TableauのCEOアダム・セリプスキー氏がAWSの経営者として論理的な選択だった理由

AWSのCEOであるAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏が米国時間3月23日、Tableau(タブロー)のCEOであるAdam Selipsky(アダム・セリプスキー)氏がAWSのトップとして復帰することを社員へのメールで発表したとき、それはおそらく多くの人が考えた選択肢ではなかっただろう。しかし、この2、3日の間に話を聞いた業界ウォッチャーにとっては、考えてみれば完全に納得のいく動きだった。

Gartner(ガートナー)のアナリストであるEd Anderson(エド・アンダーソン)氏は、ジャシー氏にとって組織カルチャーとの相性は見逃せない適性だったのだろう、と語る。セリプスキー氏は11年間、この部門の構築に貢献した。彼はジャシー氏がよく知る人物であり、10年以上一緒に仕事をしてきた仲間だ。彼なら新しい役割に難なくステップアップして、収益性の高い事業を構築し続けることを任せられるだろう、とも。

関連記事:Tableauのアダム・セリプスキー氏が古巣AWSに戻りAmazonの新CEOジャシー氏に代わりに同社を率いる

アンダーソン氏は、AWSが160億ドル(約1兆7500億)のランレートで1年を締めくくった2016年にセリプスキー氏が去った後、AWSの事業規模と範囲は大きく変化したかもしれないが、組織の文化的ダイナミクスはそれほど変わっていないという。

「この役割で成功するには、AWSの将来の成長に対するビジョンに加えて、Amazon(アマゾン) / AWSの文化を深く理解することが必要です。アダム(・セリプスキー)は、以前AWSにいたことから、すでにAWSの文化を知っています。確かに、彼が辞めた時にはAWSは今より小規模なビジネスでしたが、基本的な構造や戦略は整っていましたし、文化も当時から目立って進化したわけではありません」とアンダーソン氏は筆者に話してくれた。

Madrona Venture GroupのマネージングディレクターであるMatt McIlwain(マット・マキルウェイン)氏は、セリプスキー氏がAWSを離れた後に得た経験は、戻ってきたときに貴重なものになるだろう、と述べている。

「アダム(・セリプスキー)は、Tableauをデスクトップ型のライセンスソフトウェア企業から、クラウド型のサブスクリプションソフトウェア企業へと変革し、成功させました。彼は営業・マーケティングのリーダーとして、スタートアップの顧客から突破してAWSをパブリッククラウドの主要なエンタープライズソリューションに成長させるのに貢献した人物です。その文化にリーダーとして戻ってくるわけです」と同氏は語った。

Constellation ResearchのアナリストであるHolger Mueller(ホルガー・ミューラー)氏は、セリプスキー氏のビジネス経験が他の候補者よりも有利に働いたという。「(内部候補である)Matt Garman(マット・ガーマン)氏やPeter DeSantis(ピーター・デサンティス)氏よりも、彼のビジネス感覚が勝っていた。また、Salesforceがどのように機能しているかについての見識も役に立ち、評価されているかもしれません」とミューラー氏は指摘している。

Tableauとそれを2019年に157億ドル(約1兆7000億円)で買収したSalesforceから離れることについて、CRM Essentialsの創設者兼主席アナリストであるBrent Leary(ブレント・リアリー)氏は、このように買収された企業のCEOが他のことをするために離れるのは時間の問題だったと考えている。実際、それがもっと早く起こらなかったことに驚いているという。

「Salesforceは数々の有名企業を買収してきたことで一流のCEOを次々と集めていますが、その全員が永遠に残るとは考えられません。また、アダム・セリプスキー氏がTableauのCEOになる前にAWSに在籍していたことを考えると、今回の動きは非常に理にかなっています。Amazonは仲間の1人を呼び戻すことができ、しかも彼は自らの力で大成功を収めたCEOでもあるのですから」とリアリー氏は語った。

セリプスキー氏は良い選択だというのが共通の意見だが、彼はこれから重責を担うことになる。AWS事業部は現在、500億ドル(約5兆5000億円)を超えるランレートで大企業のような成長を続けている。そのような実績を引き継ぎ、ジャシー氏も近くで見守る中、セリプスキー氏は部署が今まで通り回っていくよう仕事を任せながら、独自のポジションも確立していかねばならない。

それが何であれ、変化というものは不安を呼び起こす。顧客や社員に安心感を与え、未来を切り開いていけるかどうかは、彼にかかっている。ミッションは同じ、新しいボスだと。

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(文:Ron Miller、翻訳:Aya Nakazato)

Tableauのアダム・セリプスキー氏が古巣AWSに戻りAmazonの新CEOジャシー氏に代わりに同社を率いる

2021年2月、Amazon(アマゾン)がJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が取締役会長になり、AWSのCEOであるAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏がAmazonの経営全体を統轄すると発表した際、ジャシー氏の後任をめぐる憶測が始まった。

そこで挙がってきた有力な内部候補は、AWSのグローバルインフラストラクチャ担当副社長であるPeter DeSantis(ピーター・デサンティス)氏や、営業とマーケティング担当副社長であるMatt Garman(マット・ガーマン)氏らだった。外部候補はあまり話題にもならず、TableauのCEOであるAdam Selipsky(アダム・セリプスキー)氏を挙げた人は多くない。ところがなんとセリプスキー氏が、2016年に去った古巣にトップとして戻ってくるのだ。

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ジャシー氏は1秒の時間も無駄にせず社員宛にメールを送り、彼がセリプスキー氏を選んだことを告げ、元社員であるセリプスキー氏が2005年に雇用されたときに、AWSの立ち上げを手伝ったことを述べた。彼はその後の11年間、ジャシー氏を助けて事業の構築に献身し、その後Tableauの仕事を引き受けた。このようにみると、その選択は完全に合理的なものだ。

「アダム(・セリプスキー)は、極めて強力なAWSのリーダーシップチームに、強力な判断と揺るぎなき顧客重視、チームビルディング、需要の生成そしてCEO体験を持ち込む。しかも、過去11年間、AWSでそのような上級職を務めてきた彼は、私たちの企業文化と事業をよく知っている」とジャシー氏はメールで述べている。

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ジャシー氏はAWSを初期から統轄し、ストレージとウェブサービスを動かす社内実験のようだったささやかな始まりを、現在の年商が510億ドル(約5兆5471億円)の巨大な事業部に育て上げた。セリプスキー氏がこれから統轄するのはそんな怪物だが、彼はその仕事に適しているようだ。

セリプスキー氏はベテラン経営者であり、これから巨大化していくというタイミングでAWSを去ったが、その文化を熟知しており、十分スムーズにその役割に踏み込めるだろう。同時に彼はTableauを去るが、彼は一介のデスクトップソフトウェア企業を堅固なクラウド企業に一変させている。

2019年6月、Salesforceは157億ドル(約1兆7078億円)という結構な価格でTableauを買収した。セリプスキー氏はトップの座に残ったが、AWSを経営するという魅力には勝てず、新しい職務に跳び移ることを決めたのだろう。

2020年の終わりにTechCrunchがSalesforceの豊富な役員人材について書いたとき、取り上げたCEOの1人がセリプスキー氏で、SalesforceのCEOで会長のMarc Benioff(マーク・ベニオフ)が下りたときに打席に立つのは彼しかいない、と指摘している。しかしながら、もっとありそうなベニオフ氏の後任はCOOのBret Taylor(ブレット・テイラー)氏のようで、セリプスキー氏は別のチャレンジに備えていたのだろう。

セリプスキー氏のAWSへの帰還は公式には5月17日になる。それから数週間の移行期間をジャシー氏とともに過ごし、その後、AWSのハンドルを1人で握る。ジャシー氏はAmazon本体のCEOになるため、2人の緊密な協働関係が続くことは明らかだ。かつて10年以上そうだったように。

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

AWSがML学習用カーレースDeepRacer Leagueの敷居を下げて新人を歓迎

AWSは2018年に、デベロッパーに機械学習を楽しく教える方法としてDeepRacer Leagueを立ち上げ、その後さまざまなアップデートを重ねてきた。米国時間3月1日、同社はOpenとProという2つの部門がある2021年の新しいリーグシーズンを発表した。

Marcia Villalba(マルシア・ビラルバ)氏が書いているこの新しいリーグを発表するブログの記事によると「AWS DeepRacerは1/18スケールの自動運転レースカーで、AWSのDeepRacerコンソールでバーチャルにレースをしたり、あるいはAWS自身や顧客のイベントでトラックを実際に走ったりして、強化学習のモデルをテストする。AWS DeepRacerはスキルレベルの高低に関わりなく楽しめるし、機械学習の経験のない人でもよい。AWS DeepRacerを利用して強化学習を勉強するときはAWS DeepRacer Leagueに加わり、競走を楽しみながら機械学習を体験する」。

同社は最初、1/18サイズの実際のクルマを人が操縦するレースを構想していたが、パンデミックのおかげで2020年はバーチャルなイベントになった。しかし、その新しいかたちは新人の参入を難しくしたようだ。目標は人びとに機械学習を教えることであるため、新人が気軽に参加できることが同社にとっても重要ではないか。

そこで同社が開発したのがオープンなリーグ、Open Leagueだ。その名のとおり誰に対してもオープンで、このリーグでは自分のスキルを試せるし、上位10%入賞の常連になったらPro Leagueで競走できる。賞もあるし、クルマをカスタマイズすることもできる。

各月のPro Leagueで16位以内になった人は、AWS re:Invent 2021で行われる決勝に出場できる。決勝もバーチャルになるかどうか、それはパンデミックからの回復次第だ。

関連記事:AWSが開発者向けの機械学習キーボード 「DeepComposer」 を発表

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

KDDIが5Gネットワークで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」を大阪でも提供

KDDIが5Gネットワークで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」を大阪でも提供

KDDIは、5Gで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」の提供を大阪でも開始しました。

「AWS Wavelength」は、au 5Gネットワーク内にAWSのコンピューティングサービスとストレージサービスを配置しデータを処理することで、4Gと比べて遅延が半分以下となり、5Gの特性である超低遅延を実現するものです。

5Gの低遅延化では、サーバーをユーザー側に近いネットワークのエッジに配置することで、遅延を抑えリアルタイム性の高いクラウドサービスを実現するMEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)が重要な要素となっており、「AWS Wavelength」もそうしたMECの1つとなります。

KDDIは12月に東京で「AWS Wavelength」の提供を開始しており、大阪での提供開始はそれに続くものです。「AWS Wavelength」の大阪における、低遅延接続は大阪府の5Gエリアで利用できます。

Engadget日本版より転載)

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クラウドインフラ市場は2020年に13.6兆円に成長、リッチな企業はますますリッチに

2020年のクラウドインフラ市場は社会を反映した。世界で最もリッチな企業はますますリッチになり、マーケット最下層の企業はますます落ち込んだ。Synergy Research Groupのデータによると、クラウドインフラ市場は2019年の970億ドル(約10兆2400億円)から2020年は1290億ドル(約13兆6100億円)に成長した。

Synergyはまた、クラウドインフラ市場が第4四半期に370億ドル(約3兆9000円)に達し、第3四半期の330億ドル(約3兆4800億円)からアップし、前年同期比でも35%増だったと指摘した。

過去9カ月、筆者はあらゆる創業者たちからパンデミックがデジタルトランスフォーメーションを加速させており、その大部分はクラウドへのシフト促進だと耳にした。こうした数字は創業者たちの言葉を裏づけているようだ。

いつものように、ビッグ3はAmazon(アマゾン)、Microsoft(マイクロソフト)、Google(グーグル)だ。Alibaba(アリババ)が第4位に定着し、IBMは5位に後退した。しかしMicrosoftはライバルのAmazonよりも急成長していて、2020年末に初めてマーケットシェアが20%に達した。レドモンド拠点のソフトウェア大企業Microsoftのマーケットシェアは2017年から倍になったことを心に留めておいてほしい。これは驚くべき成長スピードだ。一方でGoogleとAlibabaのシェアはそれぞれ9%と6%だった。

画像クレジット:Synergy Research

Amazonはその点で興味深く、Synergyのデータでは4年連続でマーケットシェア33%前後で横ばいを維持しているが、急速に成長しているマーケットにおける3分の1であり、これはこの部門の拡大にともなって同社もパブリッククラウドの売上高を成長させ続けていることを意味する。

AmazonはAWSの第4四半期売上高127億4000万ドル(約1兆3400億円)で2020年を締めくくった。これは前期の116億ドル(約1兆2200億円)から増え、ランレートは初めて500億ドル(約5兆2700億円)を超えた。一方でMicrosoftの数字は決算から解析するのはいつも難しく、370億ドル(約3兆9000億円)の20%を計算すると74億ドル(約7800億円)で、これは前期の59億ドル(約6200億円)から増えている。

Googleは第3四半期の29億8000万ドル(約3200億円)から第4四半期は33億ドル(約3500億円)に増え、Alibabaは同時期16億5000万ドル(約1700億円)から22億2000万ドル(約2300億円)に増えた。

SynergyのプリンシパルアナリストJohn Dinsdale(ジョン・ディンスデール)氏は、トップ企業は巨大で絶対的なマーケットシェア、それからクラウドプロバイダー間の大きなギャップで自社の周りをしっかりと固めていると話す。「AWSは過去10年大きなサクセスストーリーで、広範囲のIT部門企業との競争激化にかかわらずマーケットでかなり強固な地位をキープしています。これはAmazonとAWSの経営チームにとって、新体制になっても状況は変わらないと思わせるすばらしい証拠です」と同氏は筆者に語った。

ディンスデール氏は、Microsoftが相手としてAWSは相応しいライバルだが、いつかの時点で同社は成長の壁にぶつかる運命にあるとみている。「MicrosoftがAmazonとの差を縮め続けるのはもちろん可能ですが、MicrosoftのAzureが大きくなるにつれ、かなり高い成長率を維持するのは難しくなります。これは大数の法則です」。

一方、クラウドインフラ業界の下位のマーケットシェアは減少し続けている。「マーケットシェアで敗れた企業は小規模クラウドプロバイダーの集まりで、過去16四半期で13ポイントのマーケットシェアを失いました」とSynergyは声明で述べている。

しかし、こうしたプレイヤーにとってすべて負けではないとディンスデール氏は話す。「比較的小規模のプレイヤー(あるいは小さなマーケットシェアを持つ大企業)はニッチな特定マーケット(地理、サービスタイプ、顧客の部門に基づくもの)にフォーカスしたり、あるいは幅広い顧客に広範なクラウドサービスを提供しようと試みることができます。前者の企業は極めてうまく振る舞うことができ、後者の場合はかなり厳しいでしょう」と述べた。

Canalysの数字は少し異なり、クラウドインフラ市場が1420億ドル(約14兆9800億円)で、第4四半期は400億ドル(約4兆2200億円)としたが、各社のマーケットシェアはSynergyのものと同じだったことは記すに値する。

画像クレジット:Canalys

パブリッククラウドの売上高はある時点で意味を失うほどに大きくなったが、それでも世界中のIT支出に占める割合としては比較的小さいままだ。Gartnerの推計によると、世界の2020年のIT支出は3兆6000億ドル(約379兆8300億円)だった。つまり、そこでクラウドインフラマーケットが占める割合は3.85%にすぎないことを意味する。

次のことを少し考えてほしい。IT支出の4%以下が現在、クラウドインフラに向けられ、かなりの成長余地を残していて、数年のうちに何十億ドル(約何千億円)も成長する。

もちろん他のプレイヤーが参入してトップ企業を慌てさせればもっと興味深いものになるが、我々がコンピューティングについて想定している道中に予期せぬ何かやドラマティックなことが起こらない限り、差し当たってこのままトップ企業は猛烈な勢いで我が道を突き進んでいくだろう。

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

アンディ・ジャシー氏のアマゾンCEO昇格が意味すること

Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏がAmazon(アマゾン)のCEO職を退くという大ニュースが米国時間2月2日午後に同社から発表された。Amazonはベゾス氏がガレージで始めた事業から世界の大企業に育てた会社だ。ベゾス氏が取締役会長に就くのにともない、AWSのCEOであるAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏が後を継ぐ。

ジャシー氏が新しい役職に就くとなると、誰がAWSを率いるのかというのが差し当たっての疑問だ。さあ、ゲームを始めよう。噂で名前が上がっているのはAWSのグローバルインフラ担当副社長Peter DeSantis(ピーター・デサンティス)氏、セールス・マーケティング担当副社長Matt Garman(マット・ガーマン)氏だ。両氏ともSチームとして知られるベゾス氏のエリート幹部チームのメンバーで、どちらがジャシー氏の後釜になってもおかしくない。確かなことは誰もわからないが、社内の人間かもしれないし、外部の人間ということもあり得る。数カ月先のことであり、Amazonはまだ後継者についてコメントする用意は整っていなかった。

Constellation ResearchのシニアアナリストであるHolger Mueller(ホルガー・ミューラー)氏は、AWSを小さなサイドビジネスからランレート500億ドル(約5兆2500億円)の事業に育てたというジャシー氏の輝かしい業績が報われたと話す。「財務面からいえば、Amazonの中で最も儲かっている事業に精通している役員を指名するというのは理に適っています。AWSは競争の激しいマーケットで事業を展開しています。ジャシー氏の指名は、新しいAmazonのCEOが『金の卵を生むガチョウ』を壊さないことを保証するものです」とミューラー氏は筆者に語った。

分析会社Canalysでクラウドインフラマーケットを担当しているバイスプレジデントAlex Smith(アレックス・スミス)氏は、移譲が進行しているという兆しはあった、と話す。「こうした動きはしばらくありました。ジャシー氏はAmazonで2番目の対外的な人物であり、同社で最も成功している部門の1つをリードしてきました。ベゾス氏は好調を維持しながら残りのCEO職務をまっとうし、他の多くのベンチャーにフォーカスできます」とスミス氏は述べた。

同氏はまた、この動きがAWSのAmazon内での立場を強固なものにすると話す。「直接的なトップとしてアンディを失うという点での損失より、Amazonの今後にとって戦略的重要性を高めるという点でAWSのウェイトが増すということだと思います。彼はAWSから目を離さないでしょう」。

GartnerのアナリストであるEd Anderson(エド・アンダーソン)氏もまたジャシー氏がベゾス氏の後を継ぐのは明快な選択だと考えている。「Amazonはテクノロジーイノベーションで突き動いてきた会社です。これはアンディー氏が何年もの間AWSでやってきたことです。また、ジャシー氏がかなり大きな事業を構築して運営してきたという驚くべき実績を持っていることも記すに値します。アンディのリーダーシップの下、AWSは世界最大のテクノロジー企業の1社に、そしてコンピューティングの未来がどうなるかを定義する際に最も影響力のある1社に成長しました」とアンダーソン氏は述べた。

2月2日に発表された四半期決算では、AWSの売上高は127億4000万ドル(約1兆3000億円)で、前年同期の96億ドル(約1兆円)から28%増加した。これによりランレートは500億ドルになった。他のどのクラウドインフラ企業、万能の企業Microsoft(マイクロソフト)ですらこの部門ではAWSにおよばない。AWSのマーケットシェアが約33%なのに対して、Microsoftは20%ほどだ。

トップの交代が会社全体に、特にAWSにどのような影響をおよぼすのかはわからない。いくつかの点で、Larry Ellison(ラリー・エリソン)氏が2014年に会長職に就くためにOracleのCEO職から退いたときのようだ。その際はSafra Catz(サフラ・キャッツ)氏とMark Hurd(マーク・ハード)氏が共同CEOとして継いだ一方で、エリソン氏はその後も自身が創業に関わった会社に深く関与し続けた。ベゾス氏が同様の動きをとると仮定するのは合理的だ。

ジャシー氏は大学を卒業し、ハーバードでMBAを取得した後の1997年に入社し、その後職位を上げた。同氏は2002年にVP / テクニカルアシスタントになり、直接ベゾス氏の下で働いた。その業務に就いていたときにAmazonデベロッパーが使うための共通のウェブサービスの必要性を見出し始めた。このアイデアがAWSに成長し、ジャシー氏は立ち上がったばかりの部門のVPになり、2016年にCEOに指名された。

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

愛国者の拠点となったソーシャルメディアParlerのAWS復帰要求を裁判所が却下

連邦裁判所は保守系ソーシャルネットワークのParler(パーラー)が、自社サービスをAWSでホストするようAmazon(アマゾン)に強制しようとする訴えを却下した。Parlerの貧弱な法的主張を見た人なら大方想像がつくように、法廷は本訴訟を「おぼろげで事実と異なる憶測」にすぎず介入を正当化する理由はないと裁定した。

ワシントン州西連邦地方裁判所に提出された訴訟でBarbara Rothstein(バーバラ・ロススタイン)判事は、ParlerによるAmazon(アマゾン)とTwitter(ツイッター)が反トラスト行為を共謀し、AWSが契約を破ったとする主張を支持する材料がいかに貧弱であったかを説明した。

反トラストに関して、Parlerは何ひとつ提示することができず、シャーマン法に反する共謀についても同様だった。

主張を裏付けるために提出された証拠は薄弱であり、AWS側は異議を唱えている。重要なのは、Parlerは、取引制限のためにAWSとTwitterが意図的に、あるいはそもそも、行動をともにしたという証拠を提出していないことである。

【略】

実際、ParlerはTwitterがAWSから優遇措置を受けているという不安を募らせる以上のことをしていない。

AmazonはAWSはTwitterをホストしていることさえなく、その計画はあるもののクライアントについて、他のクライアントに話すことを防ぐ厳格なルールが定められていると説明した。これだけでParlerの浅薄な主張を疑うに十分である、とロススタイン氏は指摘した。

契約違反について、Parlerは本訴訟の中で、自分の側が契約に違反したことを事実上認めているが、カスタマーサービス契約第7.2節(b)(i)に定められている問題の修復に30日の猶予を与えるという取引条件をAmazonが破ったと主張している。しかしそれはそもそも無関係だった。

Parlerは、直後に続く第7.2節(b)(ii)で、AWSが契約を「通知直後に」終了し認められており修正の機会を与えなくてよいことを、争うどころか認識もしていなかった。

つまり30日間の猶予は、Amazonが望まなければ適用されない。この条項は緊急性のない事象にに関するものだと思われる。契約違反の主張は否定された。

Parlerによる、「Amazonは政治的敵意に動機づけられた」という主張も、同様に筋が通っていない、と判事はいう。

Parlerは、この主張のいくつかの要素を裏づけるための基本的事実を提示していない。最も致命的なのが、上で延べたようにAWSの行為が不適切な目的あるいは不当な手段によるという不十分な憶測しか提起していないことである。

【略】

反対に、現在得られている証拠は、AWSによるカスタマーサポート契約の終了は、Parlerの重大な違反に対応した結果であることを示唆している。

Parlerはほかにも、もしAWSのサービスが復帰しないと「修復不可能な損害」を受けると主張しており、実際ロススタイン氏には、一連の出来事の結果Parlerが「消滅」に直面する可能性があるという同社の主張を否定する理由がない。ただし「Parlerの修復不可能な損害に関する主張は、『損害の大部分は金銭的に補償可能』であるとParlerが認めていることで著しく弱まっている」とだけ語った。

つまり金で解決する、すなわちそれは「修復不能」ではないという意味だ。

その他の法的、技術的側面についてロススタイン氏は、Parlerの主張は根拠がなく、Amazonの主張の方がはるかに強力であると述べた。たとえば暴力的で憎悪に満ちたコンテンツを強制的にホストさせられることはAWSの評判を傷つけ、おそらく、修復不可能でさえある。

同じくこの種の訴訟で重要なのは、判事は訴訟全体の価値に基づいて裁定を下すのではなく、サービスを復旧するための差止請求に示された主張と証拠のみに基づいて判断することだ。

「誤解のないようにいうと、裁判所はこの時点でParlerによる実質的な基本的主張を棄却していない」。つまりこれは主張の内容を否定するものでも、それが実質的であることを仮定するものでもない。しかしParlerは、この種の法的介入の根拠を示すために必要なものを提示する には「程遠かった」。

本訴訟は次期日程に継続される、もしParlerが自身で警告した「消滅」にその時点で直面していなければだが。

Rothstein Order on Parler i… by TechCrunch

関連記事:AWSが愛国者の拠点となったソーシャルメディアParlerに対し日本時間1月11日午後のサービス停止を通告

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AWSのリソースとそれに関する支出の管理を楽にするVantage

AWSのリソースとそれに関する支出の管理を容易にする新しいサービスVantageが、米国時間1月12日にステルスを脱した。このサービスはユーザーに、AWSの複雑なコンソールに代わるものを与え、AWSの標準的なサービスであるEC2のインスタンス、S3のバケット、VPCs、ECS、そしてFargate、およびRoute 53のホストゾーンといったほとんどすべてをサポートしている

創業者のBen Schaechter(ベン・シェークター)氏はこれまでAWSとDigital Oceanで働き、それ以前はCrunchbaseにいた。しかし、DigitalOceanは彼に個人や小企業向けの開発者体験を構築する方法を示した一方で、基礎となるサービスやハードウェアは単にハイパークラウドほど堅牢ではなかったという。一方、AWSは、デベロッパーがクラウドに望むもののすべて、あるいはそれ以上のものがあるが、ユーザー体験には不満が多かった。

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「そこで考えたのは、DigitalOceanのユーザー体験を3つのパブリッククラウドプロバイダー、AWSとGCPとAzureに適用したらどうなるか、ということです。まずAWSから始めようと決めたのは、その体験が最もラフなもので、市場において最大のプレイヤーだからでした。また、GCPやAzureに取るかかる前にAWSを始めたほうが、価値も大きいと考えました」とシェークター氏はいう。

Vantageが重視するのは、デベロッパー体験と費用の透明性だ。シェークター氏によると、一部のユーザーはVantageのことを「AWSのためのMint(予算管理アプリ)」と呼ぶ。ユーザーは最初、自分のAWSサービスのリードパーミッションをVantageに与える。するとVantageは自動的に、ユーザーのアカウントにあるすべてのものをプロファイルする。そのリストは1時間おきにリフレッシュされるが、ユーザーがマニュアルでリフレッシュしてもよい。

現在、自分がどのAWSサービスを実際に利用しているのかが正確にわからないこともよくあるため、それだけでも便利な機能だ。シェークター氏によると「それが最も人気のあるユースケースです。何にいくら払っていて、何を得ているのか把握することができます」。

Vantageの中核的な機能は、いわゆる「ビュー」だ。どのリソースを使っているかを一望できる。おもしろいのは、ビューをユーザーがカスタマイズできる点で、たとえばどこそこのリージョンでどんなアプリケーションのためにどんなリソースを使っているかを確認することもできる。それにはLambdaやストレージのバケット、独自のサブネット、CodePipelineなどが含まれているかもしれない。

費用追跡に関して、現在のところVantageでは特定時点での費用がわかるだけだが、今後は履歴上に現われるトレンドを見たり、クラウドの支出のビューをユーザーがカスタマイズできるようになるといった機能を提供していきたいという。

同社は現在、自己資本のみで動いているが、シェークター氏によると、資金の調達よりもユーザーがお金を払ってくれて売上があることが先決だという。現在は無料プランと、機能の多い有料の「プロプラン」と「ビジネスプラン」が用意されている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AWSが警告どおり米保守系が集うParlerへのクラウドサービス提供を停止

警告のとおりAmazon Web Services(AWS、アマゾン・ウェブ・サービス)は、米議事堂での暴動を呼びかけたトランプ大統領支持者の巣窟となっていた右翼ソーシャルネットワーキングサービスParler(パーラー)へのサービス提供を停止した。サービス停止は警告から24時間経って実行されている。つまり、現在、Parlerのウェブアドレスにアクセスすると、リクエストしたドメインにはアクセスできないというメッセージが表示される。

Parlerのコミュニティは、先週トランプ大統領の公式アカウントがTwitter(ツイッター)とFacebook(フェイスブック)から停止処分となった後に活発になっていた。トランプ大統領の感情と足並みを揃えた似たような激しい罵りや暴力の促進をツイートする数多くのアカウントもそうしたプラットフォームから排除された。Apple(アップル)とGoogle(グーグル)は利用規約に違反したとしてそれぞれのアプリストアからParlerを削除し、AWSもサービス提供停止を通告して追随していた。

Parlerは各社の排除に対抗するために自らのインフラをゼロから構築する意向を示した(ZDNet記事)が、その一方ですでに展開されているGabといった右翼オーディエンスのためのソーシャルメディアサイト(未訳記事)は、Parlerのプラットフォームからの排除の恩恵を受けている。Gabは以前ホスティングが無効化され、ヘイトスピーチ拡散の問題でGoogle Playから排除されている。

関連記事:AWSが愛国者の拠点となったソーシャルメディアParlerに対し日本時間1月11日午後のサービス停止を通告

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タグ:アメリカソーシャルメディアParlerAWS

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

AWSが愛国者の拠点となったソーシャルメディアParlerに対し日本時間1月11日午後のサービス停止を通告

Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領が主要なテック系ソーシャルプラットフォームのすべてから締め出された(未訳記事)ことをきっかけに、保守派の間での人気が新たな高まりを見せたソーシャルメディアネットワークのParler(パーラー)が、消滅の危機に瀕している。

BuzzFeed Newsの報道によれば、Parlerのバックエンドクラウドサービスを提供するAmazon Web Services(AWS、アマゾン・ウェブ・サービス)は、今後24時間以内に同社との関係を断つ意向であることを伝えたという。Parlerのアプリケーションは、AWSのインフラの上に構築されているため、AWSは同プラットフォームの運用に欠くことのできないサービスだ。米国時間1月10日未明、Apple(アップル)はGoogle(グーグル)に追随して、Parlerに対してコンテンツのモデレーション不足を理由に、App Storeからアプリを排除することを発表した(未訳記事)。

主要ソーシャルメディア上での大統領の沈黙に動揺したユーザーたちが殺到したことで、勢いが急上昇したParlerは、今では言論の自由とオンラインでの説明責任の境界をめぐる争いの対象となるサイトとなっている。

ParlerのJohn Matze(ジョン・マッツェ)CEOは、AWSからの通告を受けて、「ゼロから作り直しを行うため」プラットフォームが少なくとも1週間はオフラインになると発言している。Twitter(ツイッター)で共有されたスクリーンショットにあるように、一部のParlerユーザーが、AWSのデータセンターを暴力的に攻撃することをほのめかす反応をしているようだが、おそらくこれがAmazonの主張を裏付けているのかもしれない。

米国時間1月6日の国会議事堂での暴動と、TwitterやFacebook(フェイスブック)で暴力を扇動したアカウントの粛清をきっかけに、Parlerは全国の国会議事堂や州議事堂での暴動の実行を、武装した「愛国者」たちに呼びかける、過激な意見のための拠点となっていた。

直近では、同サイト上の保守過激派が「愛国者」たちに、1月6日の行動をさらに拡大して、1月19日には武器を持ってワシントンDCを行進しようと呼びかけていた。

Appleや、従業員たちがParlerへのサービスの提供を停止するように求めていたAmazonからの圧力にさらされたという事情はあるものの、Parler自身もプラットフォーム上の投稿をモデレートする対応を取ろうとしていた。

同社は、トランプ大統領支持者のLin Wood(リン・ウッド)氏がParler上の一連の声明の中で行った、 Mike Pence(マイク・ペンス)副大統領の処刑を求めた投稿の一部を削除したことを認めた。

過去数カ月に渡って、Ted Cruz(テッド・クルーズ)上院議員Devin Nunes(デビン・ヌネス)下院議員を含む共和党議員たちが、ウッド氏のような保守的扇動者とともに、Parlarを拠点として、自由気ままに陰謀論を発信してきた。

BuzzFeed News(バズフィードニュース)が引用したメールの中では、Amazon Web ServicesのTrust and Safety Team(トラスト&セーフティチーム)が、Parlerのプラットフォーム上で拡散していた暴力を呼びかける声が、AWSの利用規約に違反していることを、Parlerの最高ポリシー責任者であるAmy Peikoff(エイミー・ペイコフ)氏に伝えている。またBuzzFeedによれば、AWSのチームはボランティアを使ってプラットフォーム上のコンテンツをモデレートするというParlerの計画は上手く行かないだろうと指摘しているという。

「最近、貴サイトにおいて、このような暴力的なコンテンツが着実に増えてきておりますが、これらはすべて規約違反となります。Parler様がAWSのサービス規約を遵守するための効果的なプロセスを保持していないことは明らかです」と、AWSからのメール内容をBuzzFeedは報じている。

以下、AmazonからParlerへの手紙の全文を示す。

親愛なるエイミー様

本日(米国時間1月9日)は早い時間にお話しいただきありがとうございました。

昨日も今朝も電話でご相談したように、私どもの利用規約に対する違反の繰り返しで困惑しております。過去数週間にわたり、明らかに暴力を奨励したり煽ったりするような書き込みの例を98件、当社よりParler様に報告して参りました。以下のものは、以前にお送りしたものの中からいくつかを抜き出したものです。【前述のスクリーンショットなど】

最近、貴サイトにおいて、このような暴力的なコンテンツが着実に増えてきておりますが、これらはすべて規約違反となります。Parler様がAWSのサービス規約を遵守するための効果的なプロセスを保持していないことは明らかです。また、Parler様はいまだに、コンテンツのモデレーションについての立場を決めかねているように思えます。当社または他者からの連絡があった場合には、一部の暴力的なコンテンツを削除されることがありますが、必ずしも緊急性を持って対応していただいているわけではありません。最近、御社のCEO様が「責任を感じていないし、プラットフォームも責任を負うべきではない」と公言されました。今朝は、暴力的なコンテンツをより積極的にモデレートする計画があるという計画をお話しいただきましたが、そのプランの実施はボランティアによる手作業だということになっています。ボランティアを活用して危険なコンテンツを迅速に特定し、削除するというこれから実施される計画は、暴力的な投稿が急増している現状を考えると、うまくいかないと考えております。これは、私どもがすでにお送りしたコンテンツの多くを、いまだに取り下げていらっしゃらないことからも明らかです。先週ワシントンD.C.で起きた不幸な出来事を考えますと、この種のコンテンツがさらなる暴力を誘発するという深刻な危険性を否定できません。

AWSは様々な政治的立場を横断して、顧客に技術とサービスを提供しており、サイト上でどのようなコンテンツを許可するかを自ら決定するParler様の権利を、引き続き尊重しております。しかしながら、他者への暴力を助長したり煽ったりするコンテンツを、効果的に特定し削除することができないお客様に対しては、サービスを提供することができません。Parler様は当社の利用規約を遵守なさることができず、公共の安全に非常に現実的なリスクをもたらしているため、(米国時間)1月10日(日)午後11時59分(PST)(日本時間2021年1月11日月曜日16時59分)にParler様のアカウントを停止する予定です。私たちはお客様のデータがすべて保存されることを保証し、お客様自身のサーバーへのデータ移行を可能な限りお手伝いさせていただきます。

– AWSトラスト&セーフティチーム

関連記事:保守系メディアParlerがペンス副大統領の処刑を呼びかけたトランプ支持者リン・ウッド氏の投稿を削除

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AWSParlerソーシャルメディア

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:sako)

AWSが任天堂の「Nintendo Switch Online」に採用されていることを発表

AWSが任天堂の「Nintendo Switch Online」に採用されていることを発表

アマゾン ウェブ サービス ジャパンは12月25日、任天堂の「Nintendo Switch」ソフト向け有料サービス「Nintendo Switch Online」において、AWS(アマゾン ウェブ サービス)が採用されていることを発表した。

AWSが採用されることで、任天堂のサービスはゲームプレイの需要拡大に応じて容易にスケールできるようになり、増加するサービス規模に対して柔軟な対応が可能としている。

AWSは2011年から任天堂に採用されており、ニンテンドー3DSやWii Uのオンライン機能においても活用されてきた。Nintendo Switchにおいても、プッシュ通知をはじめ、ゲームをダウンロードできるニンテンドーeショップなど様々な機能でAWSが利用されているという。

Nintendo Switch Onlineは2018年9月に開始。これらの実績が考慮され、AWSは、世界で2600万超える(2020年9月16日発表)会員が利用する「Nintendo Switch Online」にも採用された。

任天堂は、クラウド向けに構築されたMySQLに対応したリレーショナルデータベース「Amazon Aurora」と、コンピューティングエンジン「AWS Fargate」を利用しており、フルマネージド型のコンテナオーケストレーションサービス「Amazon Elastic Container Service」(ECS)でサーバーレスコンピューティングを実現している。

「オンラインプレイ」「セーブデータお預かり」「スマートフォン向けアプリ」などのサービスにAWSを活用。オンラインプレイに対応したタイトルのヒットを契機として飛躍的に伸びた会員数にも対応が可能となったとしている。

AWSは、コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワーキング、分析、ロボット工学、機械学習および人工知能(AI)、IoT、モバイル、セキュリティ、ハイブリッド、VRおよびAR)、メディア、ならびにアプリケーション開発、展開および管理に関する175種類以上のフル機能のサービスを提供。

AWSのサービスは、24リージョンにある77のアベイラビリティーゾーン(AZ)で利用可能。これに加え、オーストラリア、インド、インドネシア、日本、スペイン、スイスを含む6つのリージョンにおける18のAZの開設計画を発表している。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Amazon Web Services / AWS(製品・サービス)Amazon Elastic Container ServiceAmazon AuroraAWS Fargate任天堂 / Nintendo(企業)Nintendo Switch / ニンテンドースイッチ(製品・サービス)日本(国・地域)

アマゾンがマイクロソフトが獲得した1兆円超の米国防総省JEDI契約の差し止めを裁判所に要請

米国防総省が米軍に技術近代化の道筋を提供するとされていた100億ドル(約1兆300億円)、10年におよぶJEDIクラウドの契約を発表してから2年以上が経過した。Microsoft(マイクロソフト)が2019年10月に契約を獲得した一方で、Amazon(アマゾン)はその決定に抗議するために裁判所に訴え、それ以来、法的には中途半端な状態が続いている。

米国時間12月15日にはアマゾンが、マイクロソフトを選ぶという決定を差し止めるように、裁判官に求める最新の一手を法廷闘争で打ったとき、この政府調達を巡る長い物語に新たな変化が生じた。アマゾンの主張は以前にも行ったものと似ているが、今回は国防総省の再評価プロセスを狙ったものだ。この再評価時に、国防総省は契約と選定プロセスを見直した結果、マイクロソフトという決定に変わりはないと2020年9月に発表していた。

アマゾンは、この再評価に大きな欠陥があり、大統領からの不当な影響や偏見、圧力を受けていたと考えている。これを踏まえてアマゾンは、マイクロソフトが選ばれた契約の決定を差し止めるよう裁判所に求めている。

JEDIの再評価と再決定は、政治的な理由で官僚の誠実な分析と論理的思考を抑圧する政権の犠牲となり、最終的には国家安全保障と効率的で合法的な税金の使用を損なうことになる。国防総省はこの調達を客観的かつ誠実に実施していないことを改めて露わにしている。再決定は差し止められるべきである。

想像の通り、マイクロソフトのコミュニケーション担当本社副社長であるFrank X. Shaw(フランク・X・ショー)氏は、このアマゾンの主張に同意せず、自分の会社がベストプライスで落札したと信じている。

「入札で負けたアマゾンは、当社の価格設定を知らされ、当初の価格が高すぎたことに気づきました。その後、彼らは価格を下げるために入札を修正しました。しかし、すべての基準を同時に見渡したとき、国防総省のキャリア調達担当者は、優れた技術的優位性と全体的な価値を考えると、当社が最良のソリューションを提供し続けると判断したのです」と、ショー氏はTechCrunchに共有した声明の中で述べている。

アマゾンの広報担当者がTechCrunchに語ったところによると、「我々は単に、この契約先決定に露骨に影響を与えた技術的な誤り、偏見、政治的な干渉に関して、裁判所による公正で客観的な見直しを求めているだけです」とのことだ。

両者の立場からすれば、いい分はそうなるだろう。

国防総省は2018年に、JEDI(Joint Enterprise Defense Infrastructure)と名付けられた100億ドル、10年に渡る契約のために入札を行うと発表した。一般的な政府の契約に比べて、はるかに大規模なその金額と領域は広く注目を集め、その調達プロセスは最初から議論の的となっていた。この入札プロセスがアマゾンに有利になるように構成されていると不公正を主張する声が、特にオラクルから上がっていたからだ。

最初の発表から2年以上が経過し、マイクロソフトが当初の契約を勝ち取ってから1年以上が経過した。しかし、いまだに大手テック企業2社が互いに批判し合う法廷闘争では膠着状態が続いている(未訳記事)。どちらも譲歩しそうにないため、最終的な判断は裁判所に委ねられることになる。おそらくこれで長い戦いの物語に終止符が打たれることだろう。

【注記】国防総省はコメントを求める我々の要求に答えていない。状況に変化があればこの記事を更新する予定だ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:米国防総省AmazonAWSMicrosoftJEDI裁判

画像クレジット:The Washington Post / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

AWSがデベロッパー向け地図サービス「Amazon Location」を発表

AWSは米国時間12月16日、Amazon Location(アマゾン・ロケーションズ)のプレビュー版を発表した(AWSリリース)。ウェブベースやモバイルのアプリケーションに位置情報に基づく機能を搭載したいデベロッパーのための新サービスだ。

EsriとHERE Technologiesから供給された地図データに基づき、同サービスは基本的な地図や観光スポット情報など地図サービスに期待されるあらゆるサービスを提供する。トラッキング機能を内蔵していてジオフェンシングも可能だ。ただし、ルーティング(経路)機能はない。

「地図や位置把握など位置情報に基づく機能を、もっと簡単でコスト効率よくウェブやモバイルアプリに追加できるようにしたいと考えました。これまでサービスへの追加は複雑で高くつくだけでなく、1つの提供者のビジネスモデルとプログラミングモデルに縛られていました」と、AWSのJeff Barr(ジェフ・バー)氏は発表文で述べている。

画像クレジット:Amazon

Amazon Locationが提供する機能の中心は、2社のパートナー(他社とも交渉中)からのデータとスタイルに基づくマップを作る機能と、観光スポットの情報だ。もちろんこれらはどの地図サービスにもある2大基本機能だ。Amazon Locationはこれに加えて、トラッキング機能が組み込まれているため、アプリはトラッキングデバイスから位置情報を受け取って地図にプロットすることができる。この機能はAmazon Locationのジオフェンシングツールとも連動しているため、デバイス(あるいはそれを着けている犬)が特定のエリアを離れた時にアプリがアラートを出すことができる。

Google Mapsプラットフォームほど機能満載ではないが、AWSはLocationをもっと安く、マップタイル1000個取得が0.04ドル(約4.13円)からというさまざまな料金プラン(3カ月無料トライアル付き)で提供すると約束している。AWSの例にもれず、ここから先の料金体系はぐっと複雑になるが、全体的に価格は妥当だ。

AWSのタイルベースの価格とGoogle(グーグル)の価格を直接比較することはできないが、Google Map Platformでは月額200ドル(約2万660円)の利用範囲を超えると、1000リクエスト毎に2ドル(約207円)かかることは覚えておく価値がある。

何回もの価格変更(Geoawesomeness記事)を経て、グーグルの地図サービスはデベロッパーの信用を大きく失った。AWSは、この新プラットフォームでそこにつけ入ることができるかもしれない。現在のサービスにあるいくつかのギャップを埋める機能をつくることができればさらに可能性がある。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AWS地図

画像クレジット:Jamie Grill / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

KDDIがAWSと5Gネットワークで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」提供開始

KDDIがAWSと5Gネットワークエッジで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」提供開始

KDDIは12月16日、AWS(Amazon Web Services)とともに、au 5Gネットワーク内で、モバイル端末やエンドユーザー向けに超低遅延アプリケーションの構築を可能にするAWSインフラストラクチャーサービス「AWS Wavelength」を東京で提供開始すると発表した。

KDDIがAWSと5Gネットワークエッジで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」提供開始

同サービスは、au 5Gネットワーク内にAWSのコンピューティングサービスとストレージサービスを配置しデータ処理することで、4Gと比べ遅延が半分以下となり、5Gの特性である超低遅延を実現可能としたもの。

AWSのAPI、ツール、機能を利用して、超低遅延が求められるアプリケーションの一部をau 5Gネットワークのエッジ部分に展開し、アジア太平洋リージョン(東京)で実行される残りのアプリケーション部分やその他のクラウドサービスとシームレスに接続させることが可能。

同サービスにより、ゲーム業界では高品質でインタラクティブ性があるクラウドゲーミングサービスの開発・提供、エンターテインメント業界では4K/8K映像の高画質なストリーミングサービスの提供など、多くのユーザーが5Gによる新たなサービスを体験できるようになるとしている。

KDDIがAWSと5Gネットワークエッジで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」提供開始

AWS Wavelengthは、AWSサービスを5Gネットワークのエッジに置くことで、モバイル端末からアプリケーションに接続する際に発生する遅延を最小限に低減。開発者はAWS Wavelengthを使用することで、アプリケーションを「AWS Wavelength Zone」に展開でき、アプリケーションは、端末から基地局、そしてメトロアグリゲーション拠点で実行されるAWS Wavelength Zoneまで通信すればよくなるという。

AWS Wavelength Zoneとは、5Gネットワークのエッジにある、通信事業者のデータセンター内にAWSのコンピューティングサービスとストレージサービスを組み込んだAWSのインフラストラクチャ環境を指す。

KDDIがAWSと5Gネットワークエッジで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」提供開始

従来のモバイルネットワークアーキテクチャを利用したクラウドへのアクセスでは、アグリゲーション拠点間やインターネットを横断する間の複数のホップで遅延が発生していたが、AWS Wavelength Zoneはこうした状況を解消。さらに、AWS Wavelengthでは世界各国の5Gネットワークで一貫した利用体験を実現しており、開発者は馴染みのあるAWSサービス、API、ツールを使用し、次世代の超低遅延アプリケーションを構築できる。

KDDIがAWSと5Gネットワークエッジで超低遅延を実現する「AWS Wavelength」提供開始

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Amazon / アマゾン(企業)Amazon Web Services / AWS(製品・サービス)AWS Wavelengthau 5GKDDI日本(国・地域)

AWSがウェブベースのシェル「CloudShell」を発表、AWSにコマンドラインでアクセス

米国時間12月15日、AWSはCloudShellを立ち上げた。それは、ウェブ上の完全な機能を持ったシェル環境で、Amazon Linux 2がベースとなっている。一部のコマンドやスクリプトをコマンドラインで動かすことが好きなデベロッパーは、今後はそれをAWS Consoleの中で行うことができる。

Amazon(アマゾン)のCTOであるワーナー・ヴォゲルス氏の説明によると、CloudShellと呼ばれるこのプロダクトは、デベロッパーにLinuxコンソールへのアクセスを与えるブラウザーベースのサービスだ。ユーザーがCloudShellのセッションを開始すると、APIの許可はユーザーがAWS Consoleにいるときと同じように、自動的に構成された状態になる。

画像クレジット:AWS

「ターミナルで仕事をするときは、多様なテストやプロダクション環境に合わせて複数のプロファイルやAPIの証明を管理することになるが、CloudShellではそれが不要だ。証明などは自動的に送られるため、CloudShellのセッションを容易に開始でき、インストールされているAWSのツールも即座に使える」とヴォゲルス氏は説明する。

AWSの通常のコマンドラインツールはすべて事前にインストールされ、またBashやPython、Node.js、PowerShell、VIM、gitなどもある。自分の好きなツールをインストールしてもよい。OSのステートは複数のセッションにまたがって存続しないので、何かが壊れたりしたら単純にリスタートできる。ただしそのために使用できる永続的ストレージは1GBまでだ。

画像クレジット:AWS

ユーザーは1リージョンで最大10までの並列シェルを無料で開くことができる。それ以上使いたいデベロッパーは、リクエストしなければならない。

現在、このサービスを利用できるAWSのリージョンは、米国東部(バージニア州北部)、米国東部(オハイオ州)、米国西部(オレゴン州)、ヨーロッパ(アイルランド)、アジア太平洋(東京)となる。もちろん、今後さらに増える。

なお、AWSと競合するGoogle Cloud PlatformやMicrosoft Azureにも、すでに同様のサービスがある。Googleはそれを「Cloud Shell」と呼び、こちらは2つの単語の間にスペースを入れる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AmazonAWS

画像クレジット:Ron Miller/TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

5852円のAWS向けIoT開発キット「M5Stack Core2 for AWS」が販売開始

5852円のAWS向けIoT開発キット「M5Stack Core2 for AWS」が販売開始

スイッチサイエンスは12月16日、AWS(アマゾンウェブサービス)を使ったIoTソフトウェア構築に最適な「M5Stack Core2 for AWS – ESP32 IoT開発キット」を販売開始したと発表した。価格は税込5852円。スイッチサイエンスのウェブショップで購入できる。

M5Stack Core2 for AWS – ESP32 IoT開発キットは、「AWS IoT EduKit」プログラムのリファレンスハードウェア(AWSデバイス認定プログラム検証済)。AWSを使ったIoTのアプリケーション構築を効率よく学ぶことができる。

同製品は、中国・深圳のスタートアップM5Stack(エムファイブスタック)によるIoT開発モジュール「M5Stack Core2」に、M5Stack Core2専用バッテリーボトム「M5GO Bottom2 for AWS」を添付したもの。M5GO Bottom2 for AWSは、IoTアプリケーション作成用に追加された機能とセキュリティ機能を搭載している。M5Stackは、仕様についてドキュメントを公開している。

5852円のAWS向けIoT開発キット「M5Stack Core2 for AWS」が販売開始

「M5Stack Core2」は、M5Stack開発キットシリーズの第2世代Coreデバイス。拡張モジュールが豊富に用意されているほか、ArduinoやRaspberry Pi向けでおなじみのGROVEコネクターを利用することでハンダ付け不要で様々なセンサーを追加できる。

5852円のAWS向けIoT開発キット「M5Stack Core2 for AWS」が販売開始

Wi-FiとBluetooth 4.2 BLE対応のEspressif製マイクロコントローラー「ESP32-D0WDQ6-V3」を内蔵。

2インチの静電容量タッチスクリーンほか、16MBフラッシュメモリーと8MB PSRAMを搭載。RTCモジュール(BM8563)、6軸IMU(姿勢センサー。MPU6886)、振動モーターを利用可能。インターフェースは、USB Type-C、GROVE(I2C+I/O+UART)。microSDカードスロット(最大16GB)採用。サイズは54×54×24mm。重量は108g。

開発フレームワークは、FreeRTOSMicroPythonUIFlowArduino

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タグ:Amazon Web Services / AWS(製品・サービス)M5Stackスイッチサイエンス

AWSがカオスエンジニアリングをクラウドサービスとして提供

NetflixやAmazon(アマゾン)のような大企業がシステムのレジリエンスをテストしたいときは、ワーストケースのシナリオをシミュレートしてそれが実際に起きる前に問題を突き止めるカオスエンジニアリングのツールを使用する。米国時間12月15日のAWS re:Inventで、AmazonのCTOであるWerner Vogels(ワーナー・ヴォゲルス)氏が、同社のChaos Engineering as a ServiceプロダクトAWS Fault Injection Simulatorを紹介した。

マーケティング的な派手さのない名称だが、ヴォゲルス氏によるとこのサービスはカオスエンジニアリングの能力をすべての企業にもたらすという。「カオスエンジニアリングはアマゾンやNetflixのスケールで動いているショップだけでなく、誰もが取り組むべきだ。だからこそ本日、カオスの実験をクラウドで行いそのプロセスを単純化するサービスを予告できることをうれしく思っている」とヴォゲルス氏は語った。

彼の説明にもあるように、カオスエンジニアリングの目標は、アプリケーションにエラーを注入して、そのアプリケーションがどう反応するかを調べることだ。通常そのテストは、プロダクションシステム(本番システム)に対して行われる。AWSのFault Injection Simulator(FIS)は、そうしたテストをAWSの上で動くアプリケーションで動かす、完全に管理されたサービスだ。

画像クレジット:Amazon / Getty Images

「FISを使えば、安全に実験ができる。ユーザー自身が安定状態をよく知っている典型的なカオス実験のワークフローに従っている。そして仮設を立てて、エラーをアプリケーションに注入する。実験が終わると、FISは仮設が確認されたかどうかをユーザーに伝え、ユーザーはCloudWatchが集めたデータを見て改善が必要か判断する」とヴォゲルス氏の説明は続いた。

同社がこのサービスを発表するのは本日だが、ヴォゲルス氏の言い方では実際の供用開始は2021年のようだ。

なお、このようなサービスはほかにもあり、たとえばGremlinは、幅広いChaos Engineering as a Serviceを提供している。

関連記事:カオスエンジニアリングの対象をKubernetesクラスターに拡張したGremlin

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AmazonAWS

画像クレジット:Rachael Jones

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AWSが機械学習のためのエンド・ツー_エンド機能を備えたSageMakerの機能を拡張

立ち上げからすでに3年近くになるAmazon Web Services(AWS)の機械学習開発プラットフォームSageMakerが、自動化や機械学習能力の構築工程の、各ステップをより容易に自動化しスケールできるようになった新たな機能を追加した大規模なアップグレードを行った。

機械学習がメインストリームになるにつれて、企業のさまざまな事業部門が自動化のためのアプリケーションを求めるようになり、AWSはそれらの要求に対応してそのようなアプリケーションの開発がより容易にできるよう努力してきた。

「SageMakerのようなユーザーの多いサービスには、顧客からの提案をたくさん得られるという利点があり、それが次へ向けての改善の原動力になっている。本日(米国時間12月8日)、Amazon SageMakerのための一連のツールを発表しているが、それらは機械学習のエンド・ツー・エンドのパイプラインの構築を大幅に容易にするものであり、可視性と説明性に富むカスタムの機械学習モデルと大規模なオートメーションの準備と構築と訓練、説明、検査、モニタリング、デバッグおよび実行を可能にする」とAWSの機械学習担当副社長であるSwami Sivasubramanian(スワミ・シバスブラマニアン)氏は述べている。

AWSによると、すでに3MやADP、AstraZeneca、Avis、Bayer、Capital One、Cerner、Domino’s Pizza、Fidelity Investments、Lenovo、Lyft、T-MobileそしてThomson Reutersなどの企業がSageMakerのツールを利用して、それぞれの事業を運用しているという。

同社の新しいプロダクトには、統一されてないばらばらなソースからのデータを正規化して、一貫性のあるデータの利用ができるようにするAmazon SageMaker Data Wranglerが含まれる。また、Data Wranglerはバラバラなデータソースを特徴(feature)の集まりへとグループ化し、特定のタイプのデータを目立つようにするプロセスを容易にする。Data Wranglerツールには300種類あまりのデータトランスフォーマーが内蔵され、顧客は特徴量の正規化と変形と結合をコードを一切書かずにできるようになる。

アマゾンはまた、トレーニングや推論のための機械学習機能の保存、更新、取得、共有を容易にするリポジトリを顧客が作成できるFeature Storeを発表した。

Amazon Web Servicesが自慢するもう1つの新しいツールがPipelinesだ。これは、ワークフローの管理と自動化のためのツールキットだ。Pipelinesが提供するオーケストレーションとオートメーションの機能は従来のプログラミングと異なるものではないが、デベロッパーはパイプラインを使って、エンド・ツー・エンドの機械学習ワークフローの各ステップを定義できる。このツールを使うとデベロッパーは、SageMaker Studioのエンド・ツー・エンドのワークフローを同じ設定で再実行でき、毎回同じモデルを得ることができる。あるいは再実行を別の新しいデータで行って、モデルをアップデートすることもできる。

人工知能と機械学習における長年の課題であるデータの偏りを解決するために、アマゾンはSageMaker Clarifyをローンチした。それは米国時間12月8日、まさに発表されたツールで、同社によると機械学習のワークフロー全体にわたって偏りを検出し、デベロッパーはモデルのセットアップのされ方をよく理解した状態で仕事ができるようになる。このようなオープンソースのツールがすでにあることをアマゾンは認めるが、それらのツールは手作業が多く、デベロッパーの負担が大きいと同社は主張している。

機械学習のアプリケーション開発工程をを単純化してくれるその他のプロダクトの1つとしてSageMaker Debuggerがある。これはデベロッパーがシステムリソースの使用状況をモニタリングし、その間に異常が見つかれば警報するツールで、これによりモデルの訓練を高速化できる。

そしてDistributed Trainingと名付けられたプロダクトは、データを複数のGPUに分有させて並行処理し、ディープラーニングの大型で複雑なモデルをより速く訓練できる。

またSageMaker Edge Managerは、エッジデバイスのための機械学習モデルの管理ツールだ。これによりデベロッパーは、集団として存在するエッジデバイスにデプロイされるモデルの、最適化とセキュリティとモニタリングと管理を行う。

最後に、Amazonが発表したSageMaker JumpStartは、アルゴリズムやサンプルノートを見つけるための検索可能なインターフェースを開発者に提供し、彼らが機械学習の旅を始めることができるようにする。同社によると、機械学習を初めて使う開発者には、あらかじめ構築された複数の機械学習ソリューションを選択してSageMaker環境に導入するオプションを提供するという。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:AmazonAWSAWS re:invent

画像クレジット:Jason Alden/Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米の銘柄判定をAI搭載スマホアプリで実現する「RiceTagプロジェクト」の実証実験が成功

米の銘柄判定をAI搭載のアプリで実現するRiceTagプロジェクトの実証実験が成功

総合米穀卸業のKAWACHO RICEと、東北地方の企業・サービスのクラウド化およびDX化を支援するヘプタゴンは12月7日、米の銘柄をAIで判定するスマートフォンアプリを開発し、実証実験に成功したと発表した。

米の流通過程において、異品種混入(コンタミ)を防止するための銘柄チェックは、資格を有した検査員が目視で行われているものの、現在の検査方法では、具体的なデータを示せないという課題があるという。

そこでKAWACHO RICEは、プタゴンと協力して、2019年夏頃にAIを用いた米の銘柄判定を行う「RiceTagプロジェクト」を立ち上げ。約1年をかけてAIの開発・実証実験を行い、検査対象からサンプリングで無作為に抽出した複数の米粒をスマートフォンのアプリで撮影するだけで銘柄を判定することに成功した。実証実験は、青森県産米4銘柄および秋田県産米4銘柄に対して行い、資格を有する検査員と同等以上の正解率を得られた。

今後は、さらなる精度の向上や判定できる銘柄を増やしていき、検査員の負担を減らすとともに、流通の過程でより正確に銘柄のチェックができるように実用化に向けて開発を進める。

KAWACHO RICEは、「すべては米からはじまる」を理念に、産地プラットフォーム米穀卸として、生産から消費までの米流通を総合的にコーディネート。

検査米をはじめ備蓄米や輸出米など多種多様な実績とノウハウを持ち、産地の有力生産者との強固な信頼関係の構築など、米作りを第一に、常にリスクヘッジを考えた栽培プランの提案・支援を実施。流通業者としても、時代の流れを敏感に察知し、取引先に最適なプランをご提案すると同時に、消費者ニーズに合わせた商品開発・販売活動も積極的に進めている。

ヘプタゴンは、「世界中の顔を知らない100万人よりも自分たちの身近な100人をクラウドで幸せにする」を経営理念に掲げ、主に東北地方の企業/サービスのクラウド化やDXの支援を実施。

地方ならではの課題を地方のことをよく知る地方の企業が解決する「ビジネスの地産地消」というビジネスモデルで、これまで200プロジェクトを超える実績を東北であげており、東北エリア初のAWS Partner Network(APN)アドバンストコンサルティングパートナーにも認定されている。

近年では、AI/IoT技術を用いた地方の企業/自治体のDX化にも力を入れており、先端技術を取り入れ成長する意欲的な企業とヘプタゴンが協力して、生産性の向上や業務の改善、新しい働き方の導入支援などを進めている。

なお、今回のAIおよびシステムのプラットフォームには、Amazon SageMakerを採用。開発環境や推論環境の構築が非常に簡単に行えるため、モデル開発に注力でき、また、KAWACHO RICEへ迅速に結果のフィードバックを行えたとしている。

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AWSがスタートアップ支援事業「APN Global Startup Program」を拡大

2019年、AWSはAPN Global Startup Programを立ち上げた。このプログラムは、AWSの技術に深く関わる中期から後期にかけてのスタートアップのインキュベーターに対するAWSからの答えのようなものだ。2020年に同社はその拡大のため、米国時間12月3日、AWS re:InventのPartnerキーノートでこのプログラムのアップデートを発表した。

スタートアップがこのネットワークの会員になるためには2500ドル(約26万円)を支払う必要があるが、AWSのGlobal Partner Organizationを率いるDoug Yeum(ダグ・ユム)氏によると、その料金は実質的には返金され、また参加者は多くの利益を得ることができるという。

「APNの年会費は2500ドルだが、この招待制のAPN Global Startup Programに参加したスタートアップはその料金を実質的に取り戻すことができ、資金調達などに関する良質なリソースに無料でアクセスできる。また、会員になればプログラムのパートナーである経営者たちや、共同販売のスペシャリストのリソースにアクセスすることもできます」とユム氏はTechCrunchに語ってくれた。

それらの利点はかなり実質性があり、AWSの直接的な知識がありスタートアップと仕事をしたことのあるプログラムマネージャーと一緒に「ホワイトグローブプログラム」に参加することも可能だ。さらに参加者はISVプログラムに参加して、これらのベンダーたちとより直接的に協働して売上をアップし、またデータ交換サービスにアクセスしてサードパーティのデータをAWSのクラウドへ移したりできる。

ほかにも、彼らは新しくできたAI/ML Accelerationプログラムに応募できる。AWSの説明によるとそれは「5000ドル(約52万円)分のAWSのクレジットが含まれ、AWS上で実験ができる。スタートアップはAWSのAI / MLツールを探求でき、自分のプロジェクトにとって最適で低リスクの技術を見つけられる」。

そしてAPNの会員はAWS Marketplaceに無料でアクセスでき、最初の5つの提供物に関しては出品料金が要らない。一部の参加者はAWSの営業にアクセスして、大企業の力を借りて、スタートアップの売上に勢いを付けることもできる。

このプログラムには、応募ができるだけでなく、同社が目をつけた個々のスタートアップがリクルートされることもある。これについて、ユム氏は「AWSの上に構築されている中期から後期のスタートアップを、その人気や市場性等に基づいて、先取り的に招待することもある。このネットワークでお互いに協力し合っているエンタープライズ顧客たちが、興味深いユースケースを目にすることもあるだろう」と説明する。

現在このプログラムには、HashiCorpやLogz.io、Snapdocsなどが参加している。関心のあるスタートアップはAPN Global Startupのウェブサイトで応募できる。

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画像クレジット:Rachael Jones

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa