低糖質・高タンパクの冷凍弁当宅配「ゴーフード」が総額6000万円のプレシリーズA調達

低糖質・高タンパクの冷凍弁当宅配「ゴーフード」が総額6000万円のプレシリーズA調達

糖質で高タンパクのフードデリバリーサービス「GOFOOD」(ゴーフード)を運営するゴーフードは6月2日、プレシリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による総額6000万円の資金調達を発表した。引受先は、ダイレクトマーケティングミックスと個人投資家の東信介氏。

2019年設立のゴーフードは、「糖質過剰症候群」という概念を提唱する清水泰行氏を顧問医師に迎え入れるなどして調理済み冷凍食品のデリバリーを展開してきた。Healty、Delicious、Easyの3つの特徴を掲げ、味の面でも「本格シェフによるこだわりの調理法」と「食品劣化を抑える冷凍方法」を採り入れている。

また、環境にも配慮している。冷凍食品技術は食品ロスの削減につながり、SDGsの17の目標のうち「1. 貧困をなくそう」、「2. 飢餓をゼロに」、「3. すべての人に健康と福祉を」に貢献できると同社は言う。さらに、弁当のパッケージには石灰由来の新素材LIMEX(ライメックス)を使用し、石油由来の樹脂の使用量を40%削減した。ちなみにLIMEXの第一プラントである白石工場は、再生可能エネルギー実質100%で運用されている。こうしたことから、「12. つくる責任つかう責任」、「13. 気候変動に具体的な対策を」、「14. 海の豊かさを守ろう」、「15. 陸の豊かさも守ろう」にも配慮していると同社は話す。事実、ゴーフードは、日本SDGs協会より、目標1、2、3、12に関して「SDGs事業認定証」を受けた。

新型コロナ禍のステイホームにより健康への配慮を支援するフードデリバリーの需要の拡大を実感したことから、ゴーフードは今回の資金調達を実施した。この資金で、新メニュー開発、人材確保、ネット注文の利便性向上、マーケティング施策の充実などを行い、スピーディーな事業拡大を目指すという。

関連記事
Amazonとライフが生鮮食品の最短2時間配送サービスの対象エリアを千葉県13市・大阪府19市に拡大
「食べチョク」ユーザーが50万人を突破し、国内産直通販サイト2年連続の6冠を達成
独自の冷凍技術で全国に人気店のスイーツを届けるケーキ専門通販サイトCake.jpが7.7億円を調達
CAN EATと南海電鉄が食物アレルギーのある人も安心して食事を楽しめる店舗情報マップ作成企画を開始
植物肉スタートアップのDAIZが18.5億円をシリーズB調達、国内生産体制強化と海外市場早期参入を目指す
味の素が一般アスリート・部活生向け自動献立提案AIアプリ「勝ち飯AI」β版を開発、限定ユーザーテスト開始
全国のパン屋さんをD2C化するパンフォーユーが1.8億円調達、ベーカリー向けSaaS機能拡充

カテゴリー:フードテック
タグ:SDGs(用語)ゴーフード(企業・サービス)食材宅配 / フードデリバリー(用語)新型コロナウイルス(用語)配送 / 宅配 / デリバリー(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

複数デリバリー・テイクアウトサービスからの注文を一元管理できる飲食店向けSaaS「CAMEL」のtacomsが資金調達

複数のデリバリーおよびテイクアウトサービスからの注文を一元管理できる飲食店向けSaaS「CAMEL」(キャメル)を手がけるtacoms(タコムス)は5月20日、第三者割当増資による資金調達を発表した。調達額は非公開だが、数千万円規模と見られる。引受先は、ANRI、EastVentures、複数の個人投資家。

調達した資金により、飲食店のデリバリーインフラとなれるべく、製品の開発と採用の強化に注力するとしている。

tacomsによると、コロナ禍の影響もあり、多くの飲食店が複数のデリバリーサービスの導入を進めているという。その結果、飲食店の厨房内が各サービス用の注文受注用端末であふれる、サービスごとに管理画面にログインしてメニューの更新作業を行わなくてはならないなどの課題が発生しているという。

その解決策としてCAMELでは、複数のデリバリー・テイクアウトサービスの注文受注やメニュー管理などを1つのタブレットで利用できるようにした。これにより、簡潔な店内オペレーションのもと新しいデリバリープラットフォームに出店可能となり、管理コストの削減・売り上げの最大化も実現できるとしている。

またCAMELでは、注文の受注だけでなく、商品の品切れ設定やレシートプリンターと連動した帳票の印字なども行えるという。

関連記事
飲食店の予約・顧客台帳サービス手がけるトレタと凸版印刷が提携、フードデリバリー領域新サービスを2021年末までに提供
飲食店向けテイクアウトの予約・決済サービス「TakeEats」運営のランプが約1億円調達
飲食店向けオーダーデータプラットフォーム「LOOP」提供のShock Techが約5700万円調達
Showcase Gigがドコモと資本業務提携「d払い」ミニアプリとの連携でモバイルオーダーの浸透目指す

カテゴリー:ネットサービス
タグ:飲食業界(用語)資金調達(用語)食材宅配 / フードデリバリー(用語)tacoms(企業)日本(国・地域)

Amazonとライフが生鮮食品の最短2時間配送サービスの対象エリアを千葉県13市・大阪府19市に拡大

アマゾンジャパンライフコーポレーション(ライフ)は5月20日、ライフストアで取り扱っている生鮮食品・惣菜を最短2時間で配送するサービスの対象エリアを拡大すると発表した。

ライフのストア概要(2021年5月20日現在)

  • URLhttp://www.amazon.co.jp/life 。Amazonショッピングアプリからも利用可能
  • 利用条件:Amazonプライム会員としての登録が必要
  • 取り扱い商品:生鮮食品、惣菜など
  • 配送時間:12時~22時(配送時間は2時間単位で指定可能)
  • 最低注文金額:税込2000円以上
  • 配送料:税込6000円未満の注文の場合は440円。6000円以上1万円未満の場合は220円。1万円以上の場合は無料

5月20日より、従来の千葉県7市(我孫子市・市川市・柏市・鎌ケ谷市・白井市・流山市・松戸市)に加えて、千葉市・佐倉市・習志野市・船橋市・八千代市・四街道市の6市がサービスの提供エリアとなった。

また大阪府でも、従来の4市(大阪市・吹田市・摂津市・豊中市)に加えて、4月28日から茨木市・交野市・門真市・四條畷市・大東市・高槻市・寝屋川市・東大阪市・枚方市・守口市の10市、5月13日から泉大津市・和泉市・堺市・高石市・松原市の5市が提供エリアとなる。

今回の提供エリア拡大により、東京23区・4市、神奈川県5市、千葉県13市、埼玉県1市、大阪府19市、兵庫県1市のプライム会員がAmazon.co.jpサイトおよびAmazonショッピングアプリからライフの商品を注文できるようになった。また今後も、配送エリアを順次拡大していく予定としている。

配送対象エリア(2021年5月20日現在)

  • 東京都:23区、狛江市、調布市、三鷹市、武蔵野市
  • 神奈川県:綾瀬市、川崎市2区(川崎区・幸区)、藤沢市、大和市、横浜市11区(旭区・泉区・神奈川区・港北区・瀬谷区・鶴見区・戸塚区・西区・保土ヶ谷区・緑区・南区)
  • 千葉県:我孫子市、市川市、柏市、鎌ケ谷市、佐倉市、白井市、千葉市(稲毛区・中央区・花見川区・美浜区・若葉区)、流山市、習志野市、船橋市、松戸市、八千代市、四街道市
  • 埼玉県:さいたま市9区(浦和区・大宮区・北区・桜区・中央区・西区・緑区・南区・見沼区)
  • 大阪府:大阪市22区(旭区・阿倍野区・生野区・北区・城東区・住之江区・住吉区・大正区・中央区・鶴見区・天王寺区・浪速区・西区・西成区・西淀川区・東住吉区・東成区・東淀川区・福島区・港区・都島区・淀川区)、堺市(北区・堺区・中区・西区・東区・南区・美原区)、泉大津市、和泉市、茨木市、交野市、門真市、四條畷市、吹田市、摂津市、大東市、高石市、高槻市、豊中市、寝屋川市、東大阪市、枚方市、松原市、守口市
  • 兵庫県:神戸市6区(北区・須磨区・垂水区・中央区・長田区・兵庫区)

関連記事
Amazonとライフが生鮮食品のオンライン販売・配送を大阪府でも開始
小売業のDXを推進する10Xがスーパーのライフと協業しライフ初となるネットスーパーアプリの提供開始

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Amazon / アマゾン(企業)EC(用語)食材宅配 / フードデリバリー(用語)ライフコーポレーション(企業)

インドでUber Eatsを買収したフードデリバリー「Zomato」が1200億円規模のIPO申請

インドのフードデリバリースタートアップであるZomato(ゾマト)は、インド時間4月28日にIPOを申請した。数年にわたる有望な成長を経て、同社はこれにより世界第2位のインターネット市場において、テックユニコーン企業たちの新時代をリードすることになる。

インドのグルガオンに本社を置く創業12年目の同スタートアップは、Info EdgeやAnt Groupを最大の投資家に数えており、IPOで11億ドル(約1198億円/新株発行で約10億ドル、約1089億円)を調達する予定であると、現地の市場規制当局に提出した書類の中で述べている。24の市場で事業を展開している同社は、インドの証券取引所NSE(ナショナル証券取引所)とBSE(ボンベイ/ムンバイ証券取引所)に上場する予定だ。

これまでに22億ドル以上(約2396億円、調査会社Tracxn調べ)の資金を調達し、直近の資金調達ラウンドでは54億ドル(約5880億円)の評価を受けたZomatoは、上場に向けて2億ドル(約218億円)の追加調達を検討する可能性があると述べている。

関連記事:インドのフードデリバリーZomatoが約263億円調達し企業価値約5672億円に、2021年前半にIPO予定

Zomatoが最終的にインドの証券取引所に上場するかどうかには、多くのことがかかっている。上場が成功すれば、十数ある他のインドのユニコーン企業が上場に向けた取り組みを加速させることになるだろう。

インドのスタートアップ企業は過去10年間で数百億ドルの資金を調達してきたが、これまで公開市場への参入にはほとんどが消極的だった。ここ数年、IndiaMartやモバイルゲーム企業のNazaraなど、一部の企業の上場が成功したことで、インドの投資家がハイテク株に強い関心を持っていることがわかった。

関連記事:インドのスタートアップは2020年に合計9660億円を調達、記録更新ならずも後半回復

  • Zomatoが今回の申請で共有したいくつかの重要なインサイトは以下のとおりだ。

  • Zomatoはインドのフードデリバリー市場において、市場リーダーとしての地位を確立している。
  • 同社は、Prosus Venturesが支援するSwiggy(スウィギー)、そしてDomino’s(ドミノ・ピザ)、McDonald’s(マクドナルド)、Pizza Hut(ピザハット)などのレストランや、Rebel Foodsなどのクラウドキッチン事業者も競合相手として挙げている(Swiggyはソフトバンク・ビジョン・ファンド2/SVF2からの資金調達を交渉中と報じられている)。ただし、2020年にインドのフードデリバリー市場に参入したAmazon(アマゾン)はこのリストに含まれていない。
  • 同社は2020年4月1日から12月31日までの間に、1億8360万ドル(約200億円)の収益を計上した。同期間の損失は9180万ドル(約100億円)だった。

