富裕層向けサービスの拡充を狙うAirbnbーLuxury Retreatsの買収を検討中か

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設立当初のAirbnbは、ホテルの代わりに空いているソファーやベッドを安く貸りられるというサービスにフォーカスしていたが、高所得者向けサービスの拡充も大々的に進めており、今まさにその動きをさらに加速させようとしている。情報筋によれば、現在同社はLuxury Retreatsの買収話の大詰めに入っており、買収額は2億ドル近くなると言われているのだ。なおLuxry Retreatsは、Airbnbと似たサービスを提供しており、高級住宅を主に扱っている。

Bloombergが最初にこの話を報じ、そのときは買収額は3億ドルを下回るくらいだと言われていた。

あるソースによれば、Airbnbは「高級住宅の分野で豊富な経験を持つ、Luxury Retreatsの才能あふれるチームに強い興味を示しており、彼らの高級住宅に関する類を見ない強さは、Airbnbの強みと相互補完関係にある」。Luxury Retreatsが扱う物件の中には、フランシス・フォード・コッポラが保有するイタリア・プーリア州のヴィラや、リチャード・ブランソンのネッカーアイランドも含まれている。

Luxury Retreatsの買収は、できればIPO前にユーザベースや収益源の多様化を進めたいという、Airbnbの目的にもかなっている。なおAirbnbのこれまでの調達資金総額は30億ドル近く、昨夏には300億ドルの評価額で8億5000万ドルの調達を申請していた

関係者からの情報以外にも、この話を裏付ける別の証拠がある。私がLuxury RetreatsのCEO兼共同ファウンダーであるJoe Poulinに、何か話を聞けないかメールを送ったところ、なぜかAirbnbの広報担当者から返信が返ってきたのだ。私はAirbnbにはコンタクトしていないのにだ。

ちなみに彼からのコメントには「私たちは常に、Luxury Retreatsのユーザーに新しいオプションを提案しようとしていますが、現在発表すべき事項はありません」と書かれていた。

カナダのモントリオールに拠点を置くLuxury Retreatsは、これまでに1600万ドルの資金調達を行っている。また、2015年に行われた1100万ドルの資金調達を報じたときにも触れたが、同社は既に何年間も黒字をキープしている。

Airbnb式の宿泊施設探しに対する、消費者の興味を上手く利用したばかりか、Luxury Retreatsは富裕層を狙ったサービスでビジネスを展開してきた。

「シェアリングエコノミーの爆発的な人気をうけ、私たちは期待通りのサービスを一貫して提供するということに商機を見出しました」とPoulinは資金調達時に話していた。

富裕層をターゲットにしているサービスとしては、最近AccorHotelsに1億7000万ドルで買収されたOneFineStayや、Index VenturesやGoogle Venturesの投資先で、高級宿泊施設のフラッシュセールをメンバー限定で提供しているSecret Escapes、さらにHomeAwayのサブブランドで、Luxury Retreatsに名前の似たLuxury Rentalsなどがある。

しかしLuxury Retreatsは、先述のどのサービスとも少し違っている。というのも、彼らは物件(Poulinは”キュレーション”と呼んでいる)を入念にチェックし、掲載する物件にさまざまな条件を儲けているのだ。Airbnbもサービスの品質向上にむけて、同じような仕組みを導入しようとしている。

「サイト上にたくさん物件を載せればOK、というわけにはいきません」とPoulinは話す。「私たちの秘密は、他のサービスよりも厳しく物件をコントロールしていることにあります。Luxury Retreatsのサービスは本当の意味でのP2Pではなく、全ての物件は認証を経ています。さらに富裕層向けの市場でも、シェアリングエコノミー系のサービスは求められています。高級感というのは、販売されるものではなく、届けられるものなんです」

物件の所有者のニーズに応じて、同社は20%もしくは「場合によってはもう少し多い」手数料をとっている。実はこの数字は、Airbnbや他の競合サービスが設定している種々の手数料を足し合わせたものとそこまで変わらない。Airbnbは5%前後を物件の所有者からとり、さらに6-12%を利用者からとっている(クリーニング費用を除く)。

現在Airbnbは、Luxury Retreatsの他にも、クラウドファンディングプラットフォームのTiltを5000万ドル以上で買収しようとしていると言われている。

興味深いことに、昨年末トルドー政権を代表して、在米カナダ大使がAirbnbに対して、カナダへの投資を行い雇用創出に貢献して欲しいとアピールした後に、今回の買収話が浮上した。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Airbnb、入国拒否命令の被害者に無料宿泊を提供

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トランプ氏の大統領令によって、難民や学生やグリーンカード保有者が米国の空港で立ち往生させられている大混乱の最中、Airbnbは影響を受けた人々に無料宿泊を提供する。

この大統領令に対しては法的行動や抗議運動が起こされ、空港で拘束されていた一部の人々が解放された。しかし、税関国境警備局がトランプの命令をどのように遂行するのかは未だ明らかになっておらず、旅行者が米国行きフライトに乗れなかったり、到着時に拘束されるケースは今後もあり得る。。

AirbnbのCEO Brian Cheskyは昨日、トランプの難民受入れ拒否に反対する意見を数多くのIT企業経営者と共に明言した。しかし昨夜Cheskyは、さらに一歩進めて難民やその他影響を受けた人々に宿泊を提供するべく「Airbnbは難民をはじめ米国への入国を許されなかった人々に無料で宿泊を提供する」とツイートした。「今後も情報に注目されたい。緊急に住まいが必要な場合は私に連絡してほしい」。

Airbnbの広報担当者がTechCrunchに語ったところによると、今回の対応には既存の災害対応プログラムを活用するという。自然災害で住居を失った人や支援する人たちに宿泊を提供するようホストに依頼するプログラムだ。近くにホストが見つからないときなどにはほかの物資や情報が必要になるが、Airbnbは今後の計画について近く詳細を発表すると約束した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Airbnbが新たに8億5000万ドルを調達、評価額は300億ドルに

LONDON, ENGLAND - AUGUST 03:  The Airbnb logo is displayed on a computer screen on August 3, 2016 in London, England.  (Photo by Carl Court/Getty Images)

ユニコーンのテクノロジー企業で、シェアリングエコノミーの申し子であるAirbnbはデラウェア州に再び多額の資金を調達すると報告した。

TechCrunchは、Airbnbが7月28日付で提出した28ページの書類に、レイトステージの資金を追加する計画が記されていることを突き止めた。1年ほど前、Airbnbは16億ドルを調達しているが、Equidateの情報によると、同社は新たに8億5000万ドルを金庫に加えるという。

8億5000万ドルは多額の資金だが、Airbnbにとって最大のラウンドではない。昨年、AibnbはVCラウンドでも最大級となる、15億ドルを調達した。この追加資金で、最も評価の高いテクノロジーユニコーン企業の順位で同社を5位から4位に押し上げ、潜在的な評価額は300億ドルとなった。

今年は大型資金調達が相次いている。UberはサウジアラジアのPublic Investment Fundから35億ドルのエクイティラウンドを実施した。そのラウンドの後にはさらに11億5000万ドルをレバレッジド・ローンで調達している。

レイトステージであっても、Airbnbはどのくらいの資金を得るかに注意しなければならない。エクイティが多すぎれば初期の投資家の持分を希薄化する。また、デットで調達しすぎた場合は、評価額が急落した時に投資家に悪影響が及ぶことになる。デットはエクイティより前に支払う必要のある資産クラスである。

AirbnbはIPOを戦略的に引き延ばす行動を取ってきた。Airbnbは投資家の持分を希薄化せずにグロースするため、先月デットファイナンスで10億ドルを調達した。

Airbnbの以前の評価額はおよそ270億ドルだった。このラウンドは確かに多額だが、Airbnbがこれまで行ってきた希薄化を阻止する戦略から離れたわけではない。報道によるとAirbnbは出資額のいくらかを辞退しているため、8億5000万ドルは控えめな金額だという。 The Wall Street Jounalによると、Airbnbには受け取らなかった資金があり、Airbnbの評価額を340億ドルに押し上げる提案を辞退した。

また、WSJによると、 投資家は同時に2億ドルの株式を社員から買い戻す計画を立てているという。株式の買い戻し施策は、レイトステージの企業がプライベート企業でいるため、そして初期の社員に報酬を与える意味合いでよく行われれることだ。買い戻し施策は、ベンチャー投資家ではなく、社員のために行われることであって、通常、普通株にしか適用されない。

優先株を持つ株主からの圧力を回避するため、初期の投資家の株式を買い戻す必要がある。Sequoiaは2009年、Airbnbが61万5000ドルを調達したシードラウンドでリード投資家を務めた。PitchBookによるとSequoiaは投資を実施するにあたり、XIIファンドを使っている。その後Airbnbの投資もそのファンドから出資している。このファンドは2006年に設立されたものだ。

Airbnbは現在、地元、そして海外でも訴訟の最中だ。最近では、サンフランシスコ市がAirbnbに物件を掲載する前にホストの提出内容を認証することを求める法案に関して、Airbnbはサンフランシスコ市を訴えた

TechCrunchはAirbnbとこの調達に関わる企業に連絡を取っている。情報が入り次第記事を更新したい。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Airbnbが前アメリカ司法長官Eric Holderと差別禁止ポリシーの策定にあたる

NEW YORK, NY - MARCH 22:  Eric Holder attends Aretha Franklin's Birthday Celebration at Ritz Carlton Hotel on March 22, 2015 in New York City.  (Photo by Rob Kim/Getty Images)

こんな文章を書くことがあるとは思っていなかったが、前アメリカ司法長官のEric HolderがAirbnbに加わり、民泊プラットフォーム上の差別と戦おうとしている。

Airbnb CEOのBrian Cheskyは、今回の人事について本日(米国時間7月20日)のブログポストで発表し、そこには差別根絶に向けたその他の同社の取り組みについても記載されていた。Airbnbは、LGBT(編集部注:性的マイノリティを指す。Lesbian, Gay, Bisexual and Transgenderの略)や有色人種のゲストに対する差別を黙認していたことから最近やり玉にあげられている。ハーバード大学の調査によれば、黒人系の名前のゲストは宿泊予約をとれないことが多く、さらに黒人のホストは白人に比べて、プラットフォーム上で家を貸し出して受け取る収益が少ないことがわかった。LGBTのゲストも同様にAirbnb上での差別に直面しており、安心してサービスが利用できるよう、サイト上に「LGBTフレンドリー」のオプションを求める動きもある。

連邦議会黒人幹部会(The Congressional Black Caucus)は、先月Cheskyに対してこの問題に取り組むよう求めるとともに、なぜサイト上にここまで差別が蔓延しているのかと問い詰めた。Airbnbはきちんと耳を傾けているようで、Holderをアドバイザーとして迎える他にも、アメリカ自由人権協会(American Civil Liberties Union)元会員のLaura MurphyにAirbnbのバイアス解析を依頼した。発表自体は本日行われたが、HolderとMurphyは既にAirbnbでの仕事を開始している。

「私たちは、前アメリカ司法長官のEric Holderがチームに加わって、世界に通用する差別禁止ポリシー策定のサポートをすることに合意したことを大変誇りに思っています」とCheskyはブログポストにつづった。「Airbnbには既に差別を禁止するポリシーがありますが、それをもっと強固なものにしたいと考えています。今後は、私たちのプラットフォームを利用する全ての人が、差別禁止のポリシーを読んでそれに従うと認めなければならないようにします」(現在、ホストは登録前に差別禁止ポリシーを読む必要がなく、自分たちでポリシーを探さないと読むことができない)

Cheskyはさらに、これまでAirbnb上の差別への取り組みがあるべきスピードで行われていなかったことを認めた。「これまでは、この分野での取り組みに失敗してしまったと理解しています」とCheskyは述べ、なぜAirbnbの差別問題への取り組みが遅れてしまったかについて長らく考えていたと加えた。「プラットフォームをつくったときには、差別問題を十分に意識できていませんでした。利用者の方々と話をする中で、私たちの差別問題への取り組みに緊急性が時折欠けていたことが分かり、すぐに是正する必要があると思っています」

もちろんHolderは、多様性や差別禁止のイニシアティブに精通しており、これまで司法長官としての仕事のかたわら、数々の再建策を指揮してきている。過去には、司法省の差別申し立ての項目に性別認識を加える活動を行っていた。

「私は、Airbnbと共に世界的な差別禁止ポリシーの策定・実施を行うのを楽しみにしています」とHolderは声明の中で語った。「Airbnbは、誰であっても、どんな見た目をしていても、全ての人が所属できるようなコミュニティを創ることに献身的に取り組んでいます。多様性の受け入れにコミットしているAirbnbと同じ気持ちを持っている企業にとってモデルとなるようなポリシーを策定すべく、私は是非Airbnbをサポートしていきたいです」

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

アメリカの第三の政党「自由党」の大統領候補Johnson曰く、“あらゆるものをUber化する必要がある”

[筆者: Andrew Keen](著書(3冊): Cult of the Amateur, Digital Vertigo, The Internet Is Not The Answer。 Futurecastをプロデュース。本誌インタビューシリーズKeen Onのホスト。)

Hillary ClintonとDonald Trumpの、最終指名候補にしては前例のないほどの不人気を見ると、2016年がサードパーティ(third party, 第三の党)候補者の年になることもありそうだ。

彼のイデオロギーの是非はともかくとして、自由党(Libertarian Party)の候補Gary Johnsonこそが、シリコンバレー待望の、イノベーション積極支持派候補かもしれない。

