2014年版 SEOの計画書 – ハミングバード、コンテンツ、オーソリティに注目

気づいてみれば2013年も後わずか、そろそろ来年のSEO戦略について考える季節がやってきました。ということで、サーチエンジンランドが来年SEOに取り組んでいく上で重要視すべきポイントをわかりやすくまとめてくれた記事を。2013年の振り返り記事としても使えそうな内容です。 — SEO Japan

もう11月である。つまり、来年のSEO計画を練る時期がやってきた。グーグルのハミングバードのおかげで、インターネットマーケッターとSEOのエキスパートは、コンテンツとオーソリティに力を入れるようになり、また、この新しいアルゴリズムが、キーワードの関連性とリンク構築に与える影響について真剣に考えるようになった。

同時に、SEOの関係者は、ビングに対する有効な戦略を見出すことが出来ずに苦労しているようだ。今年は、SEO計画書を2度に渡って提供する。本日は、ハミングバードとコンテンツ戦略について、来月は、ソーシャル、ローカル、モバイル、インターナショナル、そして、その他の検索のバーティカルを取り上げていく。

それでは、早速始めよう。

アルゴリズム

グーグル自体、そして、大勢の優秀なリサーチャーのおかげで、グーグルの検索アルゴリズムについて、多くの情報を知ることが出来る。しかし、グーグルは、検索マーケッターに知ってほしい情報だけ明かし、後は、秘密にしている。現実として、クエリを投稿し、検索結果が表示されるまでのあらゆる出来事に関して、表面上のことしか分かっていない。

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3つの情報源

1. グーグル経由の情報

グーグルは、ウェブマスターの役に立ちたいと本気で望んでいる。実際に、効果的なSEOを行うために欠かせない、多くの率直で、有益な情報を提供している。グーグルのビジョンは、良質なマーケティングの取り組みと一致しているため、グーグルのアドバイスに耳を傾ける価値はあると言えるだろう。また、かつて、グーグルは、ベストプラクティスを推奨した結果、悪意のある最適化の手法によって打ち負かされた過去を持つ。そのため、グーグルは、スパムするサイト、ランキングの信頼性を悪用するサイト、質の低いコンテンツを配信するサイト、もしくは、グーグルの利用規約を違反するサイトを特定し、ペナルティーを課す取り組みを改善してきた。この点からも、やはりグーグルの意見には、注目する価値があると言えるだろう。

その一方で、– とどめの一撃になるかもしれないが — グーグルの広報が、アルゴリズムに関する情報を明らかにする、あるいは、ベストプラクティスに対する提案を行う際は、必ず意図があると推測するべきである。

グーグルは、特定のタイプの検索結果を提供し、それ以外のタイプの結果を阻止することを目指したビジョンを広めようとしている。出来るだけ質の高い結果を提供するためにアルゴリズムを作る取り組みも重要だが、グーグルは、独自のプロパガンダを用いて、グーグルが求めるタイプのコンテンツ(トピック、記事の質、そして、クローラビリティ)を作るよう企業に促している。

グーグルの広報は、海千山千であり、明かす情報と明かすべきではない情報の判断を巧に下すことが出来る。個人的なアイデアと意見を持って会議室に入り、合意したメッセージのみを持ち帰る能力を持っているのだ。

2. 観察

検索エンジンのランキングの改善に関する情報の多くは、経験と観察から得ている。だからこそ、SEOを、科学と芸術で構成される技術だと私は考えている。SEOに携わる者として、私達はお互いの有益な体験と不利益な体験に依存し、トレンドを見つけ、その影響を理解している。例えば、リンクやソーシャルメディアでの言及を獲得しやすいコンテンツのタイプを理解するには、積極的な実験よりも、個人の体験、そして、共有する経験が重要になる。

今までは、グーグルの自然検索アルゴリズムを打ち負かすために観察が行われることが多かった。その結果、リンクホイール、コンテンツネットワーク、そして、コンテンツのスピニング等の手法が編み出された。今後の観察の焦点は、トリックではなく、ベストプラクティスに注がれるだろう。B2BやB2Cのサイトにはどのタイプのコンテンツが有効なのか、「上位のランキングに相応しい」製品ページを作るにはどうすればいいのか、あるいは、SEOにマイナスの影響を与えずにビジターを追跡するにはどうすればいいのか等の質問に対する答えが求められている。

3. 相互関係

相関関係テストは、有益な情報をもたらす。リサーチャーは、検索に関するグーグルのメッセージ、そして、数値化できるものなら手当たり次第、SEOの観測結果を調査する。HTML、ソーシャルメディアサイト、コンテンツのパターン等を調査し、特定し、計測可能な要素を見つけようと試みる。

あらゆる潜在的なシグナルを整理し、多数のデータポイントの計測データをまとめ、ランキングの結果やサイトのトラフィックと比較し、最後に、成果を発表する。相関関係が原因を保証するわけではないが、相関関係テストがもたらす見解が、評判が高く、有益である理由は明白だ。

ハミングバード

それでは、グーグルの最新のアルゴリズム、ハミングバードに注目する。ハミングバードは、検索結果の90%に影響を与える。グーグルは、ユーザーに伝える1ヶ月前から、これまでのアルゴリズムをハミングバードに取り換えていたが、そのことに誰一人として気づかなかった。

SEOの関係者が気づかなかった理由の一つとして、大きな変化が起きていたのは、ロングテールのクエリであった点が挙げられる。ロングテールは、検索クエリの大きな部分を占めるものの、クエリが入力される頻度は少ない。検索量が少なく、また、グーグルはリファラーデータを(not provided)として提供していないため、マイナーな結果が目立たないのは致し方ないと言えるだろう。

これは、クエリ内の個別のワードを文書にマッチさせるよりも、フレーズの意味をコンセプトにマッチさせるグーグルの方針と一致している。

しかし、ハミングバードに気づかなった本当の理由は、全く新しいアルゴリズムではあるものの、基本的に過去のアルゴリズムと同じだったからではないだろうか。グーグルの検索アルゴリズムに触れる際は、基本的に数式のセットに言及していることになる。毎年、グーグルは、数百点の変更をアルゴリズムに対して加えている。数年間でどれだけ多くの変更が行われるのか想像してもらいたい。過去のセクションを書き直すものもあれば、完全に新しいセクションを加えるものもある。変更が構築されていくと、アルゴリズム全体は、より複雑になり、最適ではなくなっていく。

そのため、グーグルがすべてのピースの再編成を行い、最適化を行い、今後の改善のための道を確保することは理に叶っていると言えるだろう。メンテナンス、または、春の大掃除のようなものだ。これは、個人的な憶測だが、特にグーグルが積極的にテストを行った上で、アルゴリズムのアップデートを実施している点を考慮すると、過大な解釈ではないと思う。

また、アルゴリズムに対する、今後のアップデートの追加およびテストを行いやすくする特徴をハミングバードは持つ。いかなる環境においても、あまりにも多くの変更点を試すと、混乱を起こし、結果を評価することが出来なくなってしまう。グーグルは、望む改善点をリストにまとめているはずであり、ハミングバードはこのリストを意識して、構築されたのではないだろうか。ハミングバードによって、グーグルは、今後の変更をより早く、そして、より多く実施することが出来るようになると推測される。

そのため、ハミングバードは、確かにコンテキストを特定する力に幾つかアップデートを加えているものの、基本的には、再編成、最適化、そして、今後の改善への下準備だと私は考えている。

現在の検索エンジンのアルゴリズムを活用するには

SEOの関係者は、コンテンツとオーソリティに対して関心を持っている。

コンテンツ

コンテンツに関しては、コンセプトを利用し、各コンセプトを目立たせ、そして、4つの領域のコンテンツ戦略を採用することが、鍵になるだろう。

コンセプトの利用

現在のコンテンツを確認し、ユーザーが考え、検索を行う構造にマッチするフレーズを利用しているかどうかを確かめると手っ取り早い。例えば、Centurylink – Quick Bill Payの代わりに、Pay Your Centurylink Bill Onlineを利用する方が良い(実際には、Centurylinkは、Pay Your Bill Onlineのヘルプページを持っているが、言いたいことは分かってもらえるはずだ)。

多くのサイト、特に企業のウェブサイトは、フレーズではなく、タイトルとヘッドラインのキーワードを強調する近道を採用している。総合的なタイトルを試して、トラフィックが増加するかどうかをチェックしている。しかし、ウェブサイトの間で人気が高い、フレーズを省略するこの取り組みは、検索エンジンが、自然な言語をより正確に理解することが出来るようになるにつれ、マイナスの影響を与えるようになるかもしれない。

すべてのピースを目立たせる

あらゆるコンセプトにおいて、コンテンツの全てのピースに力を入れるべきである。キーワードやキーフレーズに対する支柱となるページを作成し、このページに最適化したアンカーテキストを用いてリンクを張るコンテンツを投稿していく手法が、コンテンツ戦略としてSEOの関係者の中で浸透している。確かに効果的ではあるが、サポートするコンテンツの全てのページが、独自のコンセプトに焦点を絞っている点を確認する必要がある。

同じトピックを5つの異なる形式で書き、支柱の記事にリンクを張り、このページを上位にランク付けさせようとしているなら、最も適切な文書を特定する検索エンジンの取り組みを難しくしている可能性がある。

プロジェクト管理を例にとって考えてみる。プロジェクト管理のベストプラクティスに対する支柱ページを作成したとする。サポートするページで重複を完全に避けることは不可能かもしれないが、それでも明確に分離し、各ページが独り立ちすることが出来るように工夫する必要がある。アジャイルプロジェクト管理の基礎ウォーターフォールプロジェクト管理の基礎等の記事を盛り込むことも可能だ。

ただし、プロジェクト管理のベストプラクティスプロジェクト管理の基本プロジェクト管理の基礎等の記事でサポートするべきではない。なぜなら、全て基本的に同じだからだ。今までは、それぞれのページが異なるキーワードをターゲットにしていたとしても、現在、グーグルは、事実上、同じである点を理解している、あるいは、理解しつつあると言えるだろう。

検索エンジンは、ワードとフレーズから距離を置き、コンセプトを重要視しつつあるため、同じトピックを異なるキーワードを使って何度も取り上げる取り組みの効果は、低下の一途をたどる。事実、優れたユーザー体験とは言えないため、このタイプの戦略が、今後のパンダの標的にされるかどうか、よく考える必要があるだろう。

4つの領域のコンテンツ戦略を利用する

自然の検索トラフィックを、良質なコンテンツと人気によって得られる二次的なメリットだと考えると、4つの領域のコンテンツ戦略 — それぞれが独自の目的を持つ — の仕組みを容易に理解することが出来るはずだ:

SEO Content Plan

SEO コンテンツ計画

左上: 製品またはサービスの販売 右上: カスタマーサポート 中央: コンテンツ計画 左下: 会社の情報 右下: 教育、情報、リソース

万能型のコンテンツ戦略が理想的だが、ビジネスによっては、5つ目、または、6つ目のコンテンツの領域が有効に働く場合もある。

多くのウェブビジネスは、3つの領域で健闘しているものの、教育、情報、リソースに欠けるサイトがあまりにも多い。この4つの領域は、キーワードをターゲットに選び、オーソリティを獲得しつつ、同時に知名度と信頼度を高めることが出来る領域である。適切に実施すれば、SEOおよびマーケティングファンネルの一番上の層に力を与える。

オーソリティ

リンクは、SEOにおいて、今も尚最高のオーソリティのシグナルとして君臨している。過去3年間、検索エンジンとSEOのエキスパートは、ソーシャルメディアのオーソリティのシグナルを繰り返し強調してきた。ソーシャルは確かに重要であり、検索エンジンはソーシャルシグナルを重要視する方向に向かっているものの、約束を果たしているとは言い難い状況である。グーグルの広報は、かつての意気込みと比べると、トーンダウンしていると言わざるを得ない。どうやら、グーグルが思い描いていたほど、順調には進んでいないようだ。

私は今後も、自分の会社にとって理に叶うメジャーなサイト(フェイスブック、グーグル+、リンクトイン、ピンタレスト、ツイッター、そして、ユーチューブ)で、強固な存在感を確立する方針を薦めている。ターゲットのオーディエンスに接触することが出来るなら、小さなネットワークやサイトにも参加するべきである。しかし、ソーシャルメディアでリンク構築を代用させてもらいたくない。やはり、コンテンツの作者とパブリッシャーに接触し、自分の記事とコンテンツを言及してもらい、リンクを張ってもらえるように要請するべきだ。リンクに値するコンテンツを一定して提供しよう。

  • ソーシャルメディア => オーディエンスの構築
  • 関係の構築 & 要請 => リンク構築

ツイッターのツイートやフェイスブックのいいね!が、リンクをもたらすなどと期待するべきではない。ソーシャルメディアユーザーの大半は、コンテンツのパブリッシャーではない。業界または分野によっては、ソーシャルメディアのインフルエンサーが含まれない可能性もある。運良く、ニュースメディアが、最新の製品のリリースを取り上げる時しか、リンクを得ることが出来ないなら、オーソリティを巡る戦いで競合者に敗北を喫することになる。

グーグルは、ブランドを贔屓し、ソーシャルメディアでの言及の回数に応じて、オーソリティを与えていると言う指摘を耳にしたことがあるかもしれない。私自身、グーグルが、ブランド名の巨大なデータベースを維持し、人気が高まりつつあるブランドを特定する方法を編み出していると確信している。しかし、ブログの記事やプレスリリースを配信する度に、安定してツイートを獲得することが出来ないなら、この方法で十分なランキングオーソリティを獲得するには、ブランドが小さい、または、弱いと言わざるを得ない。私はこの取り組みを知っていて損はない取り組みに分類し、読者とリンクを獲得する作業に精を出すようにしている。

意図的なリンク構築プログラムを実施してもらいたい。

アーキテクチャ & URL

現時点では、ウェブアーキテクチャに対する推奨事項に変更はない。シンプルで、論理的なアーキテクチャ、組織図のようなアーキテクチャが理想である。巨大なエンタープライズサイト、または、メディアサイトではないなら、ホームページから4回のクリックで、全てのページにアクセスすることが可能な構造を採用してもらいたい。

URLにも同じことがいえる。特に変化は起こらないだろう。シンプルに、そして、人間のユーザーが読めるようなURLを利用するべきだ。パラメータの利用を最低限に抑える、または、削除してしまおう。利用するなら、順番において一貫性を保つように工夫してもらいたい。

カノニカル

昨年の夏、グーグルは、重複するコンテンツについて心配する必要はないと指摘していた。しかし、グーグル以外にも検索エンジンは存在することを忘れないでもらいたい。そのため、カノニカルの問題を無視するとある程度のリスクが発生する。各ページが独自のURLを持つように、または、正しいURLを示すカノニカルの指示を出すよう今後も心掛けてもらいたい。パラメータを利用するなら、グーグルおよびビングのウェブマスターツールの設定を確認し、全てのリンクでパラメータが同じ順番になるように注意する必要がある。

来月のコラムでは、各種の検索バーティカルを取り上げ、推奨事項を紹介していく。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「2014 SEO Playbook: Google Hummingbird, Content & Authority」を翻訳した内容です。

SEO Japanの読者の方にはかなりシンプルな内容だったかと思いますが、前段のアルゴリズムの情報源についての文章は、混沌のSEOの時代に改めて道筋を失わないためにも噛みしめて読みたい内容でした。各項目の具体的内容については今後新たな記事が出てくるようですし、追って紹介していきたいと思います! — SEO Japan [G+]

GIFこそBuzzFeedの真髄という人に朗報。Google+と提携したGIFフィードの提供を開始

BuzzFeedを眺めつつ、「面白いけど文章は邪魔じゃないかな。GIFばかりだったらもっと面白いのに」などと思う人はいないだろうか。もしそんな風に思ったことがあるのなら、願いは無事叶えられた。GIF専用のthe GIF Feedというセクションが作られたのだ。

実のところ、これはBuzzfeedが主体的に運営する新たなフィードチャネルというわけではなく、実はGoogle+のプロモーションキャンペーン用ページなのだ。GIF作成などの機能も持つおまかせビジュアル(Auto Awesome)の機能をプロモートしようするものだ(GIFとは何かというのはこちらのページでお分かりいただけると思う。ただ、GIFとは何だろうと思うような人にとっては、本稿は全く意味のない記事なのではないかと思う)。GIF Feedに表示されるGIFのほとんどはこれまでにBuzzFeedを流れているものだが、右上にある一枚は、おまかせビジュアルによって作成されたGIFに飛ぶための写真となっている(PARTNERのバナーと「PRESENTED BY Google+ Auto-Ausome」の文字がある)。

Googleのスポークスパーソンは「おまかせビジュアルにGIF作成の機能を加えたのは、GIFが大好きだからという理由です」と述べていた。

このキャンペーンは2つの理由で面白いと思う。まず1つ目の理由は、もちろんそれがGIFに関わるものだからだ。そしてまた、これもまたBuzzFeedに利益をもたらすカスタム広告キャンペーンの好例だからだ。

BuzzFeedのスポークスパーソンによると、このキャンペーンは年末まで続くことになっているのだそうだ。BuzzFeedとしても新しい試みであり注目しているとのこと。ただ、個人的にはもう少し面白いものにできるのかなとも感じたので(GIFの動きを再現するには、フィードに出てくる画像をクリックしなければならないというのが面倒に感じる。あるいはこの手のものに馴れてしまって無感動になっているのか…)スポークスパーソンに尋ねてみた。

GIF大好きな人というのは、面白そうなGIFを求めて隅から隅まで探しまわっているようです。そして見つけたGIFをシェアしているのです。そもそもBuzzFeedというのは、それぞれの記事がニッチを求めてのものでもあるわけですが、GIFもまたそうしたものとして楽しんでいただければと思います。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


GoogleのAndroidチームが世界各国へ市場調査の一斉出張旅行–日本ではiOSに大差をつけられない理由をさぐる

Googleは、Android 4.4によるユーザベースの拡大を、単なる山勘でねらっているのではない。本誌が得た情報によると、この巨大インターネット企業は複数のAndroidスタッフ部隊を世界各国に送り出し、同社のモバイルOSがさまざまな市場で実際にどう使われているかを、知ろうとしている。本誌情報筋によると、この‘情報収集派兵’はとくに日本を重視しているが、ほかに、中国やインド、スペインなど多くの市場にも出撃し、とくに、低価格機が売れ筋の中心である市場を調べたいようだ。

以下、本誌情報筋によると、彼らの出張旅行の目的は、“人びとがAndroidをどのように利用しているか”を知ることだ。それは、まだ成長余地の大きい市場でAndroidをより大きく成功させるための、計画的な一斉行動のようである。たとえば日本では、Kantar Worldpanelの最新の数字によると、AndroidはiOSをかろうじて上回っている程度だ。そのほかの市場では、AndroidはiOSとそれほど僅差の競り合いを演じてはいない。

Googleはまた、今後の成長市場の中でもとくに、まだフィーチャーフォンのユーザが多い市場に対する、戦略を一新しようとしている。たとえばMoto Gは明らかに、スマートフォンは初めてというユーザを釣り上げるための機種であり、ストレージ8GB、数々のオマケ機能を付けた同機を、契約ユーザに179ドルで売っている。Moto Gのデザインは、Motorolaによると、Androidスマートフォンユーザになりそうな人15000名からの意見要望等に基づいている。このこともまた、これらの市場でGoogleが現地調査を重視していることの表れだ。

Googleはたしかに現在、モバイルに注力しているが、Moto GとAndroid 4.4 KitKatはどちらも、Googleが富裕な合衆国市場以外の市場に着目していることの、明らかな証拠だ。ローカライゼーション(各国各言語対応化)と、ユニークな機能やインタフェイスでそれぞれの市場特性に合わせる努力、Androidは本質的に構成の柔軟性が大きいから、Googleはこの努力を競合他社に比べて比較的容易にできる。これらの市場の生々しい実態と、Androidの次の10億人のユーザのニーズを、ほかならぬ同社Androidチームの人たちがじかに確実に知ることを通じて、Googleはこれまでを上回る、きわめて積極的で前向きなモバイル戦略を展開しようとしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleが「中つ国」を再現―映画「ホビット 竜に奪われた王国」の世界をChromeブラウザで探検できる

今日(米国時間11/20)、GoogleはChromeでHobbit 中つ国の旅という野心的な実験を始めた。The Hobbit: The Desolation of Smaugと提携して、ロード・オブ・ザ・リングの世界観のベースとなったトールキン自身が手描きした地図(原作に掲載されている)によって「中つ国」を詳細に再現したのだ。ガイドツアーが用意され、人間、エルフ、トロル、魔法使、その他のクリーチャーが総登場する。

静かな(おそらく)エルフのBGMが流れる中、「中つ国」の3Dマップが表示されて冒険は幕を開く。地図は雲の流れる高さの少し上からの鳥瞰図だ。現在地上を探検できるのは「トロールの森」など3地点だが、近くさらに3地点が追加される。クリックしてズームインすると、その場所の由来、重要性、住民などの情報を見ることができる。情報は3D表現の画像、ナレーション、字幕を組み合わせて表現される(日本語版あり)。レンダリングはすべてCSS3とWebGLで実行されており、このテクノロジーの特長としてAndroid版のChromeでも作動する。技術的詳細に関心があれば、こちらの開発情報を参照

もちろん、このプロジェクトは12月〔日本では2014年2月28日〕に公開予定の映画、ホビット 竜に奪われた王国のプロモーションだが、同時に最新のウェブ・テクノロジーのクールなデモでもある。現在のブラウザーがいかに強力になった(特にモバイル版で)かがよく分かる。ともかくトールキン・ファンなら大いに楽しめるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


新刊「Apple対Google戦争」の著者に聞く―2500億ドル市場をめぐる死闘の記録

ノンフィクション作家のFred Vogelsteinによれば、シリコンバレーの2超大国、GoogleとAppleは2500億ドルに上るコンテンツ市場の支配権を巡って戦争状態にある。

新刊Dogfight: How Apple and Google Went to War and Started a Revolution〔ドッグファイト―AppleとGoogleはどのように戦争を始め、革命を起こしつつあるのか〕で、VogelsteinはAndroidとiOSをめぐる巨人の戦いは将来われわれがデジタル・コンテンツを消費するプラットフォームを決定するものになるという。

過去のApple対Microsoft戦争はパーソナル・コンピューティングの支配権をめぐる競争だったが、その教訓から学ぶなら、この種の戦いは「勝者総取り」となる可能性が高い。そしておそらくどちらかが決定的な勝利を収めることになるだろうというのがVoglesteinの予測だ。

「この戦争はテクノロジー産業全体に巨大な影響を与える。もし戦いが拡大して収拾がつかなくなるようなら政府の介入もあり得る。Googleが勝利してコンテンツ配信においても現在の検索と同レベルの独占を打ち立てるようであれば、反トラスト法適用の機運が高まるだろう」という。

〔日本版〕ただしこの後、Vogelsteinは「反トラスト法の運用は法律的というより高度に経済的、政治的な課題であり、有権者の支持がなければ政権は大掛かりな訴訟には踏み切れない。一般市民の間でGoogleの人気が高ければアグレッシブな反トラスト法の運用は難しくなる」と注意した。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


米連邦高裁、オーサーズ・ギルドのGoogle Books の著作権侵害の訴えを棄却―「著しく公衆の利益を増進」

政治学者を目指したこともあるライターとして、私はGoogle Booksをほとんど毎日利用している。特定のことがらについて調べる必要があるとき、私は一般の検索よりもむしろGoogle Booksに頼る。

今日(米国時間11/14)、第二地区連邦高裁のDenny Chin判事は「Google Booksは公衆と著者に対して著しい利益を与えている」と述べてAuthor’sGuildによる著作権侵害の訴えを棄却した。[PDF]

Chin判事は「Google Booksは検索された本の特定の部分のみプレビューできるようにしており、その一方で著作物の内容がオンラインで検索できることで公衆と著者に著しい利益を与えるているのであるから、著作権を侵害するものではない」と述べた。

Googleはこれまでに2000万冊以上の本をスキャンしている。著作権侵害の訴えに対応してGoogleはユーザーが全文を表示できないようにしているものの、検索では全文が対象となる(下の画像参照。私がこの本でprivacyという単語を検索したのでそれがハイライトされている)。).

著者の一人として、私はChin判事の意見に全面的に賛成だ。私はこの数ヶ月、プラバシーの歴史について調べているが、Google Booksの検索のおかげで、たとえば「ルネッサンスの建築」というような一見関連がなさそうなテーマを扱う本の中にプライバシーに関する貴重な情報が含まれていることを発見した。

Chin判事は「〔Google Booksによって〕初めて研究者は何百万冊という本の全文を検索できるようになった」と述べている。重要なのは、私はGoogle Booksで発見した本のうちから何冊も購入したり、図書館から借りたりしていることだ。Google Booksは私の調査を驚くほど加速させた。Google Booksがなければ私は膨大な本を1ページずつめくっていかねばならないところだった。

さらに便利なことに、Googleの n-gramビューワーを利用すれば、プライバシーという単語の時系列の出現頻度を見ることができるので、このコンセプトの歴史的推移も概観できる。

「またGoogle Booksはすでに図書館にも収蔵されていないような古書や絶版本を保存し、公衆が利用できるようにしてその生命を新たにしている」とChin判事は述べている。

出版社は忘れられていた本に新たな関心を呼び起こす点でGoogle Booksに感謝すべきだろう。売れ行きに良い影響があるはずだから、私は著者として自分の本がGoogleにスキャンされることを望む。

[Image Credit Flickr User Enokson]

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


エンティティ&セマンティック検索が導く未来のSEO

今後の検索マーケティングを乗り切る上で欠かせないのがエンティティ/セマンティック検索の概念と理解。少し前に紹介したエンティティを制する者が未来のSEOを制すというセマンティック検索の専門家へのインタビュー記事の続編を今回はご紹介。もはや従来の「検索」を超える様々な場面でユーザーに最適な回答を提供する「アンサー」エンジンに進化しつつあるGoogleの本質を理解できる素晴らしい内容。 — SEO Japan

先月、私はベテランのセマンティック検索のストラテジストであるバーバラ・スターにインタビューを行った。この記事の中で、エンティティ検索に焦点を絞り、検索の未来を想像してもらいたいと読者の方々にお願いした。スター氏と私は、関連性の高い、コンピュータが認識可能な「エンティティ」を利用して、具体的で、よく絞り込まれたクエリに対する答えを提供する「アンサーエンジン」について議論を行った。

ハミングバード

10月26日、グーグルは、ハミングバードアップデートを実施し、アンサーエンジン化をさらに進めた。ダニー・サリバンは、ハミングバードアルゴリズムに関するライブブログの中で、古いアルゴリズムのパーツを維持しながらも、グーグルが、急速にセマンティックウェブのテクノロジーを採用していると指摘していた。これは、「テキストリンク」から、「答え」に進化するためのグーグルのソリューションである。このシステムは、検索用語ではなく、ユーザーの意図に焦点を絞るセマンティックテクノロジーに重点を置いているため、より正確な結果を、より早く提示することが可能になる。

グーグルのアンサーエンジンへの方針転換を振り返ってみよう。まず、ナレッジグラフを導入し、続いて、音声検索、そして、グーグルナウが登場した。全て答えを提供するための取り組みであり、時には質問を予測することも出来る。答えを提供するため、グーグルは、キーワードではなく、エンティティに頼る。

そもそも「エンティティ」って何?

エンティティとは、人物、場所、そして、物事を指す。エンティティを紹介する上で、グーグルのナレッジグラフがエンティティグラフであり、これは、セマンティック検索(あるいはエンティティ検索)を活用する最初の試みであったことを理解してもらいたい。

それでは、「エンティティ検索」とは何なのだろうか?簡単に言うと、エンティティ検索とは、検索クエリに答えるために、認証された情報源を割り当てつつ、ボットが、ユーザーの意図を正確に理解するためのメソッドである。

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非構造化データ vs 構造化データ

過去20年間、インターネット、検索エンジン、そして、ウェブユーザーは、非構造化データに対処しなければならなかった。非構造化データとは、所定のデータモデルによる整理、もしくは、分類を行っていないデータのことである。このように、検索エンジンは、ウェブページ内のパターン(キーワード)を理解することは可能だったものの、ページに対して意味を与えることは出来なかった。

セマンティック検索は、各情報をエンティティとしてラベル付けして、データを分類するためのメソッドを提供する — これが、構造化データと呼ばれるものだ。 大量の非構造化データを含む小売の製品データを例にとって考えてみよう。データの構造化を進めると、小売店やメーカーは、非常に詳細で正確な製品データを検索エンジン(マシン/ボット)に見てもらい、理解してもらい、分類してもらい、そして、認証した情報の文字列として、まとめてもらえるようになる。

セマンティック検索やエンティティ検索が、改善するのは、小売製品のデータだけではない。schema.orgのschemaの種類に注目してもらいたい — このschemaは、構造化されたデータによるウェブ(固有の識別子を持つエンティティ)を作るための技術的な言語であり、機械による認識が可能になっている。機械が理解することが可能な構造化データは、曖昧ではなく、信頼性が高い — ウェブ上のその他のつながりを持つデータソースと比較して、照合を行うことも可能である。

構造化データ、 トリプル & トリプルストア

セマンティック検索は、フェイスブックのオープングラフプロトコルのようなボキャブラリ、もしくは、RDFaやマイクロデータのようなシンタックスを使って、構造化データを作成する。構造化データは、トリプルストアからのインポートおよびエクスポートが可能である。この点を詳しく説明していこう…

トリプルストアとは、トリプルの保存および回収を行うためのデータベースである。トリプルストアには、大量のトリプルを保存することが出来る。

トリプルとは何だろうか?簡潔にまとめると、Subject(主語)、Predicate(述語)、そして、Object(目的語)を含む、あらゆる文を構成する3つのパーツの組み合わせである。トリプルとは、基本的に、主語-述語-目的語で構成された、リンクで結ばれたエンティティのことである。主語は、人物/物事であり、動詞が示す行動を遂行する。述語は、主語が実行する行動である。そして、目的語 は、行動の対象となる人物/物事である。

トリプルの例を挙げる: ケラー夫人は、代数を教えている。

ケラー夫人 → 主語 → エンティティ

代数 → 目的語 → エンティティ

教えている → 述語または関係 → エンティティを結びつける

トリプルは、Uniform Resource Identifier(URI: 情報資源の場所を示す記述方式)として表現される。アンサーエンジンは、トリプルストアの大規模なデータベースにアクセスし、無数の主語、目的語、そして、述語を結び、関係を形成する。その結果、内部で認証されたデータ、そして、信頼された文書(構造化データ)を結ぶ関係を確認して、クエリに対する正確な答えが提供されるようになる

リンクから答えへ

グーグル、ビング、ヤフー!等の機械が理解することが可能なschemaタイプを使って、この論理とテクノロジーを拡大していくと、IBMのワトソンコンピュータのような、キーワードやアンカーテキストリンクを利用することなく、質問に答えることが可能な「アンサーエンジン」が生まれる。

構造化データは、ページのコンテンツの意味に関する詳細な情報を、容易に処理して、ユーザーに提示することが可能な方法で、検索エンジンに提供する力を持つ。

データの理解 vs データのインデックス

ここで、再び、「エンティティとは何か?」と言う質問に戻ろう。グーグルのナレッジグラフにおいて、エンティティとは、セマンティックデータのオブジェクトであり(schemaのタイプ)、それぞれのエンティティが固有の識別子を持つ。また、意味を表す現実の世界のトピックの属性に基づいた、特性の集合体であり、当該のトピック、そして、その他のエンティティとの関係を現すリンクでもある。

2010年7月、グーグルがメタウェブを買収した時、データベース「フリーベース」には、1200万点のエンティティが存在した。2012年6月の時点で、グーグルのナレッジグラフは、5億点のエンティティを記録し、エンティティ間の関係は35億点に達していた。その後の16ヶ月間で、大幅にボリュームはアップしているはずだ。

機械が認識することが可能な構造化データをウェブに加えることで、データを「インデックス」する能力に対して、データを「理解」する検索エンジンの能力は大幅に高まり、アンサーエンジンを介して、質問に対してより正確な答えを獲得する上で、2つの大きな進歩をもたらすようになる:

  1. ユーザーの意図を理解する上で、遥かに優れたメソッドを用いることが出来るようになる
  2. 巨大な構造化データのデータベースから、ユーザーに対して最も信頼性が高く、最も正確な答えにマッチする、認証された構造化データを引き出すことが出来るようになる。

キーワードのインデックス vs 自然な言語の理解

SEOのエキスパート、セマンティックのストラテジスト、そして、検索エンジンは、– 「ウェブサイトを支援して、非構造化データをインデックスさせる」取り組みから「機械が認証することが可能な構造化データをウェブ上で提供して、ウェブサイトを支援する」取り組みへと移ろうとしている。

エンティティの抽出

例を挙げるため、そして、少し深く掘り下げるため、以下にイメージを掲載する。このイメージから、「Place」(場所)に対するschemaのタイプの階層、そして、そのバリエーションを多少見ることが出来る — Courthouse(裁判所) vs. Embassy(大使館) vs. Apartment Complex(アパート) vs. Canal(運河)。このように、エンティティの抽出が、セマンティック検索を動かす中心的な取り組みであることが、このイメージには鮮明に表れている。そのため、エンティティこそが、検索のビジビティの未来そのものだと言っても過言ではない。オーソリティ、信頼性、ファインダビリティ等もその中に含まれる。

schema.org Place hierarchy

schema.org “Place” 階層 – Protege

セマンティックコミュニティ、学界、W3C、情報学者、グーグル、ビング、ヤフー!、企業の優れたウェブサイト、SEOのエキスパート、ウェブディベロッパー、ウェブデザイナー、インタラクティブエージェンシー等は、セマンティックテクノロジーを使ってツールを作り、セマンティックマークアップをウェブに実装して、セマンティック検索の改善に既に着手している。

セマンティックマークアップを使ってデータとコンテンツを見えるようにする

過去3年の間に口を酸っぱくして言ってきたことだが、セマンティックマークアップを使って、全てのビジネスのデータとデジタルコンテンツに検索エンジンが容易にアクセスすることが可能な環境を作るべきである。

ビジネスのデータは、リッチメディアの動画コンテンツ、製品のレビューや評価、場所や連絡先情報、専門分野の詳細、特売、製品の情報等で構成されている。繰り返すが、schema.orgのschemaのタイプをチェックしてもらいたい。

セマンティックマークアップをサイトに実装すると、ビジネスのデータを検索エンジン、ウェブアプリ、カーナビ、タブレット、モバイルデバイス、アップルの地図アプリ、Siri、イェルプの地図、リンクトオープンデータ等のマシンが読めるようになるためだ。

セマンティックマークアップは、ビジネスのデータをまるでチョコレートのように検索エンジンに提示する — 検索エンジンは、大いに気に入り、最後まで食べきる。検索エンジンは、データを隅から隅まで理解し、SERPでのユーザー体験を向上させるため、データを集める情報を心得ている。また、検索エンジンが、構造化データを使って、より関連性の高い検索結果を提供する一方で、CTRが上がるため、ウェブマスターもまたメリットを得ることが出来る。

最後に

セマンティック検索が、浸透するにつれ、セマンティックマークアップを利用することで、グーグルがナレッジグラフに対して必要とするエンティティの情報をグーグルに与えることが出来るようになり、その結果、検索エンジンは、様々なデバイスでユーザーのクエリに、より適切な答えを提供するようになる。セマンティックマークアップの採用が増加しても、キーワードに焦点を絞ることは可能だ。ただし、未来のSERPでビジビリティを確立するには、セマンティック検索を理解し、そして、受け入れて、正しく構造化データを利用する能力を高めていく必要がある。

検索エンジンは、ユーザーのクエリに対して、より正確な答えを提供するため、機械が読むことが可能なコンテンツを求めている。 ユーザーは、デスクトップ/ラップトップよりもスマートフォン/タブレットを優先し、パーソナライズドされた答えを求めている(Monetate – 2013年第一四半期 ショッピングサイト)。

そのため、SEOの関係者は、セマンティックテクノロジーおよびエンティティ検索のコンセプトを理解しなければならない。まずは、バーバラ・スターが投稿した「検索が台頭する10の理由」を参考にして、すぐに実行に移せる10点の作業に取り掛かってもらいたい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Future SEO: Understanding Entity Search」を翻訳した内容です。

部分的に理解が難しい点もありましたが、パラグラフ毎にトピックが整理されており初心者にも理解しやすい記事だったと思います。検索エンジン自体が 「ウェブサイトを支援して、非構造化データをインデックスさせる」取り組みから「機械が認証することが可能な構造化データをウェブ上で提供して、ウェブサイトを支援する」方向性に移りだしているとはいえ、ウェブサイトの構造化対応は今後必須となっていくのでしょう。進化し続ける検索エンジン、我々も頑張って勉強して最前線の検索マーケッターとして走り続けていきたいものです(大変ですが・・・)。– SEO Japan [G+]

Gmailの受信トレイにGoogleドライブが統合―添付ファイルを直接ドライブに保存できるようになった

今日(米国時間11/12)、Gmailがさらにアップデートされ、メールとGoogleドライブの連携がまた一歩進められた。今後はいちいちメールの添付ファイルをダウンロードしてからドライブにアップロードするというステップを踏む必要がない。添付ファイルを表示すると同時に受信トレイの中から直接Googleドライブにファイルを保存することが可能になった。

Googleは昨日、受信トレイでメールを開かずに直接YouTubeを視聴したりできる“Quick Actionsボタンを追加したばかりだ。今日のドライブとの統合も狙いたはメール処理のスピードアップだろう。

この機能はユーザーに順次公開されている。機能が有効になると受信したメールに添付ファイルがある場合、メールの末尾に画像、動画、MS Office文書、PDF、表計算シートなど、そのサムネールが表示される。サムネールをクリックすると全画面モードで画像としてプレビューできる。

その後Googleドライブ・ボタンを押してGoogleドライブに保存すれば、いちいちローカルにダウンロードする必要なしに閲覧、編集などが自由にできる。保存の際にはフォルダも選択できる。ローカルに保存したい場合は、矢印ボタンをクリックすれば従来通りダウンロードができる。

今回のGmailとドライブの連携は、メール処理のスピードアップと同時にドライブの利用を促進しDropboxやBoxのようなライバルに対抗するのが当面の目的だろうが、同時にデスクトップのソフトウェアをウェブベースのOSであるChromeOSに一元化するというのがGoogleの長期的な目標に違いない。

またデスクトップ・ソフトウェアをモバイル体験に近づけることも目的の一つだ。現在、モバイル・アプリでメールの添付ファイルを表示、保存するためのステップはデスクトップ版より少ない。【中略】

Googleによれば、このアップデートは当初デスクトップ版のみサポートし、来週中に順次公開されるという。今回Googleは初めてGoogleドライブのアクティブ・ユーザー数を1億2000万人と明かした。Dropboxには1億7500万人の登録ユーザー(アクティブユーザーではない)がありAppleのiCloudは3億2500万SkyDriveには2億5000万、Boxには2000万以上のアカウントがあるという。これでみるとGoogleドライブはアクティブユーザー数としては世界最大か最大にごく近いものと思われる。

サードパーティーのデベロッパー

標準的な添付ファイルの処理に加えて、サードパーティーのデベロッパー向けのGoogle Drive SDKには、独自アプリとGoogleドライブを連携するためのさまざまなツールがサポートされており、Gmail添付ファイルをアプリと連携して利用するにようできる。

Gmailの新しいプレビュー機能を利用するとGmailのメッセージには添付ファイルの関連アプリの候補が表示され、開くアプリを選択できる。ユーザーが望むアプリが表示されない場合も、受信トレイ内から新たなアプリへの関連づけを行える。

詳細はGoogle Developersブログを参照のこと。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Windows版Chrome、1月よりWeb Store外サイトからの拡張機能インストールを禁止

GoogleのChromeブラウザは、1月よりChrome Web Storeで扱っていない拡張機能のインストールをできなくするのだそうだ。

Googleは最近、ブラウザからの警告を増やしたり通知なしのインストールを不能にするなどの手段で、悪意のある拡張機能を排除しようと努力中ではあるが、徹底的な排除のためには、さらなる規制強化が必要であると判断したようだ。また、Googleによれば、Windows利用者からの不満の第一は、あやしい拡張機能がインストールされてしまって、ブラウザの設定が上書きされてしまったり、思った通りの動作をしなくなってしまうということであるとのこと。そうした声にも対応しようとしているわけだ。悪意ある拡張機能はChrome Web Storeを経由せずにインストールされるのがほとんどであるとして、外部サイトからの拡張機能インストールを禁止してしまうのが早道であると判断したのだ。

開発中の拡張機能をローカルからインストールすることは、これからも行える。またグループポリシーを活用して、社内利用者のブラウザに拡張機能をインストールするようなことも行える。また、今回の変更はChrome Appsには影響しない。

開発者の方には何か問題があるだろうか。今回の方針変更でWeb Storeへの登録が必要となってしまった人もいるだろう。しかしこれはGoogleのそもそもの方針でもあったことだ。それに、拡張機能開発者のほとんどは、既にWeb Storeを利用していることだろう。開発者のほとんどには、さほど深刻な影響はないものと思われる。面倒があるとすれば、サインアップ時に5ドルの費用がかかる程度のことだ。

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(翻訳:Maeda, H


GoogleがJavaScriptベンチマークOctaneをアップデート, asm.jsとTypeScriptもテスト対象に

Googleが同社のJavaScriptベンチマークスイートOctaneのバージョン2.0をリリースした。Octaneは17のテストにより、ブラウザが実装しているJavaScriptランタイムの実行速度を計測する。

最初のバージョンが出たのは1年あまり前だが、今度のバージョンではレイテンシの計測にとくに力が入れられた。また、JavaScriptの新しい技術の数々もテストされる。また2.0では、MozillaによるJavaScriptのサブセットasm.jsで書かれコンパイルされたコードへの、ブラウザの対応もテストできる。また、MicrosoftのコンパイラTypeScriptのテストも加わり、実行速度、コードパーサの性能、ブラウザのメモリサブシステムなどを測定する。

Googleがasm.jsをサポートしたことは、興味深い。このプロジェクトは、ブラウザ内のJavaScriptのパフォーマンスをネイティブコードのそれに近づけるMozillaの試みで、これをバージョン22以降搭載したFirefoxは、JavaScriptの実行速度でChromeを上回った(2012年のMacbook Airの上で2.5倍)。

Googleはasm.jsのパフォーマンスを測定するために、MozillaのテストスイートEmscripten用のサンプルコードzlibを使用している。Google自身はasm.jsの公式サポートに関心を示さず、すべてのJavaScriptをできるかぎり高速に走らす、という姿勢を固持している。そのGoogleが自社のベンチマークにasm.jsを加えたということは、このプロジェクトを相当意識している証拠だ。Chromeにおける‘できるかぎり高速に走らす’の対象に、いずれasm.jsも含まれるのかもしれない。

これらのほかに、Googleの技術者たちと“レイテンシ退治屋”Hannes Payerによると、既存のベンチマークにも多くの手を加え、“それらが意図したとおりの測定を行う”ために改良した。既存のベンチマークとは、GameBoyエミュレータ、正規表現テスト、OctaneのCodeLoad、DelataBlue、NavierStokesテストなどだ。テストの全容とそれらの説明を、ここで見られる。

ぼくのMacbook Airの上で非公式に試してみたところ、Firefox 25とSafari 7.0では得点が10000強、対してChrome 30では14000強だった。またSurface Pro + Internet Explorer 11では約8500点、Chrome 30はやはり14000点となった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


サンフランシスコ湾の謎の艀―Google、「最新テクノロジーを紹介する対話的デモ・スペース」とコメント

1月ほど前から話題になっている謎の艀について(とうとう)Googleがコメントした。メイン州ポートランドとサンフランシスコに先月姿を表した2隻の艀の正体についてさまざまな推測が飛び交っていた。

Googleの広報担当者がTechCrunchに語ったところでは、この艀は「最新テクノロジーを一般ユーザーに学んでもらうための対話的デモスペース」に使われるようだ。

Google艀は浮かぶデータセンターか? パーティー船か? 恐竜の最後の生き残りが隠されているのか? 残念ながらどれでもありません。まだプロジェクトは初期の段階なのでいろいろ変更がありえますが、われわれはこの艀を最新テクノロジーを一般ユーザーに学んでもらうための対話的デモスペースに使いたいと考えています。

このコメントは先週われわれがつかんだ情報とも一致する。Los Angeles TimesのChris O’Brienが先週指摘したとおり、この艀についての初期の記事は艀と無関係なサンフランシスコ市とGoolgeとのリース契約書類を参照していた。正しいリース契約書にはこの艀の目的は「特別なイベント会場およびアート展示場の建設のみに限られる」と明記している。

CBS KPIXは番組中で、この艀にはGoogleの最新テクノロジーをデモするショールームと豪華なパーティー会場が設置されると推測した。

艀は(登録番号から判断して)全部で4隻が建造され、大型の艀の上に海洋コンテナーを組み合わせた構造が搭載されている。コンテナの一部には大きな窓が切り抜かれているということで、これがプレゼンテーションのスペースになるらしい。われわれが先週指摘したとおり、Goolgle Glassのようなまったく新しいハードウェアについては、現実にデモスペースを用意することは理にかなっているだろう。こうしたデバイスが何ができるかを多くの消費者に実際に体験してもらうことは広く普及させるために重要なステップだ。

艀の上に組み立てられた構造物は分解して陸上にも移設できるらしい。艀プロジェクトは共同ファウンダーのサーゲイ・ブリンが指揮するGoogleの秘密実験チーム、Xラボの管轄だという。

最初に報道したCnetは水上データセンターだと予測したが、LA Timesの記事がその推測は「無関係なリース契約書を根拠にしている」と指摘した。 先週のThe Vergeの記事は現在トレジャー・アイランドに係留されている艀は、内装工事が完成した後、おそらくゴールデゲートブリッジの西側のフォートメイソンに曳航されてきてオープンするのではないかとしている。

Image: Portland Press Herald

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Googleマップがアップデート―デスクトップ版にストリートビュー表示のペグマンが復帰、Wazeの道路情報も

今日(米国時間11/6)、GoogleはGoogleマップのアップデートをリリースした。今回、デスクトップ版に初めてソーシャルマップのWazeの交通情報が追加された(モバイル・アプリには追加ずみ)。今年に入って買収したソーシャル・マップのWazeとの統合により、Googleマップに交通事故、工事、一時閉鎖などの道路情報が表示されるようになった。

このアップデートではストリートビューの画像を表示させるのが簡単になった。最近のGoogleマップではストリートビュー機能はデフォールトでは隠されており、ユーザーはストリートビューを見るためには地図上の道路をクリックする必要があった。新バージョンではペグマンが復活した。以前のGoogleマップと同様、ユーザーはペグマンを地図にドラグ&ドロップしてストリートビューを表示させることができる。以前のペグマンは画面左上隅にあったが、新バージョンでは左下隅に表示される。

Googleマップでズームインすると、店舗や施設の屋内写真やユーザーがアップロードした写真を見ることができる。

ストリートビューにも改良があった。経路案内では曲がり角ごとにストリートビュー写真を添付し、あらかじめ参考にすることができる。

またモバイル版のツアーガイド機能”がEarth Toursと改名された。自動生成される3D画像によるバーチャル・ツアーを体験することができる。従来Tour Guideという名称をEarth Toursに変更した理由はよくわからない。デスクトップ版にもこの機能はあるが、WebGLをサポートしているブラウザでのみ作動する。

〔日本版〕11/7朝の時点では訳者の日本版Googleマップはアップデートされていない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


2014年からAndroidで電話をかけるとお互いのプロフィール写真が発信者情報として表示される

GoogleはAndroidのダイアラーを今よりも賢くしようとしている。すでにKitKatの機能の一つとして、企業向けの発信者表示機能が発表された。企業名等の取り出しには、Googleの場所データベースが利用される。そしてAndroid Centralによると、来年初頭には、ふつうの電話ダイアリングアプリで、発信者表示機能の一環としてお互いに相手の名前とプロフィールの写真が表示される。オプションだがデフォルトではonになっている。ただし、Googleのアカウントの情報に電話番号も含まれている場合のみ。

自分の顔を表示されたくなければ、Google+のプロフィールへ行き、自分のプロフィール写真の上右コーナーをクリックし、”Account”(アカウント)→”Phone numbers”(電話番号)→ “View” と行って、登録してある電話番号のチェックボックスのチェックをを外す。するとその番号は、HangoutsなどGoogleのほかのサービスでも使われなくなる。チェックが入っていると、“人びとはあなたの名前とプロフィールの写真を、あなたが彼らに電話をかけたり、彼らがあなたにかけたときに見ることができるようになる”、とGoogleは説明している。

これは、プロフィールの写真を広告に使われることほどには、迷惑ではない。というかむしろ、知らない人や知らないところからの入呼が毎日やたら多い人には、とても便利だろう。オプトアウト/オプトインという選択があることは、むしろこの機能の便利さを損なうことになる。しかしこの機能は、Googleの各種情報サービスの現況にうとい、世の中の多くの人たちにとっては、サプライズかもしれない。そのことが問題になる場合は、上に書いたやり方でこのオプションを無効にするとよい。

Android 4.4(KitKat)に実装された発信者を知る機能には、最初に述べた、企業と番号のマッチングがある。また、仕事関係では、企業の指定次第では、電話番号でなくGoogle Appsのドメインから情報を探すこともできる。KitKatは今すでにNexus 5のユーザなら使えるし、“数週間後”にはNexus 4、Nexus 7、Google Playのあるそのほかのデバイスへと展開される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GoogleのiOS用検索アプリがハンズフリー検索をサポート。Google Now通知とリマインダーも改善

本日(米国時間11/5)Googleは、iOS用検索アプリの最新バージョンを公開し、Google Nowのリマインダーと通知サポートが改善されると共に、「OK Google」コマンドを使用したハンズフリー検索が可能になる。

iOSユーザーがGoogle Nowのプッシュ通知を利用できるようになることを、Googleが最初に発表したのは、9月にGoogleのガレージで行われた風変わりなプレスイベントの時で、それ以来同社は改善を続けてきた。

新機能の殆どが、Androidユーザーにとってはお馴じみのものだが、これでiOSユーザーも、交通渋滞のために約束の時間に遅れそうな時、プッシュ通知を受け取れるようになる。さらに、Googleの今やよく知られている”OK Google” コマンドを使ってリマインダーも設定できる。例えば「OK Goolge、家に戻ったらメールをチェックするよう教えてくれ」などと言えば、帰宅時にGoogleが通知を送る。同じように、新作の映画やアルバムのリリースが近づいた時のリマインダーを設定できる。

このバージョンでは、塔乗券や映画のチケットがアプリのホーム画面に表示される他、アプリを開いている間は常に音声を待機しているので、マイクボタンを押すことなく、いつでも「OK Google」コマンドを使用できる。ただしこの機能はある程度新しいデバイス(iPhone 4s、iPad 2以降) でしか動作しない。現時点では、この機能および音声によるリマインダー設定は英語でのみ使用できる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Googleの艀(はしけ)はリースの書類を見るとGlassの展示場らしい

サンフランシスコとポートランドにあるGoogleの謎の艀(はしけ)をめぐって、先週から騒動がエスカレートしている。本誌情報筋によると、艀がGoogle Glassを売っていくための展示施設だ、という各種の報道は正しい。

今日(米国時間11/1)になってLos Angeles TimesのChris O’Brienが書いた記事が、この艀を追っている記者たちの多くが、正しいリース文書を見ていない、と主張している。O’Brienによると、この艀の正しいリース文書では、目的が“特殊なイベント用構造物の製作と美術的展示のみで、ほかの目的はない”、とされている。

本誌が接した情報筋は、艀の最終的な目的を正確には知らないが、サンフランシスコのTreasure Islandの後ろに係留されているユニットのいちばんありえる行く末は、Google Glassを今後の小売目的のために展示することだ、と見ている。

昨日のCBS KPIXの報道は、本誌も今朝早く紹介したが、それは、パーティー用のデッキとその下に小売店舗があり、Google GlassやそのほかのGoogle製品用の豪華なショウルームだ、と述べていた。本誌情報筋はこの報道を、‘かなり正確だ’と評した。

その艀はその上に船舶用コンテナが積まれている構造だ。大きな張り出し窓が随所にあるが、それらはカバーがかかっている。船舶用コンテナはGoogleのお気に入りの構造物で、拡張が容易なのでデータセンターとしてここ何年も使っている。今回また使うのは、その展示スペースが恒久的な施設ではない、ということを示すのだろう。むしろ、分解してあちこちに移動するのが目的ではないか。海上だけでなく。

Google Glassについては、かねてから、小売店舗のないことが大衆的普及を妨げる、と言われていた。ぼくがGlassを使ってみた経験からも言えるが、多くの人はこれを見ても、一体何をするものか、どうやって使うのか、何の役に立つのか、見当もつかないだろう。ぼく自身がいろんな人に見せたお粗末なデモでは、だいたい、眼鏡型のビデオカメラ、という認識で終わってしまう。だからGoogle Glassの真価を分かってもらうためには、もっと本格的なデモや展示が必要なのだ。Googleは今、それをやろうとしている。

これらの艀を作っているのは‘Buy and Large Llc’という名のペーパーカンパニーで、明らかにWall-Eからの借用だ〔ウォーリーを作った会社〕。先週CNETが特ダネとして大々的に報じたときは、海に浮かぶデータセンター、とされていた。でもO’Brienが言うように、CNETが見たのは別のリース文書だ。その文書の日付は8月1日だが、Googleの艀の建造が始まったのは昨年だ。

The Vergeの今週の記事によると、Treasure Islandの艀は完成後に Fort Masonへ曳航されて展示に使われるらしい。上の画像を載せたPortland Press Herald紙は今週、Rickers Wharfで密かに接近撮影を行ったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleがサンフランシスコ湾に巨大な水上店舗を建設中–小売ビジネスでもAppleと勝負か

Googleが今週からずっと、サンフランシスコ湾に目的不明の巨大な艀(はしけ)を停泊させて、注目されている。用途についていろんな噂が飛び交っているが、中には、Googleが特許を取った浮動型データセンターだ、という説もある。しかし、地元ベイエリアのCBS関連会社やCNETの報道は店舗説を掲げ、さきほどCBSも(9to5Googleで)、その説を複数の情報筋から確認した。

本誌の情報筋も、その艀がGoogle Glassの展示~小売施設だとするさまざまな噂や報道は正しい、と言っている。

それらの情報筋も、サンフランシスコのTreasure Islandの後ろに係留されている問題の艀の用途について確定情報は持っていないが、いちばん近い線としては、小売販売を目的とするGoogle Glassの展示スペースだろう、と言う。

CBSの報道は、甲板がパーティー会場で下がGlassなどのGoogle製品を展示販売するスペースとなる豪華なショウルームである、と述べている。その話は、本誌の情報筋が言ったこととほぼ符合する。

CBSの関連企業KPIX 5によると、艀には最終的にはGoogle Glassなどのガジェットを展示する豪華なショウルームとパーティー用のデッキが敷設され、選ばれた顧客~見込み客だけが招待されて機器のデモや試用などを体験する。これを構想したのは、Google Glassや自己運転車などの実験的な製品を生んだGoogleの‘秘密の研究所’Google Xで、Googleの協同ファウンダSergey Brinが管轄している。この小売用の艀の実験も、中心的人物はBrinらしい。そしてCBSの報道は、それはAppleの強大な小売プレゼンスに対抗するためだ、と言っている。

現時点では豪華なショウルームらしさはなくて、船台の上にモジュール形式の長さ40フィートの船舶用コンテナが、積み木のように横や縦に連結されている(上図)。これらは、簡単に分解して折りたたむことができる。Googleはこれをトラックや貨物列車にも乗せると言っているらしいから、必ずしも海と港に限定された話題ではない。Googleの最新テクノロジのロードショーが、文字通りroad showになるのだろう。

CBSによるとこの艀は、沿岸警備隊が対応を検討しているのでローンチが予定より遅れる。しかし沿岸警備隊は、Googleと歩調を合わせて、艀の用途や目的を記者たちに明かさなかったそうだ。

今年の初めに流れた噂では、Googleは今年のクリスマス年末商戦に間に合うように小売店舗を開設する、となっていた。金持ち客をねらった豪華な水上店舗を派手にローンチしたら、それはGoogleの小売事業のスタートにふさわしいかもしれない。そしてそれは、Chrome OSやNexusなど既存の製品と、Google Glassのような実験的なプロジェクトの両方にとって、知名度を上げる好機になるだろう。とくに後者は、消費者層への幅広い浸透が、これからの大きな課題だ。

画像クレジット: CBS KPIX 5

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


App Indexingを使うと、Google検索結果からAndroidアプリに直接リンクできる

今頃はもう、Android 4.4 KitKatには当初報じられていたより、ずっと多くの物が詰まっていることが明らかになっているだろう。中でも(少なくとも私にとって)興味深いことが、初期のリーク情報からは抜けていた。

GoogleのNexus 5/KitKatプレゼンの最後に紹介されたApp Indexingという新機能を使うと、アプリ開発者はGoogle検索結果をアプリ内コンテンツに直接リンクさせることができる。

しくみはこうだ。例えば、Google検索アプリで映画『エンダーのゲーム』があま良くないという記事を発見したとする。もしその時、端末にIMDbアプリがインストールされていれば、検索結果に「アプリで開く」ボタンの付いた情報カードが表示される。タップするとIMDbアプリが立ち上がり、すぐにエンダーのゲームの情報が表示される。

当然この機能は映画情報に限らない。現在この機能をサポートしているのは、Allthecooks、AllTrails、Beautylish、Etsy、Expedia、Flixster、Healthtap、IMDb、Moviefone、Newegg、Opentable、Truliaの各アプリ。

Googleの狙いは、アプリ会社に選択肢を与えること。もし自社のモバイルインターフェースがユーザー維持に十分だと思えば、そのままでいい。しかし、もしAndroidアプリが既にある(あるいは開発中)なら、このディープ・リンクを実装することでユーザーをつかみやすくなるかもしれない。

Androidアプリの開発を推進するためであることも間違いない。Androidが世界的大勢であることに疑いはない ― Android 4.4 KitKatは安価なハードウェアに高度な機能を載せることで、途上国での端末販売を促進する。そして、多くの場合Google検索アプリがそこに関わる。つまり、Google検索で何かを探す世界の巨大Androidコミュニティーが、「アプリで開く」ボタンを見つけてくれるチャンスがあることになる。

現在Googleは上に挙げたパートナーと新機能のテストをしているところなので、実際に新しい情報のカードを見られるのは11月中のいつかだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


本日公開のndroid 4.4 KitKat詳細レビュー―すべてのデバイスで動作可能、Googleの野心はフラグメンテーションの抜本的解消

今日(米国時間10/31)、Googleは長らく待たれていたAndroid 4.4 KitKatをリリースし、詳細を発表した。これまでKitKatについてはネスレと提携し、有名なチョコレート菓子をOS名に採用したということしか分かっていなかった。TechCrunchの取材に対し、Googleは「これは次の10億人のユーザーを目指す(Androidユーザーが10億人に達したと以前に発表している)OSだ。Googleの先進的機能をモバイル体験全体に行き渡らせつつ、次世代デバイスのプラットフォームを築くベースとなる」と述べた。

GoogleによればAndroidの成長は途上国で著しく、先進国の3倍のスピードにもなっているという。しかし途上国市場で主に利用されているAndroidOSはGingerbreadで、これは何世代も前のバージョンだが、途上国で一般的なメモリー512MBデバイスでも動くからだ。

Googleはこうした低スペックの古いデバイスでもKitKatを作動させようと決意したが、これは困難な挑戦だった。そのためにはOSが必要とする資源を大幅に減らすと同時に、各種のアプリもを新たな制限内で作動するようにアップデートさせる必要がある。

GoogleはトップデベロッパーだけでなくAndroidにアプリを提供しているすべてのデベロッパーを助けるために、KitKatに新しいAPIを導入した。これは対象デバイスでどれほどのメモリーが利用できるかをデベロッパーに知らせ、それに応じて適切なバージョンを選択してインストールできるようにするものだ。最初期の低スペックのAndroidデバイスでも最新のアプリケーションを動作させることができるようにすることが狙いだ。

Androidのボス、Sundar Pichaiは今日のプレスイベントで「通常OSの新バージョンは以前より多くのメモリーを必要とする。しかしKitKatはそうではない。われわれはエントリーレベルの古い製品を含めてすべてのAndroidデバイスでKitKatが作動するようにした。2014年にはたったひとつのAndroidOSがすべてのAndroidスマートフォンで作動するようになる」と述べた。”

KitKatの最大のセールスポイントがすべてのAndroidで動作可能という点にあることが明らかになった。KitKatはフラグメンテーションの抜本的な解消を目指すOSであるようだ。1年でOSのバージョンを一本化するというのはおそろしく野心的なプログラムだが、Googleが主張するとおりになるなら、その影響するところは甚大だろう。ただしKitKatを導入するかどうかはあくまでデバイスのメーカーの判断によるということなので、古いデバイスの相当の部分はKitKatにバージョンアップされずに取り残されるだろう。

以下にNexus 5向けに本日リリースされたバージョンのKitKatを詳しく紹介する。

ロック、ホーム画面

指輪物語ではないが、KitKatは「一つのOSが全てを統べる」ことを最大の目的として開発され。しかしGoogleはそれ以外にいくつもの新機能をもりこんでいる。たとえば、音楽を演奏しているときにはアルバムのジャケットがロック画面にフルスクリーンで表示され、いちいちアンロックしなくても曲を選択できる。アプリ・ランチャーも新しいデザインになり、ナビゲーション・バーとトップの通知バーが透明になった。

ホーム画面の空白部分を長押しするとランチャー画面が縮小表示され自由に順番を入れ替えることができる。フルスクリーン・モードをサポートしているアプリの場合、ナビゲーションと通知は隠され、完全なフルスクリーン表示状態になる。

新ランチャーは当面Nexus専用だが、今後各メーカーのOEM版にも採用されていくだろう。

ダイヤラー

KitKatの新ダイヤラーは検索機能を内蔵している。つまりユーザーが店舗や施設の電話番号を知らない場合でも、名称を入力するとダイヤラーがGoogleマップのデータベスを検索して電話番号の候補を表示してくれる。また受信の場合には、電話番号から発信者情報を検索する。また通信履歴から自動的に「お気入り」リストを作る機能も追加された。

ハングアウト

Googleはテキスト、音声、ビデオすべてのメッセージ・サービスをハングアウトに統合した。ハングアウトが今後はデフォールトのメッセージ・アプリとなる。ユーザーは特定の番号や相手先リストに今まで同様にSMSを発信できる。またワンタッチで自分の位置をマップ上に表示して送信できるPlacesボタンの追加、キーボードへの絵文字の採用なども行われた。

これらはiMessageに相当する機能で、Googleが熱い視線を送っているBlackBerryユーザーのAndroidへの取り込みにはことに有効だろう。

また写真の添付もデバイス内やGoogleドライブの写真だけでなく、Boxもサポートされる。さらにGoogleによればサードパーティーのストレージ・プロバイダーは誰でも写真添付用のフックを提供できる仕組みだという。

カメラ

KitKatの新しいHDR+アプリは、ユーザー体験として従来と変わりない。ただシャッターボタンを押せばよいだけだ。しかしその背後でKitKatは設定を変えながら何枚も写真を撮り、それぞれのもっともよく写った部分をシームレスに統合する。逆光で撮影しても人物の表情がはっきりと写るし、動いている物体さえ、より鮮明になる。

HDR+も当面Nexus 5専用だが、これも将来は他のデバイスに拡張される。

ワイヤレス印刷

デベロッパーは、アプリに印刷機能を(Googleによれば、簡単に)追加できるようになった。HPのワイヤレス・プリンター全機種とGoogle CloudPrintをサポートするプリンターからワイヤレス出力できる。

Google検索

言うまでもなく検索はGoogleのすべてのプロダクトの核心だ。KitKatでは検索がさらに全面に押し出されている。すべてのホーム画面でデフォールトで検索窓が用意され、同時にGoogle Glassと同様の「ホット起動」もサポートされた。ユーザーがOkay, Googleと呼びかけると即座に音声検索が起動する。

Google Now

Google Nowは従来下から上への画面スワイプでアクセスできたが、今回は左から右へのスワイプに変更された。また新しいタイプのカードも追加されている。

新しいNowは知識ベースが大きく拡充され、たとえばユーザーのお気に入りのテレビ番組が「ウォーキング・デッド」だなどということを認識できるようになった。この場合、この番組の関連情報が表示されるカードが用意される。GoogleNowは位置情報、カレンダー情報だけでなく、ユーザーが関心を持ちそうなコンテンツも認識して有益な情報を提供する。たとえばユーザーがどのブログを頻繁に読んでいるかを記憶し、新しい記事が投稿されると通知する。ある意味でGoogleはしばらく前に終了させたGoogle ReaderをもっとスマートなかたちでNowに移植しつつあるいえるかもしれない。

またNowはクラウド・ソースによって関連ある情報を選び出す。たとえばイエローストーン国立公園について検索するユーザーの多くが間欠泉の噴出時刻を検索していると知ると、デバイスの持ち主がイエローストーン国立公園にいる場合、噴出時刻のカードを表示するといったぐあいだ。また映画館の近くにいる場合は上映時刻とチケット購入サイトへのリンクが表示される。

Google検索とアプリの連携強化

ユーザーがGoogle検索を実行した場合、結果がアプリへのリンクが含まれる。それもアプリのトップページではなく、アプリ中の特定のコンテンツに直接リンクされるようになった。検索結果にOpen in App Xと表示された場合、リンクをたどるとXというアプリの特定のセクションが表示される。 たとえば料理アプリなら検索した料理のレシピのページが開くわけだ。現在のパートナーはExpedia、Moviefone、 OpenTableなどだ。これも現在はNexusのみの機能だがやがて拡張されるはずだ。

入手可能時期

Android 4.4 KitKatは今日、Android Open Source Projectを通じて公開された。同時に世界10カ国で発売されたNexus 5ではただちに利用可能だ。数週間のうちにNexus 4、Nexus 7、Nexus 10向け及びGoogle Play上でSamsung Galaxy S4とHTC One向けのバージョンが公開されるという。

Googleによれば、「このアップデートはスマートフォンだけでなく、すべてのレベルと種類のデバイスで利用可能になる」と強調している。果たして最近話題のGoogleの各種ウェアラブルデバイスにも搭載されることになるか注目だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


NSAはGoogleとYahooのネットワークに侵入していた(ワシントンポスト報道)

米国国家安全保障局(NSA)は、GoogleおよびYahooのネットワークに秘かに侵入し、リアルタイム通信を監視していた。漏洩者エドワードスノーデン発の新たに暴露された文書による[PDF]。

「国家安全保障局は、YahooおよびGoogleのデータセンターに繋がる世界中の主要通信回線に秘かに侵入していることが、元NSA契約社員エドワード・スノーデンから入手した文書および事情に詳しい高官へのインタビューでわかった」と、The Washington Post報じた。同紙は、走り書きされたその文書を入手した。

GoogleとYahooは共に、世界中の戦略的データセンターを高価な光ファイバーデータ回線で結び、情報の流れを最適化している。この侵入によってNSAは、「メールの送受信者や日時、テキスト、音声、ビデオなどの内容」を知ることが可能になる。

NSAによる自社ネットワークの傍受を知ったGoogleは声明を発表し、「政府のトラフィック監視疑惑は遺感であり、当社はこの行動に関して何も知らない」と語った。

“MUSCULAR” というコードネームで呼ばれるこの監視プロジェクトは、英国諜報機関、GCHQと共同で運用されている。

NSAは、法廷で認められた収集プログラムであるPRISMを通じて通信へのアクセスが可能だが、同局にとっては国際領土の方が好みなのかもしれない。米国のプライバシー法を回避できるからだ。NSAは裁判所の厳格な監督下以外で、アメリカ人に対してスパイ行為を働くことを禁止されている。国際法の方が制限の緩い部分がある。

Washington Postは、この情報をGoogleのシステムに詳しい技術者2名に見せたところ、「口汚く怒り」を露わにし、「掲載されることを期待している」と語ったと伝えている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


エンティティを制する者が未来のSEOを制す

今後の検索における最重要その一つとしてエンティティ検索に関する記事を何度か取り上げてきましたが、今回はセマンティックウェブの専門家がエンティティやSEO含めた検索エンジンの未来についてインタビュー形式で答えた、わかりやすくて勉強になる記事を。ハミングバードアルゴリズムでキーワードの重要性が薄れるという話がありますが、これを読むともう少し本質レベルで理解が深まります。 — SEO Japan

SEOの未来を想像してもらいたい。– キーワードやその類義語の利用について、考える必要がない未来だ。未来のSEOでは、このような戦略は時代遅れになる。未来の検索エンジンは、内部で、信頼されている文書にリンクする認証済みのデータと照合し、クエリに対する答えをユーザーに提供する。

killer seo new1未来の検索に対してウェブサイトを最適化するには、SEOの当事者は、よく絞り込まれた、焦点が絞られ、あるいは、範囲が限られたクエリに答えるウェブページ上で、関連する、機械が認識することが可能な「エンティティ」を作成する必要がある。

エンティティを作るため、セマンティックウェブのテクノロジー、そして、構造化データの利用が進む。すると、検索エンジンは、ページの内容をより正しく理解し、それぞれのクエリに対して、より妥当な検索結果/答えを提供することが可能になる。

この記事では、未来のSEOを行う理由を説明し、そして、その方法を紹介していく。

検索 & SEOの未来を語る

先週、グーグルグラスやグーグルナウ等、最近のグーグルのイノベーションを考慮した上で、検索 & SEOの未来について、良き友人であり、仕事上の仲間でもあるバーバラー・スターと議論を交わした。その際、その見解をこの記事で紹介することに同意してもらった。

セマンティックストラテジストとしてのバーバラ・スターの経歴は目を見張るものがある。キャリアの早い段階で、バーバラ・スターは、High Performance Knowledge Bases(HPKB)プロジェクト — コンピュータが、知識を取得し、提示し、操作するテクノロジーを進歩させるための国防高等研究計画局(DARPA)のリサーチプログラム — に参加した。また、DARPAにおいては、PAL プログラム(後にSiriになる)を含む、その他のプロジェクトにも貢献してきた。

2009年にスターに出会った時、SEOと検索エンジンのテクノロジーの関係について会話を交わした。時間の経過とともに、この会話は、検索およびセマンティックウェブの過去の事実、そして、今後の可能性を語る議論へと姿を変えていった。その後、この議論は、検索エンジンでキーワードを利用する理由に関する議論へと発展し、最終的に、エンティティ検索、そして、String Entity Optimization(文字列のエンティティの最適化: SEO)のコンセプトが導き出されたのであった。

グーグルやその他の検索エンジンは、IP、シグナル、そして、アルゴリズムにとても敏感であり、次に検索にもたらされる変化を推測することは、SEOの関係者にとって、容易ではなかった。今回の投稿では、スターと私が意見を出し合い、たどり着いた見解を紹介する。当然だが、グーグルが今後どのような取り組みを行うのか、私達には分からない。しかし、グーグルやその他の検索エンジンが、現在、採用している検索およびセマンティックテクノロジーに関しては、基本的なコンセプトを見出すことが可能であり、ここから、検討する価値のある、実現可能な取り組みを明らかにすることが出来る。

検索でキーワードを利用する理由

: なぜ、これほどまで長い間、私達は検索でキーワードを利用してきたのでしょうか?

バーバラ・スター: キーワードは、検索の歴史において、人為的な影響を受けるアイテムとして、進化を遂げてきました。キーワードは、音声検索やジェスチャー検索等のメカニズムが成熟していなかった時代、キーボードのような非効率的な入力メカニズムしか存在しなかったため、利用されていました。当然ですが、音声検索等、行動による結果を機械で提供するには、まだまだ解決するべき課題は残っています。

つまり、キーワードのみのクエリは、最終的になくなると、私は考えています。クエリ全文を入力するのが大変だったため、そして、音声認識、タッチスクリーン等、効果的なテクノロジーがなかったため、キーワードは存在したのです。しかし、現在、検索エンジンは、長い文や本格的なフレーズを好む傾向が見られます。このようなフレーズは、クエリ内の前後の関係、そして、ユーザーの意図に関する情報を(直接クエリの「明確」な要素を介して)得られるためです。私なら、デバイス、居場所等、「状況」に応じて、「黙示的」な要素を様々なサブカテゴリに分類します。

また、ハードウェアの面では、ムーアの法則が関係しています。かつて、源となるコンピュータのパワーが不足しており、また、検索エンジンにはパフォーマンス等を意識させる必要があったため、この奇妙なキーワードシステムを利用せざるを得なかったのです。当時、このシステムに勝るテクノロジーは存在しませんでした。言うまでもないことですが、グーグルが、キーワードの宣伝および収益化に長けていたことも理由の一つです。

delivery search

検索 [delivery]

「キーワード」に答える「アンサーエンジン」など、夢にも思いませんでした。前後の関係がない状態で、どこからともなく突然、誰かに「delivery」(デリバリー)と言ったら、変人扱いされてしまいます。しかし、現在の検索エンジンは、ユーザーが検索の履歴や場所等、コンテクスト(背景)を提供している場合、食べ物に関連するレストランのカルーセルが表示されます。また、ユーザーによってこの結果が有益ではないと判断されると、2番目のアルゴリズムが稼働し、eコマースタイプのデリバリーの結果を提供します。この際、ナレッジグラフのエンティティが用いられます。ここから、グーグルが「コンテクストそのもの」を引き出すのです。

: キーワードが重要ではなくなる日はやって来ると思いますか?

バーバラ・スター: SEOの関係者の間では、キーワードにほとんど依存しない構造は、大きな混乱を招くかもしれません。しかし、多くの検索が、1時間後には対象から外れるクエリを持つ、アンサーエンジンを構築するため、10年間を費やした私にとっては、それほど大きな変化ではありません。

Sindice.com等の検索エンジンを例にとって考えると分かりやすいと思います。Sindice.comは、ウェブ上のページをクロールし、HTMLから構造化データのメタデータを抽出し、そして、その他の部分を捨て、「エンティティ検索」として内部で直接検索を行うため、構造化データを維持します。そのため、エンティティ検索におけるページ上のキーワードは、この場合、関連性がある・ないの問題ではなく、検索エンジンによって、文字通り破棄されてしまうのです。

グーグルは、その他のシグナルを使って、信頼性を特定し、内部のエンティティグラフを確認し、検証します。セマンティックに対する注目は大きく、尚且つ、自然であり、ユーザーの意図を理解する観点から、そして、特定の状況下の特定のユーザーに適切な結果を返す観点から、グーグルは「シグナル」に注目しているのです。エンティティとして考えられていない場合、エンティティ検索では、見つけてもらえません。この点において、 「状況」の領域、そして、グーグルプラスと調和する「ソーシャル」の領域を拡大することが出来るかもしれません。

エンティティ検索 & String Entity Optimization

: これはSEOの関係者が、理解に苦しむコンセプトなのかもしれません。SEOが「エンティティ検索」内にフィットする仕組みを説明してもらえませんか?

バーバラ・スター: グーグルのナレッジグラフがエンティティグラフである点を理解すれば、「エンティティ検索」がSEOに適用される点は、明らかです。そのため、グーグルに「エンティティ」として扱ってもらえない場合、ナレッジグラフ(またはカルーセル)、グーグルナウ、グーグルグラスに存在しないことになります。当然、クエリに対する答えとして結果に表示してもらえなくなります。単純にコンテクストおよび全体像から漏れているのです。

そのため、先程も申し上げた通り、ブランド/クライアントが、グーグル、ビング、そして、台頭するセマンティック・アンサー・エンジンにおいて、見つけて欲しい場所で、必ずエンティティとして認識してもらう必要があるのです。

SEOの関係者なら、エンティティのランク付けにおいて、トレンドのエンティティから発想を得られるかもしれません。これは、計測上の基準において、エンティティにシフトチェンジするグーグルの意向が初めて表面化したサービスであり、新たなセマンティックウェブのツールが開発されるようにつれ、より取り上げられる機会は増えていくかもしれません。

google trends

トレンドの例

グーグルウェブマスターツール内の構造化データの結果も初期の計測基準に挙げられます。このツールは、今後登場するツールと比べると、まだまだ荒削りだと言わざるを得ません — ついでに言うと、ナレッジグラフもまた生まれたばかりです。

私: 今後3年の間に、検索エンジンのユーザーおよび検索エンジンにどのような変化が起きると思いますか?

バーバラ・スター: グーグルを筆頭に検索エンジンは、最終的な目標である未来のスタートレックのようなコンピュータに向けた取り組みを始めています。今後、検索は、ますますセマンティック化し、人工知能に主に関連する本質的なコンセプトを活用するようになるでしょう。

私: 検索エンジンとSEOは、どのような要素を検討するようになるのでしょうか?

バーバラ・スター: 検索結果、そして、ユーザーのクエリにおいて、セマンティック、そして、構造化データの利用がさらに増えるでしょう。

  • 音声検索、そして、この取り組みにおける大幅な改善の影響を受け、キーワードで構成されるクエリはますます減り、質問がそのままキーワードになります。
  • クエリを理解して、より妥当な検索結果や答えを提供する取り組みが強化されます。
  • 装着可能なデバイス、そして、いつの日か、埋め込み可能なデバイス — グーグルグラス等の装着可能なアイテムの検索から、時計等の別の装着可能なアイテムにデバイスにアクセスすることが可能 — が多数登場します。
  • ホームエンテータイメント機器、テレビ等、全てのディスプレイにアクセスする究極の「デバイス」の選択が行われます。そして、恐らく、ユーザーのデバイスで開始された、音楽、TVのチャンネル、視聴可能な映画等、カテゴリー全体に対する検索が行われようになるでしょう。
  • シグナルが、検索エンジンに向けて、ユーザーのデバイスに「プッシュ」されるため、インターネットとのやり取りがより緊密になります。
  • グーグルグラス等のソーシャルプロフィールの活用について、遥かに深い議論が交わされるようになるでしょう。

私: String Entity Optimazation(すなわちセマンティックSEO)は今後どのように展開していくのでしょうか?

バーバラ・スター: ここで再び、ナレッジグラフ、エンティティ検索、そして、「インデックス」から「理解」への関連する方針転換に触れる必要があります。

現在、検索エンジンとソーシャルエンジンの大半が、エンティティ検索を活用しています。そのため、ユーザーの意図の理解が活用される仕組み、そして、エンティティグラフ検索との関係が鍵を握ります。エンティティと見なされていない場合、エンティティ検索では、見つけてもらえません。

: SEOの当事者は、エンジンがこの方向に全力で進む前に、どのように取り組みを改善すればいいのでしょうか?

バーバラ・スター: SEOに対する質問は、次のように言い換えることが出来ます — よく絞り込まれた、つまり、焦点が絞られ、範囲が限定されたクエリに応える、適切なエンティティを作成するにはどうすればいいのでしょうか?このタイプのクエリは、答えとして、具体的な結果/エンティティを求めています。

SEOの関係者は、エンティティへの文字列のマッピングを理解する必要があります。

エンティティのschemaで定義されている、検索エンジンの内部の構造化データにより、エンティティが見つけられ、表示される点、そして、同じく検索エンジン内部の構造化データからエンティティがもたらされる点を理解する動きが活発化しています。つまり、キーワードについて心配する必要はもうないのです。ユーザーに対して、何を「伝える」のか、そして、検索エンジンが興味を持つエンティティや「物事」にどのように関連付けるのかについて、検討する必要があります。検索エンジンは、ある理由のために、このような「物事」に関心を寄せます。

先程挙げたSindice.comを思い出して下さい。この検索エンジンは、ウェブ上のページをクロールし、構造化データのメタデータをHTMLから抽出し、そして、ページの残りを捨て、構造化データを維持します。内部で、直接このデータに検索をかけるためです(エンティティ検索)。

繰り返しますが、今後は、キーワードや類義語を何度もページ上で利用する方法に関して、気を揉む必要はありません。何の役にも立たないからです。エンジンが、ユーザーにクエリに対する答えを提供する文書にリンクする内部で有効なデータを認証すると、このデータを、答えとして、信頼し、認証したソースとして利用するようになります。

: 今回は、貴重なご意見を有難うございました。変化はすぐそこまでやって来ており、セマンティックマークアップを理解することが、今後、ますますSEOにとって、ベストプラクティスとなるのではないでしょうか。 新しいSEOの詳細: String Entity Optimization(文字列のエンティティによる最適化)– 今後、再び二人でコラムを提供する可能性があります。

セマンティック SEOの参照情報

グーグルの公式ブログ: ナレッジグラフの導入

サーチエンジンランド: コンテンツを探す時代から、コンテンツが探す時代へ

アーロン・ブラッドリー氏のブログ: 懐疑的なSEO

デビッド・アマーランド氏の著書: グーグルのセマンティック検索

セマンティックウェブテクノロジーおよびリンクトデータ: SemanticWeb.com

リンクトデータ: LOD クラウド

Mozのブログ: キーワードからコンテクストへ — 新しいクエリのモデル

グーグル+のコミュニティ: セマンティック検索マーケティング

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Future SEO: String Entity Optimization」を翻訳した内容です。

内容も明瞭で具体例も多数上げられ非常にわかりやすい記事でした。「キーワードを意識した文章を書く必要が一切なくなる」日が本当に来るのかも含め、5年後のSEOは今とは全く違ったものになっていることは間違いなさそうですし、サイト全体、各ページ、各コンテンツレベルでの構造化整備がこれまで以上にSEOの基本かつ必須作業になりそうです。そもそも検索の舞台自体もPCやスマホ以外にその幅を拡げ続けていきそうですし、その過程で検索の方法や概念自体も大きく変わっていくのでしょうね。とはいえ、やっぱりPCを前に集中してキーワード検索する時間は一定以上は残ると思うのですが、、、そんなことを考えている時点で時代遅れのSEO屋でしょうか。 — SEO Japan [G+]