IBM、新しいメインフレームを発表。セキュリティーとハイブリッドクラウドに重点

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メインフレームはまだ死んでいない。IBMは、同社の中規模エンタープライズ向けメインフレーム、z13を今日(米国時間(2/16)発表した。そこには数々の新しいセキュリティー機能が導入されている。最大4TBのRAMを塔載可能なz13は、IBMのこれまでのシングルフレームメインフレームに比べて最大8倍のメモリーを利用できる。

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IBMは、z13の処理速度はこれまで同社が同じ価格帯で提供していた一部のメインフレームよりも速いと言っているが、z13の焦点は明らかにセキュリティーに向けられている。

今日のメインフレームと標準的サーバーの違いは、メモリー制御、入出力、暗号化等の機能のために専用プロセッサーを数多く内蔵していることだ。

例えばz13は新しい暗号化ハードウェアを持ち、かつての2倍の速さで暗号・復号を行うことができる。暗号化機能を高速化するために、z13はIBMの以前のミッドレンジ機よりも多くのメモリーを積んだ暗号化コプロセッサーカードを塔載している。

「これによって顧客は、これまでの2倍の量の暗号によって保護されたトランザクションを、性能を損うことなく処理することが可能になる。これは、オンラインあるいはモバイル購入を従来の2倍量処理できることを意味している」と同社は言う。

セキュリティーを高めるために、z13はIBMのセキュリティー分析サービスおよび多要素認証(MFA)に対応して、認定ユーザーだけがシステムをアクセスできるようにしている。今回IBMは、初めてz/OSオペレーティングシステムに直接MFAを組み込んだ。

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他のクラウドおよびサーバー企業と同じく、IBMはハイブリッドクラウドにも注力している。同社がz13をこのユースケース向けに位置付けているのは当然だ。具体的に、IBMのセキュリティー機能は、エンドツーエンドのハイブリッド環境のセキュリティーを強化することによって、個人認証管理、データの保護および監視、セキュリティー分析および侵入監視を可能にしている。

残念ながらIBMはz13の価格を明らかにしていないが(実はどのメインフレームについても)、標準的z13メインフレームの価格は10万ドルを優に越えるものと思われる。

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IBM、Ustreamを買収を確認―エンタープライズ向けクラウド・ビデオ事業部を新設

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今朝(米国時間1/21)、IBM はビデオ会議サービスのパイオニア、Ustreamを買収したことを確認した。同時に、IBMはすでに買収ずみの他のクラウド・ビデオ企業数社とUstreamとを合わせて、新しいクラウド・ビデオ・サービス事業部を立ち上げたことも発表した。

IBMのUstream買収の第一報はFortuneで、この記事によれば買収価格は1億3000万ドルだった。 IBMはこの価格については確認していない。

新事業部は買収された4社からなる。今回買収されたUstreamに加えて、IBMが12月に買収したビデオ・マネージメントのClearLeap、10月に買収したビデオ・ストレージのCleversafe、 2013末に買収した.大型ファイル転送ツールのAsperaがクラウド・ビデオ事業部を構成する。

新事業部の責任者にはClearLeapの買収を機にIBMに入社したBraxton Jarrattが選ばれた。Jarrattは「クラウド・ビデオ分野のエンタープライズ向けフルサービスを構築する上でIBMに欠けていたパズルの一片をUstreamが埋めることになるだろう」と意欲を見せた。

IBMには計画がある

TechCrunchの取材に対して、Jarratは「IBMがビデオ分野の企業を次々に買収したのは思いつきではなく、ビデオ・サービスにおける将来計画に沿ったものだ」として次のように述べた。

IBMはその場の思いつきで行動するような会社ではない。私が〔昨年秋の買収で〕IBMと関わるようになって、この会社には壮大なマスター・プランがあり、すべての行動はそこから割り出されていることに気づいた。これがIBMに感服した最大のポイントだ。多くの企業はライバルの動向に対する反応として買収を行う。IBMの企業買収はそういうものとは全く異なる。IBMはエンタープライズ向けビデオ事業について確固とした見通しがあり、Ustreamの買収と新ユニットの組織はそのマスター・プランに基づいた行動だ。

最近のIBMの企業買収の例に漏れず、今回もUstreamの買収はそのサービス・コンポネント自体を直接利用するという面と、Ustreamの機能をAPIとしてBluemixに取り込もうとする面がある。BluemixはIBMが力を入れているエンタープライズ向けPaaS(Platform as a Service)だ。「IBMでは新しいビデオ・クラウド事業にサードパーティのデベロッパーが積極的に参加することを期待している」とJarrattは述べた。

今月のCESで明らかになったことの一つだが、ユーザー企業はビデオ配信にあたって高度なアナリティクスの提供を望んでいる。IBMはこれに対し、新事業にWatson人工知能を導入する計画だ。Jarattは「ビデオの視聴者がいつ、どのくらいビデオを視聴ないしビデオ会議に参加していたか、どんな行動を取ったかなどの詳しい情報が「即座に得られるようになる」と語った。【略】

大きな野心

クラウド・ビデオ事業部の新設はIBMが広告、ストレージ、モバイル、コミュニケーションなどで新しい大きな事業分野を開拓し、ライバルとの競争を有利な方向に導くチャンスを与える。IBMはエンタープライズ・ビデオ分野に大きな商機を見出している。報じられている買収価格は、IBMのような巨大企業がゲームに参加するためのコストしてはむしろ安価なのだろう。

「われわれが問題にしているビデオ・ビジネスの市場は2019年には1050億ドル弱になると見込まれている。 2019年といえばそう遠くない将来だ。この分野ではわれわれがもっとも魅力あるサービスの提供者となる能力があることが判明するだろう」とJarrattは語った。

画像homard.net/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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IBM PS/2 Model 30の新古品を立ち上げてみた

私は古いモノが再び働くところを見るのが大好きだ。ビデオにはIBMの伝説的マシンが登場すれ。このIBM PS/2 Model 30は1990年台はじめに登場し、Intel 286 CPUを使った初期のパソコンの一つだった。10MHzの怪物は、Sierra のゲームを楽々と動かした。そして今、まるでトード・ザ・ウェット・スプロケットがまだビッグだった頃のように、突然命を吹き込まれた。

重要なのは、これが新古品であり、つまり一度も開けられていないということだ。これを発見したRick Chanという男が、開封の儀のフォトギャラリーを投稿し、彼がビンテージ部品を探していた時、ニューヨークにある古いマシンで一杯の倉庫を見つけたと書いている。

「ある会社が倉庫に売り残りの新古品在庫の大きな山を抱えていて、eBayで売れるかどうか見ようと考えた」と彼は言った。「彼らはIBM PS/2、NEC Pentuim 1、Reply 486、IBMキーボード、マウス、モニター等を複数台持っていた」。

「思いがけなく幸運なことに、私が中古のビンテージPCを探していたところ、たまたま彼らが必要な部品を持っていたので、eBay経由で連絡を取ったところ、90年台の新品マシンを売ると言ってきた」

この手の代物が滞りなくブートするのは、当時のマシンが戦車のように頑強だったことをものがたっている。最近のノートPCが20年以上生き延びて、ましてや電源を入れるだけで立ち上がるところを想像できるだろうか?

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IBMの「ワトソン」、ソフトバンクのPepper等に人工知能を提供

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2011年にクイズ番組「ジョパディー」で世界にデビューして以来、IBMのWatsonは、医療研究から金融まで、大規模企業アプリケーションの強力な人工知能プラットフォームとしてその名を築き上げてきた。このたびIBMは、Watsonを消費者に提供しようとしている。

今日(米国時間1/6)CES会場で、IBM CEOのGinny Romettyは、スポーツウェアメーカーのUnder Armour、Softbank RoboticsのPepper等、Watsonの機械学習アルゴリズムとAIを使って、高知能でよりパーソナライズされたアプリやサービスを動かしている会社との戦略的提携を発表した。これはIBMのWatson拡大における最新ステップだ。昨年同社は、コグニティブ・ビジネス・ソリューション部門を立ち上げ、ドイツには独立したIoTセンターを作った。そして今日のステージでRomettyは、自社の専門知識とデータを構築するために、IBMが30社に上る買収を行ったことも明らかにした。

Under Armourは、Watsonをフィットネス・健康アプリで利用すと言っている。同社のRecordアプリ ― アクティビティー集約およびモニター(Jawbone、WithingsおよびGarminのウェアラブルからのデータを統合する)アプリとして1年前に公開された - の新バージョンには様々なAI機能が追加された。

最初が “just like me”機能で、ユーザーを匿名の他ユーザーらと比較して、その人の実績に関する洞察、助言を与える。いずれはCognitive Coaching Systemと呼ばれるSiri風のパーソナルトレーナーも加わる予定だ。Recordに今出来るのは、ユーザーの活動、睡眠、および栄養データに基づいて、実績を改善するための助言を提供することだ。

Recordは、IBMとUnder Armourの第一ステップだと両社は言っており、今後はIBMが蓄積している広範囲なビッグデータ(一部は同社のWatsonアプリケーションを通じてデータを解析している)を、アスリートが利用できるアプリも作る計画だ。その中には、天候が実績やトレーニングに与える影響等、興味深いデータ分析もみられる(IBMがThe Weather Companyを買収した意味がわかるだろう)。

「デジタル医療やフィットネスの記録といえば、過去10年間はデータ収集がすべてだった」とUnder Armourのファウンダー・CEO、Kevin Plankは言った。「現在われわれは、転換機にあり、消費者はこの情報からもっと多くのものを引き出すことを要求している」。

具体的には「戦略的」とは何を指すのか。IBMによると、両社は従業員、技術、およびその他のリソースを提供して、コグニティブ・コーチング・システムを開発している。

SoftbankのPepper

IBMは日本のソフトバンクとも、Pepperの開発で提携しており、この新型ロボットは初めての海外出荷が始まっている。

Watson内蔵のPepperは、画像やテキストからソーシャルメディア、ビデオに到るまで幅広いデータソースを利用する。なぜか? IBMによると、これはロボットに「人間と同じやり方で ― 五感、学習、体験 ― 世界を理解する能力を与えるものだと言う。

「これはもうSFの世界の話ではない」と、ソフトバンクの宮内謙COOが今日のステージで語った。

Watsonを頭脳に持つ最初のロボットたちは、接客あるいは小売りの分野で試行されるとIBMは言っている。同プラットフォームの直接体験を初めて広い範囲人々に提供する。これはPepperのようなロボットが、店員を置き換えようというものではなく、既に人間を置き換えている無味乾燥なキオスク端末に取って代わるものだ。

「今日の小売店におけるセルフサービス方法といえば、タブレットまたはキオスクで、顧客体験が対話的であるか直感的であるかという点では、まだ限られている。ロボッティック・アシスタントなら、ユーザーは自然な会話が可能になり、言葉だけでなく身振りや表情も理解される」とIBMは書いている。

日本では、すでにその一部が動き始めている。Romettyによると、既に数百台のPepperが日本のネスレ小売店や銀行に置かれており、コーヒーマシンで、顧客が短いQ&Aの後に購入するといった使い方がされている。2015年中頃の発売以来、Pepperロボットは限定生産台数を完売している。

実はPepperは、単なるB2B製品ではない。WatsonをSDK経由でPepperロボットに載せることによって、デベロッパーはその動作を好み通りに変更できる。

Watsonが最初にソフトバンクと仕事をしたのは昨年のことで、Watsonが日本語を学習する目的もあった。

他に今日Romettyが話した、Metronicの新しい糖尿病検査に関する提携では、低血糖症を実際に発症する何時間も前に検知して未然に防ぐことが可能になる。Under ArmourやSoftbankのとの提携と異なり、検査システムには認可手続きが必要となるためまだ商品は販売されていない。

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Apple、ビジネス向けサイトを改訂してIBMとの関係を強調

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Appleは今週、同社のビジネス向けサイトMac in Businessをデザイン変更し、IBMとの良好な関係が続いていることを示した。名前の通り、このサイトはAppleのエンタープライズに関する見識を示すもので、新デザインではAppleのビジネスでの強みに焦点を当てている。

全体としては、Appleのソフトウェアとハードウェアの共生関係や、Mac、iPhone、iPadが心地良く協調するしくみ等、Appleのマーケティング要素として想像できる種類のものごとを目立たせている。

さらにAppleは、アクセシビリティー・ツール、最近コンパイラをオープンソース化したプログラミング言語Swift、OSXのセキュリティー機能等、企業の購買担当者にアピールするものに注意を向けさせている。

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Mac in Business website. Courtesy of Apple.

しかしAppleは、IBMとの関係、特にIBMが今年Macへの大がかりな移行を実施した経験も強調している。ウェブサイトおよびIBM CIO Officeでサービスとしてのワークプレース担当副社長を務めるFletcher Previnの話によると、Macへ切り換えた結果、同水準のPCより平均270ドル費用を節約できた。Previnは、実際の節約額は240~273ドルの間だったと言った。

「これまでに5万台のMacBookを配布し、今後会社全体で15万台から20万台を配る計画だ。2015年6月に開始して以来、IBM内で毎週1900台ずつMacが増えている」と彼は言った。

節約は主としてIBM社内のヘルプデスクへの質問が減ったことによるサポート費用の減少によるものだ。プログラム開始以来、Macユーザーのわずか5%からしか質問がない。一方PCユーザーは40%だとPrevinはTechCrunchに話した。

平均して新規採用者の40%が入社後にApple機を要求するが、Apple製品の使用に関しては世代の違いが見られると彼は言っている。「例えば、IBMで25年間働いてきた人がMacを欲しがる率は、新卒より少ない」とPrevinは言った。

事実、IBMは ‘Mac at Work’ という事業を立ち上げ、他社のApple製品への移行を手伝っている。「IBMは、Macを企業システムやアプリケーシヨンと簡単かつ安全に統合するための、[当初社内用に開発したものと]同じプログラムを、顧客に提供することができる」とPrevinは説明した。

IBMの愛は、メインページの下にあるIBM-Appleモバイルアプリパートナーシップの専用ランディングページへのリンクにも表れている。ここには、両社が協力して作ったアプリが対応している様々な業界や職種が紹介されている。

App from IBM-Apple mobile partnership on iPad, iPhone and Apple Watch.

An app from the IBM-Apple mobile partnership. Photo courtesy of Apple.

提携は開始から約18ヵ月が過ぎ、アプリ100本目の節目を今週迎えた。両社は独自の強みを発揮し、Appleは鋭いデザイン感覚を、IBMはエンタープライズの深い知識を提携にもたらしている。協調によって両社は、モバイルプログラミング原理の特徴を生かした一連のエンタープライズアプリを生み、全く新しい仕事のやり方を作り出した。

サイトの目標は、これらすべてを、職場の幸せなMacユーザーの写真と共に披露することだ。

Appleは本件に関するコメント要求に返信していない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

UA、6000人の空港職員にiPhone 6 Plusを配布、乗客サービスに利用させる

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Appleはユナイテッド・エアラインとの関係を深めることに首尾よく成功したようだ。UAは6000台前後のiPhone 6 Plus.を購入し、乗客に対するサービス要員に配布した。

UAは以前からAppleのフラグシップ顧客企業だった。2011年には パイロットがiPadを与えられ、昨年の終わりにはユナイテッドの客室乗務員に2万3000台のiPhone 6 Plusが配布された。地上サービス要員の6 Plusは、乗客のボーディングパス、ラゲージタグ、フライト情報などの重要データをプリント出力するのが主な目的だという。目的地やフライトの変更などを希望する場合もiPhone 6 Plusの出番となる。

UAは毎日世界の350の空港間に4000のフライトを運行しているという。ユナイテッドの空港オペレーション担当上級副社長Jon Roitmanによればこのオペレーションをスムーズにする切り札がiPhoneだったわけだ。Roitmanは「われわれはiPhone 6 Plusにカスタム・ツールをインストールし、大きな成果をあげている。優れたスマートフォンの利用拡大と多数のカスタム・アプリケーションの開発はすばらしい投資だった」と述べている。