  • 同社は過去に純損失を出したことがあり、今後も経費の増加が予想されるという。
  • Info Edgeは、1億ドル(約109億円)相当の株式を売却する予定であると、証券取引所に提出した書類の中で述べている。
  • Zomatoは、今後の事業に影響を及ぼす可能性のある数十以上のリスク要因の中で「インドにおける規制の変化」「外国資本の調達能力」「政治的変化」を挙げている。
  • 2020年12月31日現在、全世界で3469名の従業員を擁するZomatoは、IPOにより調達する資金の75%を、顧客が追加特典を利用できるZomato Pro会員制度や、同社のB2B用品事業であるHyperpureの成長に投資し、提携レストランとの関係を深めることを計画している。
  • Zomatoによれば、GOV(Gross Order Value、総受注額)という指標で見ると、同社は2020年の第3四半期までにコロナ禍の危機から回復したという。しかし、外食ビジネスを含むいくつかのビジネスラインは「お客様が予防的措置として外食を控える傾向が続いているため、まだ回復途上である」としている。
  • 2020年12月の時点で同社のプラットフォームでは、16万1637人の現役デリバリーパートナーが活動し、35万174店舗の加盟レストランを掲載しており、そのうち13万2769店舗のレストランは顧客に活発にデリバリーを行っている。
  • 過去数年にわたり、Zomatoの広告・販売促進費の総収入に占める割合は下図のようになっている。

  • Zomatoは近年、フードデリバリー事業のユニットエコノミクスを改善してきたとしている。

  • Zomatoは2020年、Uber Eatsのインド事業を買収し、その一環として、米国の配車サービスであるUberにZomatoの株式9.9%を譲渡した(余談だが、Uberがこれまでに利益を上げたのは、一部の市場で事業を地元のライバル企業に売却したときだけのようだ)。1%以上の株式を保有している現在の株主リストは、以下のとおりだ。

関連記事
ソフトバンクがインドのフードデリバリーSwiggyに最大543億円投資か
アマゾンがインド・バンガロールのフードデリバリーサービスを全市域に拡張
Uberがインドのフードデリバリー事業を現地ライバルのZomatoに売却

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:ZomatoインドIPOフードデリバリー

画像クレジット:Nasir Kachroo/NurPhoto / Getty Images

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

フードデリバリーのDoorDashがレストラン向け新価格設定を発表、手数料を最低15%まで引き下げ

DoorDash(ドアダッシュ)は、同社のプラットフォームを利用してデリバリーやピックアップオーダー(持ち帰り)を提供するレストラン向けに、新しい価格プランを発表した。

これまで、同社はレストラン間で統一された価格を提供していなかった。しかし、デリバリーアプリの手数料がどこまで高くなるのか(その結果、レストランが受け取る支払いがどれだけ低廉になるのか)という問題が提起される中、DoorDashは2020年秋に料金体系に関する長いブログ記事を公開した。

今日、オレゴン州とワシントン州では配達料の上限が設定されており、カリフォルニア州、ニューヨーク州、テキサス州の州議員らも同様の上限設定を提案している。DoorDashのCOOであるChristopher Payne(クリストファー・ペイン)氏は、新しい価格設定について報道陣と話した際に、立法者達の機嫌を取るために価格設定を変更したわけではない、とその観点を否定した。

「これは法規制への対応として立案されたものではありません」とペイン氏は語った。「レストラン経営者の声に耳を傾け、彼らが何を必要としているのか学んだことにより策定されました」。

DoorDashは現在、3つのプランを提供している。DoorDash Basicは、レストランが配達時に15%の手数料のみを支払うことで「配達コストの大部分を顧客にシフト」し、より狭い配達エリアをサポートする。DoorDash Plusの場合、レストランが25%を支払うことで、DoorDashのDashPassサブスクリプションプログラムに参加し、DoorDashアプリでの視認性が向上する。DoorDash Premierになると、レストランが30%を支払う代わりに、最低の顧客手数料、最大の配達エリア、そしてDoorDashが所有するCaviar(キャビア)とデリバリー&ピックアップの間で毎月20件以上の注文を保証する。

関連記事:フードデリバリーのDoorDashがサラダづくりロボットのChowboticsを買収

DoorDashは今後すべてのプランにおいて、ピックアップオーダーに関しては6%の手数料のみを徴収するとしている。

同社の発表には、新プランを採用するレストランオーナーの声が掲載されている。例えば、テキサス州プラノにある「Jai Meals」のオーナーであるSherry Copeland(シェリー・コープランド)氏はこう語っている。

Jai Mealsは地元のショッピングモールで営業しているので、過去1年間の店舗閉鎖による収入減を補うためにも、デリバリーは重要な役割を果たしています。とはいえ、以前のコミッション率は私のビジネスには適していませんでした。特にデリバリーが注文の大きな割合を占めるようになると、高いコストを吸収するのは困難でした。Basicプランでは、デリバリーの利便性を求めるお客様に、私の商品、目標、お客様のニーズに合ったコストで、デリバリーを提供することができます。

ペイン氏によると、これらのプランはDoorDashに登録しているすべてのレストランで米国時間4月27日から利用可能になるが、新価格が完全に適用されるまでには最大5日かかる場合があるという。また、DoorDashは過去数カ月にわたってこれらのプランをテストしており「当社の経済性やDasher(配達員)の収入に与える影響は、ほとんどないと考えています」と同氏は付け加えた。

関連記事:フードデリバリーのDoorDashがIPO申請書類を公開、驚異的な成長が明らかに

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:DoorDashフードデリバリー

画像クレジット:DoorDash

原文へ

(文:Anthony Ha、翻訳:Aya Nakazato)

小規模事業者がAmazonと競合できるようにする同日配達プラットフォーム「Tyltgo」

Tyltgo(ティルトゴ)は、レストランや小規模事業所がAmazonやHelloFreshなどが提供している同日配達サービスと簡単に競合できるようにしたいと考えている。このほどシードラウンドで230万カナダドル(約1億9800万円)調達したカナダ企業Tyltgoは、ホワイトラベルのUber Eatsのようなものだ。事業所をギグエコノミーの配達人と結びつけ、事業所のブランド下でのオンデマンド配達プラットフォームを提供している。

「自社のことを購入後体験の会社だと考えています」と共同創業者でCEOのJaden Pereira(ジェイデン・ペレイラ)氏はTechCrunchに語った。「消費者は直接事業者のプラットフォームにいき、そこで注文します。ですのでエクスペリエンス全体を通じて購入したブランドとやり取りしているような感じになります。当社のメッセージやノーティフィケーション、追跡ページ、配達はすべて業者のブランドにカスタマイズされますが、Tyltgoによって動いています」。

パンデミックによる外出禁止令が出ている間、Amazonのようなeコマース大手がかなりリーチを広げたのとあわせ、プロダクトを配達する必要性は同日配達を期待する社会を作り出した。Tyltgoはそうした現実の中に排他性があることに気づいた。小規模事業者は時間やリソースが限られているという事実だ。そして同社はイノベーティブなテックとギグエコノミー配達人でもって状況を改善することに乗り出した

2018年7月、ペレイラ氏はウォータールー大学で勉強しながら同級生でデベロッパーのAaron Paul(アーロン・ポール)氏と共同で会社を設立した。ペレイラ氏は自身、アルバイトで配達を行い、その一方でShopifyで消費者相手のサービスを構築した。ペレイラ氏とポール氏は真の問題は事業者が安価な価格で同日配達を提供するのに苦戦していることだと認識し、2019年10月にB2Bへとフォーカスをシフトした。

2019年12月から2020年12月にかけて、Tyltgoの売上高は2000%成長した、とペレイラ氏は話す。同社は2020年を2人で迎えたが、その年の終わりには9人に増えた。ここには、Uber Eats Canadaマーケットプレイスオペレーションの元責任者Joe Rhew(ジョー・ルー)氏、Goldman Sachsに買収されたフィンテック企業Financeitでエンジニアリングのディレクターを務めたAdnan Ali(アドナン・アリ)氏が含まれる。

VCファームTI Platform Management、Y Combinator、エンジェル投資家Charles Songhurst(チャールズ・ソングハースト)氏からの資金により、Tyltgoは2021年の売上高成長率1500%を予想する。同社の目標は、チームを拡大してAPIとアプリベースのプラットフォームを開発し、オンタリオ州で事業者を100社増やすことだ。

ペレイラ氏はTyltgoがもともと花屋、そして時々薬局にフォーカスしていたが、レストラン業界からの需要が新たなターゲットである食事キット配達につながった、と話した。

完全に計量された材料と調理法の案内で料理の難しい面をカバーしている食事キットのサービスは、その前から人気を獲得しつつあった。パンデミックに見舞われたとき、HelloFreshやBlue Apronのようなサービスはさらに成長した。レストランは店をオープンし続けるのに苦戦し、多くの店が温めるだけ、あるいはすぐに食べられるレストラン品質の食事を配達することになった。

グローバルの食事キット配達サービスマーケットは2027年までに約200億ドル(約2兆1616億円)に達すると予想されている。中でも、温めて食べるだけというオプションがかなりの割合を占める。Tyltgoは業界の成功を頼りにしている。すでにGeneral Assembly PizzaやCrafty Ramenといったレストラン、グローサリーストアやオーガニック農園の従来型の食事キットサービスとの提携を確保した。

ペレイラ氏は、花や食事キットという「準生鮮業界」での取り組みは同社にとってチャレンジであり、差別化要因だと話した。配達するものにもよるが、Tyltgoは商品の鮮度を維持できる時間を決め、その時間に合わせてドライバーをマッチする。同社はまた、数多くの配達を配達人の車両のサイズに合わせて割り当てる高度な車両管理プラットフォームを導入した。

「初期においての最も困難な部分は、商品にダメージを与えることなくそうした鮮度維持時間をマッチさせることでした」とペレイラ氏は話した。「ロジスティックでは、交通状況や気象状況、他のすべてを考慮しなければなりません。しかし35件の配達を行うのに8時間の配達時間があります」。

もう1つの課題は、ギグエコノミーの中で展開しながらTyltgoが宣伝する最高品質のサービスを確保することだ。信頼できる配達人の選択はTyltgoの業務のスピードを時に緩やかなものにしたが、同社はエラーの上限値を低く維持できる場合にのみ対応能力を拡大させる。

「当社は、配達に対応する能力がなく期待にも応えられないと考えれば、事業者をサービスに引き込みません」と同氏は述べた。

Tyltgoの食事キットへのフォーカスが長期的に事業拡大へとつながるかどうかはさておき、プラットフォームそのものはしっかりとしている。ペレイラ氏の目標は、同社がすべての小売業の部門での購入後顧客エクスペリエンスの一部になることだ。ここには配達に加えて顧客サービス、ブランディング、決済への業務拡大が含まれる。

「当社がこのサービスを行っているのは、小規模の実在店舗小売業者の多くが世界のAmazonと競うことができるようになるための時間やリソースを持っていないということが主な理由です。当社は小売業者の手に力を与えることができるようになりたいのです」とペレイラ氏は述べた。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Tyltgo配送ギグエコノミーカナダフードデリバリー

画像クレジット:Tyltgo

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

ハワイ料理「ポケボウル」を出前するPoke Houseが5カ国での事業拡大に向け26億円調達

フードテック業界は事実上、ファストフードに進出し始めている。例えば米国のSweetgreen(スイートグリーン)は、ヘルシーな「ボウルフード」を提供する「ファストカジュアル」なレストランチェーンだ。同社はこれまで4億7860万ドル(約517億5000万円)を調達している。似たような会社に「Sweetfin」がある。どちらもバックエンドに多くの技術を採用し、効率化を図っている。

ヨーロッパ発のスタートアップPoke House(ポケハウス)は出前プラットフォーム向けに、もとはハワイ料理である「ポケボウル」の調製を能率的に工業化してこの分野に切り込もうとしている。Poke Houseは、マリネした魚を一口大の角切りにして、ご飯、ピクルス(訳註:欧米のポケボウルには洋風ピクルスがのっていることも多い)、好みの野菜などと合わせたボウルフード(丼もの)を専門としている。

Poke Houseはこのたび、Eulero Capitalが主導したシリーズB資金調達ラウンドで、FG2 Capitalの支援とMilan Investment Partners SGRの再投資を受け、2000万ユーロ(2400万ドル、約26億円)を調達した。同社はUber Eats(ウーバーイーツ)などのメジャーなフードデリバリープラットフォームを介して、技術とデータを使い製品の生産と配送を最適化している。イタリア生まれの同フードテックスタートアップは、2年以内に「1億ユーロ(約130億円)以上の企業」を作り上げたと主張している。

Matteo Pichi(マッテオ・ピキ)氏とVittoria Zanetti(ヴィットリア・ザネッティ)氏によって設立されたPoke Houseは、イタリア、ポルトガル、スペインに30以上の店舗を展開しており、現在400人の従業員を擁する。2021年には4000万ユーロ(約52億円)以上の売上を見込んでいるという。

今回の資金調達により、同社は既存市場での新規出店、フランスへの進出、英国での展開を開始する予定だ。

Poke Houseは、バックエンドに多くの技術を活用することで、サプライチェーンのあらゆる要素を追跡してビジネスを最適化しているという。また、Deliveroo(デリバルー)、Glovo(グロボ)、Uber Eatsなどのようなサードパーティのデリバリープラットフォームのデータを分析し、料理の準備時間を10分以下に、そして配達時間は25分以下にすることを目指している。

共同創業者のピキ氏は次のように述べている。「パンデミックの影響で、食品業界はチャレンジに直面しています。当社は、従来のレストラン体験を革新し、デジタル化するためには、テクノロジーが有効であると考えています。人々のニーズが、ヘルシーなファストフードへとシフトしているのを我々は目の当たりにしています。ポケボウルはこの新しいニーズに合致しており、近くから配達される、手軽で健康的な食事オプションを提供することで、よりバランスのとれたアクティブで持続可能なライフスタイルを促進します」。

ピキ氏はTechCrunchの取材に対し、こう付け加えた。「当社の競合相手は、米国で急成長しているSweetgreenやSweetfinのようなヘルシーコンセプトです。しかし同時に、我々はラッキーだと思っています。なぜなら、当社はフードデリバリーのエキスパートや元従業員によって100%構築された最初のブランドの1つだからです。次の競合相手は、データ分析やデジタルブランド構築に非常に強い、ネイティブバーチャルブランドになるでしょう。当社はフードデリバリープラットフォームをメディアプラットフォームとして利用しており、競合他社よりもそのチャンネルへの投資を多額にしています」。

Eulero Capitalの創業パートナーであるGianfranco Burei(ジャンフランコ・ビュレイ)氏は、次のように述べている。「Poke Houseのビジネスモデルは、食品分野の主要なトレンド(フードテック、ヘルシーフード、デリバリー、カスタマイズ)に乗っており、同社を欧州のトッププレイヤーに位置づけるための特徴と人材をすべて備えています。今後数年間の経済、テクノロジー、社会の発展を特徴づけるマクロトレンドに含まれる企業を探すという当社の投資戦略に沿っており、革新的で将来性のあるプロジェクトであるPoke Houseのパートナーになれることを嬉しく思います」。

関連記事:ソフトバンクがインドのフードデリバリーSwiggyに最大543億円投資か

カテゴリー:フードテック
タグ:フードデリバリー 資金調達

ソフトバンクがインドのフードデリバリーSwiggyに最大543億円投資か

SoftBank Vision Fund 2(ソフトバンク・ビジョン・ファンド2)が最大5億ドル(約543億円)をインドのフードデリバリーのスタートアップSwiggy(スウィギー)に出資することで交渉がかなり進んでいる。この件に詳しい2人の情報筋がTechCrunchに明らかにした。新たな投資はSwiggyを55億ドル(約5975億円)で評価しているとのことだ。

新規の投資は、Swiggyが2021年4月初めに発表した8億ドル(約869億円)の資金調達に追加される。ソフトバンクは2021年初めにインドのフードデリバリーへの投資拡大を模索しはじめ、SwiggyのライバルZomato(ゾマト)にも目を向けた。しかし今週初め、ソフトバンクはSwiggyを選んだ、と情報筋は話した。

関連記事:新型コロナ後の成長加速へ向けインドのフードデリバリーSwiggyが約880億円調達

Swiggyとソフトバンクはコメントを控えた。この件の詳細はまだ公になっていないため、情報筋は匿名を希望した。

新たな投資の交渉は、Zomatoがここ数カ月で9億1000万ドル(約988億円)を調達している中でのものだ。グルガオン拠点のZomatoは2021年のIPOに向け準備を進めている。最後の取引でのZomatoの評価額は54億ドル(約5866億円)だった。資金調達の間、Zomatoは「当社の事業のさまざまな分野における競合相手からの攻撃や価格競争」と戦うために資金を調達している、と話した。

サードプレイヤーであるAmazon(アマゾン)もまた、2020年インドのフードデリバリーマーケットに参入したが、事業展開はまだバンガロールの一部に限定している。

関連記事
インドのフードデリバリーZomatoが約263億円調達し企業価値約5672億円に、2021年前半にIPO予定
アマゾンがインド・バンガロールのフードデリバリーサービスを全市域に拡張

Bernsteinのアナリストは、インドのフードデリバリーマーケットが2022年までに120億ドル(約1兆3036億円)に成長することが見込まれる、と2021年初めのクライアント向けのレポートに書いた。

8億ドル調達後、Swiggyの共同創業者でCEOのSriharsha Majety(シュリハルシャ・マジェティ)氏は従業員へのメモで「新たな資金は現在のビジネスラインのために計画していた投資よりも多くのパワーを与えてくれます。我々の野心は果てしなく、後に投資の準備が整うかもしれない将来のために引き続き新たなサービスの種を撒いたり実験などをします。我々は今、インドから永続するアイコン的企業を生み出すために、今後数年にわたって絶えず考案して実行する必要があります」と伝えていた。

同氏はまたメモの中で、同社の長期的な目標は今後10〜15年でユーザー5億人にサービスを提供することだと述べ、評価額が1000億ドル(約10兆8600億円)を超えた中国のフード大手Meituan(美団)を引き合いに出した。

関連記事:パンデミックの最中に中国の食品配達大手Meituanが10.8兆円の評価額を達成

「2020年の新型コロナウイルスによる非常に厳しい局面から我々は脱しつつあり、嵐は乗り越えました。しかしここから取り組むすべてのことは長期的に成功するチャンスを最大化する必要があります」とも書いた。

Prosus Venturesを最大の投資家の1つに持つSwiggyは2020年一部の従業員を解雇し(Zomatoも同様だ)、インド政府が数カ月にわたるロックダウンを命令することになったパンデミックをしのごうとクラウドキッチン事業を縮小した

ソフトバンクの出資を確認したインドのニュースメディアCapTableは交渉についてより詳細に報じている。

TechCrunchは4月14日にソフトバンク・ビジョン・ファンド2がZetaへの出資についても交渉していると報じた。eコマース大手Flipkart、配車サービスOla、格安ホテルスタートアップのOyoにも出資している同ファンドは2021年4月初め、ソーシャルコマースのMeeshoにも出資した。

関連記事
印フィンテックZetaがシリーズDラウンドに向けソフトバンクと交渉中、ユニコーン目前か
インドのソーシャルコマースMeeshoが新たに330.3億円の資金を調達、評価額は約2312億円に

カテゴリー:フードテック
タグ:SwiggySoftBank Vision Fund投資インド資金調達フードデリバリー

画像クレジット:Indranil Aditya / NurPhoto / Getty Images

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

仏ケータリングサービス大手Eliorが単一メニューデリバリーで成長中の仏Nestorを買収

企業・教育機関向け契約ケータリングサービスを提供するフランス発の多国籍企業Elior(エリオール)は、フランスのスタートアップNestorを買収したと発表した。買収額は非公開。Nestorは元々、DeliverooやUber Eats(ウーバーイーツ)などのフードデリバリー大手との差別化を図るため、シンプルなアイデアからスタートした企業だ。

当初このスタートアップは毎日、ランチに単一メニューを提供していた。その日のメニューが気に入れば、注文すると10分から20分後に配達されるというもの。単一のメニューを提供することで、配達員は1回の配車で複数の顧客に届けることができる。また、Nestorは自社のキッチンを運営することで、サードパーティーのレストランに支払う必要がなく、利益率を向上させることができた。

2016年に初めてNestorを取材して以来、同社は高い資本効率で、このユニークなサービスの提供に主眼を置いてきた。Eliorによると、Nestorは週1万食を達成したという。

ここ数カ月の間、Nestorはいくつか新しいサービスを展開しようとしてきた。例えば、企業は社員食堂をNestorに切り替えることができる。同社は、調理された食事を冷蔵庫に直接届ける。これは、食堂のようなサービスに焦点を当てたもう1つのフランスのスタートアップであるFoodlesを思い起こさせる。

Nestorはまた、クライアントとの大きな会議がある日のために、個別に包装されたランチボックスを届けることもできる。最近、Popchefもこの分野に注力するためにピボットした。

今回の買収により、NestorはB2B市場にますます注力することになる。Eliorはガラス張りのタワーに入居しているような大企業の数々と提携しているが、中小企業に対してオフィスに食堂を開設するよう説得するのは、かなり難しいことだった。

セールストークは、2文に集約することができる。Nestorのクライアントは、すべてが事前に調製されているので、自分のキッチンを持っている必要はない。そして従業員は、ランチタイムにDeliverooを見てハンバーガーやピザではないものを探さなくてすむ。

カテゴリー:その他
タグ:Eliorフランス買収フードデリバリー

画像クレジット:Markus Spiske / Unsplash

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

倉庫から歩道まで、Amazonに対抗するロジスティックス実用ロボットの最新動向

先回りしておくと、ロボティクスの分野には注目すべき動きや製品が多数ある。しかし現在、全員が熱中しているのは倉庫でのフルフィルメントをはじめとする物資移動業務だ。これはAmazon対大勢という構図になっており、多くの面でAmazonが一歩先を行っている。労働者の管理、処遇に関する問題はまったく別の話となる(それはそれで別に議論したい)。

フルフィルメントロボットのトップ企業の幹部を取材すると、概ね話は共通していることがわかる。「どうすればAmazonとの競争に負けずにいられるか?」だ。これはビジネスの存在を賭けた真剣さを含んでいたのでので単なるロボット関連記事にまとめてしまうのはためらわれる。しかし、とりあえず簡単な答えを出しておくなら「自動化の提供」だろう。

ともあれBoston Dynamicsの最新ロボットが倉庫用であるのは理由がある。2021年夏に登場する予定のSpotは同社にとって2番目の市販ロボットだが、多くの意味で同社として最初初の特定目的型ロボットだ。SpotはBoston Dynamicsが創業以来取り組んできた四足歩行ロボットを拡張したものだ。同社はSpotをプラットフォームと表現してきたがその用途は当然極めて広範囲なものとなる。

関連記事:ボストン・ダイナミクスの次期商用ロボットは退屈な倉庫仕事をこなす「Stretch」

画像クレジット:Boston Dynamics

StretchはHandleから進化し、HandleはAtlasから進化した。このシリーズのロボットは「箱を運ぶ」という非常に限定された目的を果たすためにデザインされた。もちろん倉庫作業にはさまざまな側面があり、Boston Dynamicsは将来、多様な作業に対応していくだろう。しかし今のところはトラックからの荷降ろしやパレット上に注文された品々がはいった箱を積み上げることに集中している。これは明らかに巨大な成長市場であり、Boston Dynamicsのような組織がどのように規模を拡大していくのか注目していきたい。この点でHyundaiからの大口の引き合いが実現するかどうかが重要だ。

このカテゴリでは、いくつかの注目すべき発表があった。我々は中国がフルフィルメントロボットの分野でも注目されていることを報じているが、さきごろ北京を拠点とするForwardX Roboticsが6300万ドル(約69億5000万円)を調達して話題となった。CDH、Eastern Bell、Dohold CapitalがリードしたシリーズBでは地元中国に加えて米国、日本、英国、ドイツを含む国際市場への拡大を目指している。

ファウンダーでCEOのNicolas Chee(ニコラス・チー)氏はこのラウンドについて次のように書いている。

当社にやってくる倉庫や製造に携わるユーザーは業務を改革し、これまで達成できなかった新しいレベルの効率性を引き出すことが目的だ。ForwardX Roboticsの柔軟な自動化プラットフォームは、サプライチェーンで働く労働者のパフォーマンスを向上させ、増大する人件費の圧力を軽減し、市場の変化に迅速かつ効果的に適応することを可能にする。

画像クレジット:Ambi Robotics

このブームを機にステルスからの脱却を図っているAmbi Roboticsにもそれなりの規模の資金資金調達ラウンドを実施している。カリフォルニア大学バークレー校の教授であり、TechCrunch主催のロボティクスのセッションのゲストににもなったKen Goldberg(ケン・ゴールドバーグ)氏が設立したこの会社は610万ドル(約6億7000万円)の資金を調達したことを発表した。この会社は、いわゆるピック&プレース型のロボットに特化しており、AmbiSortとAmbiKitという2台のマシンでスタートを切っている。この分野ではゴールドバーグ氏には熱心な支持者がいる。これは間違いなく注目すべき企業だ。

画像クレジット:Skycatch

TechCrunchは最近、Skycatchが2500万ドル(約27億6000万円)を調達したというニュースを報じた。我々はこのドローンを提供するスタートアップについて何度も取り上げてきた。現在、多数の企業が実用ドローンのビジネス化のために多大な努力を払っている。その中でもSkycatchはコンセプトの現実化で一歩先を行くグループに属する。同社の3Dイメージング用ドローンはすでに世界中の何千もの現場で活躍中だ。

関連記事:ドローンを使い建設、採掘現場での高精度3Dスキャンサービスを提供するSkycatchが27.3億円調達

画像クレジット:REEF Technologies

もちろんロボットテクノロジー人間の配送要員に全面的に取って代わるような自体は当分ありえない。しかし多くの企業や都市が積極的にテストに取り組んでいる。そのスタートアップの1つがCartkenだ。ファウンダーは元Googleのエンジニアでマイアミでテストを開始している。この都市の宣伝文句は数えきれない。マイアミを推薦するWill Smith(ウィル・スミス)の歌さえある。

関連記事:元Googleのエンジニアによる自動運転ロボットがマイアミで料理配達業務を開始

画像クレジット:Toyota

一方Nuroは新たな投資家からの激励がなくても盛り上がりに欠けることはない。同社は2020年11月に5億ドル(約551億2000万円)のシリーズCを発表した。またトヨタ自動車が出資するWoven Capitalがこのラウンドに参加したことを発表し、詳細が明らかになった。Woven Capitaの投資・買収担当責任者であるGeorge Kellerman(ジョージ・ケラーマン)氏はTechCrunchに次のように語っている。

Nuroは我々の出発点として好適です。我々は乗客を運べる自動走行車の開発に焦点を当てているので、Nuroは地域におけるグッズの配送に焦点を絞り込んでいるので同社との提携は我々が多くのことを学ぶための第一歩となります。Nueoから学ぶべきことは多く、将来的には同社の世界的展開を支援することも可能性となります。

関連記事:トヨタの投資ファンドWoven Capitalが自動配送ロボティクスNuroに出資

カテゴリー:ロボティクス
タグ:フルフィルメント物流倉庫Boston DynamicsForwardX RoboticsAmbi RoboticsCartkenToyotaフードデリバリー

画像クレジット:Boston Dynamics

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:滑川海彦@Facebook

新型コロナ後の成長加速へ向けインドのフードデリバリーSwiggyが約880億円調達

インドのフードデリバリースタートアップSwiggy(スウィギー)は現地時間4月5日、新規ラウンドで約8億ドル(約880億円)を調達したと従業員に伝えた。同社は数四半期前にパンデミックを乗り切るために従業員を解雇していたが、インドで事業を拡大するようだ。

従業員への電子メールの中で、Swiggyの共同創業者でCEOのSriharsha Majety(シュリハルシャ・マジェティ)氏は、同社が新規投資家のFalcon Edge Capital、Goldman Sachs、Think Capital、Amansa Capital、Carmignac、そして既存投資家のProsus VenturesとAccelから約8億ドルを調達したと述べた。このニュースはTimes of IndiaのジャーナリストDigbijay Mishra氏が最初に報じた

「この調達では、現在の業務のために計画していた投資よりもさらに多くの資金を獲得します。ただ、我々の野心は果てしなく、後に投資の準備が整うかもしれない将来のために引き続き新たなサービスのタネを撒いたり実験などをします。我々は今、インドから永続するアイコン的企業を生み出すために、今後数年にわたって絶えず考案して実行する必要があります」とマジェティ氏は電子メールに書いた。TechCrunchはこの電子メールを入手した。

マジェティ氏はSwiggyの新たな評価額を明らかにしなかったが「投資家らはSwiggyに対してポジティブな感情を持っており、新規ラウンドは既存投資家からの出資がかなり多かった」と述べた。この件に詳しい人物によると、新たな評価額は49億ドル(約5395億円)を超えた。同社の累計調達額は約22億ドル(約2422億円)となった。

Swiggyは2020年、約37億ドル(約4074億円)の評価額で1億5700万ドル(約172億円)を調達した。この調達は今回の新規ラウンドには含まれないと情報筋はTechCrunchに語った。

情報筋によると、かなりの資金を調達しているZomato(ゾマト)、そして新規参入者のAmazon(アマゾン)と競合しているSwiggyの長期的な目標は今後10〜15年でユーザー5億人にサービスを提供することだ。情報筋は2020年取引したユーザー数が5億人となり、評価額が1000億ドル(約11兆109億円)を超えた中国のフード大手Meituan(美団)を例に挙げた。

関連記事:パンデミックの最中に中国の食品配達大手Meituanが10.8兆円の評価額を達成

「2020年の新型コロナウイルスによる非常に厳しい局面から我々は脱しつつあり、嵐は乗り越えました。しかしここから取り組むすべてのことは長期的に成功するチャンスを最大化する必要があります」とマジェティ氏は電子メールに書いた。

Swiggyは2020年いくつかの業務を削減し(Zomatoも同様)、インド政府が数カ月にわたるロックダウンを命令することになったパンデミックをしのごうとクラウドキッチン事業を縮小した

4月5日の資金調達の伝達は、グルがオン拠点のZomatoが2021年のIPOに向けてここ数カ月で9億1000万ドル(約1002億円)を調達した中でのものだ。直近の調達でZomatoの評価額は54億ドル(約5946億円)だった。資金調達の際、Zomatoは部分的には「自社の事業のさまざまなエリアにおける競合他社からの攻撃や価格競争」を退けるために資金を調達していると述べた。

関連記事:インドのフードデリバリーZomatoが約263億円調達し企業価値約5672億円に、2021年前半にIPO予定

3番目のプレイヤーであるAmazonはインドのフードデリバリー分野に2020年参入した。ただし、事業はまだバンガロールの特定地域に限定されている。

関連記事:アマゾンがインド・バンガロールのフードデリバリーサービスを全市域に拡張

インドのフードデリバリーマーケットは2022年までに120億ドル(約1兆3213億円)に膨張するとBernsteinのアナリストは2021年初めの顧客向けレポートに書いた。そしてZomatoが現在マーケットをリードしていて、シェアは約50%だと指摘している。

「インドのフードテック産業はユニットエコノミクスを改善することで成長を維持します。テイクレート(取り分の割合)は20〜25%とインドでは最高の部類で、消費者の取り込みは増えています。マーケットは ZomatoとSwiggyが寡占していて2社でシェア80%超を占めます」とBank of Americaのアナリストは最近のレポートに書いた。TechCrunchはこのレポートを確認した。

「フードデリバリービジネスはかつてなく勢いがあります。そしていま、我々は今後10年で継続的な成長を推進するところにまできています。加えて、(グローサリー配達)Instamartのような新規事業のいくつかはかなり将来性があり、その一方で我々は間もなく展開する他の事業の準備を着々と進めてきました」とマジェティ氏は述べた。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Swiggyインド資金調達フードデリバリー

画像クレジット:Nasir Kachroo / NurPhoto / Getty Images

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

「ダークストア」から食料雑貨を20分以下で届ける英ZappがLightspeedとAtomicoに支援されシリーズA調達

現在ロンドンを中心に、食料雑貨をオンデマンドで注文できる宅配サービス専用店舗(ダークストア)を展開している数多くのスタートアップの1つであるZapp(ザップ)が、大手VCから新たな資金調達を行ったことがTechCrunchの取材で明らかになった。

複数の情報筋によると、シリコンバレーのLightspeedとヨーロッパのAtomico(Skypeの創業者Niklas Zennström〔ニクラス・ゼンストローム〕氏が立ち上げたVC)が、Zappの未発表のシリーズAに投資したという。同じ情報源から、Zappが初期のシードラウンドを含めて総額約1億ドル(約110億7000万円)を調達したことも確認されている。

今回のラウンドにはLightspeedとAtomicoに加え、468 Capital、Burda、さらにはMPGIのCEOであるMato Peric(マト・ペリク)氏、元Amazon UKのCEOであるChristopher North(クリストファー・ノース)氏、WestwingのCEOであるStefan Smalla(ステファン・スマラ)氏などの著名なエンジェルが出資している。ある情報筋によると、ZappのシリーズAは、Atomicoのコンシューマー向け事業パートナーであるSasha Astafyeva(サーシャ・アスタフィエバ)氏が、同VCに加わってから初めて担当した案件だという。

TechCrunchがシリーズAと投資家のリストについて取材を求めたところ、Zappは声明でこう述べた。「当社はお客様に喜んでいただくことに絶え間なく注力しており、通常、資本構造についてはコメントしません。2021年、ロンドンをはじめとする何百万人ものお客様にZappをお届けできることをうれしく思います」。

2020年夏に設立されたZappの創設者は、Jumia(ジュミア)の創設チームの一員としてオンデマンドサービス事業をIPOまで導いたJoe Falter(ジョー・ファルター)氏と、Amazon(アマゾン)のシアトル本社でプロダクトリーダーを務めた後、GoButlerを創設し、Rocket Internetでいくつかのベンチャー企業のスケーリングを手がけたNavid Hadzaad(ナヴィド・ハドザード)氏だ。リーダーシップチームには他にも、Deliveroo、Just Eat、Domino’s(ドミノ・ピザ)、Tescoなどの出身者が名を連ねている。

Zappは独自の小規模なフルフィルメントセンターを設置することで、垂直型の「ダークストア」モデルを展開している。ロンドンには、すでにいくつかの拠点がある。Kensington、Chelsea、Fulham、Notting Hill、Hammersmith、Shepherd’s Bush、Shoreditch、Islington, Angelなどだ。

Zappは、Deliverooのようなギグエコノミーモデルを採用せず、配達要員を直接雇用している。また、持続可能性を重視しており、すべて電気車両を使用している。

オンラインの情報や関係者の話を総合すると、Zappは生鮮食品や食料品よりも米国のgoPuffのような利便性を重視しており、従来の食料品店を駆逐するというよりも、衝動的な購入をターゲットにしているようだ。これは他の多くのダークストアとは対照的だが、複数のプレイヤーが提供する商品は明らかにクロスオーバーしているのも確かだ。

ロンドンではZappの他に、Getir(ゲッティアー)、Gorillas(ゴリラズ)、Jiffy(ジフィー)、Dija(ディジャ)、Weezy(ウィージー)、などのダークストア事業者がしのぎを削っている。また、陣取りが加速する中で、場合によっては大幅なディスカウントを行うなど、調達した多額の資金を投じて展開しているところもある。

関連記事
ロンドンのJiffyが3.9億円のシード投資を調達しダークストア競争に参入
10分で食料品を配達するDijaがロンドンでダークストアを正式立ち上げ

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Zappロンドン資金調達フードデリバリーダークストア

画像クレジット:Social media

原文へ

(文:Steve O’Hear、翻訳:Aya Nakazato)

元Googleのエンジニアによる自動運転ロボットがマイアミで料理配達業務を開始

自動運転とロボット工学のスタートアップ企業Cartken(カートケン)は、駐車場やコミュニティセンターを運営するスタートアップ企業のREEF Technology(リーフ・テクノロジー)と提携し、マイアミのダウンタウンの街路に自動運転の配達ロボットを導入すると発表した。

今回の発表により、Cartkenは正式にステルスモードから脱却した。Googleで日の目を見なかったBookbot(ブックボット)の開発に携わっていたエンジニア達が2019年に設立したこの会社は、自動運転とAIを搭載したロボットや、それを使った配送業務などに関して、市場で通用する技術の開発に取り組んでいたが、これまで事業内容は伏せられていた。Cartkenの歩道用自動運転ロボットが大規模に展開されるのは、これが初めてのこととなる。

関連記事:Googleが開発を中止した自律動作する運搬用電動6輪車ロボ、スピンオフのCartkenから復活へ

このCartkenが開発したREEFブランドの電動ロボットは、数カ月のテスト期間を経た後、現在はマイアミのダウンタウンにおける半径3/4マイル(約1.2キロメートル)の地域に住む人々に、デリバリー専用キッチンから料理のオーダーを届けている。スパゲッティなど温かい料理の熱を逃がさないように断熱された荷室を備えたこのロボットは、あらかじめ設定された物流拠点に配置されており、料理の準備が完了すると指示を受けて配達に向かう。

「私たちは、いかにマイアミが未来に向けて先行しているかを示したいと思っています」と、REEFの最高技術責任者であるMatt Lindenberger(マット・リンデンバーガー)氏は、TechCrunchに語った。「これは技術の可能性を示す絶好のチャンスです。当社がマイアミで大きな存在感を示していることに加え、新型コロナウイルス感染流行の沈静化にともなう路上の混雑が相まって、この技術がどのように機能するかを示すことができる非常に良い環境が整っています」。

リンデンバーガー氏によると、マイアミはスタート地点として最適な場所だが、これはほんの始まりに過ぎず、REEFの他のラストマイルデリバリー事業にも、Cartkenのロボットは利用できる可能性があるという。現在、マイアミで稼働しているのは2台のレストラン料理配達ロボットだけだが、今後は同地区の内外で採用を拡げ、フォートローダーデールや、さらにはダラス、アトランタ、ロサンゼルス、最終的にはニューヨークなど、同社が事業を展開する他の大都市にも拡大する計画だという。

街中にロボットが存在することが、いわゆる「フォース・マルチプライヤー」の役割を果たし、サービスの質を維持しながら、コスト面の効率に優れた方法で、規模を拡大していけることを、リンデンバーガー氏は期待している。

「ポストコロナの世界では現在、配達が爆発的に増加しており、今後もそれが続くと予想されます。そのため、このような非接触・ゼロエミッションの自動化技術は、非常に重要です」と、リンデンバーガー氏は述べている。

Cartkenのロボットは、機械学習とルールベースのプログラミングを組み合わせ、起こりうるあらゆる状況に対応するという。それは単に、安全に停止して助けを求めるということも含まれると、CartkenのCEOであるChristian Bersch(クリスチャン・バーシュ)氏はTechCrunchに語った。REEFでは、必要に応じてロボットを遠隔操作するために管理者を現場に配置しているが、これは2017年にフロリダ州で自動運転の配送ロボットの運用を認めた法律に盛り込まれている注意事項である。

「結局のところ、この技術は自動運転車と非常によく似ています」と、バーシュ氏はいう。「ロボットは環境を見て、歩行者や街灯のような障害物を回避する計画を立てます。もし未知の状況が発生したら、ロボットは急に止まることができるので、安全にその状況からロボットを助け出すことが可能です。しかし、重要なのは、誰かが急にロボットの前に飛び出したような事態が発生した場合、遠隔操作では不可能なほど一瞬で反応できるレベルの自律性をロボットに持たせることです」。

REEFは地図上でロボットの活動エリアを特定し、Cartkenはロボットが必要とする特定の状況を考慮ながら、都市に合わせて設定を調整する。これにより、ロボットは配達先の住所を指定されると、人間の配達員と同じように動き、業務を遂行することができる。このロボットにはLTE回線が搭載されており、常に位置情報を更新しているので、REEFは配達部隊のマネジメント機能に組み込むことができる。

将来的には、Postmates(ポストメイツ)、UberEats(ウーバーイーツ)、DoorDash(ドアダッシュ)、GrubHub(グラブハブ)など、REEFが提携している主要なフードデリバリープラットフォームでも、ロボットによる配達を顧客が選択できるようにしたいと、リンデンバーガー氏は語る。顧客はロボットが到着するとテキストメッセージを受信し、家の外に出てロボットと会うことができる……ようになる予定だが、現在はまだこの技術は完成していない。

現状では、ロボットは道路までしか行くことができないため、人間の配達員が料理を受け取って、直接ドアまで運ぶというサービスを、多くの顧客が希望する。

また、集合住宅に住んでいる場合は、ロボットが建物の中に入って注文主の部屋まで辿り着くことは難しい。まだ多くの顧客が直接ロボットと対面できる準備は整っていない。

「これは暫定的なステップです。しかし、我々にとって、他に制限を設けることなく、技術を迅速に現実に移すための道筋でした」と、リンデンバーガー氏は語る。「どんな新しい技術でもそうですが、段階を踏んで進めていくことが大事です。今、私たちが踏み出して成功させた非常に重要なステップは、一定の半径内にロボットを派遣し、そこにちゃんと到着できると分かることです。これは開発の過程において、それだけでも非常に大きなステップであり、最終段階に向けてどのような課題があるかを知ることができます。そうすれば、私たちはCartkenと協力し、最後の課題の解決に向けた取り組みを始めることができます。このような自動化が可能になっただけでも、大きな一歩です」。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:Cartkenマイアミロボット配達フードデリバリー自動運転 / 自律運転

画像クレジット:REEF Technologies

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ブラジルのフードデリバリーiFoodが2025年までにカーボンニュートラルを目指す取り組みを発表

ブラジルを拠点とするラテンアメリカのフードデリバリー企業「iFood」は、消費者が企業に持続可能性への注力を求める中、同社の環境への影響を軽減するための一連の取り組みを発表した。

このプログラムは主に2つの要素から成り立っている。1つはプラスチック汚染と廃棄物に焦点を当て、もう1つは2025年までに事業活動においてカーボンニュートラルになることを目指すものだ。

廃棄物削減の取り組みの中でも最も意欲的で資金を要するのは、サンパウロにおける半自動リサイクル施設の開発だろう。

「当社は、ブラジルにおけるサプライチェーン全体をプラスチックフリー包装に変革したいと考えています。生産からマーケティング、物流まで、国全体のサプライチェーンをコントロールすることで、すでに存在しているものの生産量や需要が規模に達していない産業に対して、より競争力のある価格で包装を提供することができます」と、iFoodのCPO(チーフ・ピープル・オフィサー)&チーフ・サステナビリティ・オフィサーであるGustavo Vitti(グスタボ・ヴィッティ)氏は述べている。

同社は他にも、顧客がフードデリバリーを依頼する際に、プラスチック製の使い捨て食器を辞退することができるアプリ内オプションを設けた。

「これらの取り組みは、頼まれもしないのに送られてきて、結局使われずにゴミ箱に入ってしまうことが多いプラスチック製品の消費量削減に貢献します」とヴィッティ氏は語る。「最初に行ったテストでは90%の消費者がこのオプションを利用したため、何万本ものプラスチック製カトラリーが削減されました。これは家庭でのゴミの量を減らしたいという消費者の希望を表しています」とも。

排出量の面では、GHG inventory(greenhouse gas inventory、温室効果ガスインベントリ)を開発した炭素市場のテクノロジー企業であるMoss.Earthと協力し、環境保全や森林再生プロジェクトに結びついたクレジットを購入することで、同社の排出量をオフセットするという。

また、ブラジルで電動バイクを提供しているTembiciと協力して、同社の配送車両を内燃エンジンのモペットやスクーターから移行していく予定だ。

「相殺するだけでは十分でないことはわかっています。二酸化炭素排出量を削減するためには、革新的な方法を考える必要があります。2020年10月、当社はTembiciと提携して宅配業者専用に開発された、手頃な価格で電動自転車をレンタルできるプロジェクト『iFood Pedal』を立ち上げました」とヴィッティ氏は語る。「現在2000人以上の配達人が登録しており、サンパウロとリオデジャネイロで1000台の電動自転車を共有していますが、これには利用に加えて我々が考えていた教育的な側面もあります。定着状況が良好であることから、このプロジェクトを徐々に拡大し、他の都市でも実施して、クリーンな配送の割合を増やしていく計画です」。

ブラジルの電動バイクメーカーであるVoltz MotorsもiFoodと提携している。iFoodはVoltzから30台の電動バイクを注文し、一部の配送パートナーが現在それらを使用している。同社は、今後1年間で1万台以上の電動バイクを導入することを目指しているという。

iFoodは、水の再利用、再生可能エネルギーの導入、オサスコ本社の屋上緑化などの社内向けの取り組みと合わせて、ブラジル国内および国際市場の環境を改善するための持続可能性目標を達成したいと考えている。

「まだまだ道のりは長いですが、重要なパートナーたちとこの一連のイニシアチブに加え、現在開発中の他の取り組みを進めることで、プラスチックの発生や環境に与える二酸化炭素排出量を削減できると信じています。ブラジルの家庭生活における当社の関わりと存在は、地球に対するこれらの環境コミットメントの重要性をさらに高めています」とヴィッティ氏は述べた。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:iFoodフードデリバリーブラジル持続可能性二酸化炭素排出量電動バイクカーボンニュートラル

画像クレジット:Alfribeiro / Getty Images

原文へ

(文:Jonathan Shieber、翻訳:Aya Nakazato)

ロンドンのDijaがケンブリッジのGenieを買収し10分で食料品を配達するサービスを英国でさらに拡大

Blossom Capital、Creandum、Index Venturesが支援するロンドンの食料品宅配スタートアップ企業Dija(ディジャ)は、英国ケンブリッジに拠点を置くGenie(ジーニー)を買収した。

買収条件は今のところ非公開だが、Genieの創業者であるTim Chan(ティム・チャン)氏とCallum MacBeth(カラム・マクベス)氏がDijaのチームに加わるほか、Genieの資産も含まれている。Genieを英国の大学都市として知られるケンブリッジで立ち上げた彼らは、ロンドン以外の地域でのDijaの成長をサポートする役割を担うことになる。

長年Deliverooで上級職を務めたAlberto Menolascina(アルベルト・メノラシナ)氏とYusuf Saban(ユーセフ・サバン)氏によって設立されたDijaは、今月初めにロンドンでサービスを開始した。Dijaは、グローサリーやその他のコンビニ商品をオンデマンドで配送する、乱立しているヨーロッパの新興企業のひとつだ。同社は、超ローカルな配送に特化したフルフィルメントセンター、いわゆる「ダークストア」を構築し、独自に配達要員を採用することでこれを実現している。このフルスタックまたはバーティカルなアプローチと、それによってもたらされる可視性によって、ユニットエコノミクスを実現するのに十分なサプライチェーンとロジスティクスの効率性が生み出されると考えられているが、それはまだ証明されていない。

他のダークストア事業者としては、ベルリンのFlink(フリンク)が株式と負債を合わせて5200万ドル(約56億6000万円)のシード資金を調達しているほか、ベルリン拠点のGorillas(ゴリラズ)がシリーズAで4400万ドル(約47億9000万円)の資金を調達しており、最近ではドイツとオランダに加えてロンドンにも進出している。それに加えロンドンで事業展開しているのは、Weezy(ウィージー)Getir(ゲッティアー)Zapp(ザップ)の3社で、Jiffy(ジフィー)も間もなくサービスを開始する予定だ。また、米国のユニコーン企業であるgoPuffも欧州への進出を目指しており、英国のFancy(ファンシー)を買収または投資する交渉を行っていると報じられている

Dijaは現在、サウス・ケンジントン、フルハム、イズリントン、ハックニーの4カ所で倉庫ハブを運営しており、グローサリーやその他のコンビニ商品を10分以内に配達しているという。夏までには、ロンドン中心部とゾーン 2をカバーする20のハブをさらにオープンする予定だ。各ハブでは約2000点の商品を取り扱っており、「推奨小売価格」での販売をうたっている。配送料は1回の注文につき一律1.99ポンド(約300円)だ。

Dijaの共同設立者兼CEOのAlberto Menolascina(アルベルト・メノラシナ)氏は、声明の中で次のように述べた。「当社の野望は、M25(ロンドンの周囲を繋ぐ環状高速道路)の中だけではありません。ティムとカラムがDijaファミリーに加わり、英国やヨーロッパでより多くの人々がこの信頼性と効率性の高いサービスを利用できるようになることを嬉しく思います」。

Genieの共同設立者兼CEOであるTim Chan(ティム・チャン)氏はこう付け加えた。「日用品を数分でお届けするという共通のミッションを継続するために、Dijaのチームと力を合わせられることを嬉しく思います。既存のお客様にとって、今回の取引は、より多くの商品、よりよい価格、そしてより速い配送時間へのアクセスを意味します。これまでにケンブリッジでは非常に大きな反響がありましたが、今後数カ月のうちに英国のより多くの地域にDijaを導入することを楽しみにしています」。

関連記事:ロンドンのJiffyが3.9億円のシード投資を調達しダークストア競争に参入

カテゴリー:フードテック
タグ:フードデリバリー 買収 イギリス

[原文へ]

(文:Steve O’Hear、翻訳:Aya Nakazato)

ロンドンのJiffyが3.9億円のシード投資を調達しダークストア競争に参入

また新たなオンライン食料品宅配と「ダークストア」を運営する業者が、米国時間3月16日に姿を現した。ロンドンを拠点とするJiffy(ジフィー)だ。生鮮食料品と生活必需品をほぼ15分以内に配達することを目指す同社は、260万スターリング・ポンド(約3億9000万円)のシード投資を調達し、サービス開始の準備を整えた。

すでに多額の投資に支えられた数多くの競合他社と対峙しているこの新興企業を支援するのは、ベンチャー投資ファンドLVL1 Group。その他、AddVenture、TA Ventures、Vladimir Kholiaznikov(ウラジミール・コリアズニコフ)氏そしてエンジェル投資家のOskar Hartmann(オスカー・ハートマン)氏、Alexander Nevinskiy(アレクサンダー・ネビンスキー)氏、Dominique Locher(ドミニク・ロッカー)氏がラウンドに参加している。

Jeffyは、この資本注入で、早ければ2021年3月中にロンドンに最初の店舗を立ち上げると話している。サービス対象地域はウェストミンスター、ウォータールー、ラムベス、バタシー、クラパム・タウン、ショアディッチ、ベスナル・グリーン、ハックニー、ホワイトチャペル、ステップニー・グリーン、レイトンストーンとなる。

同社はそれに続き、2021年後半には英国全土に20カ所のローカルフルフィルメントハブを開設する予定だ。すでに次の資金調達に動き出しているものと思われる。そのセールスポイントとして、Sainsbury’s(セインズベリーズ)やDeliveroo(デリバルー)の元マネージャーなど、オンラインおよびオフラインの小売り業に精通した幹部チームにスポットを当てているようだ。

「私たちは、火星行きチケットも買える2021年に暮らしていますが、欲しいときに欲しい食料品を手に入れることが、いまだにできません」とJiffyの創設者Artur Shamalov(アーター・シャマロフ)氏は話す。シャマロフ氏は、これまでに食料品と配達分野でいくつもの企業を立ち上げてきた人物だ。「食料品のオンラインショピングには、英国のほぼすべての消費者がフラストレーションを感じています。何日も何週間も予約枠が埋まっていたり、特別料金を取る高速サービスでさえ2時間も待たされることはざらです。それは間違っていると私たちは考えています。食料品は、実店舗で買うときと同じぐらい便利で安くなければいけません。そこに超高速配達サービスの利便性も不可欠です」。

それを実現するために、シャマロフ氏は、昔ながらの毎日利用する食料品店を一部肩代わりできると確信するサービスをJiffyが構築するのだと話す。つまり、多種多様な果物、野菜、肉、調理食品、人気ブランドや地元メーカーの生活必需品などを、1店舗につき総製品範囲2000SKUを「超える」商品を提供するということだ。

「私たちの目標は、仕事や子育てや社会活動に追われる忙しい親から、必要な買い物のために工面した時間が、心底楽しめる自由時間となる都会の忙しい職業人まで、非常に幅広いオーディエンスにとって、できる限り便利なもサービスを作ることです」とJiffyの創設者は話す。「また私たちは、近ごろスーパーに買い物に行くことを不安に感じる弱い立場の人たちのことも考慮しています。そうした人たちに、パンや牛乳が切れたときのことを心配させたり、注文したものが届くのを何時間も何日間も待たせたりしてはいけないのです」。

Jiffyは、食料品や日用品を購入してから10〜20分間で配達することを約束し資金調達したヨーロッパの数多くのスタートアップに仲間入りすることになる。それらの企業は、配達地域を小さく限定して、配達専用のフルフィルメントセンター、いわゆる「ダークストア」を設け、専属の配達要員を雇い入れることでそれに対処している。同社が提供するこのフルスタックまたは垂直アプローチと高い視認性が、まだまだ実証はされていないが、ユニットエコノミクスを実現する十分なサプライチェーンの創出と効率的な物流につながるものと期待される。

明確にはされていないが、そうした企業は増え続けており、その中には、エクイティーと融資の混合で5200万ドル(約56億7000万円)のシード資金を調達したベルリンのFlink(フリンク)、シリーズA投資4400万ドル(約48億円)を調達し、ドイツ、オランダに続いてこのほどロンドンに進出したベルリンに本社を構えるGorillas(ゴリラズ)、その他ロンドンで営業している企業には、Weezy(ウィージー)、Getir(ゲッティアー)、Dija(ディジャ)、Zapp(ザップ)がある。米国のユニコーン企業goPuff(ゴーパフ)もヨーロッパ進出を計画し、英国のFancy(ファンシー)の買収または投資を交渉中だと伝えられている。

関連記事
日用品を10分で配達するドイツ拠点のGorillasが約46億円調達
10分で食料品を配達するDijaがロンドンでダークストアを正式立ち上げ
ローカル配送のgoPuffが同業の英Fancy買収に向け協議中

このモデルは何よりもインフラが重要な役割を果たすため、土地の確保だけでなく、資本の確保も欠かせない。店舗を建設し、ロスリーダーを使った集客キャンペーンには多額の資金が必要になる。すでにロンドンでは盛んに行われるようになっているが、そした競合他社と対照的にJeffyは、サービス開始前ながら資金が足りていないように見える。

「資金不足だとは思っていません」とシャマロフ氏は反論する。「資金提供者の希薄化を考慮し、また実現困難な約束でチャンスを逃すよりは一歩ずつ着実に会社を築いていくほうが効率的だとの考えからすれば、私たちは計画どおりの資金を調達しています」。

「多額の資金を調達し、企業買収と拡張に過剰なまでの支出を行えば、自動的にこの業界で大成功できるという考えには、必ずしも同意しません。ごく限定的な地域を対象とするビジネスモデルでは、あらゆるものが地域限定のアプローチとなります。そのため私たちは、グローバルな展開ではなく、1つの市場の中での拡大に重点を置いています」。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Jiffyフードデリバリーイギリス資金調達

画像クレジット:Jiffy

原文へ

(文:Steve O’Hear、翻訳:金井哲夫)

スペインがデリバリープラットフォームの配達員を従業員と区分する労働改革に合意

スペイン政府は現地時間3月11日、デリバリープラットフォームの配達員を従業員とする労働改革をめぐり、労働組合ならびに業界団体と合意に達したと明らかにした。

法案が可決されればDeliveroo、Glovo、UberEatsなどスペインマーケットで事業を展開しているプラットフォームに大きな影響が及ぶ可能性がある。

「労働社会経済省、労働組合のCCOOとUGT、業界団体CEOEとCEPYMEはデジタルプラットフォームを通じて消費財や商品の配達、流通を専門的に行っている労働者の雇用形態を確立することで合意しました」と労働社会経済省は声明で述べた。

「最高裁判所の裁定に沿って、合意はデジタル配達プラットフォームを通じてサービスを提供している労働者の雇用の推定を認めます」と付け加えた。

「雇用の推定は、サービスや労働条件のアルゴリズミックマネジメントでこの仕事を管理している企業を通じて有料の配達サービスを提供する労働者に認められます」。

厳密にどのように労働法を変更するか何カ月も交渉してきたが、労働改革での合意は政府がいま立法のプロセスを前に進められることを意味する。

欧州連合もより広範なギグワーカーの待遇を改善するか検討中であり、スペインでの合意のタイミングは特に興味深い。他のEU諸国に先駆けて、ギグワーカーの一部を従業員と認めるスペインの法制化計画はより広い地域政策の形成に影響を及ぼすかもしれない。

デジタル事業の成長のサポートを目的としたスペインにおける広範な改革は、政府が近代化への動きで誰も取り残されるべきではないと述べたために社会をかなり巻き込んだ。

労働改革の合意は、配達員の分類をめぐって近年スペインで展開された数多くの訴訟に続くものだ。裁判所によって訴訟の結果は異なっていたが、2020年最高裁判所が配達員の雇用分類に関する裁判で、スペイン発の配達プラットフォームGlovoの訴えを却下してこの問題に終止符を打ち、欧州の最高司法府への諮問も却下した。

スペインの配達プラットフォームは、計画されている改革が何千人という配達員の収入源喪失という結果を引き起こしかねないと主張した。

スペインでは最大3万人が配達プラットフォームでサービスを提供していると報道されている。

自営労働者によって提供されている労働に頼っているより確立された産業よりも、プラットフォームは政治的に簡単なターゲットとして不公平に標的にされているという非難もあった。

しかしながら配達スタートアップは、配達人を雇うための法的要件が自分たちのビジネスモデルにとって意味すること、あるいは(継続中の)収益性の追求についてあまり主張してこなかった。

スペインの労働改革合意のニュースについて、ギグプラットフォームビジネスモデルに対し長らく批判的だったMangrove Capital PartnersのCEOであるMark Tluszcz(マーク・トルシュチ)氏はTechCrunchに次のように述べた。「我々はギグプラットフォームが各国の法律による大きな構造改革を経なければならないだろうという考えを示してきました。ギグワーカーが従業員とみなされなければ、十分な権利や社会保障を持たない労働者のサブクラスをつくるリスクがあります。パンデミックは明らかに全労働者が保護されていることを確かなものにする必要性を示し、ギグプラットフォームが反対のことを主張するのはますます難しくなっています」

アルゴリズミック管理に要注目

今日発表された改革の合意の興味深い追加構成要素の中で、今後の法制化では労働者を管理するのに使われているアルゴリズムやAIシステムの基準について労働者の法定代理人が通知される必要があると政府は述べた。これは労働条件に影響を及ぼすかもしれない。

ここには雇用へのアクセスに関連している、そして労働者の成績やプロフィールをモニターしている評価制度のためのアルゴリズミックシステムが含まれる、と声明は明確に述べている。

この要素は欧州における最近の数多くの訴訟から刺激を得ているようだ。これらの訴訟は配車プラットフォームのアルゴリズミック管理と、プラットフォームが持っているデータへのドライバーのアクセスにフォーカスしていた。

英国でUberの雇用分類についての訴訟で勝訴した元UberドライバーのJames Farrer(ジェームス・ファラー)氏は、団体交渉のためにドライバーのデータトラストを確立する目的で非営利団体を立ち上げた。英国の最高裁判所はこのほどドライバーは従業員だと裁定した。同氏はまた直近のアルゴリズムとデータアクセスに関する訴訟にも加わっている。

スペインの労組は、プラットフォームと労働者の間にある力の不均衡に取り組むためのツールとして配達人を管理するのに使われているアルゴリズミックルールへのアクセスを要求することで似たような動きを取るようだ。

Uberの広報担当は、スペイン政府の発表に対し次のような声明を出した。

過去数週間、スペイン中の何千人という配達人が、彼らが最も価値を置いている独立性を奪うかもしれないこの提案された規制に反対するために団結してきました。Uberは労働者のフレキシビリティとコントロールを守りつつ、仕事の基準の向上と独立労働者へのより多くの便益提供に完全にコミットしています。当社は独立した労働をなくすのではなく改善するためにスペインの関係団体と協業したいと考えています。

DeliverooもまたTechCunchに次のような声明を送ってきた。

この提案はフレキシブルな業務に価値を置いている配達人、配達サービスの恩恵を受けているレストラン、オンデマンド配達を評価している顧客の利益に反しています。自営業者のままでいたいと抗議活動を行った何千人もの配達人の声は無視されました。

配達プラットフォームは、配達人が追加のセキュリティを持ちつつフレキシブルに働けるようにするために建設的な提案をし、強制的な再分類は配達人の仕事減につながり、レストラン業界にダメージを与え、プラットフォームの運営エリアを制限すると警告してきました。残念ながらこうしたメッセージもまた見落とされてきました。

何も確定していません。我々は引き続き、配達人が求めているフレキシビリティとセキュリティを政府が提供すべきだと主張します。前進する別の方法を模索するために今後もスペイン政府に働きかけます。我々は、配達人に耳を傾けてすぐに再考するよう政府に促しています。

Glovoの共同創業者Sacha Michaud(サシャ・ミショー)氏は以下の声明を出した。

労働省の姿勢はかなり過激で、同様の問題を解決するためにイタリアやフランスのような他のEU諸国が取っている動きと一致しません。

今日、政府は小売業者向けの財政援助11Bについて議論しています。にもかかわらず史上最も困難な経済混乱期の1つであるいま、その同じ小売業者にとって生命維持システムとして機能してきたサービスにさらなる障壁を設け、新たな難題を作っています。法案の通過は配達プラットフォームの運営にマイナスに影響します。

2020年、配達プラットフォームは新型コロナウイルスによってもたらされた多種多様な困難に対応する必要不可欠なサービスでした。そしてパンデミックはすぐに過去のものになるという兆しはありません。当社のパートナーの90%はローカルの独立したレストランや店舗ですが、彼らは生き延びるために当社のもののようなプラットフォームに頼ってきました。

規制は必要ですが、プラットフォームと労働者の両側の意見を考慮する必要があり、いずれもソリューションの一部になるようにアプローチされていません。

ギグワーク改善に関するEUの協議プロセスを前に、Uberはこのところ欧州のプラットフォーム労働者のために規制緩和を求めてロビー活動してきた。汎EUフレームワークの可能性を、現代の労働パターンと調和させるために地域の雇用規則を作り直す機会としてとらえている。しかしこの動きはEUの基準を下げようとしているという批判につながっている。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:スペインギグワーカー労働フードデリバリー

原文へ

(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

アマゾンがインド・バンガロールのフードデリバリーサービスを全市域に拡張

現地時間3月8日、Amazon(アマゾン)は同社のフードデリバリーサービスであるAmazon Foodをバンガロールのすべての郵便番号に広げる、と発表した。これはインドで2020年5月にAmazonが新しい業種であるフードデリバリーへの参入以降、初めての一般向けアップデートとなる。

関連記事:アマゾンが新型コロナ禍中のインドでフードデリバリーを開始

米国のeコマース企業Amazonによると、Amazon Foodは現在、Whitefield、HSR、Sarjapur、Koramangala、Indiranagar、MG Road、Jayanagar、JP Nagar、Frazer Town、Malleshwaram、RajajinagarそしてVijayanagaといった、バンガロールの主要地区すべてをカバーしている。

2020年5月にローンチした際のAmazon Foodの利用可能地域は、わずか4つの郵便番号だった。

Amazon Foodはまだ、インドにおける主要マーケットの1つで営業しているにすぎないが、そこで同社は競合他社に負けまいと躍起だ。中でもバンガロールで主な競合企業であるZomatoとSwiggyは、資金力も豊富だ。

フードデリバリーはプライム会員には無料だが、一般客は19インドルピー(約28.33円)を支払う。しかしSwiggyやZomatoより安い。

インドでの事業展開に65億ドル(約7057億4000万円)を投資すると明言している同社は、バンガロールですでに2500軒のレストランとクラウドキッチンが利用しているという。Amazon Foodの顧客は、これらのレストランの特別料金やAmazonからのキャッシュバックを利用できる、と同社は述べている。

関連記事:Amazonがインドのスモールビジネスのデジタル化促進のため約1100億円を投資

Amazonらしくもなく、Amazon Foodのインドにおける展開がこんなに遅いのはなぜなのか。その理由を同社自身が述べたことはない。

(もちろんグローバルなパンデミックはあるが、Amazonは、従業員が「一方通行ドア」および「双方通行ドア」と呼んでいるものをたくさん作っている。双方通行ドアは、入るのも出るのも自由で本格展開ではない試行で、具体的な意思決定をしていない案件のことだ。Amazon Primeは一方通行の賭けだと考えて欲しい。したがって、Amazonがどのような新しいサービスにどのようにコミットしているのか、初日からはっきりしていない。)

Amazon Indiaのカテゴリ管理担当ディレクターであるSameer Khetarpal(サミール・ケタルパル)氏は次のように語っている。「Amazon Foodのバンガロール進出では、市民の日常生活の一部になるとともに、どの他社にも負けない利便性と価値の提供努力を継続している。Amazon Foodは同市の最高のレストランを、全国的な名店と地元の人気店を含めてご提供する中で、デリバリーと安全性の厳密なプロトコルに従っている」。

Ant Financialが投資しているZomatoとProsus Venturesが投資しているSwiggyは、インドのフードデリバリー市場の複占化を確立し、Bank of Americaのアナリストは両社のマーケットシェアの合計が90%ほどと推計している。UberはインドのフードビジネスをZomatoに売却して、2020年の初期にインドのフードデリバリー市場を去った。

関連記事:Uberがインドのフードデリバリー事業を地元Zomatoに約221億円で売却

Amazon Foodの拡張努力は、アナリストたちが市場のリーダーと呼ぶZomatoがIPOの準備をしているこの時期に行われている。

関連記事:インドのフードデリバリーZomatoが約263億円調達し企業価値約5672億円に、2021年前半にIPO予定

インドのフードデリバリー市場の参入が難しいのは、国内事情のせいでもある。米国のような先進国市場では、出前品目の単価が33ドル(約3580円)ほどだが、調査会社によるとインドの単価は4ドル(約430円)だ。ZomatoとSwiggyはともに2020年に単価の改善に大きな努力を払った。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Amazonインドフードデリバリー

画像クレジット:Noah Seelam/AFP/Getty Images

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)

