このウェアラブル発電機は、体の熱で電気を作る

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これからはその汗ばんだ体がスマホの電源になる。まるで映画マトリクスのネオのように、ノースカロライナ州立大の研究者らが作った新システムを使えば、ウェアラブルデバイスで発電することができる。以前のシステムは硬くて巨大なヒートシンクを使っていた。新しいシステムは体にフィットするパッチワークを使い、1平方センチ当たり 20μWの発電が可能だ。旧システムは1μW以下しか発電できなかった。

システムは肌の上に敷かれた伝導性レイヤーから成り、熱が逃げるのを防いでいる。発生した熱は熱電気発電機を通った後アウターレイヤーに移動し完全に体外へ放出される。厚さは2 mmで柔軟性がある。

システムを開発しているのは、米国国立科学財団のNanosystems Engineering Research Center for Advanced Self-Powered Systems of Integrated Sensors and Technologies (ASSIST)[統合センサー・技術の先端自己出力型システムのためのナノシステム工学研究センター]で、商品化への道は開かれている。

目標は、これを医療器具に埋め込み、充電を必要とせずに生体信号を測定できるようにすることだ。「ASSISTのゴールは、長期の健康モニタリングに使用できるウェアラブル技術を開発することにある。例えば心臓の健康状態を追跡したり、身体的・環境的変化を監視して喘息発作を予測する装置だ。そのためにバッテリーに依存しない装置を作りたかった。このデザインとプロトタイプによって、実現に大きく近づいたと考えている」とノースカロライナ大学のDaryoosh Vashaee准教授は語った。

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Linux上の高級言語プログラミングでハードウェアプロジェクトを作れる超小型コンピューターボードOnion Omega2

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5ドルで買えるコンピューターで、スリッパを持ってきてくれたり、マッサージチェアを動かしてくれたり、毎日の晩酌のバーボンをグラスに注(つ)いでくれるロボットを作れないかな? 

Onion Omega2なら、それ以上のこともできるよ。

これはArduino互換のボードだが、ネイティブでLinuxも動く。そしてデスクトップ的なWebインタフェイスから、コマンドラインができたり、システムにアクセスできる。Wi-Fiをサポートしているし、拡張すればセルラー(携帯キャリア)やBluebooth、GPSにも接続する。

協同ファウンダーのBoken Linはこう説明する: “Omega2は、ハードウェアプロジェクトのためのLinuxコンピューターだ。いろんなことができる。まず第一に、デベロッパーは高級言語と使い慣れた開発ツールを使ってハードウェアの開発ができる。ドラッグ&ドロップで、技術系でない人でもプログラムを作れる。モジュール方式なので、拡張は単純にモジュールの追加でできる。だから電子回路の設計ができない人でも、複雑なハードウェアを作れる”。

コロンバスで本誌主催のミートアップをやったとき、このおちびなボードを知り、感銘を受けた。こんなちっちゃなコンピューターなのにコマンドラインができるってクールだし、拡張機能等が完全にモジュール方式で組み込めるのもすごい。コンピューターとプログラミングに関する基礎的な知識は必要だが、とにかく電子回路の設計ににびびらなくても、誰でも気軽にハードウェアに取り組めるのが良い。楽しい、おもしろい、と思う。

今Kickstarterで買う(出資する)と1台5ドル、出荷は11月からだ。Linが最初のOnion Omegaを作ったのは、2015年だ。でも今度のは、もっとスタンドアロンで速い。5ドルのやつはRAMが32MB、ストレージが16MB; 9ドルの”Plus”タイプはRAM 128MB、ストレージ32MBだ。電源やストレージに接続するためのドックは15ドル。なんと、OLEDのディスプレイもあるから、この小さなシステムの、何でも視覚化できるね。

言語はPythonとPHPとNodeJSを使える。プログラミングの初心者でも、お隣の仲良しのワンちゃんの真似をするロボットぐらい、すぐに作れるだろう。

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「スマート」ロックは、ハッカーの簡単なトリックで破られる

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モノのインターネット(あれをそう呼ばなくてはいけないのであれば)が酷い、というのは公然の秘密だ ― 標準についても相互利用についてもセキュリティーについても。もっとも、スマート電球やコーヒーメーカーに、高度なセキュリティーは実際必要ない。しかし、玄関ドアのスマートロックは、簡単にハックされるべきではない。

今年のDEF CONで、平均的スマートロック― 高級なものでも ― を信用できるようになるまでの道はまだ長い、という発表が2件あった。これに驚く人もいるだろうが、何年も前から言い続けた人たちもいる。こういう連中はいつでも嬉々として危険性を証明してみせる。

Merculite SecurityのAnthony RoseとBen Ramseyは、200ドル以下で揃う市販の道具を使って、 ちょっとしたロックハッキングを披露した。難易度は様々だったが、最終的に16台中12台が破られた。

Quicklock、iBluLock、およびPlantrac oのスマートロックは、パスワードを平文テキストで通信しているため、Bluetooth盗聴器を持つあらゆる人に対して脆弱だ。正規のユーザーがドアを解錠した時に無線傍受したデータを再生しただけで開いた錠もあった。1バイトを暗号化したデータを受信するとフェイルステートに入り、デフォルトで解錠状態になるものも。

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これも注目すべき情報。ふたりがちょっとしたウォードライビング(無防備な無線ネットーワークを探すドライブ)をしたところ、自らスマートロックであることを名乗るものがたくさんあり、アタッカーが攻撃対象を見つけやすくしていた。

全体的にかなり悲惨な状況だが、RoseとRamseyの挑戦に耐えたものもあった。NokeとMasterlockのスマート南京錠が生き残り、Kwikset Kevoも頑張ったが、それもネジ回しで開けられるまでだった。もちろんこれは反則だが、問題であることに変わりはない。

おそらく最も心配なのは、不具合を知らされた12社のうち、返答があったのは1社だけだったという事実だろう。しかもその1社も修正の計画はない。

Merculite社が破れなかったうちの一つ、Augustドアロックは、中では比較的よく知られたブランドだ。幸い、別の誰かがすでにこれを破壊するミッションを遂行しいる。

Jmaxxzの楽しませるミーム満載のプレゼンテーションは、Augustの説明に多くの嘘があることを暴いた。不法侵入者が暗証番号を探すためにあなたのログを狙う可能性は低いかもしれないが、セキュリティーホールは本物だ。

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パケットモニタリングなど従来の方法では入手の難しかったデータが、ログなどに平文テキストで入っていることがある。Jmaxxzは、必要以上に手間を掛けたくないタイプのハッカーだが、当然のことだろう。

Augustについけは、良い点と悪い点がある。そして会社の名誉のために書いておくが、同社の対応は迅速で、多くのセキュリティーホールがすでに修正されているとハッカーは言っている。とは言え、APIコールの文字列を “user” から “superuser” に変えるだけで、ゲストユーザーがロックのパーミッションが得られるというのは信じがたいことではある。

今のところ、スマートロックの長所は利便性であり、短所はセキュリティーのようだ。 プール小屋や義母の家のセキュリティーが平均以下でも気にならないなら、キーチェーンを軽くする良い方法だろう ― ただし、玄関のドアに関しては、もっと良い方法を考えるべきだ。

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家庭のスマートデバイスをコントロールする超簡単なタップ装置KnockiがKickstarterで大ヒット

