Facebook、広告を見たユーザーが別デバイスで購入した情報を提供

Facebookは今日(米国時間8/13)、広告を見たユーザーが別のデバイスでその商品を購入した頻度を示す新しいレポートを広告主に提供すると発表した。

デバイスをまたいだコンバージョン率を見るために、 同社はFacebook Conversion Pixel(デスクトップウェブのコンバージョンを追跡する)とFacebook SDKを使用しているモバイルアプリが集めた情報を統合する。新しいレポートによって、広告主は「iPhoneで広告をクリックしたが、後にデスクトップで購入した、あるいはデスクトップで広告を見た後、Androidタブレットで買ったユーザーの数」を見ることができる、とFacebookは言っている。

実際、同社が調べたところ、米国内でFacebookのモバイル広告に興味を示した人の32%が、28日以内にデスクトップで購入した。

Facebookの広告ビジネスは好調のようで、モバイルは特にそうだが、Facebook広告の価値をマーケターに認識させるための努力も必要だった。例えば同社はDatalogixと協力して、Facebook広告がオフライン購入につながった場合のデータを提供している。

新レポートの詳細は、このFacebookブログの記事で読める。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook、ギフトを終了しBuyボタン等のコマースプラットフォームに集中

Facebookは、他の会社が物を売るのを助けるために、自身のFacebook Giftsを8月12日に終了し、StarbucksやiTunes等のギフトカード販売を停止する。Facebookは私に、レイオフは行わないと話した。チームメンバーの殆どは、同社が注力している他のEコマース部門にすでに移っている。Facebook内で直接購入できる “Buy” ボタンや、他のショッピングアプリに支払い情報を自動的に入力する、オートフィル、リアル店舗が既存顧客にFacebook広告を再ターゲットできる Custom Audience等だ。

Buyボタンで売れた商品の収益分配によって、Facebookは自らギフトストアを持ったり、友達の誕生日にギフトの勧誘をしなくても、十分な収益を上げることができる。

FaebookのGifts終了の公式発表:「われわれは、Giftで学んだことのすべてを利用し、企業やデベロッパーのウェブ上、モバイル上、および直接Facebook上での販売促進に役立つ新しい方法を探究していく」。

Facebook Giftsの終焉

2012年9月、Facebook Giftsは米国内のテストグループ向けにスタートした。買収したKarmaというギフトサービスをベースにした、チョコレートやテディーベア、ワイン、ギフトカード等を友達に買うための小さなショップだった。特に便利だったのは、友達の住所を知らなくても、物理的なプレゼントを送れることだ。贈られる側のウォールにはメッセージ付きのギフトが届き、住所を尋ねられる。

Wall Streetの評価も高く、当時株価を下げていたFacebookの新たな収入源として期待された。

しかし、ギフト体験がFacebookに馴じむことはなかった・

Facebookコマースの今後

ギフトの中止と共に、Facebookはもっとうまくいきそうなことに集中できる。自らが売る代わりに、企業がFacebookユーザーに販売するのを助けるのだ。チェックアウトの流れをスムーズにして、購入につながる広告を表示することによって、広告の効果を証明できる。

Facebookによる、今後のEコマースサービスを見ていこう。

Buyボタン:企業はFacebookページにBuyボタン付きの記事や広告を載せ、ユーザーにFacebookを離れることなく商品を購入させることができる。ユーザーは店のウェブサイトに飛ぶ必要がなく、カード情報をFacebookに直接入力するか、登録済みの情報を使ってチェックアウトを完了できる。これで、ウェブサイトのナビゲーションと、支払い情報の入力というコンバージョン率低下の主要因を取り除くことができる。

Buyボタンによって、Facebookは他社の売上を後押しする。アプリを離れ、カード番号を入力するのが面倒なモバイル環境では特にそうだ。Facebookが新たに提供したスクロール可能な多商品広告と組み合わせれば、Facebook内にミニ商品棚が出来上がる。現在Facebookは、Buyボタン経由の販売から収益配分を受け取っていないが、「その選択肢は捨てていない」と私に言った。これは大きな収入源になることが期待できる。商品が売れる限り、店は喜んでFacebookに分け前を渡すだろう。

Facebookによるオートフィル:サードパーティーのEコマースモバイルアプリは、チェックアウト画面に「Facebookでオートフィル」ボタンを付けることができる。ユーザーのカード情報がFacebookに登録されていれば、入力することなくチェックアウトを済ませられる。ここでもFacebookは現在手数料を取っていない。代わりにFacebookは、どのユーサーがどのアプリにいくら払っているかを知ることができる。この情報を、誰が広告をクリックしたかのデータと結び付ければ、Eコマース会社に対して広告の投資効果を実証できる。

Custom Audiences:Facebookは、オフライン購入も推進しようとしている。Custom Audienceでは、店舗はメールアドレス等の顧客情報をfacebookにアップロードして、プライバシーに配慮した形でFacebookの広告ツールを利用できる。例えば、自動車ディーラーが、試乗はしたが購入しなかった顧客のアドレスを知っていたら、Custom Audienceを利用して、背中を押すための広告を見せることができる。Facebookによると、元Giftの責任者、Lee Lindenが現在Eコマース広告製品を担当している。

オフライン販売測定:Facebookは、Custom Audience、およびDatalogixのような企業との提携によって、広告がオフライン購入を促進したかどうかを調べられる。店舗から購入者のアドレスリストを入手できれば、突き合わせて投資効果を証明できる。企業は、もしFacebook広告の方が効果が高いとわかれば、より多くの広告費をFacebookに注ぎ込むだろう。

Facebookは私に、自分たちはまだEコマースに関して初期段階にいると言った。先週の収支会見でCOO Sheryl Sandbergがこう言っていた:「多くの人々がオンラインで購入するようになれば、携帯電話を通じて発見した物を買う人が多くなり、ニュースフィードで発見した物を買いに行く人が多くなれば、Eコマースの推進においてわれわれがより重要になる。今Facebookは益々重要になっていると私は考えている。これは、われわれが商品を販売する、あるいは販売する必要があるとい意味ではない」

Giftsは失敗だったかもしれないが、Facebookは、人々が誰であり、何を気にしているか、何を買うかについて、膨大なデータを持っているので、Eコマースに関わる方法は無数にある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook、数日中にチャット機能をMessengerアプリに全面的に切り替える

数日中にFacebookはiPhoneとAndroidアプリ内でのチャット機能を打ち切り、世界中のユーザーにスタンドアローンのFacebook Messengerアプリの利用を要求することになる。Facebookはさる4月にヨーロッパのユーザーに対してMessengerアプリのダウンロードを求め始めていた。ただし、デスクトップ、モバイル・ウェブ、iPad、フィーチャーフォン、Windows Phone、Paperでは従来どおり、FacebookサイトないしメインのFacebookアプリ内からチャットができる。

これまでユーザーはスマートフォンのFacebookアプリのメッセージ・タブからチャットするか、Messengerアプリをダウンロードし、メインアプリのメッセージ・タブは単に通知用にして、Messengerアプリに切り替えて実際のチャットを行うか選ぶことができた。

しかし、数日中に、iPhoneとAndroidのユーザーは選択の自由を失う。Messengerをダウンロードするよう促す通知を何度か受け取った後で、メイン・アプリ内のチャットは機能を停止するはずだ。またFacebookはユーザーにこの変更を説明するメールを送っている。

上の写真のようなMessengerへの切り替えを告げる時計をかざしたラッコはかわいらしいが、一部のユーザーは不満を感じるだろう。

メディアの注目を集めることを嫌ってか、Facebookはこの変更について公式ブログに記事を掲載せずユーザーに直接通知するという方法を選んでいる。私の取材に対してFacebookは次のように回答してきた。

ここ数日の間、われわれはユーザーに対し「Facebookメッセージを送受するにはMessengerアプリをダウンロードすることが必要になる」と通知を続ける。この変更によって、われわれはメッセージの改良に関する努力をMessengerアプリ一つに絞ると同時に、複数のメッセージ・アプリが存在することによるユーザー体験の混乱に終止符を打つ。Messengerアプリはすでに月間で2億人のユーザーによって利用されている。

Facebookはメインのアプリ内のメッセージタブを廃止し、その代わりに画面下部にMessengerアプリへのショートカットを設ける(左画面)。Messengerアプリのトップのバーをタップするとメインのアプリに戻る(右画面)。

この変更の理由は論理的ではあるが、ユーザーのすべてが納得はしないだろう。2つのアプリをインストールしてして使いわけるのを嫌う人々もいるだろう。またユーザーが何をしていてもチャットヘッドがポップアップする方式では、他の作業をしながらチャットができたので、専用アプリを起動する新たな方式はかえって不便になったと感じるユーザーもいるだろう。

しかしFacebookによれば、専用のMessengerアプリを利用することによってユーザーの送受するグループメッセージ、写真、ビデオ、スタンプ、音声クリップの数はいずれも大きく上昇したという。つまり専用アプリのユーザー体験の方が快適だということになるのだろう。専用アプリはすでに2億人が利用して毎日120億通のメッセージがやりとりされているという。Facebookとしてメッセージを専用アプリに一本化することで開発努力を大いに効率化できる。、

下のビデオではMessengerのデザイナーが新方式の必要性を説明し、作動のデモを行っている。

実際Messengerアプリはメイン・アプリ内のメッセージタブより使いやすい。またここ数ヶ月で機能が大いに改良されている。最近、カメラで録画した動画や自撮り写真の共有機能やSnapchat風の写真やビデオを簡単にやりとりできるボタンを追加した。Foursquareが普及を試みているが評判のよくないチェックイン・アプリのSwarmとは違ってMessengerは安定した高機能のアプリに仕上がっている。

しばらくすればユーザーも新方式に慣れ、Messengerの使用を受け入れることになるかもしれない。 そうなればCEOのマーク・ザッカーバーグがすでに語っているように、Messengerを支払い手段にすることでマネタイズを図ることもできるだろう。

しかしやはり今回の変更は「Facebookのやり方は強引だ」という反発を招く可能性はある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、時価総額1900億ドルでAmazonを上回る

Facebookの時価総額がAmazonを上回った。昨日行われた収支報告をうけて、Facebookの株価は75ドルとなり過去最高を記録した。この傾向は一夜あけても続くこととなり、株価上昇が一過性のものではないことを示しているようだ。マーケットの開始とともに株価は75.96ドルとなり、最高で76.74ドルをつけた。その後、75.14ドルあたりで売買されている。

これにより時価総額は1900億ドル程度となり、Amazonの1650億ドル程度を上回ることとなった。

収支報告によれば売上は29億1000万ドルを記録し、これは1株あたり0.42ドルとなっていて、アナリストの予測を上回るものとなっていた。チャートを見る限り、成長の陰りなど見られないような状況となっている。今や、公開後にうまくいっているテック企業のお手本ともいうべき成績を示している。

このFacebookの好調は市場全体にも影響し、テック関連株については強気の見方が広がっているようでもある。

参考までに、Facebookは2012年5月の公開当時からすると、大きく変容してきたということができる。公開当時、利用者の多くはパソコンからアクセスしていた。また掲載されていた広告についても、効果的であるとはいえない状況でもあった。しかし現在では多くの利用者が常に手元に持っているスマートフォンからアクセスし、またモバイル広告も非常に良いパフォーマンスを示しているようだ。

さらに昔の5年前を思い浮かべるのなら、当時はFacebookの時価総額がAmazonを上回るなどと想像した人はだれもいなかった。GoogleやMicrosoftと比較しても、その半分の規模に成長しているのだ。蛇足かもしれないが付け加えておけば、Twitterと比較すると8倍の価値をもつにいたっている。

Image credit: Bryce Durbin

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(翻訳:Maeda, H


Facebook、1ユーザー当たり売上で新記録達成

Facebookは、非常に好調な四半期を報告し、売上および1株当たり利益共にアナリストの予測を上回った。直前四半期からのユーザー数増加は控え目だったが、Facebookの株価は、時間外取引きで急騰した。

同四半期の強力な財務業績を支えているのが、平均ユーザー当たり売上(ARPU)の高さだ。Facbookは、全世界平均でユーザー1人が生み出す売上の世界記録を打ち立てた。


【訳注:地域毎にスケールが大きく異なっている】

このグラフから、Facebookがユーザー基盤を広げながら、かつ1ユーザー当たりの稼ぎ高を増やしていることが読み取れる。これは、北米と比べて業績の低い地域も、1ユーザー当たり売上を押し上げ、今後のFacebookの売上を伸ばす見込みがあることを示唆している。

もちろん、Facebookは、WhatsAppInstagramという、収益可能性の点では別の展望を持つアプリケーションにも、期待をかけている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook株、時間外取引で史上最高値の75ドルに。好調のQ2業績による

Facebook株は、2012年のデビュー後数ヵ月間、下降を続けて不評を買い、アナリストらは、このIPOを騒ぎすぎだと評した。しかし、あの日々が、遠い彼方の記憶のように感じる。

好調のQ2業績を受け、Facebook株は、時間外取引で過去最高値を記録した。最近1時間でジワジワ上り続け、現在は1株75ドルを越えている。通常取引の終値は71.29ドルで、最近52週の最高値より1.30ドル低く、時価総額は1830億ドルに迫る。

Facebookは今日、Q2の業績を発表し、売上29.1億ドル、ユーザー数13億人以上でアナリストの予測を上回った。しかし重要なのは、財務諸表の数値と同じく、同サービスの利用量も増えていることだ。

電話会見中、CEO Mark Zuckerbergは、米国内の平均的Facebookユーザーは、1日当たり40分を同サービスで費していると話した。比較のために挙げると、わずか1年と少し前、米国のソーシャルメディア全体の平均利用時間は計16分だった。

米国は、Facebookにとって現在最も支持が厚く価値の高い市場であり、これは同サービスが今も自国で好調であるだけでなく、Facebook利用が未だに発展途上の地域でも何かが起きる可能性を示す、投資家へのシグナルだ。Zuckerbergが今日指摘したように、「伸びる余地はまだまだある」。

そして、現行ビジネスの好調さが、新たな収益化機能の実現に関して同社に考える余裕を与えていることも興味深い。Zuckerbergは今日、支払いはいずれメッセージングと「融合」することを認めた(以前から予想されていたことであり、Facebookのメッセージに関する重要な買収先であるWhatsAppが、プラットフォーム上の広告を全面的に廃止すると宣言して以来、なおさらだった)。ただし、本誌のJosh Constineが指摘しているように、期待するのはまだ早い。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebookの第2四半期は売上29.1億ドルと好調―広告の62%はモバイル、ユーザーは13.2億人

Facebookの四半期決算は8期連続でアナリストの予想を上回り、2014年の第2四半期は売上29億1000万ドル、一株当たり利益0.42ドルとなった。Facebookのモバイル事業は全体の2倍のスピードで成長を続けており、現在、月間モバイル・ユーザーは10億7000万人、1日当たりモバイル・ユーザーは6億5400万人だ。そのおかげで、広告収入の62%をモバイルから得ることに成功している。全てのプラットフォームでの月間ユーザー数は13億2000万人、1日あたりユーザー数は8億2900万人で、63%のユーザーは毎日利用している。今期決算についてウォール・ストリートのアナリストは売上28億1000万ドル、一株当たり利益0.32ドルと予想していた。

この決算を好感して株価は時間外取引で3.77%アップし、過去最高値の73.99ドルとなった。

〔売上高の推移に関するインフォグラフィックスは原文を参照〕

今年第1四半期と比較すると、月間全ユーザー数は12億8000万人から13億2000万人へと3.125%アップ、 1日当たりユーザーは8億2000万人から8億2900万人へと3.36%のアップだった。月間モバイル・ユーザーは10億1000万人から10億7000万人へと5.9%のアップ、 1日当たりユーザーは6億900万人から6億5400万人へと7.4%のアップだった。

注目されるのはFacebookがアメリカとカナダで前期に比べて200万人も1日当たりユーザーを増やしたことだ。これは「Facebookは先進国市場で人気を失っている」という批判を黙らせる効果があるだろう。またモバイルのみのユーザーは3億9100万人とデスクトップのみのユーザー2億4000万人を大きく上回っており、モバイル化が順調に進んでいることをうかがわせる。

また今期、Facebookは世界におけるユーザー当たり売上は過去最高を記録し、ユーザー当たり広告収入も全地域でアップした。

その一方で、売上手数料収入は不振となった。この部門は主としてFacebook内でのウェブゲームの売上に対する30%の手数料からなっているが、総額2億3400万ドルは第1四半期の2億3700万ドルからわずかにダウンしている。ただし対前年同期比では9%のアップだ。この不振の原因はアメリカとカナダのユーザーがゲームのダウンロードについてはiOSとAndroidのストアに大挙移動したことによるものだ。

今期、Facebookはサードパーティにモバイル広告を販売する広告ネットワーク、FAN(Facebook Audience Network)の立ち上げなど、ビジネス面で多くのニュースを作ってきた。ただしこれらの事業はまだ初期段階にあり、決算に影響を与える存在になるにはまだ時間がかかるだろう。

午後に予定されているカンファレンス・コールで「ティーンエージャーのFacebook離れ」という情報についてFacebookがなんらかの説明をすることを期待している。少なくともアナリストの誰かはこの点について質問するだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、「保存」機能をリリース、URL、場所などを「あとで読む」リストに保存できる

「後で読む」サービスのスタートアップ、Spoolを買収して2年、今日(米国時間7/21)、 FacebookはiOS、Android、ウェブでSave〔保存〕をローンチした 。これはニュースフィード中のURL、場所、イベント、映画、テレビ番組、音楽などをリストに保存し、後で読むことができるようにする機能だ。