Johnsonはこの記事のためのインタビューを担当したCALinnovatesのKish Rajanに向かって、“われわれはあらゆるものをUber化する必要がある”、と語った。

彼の信念では、共有経済こそが“未来のモデル”であり、抑止的に規制するのでなく、積極的に奨励すべきである。彼自身も、自分の不動産を貸し出そうとして問題に遭遇した。だからAirbnbを違法扱いする地方行政は“あまりにも近視眼的だ”、と彼は強調する。大統領候補としての公約に、“その規制を廃止する”を含める、と彼は言う。

政府による通信の監視や移民問題についても、Johnsonはやはりシリコンバレー寄りのようだ。彼の主張では、政府による個人データの大量収集は、無意味だった。また移民問題について彼は、歯に衣着せずにこう言う: “アメリカは移民の国だ”、だから、政府は上限を設けたりせずに、“移民を受け入れるべきだ”。

Gary Johnsonにとっては、壁というものがない。このラジカルなイノベーション支持メッセージに、今年果たして、どれだけの票が集まるだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ニューヨーク州上院、反Airbnb法案を通過

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ニューヨーク州上院は、Airbnbで住居全体の短期滞在(30日以内)レンタルを宣伝することを違法とする法案を通過させた。同法案は本日(米国時間6/17)、州下院議会から上院へ提出された。次の段階は、ニューヨーク州知事、アンドリュー・クオモ氏が署名するか拒否権を行使するかのいずれかだ。

法案は、ニューヨーク市の集合住宅法に違反する、短期滞在レンタルの広告をAirbnbに掲載することを違法とするもので、同法はアパートを購入して違法にホテル経営を行う家主を対象に2010年に発効した。もし法案が通れば、ニューヨークで30日以内の滞在をAirbnbに掲載した者は、最初の違反で1000ドル、3回目には最高7500ドルの罰金が科せられる。

「議会が、3万人のニューヨーカーを破産の危機に陥れる土壇場の取引きをホテル業界と行ったことは、残念ではあるが驚きではない」とAirbnbのニューヨーク公共ポリシー責任者、Josh MeltzerがTechCrunchへの声明で言った。「はっきりいって、これは何千ものニューヨーカーの支払いを困難にする悪しき法案だ。世界で何十もの政府が、ホームシェアリング(民泊)を規制する賢明な方法を示しており、ニューヨークもそれに倣って、中産階級を保護することを願っている」。

もしこの法案が法制化されれば、最大3万1000人のニューヨーク市民が立ち退きまたは差し押さえの危機に陥る、とAirbnbの調査結果が伝えている。法案はAirbnbのニューヨークでのビジネスにとっても痛手だ。なぜならニューヨークで掲載されている物件の半数以上は、家またはアパートの住居全体をレンタルしているからだ。2015年のAirbnb提供のデータによる。

それでもAirbnbはこの件について、IT業界からかなりの支持を受けているようで、著名なベンチャーキャピタリストのFred WilsonからInternet Associationまで、多くの人々がAirbnbに代わって声を上げている。

[NYの経済にとってITは重要な部分なのに、議会はそれを無視して、ひどい反テック法案を通した ― Fred Wilson]

[ITはニューヨーク経済の未来だ、それなのにNY議会はひどい反テック法案で台無しにしようとしている ― アシュトン・カッチャー]

[両方は無理。スタートアップハブを作って、現行法でスタートアップを禁止するなど無理だ ― Paul Graham]

もしあなたがニューヨークに住んでいて、法案に賛成または反対したければ、ここで行動を起こせる

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

民泊営業「年180日以下」が閣議決定、事業者に影響を聞いた

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政府の規制改革会議が6月2日、個人宅の空室を有料で貸し出す「民泊」について、営業日数の上限を「年間180日以下」とすることを条件に解禁する方針を閣議決定した。今後は所管省庁である厚生労働省と観光庁で営業日数の上限を確定し、2016年度中に法案を提出する。

法的にグレー、黒に近いグレーと言われつつも急速に普及する民泊。今回の閣議決定で個人宅の民泊が解禁される一方で、民泊事業者からは営業日数制限に反発の声が上がっている。どんな影響があるのか? まもなく民泊物件仲介を開始するスペースマーケットCEOの重松大輔氏に聞いた。

――民泊事業への影響は?

民泊事業の発展を阻害するものだと思っている。投資の回収が困難になることで参入事業者が減る可能性がある。営業日数を規制せずに、問題があれば上限を設定するアプローチを取ってほしかった。

――そのほかに問題点は?

住宅の提供者は通常、Airbnbをはじめ複数のサービスに登録して部屋を貸し出している。われわれ事業者としては、他のサービスを通じて貸し出した宿泊日数を把握するのは難しく、どこまで厳密に営業日数を管理できるか不透明な部分もある。

――スペースマーケットとしてはどう対応する?

法律が施行されれば、上限にのっとってサービスを提供する。弊社はスペースの一時貸しが本業なので、民泊施設を(宿泊させずに)会議やパーティーなどの用途で貸し出すことになるかもしれない。

――政府に対して何らかの行動を取る?

(重松氏が代表理事を務める)シェアリングエコノミー協会として意見をとりまとめ、反対意見を表明する予定だ。今までグレーな部分があった民泊が白になったのは大躍進ではあるが、やはり上限規制はよろしくない。

日本は旅館業法上、原則として宿泊業はホテルや旅館に限定されている。家主が不在にもかかわらず、不特定多数の人を対象に、継続的に宿泊費を徴収する場合、営業許可がなければ違法となる。

閣議決定では、住宅提供者や不動産業者がネットを通じて届け出をすれば、旅館業法上の許可なしで部屋を貸し出せるようにするとともに、宿泊者名簿の作成や衛生管理を義務付ける内容などを盛り込んだ。(2日に閣議決定した「規制改革実施計画」のPDF、民泊に関する記述は23〜24ページ)

日経新聞によれば、民泊の営業規制をめぐっては、シェアリングエコノミーを推進する新経済連盟の三木谷浩史代表理事も「過剰規制は不要だ」とコメント。その一方、ホテル・旅館業界からは「宿泊者の安全が担保されない」などと規制強化を求める声が上がっている。TechCrunch Japanが内閣府に確認したところによれば、営業日数の上限は年90日の英国、年60日のオランダなどの例を参考に調整を図るという。

「日本流ホームシェアリング」を目指しAirbnbとCCCが提携、店舗とオンラインでプロモーション開始

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本日、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)Airbnbは、日本でホームシェアリングの普及を目指し、パートナーシップ契約を締結したと発表した。日本を訪れる外国人観光客が急増し、宿泊先の確保として民泊に注目が集まっている。だが、日本でのAirbnbなどの認知率はまだ低く、実際に利用したことがある人もまだまだ少数だ。AirbnbはCCCと協力することで、CCCのカスタマーベースを通じてサービスの普及を目指したい考えだ。