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どの基準に照らしても、KnockiKickstarterキャンペーンは特大ホームランだ。目標額35000ドルに対して、なんと110万ドル集まったのだ。

でもCEOのJake Boshernitzanは、締め切りぎりぎり(東部時間土曜日の午前3時)までもっと伸ばしたい、と期待しているようだ。彼によると、キャンペーンの目標額はわざと低くした、なぜなら同社はすでにシード資金を獲得しているからだ。

“大量生産できるぐらいの資金とリソースはすでにある”、とBoshernitzanは語る。“キャンペーンの目標は、実際の受注量を大きくするためだ。5万台は無理でも、1万台、1万5千台、2万5千台ぐらいあれば、企業を維持できる”。

ところで、Knockiとは何なのか。それは、壁やテーブルなどの表面にくっつける小さなワイヤレスデバイスだ。そしてその面をタップすると、照明やサーモスタットなどのスマートデバイスをコントロールできる。キャッチフレーズは、“どんな表面でもスマートな表面にする”だ。

そんなアイデアは前からある。しかしBoshernitzanが主張するのは、Knockiがとてもシンプルなことだ。彼によると、インターネットに接続されたデバイスと対話するいちばんシンプルの方法が、タップだそうだ。

今は音声によるコントロールに関心が集まっていることを彼も認めるが、彼によると音声はあくまでもKnockiを補完するものであり、大音量の場所など、音声は使えないところもある。これから寝るので灯りを消したり、サーモスタットを下げたり、目覚ましをセットするようなことに、いちいち声を出すのは大げさだ。単純にタップするだけのKnockiの方が、生活になじむ。

そのビジョンはいいと思ったし、キャンペーンの前にBoshernitzanが見せてくれたデモにも感心した。ただし、ふつうの消費者がそんなに多くのスマートデバイスを持っているだろうか。

“Knockiを買ったけどNestのサーモスタットもPhilips Hueの電球もない…スマートデバイスなんかどこにもなくても、家にWi-Fiとスマートフォンがあるだけでいろんなことができる”、とBoshernitzanは語る。

たとえばKnockiをテーブルにつけておいて、タップすると自分のスマートフォンが今どこにあるか分かる。ドアに付けておくと、誰かが来たことが分かる。

KnockiのKickstarterキャンペーンはこのページだ。今(ぼくが本稿を書いてる時点)なら一番安く、79ドルで買える。発売は12月の予定だ。

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Das Keyboardの5Qは、クラウドに接続するインテリジェントなキーボード…キートップのブリンクで情報を表示

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Das Keyboardは誰もが好きなキーボード会社で、まるでKraftwerkがツアーに持って行く楽器のような名前だが、同社がこのほど発表した5Qは、クラウドサーバーと双方向通信をするスマートキーボードだ。

どういう意味かというと、キーボードをプログラミングして、eBayで自分より高値がついたらEの文字をブルーで点滅する、とか、自分のWebサイトがダウンしたらスペースバーを激しくブリンクさせる、などのことができる。数値キーを点滅してCPUの使用率をお知らせする、なんて使い方もある。

そのQと呼ばれるAPIは、複数のデータソースに接続できる。プログラミングをしているときにビルドのエラーを通知したり、来信メールの相手によっていろんなキーの輝度を変えたりもできる。たとえばBのキーが赤く輝いたら、あなたのボスからのメールだ、とか。

このキーボードはIFTTTのようなサービスに接続して、なにが起きたらなにをする(if〜then〜)のルールを設定する。そうやって自分の身近で情報を共有するのは、なかなかおもしろい。

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ぼくは昔から、Dasのカチッと音のするキーボードが大好きで、Blink(1)のようなツールも好きだから、このキーボードはとてもいいと思う。今同社はクラウドファンディングをやっていて、すでに24000ドルを超えている。

早めの支援者は109ドル、そして189ドル出すとブランクな(文字が書いてない)キーキャップのセットももらえるから、このキーボードでGibsonをハックすることもできるだろう。発売は来年1月を予定している。

しかもDasはOmronのGamma-Zuluメカニカルスイッチを使っているから、これまでの製品との互換性も十分にある。

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SamsungがIoTとの関わりを深化するために$1.2Bの巨額投資、高齢者のクォリティー・オブ・ライフに着目

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Samsungは、12億ドルという巨額の投資により、同社の物のインターネット(Internet of Things, IoT)との関係を次のより高いレベルへ上げようとしている。

今週DCで行われたイベントでエレクトロニクスの巨大企業SamsungのCEO Dr. Oh-Hyun Kwonが、同社の向こう4年間のR&Dプランを発表した。この投資は合衆国全体のおよそ15000名のSamsung社員の各種業務に行き渡る。Forbesによると、資金はオースチンのチップ製造研究所やパロアルトの研究センターなどSamsung自身のオペレーションのほかに、数社のスタートアップにも投じられる。

“IoT方面のイノベーターを至るところに探そうと思ったら、すべてのツールをスタートアップに対しても確実にオープンにする必要がある”、とKwonは語る。“それは互いを結びつけるテクノロジーであるから、そこに境界を作ったらイノベーションとスケールを妨げることになる”。

CEOはさらに、この投資により高齢化社会の諸問題の解決努力を支援し、高齢者が介護施設や病院に行くことなく、独立的な生活を送れるようにしたい、と述べた。

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Apple TVを持っていない? iPadもHomeKitデバイスのハブになれる

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昨日(米国時間6/13)のWWDCで、Appleは次世代HomeKitのベールをめくった。スマートロック、サーモスタット、インターネット家電といったデバイスのためのモノのインターネット・プラットフォームだ。発表の中心となった新機能の中でも注目されたのは、Apple TVがHomeKitハブとして機能し、家主が外出先から、つながったデバイスをリモートで安全にアクセスできるようになることだった。

新機能の発表の中で、AppleのSVP、Craig Federighiは、Apple TVが「常時電源オン、常時接続、かつ常時家庭内ネットワークにつながっている」のでこのハブの役目を果たせる、と語った。遠くからデバイスを使えることに加えて、このハブは家主がジオフェンスを設定して、誰かのiPhoneが事前に設定したラインを越えると自動的に一連のイベントを実行させることもできる。

例えば、車で帰宅中に家の近くまで来ると、ジオフェンスルールの定義によって、照明が点灯し、ガレージのドアが開き、ラジオのスイッチが入る。

しかし、Apple TVを持っていない人はどうするか? どうやらiPadもHomeKitハブの役目を果たせるらしい。

このちょっとしたニュースは、iOS 10ベータのHomeアプリで見つかった。なぜAppleがHomeKitの発表でこのことに触れなかったのかは不明だが、この機能の存在がわかったのはよいことだ。Homeアプリの説明によると、この機能は全くあるいは殆ど家を離れないiPadのためにある。

HomeアプリはHomeKitデバイスへの大きな一歩だ。今年iOS 10と共にアプリが公開されると、個人の家にあるHomeKit対応デバイスをすべて、一つのインターフェースで制御できるようになる ― そして、現在HomeKitデバイスは既に数多くあり、この秋の機能が公開されれば、さらに増えるはずだ。

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サイバーテロとシリコンバレーの役割

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【編集部注:執筆者のBrian Michael Jenkinsは、RAND Corporationのシニア・アドバイザー。】

少なくとも現時点で、サイバーテロリストたちは世界のどこかの地下室から欧米文明を破壊するのに必要なテクノロジーを利用していない。

国家情報長官のJames Clapperは、「サイバー・ハルマゲドン」シナリオの可能性を当面否定しているが、新たな技術進歩はテロリストたちを、注目されることがる目的のローテクな殺人から、社会の資源や組織を破壊する目的のハイテクな破壊行為へと走らせる可能性をもっている。

先進社会の多くが防衛費を縮小する中、テロリズムの脅威は国土安全の懸念を高めている。テロリストは最前線と家庭も、戦士と一般市民も区別しない。

テロの脅威は、時には誇張されて、実際に起きる前から政府にテロ攻撃を防ぐよう圧力を与える。これは、意思が行動に移る前に介入することを意味している。テロリスト予備軍の心に悪が潜んでいることを知る一つの方法は、人々が話し、書いている内容を監視することだ。警察は常にそうしていると宣言しているが、民主主義には、それがいつ、どんな条件で許されるかに関する厳格な規則がある。

テロリストは最前線と家庭も、戦士と一般市民も区別しない。

情報技術の進歩は、市民と政府との関係を再定義し、新たな緊張を生み出した。現在政府は、我々のプライベートなやり取りや個人の生活に関する情報を大量に取得し、保管し、分析する、過去に類を見ない能力を持っている。そのようなデータを政府が所有することだけでも、アメリカ流の政治形態に反する、統制と脅威の可能性を意味していると指摘する人々もいる。

国家の安全と戦争が、デジタル時代にあわせて再定義される中、シリコンバレーは反テロリズムの先鋒に立つ必要がある。情報革命を駆り立てている発明家や起業家たちは、悪意ある侵入から最重要システムを守る方法を見つけ出す必要がある。そこは、政府の社会を守る取り組みと、個人の権利とプライバシーとの戦いの中心でもある。

テロリストの戦術は何世紀にもわたって用いられてきたが、1960年代後半の技術進歩は、新たな脆弱性と能力を生み出した。近代のジェット機による航行は世界中のテロリストに移動能力を与え、人質と被害者の空飛ぶ収容場所を提供した。地方テロリストのキャンペーンは容易に国際的になる。小型の武器や爆発物が広く一般に入手可能になった。何よりも重要なのは、通信技術 ー 無線、テレビ、通信衛星 ー によってテロリストが国際舞台への足がかりを得たことだ。

テロリズムは演劇であり、恐怖と警戒の雰囲気を作り出すように演出された暴力によって、テロリストと彼らがもたらす脅威の重要性と威力を人々に誇張させる。テロリズムの実際の被害者は、テロリストとは無関係だ。われわれが敵対してするテロリストはコミュニケーションが戦いの半分を占めていることを知っている ー 重要なのは何をするかではなく、それがどう認識され、描かれるかだ。

1970年代の終わりに、私たちアナリストは、テロリストがどんな新兵器を入手し、戦闘に利用するかを探ろうとした。われわれは、精密誘導地対空ミサイルや、化学、生物兵器、さらには核兵器までも心配したが、最も重要な進歩を見逃していた ー 近代インターネットの始まりは、テロリスト兵器庫て最重要な武器となっていたのだ。

シリコンバレーはすでに自らをテロリズムとの戦いの中心に位置づけているのかもしれない。

宣伝プラットフォームとしてのインターネットは、編集や政府の介入を受けることなく膨大な聴衆と直接やりとりする機会をテロリストに与えた。それはまたテロリスト同士が容易に連絡を取り合うことも可能にし、志を同じくする狂信者たちの仮想コミュニティーを作り上げた。標的に関する情報や、爆弾製造や他の暴力技術の方法も提供した。

ソーシャルメディアはさらにそれを助長し、今日のテロリストは無数の若者たちに好まれる方法を使って直接通信する能力を持っている。いわるるイスラム国は、ソーシャルメディアを効果的に利用して、その目的を宣伝し、兵士予備軍を惹きつけている。

しかしインターネットは、あからさまに急進化することなく、代理となって参加することも可能にしている。グループの仲間に入らなくてもよい。参加者は仮想的だが実生活の体験を得ることができる。心理的満足感はネット上でテロリストのふりをするだけでも得られる。

インターネット以前の1970年代、米国は年間平均50〜60のテロリスト爆破事件を扱っていた ー 振り返ってみれば驚くべき数字だ。9/11攻撃以降の約15年間、米国内のテロ爆破は年間2〜3件であり、致命的なものはほとんどない。

そうした攻撃は、海外で進行中の紛争に関連した過激派思想や不和に動機づけられた様々なグループによって引き起こされていた。しかし9/11以降、米国で起きた聖戦士テロリスト事件約60件のうち、2/3が一人の人間によって起さられている。グループのメンバーという概念は事実上なく、制度化された教えもない。新しい首謀者はほぼ常に素人である。

今のテロリストたちが与える脅威は未だに原始的で手動でローテクだが、同時期のテロリストたちはインターネットのナビゲーションにも長けていて、ハイテク敵となって経済的妨害行為で脅しをかけるようになる可能性を持っつている。個人を人質に取る代わりに、システムを人質にするかもしれない。

1970年代、テロリズムアナリストたちの「レッドチーム」は、どうやってそれが行われるかは考え、社会を著しく破壊するためには、膨大な資源が必要であるという結論をくだした。しかし、モノのインターネットの成長するネットワークはそれを変えるかもしれない。

破壊、妨害、恐怖によって社会の膨大な資源を安全対策に転用することを強要する能力は、いつも解決できるとは限らない不満を持ついっそう小さなグループへと下りていった。この傾向に民主主義がどう対応し、民主主義であり続けるかは、われわれテクノロジー時代の主要な課題の一つだ。

シリコンバレーはその課題に挑戦するべく意気込んでいる、というのが最近カリフォルニア州サンタクラリタで行われたイノベータと起業家の年次カンファレンス、TiEconで私が感じた兆候だ。参加者の中には、セキュリティ支援に現在使われているテクノロジーをすでに作ったところもあった。他にも刺激的な新技術やアイデアがすでに開発されている。それらは、武器や爆発物、放射性物質その他危険物の検出、分析、その他の対策方法など、物理的セキュリティおよび情報保護に対する新たなアプローチだ。。

このような進歩の可能性を武器に、シリコンバレーはすでに自らをテロリズムとの戦いの中心に位置づけているのかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Atari、スマートホーム機器でモノのインターネット市場に参入

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正直なところ、Atariはかつてのようなエンターテイメント大手ではない。2013年に破産宣言して以来、ここ数年自らの改革を試み、モバイルゲームおよびカジノとの契約に力を入れている。そして一時のゲーム界の巨人は今、その伝説的な名前を〈つながった〉ホーム機器製品に活用しようとしている。

残念ながらそれは厳密には新しい端末ではないが、あの象徴的ブランドはフランスの無線通信会社Sigfoxが作った「幅広いAtari製品群」に与えられる。

主としてライセンス契約と見られるこの製品の詳細について、さほど語るべきことはないが、最初の製品は低価格のホーム、ペット、ライフスタイルおよび安全のためのデバイスで、Sigfoxの低エネルギー技術を使用している。

製品のターゲットは、大衆消費者市場および慈善団体だと同社は言っている。

via Engadget

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

物理的なボタンでインターネット上のサービスを呼び出すbttn、小型版を市場投入(長押しもサポート)