PocketInstapaperのようなサービスとは異なりFacebookのSave機能は対象となるコンテンツそのものを保存はしない。しかし興味を引かれた情報を「後で読む」リストに保存することができるようになれば、ユーザーはタイムライン読んでいく能率が大きく改善される。全ユーザーに公開されるにはあと数日かかるもようだ。

ユーザーは「保存」機能を使えば、その場で読まなかったためにそのまま忘れてしまう心配なしに大量のアイテムに目を通すことができる。

仕組み

「保存」が有効になると、モバイルでもウェブでも、タイムラインの記事の右下に「保存」ボタンが表示されるようになる。また記事右上隅の下向き矢印からドロップダウンメニューを開いて「保存」を選択してもよい。場所、映画、テレビ番組、音楽、イベントなどのFacebookページの場合、もっと目立つかたちで「いいね!」ボタンに並んで「保存」ボタンが表示される。保存されたアイテムのリストはウェブの場合は左サイドバーに「保存中」として表示される。モバイルの場合は「さらに表示」タブに表示される。「さらに表示」というのは「近くのスポット」や「設定」が表示されるタブだ。

「保存」リストはコンテンツのタイプ別にカテゴリー分けされており、ユーザー本人だけが閲覧できる。ユーザーは友だちと共有したり、アーカイブしたりできる。リストのコンテンツはFacebookがキャッシュしているわけではないので、見るためにはウェブ接続が必要だ。Facebookはときおり、タイムラインに保存した内容をカルーセル(横スクロール)方式で表示し、ユーザーに注意を促す。

興味を引かれたが読む時間がなかったアイテムを保存できるというのは便利だ。また「場所」のページが保存できればレストランや観光地などのリストが作れる。しかし映画やテレビ番組をリストするユーザーはあまり多くないかもしれない。

Facebookのブログ記事はあまりにも簡単だったのいくつか質問してみた。

ページの管理者が「保存」された回数などの統計が受け取れればコンテンツの改良に役立つだろうと思ったが、Facebookの回答は「現在は提供していない」だった。またサードパーティのサイトでFacebookの保存リストにアイテムを追加できるようなAPIや「保存」ボタンの提供も現在は考えていないということだ。また他の「後で読む」サービスに「保存」リストを直接エクスポートすることもできない。

しかし「保存」機能の利用がポピュラーだと判明すればFacebookは独立の「保存」アプリを開発するかもしれない。すくなくともニュース閲覧アプリのPaperで読めるようにするだろう。

リリースまで時間がかかったが、影響は大きい

Facebookがコンテンツをキャッシュしないのはパブリッシャーのパートナーに対する配慮からだろう。もしFacebookがコンテンツをスクレーピングして保存するのであれば誰もオリジナルのページを訪問せず、ページビューも得られず、広告も閲覧されないことになってしまう。ページを作ってコンテンツを提供し、広告を買ってくれるこうしたパブリッシャーを怒らせるのはFacebookのビジネスにとって不得策だ。

Facebookの「保存」機能は専用サービスのように本格的なものではないが、そもそもそういうサービスを利用するユーザーがターゲットではないだろう。また「保存」は個々のユーザーが何に関心を抱いたかをFacebookに正確に教えてくれるという意味でも貴重だ。

通勤途中や行列に並んでいる間などの慌ただしい時間に発見したコンテンツでも後でじっくり読めるとなればFacebookの利用の質も変わってくる。特にモバイルでは「保存」の効果は大きい。タイムラインをざっと眺めるだけだなく、Facebookで長い記事を読み、深い知識を得ることもできるようになるだろう。

〔日本版〕訳者の環境ではまだ「保存」機能は有効になっていないが、日本語ヘルプページにはすでに「保存」機能の解説が掲載されている〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebookのエンゲージメントを成功に導く12点の要素

日本でも普及が進んできたFacebookを活用したマーケティング、私の会社でも各事業で活用していますが、時にSEO以上に効果的?と思われるケースもあり、ソーシャルメディアマーケティングは奥が深いなぁ、と思う最近です。今回は、米国のデータ解析会社が企業が運営するFacebookページを分析し、エンゲージメント率アップに効果があると思われる投稿内容の要素を12紹介してくれた記事を。 — SEO Japan


弊社、Rival IQは、2万社近い会社のFacebookのページのデータをほぼリアルタイムで計測している。そこで、私はこの一連のデータを使って、Facebookのエンゲージメント(参加を介した交流)におけるベストプラクティスを幾つか特定してみた。

これはランダムにページを抽出したわけではない。ページの多くは、Rival IQのユーザーからリクエストに応じて、チェックを行っているが、メジャーなブランドは、ほぼ全て網羅されている。

Facebookで「Good」は何を意味するのか?

それでは、この2万近いページの中から、特に優秀なページを特定する方法を説明していこう。実は、割と一般的なメソッドも利用している。まず、この実験では、ファンが5000名以下のページは除外している。さらに、2014年4月15日から5月14日の期間において、平均エンゲージメント率/日(エンゲージメントの総計/ファンの人数/日数)が高かった上位100社のページに絞り込んでいる。エンゲージメント率を計測すると、ファンが定期的にコンテンツを利用する確率に基づいて、1万人のファンを持つページと100万人のファンを持つページを比較することが可能になる。

下に掲載しているスプレッドシート(Google ドキュメントで閲覧)は、全てのデータ(未編集状態)を表示している。その後、英語以外のサイト、一部の重複するサイトを削除し、分類を行った。念の為に言っておくが、パフォーマンスが良くないために英語以外のページを削除したのではなく、Google 翻訳に長時間をつぎ込まなければ投稿を評価することが出来ないためだ。その結果、15のカテゴリーに散らばる60社のFacebookのページがリストアップされた(Google ドキュメントで閲覧する):

 12 Facebook Success Factors Based on Real Data

発見 #1: 上位にランク付けされたページの中では、ニュースサイトが最も多く、小売、野外娯楽/スポーツ、ファッションが続いている。

発見 #2: この方法でトップ 100にランクインしたペーージのほぼ全てが、B2Cサイトであった。企業をターゲットにしているページはごく僅かであった(Boom Social — キム・ガーストVolunteer Spot)。

発見 #3: 大手のブランドが、必ずしも上位を独占しているわけではない。事実、上位には、有名な会社の名前は一つも見当たらなかった。誰にでも分かるブランドは、Billboard.com、USPS(宣伝投稿の可能性が高い — 後ほど紹介する)、そして、Huffington PostやHello! Magazine等の複数のニュースメディアのみであった。

Facebookでは何が有効に働くのか?

総合1位を獲得したのは、ICICI Prudential Life Insuranceであった。聞いたことがない方も多いのではないだろうか?どうやら、Convince and Convertで以前指摘した通り、コンテストは、エンゲージメントを促す効果があるようだ。ICICI Prudential Life Insuranceが典型的な例である。

発見 #4: コンテストは、Facebookでのエンゲージメントを大きく促す。

2位 – 10位のFacebookページと教訓

会社名

カテゴリー

平均エンゲージメント率/日

ファンの人数

エンゲージメントの種類

Ziglar

自己改善

220.75

1,488,009

気分を良くする & 刺激を与える名言

DealDash

小売

197.06

1,325,005

懐かしい、刺激を与える名言

9GAG

ユーモア/ゴシップ

190.78

11,755,071

ユーモア

blinkbox

娯楽

183.33

93,595

ユーモア — 投稿の宣伝?

My Fox Orlando

ニュース

173.28

169,897

心が洗われるストーリー

SoleCollector

ファッション

163.22

571,270

靴の写真

KING5.com

ニュース

148.85

237,991

写真 & 心が洗われるストーリー

Inked Magazine

趣味

132.02

6,640,983

タトゥーの写真 & 頻繁な投稿

Petflow

小売

114.82

1,890,357

可愛いペットの写真 & 頻繁にシェアやいいね!を要請

 12 Facebook Success Factors Based on Real Data

 12 Facebook Success Factors Based on Real Data

 12 Facebook Success Factors Based on Real Data

 12 Facebook Success Factors Based on Real Data

 12 Facebook Success Factors Based on Real Data

 12 Facebook Success Factors Based on Real Data

2位 – 10位のページで判明した事実と得られる教訓:

  • Facebookのユーザーは、前向きな名言、人情に訴えるストーリーに反応する。

  • 画像は効果が高い — エンゲージメント率が特に高い50点の投稿のうち、画像が含まれていなかったものは8%のみであった。その他の投稿は、画像をふんだんに利用している。

  • 時折、シェア/いいね!を要請しよう。リツイートやいいね!を要請すると、実際に行動に移してもらえる確率が高くなる。これはお決まりのアドバイスだ。やり過ぎてしまいがちだが、PetFlowは、それでも効果があることを証明している — あるいは、少なくとも、可愛いペットの写真と組み合わせると効果はある。

  • Facebookは、投稿の宣伝を明らかにしないものの、いいね!:ファンの人数の比率が不釣り合いであり、例えば、大量にシェアされている等、バイラル化した兆候が見られない時は、投稿の宣伝が用いられている可能性がある。

  • 平均エンゲージメント率/日の弱点は、大量の投稿を行った場合、それぞれのエンゲージメント自体は少なくても、積み重なると大きくなってしまう点である。Inked MagazineやPetflow、そして、その他のニュースメディアは、1日に40回以上の投稿を行う一方、Ziglarsは4.5回に投稿回数を抑えている。これは私自身への戒めだが、投稿あたりのエンゲージメントと1日あたりのエンゲージメントでエンゲージメントを分類して評価するべきであった。

発見 #10: 投稿の宣伝は有効だ。

弊社、Rival IQでは、FacebookやTwitterでの(競合者の)投稿が、宣伝機能を用いているかどうかを特定してもらいたいと要請を受けることがよくある。自分のページに関しては、インサイトを介して、自然と宣伝のアクティビティを確認することが出来るものの、FacebookもTwitterもプロモーションかどうかを明らかにしていない。しかし、全体的なページのいいね!の数に対して、当該の投稿のいいね!が多い等、宣伝されているかどうかの手掛かりは、公開されているデータから得られる。

 12 Facebook Success Factors Based on Real Data

この投稿が上位にランクインしていたのは意外であった。少し調べてみると、Principal Financial Groupが、最近、定年後の生活と貯蓄に関する一連の動画を展開していることが判明した。従って、この投稿は、宣伝機能を利用している可能性が高い。

同様の怪しい投稿をもう一点紹介する…このUSPSの投稿は、宣伝だろうか?Principal Financial Groupの投稿ほど明白ではないが、恐らく、宣伝だと思われる。

 12 Facebook Success Factors Based on Real Data

USPSによる上位の投稿、そして、獲得したエンゲージメントを調べていくと、組織的なキャンペーンが行われているように感じられる。

発見 #11: 単純に素晴らしい作品を投稿する。

単純に素晴らしい作品を投稿したためにバイラル化したケースは多い。New Zealand Heraldの画像/投稿が良い例だ: 12 Facebook Success Factors Based on Real Data

発見 #12: 現在、名言は有効に働く。

キム・ガースト氏のBoom! Social等の複数のB2BのFacebookページは、刺激的な名言をとても効果的に活用している。

 12 Facebook Success Factors Based on Real Data

Facebookを成功に導く要素

まだまだ発見した点を挙げていくことも出来るが、そろそろ切り上げさせてもらう。上位の会社をご自分で調べたいなら、今ならRival IQのこのページから無料でコピーすることが可能だ。新たな発見をコメント欄でシェアしてもらえると嬉しい。

以下に、私が得た情報をまとめていく:

  • エンゲージメント率/日でランク付けを行うと、ニュース系サイトが上位を占める。小売、屋外娯楽・スポーツ、そして、ファッションも健闘している。

  • ほぼ全ての上位にランクインしたページは、消費者をターゲットにしている(B2C)。

  • 上位にランクインした大手企業は少なかった。

  • コンテストは、Facebookでエンゲージメントを大幅に活性化するポテンシャルを持つ。

  • ユーザーは、ポジティブな名言、懐かしいストーリー、そして、人情に訴えるストーリーに反応する。キム・ガースト氏が、Boom! Socialで実施しているように、B2Bの環境でも、この傾向を活用することが出来る。

  • 画像は効果が高い — 上位50点の投稿のうち、画像を含む投稿は92%を占めている。

  • 時折、シェア/いいね!を求めると良い。ただし、やりすぎは良くない。それでも、要請する行為自体に害はない。

  • たとえ明記されていなくても、宣伝投稿を特定することは可能である。


この記事は、Convince & Convertに掲載された「12 Facebook Success Factors Based on Real Data」を翻訳した内容です。

各要素だけ見るとどれも当たり前というか特に驚きもなく納得できるものが多かったですね。取り上げられている各事例を参考にしつつティップスを参考に、地道に丁寧に運用していくことが結局は成功の近道ということでしょうか。 — SEO Japan

Mozilla、開発中の高性能JPEGエンコーダーの最新版をリリース

Mozillaが、JPEGエンコードに用いるmozjpegイメージエンコーダーの最新版をリリースした。新しいバージョンは既にfacebook.comにてテストが行われた。ちなみにFacebookはMozillaに対してプロジェクトの継続を目的として6万ドルを寄付している。

読者の方はよくご存知のことだが、ウェブで用いられている画像フォーマットといえばPNGとJPEGがほとんどを占めるという状況だ。MicrosoftやGoogleは独自フォーマットをリリースしたりということもしているが、広く利用されるようにはなっていない。GoogleはChrome利用者向けに自サイトでWebPをアピールしているが、マウンテン・ビュー外部ではほとんど利用されていないといった状況だ。

Mozillaはバージョン2.0ではベースラインおよびプログレッシブの双方で、平均5%の軽量化を行うと主張している。画像によって圧縮率は当然異なるが、最大で15%の軽量化を見込んでいる。もちろん5%に至らないものもある。最初のリリース時にはプログレッシブJPEGのみに対応していたが、今回からはベースラインにも対応してきている。

MozillaのCTOであるAndreas Galは、WebPやMicrosoftのJPEG XR、あるいはその他のロイヤルティフリーの新フォーマットは、導入の手間などを考えればJPEGにとってかわるものとなり得ないと考えている。そのようなわけで、Mozillaは最も広く利用されている不可逆圧縮フォーマットであるJPEGに注力しているわけだ。

また、写真が多く投稿されるFacebookにとってみれば、ファイルサイズを小さくすることができれば、サイトの読み込み速度があがり、帯域確保にかかる費用が安くなるという意味がある。そのような観点からFacebookはプロジェクトへの協力を行なっているわけだ。

Facebookのソフトウェアエンジニアリング部門マネージャーのStacy Kerkela曰く「Facebookは、Mozillaが見た目を犠牲にすることなく、より小さなJPEGファイルを生成するエンコーダーを構築するプロジェクトを支援しています」と述べる。「mozjpeg 2.0により、画像のオプティマイズが行えるようになり、Facebook上での交流がさらに盛んになるだろうと期待しています」とのこと。

今年はじめに最初のバージョンをリリースしたときにMozillaが言っていたように、新たなバージョンではビデオエンコーディングで用いられてきたトレリス量子化を利用している。またインプットにJPEGを用いることができるようになっていて、既存イメージの再圧縮にも活用しやすくなっている。また、各種改良作業により、既存JPEGエンコーダーとの互換性もアップしている。

Mozillaが新たなフォーマットを採用すれば、そのフォーマットが広まるきっかけとはなり得る。しかしそうした動きを生むためには、新フォーマットが既存の形式に対して明白な利点を持つことが必要だ。WebPなどがJPEGではサポートしていない機能(アニメーションなど)を持っていることは認めるものの、しかしMozillaではそうした新形式を迅速にサポートしようとは動いていない。新形式を求める努力により、進化がもたらされるであろうことはGalも認めている。しかし新たなフォーマットを求める動きはパテントによって保護されているケースも多く、Mozillaとしても積極的なサポートには動きにくい状況であるのだ。そうした中、Mozillaとしてはビデオ圧縮フォーマットのDaalaのサポートの方が先になる可能性の方が高そうだ(静止画像にも適用可能なフォーマットだ)。こちらの方はXiph.Orgとのパートナーシップにより開発中だ。

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(翻訳:Maeda, H


Facebook MessengerがやっとiPadに登場―マネタイズ開始も近い?

FacebookがBelugaを買収してスマートフォン向けチャットアプリのMessengerをリリースしてから3年になる。今日(米国時間7/3)、やっとiPhoneアプリを拡大しただけではないiPad専用Messengerアプリが登場した。iPad版にはスレッドのリストと現在のスレッドを並行して表示するマルチウィンドウ機能が備わっている。Messengerには4月の時点で2億人以上のユーザーがいるが、これでiPadの広い画面でメッセーjジがやりとりできるようになった。

Messenger for iPadにはスタンプ、グループチャット、VoIP通話などiPhone版Messengerのほとんどの機能がある。わずかに欠けているのは最近追加された2画面自撮りカメラ長押しでビデオ撮影の機能だけだ。Androidタブレット版についての計画は明らかにされていない。

FacebookとMessengerの双方をiPadにインストールすれば、Facebookのメッセージ・ボタンをタップするだけでMessengerアプリに切り替わる。Messengerの画面トップのバーをタップすればFacebookに戻る。〔日本版:日本版のMessenger v7.0ではそのようになっていないようだ。〕

Messengerがサポートするデバイスを増やすことはSMSを改革してモバイル・チャット分野でも優位性を確立しようとするFacebookの長期戦略にとって重要なテーマだ。Facebookといえばニュースフィードとプロフィールを思い浮かべるのが普通だが、多くのユーザーは一般公開されたコンテンツを毎日丁寧に読むわけではない。むしろ特定のユーザー間の直接のメッセージのやりとりがユーザーの日常生活にとって重要な役割を果たすようになっている。

またメッセージはユーザーのソーシャル・グラフに深く関わっており、ソーシャル・ネットワーク活動そのものといえる。そのためFacebookはこの分野で優位に立つために全力を挙げている。実際チャットはそれ自身で巨大なソーシャルネットワークをいくつも生み出している。これがFacebookが190億ドルの巨額でWhatsAppを買収した理由だ。世界で5億人のユーザーを持つWhatsAppには、ステータスアップデート機能などを備え、単なる無料SMSアプリという以上の存在になりつつあった。Facebookがユーザーの限られたアテンションを奪われる恐れを感じたのももっともだ。

今のところFacebookはMessengerからは直接収益を上げていない。Facebookはこれをユーザーの囲い込みに利用しているようだ。サポートするデバイスが増えれば囲い込みはそれだけ有効性を増す。しかしMessengerアプリを利用した収益化の方法はいくらでも考えられるだろう。最近、FacebookはPayPalの社長、David Marcusを引き抜いて、メッセージ・プロダクト担当副社長に据えている。

この人事を発表した際、Facebookは「Marcusはこれまで数々のすばらしいプロダクトを作り上げると同時に、それらをすばらしいビジネスに育てる方法を見つけ出してきた」とコメントしているのは興味深い。これから察するに、Facebookは近くMessengerのマネタイズを図るのだろう。Lineのようにユーザーがスタンプを購入したり、自分のデザインしたスタンプを販売してりできるようにするのもよいだろう。また、最近のLegoMinifiguresパッケージのように、大手映画スタジオ、おもちゃメーカーなどと提携してブランド・スタンプを販売することもできる。

しかしそれよりももっと大きなビジネスチャンスは、まさにMarcusの専門分野である「支払」だ。Messenger上にP2Pの支払いネットワークを作って少額の手数料を得ることもできる。現在、世界中でオンライン送金の手数料は法外に高い。海外へ送金しようとすると、送金額の1.5%から最高で20%にもなる。現在有力な送金サービスはWestern Union、MoneyGram、Telegiros、Remit2Indiaなどだが、Facebookが参入すればこうした既存サービスを打ち負かすことは可能だろう。Facebookの参入で手数料が下げれば母国の家族に継続的に送金している出稼ぎ労働者などが大きな恩恵を受けるだろう。

もちろん、iPhone/iPadはこうした労働者には高価すぎるデバイスだが、サポートされるデバイスが増え、サービスのユーザーが増えればMessengerがネットワークとしてさらに有効性を増すことになる。

〔日本版〕 記事中にも注記したが、AppStoreで公開されている日本語版Messengerはv7.0にアップデートされているものの、Facebookとの自動切り替え機能などは現在サポートされていないようだ。iPadのFacebookアプリでメッセージアイコンをタップしてもMessengerアプリは自動的に起動しない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、モバイルビデオ広告ネットワークのLiveRailを買収、ビデオ広告事業の強化へ

Facebookは先ほど、ビデオ広告配信テクノロジーのLiveRail買収したことを発表した。このスタートアップは広告主とウェブサイトのパブリッシャーを結びつけ、モバイル・ビデオ広告を毎月70億回も配信している。情報源によれば、Facebookの買収額は4億ドルから5億ドルの間だろうという。

取材に対してFacebookは買収条件についてのコメントは避けたが、「LiveRailの運営継続のために必要な資金を投資する。LiveRailとのデータの共有方法については今後検討していくが、基本的にはLiveRailの広告ターゲティングを助けるものとなるだろう」と述べた。社員170人のビデオ・スタートアップの買収によってFacebookのビデオ広告における地位は強化されることになる。

2007に創立されたLiveRailは、いわゆる「サプライサイド・ビデオ・プラットフォーム」として知られるサービスにメジャーリーグ野球、ABC、A&E Networks、Gannett、Dailymotionなどの有力顧客を抱えている。LiveRailは独自のビデオ広告ターゲティング・テクノロジーによって広告主が想定する対象に広告を表示する。またビデオ広告を供給することによってサイト運営者も助ける。

LiveRailはSan JoseのPond Venturesを主要投資家として、シードからシリーズCまでのラウンドで総額1200万ドルを調達している。 買収金額がわれわれの聞いたように4億ドルから5億ドルだというのが事実なら、Pondにとってこの投資は大成功だったことになる。

LiveRailの核心はリアルタイムの広告オークション・テクノロジーにある。LiveRailは広告配信先のサイトのすべてのビデオ広告掲載スペースとその条件をスキャンし、広告主に対してもっとも有利な条件の広告枠をダイナミックに判定する。この広告主とパブリッシャーの双方を利するテクノロジーはFacebookが開始したサードパーティーへの広告ネットワークを強化するためにうってつけだ。

LiveRailはまたCheckpointというテクノロジーを持っており、アルコール飲料、タバコその他の年齢制限のある広告が未成年者の目に触れないようにできる。

2013年にLiveRailはTechCrunchの取材に対して、対前年比300%の成長を続けており、年間売上1億ドルを達成できる見込みだと答えている。当時同社は2014年中の株式公開を考えていた。しかしFacebookの出した条件のほうがさらに良い選択肢となったわけだ。LiveRailが株式上場に懸念を抱くようになった事情はよく理解できる。IT系スタートアップの上場は次々に不調に終わっている。たとえば、YuMeは9ドルで上場したが、現在は5.95ドルだ。Tremor Mediaの上場価格は10ドルだったが、今は4.61ドルだ。

上で述べたように、Facebookは今年5月のf8カンファレンスでFacebook Audience Networkというモバイルビデオ広告ネットワークをローンチした。おそらく最終的にはFacebookのAudience NetworkとLiveRailは統合運用され、あらゆるプラットフォームのアプリにビデオ広告を配信することになるだろう。

この3月、Facebookは自サイト向けに15秒の自動再生ビデオ広告をスタートさせている。いわばFacebook版のテレビCMだ。LiveRailの広告ターゲティング・テクノロジーとFacebookの膨大なユーザーデータが統合されれば、たとえば映画の予告編などのビデオ広告をそれにもっとも興味を示しそうなユーザーに対して効率良く表示することが可能になる。

ソーシャル公告戦争は現在激しさを増しているところだ。今週月曜にはTwitterがモバイル広告の再ターゲティングのスタートアップ、Tap Commerceを買収したが、Twitterは今年に入ってネーティブ・フォーマット広告のNamo Mediaを5000万ドルで、モバイル広告市場のMoPubを3億5000万ドルの巨額で買収している。

広告費が活字媒体やテレビからオンラインにシフトする中、広告ターゲティングはオンライン広告の市場シェア獲得のためにもっとも重要なテクノロジーとなりつつある。LiveRailの買収によってFacebookはテレビCMに対する大きな優位性を手に入れた。同時に、われわれユーザーにとっても、まったく興味のない商品のCMビデオを見せられる可能性が減少するならメリットがあるわけだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、アプリの再エンゲージメントにApp Linksを利用開始

App Linksは、Facebookのデベロッパーがアプリ内の特定コンテンツにリンクしやすくするためのしくみだ。それが、Facebookから自分のアプリにユーザーを誘導したいデベロッパーにとって、さらに便利になる。

今日(米国時間7/1)のブログ記事でFacebookは、デベロッパーがApp Linksを使って、Facebook内広告から直接アプリの特定場面に送り込めるようになることを発表した。ただし条件がある。今のところその広告を配信できるのは、Facebookの優先マーケティング・デベロッパーだけだ。

本誌のJosh Constineが今年のf8デベロッパーカンファレンスのまとめに書いているように、FacebookがApp Linksを提供したのは、再エンゲージメント広告を売るためであることは明らかだ。すでにデベロッパーたちは、Facebookのモバイルアプリ・インストール広告が大量のダウンロード ― 4月時点で3.5億回 ― を生むことを知っているので、Facebookは彼らのその新しい発見に乗じて、ユーザーエンゲージメントでも主要な手段になろうとしている。

ターゲット広告を嫌う人は多いが、この場合のユーザーにとっての利点は、広告から、アプリ内で自分に興味のある部分に直接飛んでいけることだ。アプリの中で探す必要がない。

多くのユーザーが、アプリをインストールした後、興味を失って二度と戻ってこない。再エンゲージメント広告なら、インストールしたアプリの広告を後日Facebookで見て、「今すぐインストール」ではなく、興味のありそうなコンテンツに直接行けるオプションが表示されるかもしれない。