Appleは最近、目立つほどに、企業のビジネス利用の拡大に力を入れている。エンタープライズ・ユーザーにiPhone 6 Plusのような大型のスマートフォンを売り込むだけでなく、, Appleは昨年始めて手掛けるようになファブレットや大型で強力なiPad Proのような製品の売り込みにも余念がない。またソフトウェアの面では、2014年からIBMと提携し、今回のユナイテッドのような企業ユーザー向けに、それぞれの業務に特化したカスタム・アプリを提供している。

AppleとIBMの提携1周年を機にTechCrunchのエンタープライズ担当記者のRon Millerが書いてたとおり、一見するとこれは「奇妙なカップル」にも見える組み合わせだが、実はさまざまな大企業に30種類もの人気アプリを供給する実力派だ。

ライバルの動向を見ると、一昔前なら、巨大エンタープライズのお気に入りの業務用スマートフォンといえば、BlackBerryの独壇場だったが、今やこの機種はビジネスでも個人ユースでも、見る影もない。もっともこのブランドは最近初のAndroidデバイスを出荷して忠実なファンをつなぎ留めようとしている。またGoogleのAndroid For Workプログラムは1万9000社の企業が利用ないしテストしている。Samsungもビジネス利用の普及に力を入れており、Knoxのようなツールをエンタープライズ向けに提供している。

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IBM、Q3売上は193億ドルで予測に届かず4%安

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今日(米国時間10/19)の取引終了後、IBMは第3四半期の決算を報告し、売上193億ドル、1株当たり利益3.34ドル(いずれも調整済)だった。アナリストの予測は、売上196億ドル、3.30ドル/株だった。

通常取引時間に微減した同社株は、悲喜半ばの決算報告を受け時間外取引で値を下げた。売上の未達は、わずかに予測を上回った利益よりも投資家の信頼に影響を与えたようだ。通常会計方式(GAAP)による1株当たり利益は、さらに低い3.02ドルだった。

IBMの調整後利益は、前年同期と比較して9%下落した。GAAP利益は13%減とさらに沈んだ。IBMの非調整ベースの売上は14%減だった。

伝統あるテクノロジー会社は決算報告書で、通年の1株当たり利益を14.75~15.75ドルと予測した。第2四半期決算の非GAAPガイダンス、1株当たり15.75~16.50ドルよりも低い。これは良い兆候ではない。

IBMの第3四半期売上は、これで14期連続の減小となった。

悪いしらせばかりではない。IBMが「総クラウド売上の一部で」と説明する「サービスとしてのクラウド」の年間予測売上は、前年同期の31億ドルから45億ドルへと上昇した。

IBMは同四半期を負債397億ドルで終え、年初よりわずかに減らした。しかし、コア負債は2014年末日以降137億ドルで、年初より20億ドル増えた。

要約すると、IBMは未だにビジネス転換の過度期にある。クラウド売上および他の未来指向製品による売上は増えているものの、会社の再構築はまだまだ終ったと言えない。売上未達、継続する売上減および利益率の低下は、転回しきれていない船の姿を描いている。

その一方で、IBMは大きく利益を上げ、価値も高い。時価総額が4%削られても大きな変化はない。決算会見では投資家の変わらぬ不安が予想される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

IBMのワトソンは、当分人間に取って代わらない

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IBMの人工知能システム「ワトソン」が驚くべきテクノロジーの結晶であることに疑いはない。それは構造化されていない膨大なデジタルデータを検索し、際立った速さで答えを見つけ出す。しかし、人間を置き換えることは当分なさそうだ。IBMでワトソンチームを率いるJohn Kelly博士が今日(米国時間9/21)、本誌のAlex WilhemにサンフランシスコのTechCrunch Disruptで語った。

むしろこのシステムは人間を補強し、より良い決定を下す手助けをすると彼は言った。

ワトソンの純粋な知識力を披露するために、インタビューはデモから始まった。Wilhelmは、オンライン百科事典Wikipediaの正確性を尋ねる一連の質問を選んだ。わずか数秒後、ワトソンはWikipediaの全項目を精査して信頼性ある情報源であるかどうかを判定した。証拠内容を確認した後、ワトソンはWikipediaが実際に正確な情報源であるという決断を下した。

この種の能力に、スタートレックから飛び出してきたコンピューター合成音声応答を組み合わせたものは、12〜18ヶ月のうちに開発者向けに提供されるとKellyは言った。

ワトソンと聞いておそらく誰もが思い出すのは、クイズJeopardyの歴代チャンピオンたちを倒した時のことだろうが、今のワトソンはもっとはるかにすごい。Kellyによると、彼らがJeorpardy向けにシステムを作ったときは純粋に質問と答のエンジンだった。

今やワトソンは、Wikipediaデモで見せたようにあらゆるデータを消化しどんな大きな情報源でも取り組む。例えば、ある病気に関する入手可能な全文献を評価し、医師らと協議して最適な治療方法を見つけることもできる。これは、機械が医者に取って代わるのではなく、医者が正しい決定を下すのを手助けするものだ。

ワトソンはあなたのお役にたちます

IBMが2011年にあのJeopardy!出演に向けてワトソンを開発した時、それはハードウェアとソフトウェアの強力な組み合わせだった。今同社はその機械生成された全知能を元に、開発者向けに一連のサービスを作りあげた。

Kellyいわく、ワトソンボックスを作ることもできたが、クラウドに置きAPIを通じて利用できるようにすることが、このテクノロジーを広める最適な方法だと考えたという。

「ワトソンは、一つの物ではなく、様々な統計学習エンジン群の集合だと考えて欲しい」とKellyは言った。「面白いことに、あまりに強力なので売り込む必要がない」。開発者が使いたくなることは間違いない。

つい昨日、TechCrunch Disrupt ハッカソンで複数のチームがワトソンのツールを使ってハック作品を作り、その中には人工知能ニュース発見アプリのKnoもあった。

Kellyは、会社が未だに過去の重苦しい「ビッグブルー」のイメージを脱却し、開発者や投資家をワトソンプラットフォームに引きつけようとしていることを認めた。開発者の数が飛躍的に増えている一方、未だにシリコンバレーのコミューニティーを取り込めていないと彼は言う。Kellyはそれを改善するための取り組みを進めていることを示唆した。

システムは膨大な能力を有している。課題は、特定のヒジネス問題に焦点を絞ることで、同社はWatson HealthおよびWatson Financeで具体的な業界の問題にソリューションを提供しようとしている。

いずれにせよ、システムを支える技術的基盤のすごさに疑う余地はない。

「これは生まれたばかりのテクノロジーだ。これから世界を変えていこうとしている。偏見なく不完全な情報を使うことなく決断を下すところを想像して欲しい」とKellyは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

IBMがStrongLoopを買収してNode.jsによるAPI開発を同社クラウドプラットホームに導入

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IBMが今日(米国時間9/10)また、同社のクラウドサービ事業を拡大するための買収を行った。今回は、エンタプライズアプリケーションの開発の分野だ。同社が買収したカリフォルニア州San MateoのStrongLoopは、オープンソースのサーバサイドJavaScript環境〜ライブラリNode.jsによるエンタプライズソフトウェアのための、アプリケーション開発ソフトウェアを作っている。企業はそれらのツールを使って、APIを装備したモバイルアプリやクラウドベースのアプリケーションを作り、またそれらを統合して、モバイルやWeb、IoTなどのアプリケーション間を行き交う大量のデータを取り扱う。

価額など買収の条件は公表されていない。StrongLoopはこれまで、ShastaとIgnition Partnersから900万ドルの資金を獲得しており、それには2013年の800万ドルのラウンドも含まれる。

IBMによると、同社はStrongLoopのNode.js機能を、MobileFirstやWebSphereと並ぶものとして、同社の幅広いソフトウェアポートフォリオの一員に加える。Node.jsの開発フレームワークが加わることの主な利点は、各種APIを利用して大量のデータを取り扱うアプリケーションを作り、またバックエンドではそのほかのエンタプライズアプリケーションとコネクトしたい、という企業からの需要に応えることだ。しかもさらに、2013年からすでにNode.jsの開発プラットホームを提供しているAmazonなどとの競合条件も良くなる。

IBMはNode.jsが成長著しい開発フレームワークであると認識しており、それはまた顧客からの要望にも応えうるソリューションである。IBM Systemsのミドルウェア担当ゼネラルマネージャMarie Wieckは、“エンタプライズはIT全体の形を変えて、新しいチャネルに手を出し、新しいビジネスモデルを導入し、またクライアントとのエンゲージメントを個人化したいと願っている”、と述べている。“それを実現するための重要な原材料がAPIであり、StrongLoopのNode.js機能を利用して迅速にAPIを作る能力と、IBMの、クラウドプラットホーム上のJavaとAPI管理におけるリーダーシップが合わさることにより、この二つの強力な開発コミュニティの、イノベーションのポテンシャルが解き放たれるだろう”。

IBMによると、今日からNode.jsデベロッパは、IBMのPaaS Bluemixを利用できる。“StrongLoopのツールおよびサービスと、IBMのWebSphereおよびJavaの能力を組み合わせてIBMは、クライアントにJavaとNode.jsのブリッジを提供でき、それによりクライアントは、自分たちのアプリケーションへの投資からより大きな価値を取り出すことができる”、と同社は言っている。ユーザはさらに、IBMのビッグデータ分析能力や、同社のAIプラットホームWatsonにもアクセスできる。

StrongLoopにとっては、これによって同社の技術とNode.jsそのものの窓口がぐんと大きくなる。“この買収によってNode.jsがエンタプライズ世界におけるメインストリームになり、そのことが業界全体の利益にもなる”、とStrongLoopのCEO Juan Carlos Sotoが言っている。“Node.jsのオープンコミュニティのリーダーとしてわれわれは、コミュニティが引っ張るオープンなイノベーションをさらに前進させ、またグローバルでエンタプライズ級のソフトウェアおよびサービスとも帯同することにより、API経済におけるクライアントヴァリューを増大させたい”。

Node.jsはオープンソースの技術なのでIBMは、この買収を契機にオープンソースコミュニティとの結びつきをさらに強めたい意向だ。同社は、Node.js Foundationのプラチナ会員である。

このサービスの一部は直ちに可利用になるが、そのほかの部分がオンラインで提供されるのはしばらく後になる。とりわけ同社は、“StrongLoopの買収によって得られる一部のクラウド機能は、IBM IoT FoundationにIBMのPaaSであるBluemixと共に組み込まれ、セキュリティと分析機能を強化し、センサのデータからインサイトを生み出す強力なIoTプラットホームへの、エンタプライズアクセスを提供する”、ということだ。

また2016年半ばまでには中国語(繁体と簡体)や日本語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ブラジルポルトガル語へのローカライゼーションを完成して、グローバルなサポートを提供する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

メインフレームのLinux化を目指してOpen Mainframe ProjectをLinux Foundationが立ち上げ

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2015年の今、誰もが、メインフレームはコンピューティングの初期の遺物だ、と思うだろう。しかしその巨大マシンは今でも、大企業や大きな組織で大規模な計算作業をこなしている。

そして、メインフレームの不死鳥ぶりを証明するかのように、Linux Foundationが今日(米国時間8/16)、メインフレームコンピュータを使っている企業を助けるオープンソースの取り組みとして、Open Mainframe Projectを立ち上げた。

この事業は、今でもメインフレームマシンの最大のメーカーであるIBMが音頭取りだ。今日の同じ日に同社が、Canonicalとのパートナーシップによるメインフレーム上のUbuntu Linuxを発表したことは、決して偶然ではない。

Linuxがすでに15年間、メインフレーム上で動き、メインフレーム上のLinuxの使われ方も多様化し、ユーザのコミュニティも育っていることを知ったあなたは、驚くかもしれない。Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinが今日の発表声明で述べているように、今回のプロジェクトは、今でも成長を続けている需要への対応でもあるのだ。

このOpen Mainframe Projectにより、参加企業は一連のオープンソースツールの開発を共同して行い、メインフレーム上のLinux技術についても交流を深めていく。また各社が抱える問題についても、そのほかのオープンソースプロジェクトと同じように、共同で解決に取り組む。

“Open Mainframe Projectは、顧客とベンダとサービスプロバイダが一堂に会する場所を与える”、とIBM SystemsのゼネラルマネージャRoss Mauriは語っている。

IBMはすでに、25万行ノードコードをLinuxコミュニティに寄贈している。

Pund-ITの主席アナリストCharles Kingによると、初期のメンバーは、すでにメインフレームコンピューティングに深く関わっている企業、すなわちIBM、BMC、CA Technologies、そしてMarist Collegeだ。

IBMを筆頭とするメインフレーム企業は、メインフレームの導入費用と運用費用の両方を下げることによって、メインフレームのユーザを増やしていきたい意向だ。“今後の共同活動によってどれだけ新規のメインフレームユーザが増えるか、そこが焦点だ”、とKingは語る。

メインフレーム勢力がとくに望んでいるのは、新しい世代のデベロッパたちが関心を持ってくれることだ。そのためIBMは、クラウドサービスLinuxOneへのアクセスを無料にし、同社が開発したメインフレームシミュレーションツールを提供して、メインフレーム上のアプリケーションの開発を支援していく。またデベロッパが作ったメインフレームアプリケーションの、モバイルアプリケーションやハイブリッドクラウドアプリケーションとの接続性〜相互運用性についても、試験や調整を支援する。

結果について今から云々することはできないが、Kingが思い描くベストケースのシナリオは、このオールドスタイルのコンピューティングプラットホームを、一部のLinuxデベロッパが、おもしろい、と思うようになることだ。

この努力が、メインフレームへの新しい、若い、関心を育てるか、それはまだ未知数だが、プロジェクトの創始メンバたちは、そうなることを心から祈っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

IBM、Canonicalと提携してUbuntu Linuxの動作するメインフレームを提供

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「Linux」と「メインフレーム」を「相反するもの」と捉えている人も多いのではなかろうか。しかしこの15年、IBMはメインフレームにLinuxの要素を取り入れてきているのだ。そしてついにIBMCanonicalは、メインフレーム上でUbuntsu Linuxを動かすことにした旨のアナウンスを行った。このプロダクトはLinuxOneと命名されている。

このLinuxOneではメインフレームの利用シーンを拡大したいという狙いに満ちてもいる。たとえば価格にはサブスクリプションモデルを採用し、またさまざまなオープンソースプロジェクトと連携し、さらには自らのメインフレーム上のコードもオープンソース化するという動きもみられる。

Canonicalとの連携にあたり、IBMが用意するメインフレームは2種類だ(もちろんペンギンにちなむものだ)。ひとつは「Emperor」(皇帝)という名前で、1月に記事にしたIBM z13を利用するものだ。もうひとつは少々コンパクトで「Rockhopper」(イワトビ)の名前を持つ。こちらはメインフレームユーザーの中では、エントリーレベルの層をターゲットとしている。

もしかすると、「メインフレーム」というのは恐竜のように絶滅したのだと思っていた人もいるかもしれない。実のところはまだまだ現役で、それどころか、世界中の大組織の中で積極的に活用されているものだ。こうした中でクラウドサービス、データ分析やセキュリティ面などでもメインフレームの活用の場を広げるため、Ubuntu LinuxおよびApache Spark、Node.js、MongoDB、MariaDB、PostgreSQLおよびChefなどメジャーなオープンソースのエンタープライズソフトウェアを動作させようとしているわけだ。

IBM SystemsのRoss Mauriによれば、IBMは四半期毎に10社ないし20社程度のメインフレームユーザーを獲得しているのだとのこと。IBMとしてはクラウドサービス並に柔軟な価格体系を用意して、メインフレームの導入コストに躊躇していた利用者をも獲得していきたい考えだ。