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インターネットに繋がる「ボタン」を作っているbttnが、「デジタルサービス用プッシュボタン」(push-to-activate-a-digital service)の小型版をリリースした。

btnのコンセプトはシンプルだ。ボタンデバイスを家庭や職場の好きな場所に置き、何らかのデジタルアクションを始動するようにしておくのだ。たとえばタクシーを呼び出したり、「家に帰り着いたよ」など事前に用意しておいたメッセージを発信するようなこともできる。

何のトリガーにするのかは自在に決めることができる。これにより利用者はアプリケーションを操作することなく、ボタン一発で目的の操作を行うことができるようになるのだ。

新しいデバイスはbttn Miniと名付けられている。サイズが最初のもの(2014年5月にプレオーダーの受付を開始した)の半分ほどとなっている。またボタンを単純に押すだけでなく、長押しもサポートするようになった。これによりプッシュ操作の確認ないしキャンセルを行うことができるようになっている。

フィンランドに拠点をおくbttnは、クラウドファンディング・キャンペーンにも成功している。小規模ビジネスの現場で大いに受け入れられることとなり、利用する顧客の間からキャンセルないし確認の意味を持つ長押しをサポートして欲しいという声が上がってきたのだそうだ。

新たにサポートされるようになった長押しだが、ファームウェアのアップデートを行えば、以前のbttnでも動作するようになる。

これまでに出荷した細かな台数についての情報はもらえなかった。「1万台以上で10万台未満」だそうだ(販売開始から2年たち、顧客が世界中100カ国以上にいるわりにはあまり売れていないと見ることもできるのかもしれない)。

一般消費者向けのbttnは€69となっている。特定ブランド向けに用意するbttnは€99だ。またビジネス用に台数およびサービスの利用期間に応じて価格が決まるメニューも用意している。

フランスの最大手タクシー運行サービス会社であるLes Taxis Bleusもbttnを利用しているのだとのこと。レストランやホテル、ブティックなどに配備してタクシーの呼び出しを行えるようにしているそうだ。顧客の集まるところにサービスを持ち込むスタイルで運営しているわけだ(こうしたアイデアの中にUberなどと戦うアイデアが眠っているのかもしれない)。

また不動産関連管理サービスを提供するSamsicも導入しているそうで、オフィスやビルなどからオンサイトサービスやサポートをリクエストするのにbttnを使っているのだとのこと。

また、オンラインセールスを行うサービスでは「再オーダー」用のボタンとして活用する例もあるそうだ。言うまでもなく、これはAmazonのDashボタンと同様に動作する(もしかすると、このあたりに小さなEコマースサービスがアマゾンという巨人に対抗するヒントがあるかもしれない…)。

bttn Miniのインターネット接続オプションは3種類が用意されている。すなわちモバイル通信(2G GPRS2G GPRS)、SIGFOX、およびWi-Fiだ。まずはモバイル版を先行させ、Wi-Fi版を6月中に、そしてSIGFOX版をQ3にリリースしたい考えだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

インターネットに接続されタッチスクリーンのある冷蔵庫、SamsungのFamily Hub Refrigerator

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自分はSamsungの役員たちが会議をしている部屋の壁にとまっている蝿だ、としばし想像しよう。そうすると同社のFamily Hub Refrigeratorの偉大さが、分かるかもしれない。

スマートホームのブームに乗り遅れるべきではない、と誰かが言う。まずキッチンをディスラプとするのだ…こうして同社はIoTの競争レースに参加する。そしてたしかに、このスマートな〔電脳式の〕冷蔵庫の随所に、決して軽視すべきではないものがいくつかある。

まず、ドアの内側にはカメラが三つあって、ドアを閉めるたびに冷蔵庫の内容を撮影する。それらはワイヤレスでインターネットに接続され、Family Hubのオーナーはモバイルのアプリから冷蔵庫の中身を確認できる。

スーパーで、天井のライトがジージー鳴っていたり、香辛料の陳列棚が圧倒的に長かったりすると、ぼくはいつも、頭の中のショッピングリストの半分は忘れてしまう。そんな人間にとって、スマホから冷蔵庫の中身を確認できる機能はありがたいと思う。

この冷蔵庫の最良の機能かと思われるカメラにも、欠点がある。まず、三つの棚の上のものしか分からないし、ドアポケットは全然分からない。

しかし、これらのカメラは実は、この’Hub’を名乗るスマート冷蔵庫のメインイベントの、脇役にすぎない。この製品が今年のCESに登場したとき、メディアはそれを、‘ドアにタブレットがある冷蔵庫’と呼んだ。

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今日(米国時間5/5)ニューヨークで行われたプレスイベントで同社は、“それ以上のものだ”、と主張して、その汚名を雪(そそ)ごうとした。

Samsungの連中は、家族(family)、食品(food)、娯楽(entertainment)という三つのねらいを強調した。会議室の役員たちがentertainmentでなくfunを選んでいたら、‘三つのF’になったのに、残念だね。

冷蔵庫のドアのスクリーンは、画像やメモやカレンダーを共有するためにあるものだから、“家族”(ファミリー)の要素だ。“食品”は、冷蔵庫だから当然。そして“娯楽”は、内蔵のスピーカーからPandoraなどのサードパーティアプリが提供するし、SamsungのスマートTVのビデオも見られる。

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たしかにFamily Hubは、タブレットを組み込んだ冷蔵庫以上のものかもしれないけど、でもふつうのタブレットで十分間に合うところに、なぜ冷蔵庫にわざわざスクリーンがあるのか、それを納得するのが難しい。娯楽はもちろんだが、食品のオーダーもFresh Directのようなアプリでできる。

この製品のローンチのときにも書いたが、ふつう冷蔵庫のライフサイクルはタブレットのそれよりずっと長い。タブレットなら最新の機種に買い換えればいいが、冷蔵庫のドアについているスクリーンの、最低限のタッチインタフェイスと、いつまで付き合うことになるのか…、と考えてしまう。

Samsung Family Hub Refrigerator

もちろんアップデートはあるだろう。それはインターネットからでも、あるいはドアの後ろに隠れているUSBポートからでもできる。しかしオペレーティングシステムに基本的な制約がある。それは、Samsungが長年しまっていたTizenだから、アプリがきわめて少ない。同社は今後のアプリの充実を約束しているが、それらはユーザーがアプリストアから自由にダウンロードするのではなく、質問に対してオプトインしたユーザーの冷蔵庫に勝手にインストールされる。

インターネットへの接続をベースとする機能は、今後もっと、消費者への説得力のあるやつが増えるのかもしれない。たとえばリモートのモニタリングとか。でも現状を見たかぎりでは、目先の関心に訴える新奇な製品の域を出ない。そんな、単なる‘おもしろ製品’でありながら、お値段は5800ドルからだ。でも、それを本当に便利と感じた人は、今日すぐに買うべきだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MicrosoftがイタリアのIoTプラットホームSolairを買収、Azure IoT Suiteに起用か

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Microsoftが今日(米国時間5/3)、2011年に創業されたイタリアのIoT企業Solairを買収した、と発表した。それは、格納式の日よけを作っている合衆国のSolair社ではない。

Solairはすでに、MicrosoftのクラウドコンピューティングプラットホームAzureを使ってサービスを提供しているので、Microsoftがその技術をAzure IoT Suiteに統合したいと考えても不思議ではない。しかし今のところは、Solairに関するMicrosoftの計画はよく分からないし、ただ声明文で“彼らの技術と才能はすばらしい…彼らをMicrosoftのチームにお迎えすることは喜ばしい”、と言っているだけだ。

買収の価額等条件は、公表されていない。

Solairはまだ知名度の低い企業だが、すでに多様なクライアントを抱え、その中にはイタリアのエスプレッソマシンのメーカーRancilio Groupや、食品加工機械のMinerva Omega Groupなどがいる。

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MicrosoftのPartner Director for Azure IoT、Sam Georgeはこう語る: “Solairは、顧客が彼らの未使用データを有効活用してIoTによる新しいインテリジェンスを作ることを、われわれがお助けする、という弊社の強い意思を共有している。そして今回の買収は、エンタープライズのためのもっとも完成度の高いIoTを提供していく、という弊社の戦略を支える”。

Solairは、IoTシステムの構築に必要なほとんどすべてのツールやサービスを提供しており、その中には、データ収集のためのゲートウェイや、カスタムデプロイメントのためのエンタープライズプラットホーム、既存のサービスとの統合、などがある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

IoTに投資(あるいは起業)するのは今がチャンス?!

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編集部注:本稿はTim Chouによる。元Oracle On Demandのプレジデントであり、スタンフォードでコンピューターサイエンスのレクチャーを行い、またIoT Track of the Alchemist Acceleratorの議長も務める。

2004年に、私は最初の著書となる『The End of Software』を上梓した。当時はOracle On Demandのプレジデントであった。当時生まれたこのビジネスは数年をかけて10億ドルを稼ぎだすクラウドビジネスに発展した。そのような時代にあった私は『The End of Software』の中で、ソフトウェアは「サービス」として提供されるべきである経済面から期待される必然的な動きについて論じたのだった。

例として私は、サービスとしてのソフトウェアを提供する4社を検討した。VMwareSalesforceNetSuite、そしてOpenHarborだ。この時代にあって、Salesforceは未だ売り上げが8600万ドルという状況だった。ただ、この4つをとりあげた私も、時代を正しく予見していたというわけではない。4つのうち3つは押しも押されぬ大企業となり、エンタープライズソフトウェアの新世代を担うこととなったのだった。

そしてそこからさらに12年が過ぎ、第二世代エンタープライズソフトウェアは最盛期を迎えた。CRMやERPは当然のものとなり、ソフトウェアを購入すればほとんどがクラウドサービスとして提供されるようになっている。第二世代で、エンタープライズソフトウェアはその「完成形」となったのだろうか。

そういうわけでもないと思う。第二世代ソフトウェアの登場により、コストは下がり効率はあがった企業も多い。しかし私たちの住む世界の様子を変えるにはいたっていないと思うのだ。エネルギー、水、農業、交通、建築業界や健康問題について、当時生まれた第二世代エンタープライズソフトウェアは大した成果を示さなかった。ようやくそれが変わりつつあるように思うのだ。

工業機械やその他さまざまなモノたちは、センサーを搭載されてそれぞれが繋がるようになってきている。前CiscoのCEOであるJohn Chambersは2025年までに5000億のデバイスがインターネットに繋がるようになると語っている。風力タービンについてみれば、10万台がすでに400個のセンサーを搭載して5秒毎にデータを取得するようになっている。この数は今後ますます増えていくことは間違いない。

人のためのモノではなく、モノのためのモノを作るつもりなら、すぐに取り掛かった方がいい。

これまでも、デバイスを繋いでデータを収集したり、それを分析したり何らかの知見を得たりするミドルウェアやアプリケーションは存在した。しかしこれまでは、そうしたすべてを活用するのが「人間である」という前提になっていたのだ。人のインターネット(Internet of People)の時代だったのだ。しかしようやくモノに注目が集まってきた。モノは人のいないところにも存在する。モノの方にこそよりたくさんの「伝えたいこと」があるはずで、しかも人間よりもはるかに雄弁に語ることができる。Joy Globalの振動センサーを搭載した採掘マシンは、1秒間に1万回もデータを取得するのだ。エンタープライズアプリケーションやミドルウェア、分析ツール、などがモノを繋ぐことにより、より正確な採掘ツールを構築することができるのだ。きっと交通、健康管理、建築、発電、水や農業を巡る問題についても新たなソリューションを産んでいってくれることだろう。

すでにこの分野で走り出している企業もある。GE Softwareは2011年に10億ドルの資金を集めて設立さた。CEOのJeff Immeltは、産業用の機械がより一般的なものになっていく中、GEはソフトウェアおよびアナリティクス企業として成長していくと語っていた。Immeltは2020年までにソフトウェア関連ビジネスで150億ドルを稼ぎだすと言っていた。GEはそのためにGE DigitalのCEOであるBill Ruhを中心的な担い手としてPredix という新しいソフトウェアプラットフォームを構築した。

またPTCに関していえば、4億ドル以上を投じてM&Aのみちを突き進んでいる。ThingWorxを1億1200万ドルを投じ、ColdLightを1億500万ドルで買収した。Axedaは1億7000万ドルで買収している。ベンチャーについてみれば、おそらくご存じないかもしれないが、シカゴに拠点をおくIoT系スタートアップのUptakeがSlackやUberを上回ってForbesにおける2015年のHottest Startupに選出されている。4500万ドルを集め、資金調達が後の評価額も10億ドルとなっている。

IoTに投資すべきタイミングというのは、それぞれがはかるものなのだろう。しかしアーリーステージの、あるいはレイトステージでも良いかもしれないが、いずれにしても投資家であるのなら、エンタープライズソフトウェアの第二世代に革命をもたらすこの分野に注目しておいて良いはずだ。また、自身がスタートアップを運営する起業家であり、かつモノのためのプロダクトを生み出そうとしているのなら、ただちにスタートするのが良いだろう。12年もすれば、誕生したスタートアップはVMwareやNetSuite、あるいはSalesforceのような成長を遂げる可能性があるだろう。

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(翻訳:Maeda, H

100億以上のシャツや靴があなたのスマートフォンに語りかける–アパレルメーカーAvery Dennisonの巨大なIoTプロジェクト

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Fortune 500社のAvery DennisonとIoTのスタートアップEVRYTHNGが、アパレル産業に活を入れるためのでっかい契約を結んだ。今後3年間で作られる100億点以上のアパレルやフットウェアに、ユニークなデジタルIDとデータプロフィールを付けるのだ。

両社の主張によると、これは、一つの契約でIoTによりインターネットに接続される製品の数としては、最大である。EVRYTHNGはこれまでの3回のラウンドで1450万ドルを調達している。投資家はAtomico, Dawn Capital, Ciscoなど計6社だ。

これは、物のインターネットが巨大化するとこうなる、という最初の例だ。

しかし、それが一体どういう意味を持つのか? その意味とは、世界最大のファッションや実用アパレルのブランドの100億の製品がユーザー(消費者)のスマートフォンに接続して、アプリやサービス動かす、ということだ。

それによって企業は顧客により深くエンゲージできる(関われる)だけでなく、消費者が自分の製品と対話して個人化されたデジタルのコンテンツやサービスを開き、そこからさまざまな景品(サードパーティ製アプリなど)や特典等々をもらえる。

企業側に豊富な可能性が開けるだけでなく、これからはシャツ一枚買うことが、これまでよりもちょっとおもしろくなる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

IntelがイタリアのYogitechを買収して自動運転車やIoTシステムの機能安全の向上に取り組む

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物のインターネット(Internet of Things, IoT)は今、自動運転車やロボットなどの新しい産業で大規模な採用が進んでいるが、今日(米国時間4/5)はIntelが、同社のIoT製品とサービスを確実に無故障にしていくための企業買収を発表した。相手はイタリアの小さな企業Yogitechで、同社は半導体の機能安全(functional safety)に取り組んでいる。

買収の条件は公表されていないが、Intelがイタリアで買収をするのはこれが初めてのようだ。Yogitechはやや毛色の変わったスタートアップで、2000年の創業だが資金はこれまで300万ドル弱しか調達していないし、投資家の中にはピサの商工会議所がいたりする。

Intel自身は同社の投資家でないことを本誌に確認したが、両社にはすでに協働関係がある。それは主に、Intelが昨年買収したAltera経由の関係だ。しかしYogitechはほかにも、Infineonなどのチップメーカーと直接の協働関係があるので、今回の買収でそういう関係がどうなるのか、そのへんが今は明らかでない。

“機能安全”は、自動運転車やそのほかの、人間に言われたことをしてくれるロボットの、いちばんセクシーな側面とは思えないかもしれないが、もっと必須の要素のひとつではある。Yogitechなど企業の仕事は、これらのシステムを動かしているプロセッサーが、確実に正しく動くようにすることだ。正しくないことが起きそうだったらそれを正確に同定してリアルタイムで人間にアラートする。自動運転車など広義のロボットやIoTは、機能安全が完備していないかぎり、一般社会での実用化は許されない。

Yogitechは、IntelのIoTグループに加わる。同社の技術のIntelにおける実装の方向性をIntelはまだ発表していないが、その前にAlteraを買収したということは、その技術の今後の応用分野を暗に示しているだろう。AlteraとYogitechの両社はこれまで、組み込み用プロセッサーNios IIの機能安全ソリューション、いわゆる“ロックステップ”(lockstep)*を共同開発していた。Alteraによると、これによって設計サイクルにおけるリスクを減らし、一般産業や自動車産業における、応用システムの設計者による機能安全の実装や検定の負担を軽減する。〔*: lockstep, 一般的にはメモリやCPUなどを多重化して完全同一動作であることを常時チェックする。〕

今日はIntelのInternet of Things Groupのプラットホーム技術担当VP兼GMのKen Caviascaが、Yogitechが解決してくれる問題はまさに、Intelが今取り組もうとしている問題と同じものだ、と述べた:

Caviascaはブログの記事に書いている: “Intelは長年、人間や企業がより充実した情報に基づく意思決定ができるための、高性能なIoTシステムを提供してきた。業界は今、データの自動化から意思決定の改善、リアルタイムデータからの情報に導かれるアクションの自動化へと移行しつつある。この進化は自律的車両のプロトタイプにも見てとれるが、そのほとんどが‘インテル入ってる(Intel inside)’である。機能安全は、これらやそのほかのIoTの顧客にとって必須要件である。高性能と機能安全の組み合わせが、IntelのIoTプラットホームとその戦略の自然な進化だ、とわれわれは見なしている”。

この買収と期を合わせるかのように、IntelのIoT関連の役員階層も変わった。昨日の報道によると、IntelのIoT GroupのSVP兼GMだった長年のIntel社員Doug Davisが今年で引退する、という。Intelは彼の経歴として、製造業、一般産業、小売、交通運輸、スマートビルディング、住宅、航空宇宙産業を担当した、と述べている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

東京の運動グループPhonvertは古いスマートフォンをIoTのノードとして蘇(よみがえ)らせる

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人類は毎年、ますます多くのスマートフォンを生産しているから、ニューモデルが出るたびに、それまでの機種が消費者やお店や工場で廃品になり、膨大な量の潜在的廃棄物が増えていく。そうやって現役でなくなったスマートフォンも、カメラや各種のセンサ、タッチスクリーンやBluetooth通信といった最新のI/O機能を備えたシステムだが、それらの多くは忘れ去られ、最悪の場合、廃棄物として処理される。

ぼくは今年のSXSWで、PhonvertプロジェクトのリーダーTomo Kiharaと話をした。そのとき彼が教えてくれたIDCの調査報告書は、“昨年は2億8000万台以上の完動品のスマートフォンがリプレースされ、その後リサイクルされていない”、と言っている。

そこでTomoは、Keisuke Shiro, Kosuke Takahashi, Seibe TakahashiらとともにPhonvertを作った。それは、使われなくなったスマートフォンを、実用価値のあるIoT(Internet of Things, 物のインターネット)のノードに変える、オープンソースのソフトウェアプラットホームだ。

古いスマートフォンにPhonvertをインストールすると、それらを、さまざまな仕事するデバイスへと生き返らせる。冷蔵庫のカメラ、郵便受けのカメラ、赤ちゃんをモニタするビデオ、などなど。

全員東京に住んでる彼らは、これはスタートアップではなくて運動だ、という点を強調したいと言っている。また、古いスマートフォンの再利用アイデアを、Twitterのハッシュタグ#phonvertで広く募集している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

FirefoxOSを死なせたくないMozillaがIoTで四つのプロジェクトを立ち上げ…オープンWebに活路を

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12月にMozillaは、モバイルビジネスのために作ったFirefox OSが軌道に乗らなかったので開発も販売も中止し、今後は物のインターネット(Internet of Things, IoT)方面へ方向変えする、と発表した。ひとつの分野で失敗した組織が、それよりもさらに複雑と思われる別の分野で成功するのか、多くの人が首を傾げたが、Mozillaは同社のIoTの候補リストの中から、最初のいくつかのプロジェクトを公表した。それは、(1)インテリジェントな“パーソナルユーザーエージェント”、(2)クラウドソースによるセンサネットワーク、(3)スマートホームのイニシアチブ、そして(4)IoTデバイスのための音声インタフェイスだ。

Mozillaは、これらのそれぞれがコミュニティのメンバーの取り組みによって開発されテストされることを期待する、と言っている:

(1)
まずProject Linkは、Mozillaの説明では“家の中の各種デバイスと家族がどのように対話しているか、という個人の好みを知って、各人のデバイスやネットワークの利用を自動化するパーソナルユーザーエージェント”だ。

このプロジェクトは最初、FoxLinkと呼ばれていて、基本的なアイデアは、ユーザー個人の好みを学習して、ユーザーが介入しなくてもインターネットに接続されたさまざまなデバイスをコントロールする、というものだ。もちろん人間ユーザーによるコントロールもできる。Mozillがここで追求しようとしているインテリジェンスは、映画Herに出てくるパーソナルアシスタントSamanthaを想起させる。Mozillaによると、このプロジェクトはまだ、きわめて初期的な段階だそうだ。

(2)
一方、Project Sensor Webのねらいは、センサネットワークにクラウドソースなデータを注入して、私企業的でなく、公共的に誰もがアクセスできるようにする、というもの。IBMのWatsonのような私企業的サービスを、そのオープンWeb版として提供するもののようだ。Watsonはご存知のように大量の公的あるいは私的データを私企業の傘の下に集めている。IBMはその取り組みの一環としてWeather Companyを買収したが、Mozillaはそれに対抗するかのように、Sensor WebでクラウドソースによるPM2.5空気汚染センサネットワークを、最初のパイロット事業として立ち上げる気だ。Sensor Webを図解すると、下図にようになる:

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(3)
Project Smart Homeは、Apple HomekitとRaspberry Piなどを使うDIY的やり方、という高低二極に対するMozillaの“中道的”な答だ。基本的には、Mozillaが提案するこのプラットホームの上でハードウェアやソフトウェアのメーカーが、自分たちのインターネット接続型ホームデバイスを動かす。なお、これはSensor Webプロジェクトよりも商用色の強い内容のようだ、若干のためらいもあるが:

“人びとは安価で使いやすいスマートホーム技術を求めているが、でも人間生活の日常的な問題の一部は、既製品的なシステムでは解決できない。そういう問題をRaspberry Piなどを使ってDIY的に解決することもできるが、それは多くの人にとってあまりに複雑すぎる”、とMozillaは書いている。“ここには明白なマーケットギャップがある。でも、消費者がそのギャップを本当に填めてほしいと願っているのか、そのへんがよく分からない”。

MozillaによるとProject Smart Homeの次のフェーズでは、今のスマートホームに欠けているものを研究する。併せて、既存のソリューションの限界や制約も調べる。

(4)
最後の第四のプロジェクトはVaaniだ。(1)のLinkがSamanthaのインテリジェンスだったのに対し、Vaaniはそれの声になりたがっている。つまりそれはAmazon Echo的な音声インタフェイスで、デベロッパーは自分のアプリやハードウェアにそれを、ユーザーがそれらとより自然に対話できるための方法としてくっつける。Mozillaによると、最初は家の中の対話からだ。たとえば、“家の中の温度は何度?”とか、“二階の灯りを消して”など。これで、スマート温度計や照明システムが応じてくれるのだ。つまり、そのハードウェアやアプリのための、コマンドやクェリの一(ひと)揃いを実装する。

———-

ただしFirefox OSはこれまでの実績が良くないから、疑いの目で見る人は多い。Mozillaは自分の長所、すなわちWebブラウザーの技術をベースに、デベロッパーを相手にした方がよい、という声もある。もちろん、今後も得意分野は活かすべきだが、でもせっかく作ったFirefoxOSだから、簡単に見捨てずに、それにできることを究(きわ)めてみるのも、たいへんすばらしいことだ、と私は思う。

IoTはまだ生まれたばかりの分野だから、今あちこちで行われているプロプライエタリな(私企業的な)事業活動とは逆に、あくまでもオープンWebでやってみるのは、決して悪いことではない。

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広レンジWi-Fi規格HaLowは、IoTの進化の次の当然のステップだ

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[筆者: Jim Hunter]( Greenwave Systemsのチーフサイエンティストでテクノロジーエヴァンジェリスト。)

Wi-Fi Allianceが最近発表した待望のWi-Fi HaLowスタンダードは、IEEE 802.11ahワイヤレスネットワーキング技術を実装したプロダクトのための通信の、新しい規格だ(HaLowはMicrosoftの人気ビデオゲームの名前と同じように発音する)。

HaLowはWi-Fiを900 MHzバンドに拡張し、今標準の2.4 GHzよりも大きなレンジ(到達範囲)を提供し、壁などの障害物も通るので、スマートホームのセンサーやウェアラブルなど低電力消費のIoTアプリケーションの利用域を広げる。

HaLowは、IoTの進化における、当然のような次のステップだ。“あらゆるものにIPを(IP on Everything)”は、これまでのIoTの進化を推し進めてきたスローガンだったが、HaLow にはそのトレンドを指数関数的に拡張する可能性がある。HaLowは電池で動くWi-Fi IPデバイスならどんなものでも実現可能にし、IoTの長年の夢を現実化する。 IPデバイスが使えるようになると、スマートホームに進出したい個人起業家や既存企業の、大きな障碍が消える。

物理層のプロトコルブリッジやゲートウェイの必要性、それらに伴う先行的経費(価格、単純性、使いやすさ等)が、長いあいだ、リテイラーやサービスプロバイダや消費者の前に立ちはだかっていた。HaLowでは、ブリッジングデバイスが要らなくなる。メーカーの消費者用ネットワーク機器に、HaLow機能があるだけでよい。

HaLowは、電力供給ラインに接続されていない900MHzデバイスの電池寿命を最適化する。それを謳う技術は過去にもいくつかあったが、どれも中途半端だったから、私もあえて用心して言うが、Wi-Fi AllianceとIEEEが今802.11ahに関して行っているものは、今後の中心的な通信規格として広く採用されるだろう。

ここまで楽観的なことが言えるのには、理由がある。たとえば:

  • デベロッパーから見れば、ほかのIPデバイスとHaLowデバイスは同じであり、とくに違いがない。デバイスやブラウザーやアプリケーションの通信スタックが、同じようにシームレスに動く。
  • IPベースの通信は、世界でもっとも信頼性があり、幅広く普及しているコミュニケーションネットワークのプロトコルである。
  • 大衆的なワイヤレスルータを作っている企業はつねに、自分たちの製品や技術を、IPベースの通信の最新のIEEE規格をいち早くサポートするよう、進化させている。HaLowに関しても、その勤勉ぶりは同じだろう。
  • 大衆的普及により、802.11 ahの無線通信技術はコストが急激に下がり、新しいIoT製品を開発しようとする者にとって、おいしい好機になる。

ただし、用心すべき点もある:

  • 低電力消費のデバイスはスリープサイクルが必須だから、それと良好な応答性とのあいだにはトレードオフがある。製品とその目的によって、最適の妥協点があるはずだから、HaLowの実装においてもそれを見つける苦労が伴う。
  • HaLowの規格そのものは、応用機器間の完全な互換性を保証していない。A社製の電球で使えたコントロールが、そのままB社製の電球でも使えるためには、業界の明示的な協調努力が必要だ。HaLow自身に共通のデータモデルがあるわけではない。低電力消費のデバイスのためのIPメッセージ通信の、規格らしきものはあるようだが、それは、今後のもっと大きなIoTの相互運用性を担うものではない。
  • 広範な採用には時間がかかるから、消費者市場が臨海質量に達するまでは、メーカーは消費者が手を出しやすい低価格な製品の開発と販売で苦労するだろう。
  • IPの文字がどこにも見当たらない多様な通信技術が氾濫している…ZigBee, Z-Wave, Bluetooth, INSTEON,などなど。したがって今すでに、HaLowでない製品があちこちで大量に使われている。それらが一晩で消えてしまうことは、期待できない。

こういった注意点や欠点はあるものの、HaLowの到来はすばらしい。これによって既存の技術がその可能性の幅を広げ、文字通りあらゆる物が、全世界的に共通の規格で結びつくようになる。今、テレビやラップトップやスマートフォンやタブレットが、全世界的に結びついているように。IoTの今後の進化とともに、このことの重要性は、誰もが過小視できなくなるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

物のインターネット(IoT)に完全なプライバシー保護を具備させようとするNeuraがシリーズAで11Mを調達

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インターネットに接続されているデバイスの振る舞いををユーザが個人化でき、しかも個人のデータを保護できる、というプラットホームNeuraが、このほどシリーズAで1100万ドルの資金を獲得し、そのSDKをプロモートしていくことになった。このラウンドをリードしたのはAXA Strategic PartnersとPitango Venture Capitalで、これにLiberty Israel Venture FundとLenovo Groupが参加した。

Neuraは今、55種あまりのデバイスやソフトウェアチャネルと統合でき、最近“数万名のユーザによる”ベータを終えたばかりで、SDKのローンチによりユーザ数の大きな増加を期待している。協同ファウンダでCEOのGilad Meiriによると、今回の新たな資金はSDKのプロモーションと、テク企業とのパートナーシップ締結、および社員の増員に充てられる。

今多くのテク企業が、インターネットに接続されたデバイスが互いに“対話する”方法を模索している。たとえば、フィットネストラッカーがユーザの睡眠を感知したら、玄関のスマートロックをトリガする、とか、コーヒーメーカーは朝スマートフォンからのアラームを受信してコーヒーを淹れ始める、など。

Neuraはこのような機能を実現するが、しかしこの、カリフォルニア州サニーベールのスタートアップのファウンダたちによると、彼らがもっと関心を持っているのは物のインターネット(Internet of Things, IoT)と人間との対話だ。同社の技術はユーザの行動パターンを経時的に分析し、その結果に基づいてアプリやデバイスを各人向けに個人化(パーソナライズ)する。

Neuraが生成する行動パターンデータの中には、個人の執務時間帯や健康情報、住所など機密データもありえるから、同社は、各サービスとシェアしてもよい個人データをユーザが完全にコントロールできることを確約している。

GSM Associationによると、2020年にはインターネットに接続されたデバイスが240億に達するという。SmartThingsWinkなどは、ユーザがインターネットに接続されたフィットネストラッカーや、温度計、家電機器、エンタテイメントシステムなどと単一のダッシュボードから対話できるプラットホームを開発している。しかし最近のユーザはますます、企業が自分の個人データを集めることに関して神経質になっているから、プライバシーに重点を置くNeuraは競合上有利かもしれない。Meiriによると、Neuraはユーザのプライバシーを守るだけでなく、テク企業の責任負担も軽減する。

プライバシーを犠牲にせずにインターネット接続デバイスをより便利にする

ソフトウェアとデバイスはAPIでNeuraのプラットホームに接続され、ユーザはそれらをスタンドアロンのアプリからコントロールできる。同社の技術が、接続デバイスやソフトウェアに対する各ユーザの使い方を分析する。そしてその情報を使って、個人化された機能を作り出す。

ただしそれらの機能が動き出す前に、ユーザはそれぞれをレビューして、OKなものにパーミッションを与える。

Meiriは語る: “Neuraは、たとえば玄関の鍵に、ユーザの居場所や睡眠時間などのデータを共有しない。だから企業には、個人情報の取り扱いをめぐる責任負担が生じない。ユーザの動きや睡眠パターンなどは、鍵の動作の制御に使われたらそれで終わりだ”。

同社のファウンダは、個人的理由からも、接続デバイスが便利であると同時にプライベートであることに固執している。協同ファウンダでCTOのTriinu MagiはNeuraのローンチの前に糖尿病を誤診され、無効な薬を処方された。通常の血糖値計や試験ではMagiの状態を示す十分な情報が得られず、最後に彼女は、血糖値の値と、彼女のフィットネスや食生活の記録を合わせて分析することにより、医師の正しい診断を導いた。

“彼女のときはNeuraのようなプロダクトがなかったから、データサイエンティストとしての自分のスキルを利用して情報を分析するしかなかった”、とMeiriは語る。“今は、それぞれのデバイスが自分だけのデータチャネルを作り出していて、それらを組み合わせてインサイトを得る方法がない”。

Meiriによると、テク企業はデータを収益機会と見て、それらのデータの発生源である人間を助けようとしないことが多い。一方ユーザは、 Google MapsやFacebookなどのサービスを利用できるためには、自分の個人情報のコントロールを、あまりにも自ら進んで放棄しがちだ。

しかしその結果、どれだけのプライバシーが失われたのかを人びとが悟ると、しばしばその反動が起きる。Neuraによると、消費者に、彼らのデータの使われ方に関する十分な透明性を付与すれば、そういう反動に見舞われることも防げる。

Meiriは述べる、“物のインターネットに関しては、まだなんにも決まっていない。そこにはまだ、Webのパラダイムを変えるチャンスがある。ただしそのハードルは高い。検索履歴や友だちのリストだけでなく。バイオメトリクスと、われわれのフィジカルグラフの完全なマッピングが必要なんだ”。

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ハードウェアのいろんなプロトタイピングを簡単にできる小さなボックス、TinyLab

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“Bosphorus Mechatronics”ほどクールな名前が、この世にほかにあるだろうか? ワイヤレスから回転機の入力まで、ありとあらゆるものを接続してトライできる小さなボックスも、それ以上にクールかもしれない。その、WindowsやLinuxからプログラミングできる基板はTinyLab(小さなラボ)という名前で、20以上のI/Oとストレージ、そしてArduinoをサポートしている、ハードウェアおたくの夢のプラットホームだ。

ファウンダのAhmet Sait Borlakはこう説明する: “Tinylabはとくに、楽をしたい人に向いている。ハードウェアいじりは好きだけど、ケーブルやシールドやハンダ付けなどで苦労したくない人なら、Tinylabを使うべきだ。プログラミングするだけだからね! Arduinoと完全互換のプラットホームだから、デフォルトのライブラリがそのまま使える。ディスプレイやボタン、リレー、センサーなど、よく使うものはすべて揃っている。IoTの世界で広く使われているいろんなモジュールのための、ソケットもある”。

このほか、XBeeとBluetoothによるワイヤレス通信もサポートしている。クラウドファンディング期間中のお値段は59ドル。発売は5月だ。

作ったのは、ベテランのハードウェアハッカーやメーカーたちだ(メイカーとも呼ばれる)。彼らはイスタンブールにショップと工房を合わせたようなものまで作り、それをMakerhaneと名づけている。彼らがTinyLabを作った動機は、いろんなものをトライしようとするたびに、Arduinoに毎回違うI/Oコネクタを付けて苦労しなくてはならない。毎回違うことをするのではなく、ひとつの標準的な基板を何度も何度も使えるようにしたい、と考えたからだ。

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Borlakはさらに話を続ける: “Arduinoは、ぼくらのヒーローだ。ほとんどのものを、Arduinoベースで設計しているから、よく使う共通的汎用的コンポーネントが、自然にできてくる。たとえばディスプレイの回路なんか毎回使うし、センサーのI/Oもだ。それなのに毎回新しい再利用性のないブレッドボードやスタッカブルシールドを使うのは、ほとんど拷問に近い。シールドを三つ以上重ねたいと思っても、ピンが重複していてできない。そんな苦痛をなくすために、Tinylabを考えたんだ。それは設計も自分たちでやり、実際に使ってみてとても気に入っている。だから、ほかの人たちとシェアしよう、と決めたんだ。教材としても、完璧だよ。MITのScratch言語と互換性があるから、学校の理科の実験なんかにも向いてるよね”。

かわいくて楽しいプロジェクトだし、しかも、とってもギークだ。前に紹介したUdooもそうだけど、ハンダ付けやシールドやコネクタ類と悪戦苦闘しなくても、ずっとおもしろいプロジェクトを作れる。つまり、プロトタイピングが容易にできるし、しかも、従来のやり方よりうんと楽しい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。