はまた、急速に進歩している中国の宇宙計画を繰り返し取り上げ、中国が宇宙飛行士を月に着陸させる能力は「ますます高まっている」と指摘する。同氏は、NASAが安全かつ技術的に実現可能な方法により「ブーツで月面に降り立ち、競争相手を打ち負かす 」ために、できる限り積極的に取り組むと誓った。

中国の宇宙開発はここ数年、驚異的なペースで進んでおり、2021年初めには、独立した宇宙ステーションの最初のコアモジュールを迅速に打ち上げた。2022年までに予定されている11回の打ち上げのうち、3回目の打ち上げだった。また、中国は米国以外で唯一、火星に探査機を着陸させており、10年後までにより複雑なサンプルリターンミッションを計画している。

ネルソン長官は「中国の宇宙計画や中国軍の発言は、彼らが非常に積極的になろうとしていることを示唆しています」と述べた。

画像クレジット:NASA

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

3Dプリントの家を建設するICONが228億円獲得、月や火星の基地建設も計画

3Dプリンティングロボットを使ってホームレスの人々のための1世帯住宅を作る。米航空宇宙局(NASA)と協力して月面、ひいては火星にインフラや居住環境を構築するための建設システムを開発し、北米最大の3Dプリント建築物になるとみられるテキサス州の軍事部門の兵舎を納入する。

これらは、テキサス州オースティンに拠点を置く建設テックスタートアップICONが取り組んできたことのごく一部だ。

そして同社は2021年8月下旬、シリーズBで2億700万ドル(約228億円)という巨額の資金調達を達成した。

筆者はICONについて、2018年10月に同社がシードラウンドで900万ドル(約9億9000万円)を調達して以来取り上げてきた。3年も経たないうちにこのマイルストーンに到達したことを見るのはかなりクールだ。

シリーズBラウンドを主導したのはNorwest Venture Partnersで、他に8VC、Bjarke Ingels Group(BIG)、BOND、Citi Crosstimbers、Ensemble、Fifth Wall、LENX、Moderne Ventures、Oakhouse Partnersが参加している。この資金調達により、ICONの純資産合計は2億6600万ドル(約293億円)に達した。同社は評価額を明らかにしていない。

ICONは2017年後半に設立され、2018年3月のSXSW(サウスバイサウスウエスト)の際、米国で初めて認可された3Dプリント住宅をもってローンチした。その350平方フィート(約32.5平方メートル)の家のプリントに要した時間は、約48時間(25%のスピード)であった。ICONは意図的にコンクリートを材料に選んでいる。それは、共同創業者でCEOのJason Ballard(ジェイソン・バラード)氏が語ったところによると「コンクリートは地球上で最もレジリエンスに優れた材料の1つ」だからだ。

それ以来同社は、米国とメキシコに20を超える3Dプリントの住宅や建築物を届けてきた。これらの住宅の半数以上は、ホームレスや慢性的貧困状態にある人々のためのものである。例えば、ICONは2020年、非営利パートナーのNew Storyと提携してメキシコに3Dプリント住宅を建設した。またテキサス州オースティンで、慢性的なホームレスに提供する一連の住宅を非営利団体Mobile Loaves&Fishesと協働して完成させた。

同社は2021年初めにメインストリームの住宅市場に参入し、テキサス州オースティンのデベロッパー3Strands向けに米国初になるという3Dプリント住宅販売を行った。4軒のうち2軒は契約が結ばれている。残りの2軒は8月31日に発売予定である。

そして先頃、ICONは「次世代」Vulcan建設システムを公開し、住宅の新たな探求シリーズを披露した。シリーズ第1弾となる「House Zero」は、3Dプリンティングに特化して最適化設計されている。

ICONによると、同社独自のVulcan技術は、従来の工法より迅速で、無駄が少なく、設計の自由度が高い「レジリエンスとエネルギー効率に優れた」住宅を実現するという。新しいVulcan建設システムは、最大3000平方フィート(約278.7平方メートル)の住宅や建築物を3Dプリントすることができ、以前のVulcan 3Dプリンターより1.5倍大きく、2倍高速になっているとバラード氏は説明している。

ICONは世界的な住宅危機とそれに対処する解決策の欠如に突き動かされている、と同氏は会社設立当初から主張してきた。3Dプリンターやロボット、そして先進的な材料を利用することは、手頃な価格の住宅の不足に取り組む1つの方法である。この問題は、全国的に、そしてオースティンにおいて、悪化の一途をたどっている。

ICONの将来計画のリストには、社会、災害救援、そしてよりメインストリームの住宅を提供することなどが盛り込まれており、さらにはNASAと共同で、月、やがては火星にインフラや居住地を作るための建設システムを開発することも含まれている、とバラード氏は語る。

ICONはまた、NASAと2つのプロジェクトを進めている。先にNASA、ICON、BIGによるMars Dune Alphaの発表が行われた。ICONはこれまでのところ、壁システムの印刷を完了し、現在は屋根に取りかかっている。また、NASAは、ICONの3Dプリントで作られる火星の最初のシミュレーション居住地に住むミッションのクルーを募集中だ。このミッションは2022年秋に開始される予定である。

プロジェクトOlympusは、未来の月探査のための宇宙ベースの建設システムを開発し「別の世界に人類の住まいを想像する」ICONの取り組みを象徴するものとなっている。

「私たちの目標は、次の10年のうちにICONテックを月に届けることです」とバラード氏は語る。

バラード氏はTechCrunchの質問に対して「2020年8月の3500万ドル(約38億5700万円)のシリーズA以降で起きている最も重要なことは、3Dプリント住宅や建物に対する需要の急激な増加です」と答えている。

「この単一の指標は、私たちにとって大きな意味を持ちます」とバラード氏はTechCrunchに語った。「人々がこうした家を求めることは必然的なことなのです」。

「住宅不足に取り組むためには、世界は供給を増やし、コストを削減し、スピードを上げ、レジリエンスを上げ、持続可能性を高める必要があります【略】これらはすべて、質と美しさを損なうことなく行うことが必要です」とバラード氏は付け加えた。

「そのようなことを可能にするアプローチはいくつかあるかもしれませんが、それらすべてを実現できる可能性を秘めているのは、建設スケールの3Dプリントだけです」。

バラード氏によると、ICONは創業以来ほぼ毎年400%の売上増を記録し、目覚ましい財務成長を遂げている。同社のチームは2020年の3倍になり、現在100人以上の従業員を擁している。来年中には規模が倍増する見込みだ。

共同創業者たちと次世代Vulcan建設システム(画像クレジット:ICON)

シリーズBの資金は、3Dプリント住宅の建設の促進「急速なスケールアップと研究開発」、さらなる宇宙ベースの技術の発展、そして「住宅問題に対する持続的な社会的インパクト」の創出に充てられる、とバラード氏は語っている。

「私たちはすでに初期段階の製造を立ち上げており、3Dプリント住宅の需要を満たすために、その取り組みをアップグレードし、加速しているところです」とバラード氏。「今後5年間で年間数千世帯の住宅供給を実現し、将来的には年間数万世帯の住宅を供給できるようになると考えています」。

今回の資金調達の一環としてICONの取締役会に加わるNorwest Venture PartnersのマネージングパートナーJeff Crowe(ジェフ・クロウ)氏は、ICONの3Dプリンティング建設技術が「米国および世界中の住宅不足に多大なインパクトをもたらす」と考えていると語った。

クロウ氏によると、先進的なロボティクス、材料科学、ソフトウェアを組み合わせて堅牢な3Dプリント建設技術を開発することは、そもそも「非常に難しい」ことだという。

同氏はEメールで次のように述べている。「制御された環境で1台か2台のデモユニットを製造するだけではなく、さまざまな地域で、信頼性と予測可能性を備えた、美しく、手頃な価格で、快適で、エネルギー効率に優れた住宅を何百、何千台も生産できるような技術を開発することは、さらに困難です。ICONはこれらすべてを実現しており【略】ブレイクアウト、世代間の成功につながるすべての要素を備えています」。

画像クレジット:ICON, Lake/FLATO Architects

原文へ

(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)

米上院予算委員会がNASAに月着陸船プログラムで2つのチームを選定するよう指示

有人着陸システムにまつわる物語はまだ終わっていない。

米上院が現地時間10月18日に発表した2022年度のNASAに関する予算案では、有人着陸システム(HLS)プログラムで2つのチームを選定するよう、航空宇宙局に指示している。だが、そのための追加予算は1億ドル(約114億円)に過ぎない。

NASAの2022年度予算は全体で248億3000万ドル(約2兆8400億円)、そのうちこのプログラムのための予算は総計12億9500万ドル(約1482億円)となる。

「この資金を使って、NASAは2つのHLSチームの研究・開発・試験・評価をしっかりとサポートし、冗長性と競争性を確保することが期待されている」と、この予算案では述べられており「上院予算委員会は、補助的な研究ではなく、開発のための実質的な投資を期待している」と続けている。

指示は明確だ。明確でないのは、NASAがそれに見合った資金の増加なしに、どのように2つのHLSチームに資金を提供しようとしているかということだ。

まず、現在までの経緯を少しばかり振り返ってみよう。HLSは、アポロ計画時代以来、半世紀ぶりに人類が月に降り立つことを目指すNASAのアルテミス計画の重要な一部である。2021年4月、NASAはアルテミス計画の宇宙飛行士用着陸機の開発に、Elon Musk(イーロン・マスク)氏率いるSpaceX(スペースX)のみを選定した。つまり、2020年5月にSpaceXとともに選ばれていた、防衛関連企業のDynetics(ダイネティクス)や、航空宇宙関連の最大企業であるLockheed Martin(ロッキード・マーティン)、Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)、Draper(ドレイパー)の協力を得て「ナショナルチーム」を名乗るBlue Origin(ブルー・オリジン)は選から漏れ、SpaceXの1社のみが残ったということだ。

関連記事:NASAがアポロ計画以来となる有人月面着陸システムの開発にSpaceXを指名

これまでNASAは基本的に、競争を促すために、また1社のプロジェクトがうまくいかなかった場合の保険として、少なくとも2社のベンダーを選ぶ戦略を採ってきた。国際宇宙ステーションのCommercial Crew(商業乗員輸送)プログラムでも、NASAはSpaceXとBoeing(ボーイング)の両方に宇宙飛行士輸送用の宇宙船を発注している。つまり、NASAがSpaceXだけを選んだことは、歴史的な前例から逸脱していると言ってもいいだろう。

これを不服とするBlue Originは4月以降、NASAの決定に対する抗議運動を展開してきた。同社はまず、政府の監視機関である米会計検査院(GAO)に契約締結について異議を申し立てたが、GAOが同社の抗議を却下すると、連邦請求裁判所に訴状を提出した。

関連記事
連邦政府はSpaceXがNASAの月着陸船建造を受注したことに対するBlue OriginとDyneticsの異議を退ける
Blue Originは月着陸船のSpaceX発注に抗議し連邦裁判所でNASAと一騎打ちに

NASAはSpaceXを選定した理由について、予算の制約がある中で、Blue Originの提案(59億ドル、約6750億円)やDyneticsの提案(90億ドル、約1兆300億円)と比較して、SpaceXが最も強固な着陸機の提案を低価格で提供していたからだと主張している。3つの提案のコストに大きな差があることを考えると、上院によるHLSプログラムへのわずかな増額(1億ドル)によって、NASAが追加のチームを選定できるかどうかは不明だ。

NASAのBill Nelson(ビル・ネルソン)長官は、同宇宙局が最終的には必要な資金を得ることができると確信しているようだ。「最終的には、すべての叫び声が収まり、すべての押し合いへし合いが終わって、その多くはNASAとは何の関係もなく、NASAは必要な資金を得ることができると思います」と、ネルソン長官はSpaceNews(スペース・ニュース)のインタビューで語っている。

今回の予算案によると「少なくとも2つのチームがサービスを提供すること【略】が、現在の開発プログラムの最終目標であるべきだ」としている。この法案がそのまま最終予算に組み込まれた場合(下院との交渉が必要なのでまだわからない)、NASAは30日以内に議会と国民に対して、新しい指示に従う計画を説明することになる。

画像クレジット:Dynetics

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

宇宙船や人工衛星の制御と離脱技術を開発するAurora Propulsion Technologies、惑星間移動手段としても期待

2021年は、人類史上かつてないほど多くの宇宙船が軌道に投入され、今後10年間はさらに衛星の打ち上げ数が増加すると予想されている。これほど混雑した状況では、衛星を宇宙空間で制御し、寿命が尽きたときに軌道から外すことができるかどうかが鍵となる。

Aurora Propulsion Technologies(オーロラ・プロパルジョン・テクノロジーズ)という企業がある。宇宙船の推進力の問題を単純化することを目指す、ここ数年で登場したスタートアップの1つだ。2018年の創業以来、フィンランド企業の同社は、小型のスラスターエンジンとプラズマブレーキシステムという2つの製品を開発し、2021年の第4四半期には軌道上での実証実験を行う予定だ。同社の活動は投資家の目にも留まり、同社の技術を市場に投入するため、170万ユーロ(約2億2100万円)のシードラウンドを完了したばかりだ。

このラウンドは、リトアニアのベンチャーキャピタルであるPractica Capitalがリードし、国有のプライベートエクイティ企業であるTESI(Finnish Industry Investment Ltd.)と、Kluz VenturesのファンドであるThe Flying Objectが参加した。個人投資家も参加した。

Auroraの最初の軌道上での実証実験となる「Aurora Sat-1」は、Rocket Lab(ロケットラボ)のライドシェアミッションで宇宙に向かうことが先月発表された。この衛星には2つのモジュールが搭載される。1つ目のモジュールには、6つのオーロラ「レジストジェット」エンジンが搭載される。このエンジンは、小型宇宙船の姿勢(衛星の態度ではなく方向)を調整したり、回転を停止したりするのに役立つ。また、同社は、人工衛星の軌道離脱や深宇宙でのミッションに利用できる「プラズマブレーキ」技術のテストも行う。

関連記事:Aurora Propulsion Technologiesの宇宙ゴミ除去技術が2021年第4四半期に宇宙へ

レジストジェットスラスターの長さはわずか1センチメートルほどで、数マイクロリットル(1マイクロリットルは1立方ミリメートル)の水と推進剤を使って宇宙船を動す。6つのスラスターは、ほぼすべての方向に移動できるよう衛星の周囲に配置されており、水温と、移動のために放出する蒸気の強さを調整することもできる。

画像クレジット:Aurora Propulsion Technologies

AuroraのRoope Takala(ルーペ・タカラ)CEOは、Nokia(ノキア)に勤務していたこともあり、レジストジェットに見られるような宇宙産業における重量やサイズの革新を20年前に携帯電話やコンピューターに起こったことに例えている。「この業界の動きは非常にゆっくりとしています」と同氏はTechCrunchに話した。「旧宇宙時代には、ロケットエンジンの開発に4分の1、1世紀の4分の1の時間がかかっていました。今はそれが、1年の4分の1が2つ分になりました。それが私たちが実現したことです」。

プラズマブレーキは、電荷を帯びたマイクロテザーを使ってプロトンの塊を発生させ、抗力を発生させる。これは宇宙船の軌道離脱には理想的だが、おもしろいことに(そして直感に反して)、プラズマブレーキは地球から離れた場所への移動にも使えるとタカラ氏はいう。地球の磁気圏外に出ると、プラズマブレーキは不安定になり、太陽風(プラズマでもある)と一緒に移動するからだ。「同じ製品が、太陽からのプラズマの流れに飛び乗り、そこからエネルギーを取り出すことができるのです」とタカラ氏は説明する。「その意味では、惑星間の移動手段としても使えます」。

理論的には、宇宙船から異なる方向に伸びる複数のテザーを装備すれば、ヨットのように宇宙船を回転させたり誘導したりできるという。だが、この技術はある程度までしか拡張できないため、すぐに人間を乗せた宇宙船を深宇宙に送り出すことはできない。プラズマブレーキテザーの材料強度に限界があることが主な理由だ。この技術は約1000キログラムまでの衛星に使用できる。

「それが私たちの未来です。それが私たちが目指しているところです」とタカラ氏はいう。「今は短期的に、プラズマブレーキと姿勢制御(レジストジェット)を利用して、地球低軌道に注力していますが、将来的に月面ビジネスが徐々に軌道に乗り始めたら、そちらにも目を向けることになると思います」。

プラズマブレーキとレジストジェットは、軌道上に打ち上げられる前に宇宙船に搭載する必要がある。だが、Auroraは、すでに存在する宇宙のゴミに、軌道上でプラズマブレーキを載せる可能性について、他社と検討している。短期的には、地球低軌道用の技術を製品化し、その製造を重ね、CubeSat(キューブサット)より大きいサイズの衛星に対応する機能を製品に追加していく予定だ。

さらに長期的には、深宇宙でのミッションも視野に入れている。「私たちは、非常に小さな宇宙船に適合する技術を作りたいという考えからスタートしました。宇宙船を早く移動させることができれば、ボイジャー探査機に追いつけます」とタカラ氏はいう。

「最初は月、次に火星、金星、そしていつの日かボイジャーに追いつき、大旅行ができるかもしれません」。

画像クレジット:Aurora Propulsion Technologies

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

月軌道へのペイロード輸送を2022年第4四半期に行うとSpaceflightが発表

衛星ライドシェアサービスを提供するSpaceflight Inc.(スペースフライト)は、企業が月軌道やそれ以上の軌道に簡単にアクセスできるようにするという長期的なビジョンの一環として、2022年に月フライバイ・ミッションで顧客の荷物を送り届ける。

シアトルに本社を置くSpaceflightは、過去数年間にわたってテストを行ってきた軌道遷移機(OTV)「Sherpa(シェルパ)」の最新版である推進型OTV「Sherpa EScape(シェルパ・エスケープ、略称Sherpa ES)」を使用してペイロードを輸送する予定だ。このSherpaは、ロケットで宇宙空間に到達した後、顧客の希望する軌道にペイロードを展開するための、宇宙におけるラストマイル輸送を担当する役割を果たす。

Spaceflightの電気推進型OTV「Sherpa-LTE」は、2021年6月にSpaceX(スペースX)のTransporter-2(トランスポーター2)ミッションで打ち上げられ、その電気推進器の稼働に成功している。さらに2021年12月には、化学推進型の「Sherpa-LTC」が、SpaceXのTransporter-3で打ち上げられる予定だ。同社はこれまでにSherpa OTVで50基の顧客の宇宙機を展開することに成功している。

関連記事:SpaceXが88機の衛星を軌道に乗せ、2021年初めて1段目の地上着陸に成功

Sherpa-ESは、2つの主要な航空宇宙プライムから1000万ドル(約11億円)の資金調達を終えたばかりの軌道上給油会社Orbit Fabと(オービット・ファブ)と、新会社GeoJump(ジオジャンプ)のペイロードを運ぶ予定だ。GeoJumpもライドシェアリング事業に参入しようとしている会社らしく、同社のウェブサイトでは、小型衛星に「静止軌道への新しいルート」を提供すると謳っている。このミッションでは、SpaceXの「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットによる打ち上げが予定されている。

画像クレジット:Spaceflight

このライドシェアは、NASAのCommercial Lunar Payload Services(商業月面輸送サービス)プログラムに選ばれた数少ない企業の1つであるIntuitive Machines(インテュイティブ・マシーンズ)が実施するロボットによる月面着陸ミッションの一部だ。Intuitive Machinesは、まずは2022年前半に予定されている14日間のミッションで、重量約2000キログラムの「Nova-C(ノヴァC)」着陸機を月面に送ることになっている。この着陸機は約130kgのペイロードを輸送する。

Intuitive Machinesは、2022年第4四半期に予定されているこの着陸機の2回目のミッションもSpaceXに依頼した。この着陸機は月の南極に着陸する最初の物体で、月の氷を掘削する最初の物体になると、同社は述べている。

関連記事・軌道上の燃料補給サービスを目指すOrbit Fabの資金調達に航空宇宙分野大手ノースロップとロッキード参加

画像クレジット:Spaceflight

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

NASAがアルテミス計画の月着陸機コンセプト開発でSpaceXやBlue Originなど5社と契約

NASAは、Artemis(アルテミス)計画の一環として、着陸機のコンセプトを開発する総額1億4600万ドル(約160億円)の契約を、SpaceX(スペースX)、Blue Origin(ブルーオリジン)、(ダイネティックス)を含む5社と締結した。

その内訳は、Blue Originに2650万ドル(約29億円)、Dyneticsに4080万ドル(44億6000万円)、Lockheed Martin(ロッキード・マーチン)に3520万ドル(約38億5000万円)、Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)に3480万ドル(約38億円)、SpaceXに940万ドル(約10億3000万円)となっている。提案書を提出したBlue Ridge Nebula Starlines(ブルー・リッジ・ネビュラ・スターライン)とCook & Chevalier Enterprises(クック・アンド・シュヴァリエ・エンタープライゼス)の2社のみが契約を獲得できなかった。

契約は、NextSTEP-2(Next Space Technologies for Exploration Partnerships、次世代宇宙探査技術パートナーシップ)のAppendix N(Sustainable Human Landing System Studies and Risk Reduction、持続可能な有人着陸システムの研究とリスク低減)に基づいて締結されたものだ。2021年7月初旬に発表された募集要項によると、この契約の目的は「コンセプトの研究、持続可能な有人着陸システムの運用コンセプト(地上および飛行)の開発、およびリスク低減活動のために、潜在的な商業パートナーと協働する」となっている。

これは実際には、選定された企業が着陸機の設計コンセプトを開発し、部品の試験を行い、性能や安全性などを評価することを意味する。

この契約は、2021年4月にNASAがSpaceXのみに与えた有人着陸システムの契約とは別のものだ。そちらの契約については、Blue OriginとDyneticsの両社が政府の監視機関に異議を唱え、後にBlue OriginはNASAを相手取った訴訟で反論しており、それは現在も継続中だ。

関連記事
米会計検査院が月着陸船開発契約をめぐるBlue Originの抗議を却下
Blue Originは月着陸船のSpaceX発注に抗議し連邦裁判所でNASAと一騎打ちに

しかし、今回の選定結果は、今後10年間の着陸機開発契約に影響を与えることになるだろう。NASAは声明で「これらの企業が行う仕事は、将来的にNASAが求める月周回軌道から月面までの定期的な宇宙飛行士の移動手段を提供するための戦略と要件の形成に、最終的に役立つことになるでしょう」と述べている。

Blue Originの提案は、Lockheed MartinとNorthrop Grumman、そしてDraper(ドレイパー)を含む、Blue Originが「ナショナルチーム」と呼ぶグループからのものだ(Lockheed社とNorthrop社は、Appendix Nの下で個別にも契約を獲得している)。

「この契約において、我らがナショナルチームは将来の持続可能な着陸機のコンセプトに貢献する重要な研究とリスク低減活動を行います」と、Blue Originの広報担当者はTechCrunchに説明している。「また、私たちはこの取り組みにおいて、他の複数の企業や全国のNASAフィールドセンターと密接に連携していきます」。

2020年に承認されたアルテミス計画は、アポロの時代以来となる人類の月面再訪だけでなく、2020年代後半までにそのような旅を定期的に行えるようにするという多くの目的がある。さらにNASAは、月に留まらず、火星にも人類を送り込む惑星間探査にまで拡げることを目指している。

「NASAの重要なパートナーとして、また商業的パートナーシップがいかに効果的に機能するかを示す好例として、Northrop Grummanは有人宇宙探査における実績を築き上げていきます」と、Northrop Grummanの民間商業衛星担当VPを務めるSteve Krein(スティーブ・クライン)氏は声明の中で述べている。「当社は、月への再訪と火星に人類を送るというNASAの野心的な目標を達成するために、Blue Originとナショナルチームとのパートナーシップを継続していきます」。

画像クレジット:Getty/Walter Myers/Stocktrek Images / Getty Images

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

多様な素材が使える3Dプリンターを開発したAON3DがAstrobotic提携、月面着陸機の部品を製造

3Dプリントが大いに注目を集めているのには理由がある。3Dプリンターは新たな形状の物体を作り出すことができ、しかも従来の製造方法に比べてはるかに軽量な素材を使用できることが多い。しかし、アディティブ・マニュファクチャリング(積層造形技術による製造方法)の訓練を受けていない企業や、従来の3Dプリントには適さない素材を使用しなければならない企業など、多くの企業にとっては依然として参入障壁が高いことも事実だ。

3Dプリントのスタートアップ企業であるAON3D(エオン3D)は、自動化を推進することと、さらにこれが重要なのだが、より多くの素材を3Dプリントできるようにすることで、これら両方の障壁を取り除きたいと考えている。そのためにのシリーズAラウンドで1150万ドル(約12億6500万円)の資金を調達した。

AON3Dは、熱可塑性樹脂のための工業用3Dプリンターを製造している。共同設立者のKevin Han(ケビン・ハン)氏は、AON3Dのプラットフォームの特徴について、材料にとらわれないことだと説明する。同氏によれば、7万種類以上の市販されている熱可塑性樹脂複合材や、カスタムブレンドの材料を使用することができるという。顧客が使用している既存の材料を3Dプリントに対応させることができる。これこそが、同社の真のブレークスルーだと創業者はいう。

「ハードウェアのコストのみならず、材料の面でも大きな革新がありました」と、共同設立者のRandeep Singh(ランディープ・シン)氏は、TechCrunchによる最近のインタビューで説明した。「私たちは、大手企業の新素材を取り入れることができます。【略】お客様が特定の理由から使用する必要があると思われる素材を取り上げて、多くのテストを行い、3Dプリント可能なプロセスに変えています」。

これによってAON3Dは、3Dプリントを採用したくても材料を根本的に変えることができない多くの企業に、積層造形製法の可能性を広げることができるという。AON3Dのプロセスなら、その材料を変える必要がありません、とハン氏は説明する。

AON3Dは、モントリオールのマギル大学で材料工学を専攻していたときに出会ったハン氏、シン氏、そしてAndrew Walker(アンドリュー・ウォーカー)氏の3人によって設立された。彼らは1台あたり数千万円もする非常に高価な3Dプリンターと、数万円で買える一般消費者向けの3Dプリンターの間にある市場のギャップに着目してこの会社を起ち上げた。

当初は3Dプリンターの操作をサービスとして事業を始めたが、2015年にKickstarter(キックスターター)キャンペーンで最終的に8万9643カナダドル(約786万円)を集め、同社のデビュー作である3Dプリンター「AON」を支援者に届けた。それから6年が経ち、彼らはこれまでに合計1420万ドル(約15億6000万円)の資金を調達してきた。

今回のラウンドはSineWave Ventures(サインウェーブ・ベンチャーズ)が主導し、AlleyCorp(アレイコープ)とY Combinator Continuity(Yコンビネーター・コンティニュイティ)が参加。また、BDC、EDC、Panache Ventures(パナシェ・ベンチャーズ)、MANA Ventures(マナ・ベンチャーズ)、Josh Richards(ジョシュ・リチャーズ)氏 & Griffin Johnson(グリフィン・ジョンソン)氏、SV angels(SVエンジェルス)も出資した。

AON3Dは、プリンターやカスタマイズされた材料を販売するだけでなく、継続的に企業と協力して、プリンターの使用範囲が企業の製造したい部品に適していることを確かめるために、積層造形のトレーニングを行っている。

AON3Dは航空宇宙業界にも多くの顧客を見つけている。その理由の1つとして挙げられるのが重量面でのメリットだ。これは主にペイロードのサイズによって経済性が左右される宇宙関連企業にとって、非常に重要なことだからだ。さらにコストや時間、そして射出成形など従来の製造プロセスでは不可能な形状を使用できるという利点もある。

顧客の中には、2022年にSpaceX(スペースX)のFalcon 9(ファルコン9)ロケットで着陸機を月に送ることを目指している月探査スタートアップのAstrobotic Technology(アストロボティック・テクノロジー)も含まれる。このミッションには、AON3Dの高温プリンター「AON M2+」で印刷された数百個の部品が使用される。これらはおそらく、初めて月面に触れることになる相加的に製造された部品となるだろう。これらには、アビオニクスボックスで重要な部品となるブラケット構成部品などが含まれる。

画像クレジット:Astrobotic

「このパートナーシップにより、Astroboticは使いたい素材をすぐに使うことができるようになりました」と、シン氏は語る。「それまで、同じ材料を別のプロセスで使えるようにするためには、非常に長いリードタイムが必要でした」。例えば、高機能ポリマーを使った射出成形のリードタイムは何カ月もかかるが、3Dプリントなら1日か2日で済むと、同氏は付け加えた。

将来的には、今回調達した資金をもとに本格的な専用の材料ラボを建設し、チームを拡大していくという。同社はこの材料ラボから得られるデータを利用して、3Dプリントのプロセスを完全に自動化し、あらゆる企業が自社製品に積層造形製法を利用できるようにしたいと考えている。

関連記事
3Dプリントで作られたTerran 1ロケットの実証打ち上げをRelativity Spaceは2022年初頭に延期
大阪大学生命工学科研究グループが3Dプリントで和牛のサシを再現できる「金太郎飴技術」を開発
注射に慣れていない医療従事者も対応の「VR注射シミュレーター」が高知県室戸市の新型コロナ・ワクチン接種研修で採用
画像クレジット:Aon3D

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ブルーオリジンが未来のNASA月面着陸技術のテスト機打ち上げをライブ配信中

前回のBlue Origin(ブルーオリジン)の打ち上げは、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏と彼の弟、Wally Funk(ウォーリー・ファンク)、Oliver Daemen(オリバー・デーメン)を準軌道スペースへと運ぶ、画期的な初の有人飛行だった。今回、人間は搭乗しないが、NASAが将来の月探査のための有人着陸システムの開発に使用する技術をテストするための重要なペイロードを搭載した打ち上げになる。

NS-17(New Shepard 17の略で、Blue Originの完全再利用型ロケットが離陸するのが17回目であることにちなんでいる)の打ち上げは、米国東部夏時間8月26日午前9時35分(日本時間8月26日午後10時35分)に、テキサス州西部にある同社の発射場から行われる。NASAのペイロードには、将来の月面着陸船が目標とする着陸地点の詳細を把握するのに役立つDoppler LiDAR sensorや、センサーデータの処理を行う降下着陸コンピュータなどの技術がテストされる。Blue Originは、2020年10月にもこのシステムの一部を飛行させており、その時のテストに基づいてすでに改良が加えられ、今回のバージョンに組み込まれている。

Blue Originのカプセルには、他にもNASAやフロリダ大学などの学術機関が開発した数多くの実験装置が搭載されている。打ち上げ計画には、離陸、カプセルの分離、ブースターの制御された帰還式動力着陸、数分間の準軌道スペース飛行の後のカプセルのパラシュート支援着陸が含まれています。

関連記事
Blue Originは月着陸船のSpaceX発注に抗議し連邦裁判所でNASAと一騎打ちに
ブルーオリジン初の有人宇宙飛行後、ベゾス氏とクルーが記者会見「より重大なミッションの練習」

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Katsuyuki Yasui)

日本の宇宙ベンチャーispaceが月の夜にも耐えられる大型月着陸船のデザインを発表

月面の経済発展でリーダーとなることを目指す日本の宇宙ベンチャー企業、ispace(アイスペース)は、早ければ2024年に月へ行く大型着陸機のデザインを発表した。

東京を拠点とするispaceによれば、この「シリーズ2」と名付けられた次世代ランダーは、同社が計画する3回目の月探査ミッションで使用される予定とのこと。このランダーは、同社の最初のランダー「シリーズ1」よりも全体の大きさとペイロード(貨物)積載容量が大きく、着陸脚を広げた状態で高さ約2.7メートル、幅約4.2メートルとなっている。月面には最大500キログラム、月周回軌道には最大2000キログラムのペイロードを輸送することが可能だ。2022年と2023年に打ち上げ予定のシリーズ1は、ペイロード積載容量が30キログラムしかない。

重要なのは、この新型ランダーが極寒の月の夜にも耐えられるように設計されていることで、月面には2週間の滞在が可能であるという。また、このシリーズ2ランダーは、極地を含む月の表側と裏側のどちらにも着陸できるように設計されている。

この着陸機には他にもいくつかの特徴がある。複数のペイロードベイを備えたモジュール式のペイロードデザインを採用していること、そして高精度な月面着陸を実現するための高度な誘導・航法・制御(GNC)システムを搭載していることなどだ。このGNCの技術は、宇宙産業で実績のあるエンジニアリング開発会社のDraper(ドレイパー研究所)から技術協力を受けている。ドレイパー研究所は、NASAのCommercial Lunar Payload Services(CLPS、商業月面輸送サービス)イニシアティブに選定された14社のうちの1社でもある。

ispaceの発表によると、このシリーズ2ランダーは基本設計審査を完了しているとのこと。次の段階となる製造と組み立ては、防衛・航空宇宙技術会社のGeneral Atomics(ジェネラル・アトミクス)と協力して行う予定であるという。

このシリーズ2ランダーをNASAのプログラムに参加させたいと考えているispaceにとって、鍵となるのがCLPS契約企業であるドレイパー研究所とのパートナーシップだ。ispaceの米国子会社のCEOであるKyle Acierno(カイル・アシエルノ)氏は「今後数カ月間はドレイパー研究所やジェネラル・アトミクス社と連携し、次のNASA CLPSタスクオーダーに向けて準備を進めていきます」と語っている。

ispaceは、コロラド州にある北米オフィスで次世代ランダーの開発を行っており、製造も米国内で行う予定だ。その一方で、2022年と2023年に予定されている1回目と2回目の月面探査の準備も進めている。同社によると、シリーズ1ランダーは、宇宙打ち上げ会社のArianeGroup(アリアングループ)が所有するドイツの施設で、フライトモジュールの最終組み立てを行っているという。最初のミッションの顧客積荷目録はすでに満杯だが、ミッション2のペイロード容量にはまだ余裕があると、ispaceは述べている。

今回のランダー発表の数週間前、ispaceはシリーズC投資ラウンドで約50億7000万円の資金調達を実施したことを発表している。この資金は同社が計画中の第2、第3のミッションに充てられる予定だ。

関連記事
日本のispaceが2023、2024年の月面探査ミッションに向けて新たに約50.7億円を調達
JAXAが有人与圧ローバー実現に向け変形型月面ロボットによる月面データ取得の実施決定、タカラトミー・ソニー・同志社大と共同開発
日本の宇宙企業ispaceの月着陸船がカナダ宇宙庁とJAXAからペイロード輸送を受託
画像クレジット:ispace

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Blue Originは月着陸船のSpaceX発注に抗議し連邦裁判所でNASAと一騎打ちに

億万長者のJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が率いる宇宙企業Blue Originが、NASAを法廷に引っ張り出そうとしている。米国時間8月17日に同社は米連邦請求裁判所に、月着陸船の契約をライバル企業のSpaceXにのみ与えたとして同政府機関を告訴した。

裁判所が受け付けたその訴状は、有人着陸システムの提案に対するNASAの評価が「違法で不適切」であるとしている。

同社の広報担当者はTechCrunchに次のように語っている。「Blue Originは、有人着陸システムのNASAの取得過程に見出される欠陥を修復する試みとして、米連邦請求裁判所に訴状を提出しました。この調達過程と結果に見られる問題は、対策が講じられ、公正が回復され、競争が作り出され、米国の月への帰還が確実に安全になるべきです」。

その有人着陸システム(HLS)は、NASAが次に予定しているアルテミス計画の基幹的な部分であり、Apollo(アポロ)の時代以降初めて、人類を月面に帰還させるものである。NASAの計画では、2024年に人類を月の南極に着陸させることを目指している。

2021年4月、NASAはその契約を、29億ドル(約3170億円)で入札していたSpaceX1社だけに与えた。従来からリスクヘッジを重視してきたNASAが、今回に限って最初から1社に絞ったことは驚きだった。わずか数週間後にBlue Originと、同じく着陸船に入札していた国防関連の契約企業Dyneticsが、それぞれ別々に米会計検査院(GAO)に抗議した。GAOは後にNASAの決定を支持し「契約の発表は、複数の落札または単一の落札、または落札なしとする権利を留保している」と主張した。

GAOがNASAを支持する理由の詳細は、TechCrunchのDevin Coldeweyの記事にある。

関連記事
米会計検査院が月着陸船開発契約をめぐるBlue Originの抗議を却下
連邦政府はSpaceXがNASAの月着陸船建造を受注したことに対するBlue OriginとDyneticsの異議を退ける

GAOの決定が発表されて、本件はSpaceXの勝ち、Blue Originの負けで一見落着したかに思われた。しかし連邦請求裁判所に提出された今度の新しい訴訟は、ジェフ・ベゾス氏の会社がそれを納得していないことの証拠だ。

NASAとしては、広報担当者がTechCrunchに、申立を受理し「目下、その詳細を調査中」と述べただけだ。

連邦裁判所に提出された書類がBlue Originの厳重な抗議を表しているとすれば、同社はソーシャルメディアに対しても別の攻撃を行っており、SpaceXのStarshipの信用を落とすことを目的とした一連のインフォグラフィックや、月へのミッションに使用するというNASAの決定を発表している。

画像クレジット:Blue Origin

そのインフォグラフィックスの1つはStarshipを指して、画像の横の赤い大きな文字で「あまりにも複雑でリスクが大きい」と指摘する。またその下には「これまで一度も軌道まで飛んだことがなく、まだ設計途上の打ち上げ船」とある。

今回の訴訟番号は1:21-cv-01695-RAHだ。現在、TechCrunchは、NASAにコメントを求めている。返事が届き次第この記事をアップデートしたい。

関連記事
ブルーオリジン初の有人宇宙飛行後、ベゾス氏とクルーが記者会見「より重大なミッションの練習」
SpaceXの大型ロケット「Super Heavy」と宇宙船「Starship」が初めて合体、全高120mは史上最大
SpaceXが初の買収、衛星ネット接続のSwarm Technologiesを全額出資子会社に

カテゴリー:宇宙
タグ:Jeff BezosBlue OriginSpaceXNASA裁判アルテミス計画GAO

画像クレジット:Joe Raedle/Getty Images

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hiroshi Iwatani)

連邦政府はSpaceXがNASAの月着陸船建造を受注したことに対するBlue OriginとDyneticsの異議を退ける

Blue Origin(ブルーオリジン)とDynetics(ダイネティクス)は、NASAがアルテミス計画で使用する有人着陸システムの建造をSpaceXにのみ委託するという決定を下したことに対し、いまだ強く抗議を続けている。この決定に対する抗議は 先日却下されたが、Blue Originが公然と疑問を呈した米国政府説明責任局の主張は誰でも読むことができる。ここでは選定からはずれた企業の訴えから、項目ごとの主要な主張内容を紹介する。

関連記事
NASAがアポロ計画以来となる有人月面着陸システムの開発にSpaceXを指名
米会計検査院が月着陸船開発契約をめぐるBlue Originの抗議を却下
NASAがSpaceX、Blue Origin、Dyneticsの3社を月面着陸船の開発に指名

(2020年は長い年だったので)よく覚えていない人のために説明すると、もともとNASAは、2024年に有人月着陸プロジェクトに向けた月面着陸船の構想・提案を得るため、 上記の3社を選んで早期の資金援助を行っていた。さらに次の段階では、可能であれば2社の案を選んで進めるとしていた。しかし、委託先が決まる時期が来ると、SpaceXのみが契約を獲得した。

DyneticsとBlue Originは、この決定に個別に抗議したが、その理由は共通している。1つ目に、NASAは約束通り2社を選定すべきであり、それをしないことはリスクをともない、反競争的でもあるということ。2つ目に、確保できる予算が少ないことがわかった時点で、選定の条件を調整すべきだったということ。3つ目に、NASAが提案を公正に評価せず、さまざまな点でSpaceXに偏った評価をし、他の2社には不利な評価をしたということだ。

米国会計検査院(GAO)は、これらの懸念をすべて報告書の中で解消している。 それにより、Blue Originの「NASAの権限は限定されているため、抗議に適切に対処できない」という後に続く異議は、負け惜しみのように聞こえることとなっている。

1社に決定

画像クレジット:SpaceX

2社ではなく1社と契約することについては、白黒はっきりとした答えが出ている。今回の提案依頼では、そもそも資金が十分にあることが前提である旨が何度も明言されていた。NASAは2社と契約を結ぶことを好み、望み、見込んでさえいたかもしれないが「最大2社」または「1社以上」と契約を結ぶということははっきりしていた。実際、もし1社だけが要件を満たしていて、他の2社はそれを満たしていなかったとしたらどうだろう。NASAは不適当な候補者に資金を投入する義務があるだろうか。答えは「ノー」だ。そして、それが多かれ少なかれ実際に起こったことだ。

報告書からの引用

提案依頼の段階で複数社との契約を締結する意図があった場合でも、提案を評価した結果、1社との契約のみを締結すべきと判断された場合、必ずしもそうする必要はないと認識しています。例えば、NASAの意図にかかわらず、契約を締結するうえで利用可能な資金を超えることはできません。

GAOの説明によると、NASAの意思決定プロセスでは技術的アプローチを最も重視し、次に費用、そしてマネジメント(組織、スケジュールなど)を重視したという。各社の提案はこれらの基準ごとに個別に評価され、最終的な結果が比較された。以下に各社への評価の重要項目をまとめた。

画像クレジット:GAO / NASA

再び報告書からの引用

技術的アプローチという要素は、総見積額よりも重要であり、総見積額はマネジメント的アプローチという要素よりも重要です。総合すると、費用的要素よりも非費用的要素の重要度の比重が高いと言えます。

抗議者の主張に反し、仮に比較分析が必要であったとしても、SpaceXの提案は3つの評価基準のそれぞれにおいて最高の評価を受けており、費用も最も低くなっています。

NASAの予算が確定したとき、HLSプログラムへの予算は想定より少なく、NASAは厳しい選択を迫られた。幸い、(最も重要な要素である)技術面で他社と同等かそれ以上で、組織的にも他社よりかなり優れており、費用面においても非常に合理的な提案があった。SpaceXとの契約は明確な選択だった。

そうはいっても、NASAは十分な資金を獲得できなかった。それでもBlue Originは、何とかして成功させるために自分たちが協力をするのは当然だと主張した。同社は、NASAが直接交渉に来ていたら、おそらくSpaceXよりも良い提案をできたかもしれない、とほのめかした(ジェフ・ベゾス氏が後に20億ドル(約2200億円)の値引きを大胆にも提案したことは、同社に多少の余裕があったことを示している)。

関連記事:月着陸船開発を失注したベゾス氏がNASAに約2208億円の「インセンティブ」を打診

しかし、NASAはすでに別の結論を出していたことをGAOが確認している。

NASAは、2021年度の資金不足を埋め合わせるため、提示されている約[削除済み]ドルの目標達成報奨金(または提示されている総額29億4100万ドル(約3240億円)の約[削除済み]パーセント)の支払いを2021年度ではなく、後年に繰り延べするようSpaceXと交渉することは「乗り越えられない」ことではないという結論に達しました。これに対し、SSAの判断では、Blue Origin(59億9500万ドル[約6590億円])とDynetics(90億8200万ドル[約9990億円])が、それぞれの技術的・マネジメント的アプローチを大きく修正することなく、著しく高い提案額を大幅に引き下げることは不可能であるということです。

削除された部分に関わらず、ここでの問題点を理解するのは難しいことではない。SpaceXは、30億ドル(約3300億円)に達した時点ですでに厳しい状態になるであろう財政上の問題に対処するため、数億ドル(数百億円)程度の削減を考えることができ、それを合理的にとらえることさえできた。一方でBlue OriginとDyneticsは、同じように財政上の大きな助けとなるよう、コストを半分以上削減するということは考えられなかった。

当時、NASAの選考グループは次のように説明していた。

SpaceXとの契約締結を考慮すると、残りの利用可能な資金は非常に少ないため、私の意見では、NASAはBlue Originが任務の内容に対して提案した額を、同社との契約締結が可能になる数字まで下げるよう合理的に要求することはできません。

Blue Originは、予算によって選考プロセスが制限される可能性があることを、NASAは事前に告げるべきだったと訴えた。しかしGAOは、連邦予算は秘密にはされていないということを指摘し、さらに同社らが契約締結時まで問題提起を先送りしていたことについても明快に指摘している。このような訴えが真摯に受け止められるためには、時宜を得る必要があるとし、さらにNASAがそれを事前に告げていたとしても、そのことで結果が変わっていたという可能性を示唆するものは何もないとしている。

また、抗議文では提供者を1社のみに絞ることは「反競争的であり、過度にリスクをともなう」と指摘しているが、本当にそうであるかという問題もある。GAOは「これらの重要な政策的問題については、開かれた議論をさらに進める価値があるかもしれない」と認めているが、そもそもNASAには2つ以上のプロジェクトを行う資金がなかったため、こういった訴えは無意味である。有権者として、また宇宙開発に潤沢な予算を投入すべきであると主張する者として、NASAがあと60億ドル(約6600億円)多く予算を得られなかったのは残念だと言えるかもしれない。だからといって、得られた資金を可能な限り最高の目的のために使うというNASAの決定が間違っていたわけではない。

宇宙では叫びは誰にも届かない

画像クレジット:Joe Raedle / Getty Images

Blue OriginとDyneticsは、この選考プロセスがSpaceXに有利に進められ、さまざまな企業の強みと弱点が公平に評価されていないと主張している。しかし、GAOはこのような訴えを甘んじて受け入れる。

1つの例として、Blue Originは提案依頼の際、着陸船が暗闇でも着陸できることは特に求められていなかったと主張している。しかし、まず第1にそれは求められているいうこと、そして第2に宇宙は暗いということだ。その点を考慮した設計でないと、宇宙では苦労することになる。

もう1つの例では、Blue OriginとSpaceXが提案した通信システムはどちらも特定の要件を満たしていないと指摘されたが、Blue Originのシステムについては「重要な弱点」とされ、SpaceXは「弱点」としか指摘されなかった。それこそが優遇措置の証拠であると2社は指摘している。

しかしGAOはそうではないという。「評価の記録をざっと見直しただけでも、それぞれの提案における重要な相違点がはっきりと示されており、NASAが与えた異なる評価結果はその相違点に裏付けられています」ということだ。この例では、Blue Originの通信リンクのうち4つが要求通りに機能せず、5つ目も確実ではない。SpaceXの方でうまく機能しなかったのは2つだけだ。このような大きな差は、抗議している2社それぞれの異議内容の中にも示されている。

実際、報告書には次のように書かれている。

私たちは、契約担当者が提示したBlue OriginまたはSpaceXの提案に関する分析結果に対し、Blue Originが反論していないことに留意します。Blue Originは当初、同社の提案に対する評価に異議を唱えていましたが、NASAの報告書を受け取った後、同意の上、その異議申し立てを撤回しました。

Blue Originが不満に思っているのは、設計上の選択の多くは明示的に要求されていないにもかかわらず、SpaceXがクルーの安全性、健康、快適性を重視した設計をしたことで、追加ポイントを得たということだ。GAOは、NASAがこうしたSpaceXの設計をプラスのポイントとみなすことは専門機関としての裁量権の範囲内であるとし、このような事例において「なぜ裁量権が必要なのかを示す代表的な例」と呼んでいる。それにしても、競合相手の着陸船が 素晴らしすぎるという理由で異議を唱えているのであれば、優先事項を考え直した方がいいかもしれない。

画像クレジット:Blue Origin

報告書は、仮にいくつかの決定に対する異議が認められたとしても、結果は変わらなかっただろうとしている。

SpaceXに対する総合評価は以下の通りである。

  • 技術面:重要な強み3、強み10、弱点6、重要な弱点1
  • マネジメント面:重要な強み2、強み3、弱点2

一方、Blue Originに対する総合評価は以下の通りである。

  • 技術面:強み13、弱点14、重要な弱点2
  • マネジメント面:重要な強み1、強み2、弱点6

重要な要素のほとんどすべてにおいて完敗であると気づかされるのは決して好ましいことではないが、今回は事実それが要因だったようだ。ちなみに、Dyneticsの訴えに関しても同じ運命をたどっているが、もう少し手厳しい扱いを受けている。

NASAの評価に対するDyneticsの異議の一部がわずかに認められる可能性を考慮しても、NASAの評価はほぼ妥当であり、非費用的要素に基づいた同社の相対的な競争力には大きな変化はないだろう、と報告書には記載されています。

異議は却下された。

Blue OriginとDyneticsの欠点について極めて率直に書いたが、両社が負けを認め、NASAが両社を蹴落とそうとしているわけではないことを受け入れていれば、必要のないことだった。両社は公正な評価を受けて敗れた。今は野心的で可能性に満ちた企業でなく、まるで泣き言をいう負け組のようだ。

関連記事
NASAがISSで月基地建設用3Dプリンターの実証機をテスト、微小重力・月の土で必要な強度が出るか確認
微小重力の宇宙での製造業スタートアップVardaがRocket Labと宇宙船3機の購入契約締結
SpaceXが初の買収、衛星ネット接続のSwarm Technologiesを全額出資子会社に

カテゴリー:宇宙
タグ:Blue OriginSpaceXNASADyneticsアメリカアルテミス計画宇宙船米国会計検査院(GAO)

画像クレジット:NASA

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:Dragonfly)

日本のispaceが2023、2024年の月面探査ミッションに向けて新たに約50.7億円を調達

日本の宇宙スタートアップ企業であるispace(アイスペース)は、3年以内に予定している3つの月面着陸機ミッションを完遂させるため、シリーズC投資ラウンドで約50億7000万円を調達した。

今回調達した資金は、2023年と2024年に計画されている2回目と3回目のミッションに充てられる。ispaceが2022年後半の実施を目指している第1回目のミッションは、これまでに調達した資金で賄われる。

関連記事:月着陸船開発のispaceが30億円調達、新着陸船プラットフォームを公開

このシリーズCラウンドは、日本のベンチャーキャピタルであるIncubate Fund(インキュベイトファンド)が主導し、Innovation Engine(イノベーション・エンジン)が運営するパートナーシップ、SBI Investment Co.(SBIインベストメント株式会社)、佐護勝紀氏、Hijojo Partners(ヒジョージョー・パートナーズ)が運営する法人、Aizawa Investments(アイザワ・インベストメンツ)、Aizawa Asset Management(あいざわアセットマネジメント)が運営するファンドから追加投資を受けた。インキュベイトファンドは、ispaceのシード期にあたる2014年から同社を支援している。

ispaceの総調達額は現在約213億円となっている。

同社は2021年7月、2022年のミッションに向けた月面着陸機のフライトモデルの組み立てを、宇宙ロケット会社のArianeGroup(アリアングループ)が所有するドイツのランポルズハウゼンにある施設で開始したと発表した。ispaceの月面探査プログラム「HAKUTO-R」の最初のミッションでは、着陸機はコスト削減と推進剤による重量増加を主な理由に、3カ月かけて月に到達する予定だ。この着陸機は、サウジアラビアのMohammed bin Rashid Space Center(モハメド・ビン・ラシッド宇宙センター)から月面探査ローバー「Rashid」(ラシッド)を、日本の国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)から変形型月面ロボットを、そしてカナダの3つの企業からペイロードを、月へ届ける契約を受注している。この着陸機は、SpaceX(スペースX)のFalcon 9(ファルコン9)ロケットで打ち上げられる予定だ。

関連記事:日本の宇宙開発スタートアップispaceが月着陸船「HAKUTO-R」の最終デザイン公開、2022年の初ミッションに向け

高さ約2.3メートルの着陸機は、2023年に予定されている2回目のミッションでも使用され、同社のその後のミッションをサポートするためにデータを収集するispaceの小型探査車を、月へ送り込むことになっている。2024年の3回目のミッションでは、米国でより大きな着陸機を開発する予定だ。

ispaceは、その長期的な目標を「民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなること」と表現している。同社は、月の水資源が「未開発の可能性」を秘めていることをウェブサイトで紹介し、宇宙ベースの経済を促進させることに特に関心を寄せている。

関連記事
JAXAが有人与圧ローバー実現に向け変形型月面ロボットによる月面データ取得の実施決定、タカラトミー・ソニー・同志社大と共同開発
日本の宇宙企業ispaceの月着陸船がカナダ宇宙庁とJAXAからペイロード輸送を受託
NASAが月試料収集プロジェクトに日本のiSpaceなど4社を選抜、宇宙鉱業のパイオニア育成を目指す

カテゴリー:宇宙
タグ:ispace日本資金調達

画像クレジット:ispace

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)