Apple、App Storeからのダウンロード合計が450億本を突破。1秒辺り800本のダウンロード

昨日行われた決算報告での話ではあるが、Appleはアプリケーションのダウンロード数が450億本を突破した旨を報告した。1月に400億突破をアナウンスしていたが、それから4ヵ月ほどで50億本を上乗せしたことになる。ダウンロードの速度を見てみると、毎秒800本がダウンロードされていることになる。ちなみに現在のアプリケーション登録本数は85万本で、iPad専用のアプリケーションが35万本となっている。

ところで35万本というのは、2011年1月時点にAppleが発表した全iOSアプリケーションの本数と同じだ。iPadがリリースされて1年経過時の本数ということになる。当時はiPad用のアプリケーションというのは6万本しか登録されていなかった。すなわちiPad用アプリケーションの本数は当時から483%も増加したことになる。

またApp Storeは155ヵ国で展開しており、それによりiOS利用者の90%をカバーしているのだそうだ。あわせて、これまでの開発者に対する支払額合計が90億ドルを超えていることもアナウンスした。この額は2月中旬時点でのアナウンスと比べて10億ドルの増加となっている。

支払いに関する報告を行ったのはOppenheimerだが、その報告によれば四半期毎の開発者への支払額が10億ドルに達しており、これまでの総額である90億ドルの半分(45億ドル)が、この4半期で支払われたのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Apple、自社株買戻しと配当増額を実施。株価上昇に期待

現在Appleには1450億ドルの現金があり、これを何とかする必要がある。CEO Tim Cookが 収支会見の中で、株の買戻しを行うと発表したのはそのためだ。つまりこれはAppleが保有現金の一部を使って既存株式を買戻して市場から除外することによって、既存株主の持ち株の価値を高めることを意味している。この投資は、配当という形で直接既存投資家に反映される。

Tim Cookはこのプログラムを、Appleのカルチャーこそが同社を際立たせていると繰り返した直後に発表した。

「われわれには素晴らしいイノベーションのカルチャーがある。それはiPhoneやiPadを生みだしたのと同じカルチャーだ」とCookは語った。

昨年Appleは、450億ドルを費し複数年にわたってこれを配当として支払うと発表した。このたびこれを倍以上に増やし、2015年末までに1000億ドルを支払う。今日割り当てられた550億ドルは、株の買い戻しだけでなく配当にも使用される。

株式買い戻しプログラムの利点は、社外株数を減らすことによってAppleが自ら自信に満ちた会社であることを示すことにある。この種のプログラムは一般に株価をつり上げる。数日前、Apple株は400ドルを割った。2012年9月には700ドルで取引きされていた。それは歴然とした沈滞を示すものであり、Appleを少しばかり心配させた

取締役会は、買い戻し額を昨年の100億ドルから600億に引き上げることを承認した。これは公開企業として最大の買い戻し承認額だ。四半期配当も2.65ドルから3.05ドルに増額される。Appleは毎年約110億ドルの配当を支払うことになる。

全体でAppleは毎年300億ドルを支払っている。しかしそれ以上に驚くべきは、同社の保有現金が未だに増え続けていることだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Appleのティム・クックCEO、今秋の新製品発表を喧伝

AppleのCEO Tim Cookは、将来の製品計画についてあまり具体的なことを言わないのが通例だが、このたび新製品の発表時期についていつもとは違う異例な正確さで語った。Cookは今日行われたAppleの収支会見の冒頭、同社がエキサイティングな新製品を秋に発表することを楽しみにしていると語り、後のQ&Aでも全く同じ内容を繰り返した。

「あまり具体的にはできないが、われわれは今年の秋から2014年全体にかけて本当にすばらしい製品を披露するつもりだ」と、前言の詳細を問われたCookは語った。もちろん彼は詳細を語ったのではないが、前に言ったことを確実に繰り返した。CookがAppleの製品発表サイクルに関する世間の期待を、以前よりも直接的に操作しようとしている意図は明らかだ。

表明上この発言は、新しいiPhone(複数モデルの可能性を含む)が6月のApple WWDC 2013イベントで見られるだろうという噂や憶測を冷却させるためのように見える。Appleの供給および製造パートナー発の情報は6月頃の発売を匂わせているが、つい先週一部アナリストらは、iPhone 5Sは秋発売に戻ったと噂し始めた。

Cookは、秋以前に新製品が出る可能性を完全には除外しているわけではないが、製品イノベーションに関して今秋から来年全体に注目を集めたがっていることは明らかだ。果たしてこれが9月以前にはわずかな変更のみで、後から噂のiWatchのような大型爆弾がやってくるのか、それとも秋以前には何も見られないのかは未だに不明だ。

Appleは製品計画に関してほぼ絶対に明かすことがなかったので、Timが具体的な時期を言いたがったり、「新しい製品カテゴリー」に言及したという事実に基づけば、今年の秋に期待する価値はありそうだ。Cookが意図的にわれわれの目をくらまそうとしているのでない限り、Appleの新製品を待ち望んでいる人たちは夏まで眠っていた方が良いかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Appleの2013年Q2をグラフで見る

Appleは2013年第2四半期の業績を発表し、いつものように、そこには探るべきところが山ほどある。ビジュアル学習に慣れた(あるいは複数の記事を読む時間のない)読者には、クパチーノの人々がどんな実績をあげたかを以下のグラフから感じ取ってほしい。

Apple、四半期売上436億ドル、純利益95億ドルでアナリスト予測を上回る

iPhoneおよびiPadの売上は前年同期を上回るも、Macの売上は横ばい

Appleの小売部門売上は前年同期比19%増を記録

一方、Appleの保有現金は1450億ドルに増大 ― ちなみにFacebookの時価総額はわずか620億ドル

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(翻訳:Nob Takahashi)


Apple、2013年第2四半期の業績は予想を上回り、株価は上昇―売上436億ドル、利益95億ドル、1株当たり利益10.09ドル

このところAppleの財務内容は(もしかすると必要以上に)注目を浴びていたが、今日(米国時間4/23)、疑問が一掃された。

さきほどAppleは2013年度第2四半期の決算報告を発表した。それによると売上高は436億ドル(前年同期392億ドル)、純益95億ドルで1株あたり利益は10.09ドルだった。

ある意味、事前の懸念は当たっていたことになる。前年同期のAppleの1株当たり利益は12.30ドルだった。対前年比で利益が減少したのはほぼ10年ぶりだ。利益の減少は不面目ではあるものの、本当の問題はこれがAppleの将来に実際どんな影響を与えるのかという点だが、答えが出るのは先になりそうだ。

利益の減少は遅かれ早かれいずれは起こるべき出来事だが、最近のAppleは前進を阻むもののない巨人というイメージを抱かれていたので、実際以上の衝撃を与えている。Appleは1450億ドルのキャッシュを貯めこんでいるので、終末論を持ち出すのは早すぎる。しかしCEOのTim Cookは成長が鈍化していることを認めた。またCookは恒例の電話記者会見で株価のテコ入れのためにApple株の買い戻しを行うと発表した。

この数日間、Appoleをめぐる情勢は波乱含みだった。先週Appleの株価は400ドルを割っており、アナリストの予測も今までのAppleに対するような強気一辺倒のものではなくなっていた。 Bloomberg Businessweekによれば、424億ドルの売上、10.02ドルの1株当たり利益がアナリストのコンセンサスだった。Appleはこの予測を上回ることができた。しかし一方、第1四半期にApple自身が発表した(いつもきわめて控え目なことで名高い)予測では、売上は410億ドルから430億ドルとされていた。今回発表された第3四半期の予測は売上が335億ドルから355億ドル、粗利益率は36%から37%と見積もられている。.

第2四半期にAppleが新製品を全く発表しなかった(必ず発表するはずだと熱心に説くものもいた)にもかかわらず、 ハードウェアの売上は立派なものだ。われわれのJordan Crook記者Darrell Etherington記者のまとめたレポートによれば、Appleは3740万台のiPhone、1950万台のiPadを売っている。しかしもはやiPodについてのコメントはない。Macのセールスは前年同期の400万台をわずかに下回った。


(Apple関係のグラフはここにまとめてある)

iOSデバイスの販売は揃って前年同期を上まって好調だ。iPadのセールスは劇的に増加している。これはおそらくiPad miniの成功によるものだろう。それでも目立った新製品がリリースされなかったことは一部に強い懸念を呼び起こしていた。2012年10月のiPad miniのリリース以後、Appleはまったく新製品を発表していない。Appleはもともと独自の製品サイクルを固く守る方だし、半年間製品を発表しないことがそれ自身で悪いわけではない。しかしこの間、SamsungとHTCが強力なライバル製品を発表しているため、Appleが今後いっそう厳しい競争環境に置かれることが予想される。もちろんこうした状況は新しいiPhoneが発表されれば一瞬で変わる可能性はある。〔日本版:Tim Cookは「新製品の発表は秋以降」とコメントしている。〕

事前には懸念を深めていた市場は決算発表を好感し、株価は時間外取引で約4%アップした。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


AppleはSiriの音声データを匿名化して最大2年保存する

AppleのiOSデバイス上の音声アシスタントSiriは、情報を捨てずに保存し、それらを、同社がリモートのサーバ上で行っている分析処理の結果をより正確にするために利用している。同社はこれまで、Siriとぼくのやりとりをいつまで保存するのか、それをどのように利用しているのかを明かさなかったが、このほどWired誌がAppleに取材をして、Siriのデータの保存のされ方を突き止めた。

Appleによると、Siriが集めた音声ファイルには識別子としてユーザのアカウントではなく乱数を付ける。それによってデータは匿名化される。メールアドレスなどユーザを識別できる情報は、いっさい付けない。乱数とデータの結びつきは6か月続き、そのあと削除される。音声ファイルそのものは、まだ残る。そして識別子を失った音声ファイルはAppleのサーバ上にさらに最大で18か月残り、Siriの改良や新製品のテストに利用される。ただしユーザがSiriを完全にoffにすると、データも識別子もすべて即座に削除される。

口述型のアプリケーションやサービスをめぐるプライバシーの懸念という問題は、前からある。Siriのための音声認識ソフトウェアを作ったNuanceは、2009年にiPhone用のDragon Dictationをローンチしたとき、プライバシーを心配する人びとに対して自分を擁護しなければならなかった。Nuanceは、そのアプリの会話の書き起こしを同社のサーバに保存して、自社技術の改良に役立てていた。Googleが個人化〜ターゲティングやGoogle Nowの正しい動作のために集めている情報にも、まったく同様の問題がある。

American Civil Liberties Unionの弁護士Nicole Ozerはプライバシー評論家としても有名だが、今回Wired誌にAppleを調べさせたのも彼だ。彼は、Appleが、ユーザの個人データの保存ポリシーを、ユーザに分かりやすい形でどこにも明記していないことを、問題にしている。SiriのFAQにもない。どんな情報をどんな形で保存し利用しているか、それを消費者に正しく伝えることはAppleの義務だ、と彼は主張している。

原則として、アプリやサービスがデータの収集を必要とするときには、個人の情報が内部的にあっちへ行ったりこっちへ来たりを激しく繰り返すことはほぼ間違いない。プライバシーを重視するユーザは、そのような状況に対して用心すべきだ。Siriに関するAppleのポリシーは、ほかと比べてかなりひどいかもしれないが、今回それを明確に具体的に述べてくれたことは、ありがたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple株ついに400ドルの大台割れ―16ヶ月間の新安値を記録

現在、Appleの株価(NASDAQ:AAPL)は398.11ドルだ。昨日(米国時間4/16)の終値426.24ドルから6.6%下げている。最近最大の下げ幅であると同時に、16ヶ月での最安値を記録した。四半期決算が近づいているおり、その内容に投資家が懸念を抱いているのが大きな理由のようだ。

現在、NASDAQは全体として1.11%下落している。 Reutersによれば、Appleへの部品供給メーカー、Cirrus Logicがウォール街のアナリストの予測を大幅に下回る売上予測を発表した。同社はiOSデバイスにオーディオ用チップなどを製造している。このため一部のアナリストは2013年第2四半期のAppleのデバイスの売れ行きはよくなかっただろうと予想している。

しかし今日の下落はCirrus Logicの問題だけを原因とするには大幅すぎるようだ。現在株価は400ドルを切っているが、iPhone 5の発表以来、Apple株の値動きは投資家を失望させている。Appleの株価が700ドルを回復することは当面ありそうにない。

Apple株は依然として不透明感と乱高下に悩まされている。最新の製品発表は2012年10月のiPad miniだ。つまり昔に比べて新製品発表がない期間が非常に長くなっている。新製品の発表が近づくに連れて株価が上がるのが常だった。不安材料が少しでもあると株価に大きく反映するのが現在のAppleだ。

もちろん売上高が実際どうであったか予測するのは難しい。comScoreの調査によれば、iPhoneはアメリカ市場で依然トップの地位を占めている。しかしHTC OneやSamsung Galaxy S4といった手強いライバルがここ数週間で世界に向けてデビューする予定だ。

スマートフォン市場の競争は6ヶ月前にiPhone 5が発表されたときから激しかった。株の値動きを決定する最大の要因は投資家が感じる印象だ。Appleの営業成績に特に落ち込みが見られなくても、将来に不安を抱かせるような材料が少しでも浮上すれば株価に大きく反映することになる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google Glassは次のアップル・ニュートンである

アップルのニュートンといわれても知らない人の方が多いかもしれませんが、Appleが1990年代に発表し商業的に大ゴケした元祖PDA(この言葉さえも死語化しつつありますが)です。最近話題のGoogle Glassについて同じ運命を辿ると考えているアンドリュー・チェンの意見を今回はご紹介。さてあなたはどう思う? — SEO Japan

オタクたちはGoogle Glassに夢中になっている
最近、私はこんなことをつぶやいた

私はGoogle Glass懐疑派だ。私と同感の人は?

なんと、ほとんどの人がGoogle Glassが素晴らしいものになると考えていることが判明した。実のところ、私はもっと偏らないと思っていたので、これには驚いた。しかし、人々は具体的な使用例よりもGlassのアイディアにワクワクしていたことが分かった。そして、私もこの製品カテゴリについてはワクワクしているが、V1は失敗かもしれないと考えている。

Google Glassは新しいアップル・ニュートン
いつの日か装着可能なコンピューティング眼鏡は最高のものになるかもしれないが、私は、Google Glassはアップル・ニュートンのようになるだろうと確信している―時代のだいぶ先を行き、リリースから10年後に誰かが異なるデザインを使用してそれを主流にする方法を解明するであろう先見の明のある製品だ。V1が優れているかどうかに関係なく、装着可能なコンピューティングへの投資は間違いなくエキサイティングだ。オタクがサイボーグになる夢を叶えるためにしたがらないことなんてあるだろうか?数回のイタレーションで、この業界は素晴らしいV5を世に出すだろう。iPhoneやiPadが次第にニュートンの夢を叶えたのと同じ方法で。そうなることを期待しよう。しかしそれと同時に、私はGoogle GlassのV1には楽観的ではない。

スマートフォンより良いのか?
私の懐疑的態度は1つの考えに根差している:1,500ドル(あるいは1,000ドル、あるいは500ドルでも)出すなら、Google Glassはスマートフォンよりもかなり優れたタスクを果たさなければならない。そして、今後2年以内には、同じタスクを遂行する装着可能な時計のような他の多くのデバイスとも競争しなければならないかもしれない。そして私は、その価格に値するタスクがあるということに懐疑的だし、主な入力として音声を使用することがインターフェース全体を操作するのに十分に優れているということにも懐疑的だ。

カッコいいと思う以前に、あなたはこんな質問をしなければならない:

Google Glassは実際にどんなタスクでスマートフォンよりも優れているのだろうか?

私はこれを成功させる十分な使用例があるとは思わない。

使用例を見てみよう
これに関する1つのデータポイントは、彼らが紹介している使用例の全てを見つけ出すために最近のGlassのマーケティングビデオを見ることだ。しかし、素晴らしいアクロバティックで美しい景色は全て無視して、人々が実際にこのUIを使用しているものにだけ焦点を合わせるようにしよう:

使用例のリスト
人々がGoogle Glassを使ってやっていることのリスト:

  1. 時間を見る
  2. 動画を録画する
  3. 声を介してメッセージを送信する
  4. ビデオカンファレンスを始める
  5. Google画像を検索する
  6. 天気予報をチェックする
  7. 写真を撮る
  8. 地図で道順を教わる
  9. フライトの詳細を獲得する
  10. “美味しい”をタイ語に翻訳する
  11. Wikipediaで何かを調べる
  12. 写真を共有する

(もちろん、注目すべきは、彼らがこの新しいデベロッパープレビューを作っている理由の1つが、もっとたくさんのアプリが作られるためであるということだ―しかし、もしそうなら、それは使用例を探している空想的なテクノロジーである。)

Glass VS.携帯電話(またはその他の安い装着可能デバイス)
上記の使用例にある最大の問題は、ポケットに入れて持ち運ぶコンピューターよりも顔に装着するコンピューターの方が目覚ましく優れているわけではないことだ。これらの大部分は、天気や時間をチェックするなど、基本的にはすでに携帯電話ですることができる簡単なことだ。音声入力はまだ能力が低いため、何かを検索することやメールを送信することなど、いくつかのことは悪化すると私は確信している。そして、POV写真を撮ることや地図を調べることなど、Glassがより良い体験を提供することができることがちょっとはある。それらで十分なのだろうか?

主要入力としての音声は最低
特に私は主要入力としての音声に懐疑的だ。それは、アップル・ニュートンをダメにした酷い手書き認識と同じように、この製品をダメにすると思う。音声入力の最先端は、はっきり言って、AndroidでもiOSでも酷い。あなたは音声を介して“OK”もしくは“家に帰る”というメッセージを作ろうとしたことはあるだろうか?特にうるさいカフェやバスの中では?それは、自分がしたいことをするために自らのデバイスを説得しようとしたり、繰り返し独り言を言っている狂った人のように見える。

(これを体験するには、しばらくの間携帯電話にタッチしないで全てのことをするというのをやってみることだ―超イライラして、長くは続かない。)

Glassの一部としてリリースする新しい魔法の音声機能があるのかもしれないが、同時に、彼らはまずは5億台のAndroidデバイスにそれを導入するのではないだろうか?そして、もしスマートフォン上でその魔法の音声機能が良くなれば、Glassと対比してそのデバイスを使用するという差別化を蝕まないだろうか?

上手くいくことを願っている
結局のところ、私の言いたいことは、全てがうまくいくことを願っているということだ。私はまだGoogle Glassを使ったことがないし、それを試すのをとても楽しみにしている。それが機能することを願っている。しかし、装着可能な眼鏡のアイディアに熱狂するよりは、実際の使用例を開発することについて話し始めることが大切だと思うのだ。人々はどのようにしてこれとやり取りし、素晴らしい体験をするのか?特に私たちが持ち歩いている携帯電話、時計、Fitbit、Nikeブランドなどの他の装着可能なコンピューティングデバイスの状況を踏まえて。そして、それらは、単に素晴らしいガジェットを作るだけでなく、次世代のデバイスを推し進めるために私たちが回答すべき質問なのだ。


この記事は、@andrewchenに掲載された「I’m a Google Glass skeptic and think it’ll be the next Apple Newton」を翻訳した内容です。

単純にダメ出しした話ではありませんが、確かに現状は期待値の方が高いですよね。私も夢がある製品とは思うものの、一部の新し物好き(私も一応買うと思います)を除けば余り大流行するイメージはありません。とはいえ、こういう試みを通してこそゲームチェンジャー的な製品も産まれていくのでしょう。iPhoneにしたって、今思ってみれば当時嘲笑されたニュートンの失敗で多くを学んだ結果といえるかもしれないわけですし。その意味では、Google Glassをアップル・ニュートンに比較することは、実はとっても褒め言葉だったりするのかもしれませんね。さてあなたはGoogle Glassを使ってみたいですか?いつの日かスマホを超える存在になると思いますか? — SEO Japan [G+]

プラットフォーム大戦争:Facebook対Apple対Android対Twitter

昔の怪獣映画みたいなタイトルになってしまいましたが、誰もが気になるオンラインプラットフォームの行方について、Andrew Chenが考えた記事を。 — SEO Japan

どのプラットフォーム用に作るべきかという選択がはっきりとしない。数十年ぶりのことだ。

80年代および90年代の頃は、それは明白だった:Microsoftに基づいて作る。そして、2000年から2008年までは、プラットフォームに一番身近なものはGoogleだった。そこでは、デベロッパーはトラフィックを獲得するためにSEOやSEMの戦術を使った。そして突然、Facebookプラットフォームが成長した。本当に大きく成長した。そして、モバイルがやって来た。

これが最後に起きたのは、1980年代始めだった
突然、あなたは実際にどのプラットフォームに基づいて作るのか選ぶことができるようになる。不思議だ。これは歴史的な出来事だ―このようなたくさんの選択肢が最後にあった時、私たちはWindowsかOS/2かオリジナルのMacの間で選択していた。

もちろん、十分な資金のある人達は、それら全てを基に作ることができる―しかし、もしあなたがまだ初期のスタートアップなら、まずは1つに倍掛けして、けん引力を獲得してからマルチプラットフォームに進まなければならない。

プラットフォームを評価する
どのプラットフォームが一番か評価するためには、いくつかの考え方がある:

  • どれが最も関連性のあるユーザーへのアクセスを提供するか?
  • どれが最も安定しているか?
  • 競合アプリを作ってあなたのものと置き換えようと最もしそうもないプラットフォームはどれか?

Apple
結局のところ、プラットフォームが本当に役に立つ場所はディストリビューションだと思うのだ。Appleが提示したように、あなたが何百万人ものユーザーへのアクセスをデベロッパーに与えることができれば、彼らに全く新しいプログラミング言語や新しいテクノロジーの山を学ばせることができる。GoogleやYahoo!のAPIは大量のデータへのアクセスは提供してくれるが、ディストリビューションという意味では余り役に立たない。Appleの最大の問題は、彼らのランキングシステムは既に勝者に埋め尽くされており、割って入るのが難しいことだ。

Facebook
Facebookは、むしろ自由競争で、新しいアプリが割って入ることができるが、かなり不安定で常にプラットフォームの中身を変えている。プラスの側面は、彼らの絶え間ない変化が、冒険好きなデベロッパーが飛び込むチャンスの新しい窓を案内することだ。

Twitter
消費者製品としてのTwitterはとてもシンプルだが、それを活用するためのマーケティングチャンネルは多くない。彼らはアプリストアを持たないし、アプリページを持たないし、発見するのが難しい。現在のところ、プラットフォームとしては、Twitterはそれほど良くない。

Android
Androidは、開発するのに優れたプラットフォームの可能性を持っているように見えるが、iOSの世界にも大部分のデベロッパーが見落としてきたチャンスがまだたくさんある。私の意見に反して、いずれはAndroid先行アプリの成功例をいくつか目にするだろう。もちろん、分断化は大問題だし、RovioやInstagramと同じレベルのけん引力を持ったAndroid先行アプリの存在証明はまだ存在していない。

もっと多くのプラットフォームが登場する?
Windows Mobileを除外するのはやめておこう。MicrosoftとAppleがデスクトップアプリストアを作っており、もしかすると、ネイティブ・アプリケーションの復活さえあるかもしれない。PinterestやDropboxのような興味深い新興企業もある。それらは数億人ユーザーまではいないかもしれないが、すぐにそこに到達するかもしれない。

マーケティングチャンネルは短期的に緩和すると予測する
ここにはたくさんの面白い選択肢がある―そして膨大なチャンスがある。私は、プラットフォーム間の競争がディストリビューションチャンネルの緩和をもたらすのを目にすることになると思う。例えば、うまくいけばFacebookは、ソーシャルゲームデベロッパーがモバイルに吸い取られるのを見るのではなく、もう少し開放して、もっとたくさんのトラフィックを提供するだろう。今後が楽しみだ。


この記事は、@andrewchenに掲載された「War of the platforms: Facebook, Apple, Android, Twitter」を翻訳した内容です。

実は昨年夏の記事ですが、まだその戦争は終結していませんし、今でも十分に通用する内容でした。軽い推察レベルの記事でしたが、的は得ていると思います。さて5年後、このプラットフォーム戦争は誰が勝利者になっているでしょうか? — SEO Japan [G+]

記念すべきAppleの最初の製品

徹底したデザインと細部へのこだわりで知られるApple、そしてその思想の根源ではスティーブ・ジョブスが常にいたわけですが、そんなAppleが最初に出した製品は一体どんなものだったのでしょうか?そこにデザインや細部へのこだわりは見られるでしょうか?新今回から新たに登場するシリコンバレー在住の連続起業家兼投資家のアンドリュー・チェンのブログより。あのマーク・アンドリーセンが愛読していることでも知られるハイレベルな人気ブログですが、最初ですし軽い記事から! — SEO Japan

スティーブ・ジョブズがどんなに素晴らしく、彼がいかにして最高のもの以外は決して妥協しなかったか、というような与太話をデザイナーが話すのが私は大嫌いだ。確かに、それは真実だ。しかし、1980年以降ずっと彼の会社は公開会社であり、何十億ドルも持っており、何千もの驚くほど才能のある人たちをチームに抱えていたのだ。

以下は、IPOの前、それが創設者と最初の製品だけだった一番初めの頃の話だ:

Appleの最初の製品、The Apple Iは組み立て済みのサーキットボードとして販売され、キーボードやモニター-やケースのような基本的な機能はなかった。このユニットの所有者はそれにキーボードと木製のケースを自ら追加した。

それはマザーボードだったのだ。コンピューターでさえなくて、単なるマザーボードだ。

私たちがゼロから何かを始めようとする時には、何もないところからスタートしなければならないし、最初の製品は恐らく最低である、ということを覚えておくことが大切だと思う。あなたが本当に作りたかったものが、オールアルミニウム製のRatinaディスプレイ付きMacbook Airだった時、それはマザーボードになるのだ。

それでも、あなたはどこかから始めなければならない。


この記事は、@andrewchenに掲載された「Apple’s Minimum Viable Product」を翻訳した内容です。

いや、これはこれでマザーボードとしてデザインへのこだわりが、、、あるようには見えないですか 汗 ま、誰しも理想はありつつも最初は何もないところから、できる範囲でスタートするんですよね。仕事もスタートアップもそこを耐えきり、自分がやりたい方向性で持っていけるかが勝負です。– SEO Japan [G+]

Twitterに買収されてわずか半年, VineがApple App Storeの無料部門でトップに

Twitterが昨年の10月にビデオ制作のVineを買収したときには、その立ち上げの前からみんなが、これからはビデオもツイートできる!と興奮して期待した。

1月の終わりにTwitterは、喝采の中で、そのアプリのローンチを行った。その後アダルトコンテンツが問題になり、目立つ場所からは一時的に消えてしまったが、そのあとは、ブランドやセレブたちによるおもしろい使われ方をされるようになった。

そして今日は、協同ファウンダでクリエイティブディレクターのRus Yusupovによると、これまでの苦労がすべて報われ、無料アプリのトップに躍り出た:

https://twitter.com/rus/status/321406005076451328

[ツイート訳: 今日は世界で人気ナンバーワンのアプリになった記念すべき日だ。]

https://twitter.com/bobby/status/321406757983358977

[ツイート訳: Vineはバットマン(Batman)より上だね。]

ゲーム以外のアプリがトップになるのは、すごいことだ。また、Twitter本体のアプリと並んで上位に2本あることも、すごい。もちろん、Twitterがプッシュした効果もある。無料のアプリのトップは、そこで大量かつ急激ににダウンロードされてから、最終的にはしぼむのが常だけど。

でも上の図表は、新しいダウンロードと、現在のダウンロード人気に基づいている。だから、Twitterの本体アプリは35位だ…すでにこれまで多くの人がダウンロードしちゃったから。トップの座に長くいることは、だから、これまでの「累積ダウンロード数」ではなくて、「今でも新規ダウンロードが多い」ことを意味している。

ソーシャルのジャンルでVineの好敵手は? それはSnapchatだ。でもこの二つのあいだには、かなりの数のゲームがある。しかも今はiOSオンリーだから、今後の成長の余地が大きい。Instagramも、Androidへ行ってから大きく伸びたもんね。今ではInstagramの全ユーザの半分近くが、Androidだ。

ソーシャル企業における複数アプリ戦略は、きわめて有効だ。それはFacebookがMessenger、Instagram、それに素早くヒットしたPokeなどで証明したとおり。大きなプラットホームが、ビデオなど(あるいは、ついに音楽も?)細かいアプリでサービスを多様化していくと、これまでのユーザも少なくとも一度ぐらいはそれらを試したくなるからね。

おめでとう、Vineのみなさん。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


BlinkとServoとRust: ブラウザの次の進化の方向性が見えてきた

先週は、ぼくのようにブラウザを追っているブロガーにとっておもしろい週だった。週の終わりには、Internet Explorer 11がWebGLとSPDYをサポートするらしい、という話も聞いた。その前の火曜日にはMozillaがメールで、MozillaのCTO Brendan Eichへの電話インタビューの可能性を打診してきた。その話題は次世代のブラウザエンジンServoと、それが書かれているプログラミング言語Rustだ。しかしMozilla Researchが単独でこれらを手がけているのではなく、この、マルチコアプロセッサと異種混成的なアーキテクチャ向けに最適化されている新型エンジンをAndroidとARMに実装する作業には、Samsungが協力しているのだった。MozillaはこれまでServoについてあまり何も発表しなかったから、今こうやって大きく発表することは少々意外だ。

おもしろいことに、GoogleのChromeのチームが話をしたいと言ってきたのも、先週の火曜日だ。おかしなことに、そのときの広報の連中は、いつもと違って、詳しい話を何もしない(通常は、何の話かぐらいは事前に教えてくれる)。Googleのエンジニアリング担当VP Linus UpsonとOpen Web PlatformのプロダクトマネージャAlex Komoroskeは、WebKitをフォークしてWebKitベースの独自のレンダリングエンジンBlinkをローンチする、と言った。ぼくは自分が話を聞き間違っていないか気になって、何度も彼らに念を押した。WebKit開発の外部の人間ににとっては、GoogleがWebKitの本流を去るという話を、にわかには信じられない。一般的にWebKitは、ChromeとSafariのおかげでデスクトップとモバイルで大成功した、と見られている。それを独自フォークする理由が、思い当たらない。

でもBlinkは正しい

だからGoogleのWebKitフォークは先週のいろんな発表やリークの中で、いちばん話題になった。Googleはフォークの理由を純粋に技術的なものと言うが、WebKitは今でもAppleとGoogleが仲良くやっている数少ないものの一つだから、政治的動機も疑われる。しかもWebKitへのコード貢献量は、このところGoogleが最大なのに。

今後の成り行きを予言するのは早すぎるが、ぼく自身はかなり楽観的だ。たしかに、Webデベロッパが自分のコードを試験すべきレンダリングエンジンが一つ増えてしまう。でもChromeのチームによれば、それは彼らにとって“苦渋の決断”だった。Googleはレンダリングのスピードを上げたいが、WebKitは今いろんなブラウザで使われている。だから、WebKit本流における抜本的な改作は難しい。

Chromeのチームは、“ブラウザが複数あることと同じく、レンダリングエンジンも複数あった方が、今後の健全なイノベーションを刺激し、オープンなWeb全体のエコシステムの健康にとって良い”、と考えている。たしかに、そのとおりだろう。2008年にChromeが突然現れてから、ほかのブラウザのイノベーションは加速した。当時の競争の中心は、高速なJavaScriptエンジンの開発だった(そしてWebKitを使っているブラウザも、JavaScriptエンジンはそれぞれ違っていた)。BlinkとServoという新しい馬が走り出した今は、レンダリングエンジンも重要な競争の要素になり、そしてその競争は、より速くてより安定的なブラウザを求めるユーザとデベロッパに利益をもたらす。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


2013年Q1、アプリストア総売上22億ドル、ダウンロード134億回、Google、Appleの2社寡占が続く

AppleのApp StoreとAndroid用Google Playは、依然として世界のモバイルアプリをリードしており、BlackBerryとMicrosoftのWindows Phoneは「水をあけられた挑戦者」から抜けられない。今日(米国時間4/8)のCanalysによると、2013年Q1にトップ4アプリストア合計で、134億ダウンロード、有償アプリ、アプリ内購入、および購読で売上22億ドルを記録した。しかし、Googleは世界最大のスマートフォンプラットフォームとして以前からAppleをリードしているにもかかわらず、こと収益化となるとAppleが未だに文句なしのリーダーだ。全ダウンロードの51%(68億回)がGoogle Playだが、AppleのApp Storeは全売上の74%(16億ドル)を占めている。

ダウンロード数に関して、AppleはGoogleにさほど大きく離されてはおらず約40%。BlackBerryとMicrosoftは依然として1桁パーセントに留まっている。Canalysの上級アナリスト、Tim ShepherdがTechCrunchに伝えたところによると、GoogleとAppleの差は、Androidの世界スマートフォン市場での支配状態が続く限り、広がっていくだろうという。

しかし売上でGoogleが追いつくにはまだまだ時間がかかりそうだ。Appleの74%に比べて、Googleは「20%足らず」だと彼は言う。それ以外は1桁だ。

ダウンロード数では前四半期から11%伸びており、売上では約9%増だ。市場別で見ると北米は売上が8%増、ダウンロード6%増、ヨーロッパ西部ではそれぞれ8%、10%の増加だった。

このAppleとGoogleのプラットフォームへの集中は、他社にとって端末でSamsung/AndroidとAppleに立ち向かうのが大変なだけでなく、コンテンツに関しても同じことが言えることを意味している。

これは挑戦者たちにとってあまり良いニュースではない。彼らは自分たちのハードウェアの魅力を高めるために、それぞれのアプリストアに大きく力を注いでいる。例えば、デベロッパーに協力して重要なアプリを比較的小さい市場に投入してもらう、あるいは有名アプリを新しいプラットフォームにもたらすキャンペーンなどだ。(有名なところでは、InstagramをWindows Phoneに載せるようNokiaが取り組んだ)。

それでも、アプリ数の差異はデベロッパーがどのプラットフォームに力を注ぐかの指標の一つだ。AppleとGoogleは50万アプリを大きく越えているが、BlackBerryは10万本前後だ。

このアプリ数の多さが示すもう一つの重要なポイントは、より一般的なウェブ利用と釣り合いを保っていることだ。モバイルウェブがオープンでチャンスが大きいかどうかに関わらず、モバイル端末でアプリが主要なアクセス手段である限り、それがデベロッパーの判断基準になる。タッチスクリーンの世界では最初の入口はアイコンのようであり、ハードウェアをフル活用した体験は、今後も消費者にとって必須だろう。

困難な状況とあまり期待のできない数字をよそに、Canalysは今でもBlackBerryとMicrosoftにはそれぞれ状況を改善するチャンスがあると見ている。

「AppleのApp StoreとGoogle Playは、未だに世界アプリストアの重鎮だ。一方BlackBerry WorldとWindows Phone Storeは、今は大きく離されているものの、やは無視できない存在である」とShepherdは語った。

Canalysは、これらの後発アプリストアが、南アフリカ、ブラジル、インドネシアのように未だ成長の余地のある未成熟市場にどう取り組むかによって、チャンスはあると見ている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Apple、iOSアプリ発見サービスのAppGratisをApp Storeから削除

Appleは、発見と日替り特典のアプリ、AppGratisをApp Storeから削除した。今のところこの問題に関してAppGratisから発表はなく、ユーザーは何が問題なのかを憶測するほかない。時としてAppleは、アプリの最新バージョンがクラッシュする、あるいはアプリが非公開APIを使っているという理由でアプリを閉鎖することがある。その場合デベロッパーは新しいバージョンを提出してApp Storeに復活する必要がある。しかし問題がもっと大きい可能性もある。

昨年10月、AppleはiOSデベロッパー・ガイドラインに新たに規則を追加した。そこにはこう書かれていた。「App Storeと類似あるいは紛らわしい方法で、購入または宣伝目的に自身以外のアプリを表示するアプリは却下される」。ちなみにAppGratisは、App Storeからアプリを収集し、短い説明を加え1日間有料アプリを無料で配布する。

当時AppGratisのCEO Simon Dawlatは、おそらくAppleが問題にしているのは質の悪い類似アプリでありAppGratisではないと答えた。AppGratisの特徴は、発見と収益分配によって独立系デベロッパーを助けることだ。

他の人気発見アプリの中にもAppleの新ガイドラインの影響を受けたものがある。PocketGamer.bizによると、AppShopperはApp Storeから削除されて以来復帰できていない。AppShopperはApp Storeを検索する方法を提供していて、Apple自身のApp Storeと直接競合していた。しかもユーザーはアプリが値下げされた時に通知を受け取るので、結果的にデベロッパーのユーザー当たり売上を減少させる恐れもあった。

別のシナリオがいくつもあり得る理由はこれだ。おそらくAppGratiが非公開APIを使ったか、些細なガイドライン違反を犯したために、Appleは次期バージョンが提出されるまでアプリを戻さないのかもしれない。いずれにせよデベロッパーは常にAppleレビュー・チームに翻弄される。デベロッパーは、アプリをストアに置いておくために、チームからあれこれと修正を要求されることがある。

ちなみにフランス・パリ拠点のAppGratisは、1月に1350万ドルの資金を調達したところだ。700万のユーザーを擁し、1本のアプリを最大50万回ダウンロードさせる力を持つこの会社は決して新参ではない。もしAppleがAppGratisを追い出したければ、数ヵ月前にそうしてはずだ。

彼らにできることと言えば、Appleの最終決定を待つことだけだ。現在のところ既存ユーザーは引き続きAppGratisを使い続けられる。おそらくわずかなUX変更あるいは、インフラストラクチャーの修正によって、同アプリはApp Storeに復活できるだろう。

AppGratisには取材を申し込んであるので、新しい情報が入り次第この記事を修正する予定。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebook Homeの心はAndroidにあり。当分iOSにはやってこない

Facebookが、アプリを開かずすぐに友達とつながれる新しいAndroid端末用ランチャー、”Home” を発表した後、私はFacebook CEO Mark Zuckerbergに、このようなプロダクトがiOSに載ることはあるのか尋ねた。

Zuckerbergが発表イベントの冒頭で言ったように、「Android第一」の理由は明らかに、GoogleのモバイルOSが完全にオープンで、どのモバイルOSよりも自由に誰でも改造したりカスタマイズしたりできるからだ。

iOSについてZuckerbergは、同社がすでにAppleと提携関係にあり、Facebookは可能な限りOSの奥深くまで統合されていることをすぐに指摘した。現在iDeviceでは、通知画面からツイートしたりFacebookの近況をアップデートしたりできる。今回のような完全なカスタム化をAppleに受け入れさせることは難しい。またAppleは、一ソーシャルサービスがAppleユーザーの体験をそこまで支配することも望んでいない。

ともあれ、Androidユーザーが享受するレベルのカスタム化をiPhoneユーザーが欲しがる時が来れば、Facebook Homeは、長年のiDeviceユーザーが離脱する初めてのケースになるかもしれない。果たしてそれだけでAppleを動かす理由になるだろうか?すぐにはないだろうが、もしAppleが「低価格」iPhoneを計画しているのなら、iOSに柔軟性を持ち込むのはその時かもしれない。2種類のバージョンのiOSを維持するのは狂気の沙汰に思えるかもしれないが、ローエンドiPhoneのユーザーたちは、いずれ成長してAppleが提供する最上位機種を買う人々だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google曰く「Facebook HomeはAndroidのオープン性を立証するもの」。Appleの制約を示唆


Facebookの“Home”発表に対するGoogleのコメントは、短かく優しかったが、非常に多くを語っていたので、少々これを解析してみたい。本誌が以前報じたように、FacebookはAndroidを第一としたが、これはその柔軟性とカスタマイズのしやすさが理由だ。

他のプラットフォームではそうはいかない。Zuckerbergは、Windows Phoneが多少やりやすいかもしれないとも言い、AndroidとiOSの「間のどこか」だと評した。

Googleは少し前本誌にこう語った。

Androidプラットフォームは何百種類もの端末の開発を促進した。この最新デバイスは、Androidをここまで普及させたオープン性と柔軟性を立証するものだ。

この会社が最初に、同社のモバイルOSを塔載した端末が「何百」種類も存在していると言っていることに注目されたい。かつてそれは悪いことだった。断片化のためだ。今、明らかにGoogleはこれを優位性と位置づけており、消費者にとって選択肢が多いと言っている。そう、Appleよりも。

第二に、「この最新デバイス」とはHTC Firstのことで、Facebook Homeがプレインストールされており、Androidの柔軟性を示している。ここでも明らかにGoogleは、カスタマイズに関して非常に頑なライバルAppleに対してロケット弾を打ち込んでいる。Appleの考えは、ユーザーはそれを見せられるまで自分が何を欲しいか知らない、である。Facebookのような会社に、ユーザーが端末を立ち上げた後最初の体験を支配させることは、何もかも渡すことに等しい。これまたGoogleが競争優位性に挙げていることだ。

VentureBeatに向けた長い声明の中で、Googleは同時に自社製品群も強化することを明言している。

そしてこれは、Androidエコシステムの中心Google Playから、Gmail、検索、GoogleマップなどのGoogle製品と同様に、カスタマイズされたFacebook体験をダウンロードしたいユーザーにとっても朗報だ。

ここでGoogleは、検索、メール、マップといった同社の標準Androidサービスに注目を戻すことを忘れなかった。Googleは一連のFacebook騒動に嫉妬しているのか?それは全くない。これらの会社は、どちらもユーザーを獲得したいという意味ではライバルだが、ソーシャルな交流、という意味ではこれ以上ないほど別物だ。ここでGoogle+の議論はしない、あれはFacebookのライバルとして作られたわけではない。Googleが検索とメールを支配しいるのには理由がある。他社より優れた製品だからだ。

ここではFacebookとGoogle、両方が勝者だ。Facebookは専用の端末やOSを作らなくて済み、一方Googleはカスタマイズについて、消費者がそれを望んでおり、Appleにはそれができないという事実を訴え続けることができる。両社は互いを利用しており、MG Sieglerが指摘するように、奇妙な関係にある。

そう、FacebookはAppleと組み、近況アップデートやメッセージを簡単に送る方法をユーザーにもたらしたが、今日Facebook Homeを見た後では、このソーシャルネットワークにとってあれでは十分ではないことは明らかだ。モバイル端末でかなりの時間をFacebookに費やす人々は、スマートフォンを立ち上げ、Facebookアプリを探し、それを開いて通知を読むことがすぐに面倒になるだろう。ひとたびHTC FirstやFacebook Homeをインストールした他のAndroid端末を使う友達を見れば、なぜ同じことがiPhoneでできないのかを疑問に感じるだろう。

Facebook以外の会社も、自社ユーザーにカスタム版ランチャーを提供することについてこのアプローチに関心を寄せ始めるだろう。Tumblrのファウンダー・CEO、David Karpは今日のHomeイベントに来ていたが、ニューヨークに戻ったら、TumblrをテーマにしたAndroidがどんな外見と機能になるかを開発チームと話しているのではなかろうか。同じくイベントに出席したDropboxのDrew Housotonはどうだろうか。ファイル共有はモバイル体験の推進力になるのではないだろうか。どれがようかはあなたがどんなタイプのユーザーかによる。

誤解してほしくないのだが、たった今Appleが窮地に立たされているわけではない。しかし、今日のニュースを見た社内の誰かは、Facebookの後を追ってAndroid第一の戦略をとりそうになっているデベロッパーたちを取り戻す方法を考え始めているはずだ。

Facebook Homeは、ついに「Android/オープン vs iOS/クローズド」問題を主流にした。
[写真提供:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi)


Apple、第2四半期中に新iPhoneの生産開始か(WSJ報道)

Appleは、現行機種と「似た」デザインの新iPhoneを2013年第2四半期に生産開始する計画であると、Wall Street Journalの最新記事が伝えている。この生産体制の準備は、夏のiPhone新機種発売に向けたものだと記事は言っており、最近本誌情報筋から入ってきている情報とも一致する。

先週John Biggsが、iPhone 5のデザインを踏襲しつつ内部スペックを高めたいわゆるiPhone 5Sに関して、Appleの製造パートナーらは2013年6月発売に向けて準備中と報じた。WSJの記事にアナリストの推測を合わせると、iPhoneの製品入替えは夏の初めが有力だ。Appleはその時期に年次Worldwide Developer’s Conferenceを開催するので、新機種の詳細を発表する機会があるとすればそこだろう。

WSJの記事は、Appleが低価格iPhoneの開発も続けており、早ければ2013年後半の発売を目指していることも報じている。本体カバーがハイエンドiPhoneと違うものになるという点は以前の報道でも聞いているが、低価格機にはカラーバリエーションが出来るという噂もある。

Appleが新しいiPhoneを作っているというニュースには何の驚きもないが、スケジュールに関しては、ここ数年夏ではなく秋に発売していたことから、予想とは少し異なる。しかし、複数の情報源によるこの手の情報が一致する時は、噂に強い根拠がある兆候だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


AppleのiWatchは、iPhoneないしiPadを手首に結びつけるための「バンド」だった?!

大いに話題を集めたAppleのiWatchではあるが、どうやら期待通りのプロダクトではないようだ。

フレキシブルディスプレイ搭載で、Siriによる操作が可能であるという噂もあった。しかし、実のところはiWatchとはAppleデバイスを装着するための「バンド」に過ぎないようなのだ。

上には、リハーサル時点でのリークビデオを掲載しておいた。ビデオを見れば使い方はすぐにわかる。この「バンド」でiPhoneないしiPadを手首に巻きつけて使うわけだ。「バンド」の価格は249ドルなのだそうだ。この価格は他のスマートウォッチを意識したものだが、もちろんiPhoneおよびiPadは別売りとなっている。

Appleに発売時期について尋ねてみたが、現在のところ詳細な情報は入手できなかった。アナリストによれば、iWatchは次世代iPhoneと同時に、7月に発表されるのではないかとのことだ。

発売時期や地域についての情報は得られなかったものの、MBAないしMBPについても対応可能であるとの説明は受けた。これによりスマートウォッチにて「フル機能」を体験することができるようになっているわけだ。

「iPhoneやiPadを指して、情報消費のためのデバイスであると言う人たちがいます」と、匿名を条件にAppleのエグゼクティブがインタビューに応じてくれた。「私たちは、iWatchについては生産的な用途にも活用してもらいたいと考えているのです。そこでノートデバイスを取り付けられるようにしたのです」とのことだ。

Appleとしては、デザイナーやクリエイティブによる利用シーンを想定しているのだろう。

ちなみにこのiWatchプロダクトを存分に活用してもらうため、Appleは関連プロダクトのリリースも計画しているようだ。見れば誰でもわかるように、このiWatchに大型のAppleデバイスを取り付ければ、身につけた状態で歩いたり、手を動かしたり、そしてもちろん作業を行ったりするのが、肉体的に大きな負担となる。そこでAppleはそうした動作による体重減を測定するための、エクササイズ関連グッズをリリースする予定だというのだ。「重たいスマートウォッチを使ってダイエットしよう」ということのようだ。

Appleがこうしたプロダクトのリリースを考えているのは、もちろんSamsungによる身体データの数値化(Quantified Self)関連プロダクトの充実を意識したものだ。Galaxy S IVにはハートレートモニターや体重計などの機能を持たせるのではないかと噂されている。

Appleとしてもいろいろな戦略があるのだろう。ただ、個人的にはiWatchがコンピューティングデバイスではなく、単なるアクセサリーであることに失望の気持ちを禁じ得ない。もちろんAppleのこうした選択は生産コストやR&D費用の削減を目指したものであるということなのかもしれない。

Appleは「期待値管理」の手法を用いているつもりなのだろう。これはMapsでも同様であったと言うことができるかもしれない。戦略の成否は時が明らかにしてくれるものと思う。

訳注:本記事は米国TechCrunchサイトからの翻訳であり、同地は未だ4月1日であることを記しておきます。みなさまの温かいご理解をよろしくお願い致します。

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(翻訳:Maeda, H)


Apple、有料アップグレード付無料アプリに「アプリ内購入あり」の注記を追加。誤購入防止へ

Appleは、アプリ内購入をのある無料アプリの表示方法にひと工夫した。Guardianが伝えた。新しい注記はデスクトップ版iTunesの、価格バーの下およびアプリ一覧のアプリアイコンの下に表示されるが、モバイル版App StoreあるいはウェブベースのiTunesアプリストアには表示されない。この変更は、App Storeででの誤購入事故に関して目立った苦情が相次いでいることを受けたものだ。

15分間にアプリ内購入2500ドル。これは最近英国で5歳の男児が1人でアプリ内購入に使った金額だ。事故の後本誌のSarah Perezは、この種の事故が起きないようにAppleは「子供モード」を設けるべきだと主張した。子供モードには程遠いものの、一見無料に見えるiPhone、iPadの子供向けアプリをダウンロードすると、正確に何が起きるのかを親が認識するための道具にはなるだろう。

実は、App Storeの売上の膨大な部分がアプリ内購入から生まれている。App StoreのトップセールスAppのランキングで、アプリ自体が有料な製品を見つけるためには、はるか下までスクロールしなければならない。トップ100の中のうち「有料アプリ」は20%以下だ。フリーミアムはApp Storeでもビッグビジネスであり、IHSによると今年1月にアプリに費された金額の39%がアプリ内購入によるものだ。そうしたタイトルの多くは特に子供向けに作られているため、上のような事故を起こしやすい。

デベロッパーにとってアプリ内購入に制約や摩擦を加えることは、当然望ましい展開ではなく、即ちAppleにとっても決して喜ぶことではない。アプリ内購入の存在をアプリのタイトルに明記することは、潜在的収入源に何らかの制限を加えることと、誤った出費の可能性の認知を高めることの間を取った妥協点なのだろう。小さなことだが有意義であり、モバイルやウェブ版アプリページにも導入されることを願いたい。その予定があるかどうかAppleに問い合せ中なので、返答があり次第アップデートするつもりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Appleのジョナサン・アイブ、iOSのUIチームと密に協力。「フラットデザイン」推し

Appleのハードウェアデザインのボスが、これまで以上にソフトウェアやインターフェースのデザイン担当者と密に作業をしているとWall Street Journalが伝えている。Appleのモバイルソフトウェアチームは、前よりも早くハードウェアの試作機を見られるようになったと記事は伝えており、Iveは将来のiOSに「フラットデザイン」を推しているという。

記事のタイミングはぴったりだ。Appleはつい先ほどPodcastアプリをアップデートし、デザインからいわゆる “skeuomorphic”[*]要素を取り除いた。これはもしIveが実際にiOSソフトウェアのUIチームと協同作業をしているのであれば、彼の影響である可能性が高い。あるいは、最近の経営陣交代によるデザイン全般の変化を示す一例にすぎないかもしれない。
【* 現実世界のモチーフを模倣したデザインのことで、この場合はテープデッキ】

最近Iveは、Greg Christie率いるヒューマンインターフェース部隊によく顔を出し、定期ミーティングでレビュー用に出された新しいデザインを吟味しているとWSJは書いている。また、Iveは変更を薦めることもあるが、ごく些細なものに限られることを記事は強調している。

Appleで新たに統合されたMacとiOSのチームも、Craig Federighiの下で緩かに変化して ;おり、夏には大きく変わることが予想されるとも伝えている。またAppleはごく最近前Adobe CTOのKevin Lynchをテクノロジー担当VPに迎えており、同社の上部組織に動きがあることは明らかだ。Appleは、WSJの記事へのコメント要求に対して直ちには回答していない。

iOSのロック画面、音楽再生ボタン類、音楽プレーヤー本体の小さなデザイン変更や、今回のPodcastの変更は、IveがソフトウェアUIのどの部分に影響を与えているかのヒントになるかもしれない。ソフトウェアとハードウェアにまつわる発想の統合は、たとえデザインへの影響が表に出ることが少なくても、iOSにより多くの消費者を引きつける上で、小さくても重要な要素になるだろう。

以前の記事で私は、iOSインターフェース概念はサードパーティーがリードしていると書いたが、社内の組織変更によって、同様のただし恐らくもっと緩やかな変化が起きるかもしれない。今日のPodcastの変更が、Appleアプリにおけるデザイン近代化の最後にならないことを願っている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)