ザッカーバーグ、母校ハーバードで卒業の祝辞――寮の自室を再訪してFacebookの創立を回想

ハーバード大学をドロップアウトしてFacebookを創立したマーク・ザッカーバーグがとうとう母校から学位を得た。さらに366回目にあたる卒業の祝辞を述べる。

このスピーチは東部時間で今日の午後3:30から(日本時間4:30)からだ。ライブ・ストリーミングを下にエンベッドした。祝辞を聞いてから記事もアップデートする予定だ。

下はマーク・ザッカーバーグがハーバードを去って以来、初めて寮の自室を再訪した自撮りビデオ。同室のダスティン・モスコヴィッツ、クリス・ヒューズらと共にマーク・ザッカーバーグはこの部屋でFacebookを作った。

〔日本版〕ザッカーバーグの後ろにH33という部屋番号が写っている。後ろは妻のプリシラ・チャン。ザッカーバーグ自身が自分のデスク、モスコヴィッツのベッド、ホワイトボードを押し込んだ狭い通路などをビデオに撮りながら説明。後に同室になったクリス・ヒューズがFacebookの立ち上げにいかに貢献したかも語られている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook本社で犬種判別人工知能に挑戦――フリードランダーのJudah vs. the Machinesビデオ

人工知能を作るにはまずいろいろと教え込まねばならない。犬種を判別させるなら、見たところボロ雑巾みたいに見える犬も何という犬種なのか教える必要がある。

Judah vs. the Machinesシリーズはコメディアンで俳優のジュダ・フリードランダーが「人類を救うために人間が世界のトップ人口知能と対決する」という番組で、今回はFacebookの本社に応用機械学習チームを訪れた。

フリードランダーは サタデー・ナイト・ライブの内幕パロディーとして人気を博した NBC放映の30 RockシリーズのFrank Rossitano役が有名だ。フリードランダーはメンロー・パークのFacebook本社、1 Hacker Wayを訪問し、世界最大のテクノロジー企業で人々が働く様子を観察した。無料ランチなどFacebookの福利厚生を十分体験した後、フリードランダーは機械学習チームと対決した。といってもフェイクニュースやFacebook Liveのライブ配信に不適当なコンテンツを判別するために現に用いられている人工知能ではない。犬の種類を判別するコンピューター・ビジョンだ。

フリードランダーは応用機械学習チームの責任者、ホアキン・カンデラ(Joaquin Candela)からFacebookでの人工知能の利用について説明を受けた。自然言語理解についての会話ではFriedlanderは自分のアイディアをいくつか述べた。その後、犬種当て人工知能と対決したが、その様子は上のビデオご覧いただきたい。

FacebookのAIはもちろん完全ではない。しかし犬種の見分けに関してはフリードランダーを上回ることに成功した。おかしなことにフリードランダーとAIの双方を迷わせた犬種はプーリだった―マーク・ザッカーバーグの愛犬、Beastで有名な犬だ。 Facebookがなぜ人工知能に犬を判別をさせようとしているのかは不明だが、数秒で曲名を教えてくれるShazamのようなサービスが人気なら、犬を判別するバージョンがあってもいいのかもしれない。

Judah vs. the Machinesの他のエピソードはこちらから視聴できる

〔日本版〕ビデオでは0:48あたりから普段見る機会が少ないFacebookキャンパスが紹介されている。1:33から無料カフェテリアや広場に置かれたピンポン台などが紹介される。2:30から機械学習のチーフ、ホアキン・カンデラの話を聞いている。カンデラは「人工知能でFbの投稿を翻訳するのは難しい。きわめて多種類の言語が用いられている上にセンテンスにいきなり絵文字が使われたりする」と困難さを述べるとフリードランダーは「それでは絵文字言語を作ったらどうか?」と半分真剣な提案。「どの投稿を無視したかも情報となる」という説明に「Facebookはわれわれをスパイしているのか!」とジョーク。3:30から犬種判別チャレンジ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、Messenger、Instagramの通知を統合する実験――ファミリー・アプリの緊密化進む

Facebookファミリーのアプリの緊密化が進んでいる。Facebook本体、Messenger、Instagramのアプリはそれぞれ他のアプリからの通知を表示するテストを行っている。ユーザーはアプリ間を即座に切り替えて行き来することができる。

おせっかいな赤いアイコンが常に他のアプリを見て通知を確認するよう勧めるのでエンゲージメントは高まるはずだ。最初に着信があったのを見落としたり、アラートを意識的に消したり、そもそもプッシュ通知を受け取らないよう設定していても、新しい方式では数字入りの赤いボタンが光る。

一部のユーザーは新方式を嫌うはずだ。人間の本性として「何かを読んでいない」のは気になる。さらに青地のアプリに赤いドットは目立つので否応なしに注意を向けさせられることになる。

ソーシャルメディアのアナリスト、Mari Smithがこの実験に最初に気づいた。TechCrunchの取材に対してFacebookもこの機能の存在を認めた。

Facebookによれば「ユーザーが他のメンバーとつながり、何に関心を抱いているか知ることを容易にするような機能についてわれわれはごく小規模な実験を行っている。この中でFacebook、Messenger、Instagramそれぞれのアカウントを簡単に行き来できる方法もテストしている」ということだ。

実験の対象になっているユーザーの場合、Facebook、Messenger、Instagramアプリの上部のプロフィール・アイコンをタップするとファミリーのアプリ間を行き来するためのスイッチャーがポップアップする。スイッチャーアイコンには他のアプリに未読の通知があることが表示される。ユーザーは赤いドットで自分のアカウントのそれぞれに何通の未読通知があるかを知ることができる。タップすればそのアプリが起動する。Facebookファミリーの一員ではあるが、WhatsAppは今回のスイッチャーの実験には加えられていない。

Facebookは赤いドットでうるさく注意を引き続けることによって上記3種類のアプリを密接に関連付け、ユーザーがモバイル・デバイス上で過ごす時間の大部分を占領することを狙っている。簡単にいえば、デバイスのOSをバイパスしてしまおうという試みのようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookのエンタープライズ版SNS「Workplace」、日本でも正式にサービス開始

Facebookと言えばもともとユーザーが個人、プライベートで使うSNSだが、テック業界のユーザーを中心にして、Facebookページやグループ、メッセンジャーを仕事で使うケースも増えているのではないだろうか。僕も取材の調整をはじめとして、ビジネスの場面でもFacebookを使うことが増えている。

Facebook自身もそんなユーザーのニーズをくみ取っているようで、2016年10月からエンタープライズ版SNSである「Workplace for Facebook(Workplace)」を提供している。海外では、Starbucks Corporation(スターバックス)やBooking.comをはじめとして1万4000社がサービスを導入。日本でも2016年春頃から先行してエウレカやfreeeなど一部の企業が先行的にサービスを導入していたが、これまでにコロプラやビズリーチなど300社が導入しているという。TechCrunchでは、4月に開催されたFacebookの技術カンファレンス「F8」で発表されたWorkplaceのアップデートについても紹介しているが、いよいよ日本でも正式にサービスが始まった。

Facebookを踏襲した「Workplace」の画面イメージ

WorkplaceはFacebookをベースにしたエンタープライズ版のSNSだ。見慣れたFacebookのUIUXを踏襲しつつ、セキュリティを強化。モバイルでの利用(メッセンジャー含む)ももちろん可能だ。Facebookを利用していなくてもWorkplaceだけを利用することができる。エンタープライズ版らしく、カスタマーサポートや管理者向けの分析機能も提供する。前述のF8で発表されていたが、チャットボットを利用して承認フローなどを作ることもできる。また、ユーザーが所属する会社内でのコミュニケーションを想定しているが、「会社間グループ」を作ることで、ビジネスパートナーなど他社のユーザーともグループを作ることもできる。一方で、広告や友人・家族の投稿、ゲームのアクティビティなど仕事に関係のないであろう情報は表示されない。

「Workplace」の機能について

企業ごとにさまざまな利用方法があるというが(僕が聞いたある国内企業は、Slackで即時性の高い内容を共有し、全社・所属部門全体へのアナウンスなどでWorkplaceを活用しているということだった)、面白い事例だと思ったのはスターバックス。同社ではすでに世界2000以上の店長、店舗スタッフ、経営幹部がWorkplaceに参加。CEOのメッセージも動画でリアルタイムに発信する(そしてFacebook同様、リアルタイム動画に「いいね!」などリアクションがついたりする)といったグループ全体へのアナウンスにも利用。また、あるスタッフが新しいドリンクの楽しみ方をWorkplace上で共有。それが各国に広がって、結果として公式メニューに取りこむというようなことも起こっているそうだ。

5月17日に開催された説明会では、Facebook Workplace事業 アジア太平洋地域責任者のNakul Patel(ナクル・パテル)氏が、Workplaceについて(1)FAMILIAR:使い慣れたFacebookのプラットフォームを採用していること、(2)MOBILE FIRST:PCを使わなくても、モバイルだけで利用できること、(3)HEART OF THE BUSINESS:ビジネス上クリティカルな告知などもできる、ビジネスの中心となるサービスであること、(4)SEPARATE&SECURE:プライベートと切り分けられており、なおかつセキュアなプロダクトであること——の4点を強みとして挙げた上で、Facebook CEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の「Workplaceを利用することは単にツールを導入するというよりむしろ、ビジネスを運営することに近いと考える」という言葉を紹介した。またフェイスブックジャパン代表取締役の長谷川晋氏も、「Facebookのカルチャー、働き方そのものを具現化したツール」だと説明する。

Workplaceの価格は、基本機能のみを提供する「スタンダードプラン」は無料。「プレミアムプラン」は1000人までがアクティブユーザーあたり3ドル、それ以降の9000人までは同2ドル。それ以上のユーザーに関しては同1ドルとなっている。ただし9月30日までは無料でプレミアムプランの利用が可能となっている。

フェイスブックジャパン代表取締役の長谷川晋氏(左)、Facebook Workplace事業 アジア太平洋地域責任者のNakul Patel氏(右)

Facebook、偽ライブビデオの取り締まりを厳格化

Facebookが、ライブビデオの誤解を招く利用方法を禁止しようとしている。同社がTechCrunchに伝えたところによると、Facebookは同サービスのポリシーのライブAPIの項目に、以下の記載を追加した。「このAPIを使って画像のみを公開しないでください(例:静止画像、アニメーション、ループ再生画像などを公開しない)。また、動かないものや風景の映像に関連したライブストリーム投票を行わないでください」。
(日本語版注:本稿掲載時点で日本語版ポリシーには未記載)

このポリシーに違反するビデオはFacebookでの露出度が下げられ、繰り返し違反したパブリッシャーはFacebookライブの利用を制限される。

今年1月にFacebookが2016年のトップ10ライブビデオを発表した後、TechCrunchは偽「ライブ」ビデオの摘発をFacebookに要求した。トップ10の半数は本当のライブとは言えず、静止した背景に重ねられた単なる投票やカウントダウンだった。

Facebookに寄せられたフィードバックによると、視聴者はそうした静止画やグラフィクスのみの中継を面白いライブコンテンツとは感じていない。昨年12月、Facebookはグラフィックスのみのライブビデオで「いいね!」やリアクションを使ってニュースフィードから投票させることを密かに禁止した。

今回Facebookはさらに一歩進めて、ライブ方式の浄化をはかっている。

ライブビデオが人を引き付けるのは、次に何がおきるかを期待する緊急性や意外性だ。もしユーザーが偽ライブビデオに慣れてしまうと、友達やフォローしているパブリッシャーが中継を始めたという通知が来ても、見に行くことは少なくなってしまうだろう。

本誌は、誤解を招くライブビデオのもう一つの形態も追及した:カウントダウンだ。この手の多くはコンピューターグラフィックスをループ映像に重ねたもので、上に貼ったBuzzFeedの年越しカウントダウンが典型例だ。しかしFacebookは、現実世界のカウントダウンが行われてループしてないものは現時点で禁止していない、と私に言った。それでも、投稿したパブリッシャーにネガティブなフィードバックが続くようであれば反応も落ち込むだろう。Facebookは今後もこうした状況を監視していくと言っている。

Facebookは「ライブする」という動詞を自分たちのものにするべくエンジニアリングとマーティングに膨大な資源を費やしてきた。ソーシャルコンテンツをライブで録画、閲覧する第一の場所としての座を維持し、長期的にこの投資を回収するためにはこうしたライブ中継の質を高く保つことが不可欠だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookのグループは三つの質問で参加希望者を篩(ふるい)にかけられる、荒らしを防ぎ良質なメンバー確保のため

Facebookは、コミュニティ作りに関するMark Zuckerbergの約束を守って、Facebook Groupsの管理者ツールを改良している。これにより管理者は、参加希望者の適性を判断し、彼らがグループをスパムしたりトロールしたりすることなく、建設的な議論をもたらしてくれることを期待できる。

Facebookによると、この機能は全世界のグループ管理者全員にすでに展開済みである。Facebookのスポークスパーソンは、こう語った:

“新たな参加申し込みを篩(ふるい)にかけることは、管理者の大きな負担になる。特定的な情熱や目的を軸とするグループほど、その負担は厳しい。このようなグループに関して管理者はふつう、新メンバーを認めるために必要な特定の規準を持っている。そういうオープンエンドな質問を事前に確立しておけば、彼らはもっと早く入会リクエストを検討し承認することができる。また、自分の関心の支持や共有を求めている人びとは、もっと早く他の人びとと結びつくことができる。”

[質問は三つまで。答を見れるのは管理者とモデレーターのみ。]

グループの設定メニューには、管理者のための“入会を保留している者に質問をする”という項目がある。入会希望者が答える質問は最大三つまで、一つの質問は最大250文字までだ。答はグループにポストされず、管理者とモデレーター(司会者)だけが閲覧できる。グループの“Join(参加する)”ボタンを押した者は、ただちに質問に答なければならない。参加を招待された者は、通知の中にそのフォームへのリンクがある。参加申込者は、答が審査されるまでは、自分の答を編集できる。

これまでは、管理者が入会申込者に参加の動機を尋ねるときは、彼らの‘友だち’になるか、またはFacebook Messageを送っていた。しかしメッセージは、そのほかのメッセージの中に埋(うず)もれてしまう可能性もある。またそれを毎回行って答を調べる作業は、多くの管理者にとって負担が大きすぎる。だから、無差別に入会を認めてしまってグループの荒らしに悩まされるとか、あるいは逆に、プロフィール上の限られた情報をもとに入会を拒否したりしていた。後者では、入会にふさわしい、あるいはその会を本当に必要としている人も、グループのコミュニティと支援から排除されていた。

遡(さかのぼ)って2月にZuckerbergは、こう書いた:

“ネット上のコミュニティでも、あるいはオフラインのコミュニティでも、積極的で有能なリーダーのいることが、コミュニティを強くするための鍵であるという例を、これまで数多く見てきた。しかしながらFacebookのグループ機能には、リーダーのための、あるいはリーダーが育つための、便宜が組み込まれていない。”

グループのリーダーがこれらの質問を作って、その答に基づいて参加者を選定することは、リーダーに強力な権限を与える。また結果的にグループのディスカッションがより生産的になり、既存会員の嫌気(いやけ)を誘う、お邪魔で無益なポストを減らすだろう。

来月Facebookは、初めての、グループ管理者のためのコミュニティサミットをシカゴで開催する。そこではZuckerbergのマニフェストに概要が記されていた新しいプロダクトの発表もあるだろう。たとえば、サブグループ(下位的小グループ)を作る機能、モデレーターの役割の高度化と多様化(あるいは権限強化)、さまざまなコンテンツやグループの成長に関するアナリティクス(分析)機能、などだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

FacebookがオリジナルVRコンテンツ制作部門Oculus Story Studioを閉鎖

仮想現実はコンテンツを必死に求めているかもしれないが、いまやFacebookのOculusは自身による仮想現実コンテンツの制作ではなく、外部への投資に力を注ごうとしている。

Oculusのコンテンツ担当副社長のJason Rubinは、米国時間5月4日、受賞歴もある映画VR部門であるOculus Story Studioの閉鎖を発表した。

「慎重に検討を重ねた結果、社内でのコンテンツ制作ではなく、より多くの外部制作をサポートすることに焦点を移すことにしました」とRubinは書いている。「そのシフトの一環として、Story Studioを閉鎖することになりました」。

10月に開催されたOculus Connectデベロッパーカンファレンスでは、FacebookのCEO、Mark Zuckerbergは、同社がすでにオリジナルVRコンテンツに2億5,000万ドル以上を投資してきたこと、そしてRiftならびにGear VRユーザーたちが、ヘッドセットで見ることができるオリジナルコンテンツのために、さらに2億5000万ドルを投入することを表明していた。

Rubinは、既にコミットされているの資金のうち、特に5000万ドル分は、ゲーム以外のインタラクティブなコンテンツのために投資されると述べた。

Oculus Story Studioは、オリジナル映画コンテンツ制作のために2014年に設立された。昨年、Studioは短編アニメーションのヘンリーエミー賞を受賞受賞していた。ハグするのが大好きな可愛らしいハリネズミを描いたPixar風の作品だ。

Story Studioチームは、最新プロジェクトのDear Angelicaを制作する過程で、高機能なVRペインティングプログラムであるQuillというプロダクトを開発した。これを用いることで、ユーザーたちは仮想空間の中でコンテンツを作成することが可能になる。Studio閉鎖のあとも、QuillはOculusストアから引き続きダウンロードできるようになる予定だが、この先アップデートされる予定はない。Oculusはソフトウェアをオープンソースにすることを計画している。

この突然の閉鎖は、Studioの4番目の主要作品となる予定だった”The Wolves in the Walls”(壁の中の狼たち)の制作中に公表された。なお同社はこの作品がキャンセルされたことを公表している。

閉鎖に伴いOculus Story Studioの約50人は職場を去ることになる。Oculusの広報担当者はTechCrunchに対し、これらの従業員は、OculusもしくはFacebook内の他のポジションへの異動を申請できると話した。

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(翻訳:Sako)

Facebook Q1決算を発表、売上80.3億ドルで予測超え、ユーザー増加率も上昇

Facebookは再び好調な四半期を終え、予測を上回る実績で2017年のスタートを切った。2017年Q1の売上は80.3億ドル、GAAP実質EPS(1株あたり利益)は1.04ドルでアナリストの予測は0.87ドルだった。この売上を生み出したユーザー数は19.4億人で成長率は4.3%、前四半期はユーザー数18.6億人で成長率は3.91%だった。

安定成長、強固な売り上げ

このペースで行くとFacebookの総ユーザー数はQ2中に20億人を超える。毎日利用するユーザーは12.8億人で、前四半期の12.3億人から伸びている。偽ニュースやビデオによる暴力、Snapchatの模倣などニュースのタネは尽きないが、ユーザー成長はその期間にむしろ伸びていた。Facebookは、実入りはいいが飽和状態の米国・カナダ市場で月間300万ユーザーを追加したが、大きく貢献したのはアジア太平洋地域で、四半期に4300万ユーザーが加わった。

同社は投資家に向けて、「今後Facebookは経費、売り上げ、税率、および1株あたり利益の非GAAPベースデータは報告しない」と伝えた。これは、同社が株式型報酬の費用をこれまで以上に目立たせて公表することを意味している。これは重要だ。なぜならFacebookのような会社は従業員に対して、時間とともに価値の上がる株式を大量に与えることで、離職を防いでいるからだ。

Facebookの売上、78.3億ドルはアナリスト予測を上回った。今日の株価は0.68%ダウンの151.80ドルで引けた。時間外取引では2.37%下げた。今日の報告を見る限り、広告スペースの枯渇による売上成長の鈍化はなさそうだ。

モバイル売上の割合は85%と前期の84%から上昇し、広告売上のうち67億ドルを占めた。Q1の利益は30.6億ドルで、前年同期比76%増、売上は前年同期比49%増だった。ゲーム支払い事業の減少傾向はなんとか抑えることができた。今期は1.75億ドル、前期Q4は1.80億ドル、前々期Q3は1.95億ドルだった。

従業員数は1万8770人で対前年比38%増だった。総経費は47億ドル、経常利益率は41%で前四半期の52%から減少した。

2億人が使っているFacebook Liteなどのアプリで途上国市場に力を入れているFacebookは、最近Messenger Liteを提供し、Instagramの新たなオフラインモードも効果を表している。世界のその他の地域でのユーザーあたり売上は1.27ドル、前年比40%増だった。

Zuckerberg曰く、Snapchatは抜いた

Facebook参加のメッセージングサービス、WhatsAppのSnapchat Storiesクローン、WhatsApp Statusの実績が初めて公表された。ZuckerbergによるとWhatsApp Statusの毎日ユーザー数は現在1.75億人で、スタートからわずか10週間で、Snapchat全体よりも大きくなった。

しかしZuckerbergの最も注目すべきコメントは、ビジュアルコミュニケーションおよび仮想現実分野での進捗についてだった。Snapchatの名前は出さなかったものの、比較の相手は暗示されていた(引用中の
強調は筆者による)。

カメラとシェアのやり方に関して、当初は流行に少し乗り遅れたと思っている 。しかし現時点でわれわれの作っているテクノロジーはずっと先を走っているし、オープンなプラットフォームを作ることは大きな一歩だと考えている。Facebookファミリーの様々なアプリで多くの人たちがこうしたサービスを利用している。今後もわれわれがこの分野をリードしていくだろう

CEO Zuckerberは、Snapと比べて、外部デベロッパーがFacebookのために幅広い種類のARコンテンツを作ってくれると強気を見せた。ARの収益化について聞かれると、物体認識によって現実世界の商品の上に購入ボタンを浮かべることができると話した。

決算会見のもう一つの重要な話題は、Facebookが、現在ニュースフィードで自然に目に入ってくる短編ビデオではなく、長時間ビデオと意識的視聴を強調し始めたことだ。広告ブロックの阻止対策も成功している。CFO David Whenerによると、Facebookの2017年Q1の広告インプレッションは2016年Q1より32%多かった。

スキャンダルはFacebookを減速させなかった

eMarketerは、2017年にFacebookはデジタル広告売上で362.9億ドルを生み、前年比35%成長すると推計している。これは全世界オンライン広告市場の16.2%で、Googleの33%につぐ世界第2位に相当する。Facebookの広告収入の45%は米国から生まれると予想されている。Instagramの財務状況は公開されていないが、Instagramの全世界の広告売上は39.2億ドルで、Facebookの広告売上の12.3%だとeMarketerは推定している。

Instagram Storiesの成功に続き、FacebookはMessenger DayFacebook Stories、およびWhatsApp StatusというSnapchatのクローンを作り続けている。こうしたクローン製品はSnapchatの成長を鈍らせつつ、いずれはInstagramでやっているのと同じように、Storiesの合間に挿入する広告で宣伝費を獲得することになるだろう。

FacebookはLinkedInに対抗して、Facebookは職探し機能を提供した。ビデオおよびライブ中継の挿入広告もスタートした。売上の45%をFacebookが、55%をクリエーターが受け取る。

Oculusでは問題を抱えている。知的財産権盗用の訴訟で、Zenimaxに3億ドル(加えてOculusのファウンダーから2億ドル)を支払った。共同ファウンダーのPalmer Luckeyは会社を去り、有線VRヘッドセットの販売が業界全体で鈍る中、OculusはRiftヘッドセットを値下げした。

Facebookの四半期最大のニュースは、偽ニュースと不快なコンテンツとの現在進行中の苦闘だ。外部のファクトチェッカーと提携し、New York Timesの元ニュース製品マネージャーを雇い、禁止コンテンツの通報を容易にした。さらに今日、問題コンテンツの確認のために3000名を雇用すると発表した。こうした様々な議論やトラブルをさえも、ソーシャル巨人の勢いを止めることはないようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookのテキスト分類ライブラリfastTextがモデルのサイズを縮減してモバイルにも対応

今朝(米国時間5/2)、Facebookの人工知能研究所(Facebook AI Research, FAIR)が、同社の超高速でオープンソースのテキスト分類ライブラリfastTextのアップデートをリリースした。発表された当初のfastTextは90の言語の語ベクトルで訓練されていたが、今回のアップデートで295言語になる。また、モデルのサイズ、ひいてはメモリの必要量を抑える工夫が盛り込まれている。

fastTextのようなテキスト分類機能があれば、言語分析に依存する多国語ツールの開発が容易になる。クリックベイト(釣りネタ)のタイトルを見つけたり、スパムをフィルタするためには、言葉を解釈して分類する機能が必要だ。

fastTextは元々、対応ハードウェアの種類や性能を問わない、という設計だったが、でも、実行には数ギガバイトのメモリを要した。高度なハードウェアを贅沢に使える研究所ならそれでもよいが、モバイルでそれをやるのは、到底無理だ。

でも今回は、Facebookのもうひとつのオープンソースプロジェクト類似性検索(Facebook AI Similarity Search, FAISS)とのコラボレーションで、メモリの必要量を数百キロバイトに抑えることができた。FAISSは、大量のデータを扱うことにどうしても伴うメモリの問題を、部分的に解決している。

膨大な量の情報のコーパスは、多次元のベクトル空間でうまく表現できる場合が多い。Facebookなど多くの企業が、これらのベクトルの比較をコンテンツとユーザー選好を比較するために最適化しているが、コンテンツを他のコンテンツと比較することも重要だ。そのためにFAISSのチームが導入した方法が、fastTextのメモリ要量の縮減に大きく寄与した。

“特徴枝刈り(feature pruning)や量子化、ハッシング、再訓練など、いくつかのテクニックを使ってテキスト分類モデルのサイズを、よく使われるデータ集合で訓練したときには100KB未満に縮小することができた。正確さやスピードは、犠牲にしていない”、とFacebookの研究者たちは2016年12月のペーパー“fastText.zip: Compressing Text Classification Models”で述べている。

その研究者たちは、今後はさらなるモデルサイズの縮減が可能だ、と仮説を述べている。その場合、スピードを維持しつつモデルを縮小することが課題になる。でも今日からは、GitHub上のアップデートされたライブラリにアクセスして、研究と工夫を始めることができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、Rewardsでオフライン購入を変革へ――個人別QRコードを提供

Facebookは現実店舗でのオフラインのショッピングにも役立つことを実証しようと新機能のテストを行っている。TechCrunchが得た情報によると、FacebookはユーザーにカスタマイズされたQRコードを提供し、特定の店舗で割引やボーナスを得られるようにするという実験を行っている。実験対象のユーザーの場合、モバイル・アプリのmoreタブにRewardsという新機能が表示される。

この件でFacebookに取材したところでは、テストは数ヶ月前から開始されたということだ。公式説明は以下のとおり。「各種のビジネスが消費者との結びつきを維持、拡大するのを助ける努力の一環として、われわれは小規模なテストを行っている。これはテスト・プログラムの参加店舗でFacebookのユーザーがショッピングをする際、アプリを通して割引やボーナスポイントなどを得られるようにするものだ」。

Facebook Rewards

このFacebook Rewards機能は消費者、店舗、Facebook自身の利益の拡大を目指している。消費者はFacebookのメンバーになっていることで割引やボーナスポイントを得られる。マーチャントはSNSと口コミの力によりコストパフォーマンスの高い方法で集客ができる。リピート客を作り、店舗に繰り返し足を運ばせることができればRewardsプログラムにかかる費用よりはるかに大きな利益を上げることができるわけだ。

ショッピングの際に新たなインセンティブを提供されればユーザーにとってFacebookの魅力が増す。またビジネスからはRewardsプログラムをプロモーションする広告の掲載を見込むことができる。さらにFacebookは「誰がいつどの店でどんなプロダクトを購入するのか?」という重要な情報を得ることができる。これはニュースフィードへの記事の選択と広告のターゲティングにおいて非常jに貴重な情報となる。

Snap Inc. もブリック・アンド・モーターと呼ばれる現実店舗でのショッピングを促進し購入履歴を得る独自の機能をプロモーションしている。店舗やブランドはこれはSponsored
Geofilters広告と呼ばれ、参加店舗の付近にいるSnapchatのユーザーには店舗に関連ある写真やビデオが配信される。Snapは同時に “Snap to Store”プログラムにより、ユーザーが付近に来ていることを店舗側に知らせる。

2012年にOffersをスタートさせたときから店舗におけるディスカウント・セールに役割を果たすことにFacebookは関心を抱いていた。Offersは昨年機能を強化された。Offersはオンライン、オフラインの双方で利用できる。具体的には特別のプロモーションに関連づけられたバーコードで、オフラインのショッピングならレジでスキャンされる。オンライン通販であればチェックアウト過程の一部として送信できる。FacebookはOffersは口コミで大きな成功を収めたと述べている。

Facebook Offers

この間Facebookはオンライン広告をオフラインの購入に結びつけるなど「消費行動のループを完結させる」方法を各種実行してきた。FacebookはDatalogix、Epsilon、Acxiom、BlueKaiなどのデータプロバイダーと提携して消費者のオフライン・ショッピングの情報をインデックスしている。またPOSシステムの有力企業、SquareやMarketoの協力を得て購入に直接結びつく広告を表示し、 GPS、Wi-Fi、携帯無線の中継塔その他から得られる情報を動員し、付近の店舗にユーザーを誘導しようと試みている。

Rewardsはその名のとおりいわゆるロイアルティー・プログラムに属するが、単に店舗側でスキャンできるのコードを提供するだけでなく、ユーザーごとに個別のQRコードを配信する。
消費者は来店ごとにレジでこのコードをスキャンさせていれば自動的にロイアルティーカードにポイントが加算されていく。

店舗別の顧客カードは失くしやすいしいちいち取り出すのも面倒だ。ストアアプリの場合は新しくダウンロードしてインストールする必要がある。 しかしRewardsはFacebookのモバイルアプリの一部をなすのでユーザーは常に持ち歩いているし、すぐに提示することができる。今後FacebookがRewardsのテストで好結果を得るようなら、全面的に展開されることが予想される。一方で、ロイアルティーカードをビジネスの柱とするスターアップはある朝突如、巨大なブルーのロードローラーがマーケットを踏み潰していく可能性に直面するかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

モバイル広告が初めて全デジタル広告支出の過半に達す…今や‘モバイルオンリー’がマーケティングのトレンド

アメリカのデジタル広告の売上は2016年に725ドルに達し、前年比で22%増加した。

この数字は、PricewaterhouseCoopersとInteractive Advertising Bureauが発表した最新の報告書、Internet Advertising Revenue Reportによるものだ。Interactive Advertising Bureau(IAB)は、オンラインのパブリッシャーとアドバタイザーズたちの業界団体だ。

またこの報告書は初めて、モバイル広告について特記し、それが全広告費支出の半分以上になった、と言っている…366億ドル、総額の51%。ビデオ広告は53%増加して91億ドル、ソーシャルメディアへの支出は50%以上伸びて160億ドル、検索広告は19%増の350億ドル弱となった。

同報告書は同じく初めてデジタルオーディオについても触れ、2016年の総売上が11億ドル、と言っている。

IABのCEO Randall Rothenbergがプレスリリースで述べている: “モバイルが2016年のインターネット経済の活況をもたらした。アドバタイザーズは、デジタルがマーケティングの目標の達成に寄与貢献することへの確信を示した。今なお衰えることのない、このような確信の成長は、マーケティングが、つねに何らかの活動をしている今日の消費者に追随するために、‘モバイルファースト’から‘モバイルオンリー’へ移行しつつあることの反映である”。

IAB Quarterly Growth Trends

投資家たちはいまだに、アドテックに対して懐疑的だが、しかしそれでも、アドバタイザーズ自身はきわめて積極的に支出をしている。

でも、FacebookとGoogle以外のどこが、この成長の恩恵を享受しているのだろうか? アナリストたちによると、この二つの巨人がデジタル広告の全支出の大半を獲得し、しかも彼らの優勢は今なお増加する一方だ。

報告書はFacebookとGoogleについて個別には触れていないが、“広告収入の集中化”については述べている。すなわち現状では、上位10社の広告販売者が総収入の73%を獲得している。しかしこの数字は過去10年間、69%と75%の間で変動しているから、その意味では異常ではない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、外部リンクを開く前に関連記事とファクトチェックを表示(テスト中)

Facebookはユーザーに、記事を読む前にまずその見出しが真実なのかをよく考え、その話題のついての別の視点も見て欲しいと考えている。偽ニュース対策の次のステップとして、今日からFacebookは、通常は外部リンクからニュースフィードに戻った時に表示される「関連記事」ウィジェットの新しいバージョンのテストを開始する。さらにFacebookは、関連記事を表示する際多くの人が話題にしている記事にはサードパーティのファクトチェッカーを併せて表示する。

「これでユーザーは、サードパーティーによるファクトチェックを含め、異なる視点と情報を手に入れやすくなる」とFacebookは言っている。

要するに、ある記事が誇張であったり、偏見が強かったり、まったくのウソかも知れないということを、読んだ後に説得するのではなく、ユーザーにはウソや脚色に洗脳される前に疑いを持ってほしいとFacebookは考えている。この機能は、人々が情報フィルターに囲まれた世界に深入りする前に抜け出すきっかけを与えてくれるかもしれない。

例えば「チョコレートでがんが治る」という無名のブログ記事へのリンクがあると、クリックする前に関連記事ボックスが表示され、New York Timesや医学専門誌の、チョコレートにはがんのリスクを減らす抗酸化能力はあるが治療はしないという説明が現れる。Snopesなどのファクトチェック機構が元記事のウソを暴いていれば、それも関連記事に出てくる。

Facebookは、これは単なるテストであり有効性が実証されなければ一般公開するとは限らないと言っている。また、Facebookページのニュースフィードへのリーチに大きな変化はないとも指摘している。関連記事欄に広告が入ることはない。

Facebookは、関連記事を2013年にスタートし、記事を読んだ直後に関連する興味のありそうなリンクを表示するようになった。しかし、2016年の米国大統領選挙で偽ニュースを容認したと批判されて以来、 第三者ファクトチェッカー の協力を得て、議論のある記事には警告を付加している。

後にMark Zuckerbergは、人道主義宣言の中で、この問題と戦う一つの方法は人々の視野を広げることだと語った。「さまざまな視点を紹介し、自分の考えが全体でどの位置にあるかを知ることは、効果の高い方法だ。いずれユーザーたちは、どの情報源が幅広い視点を提供してコンテンツをもっと自然なかたちで表示するようにするかを見極めるだろう」。

パブリッシャーによっては、関連記事を通じて著名なライバルが読者を奪うことを喜ばないかもしれない。しかし、Facebookが自ら真実の裁定者になることなく偽ニュースの害と戦うためには、話題について幅広い意見を提示することで、突飛な(かつバイラルな)ものに読む価値があるとは限らないことを人々に理解させるのが最善の方法なのかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

F8:Facebookは頭脳直結テキスト入力開発中―「埋込み手術の必要なし」と元DARPA局長がプレゼン

今日(米国時間4/19)、F8デベロッパー・カンファレンスでFacebookは60人のエンジニアのチームが頭脳と直結してテキスト入力などができるコンピューター・インターフェイスを開発していること明らかにした。現在試行されているような頭脳への電極等の埋め込みを必要としないという。このインターフェイスは脳を毎秒100回スキャンして光学画像を生成し、人が声に出さずに思考している内容を読み取ってテキスト化する。

FacebookのR&Dの特別組織、Building 8の責任者、レギーナ・ドゥーガン(Regina Dugan)がF8カンファレンスで説明したところによれば、この研究の目標は、ユーザーがスマートフォンを使って頭脳から直接に毎分100語、つまり現在の5倍のスピードでテキスト入力ができるようになることだ。

頭脳をコンピューターと直結するインターフェイスは、最終的にはVR〔拡張現実〕にも利用され、物理的なコントローラーを操作することなしに、思考だけでVRを操作できるようになるという。今年のF8カンファレンスではCEOのマーク・ザッカーバーグやCTOがこの「直結インターフェイス」テクノロジーが持つ可能性をさまざまな角度から紹介した。

ドゥーガンは「頭脳から直接完璧にタイピングできたら素晴らしいだろう」と言う。ドゥーガンは麻痺の障害を持つ患者が脳に埋め込まれたセンサーを利用してタイピングしているビデオを紹介した。続いてFacebookでは脳の手術の必要なしに同じことを実現しようとしていると述べた。

Building 8が頭脳インターフェイスによるタイピングの研究を始めてからまだ6ヵ月しかたっていないという。しかし開発チームはカリフォルニア大学サンフランシスコ校、同バークレー校、ジョンズ・ホプキンス医科大学、ジョンズ・ホプキンス応用物理学ラボ、ワシントン大学セントルイス医学校などの研究者の協力を得て、機械学習による言語解析、高度な空間解像力も有するテクノロジーによる脳活動の光学画像化、次世代神経科学などを適用して開発を進めている。

Facebookは最終的には脳への埋め込みなしに脳と直結するインターフェイスの実現を目標としているのは大規模な採用を目指しているからだ。またプライバシーへの当然な懸念が生ずるが、Facebookは私のインタビューに対して、「これはあらゆる考えでを読み取ってしまうようなテクノロジーではない。これは直接入力のためにユーザーが意識的に言語中枢に送った言葉だけを解読する。われわれはスマートフォンでたくさん写真を撮るが、公開するのはそのうちの何枚かに過ぎない。われわれのハードウェアが実用化しても、内心の自由を妨げることはない。このインターフェイスが読み取るのはユーザーが入力しようと決めた考えだけだ」という。

一方、 Building 8では「皮膚を通じて聞く」テクノロジーも研究中だ。プロトタイプが完成しているこのハードウェアは特定の振動を脳に伝えることにより皮膚に内耳の役割を果たさせようとするものだ。これが実用化されれば耳に障害を持つ人々も耳をバイパスして皮膚で音を「聞く」ことができる。

Facebookのエンジニアが16の周波数帯域に設定したアクチュエーターを用いて被験者の1人は9つの単語を皮膚を通して認識することができるようになったという。

Building 8の求人情報によれば、電気生理学的情報の収集、神経活動の非侵襲的画像化などの専門家が求められている。【略】

Tesla、SpaceXのファウンダー、イーロン・マスクもNeuralinkという新しいスタートアップを立ち上げて独自の頭脳コンピューター・インターフェイスの開発に取り組んでいる。

FacebookのBuilding 8研究開発チームの責任者、レギーナ・ドゥーガン(Regina Dugan)

Facebookは秘密のベールに覆われた新しい研究組織、Building 8の責任者として昨年ドューガンをスカウトした。ドゥーガンはGoogleの Advanced Technology And Products事業部の責任者で、その前はDARPA〔国防高等研究計画局〕の責任者を務めていた。

Facebookはメンローパークの本社キャンパス内にArea 404という施設を持ち、大量の先端的メカニカル・エンジリングの装置と専門家を擁している。このArea 404がドウーガンのチームがハードウェアのプロトタイプを作ることを助けている。 昨年12月にFacebookはスタンフォード、ハーバード、MIT等の大学から素早く協力を得られる規約を結んだ

今日のプレゼンテーションまで、Building 8が正確にはどういう組織か誰も知らなかった。もっとも、Business InsiderはBuilding 8の求人情報を探り出して、推測を試みていた。

Facebookのハードウェア・プロジェクトには成功したものも失敗したものもある。HTCと協力して作成した FirstというAndroidスマートフォンは失敗だった。Facebookの本来的なユーザーはコミュニティーとの交流に興味があり、専用ガジェットには興味がなかった。FacebookはTerragraph Wi-FiノードProject ARIESアンテナソーラー発電ドローン、Aquilaなどを開発してきた。また途上国でのインターネット・アクセスの容易化を図る通信衛星の打ち上げも試みたが、残念ながらSpaceXが打ち上げに失敗してしまった。【略】

FacebookのArea 404ハードウェア・ラボ。メカニカル・エンジニアリングの楽園

Facebookが巨大化するにつれて、新しいハードウェアを開発するための資源、人材ともに拡大した。18億人のユーザーを持つFacebookは頭脳インターフェイスであれ、その他どんな新しいアプローチであれ、実験の志望者にもこと欠かないはずだ。

〔日本版〕Regina Duganのテクノロジーに関するTEDでのプレゼンテーション。こちらはDARPA局長時代。なおこのビデオでも分かるとおり、ファーストネームのReginaは「レギーナ」が本人の採用している読み方。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

F8:Android版Instagramにオフラインモード―iOS版は数ヶ月後

6億人のInstagramユーザーの80%はアメリカ国外の居住者だ。こうしたユーザーの多くはネットワーク接続性が低く定額制のデータ・プランも得にくいような環境に置かれている。そこで今日(米国時間4/18)、サンノゼで開催中のF8デベロッパー・カンファレンスでInstagramは機能のほとんどをネットワーク接続がない環境でも利用できるようにしたことを発表した。

新機能の大部分は最新のAndroid版ですでに利用可能だ。iOSバージョンについても数ヶ月以内にリリースされる模様だ。ただしデベロッパー・コミュニティーでは圧倒的にAndroid環境が好まれている。

Instagramのエンジニア、Hendriによれば、ユーザーはオフライン環境でもあらかじめデバイスに読み込まれたフィードを閲覧することができるという。ユーザーはコンテンツにコメントや「いいね!」をつけるなどのリアクションが可能だ。保存やアンフォローなどもできる。これらは次にインターネットに接続されたときにアップロードされる。以前に閲覧していればプロフィール・ページを見ることもできる。Exploreタブやユーザー自身のプロフィールも同様だ。

こうしたアップデートはインターネット接続が得られない環境でも便利だが、途上国でデータ接続プランが高価すぎたり、接続が安定しなかったりする場合に特に効果を発揮する。Instagramが途上国でユーザーを増やすために有効だろう。昨年、 途上国の環境を考慮してFacebookが開発した軽量版のFacebook Liteアプリは1年で2億人のユーザーを獲得した。Instagramがオフライン・モードをサポートしたことに大きな可能性を感じさせる数字だ。Snapchatが途上国ユーザーの存在を無視しがちなのに比べて、Instagramは世界中あらゆる場所で誰もがビジュアル・コミュニケーションへの参加を望んでいることを忘れていないようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

マーク・ザッカーバーグ、F8でクリーブランドの銃撃事件に言及

F8カンファレンスの壇上、Facebook CEO Mark Zuckerbergは、先週末に起きたクリーブランドの銃撃事件について語った。容疑者は殺人現場をビデオに撮りFacebookに投稿していた。男はその後Facebookのライブ中継で自らの犯行について語り、Facebookは暴力的コンテンツの検閲が十分ではないと批判された。

「われわれは共通の認識を持つにも努力している。ただ様々な意見を求めるだけでなく、人々の気持ちを一つにすることに。われわれにすべきことはたくさんある。グループやコミュニティを作り、情報を共有しあえる社会を作り、コミュニティの安全を守るために、数多くの製品計画が進められている」とZuckerbergは言った。「われわれのすべきことはたくさんある。クリーブランドの悲劇でそのことを思い知らされた。Robert Godwin Sr.の家族と友人たちに心から哀悼の意を表するとともに、このような悲劇を繰り返さないためにこれからも努力を続けていく」

銃撃ビデオの事件を受け、Facebookは暴力的コンテンツに関するユーザーからの通報を確認するスピードを改善すると語った。昨日(米国時間4/17)Facebookは、銃撃ビデオが投稿されてから2時間近くたつまで報告されなかったことを公表した。同社は人工知能を使って暴力的ビデオを検出し、シェア方法に制限を加えることも示した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

F8:Facebook、React Fiberを発表―JavaScriptのUIフレームワークを完全リニューアル

Facebookはユーザー・インターフェイスを書くために利用されているJavaScriptライブラリ、Reactを根本的にリニューアルしたことをF8デベロッパー・カンファレンスで発表した。これまでFacebookからまったく発表がなかったが、React Fiber(これが新しいReactのプロジェクト名)はしばらく前からFacebookのインターフェイスを動かしていた。Fiberについての噂は昨年から流れていたが、今回FacebookはFiberについて公に語ることができる段階に来たと判断したようだ。

Facebookによれば、この後React16がリリースされればデベロッパーもFiberベースのインターフェイス・ライブラリを利用できるようになるという。すでにFacebook.comで作動しているということは、新しいライブラリはサードパーティーに公開できるレベルに達しているとFacebookでは判断しているはずだ。

これに関連してFacebookではデータ量の大きいアプリケーションを書くためのRelayフレームワークもリニューアルした。

React Fiber

Facebookにインタビューしたところによれば、まずReact Fiberは完全に後方互換性を保っており、現行Reacで書かれたアプリケーションを作動させることができるという。その上でReactをリリースして以来の経験を取り入れて新しいフレームワークを作ったという。Facebookによれば、React Fiberは今後のReactの発展、改良の基礎をなすという。

特に力が注がれたのが、Reactの反応性を高めることだった。私は今週、FacebookのエンジニアでReactのコア・チームの一人、Ben Alpertにインタビューした。AplertによればFacebookのチームは「Reactを開発するときいつも心がけているのはデベロッパーができるだけ素早くアプリを開発できる環境を作ることだ。アプリを開発労力を軽減すると同時にパフォーマンスと反応性を改善できるよう努力している」という。【略】

しかしなぜReactをゼロから書き直したのか?  Alpertは「現行のコード・ベースに問題があったわけではない。しかし将来の拡張を考えると全く新しいコード・ベースに切り替えるのがよいと考えた」と語った。つまり新しいReactは拡張性に優れているということなのだろう。

Alpertは Fiberが基本的に後方互換だとしたが、同時にこれまでのReactのメジャー・アップデートでもそうだったが、現行システムと互換性がない新しい機能がいくつか含まれることも強調した。ただしチームはこれがデベロッパーにとって問題をもたらすことはないだろうと考えている。

Relay Modern

今日、FacebookはFiberに加えて新しいRelayも発表した。これはデータ・ドリブンのアプリを書くためのJavaScriptフレームワークで、Fiberの場合と同様、アップデートの中心は反応時間の短縮などパフォーマンスの改善と拡張性の強化に置かれている。デベロッパーはFacebookのソーシャルグラフ、GraphQLに対してRelayとReactを組み合わせて検索を行っている。

今回発表されたRelay Modernを利用することによってパフォーマンスが改善されるだけでなく現行Relayのいくつかの制限が取り除かれるという。今日の発表で開発チームは「Relay Modernは現行Relayの良い点、つまりコロケーションされたデータやデータ定義を簡単に参照でき、デクララティブなデータのフェッチが可能だという点を維持しながら、APIの使い勝手を改善し、新機能を追加した。さらにパフォーマンスを改善し、フレームワーク自体のサイズも小さくした」と述べた。多くの改善の中で、特に重要なものはスタティック・クエリーと事前のオプティマイゼーションをサポートしたことだという。

スタティック・クエリーというのは簡単にいえば、ランタイムの条件によって結果がそのつど変化しないような検索を意味する。こうした検索は事前に準備してFacebookのサーバーに作動を任せることができる。つまりローカル・アプリで構成された複雑な検索条件をネットワークを介してFacebookに送る必要がなくなる。アプリはクエリー名の文字列を送信するだけ多くの変数を含む複雑な検索結果を素早く得ることができる。これと関連して、事前オプティマイゼーションはRelayのコンパイラがクエリーの構造を事前に知ることができるため、あらかじめ最適化を行いサーバに格納された検索を高速に実行できるようにする。つまりユーザーは検索結果をこれまでより速く得ることができる。この他React Modernにはビルトインのガーベージ・コレクションなどの機能が追加されている。

古いRelayを利用していたデベロッパーにはRelay Modernに移行するための互換性APIが提供される。

Facebookによれば、AndroidアプリのMarketplaceタブを現行Relayから新しいRelay Modernに置き換えたところ、反応時間が平均して900ms短縮されたという。それだけ聞けばたいした改善ではないように思うかもしれないが、モバイル環境では1秒1秒がものをいう。0.9秒の短縮はユーザーがアプリの反応性が良くなったことに十分気づくレベルだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


【以上】

F8:Facebook、SpacesでVRに最初の一歩―アバターを操作する愉快なプラットフォーム

FacebookがOculusを買収してから3年経ち、VR〔仮想現実〕はますますわれわれのオンライン生活に浸透してきた。今日(米国時間4/18)、サンノゼで開催されたF8デベロッパー・カンファレンスでFacebookはソーシャルVRの実現に向けて重要な一歩を踏み出した。

ベータ版として公開されたFacebook Spacesは簡単にいえばOculus Rift + Touchだ。これはFacebookが対話的3DソーシャルVRをサービスの中心に据えようとする野心的な試みだ。

SpacesではOculus環境を持つユーザーはFacebookアカウントを使ってVR環境で友達とコミュニケーションできるようになる。単なるチャットではなく、音声とアバターのボディ・ランゲージを使うことができる。

Spacesアプリでは、最大4人のFacebook友達が「スペース」と呼ばれる仮想空間にログインすることができる。ここではチャット、お絵描き、360度ビデオ視聴、Messengerによるビデオ通話、漫画のVRセルフィー(最近タグづけされたユーザー写真をベースに作られる)などを利用できる。機能としては基本的なものだが、明るく気軽に楽しめる愉快なサービスを目指しているようだ。Oculusのハードウェア自体がまだかさばり、冷たい印象を与えるのとは対照的だ。

初期のデモで私は短時間だがSpacesを試してみたが、このサービスは一般ユーザー向けにデザインされているという印象を受けた。 もっとも一般ユーザーの大部分はまだOculus Riftを持っていないのだが。Spaceはあまり真面目くさってコミュニケーションを追求してはいない。とっぴで楽しく少々混乱した場所だ。

Spacesのリリースでいちばん注目すべき点は、 今回はOculus Riftがターゲットだったが、すぐに他のVRプラットフォームにも拡張されることが明らかになったことだろう。Facebookのプロダクト・マネージャーのMike Boothは私にインタビューに対して、「われわれは最終的にはVRプラットフォームとなることを目指している」と語った。ここでカギとなるのは、Facebookが―Oculusをを傘下に持つとはいえVRのAppleのようなメーカーではなく、Googleのようなプラットフォームを目指していることだ。

ただしSpacesは現行のスマートフォンをベースにしたVRをサポートすることはない。SamsungやOculus GearのVRは固定視点の360度映像をベースにしており、これは自分のアバターをVR空間で操作すのに向いていない。Gear VRに関してはFacebook 360が用意されている。これは360度写真やビデオを見るためのアプリだ。

Boothによれば、「FacebookのビジョンはソーシャルVRであり、今回のSpacesはわれわれが目指すVRの最初の0.1%」だという。つまりFacebookは遠大な計画のもとに今回のリリースを行ったようだ。

先日の決算報告の電話カンファレンスでFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグは「VRが潜在的可能性をフルに発揮できるようになるには10年はかかるだろう」と述べた。現在FacebookでソーシャルVRを担当しているエンジニアは30人から50人程度だという。しかしVRとARは次第にFacebookのプロダクトで中心的地位を占めるようになっている。消費者の間でVRヘッドセットがポピュラーになるにつれてFacebookのVRエンジニアの数も急増することになるはずだ。

モバイルの世界で次の10年を支配するカギはAR〔拡張現実〕かもしれない。しかしFacebookはVRに関しても驚くほど前向きだ。VRに接するユーザー心理や反応をよく研究している。Spacesは最初の一歩かもしれないが、きわめて重要な一歩だ。

SpacesはOculus StoreのEarly Accessセクションから無料でダウンロードできる。


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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、クリーブランド銃撃ビデオの経緯を発表

Facebookは、オハイオ州クリーブランドの男が自らの銃撃ビデオをアップロードしたことで非難を浴びている。その後容疑者は殺人を告白するライブビデオも投稿した。この殺人事件とその後のFacebookの対応は、凶悪なコンテンツの扱いについて問題を提起した。

Facebookの国際事業担当副社長、Justin Osofskyは声明を発表し、各事象と関連ビデオの時間経過を公開した。

Osofskyの声明は、Facebook上のコンテンツの監視責任をユーザーに委ねるものだが、会社としてもっと適切な管理が可能であることも認めている。Osofskyは、人工知能およびビデオのシェアに関する新しいポリシーが問題解決の糸口になりうること、およびFacebookは現在のレビュー手順を高速化する計画であることを語った。

「一連の悲惨な出来事を受け、当社の基準に反するビデオその他のコンテンツを、できる限り簡単かつ迅速に通報できるよう手順を見直している。今回のケースでわれわれは、最初のビデオの通報を受けておらず、2番目のビデオ(銃撃シーンを含む)の通報を受けたのは投稿から1時間45分以上経過したあとだった。3番目の容疑者がライブで告白したビデオも、通報が届いたのは中継が終了したあとだったとOsofskyは書いている

11:09AM PDT : 第1のビデオ(殺人の意思表示)がアップロード。Facebookへの通報なし。
11:11AM PDT : 第2のビデオ(銃撃現場)がアップロード。
11:22AM PDT : 容疑者が5分間のライブビデオで殺人を告白。
11:27AM PDT : ライブ中継終了、直後に通報あり。
12:59PM PDT : 銃撃ビデオが初めて通報される。
1:22PM PDT : 容疑者のアカウントを凍結、全ビデオを非公開に。

この経緯がFacebookの監視システムの欠陥を露見させている。Facebookは、議論を呼ぶコンテンツや暴力的コンテンツの識別をユーザーからの通報に頼っている。容疑者が告白したライブビデオは別のユーザーによってすぐに通報されたが、殺人そのもののビデオは通報されず、結果的に2時間近く閲覧可能な状態にあった。

「例えば人工知能はこの作業で重要な役割を担っており、ビデオの全編が再シェアされるのを防ぐのに役立っている(ビデオの一部をシェアすることは可能で、これは大衆の認識のためであり、多くのメディアがネットやテレビで使っている手法だ)」とOsofskyは言った。

AIがいくら進歩しても、ライブ中継を暴力行為の放送に使うことをFacebookが阻止できるかどうかはわからない。ライブストリーミングはこれまでにも、銃撃、せっかん、性的暴力などのビデオ共有に使われてきた。そしてユーザーは、Facebookがクリーブランドの殺人がライブ中継されるのを許したことに怒りを表す一方で、警察官がフィランド・キャスティル氏を射殺したビデオを削除する結果となった技術的欠陥にも激怒した。Osofskyはクリーブランドのビデオについて「われわれのポリシーおよびわれわれが支持するすべてに対する挑戦だ」と言った。しかし、時としてユーザーは、政治的に重要であるという理由で暴力的ビデオを残すことをFacebookに期待する。それは微妙なバランスであり、AI単独で解決できる問題ではなさそうだ。

「Facebookが殺人を阻止することはない。AIがどれほど賢くなったとしても、『おい、そのビデオで誰かが誰かを殺しているぞ、ストリームはやめろ』と言えるようになる日は当分来ないだろう」とMike MasnickがTechdirtに書いた。「無分別な殺人や暴力が起きると、人々は答えを探しに走るが、そこには答えがないこともある。しかも無分別な暴力に絡んで使われたツールに答えを求めることが有益だとはとても思えない」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

容疑者が殺人現場のビデオを投稿―Facebookは「対策に全力」と声明

殺人の容疑者が犯行現場を撮影したとするビデオを投稿したことを受けてFacebook は声明を発表した。クリーブランド市警察によれば、Steve Stephensは日曜の夜、ライブビデオで高齢の男性を射殺する現場を放映した。Stephensはこの記事の執筆時点でまだ逮捕されていない

(アップデート;ライブビデオではなくタイムラインへの投稿、被害者は74歳のRobert Godwin Srと判明。Facebookの声明によれば、射殺の現場をアップロードしたのはStephens本人だがFacebook Liveでのストリーミングではなかったという)。

Stephensはさらに2本のビデオを投稿しており、 その中で「他にも人を殺している」、「このアカウントがFacebookに閉鎖される前にできるだけたくさんの人間を殺す」と主張している。

メディア向け声明で、Facebookの広報担当者は「これは恐るべき犯罪だ。われわれはFacebookにこのようなビデオが投稿されるのを許さない。われわれはFacebookを安全な環境とするために全力を挙げている。生命への脅威がありえる緊急事態にあっては捜査当局と協力していく」と述べた。

Facebookの利用約款は 暴力を美化し、誘発するようなコンテンツの投稿を禁止している。しかしリアルタイムないしリアルタイムに近い即時性でビデオや写真を公開できる巨大なプラットフォームでユーザーにこの条項を守らせていくのは本質的に困難な事業だ。

Facebook Liveが一般ユーザー向けに公開されたのはほぼ1年前になる。もちろんほとんどのストリーミングは無害なものだが、中には故意に、あるいは偶然から現実の暴力が放映される場合がある。 この中には、ギャング抗争で幼児が犠牲になった場面や、障害を持つティーンエージャーを長時間拷問した場面、またシカゴスウェーデンにおける性的暴行の場面などが含まれる。

シカゴの集団レイプ事件では現場のライブビデオを見ながら警察に通報しなかったFacebook友達の法的責任が問題とされた。またコンテンツがひとたびFacebook、Twitter、YouTubeなどのソーシャルメディアに投稿されるとダウンロードして保存したり再共有したりするのは容易だ。これによるトラウマの再現で被害者やその家族が事件後も繰り返し苦しめられることを意味する。犯罪者が故意に犯行現場をライブ・ストリーミングする場合には、いわば現実の犯罪に加えてさらに心理的な犯罪を重ねることとなり、さらに大きな問題を引き起こす可能性がある。

画像:Sean Gallup/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookは‘偽いいね!’をばらまくスパマーたちと6か月戦ってやっと勝利を宣言、数字は発表せず

Facebookが今日(米国時間4/14)、過去6か月間同サイトをスパムしていた“高度で組織的な”悪行に終止符を打った、と誇らしげに発表した。

Facebookのセキュリティチームはブログの記事で、不正なlike(いいね!)は、バングラデシュやインドネシア、サウジアラビアなど複数の国のアカウントから来ている、とほのめかしている。これで、出処(でどころ)は分かった。かなり頭が良くて、ログインしたアカウントは数ページをlikeし、スパムし、それから沈黙する。プロキシなどの方法で、これらの偽アカウントが主犯一人の仕業ではないふりをしているが、もちろんボスは一人だ。

そのブログ記事は、用心深く、実際の数を挙げていないが:

残りの不正likeを削除すると、1万以上のlikeのある被害ページの99%が3%未満減るだろう。

何を言ってるのか、よく分からないけど、分かった方はコメントでお教え頂きたい。これまでに削除した不正likeとアカウントは、どれだけなのか? 被害ページは何ページあるのか? 元々likeの少ないページは、被害も少なかったのか、それとも多かったのか? ほかに今現在、同じようにしてFacebookが戦っているいたずらネットワークはあるのか? あるなら、それらは、どれぐらいまで減ると期待できるのか?

確かにみんなにとって良いニュースだけど、ボットやスパマーの数については、Twitterがそうであったように、曖昧だ。たぶん、すごく大きな数だろうと思うが、仮にまあまあの数であったとしても、そのまあまあが、アカウント数1000万とか2000万、1億なら、ユーザーも投資家も平静ではいられない。

このいたずらネットワークの解体は、同社が今週初めに、スパムとフェイクニュース対策を強化する、と発表した直後に発表されたのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))