もちろんApp Linksが有効なのは、Facebookのモバイルアプリ・インストール広告だけではない。App Linksを利用しているデベロッパーは、他のユーザーがシェアしたリンクやFacebookページ、さらには他のアプリをクリックしたユーザーを、自社アプリの特定位置に飛ばすことができる。現在Facebookは、f8で発表したFacebook Audience Networkを通じてアプリ内広告を販売していることから、Facebook広告からに限らず、アプリのエンゲージメント増加全般の恩恵を受けることができる。

ちなみに、モバイルアプリのインストールや再エンゲージメント広告でビジネスを拡大しているのはFacebookだけではない。昨日Twitterは、自社のモバイルアプリで両タイプの広告を世界展開し始めた。さらに同社は、モバイル広告のスタートアップ、TapCommerceを買収した。TapCommerceは、既にインストールしているアプリへユーザーを連れ戻すことに特化した会社だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebookによるユーザー感情操作実験の倫理性

[アップデート: 論文の共著者の一人でFacebook社員であるAdam Kramerからのコメントを末尾に付け加えた]

最近、Facebookユーザーを対象に、本人の了解なく一週間にわたる感情操作実験が行われていた。予算の一部は陸軍から出ている。この研究は、ユーザーのニュースフィードの内容が、ユーザー本人の感情形成に影響を与えるかどうかを発見することを目的とし、歪曲されたコンテンツを見た後の投稿内容のトーンを測定することによって判断するものだ。

70万人近いFacebookユーザーが、ポジティブあるいはネガティブに偏ったコンテンツを見せられた。研究の結果、ポジティブなニュースフィードを与えられたユーザーはよりポジティブな内容を投稿し、ネガティブなニュースフィードを与えられたユーザーはネガティブな内容を書き込んでいたことがわかった。

驚きの結果か? 疑わしい。倫理に反するか? その通り。

忘れてならないのは、実験の影響を受けたのが、直接操作された人々だけではないということだ。報告書によるとポジティブおよびネガティブグループのユーザー15万5000人が、「実験期間中1回以上近況アップデートを投稿している」。つまり、何十万という近況アップデートが、〈ネガティブに誘導されたユーザーグループ〉から発信されたことになる。こうしたネガティブ投稿が、さらに同種の投稿を呼んだ可能性は高い。

要するに、感染は玄関では止まらない。

この実験が、2012年のある一週間、数十万人の日々を暗くする以上の影響を与えたのかどうか、われわれにはわからない。しかし、その可能性はある。そしてそれは、本件を問題視するのに十分な理由だ。自社のユーザーを、本人の知らないうちに感情操作の実験台にすることは、薄気味悪いどころではない。これは、明らかに非礼で危険な選択だ。

誰もが良い感情状態にあるわけではない。あらゆる時点で、かなりの人数のFacebookユーザーが、情緒的に脆弱な状態にある。ネガティブな影響を取けた人々の中には、打たれ弱い人々や若い人々もいる。本誌はFacebookに対して、13~18歳のユーザー調査対象から除いたかどうかを尋ねたが、まだ回答を受け取っていない。

良好な精神状態の人に、不必要な情神的負荷をかけることは思いやりのない行為である。激励や支援を必要としている人に対して行うことは、残酷だ。

平均的Facebookユーザーは、同社と不文ソーシャル契約のようなものを結んでいる。私はあなたのサービスを使い、あなたは私がシェアしたデータを使って広告を配信する。そこには、Facebookがユーザーのデータや信頼を悪用しない、という暗黙の紳士的行動が期待されている。今回のケースでFacebookは、両方を破った。ユーザーのソーシャルグラフを、情緒的強迫を起こさせる目的で使用したのだ。

誰もが企業に操作されている。広告は、その中でも露骨な例だ。他にも気付いていないものがいくらでもある。こうした操作が蔓延した結果、われわれは少々慣らされてしまっている。しかしだからといって、陰で行われている行き過ぎた行為をわれわれが指摘できない理由にはならない。もしFacebookがこの実験を許すなら ― 調査の筆頭著者はFacebookのコアデータサインスチームの社員 ― 将来何が許されることになるだろうか?

私は、Facebookがニュースフィードの内容を、平均的によりポジティブにすべきだと言っているわけではない。そんなサービスは耐えられない ― 人生の出来事はポジティブなものばかりではなく、友達や愛する人にデジタルな方法で同情できることは、人生経験の新たな部分だ。そしてFacebookは、これまで何度となく様々な理由でニュースフィードを操作することによって、ユーザー体験の改善をはかってきた。

それは極めて理にかなっている。意図的にユーザーの感情形成を歪め、ユーザーの許可なく安全対策もなく、興味本位にネガティブ情報を広めることは別問題だ。無責任だ。

FacebookのKramerからの返信を以下に引用する:

最近PNASで発表した研究について多くの人々から質問を受けた。われわれがこの調査を行った理由は、Facebookが感情に与える影響、および当社のサービスを利用する人々のことを大切に考えているからだ。われわれは、友達がポジティブな内容を投稿するのを見ることによって、人々がネカティブに感じたり、疎外感を受けるという、よく言われる心配事を調査すべきと考えた。同時に、友達のネガティブな発言を見ることによって、Facebookを利用しなくなるということ懸念もあった。研究の動機付けは、論文に明記してある。

方法に関して、われわれは上記の主張を確かめるために、ニュースフィードのコンテンツのごく一部について、最少限の優先順位変更を行った(記事中に情緒的単語があるかどうかに基づく)。実験は、一部のユーザー(約0.04%、2500人に1人の割合)に対して、短期間(2012年前半の一週間)実施された。「非表示」にされた記事はなく、単に一部のフィードで表示されなかった。それらの記事は、友達のタイムラインでは常に見ることが可能であり、後のニュースフィードに表示された可能性はある。そしてわれわれは、一般通念とは正反対の結果を得た。ある種の(ポジティブな)感情を見ることは、感情を高揚し、抑制はしない。

そして、対象ユーザーに与えた実際の影響は、統計的に検知し得る最小量だった ― 実験の翌週にそれらの人々が発信した内容に含まれる情緒的単語は、1000語あたり平均1語少なかった。

われわれがFacebookで行っている研究のゴールは、いかにしてより良いサービスを提供できるかを知ることにある。この実験を設計、実行した本人として、われわれのゴールは決して誰をも動揺させないことであると私は明言する。一部の人々がこの実験に懸念を持つ理由は理解している。私は共著者らと共に、論文の説明方法やそのために生じた不安について、大変申し訳なく思っている。今考えれば、論文のもたらした利益は、与えた不安を正当化していないかもしれない。

われわれは、実施する調査を注意深く検討しており、内部レビュー体制の改善にも取り組んでいる。この実験は2012年初めに実施されたものであり、その後様々な改善がなされれいる。今後のレビューには、この論文に対する反響から学んだことも含めていくつもりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook、従業員の多様性データを公表。男性69%、白人57%(Googleらとの比較グラフ有り)

先ほどFacebookは、従業員多様性報告書を公開し、本誌はこれをGoogle、Yahoo、およびLinkedInと比較したグラフを作った。FacebookはGoogleよりやや多様性が高く、他社よりやや低いことが見て取れるが、男性、白人およびアジア系に大きく偏っていることから全社とも評価は Fだ。Facebookは全世界で69%が男性、米国では57%が白人、34%がアジア系、4%がラテン系、2%が黒人、そして3%が2種以上の混成民族だった。

職種別の内訳では、Facebookの技術系社員の85%が男性である一方、非技術系では53%が男性、上層部は77%が男性だ。

職種別の民族性は、技術系の53%が白人、41%がアジア、3%がラテン、1%が黒人。非技術系では、63%が白人、24%がアジア、6%がラテン、2%が黒人だ。そして、上層部は、74%が白人、19%がアジア、4%がラテン、1%が黒人だ。

Googleが先月報告書を公開して以来、多様性に関する透明性向上を求める声が高まっている。YahooおよびLinkedInもこれに続き、今やAppleとAmazonは、自社の多様性を公表していないことが際立ち始めている。

Facebookは、同社の戦略的多様性チームが、性別および民族間の平等性を高めるために進めている取り組みのをいくつか紹介した。Facebook Universityは、少数派グループの大学一年生にFacebookでインターンになる機会を与えるものだ。同プロジェクトは、Girls Who Code、Code 2040、National Society of Black Engineers、Society of Hispanic Professional Engineers、および Management Leadership for Tomorrowと提携している。また、Yes We Codesと協力して10万人の「機会僅少若年者」たちにコンピューターおよび教育プログラムの機会を与える取り組みも進めている。

Facebook 2013年インターンクラス

Facebookは、従業員の無意識のうちの偏見を取り除く訓練も行っており、知らず知らずのうちに表現される民族差別や性差別を無くそうとしている。同社は、様々な性指向の人々を支援する福利厚生プログラムも提供している他、異なる民族出身者や、LGBTQコミュニティー、および退役軍人らを支援する従業員人材グループも設置している。

女性は長年IT業界で少数派とされてきたが、これらの報告書が指摘する真の問題は、この業界に白人、アジア人以外が極めて少ないことだ。Facebook、Google、Yahoo、およびLinkedInのいずれもが、89~91%白人またはアジア人だ。

しかしこれらの会社を責めることは解決にならない。雇用慣習の改善は可能だが、そこには構造的不均衡が存在している。女性や非アジア系少数民族は、IT巨人で職に就くための準備となる科学、技術、工学、数学に関して、同等の奨励を受けて育っていない。早期にこれらの教育を受けない限り、スタンフォード、ハーバード、MIT等、大企業が採用する一流コンピュータサイエンス学科に入学することはない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


FacebookのSlingshotが世界中で利用可能になった

Facebookの新しいメッセージングアプリケーションであるSlingshotが、全世界で利用できるようになった。以前にもお伝えしたが、利用者の間で「特別な」操作を行うことが必要とされる。これまでは地域限定で公開されていた。

このSlingshotはもちろん、Snapchatに対する対抗プロダクトとしての意味も持つものだ。SnapchatはFacebookから独立したソーシャルネットワークを構築するものであり、それがある意味ではFacebookに対する脅威ともなっている。Facebookとしても、真剣に対処する必要があるわけだ。

アプリケーションでは写真ないしビデオメッセージを送る。落書きやエフェクトを追記して送ることもできる。そこまでは他のメッセージングアプリケーションと変わらない。ここで必要とされるのが「特別な」操作ということになる。送られてきたメッセージを見るために、自分の方からも写真ないしビデオを送る必要があるのだ。

ある意味では、自分ばかりが送り手になるのではなく、相手からの返信が(高い確率で)期待できるようになる仕組みだと言うこともできよう。

これまでのところ、利用者の受け取り方はさまざまであるようだ。メッセージをやりとりする人々の間での強制的な関係強化を面白い仕組みだと考える人もいれば、これまで何度か生み出されてきた失敗作のひとつとして葬り去られるだろうと考える人もいる。個人的には、なかなか面白いものだとは思う。ただ、大規模に利用されるようになるのかどうかについてはよくわからない。

写真を送らないとメッセージを見ることもできないというのを重荷に感じる人もいることだろう。情報の受け手としての立場でいたいと考える人も多いのだ。発言を強制されるようならば、アプリケーションの利用をやめてしまおうと考える人も多いのではないだろうか。

また、Facebookについて「クールじゃない」と感じる層は依然としているわけで、これはアプリケーションによって払拭できるイメージではないという見方もある。若い人たちは流行に敏感であるものだが、しかし2008年以来Facebookが「流行」となったことはないようにも思われる。今後の動向を見守りたい。

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(翻訳:Maeda, H


Facebookに若者が戻ってきた(Forrester調べ)

【本稿の執筆者は Julian Chokkattu 】
かなり意外なことに、Facebookが若者の人気を取り戻しつつあるらしい。

Forrester Researchが12~17歳の若者4517名を対象に、ソーシャルメディアの利用状況に関する調査を行ったところ、半数近くが1年以上前からFacebookを使っていると回答した。

この調査は、WSJが最初に紹介したもので、最大の理由の一つはスマートフォンの普及であると指摘しており、必ずしもFacebookへの愛着ではない。

昨年10月、Facebookは「10代の若者の利用が減少している」事実を認め、Pew Research Centerをはじめとするいくつかの調査会社が、この事実承認を 支持した。

Pewの調査では、多くの10代がFacebookに対する「熱意の喪失」を表していた。こうした報告やFacebook自身の確認表明が、マーケターに誤ったメッセージを送ったと、少なくともForrester Researchレポートの共同執筆者である、Nate Elliotは指摘している。

Facebookが先週、Snapchatを真似たアプリ、Slingshotを提供したのも恐らくこれが理由だ。Slingshotは、友達のビデオや写真メッセージを見るためには自分もコンテンツをシェアしなければならないしくみのアプリで、若者の利用を再燃させることが狙いとしている。

しかし、問題は、Facebook自身、さらにはそこに参加する意志のない層を呼び込もうとする同社の努力にあるのかもしれない。

Slingshotは、Yoという、ただ友達に「Yo」というメッセージを送るだけのアプリに後れを取っている。Yoはエイプリルフールの日に公開され、現在App Storeで19位に入っているが、Slingshotはリストはランキングにさえ載っていない。

これは、そもそも魅せることができないかもしれないグループを、Facebookが引き寄せようとした失敗例だ。Facebookをクールじゃないと考える層は存在しており、Facebookが巨大な企業に成長したことがそれに寄与している。

しかし同報告書によると、それでもFacebookは、YouTubeを除くあらゆるソーシャルネットワークよりも普及している。おそらく若者たちの選択理由は、Facebookが広く普及していることから、プレッシャーを感じ、あるいは有用性を認めてサインアップしたからだろう。

Pewの調査が指摘しているように、低年齢でFacebookに登録することは「ださい」と受け取られており、それは大人たちがそこにいるからだ。

「彼らはサイトに大人が増えることを嫌い、Facebook友達のシェアする些末な話にむかついたり、サイト上で頻繁に起こると彼らが説明する「ドラマ」に疲れ果てている」

Forresterの調査は、他の調査機関と異なる結果を示しているが、この数字が再び下落する可能性は十分にある。どの世代でも、親と同じ場所にいることがクールでないと感じる時期は必ずある ― そしてFacebookには彼らがいる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook、途上国のデータプランを救う。改良Androidアプリは65%小さく、50%高効率

アフリカを始めとする発展途上の国々では、データは高価でストレージは少ない。そこで昨年Facebookは、同サービスのAndroidアプリ大がかりな技術改善を秘かに施し、世界中で使いやすくした。動作は半年前と比べて50%速く、1年前と比べてデータ量は50%少なく、2014年初めと比べてアプリのダウンロードサイズは65%小さくなった。このアップデートによって、最新バージョンのFacebookアプリを使えば、古い機種でも読み込みが早くなり、データプランを早々に使い果たすことがなくなる。

Facebookは主要市場で飽和状態に達しつつある。米国およびカナダの月間ユーザー数2.02億人に対して、総人口(全年齢層を含む)は3.53億人だ。同地域では2013年Q4に新規ユーザーが400万人しか増えていない。一方、アフリカを含む「その他の世界」では、4900万人増えた。Facebookが成長を続けるためには、途上国を捕えなければならない。そこにはまだアカウントを持っていない人々が大量にいる。

しかし、こうした新興市場のモバイルネットワークと端末状況は、Facebookの母国とは大きく異なる。LTEアクセスと高級スマートフォンとiPhoneが当たり前の国とは異なり、アジア、アフリカ、南米の多く地域が、遅いネットワークにつながった、ローエンドAndroid機に頼っている。Facebookが、自社のAndroidアプリを一新しなくてはならなかった理由はそこにある ― それが途上国におけるソーシャルネットワークのあり方だ(Facebook傘下のWhatsAppと共に)。

そこでFacebookは昨年、モバイルテストの旅にアフリカに向かったと、エンジニアリング・マネージャーのAlex Sourovがブログに書いている。「われわれはいくつかの種類のAndroid端末を購入し最新バージョンのFacebookアプリをテストした ― そして、そのテストは困難を極めた。途切れがちで低帯域のネットワーク接続と端末のメモリー不足のために、読み込みは遅くクラッシュを繰り返した。われわれは、月間データプランをたった40分で使い果たした。

帰国したSourovらのチームは、世界中のAndroid体験を改善することを決意した。「Androidの端末とネットワークの多様性は、より多くの人々がスマートフォンを利用できることを意味している」と同社は私に言った。彼らにより良いFacebookアプリを渡すことによって、学ぶことやつながる力を与えることができる。

アプリが劣悪な環境でもより良く動作するために、数多くの賢いハックを実施した。アプリのサイズを65%減少するために、Google PlayストアのOSバージョンと画面解像度によって別のアプリパッケージをダウンロードできるオプションを利用した。こうして、あるユーザーの端末ではそもそも利用できないコードを削ることがてきた。

Android版Facebookアプリのデータ効率をできるだけ高くするために、同社は異なる画像圧縮技術を試し、WebPに切り替えることを決めた。このフォーマットは画質がほぼ同じでサイズはJPEGより25~35%小さく、PNGより80%小さい。さらに、ズーム可能な高解像度画像を自動的に読み込むのをやめ、ユーザーがズームしたい時だけ高解像度版を読み込むようにした。この変更によって、データ効率が50%高くなった。

スマートフォンの価格は、途上国でも安くなってきているが、データ料金は依然として高く、Facebookを世界でもっと使いやすくするための道のりはまだ長い。また、途上国市場では高い広告料は約束されていないが、Facebookには、ピアツーピア支払いを利用した収益化の可能性があり、同社のアプリが人々をデータプラン購入へと誘うことから、通信キャリアーとの交渉も進めている。

こうしたAndroidアプリ改善は、Facebookによる独自のウェブアクセス促進プロジェクト、Internet.orgとは別々に進められてはいるが、目標は類似しており世界中の人々が愛する人や知識経済への入口とつながることを望んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook、ユニークな写真共有アプリ、Slingshotを公開―写真を投げ返さないと相手の写真が見られない

先週、早まって一瞬公開されたFacebookの新しい写真とビデオの共有アプリ、SlingshotiOSAndroid向けにアメリカで正式リリースされた。

このアプリは友だちに写真やビデオを送れるが、その友だちがコンテンツを見るためにはまず自分も写真などを送り返さねばならないというユニークな仕組みになっている。プロダクト・マネージャーのWill Rubenは「全員がコンテンツのクリエーターになる。単なる観覧者は誰もいない。そこがSnapchatとの大きな違いだ」と述べた。

Slingshotの成否は、ユーザーがこの「返信してアンロックする」というユニークな特徴を不必要に面倒なハードルと感じるか、参加のインセンティブと感じるかにかかっている。

詳しい話に入る前に、簡単に概要を紹介してておこう。Slingshotは写真や15秒以下のビデオを、相手を指定して、または最近Slingshotで会話した友だち全員に送信できる。,コンテンツの存続は一時的で、閲覧後に消去される。ただし自分が作成したコンテンツは自動的に保存できる。友だちはFacebookの友だちリストないし電話帳の連絡相手から選べる。

ただしプライバシーはあまり強固ではなく、ユーザー名を秘匿するといういわゆるくオブスキュリティー・モデルに頼っている。したがって簡単に推測できるユーザー名を選んだ場合、誰でもSlingshotを通じて写真などを送りつけることができる。

デザインは全体に楽しげで、文字や線を描き込んだり、ユーモラスな効果音やBGMを入れたりできる。

こちらはFacebookのイントロ・ビデオだ。

Slingshotの動作

SlingshotはスタンドアローンのアプリでFacebookの一部ではない。サインアップにはスマートフォンの電話番号を用いる。アプリは電話帳と(メンバーである場合)Facebookの友だちリストをスキャンして新たなソーシャルグラフを作成する。FacebookのメンバーでなくてもSlingshotは利用できる。Slingshotは定期的に連絡相手をスキャンしてソーシャルグラフを最新の状態に保つ。

Slingshotのデフォールトはカメラ画面で、上部に小さいカウンターが表示され、ロックされている未読メッセージとすでにアンロックされたメッセージの数が表示される。画面下部のShootボタンをタップすると現在の画面が撮影され、長押しすると動画が撮影される。Selfieボタンをタップするとフロントカメラに切り替わる。さらにタップして最大5行のテキストを書き込める。

Slingshotにはよく出来たお絵かき機能も用意されており、右側のカラーピッカー・レールを使って好みの色を選択する。左右にドラグしてブラシのサイズを変えることができる。写真の顔にヒゲを描いたり夕日を付け加えたり自由自在だ。ドローツールは操作するたびにマンガ的な効果音が鳴って気分を盛り上げる。

処理が終わったらUseボタンをタップすると、最近Slingshotでなにかコンテンツを送ってきた相手のリストが表示される。その下にSMSで友だちをSlingshotに招待するオプション、まだSlingshotからコンテンツを送っていない友だちのリストが続く。アンロックしていないSlingメッセージにはモザイクをかけてぼやかしたサムネールが表示される。



プライバシーにはご注意

Slingshotの「オブスキュリティによるプライバシー確保」というポリシーには少々懸念を抱かざるをえない。もしユーザー名がどこかに公開されたり、簡単に推測できるようなものだったりすると誰でもあなたにSlingshotメッセージを送りつけてくることができる。メッセージを受け取りたくユーザーは、そのユーザー名を左にスワイプして非表示にできる(設定から再度表示するようにできる)。もしわいせつ写真などを送りつけてくるユーザーがいればFacebookに通報できる。

送信したコンテンツは全員がアンロックして閲覧した後、あるいは30日後に自動的に消滅する。このときFacebookはコンテンツをサーバーから削除するということだ。



Slingshotはブレークするか?

謎めいたコンテンツに「返信してアンロック」するという仕組みは自然に好奇心を刺激して自分もコンテンツを作ろうとするインセンティブになる可能性はある。誰もが興味を持つような印象的な写真はFacebookやInstagramに、親しい間でのプライベートな写真はSnapchatに、普段のなんでもないような写真がSlingshotに、と住み分けることになるかもしれない。

しかし同時に、「返信してアンロック」は面倒すぎる小細工だと感じられるかもしれない。テキスト・メッセージですむところをどうしていちいち写真つきでやりとりしなければならないのか、と感じるユーザーが多ければ利用は進まないだろう。 

「ソーシャルメディアでコンテンツを作っているのは1%のユーザーにすぎない」という「1%の法則」の現実を変えるのは必ずしも不可能ではないだろう。Instagramは巧みなUIデザインによって誰でもアーティスティックな写真のコレクションを作れるようにして裾野を大きく広げた。Slingshotはメッセージ・サービスというもっとも競争の激しい分野に挑戦している。もしかするとSlingshotはなんでもない日常写真を友だちと共有するという新しい分野を開くことができるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebookは、偽再生ボタン付きリンク画像を禁止すべきだ

わあ可愛いいネコのビデオだ! ニュースフィードの中で見てみよう。再生ボタンをクリックする。違う。嘘だった。静止画像に再生ボタンがついているだけで、くだらないウェブサイトに飛ばすだけの偽物だ。フィードのチェックが中断する。ユーザー体験が損われる。将来本物のビデオをクリックする可能性が、減少する。Facebookはこのデタラメを本気でやめさせるべきだ。

ビデオコンテンツを持っていることを知らせたいサイトが、プレビューサムネイル画像に偽再生ボタンをつけているのかもしれない。しかし、本当に蕙しいのは私の広告ビューであり、だまされてクリックさせたいだけだ。

That play button is fake. ARRRGGGHH!

リンクの見出しに「必見」とか「ビデオ」とか入れることもできたはずだが、そうすると私はFacebookの外へ見にいくかどうかの決断を迫られる。代わりに彼らはFacebookを改悪 することを選んだ。 殆どのサイトはYouTubeの再生ボタンを真似て私たちを欺いていることから、YouTubeの信用も失墜させた。

そして、いっそう腹立たしいのは,ウェブサイトで私に見せようとするビデオが、多くの場合、次のいずれかだからだ。

  • Facebookに埋め込んでその場で再生可能な標準的YouTubeビデオ
  • そのウェブサイトが作ったのではなく、誰かが苦労して作ったコンテキストも洞察もなく大量の広告が入ったビデオ

さらに悪いことがある。時としてこの手の投稿が私のフィードに紛れ込むのは、広告としてFacebookに料金を払っているためらしい。

例えば、PetFlow.comという怪しげなサイトの「隠しカメラが暴くピットブルテリアの本性」を見てみよう。Facebookの記事から判断すると、クリックしてその場でビデオを見られそうに思える。違う。

Another fake play button. BOOOO

再生ボタンをクリックすると、この広告に埋もれた大量の標準YouTubeビデオの置かれたページに飛ばされる。

Crappy, ad-filled site these fake play buttons lead to

この厄介な戦略はビデオだけでなくGIFにも拡大されている。FacebookはGIFアニメをその場で自動再生しない。これは少々面倒に感じるが、恐らく山ほどの愚かさを救っている。しかし、そこに置かれた偽再生ボタンをクリックすれば彼らのサイトに飛ばされる。

They’re evolving! The fake GIF

安心してクリックできる本物のビデオを見分ける方法はこうだ。FacebookおよびInstagramのビテオには、グレイ色の再生ボタンがついていて、その多くはマウスでなぞると自動再生される。他のサイトへのリンクは表示されていない。本物のYouTubeヒデオは、グレイ地に白の再生ボタンがついた半分幅の小さなプレビューサムネイルが、ニュースフィード記事の左下に置かれ、YouTubeにリンクしていることが示される。Vimeoは、フルサイズ幅のプレビュー画像にVimeoへのリックであることが示される。どちらにも再生ボタンがあり、マウスでなぞるとわずかにアニメーションして偽の静止画像でないことを表す。

What a real, in-line playable YouTube video looks like on Facebook

しかし、区別するために解説が必要であるべきではない。Facebookは明確な態度を取るべきだ。この種の投稿は誰のフィードにも流さない。この種のエサで釣る広告を出させない。そして、こういうもののシェアしようとする企業をニュースフィードに露出させない。もしこの下劣な詐欺行為がすでに禁止されているのなら、規則の適用を強化すべきだ。

さもなくば、Facebookはユーザーに対してビデオ投稿をクリックするなと教えていることになる。これは危険な兆候だ。ビデオは人が外出よりインターネットを好む理由の一つなのだから。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook