MITの新しい3Dプリンター技術はスピードを今の一般消費者製品の10倍にアップ

3Dプリントが一般消費者に普及しない理由は山ほどあり、スピードは主な理由の一つではないが、上位の理由ではある。硬貨よりも大きなものをプリントしようと思ったら、そう、先月亡くなった偉大なる哲学者がかつて言ったように、その仕事のいちばん困難な部分は待つことだ。

ただし、この研究は実用化まであと数年は要するだろうが、でもMITのエンジニアたちは、3Dプリンターを今の消費者製品の最大10倍まで速くできることを示した。彼らによると、これまで1時間かかっていたオブジェクトを、ほんの数分でプリントできるようになる。

プリントの方式は、今のデスクトップ3Dプリンターの多くが採用しているものと同じFDM(Fused Deposition Modeling, 熱溶解積層法)だ。溶融したプラスチックを層状に沈積して形を作る。MITは、プリントヘッドに工夫を加えることによって、そのスピードを上げた。たとえば、らせん状の機構でフィラメントを高速で供給し、プラスチックを従来のピンチローラー方式よりもしっかりと保持できる。

そのプリントヘッドはまた、レーザーを新たに設計されたプラスチック溶融機構の至近に置いて、相当速く溶けるようにした。またプリントヘッドを動かす移動台座も、プリントヘッドの可能なスピードアップに合わせて速く動く。

いつごろ市場に出回るか、という問題は、MITがこの技術をどこにライセンスするか、などにもよるだろう。

しかし准教授のJohn Hartはこう語る: “市場に出回るようになれば、とても嬉しいけど、そのために今後どんな経過をたどるのか、まだよく分からない。既存の3Dプリンターのメーカーにライセンスするか、自分たちで会社を興すか、どっちかだろうね”。

一般消費者ばかりでなく、今のデスクトップ3Dプリンターをプロトタイピング用に使っている企業も、スピードアップの恩恵は量り知れない。しかしFDMデスクトップ3Dプリンターの、もっと高度な応用技術になると、さらなる研究開発が必要だろう。

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3Dプリントされた果物が本物の果物をよりおいしくする

今度あなたが箱入りの果物を買ったりもらったりしたら、その中にはそっくりさんがひとつ入っているかもしれない。そのフェイクフルーツは、箱の中のプラムの温度や動きや衝撃を調べたり、桃の糖度と硬度が適切で傷んでいないことを確認したりする。

スイスのFederal Laboratories for Materials Science and Technology(国立物質科学技術研究所)が作ったEmpaは、3Dプリントで作ったリンゴで、中にいくつかのセンサーがあり、本物のリンゴの群れの中に身を隠す。大きさも形も色も重さも本物のリンゴと変わらないから、箱詰め作業をする人がとくに気にする必要がない。

最初のモデルは温度センサーだけだが、今後はもっといろんなセンサーを詰め込む予定だ。するとこのロボットリンゴはほかのリンゴたちと同じ体験をするから、彼らが受ける扱いを、センサーが感取し記録できる。そして消費地のお店などは、そのデータをチェックする。

このプロジェクトはJournal of Food Engineeringで紹介され、“本物のリンゴと同じように温度に反応するフルーツシミュレーター”、と説明されている。そして、“コールドチェーンの全過程における果肉の温度履歴をモニタできる人工果実”、だそうだ。果物の流通技術における、画期的な発明かもしれない。

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高校生が3Dプリントと機械学習を利用して祖父のための網膜診断システムを制作

もしもあなたが、ぼくと同じように、自分はこれまでの人生でまだたいしたことしてないな、と日頃思っているなら、Kavya Kopparapuのこのプロフィールを読まない方がよいかもしれない。このティーンエイジャーはまだ高校生なのに、ぼくが大学卒業後これまでにやったことよりも、すごいことをやってのけた。いちばん最近では、彼女は祖父の、誰にでもよくある目の不具合を診断する、安くてポータブルなシステムを作った。その症状は気づかれないことが多く、しかし放置すると失明に至る。

3Dプリントで作ったマウントに装着したレンズが、iPhoneで網膜をスキャンし、何千もの網膜画像で訓練された機械学習システムが、一般公開されている既存のサービスをいくつか使って診断をする。彼女はその作品を、先月行われたO’Reilly’s AIカンファレンスで発表した。

もっと詳しく知りたい人は、IEEE Spectrumの記事彼女のブログを読んでみよう。ぼくは、Kopparapuの次のプロジェクトを知りたいね。

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3Dプリントで作ったソフトな脚でロボットが凸凹道を安定的に歩ける、ヒントは蛸などの生物から

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の工学部の連中が、生物からヒントを得たソフトロボットの原理により、石ころや砂などの凸凹道をふつうに歩けるロボットを開発した

柔らかい積層材で作ったロボットの四本の脚は、環境に適応できる。だからセンサーで地表の正確な像を把握する必要がない。平滑でないところに来たら、歩き方をそれに適応させるだけだ。

そのロボットの四つの脚は、3Dプリントした硬い材と柔らかい材から成り、ゴム製の空気袋の伸縮が前進運動を支える。ハーバード大学のGeorge Whitesidesのロボット工学研究室をはじめとして、同様のソフトロボットプロジェクトは過去にもあった。それらにも助けられて、蛸や烏賊のような海の生物にヒントを得たロボットが試作されてきた。

実はこの研究を率いたUCSDの助教授Mike Tolleyは、ハーバードの研究室出身だ。そこで彼は昔、著名なプロジェクトのひとつ、ほぼ全体的にソフトな身体を縮めて狭いところへ入り込める、完全ワイヤレスのX型ロボットを作った。

Tolleyはこう語る: “歩く、と言いたいところだけど、終始すり足だから、歩くと言えば誇大宣伝になる。しかも、起動したら一つの方向へ進むだけだ。でもそれが、おもしろい足並みを作り出す。まるで虫のように、くねくねと波うつ足並みなんだ”。

この研究から、すでに実用製品も作られている。たとえばSoft Roboticsが設計した工業用のグリッパーだ。蛸をヒントにした手だから、ロボット工学に基づく精密な視力がなくても、いろんな形やサイズの物を持ち上げることができる。そしてその脚は、四本ではなく二本で、くねくねした歩みではなく、実際に脚を上げたり下ろしたりしながら動きまわる。

ハーバートのロボットと同じく、圧力を利用する空気袋を使っているが、細かいところはもっと繊細になっている。

Tolleyは話を続ける: “以前は、膨らますと脚がどっちかへ曲がる、という方式だった。でもちゃんとコントロールできるためには、いろんな方向へ曲がれる脚が必要だ。でもそれは、積層材だけでは無理だった。複雑な空気袋を3Dプリントできるようになって、やっと、同じ動きを素早く繰り返すことのできる方法が見つかった”。

最新のシステムでは3Dプリントした空気袋が複数並んでいて、どれとどれを膨らますかで動きのコントロールができる。Tolley曰く、“一つだけ膨らますと、どっちかへ曲がるんだ。さらにもうひとつ膨らますと、360度の曲がり方もできる”。

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Blackbeltは無限に長いものを作れるベルトコンベア式3Dプリンター

ベルトコンベアーは昔から奇妙な冒険の舞台だった。チャーリー・チャップリンからルーシーまで、あのベルトに流されていく人や物はコメディーの花形だった。今は3Dプリントされた作品がBlackbeltの上を流れていくのを見ることができる。巨大オブジェクトをプリントするためのコンベア式3Dプリンターシステムだ。

BlackbeltのKickstarterキャンペーンはあと3日で始まる予定で、デスクトップ用システムが9500ユーロ、支持台付きの大型システムが1万2500ユーロになる見込みだ。プリントできる大きさは13インチ×13インチ×無限大、つまり車のサイドパネルや長い看板などもプリントできるという意味だ。異なる太さのプラスチックを射出する3種類のノズルを備えている。

詳しい説明はここで読めるが、基本的には3Dプリンティングを横に寝かせて面白いことができるシステムだ。例えば、通常このジェット機をプリントするには機首を支えるために多くの材料が必要になる。Blackbeltの技法を使うことによって、ベルトに触れた状態でプリントをスタートすることさえできれば、せり出したり、へこんだりしている物体もブリントできる。

このプリンターのプリント角度は独特で、プラスチックを先端部分にプリントすることができる。つまり、一般のFDMシステム(熱溶解積層法)のように底面から積み上げていくのではないため、支えのないものもプリントできる。Blackbeltは無限に長い物体をプリントするほかに、小さな物体を次々とプリントしてバスケットに落としていく使い方もできる。理論的には、地球を一周する長い蛇をプリントして、神話のウロボロスのように、自分のしっぽを食べるようにループさせることもできるはずだ。

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スウェーデンの科学者たちが人間の軟骨細胞でインプラントを3Dプリント、マウスへの移植に成功

3Dプリントで体の部品を作るこ技術が、また一歩前進したかもしれない。スウェーデンのSahlgrenska Academy(サルグレンスカ・アカデミー==ヨーテボリ大学医学部)とChalmers University of Technology(チャルマース工科大学)の科学者たちが、人間の軟骨の細胞を生後6週間のマウスに移植することに成功した

研究者たちは人間の軟骨細胞からゲルを作り、それを3DバイオプリンターCELLINKでプリントし、実験用マウスにインプラントした。するとその組織は成長を開始し、動物の体内で増殖した。やがて血管が生成し、血管はインプラント素材の中で成長した。2か月後にその素材は人間の軟骨に似たものになり、それをさらに幹細胞を加えて刺激した。

素材のインプラントは同じ大学の形成外科医が行ったが、同じやり方が、耳や鼻や膝などを事故やがんなどの疾病で失った患者に、もっと自然に近いインプラントで応用できると考えられる。

指導教授のPaul Gatenholmは次のように語る: “これまでは、耳を失った患者には、プラスチックやシリコンで作ったインプラントをチタンのネジで取り付けるような方法しかなかった。形成外科の方法は、患者の肋骨から軟骨を取り、それを形成していたが、痛みがひどくて結果も良くない。でも鼻や耳の細胞を、患者の髄や脂肪から取った幹細胞で育てれば、3Dプリントで完全な構造を得ることができる”。

Gatenholmは、期待を込めてこう述べる: “この方法は組織を再生して実装する医療技術を大きく進歩させるだろう。最初のブレークスルーはたぶん皮膚、次が軟骨、そして骨だ”。さらにその後は、臓器のような複雑な器官にも使えるようになるかもしれない。

Gatenholmは昨年の2月に研究論文を発表している。そこでは再生医療の教授Anthony Atalaと共に、3Dバイオプリンティングと、そのプリンターのノズルをモデルに従って制御するコンピューター画像技術を使い、骨や筋肉を作る技術が述べられている。後者のプログラムにより、細胞を正しい離散的な位置に供給するのだ。

従来の形成外科のモデルよりも本物の器官に近い部品を3Dプリントで得るためには、CAD用の3Dモデルの方が良い、とも言われている。

このプロセスはまだ、再生外科の治療現場で実際に利用できる段階にはない。技術の完成度のほかに、規制と当局の承認という面倒な問題もある。でも、これが、これまでよりも一歩前進した、将来性のありそうなプロセスであることは確実で、今後は軟骨だけでなく、そのほかの重要な組織にも応用されていくだろう。

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ロボットの皮膚の3Dプリントを研究しているMITのチームが自己防衛のために色を変える甲虫から重要なヒントを得た

Subramanian Sundaramのチームは、3Dプリントによるロボットの制作で行き詰まったとき、ロボット屋さんがよくやることだが、自然へと目を向けた。そしてこのMITの研究者たちのチームはごく最近、golden tortoise beetle(ゴールデンカメノコハムシ)から、ヒントをいただいた。それは、ユニークなカモフラージュを習性とする、北米原産の甲虫類だ。

脅威に直面すると、この甲虫の甲の金色が消えて、半透明の赤茶色になる。MITの科学者たちは、未来のロボットの皮膚…本体表面のセンサーなどを保護する…になることを目指して、柔軟性のある薄膜を3Dプリントで作ることを目指していたが、甲虫のこの振る舞いを見てアイデアがひらめいた。

このバイオミミクリー(biomimicry)について、長期的な研究のごく一部で自然からヒントを得たことを、Sundaramは謙虚に語る: “人間の能力はまだとても後れているから、どうしても自然に頼ろうとする”。とは言っても、人間が生物の種を作り出すことはまだまだできない、と彼は述べる。

彼はこう語る: “月を目指していたけど、やっと木のてっぺんに到達したようなものだ。ヒントを得るために甲虫を研究したが、このようなものを人間が作れるようになるのは、まだまだ遠い先の話だ。生物の能力は桁外れにすごい。われわれはそのごく一部を借りようとしているだけだが、それでも、その機能の実装はとても難しい”。

今回チームは、甲虫の単純な自己防衛能力を借りて、3Dプリントで作った柔軟な基質に、光学的な変化を作り出そうとした。“センサーが何かをセンスしたら、皮膚の色が変わるようにしたかった”、とSundaramは語る。“反応とそれに対する動作の起動(アクチュエーション)は、3Dプリントの最大の問題のひとつだが、光学的な変化なら比較的容易だ”。

彼らの3Dプリントプロセスは、6種類の素材を3DプリンターMultiFab 3Dに通すことによって行われる。そしてそのプリント物に銅とセラミック製のヒーターを使い、半導体性のプラスチックを挿入する。その一回の3Dプリントプロセスで、チームは、自然の機能を模倣する回路基板を作ることができた。

大量のセンサーを搭載したロボットを3Dプリントするためには、この技術がそのための重要な一歩だ、とチームは信じている。同じくMITの別のチームが、加熱すると形を変えるロボットの3Dプリントを研究しているが、自然の模倣は、彼らにとっても参考になるだろう。

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出会いサイトMatchのポップアップコーヒーショップでは飲み物の上にお相手の顔を3Dプリントする

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デートサイトの老舗Matchが、巧妙なパブリシティ策としてコーヒーショップのポップアップショップを開き、しかもそこでは、カフェラッテの泡の上にお相手の顔を3Dプリントする。

店に入って飲み物をオーダーするときに、男4女4計8名の候補から一人を選ぶ。すると、その人の顔が3Dプリントされたコーヒーが運ばれてくる。Match上のその人のプロフィールのリンクなど、関連情報もついている。

そしてお店に頼めば、自分の顔を、自分を選んだ人のコーヒーにプリントしてもらえる。

Matchはこのイベントを、“expresso yourself”と呼んでいる*。来週の木曜日と金曜日(19日と20日)、ロンドンのショアディッチにあるBoxparkの中に開店する。〔*: expresso==エクスプレッソ, express==‘表現する’〕

3DプリントはCoffee Ripples製の、カフェラッテ専用の3Dプリンターが行う。このマシンがプラスチックレジンの代わりに使う素材は、粉状に挽いたコーヒーだ。だからコーヒーの風味が損なわれることはない。

昨年ローンチしたばかりの Coffee Ripplesは、主に個人経営単独店のコーヒーショップにマシンを売っている。大きさはふつうの3Dプリンターぐらい、プリント台にラッテを置いたら、プリントするモデルをタッチスクリーンで指定する。

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お好きな場所を入力するとその地域の立体地形図を3DプリントしてくれるTopoTopo、ギフトとしておしゃれかも

topotopo

クリスマスのギフトが、買ったあとそれを3Dプリントしなければならないものでもよい人に、朗報がある。Web上のその使いやすいツールで、世界中のどこでもよいから指定すると、その場所の小さな立体地形図を作ってくれるのだ。その際、高低差などの表現をカスタマイズできる。

そのTopoTopoというサイトは、すぐに理解できる。まず、地球上の位置(場所)を指定する。それから高度差をどれくらい強調するかを指定する。最後に、地形図全体か、それともパズル用の矩形のピースが欲しいか、を指定する。

次は、その3Dモデルをダウンロードするか、それともShapewaysでプリントしてもらうかを指定する。後者は40ドル強だが、プリントをご近所のメイカーさんに頼む手もある。

このサービスは、デザインスタジオのHushが提供している。地図データはGoogleを利用し、地形データはNASAのShuttle Radar Topography Missionから得ている。まだ対応していない地球上の地域もありうるが、ぼくがチェックした場所はどこもOKだった。でもラベルのついてない場所は、見つけるのが難しいかもしれない。

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鈍重無芸だった3Dプリンターが急にお利口な多芸になるRizeの拡張ポリマー沈着技術

BostonのRize Incが開発した新しいタイプの3Dプリント技術を使うと、プリント後の、長時間かかる、バリ取り、後処理などの作業を省略できる。

The Rize text on the side of this grabby-hand isn't printed on the object - it is part of the 3D printed plastic.

この、物をつかめる手の上部の‘rize’というテキストは、あとからプリントしたのではなく最初の(一回だけの)プリント工程の一部だ。

同社が特許を保有しているこの技術はAugmented Polymer Depositionと呼ばれ、プラスチックにさまざまな機能を持たせることができる。たとえば、3Dプリントされた製品を台から容易に取り出せるようにしたり、製品に染料を注入して図形のあるパーツを作ったり(右図)、部分的に硬度を変えたり、といった超能力を発揮する。

同社のマーケティング担当VP Julie Reeceが説明する: “これまでは不可能だったが、わが社が開発した技術では、3Dプリントしたパーツにさまざまな‘質’を持たせることができる。つまり一回の3Dプリントでできるパーツが、いろんな質を持つことができる。たとえば、ランニングシューズをプリントすることもできるだろう”。

この技術は現在まだベータだが、すでに多様な製品計画があり、数年内に‘質’に関する技術の多様化と、機能性染料の開発も予定している。同社は、ベータテストと今後の次世代型3Dプリンターの市場化のために、シリーズAで500万ドルを調達した。

でも、プリント物の‘質’の多様化とはいっても、まだ牛肉をプリントすることはできないようだ。残念。

©2016 Jon Chomitz Photography 3 Prescott street, Somerville, MA  02143 www.chomitz.com     jon@chomitz.com 617.625.6789

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9歳の少年、先生のために3Dプリンターで電動義手を作る

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Calramon Mabalotは、ちょっとした少年だ。3Dプリンターが大好きで、兄と一緒に数多くのプロジェクトを作った ― 3Dプロジェクトで出会った先生のための電動義手も。Mabalotは3DPrintingIndustryのインタビューに答えて、指の関節付きの電動義手をどうやってデザイン、制作したかを話した。

なぜ3Dプリントで義手を作りたいと思ったのか?「作り方を知りたかったから」とMabalotは答えた。

このプロジェクトは、 E-Nabling the Futureプロジェクトの一環で作られたもので、誰でもダウンロードしてプリントできる。実用になる義手を必要としていたNickという先生と出会ったMabalotは、プロジェクトを作り、組み立て、義手を先生の体に合わせることに挑戦した。

Mabalotは自分専用のウェブサイトYouTubeチャンネルを持っている。この少年は今、世界一優しい子供に見える。われわれ大人がFacebookとメールをいじりながら休憩室で昼休みを持っている間に、この少年は元気と才能と活力を全力で披露している。実際、下のビデオを見たら驚くにちがいない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

生まれる前の赤ちゃんに手でさわれるIn Utero 3DのWaiting Without Barriersプロジェクト

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ポーランドのIn Utero 3Dは、とても愛らしいサービスを提供している。子宮の中の赤ちゃんの形を3Dプリントして、目の不自由なお母さんでも生まれる前の子どもを感じられ、目の健常なお母さんが超音波画像を見て感じるのと同じ喜びを体験できるようにする。

そのプロジェクトはWaiting Without Barriers(障碍のない待期)と呼ばれ、会社はポーランド北部にあるが、利用はヨーロッパ全域で可能だ。同社は1PLN(ポーランド新ズロチ)または1ユーロで、妊娠中のお母さんたちの赤ちゃんのレリーフをプリントする。ふつうの3Dプリンターを使い、モデルの超音波3D画像データに対して作為的な理想化をしないから、多くのお母さんが自分の子を初めて見たときと、まさに同じ体験を提供する。

すでにこういうことを数社がやっているが、しかしWaiting Without Barriersにはすばらしい理念があり、アイデアもすばらしい。プリントの質は、FDM(熱溶解積層法)プリントにしては良い方だ。

3Dプリントの人気はこのところ急落しているが、21世紀におけるもっともクールでもっとも将来性のある技術の一つだ、と今でも思う。まだ家庭でフォークや車をダウンロードしてプリントすることはできないが、小さなプラスチックとデジタルファイルで、自分の子どもを細部まで正確に感じることができるのは、すてきだよね。

出典: 3DPrintingIndustry

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3Dプリントしたローラーで、エンボス名刺を作ろう

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相手の目の前でプリントして渡す名刺に勝るものはない。この3Dプリンター製名刺ローラーは、まさにそれをやってくれる。

作り屋のPaul Myersが作った「エンボサー」は、3Dプリントしたローラーの間に紙を通してエンボス名刺を作る。3Dプリントのプロジェクトはここで見られるが、Myersはカスタマイズしたエンボサーの製作・販売も行っている。

自分用のを作るためには、3Dモデリングの知識が多少なりとも必要になるが、TinderCADまたはSketchUpを少しいじれれば、およそどんな種類のカードでも作れそうだ。ローラーを回するのにいくらか忍耐力が必要になるが、Myersはスケートボードのベアリングを使っている。

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海の魚を全部3Dスキャンする、教授のあくなき探求

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もし、mottled sculpin(カジカの一種)がどんな魚かを知りたければ、ネットでいくらでも写真を見ることができる。しかし、それで物見高い干潟マニアを満足させられたとしても、目利きの魚類学者の要求はそれに留まらない。ワシントン大学の教授が、海の魚 ― あらゆる魚の〈種〉だが ― をフル3Dスキャンしているのはそれが理由だ。

34万ドルのCTスキャナーと数人の実験助手と山ほどの魚を使って、Adam Summersは2万5000種以上の魚の完全カタログを作ろうとしている。彼は昨日今日のマニアではない。教授は1990年代から魚をスキャンしていて、この種のデータの持つ科学的価値も知っている。

ミリ単位精度のデジタルモデルがあることによって、異なる種、あるいは同じ種のいくつかの標本の正確な比較が可能になる ― 骨格、尾、脊椎、あるいは魚全身を3Dプリントして実世界の標本と比較することもできる。これは極めて価値あるツールであり、Summersが彼の研究室で作ったデータを無料で提供することにこだわる理由もそこにある。

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「このスキャナーのおかげで、正しく理解すればこのシステムが驚くべき能力を持つことを確信した」とSummersが大学のニュースリリースで語った。「このスキャンデータは、3Dデータとその利用方法に対するわれわれの考え方を変えるだろう」。

研究室はワシントン州の美しいピュージェットサウンド地区のサンファン島にあり、今Summersの水のパラダイスには、自分の魚をスキャンしてほしい人々が次々と訪れてくる。もちろん大物を釣った人だけではなく、生物学者や美術館の学芸員が膨大なコレクションをデジタル化するためにやってくる。

Summnerは、全部をスキャンするのに2~3年かかると考えているが、それで彼の仕事が終るわけではない。次の計画は、残る5万種ほどの地球上の脊椎動物をスキャンすることだ ― いくつもの意味でずっと大変な作業だ。

現在までに500種以上の魚がスキャンされており、 ここOpen Science Frameworkで見ることができる。全ファイがフル解像度で自由にダウンロードできる。

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生徒たちが設計した3Dプリント「きのこ培養器」と「火星用ミニ農場」が、NASAの「スタートレックリプリケーター」コンテストの勝者に

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NASAは、子供たちがわれわれの未来だと信じている。そうでなければ、2050年の宇宙飛行士に食べさせる方法を彼らに聞くだろうか? 全米を対象にした“Star Trek Replicator”コンテストは2月に始まり、何百もの3Dプリントのアイデアが生まれた。そして勝者が発表された。放射線の好きなキノコの家と、火星開拓者のための小さな農園だ。

課題は「2050年に3Dプリントする、宇宙飛行士のための、非食用、食品関連器具を設計」することで、一辺15 cmの立方体に収まり、単一原料で、おかしなSF風なものを含まないこと。子供たちは、プリント時の微小重力による制約も考慮しなくてはならない ― NASAはここには関与しない。

30の州から405件の応募があり、NASA、Made in Space、および米国機械学会の審査員が評価した。

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アリゾナ州フェニックス、Desert Vista High SchoolのKyle Corretteが設計した、fungarium(うまい名前をつけたものだ)は、「メラニン化」された菌類(キノコ)を培養するもので、この菌類は、植物が太陽光を使うのと同じように、電離放射線(悪玉)を利用してエネルギーを得る。容器は菌類を保護し、水をやって3本の棒上で成長させながら、栄養豊富な宇宙線を浴びさせる。左側の3面構造は、取り外して成長エリアの上に被せることができる。

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Eagle Ridge Middle SchoolのSreyesh Solaは、火星で使う小型の “Astro mini farm”[ミニ農場]を作った。上部にプリントされたレンズが、火星表面を照らす微小な太陽光を集めて濃縮する。ポンプが大気圧を常に地球上の約1/10に保ち、植物の成長に最低限必要な空気を与える(圧力が高くなりすぎないようにバルブがついている)。プリントに必要なシリカ(二酸化ケイ素)さえ火星の土壌から採取できるかもしれない、とSolaは説明している。

他に6つのプロジェクトがファイナリストとなり、賢いマグ、小さなゼロG水耕装置、およびスピルリナ藻培養器2種等があった。ファイナリスト全員(勝者らを含む)が、Makerbot Replicator Miniを学校に、PancakeBotを個人に贈られた。そして、勝者の2名は、ニューヨークで、元宇宙飛行士のMike Massiminoと共にスペースシャトルエンタープライズ・ツアーに参加する。

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XYZprintingの新しい3Dプリンターは、教室向けにデザインされている

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低価格の3Dプリンター・スキャナーでよく知られているに違いないハードウェアメーカー、XYZprintingが、初めて教育市場に焦点を合わせた製品、da Vinci miniMakerを229ドルで売り出す。K-12の理科系クラス向けに作られたエントリーレベルの3Dプリンターだ。

この低価格な3Dプリンターは使いやすさを意識したデザインで、プッシュボタンによるプリントや自動補正機能に加え、教室利用のための同社のソフトウェアセレクション、Educational Ecosystemが統合されている。

セットには、3DモデリングソフトウェアのXYZmaker、3Dギャラリー(デザイン済みの3Dモデルが予め登録されている)およびXYZprinting STEAMプロジェクトのカリキュラムが含まれている。プリンターは、Amazonで予約が可能、出荷予定は今年の秋で、子供たちが学校に戻るまでに届くはずだ。

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3Dプリント人工装具の未来

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【編集部注:本稿の執筆者、Jonathan Schwartz は、Voodoo Manufacturingの共同ファウンダー・最高製品責任者】

昨今の3Dプリンターの普及と人工装具のデザイン、製造、流通の革新は、世界中の四肢を失った数百万の人々ために実現可能な解をもたらすものだ。米国だけでも、毎年20万以上の四肢切断術が行われているが、5000~5万ドルという人工装具の価格から、それを持つことが贅沢とさえ考えられている。

従来、義肢の制作には数週間から数ヵ月を要した。人工装具は極めて個人的なものであり、装着者の形状や要件に合わせるために、一つひとつオーダーメイドで作る必要があるからだ。しかし、3Dプリンターが手頃な価格になり、200ドル以下の製品も出てくるようになったことで、誰もが自宅や地域コミュニティーで義肢を設計しプリントすることが、急速に現実味を帯びてきた。

義肢の価格を実感するために、それを必要としている子供のいる家族の経済を見てみよう。義肢の寿命は平均して約5年間だが、日々成長し、物を壊しがちな小さな子供であれば、交換の頻度はさらに高くなる。

義肢の購入およびその後の交換にかかる費用を計算すると、必要な生涯費用は家計に著しい負担となることがわかる。毎年の費用を保険会社に請求することもほぼ不可能だ ― CNNの最近の報道によると、新しいMedicareの提案では義肢の利用に制限が加わるという(現在保険対象者には15万人の四肢欠損者がいる)。

3Dプリンティングによる、人工装具の設計、制作の民主化によって、世界で何百万人もの人々が、新たに普及しつつある製造テクノロジーの恩恵を受けることができる。The Enable Community Foundationをはじめとするオープンソースのプロジェクトによって、3Dプリンターを持っていれば誰でも、義手のカスタマイズや制作が可能になった。意欲的なボランティアによる国際ネットワークであるEnableのチームでは、3Dプリンターを使って世界に救いの手を差し延べており、費用はわずか50ドルだ。

Enableの義手、 “Raptor Reloaded” 作動中。

3Dプリンティングのおかげで、子供たちは要件に応じて、例えば床にある物を楽に手を伸ばして拾える伸長可能な腕を作ることができる。文書をプリントするのと同じく、人工装具のプリント作業は、「プリント」ボタンを押すだけで、あとは3Dプリンターがレイヤーを次々と重ねていくのを見ているだけでよい。

近い将来、人工装具は人々の毎日の暮らしに、最小限の努力でスムーズに溶け込んでいくだろう。Body Labs等の会社による身体のスキャンやモデリングの最新テクノロジーによって、自分たちをスキャンして体に合わせた人工装具を作ることが可能になり、装着感も見た目もより自然なものになる。

3Dレーザースキャナーによって、デジタル3Dモデルの作成が可能になり、人工装具のデザインと3Dプリントに利用できる。

MITのHugh Herrをはじめとするイノベーターたちによって、駆動システム、内蔵センサー、関節の自然な動きを自動化する高度なアルゴリズム等を組み合わせた新しい技術が開発されている。人工装具の予測的動作によって、使用者は装置の制御について深く考える必要がなくなる。近いうちに、人工装具はさらに滑らかで自然な動きをするようになり、使用者は脳やタッチ入力システムによる直接操作によって装置を制御できるようになるだろう。

MITのHugh Herrが、自分の義足でその場駆け足をするデモを見せている。

さらに3Dプリンターは、様々な新しい材料にも対応するようになり、例えば軽量なチタンを使って耐久性や強度を高めることもできる。複数素材による3Dプリンティング技術を使い、関節部のへこみを自然にして体との結合を良くすることによって、人工装具はさらに使い心地がよくなる。義足をつけることが、クローゼットの奥にしまわれたあの恐ろしく履き心地の悪い靴を履くように感じられるところを想像してほしい。

Hugh Herrの研究式で作られたこのマシンは手足の「組織適合性」を測定する。これによってソフトさとハードさを兼ね備えた、より自然で心地よくフィットする人工関節の3Dプリントが可能になる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

3Dプリンター製のオーダーメイド車椅子がロンドンのデザインウィークに登場

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あらゆる移動手段プラットフォームの中でも、車椅子はかなり固定的だ。鉄とアルミニウムのフレームがレザーかビニールのクッションを支え、様々な設定は必ずしも個々のユーザーの条件に合っていない。ロンドンのデザイン会社が2年をかけて解決策を作った。利用者の体型とニーズに正確にフィットする3Dプリント車椅子だ。

その車椅子、GO(別の3Dプリント車椅子プロジェクトであるHU-GOと混同しないように)は、ロンドンのデザイン会社、Layerのディレクター、Benjamin Hubertが考案した。

「これは、殆ど見過ごされてきた家内工業のようなもの」とHubertがTechCrunchのインタビューに答えて言った。「確立しつつある技術や価格の下がった技術を使うことによって、様々な怪我や障害、体型に合わせるための問題を解決する機会が数多く生まれる」。

GOは、単に3Dプリント可能な包活的デザインではない。Layerは、3Dデザイン会社のMaterialiseと組み、一から十までカスタマイズできるプロセスを開発した。ユーザーの体を実際にスキャンし、ニーズを評価する。その情報は仕様に沿って作られる一体型シートへと合成される。

例えば、背中の中位置に脊椎損傷のある人は、追加の支持と高い背もたれが必要で、片足を失くした人には、重心のずれを考慮する必要がある。あつらえのシートは、椅子の上で長い長い時間を過ごす人たちに、より快適な体験をもたらすに違いない。

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「これは非常に繊細なユーザー基盤のニーズに答えるために、非常に微妙な調整が必要になるこのような製品にとって、非常に有効な解決策だ」

シート(大型の装置でプリントされる ― デスクトッププリンターでは作れない)とフットレスト(耐久性のために焼結アルミで作られる)だけがカスタムデザインされる。それ以外は市販のパートを使うことによってコストを下げ修理を容易にしている。

GO-Gloves-2同社は車椅子利用者と会話をして、得られたフィードバックに基づいてデザインしている。GOは、車椅子バスケットボールにはまだ対応できていないが(「あの椅子は戦車のようなもの」とHubertは言う)、それでもプレーヤーには助言を求めている。

ヘビーユーザーから一つ改善点が示唆された。通常車輪のハンドリムは円柱状の金属製だ ― シンプルで耐久性があるが、手で把むのには最適ではなく、エルゴノミクスの悪さからストレス傷害を起こすことがある。Layerは「BMXバイクのグリップ」並みの生地でリムを覆い、これを使うための専用グローブも作った。

製造プロセスは、生体計測が終った後、ユーザーがアプリでオプションパーツやプリントカラーを選ぶことで完了する。Layerは、注文から2週間で車椅子を出荷できると言っている。他のカスタマイズ方式よりはるかに待ち時間が短い。

現在GOはまだプロトタイプ段階で、今月ロンドンで行われるClerkenwellデザイン週間に展示される。Hubertによると、デザインはほぼ完了しているが、現在国民健康サービスと、ヨーロッパのFDA相当機関による監査を受けている。しかし、医療提供者や車椅子メーカー、スポーツ会社等は既にこのデザインに興味を持っている、と彼は付け加えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

このマシンは、ナノ粒子をレーザー硬化させて金属構造物を空中に3Dプリントする

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一般的3Dプリンターの限界の一つは、作品の構造が、事実上連続するレイヤーで次々と支えていく必要があることだ。ハーバード大学のWyss Instituteが作った新しい装置は、金属フィラメントで空中に描くことが可能で、支えを必要としない。そして、レーザーを使っている。

この新技術に派手な名前はまだ付けられていないが(”laser-assisted direct ink writing” を別にすれば)要点はこうだ。ノズルを予め決められた経路に沿って動かし、銀ナノ粒子の細い糸を送り出すと同時に、後を追うレーザーが粒子を加熱硬化させ、髪の毛より細い自立するフィラメントにする。

ノズルの中では、ナノ粒子の流れが精密に制御され、金属線を均一の太さに保ち、レーザーも生焼けの粒子が残ったり、熱を加えすぎて押出機の中の粒子を硬化させたりしないよう調整されなければならない。

その結果は、美しく柔軟な一体構造で、ほぼあらゆる形状を作ることが可能だ ― 小さなバネや支え、回路等の構造要素を作るのに有用だ。

「当研究所で生まれた最新の進歩を本当に喜んでいる。この装置は、3Dプリンターと柔軟な金属電極を使って複雑な構造物を「リアルタイム」で作ることができる、と研究者のJennifer Lewisがニュースリリースで語った。「高度なレーザー技術を利用することによって、3Dプリンティングの能力を高め、新しいタイプの製品を想起させるだけでなく、最先端の固体自由形状製作を全く新たな領域へと進めることできる」。

新技術のデモンストレーションでは、美しい3Dワイヤー蝶々が披露されていたが、様々な目的の特殊な構造体に応用できることが想像できる ― 特殊医療機器の配線や、高速プロトタイピング等。

Lewisの研究は、”Proceedings of the National Academy of Sciences” (米国科学アカデミー紀要)で今日(米国時間5/16)発表された。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

高校生が3Dプリントで作った‘ミニ脳’バイオリアクターがジカ熱の研究を加速

A "mini-brain" infected with Zika. The red-dye indicates vulnerable progenitor cells.

ジカ熱に感染した”ミニ脳”。赤の染色は感染した弱い前駆細胞を表す。

あなたのこの夏の計画はなんだろう? 1000個の”mini-brain(s)”(ミニ脳)を検査できるバイオリアクターを設計することでは、たぶんないだろう。バイオリアクターの設計ですら、ないかもね。でもニューヨークの高校生Christopher Hadionoは、それをやった。そして彼の、3Dプリントで作った強力で効率の良いマシンが今、話題になりつつある。

Hadionoがこのマシンを作ったのは、ジョンズ・ホプキンス大学の神経科の教授Hongjun Songの研究室で夏季のインターンをやっていたときだ。SpinΩと名付けられたそのマシンは、Songらが最近の論文で示しているように、安上がりでしかも多芸だ。

ミニ脳そのものは、前からある。それは幹細胞から生成した神経細胞の小さな集まりで、それらを、あたかも発達中の脳であるかのように実験できる。完全ではないが有益であり、多ければ多いほど、良い結果が得られる。

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Hadionoのバイオリアクターのほとんどの部分は、ふつうの3Dプリンターで作れるが、ほかに、実験に必要な精密部品も必要だ。400ドルぐらいでできるから商用製品の2000ドルに比べると安いが、それだけでなく、ずっとコンパクトだから、栄養液の必要量も少ない。かなりの低コストで、標準の培養器の中にそれまでの10倍もの数のミニ脳を置ける。

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Song教授がSpectrum News誌の、自閉症治療技術に関する記事の中で、こう語っている: “ショックだった。バイオテクノロジー専攻の学部学生ですら、これほどのものは作れないだろう”。

Songはそのデバイスをいち早く使ってみた。彼ら研究者たちが専門誌Cellに発表した論文には、SpinΩそのものの工学的詳細(とプリントファイル)だけでなく、ジカ熱の感染と小頭症の関連性をより明白にすると思われる実験も紹介されている。

そのほかの研究室もSpinΩに関心を示し、独自に自作中だ、とSongは述べている。興味を示しているメーカー企業も数社ある。ご心配なく、それは今でもHadionoの作品であり、特許の申請も彼の名前で行われている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))