10分で食料品を配達するDijaがロンドンでダークストアを正式立ち上げ

ロンドン拠点のグローサリー配達スタートアップDija(ディジャ)が現地時間3月4日、正式に事業を開始し、2020年12月のシードファンディングで2000万ポンド(約30億円)を調達したことを認めた。TechCrunchが最初に報じたこのラウンドの一部は2020年11月にクローズした。

関連記事:超迅速に食品配達を実現する英国デリバリースタートアップDijaが21億円を調達間近か

同社を支援したのはBlossom Capital、Creandum、Index Venturesで、Dijaはどうやら立ち上げ前に資金調達できたようだ。実際、急成長中の「ダーク」グローサリーストア業界における欧州の初期リーダーになるための競争がヒートアップする中で、ロンドンのベンチャーキャピタルコミュニティの間ではDijaが再び資金調達に動いているとの噂がすでに駆け巡っていて、とある情報筋はその額が最大1億ポンド(約150億円)にのぼり得るとしている。

画像クレジット:Dija

欧州では過去数カ月、多くのスタートアップがグローサリーや他のコンビニ商品を注文から10〜15分で届けるとうたってサービスを立ち上げた。そうしたスタートアップは超ローカルの配達に特化した自前のフルフィルメントセンター、いわゆる「ダークストア」を持ち、そして独自に配達要員を採用している。このフルスタックあるいは垂直アプローチ、そしてそれがもたらす見通しは、ユニットエコノミクスを機能させるために十分なサプライチェーンとロジスティクスを効果的に生み出すはずだ。ただし、それはまだ証明されていない。

今週初め、ベルリン拠点のFlinkは株式と負債によるシードファンディングで5200万ドル(約56億円)を調達したと発表した。同社は株式と負債の割合を明らかにしなかったが、とある情報筋はおおよそ半々だと筆者に語った。

この業界では他に、ベルリンのGorillas、ロンドンのJiffyとWeezy、フランスのCajooなどが事業展開していて、いずれも生鮮食品とグローサリーにフォーカスしていると主張する。また、まだステルスモードながら、米国のユニコーンgoPuffと同様、よりマージンが大きいコンビニ商品にフォーカスしているZappもある。蛇足になるが、goPuffは欧州進出も狙っていて、ミニgoPuffとあだ名がつけられている英国のFancyの買収あるいは出資を現在協議している。

関連記事:注文から15分でグローサリーを配達するCajooがパリでサービス開始

話をDijaに戻そう。Deliverooで上級職として何年も働いたAlberto Menolascina(アルベルト・メノラシナ)氏とYusuf Saban(ユーセフ・サバン)氏によって設立されたDijaはロンドン中心部に店舗を開設し、10分でグローサリーやコンビニ商品を買い物できるとうたう。サウスケンジントン、フラム、ハックニーにハブを持ち、ロンドン中心部とゾーン2をカバーする20のハブを2021年夏までに新設する計画だと話す。各ハブは2000種の商品を扱い、これらは「希望小売価格」で販売される、としている。一律の配達料金1.99ポンド(約298円)が注文ごとに課される。

「当社が照準を絞っているのは、世界12兆ドル(約1300兆円)の産業を独占している大手スーパーマーケットチェーンです」とDijaのメノラシナ氏は筆者が競合他社について尋ねた時に語った。「そうした競合他社から当社を際立たせているのは、スピードとテクノロジーに加えて当社のチームです。私自身、そしてユーセフを含め、当社のチームは全員この成長中の破壊的な業界での経験を持っています。ユーセフはDeliverooをゼロから立ち上げて成長させました」。

メノラシナ氏は大手テイクアウトデリバリー大企業で企業戦略・開発ディレクターを務め、その前にもいくつかの役職を歴任した。同氏はまた、Instacartスタイルのグローサリーデリバリー企業Everliをイタリアで共同創業し、Just Eatでも働いた。サバン氏はDeliverooの元CEO首席補佐で、投資銀行Morgan Stanleyでも働いた。

ソフトローンチの間、Dijaの典型的な顧客はアプリを使って週に1度食品を購入した。またDijaはかなり急ぎの買い物や深夜の渇望といった他の需要にも応えてきた、とメノラシナ氏は話す。「Dijaが解決を手伝っている課題はユニバーサルで、みんなが利用できるようにDijaを設立しました。だからこそ当社は小売店の価格で商品を提供し、10分で届けます。価値と利便性を組み合わせているのです。一例として、在宅ワークやホームスクーリングで時間のやりくりを迫られている親にとってDijaはすでに大事なサービスとなっています」。

この業界に何百万ドル(数億円)という資金が注がれているにもかかわらず、筆者がプライベートで話した多くのVCは生鮮食品の近距離即配がうまく機能することについて懐疑的だ。生鮮食品は悪くなってしまうためマージンは少なく、買い物量は配達のコストをカバーするほど十分なものではない、という考えだ。

「他の企業にもあてはまるかもしれませんが、Dijaのチームのほとんどがこの業界で経験があり、購入や商品化計画からデータ、マーケティングまで取り組んでいることを正確に理解しています」とメノラシナ氏は話す。「また、当社がフルスタックモデルをとっていて他社とマージンを分け合っていないことも特筆すべきことです。買い物量の平均に関しては、顧客のニーズによって異なります。Dijaを通じて買い物すべてを行う顧客もいれば、オムツやバッテリーなど緊急の時に当社を利用する顧客もいます」。

関連記事:ローカル配送のgoPuffが同業の英Fancy買収に向け協議中

価格については、他の小売業者と同様、Dijaは卸売価格で商品を購入し、希望小売価格で販売していると話す。「今後当社は戦略的提携、サプライチェーン最適化、テクノロジーの向上などを含め、どのようにさらに売上をあげるかについて明確なロードマップを持っています」と同氏は付け加えた。

画像クレジット:Dija

一方でアプリ立ち上げに先駆けてDijaが、ポテトチップスや処方箋なしに買える医薬品などコンビニで取り扱われている商品の販売などを含め、テイクアウトマーケットプレイスDeliverooで数多くの実験を行ったこともTechCrunchは把握している。もしあなたが「Baby & Me Pharmacy」でトイレ用品を注文したり「Valentine’s Vows」でチョコレート菓子を購入したりしたことがあるなら、おそらく無意識のうちにDijaでも買い物しているはずだ。それらのブランド、そしてその他の多くのブランドもサウスケンジントンの同じ住所から配達されている。

メノラシナ氏はDeliverooでのテストを認め「ピック&パックをきちんとテストすることなく直接消費者に向き合うことは大きなリスクです」と数週間前にWhatsAppメッセージで筆者に語った。「当社は何を売るべきか、どのように補充、ピック&パック、配達するかを純粋に学ぶために自由に使えるバーチャルブランドを作りました」。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Dija食材配達配達イギリス資金調達

画像クレジット:Dija

原文へ

(文:Steve O’Hear、翻訳:Nariko Mizoguchi

MealMeが出前サービスの食事を比較検討できる検索エンジンで9500万円を調達

米国時間2月24日朝、食事専用の検索エンジンMealMe.ai(ミールミー・エーアイ)がプレシード投資ラウンドを90万ドル(約9500万円)でクローズしたと発表した。このラウンドはPalm Drive Capitalが主導し、Slow VenturesCP Venturesが参加している。

TechCrunchがMealMeを初めて知ったのは、2020年10月に行われたアクセラレーターTechstars Atlanta(テックスターズ・アトランタ)のデモデーでのことだ。TechCrunchでは、そのとき登壇した当時のコホートのうち気になったスタートアップをまとめて紹介している。

同社の製品では、利用者は食事やレストランを検索できる。すると、さまざまな食事の出前アプリから利用者が食べたいもの、配達して欲しいものの価格帯が示される。注目すべきは、MealMeが業者に関わらずアプリ内で決済ができる点だ。

このサービスは、DoorDash(ドアダッシュ)やUber Eats(ウーバーイーツ)といった食事配達サービスアプリの価格や配達時間の透明性を高める可能性がある。しかし、MealMeは最初から検索エンジンを作ろうとしていたわけではない。ここに至るまでには紆余曲折があった。

ソーシャルネットワークから検索エンジンへ

MealMeは、最初のアイデアの方向性だけは正しかった類のスタートアップだ。同社は、食事に特化したソーシャルネットワークとしてスタートしたのだと、共同創設者のMatthew Bouchner(マシュー・ボシュナー)氏はTechCrunchに話した。そのサービスは改良を重ねるうちに、食事の写真を投稿できるようになり、掲載されたものを注文できるようになっていった。

まだソーシャルネットワークとして運用されていたころに、MealMeはY CombinatorとTechstarsに参加を申し込んだが、どちらからも断られてしまった。

やがて同スタートアップは、利用者たちが食事の写真を投稿するのは、どの出前サービスを使えば望みの食事を配達してもらえるかを知りたいためだと知った。そこに気づいた彼らは、レストランを検索でき、出前業者や価格の比較検討ができる料理専用の検索エンジンの開発に精力を傾けた。その改良によって、同社はTechstars Atlantaへの参加が叶い、TechCrunchが記事にしたデモデーにこぎつけたというわけだ。

Techstarsの参加中、同社はそのモデルを、DoorDashなどへの単なるリンクから、自社アプリの中で決済までできるかたちに変更した。これがMealMe内部の流通取引総額(GMV)を引き上げたとボシュナー氏はインタビューの中で話していた。その機能は2020年9月に運用開始となった。

そこから同社は、前週比でおよそ20パーセントという急成長を始めた。TechCrunchがMealMeインタビューを行った時点で、同社はGMVランレートが50万ドル(約5300万円)に達し、100万ドル(約1億600万円)に拡大しつつあると話していた。そこから現在までの数週間で、GMVランレートは100万ドルの壁を突破した。

MealMeは、そのビジネスモデルを積極的に語ろうとしないが、利用者が注文の際に支払う金額と、出前アプリに渡す総収益との差からマージンを生み出しているようだ。

TechCrunchは、MealMeのプラットフォームとしてのリスクが気になった。いくつものサードパーティーの出前サービスの価格を比較しながら注文できる仕組みを、それらのサービスを提供する業者を怒らせずに、うまく運営できるのだろうか。インタビューを行った時点では、サービス提供業者からの反発はないとボシュナー氏は話していた。同社の目標は、早く成長して、世界のDoorDashにとって有用な収入源となり、その後に正式な契約を交わすことだとボシュナー氏は話していた。

「私たちは強力な収益発生器として事業を続け、毎週数千件の注文を出前サービスにもたらします」とボシュナー氏は声明文の中で述べている。MealMeは、投資家たちは、Uber EatsなどがMealMeでアプリを使えなくするという懸念よりも、成長の早さのほうに大きな期待をかけていると確信しているようだ。

私がMealMeに興味を惹かれた最初の理由は、もし私が20代位前半だったら、どんだけ使っていただろうかと感じたことだ。おそらく同社は、若いころの私のような利用者を大勢呼び寄せ、大手の出前サービス企業に対して、掲載を断られるどころか、手数料を要求できるぐらいにまで大きく成長することだろう。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:MealMe資金調達検索エンジンフードデリバリー

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg / Getty Images

原文へ

(文:Alex Wilhelm、翻訳:金井哲夫)