TechCrunchの読者にはお馴染みのサービスかもしれないが、2008年8月に創業したAirbnbは、物件オーナーが所有する空部屋や空き物件をAirbnbに登録することで、他のユーザーに貸し出すことができるマーケットプレイスだ。Airbnbは現在、世界190カ国以上に広まり、登録件数は200万件に登る。2014年5月にはAirbnb Japanを設立し、日本市場への進出も果たした。

AirbnbのCPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)兼共同創設者のジョー・ゲビア氏は、「日本全国には3万5000件の部屋がAirbnbに登録されていて、日本はAirbnbの中でも急成長している市場の1つです」と説明する。「2015年、Airbnbは日本で500%成長しました。つまり、2015年には130万人以上がAirbnbを使って日本に宿泊したということです」。今回、CCCと組むことでAirbnbは日本市場でさらにホームシェアリングを広めたい考えだ。ゲビア氏はホームシェアリングを広めることによって、地方の地域活性や日本が抱える空室問題の解消に貢献していきたいと話す。

CCCはAirbnbと「日本流のホームシェアリング」を広めるために、マーケティング面で支援する。CCCは全国1400店舗以上の「TSUTAYA」を運営し、共通ポイントサービス「Tポイント」の会員数は5854万人(2016年4月末時点)に登る。そのリソースを活かした店舗でのプロモーションやマーケティング活動を行うという。具体的には本日から代官山 T-SITE、5月31日からはSHIBUYA TSUTAYAの店舗でのプロモーションを開始するという。

私も会見の後「代官山 T-SITE」を覗いてみたところ、屋外広告、そして店舗内に複数あるデジタルサイネージがAirbnbの紹介になっていた。旅行やライフスタイルを提案するAirbnbの書籍コーナーも特設されていた。店舗の外にはAirbnbの宿泊物件に見立てたバンがあり、サービスの紹介を行っていた。

代官山T-SITEでのAirbnbプロモーション

オンラインでは、AirbnbとCCCが共同制作したホームシェアリングを提案する特設サイト「Airbnbホストナビ」を本日より開設している。このサイトは、ホスト向けにAirbnbを紹介するためのサイトのようだ。Airbnbのサービス内容やホストとして自分の物件を登録する方法を紹介する他に、これまでAirbnbで自分の部屋にゲストを迎えたことのあるホストのインタビューストーリーなどを掲載している。まだ詳細は出ていないが、Airbnbに自分の部屋を登録したいと考えるホスト向け説明会も今後TSUTAYAの店舗で行う予定のようだ。

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会見でCCCの代表取締役社長兼CEOの増田宗昭氏はAirbnbについて「体験してみないとその本質が分かりづらいサービス」とし、それを伝えるにはテレビコマーシャルではなく、別のアプローチでマーケティングを行っていきたいと話していた。CCCは以前にも「湘南 T-SITE」をAirbnbの宿泊先として提供するなどAirbnbとのコラボ企画を行ってきたが、今回の提携ではさらに新しい価値を提供ができることに期待していると増田氏は話している。

Airbnb、15億ドルの巨額資金調達を正式に認める

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今年の6月、WSJはAirbnbが15億ドルという巨額の調達ラウンドを実施したことを報じた。今日(米国時間12/7)、同社はSEC(証券取引委員会)提出資料を通じて記事の内容を認めた。

興味のある人のために書いておくと、正確な調達額は14億9993万7904.00ドル。

今やAirbnbの評価額は250億ドルを超え、驚くほかはない。またAirbnbは、上場を考えるより前に海外事業の強化に焦点を当てているよkだ。

同社はここ米国内でも始終戦っている。各都市は彼らのやり方を止めようと試みている…効果はあまりでていないようだが。

これはAirbnb CEO Brian Cheskyが、昨年のDisruptで会社の生い立ちについて話しているビデオだ:

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ソフトウェアエンジニアにもっとも高い給与を払っているユニコーン企業上位20社を一覧

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【抄訳】
先週は全社員の年俸のメジアンがもっとも高いユニコーン20社をご紹介したが、今回はプログラマの報酬がもっとも多いユニコーン20社を調べよう。

CrunchBaseのUnicorn Leaderboardには153社*が載っていて、それらを求職サイトGlassdoorのデータで調べると、ソフトウェアエンジニアにもっとも高い給与を払っている20社が分かる。〔*: 最新(11/24現在)データでは156社。〕

この前の記事では、クラウドベースのビッグデータ企業Clouderaが、(全社員の年俸のメジアンが)もっとも高かった。今回、対象をソフトウェアエンジニア社員に限定すると、年俸のメジアンの最高額はDropboxの14万4573ドル、次位がJawboneの14万1224ドル、三位がClouderaの13万9217ドルだった。

*この記事はCrunchBaseのリストに載っているユニコーン企業のうち、Glassdoorの11月13日現在のデータで15名以上のソフトウェアエンジニアの給与情報のあるものを取り上げた。基本給年額は、正社員の年俸をUSドルで表した額である。

【以下抄訳(社名と金額のみ)】

  1. Dropbox基本給年額のメジアン$144,573
  2. Jawbone基本給年額のメジアン$141,224
  3. Cloudera給与のメジアン$139,217
  4. Medallia 基本給年額のメジアン$138,680
  5. ZScaler基本給年額のメジアン$133,071
  6. Airbnb基本給年額のメジアン$131,612
  7. Uber基本給年額のメジアン$130,000
  8. DocuSign基本給年額のメジアン$129,453
  9. AppDynamics基本給年額のメジアン$128,905
  10. Okta基本給年額のメジアン$127,931
  11. Spotify基本給年額のメジアン$127,695
  12. Tango基本給年額のメジアン$126,348
  13. Gilt Groupe基本給年額のメジアン$124,500
  14. Twilio基本給年額のメジアン$123,749
  15. Pinterest基本給年額のメジアン$121,920
  16. AppNexus基本給年額のメジアン$119,762
  17. Kabam基本給年額のメジアン$115,829
  18. Glassdoor基本給年額のメジアン$115,000 –
  19. Credit Karma基本給年額のメジアン$115,00
  20. ZocDoc基本給年額のメジアン$114,134

SquareとAtlassianもCrunchBaseのユニコーンリストに載っていたが、Squareはその後上場し、Atlassianも上場の計画を発表しているので除外した。どちらも、この記事のリスト(上表)で20位以内に入りうる高給企業だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

人が集まるためのスペースのレンタルマーケットプレースPeerSpaceが早くもシリーズAで$5Mを調達しニューヨーク進出を目指す

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一時的な集会の会場を貸し借りするマーケットプレースPeerSpaceが創業1年ちょっとでシリーズAに到達、Foundation Capitalが率いるラウンドで500万ドルを調達した。これまでの投資家Structure Capitalも、このラウンドに参加した。

同社のやり方はAirbnbに似ているが、目的は個人のB&Bではなくて、複数の人が集まるスペースだ。古くからある貸し会議室やカンファレンス会場などでなく、そこらに適当に空いてる場所のクリエイティブな利用を目指す。

協同ファウンダのRony Chammasは曰く、“ユーザたちは、仕事を離れたお楽しみ会などをつまらない古めかしい施設でやるなんてうんざり、と言うね”。でもユニークな集会スペースのレンタルマーケットは、早くもコンペティタが出現している。

たとえばモントリオールのBreatherも、イベントや集会のためのクリエイティブなスペースを貸し借りするプラットホームだ。イスラエルのSplacerも、同様のマーケットプレースとして急成長している。この二社は今のところニューヨークに展開している。

PeerSpaceは1年あまり前に150万ドルのシード資金と80万ドルの借金で創業し、このプラットホームを開発してきた。するとすぐに、LinkedInやInstacart、General Assemblyなどなどの先輩スタートアップたちが集会スペースを予約するようになり、今では計700万ドルの資金を調達するまでになった。

PeerSpaceは創業地のサンフランシスコとロサンゼルスが主な市場で、同社によると、前四半期は70%の成長、3四半期の前年比では1000%近い成長を見た。

Chammasともう一人の協同ファウンダMatt Bendettは、今回の資金を、これまでの勢いを維持し、サービスをニューヨークにも展開するために使う、と言っている。ニューヨークと言えば、前述のSplacerやBreatherともろに競合することになる。

最終的には合衆国の主要都市すべてでPeerSpaceを利用できるようにしたい、と彼らは言っている。実質的にはすでにシアトルでは、やってるそうだ。PeerSpaceの社員はまだいないが、スペースのレンタルを提供している企業数社とは契約している。

同社はCOOとして、SquareからRusty von Waldburgをスカウトし、ロジスティクスという企業経営の重要な側面をやってもらうことにした。このほか取締役会には、元AirbnbのCFO Andrew Swainと、前述FoundationのPaul Hollandを招聘している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Airbnbの安全対策に問題提起する、ある父親の死の物語

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ジャーナリストのZak Stoneは、テキサス州でAirbnbに宿泊している間に起きた父親の死について、興味深く、かつ示唆に富む記事を書いた。

Stoneによると、家族でサンクスギビングの休暇旅行に出かけた先で、彼の父は庭のブランコに乗った。するとブランコが結ばれていた木の幹が二つに折れ、「直後に脳機能が停止」し、搬送先の病院でStoneの父は最終的に生命維持装置を外され死亡した。

それは胸が張り裂けるような話であり、もしStoneの記事が、Airbibの家主を全面的に非難するものであっても、私には十分理解できる。しかし、彼はジャーナリストとしてこれに向き合い、会社は宿泊客の安全を守るためにもっと出来たのではないかという厳しい質問を投げかけ、問題の複雑さを受け入れた。

Stoneは、少なくとも他に1名、Airbnbレンタルで死んだ客がいることを知った ― カナダ人の旅行者で、滞在した台湾のアパートの一室は一酸化炭素で満たされていた。

Airbnbや他の「共有経済」会社に共通する弁解は、個々のサービス提供者の責任を彼らが負わないことだ ― そこはつながりを提供する市場であり、この場合は客とホストをつなぐ。しかし、Stoneはこう反論する。

もちろんプラットフォームは、中立的なテクノロジーの断片ではない。そこには市場の価値が組み込まれ、利益は最大に法的責任は最小になるよう戦略的にデザインされている。こうした曖昧性に乗じる企業は、消費者にリスクをもたらす。特に彼らが取り扱うのは人間の体験であり、自らがホストする法的に曖昧な活動に挑戦することで、プラットフォームの存在意義を訴えてきたNapsterやTumblr等が扱うような単なるデータや音声ではない。

Stoneはこうしたアプローチを、アパートよりずっと厳しい安全基準の下で運営されているホテルと対比する。また、Airbnbにとって宿側との関係は完全な受け身ではないことも指摘する ― 会社がプロの写真家を手配して、宿の紹介ページに魅力的な写真が載るようにしている。

「皮肉なことに、施設の写真を撮り宣伝するという平凡な仕事をうまくこなせないシロウト主人に、もてなしで最も大切な、宿泊客の安全と命を守ることが求められている」と彼は書いている。。

ともあれ、問題は他にもたくさんあるので、是非記事を読まれたい。私はAirbnbにコメントを求め、次の回答を得た。

このような事態が起きたことを知り、大きな衝撃を受け心を痛めている。その宿泊客とその家族のことは引き続き私たちの心に留められている。安全より大切なものはない。6000万人以上の宿泊客がAirbnbに滞在し、驚くほど事故が少ないことを誇りに思っている。あらゆる業界、あらゆるコミニティー、そしてあらゆる都市が安全問題に取り組み、完璧な実績を持つ者は誰もいないが、それがわれわれの目標であり、誰にとってもより安全なコミュニティーにするために、できる限りの努力を続けていく。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Summlyのファウンダ、ロンドンの天才少年Nick D’Aloisioが、Yahooを去って勉強に専念(それでもまだ19歳)

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AAEAAQAAAAAAAAIMAAAAJDY2YzYyMmJiLWE3NmItNGUzNy1hY2IxLTE2MTExMTQzMGRhZAYahooが買収したSummlyのファウンダ、当時天才少年と騒がれたNick D’Aloisioが同社を去り、オックスフォード大学で哲学とコンピュータ科学の学業に専念することになった。LinkedInのプロフィールによると、彼はこの夏、‘社員起業家’としてAirbnbで仕事をしている。

複数の情報筋によると、D’Aloisioは勉強が一段落したら次のスタートアップに取り組むそうだ。

Yahooは2013年に、噂では3000万ドルとされる額でSummlyを買収した。当時17歳でもうすぐ20歳になるD’Aloisioは、YahooでSummlyの延長線上にあるようなアプリNews Digestを作り、昨年6月にAppleデザイン賞を受賞した。

YahooのスポークスパーソンはD’Aloisioの現状について、こう語った: “Nickは勉強に時間を割きたい意向だ。Yahooとの関係は今後も継続する”。

D’Aloisioは今年の年頭に、このことをほのめかしていたが、Yahooとの“関係”はその後かなり変わった。しかし両者のあいだにコミュニケーションの断絶はないらしいから、上記の“継続”はそれを指しているのかもしれない。

最近の数週間でYahooから役員が脱(ぬ)ける動きがいくつかあった。たとえばM&A担当のJackie Resesだ。同社は最近2015Q3の決算報告を発表したが、株価は35ドル前後を上下している。
 
 
 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Airbnb、この夏に1700万人を泊める

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右肩上がりを続けるAirbnb。この夏、世界で1700万人近い人々がこのピアツーピア宿泊プラットフォームを利用した。最新のトラベルレポートによる。

それは過去5年間になんと353倍の急増だ ― そしてAirbnbが2008年夏の正式開業前に泊めた客3人からは想像もつかない。当時Airbnbのファウンダー、Brian CheskyとJoe Gebbiaは、家賃を払うために自分たちの住むアパートの一室を、床に敷いたエアマットに朝食を付けて一泊80ドルで貸し出す広告を載せたウェブサイトを作っただけだった。男2人と女1人の計3人が試すことになり、Airbibは生まれた。

早送りして2年後、当時としてはずいぶん多くの予約があったように見えたに違いない ― 2010年夏にこのサイトを使って宿泊場所を見つけた人は4万7000人だった。

Airbnbによると、これまでに世界で5000万人以上の人々が、あの3人のはじめの一歩を追いかけてきた ― 今年だけで3000万人がAirbnbで宿泊を予約し、その1/3以上(1700万人)がこの夏だった。

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客は150ヵ国、5万7000以上の都市からやってきて、この季節にちょっと変わった宿泊施設で夜を過ごした ― 中にはツリーハウス、パオ、城、そしてニカラグアのプライベートアイランドもあった。昨年宿泊した客の半数以上が女性で(女性54%、男性46%)、旅行者の平均年齢は35歳だったとレポートは伝えている。

夏季旅行者の大半は自分の大陸内に滞在した。人気上位の経路3つは、パリからリスボンへ、ニューヨークからキャッツキルとハドソン渓谷へ、およびソウルから大阪へだった。

Airbnbは、同サイトを通じて中流階級家庭が副収入を得るのを助けていることも報告している。元ホワイトハウス経済顧問Gene Sperlingが実施した以前の調査によると、宿泊提供者の大半が労働階級家庭で、自らの居住場所を年間約66日間貸し出していた。同調査によると、平均的提供者の稼ぎは約7350ドルで、手持ちのスペースを一時的に貸し出すことで年収を14%増加させた。

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それはAirbnbにとって、膨大な成長を遂げたすさまじい一夏であり、グラフはVCが喜ぶ右肩上がりのホッテースティックだ。Cheskyはこのグラフをさらに高くしたいと思っている。今春彼は、Airbnbで一晩に100万人以上の宿泊を可能にする計画を発表した。会社は6月に15億ドルの巨額を調達してその実現を後押しした。

一夏で1700万泊は、一晩で100万泊にはまだ遠いが、一部のVCが大して役に立たないだろうと思っていたプラットフォームは、間違いなく目標に向かって走っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Airbnb、評価額200億ドルの大型調達ラウンドを準備中


Airbnbは、旅行者が通常のホテル代わりに個人の部屋や家全体を予約できるサービスだ。同社は新たな資金獲得の準備中だ。Airbnbは、評価額200億ドルとなる新たな資金調達ラウンドの手続きを進めていることが、本件に詳しい情報筋からわかった。

同社は10億ドルに近い金額(約半分は有担保)を調達するプロセスにあると見られている。本誌の調べによると、Airbnbはアジアの投資家および大手未公開株式投資グループからの接触を受けている。正確な名前は確認できていないが、候補の一つはFidelityだ。これまで同社に出資した投資家は、TPB、T.Rowe Price、Dragoneer、Founders Fund、Sequoia、DST等。

Airbnbは、2008年に設立されサンフランシスコを拠点としてこの数年間飛躍的成長を遂げている

同社は、発展しつつある〈共有経済〉の先駆者の一人であり、そのビジネスは一般消費者が自身のリソース ― ここでは自宅の部屋または家全体 ― を広く市場で活用するというアイデアに基づいている。このマーケットプレイスを支えているのがAirbnbのテクノロジーで、貸し手が部屋を登録するのも、借り手が部屋を探して予約、支払いするのも非常に早く簡単にできる。

現在Airbnbは190ヵ国3万4000都市に進出している。登録済施設は100万件を越え、これまでに累計3000万泊の利用があった。

Airbnbは最近拡大のペースを早めている。昨年のConcurとの契約は、法人旅行ビジネス参入の証であり、先週にはDeutsche Telekomとの提携も発表した。

法人市場では高いマージンが期待され、通信キャリアとの提携は特にモバイルユーザーの本格的取り込みを後押しするものだ。これは、Airbnbがキャリアと提携して、大量のAndroid端末にアプリをプレインストールする初の試みとなる。

しかし、急成長の影に不安もある。Uberと同じく、Airbnbは彼らが破壊しようとしているビジネス ― ここではホテル業界 ― からの激しい反発にあっている。規制当局は個人が部屋を貸し出すことの合法性および、適切に課税されているかどうかを疑問視している。一部地域、例えば地元サンフランシスコでは解決しているが、ニューヨーク等では、依然として激しい戦いが続いている

Airbnb経由の宿泊時における、施設の損傷に関しても議論や懸念が少なくない。ここでも同社は問題解決に取り組んでいる。昨年11月、Airbnbは貸し手に向けて100万ドルの損害賠償保険プログラムを開始した。

これまでにAirbnbは、8億ドル近い資金を調達したことを公表しているが、共有経済巨人の同志、Uberと同じく、その急成長は多くの投資家をAirbnbに呼び寄せている。2014年4月、AirbnbはTPGのリードで、評価額100億ドルで4.5億ドルの資金を調達した。10月には評価額130億ドルの2次ラウンドで5000万ドルを調達した(当時WSJが報道し、後に本誌が確認した)。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Airbnb、サンフランシスコの宿泊客から短期滞在税を徴収へ

Airbnbは今日(米国時間9/17)、サンフランシスコでの宿泊に対して、14%のホテル滞在税の徴収を近く開始すると発表した。Airbnbの公式ポリシー地域責任者、David Owenは公式ブログに、新ルールは10月1日以降同市で発生する宿泊に適用されると書いている。

同税の導入は、Airbnbによる世界中の都市の地方当局や自治体に対する、同社のピアツーピア宿泊マーケットプレイス合法化に向けた取り組みの一環だ。これまでも、サンフランシスコ、ポートランド、パリ、ベルリン、ニューヨーク等の自治体と協力して、公共の安全や、Airbnbのホストによる違法なホテル業運営等に関わる懸念を緩和してきた。

議論が頂点に達したのはニューヨークで、結局Airbnbは、マルチリスティングを運用していたホストに関わるユーザーデータを巡る、州検事総長との法廷闘争に敗れた。Airbnbは、召換を受けた際いわゆる「常習犯」を登録から除外し、検事総長による捜査を可能にするためにユーザーデータを提出した。

サンフランシスコでの論争はそこまで深刻ではなく、実際David Chiu行政官は、同市におけるAirbnbを利用した短期滞在を合法化するための法案を推進している。同法案には、アパートの部屋を誰がいつまで貸し出せるかに関して考慮すべき点がいくつかあるが、少なくとも、Airbnbの地元で起きている問題を解決するものだ。

法制化の鍵になるのが、一時滞在税の導入であり、Airbnbはサンフランシスコだけでなく、将来これを導入するであろう他の都市においても協力していくことになるだろう。

Airbnbによると、税は同社が徴収して宿泊客やホストに代って市に納税するので、新たな書類や納税申告を各自が行う必要はない。同時に、この税は価格体系とAirbnbで宿泊することの魅力を根本的に変えるかもしれない ― つまるところ、多くの都市でAirbnbは同等のホテルより価格が安く、需要ピーク時には特に差が大きい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Airbnb、延べ宿泊数1000万回を突破、全世界で55万ヵ所の宿泊施設が登録

ホッケースティック型成長とはこのことだ。ピアツーピア宿泊マーケットプレイス、Airbnbは、2007年の開業以来、延べ宿泊数1000万回を突破したことを今日(米国時間12/19)発表した。確かにこれは大きい数字だが、もっと大きいのは、同社が2013年だけで600万件の宿泊を手配したことだ。これは前年の2倍以上だ。

もちろんこれは、Airbnbが10月に発表したデータから、予想されていた。当時は900万宿泊を誇っていたので、あれから2ヵ月だけで100万回増えたことになる。

同サービスの利用者層は国際化傾向を続けている。過去1年間600万宿泊のうち、約1/3がアメリカ人だった。同社によると、かつては75%が国際的要素を含んでいた ― 外国人の米国内宿泊、米国人の海外宿泊、非米国人の非米国施設宿泊 ― というから驚きくことではない。

しかし、宿泊客と施設側の国際分布には、一種興味深い対称性が見られる。Airbnbによると、過去1年間に175ヵ国以上からの旅行者が同サービスを利用し、175ヵ国以上の宿に泊っている。

Airbnbの需要は実に素晴らしいが、登録宿泊施設の供給も2013年に劇的な成長をみせた。1年間で25万以上の施設が同プラットフォームに追加され、総登録数は全世界で55万ヵ所に上る。

Airbnbは先月だけで5万ヵ所以上の施設を追加したが、これは同社が新たなモバイルアプリを提供して、自宅をAirbnbに登録する手続きをしやすくしたためだ。

Airbnbのビッグイヤーは、昨年秋にFounder’s Fundから2億ドル調達したのが始まりだった。同社はこの資金を使って全世界に積極的拡大を行っているが、どうやら功を奏しているようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


FlatClubは一流大学の学生専用Airbnb―事業拡張のために150万ドルを調達

昨年、イギリスとアメリカの一流大学の学生と同窓生専用のAirbnb、FlatClubローンチした。対象となる大学はコロンビア・ビジネス・スクール、キングズ・カレッジ、INSEADなど。

このほど、FlatClubは150万ドルのエンジェル資金をColler CapitalのJeremy Coller、ロンドン・ビジネス・スクールのEli Talmor、BrandJourneyのDavid Wolfe、InterCapitalなどから調達した。

FlatClubは6-15%の手数料を宿泊者から徴収する。ホストには一切負担はない。平均滞在日数は1ヶ月近くになるという。Airbnbは平均数泊であるのとは大きく異る。FlatClubは当初ロンドンでスタートしたが、現在、登録ユーザー(ユーザーになるためにはリストに含まれる大学のメール・アドレスを持っている必要がある)は5万人で、宿泊設備は主に卒業生から提供されている。参加が認められる大学は、ロンドン・ビジネス・スクール、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス、キングズ・カレッジ、ユニバーシティー・カレッジ・オブ・ロンドン(UCL)、ニューヨーク大学など世界で50校に上る。

FlatClubのホストは部屋提供の広告を表示する相手を、母校の卒業生のみというように選択できる。これによって信頼感が増す。部屋を見知らぬ相手に貸す場合、何よりも信頼感が重要だ。UCLの調査によれば、AirBnBのような仕組みの場合、「部屋を提供してもいい」と考える人の割合は平均10%だが、FlatClubモデルの場合は20%と倍増するという。

最大のユーザーグループはロンドン・ビジネス・スクール・クラブでメンバーは2000人にもなる(在学生、同窓生の合計の10%にあたる)。FlatClubによれば昨年、このコミュニティー内だけで25万ドルの宿泊費が支払われたという。

FlatClubはロンドン・ビジネス・スクールの卒業生、Nitzan YudanとTomer Kalishによって創立された。今回調達された資金で、向こう1年の間に、提供できる物件の数を現在の1万から3万位に増加させる計画だ。またアメリカとヨーロッパ大陸への進出を加速するために新たなネットワーク・テクノロジーも導入される。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ジョークか本気か?―AirBnBとデートサイトの混合で部屋とベッドをシェアするLoveRoom登場

まるきり見知らぬ他人を家に泊めるだけでもけっこうスリルがあると思うが、それでも刺激が足りない向きにAirbnbとデートサイトをミックスしたような、その名もLoveRoomというサービスが登場した(といっても現在はランディングページだけだ)。

噂によると、このスタートアップは最初は冗談半分で始まったらしい。ところがメディアの注目を大いに集めることになったのでファウンダーのJosh Bocanegraは本当にサービス開発することにしたという。

Forbesによると、誰か有能なプログラマーが見つかれば来年のバレンタインデーまでにベータ版を公開したいそうだ。

で、どんなサービスになるのか?

Mediumの記事によると、LoveRoomは「魅力的な人」と部屋だかベッドだかを 共有するのを助けるのだという。

メディアの大騒ぎのわりには実際のユーザー数はあまり期待できそうにない。Fast Companyによると、ベータ版のローンチに向けて予約登録したユーザーは50人ほどだそうだ。また予約者の90%は男性だという(プロフィール写真を要求したらその率はもっと高くなるだろう)。

さて、見知らぬ相手とベッドを共にする危険性だが、LoveRoomはゲストについてFacebookなどで調査する、友人に一緒に泊まってもらうなどの対策を勧めている。

私としては「Law & Order―性犯罪特捜班」にLoveRoomをベースにしたエピソードが近々登場するのではないかと楽しみなのだが。

読者はどうお考えだろうか?

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


「愛されよう、100人にだけでもいいから」–Airbnbのたった1つの海外戦略

Airbnbで北欧・アジア太平洋地域のマネージング・ディレクターを務めるOle Ruch氏

11月11日、12日に開かれたイベント「TechCrunch Tokyo 2013」のゲストの中でも最も急成長を遂げたのが、家の空き部屋を提供する人と、宿泊場所を探す人をマッチングするサービス「Airbnb」だ。

2008年に創業者が自分のアパートに人を泊めたことから始まったAirbnbは、現在までに全世界で累計900万人のゲストを宿泊させ、各都市に多くの利益をもたらした。

そんな成長企業で北欧およびアジア太平洋地域のマネージング・ディレクターを務めるOle Ruch氏が、Airbnbがどのようにして世界で使われるサービスになったかを語った。

「Airbnbはもともと非常にシンプルな形で始まった」とOle氏は言う。サンフランシスコに一緒に住んでいたジョーとブライアンという共同創業者が、家賃の支払いに困って、自分たちの家の一角を旅行者に貸し出したのがきっかけだった。

たまたまサンフランシスコで大規模カンファレンスが開催されていたため、周囲のホテルはすべて満室。彼らはエアーマットレスを買い込み、宿泊者を募集するサイト「エアーベッドアンドブレックファスト」を立ち上げた。

ユタ州から来た3児の父親、女性デザイナー、インドの大学院の学生という3人が最初の宿泊客だったそうだ。「この3人の宿泊者が、それまでの“人の家に泊まるという概念”を変え、創業者の考え方を変えた」とOle氏は語る。

創業者たちはこの3人をサンフランシスコのさまざまな場所に案内し、お気に入りのカフェに招待し、そして1000ドルの収入を得た。最後に宿泊客から「このようなサービスを他の都市でも使えるようにしてほしい」と請われた。それがAirbnbの始まりとなった。いまではアパートに1晩泊まるのはもちろん、お城に1週間でも、別荘に1カ月でもあらゆる条件の施設がAirbnbで予約できるという。

「これは非常にグローバルなコミュニティです。我々の信念とは、“最善の旅行体験は、ローカルな人と一緒に滞在すること”というものです。そのホストが街を案内し、どこに行くべきか、何をすべきかを教えてくれます。このAirbnbのようなシェアリングエコノミーが、この世界を転換しようとしています。どのように資産を持ち、そして消費をするのかという考え方が変わってきているのです」(Ole氏)

Airbnbは最初の宿泊客を迎えてからわずか1年後の2009年には、米国のほとんどの主要都市で知られるようになった。世界中から米国に集まってくる旅行者がAirbnbを利用し、また地元に戻った時に口コミで広げた。噂を聞いた旅行者が同じようにAirbnbで新しい旅行体験をするというサイクルがまわっていたという。

旅行者としてAirbnbを使うだけでなく、自分でホストになりたいと考える人も世界中に広がっていった。Ole氏はこう説明する。「たとえばニューヨークのホストがお気に入りのバーや公園、カフェなんかに案内してくれたとする。ゲストはそこで素晴らしい体験をし、そして旅行から帰った後、地元の街で自分たちのコミュニティを形成し始めたのです」。

このようにしてゲストとホストは急拡大。2012年には世界中に50万件もの登録物件を抱え、そして3万5000都市、192カ国で使われる国際的なサービスに成長した。Airbnbで予約可能な城の数はなんと500に上り、ボートといった変わった物件も登録されているという。

Airbnbで宿泊した累計ゲスト数は2011年1月には400万人だったが、2013年にはさらに400万人が増えた。そして現在では900万人に到達している。Ole氏は、「こうした膨大な数のホストとゲストは、そのコミュニティ自体に大きな影響を与えることになる」と述べる。

Airbnbで宿泊した累計ゲスト数の推移

「Airbnbの宿泊施設は都市の中に広く分散しています。そこで我々が調べたところ、Airbnbの利用者は滞在地域の中で消費をすることがわかった。近所でパンを買ったり、夜は近くのバーに行ったりする。これはローカルコミュニティとビジネスにとって非常に重要です。パリでは2013年は2億4000万ドルの経済活動に貢献した。シドニーでも2013年だけで2億ドル近くの貢献を行っています」(Ole氏)

一般人であるホストたちも恩恵を受けている。シドニーの場合、ホストは2013年に平均して4500オーストラリアドル(日本円で約42万円)の収入を得ることができたという。こうして収入を得て、自分たちの住宅ローンを払ったり、あるいは自分たちの事業を始める人もいるそうだ。

「でも最も重要なのは、そこで構築される関係だ」とOle氏は強調する。一緒に食事をし、時間を過ごし、宿泊することでもたらされる人間関係こそ財産であると言う。

Ole氏の初めてのAirbnb経験はコペンハーゲンでの出張の時だった。Airbnbで見つけたホストに対し、コペンハーゲンに出張で行くので止まらせてほしいとメールしたところ、ホストの5歳と7歳の子どもたちと一緒に過ごすことを条件に予約が取れたという。

「ある日、仕事から戻って、一緒に食事をしていると、子どもたちにいろいろな質問をされた。どんな仕事をしているのか、どこから来たのか、次はどこに行くのかと。私の話をしたら彼らは非常に喜びました」(Ole氏)

Ole氏は夕食の後、ホストである母親からお礼を言われたそうだ。そしてなぜAirbnbでホストをしているのか尋ねた。

彼女の答えはこうだった。「私は子供がいるのでもう旅行することができない。でも母親として子どもたちが異なる文化に触れる機会を作りたい。Airbnbによってゲストが世界中から家に訪ねてきてくれる。たとえば先週は香港からゲストがきた。来週はイタリアから人が来る。5歳と7歳の子どもにとっては世界中の人達と一緒にストーリーを共有できる素晴らしい体験になるんです」。

Airbnbが米国外から世界に展開しつつあった2011年頃、初めて競合他社が現れた。そこで彼らがとった戦略はアンバサダーマーケティング。つまり“伝道師”になることだった。

「競合他社の存在は不思議な感覚だった。我々はできるだけ最高の経験を子どもたちにも提供したいと考えていたが、競合はお金を儲けたいという意思だったようだ。だから我々はそこで長期的な戦略を選んだ。お金が目的の“傭兵”になるのではなく、“伝道師”になろうと考えた。やはり長期的には伝道師の方が勝つ」とOle氏は当時の選択を振り返る。

ゲストとホストを結びつけるためのサイトを提供し続け、旅行者と子どもたちに最高の体験を提供し続けることに集中したという。創業者が当時話していた言葉をOle氏が紹介した。

「何百万もの人にちょっと好かれるよりも、100人に本当に愛されよう」。

これがAirbnbのやり方だった。「その100人の心が掴めれば、彼らがアンバサダーになって、Airbnbの代弁をしてくれるわけです。だから我々の国際的な拡張戦略というのは、『すべての都市でAirbnbを大好きになってくれる人を見つけようということ』だけでした。これはかなり汎用なソリューションだと思う」とOle氏は語る。

日本でも伝道師として愛される存在になろうとしている。日本進出にあたってはさらに「ホスト保証」として8000万円を準備した。これはホストの自宅に何か起き場合、Airbnbが保証するというものだ。

「日本には素晴らしいチームもいる。彼らは本当にユーザーと実際に対面して、Airbnbを愛してくれる人を100人見つけようとしている。Airbnbはまだ日本で始まったばかり。とてもワクワクしている。日本の方々もグローバルな旅行の体験を得られると思う」(Ole氏)