Mauri曰く、こうした価格体系にあってメインフレームはオンプレミスで提供されるものの、しかし課金についてはクラウド風に使用量に応じた形で請求されるのだそうだ。

これまでの歴史からみれば、CanonicalとIBMに接点はなさそうにも見える。しかしPund-ITのプリンシパルアナリストであるCharles Kingによれば、これは企業内でUbuntu Linuxの採用事例が増えていることに対するIBMの成長戦略のひとつなのであるとのこと。

Ubuntuを支援するCanonicalのJohn Zannosの話によれば、顧客層の中でのUbuntu利用が増える様子をみて、IBMの方からCanonicalにアプローチしてきたらしい。ちなみに、今回が両社がタッグを組む最初の事案というわけでもなくOpenPOWERプロジェクトでも協力した経験を持っている。

Zannosは曰く、IBMはZシステムやメインフレーム上でオープンソースの活用を積極的にすすめるなど、従来のパラダイムを転換する方向に動いているとのこと。

Charles Kingは、今回の連携は双方にとってもメリットのあるものだ(もちろんほぼすべての業務提携が双方にとってのメリットを強調してはいる)と述べている。「IBMはLinuxの強い市場でのプレゼンスを高めることになるでしょう。そしてCanonicalの方も、IBMのメインフレームを使っていたような大企業におけるシステム導入を増やすことに繋がることになります」と、明るい未来を描いている。

IBMとしては、セールス拡大に向けた新たなチャネルを獲得したい狙いがある。「主要ビジネスでの全面的な売上低下」に対応していきたいという考えているはずだと、Wall Street Journalは伝えている。

IBMにとっては、ともかくメインフレームの販売拡大が企業にとっての大きなメリットとなる。Canonicalとの提携や、各種オープンソースツールの採用により、小規模な、しかし成長著しいマーケットへの進出を狙いたいと考えているわけだ。

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(翻訳:Maeda, H

ビッグデータ処理/分析をシンプルなDaaS(Data as a Service)として提供するCazenaが$20Mを調達

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企業のデータ処理を助けるCazenaが今日(米国時間7/22)、Formation 8率いるシリーズBのラウンドにより2000万ドルを調達したことを発表した。参加した投資家はAndreessen HorowitzとNorth Bridge Venture Partnersで、両社は昨年10月の800万ドルのシリーズAにも参加している。

Cazenaを作ったのは主にNetezzaの元社員らで、CEOはNetezzaのデータコンプライアンス担当ゼネラルマネージャだったPrat Mogheだ。彼はNetezzaが2010年にIBMに買収されて以降、IBM傘下のNetezzaで、ストラテジとプロダクトとマーケティング担当のSVPを務めていた。

数年間IBMにいたMogheは、Netezzaが解決しようとしていた問題を新たな視点から見なおしてみたい、と思うようになった。“データ処理の次の10年はどうなるだろう、ということを考えた。とくに、企業はHadoopのような新しいビッグデータスタックと、どうやってうまく付き合っていくのか”、と彼は語る。“とくに中規模以上の企業では、クラウドを前向きにとらえて処理のアジリティを向上させようとしているが、既存のプラットホームの複雑さとセキュリティの問題を前にして、立ちすくんでしまう傾向もある”。

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Cazenaは、企業のビッグデータ処理を大幅に単純化することをねらっている。基本的にCazenaでは、データ処理ジョブのセットアップがわずか3クリックですむ(とMogheは言うが、現実はもうちょっとややこしい)。同社のサービスのキモは、このデータの分析にはどんな技術を使うべきか、という判断を自動化して、人間ユーザが直面する複雑性を減らしていることだ。次にプロビジョニングも自動化し、ワークフローを顧客に合わせて最適化し、そして管理する。データ処理ジョブはHadoopでもSparkでもMPP SQL(AmazonのRedshiftなど)でも何でもよい。

顧客のワークロードのタイプや予算、求める処理速度などに応じてCazenaは正しいインフラストラクチャを用意し、データの処理を進める。“こういう、data as a service(DaaS)と呼べるようなサービスは、新しいカテゴリだと思う。これをキーワードとして、大企業のクラウド化を支援していきたい”、とMogheは述べる。

Cazenaがその新しいプロダクトについて対外的にも語れるようになるまで、ほぼ二年を要している。今少数の大企業の協力のもとにベータを動かしているが、サービスの一般公開はまだまだ先のようだ。

Mogheによると、一般公開の暁には、料金体系にもイノベーションをもたらしたい、という。それは、単一の料金で処理費用、クラウドの費用、サポートの費用、SLAなどをすべてカバーする、きわめて単純化された料金体系だ。今のクラウドサービスは、ギガバイトとかノードの数などの(技術用語的な)数量ベースで課金するから、かんじんのユーザが費用を予測することができない、と彼は、こんな部分でも単純化を売りにするつもりだ。

今回得られた資金は、同社の技術開発と、営業の強化、そしてパートナーシップの構築に充てられる。

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IBM、2015年Q2の売上は期待外れの208億ドルで4%安

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今日(米国時間7/20)の取引時間終了後、IBMは第2四半期決算を報告し、売上は208億ドル、調整後1株当たり利益は3.84ドルだった。通常会計方式を用いると、IBMの1株当たり利益は3.58ドルに下がる。

ウォール街はエンタープライズ企業の売上を209.5億ドル、調整後1株当たり利益3.78ドルと予測していた。Yahoo Financeによると、この売上予測は1年前同期より14%低い。同社は利益では予測を上回ったが売上は届かなかった。

IBMの場合、評価は利益よりも売上に強く依存している。現状の売上から利益を絞り出す同社の能力は心地よいが、先細りに対する長期的解決策ではない。もしIBMが売上エンジンを始動できなければ、今後のキャッシュフローや利益は軽視されることになる。大まかにはYahooと似た状況と言える。

もしIBMに猶予を与えて、強いドルの影響と売却したビジネスユニット分を調整すれば、売上減は1%にとどまる。しかし、これは些細な事態ではない。IBMが決算書で言っているように、同社の売上は「報告の通り13%減少」した。

過去3ヵ月間に、IBMは通常会計方式で34.5億ドルの純利益を上げた。期末の現金および現金相当物保有高は84億ドルで、前年同期よりやや減少した。IBMの長期債務は1年前よりやや少ない計333億ドル。

IBMは前回のガイダンスを支持し、年度内の1株当たり売上をGAAPベースで14.25~15ドル、調整後で15.75~16.50ドルと予測した。同社のこれまで半年間の売上は404億ドルだった。

明るい話題としては、IBMは予想を上回る順調なキャッシュフロー予測をウォール街に提示し、クラウドサービスの総売上が前年同期比50%増の87億ドルだったことを付け加えた。

悲喜交々の決算報告の後、IBMは時間外取引で4%強値を下げた。通常取引では、全体的に好調の市場の中、わずかな高値だった。

ガイダンスの改善、およびIBMの現行プロジェクトが成長している事実が融合して、株価の下落を食い止めたとものと思われる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

IBMがApache Sparkプロジェクトに3500名を投入、未来に生きる道はオープンソースしかないと悟る

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IBMが今日(米国時間6/15)、オープンソースのビッグデータプロジェクトApache Sparkに3500名の研究員を割り当てる、と申し出た。また併せて同社は、同社の機械学習ツールIBM SystemMLのオープンソース化を発表して、それをビッグデータと機械学習の最先端の地位に押し上げたいという意図を鮮明にした。

この二つの技術はIBMが最近志向している、クラウドとビッグデータとその分析技術、およびセキュリティを軸とする自己変革戦略の一環だ。今日の発表と並行してIBMは、Sparkを同社の分析プロダクトの核とすることと、企業等のSparkプロジェクトを支援する商用サービスDatabricksとも協働していくことを誓った。

Sparkは、ビッグデータを処理するエンジンとしては世界最速を自称している。

IBMアナリティクス部門の製品開発担当VP、Rob Thomasはこう言う: “Sparkはビッグデータ分析のオペレーティングシステムだ、と考えたい。将来的には、ビッグデータを利用するときには誰もがSparkを使うようになるだろう。Sparkを使うと、データへのユニバーサルなアクセスができるからだ”。

Thomasによると、Sparkはその成長のペースがオープンソースの歴史上最速にはやかったため、IBMも注目せざるをえなかった。これまでの数年間、Sparkを使ってきたが、昨年Apacheのプロジェクトになってから、一層、注目度が高まった。

DatabricksサービスとIBMとの仲は、まだほんの数か月だが、彼らは機械学習がこのApacheプロジェクトの弱点だと聞かされて以降、IBMの機械学習技術に深く関わるようになった。

こういう場合のIBMのやり方として、単に3500名の研究員を投入するだけでなく、もっと全面的な関わりになる。同社は、同社のPaaS Bluemixの顧客に、今ではアプリケーションの重要素材としてSparkを使わせている。

さらに同社の10あまりの研究部門がSpark関連のプロジェクトに取り組んでおり、近くサンフランシスコにSpark Technology Centerというものをオープンしてデータサイエンス振興のためのコミュニティの形成に取り組み、Sparkを利用する各種のアプリケーションを作っていくとともに、Spark本体の開発も加速する。

IBMのプロジェクトには教育の部分があるのがふつうだが、今回もその例外ではない。IBMの発表によれば、同社はAMPLabやDataCamp、MetiStream、Galvanize、MOOCのBig Data Universityなどと協働して、Sparkを使いこなせるデータサイエンティストを最終目標として100万名育成する。立派な目標だけど、今現在データサイエンティストは、世界中からかき集めても最大で25万人ぐらいしかいないという説もあるから、遠大な目標でもある。

IBMはこれら一連の活動を慈善事業として行うわけではなく、ビッグデータが今後の同社のビジネスの重要な核になる、と信じているからだ。それが全面的に活性化できるための、多様な要素からなる基盤を今から築いておきたい。しかもオープンソースのプロジェクトに本気でコミットすることで、オープンソースのツールを使ってビッグデータや機械学習に取り組んでいる多くの企業との良好な関係形成を図れる。それによりIBMには、コンサルティングなど、そのほかのビジネス機会も開ける。

IBMはお金持ちだから、SparkやOpenStackのようなオープンソースプロジェクトにそのリソースを投ずることによって、会社の体質そのものをリフレッシュし、未来の新しいビジネスに向かう道を築きたいのだ。

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PistonをCiscoが、Blue BoxをIBMが買収、OpenStack市場の整理統合が進む

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Ciscoが今朝(米国時間6/3)、プライベートクラウドとOpenStackの専門企業Piston Cloud Computingを買収した、と発表した。同社は昨年秋にはMetacloudを買収しており、このようにOpenStackのスタートアップを大企業が買収することによる市場の統合化が、始まっているように見える。

CiscoだけでなくIBMも最近、OpenStackによるプライベートクラウドサービスBlue Boxを買収している。OpenStackの支配をめぐる大企業間のタタカイが、いよいよ熾烈になってきたようだ。

OpenStackは明らかに成熟期を迎えており、成熟期を示す現象の一つとして、スタートアップたちのドミノ倒しが始まっている。そしてOracleやIBM、HP、EMC、などの大企業が、これらの企業の価値に着目して、OpenStackという成長市場の、なるべく大きな分け前を手中に収めようとしている。OpenStackの技術は人材が乏しいから、必然的に、自社で新たに部門を作るよりも、すでにあるものを買う、という選択になるのだ。

そしてCiscoやIBMなどの企業は、必要とする人材だけでなく、貴重な関連知財も入手する。

OpenStackは今年で6歳になるオープンソースのコンピューティングプラットホームで、最初はAmazonのクラウドコンピューティングサービスの急成長に対する対抗勢力として構想された。OpenStackでは、パブリックな、あるいはプライベートなクラウドを作る方法も最初からオープンであり、基本機能であるコンピュート、ストレージ、およびネットワーキングをはじめ、今日の現代的なクラウドコンピューティングプラットホームが必要とするサービスがすべて揃っている(顧客先の実装はプライベートクラウドが多いが)。また、Hadoopやコンテナなど、このところ使われる機会の多いソフトウェアパッケージを、その上で容易に動かすためのさまざまな方法も提供している。

OpenStackは最近とくに、関心と利用が広がったため、大企業の目にとまることになり、彼らもその市場に参戦してきた。大企業は複雑なプライベートクラウドを求める顧客を多く抱えているので、OpenStackのまさにオープンな技術に、開発の効率化や低費用化などの機会を見出そうとしている。そこでたとえばOracleは先月、廃業したNebulaから40名の技術者を拾い上げ、自社のOpenStack部門の増強を図った。EMCが昨秋CloudScalingをさらったのも、類似の例の一つだ。

皮肉なことに、Pistonの協同ファウンダで最初のCTOだったJoshua McKentyは、OpenStackの初期の支持者だったが、最近では“このプロジェクトは心を失った”と嘆き、隔年で行われるOpenStack Summitにも行かなくなった。彼がそう感じた理由は、プロジェクトの企業化だ。その彼が今回は、その憎むべき企業化に自ら手を貸したのだ。

Pistonのメインのプロダクトは、OpenStackのためのオペレーティングシステムCloudOSだ。それの主な利点は、サーバのクラスタ群をあたかも単一のリソースプールのように管理できることだ。Mesosphereが、そうであるように。

Blue BoxはOpenStackをベースとするマネージドクラウド(管理サービスつきのクラウド)のプロバイダで、IBMは同社のハイブリッドクラウド戦略を加速する方法の一つと見なしている。戦略というのは、IBMはいずれ、ハイブリッドクラウド市場を支配するつもりだからだ。Blue Boxの買収により、顧客はデータとアプリケーションを、複数の互いに異なるクラウド環境にまたがって、デプロイできるようになるだろう。

OpenStackプロジェクトの成長とともに、そのまわりにスタートアップたちの大きなエコシステムが形成された。しかしこれらの企業にとっては、エコシステムそのものの成長と充実が遅いため、その利用はまだあまり活発でない。

今年バンクーバーで行われた最新のOpenStack Summitでは、ComcastやWalmartのような優れた実装例が紹介されたが、でもまだ、OpenStackに関しては、小規模な試用、実験、あるいは様子見、という段階の企業が多い。OpenStackは、構造が大きくて複雑なため、実装が難しいのだ。

スタートアップから見ると、エコシステムの成長のペースは遅い。だからその反作用として、大企業への吸収も避けられないだろう。この休眠状態に耐えられるのは、OpenStackがメインの収益源ではない企業だけだ(たとえばOpenStack以外で稼いでいるストレージやネットワーキングの企業)。そのほかの、OpenStackをメインでやってきた企業、たとえばMirantisなどは、市場が十分成熟するまで持ちこたえることができず、今にも買収されそうな瀬戸際に立っている。

CiscoやIBMのような大企業は、この、実装〜実採用のペースの遅さから漁夫の利を得ようとしている。停滞している企業をさっさと買い上げて、自分たちのOpenStackショップを作るのだ。しかしそうやってビッグネームがOpenStackづいてくれば、小さなスタートアップしかいなかった時代に比べて、採用のペースが大きく上がることも期待される。

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日本郵政、高齢者サービスでApple、IBMと提携―iPadとAI利用で見守りやヘルスケアなど提供へ

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今朝(米国時間4/30)、日本郵政グループの西室泰三社長はAppleのCEO、Tim Cook、IBMのCEO、Ginni Romettyと共にニューヨークで記者会見を行い、共同で新事業に取り組むことを発表した。これはIBMとAppleのエンタープライズ事業での提携の成果の一つだ。

この夏発表されたApple/IBM提携では、IBMは大企業向けのソフトウェアを開発すると同時に大企業クライアントへのAppleのハードウェアの販売を助けることになっている。日本郵政は急速に増える日本の高齢者に対するユニークなサービスを提供するために、Apple/IBM提携のメリットを生かす考えだ。

西室社長は、記者会見の冒頭で、現在国有事業である日本郵政グループが今年中に株式上場を行う予定であり、同グループは「総合的なライフスタイルサポートサービス」の提供者に変身する計画だと述べた。日本郵政グループ(西室社長はその歴史は1871年に遡ると述べた)は巨大な保険事業を展開しており、IBMとAppleの協力を得てヘルスケア・サービスの拡充を図っていくことになる。

日本では65歳以上の人口が2006年の20%から2055年には38%に増加すると予測されるなど急速に高齢化が進んでおり、こうしたサービスを必要としている。日本郵政は高齢者サービスの拡充あたって2つの大きな柱を考えており、その第一の柱のカギとなるのがiPadだ。

西室社長は「高齢者にも使いやすいことで知られるiPadをベースにユーザー体験をデザインしていく」と述べた。その際にアプリの開発とクラウド・サービスでIBMの助けを借りることになる。日本郵政はヘルスケアサービスのコミュニティーを構築し、iPadとその上で動くアプリによって日本の高齢者にネットワーク化したサービスを提供する。2020年まで400万から500万世帯に普及させたい考えだという。日本郵政の高齢者サービス構想の第二の柱は、このサービスと既存のサービスとの統合だ。

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西室社長は「わが国の高齢化は急速であり、効果的な対策が求められている」と述べた。この点についてはIBMのRomettyも「高齢化は近くアメリカでも重要な問題となるだろう。アメリカだけでなく世界的に対策が必要とされる課題だ」と補足した。Romettyによれば、2050年には世界の人口の21%が「高齢者」に分類されるようになり、うち64ヵ国では高齢者の割合が30%にまで高まるという。

RomettyはIBMの日本郵政への協力は次の3点になると説明した。

その第一は、生活の質を高めるアプリの開発だ。独自開発とサードパーティーのアプリの統合の双方を行うが、いずれもアクセシビリィテーを最優先する。開発のターゲットはモバイル中心でアクセシビリィテーを高度に備えた点でiOSとなる。第二に、IBMは人工知能などの活用により現在提供されていないさらに高度なアクセシビリィテー機能を開発する。第三に、高齢者サービスを提供するバックエンドのレイヤーを提供する。

AppleのTim Cookはこのイニシアチブを「画期的」と評し、「日本だけでなく、グローバルに大きな影響を与えるものだ。われわれ3者とさらにそれぞれの協力者のチームは何百万という人々の生活を劇的に改善することを目指していく。(西室)泰三さんと日本郵政が示したこの分野におけるパイオニアになろうとする勇気、大胆さ、野心は賞賛すべきものだ」と述べただ。

Cookは日本郵政との共同事業に参加できたことはApple/IBMの「圧倒的な可能性」を実証するものだとしている。CookはまたAppleのヘルス事業への取り組みがさらに幅広い目標を持つことを説明し、HealthKit、ResearchKitなどを例に挙げた。CookはAppleのこれまでのヘルス分野での取り組みが日本郵政との事業に理想的な基盤を与えることも指摘した。

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現在、日本郵政の社員が行っている高齢者顧客の安否確認訪問をiPadで拡張、効率化するデモが披露された。 このデモでは日本郵政の社員が高齢者顧客と話をしながらiPadの設定を助けた。提供されるサービスには病院の診察の予約、処方薬を飲むよう促すメッセージ、荷物の受け取りなどがあった。

デモ・アプリにはAmazonのKindleタブレットのMaydayサービスのようにヘルプを提供する大きなクエスチョンマークのアイコンが表示されていた。また地域の配管事業者などは事前に審査を受け、承認されればこのシステムを通じてサービスを提供することができるという。

Appleがパートナーとして選定された理由について質問された西室社長は、「Appleがこれまでに実績を挙げてきた視覚、聴覚にハンディキャップのあるユーザーへのアクセシビリティーの提供は同社を選定した大きな要素だ」と述べた。最近Apple Watchに採用された振動を利用したタプティック・フィードバックなど、Appleデバイスのアクセシビリティーは今後もいっそう改善されるだろう。

RomettyはIBMのWatson人工知能を利用したWatson Healthがサービスのカギとなると述べた。また「世界中でこうした取り組みの必要性が高まっている。日本では日本郵政がすばらしいパートナーとなったが、他の地域ではそれぞれの実情に合わせて政府や民間企業とも協力していく」と述べた。

アメリカでは保険会社に詳細なヘルスケアデータを引き渡すことに懸念が生じるのではないかという質問に対して、Romettyは「データの種類によってきめ細かくオプトン、オプトアウトができるようにしていく。またビッグデータとして有益な分析を行う際には、個人が特定されないよう情報には匿名化処理を行う」と説明した。

高齢者ケア、高齢者サービスは今後多年にわたって急成長を続けることが確実なマーケットだ。今日の発表はIBMとAppleがこの分野にきわめて有望な一歩を踏み出したことを告げるものだ。日本における高齢化の進展の急速さを考えると、巨大な日本郵政グループは理想的なローンチ・カスタマーといえる。一方で、しばらく前からAppleのiPadセールスは頭打ちの傾向を見せていたが、これに対しても好影響が期待できるだろう。

Cookは「アメリカでも同様のプログラムは考えられるが、実現はまだ先のことになるだろう」と述べた。またIBM/Apple提携について「現在すでに22のアプリが公開されており、今年中にその数は100種類まで増えるだろう」と語った。

Appleジャパンのサイトにアメリカでのプレス発表資料の抄訳が掲載されている。日本郵政グループ、IBM、Apple、日本の高齢者がサービスを通じて家族・地域コミュニティーとつながるために、iPadと専用アプリケーションを提供 

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

IBM、2015年Q1の利益は予測越え、売上196億ドルは期待外れ

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本日(米国時間4/20)の取引時間終了後、IBMは2015年第1四半期の決算報告を発表 した。同社の1株当たり利益は予測を上回る2.91ドルだったが、売上195.9億ドルはウォール街予測の196.4億ドル

に届かなかった。

これで同社は連続12四半期の売上減。

IBMの状況には多少説明が必要だ。それは同社が通貨の強さに応じて必要な調整を行っていること、および最近の事業整理についてだ。1年前の四半期と同じ為替レートを使用し、スリム化した現在の会社に調整すると、IBMの売上は前年並みである。

こうした影響の調整をしないと、IBMの売上は12%下落したている。IBMから提供された非調整の部門別対前年売上比の表を下に貼った。

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IBMの売上減がごくわずかであることに注目されたい。つまり、減少は見た目ほど急ではなく、予測ともほぼ一致している。

IBMはある意味でMicrosoftに似て、現在クラウドへの移行と伝統的事業からの離脱を成し遂げつつある。これは新たなテクノロジー経済の中で収入源を再発明し、他を切り捨てる必要があることを意味している。変遷の道は険しそうだ。

会計第1四半期終了時の保有現金および相当物は88億ドルだった。IBMは十分な資本を持ち、現金は前四半期の85億ドルから増えている。ただし、前年同期の90億ドルからは下がっている。

IBMは、2015年通年予測を「維持している」と発表した。フリーキャッシュフローは現状維持、1株当たり経常利益15.75~16.50ドルと予測している。同社は「高価値、高利益率」な企業としてこの1年を終えるつもりだと話した。

時間外取引の株価に動きはなく、その前の通常取引で強い上昇を示した。現在同社の時価総額は1600億ドルを越えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

IBMとAppleの提携がいよいよ動き出した―ヘルスケア、航空などエンタープライズ・アプリ8種類リリース

エンタープライズ向けモバイル・アプリの開発でのAppleとIBMの提携がいよいよ成果物を出し始めた。今日(米国時間4/1)新たに、iOSデバイス向けエンタープライズ・アプリが8種類発表され、MobileFirstプロジェクトのアプリは合計22種類となった。

今回のリリースで特に注目されるのはヘルスケア関連アプリだが、 以前のはプレス発表のとおり、AppleとIBMの提携はバンキング、ホテル、航空機、運輸、財務、エネルギー、法執行、小売、保険などの分野に広がっていくだろう。

IBMは今回の新アプリのリリースにあたって公式発表は行わないことを確認した。これはヘルスケア関連アプリに関しては、今月開催予定のHiMSS〔アメリカ・ヘルスケア情報管理システム協会〕のカンファレンスで詳しい説明を行う予定だからだという。

今回発表された8分野のアプリのうちではヘルスケア関連アプリがもっとも重要なものだろう。Hospital RNというiPhoneアプリでは病院の既存の情報システムとiPhoneを接続し、医師や看護師など職員は入院から退院までiPhoneアプリから必要な患者情報へのアクセスと管理ができる。これによって患者情報管理を効率化し、職員の負担を軽減するのが狙いだ。これにはさらにAppleのiBeaconテクノロジーが用いられ、患者の病室位置情報が利用される。職員が病室に近づくとその患者の情報が自動的に表示される。

iPad向けHospital Lead、iPhone向けHospital Techなど業務の優先順位を判定、管理することに特化したアプリもある。iPhoneアプリのHome RNは、看護師が患者の自宅など病院外でヘルスケア業務を行うのをサポートする。

ヘルスケア関連以外のアプリでは、iPad向けRapid Handoverは工場などの交代制職場の職長が設備のメンテナンスや製造目標などの情報を従業員と迅速かつ効率的に情報を共有し、生産性を向上させるのが目的だ。iPad向けOrder Commitアプリは小売業向け、Risk Inspectは損保業界向けのアプリで、iPadのカメラを利用して効率的に損害報告書が作成できる。

もうひとつ、航空会社向けアプリも発表された。IBMは 今年に入って、遅延やキャンセルとなったフライトの乗客を別のフライトに移す手続きを簡単にできるようにするエアライン向けアプリを開発していると発表した。このアプリが今回、iPhone向けにAncillary Saleという名前でリリースされた。またこのアプリでは客室乗務員が機内で席のアップグレードや機内販売を行うことができる。

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昨年発表されたAppleとIBMの提携の主な目標は、コンシューマ向けのソフトウェアの使いやすさをエンタープライズ向けサービスに導入することだ。エンタープライズ・ソフトウェアでは往々にしてユーザー体験が置き去りにされ、遅く、使いにくいものになっている。ここ数年「ITのコンシューマ化」が大きなトレンドになっているので、IBMがAppleとの提携によりこうした動きに先駆けようとするのは不思議ではない。一方、AppleとしてもIBMと提携して大企業のITシステムにiOSアプリが採用されることはiPhoneとiPadの企業向け売上を伸ばす効果が期待できるわけだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

多様な非定型データの分析サービスを提供するSensaiがAndreessen Horowitzらから$900Kを調達

データ分析は帳票などの定型的なデータを対象とすることが多い。しかし企業のペーパーレス化が進み、電子化されたドキュメントが増えるに伴って、非定型的なデータが多くなり、それまでの技術では分析が難しくなる。PalantirやIBM(のWatson)は、非定型的なテキストデータを容易にクェリできる方法を提供しようとしている。そしてこの分野の新人選手Sensaiが今日(米国時間3/31)、ステルスを脱して正式にローンチする。

同社は今日さらに、Andreessen HorowitzとFormation8、Chris Kelly、ValueStream Labsなどからの90万ドルのシード資金の獲得を発表した。ビッグデータ関連のインキュベータData Eliteから巣立った同社は、年内にシリーズAの資金調達を行う予定だ。

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Sensaiは、料金の安さと、データサイエンティストたちにとっての使いやすさで勝負したい、と言っている。月額料金は5000ドルからだが、顧客のニーズに応じて利用プランをカスタマイズできる。また使いやすさの面では、顧客企業の一般社員でも使えるようにする、という。Sensaiは非定型的なデータの分析を得意とするが、競合他社はどちらかというと、それぞれの企業独自の定型的データを扱うところが多い、と同社は主張している。

対象データは内部のファイルやソーシャルメディア、Web上の記事、オンラインの公開ドキュメントなどさまざまだが、それらに対するクェリをユーザがセットアップすると、結果はリアルタイムでSensaiのダッシュボードに現れる。またユーザがカスタマイズした報告書への出力や、APIからの結果取得も可能だ。Sensaiはクラウドサービスとしても、あるいはオンプレミスの展開でも、どちらでも利用できる。

同社によると、そのサービスは人工知能と深層学習(deep learning)の技術を駆使して、ユーザのクェリを非定型ドキュメントの集積に対して適用する。結果はきわめて正確で、またそのシステムは顧客の利用歴から学んでどんどん進化するという。

サービスのクォリティに関する同社の主張を、実際に確認することはできなかったが、でも顧客の中にはSiemensや金融サービスのUBS、資産管理のWorldQuantなどがいる。SiemensはこのサービスをITの監査に利用し、UBSは同社のEvidence Labの調査に利用している。

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新薬の候補物質をスパコン+ニューラルネットで迅速に見つけるAtomwise

カリフォルニア州Mountain Viewの彼のアパートから電話に出たAtomwiseの協同ファウンダAlex Levyは、“医者や薬屋に行かなくても、自分の家で、はしかの治し方が分かるんだよ”、と言った。

Y Combinatorの今の‘在学生’であるAtomwiseは昨年、一般的によくある疾患や、希少疾患の治療法を見つけるためのプロジェクトを10以上ローンチした。いずれも、治療に費用や時間がかかりすぎる病気だ。同社はエボラ出血熱ではIBMと協働し、はしかの治療法ではカナダのダルハウジー大学と共同研究をした。Levyによると、同社は、多発性硬化症の治療薬候補を見つけるために、わずか数日で820万種の化合物を調べた。

一般的に、新薬を開発して市場に出すまでには平均12年の年月と約29億ドルの費用を要する。開発される薬のうち、めでたく家庭の薬棚に収まるのは、ごくわずかだ(治験にまで行くのは5000件の研究開発案件のうち、わずか1つ)。

まだ存在しない仮説的な薬を調べることもできる。

—-Atomwise協同ファウンダAlex Levy

Atomwiseは、スーパーコンピュータと人工知能と、何百万もの分子構造を調べる特殊なアルゴリズムを使って、新薬発見のローコスト化を実現しようとしている。

“それはまるで超人の脳みたいに、何百万もの分子を分析してそれらの作用を、数年ではなく数日で調べる”、とLevyは言う。その仮想薬物発見プラットホームは、ディープラーニングを行うニューラルネットワークがベースだ。それは、既存の薬の分子構造と作用に関する何百万ものデータポイントを自分で学習するところから、仕事を開始する。

Atomwiseが使っているディープラーニング技術は、GoogleのDeepMindと同じようなタイプだが、応用の対象が医薬品という重要な分野だ。症状と治療薬のペアを見つけていくこの技術は、理論的にはまだ存在しない、今後ありえるかもしれない病気の治療薬を見つけて、何百万もの命を救うかもしれない。

“まだ存在すらしていない仮説的な薬を調べることもできる”。とLevyは言う。“新しいウィルスが登場すると、Atomwiseはその弱点を見つけて仮説的な治療法を素早く特定し、テストできる”。

また、現在市場に出回っている薬の化学構造をあらためて調べて、既存の疾患の治療可能性を見出すこともある。Atomwiseは今、FDAに承認され市場に出回っている薬の分子構造を調べて、エボラ治療薬の候補を見つけようとしている。

[写真: 細胞上で増殖するエボラウィルス]

今、多くの医療専門家たちが、今後20年で抗生物質耐性菌が急増して、あらゆる抗生物質が効かなくなり、巨大な医療危機をもたらす、と警告している。Atomwiseのスーパーコンピュータは、そんな手強い菌にも効く薬を見つけるかもしれない。

Atomiseが見つけた化合物がいきなり家庭の薬棚にやってくるわけではないが、しかし大量の分子構造を調べて候補を見つけるという作業を、コンピュータが短時間でやってくれることは、ありがたい。原理的には人間研究者は、そのあと、つまり候補物質を調べるという作業だけをやればいいから、新薬発見〜市場化に要する時間も短縮されるはずだ。

ただしAtomwiseはまだ若い企業で、治験にまで行った薬はまだ一つもない。製薬業界にとっては、大助かりな技術と思えるけど。

“もちろん試験は必要だけど、そこに至りつくまでの推量的作業を、すべてうちが代行できる”、とLevyは言っている。

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