Apple、Touch IDセンサーで指の動きを読み取りナビゲーションに利用する特許を申請

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AppleはiPhoneとiPadに用いられているTouch IDセンサーをもっと広範囲に利用する計画らしい。今日(米国時間5/14)、アメリカ特許商標庁から公開された特許申請書でAppleは指紋センサーでユーザーの指の動きを検出し、その入力をナビゲーションに利用するシステムについて詳細に述べている。

指で画面を覆うことなく、iPhoneのホームボタンの上で親指を滑らすだけで文書のページをめくったり、画面をスクロールしたりできたら便利だろう。これは今回の特許から考えられる応用の一例にすぎない。Touch IDセンサーはiPhone 6と6 Plusですでに「簡易アクセス」を起動するために利用されている。しかし今日の特許申請はさらに高度な応用を想定している。

Appleはディスプレイのロックや表示方向の変更など特許の応用範囲を相当広く例示している。またマルチタスク・アプリ間の切り替えなど現在マルチタッチ・ジェスチャーによっている機能の一部もTouch IDによる指の動きの検出で代替させることができるとしている。

今回の特許申請では、さらにこのテクノロジーを利用して、Macなどのデバイスに指紋センサーを外付けし、上記のような機能をもたせることが提案されている。Touch IDを装備したスマート・マウスやトラックパッドのアクセサリなどの登場はすでに一部で予測されていた。

またこの特許では感圧タッチトラックパッドに用いられているハプティック・テクノロジーによって指紋センサー入力にフィードバックを与える方法が述べられている。この触覚的フィードバックは音によるフィードバックの代わりに、あるいはそれと同時に用いられ、指の動きが指紋センサーによって正しく認識されたか、認識が失敗したかを伝えてユーザーの操作を助けるものとされる。

この特許申請を発見したMikhail Avadyに敬意を表する。

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アナリスト曰く、iPhone 6sは豪華ローズゴールド仕上げ

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Appleの次期iPhone(最近の命名法が続けばおそらく ‘iPhone 6s’)は,ぜいたくなローズゴールド仕入げになるかもしれない、とKGI Securitesのアナリスト、Ming-Chi Kuoが指摘してる(via AppleInsider)。Apple製品の公式発表前予測の正確性には定評のある同氏は、今日の調査メモでそのローズゴールドオプションについて報告した他、カメラの改善およびForce Touchの採用といった大きな変化もあるかもしれないと言う。

iPhone 6sは、通話品質向上のための追加マイクロホンや大画面のPlusタイプ機にはキズに強いサファイアガラスの採用もあり得るが、量産までに現在の落下テストに耐える必要があるとも言っている。

Kuoのリストには12メガピクセルカメラも挙げられており、ここ数世代Appleが解像度を8Mピクセルに留めている(ただしセンサー画素サイズ等の改善は行われている)ことを踏まえれば理にかなっている。高密度高解像度化の続くディスプレーと高解像度カメラセンサーへの変更によって、iPhone写真はさらに様々な分野に広がるかもしれない。

Force Touchは、現行iPhoneユーザーにとってさえアップグレードの理由になり得る楽しみな追加だ。Appleの圧力感知タッチ入力方式は、全く新しい対話モデルを可能にするものであり、サードパーティーアプリもこれを活用できるとすれば、’iPhone 6s’ には、通常の ‘s’ バージョンでは見られなかったタイプの独自アプリが作られることになる。

いつもの通り、アナリストの主張は眉につばをつけて聞かなくてはならないが、同時にKuoが他のアナリストと比べて正確な予測をしてきた経歴を持つことにも注目されたい。Kuoは価格に言及していないので、これが高級Watchと併せて使う ‘Edition’ 版iPhoneの予兆であるかどうかはまだわからない。

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Apple、iOS 8.4ベータを公開―ミュージック・アプリのリニューアルは音楽ストリーミング開始の前触れか

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Appleは、iOS 8の3回目のメジャー・アップデートであるiOS 8.4のベータ版を公開した。このアップデートでは音楽再生のミュージック・アプリの機能が強化され、UIがリニューアルされている。今回の音楽アプリの改良は、来月開催されるWDC(Worldwide Developers Conference)での発表が噂されているiTunes音楽ストリーミング・サービスの前触れではないという観測もある。

われわれの記事も含め、多くのメディアはAppleは6月8日のWDCのキーノートで音楽ストリーミング・サービスを発表するだろうと考えている。AppleのストリーミングはSpotifyのサービスの直接のライバルとなるだろう。また昨年買収したBeats Musicをその一部に含むことになるはずだ。テクノロジー・ブログのRe/codeは最近、「Appleは有料サブスクリプション契約をプロモートするため1月から最大3月まで無料で楽曲サンプルの提供とサービスの試用が提供されるだろう」などと新サービスに関していくつかのスクープを掲載している。

新しいミュージック・アプリには一見したところではストリーミング・サービスに関連した機能は見当たらない。しかし新アプリには常時表示可能なミニプレイヤー、新しいプレイリスト、iTunesラジオへのアクセスの改良などが含まれている。このベータ版は機能の洗練とバグ潰しが主な目的のようだ。おそらく正式版のリリース時にストリーミング機能が実装されるのだろう。

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中国スマートフォン事情 ― 出荷台数が6年ぶりにマイナスとなる中でAppleが首位を奪取

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中国のスマートフォンマーケットが縮小しているらしいという分析をよく見るようになってきた。どうやらその分析は真実のようだ。IDCの最新レポートによれば、直近の四半期におけるスマートフォンの出荷台数が、6年ぶりに減少に転じたのだそうだ。

IDCによると、2015年Q1におけるスマートフォンの出荷台数は9880万台だったとのこと。前年比で4%の低下となっており、また前四半期比では8%低い数字になっている。IDCは前四半期の過剰在庫が今季の出荷台数の低迷に繋がったのだろうと述べている(インドでも出荷台数が減っていて、それも同じ原因という話だった)。

IDCのKitty Fok曰く「中国は新興市場であるとみなされることが多いものの、実際のところはアメリカ、イギリス、オーストラリア、あるいは日本と同様に、販売されている携帯電はのほとんどがスマートフォンであるというのが現状だ」と述べる。

すなわちスマートフォンの出荷台数を伸ばすためには、買い替え需要を喚起する必要があるということだ。これは最初のスマートフォンを購入させるよりも難しいことで、その難しさが成長に影を落としている面もあるのだろう。

但し、そうは言っても中国のスマートフォン市場は広大なものだ。規模としては世界最大を誇るものとなっている。そしてその中で、多くの国における状況と同じく、Appleが急激な成長を遂げてもいる。

IDCのデータでは、前四半期における中国での出荷台数中Appleは14.7%を占めていて、Xiaomi(小米科技)の13.7%やHuawei(ファーウェイ)の11.4%を上回る成績をおさめている。ここにSamsung(9.7%)およびLenovo/Motorola(8.3%)が加わってトップ5を形成している。ただし市場動向はいぜんとして流動的で、それぞれのメーカーのシェアは今後も動いていくのだと考えられる。

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たとえば前四半期のデータからも、シェアの流動性を見てとることができよう。2014年Q4にはXiaomi(小米科技)がSamsungを抜いて1位となったのがニュースとなった。しかしその3ヶ月後には、Samsungは5位となり、トップの座はAppleのものとなっている。

IDCは、中国においてはiPhone 6やiPhone 6+のような大画面スマートフォンへのニーズがまだまだ根強いものであるとしている。しかし新製品投入によるハロー効果が薄れる時期になって、Apple人気が続くかどうかはわからない。加えて中国におけるキャリア大手がこぞってAppleプロダクトを扱ったこともAppleにとってプラスに動いたが、しかしすでにコアマーケットを食いつくしてしまったと考えるむきもある。

シェアの観点でみると、Samsungの新しいS6やS6 Edgeの人気度合いも気になるところだ。Xiaomi(小米科技)も、同社のラインアップの中で最も高価となるMi Note Proをリリースして中国市場の争奪戦に加わっているところだ。

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次期Apple TVのリモコンはタッチ方式になるかもしれない

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Appleの次期Apple TVは、数週間後に迫ったWorld Wide Developers Conferencesで発表されると噂されているが、新しいデザインのリモコンが付いてくるかもしれない。新たなリモコンにはタッチパッドが付いているとNew York Timesは報じており、ユーザーはスクロールやナビゲーションに使えるという。

AppleはTechCrunchに質問への回答を拒んだが、Appleの入力方式全般の傾向、新しいApple TVに入ると噂されている機能、そして同社の最新タッチ技術の進歩を踏まえれば、このデザイン変更は十分理にかなっている。

まず、AppleがApple TVを、本格的App StoreおよびデベロッパーSDKによって改訂するのであれば、タッチパッドは高度なナビゲーションの要求に答えるものだ。UIのナビゲーションだけでなく、Apple TVの様々なタイプのアプリ ― ゲーム等 ― で使うことを考えればなおさらだ。

もう一つ考えられる理由は、Appleのタッチ入力技術はおそらく業界をリードしており、同社はあらゆるデバイスに採用したがっていると思われることだ。タッチ入力はMagic MouseとMagic Trackpadの両方で使用されており、いずれもライバルの同等デバイスでは得られないようなコマンドや制御を可能にしている。

そして、Appleが最新技術であるForce Touchやタプティックフィードバックを新しいリモコンに採用するのかどうかも興味深い。13インチRetina MacBook ProをはじめMacBookおよびApple Watchと、Appleは最新製品に次々とこの技術を反映している。TVリモコンにForce Touchを利用すれば、入力方法の幅がさらに広がり、NY Timesの予想する、新リモコンにはタッチパッド以外にボタンが2つしかないという場合にも役立つだろう。

Appleのリモコンは長らく改訂が待たれている。現在のアルミニウム製デバイスは、古いプラスチック製の焼き直しにすぎず、Appleの技術もユーザー体験に関する感覚も過去数年間に大きく変わってきている。

6月8日のキーノートから始まるWWDCで明らかになるはずだ。

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Apple、サードパーティー製バンドを作るための “Made for Apple Watch” プログラムの詳細を発表

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もしあなたが、Apple Watch用のサードパーティー製バンドを作ろうと思っているなら、そのための正式な方法についての情報が公開された。Appleは今週、「Made for Apple Watch」プログラムの詳細を公式サイトで発表し、標準に合致した留具(lug)の作り方や、Apple自身がアクセサリーメーカー用に留具を提供することに関する情報を公開した。

Appleはこれまでも、Apple Watchのベルト作成をサードパーティーに開放しないと示唆したことはなかったが、これでプログラムの概要が確認された。これは「Made for iPhone(MFI)」等Appleの他の「Made for」プログラムと同じく、Apple自身によらない他社製品が一定の基準を満たすことを確実にするものだ。MFI認証の取得は少々厄介であり、MFIデバイスで使用するチップ内蔵LightningコネクターをAppleがすべて提供するようになってからは特にそうだ。

今回Appleは、留具部品をメーカーに提供するだけでなく、メーカー自身で部品を作る選択肢も用意している。そのためには極めて用途の限定された譲渡不可能なライセンス契約が使用される。サードパーティー製部品に対するAppleの基準は高いに違いないが、Appleから供給を受けるにせよ、自社開発するにせよ、そのコスト優位性や困難さは未だに不明だ。

これでアクセサリーメーカーは、様々なタイプのベルトを作ることが可能になり、Apple Watch Sportバンドやレザーリンクバンドのようにストラップ自身に留具を組み合んだり、クラシックレザーバンドのような伝統的構造にすることもできる。

Made for Apple Watchプログラムが軌道に乗るまでには時間がかかると思われるので、認証済みサードパーティー製バンドが今すぐ市場に出回ることはないだろう。MFI認証Lightningアクセサリーが数多く出回るようになったのはかなり後だったが、あの場合の方が部品の複雑性は高かったに違いない。

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手首にタトゥーのある人はApple Watchの心拍センサを狂わせる

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Appleが同社のApple Watchのサポートページを更新して、手首にタトゥーのある人が着けると問題があることもありえる、と述べている。この変更が加えられたのは、タトゥーがこのスマートウォッチの心拍計測機能の邪魔をしたり、またそのほかの問題の原因にもなっている、という報告がユーザから相次いで寄せられたためだ。Appleは、タトゥーに使われているインクなどで皮膚の様相が変えられていると、心拍センサの性能にその影響が及ぶことがある、と言っている。

具体的には、タトゥーのインクや絵柄や色彩によってセンサからの光が妨害されると、センサの正しい読みが困難になる、というのだ。つまり、暗い色のタトゥーが皮膚表面の広い面積を覆っている人は、小さくて明るいタトゥーの人より影響を受けやすいのだ。

タトゥーに関するパラグラフが加えられたのは、Apple Watchの心拍センサの動作を詳しく説明しているページで、センサの性能やその値の正しさに影響を及ぼす要素を述べている部分だ。古いWebサイトのコピーを保存しているInternet Archiveで、そのページの前のバージョンを見ると、タトゥーに関する記述はない。それは、Apple Watchの4月のローンチの前に公開されたページだ。

つまりAppleは、ユーザからのフィードバックによって問題を認識したのだ。YouTubeに、その現象のビデオをポストした者もおり、マスコミはそれに飛びついた。

 

手首のタトゥーがApple Watchの光センサに影響を与えることは、それほど意外ではない。ユーザは、Apple Watchを手首にややゆるく着けることを推奨されている。Appleは、“しっかりと、しかし締め付けないように(snug but comfortable)”、という言い方をしている。Appleの説明は:

Apple WatchはグリーンのLED光源と感光性の半導体を使って、手首を流れる血液の量を測定します。心臓が脈打つと、手首の血流が増えて、半導体が吸収するグリーンの光の量も増えます。脈と脈のあいだでは、血流は少なくなります。Apple WatchはLEDの光を1秒間に数百回点滅させることによって、心臓の毎分の脈動数、つまり心拍を、計算します。

この種の技術に問題があることは、前から知られている。たとえば、数か月前にはRedditのユーザが、Fitbitの心拍モニタ HRの精度に問題がある、と述べている。2014年のCNetの記事も、当時の心拍モニタ製品が皮膚の色素沈着で狂うことがある、と指摘している。

iFixが4月にポストした分解記事によると、Apple WatchはAppleが主張している以上の高度なセンサを搭載している。その記事は、Appleの心拍モニタは実際にはプレチスモグラフであり、その外観と動作からはパルスオキシメーターのようだ、しかしそれでもAppleは、血液の酸素濃度を計測するとは主張していない、と述べている。広告でそれを強調しないのは、FDAの規制があるからだ、とも。

その、高級なセンサをもってしても、手首のインクがセンサの読みの邪魔をするという問題を、避けられないのだ。

Appleが推奨している対策は、Bluetoothで通信する胸バンドのような外付けの心拍モニタとApple Watchをワイヤレスで接続することだ。それは、ちょっとかっこわるいソリューションだが、スポーツ選手や自己計測マニアの人にとっては、十分に使える方法だろう。

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Apple、望遠レンズ付iPhoneカメラを模索中

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AppleのiPhoneは、今手に入る最高のスマートフォンカメラだと言っていいが、新たな特許申請資料には、これがさらに良くなる兆候が見られる。その特許とは、「スモールフォームファクター望遠カメラ(via AppleInsider)で、画角は狭いが倍率の高いカメラの作り方や、現行iPhoneで使われている広角レンズと組み合わせることによって、1台のスマートフォンで幅広い選択肢を与える方法が記されている。

特許には、iPhone、iPad、およびモバイルMac等のデバイスに適した小さなレンズを作るための機構が記載されている。その一つは小さなカメラを光学ズームが可能な形で組み込む方法だ。現在のiPhoneカメラはデジタルズームを使用しているが、これはデジタル一眼レフの望遠レンズや、コンパクトカメラのズームレンズに見られる本物の光学ズームと比べて著しく画質が劣る。

Appleの特許申請文書には、異なる倍率を得るための技術や、使用する材料、システムに組み込むレンズの具体的な寸法などがこと細かに書かれている。

おそらく最も興味深いのは、Appleがこの新しい望遠レンズを、現在のiPhoneに見られる日常的利用に適した広角レンズカメラと併用することについても記載していることだ。

この特許申請は比較的新しく、最初に提出されたのは2013年10月だ。文面を読む限り、Appleがこれを追究する価値は極めて高い。すでにライバルより高い評価を受けているモバイル写真分野で、さらに大きくリードを広げる可能性を秘めている。

実際にこれが製品化されるかどうかに影響する要素が2つある。部品のコストとケース内のスペースだ。将来これかこれに似たものが出荷されることを望みたい。望遠レンズが内蔵されれば、いよいよ専用カメラを持ち歩く必要がなくなるから。

写真提供:Olloclip third-party accessory.

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日本郵政、高齢者サービスでApple、IBMと提携―iPadとAI利用で見守りやヘルスケアなど提供へ

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今朝(米国時間4/30)、日本郵政グループの西室泰三社長はAppleのCEO、Tim Cook、IBMのCEO、Ginni Romettyと共にニューヨークで記者会見を行い、共同で新事業に取り組むことを発表した。これはIBMとAppleのエンタープライズ事業での提携の成果の一つだ。

この夏発表されたApple/IBM提携では、IBMは大企業向けのソフトウェアを開発すると同時に大企業クライアントへのAppleのハードウェアの販売を助けることになっている。日本郵政は急速に増える日本の高齢者に対するユニークなサービスを提供するために、Apple/IBM提携のメリットを生かす考えだ。

西室社長は、記者会見の冒頭で、現在国有事業である日本郵政グループが今年中に株式上場を行う予定であり、同グループは「総合的なライフスタイルサポートサービス」の提供者に変身する計画だと述べた。日本郵政グループ(西室社長はその歴史は1871年に遡ると述べた)は巨大な保険事業を展開しており、IBMとAppleの協力を得てヘルスケア・サービスの拡充を図っていくことになる。

日本では65歳以上の人口が2006年の20%から2055年には38%に増加すると予測されるなど急速に高齢化が進んでおり、こうしたサービスを必要としている。日本郵政は高齢者サービスの拡充あたって2つの大きな柱を考えており、その第一の柱のカギとなるのがiPadだ。

西室社長は「高齢者にも使いやすいことで知られるiPadをベースにユーザー体験をデザインしていく」と述べた。その際にアプリの開発とクラウド・サービスでIBMの助けを借りることになる。日本郵政はヘルスケアサービスのコミュニティーを構築し、iPadとその上で動くアプリによって日本の高齢者にネットワーク化したサービスを提供する。2020年まで400万から500万世帯に普及させたい考えだという。日本郵政の高齢者サービス構想の第二の柱は、このサービスと既存のサービスとの統合だ。

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西室社長は「わが国の高齢化は急速であり、効果的な対策が求められている」と述べた。この点についてはIBMのRomettyも「高齢化は近くアメリカでも重要な問題となるだろう。アメリカだけでなく世界的に対策が必要とされる課題だ」と補足した。Romettyによれば、2050年には世界の人口の21%が「高齢者」に分類されるようになり、うち64ヵ国では高齢者の割合が30%にまで高まるという。

RomettyはIBMの日本郵政への協力は次の3点になると説明した。

その第一は、生活の質を高めるアプリの開発だ。独自開発とサードパーティーのアプリの統合の双方を行うが、いずれもアクセシビリィテーを最優先する。開発のターゲットはモバイル中心でアクセシビリィテーを高度に備えた点でiOSとなる。第二に、IBMは人工知能などの活用により現在提供されていないさらに高度なアクセシビリィテー機能を開発する。第三に、高齢者サービスを提供するバックエンドのレイヤーを提供する。

AppleのTim Cookはこのイニシアチブを「画期的」と評し、「日本だけでなく、グローバルに大きな影響を与えるものだ。われわれ3者とさらにそれぞれの協力者のチームは何百万という人々の生活を劇的に改善することを目指していく。(西室)泰三さんと日本郵政が示したこの分野におけるパイオニアになろうとする勇気、大胆さ、野心は賞賛すべきものだ」と述べただ。

Cookは日本郵政との共同事業に参加できたことはApple/IBMの「圧倒的な可能性」を実証するものだとしている。CookはまたAppleのヘルス事業への取り組みがさらに幅広い目標を持つことを説明し、HealthKit、ResearchKitなどを例に挙げた。CookはAppleのこれまでのヘルス分野での取り組みが日本郵政との事業に理想的な基盤を与えることも指摘した。

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現在、日本郵政の社員が行っている高齢者顧客の安否確認訪問をiPadで拡張、効率化するデモが披露された。 このデモでは日本郵政の社員が高齢者顧客と話をしながらiPadの設定を助けた。提供されるサービスには病院の診察の予約、処方薬を飲むよう促すメッセージ、荷物の受け取りなどがあった。

デモ・アプリにはAmazonのKindleタブレットのMaydayサービスのようにヘルプを提供する大きなクエスチョンマークのアイコンが表示されていた。また地域の配管事業者などは事前に審査を受け、承認されればこのシステムを通じてサービスを提供することができるという。

Appleがパートナーとして選定された理由について質問された西室社長は、「Appleがこれまでに実績を挙げてきた視覚、聴覚にハンディキャップのあるユーザーへのアクセシビリティーの提供は同社を選定した大きな要素だ」と述べた。最近Apple Watchに採用された振動を利用したタプティック・フィードバックなど、Appleデバイスのアクセシビリティーは今後もいっそう改善されるだろう。

RomettyはIBMのWatson人工知能を利用したWatson Healthがサービスのカギとなると述べた。また「世界中でこうした取り組みの必要性が高まっている。日本では日本郵政がすばらしいパートナーとなったが、他の地域ではそれぞれの実情に合わせて政府や民間企業とも協力していく」と述べた。

アメリカでは保険会社に詳細なヘルスケアデータを引き渡すことに懸念が生じるのではないかという質問に対して、Romettyは「データの種類によってきめ細かくオプトン、オプトアウトができるようにしていく。またビッグデータとして有益な分析を行う際には、個人が特定されないよう情報には匿名化処理を行う」と説明した。

高齢者ケア、高齢者サービスは今後多年にわたって急成長を続けることが確実なマーケットだ。今日の発表はIBMとAppleがこの分野にきわめて有望な一歩を踏み出したことを告げるものだ。日本における高齢化の進展の急速さを考えると、巨大な日本郵政グループは理想的なローンチ・カスタマーといえる。一方で、しばらく前からAppleのiPadセールスは頭打ちの傾向を見せていたが、これに対しても好影響が期待できるだろう。

Cookは「アメリカでも同様のプログラムは考えられるが、実現はまだ先のことになるだろう」と述べた。またIBM/Apple提携について「現在すでに22のアプリが公開されており、今年中にその数は100種類まで増えるだろう」と語った。

Appleジャパンのサイトにアメリカでのプレス発表資料の抄訳が掲載されている。日本郵政グループ、IBM、Apple、日本の高齢者がサービスを通じて家族・地域コミュニティーとつながるために、iPadと専用アプリケーションを提供 

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

デスクトップ上のクリエイティブアプリケーションをiPhone/iPadから操作する方法でAppleが特許取得

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AppleがこのたびUSPTO(合衆国特許商標局)に認可された新しい特許は、iPhoneやiPadのようなワイヤレスデバイスが一定の状況でデスクトップ上のクリエイティブアプリケーション…Final Cut ProやLogic、それにPhotoshopも…のためのリモート入力装置になる方法を記述している。そこに書かれている技術を使用すると、あなたのiPhone 6 Plusのスクリーンを引っ掻いてムービーの編集ができたり、オーディオミキサーの設定を変えたりできるようになるだろう。

この特許でAppleは、デスクトップ側でリモートのタイプを設定すると、それがデバイス側に表示される方法や、iPhoneやiPadなどワイヤレスのリモートからデスクトップがコマンドを受け取る方式を記述している。その中には、接続されたモバイルデバイスのインタフェイスを変えて本物の楽器のレコーディングをコントロールしたり、またMIDIのような仮想楽器への入力デバイスにする方法などがある。

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実はAdobe自身も、デスクトップ上のクリエイティブアプリケーションをコントロールするためのモバイルアプリをすでにリリースしている。たとえばモバイルから細かい編集作業をしたり、カラーパレットを操作したりできる。

でもAppleの今回の特許はもっとカバー範囲が広くて、さまざまな状況に対応できる。一般消費者向けとは言えないが、日常的にMacを使っているクリエイティブのプロたちにはアピールする機能だろう。

この特許が出願されたのは2010年の4月で、認可までかなりの時間がかかっている。でもAppleはこれから、全体的な製品系列の中でのiPadの位置づけを再検討して、来たるべき、より大型で強力なiPad Proの発売に備えているらしいから、タイミングの良いユースケースだ、とも言える。

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Appleの現金保有高、1940億ドル[約23兆円]に

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Apple、世界で最も価値の高いこの企業の保有する現金は:1940億ドル[約23兆円]になった。

これは、同社の現金、現金相当物、短期有価証券、および長期有価証券を足し合わせると計1940億ドルになるという意味だ。現金は定義が曖昧な用語であるが、ここでは企業の機能的に換金可能な価値を測るために用いられている。

Appleは私が知る限り他のどの企業よりも多くの現金を持ち、その大部分を様々な長期商品に投資している。それはAppleがあまりにも裕福であるため、1600億ドルを長期証券に注ぎ込んでも、まだ会社運営その他を維持できるだけの現金を世界中に持っているからだ。

Appleはその現金を様々な場所に貯蔵しているが、一方で負債も増やしている。Appleの長期借入金は昨年9月27日締め四半期終了時の289.9億ドルから、現在の400億ドルへと増えている。

いったいなぜAppleほど裕福な会社が借入れなどするのか?すべては、現金を使うためのコストによる。Appleの現金はその多くが海外に保管されているが、株式購入などのためには国内資金を使用す。Appleは米国で滑稽なほど低い利息で資金を借りる ― マクロ環境がこの種の行動を著しく有利にしている ― ことによって、海外の現金を本国に送還することで課せされる高額な追徴税を避けることがてきるのだ。

決算報告書の中でAppleは、同社の「資本還元プログラム」を2000億ドル以上へと50%以上拡大することを投資家に伝えた。Appleは自社株買いおよび配当を利用して株主に現金を還元する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、世界的PC不況の中Macの売上は10%アップ

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Appleはこの四半期に約460万のMacを販売したことが、今日(米国時間4/27)発表された同社の2015年Q2決算報告でわかった。これは昨年同期に販売された410万台より10%多い。

ホリデーシーズンを含む前四半期、AppleはMacを550万台売っており、対前四半期では17%減少したことを意味している。

Appleの最新ノートパソコン群、MacBook、13インチRetina MBP、および改訂版MacBook Airが発売されたのは4月10日だった。つまり、Appleの同カテゴリー内の最新製品は、今日の3月28日締め決算報告には反映されていない。

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興味深いことに、Gartnerによると2015年第1四半期の全世界パソコン出荷台数は前年同期より5.2%減っている。それでもAppleは、Mac事業で成長を維持している。

アナリストらは同四半期Appleが470万台売ると予測していたので、結果は予測を下回ったことになる。

今期Appleは、iPhoneを6100万台、iPadを1260万台販売し、売上580億ドルを計上した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、中国での第2四半期売上は71%の急上昇

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Appleが中国での存在感を高めているようだ。第2四半期において、中国での売上額を71%伸ばしたのだそうだ。また、iPhoneの販売台数も、アメリカ国内を上回っている様子。

第1四半期には、中国での売上は161億ドルで、ヨーロッパの172億ドルを下回っていた。しかし直近の2015年第2四半期にて中国での売上は168億ドルとなり、前期より数字が下がって122億ドルとなったヨーロッパを上回ることとなった。但し、ヨーロッパにおける売上も昨年同期比では拡大している。ヨーロッパの重要性が低下しているというよりも、中国での成長幅が非常に大きいということを意味するわけだ。

この報告をうけて、Appleの株価は1.5%ほどの上昇を示していた。

ちなみに昨年同期との比較では、アメリカ、ヨーロッパ、中国(Greater China)および「アジアの他の地域」で売上を伸ばしている。但し、日本だけが数字を下げている。マイクロソフトも、日本の需要は低迷しているとしており、Appleの販売額低下もこの流れで理解できることなのかもしれない。

ところでApple Watchのハイエンドモデルについては、中国の高所得者層をターゲットとしたものではないかという噂も囁かれている。しかしApple Watchの売り上げ状況についての発表はない。噂の真偽はともかく、中国においてAppleが成功をおさめたことは数字の証明する通りとなった。

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(翻訳:Maeda, H

Apple、Apple Watchの需要に答えるべく「鋭意努力中」

AppleはApple Watchの強い需要に答えるために「鋭意努力している」と、Apple CFO Luca Maestriは今日の決算会見直後、Bloomberg Businessweekに語った。Appleは6月末までには直面する需要に答えたいと考えている。

「先週金曜日にApple Watchが届き始めてからの顧客の反応を非常に嬉しく思っている」とCEO Tim Cookは今日の会見で語った。「反響は驚くほど好意的だ」と、ソーシャルメディアの反応を挙げて付け加えた。

今回の発売方法は様々な意味で異例だったが、最も著しかったのはApple Watchが発売日に小売店舗で入手できないことだった。当初予約はオンラインのみで受け付けられ、小売店舗では予約して試着はできるものの実際に購入して商品を持ち帰ることはできない。

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既に予約済みの製品出荷時期は早まりつつあるが、現在サイトに表示される出荷時期を見ると依然としてかなり待たされそうだ。さらにはバンドの選択によってモデル毎の出荷時期が異なることを示唆する証言もある。

「現在需要が供給を上回っており、解決に全力を尽している」とCookは会見で語った。「われわれは先週末に予定より多くのウォッチを出荷することができた」と彼は付け加え、今日さらに出荷することを含め今後も努力を続けることを約束した。

「6月中には、他の国でもApple Watchを売れる体制になると考えている」と彼は言った。

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Appleの2015年Q2:売上580億ドル、利益136億ドル、EPS 2.33ドルで予測を上回る

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Appleは2015年会計第2四半期の決算を公開し、売上580億ドル、純利益136億ドル、1株当たり利益(EPS)は2.33ドルだった。1年前の同期と比較すると、売上が27.2%増、EPS(7対1株式分割調整後)は驚異の40.4%増だった。

3ヵ月前のAppleの爆発的四半期(全企業を通じて史上最高の売上を記録した)に続き、期待はかなり高かった。そして、今期はAppleにとって売上史上第2位の四半期となった。中でもサービス事業は今や50億ドルのビジネスとなり、利益率40.8%は2015年Q1の39.9%を上回った。

Appleは自社株買いプログラムを拡大して、昨年の900億ドルから1400ドルへと規模を引き上げた。また株主は昨年より11%高い1株当たり0.52ドルの配当を受ける。

Fortuneのアナリスト共通見解予測は売上568.5億ドル、EPS 2.21ドル、成長率はそれぞれ33.1%と24.7%で、これは常軌を逸した成長予測である。

Apple自身による昨期決算報告時のガイダンスは、売上520~550億ドル、利益率38.5~39.5%と予測していた。ここ数年Appleのガイダンスは正確だったが、昨期は違った。2015年Q1は全企業史上最大の四半期となり、Appleでさえそれを予測できなかった。

「iPhone、Mac、およびApp Storeの継続した好調に感動している。おかげで史上最高の3月期となった」とApple CEO Tim Cookがリリース文で語った。「これまでになく多くの人々がiPhoneに切り替えている。Apple Watchの発売とともに6月期に入れることを楽しみにしている」。

ハードウェア

この四半期、AppleはiPhoneを6120万台、iPadを1260万台、Macを460万台売った。2014年Q4と比較すると、iPhoneの販売台数は40%増え、iPadの販売台数は23%減少した。Macの販売は10%増えた。iPhone売上およびMac売上の詳細については各記事を参照されたい。

iPhoneの平均販売価格は659ドルで、昨年は597ドルだった。この(米ドルの為替レートが不利に働いたにもかかわらず)平均販売価格が10.4%上昇したことが、同社の利益率を伸ばした主要因だろう。

海外売上

海外売上は、全社売上の69%に達した。Q1は常にApple最大の四半期であり、それは世界中殆どの国でホリデーシーズンがあるからだ。しかし中国の旧正月はQ1ではなくQ2に当たる。これが中国の対四半期売上が伸び、同社の利益を後押しした理由だ。中国の詳細については本誌の別稿を参照されたい。

株式市場およびガイダンス

決算報告から数分後、時間外取引の株価は終値から0.95%高の133.91ドルへと上がった。Appleは過去3ヵ月間株式市場で驚くほど好調である。

Apple自身による2015年Q3に向けてのガイダンスは、売上460~480億ドル、利益率38.5~39.5%と予測している。前年同期の売上は374億ドルだった。

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画像提供:Bryce Durbin

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AppleはApple Watchの顧客の一人々々にインターネットビデオでセットアップを指導

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【抄訳】
初期の一定数の顧客が今日(米国時間4/24)、AppleのスマートウォッチApple Watchを受け取るが、並行してAppleは、ライブ(リアルタイム)のビデオでApple Specialistに指導してもらえる“個人的なセットアップ”のアポイントメントを提供する招待状を、メールで送り始めた。そのビデオセッションで顧客は自分の新しいデバイスについて学び、その主な機能を一つ々々体験し、そして質問することもできる。

そのメールによると、Specialistたちはアプリのリコメンデーションも行い、デバイスの個人化(パーソナライゼーション)のお手伝いもする。

噂ではハイエンド機のApple WatchかApple Watch Editionを買った人にのみ、その仮想セットアップが提供されると言われていた。これらの顧客は購入前に仮想“試用”も体験できたが、さらにセットアップセッションも提供される、ということだったのだ。

でも今日は、Apple Sport Watchを買った人たちも、自分の個人的セットアップのアポイントメントをオンラインでスケジューリングできるための、招待状を受け取っている。

セッションは、朝、午後、夜の一日三回あり、5月7日までとなっているが、早い方の日付はすでにうまっている。オンラインの申込書には、主にどんなことでヘルプが必要か、を記入できる。セットアップの指導は店頭でも受けられるが、小売部門のトップがAngela Ahrendtsに代わってからは、万事、物理店よりもネットを重視する方向に変わりつつある。今回の、オンラインビデオによるセットアップガイドも、その表れの一つだ。

【後略】

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iOS上にApple純正の「キッズモード」が搭載されればこんな感じかと考えてみた

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編集部注:本稿執筆者はEric Elia。プロダクトデザインおよび開発業務を行うCainkadeのマネージング・ディレクターを務めている。

Googleにとって「YouTube Kids」は成功といって良いプロダクトであるように思える。レビュー数や評価の面からみても、人気を集めそうな気配だ。ペアレンタルコントロールのツールを用いてスクリーンタイムを設定するまでもなく、子供たちのYouTube利用時間を制限したり、あるいは怪しげなコンテンツを閲覧することを防ぐことができる。

機能制限がついただけでなく、AmazonのKindle FreeTimeや、キャラクターがたくさん登場するNetflixのキッズメニュー風のインタフェースを用意しているのも人気の秘訣だろう。先行アプリケーションのアイデアなども借りつつ、簡単で面白いデザインを実現している。但し、気になる点がないわけではない。

すなわち、iOSにおいてはアプリケーション側からは制御できない機能が存在するのだ。たとえばソフトウェア的にホームボタンの動作を無効にすることはできない。子供たちはホームボタンを押して他のアプリケーションを立ち上げ、そして時間を忘れて遊び続けることになるかもしれない。

こうした面からのニーズを考えるに、Apple自身がiOSの「キッズ・モード」を用意してはどうかと思うのだがどうだろうか。どんなアプリケーションを使うかに関わらず、子供たちの利用状況をコントロールできるようになれば喜ぶ保護者も多いのではないかと思われる。私自身も子供を持つ身であり、子供がテクノロジーに触れる機会は提供したいと考えている。ただ、いろいろと苦労することなくちょっとした制限を行いたいと思っているのだ。

そんなわけで、CainkadeではiOS 8にフィットする形で「キッズ・モード」を実現するデザインを考案してみた。実現したいと考えた主要な機能は以下の通りだ。

  • 親の指定した特定のアプリケーションのみにアクセスすることができる。
  • アプリケーション横断的に、利用時間を制限することができる。
  • キッズ・モードを簡単には解除できないようにする。
  • ホームスクリーンにはわかりやすく、シンプルなアイコンを表示する。
  • 複数のプロフィールを作成でき、プロフィール毎に細かな設定ができるようにする。

デザイン面では次のようなことを意識した。

  • キッズ・モードの実現にぜひとも必要であると考える点以外については、iOSのデザインを最大限に尊重する。
  • 通常の使用感から外れることがないように心がける。
  • キッズ・モード利用中に、親の操作が必要となるような場面を極力作らないようにする。
  • 親が子供にiPhoneないしiPadを渡し、そして子供がそれを自由に操作するというユースケースに適したものを作成する。

ちなみに、デザインの現場ではiPhoneをコンセプトデバイスとして利用した。しかし同様のデザインはiPadにも適用できるはずだ。

ホーム画面

下に表示したホーム画面では、3人の子供それぞれのプロフィールアイコンが表示されている。Len、Nicky、そしてSarahの3人だ。もちろんアイコンの画像や色は変更できるようになっている。それぞれの子供が利用できるプログラムを指定するには、プログラムのアイコンをそれぞれのプロフィールアイコンの上にドロップする。すなわち、このプロフィールアイコンは動作可能アプリケーションを保持するフォルダーとして機能するわけだ。

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Sarah用ホームスクリーン

以下の画像はSarahのホームスクリーンとなっている。アプリケーションは通常と同様の方法で起動することができる。壁紙は設定メニューにてカスタマイズできる。

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アプリケーションの動作

アプリケーションの利用感については、従来から変わらない。下の画像で示しているToca Hair Salon 2も従来通りに動作する。ただし、指定した利用時間を超過すると…

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Source: Toca Hair Salon 2

時間制限

信号機の画像が表示されて、時間切れであることを示すようになっている。このように、子供に対する通知には文章ではなく、なるべくグラフィックを用いるようにしようと考えた。とくに指定しなければ、全体用に指定した時間制限がすべてのアプリケーションに適用されるようになっている。

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時間延長?

保護者が必要性を認めた場合には時間を延長することもできる。延長設定の画面では、延長時間を指定して、そしてパスコードを入力する。時間延長に必要となるパスワードは、両親の責任にて秘密にしておく必要がある。

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len用のホームスクリーン

こちらではホームスクリーンの壁紙が自分の写真になっている。この中に入っているアプリケーションを、複数の子供の間で共有させたい場合もあるだろう。

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アプリケーションの共有

iOSの標準機能では、アプリケーションのショートカットをいろいろな場所に保存しておくことはできないようになっている。しかしキッズモードでは、自身のプロフィールにしかアクセスできないわけで、アプリケーションのアイコンを複数利用できるようにする必要がある。

操作が子供には少々むずかしいかもしれないが、しかし子供も本機能にアクセスできるようにした。この機能をキッズモードの中から使えるようにするか、それともキッズモードの設定画面(保護者が操作する)のみで利用できるようにするかは悩んだ。しかし標準的なドラッグ&ドロップ操作でアプリケーションを管理できるようにすることで、結局は一番使いやすいものになりそうだと考えた。

操作するには、まずアイコンを長押しする。すると通常の場合と同様に、アイコンが震え出すことになる。このときに再度アイコンをおさえるようにすれば、アイコンを他のプロフィールの上にドラッグ&ドロップできるようになる。

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共有オプション

プログラムアイコンを他のプロフィールの上にドラッグしていくと、プログラムを移動させるのか、それとも複製するのかが尋ねられることになる。

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複製

複製しようとして、すでにターゲットのプロフィール内に存在する場合には、単純にエラーメッセージが表示されることとなる。

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設定

プライバシー設定や通知機能の設定を一箇所で行っているように、共通となる基本設定はまとめて行えるようにしている。アプリケーション側からも細かい設定は行えるようになっている。個別の設定は下にあるプロフィールアイコンをタップすることで行う。

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カスタマイズ

プロフィール毎のカスタム設定画面では、名前を指定したり、壁紙やアプリケーションのアイコンを設定することができる。さらにデフォルトの制限時間設定もこちらで行う。ウォールペーパーにカラーやテクスチャーを利用する場合には、名前のイニシャルが壁紙上に表示されることになる。

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壁紙

既存の写真を壁紙として用いるのならば、保存されている写真を壁紙に指定する。

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カラーによる塗りつぶしないしテクスチャーを壁紙として利用する場合は、下のような画面から選ぶことになる。

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カメラアプリケーションのフィルタリング機能のような感じで、各カラー背景とテクスチャーをミックスして利用することもできる。iOS 8の標準的な機能のみを使っても、少々遊べるところだ。

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完成したホーム画面は下のようになる。

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時間制限

制限時間の指定は標準的なインタフェースを通じて行い、ここでアラートのサウンドも選ぶことができる。

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以上が、私たちのチームが考えてみたキッズ用インタフェースの例だ。こうした機能が将来のiOSに実装されれば面白いと考えている。ちなみに掲載したデザインはクリエイティブコモンズのCC BY 4.0で公開するので、適切な条件のもとで自由にお使いいただきたい。あるいはBeerwareライセンスで扱っていただいても結構だ。

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(翻訳:Maeda, H

Appleがプロ用ムービーツールFinal Cut Pro XとMotionとCompressorをアップデート

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Appleがプロ用のムービー制作ツールFinal Cut Pro XとMotionとCompressorをアップデートして、新しいカメラのサポートの改良のほか、3Dアニメーション用リソースとイフェクト機能の拡充が行われた。これら新しいツールの目的は、劇場上映で大ヒットをねらうようなメジャー系の映画制作者にも十分使える、多様なコンテンツ作成機能を提供することだ。

Final Cut Pro 10.2に含まれる新しいツールには、3Dのタイトルをドラッグ&ドロップで作れるツールと、それをどんなスキルレベルの人たちでも容易に作れるためのテンプレート集がある。テンプレートの背景やアニメーションは、ユーザが素材やライティングやエッジなどをエディットでき、その結果はリアルタイムで適用される。

Final Cut Pro 10.2ではさらに、同時に最大4つまでのビデオスコープビューがサポートされ、サポートされるビデオフォーマットが増え、RED RAWファイルのサポートも改良されて、トランスコーディングとレンダリングとプレイバックのスピードがGPUのアクセラレーションの強化により上がった。

Motion 5.2でも同様に、3Dのタイトル作りが改良され、12の新しいジェネレータイフェクトが加わった。Compressor 4.2ではムービーを完成させてiTunesに載せるまでの過程がさらに容易になり、作ったiTunes Store PackageをiTunes Deliveryのパートナーに直接渡せる。

これらアプリケーションのアップデートはMac上でApp Storeから入手できる。既存のユーザには無料アップデート、新たな買い手には標準の有料パッケージとなる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple Watch、プレオーダー開始日のアメリカ国内における注文数は100万台程度?!

Apple Watch

Appleがリリースした「最もパーソナルなテクノロジー」の需要はどれほどのものなのだろうか。今後のウェアラブル市場の規模を見据える意味もあり、テック業界の人はみなその状況に注目している。Appleが販売実績データを公開するまでは(公開するのかどうかは不明だが)、多くの人がApple Watchの販売データをいろいろな側面から推測しようとするに違いない。

Apple Watchのプレオーダーが開始されたのは金曜日で、店舗における試用も可能となった。直ちにプレオーダーボタンをクリックした人については、4月末ないし5月頭の出荷となったようだが、すぐに6月出荷となってしまったようだ。

今のところAppleは、プレオーダー用に何台を用意したのか明らかにしていない。しかしリサーチファームのSlice Intelligenceは、9080人の購入受付データを分析して、アメリカ国内における販売データの解析を試みている。

Slice Intelligenceによれば、プレオーダー開始の日にアメリカ国内では100万近く(957,000台)のオーダーが発生したのだそうだ。予想通り、最も多くオーダーされたのは価格の安いSPORTモデルとなった。米国内でのプレオーダー台数のうち、62%がこのモデルであったとのこと。

(SPORTモデルの価格は349ドルからとなっている。ミッドレンジのWATCHモデルは549ドルからという価格帯で、最も高価なEDITIONラインは1万ドルからとなっている)。

さらにSliceのデータによれば、米国内でオーダーされた全Apple Watchの平均価格は503.83ドルとなっている。SPORTモデルの購入価格平均は382.83ドルで、WATCHモデルは707.04ドルであったそうだ。すなわち、それぞれのモデルの購入者は、各モデルの最安値ではないものを選択したらしい。

細かくみると、ケースについては大型(高額)のモデルを選択し、ベルトは安いものを選んだという人が多いようだ。SPORTエディションを購入した人の3分の1以上が、黒ないし白の最も安いベルトを選んでいる。またSPORTモデルおよびWATCHモデルでは、黒のスポーツバンドが圧倒的な一番人気であるらしい。

ケースのサイズについては、モデルにかかわらず42mmのケースを選ぶ人が多い様子。71%の人が大きい方のモデルを選んでいる(手首の平均的なサイズから判断するに、プレオーダーしたのは男性の方が多いということなのだろう。ただし、Sliceのデータでは男女比などについての数値は明らかになっていない)。

ちなみに、SPORTモデル購入者の方が、38mmモデルを選ぶ割合が若干高いようだ。WATCHモデルでは38mmを選ぶ人は24%であるのに対し、SPORTモデルでは32%となっている。

最も人気のあるのはスペースグレイアルミニウムのモデルで、プレオーダー中40%をこのモデルが占めた。続くのはステンレススチール(34%)、シルバーアルミニウム(23%)となっている。もっとも不人気なモデルもみておくと、スペースブラックステンレススチールで、これはプレーオーダー中3%を占めるに過ぎないようだ。

また、Apple Watchをオーダーした人は、他にもApple製品を利用している人が多いのだとのこと。オーダーした人の72%が、過去2年以内にApple製品(iPhone、Mac、ないしiPadなど)を購入しているのだとのこと。また21%の人は、iPhone 6ないし6 Plusもプレオーダーで入手しているそうだ。

さらに、3分の1近くの人が、過去2年以内に複数のAppleプロダクトを購入しているという数値もあるらしい。11%の人はiPhone、Mac、およびiPadのいずれをも所有しているのだそうだ。

なおSliceはとても薄くかつポートも極限まで減らしたMacBookについてもデータを収集している。こちらも金曜日から販売開始となっている。新しいMacBookはオンラインで48000台が販売され、こちらもスペースグレイが最も人気であるそうだ(58%)。新しくでたゴールドモデルが2番手(36%)となっている様子。記憶容量をみると、512GBモデルの方が少々人気を集めているようだ。

MacBookを購入した人の半分近く(43%)がApple Watchも購入しているらしい。過去2年のデータをみても、MacBookの購入者は他のAppleプロダクトを購入するという傾向がある(75%)らしい。MacBook購入者の4分の1(26%)は、iPhone 6ないし6 Plusをプレオーダーしている。

上に紹介したデータは、アメリカ国内限定のものであり、かつひとつの調査ファームのデータであることにはご注意いただきたい。Apple Watchは合計9つの国と地域にて同時にプレオーダーが開始されている。アメリカ以外にプレオーダーが開始されたのは、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、日本、およびイギリスだ。

Appleは新製品のリリースにともない、売上データを公開することがある。Apple Watchについても、もし数値が発表されるのであれば数日以内に明らかになるはずだ。

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(翻訳:Maeda, H

お知らせ:残念ながらApple Watchバンド交換サイトは、あなたが思っている様には機能しない

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Apple Watch購入者のみなさん、がっかりさせて申し訳ないが、最近出てきたばかりのApple Watchバンド交換サイトで、2本目のバンドを手に入れられることはない。ご存じない方のために言うと、最近Apple Watchバンド交換サイトなるものがいくつか出現し、Apple Watchオーナーが余分のベルトを他人のベルトとわずかな手数料で交換できるとされている。残念ながら、実際にはバンドは2本〈付いてこない〉― Appleのウェブサイトにはそう書いてあるように見えるが。

大きい方のサイト、BandSwapperは、最近いくつかのブログ記事で、当初すばらしいアイデアであると思われたことについて取り上げられている。同サイトは、Apple Watch Sportのオーナーが、使わないバンドを別の色やサイズのものと交換できるとしている。BandSwapperは6ドルの手数料で、新しいSportのバンドを送る。

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バンド交換のアイデアが浮上したのは、通常手に入らない時計とバンドの組み合わせが可能になるからだ(一部のバンドは特定のWatchと一緒にしか販売されない)。しかし、さらに魅力的な選択肢となったのは、Apple Watch Sportが、2本のベルトと共に出荷されるらしいとわかったからだった。1つが手首の細い人用、もう1つが手首の太い人用だ。混乱を招いた理由は、Appleのウェブサイトに、Sportのパッケージには「2本のバンド」が入っていると書かれているからだ。

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商品を受け取ったら、使うバンドは1本 ― どちらか自分に合ったサイズだけだ。もう一方は交換に使える!

もう一つ、StrapSwapというサイトも同じような交換サービスを提供している。ただしこちらは、買い手と売り手が直接メールし合って不用なバンドを郵送あるいは直接会って交換する。

はっきり言って、すばらしいアイデアに思える。

残念ながら、システムはその通りには働かない。

そう、Apple Sport Watchのモデルには確かにバンドが2種類付いてくるが、正確には、〈完全な〉バンドが2セットではなく、3つの部分から成っている。時計の一方につながるファスナー付きが1つと、時計の反対側につながるバンド(穴のあいている方)が2つだ。この2つが異なるサイズになっている。細い手首用のS/Mサイズと、太い人用のM/Lサイズだ。

言い換えれば、交換するための余分のバンドは、ない。

それなら、余った半分のバンドを別の色と交換して新たなファッショントレンドを始められると私は思う(1980年代に戻れるに違いない!)。しかし、それは多くの人がサイトに登録した理由ではない。あるいは今のバンドを「2つの部分ごと」交換する方法も、当初の選択を後悔している人にはあるだろうし、しばらく使って飽きた時でもいい。

あるいは、上に書いたように特定のモデルでしか注文できないバンドと交換することもできるかもしれない。

しかしBandSwapperは、Sportモデルに実際ベルトが2本付いてくるのかという質問に対して、その話は「憶測」であると答えて潜在顧客をさらに誤解させ混乱を呼んでいる。

「憶測は確認ではない」と言うが、われわれ間違いなく確認している ― あらゆる信頼のおける情報源によると、Apple Watch Sportには3つのベルト部品が付いてくる。完全なベルトが2セットではない。

なんなら自分の目で確かめるとよい。

わかる、、私だって悲しいんだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook