“OK, Google”で即座に音声入力が可能になるChromeの音声検索エクステンションがリリース

今日(米国時間11/26)、Googleは新しいChromeエクステンションをリリースした。これは最近のモバイル版の音声検索の自動立ち上げ機能をデスクトップ版に移植したものだ。パソコンにマイクが接続されている場合、ユーザーが“Okay, Google.”と言うだけで、音声検索が可能になる。詳細はGoogle+ に発表された(9to5Google)。この機能はU.S.英語のユーザーにすでに公開されている。

Googleは音声検索機能自体はすでに提供していたが、起動のためには画面上のボタンをクリックする必要があった。このエクステンションをインストールすれば、Google.comを訪問して“Okay, Googleと言うだけでよい。

ただし、音声入力を起動するにはGoogle検索のページがChromeのアクティブなタグになっている必要がある。中が塗りつぶされたマイクのアイコンが表示されたら音声入力がオンになっている。便利なのは、いったんオンになると検索結果の表示ページでも音声入力が引き続き利用できる点だ。

ユーザーが話すと、単語が検索窓に表示される。私が少しテストしてみたところでは非常に正確なようだ。これが便利な場面は多い。たとえば料理をしていて手が汚れている、あるいは手が離せないときにレシピを検索して確認したりできる。ソファにもたれてパソコンからストリーミングされた画面を見ているときにGoogleに何か尋ねたくなったときにもよいだろう。

コンピュータに語りかけるとコンピュータがユーザーの置かれたコンテキストを認識して正しい答えを返してくれるという便利な、かつ不気味な日が刻一刻と近づいているようだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Chromeの最新ベータ版はWebPアニメをサポート、モバイル版のタッチ応答高速化、NPAPI禁止を先取り

今日(米国時間11/21)、GoogleはChromeブラウザの最新ベータ版を公開した。このバージョンではWebPのアニメーション画像がすべてのプラットフォームでサポートされている。またAndroid版ではタッチに対する反応が改善され、バイブレーションAPIがサポートされた。

WebPは現在普遍的に使われているJPEGやPNGに代わってGoogleが普及を目指している新しい画像フォーマットだ。

WebPアニメーションはGIFアニメーションに代わるもので、古いGIFとは異なり、本格的なアルファチャンネルを備え、ロスレス、非ロスレスが選択できる。またファイル容量はGIFに比べて大幅に小さくなる。しかし現在のところWebPをサポートするブラウザの数は多くないので、クールな技術デモの域を出なかった。

一方、GoogleがAndroidのタッチを高速化した方法はなかなか巧みだ。現在Chromeはダブルタップでズームを識別するために最初のタップの後300msの遅延を入れている。しかし高速なサイトの場合、最初のタップでズームを開始しているので待つ必要はない。そこでGoogleは高速サイトではズームのためのダブルタップを廃止した。これによって体感速度が上昇したわけだ。

あと重要な変更は以前から告知されていたとおりNetscape Plugin Architecture Programming Interface (NPAPI)プラグインが禁止されることだ。1月からは、安定版でも一部の人気のある例外(MicrosoftのSilverlight、Unity、GoogleEarth、Java、Google Talk、Facebook Video)以外のNPAPIプラグインがブロックされる。ベータ版には安定版に先がけてこの変更が導入された。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Googleが「中つ国」を再現―映画「ホビット 竜に奪われた王国」の世界をChromeブラウザで探検できる

今日(米国時間11/20)、GoogleはChromeでHobbit 中つ国の旅という野心的な実験を始めた。The Hobbit: The Desolation of Smaugと提携して、ロード・オブ・ザ・リングの世界観のベースとなったトールキン自身が手描きした地図(原作に掲載されている)によって「中つ国」を詳細に再現したのだ。ガイドツアーが用意され、人間、エルフ、トロル、魔法使、その他のクリーチャーが総登場する。

静かな(おそらく)エルフのBGMが流れる中、「中つ国」の3Dマップが表示されて冒険は幕を開く。地図は雲の流れる高さの少し上からの鳥瞰図だ。現在地上を探検できるのは「トロールの森」など3地点だが、近くさらに3地点が追加される。クリックしてズームインすると、その場所の由来、重要性、住民などの情報を見ることができる。情報は3D表現の画像、ナレーション、字幕を組み合わせて表現される(日本語版あり)。レンダリングはすべてCSS3とWebGLで実行されており、このテクノロジーの特長としてAndroid版のChromeでも作動する。技術的詳細に関心があれば、こちらの開発情報を参照

もちろん、このプロジェクトは12月〔日本では2014年2月28日〕に公開予定の映画、ホビット 竜に奪われた王国のプロモーションだが、同時に最新のウェブ・テクノロジーのクールなデモでもある。現在のブラウザーがいかに強力になった(特にモバイル版で)かがよく分かる。ともかくトールキン・ファンなら大いに楽しめるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


FacebookやTwitterで、気に入らない投稿を好きな画像に差し替えてしまうChrome拡張機能

Unbaby.meを覚えているだろうか。子供が生まれてはしゃいでいる友人が、立て続けにアップロードする子供の写真を見なくて済むようにするブラウザの拡張機能だ。赤ん坊の写真が出てきたら、これを犬や猫など別のものに差し替えてしまうという仕組みだった。

今回紹介するRatherもコンセプトは同じだ。但し「赤ん坊」のみでなく「見飽きたもの」(見たくないもの)をすべて別のものに差し替えてくれる。

Unbaby.meと同様に、RatherでもFacebookやTwitterをスキャンして、見たくないものを見つけ出す。たとえばカニエ・ウェストのニュースばかり流れてくるようなとき、「kanye, kanye west, yeezus, yeezy, louis vuitton don」などをフィルタリングする設定をすれば良い。そのときに、たとえば可愛らしい動物の赤ちゃんなどと差し替えるように指定しておくのだ。するとTwitterに登場するたびに望みどおりに動物の赤ちゃんが表示される(下の写真では「Miley Cyrus」の記事を差し替える設定をしている)。尚、画像の上側には「undo」ボタンも用意されていて、本当はどういうツイートがあったのか気になる場合には、このボタンをクリックすると元のツイートを表示することもできる(使い方はいろいろで、たとえば特定のウェブサイトに誘導するようなツイートも差し替えてしまうことができる)。

「面白いけどUnbaby.meのパクリじゃん」という人もいるだろう。実はこのRatherは、Unbaby.meと同じチームメンバーが開発しているのだ。Unbaby.meがバイラルで広まったのをうけて、共同クリエイター(co-creator)のChris BakerはBuzzfeedのクリエイティブディレクターの職を辞し、Pete MarquisおよびYvonne Chengとともに、いらないものをブロックするというアイデアを拡張することにしたのだ。

但し、この差し替え技術にも少々難点がある。

  • フィルタリングは画像を対象とするのではなく、画像を示すキーワードに対して行われる。もしカナダのロックバンド(Nickelback)をフィルタリングしている中、友人がチャド・クルーガーの写真を投稿して、その写真の説明にバンド名を載せなかったとしよう。すると当然ながらフィルタリングは機能しない。これに対処しようとするならば、シンプルながら役立つブラウザの拡張機能といったレベルでなく、本格的なコンピュータサイエンスの出番となるのだろう。
  • 代替イメージはInstagramのハッシュタグを用いて引っ張ってくるようになっている。たとえば、上の画像はInstagramの#babypandaというハッシュタグで検索されたイメージだ。日頃の経験からおわかりかもしれないが、ハッシュタグは実のところいい加減に用いられることもある。確かにほとんどはパンダ(ないし動物の)の赤ちゃんの写真が出てくる。しかしたまに自分撮り写真に「#babypanda」のタグをつける困った人もいる。自分のことをパンダのように可愛らしいと思っているわけだ(代替用イメージとして画像のRSSフィードを指定することもできるようになってはいる)。

そもそも、何か写真で代替するよりも、投稿が表示されないようにしてしまうという根本的解決法もある。たいていはそちらの方が良い解決法となるだろう。フォローしている相手が気に入らないことを山ほど投稿するなら、フィルタリングしていても解決につながらない。ページいっぱいにパンダ(違う写真かもしれないけれど)が表示されるというのも、やはりまた鬱陶しく感じることがあるかもしれない。

気に入らない話題ばかりがタイムラインに出てくるのであれば、さっさとフォローをやめて別の人をフォローする方が自然なやり方だ。

それはともかく、Rather for Chromeはこちらから入手できる。

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(翻訳:Maeda, H


Windows版Chrome、1月よりWeb Store外サイトからの拡張機能インストールを禁止

GoogleのChromeブラウザは、1月よりChrome Web Storeで扱っていない拡張機能のインストールをできなくするのだそうだ。

Googleは最近、ブラウザからの警告を増やしたり通知なしのインストールを不能にするなどの手段で、悪意のある拡張機能を排除しようと努力中ではあるが、徹底的な排除のためには、さらなる規制強化が必要であると判断したようだ。また、Googleによれば、Windows利用者からの不満の第一は、あやしい拡張機能がインストールされてしまって、ブラウザの設定が上書きされてしまったり、思った通りの動作をしなくなってしまうということであるとのこと。そうした声にも対応しようとしているわけだ。悪意ある拡張機能はChrome Web Storeを経由せずにインストールされるのがほとんどであるとして、外部サイトからの拡張機能インストールを禁止してしまうのが早道であると判断したのだ。

開発中の拡張機能をローカルからインストールすることは、これからも行える。またグループポリシーを活用して、社内利用者のブラウザに拡張機能をインストールするようなことも行える。また、今回の変更はChrome Appsには影響しない。

開発者の方には何か問題があるだろうか。今回の方針変更でWeb Storeへの登録が必要となってしまった人もいるだろう。しかしこれはGoogleのそもそもの方針でもあったことだ。それに、拡張機能開発者のほとんどは、既にWeb Storeを利用していることだろう。開発者のほとんどには、さほど深刻な影響はないものと思われる。面倒があるとすれば、サインアップ時に5ドルの費用がかかる程度のことだ。

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(翻訳:Maeda, H


GoogleがJavaScriptベンチマークOctaneをアップデート, asm.jsとTypeScriptもテスト対象に

Googleが同社のJavaScriptベンチマークスイートOctaneのバージョン2.0をリリースした。Octaneは17のテストにより、ブラウザが実装しているJavaScriptランタイムの実行速度を計測する。

最初のバージョンが出たのは1年あまり前だが、今度のバージョンではレイテンシの計測にとくに力が入れられた。また、JavaScriptの新しい技術の数々もテストされる。また2.0では、MozillaによるJavaScriptのサブセットasm.jsで書かれコンパイルされたコードへの、ブラウザの対応もテストできる。また、MicrosoftのコンパイラTypeScriptのテストも加わり、実行速度、コードパーサの性能、ブラウザのメモリサブシステムなどを測定する。

Googleがasm.jsをサポートしたことは、興味深い。このプロジェクトは、ブラウザ内のJavaScriptのパフォーマンスをネイティブコードのそれに近づけるMozillaの試みで、これをバージョン22以降搭載したFirefoxは、JavaScriptの実行速度でChromeを上回った(2012年のMacbook Airの上で2.5倍)。

Googleはasm.jsのパフォーマンスを測定するために、MozillaのテストスイートEmscripten用のサンプルコードzlibを使用している。Google自身はasm.jsの公式サポートに関心を示さず、すべてのJavaScriptをできるかぎり高速に走らす、という姿勢を固持している。そのGoogleが自社のベンチマークにasm.jsを加えたということは、このプロジェクトを相当意識している証拠だ。Chromeにおける‘できるかぎり高速に走らす’の対象に、いずれasm.jsも含まれるのかもしれない。

これらのほかに、Googleの技術者たちと“レイテンシ退治屋”Hannes Payerによると、既存のベンチマークにも多くの手を加え、“それらが意図したとおりの測定を行う”ために改良した。既存のベンチマークとは、GameBoyエミュレータ、正規表現テスト、OctaneのCodeLoad、DelataBlue、NavierStokesテストなどだ。テストの全容とそれらの説明を、ここで見られる。

ぼくのMacbook Airの上で非公式に試してみたところ、Firefox 25とSafari 7.0では得点が10000強、対してChrome 30では14000強だった。またSurface Pro + Internet Explorer 11では約8500点、Chrome 30はやはり14000点となった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、ChromeブラウザーとChromebookにペアレンタル・コントロールを導入。現在ベータ

Googleは、Chromeブラウザーにペアレンタル・コントロール[親による監視]機能として、新しく「スーパーバイズド・ユーザー」を正式に導入する。一般公開に先立ち、ベータチャンネルで配布を開始した。この機能は、恐らくその殆どが親であろうユーザーが、Chromeブラウザーの動作を制限し、特定のウェブサイトをブロックしたり、Googleの検索結果をセーフサーチでフィルターしたり、ウェブサイトの訪問履歴を管理したりできるようにするものだ。

「スーパーバイズド・ユーザー」オプションはここしばらくの間テストされていた。初めて社外で発見されたのは、昨年の12月に、ChromeのCanary/Chromiumビルドの中に “Managed User Settings” と呼ばれるオプションがあるのを開発者が見つけた時だった。そして今年の夏、同機能はCanaryビルドのユーザーに広く公開され、いくつかのフラグを使ってオン・オフを切り替えることができた。

しかしGoogleは、ペアレンタル・コントロールの計画に関する正式コメントを今日まで出していなかった。ソフトウェアエンジニアのPam Greenはブログ記事で「スーバーバイズド・ユーザー」オプションを紹介し、彼女が娘と一緒にウェブを見るのは好きだが、家族の安全のためにもっとツールを必要としていたというエピソードを語った。

同オプションはChromeブラウザーで提供されているが、もちろんChromebookユーザーを考慮して作られている ― 例えば最近TechCrunchが試用したHP Chromebook 11を買おうとしている人たちだ。Chromebookでは、フラウザー〈が〉オペレーテイングシステムなので、その行動を制御することによってユーザー体験全体を変えることができる。

スーパーバイズド・ユーザーに関して、Chromebookの全権限を持つユーザーは、chrome.com/manageを訪れ、子供たち(あるいは他の監視されるユーザー)のアカウントを編集、管理できる。親はあらかじめリストに載せたウェブサイトにしか行けないようにブラウザーを設定したり、子供のリクエストに応じて制限されているサイトへのアクセスを許可したり、ウェブ履歴を見ることができる。他にも、あるホストのサブドメインを全部ブロックするといった、細かい制御も可能だ(そのためには、 *.example.com のように、トップドメインの前にアスタリスクを置く)。

Chromebookでは、スーパーバイズド・ユーザーを作るオプションがメイン画面に表示される。「新規ユーザー」をクリックして「サインイン」ダイアログボックスを開き「スーバーバイズド・ユーザーの作成」をクリックする。Mac、Windows、およびLinuxでは、「設定」メニューの中の「ユーザー」セクションでアカウントを作る。

Googleによると、スーパーバイズド・ユーザー設定は今週から一般ユーザーに公開される。私がChromebook 11で試そうとしたらまだ来ていなかったが、利用可能になる時期は人それぞれだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


ChromeはWindows XPユーザのサポートを2015年4月まで延長

Microsoftがついに、5年前に公式サポートを終了したWindows XPの、延長サポートのすべてを2014年4月8日に終わらせる。それ以降は、この12歳のオペレーティングシステムはいっさいのセキュリティアップデートが打ちきられ、ユーザは自分で自分を守るしかなくなる。しかし、Googleの今日(米国時間10/16)の発表によると、Microsoftのサポートが終わってから少なくとも1年は、Chromeユーザのサポートは提供される。

Googleによると、ブラウザのバグはコンピュータを汚染するマルウェアウェアの餌食になりやすいので、来年4月にXPのセキュリティアップデートが打ちきられると、このブラウザの脆弱性を悪用しようとするハッカーたちにとって、一層‘仕事’がやりやすくなる。

Googleによると、数百万のChromeユーザと多くの大企業が、今でもXPを使っており、しかも彼らは、アップグレードすればトラブルを抱えるかもしれない。XPのユーザは徐々に減っているが、でもXPの31%という全世界的なシェアが、来年の4月以降急激に落ち込むとは考えられない。

しかし注意すべきは、Microsoft自身がIE8のリリース以降、Windows XP上のInternet Explorerのサポートをやめる、と決定したことだ。つまりIEの9以降のバージョンはXP上では使われていない(さまざまな技術的理由により)。そして、だからこそ、IE8は今でもシェア上位のWebブラウザの一つなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Chrome 31ベータにデベロッパー向け新機能―ウェブ支払、モバイルアプリのフルスクリーン・モードなど

今日(米国時間10/3)、GoogleはChromeブラウザのデスクトップ、モバイルの最新ベータを公開した。ユーザーに直接見える部分には目立った変更はないが、デベロッパーにとっては重要な機能がいくつも追加されている。やがてChromeのユーザー体験が大きく拡張されることになるだろう。

たとえばAndroid版ではデベロッパーは簡単にフルスクリーン・モードでアプリを起動するショートカットが作れるようになった。このモードでは通常のChromeのUIはまったく表示されず、アプリが画面全体を利用することができる。

デベロッパー側の作業はごく簡単で、ウェブサイトのソースコードにメタタグを一つ追加するだけでよい(<meta name=”mobile-web-app-capable” content=”yes”>)。

Android版、Windows版、Chrome OS版ではユーザーに支払情報を簡単に求めることができるようになった。新しく提供された requestAutocomplete()機能を用いると、ブラウザ付属のインタフェースを通じて支払情報を得ることができる。ユーザーはブラウザに記録された既存の支払い情報を自動補完で入力することができる。モバイルでのクレジットカード情報の入力は特にエラーが起こりやすいので、これはデベロッパーにとってもオンラインストアにとってもありがたい機能だ。

またデスクトップ版ChromeとChrome OS向けのPNaCl(ポータブル・ネーティブコード・クライアント)URLハンドラー、アプリのディレクトリ・アクセスなどがある。PNaClはC/C++のソースコードをコンパイルしてChrome内で実行可能モジュールを作成する。URLハンドラーはChromeアプリを自動的に起動するURLを生成する。デベロッパーはたとえば文書をChromeベースのドキュメント・エディタでを開くように設定することができる。ディレクトリ・アクセスはその名のとおり、ユーザーが承認した場合、Chromeアプリがローカル・ドライブの特定のディレクトリにアクセスすることを許す。これはChromeアプリとネーティブ・アプリの間でファイルをやりとりするのを容易にする。

その他、WebMビデオにアルファ・チャンネルが追加され、新しい2Dキャンバスが提供されている。

新機能の詳細はこちら

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google ChromeがUIをアップデート―「新しいタブ」が新しくなった

GoogleはChromeのデベロッパー版で「新しいタブ」のデザインを変えたものの、安定版に採用することなくこの春に撤回していた。しかし先週、GoogleはChromeの一般向け安定版に新しい「新しいタブ」デザインが導入されると発表した。 そして実際今日(米国時間10/1)、新デザインの公開が始まった。読者のところにまだアップデートが来ていないとしても、もうすぐ来るはずだ。

Googleは「新しいタブ」ページのデザインをアップデートしようと去年の12月からテストを繰り返していた。 当初yGoogleは「もっとも頻繁に訪問するページ」へのサムネールの表示を8個から4個に半減させ、その上に大きなGoogle検索窓を設置した。しかしこの変更は極度に不評だった。今回のアップデートではGoogleはユーザーの声に耳を傾けてサムネールの数を8個に戻している。

新デザインではブックマークバーに「アプリ」というタブが追加されだ。これにともなって従来「新しいタブ」ページにインストールしたアプリをランチャー形式で表示するよう設定できたが、この機能は廃止された。今後はアプリのランチャー・ページを表示するにはブックマークバーの「アプリ」ボタンをクリックすることになる。

またページ下部の「最近使ったタブ」メニューも廃止された。新デザインではユーザーは右上隅のメニュー(三本の横棒のアイコン)を開き、「最近使ったタブ」を選択する。

デベロッパー版でテストされた新デザインに不満だったユーザーは今回の新デザインもあまり喜ばないかもしれない。Googleは「頻繁に訪問したサイト」の表示数では妥協したものの、巨大なGoogleのロゴと検索窓には固執した。その結果、サムネールはずっと小さくなった。背景が白地のウェブサイトの場合、一見してはどれがどのサイトだか判別しづらいので、サムネールの下部の小さなファビコンに目をこらさねばならない。

「新しいタブ」にわざわざ大きな検索窓を設置したのも少々奇妙だ。Chromeは当初からアドレスバー兼用のオムニボックスで検索ができることをセールスポイントにしたはずだ。

ただし、8月にChromiumにこの新デザインをを導入した(ChromiumはChromeのオープンソース版)のGoogleの説明によれば、「新しいタブ」に検索窓を導入することによって検索結果の表示をスピードアップすることができると説明していた。実際にそのとおりかどうか各自で試していただきたい。このアップデートが適用されると、Chromeを起動したときにそのことを知らせるポップアップが表示される。このメッセージは「新しいタブ」ページの右下隅のリンクをクリックすると再度表示できる。

また「新しいタブ」ページの右上にはGoogle+、Gmail、Google+の通知、アプリ・ランチャーへのリンクも追加されている。

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Google、NetscapeプラグインAPIを利用したプラグインを2014年1月からブロックへ。Silverlight、Unity等はホワイトリスト化

Netscape Plug-in API” (NPAPI)という名前は、旧ブラウザー世代の遺物のように聞こえるかもしれないが、Chrome、Mozillaなどのブラウザーは今でも、このブラウザープラグインを書くためのアーキテクチャーをサポートしている。しかし、終りの時は急速に近づきつつある。MozillaはNPAPIプラグインを来たる12月に終了し、Googleも今日(米国時間9/23)、Chromeが2014年1月以降、ウェブページでインスタンス化されたNPAPIプラグインをデフォルトでブロックすると発表した。Chromeチームは、2014年中にはNPAPIサポートを完全に終了する計画だ。

またGoogleは、今日以降ウェブストアでNPAPIベースのプラグインを含む新規アプリまたは機能拡張の新機登録を受け付けない。

Goolgeの発表によると、NPAPIベースプラグインは、ブラウザーに初めてビデオとオーディオサポートをもたらした。今日のウェブは、この90年代アーキテクチャーを必要としていない、と同社は言う。NPAPIは「ハング、クラッシュ、セキュリティー問題およびコードの複雑化を起こす最大の原因となった」とGoogleは考えている。Googleのセキュリティー技術者、Justin Schuhは今日の発表で「Googleのゴールは、かつてNPAPIが支えてきたユースケースをカバーできるよう、標準ベースのウェブプラットフォームを進化させることだ」と言っている。

この変更に気付くユーザーは殆どいないだろう、とGoogleは言う。現在Chromeユーザーの5%以上が使っているNPAPIプラグインはわずか6種類しかない。Microsoft Silverlight、Unity、Google Earth、Java、Google Talk、およびFacebook Videoだ(ただし、Javaはセキュリティーを理由に既にChromeチームによってブロックされている)。これらのプラグインは、暫定ホワイトリストに載せられ、エンドユーザーや企業のシステム管理者は、他のプラグインも必要に応じてホワイトリストに載せることができる。

現在NPAPIを使用するアプリや機能拡張を持っているデベロッパーは、2014年5月までアップデートが可能だ。それ以降はウェブストアのホームページおよび検索対象から外され、2014年9月には非公開になる。NPAPIの代替手段を必要とするデベロッパーのためにGoogleは、NaClAppsNative Messaging API、およびレガシーブラウザーサポートを推奨している。

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(翻訳:Nob Takahashi)


GoogleもiOS版Chromeをアップデート―リンクからYouTubeなどのネーティブ・アプリが立ち上がる

今日のiOS版Chromeのアップデートではいくつか重要な機能の追加があった。

音声検索jに関するかぎり、Googleは依然としてライバルに大差をつけてトップを走っているが、今回さらに代名詞の解析という新たな人工知能レイヤーが追加された。Googleはこの機能を数ヶ月前に発表し、ただちにデスクトップとAndroid版に実装している。 たとえば、「アメリカの大統領は誰か?」と質問した後で次の質問をするときには「バラク・オバマ」といちいちフルネームを言わなくても「彼は何歳か?」のように表現することができる。

これはこれで便利な機能だが、ユーザーにとってずっと重要なアップデートは、ワンクリックで各種Googleアプリを呼び出すことができるようになったことだろう(ユーザーが複数のGoogleアカウントを持っている場合、それらをChromeに登録しておけば、アカウントを自由に選択できる)。

YouTube、Google Maps、Gmail、Google Drive、Google+などのGoogleのサービスへのリンクをChromeで開くと自動的に対応するGoogleのネーティブ・アプリが立ち上がる(インストールされている場合)。ユーザーはまたChromeの「設定」メニューからリンクの種類ごとに開くアプリを選択することができる。

他の多くのアプリと歩調を合わせて」、GoogleもまたChromeのデザインを簡素でフラットなiOS 7の新デザインにマッチするものとした。ただしChromeは以前からそっけないほどシンプルなデザインだったため、その違いは一見しては大きくない。また変更を受けた要素も比較的少ないようだ。

Chromeの新バージョンはApp Storeのこちらからインストールできる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Chrome 29がリリース: Android用はWebRTCをサポート, デスクトップはサイト提案を改良

ふつうどおりのアップデートサイクルとしてGoogleは今日(米国時間8/20)、同社のChromeブラウザのバージョン29をリリースした(Mac, Windows, Linux, Chrome Frame)。サプライズは何もないが、安定版のアップデートによくあることとして、小さなアップデートがいくつかある。まずデスクトップでは、URL入力と検索入力を兼用するChrome独特のOmniboxが、ユーザが最近訪れたサイトも参考にして提案をするようになった。

Omniboxのこの新しいアルゴリズムについてGoogleは、“よりタイムリーでそのときの状況によく合った提案ができる”、と言っている。

Macのユーザは、Chrome 29 for Macが、Chromeバージョン28からの<リッチ通知>機能をやっとサポートしたと聞いて嬉しいだろう。“これからはあなたのアプリケーションやエクステンションで起きていることがすぐに分かるようになります”、という次第だ。

デスクトップのもう一つの新機能は、ブラウザの設定を数クリックでリセットできることだ。楽しいエクステンションをたくさん導入しすぎたときの掃除などによい、という。リセットするとブックマークやテーマやアプリケーションはそのままだが、エクステンションはすべて削除される。

今回のアップデートで、ChromeのAPIも新たに増えた。その多くは、今年初めにベータチャネルで紹介されていたものだ。

WebRTCがAndroidに

Chrome 29 のいちばん重要なアップデートは、AndroidバージョンがWebRTCをサポートしたことだろう。プラグイン不要でビデオやオーディオの高速伝送を可能にする、今や人気者の機能だ。これでデベロッパにとっては、モバイルのWebRTCがいわば標準機能になるから、その採用も短期間で広まるだろう。なお、GoogleがWebRTCで実装したビデオチャットアプリケーションの例がここにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


居間の大画面に動画をストリーミングできるGoogle Chromecast―試用してみたが、圧倒的にオススメだ

「十分に進歩したテクノロジーは魔法と見分けがつかない」というアーサー・C・クラークの名言を思い出した。

GoogleのChromecastの使い方はこの上なんく簡単だ。テレビのHDMI端子に挿しこむだけでよい。すると手持ちの各種スマートフォン、タブレット、パソコンからビデオや音楽をストリーミング再生できる。Chromecastには専用リモコンはない。何であれストリーミングできるデバイスならすべてリモコンとしても利用できる。Chromecastには独自のユーザー・インタフェースさえない。ユーザー・インタフェースもストリーミングを開始したデバイスに任されている。ChromecastはテレビをWiFi経由でクラウドのコンテンツに接続させるポータルに過ぎない。

驚きが詰まった小さなデバイス:

これほどいろいろな意味で驚かされたデバイスは最近記憶にない。

値段が驚きだ。わずか35ドルである。冗談だろう? Googleによれば、これでも赤字販売ではないという。 WiFiチップ、CPU、2GBのフラッシュメモリ、RAM、HDMIライセンス料、組立て、包装、送料等々を支払ってもまだ利益が出るのだそうだ。もちろん利益といっての4セントかそこらだろうが、ともかく35ドルでも赤字ではないそうだ。

設定? HDMI端子に挿す。あとはパソコン、スマートフォンのChromecastアプリからWiFiに接続させるだけ。 以上で終了。これも驚きのシンプルさだ。

アプリがサポートするコンテンツの幅も驚くほど広い。YouTubeやNetflixがすでにサポートされている。しかもいちいち個別のアプリを起動したり、設定したりする必要がない。スマートフォンでYouTubeを訪問するとすでにChromecastボタンが表示されているので、押すだけだ。

Chromecastの発表自体、なかなか驚きの演出だった。Googleは発表のまさにその瞬間までほぼ完全にChromecastの秘密を守ることに成功した。Googleの開発チームに加えてNetflix、Pandora、OEMメーカーなど数多くのサードパーティが加わっているのに見事な情報管理だ。

もちろんChromecastはまだ完全な製品ではない。しかしほとんどは容易に修正可能だろう。それに35ドルでは機能に多少の限定があっても強い批判の対象にはなるまい。

良い点、悪い点:

ストリーミングの画質は良い。少なくともXbox 360やApple TVに劣ることはない。Chromecastに最適化されているNetflix、Youtube、GooglePlayのコンテンツについては非常に良い。再生、停止などはストリーミングを開始したデバイスだけでなくChromecastアプリをインストールしたあらゆるデバイスから自由にできる。

ただし、パソコンのChromeブラウザにChromecastエクステンションをインストールしてHuluやHBOGOのようなChromecastに最適化されていないチャンネルを再生すると画質はかなり落ちる。これはYoutubeなどの場合、サイト側でChromecast向けに直接ストリーミングを行うのに対して、Huluなどの場合、パソコンでChromecast向けにエンコードし直してストリーミングを行わねばならないためだ。パソコンが間に入るため、その能力によって画質に大きな差が出ることなる。

Chromeエクステンションの話が出たついでに紹介しておくと、 パソコンにローカルに保存されたコンテンツをこのエクステンションを通じてChromecastにストリーミングすることもできる。AVI、MOV、MKVなどのフォーマットを試してみたがうまくいった(ただし2012年のMac Book Airと802.11nではかなりフレームレートが落ちた)。

さらに改善されるはず:

AppleTV、正確にいえばAppleTVのAirPlayストリーミング機能と比較してChromecastの最大のセールスポイントはクロスプラットフォームの互換性だ。AirPlayが基本的にiOS、Mac、WindowsのiTunesに限定されるのに対してChromecastアプリはiOS、Android、Mac、Windowsのすべてで作動する。いまのところChromecastのCastプロトコルはAirPlayほどサードパーティのメーカーに広まっていない(なにしろ今登場したばかりだ)が、状況はすぐに変わるだろう。スマートテレビへの内蔵、スピーカーその他のガジェットのサポートなどが近く実現しそうだ。そうなればAirPlayの有力なライバルとなる。

結論:

これほど自信をもって推薦できるデバイスも珍しい。多少でも興味を持ったらともかく買ってみるようお勧めする。35ドル以上の価値があることは保証する。またその機能は近いうちに大きく改良、拡張されるはずだ。多少のバグもすぐに修正されるだろう。

[情報開示:GoogleはChomecastを1台評価用に貸してくれた。この記事を書き終わったら返却しなければならない。大いに気に入ったので私は1台注文ずみだ。]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Chrome 29ベータはAndroidにWebRTCとWeb Audio APIを実装, デスクトップではOmniboxを改良

Googleが今日(米国時間7/16)、Chrome 29のデスクトップAndroid用バージョンのベータをリリースした。とくにAndroid版に重要な変化があり、オーディオ合成処理のためのWeb Audio APIと、リアルタイム通信のための最新API WebRTCをサポートしている。

デスクトップ版(Windows、Mac、Linux)のアップデートには、omniboxの改善提案が取り入れられ、ユーザが最近訪れたWebサイトが尊重されるようになった。このほかデスクトップバージョンでは、WebMによるビデオ再生でGoogle自身のVP9コーデックがサポートされた。


ただしWeb Audio APIが当面使えるのは、NEONオプティマイゼーションをサポートするARMデバイスのみである。これは、ARM Cortex-A8プロセッサで導入された新しい命令を実行する方法のことだ。Web Audio APIをサポートしている実機の上では、ここでそのデモを楽しめる。デスクトップのChromeでは、かなり前からサポートされている。またiOSと、今回のAndroid用ベータもサポートしている。

なおFirefoxは、先週のNightlyがこのAPIをサポートしている。

WebRTCは、このAPIを使うとビデオとオーディオによるリアルタイム通信がプラグイン不要でできる。それが、今回はAndroid用ベータでサポートされた。デスクトップのChromeは、このAPIを早くからサポートしたブラウザの一つだ。実装が今後さらに普及すれば、多くのデベロッパの関心がそれに向かい、Webブラウザのほとんど標準的な機能になるだろう。ChromeとFirefoxはすでにサポートしているが、MicrosoftはInternet Explorer 11までお預けのようだ。

WebRTCに関しては、Googleのビデオチャットのデモがここにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GoogleはInternet Explorer用のChrome Frameを引退させて来年1月にサポートを打ち切り

Googleが、Internet Explorerの古いバージョンでGoogle ChromeのJavaScriptとレンダリングエンジンを動かすためのオープンソースのプラグインChrome Frameを引退させる、と発表した。同社は、Internet Explorerの6や7がやっと衰退に転じ、多くのユーザが現代的なブラウザを使い始めていることを、理由として挙げている。

GoogleはChrome Frameを2009年にローンチして、企業が従来どおりInterenet Explorerを使いながら、自分たちのWebアプリケーションを現代的なフレームワークへ移行できるようにした。そのときGoogleは、それによってデベロッパは、ユーザを現代的な技術に向かわせると同時に、古いアプリケーションとの互換性も維持できる、と主張した。

デベロッパが自分のページにタグを付けておくと、Internet ExplorerはChrome Frameに切り換える。Chrome Frameがなければ、そのインストールページへリダイレクトする。

Chrome Frameの引退日は2014年の1月で、それ以降はGoogleからのサポートとアップデートはなくなる。

もちろんGoogleは、Chrome Frameに依存している企業に現代的なブラウザへの切り換えまたはChrome for Businessをチェックすることを推奨している。後者のページには今では、アドオンによる古いブラウザのサポートもある。Chrome Frameはオープンソースだから、誰かが拾い上げてサポートを続ける可能性が、なきにしもあらずだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


WebRTCとWeb AudioとWebGLのパワーを見せつけるためにオープンソースのPongクローンをGoogleがローンチ

Googleが今日(米国時間6/12)、PongゲームのクローンCube Slamを、オープンソース立ち上げた。ブラウザの上で、友だちやコンピュータと対戦できる。そのこと自体はあまりエキサイティングでもないが、しかしGoogleはこのゲームを、WebRTCとWeb AudioとWebGLのデモとして作ったのだ。

多くの人、とくにデベロッパにとって、WebRTCは、ブラウザ上でできるプラグイン不要のビデオ会議を意味しているが、しかしCube Slamはこの通信技術を使って、プレイ中にライブのビデオとオーディオのストリームを友だちの仮想スクリーンに映し出す。

とりわけ重要なのは、このゲームがWebRTCのRTCPeerConnectionRTCDataChannelを使って、オーディオとビデオと“ゲームの同期を維持するためのあらゆるデータ”を、二つのマシン間で送受していることだ。WebRTCのこの二つの部位は、これまで知らなかったデベロッパが多いと思う。

Googleの主張によるとCube Slamは、“ RTCDataChannelを使った初めての大規模なアプリケーションであり、そのAPIはWebSocketに似ているが、しかしデータをRTCPeerConnectionのピアツーピアリンクで送る”。

明らかにここでGoogleが見せたいのは、WebRTCのパワーだ。すでにWebSocketに関しては同様のことを実験作Racer Chromeでやっている。そしてまた同時に、WebGLとWeb Audioで何ができるかも、見せつけたいのだ。

このゲームのインフラストラクチャはGoogleのCompute Engineがホストし、そのコードはここで入手できる。

今Cube Slamを動かせるのはデスクトップのChromeとChrome OSだ。今年後半にはAndroidのChromeでも遊べるようになる。ただし今でも、chrome://flagsのメニューで”WebRTC Android”を有効にすると、Android上で試用できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Internet Explorer 10の消費電力はChromeやFirefoxより18%低い, とMicrosoftは主張

Microsoftが行った委託研究によると、合衆国のChromeとFirefoxユーザの全員がブラウザをWindows 8上のInternet Explorer 10に換えたら、合衆国の1万世帯ぶんの電力を節約できる。Microsoftによるとその理由は、同社はIEの高速化に力を入れてきたしまた、IEはネイティブのグラフィクスカードなど現代的なPCのハードウェアの能力を有効活用して、レンダリングのパフォーマンスを向上させているからだ。

しかし率直に言って、ブラウザについて考えるときその電力消費を気にする人はあまりいない。研究のテーマとしてもかなり異例だと言えるが、でもたしかに、Webの閲覧に費やされる時間は最近とみに多いから、研究が言うようにIEの電力消費がCやFよりも18%少ないなら、それはIEの無視できないメリットには違いない。

Microsoftによると、IEに切り換えると1億2000万キロワットアワー(kWh)の電力が節約され、また220万本の木を苗木から10年育てた期間に相当する二酸化炭素の除去量が達成される。

Microsoftは2011年にも同種の委託研究を行い、IE9はFirefoxやChrome、Safari、Operaなどよりも優れている、とした。今回の研究では、人気上位のWebサイトを対象にベンチマークが行われた。また、FlashやHTML5によるビデオも、多数再生された。

しかし研究とその結果はまともなものだとは思うが、省エネを動機としてChromeやFirefoxからIEに切り換えるユーザは、あまりいないだろう。でも、今MicrosoftはIEのイメージアップとシェア奪還に躍起になっているから、そのためのマーケティングキャンペーンのネタとしては、とりあえず理解できるけどね。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Chrome、モバイルブラウザーのシェア拡大。しかしモバイルOSではAndroidがやや減少

モバイルブラウザーの中では、依然としてSafariが大きくリードを保っていることが、今月のNetMarketShareのデータからわかった。しかし、重要な動きはAndroidの世界で起きている。Chromeは順調にシェアを伸ばし、Androidの組み込みブラウザーは遅れを取っている。Androidは、5月のモバイルOSシェアではわずかに減少して過去8ヵ月間の最低を記録した。

Androidの内蔵ブラウザーは4~5月にかけて2ポイント伸ばしたのに対し、Chromeモバイルの伸びは1ポイント以下だった。Googleはモバイル版Chromeを推進しており、昨年秋からAndroidデバイスにプレインストールしている。その結果順調な伸びを見せ、昨年7月に0.34%だったシェアを今年5月には3.22%まで伸ばした。しかしAndroid内蔵ブラウザーのシェアはその11ヵ月間横ばいであり、Chromeのシェア拡大はすべて新規デバイスによるものであり、ユーザーがブラウザーを乗り替えたのではない。

OSシェアでは、Androidが前月よりわずかに落としており、過去長期にわたる測定期間で最低となった。AppleのiOSはわずかに上昇したがほぼ横ばい、Symbian、Java MEおよびBlackBerryの伸びもわずかであり、これはAndroidの2ポイント近い減少が、どのプラットフォームの勝利にも結びついていないことを意味している。しかしAndroidが、Galaxy S4とHTC Oneという2大フラグシップ機が発売された月に、こうした数値の落ち込みがあったことは興味深い。

しかし、全体で見るとChromeのモバイルでの伸びが最も注目すべき話題だ。Googleはクロスプラットフォームの互換性とポータビリティーを強く押しており、最近Chromeに見られる動きの多くが、モバイルとデスクトップをつなぐように考えられている。その目標を達成するためには、モバイルChromeがさらに高く離陸する必要があり、昨年出てきたばかりであることを踏まえると苦しい戦いである。しかし、機運は高まっている様子であり、Googleの長期目標にとっては良い兆しだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


次世代Firefox v.25のデザインはChrome風―メジャーアップデートのNightly版公開へ

数日前、MozillaのFirefoxエンジニアリング担当副社長、Jonathan Nightingaleは私の取材に対して新しいFirefoxを説明し、「もうこれはブラウザとは呼べないかもしれない」と述べた。

Nightingaleは、「ブラウザというのはすでに語感が古臭い。ユーザーはブラウザで以前ほどウェブサイトをブラウズしない。ブラウザは高度なウェブ・アプリを動作させたりソーシャル・ネットワークにアクセスしたりする手段としてもっぱら使われている」という。つまり開発者はブラウザの利用法の大きな変化に対応して、ブラウザのあるべき姿を考えなおさねばならないということだ。

コードネームはAustralis:タブは角丸に、機能は単純に

Mozillaの未来型ブラウザ計画はAustralisと呼ばれている(Mozillaはプロジェクトのコードネームに星の名前をつけるのが好みのようだ〔タニア・アウストラリスはおおぐま座の連星〕)。このプロジェクトの成果は近くFirefoxのNightly版v.25として公開される。その後、Firefoxの通常のリリース・チャンネルで公開され公開され、最終的には安定版での公開となるはずだ。

ただしNightingaleによればこのバージョンが安定版として公開されるまでにある程度時間がかかるかもしれないという。

冒険をいとわないユーザーならMozillaのあまり知られていなUX部門から開発途上版をダウンロードしてインストールできる(ただしその結果クラッシュするのはもちろん、HDDがずたずたになるなどの事態が起きても自己責任で)。

ではAustralisとは何か? 従来のFirefoxよりGoogle Chromeに似ているというのが第一印象だ。 現在のAustralisのテーマは角を丸めたタブでその下にURL窓、検索窓、各種アイコンと並ぶ。右端は三本の横棒のアイコンの設定オプションだ。

Nightingaleによれば、Australisのコンセプトは「できるかぎり高機能化すると同時に操作をできるかぎり単純化する」ことだ。このため開発チームはユーザーが実際にブラウザをどのように操作しているか詳しく観察した。新デザインは明快で直感的になっているという。たとえば、現在のデザインでは選択されていないタブは枠も表示されず、アイコンだけを残して背景に溶け込んでしまう。Chromeでどんどんタブを開いていくとやがてタブの表示幅が狭くなりすぎてアイコンも見えなくなってしまうが、Australisではタブの最小幅が設定されており、タブの数が表示の限界を超えるとタブ・バーがスクロールできるようにした。

AustralisのUIテーマが安定版に実装されるのは10月以後になるということだが、 Nightingaleは「現在公開されているバージョンもAustralisのデザイン・コンセプトの影響を受けている」と強調した。「読込中止、読込、再読込」がひとつのボタンに統合されたのもその一例だという。

またこうした新デザインはAndroid版Firefoxにも用いられている。このアプリは4000万ダウンロードを記録しているという。念のために付け加えるとMozillaは現在でもiOS版を諦めたわけではない。しかしAppleの現在のApp Storeの約款ではMozillaとしてiOS版をリリースすることはできないのだという。しかしMozillaチームはブラウザ以外の分野でのiOSアプリの開発を考えているようだ。

カスタマイズ

Australisの単にUIデザインの改良だけではない。ルック&フィールを含めたブラウザのカスタマイズの方法も大きく変わる。Mozillaは現在多様なカスタマイズ・ツールを提供しているが、必要なツールが探しにくく、使いやすさも高いとはいえない。MozillaのGavinSharpは私の取材に対して「ここでの目的はユーザーがそれぞれのニーズに合わせて簡単にカスタマズでできるようにすることだ。しかしせっかくのカスタマイズ機能もユーザーが存在に気づかなければ意味がない。われわれはユーザーがFirefoxのほとんどあらゆるパーツを自由に削除、追加、配置できるようにし、またそのカスタマイズ機能を今までよりユーザーの目につきやすいようにすることにした」と語った。

もちろん未来のブラウザを作るにはデザインだけでは足りない。MozillaではユーザーがSocial APIのようなツールをどのように利用しているか詳しく調査している。またパフォーマンスの改善のためにはOdinMonkeyやasm.jsのプロジェクトを実施している。

とはいえ、Australisが公開されたときにユーザーがまっさきに気づくのは新デザインだろう。率直に言ってChromeとの類似を否定するのは難しい。この点をめぐっては間違いなく賛否の論議が巻き起こるに違いない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+