アップルのニュートンといわれても知らない人の方が多いかもしれませんが、Appleが1990年代に発表し商業的に大ゴケした元祖PDA(この言葉さえも死語化しつつありますが)です。最近話題のGoogle Glassについて同じ運命を辿ると考えているアンドリュー・チェンの意見を今回はご紹介。さてあなたはどう思う? — SEO Japan
オタクたちはGoogle Glassに夢中になっている
最近、私はこんなことをつぶやいた:
私はGoogle Glass懐疑派だ。私と同感の人は?
なんと、ほとんどの人がGoogle Glassが素晴らしいものになると考えていることが判明した。実のところ、私はもっと偏らないと思っていたので、これには驚いた。しかし、人々は具体的な使用例よりもGlassのアイディアにワクワクしていたことが分かった。そして、私もこの製品カテゴリについてはワクワクしているが、V1は失敗かもしれないと考えている。
Google Glassは新しいアップル・ニュートン
いつの日か装着可能なコンピューティング眼鏡は最高のものになるかもしれないが、私は、Google Glassはアップル・ニュートンのようになるだろうと確信している―時代のだいぶ先を行き、リリースから10年後に誰かが異なるデザインを使用してそれを主流にする方法を解明するであろう先見の明のある製品だ。V1が優れているかどうかに関係なく、装着可能なコンピューティングへの投資は間違いなくエキサイティングだ。オタクがサイボーグになる夢を叶えるためにしたがらないことなんてあるだろうか?数回のイタレーションで、この業界は素晴らしいV5を世に出すだろう。iPhoneやiPadが次第にニュートンの夢を叶えたのと同じ方法で。そうなることを期待しよう。しかしそれと同時に、私はGoogle GlassのV1には楽観的ではない。
スマートフォンより良いのか?
私の懐疑的態度は1つの考えに根差している:1,500ドル(あるいは1,000ドル、あるいは500ドルでも)出すなら、Google Glassはスマートフォンよりもかなり優れたタスクを果たさなければならない。そして、今後2年以内には、同じタスクを遂行する装着可能な時計のような他の多くのデバイスとも競争しなければならないかもしれない。そして私は、その価格に値するタスクがあるということに懐疑的だし、主な入力として音声を使用することがインターフェース全体を操作するのに十分に優れているということにも懐疑的だ。
カッコいいと思う以前に、あなたはこんな質問をしなければならない:
Google Glassは実際にどんなタスクでスマートフォンよりも優れているのだろうか?
私はこれを成功させる十分な使用例があるとは思わない。
使用例を見てみよう
これに関する1つのデータポイントは、彼らが紹介している使用例の全てを見つけ出すために最近のGlassのマーケティングビデオを見ることだ。しかし、素晴らしいアクロバティックで美しい景色は全て無視して、人々が実際にこのUIを使用しているものにだけ焦点を合わせるようにしよう:
使用例のリスト
人々がGoogle Glassを使ってやっていることのリスト:
- 時間を見る
- 動画を録画する
- 声を介してメッセージを送信する
- ビデオカンファレンスを始める
- Google画像を検索する
- 天気予報をチェックする
- 写真を撮る
- 地図で道順を教わる
- フライトの詳細を獲得する
- “美味しい”をタイ語に翻訳する
- Wikipediaで何かを調べる
- 写真を共有する
(もちろん、注目すべきは、彼らがこの新しいデベロッパープレビューを作っている理由の1つが、もっとたくさんのアプリが作られるためであるということだ―しかし、もしそうなら、それは使用例を探している空想的なテクノロジーである。)
Glass VS.携帯電話(またはその他の安い装着可能デバイス)
上記の使用例にある最大の問題は、ポケットに入れて持ち運ぶコンピューターよりも顔に装着するコンピューターの方が目覚ましく優れているわけではないことだ。これらの大部分は、天気や時間をチェックするなど、基本的にはすでに携帯電話ですることができる簡単なことだ。音声入力はまだ能力が低いため、何かを検索することやメールを送信することなど、いくつかのことは悪化すると私は確信している。そして、POV写真を撮ることや地図を調べることなど、Glassがより良い体験を提供することができることがちょっとはある。それらで十分なのだろうか?
主要入力としての音声は最低
特に私は主要入力としての音声に懐疑的だ。それは、アップル・ニュートンをダメにした酷い手書き認識と同じように、この製品をダメにすると思う。音声入力の最先端は、はっきり言って、AndroidでもiOSでも酷い。あなたは音声を介して“OK”もしくは“家に帰る”というメッセージを作ろうとしたことはあるだろうか?特にうるさいカフェやバスの中では?それは、自分がしたいことをするために自らのデバイスを説得しようとしたり、繰り返し独り言を言っている狂った人のように見える。
(これを体験するには、しばらくの間携帯電話にタッチしないで全てのことをするというのをやってみることだ―超イライラして、長くは続かない。)
Glassの一部としてリリースする新しい魔法の音声機能があるのかもしれないが、同時に、彼らはまずは5億台のAndroidデバイスにそれを導入するのではないだろうか?そして、もしスマートフォン上でその魔法の音声機能が良くなれば、Glassと対比してそのデバイスを使用するという差別化を蝕まないだろうか?
上手くいくことを願っている
結局のところ、私の言いたいことは、全てがうまくいくことを願っているということだ。私はまだGoogle Glassを使ったことがないし、それを試すのをとても楽しみにしている。それが機能することを願っている。しかし、装着可能な眼鏡のアイディアに熱狂するよりは、実際の使用例を開発することについて話し始めることが大切だと思うのだ。人々はどのようにしてこれとやり取りし、素晴らしい体験をするのか?特に私たちが持ち歩いている携帯電話、時計、Fitbit、Nikeブランドなどの他の装着可能なコンピューティングデバイスの状況を踏まえて。そして、それらは、単に素晴らしいガジェットを作るだけでなく、次世代のデバイスを推し進めるために私たちが回答すべき質問なのだ。
この記事は、@andrewchenに掲載された「I’m a Google Glass skeptic and think it’ll be the next Apple Newton」を翻訳した内容です。
単純にダメ出しした話ではありませんが、確かに現状は期待値の方が高いですよね。私も夢がある製品とは思うものの、一部の新し物好き(私も一応買うと思います)を除けば余り大流行するイメージはありません。とはいえ、こういう試みを通してこそゲームチェンジャー的な製品も産まれていくのでしょう。iPhoneにしたって、今思ってみれば当時嘲笑されたニュートンの失敗で多くを学んだ結果といえるかもしれないわけですし。その意味では、Google Glassをアップル・ニュートンに比較することは、実はとっても褒め言葉だったりするのかもしれませんね。さてあなたはGoogle Glassを使ってみたいですか?いつの日かスマホを超える存在になると思いますか? — SEO Japan [
G+]