シャオミが6.67型スマホXiaomi 11T Proを海外発表、Snapdragon 888搭載で120W急速充電対応

シャオミが6.67型スマホXiaomi 11T Proを海外発表、Snapdragon 888搭載で120W急速充電対応中国のIT機器メーカーであるシャオミが、Androidベースの6.67インチ高性能スマートフォン『Xiaomi 11T Pro』と『Xiaomi 11T』をワールドワイド発表しました。

両モデルともにカメラ性能、とくに動画の品質を重視したモデル。現行の『Mi 10T』シリーズの後継となる機種です。

11T Proの価格は欧州圏にて649ユーロ(約8万4000円)から。ただし発売記念特価として、599ユーロ(約7万7000円)からのセールが展開されます。11T無印は499ユーロ(約6万4000円)から

カラーバリエーションは、両モデルとも共通の3種類。明るめのブルー系『Celestial Blue』とグレー系の『Meteorite Gray』、ホワイト系『Moonlight White』の3色です。

またRAMとストレージ構成は、11T Proが8GB/128GB(649ユーロ)、8GB/256GB(699ユーロ)、12GB/256GB(749ユーロ)の3グレード。11T無印が8GB/128GB(499ユーロ)と8GB/256GB(549ユーロ)の2グレードです。

シャオミが6.67型スマホXiaomi 11T Proを海外発表、Snapdragon 888搭載で120W急速充電対応
11T Proの特徴は、スマートフォン初となる120Wの急速充電や、クアルコム製『Snapdragon 888』の搭載による高速処理、5G+5Gのデュアルスタンバイなど。11T無印では67Wの急速充電に対応し、SoCはMediaTekの『Dimensity 1200 Ultra』搭載など、Proに比べて仕様は抑えられているものの、こちらも高水準の性能です。

なお、この2モデル(と、同時発表されたタブレット『Xiaomi Pad 5』)は日本発売予定があることを、Xiaomi Japanが公式Twitterアカウントで公開しています。3機種のプレゼント企画も同時に開催されていることから、全てが発売されるものと考えて良さそうです。シャオミが6.67型スマホXiaomi 11T Proを海外発表、Snapdragon 888搭載で120W急速充電対応

シャオミの高級モデルだけあって特徴の多いこの2機種ですが、技術的な最大の特徴は、11T Proに搭載された(最大)120W急速充電『120W HyperCharge』です。これまでのスマートフォンを超えた大電力での充電により、「5000mAhの内蔵バッテリーを17分で100%まで充電可能」とアピールします。シャオミが6.67型スマホXiaomi 11T Proを海外発表、Snapdragon 888搭載で120W急速充電対応

となると気になるのが充電器(ACアダプタ)ですが、昨今の高級スマートフォンでは珍しく、本体付属。購入してからすぐに急速充電が使える仕様です。また合わせてシャオミ側は「同充電器は他のUSB機器にも流用できる」旨をアピールしています。

なお、11T無印は67Wの急速充電に対応。Proに比べると電力は下がりますが、それでもモバイルノートPC並みの大電力で「36分で100%充電が可能」という高水準。また11T無印でも、ACアダプタは本体に付属します。シャオミが6.67型スマホXiaomi 11T Proを海外発表、Snapdragon 888搭載で120W急速充電対応

また、心臓部となるSoCもハイエンド級にふさわしいもの。11T ProはクアルコムSnapdragonの中でも高速な『Snapdragon 888』を搭載。最速の座こそ高速版の888+に譲りましたが、Androidスマートフォンでは非常に高速なSoCである点は間違いありません。

シャオミが6.67型スマホXiaomi 11T Proを海外発表、Snapdragon 888搭載で120W急速充電対応そして11T無印は、MediaTekの『Dimensity 1200 Ultra』を搭載。海外での廉価機やミドルレンジモデルで好調なMediaTek製SoCがハイエンド級に挑んだ注目モデルです。こちらの実力は未知数なところがありますが、Ultraの付かない1200(無印)は採用例が順調に増えているSoCでもあります。

シャオミが6.67型スマホXiaomi 11T Proを海外発表、Snapdragon 888搭載で120W急速充電対応
高性能SoCで焦点となる冷却に関しては、Proと無印共通で大型ベイパーチャンバーを搭載し、効率的な熱拡散を実現。ゲームプレイや長時間の動画撮影でも安定した動作を狙います。

とくにSD888搭載機種では放熱性能が焦点となっていますが、その点でも水準以上と呼べそうです。シャオミが6.67型スマホXiaomi 11T Proを海外発表、Snapdragon 888搭載で120W急速充電対応

そして、シャオミ側が主力としてアピールするのが、カメラ機能、とくに動画撮影です。

背面カメラはProと無印共通でトリプル(3モジュール)構成。1億800万画素のメイン(広角)と800万画素の超広角、そして500万画素のマクロ用という組み合わせです。

さらにProのみとなりますが、8K/30fpsのビデオ録画に対応。同じくProのみですが、4Kでは60fpsでの録画も可能です。録画モードでは『ワンクリックAIシネマ』や各種フィルタなど、現行世代となるMi 10Tシリーズでの評価を引き継ぎます。

さらに画質の面でも、こちらもProのみながらHDR10+モードでの録画が可能。明るい場所での逆光ポートレートなど、輝度差の大きな状況でも被写体の白飛びや黒つぶれを防げます。

なお、HDR映像ソースの再生に関しては、無印も含めてHDR10+とドルビービジョンに対応。そのためProでは「録画から編集、再生まですべてHDR10+に対応する」数少ないスマホとなります。

フロントカメラは1600万画素のパンチホールタイプ。暗所でもノイズを抑えたナイトモードでのセルフィーも可能です。シャオミが6.67型スマホXiaomi 11T Proを海外発表、Snapdragon 888搭載で120W急速充電対応

ディスプレイパネルに関しても、現行のMi 10Tシリーズに続いて力の入ったもの。

基本的な仕様はProと無印共通で、6.67インチの有機ELパネル。解像度は2400×1080の、いわゆる“短辺側1080”仕様。昨今の高級スマホでは一時期に比べて解像度を下げるトレンドがありますが、本2モデルもこれに準じた仕様です。

一方で昨今重要視されているリフレッシュレートは、最高120Hz。もちろんシャオミが力を入れる可変仕様が導入されており、表示内容に合わせて自動でリフレッシュレートを変更し、無駄な電力消費を抑えます。

さらにタッチパネルのサンプリングレートは480Hzと、ゲーミングスマホ並みの値。フラット形状と合わせて、細かなタッチでも入力漏れを防ぐ設計です。シャオミが6.67型スマホXiaomi 11T Proを海外発表、Snapdragon 888搭載で120W急速充電対応

さらにProでは、表示画質に関してもシャオミ最高を謳います。これは、ディスプレイ表示品質の認証機関であるDisplayMateにて、Androidスマホでの最高評価である『A+』グレードを得た点より。実績ある評価機関のお墨付き、というわけです。

さらに表面ガラスは、Proと無印共通で、コーニングのゴリラガラス最新世代『Gorilla Glass Victus』を採用。堅牢性もアピールします。シャオミが6.67型スマホXiaomi 11T Proを海外発表、Snapdragon 888搭載で120W急速充電対応

内蔵スピーカーは高級オーディオブランドであるハーマンカードンとのコラボによるチューニングを施されたステレオ仕様(横長状態での対応)。Mi 10T世代と比べて位置を改善し、よりクリアな再生を可能と謳います。

昨今音楽配信で価値の増している3Dサウンドに関しても、ドルビーアトモスに対応。対応ソースでは高精度なサラウンド音響が楽しめます。

シャオミが6.67型スマホXiaomi 11T Proを海外発表、Snapdragon 888搭載で120W急速充電対応
そして昨今Androidの高級スマホでは焦点となりつつある、OSアップデート期間にも配慮。Androidの更新は“メジャーアップデート3回”まで、セキュリティアップデートは4年間を公式に保証します。

さらにバッテリーの充放電サイクルは公称800回と、標準的な500回より長め。ハードウェア面でも長期の動作を支えます。

加えて、標準保証も2年と長め。さらに“地域で発売された後30日までの購入”という複雑な制限は付くものの、6か月間であれば1回の画面割れにも標準保証で対応するという、手厚い仕様となりました。

このようにXiaomi 11Tシリーズは、現行水準でのハイエンドAndroid機としてふさわしい基本性能をベースとしつつ、ユニークかつ楽しい録画・撮影機能と、シャオミ製品らしいお買い得度の高さも追求したモデル。

技術的にも、Proにおける(とにかくインパクトの大きい)120W急速充電をはじめ、目玉的な機能を多数備えているのがポイントです。

とくに日本では、ついに“シャオミファンが望んでいたハイエンドクラス機の投入”ともなりそうなことから、かなりの人気ともなりそう。2021年末における注目スマホとなることは間違いありません。

(Source:Xiaomi 11T Pro製品ページ(英語)Xiaomi 11T製品ページ(英語)Engadget日本版より転載)

韓国がグーグルに罰金194億円、OSで支配的地位を乱用

韓国公正取引委員会(KFTC)は現地時間9月14日、Android(アンドロイド)オペレーティングシステム(OS)マーケットで支配的な地位を乱用したとしてGoogle(グーグル)に1億7700万ドル(約194億円)の罰金を科したと発表した

韓国公取の声明によると、Googleはanti-fragmentation agreements(AFA、反フラグメンテーション協定)を通じてSamsung Electronics(サムスン電子)やLG Electronics(LGエレクトロニクス)など韓国のスマホメーカーがAndroid OSをカスタマイズするのを禁じることで市場の競争を制限した。

AFAでは、スマホデベロッパーはAndroidの修正版である「Androidフォーク」をインストールしたり開発したりすることは許されない。

韓国公取はGoogle LLC、Google Asia Pacific、Google Koreaが韓国のスマホデベロッパーにAFA締結を課すことを禁じ、既存バージョンの詳細を変更するよう命じた。この新たな措置はモバイル端末だけでなく、スマートウォッチやテレビなどAndroidで駆動する他のスマートデバイスにも適用される。

Androidの互換性プログラムは韓国のモバイルオペレーターオーナーとソフトウェア開発者でのイノベーションを促進し、韓国の消費者のより良いユーザーエクスペリエンスにつながった、とGoogleは声明文で述べた。「今日発表されたKFTCの判断はこうした恩恵を無視していて、消費者が享受しているメリットを過小評価しています。当社はKFTCの命令に対し控訴します」と同社の広報担当は述べている。

反競争の慣行をめぐって2016年7月からGoogleを調査していた、と韓国公取の広報担当は話した。

KFTCの発表によると、中国を除く世界のモバイルOSマーケットにおけるGoogleのシェアは2010年の38%から2019年には97.7%に拡大した。

GoogleのAFAはまた、同社のOSを使っているスマートウォッチやテレビといったテック企業の新デバイスの発売も制限してきた。ここには2013年のSamsungのスマートウォッチ、2018年のLG ElectronicsのLTEスマートスピーカー、2018年のAmazon(アマゾン)のスマートテレビなどが含まれる。

韓国の監視当局はPlay Storeアプリマーケットや請求システム、広告マーケットなどでも調査している。

一方、同国の放送通信委員会のプレスリリースによると「反グーグル法」は9月14日に施行された

韓国では8月下旬に、GoogleやAppleなどグローバルなテック企業がアプリ開発者に対して占有のアプリ内決済サービスの使用と手数料を強要することを禁じる法案が成立している

関連記事:世界初、韓国がグーグルとアップルのアプリ内課金手数料を抑制する「反グーグル法」可決

画像クレジット:lex Tai/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi

マーベルの定額コミック読み放題アプリ「Marvel Unlimited」がアップデート

Marvel(マーベル)が定額制コミックアプリ「Marvel Unlimited(マーベル・アンリミテッド)」の新バージョンをリリースした。今回のアップデートでは、スマートフォンやタブレット端末の画面に合わせてデザインされた高解像度の縦型コミック「Infinity Comics(インフィニティ・コミックス)」の配信が始まている。当初は27作品のInfinity Comicsが提供されているが、年内には100作品以上が読めるようになる予定だ。その中には「X-Men Unlimited(エックスメン・アンリミテッド)」「Captain America(キャプテン・アメリカ)」「Black Widow(ブラック・ウィドウ)」「Deadpool(デッドプール)」「Shang-Chi(シャン・チー)」「Venom / Carnage(ヴェノム / カーネイジ)」などのシリーズが含まれる。

すべてが新しく、すべてが違うMarvelUnlimitedを体験せよ。

マーベルコミックを読むために必要なものがすべて揃ったアプリ! マーベル・ユニバースに飛び込むためのアップデートされた機能をご紹介します。

マーベル・エンターテインメント

Disney Media & Entertainment Distribution(ディズニー・メディア&エンターテインメント・ディストリビューション)の協力を得て一から作り直されたこのアプリでは、コミックをオフラインで読むための無制限のダウンロードが可能になり、コンテンツを別の場所で共有することができるようになった。他にもマーベルは、合理化されたデザイン、安定性の向上「クラス最高のスピードと検索ツール」、自分の好みに基づいてカスタマイズされる読書ガイドなどの改良を約束している。また、Marvel Insider(マーベル・インサイダー)のメンバーは、このアプリを利用することでポイントを貯めることもできる。

月額プランは10ドル(約1100円) / 月、標準年間プランは69ドル(約7600円) / 年。年間99ドル(約1万900円)の「アニュアル・プラス」プランは、月額プランや標準年間プランの特典に加え、メンバーシップキット、イベントへの招待、shopDisney(ショップディズニー)での割引などが含まれる。

Marvel Unlimitedには現在、2万9000冊以上のコミックが登録されており、毎週追加されていく。しかし、紙のコミックが店頭に並んでから作品がアプリに反映させるまでには、少なくとも3カ月のギャップがある。

今回のアップデートは、とっくに更新されるべき時期が過ぎたと思われていたアプリにとって、歓迎すべきものだ。Disney+(ディズニープラス)でマーベルの「What If…?(ホワット・イフ…?)」シリーズを観ていて、あるいはMarvel Cinematic Universe(マーベル・シネマティック・ユニバース)で他の作品を観ていて、コミックも読んでみたいと思っていた人は、この機会にMarvel Unlimitedを試してみてはいかがだろうか。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者Kris Holtは、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Marvel

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(文:Kris Holt、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

レノボが12.6インチAndroidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」発表、120Hz有機EL採用で重量565g

レノボが12.6インチAndroidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」発表、120Hz有機EL採用で重量565g

Lenovo

開催中のLenovo Tech World 2021イベントで、レノボがAndroidタブレットの新フラッグシップ製品 Lenovo Tab P12 Pro を発表しました。

Lenovo Tab P12 Pro はDolby Vision対応の12.6インチ有機ELディスプレイ、Dolby Atmos対応クアッドスピーカーを備えた「パーソナルホームシアター」であると同時に、Lenovo Precision Pen 3ペン対応で手書きやクリエイティブ用途にも、大型トラックパッド搭載の着脱式キーボードでプロダクティビティ用途にも対応する万能性が売りの高性能タブレット。

レノボが12.6インチAndroidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」発表、120Hz有機EL採用で重量565g

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iPad Pro 12.9インチに近い画面サイズでありつつ5.63mmの薄さ、565gの軽さも特徴。着脱式のキーボードは大きなトラックパッドを備え、キーピッチ19mm・ストローク1.3mmの本格的な仕様ながら、合体した状態でも約1kgと比較的軽量です。

さらにレノボの新たな「ワイヤレス コネクティビティ・フレームワーク」Project Unity に初めて対応。PCのワイヤレス サブディスプレイとして機能しつつ、Androidのネイティブアプリも並べて同時使用できるなど、Windows PCとの連携を強化しています。

レノボが12.6インチAndroidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」発表、120Hz有機EL採用で重量565g

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Lenovo Tab P12 Pro の主な仕様は、

  • 12.6インチ 2560 x 1600 (16:10) AMOLEDディスプレイ(120Hz対応、最大輝度600nit、色域107% NTSC、Dolby Vision / HDR10+対応)
  • Snapdragon 870プロセッサ、モデルにより最大8GB LPDDR5 RAM・256GBストレージ
  • 5Gモデル・WiFiモデル
  • JBLクアッド SLSスピーカー、Dolby Atmos対応
  • 10200mAhバッテリー、45W急速充電対応、ストリーミング動画再生 最大17時間
  • 本体重量 565g
  • Android 11

同クラスのタブレットである iPad Pro 12.9インチ(2732 x 2048、縦横比4:3)と比較すると、表示面積は10%ほど狭く画素数も下がるものの、重量は120g近く軽量です。

着脱式のキーボードはキーピッチ19mm・キーストローク1.3mm、大きめのトラックパッドと16のファンクションキー搭載。タブレット側面のPOGOピンと磁力で合体します。

参考までに、iPad Proの Magic KeyboardはiPad本体(約680g)より重く、Smart Keyboard Folioは比較的軽いもののトラックパッド非搭載。

Lenovo Tab P12 Proのキーボードは本体と一式揃えても約1kgの軽さでトラックパッドを備え、キーストロークは Magic Keyboard の1mmよりも深い1.3mmとなっています。

レノボが12.6インチAndroidタブ「Lenovo Tab P12 Pro」発表、120Hz有機EL採用で重量565g

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Lenovo Tab P12 Pro が初めて搭載する Project Unity は、レノボのWindows / Android連携フレームワークのようなもの。

画面に表示されたPINの入力で簡単にWindows 10 / 11 PCとワイヤレス接続でき、タブレットを画面拡張やミラーリング対応のサブディスプレイとして、またWindowsアプリにタッチやペン入力が可能な「液タブ」的に使えます (有機ELなので「有タブ」?)。

Project Unity の面白いところは、単なる受け身のワイヤレス ディスプレイとしてフル画面を明け渡すのではなく、AndroidアプリとWindowsアプリを共存させて使えるところ。Windowsをマルチディスプレイで使いつつ、Androidにしかないアプリを別窓で並べて利用できます。

レノボによると、Project Unity はワイヤレス コネクティビティ フレームワークとして、今後ももっと多くのデバイスの接続や管理、データストレージといった機能を追加してゆく予定。Windows 10 / 11アプリは Microsoft Storeからダウンロードします。

Lenovo Tab P12 Pro の価格は、WiFi モデルのタブレット単体で 609.99ドルから。5Gモデルは欧州中東アフリカ等の一部地域で899ユーロから。どちらも10月より販売予定です。

(Source:LenovoEngadget日本版より転載)

【レビュー】Booxタブレットは拡大する電子書籍リーダー市場で歓迎される選択肢

電子ペーパーデバイスに関して言えば、Kindleはもちろん人々が最初に思い浮かべるブランドだが、筆者はKoboやreMarkableのゴスペルも広めるよう全力を尽くしてきた。中国の電子書籍端末メーカーBooxは、この分野への比較的新しい参入者であり、そのデバイスは実験的だが、モノクロタブレットというニッチ市場では有用な選択肢だ。実際、筆者のお気に入りの小型デバイスが作られている。

関連記事:あらゆる面で初代を上回りニッチを貫くE Inkタブレット「reMarkable 2」

親会社のOnyxのブランドであるBooxは、ポケットサイズから中型サイズの電子書籍リーダー、A4サイズのタブレットまで、あまりにも幅が広すぎるという人もいるかもしれないが、さまざまなデバイスを提供している。そのブランディングは特に記憶に残るものではなく、わずかにアップデートされたバージョンがかなり定期的に出てくる。筆者が試してみたいと思っていたデバイスが、実際にはこの記事を執筆するまでの間に置き換わっていた。

統合された側面はOSで、Android 10の修正版であり、読み込みと生産性のための専用アプリがいくつか搭載されている。中国の消費者を念頭に置いて作られたこのサービスは、おそらくTechCrunch読者の方でも聞いたことのないものになるだろう。

Booxのいくつかのデバイスを試したが、最もシンプルなのは電子書籍リーダーPoke 3、より大きく複雑なNote 2、そしてスリムなNote Airと巨大なMax Lumiという具合だ。最近筆者は、eインクの最新カラースクリーンKaleido Plusを採用したNova 3 Colorに注目している。

実際には、電源を入れていないと、おそらくこれらのデバイスがすべて同じ会社のものであることはわからないだろう。ハードウェアスタイルはかなり異なるが、もちろん、グレーがかった色味でスクリーンを囲んでいる黒いタブレットには、表現の余地があまりない。

小さいながら大物

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

最もシンプルでなじみのある6インチの電子書籍リーダーから始めよう。このカテゴリーにはKindle PaperwhiteとKobo Clara HDがあり、前者はおそらくAmazonが作っている最高の製品だが、筆者は正直なところ、品質は劣るものの後者の方が好みだ。

この分野でBooxは、(数ある中で)取り立ててキャッチーな名前というほどではないPoke 3を持っているが、フォームファクターでそれを補っている。このような小さなリーダーにとってはかなりプラトン的に理想的だ。とても気に入ったので別のレビューにまとめているが、基本的なことをここで紹介しよう。

6インチ、300ppiのスクリーンはKindleやKoboと同等の品質で、Clara HDと同様にフロントライトの色温度調節が可能だ。デバイスの前面は完全に平らになっており、筆者の好みにぴったり合っている。ベゼルの幅も広すぎず狭すぎず、持ちやすい。ポケットに入れて持ち運べるシームレスなデザインで、粉粒や水こぼれにも強い(耐水性は主張していない)。上部に電源ボタン(ありがとう)、下部にUSB-Cポートが1つある。

ハードウェアに関しては、まったく批判はない。それはもっと薄くなるかもしれないが、その寸法は、人間工学に悪影響を与えることなしにこれより小さくすることはできなかったのだと思う。その厚さを1ミリ削ることも考えられるが、そうしてもほとんど気づかないだろう。

OSはAndroidの高度にカスタマイズされたバージョンで、付属するすべての長所と短所が備わっている。筆者はKoboのインターフェースのシンプルさの恩恵を常に享受してきたが、それを複雑にしようとしているかのようだ。BooxのOSはパワフルだが、入り組み過ぎていて、どのオプションを利用可能にし、ユーザーにとってわかりやすくするかを決めるのが難しい。

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

リーダーアプリのNeoReaderは、膨大なファイルフォーマットをサポートしており、ビューの変更、ブックやPDFのハイライトやメモなどを行うための巨大なコントロールセットを備えている。これは、フォントの調整やその他の基本的なことしか必要としない小型のデバイスよりも、大型のデバイスに適している。

すでに自分のコンピューター上に置かれている電子書籍を読むだけなら、デバイスのストレージ上の「Books」フォルダにドラッグするだけで済む。このタブはデバイスの電源を入れると表示され、いつでも簡単にアクセスできる。米国では利用できないが、すべてのタブに対応したビルトインストアがあり、ディレクトリを検索するためのファイルマネージャータブと、アプリと設定のためのタブがある。

アプリは別のカスタム状況だ。これは中国のデバイスであり、最近では何と呼ばれているかはともかく、一般的なGoogle認証のあるアプリストアはない。その代わり、PocketやGoodReader、KoboやKindleアプリなど、最も利用されている多数のリーディングアプリを独自のストアで提供している。しかし、これらは本質的にサイドロードされている。例えば、Kindleアプリは数カ月古い。これは決して大問題というわけではないが、このデバイスをそのまま使うには、Booxとそのプロキシアプリストアにある程度の信頼を置く必要がある。

関連記事:【レビュー】大型化し手書きメモもできる電子書籍リーダー「Kobo Elipsa」

もちろん、設定でGoogle Playサービスを有効にすることもでき、そこに公式ストアが追加される。しかしほとんどの人にとって、これはすでに過度の作業だ。私たちは電子書籍リーダーの選択において、一般的にシンプルで極めて簡単に使える、という点で甘やかされていると同時に恵まれていない。Androidに詳しくない人は、このデバイスを使ってKoboやKindle、おそらく後者の中から読むものを選ぶだろう。

それでも思い切った行動を取ることを望む人々にとっては可能性が豊富にある。筆者としては、Poke 3のフォームファクターが非常に気に入っているので、どのOSを使っても構わない。それに、普通は時間の99%が本の中のことに費やされるだろうから、その部分がうまく機能すれば、残りは単にケーキの上にアイシングするようなものである。

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

6インチのスケールでは、それはあまりにも多すぎるように思える。ただしBooxの大型デバイスでは、柔軟性はより意味を持ち始める。Note 2(現在は3)、Note Air、Max Lumiのアイデアは、Androidタブレットのほぼすべての機能を、電子ペーパースクリーンの利点とともに提供することだ。そのため、レーシングゲームをするのは簡単ではないが、iPadよりもreMarkableを使っている人にとっては魅力的だろう。

関連記事:色温度を調整可能なE Inkディスプレイ搭載Androidタブ「BOOX Note 2」

多くの文書を読む場合、明るいタブレットスクリーンで読むのは、あるいはもっと言えば暗いスクリーンで読むのはいただけない。電子ペーパーのスクリーンの方が作業には適しているが、それに向けた最良のデバイスであるreMarkableは、会社の哲学全体がフォーカスを中心に回っていることから、達成できることが極めて意図的に制限されている。そのため、電子ペーパーのように読みやすいAndroid端末の機能を求める人がいるのは間違いない。いずれにせよ、Booxはそう考えている。

Note 2とMax Lumiは関連しているように見える。印象的な大きさの目立たない黒いタブレットであり、筆者の限られたハードウェアの探求の中では優れた品質だと思われた。Note Airは特筆すべきものではないと言わざるを得ず、実際にそれを見たとき、reMarkable 2のクローンだと思ってしまった。

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

その第一印象は、筆者にとってあまり寛容なものではなかった。この2つはいくつかの重要なデザイン要素を共有しているが、実際にはかなり異なっており、Boox自身の他のデバイスを作る能力が疑わしい点を好意的に解釈するように導いてくれた。青とオレンジのモチーフは秀逸というほどではないが、他のデバイスとの違いを際立たせるのに効果的で、すべてのデバイス(特にAir)は薄くてよくデザインされている。

すべてのタブレットにはフロントライトが搭載されており、このような大きなスクリーンで実現できるかどうかについて懐疑的な見方をしていたが、それは不要なことだった。Poke 3と同様、ライトは明るさと色温度の両方を調節できる(少々微妙ではあるが)。

カラー電子ペーパーは依然として十分とはいえない

画像クレジット:Devin Coldewey

Nova 3 Colorは、eインクの最新カラー電子ペーパー技術を採用した7.8インチスクリーンを搭載している。筆者は常にこの技術の可能性に期待してきたが、カラー電子ペーパースクリーンのコントラストの悪さ、リフレッシュ速度の低さ、ゴーストなどの欠点に悩まされてきた。今回の最新版は、修正に向けてある程度の動きを見せているが(ソフトウェアのアップデートもそれを後押ししている)、残念ながら妥協点は多すぎる。

ハードウェアは他のBooxデバイスと似ており、しっかりしていて控えめだ。違いはすべてスクリーンにあり、デバイスがオフのときでもカラーで表示されている。カラー電子ペーパーは、画像を形成する微小な白黒のビーズと、変更可能なカラーフィルターの層を組み合わせることで機能する。これは他のものと同様にフロントライトが付いていて、色をポップにするのに大いに役立つ。

まだゴーストの問題は残っているが、例えばコミックを読んでいるときは、すべてのページをリフレッシュするように設定することで(ほんの数秒しかかからない)問題は解消される。ウェブページのような動的なコンテンツを使ってこれを行うのは容易なことではないが、もちろん電子リーダー上でウェブをナビゲートすることはすでに目新しいものだ。

カラー電子ペーパーは、コントラストとは言わないまでも彩度が不足している(画像クレジット:Devin Coldewey)

さらに気になるのは、カラーレイヤーがもたらすコントラストの低下と解像度の顕著な低下である。カラーコンテンツを表示すると、通常のLCDエイリアシングとは異なるが、依然として視認可能な明確なスクリーンドア効果が現れる。グレースケールのコンテンツでは、モアレなどの干渉パターンが中間調になることがある。

ブックは問題ないように見えるが、普通のモノクロeインクディスプレイほど鮮明ではないスクリーンドア効果が常に存在し、コントラストが低下している。それでもかなり読みやすいが、安価なデバイスの方がうまく機能するなら、これを正当化するのは難しい。

カラースクリーンのテキストは、モノクロスクリーンのテキストよりも鮮明さとコントラストが低い(画像クレジット:Devin Coldewey)

Booxがeインクの最新スクリーンを提供してくれたことには感謝しているし、電子書籍リーダーにもう少しタブレットのDNAを入れたい人には有益かもしれない(現時点では2つのカテゴリーはあまり区別されていない)。しかし、カラーはほとんどの場合、十分に加算されず、過度に減算されてしまう。

それですべてか、それとも薄く引き伸ばしすぎか

OSは筆者の知る限り、これらすべてで同じだが、これらのデバイスでは単に読むだけでなくインタラクティブ性に焦点が移っている。BooxはWacomのようなペンを作っていて、それを使って大きなタブレットの表面に文字を書くことができるが、reMarkableのような応答性や精度には遠く及ばない。

とはいえ、スケッチやライティングの最終的な仕上がりは満足のいくものだった。ただしOSが追いついてその文字にアンチエイリアスを施すまでには少し時間がかかるだろう。特にブラシについてはグラデーションに優れていると感じた。

Booxタブレットが他の同種のタブレット(つまりreMarkable、旧Sony Digital Paper Tabletおよびその他いくつかのニッチなデバイス)の上に持っているものの1つは、PDF処理に関するものだ。Booxデバイスでは、PDFを簡単にナビゲートしてマークアップすることができ、元のファイルは単に落書きやメモが追加されたような状態で保存される。reMarkableで書類をマークアップするのは簡単だが、やや使いにくいアプリのために共有やソートが少々面倒になっている。筆者は、元のファイル(常にどこかにコピーがある)を修正して、デバイスから直接メールするというシンプルなアプローチを好む。Booxデバイスはまさにそのようなシンプルさだ。

リーダーやノートブックの他にも、タブレットユーザーにとって便利なアプリがいくつか含まれている。期待通りの機能を備えたブラウザがある。Chromiumベースで、レンダリングは良好だが、ゴーストはひどい。そしてボイスレコーダー、ミュージックプレイヤー、カレンダーなど、もちろんGoogleアプリストアやビルトインストアからもダウンロードできるものも他にたくさんある。もし望むのであれば、こうしたとても包括的なデバイスを作ることもできる。

この種の電子ペーパータブレットの市場がどれだけ大きいのか、筆者にはよくわからない。しかし、これらのデバイスは何か興味深くてユニークなものを提供していると感じている、とはいえ、iPadが大型のBooxタブレットの半分の価格で手に入り、ほとんど同じことができる、という事実を回避するのは難しいだろうと思うが。

ただし、これらの電子ペーパーデバイスにはそれなりの魅力があり、長い文書を読んだり、校正したりするつもりなら、いくつかの理由からiPadよりもこれらのデバイスの方が優れている。Booxのラインナップにはこれまで以上に多くの選択肢が用意されており、それは間違いなく良いことである。

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画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Dragonfly)

設立10周年を前に黒字化を達成した元Nokiaスタッフが企業したJolla、モバイル以外の展開も視野に

約10年前、Nokia(ノキア)のスタッフ数人が、Google(グーグル)のAndroidに代わるLinuxベースのモバイルOSを開発するために設立したフィンランドのスタートアップ企業Jolla(ヨーラ)。現在Sailfish OSを手がける同社は、現地時間8月25日、黒字化を達成したことを発表した。

モバイルOSのライセンス事業を行っているJollaは、2020年を事業の「ターニングポイント」と位置づけていた。売上高は前年同期比53%増、EBITDAマージン(利払い前・税引き前・減価償却前利益を売上高で割った比率。経営効率を示す)は34%となった。

Jollaは、新しいライセンス製品(AppSupport for Linux Platforms)の提供を開始したばかりだ。この製品は、その名の通り、Linuxプラットフォームに一般的なAndroidアプリケーションとの互換性をスタンドアロンで提供するもので、顧客はSailfish OSのフルライセンスを取得する必要はない(もちろん、Sailfish OSは2013年からAndroidアプリケーションに対応している)。

Jollaによると、AppSupportは初期の段階から、自社のインフォテインメントシステム(情報と娯楽を提供するシステムの総称)を開発するためのソリューションを探している自動車会社の「強い」関心を集めているという。AppSupportがあれば、Googleの自動車向けサービスを使わずに、車載のLinux互換プラットフォームでAndroidアプリケーションを実行できる、というのがその理由だ。多くの自動車メーカーがAndroidを採用しているが、Jollaが提供する「Googleフリー」の選択肢には、さらに多くのメーカーが興味を持ちそうだ。

車載のLinuxシステムにもさまざまなユースケースが考えられる。例えばIoTデバイスで人気の高いアプリケーションを実行できるようにして顧客に付加価値を提供する、といった幅広い需要が期待できる。

CEOで共同創業者のSami Pienimäki(サミ・ピエニマキ)氏は次のように話す。「Jollaは順調に成長しています。2020年、正式に黒字化できたことをうれしく思っています」。

ピエニマキ氏は「資産や会社が全体的に成熟してきたことで、顧客が増え始めています。私たちは少し前から成長に注力し始めました」と述べ、同氏のトレードマークでもある控えめな表現で好調な数字の理由を説明する。「Jollaは10月に設立10周年を迎えますが、ここまで長い道のりでした。この過程で、私たちは着実に効率性を高め、収益を向上させることができました」。

「2019年から2020年にかけて、私たちの収益は50%以上伸び、540万ユーロ(約7億円)となりました。同時に運用コストベースもかなり安定してきたので、それらが相まって収益性を高めることができました」。

消費者向けのモバイルOS市場は、ここ数年、GoogleのAndroidとApple(アップル)のiOSにほぼ独占されているが、JollaはオープンソースのSailfish OSを政府や企業にライセンス供与し、Googleの関与を必要としない、ニーズに合った代替プラットフォームとして提供している。

意外かもしれないが、ロシアは同社が早くから参入した市場の1つである。

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近年では、地政学的な緊張が技術プラットフォームにもおよび、場合によっては外国企業による米国の技術へのアクセスが(破廉恥にも)禁止されるなど、デジタル主権の主張が強まり、特に(米国以外の)独立したモバイルOSプラットフォームプロバイダーの必要性が高まっている。

これに関連して、6月には中国のHuawei(ファーウェイ)が、Androidに代わる独自のスマートフォン「HarmonyOS」を発表している。

ピエニマキ氏はこの動きを歓迎し、Sailfish OSが活躍する市場の妥当性を示しているとしている。

HarmonyOSがSailfishのパイを奪ってしまうのではないかという質問に対し、同氏は次のように答える。「私は、HuaweiがHarmonyOSの価値提案や技術を出してきたことを、必ずしも競合するものとは考えていません。むしろ、市場にはAndroid以外の何かへの要求があることを証明しているのだと思います」。

「Huaweiは彼らの市場を開拓し、私たちも私たちの市場を開拓しています。両者の戦略とメッセージは、お互いにしっかりとサポートし合えていると思います」。

Jollaは、数年前からSailfishの中国進出に取り組んできたが、この事業は現段階ではまだ進行中である。しかし、ピエニマキ氏によれば、Huaweiの動きは、極東地域におけるAndroid代替製品のライセンス事業拡大という目標を妨げるものではないという。

「中国市場では一般的に健全な競争が行われ、常に競合するソリューション、激しく競合するソリューションが存在しています。Huaweiはその中の1つであり、私たちもこの非常に大きく難しい市場にSailfish OSを提供できることをうれしく思います」。

「私たちは中国で良い関係を築いており、中国市場に参入するために現地のパートナーと一緒に仕事をしています」とピエニマキ氏は続ける。「Huaweiのような大企業がこの機会を認識することは非常に良いことだと思っています。これにより、業界全体が形成され、Androidを選択せざるを得ない状況は解消されました。他に選択肢があるのですから」。

Jollaによると、AppSupportについては、自動車業界が「このようなソリューションを積極的に探している」という。同社は「デジタルコックピットは自動車メーカーにとって他社と差別化するための重要な要素」と指摘し、自動車メーカー自体がコントロールできる戦略的に重要な要素であると主張する。

「ここ数年、この分野はポジティブな状況にあります。Tesla(テスラ)のような新規参入企業が自動車業界を揺るがしたことで、従来のメーカーはコックピットでどうやってユーザーに楽しんでもらうか、という点について、これまでとは異なる考え方をする必要に迫られています」とピエニマキ氏。

「この数年間の多額の投資により、この業界は急速な発展を遂げてきました。しかし同時に、私たちは、私たちの限られたリソースの中で、この技術のチャンスがどこにあるのかを学んでいるところだということを強調しておきたいと思います。(Sailfish OSは)自動車分野での利用が多いのですが、他の分野、たとえばIoTや重工業などでも可能性があると考えています。私たちはオープンに機会を探っています。でも、ご存じの通り、自動車は今とてもホットな分野ですからね」。

「世界には一般的なLinuxベースのOSが数多く存在していますが、私たちはそれらのOSに優れた付加技術を提供することで、厳選されたアプリケーションを利用できるようにしています。例えばSpotifyやNetflix、あるいは特定の分野に特化した通信ソリューションなどが考えられます」。

「そのようなアプリケーションの多くは、当然ながらiOSとAndroidの両方のプラットフォームで利用できます。そして、それらのアプリケーションを単に存在させるだけでなく、Linuxプラットフォーム上で独立して実行することができれば、多くの関心を集めることができます」。

Jollaはもう1つの展開として、AppSupportの販売促進とSailfishライセンスビジネスのさらなる成長のために、2000万ユーロ(約26億円)を目標とした新たな成長ステージの資金調達の準備を進めている。

ヨーロッパは現在もモバイルOSライセンスビジネスの最大の市場であり、Sailfishの成長の可能性が見込まれている。また、ピエニマキ氏は、アフリカの一部の地域でも「良い展開」が見られると述べている。中国への進出をあきらめたわけでもない。

この資金調達ラウンドは2021年の夏に投資家に公開され、まだクローズされていないが、Jollaは資金調達を成功させる自信があるという。

「私たちはJollaストーリーの次の章を迎えようとしています。そのためには新しい機会を探る必要があり、そのための資本が必要で、私たちはそれを探しています。投資家サイドには現在資金が豊富にあります。一緒に仕事をしている投資銀行と私たちは、そこに勝機を見出しています」とピエニマキ氏。

「この状況であれば、投資家には必ず興味を持ってもらえると思います。Sailfish OSとAppSupportの技術への投資、さらには市場開拓のための投資を獲得して、市場の多くのユーザーに私たちの技術を利用してもらえるはずです」。

画像クレジット:Jolla

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

渋谷区がKDDIと連携しデジタルデバイド解消目的に65歳以上の高齢者1700人にスマホ無償付与、通信料も負担

渋谷区がKDDIと連携しデジタルデバイド解消目的に65歳以上の高齢者1700人にスマホ無償付与、通信料も負担

東京都渋谷区は、コロナ禍による新しい生活様式や防災対策における高齢者のデジタルデバイド(情報格差)解消を目的に、65歳以上でスマートフォンを保有していない約1700人を対象にスマートフォンを無料配布する実証実験を開始しました。

この実験では、KDDIのスマートフォン(Galaxy A21)を、公募した高齢者約1700人に2年間無償で貸与します。その際の通信料も区が負担します。

あわせて、高齢者がスマートフォンをスムーズに使いこなせるように勉強会を適宜開催します。また、参加者専用のコールセンターを設け、遠隔操作でのサポートも実施します。

加えて、アプリの利用ログや勉強会でのアンケート情報を収集し、スマートフォンの利用状況を個人を特定できない形で可視化することで、高齢者のスマートフォン利用の活性化に関する課題を収集します。

渋谷区によると、区内の高齢者約4万3000人のうち、約25%はスマートフォンを保有してらず、渋谷区が実施しているLINEでの情報発信や防災アプリを用いたデジタルサービスの提供が十分に活用できていない状況だといいます。こうした「情報格差」の解消に本実証実験を役立てる狙いがあります。

(Source:KDDIEngadget日本版より転載)

ドイツ政府がEUに対しスマホメーカーによる7年間のセキュリティ更新・パーツ供給の義務づけを提案

ドイツ政府がEUに対しスマホメーカーによる7年間のセキュリティ更新・パーツ供給の義務づけを提案

sigoisette via Getty Images

ドイツ政府が欧州委員会に、スマートフォンメーカーにセキュリティアップデートやスペアパーツを7年間提供するよう義務づけることを提案したと報じられています。

ドイツのニュースメディアHeise.de(ハイス・オンライン)によると、ドイツ連邦政府はスマートフォンやタブレットの修理・サービスに関する規制を変更するために、欧州委と交渉を開始したとのことです。欧州委はスペアパーツの供給につきスマートフォンでは5年間、タブレットでは6年間を義務づけることを計画していますが、ドイツはこれらを7年間に延長したいかまえです。

そうした期間の延長に加えて、ドイツ政府はスペアパーツを「妥当な価格」で提供されるのを望んでいるとのことです。これにはメーカーがスペアパーツの価格を公表し、時間の経過とともに値上げしないことも含まれています。

さらにスペアパーツが目的地に到着するまでの期間についても、欧州委の案では最大で5営業日に対して、ドイツはより短い期間の配送を義務づける意向とのこと。それに加えて修理期間が長くかかる場合は、顧客は修理ではなく本体の交換を選べる可能性にも言及されています。

しかしスマートフォンメーカーが望んでいるのは、それとは真逆のことです。Googleやサムスンのほかアップルも加入している業界団体DigitalEuropeはセキュリティアップデートを3年、機能アップデートを2年に限ることを提案。それに加えて、スペアパーツの提供義務もディスプレイやバッテリーに限り、カメラやマイクなどは「故障することはほとんどない」として除外を求めています。

今回の提案はiPhoneも対象としていますが、アップルはたいてい5年間もの機能およびセキュリティアップデートを提供しています。

かたやAndroidデバイスメーカーの多くが提供するセキュリティアップデートは、多くが3年以下に留まっており、もしもドイツ案が通れば影響はより大きいと思われます。サムスンは今年初めにセキュリティアップデートを最低4年間提供する(2019年以降の端末に限り)と発表しましたが、それ以前は2年ないし3年でした。

数年前のデバイスを末永く使い続けられることはユーザーにも有り難く、また電子廃棄物を減らすことにつながり環境保護にも貢献できると思われます。が、スマートフォンメーカーにしてみれば旧製品が修理され続ければ新製品を売る妨げにもなりかねず、また過去モデルの部品を確保する負担ものし掛かってくるはず。今後もスマートフォン業界からロビー活動など、政治的な働きかけが続けられるのかもしれません。

(Source:Heise.de。Via AppleInsiderEngadget日本版より転載)

クアルコムがBluetooth用の新音声コーデック「aptX Lossless」を発表、CDロスレスオーディオを伝送可能に

クアルコムがBluetooth用の新音声コーデック「aptX Lossless」を発表、CDロスレスオーディオを伝送可能に

PeopleImages via Getty Images

クアルコムが、Bluetooth用の新音声コーデック「aptX Lossless」を発表しました。CDのサンプリング仕様である44.1kHz / 16bit PCM信号をロスレスで伝送することが可能な高音質コーデックです。音源の送信側(プレーヤー)と受信側(イヤホン / ヘッドホンまたはBluetoothスピーカー)双方がこのコーデックに対応していれば、CDの音質を劣化させることなくワイヤレスで再生することが可能です。

aptX Losslessはクアルコムが3月に発表した「Snapdragon Sound」という高音質オーディオ伝送技術およびソフトウェア群の一部として提供されます。Snapdragon SoundではaptX Adaptive機能によって最大96Hz / 24bitまでの音源伝送を可能としますが、この場合は不可逆圧縮を加えるため音質の劣化が発生します。aptX LosslessはaptX Adaptiveの拡張として提供され、44.1kHz / 16bitまでの音源であればロスレスでの伝送を行います。つまりCDが採用する仕様のPCMデータならそのままの音質で伝送し、ロスレス再生が可能ということです。

Snapdragon Soundでは、Bluetooth High Speed Link技術の改良によってCDロスレスオーディオ信号を送信可能なするだけのスループットを提供すると述べています。もしCDロスレス以上の音質のデータをスマートフォンから伝送する場合は、最大96kHz / 24bitの圧縮伝送を使用するとのこと。なお、ユーザーは設定により手動で44.1kHz / 16bitにするか96Khz / 24bitにするか選択もできますが、ソース音源がCDロスレスまでの場合は自動的に44.1kHz / 16bitになります。また通信環境が悪くスループットが出ない場合は、圧縮伝送に切り替え140kbpsにまで伝送速度を下げます。

技術仕様は以下のとおり。

・44.1kHz / 16bit CDロスレスオーディオ品質をサポート
・Bluetoothリンク品質に基づいてCDロスレスオーディオにスケールアップ
・ユーザーはCDロスレスの44.1kHz / 16bitと、96kHz / 24bitロッシーから選択可能
・ソース音源がロスレスの場合にCDロスレスオーディオを有効にする自動検出
・正確なビットレートは約1Mbps

クアルコムはSnapdragon SoCにaptXコーデックをデフォルトで搭載するため、今後発売される北米や欧州で流通するスマートフォンのほとんどは、音楽プレーヤーとしてaptX Losslessに対応していくはずです。発表によれば、このaptX Losslessは今年後半に利用可能になり、搭載する製品もその時期当たりには最初のものが発表されるとのことです。

これまで、Bluetooth経由でのオーディオ再生でもっとも高音質とされたのはソニーの独自コーデック「LDAC」でした。これとアップスケーリング技術のDSEE HXを組み合わせることで、LDACは96Khz / 24bit相当の音質での伝送は可能ですが、これもやはり不可逆圧縮で、厳密に言えば音質の劣化は避けられません。また当然ながらLDACも、プレーヤー側とイヤホン / ヘッドホン、スピーカー側の双方がLDACに対応していなければなりません。

ちなみに、Apple MusicやAmazon Music Ultra HDなどはすでに楽曲のロスレス / ハイレゾ配信を行っており、Spotifyも今年後半にロスレス配信を提供する予定です。近々、Androidスマートフォンを新しくしようと思っている人は、Snapdragon SoCを搭載しaptX Losslessに対応する機種が出るまで待つ方が得策かもしれません。一方、アップルのiPhoneは、Bluetooth音声伝送には伝統的に自社のAACを使用しておりBluetoothでの音楽再生はロスレスオーディオに対応していません

(Source:Qualcomm 2021 State of SoundEngadget日本版より転載)

フェイスブックがスポーツやリアリティ番組の結果を予想するファンタジーゲーム市場に参入

Facebook(フェイスブック)が、ファンタジースポーツなどのファンタジーゲーム市場に参入する。同社は米国時間9月1日朝、米国およびカナダにおいて、iOSおよびAndroid用のFacebookアプリで「Facebook Fantasy Games(フェイスブック・ファンタジーゲーム)」を開始したことを発表した。ゲームの中には、すでに市場に出回っている従来のファンタジースポーツゲームを「よりシンプルにした」と説明されているものや、「Survivor(サバイバー)」や「The Bachelorette(バチェロレッテ)」などの人気テレビシリーズに関連した予想をすることができるものもある。

最初にリリースされるゲームは、Whistle Sportsとの提携による「Pick & Play Sports」で、ファンは、大試合の勝敗やトップ選手の獲得ポイントなど、試合中に展開されるイベントを正しく予想するとポイントを獲得できる。また、プレイヤーは数日間にわたって連続して正しい予想をすることで、ボーナスポイントを獲得することもできる。このゲームは本日提供開始される。

画像クレジット:Facebook

今後数カ月の間に、CBSの人気テレビ番組に登場する参加者たち(サバイバー)を選んで自分のファンタジーチームに参加させる「Fantasy Survivor」や、独身女性のハートを争う求婚者たちの中から男性グループを選び、彼らの行動や番組中に起こった出来事に応じてポイントを獲得する「Fantasy “The Bachelorette”」など、スポーツやテレビ、ポップカルチャーに関連したゲームが続々リリースされていく予定だ。その他にも、最も多くのホームランを打つと思われる野球チームを選ぶ「MLB Home Run Picks」や、その日に勝利するサッカーチームをファンが予想する「LaLiga Winning Streak」など、スポーツに特化したゲームを予定している。

トッププレイヤーがリーダーボードに表示されるだけでなく、これらのゲームは、友達と一緒にプレイしたい人のためのソーシャル機能も備えている。

画像クレジット:Facebook

プレイヤーは、友人と一緒に自分たちのファンタジーリーグを作り、公開または非公開でファン同士の対戦を楽しむことができる。リーグのメンバーはお互いのスコアを比較でき、ピックやリアクション、コメントを共有できる場所が用意されている。このリーグエリアは、メンバーのみが投稿できる専用の投稿作成ボックスやフィードが用意されており、Facebookのプライベートグループに似ている。しかし、このページは「プレイ」や「リーダーボード」を見るための特別ボタンなど、リーググループをサポートする機能を含めて設計されている。

ファンタジーゲームの追加は、FacebookがソーシャルでTikTok(ティックトック)との厳しい競争にさらされている今、ユーザーが同社のアプリに費やす時間を増やすのに役立つかもしれない。App Annieによると、TikTokのユーザー1人当たりの月間平均利用時間は、2020年に他のトップソーシャルアプリよりも速く成長しており、米国では70%もの伸びを示し、Facebookを上回っている。

Facebookはこれまでにもライブイベントのセカンドスクリーン向けコンパニオンアプリというアイデアを検討してきたが、ファンタジースポーツやゲームとは異なる方法だった。Facebookの研究開発部門がテストしたVenueは、著名人がアプリ内でホストを務めるライブイベントにファンがコメントするというものだった。

同社は他にも、デスクトップウェブやAndroid上のクラウドゲーミングサービスストリーマー向けの「Games」タブ、VR企業であるOculus(オキュラス)などを通じ、ゲーム分野でいくつかの投資を行っている。

新しいリーグゲームは、モバイルアプリのブックマークメニューや、ニュースフィードの通知から利用できる。

関連記事:Facebookもクラウドゲームへ参入、Appleと同社の新たな確執が生まれる
画像クレジット:Facebook

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

江戸時代のくずし字をAIにより文字認識し現代の書体に変換(翻刻)するアプリ「みを」をCODHが無料公開

江戸時代のくずし字をAIにより文字認識し現代の書体に変換(翻刻)するアプリ「みを」をCODHが無料公開

データサイエンス共同利用基盤施設(ROIS-DS)人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)は8月30日、江戸時代の版本に書かれているくずし字を現代の書体に変換(翻刻)するアプリ「みを」(miwo)を無料公開した(Android版iOS版)。開発者は、カラーヌワット・タリン氏。共同開発者は北本朝展氏とMikel Bober-Irizar氏。共同研究者はAlex Lamb氏、Siyu Han氏。

AIくずし字認識については、CODH開発の「KKuroNetくずし字認識サービス(AI OCR)」および「Kaggleくずし字認識コンペ」1位のtascj氏が開発したくずし字認識モデルを用いている。また両AIモデルの学習には、同センターが開発し国文学研究資料館が公開している「日本古典籍くずし字データセット」を利用。Flutterを活用したクロスプラットフォーム開発により、Android・iOS対応アプリを作成した。

みをでは、カメラでくずし字を撮影し、画面下中央の「認識ボタン」をタップすると、ほぼ瞬時にして画像の個々のくずし字の上に、対応する現代の書体が緑色で示される。画面下のスライダーを動かすと、翻刻されたレイヤーを部分的に隠せるので、原文との比較がしやすくなる。まだ完ぺきではないとCODHも言っているように、実際に使ってみると、たまに文字が抜けたり違っていたりもするが、まったくくずし字が読めない人間にすれば、かなりの助けになる。

原文または翻刻された文字をタップすると両方の対応する文字にマーカーが付く。また画面右上の四角形のアイコンをタップすると、認識したすべての文字が四角形で囲まれる。四角形は色分けされ、どの文字がどれに対応しているのかがわかるようになる。

またCODHのくずし字データセットと連携し、認識結果に疑問を抱いた際には、くずし字の用例を確認できる。

江戸時代のくずし字をAIにより文字認識し現代の書体に変換(翻刻)するアプリ「みを」をCODHが無料公開

CODHによれば、くずし字が読める人は、日本の人口のわずか0.01%程度(数千人程度)だという。歴史的資料は大量にあるものの、くずし字を読める人が少ないために翻刻には大変な時間がかかるのが現状だ。そこで、AIを使った翻刻システムを開発しようと考えたとのこと。アプリ名の「みを」は、「源氏物語」の第14帖「みをつくし」に由来する。航路を示す標識「澪標」を意味するが、「人々の水先案内となるように、「みを」アプリがくずし字資料の海を旅する案内となることを目指しています」とCODHは話している。

ChromebookでAndroid版MS Officeアプリが9月18日以降利用不可に、ウェブ版への移行推奨

ChromebookでAndroid版MS Officeアプリが9月18日以降利用不可に、ウェブ版への移行推奨

Chromebook(Chrome OS)の特徴の一つが、Android用アプリへの対応。この機能が搭載されているため、ChromebookでWordやExcelといったMicrosoft Officeアプリが必要な際は、Android版を利用できます。

ただしこのMicrosoft純正のOfficeアプリは、残念ながら9月18日(現地時間)以降利用できなくなりそうです。というのも、一部のユーザーが、Chromebook上でOfficeアプリのサポートが終了するとの通知を受け取っているため。

Chromebookの情報に特化したウェブメディアAbout ChromebookがMicrosoftに確認したところ、OfficeのAndroidアプリは9月18日にChromebookサポートを終了し、代わりにOffice.com(Web版Office)を利用する必要があるとの返答を得たとのことです。

なお、今回の処置はChromebookで利用できなくなるだけで、Android上では引き続きOfficeアプリが利用可能なようです。

Microsoftは声明の中で「Chrome OS/Chromebookをご利用のお客様に最適な体験を提供するため」としており、ウェブ版への移行に際し「追加のプレミアム機能を利用できる」とも言っています。

今後、何か新しいバージョンがリリースされるのか、あるいはクラウドPCのWindows 365導入を促す目的なのか、いまのところ、この変更の理由は定かではありません。

ただしどちらにせよ、Officeアプリを利用していたChromebookユーザーにとっては、ウェブ版を利用するか、あるいはGoogle Docなどに移行するのか、といった選択を迫られることになりそうです。

(Source:About Chromebook。Via 9to5GoogleEngadget日本版より転載)

「ポケモンユナイト」9月22日iOS / Androidに登場、「ダイヤモンド・パール」リメイクとオープンワールドタイトルも発表

ポケモンプレゼンツのライブ配信において、The Pokémon Company(ポケモン)は「Pokémon UNITE(ポケモンユナイト)」を9月22日にiOSおよびAndroid向けに配信することを発表した。本作は、2021年7月下旬にNintendo Switch向けに発売された戦略的バトルゲームだが、モバイル端末での配信開始により、潜在的なユーザー層が拡大する。

すでにNintendo Switchでプレイしているユーザーは、クロスプラットフォームでのプレイが可能だ。すべてのユーザーが、デバイスを問わず一緒にプレイすることもできる。また、モバイルゲームの入手にはSwitchを持っている必要はない。「Pokémon UNITE」は基本無料だが、マイクロトランザクション(ゲーム内通貨を購入して、特定のアイテムやポケモンを入手可能)を採用している。

発表会では、新しいゲームプレイ映像や、今後発売されるNintendo Switch向けの特集ニュースも公開された。2006年に発売されたニンテンドーDS用ゲームソフトをリメイクした「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール」(2021年11月19日発売)と「Pokémon LEGENDS アルセウス」(2022年1月28日発売)は、ポケモン初のオープンワールドRPGとなる

ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール

これまでのリメイク版と同様に「ポケモンを追いかける」「ひみつきち」「トレーナーの着せ替え」など、当時のゲーム内容を踏襲した上で、新たな機能を搭載している。また「モンスターボール」のカプセルをデザインしたり「ポケモンコンテスト」に参加したりと、発売当時の機能が再現されている。

しかし「ブリリアントダイヤモンド」と「シャイニングパール」では、ポケモンシリーズで初めて「地下大洞窟」と呼ばれる新たな遊びが導入される。プレイヤーはポケモンの像を集めて「ひみつきち」を作ることができ、どの像が飾られているかによって「地下大洞窟」にある「ポケモンの隠れ家」に異なるポケモンが出現する。15年前のゲームのリメイクを記念して、任天堂は2021年11月5日に、グレーの本体に金と銀の伝説のポケモンが描かれた「Nintendo Switch Lite ディアルガ・パルキア」を発売する

続いて、ポケモンは「Pokémon LEGENDS アルセウス」の詳細情報を公開した。本タイトルはポケモンシリーズ初の試みとなり、ファンは、オープンワールドデザインをNintendo Switchゲームで4番目となる2320万本売れた「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」と比較しているが「モンスターハンター」に似ているという声もある。新作では、ヒスイ地方(シンオウ地方の古代)が導入され、おじいちゃんのようなガーディといった新しいポケモンや「ヒスイ地方のバスラオが進化した姿。川の遡上の過酷な道のりで倒れていった、バスラオの群れの仲間たちの無念の魂が取り憑き、進化した」ときに進化できるバスラオの進化形「イダイトウ」などが登場します。そう「アルセウス」は子ども向けシリーズだ。

悪夢のような新しいポケモンはさておき、ライブ配信ではこれら新タイプのポケモンゲームがどのように機能するかについての情報も明らかになった。

通常のポケモンゲームと同様に、プレイヤーはポケモン図鑑を完成させるためのミッションに着手するが「これまで存在しなかったような最強のポケモン」になるためにトレーニングするのではなく、探検隊の一員として、ポケモンの性質や彼らが持つ秘密について学ぶために調査活動を行う行います。任務の合間には、基地(古代のポケモンセンター?)で仲間を回復したり、アイテムを作ったり、消耗品を買ったりすることができる。「Pokémon LEGENDS アルセウス」また「Pokémon UNITE」のように、1998年に発売された初代「ポケットモンスター」以来、慣れ親しんできたターン制のゲームをそのまま流用するのではなく、新たなバトルスタイルを導入するとのこと。

これらのゲームは期待できそうだが「イダイトウ」のことは深く考えないようにしよう。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:ポケモンNintendoNintendo SwitchiOSAndroidゲーム

画像クレジット:Pokémon Legends: Arceus

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Katsuyuki Yasui)

8月26日発売・税込5万1700円の「Google Pixel 5a(5G)」実機レビュー、その実力をさっそく検証

8月26日発売・税込5万1700円の「Pixel 5a(5G)」実機レビュー、その実力をさっそく検証

グーグルは、18日にPixel aシリーズの最新モデル「Pixel 5a(5G)」を発表しました。

aシリーズは、いわゆる廉価モデル。リーズナブルな価格ながらも、AIをフル活用したカメラ機能は上位モデルとほぼ同等ということで、人気を集めています。

Google Pixel 5a(5G)は日米限定発売、理由は『半導体不足』

速報:Google、1万1900円の完全無線イヤホン Pixel Buds A-Series日本投入。廉価でも音質『同等』

Pixel 5a(5G)は、その名の通り、昨年発売された「Pixel 5」の廉価版という位置づけで、これまでと同様、カメラ機能はセンサーも含めてまったく同じ。グーグル自身のオンラインストアで販売されるほか、キャリアではソフトバンクが独占提供します。グーグルの直販価格は税込5万1700円で、予約は本日(8月18日)より開始、発売は8月26日を予定します。

グーグルはPixel 5a(5G)を発表した。Pixel 5の廉価版という位置づけだ

グーグルはPixel 5a(5G)を発表した。Pixel 5の廉価版という位置づけだ

これまでのaシリーズとは違い、Pixel 5a(5G)はどちらかと言うと、かなりPixel 5寄りです。カメラ以外にも、チップセットのSnapdragon 765Gや金属を使った剛性の高いボディ、防水対応といった点がPixel 5から受け継がれています。Pixel 5がフラッグシップモデルでありながら、最上位モデル向けのSnpadragon 865を採用していなかったこともあり、廉価モデルながら処理能力が並んでしまったというわけです。

筐体には金属を採用しているが、塗装で柔らかな印象に仕上げられている

筐体には金属を採用しているが、塗装で柔らかな印象に仕上げられている

実機に触れる機会がありましたが、持ち前のレスポンスのよさは健在で、おなじみの「夜景モード」や「Live HDR+」「超解像ズーム」といった機能はそのまま使えました。以下にPixel 5a(5G)で実際に撮った写真を何枚か掲載してみましたが、その写りはPixel 5と比べても遜色ありません。HDRがしっかり効いていて、色味も鮮やかめ。超解像ズームも映像の破たんが少なく、劣化自体はするもののかなり実用的な印象です。

カメラは標準と超広角の2つ。スペックはPixel 5と同じだ

カメラは標準と超広角の2つ。スペックはPixel 5と同じだ

望遠カメラは非搭載だが、超解像ズームに対応し、最大7倍まで寄ることができる。写真は上から0.7倍、1倍、6倍望遠カメラは非搭載だが、超解像ズームに対応し、最大7倍まで寄ることができる。写真は上から0.7倍、1倍、6倍

望遠カメラは非搭載だが、超解像ズームに対応し、最大7倍まで寄ることができる。写真は上から0.7倍、1倍、6倍

望遠カメラは非搭載だが、超解像ズームに対応し、最大7倍まで寄ることができる。写真は上から0.7倍、1倍、6倍

暗めの場所でもノイズが少ない。彩度がやや高めでキレイな写真が撮れる

暗めの場所でもノイズが少ない。彩度がやや高めでキレイな写真が撮れる

バッテリーに関してはPixel 5より大型化。容量は4680mAhで、4080mAhだったPixel 5より1割以上容量が増えています。ソフトウェア側の機能としては、「自動調整バッテリー」にも対応。バッテリーの持ちは悪くありません。6.34インチと、ディスプレイも6インチだったPixel 5より大きくなっています。90Hzのスムーズディスプレイには非対応ですが、こうした点が廉価版と言えるゆえんかもしれません。

バッテリー容量はPixel 5より増え、自動調整バッテリーにも対応

バッテリー容量はPixel 5より増え、自動調整バッテリーにも対応

指紋センサーは背面に搭載していますが、これもPixel 5と同じ。マスクを着けたままでもロック解除が簡単にできます。背面のカメラよりやや下に搭載されているため、手に持ったとき人差し指が自然に当たり、使い勝手は悪くありません。ただ、側面や画面内の指紋センサーと比べると、机やテーブル、スタンドなどに置いたまま使いづらいのが難点。インカメラはごく普通の撮影用カメラのため、Pixel 4のときのような顔認証も非対応で、良くも悪くもPixel 5の特徴が受け継がれています。

ここまでは、意図的にPixel 5との比較をしながらPixel 5a(5G)を紹介していきましたが、忘れてはいけないのが、昨年はaシリーズの端末が2機種あったこと。2020年は、4G対応のPixel 4aと5G対応のPixel 4a(5G)の2モデルがリリースされています。

少々厄介なのが、Pixel 4a(5G)が単純なPixel 4aの5G対応版ではなかった点です。当時は5Gに対応させるためのチップセットがSnapdragon 700シリーズまでしかなかったためか、Pixel 4a(5G)は4aと銘打ちながらも、機能面ではPixel 5寄りでした。

左がPixel 5(左)、右がPixel 4a(5G)。どちらもスペックはPixel 5a(5G)に近い

左がPixel 5(左)、右がPixel 4a(5G)。どちらもスペックはPixel 5a(5G)に近い

例えば、チップセットはPixel 5やPixel 5a(5G)と同じSnpadragon 765G。カメラも、12メガピクセルの標準カメラと16メガピクセルの超広角カメラのデュアルで、ディスプレイにも6.2インチ、フルHDのOLEDが採用されていました。実質的に、Pixel 4a(5G)がPixel 5の廉価版に近い仕様だったため、こことの比較になると、Pixel 5a(5G)があまり進化していないようにも見えます。

バッテリー容量の増加や、防水対応、ボディの素材の3点は差分になりますが、型番の数字を4aから5aに上げるだけの進化なのかについては疑問符もつきます。

イレギュラーなPixel 4a(5G)の存在があったこともあり、何となくマイナーチェンジモデルに見えてしまうPixel 5a(5G)ですが、仕様的にはちょうどPixel 5とPixel 4a(5G)の中間に位置する端末。価格に関してはPixel 5はもちろん、Pixel 4a(5G)よりも安くなっているため、コストパフォーマンは低くありません。秋に登場する予定の「Pixel 6」や「Pixel 6 Pro」までの機能は必要ないというユーザーにとっては、十分魅力的な端末と言えるでしょう。

Pixel 6、6 Proは外観やチップセットなどを公開済み。ただし、仕様の詳細は発表されていない

Pixel 6、6 Proは外観やチップセットなどを公開済み。ただし、仕様の詳細は発表されていない

ちなみに、グーグルによると、Pixel 5a(5G)は昨今の半導体不足から、投入される市場が日本と米国のみに限定されているといいます。生産台数が抑えられているため、特に需要の高い市場に絞ったというのがその理由。Pixel人気の高い国だからこその厚遇と言えますが、裏を返せば、日米以外ではPixel 4a(5G)があればニーズを満たせていたとも考えられます。

こうした理由もあり、Pixel 5a(5G)はMostly Blackの1色展開。21年1月にCleary Whiteが追加されて2色展開になったPixel 4a(5G)とは、カラバリでも差別化が図られています。カラーはMostly(ほとんど)というように、真っ黒ではなく、どことなく緑がかったような色合いに仕上がっています。カラバリの乏しさをカバーするため、ポップなカラーリングのケースも4色発売される予定。ケースで背面が隠れてしまうのであれば本体は1色でOKという大胆な割り切りですが、こうした点も廉価端末らしい部分と言えそうです。

1色に限定されている代わりに、ポップなカラーリングのケースが4色発売される

1色に限定されている代わりに、ポップなカラーリングのケースが4色発売される

Google Pixel 4a 5G発表。「ほとんど Pixel 5」で6万円台の高コスパ5Gスマホ

(石野純也。Source:GoogleEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Android(製品・サービス)Google / グーグル(企業)Google Pixel(製品・サービス)スマートフォン(用語)日本(国・地域)

「Android 12 Beta 4」最終ベータ版が配信開始、プラットフォーム安定性のマイルストーンに到達

Google(グーグル)は、Android OSの最新バージョンとなる「Android 12」のリリースに向けて、さらに一歩前進した。同社は米国時間8月11日、Android 12の第4ベータ版「Beta 4」を公開した。このベータ版で最も注目すべき点は、「プラットフォーム安定性(Platform Stability)」のマイルストーンに到達したことだ。これは、Androidアプリの開発者に影響を与える変更が最終的に完了したことを意味しており、開発者は後続リリースでの互換性を損なう変更を心配することなくアプリをテストすることができる。

今回アップデートされたAndroidバージョンでは開発者は多くの新機能を利用できるが、Googleは開発者たちに、まずはAndroid 12に対応するアップデートのリリースに注力するよう促している。Androidの新バージョンにアップグレードした際にアプリが正常に動作しないことが判明した場合、ユーザーはアプリの使用を完全に止めたり、あるいはアンインストールする可能性もあると同社は警告している。

​​Android 12に搭載されたコンシューマー向けの主な機能としては、「Material You」と呼ばれる、よりアダプティブな新しいデザインシステムが挙げられる。これにより、ユーザーはOS全体にテーマを適用して、Android体験をパーソナライズすることができる。また、アプリがマイクやカメラ機能を使用しているかどうかを示すインジケーターや、iOSと同様にユーザーのクリップボード履歴を読み取ったアプリに関してアラートを発する「クリップボード読み取り通知」など、新しいプライバシーツールも搭載されている。また、Android 12では、Google Play Instant(グーグル・プレイ・インスタント)機能により、ゲームをダウンロードしたら(インストールするステップなしに)すぐにプレイすることができる。その他、クイック設定、Google Pay、ホームコントロール、Androidウィジェットなど、Androidの主要な機能やツールも改善されている。

Googleはこれまでの「Android 12」ベータリリースにおいて、消費者向けのマイナーなアップデートを継続的にロールアウトしてきたが、Beta 4は、2021年秋に予定されているAndroidの一般公開に向けて開発者がアプリを準備することに重点を置いている。

画像クレジット:Google

同社は開発者に対し、設定の中の「プライバシーダッシュボード」でどのアプリがいつどのような種類のデータにアクセスしているかを確認できるようになったほか、マイクやカメラのインジケータライト、クリップボード読み取りツール、すべてのアプリでマイクやカメラへのアクセスをオフにできる新しいトグルスイッチなどのプライバシー機能の変更に注目するよう提案している。

また、従来の「グロー」オーバースクロール効果に代わる新しい「ストレッチ」オーバースクロール効果や、アプリの新しいスプラッシュ画面アニメーションkeygenの変更などにも留意しなければならない。また、開発者が使用するSDKやライブラリの中には、Googleやサードパーティ製のものを含め、互換性のテストが必要なものが数多くある。

新しいAndroid 12 Beta 4のリリースは、サポートされているPixelデバイス、およびASUS、OnePlus、Oppo、Realme、シャープ、ZTEなどの一部のパートナーのデバイスで利用できる。また、Android TVの開発者であれば、ADT-3開発キットを通じてBeta 4にアクセスできる。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Android 12AndroidGoogleスマートフォンベータ版OS

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

グーグルがPixel 6用にカスタムチップを開発、AIとMLを自社スマホの差別化要因にする

Google(グーグル)はさきほど、もうすぐ発売されるスマートフォン「Pixel 6」のニュースをぶちまけた。米国時間8月11日にSamsungの大規模なイベントがあるため、その前に行いたかったのだろう。それとも、秋の大々的な発表に数カ月先駆けて、多くの人の関心を集めたかったのかもしれない。今後のさまざまなリーク情報の、先手を打つという意味もあるだろう。

いずれにしても、Googleが次に出すAndroidスマートフォンの外観の第一印象としては、背面にあるカメラシステムの大きな新デザインが目立つ。これまでの正方形の構成が大きな黒いバーに変わり、ハードウェアの大型アップグレードへの強い意志を感じることができる。前バージョンと前々バージョンでのメインのポイントはソフトウェアとAIだった。

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さらに興味深いのは、TensorがPixel 6とPixel 6 Proで新たにデビューするカスタムのSoCで登場したことだ。同社はこれまでずっと、混雑したスマートフォン市場で自らを差別化することに苦戦してきた。そのための同社の決定打が未だに出てこない現状において、Tensorを実装したカスタムチップは重要な持ち玉かもしれない。

それは、ハイエンドのシステムにおいてQualcommのチップを捨て、Appleに倣ってカスタムチップの道を進むということだ。ただしそのチップはベースがARMのアーキテクチャだ。それは今や世の中の至るところにあるQualcommのSnapdragonチップのベースでもある。そしてGoogleもその低価格製品A Seriesでは、コンポーネントのサプライをサンディエゴの企業(Qualcomm)にこれまで同じく依存している

画像クレジット:Google

「Tensor」という名前は明らかに、これまで多くのプロジェクトを牽引してきたGoogleのML(機械学習)システムであるTensorFlowに由来している。当然ながら、同社はAIとMLを、来るべきスマートフォンにおけるチップの基礎として位置づけている。Pixelのチームはこれまで長年、差別化要因として、コンピュテーショナルフォトグラフィー(計算写真学)といったソフトウェアによるソリューションを追究してきた。

「私たちのシリコンを設計してきたチームは、Pixelをもっと有能にしたいと考えました。例えばTensorがすべてのチップにあれば、すべてのチップをGoogleのコンピュテーショナルフォトグラフィーのモデルを動かせるようにカスタム化できるでしょう。ユーザーにとってそれは、まったく新しい機能であり、同時にまた既存機能の改善でもあります」とGoogleは述べている。

Tensorは、カメラシステムのアップグレードだけでなく、発話認識や言語学習などの改善でも主役となる。当然ながら、その詳細は秋の正式発売までは一般には発表されないが、今回の発表はPixelチームの刷新された未来の姿の紹介に終止していたようだ。スマートフォンにおいてもAIとソフトウェアにフォーカスすることは、まさにスマートフォン分野でGoogleがやるべきことの中心にあるはずだ。

2020年の5月に、Pixelチームの主要メンバーがGoogleを去り、それはチームの今後の変化の方向性を示していたようだ。当時、ハードウェア部門のトップであるRick Osterloh(リック・オスターロー)氏が、厳しい言葉を述べていたらしい。

「AIは私たちのイノベーションの未来ではありますが、今の問題は、私たちがコンピューティングの限界にぶつかっていることです。そのために、ミッションを全幅的に追究することが阻まれています」とオスターロー氏は本日のポストで書いている。「そこで私たちが挑戦したのは、私たちの最も革新的なAIと機械学習をPixelのユーザーに提供できるためのモバイルのテクノロジープラットフォームの構築でした」。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:GoogleGoogle PixelPixel 6スマートフォンAndroidTensor機械学習人工知能

画像クレジット:Google

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

グーグルが正式に新スマホPixel 6を公開、専用チップTnsor搭載

すべては明らかにされていないが、Google(グーグル)は米国時間8月2日の朝、同社スマートフォンの中心機種であるPixelのニューバージョン「Pixel 6」の概要を発表した。

その内容は次のようになる。

  • 機種はPixel 6とPixel 6 Proの2種類。
  • 基本機種のPixel 6はマットなアルミニウム仕上げで6.4インチのディスプレイを採用。一方Proは、光沢のあるアルミニウム研磨仕上げで、6.7インチのディスプレイ。
  • Pixel 6のカメラは広角と超広角の2種、Proにはさらに望遠ズームレンズを搭載。
  • 今や一般的になってしまったカメラレンズ部分の出っ張りがなくなることを期待してた方には、やや残念だ。出っ張りは「カメラバー」へと進化した。GoogleのRick Osterloh(リック・オスターロー)氏によると、センサーもカメラも良くなってるため、小さなパッケージにはもはや収まらないという。
  • Google初の完全にカスタムされた専用チップTensorを搭載した最初のスマートフォンとなる。以前のPixelは、QualcommのSnapdragonを搭載していた。GoogleのCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏によると、このチップの開発には4年ほどを要したとという。ブログの発表記事でオスターロー氏は、オンデバイスのAIとML用にチューニングされたチップを開発することを示唆している。
  • 発売予定は2021年秋だ。

主なスペックや価格など、抜けてる情報が多くかなり謎の機種だが、初期のリーク情報もすでにあるようだ。

画像クレジット:Google

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:GoogleGoogle PixelPixel 6スマートフォンAndroid、Tensor

画像クレジット:Google

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ユーザーのプライバシーを護るGoogle Play「セーフティセクション」の詳細をグーグルが発表

Apple(アップル)はプライバシーの保護に関してApp Tracking TransparencyApp Storeのプライバシーラベルなどの企画でこのところ前進しているが、最近はGoogleも、Google Playに新たな「セーフティセクション」を導入する計画を発表している。それは、アプリが集めて共有するデータや、その他のセキュリティとプライバシーに関する情報をユーザーに提供することが目的だ。米国時間7月28日、同社は初めてこの新しいセクションのユーザーインタフェイスや、開発者への要求などを明らかにした。

関連記事:アップルがアプリのプライバシー方針を明らかにするラベルを全App Storeで公開

Googleは2021年5月に、セーフティセクションはアプリがデータをどのように取り扱うかをユーザーに伝え、ユーザーが情報に基づく選択をできるようにすると説明した。それによるとアプリの開発者は、データの暗号化などのセキュリティ実践をアプリが使っているか、子どもを対象とするGoogle Playのファミリーポリシーに従っているか、データの共有に関してユーザーが選択できるか、アプリのセーフティセクションをサードパーティが検査しているか、アプリはアンインストールのときユーザーにデータ削除のリクエストを認めているかといった事項を開示しなければならない。

Googleが本日発表したユーザーインタフェイスのコンセプトでは、これらのプライバシー保護機能がユーザーにはどのように見えるかを、開発者が知りうるものでなければならない。

画像クレジット:Google

セーフティセクションでは、アプリが収集しているデータに関する開発者からの詳細情報をユーザーが見られるものでなければならない。それぞれの詳細情報は、独自のアイコンによって所在を明らかにしなければならない。

要約部分をユーザーがタップすると、場所や連絡先、名前やメールアドレスなどの個人情報、経済情報といった収集、共有されているデータに関するその他の詳細を見ることができる。

また、それらのデータの使われ方もユーザーに開示される。アプリの機能性向上のため、やパーソナライズのためなどだ。そしてデータの収集は、ユーザーに決定および承認権のある選択事項でなければならない。

画像クレジット:Google

Googleによると、Play Storeのこれらの変更に対応するために開発者には十分な時間を与えたかったので、今やっと、データタイプの定義やユーザーインタフェイス、そして新しい機能に関するポリシーの要件などの情報を、共有できるようになった。

それによると、すべての開発者が2022年4月までにプライバシーポリシーを提供しなければならない。これまでは、個人的あるいは機密性のあるユーザー情報を集めるアプリのみが、それを要請されてきた。開発者はまた、自分のセーフティセクションにあるすべてのデータに関して、そのデータをアプリのサードパーティライブラリやSDKがどのように使っているかなどに関する正確で完全な情報を共有しなければならない。これは、Appleがアプリに対して要求している情報と整合している。

画像クレジット:Google

開発者は、Google Playに自分のセーフティセクションをローンチする2022年の第1四半期になる前に、2021年10月には自分の情報をGoogle Play Consoleで開示し、レビュー可能にしなければならない。

Googleによると、セーフティセクションのローンチと、それをGoogleが承認するまでには若干の猶予期間を設ける。ただし承認の最終締め切りは2022年の第2四半期であり、それが守られなければアプリの提出やアップデートが拒否されるリスクをともなう。そしてアプリが承認されたセーフティセクションを提供できなければ、そのアプリは「No information available」(情報がありません)と表示することになる。

この変更はGoogle Play上に存在する活動中のデベロッパーの数を明らかにするだろう。なぜなら、そんなデベロッパーは必ず新しいポリシーを採用し、アプリが集めて使用するデータに関する正直な情報を開示するはずだからだ。

残る問題は、Googleがこの新しいガイドラインを、どのように、そしてどの程度強制するのか、個々のアプリをどこまで細心に検査するのかという点だ。しかしGoogleの態度がどうであれ、良心的なデベロッパーは自分のセーフティセクションをサードパーティのレビューに対してオープンにし、ユーザーにはアプリのデータプライバシーとセキュリティに関して前向きの宣伝ができるようになる。

それを考えれば、このようなセーフティセクションは実効がないとする批判をかわせるだろう。それはAppleにとってもApp Storeのプライバシーラベルのローンチ以来の問題であり、The Washington Postの記事によれば、虚偽の情報を表示しているアプリがとても多くて、データを保護したいと真剣に願うユーザーの役に立っていない、というのだ。

このセーフティセクションの、サードパーティによる検査についてGoogleに問い合わせたが、それに関する詳しい情報はまだ得られていない。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Google PlayGoogleプライバシー個人情報アプリAndroid

画像クレジット:Mika Baumeister/Unsplash

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

レノボ13型Androidタブ「Yoga Tab 13」の日本版が8万7780円前後で登場、11型モデルも4万2900円前後で同時発売

レノボ13型Androidタブ「Yoga Tab 13」の日本版が8万7780円前後で登場、11型モデルも4万2900円前後で同時発売

リモートワークで盛り上がる需要などにより、一時期の絶滅危惧種的な低調を脱し、市場が再び活発になりつつある高性能Androidタブレット。

大画面で、かつ快適に楽しみたいAndroid版ゲームタイトルがあるゲーマーや、PCとのファイル連携など、Androidが有利(というかiPadでは若干の使いにくさが残る)環境でタブレットを使いたいヘビーユーザーなどを中心に人気が復調しつつあります。

そうした中で、使い勝手の幅を広げそうな注目機種2モデルの日本版が、レノボ・ジャパンより発表されました。モデル名は『Yoga Tab 13』(上写真)と『Yoga Tab 11』。この名称が示すように、13インチもしくは11インチ画面を採用した、比較的大型のモデル。海外で先行発表された機種の日本版です。

販売想定参考価格は、13が8万7780円前後(税込)。11の4GB RAM/128GBストレージモデルが4万2900円前後(同)、8GB/256GBモデルが4万9500円前後(同)。発売日はすべて8月6日です。

両機種ともに、日本ではWi-Fiモデルのみとなります。海外版の11で用意されたLTEモデルはありません。

なお、ワールドワイド発表時のEU圏価格は、それぞれ799ユーロ(単純換算で約10万3700円)からと、499ユーロ(同6万4800円)からでした。日本での価格は比較的優遇されたものと考えて良さそうです。

Yoga Tab 13を正面から。最新タブレットらしく、画面周辺のベゼル(額縁)はかなり狭めです

Yoga Tab 13を正面から。最新タブレットらしく、画面周辺のベゼル(額縁)はかなり狭めです

ここで「販売想定参考価格」とあるのは、(今回は)量販店でも販売されるモデルであるため。『Lenovo Tab P11 Pro』をはじめ、レノボ製Androidタブの一部モデルは直販専門でしたが、今回の2モデルは店頭でも販売されるというわけです。

参考記事:レノボYoga Tab 13発表、HDMI入力でモバイルディスプレイ兼用の高性能Androidタブレット(2021年6月)

Yoga Tab 13ならでの最大の特徴が、HDMI入力端子によるモバイルディスプレイモード。ここでは左のゲーミングノートPCのフォートナイトを複製表示しています

Yoga Tab 13ならでの最大の特徴が、HDMI入力端子によるモバイルディスプレイモード。ここでは左のゲーミングノートPCのフォートナイトを複製表示しています

さて、まずはYoga Tab 13の特徴から紹介しましょう。Androidタブレットとしては、SoCにクアルコムの『Snapdragon 870』を搭載したことによる高速処理……ですが、実はそれ以上にインパクトの大きな機能があります。それが、「バッテリー搭載モバイルディスプレイとして使える、マイクロHDMI入力端子」です。

このHDMI入力機能で重要なのは、単に機能があるというだけではなく、ハードウェアレベルでの実装となっている点。そのため理論上の遅延は、単体のモバイルディスプレイ並みに少ないようです。

マイクロHDMI入力は、横置き時での本体左側に位置。映像ソースとなる機器を左に置くレイアウトが基本となりそうです

マイクロHDMI入力は、横置き時での本体左側に位置。映像ソースとなる機器を左に置くレイアウトが基本となりそうです

実際に事前説明会でのデモ機では、同社のゲーミングPCを接続して『フォートナイト』のデモプレイなども行える状態。軽くプレイしてみましたが、フレームレートこそ60fps程度だったものの、とくに目立った遅延はありませんでした。

合わせて意外と遅延が気になるWindowsでの大面積ウィンドウ移動やマウスの追随などもチェックしてみましたが、このあたりに関しても大きな遅延はなさそう、という印象です。

HDMI入力有効時には、画面右下に解像度やフレームレート、バッテリー残量をOSD表示。こうした使い勝手もかなり良い印象

HDMI入力有効時には、画面右下に解像度やフレームレート、バッテリー残量をOSD表示。こうした使い勝手もかなり良い印象

レノボの担当者にハードウェア的な実装を聞いたところ、「HDMI端子に機器を接続した時点でタブレットとしての機能はスルーされ、基本的には単体ディスプレイと同じ構成で動作する」という旨のコメントが聞けました。

一方で、ディスプレイ入力は常にHDMI側が優先されることから、本体(Androidタブ側)を有効にするにはHDMI端子からケーブルを取り外さないとならないという仕様です。

また、映像入力として使えるのはこのマイクロHDMIのみ。つまりAndroidタブ側のUSB Type-Cに映像機器を接続しても映りません。ここは一般的な(USB Type-Cで映像入力と給電を兼用する)モバイルディスプレイとは大きく異なるポイントです。

レノボ側は海外でのプロモーションで、ニンテンドースイッチなどを接続した写真なども公開していたことから、筆者個人としても遅延対策が気になっていたところ。ですが、実物を見た結果、これであれば実用になりそう、という印象を受けました。

本体の右側面側にはUSB Type-C端子と電源、音量ボタンが。こう見るとスタンドの径は細そうですが、ステンレス素材とあって強度はしっかりとしています

本体の右側面側にはUSB Type-C端子と電源、音量ボタンが。こう見るとスタンドの径は細そうですが、ステンレス素材とあって強度はしっかりとしています

合わせて本体に内蔵されたキックスタンドにより、設置自由度が高い点も特徴です。加えて今回は細い棒状となっているため、フックなどへの吊り下げや手持ちストラップ的にも使えるのがミソ。

本体に比べるとかなり細めに見えますが、強度的にはヒンジ部を含めてしっかりとしたもの。滑り止めとしてラバーグリップも巻き付けられています。このあたりは、Yogaシリーズを長年手がけてきたレノボのノウハウが活かされたものと見て良いでしょう。

裏面の天側にはスウェード調の布張りが。持つ際の滑り止めになるのみならず、高級感も演出しています

裏面の天側にはスウェード調の布張りが。持つ際の滑り止めになるのみならず、高級感も演出しています

バッテリー内蔵モバイルディスプレイとしても使えるという特徴が目立つYoga Tab 13ですが、もう一つの特徴は、上述したようにAndroidタブレットとしての基本性能も高いこと(といっても、価格もそれなりに高価ではありますが)。

その点に深く関わっているのが、搭載SoCであるSnapdragon 870。位置づけを簡単に紹介すれば、昨年の最高速Snapdragonである865 Plusの動作クロックを高速化した製品です。

現行の最高速モデルである『Snapdragon 888』ほどの性能ではありませんが、クアルコム製SoCとしては上位に位置し、またタブレットとして見れば群を抜いて高速なものとなっています。

参考記事:クアルコムが「Snapdragon 870」発表、7nm維持のハイエンドSoC(2021年1月)

画面としては13インチ、解像度2160×1350(アスペクト比16:10)の液晶パネルを搭載。色域はsRGB 100%をキープし、HDR映像ソースとしてドルビービジョンに対応。最大輝度は400nitsなど、高級機らしい仕様(色域は若干狭い印象も受けますが)。別売りのペンにも対応します。

RAMとストレージは8GBと128GB。とくにRAMはAndroidタブレットとしてはかなりの余裕度。一方でストレージは若干小さめで、かつSDカードスロットも非搭載。このあたりは留意が必要でしょう。

セキュリティとしては顔認証に対応します。また隠れた特徴として、カメラはフロントカメラのみ(=リアカメラは非搭載)と、割り切った仕様です。

13インチタブレットだけあって、当然ながら本体は大柄。右にあるYoga Tab 11が“タブレット標準サイズ”であるのに対し、ふたまわり以上大きめなサイズ感です

13インチタブレットだけあって、当然ながら本体は大柄。右にあるYoga Tab 11が“タブレット標準サイズ”であるのに対し、ふたまわり以上大きめなサイズ感です

バッテリー容量は、本体の大きさを良い意味で活かして大台の10000mAh。公称バッテリー駆動時間は12時間(フルHD動画再生時)と、余裕度の高い仕様です。なお付属ACアダプタは30W出力対応と、バッテリー容量に見合った仕様。公称充電時間は約3時間です。

また隠れた特徴として、本体に搭載されたUSB Type-C端子の機能が充実している点が挙げられます。速度は10Gbps(USB 3.1 Gen2)である上、タブレットとしては珍しいDisplayPort 1.4出力にも対応。さらにUSB On-The-GOもサポートします。

無線LANはWi-Fi 6に対応し、Bluetoothバージョンは5.2対応。本体のスピーカーはJBLコラボで、総ユニット数は4基。レノボ製品らしくドルビーアトモスもサポートします。マイクロフォンも3基搭載のアレイ仕様です。

本体サイズは約293.4×204×6.2~24.9mm(キックスタンド底面側状態での幅×高さ×奥行き)。厚みに幅があるのは、これまでのYogaタブレット系と同じく、円筒状の最厚部のみが突出した形状となっているためです。

また重量は約830gと、さすがに重め。本体の大きさも相まって、基本的に長時間での手持ち使用は避けたいタイプです。

こちらがLenovo Tab 11。よく見ると13よりも左右ベゼルが少しだけ太めですが、全体的には非常に似通っています

こちらがLenovo Tab 11。よく見ると13よりも左右ベゼルが少しだけ太めですが、全体的には非常に似通っています

同時発表されたYoga Tab 11は、SoCにメディアテックの『Helio G90T』を搭載するモデル。残念ながらHDMI入力端子は搭載しませんが、設置上の特徴であるバー型のキックスタンドを含めた基本的な本体デザインなどは13譲りとなっています。

日本ではHelio G90TというSoCは馴染みが薄いものですが、総合的な性能は、クアルコムのSnapdragon 730Gに匹敵するクラスとされています。730Gは昨今のミドルレンジスマートフォンで人気のSoCの一角ですが、本モデルもこれに準じた性能を発揮します。

また、RAMとストレージは冒頭で紹介したように2グレードありますが、上位の8GB/256GBモデルは、Yoga Tab 13よりもストレージ容量が大きくなるのがポイント。さらにこちらはマイクロSDカードスロットも搭載するため、ストレージ周りでは13に比べて大きなアドバンテージを有します。

11の背面はファブリック生地仕上げ。13では非搭載のリアカメラも右上に確認できます

11の背面はファブリック生地仕上げ。13では非搭載のリアカメラも右上に確認できます

画面は11インチの液晶。解像度は2000×1200(アスペクト比16:9.6)となります。この“横幅がフルHDより80ドットだけ広い”仕様は、一見すると記載間違いのようにも見えますが、レノボの既存モデルでも使われている解像度です。

こちらは色域仕様こそ非公開なものの、輝度は最大400nits、HDR映像ソースはドルビービジョン対応と、イマドキのAndroidタブレットとしては水準以上のスペックです。

スピーカーも4ユニット仕様でドルビーアトモス対応、さらにJBLコラボ仕様となっています。

またカメラも、13ではフロントのみだったのに対して、本機はリアカメラも搭載。前後ともに画素数は800万という仕様です。

11の端子はUSB Type-Cのみ。なお3.5mmオーディオジャックは非搭載のため、USB Type-Cからの変換ケーブルが付属します(これは13も共通です)

11の端子はUSB Type-Cのみ。なお3.5mmオーディオジャックは非搭載のため、USB Type-Cからの変換ケーブルが付属します(これは13も共通です)

バッテリー周りも、Yoga Tab 13を凌ぐ点。容量は7500mAhとそれなりに控えめですが、駆動時間は公称で最大15時間と、より長持ちになっています。付属ACアダプタの出力は20Wですが、充電時間は公称で約2時間と、こちらも13より高速です。

ただし無線LANはWi-Fi 5までの対応、Bluetoothバージョンも5.0仕様に留まるなど、クラス相応の点もあります。

本体サイズは約256.8×169.0×7.9~23.0mm(キックスタンド底面側状態での幅×高さ×奥行き)、重量は約650g。

初期出荷時のOSはAndroid 11。こちらも13、11ともに共通です

初期出荷時のOSはAndroid 11。こちらも13、11ともに共通です

このように新Yoga Tabシリーズ2機種は、これまでのYoga系タブレットで評価の高かった設置自由度の高さをはじめとする特徴を引き継ぎつつ、基本性能の大幅な底上げを行なったモデルとして仕上がっています。

とくにYoga Tab 13はそれなり以上に高価ではありますが、Androidタブとしては異例とも呼べる速度に加え「バッテリー内蔵モバイルディスプレイを兼用できる」という、非常にユーザーメリットの強い特徴も備えた魅力的な仕上がりとなっています。

昨今盛り上がりを見せるヘビーユーザー好みのAndroidタブレット市場にあっても、非常に注目できる、また注目して良い完成度のモデルであることは間違いありません。

(Source:Yoga Tab 13製品ページYoga Tab 11製品ページEngadget日本版より転載)

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タグ:Arm(企業)Android(製品・サービス)ガジェット(用語)Qualcomm / クアルコム(企業)Snapdragon(製品・サービス)Lenovo / レノボ(企業)日本(国・地域)

オピオイド依存症治療アプリがユーザーの個人情報をサードパーティーと共有

広く利用されている多数のオピオイド治療回復アプリがユーザーの個人情報にアクセスしサードパーティーと共有していることが、最近の調査で判明した。

新型コロナウイルス感染症パンデミックとその感染を減らすためのさまざまな取り組みの結果、オピオイド依存症治療を提供するテレヘルスサービス(遠隔医療)およびアプリの人気が急増している。依存症治療施設が予算削減や閉鎖に直面する中で、こうしたアプリベースのサービスが台頭しており、その結果、投資家と政府の両者が、拡大する依存症危機に対する対抗手段としてテレヘルスに関心を向けるようになっている。

こうしたサービスにアクセスする人たちは、自分たちの医療データのプライバシーは保護されているのだろうという合理的な期待を持っているかもしれないが、ExpressVPN Digital Security LabがOpioid Policy Institute and the Defensive Labと共同編纂した最新のレポートによると、こうしたアプリの一部はユーザーの機密情報を収集し第三者と共有していることが判明しており、プライバシーとセキュリティ対策が疑問視されている。

このレポートでは、Android上で入手可能な10個のオピオイド依存症治療アプリ(Bicycle Health、Boulder Care、Confidant Health、DynamiCare Health、Kaden Health、Loosid、Pear Reset-O、PursueCare、Sober Grid、Workit Health)について調査している。これらのアプリは少なくとも18万回インストールされており、投資グループと連邦政府から3億ドル(約3300億円)を超える資金を調達している。

関連記事:合成麻薬中毒症をバーチャル治療で治すBicycle Health

こうしたサービスは膨大な数のユーザーに利用され、なおかつ機密情報を扱うにもかかわらず、このレポートの調査結果によると、大半のアプリがユーザー端末の一意な識別子にアクセスしており、一部のケースでは、そのデータを第三者と共有していたという。

調査対象となった10のアプリのうち、7つがAndroid Advertising ID(AAID、ユーザー生成の識別子で他の情報に紐付けることで識別可能な個人の詳細な情報を提供できる)にアクセスしており、5つのアプリがデバイスの電話番号に、3つのアプリがデバイスの一意なIMEIおよびIMSI番号にアクセスしている(これらの番号を使用して個人のデバイスを一意に識別できる)。さらに、2つのアプリがインストールされたアプリのユーザーリストにアクセスしている(研究者によると、このリストを使用してユーザーの「指紋」に相当するものを作成し、ユーザーの活動を追跡できるという)。

また、調査されたアプリの多くは、何らかの形式の位置情報も取得している。位置情報と一意な識別子を関連付けることで、個々人だけでなく、その人の生活習慣、日常の行い、接触相手などを監視する能力が強化される。上記のアプリでこれらを実現している方法の1つがBluetoothだ。上記のうち7つのアプリがBluetooth接続を確立する許可を求めてくる。研究者によると、これはユーザーの居場所を実世界で追跡するのに使用できるため、特に懸念されるという。

関連記事:いくつもの人気iPhoneアプリがユーザーの位置情報を売っている

「Bluetoothはいわゆる接近度追跡を実行できます。例えばあなたが食料品店にいるとき、特定の通路にいる時間とか、他の誰かとの接近度合いなどを認識できます」と、上記の調査を率いたExpressVPN Digital Security Labの主任研究員Sean O’Brien(シーン・オブライエン)氏はTechCrunchに語った。「Bluetoothは私が非常に懸念している領域です」。

もう1つ懸念される重要な点は、これらのアプリでトラッカーSDKが使用されていることだ。オブライエン氏は、最近実施した調査でこの点について警告している。それによると、数百にのぼるAndroidアプリが詳細なユーザー位置情報データをX-Modeに送信していたことが判明したという。X-Modeは位置情報データを米軍の請負業者に販売していたことで知られるデータブローカーで、現在はアップルとグーグルのアプリストアから追放されている。SDK(ソフトウェア開発キット)とは、アプリに含まれているコード開発用ツールセットであり、これによりアプリは位置情報データの収集といった処理を正しく実行できる。SDKは多くの場合、アプリが収集したデータを返送するという条件と引き換えに無償で提供されている。

関連記事:個人の位置情報をブローカーに売っていたX-Modeはアプリがストアから排除されてもユーザーの追跡を継続

多くの開発者がアプリ内にトラッカーが存在していることに気づいてもいないことから、研究者は、トラッカーを使用しているからといって常に悪意があるとは限らないことをしきりに強調しているが、調査対象の10のアプリのうち7つという高い率でトラッカーSDKが見つかっており、データ共有を行っている可能性があることが判明している。中にはユーザーデータの収集と集計専用のSDKもある。つまり、ユーザーデータのトラッキングがコア機能になっているSDKが存在するのだ。

しかし、研究者は回復支援センターまでのナビゲーションを行うアプリもおそらく1日中ユーザーの動きを追跡して、そのデータをアプリの開発者とサードパーティーに返送しているだろうと説明する。

Kaden Healthの場合、Stripe(アプリ内決済サービスに使用する)で、ユーザーのスマートフォンにインストールされているアプリ、スマートフォンの場所、電話番号、キャリア名、AAID、IPアドレス、IMEI、IMSI、およびSIMシリアル番号を読み取ることができる。

「Stripe(ストライプ)のような大手企業がアプリで上記のような情報を直接共有させているのは本当に驚きです。私が心配しているのは、これらの情報は法執行機関にとって極めて有用であるとわかっているからです」とオブライエン氏はいう。「誰が治療を受けたのかという情報を持っている者が最終的に健康保健と就職に関する意思決定にも関与してくるのではないかという点も懸念されます」。

これらのアプリでこうしたデータ共有が慣習的となるに至ったのは、おそらく、患者情報の扱いと公開に関する指針が不明確な米国の環境でこれらのサービスが開発されていることが原因と思われると研究者は指摘しているが、こうした行為は42 CFR Part 2(第42連邦規則集第2巻、依存症の治療に関する患者情報の公開の厳しい制限について規定した法律)に違反する可能性がある、とオブライエン氏はTechCrunchに語った。

ただし、Legal Action Centerの保健プライバシー担当上級専属弁護士Jacqueline Seitz(ジャクリーン・ザイツ)氏によると、この40年前の法律はアプリに対応できるようアップデートされていないという。

「プライバシーの欠如は、依然として、人々がオピオイド依存症の治療に踏み切れない大きな理由の1つとして挙げられています」とザイツ氏はいう。「42 CFR Part 2は物質使用障害治療における機密保持の重要性を認識してはいるものの、アプリにはまったく言及していません。既存のプライバシー法では、現状にまったく対応できていません」。

「テックコミュニティからリーダーシップを発揮する企業が現れて、基本的な標準を確立することが望まれます。テック企業が、極めて機密性の高い情報を収集していることを認識することで、ヘルス危機でプライバシーポリシーが回避される風潮の中、患者が放置されないようになれば良いのですが」とザイツ氏はいう。

上記の調査に参加したOpioid Policy InstituteのディレクターJonathan Stoltman(ジョナサン・ストルトマン)氏によると、こうした慣習が広まったもう1つの理由として考えられるのは、セキュリティとデータプライバシー人員の欠如だという。「病院のウェブサイトを見ると、物理的なセキュリティとデータセキュリティを担当する最高情報責任者、最高プライバシー責任者、最高セキュリティ責任者が配置されています」と同氏は語る。「上記のどのスタートアップにもそうしたポジションは用意されていません」。

「AAIDを収集しておいてプライバシーについて配慮しているなどあり得ません。しかも、こうしたアプリの大半は最初からそうした行為を行っています」とストルトマン氏は付け加えた。

グーグルはExpressVPNの調査結果を認識してはいるが、コメントは控えている。ただし、上記のレポートが公開された時点で、グーグルはすでに、ユーザーが追跡型広告をオフにできるようにするアップルの最近の取り組みに倣って、開発者によるAndroid Advertising IDへのアクセスを制限するための準備を始めていた。

ExpressVPNはこれらのアプリがプライバシー保護要件に違反している可能性があることを患者に認識してもらおうと熱心に取り組んでいるが、依存症治療と回復アプリがオピオイド依存症患者の生活で中心的な役割を果たしている事実も強調している。もし、自身または家族がこれらのいずれかのサービスを使用しており、機密情報が開示されるのは問題であると判断した場合は、米国保健社会福祉省を介して公民権事務所に連絡し、正式な苦情を申し立てていただきたい。

「肝心なことは、これはアプリエコノミー共通の問題であり、テレヘルスもアプリエコノミーに取り込まれようとしているということです。ですから、私達は今、極めて注意深く慎重になる必要があります」とオブライエン氏はいう。「個人情報の開示は必要ですが、ユーザーはそのことを認識した上で、プライバシー保護の向上を求める必要があります」。

依存症からの回復は可能です。お悩みの方は、機密保持治療に関する相談ホットライン(フリーコール1-800-662-HELP)までお電話いただくか、findtreatment.govにアクセスしてください。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:遠隔医療プライバシーAndroidBluetooth位置情報トラッキング

画像クレジット:Rogier Nell / EyeEm / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Dragonfly)