Apple、iOSとOS Xをアップデート―パフォーマンスの改善とバグフィックスに主眼

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Appleは先ほどMacとiPhone、iPad向けのOSをアップデートした。どちらも更新の主眼はセキュリティー問題への対応とバグフィックスに置かれている。同時にパフォーマンスも改善された。

Mac向けOS X 10.11.3では4Kの外部ディスプレイを接続した場合のバグが修正され、いくつかのセキュリティー・ホールにパッチが当てられた。iOS 9.2.1については、OS Xの場合と同様のセキュリティー上の対策が行われた。残念ながら今回のバグフィックスではバッテリー・メーターのバグの修正は行われなかった。

今日(米国時間1/20)のアップデートはAppleが次のバージョン(OS Xでは10.11.4、iOSの場合、9.3になるはず)で新機能を導入する準備段階の中間的な更新と考えられる。われわれが紹介したように、最新のEl Captitan OSでMacユーザーはLive Photo機能がiMessageで使えるようになる。またNotesの新しいバージョンのパスコードも入手できる。

次回のアップデートでiOSユーザーはニュースのカスタム化ができるNight Shift機能、Apple Watchから関連データを受け取れるヘルス・アプリ、新しいCarPlay、クラス全員がiPadを共有できる学校向けツール、など数々の新機能を受け取れるはずだ。ちなみに今回iOS 9.3で新たに導入されたNight Shift機能は夜になると画面の青い色彩をカットする。周囲が暗い場合、暖色の方が目にやさしい。これで睡眠の質が向上するかもしれない。

あとはAppleがiOS 9.3に残ったバッテリー・メーターのバグを次のバージョンで修正してくれることを願うものだ。現在はユーザーがマニュアルでタイムゾーンを修正すると画面最上部の小さいバッテリー・メーターがフリーズしてしまう。なるほど大騒ぎするほどの深刻なバグではないだろうが、バッテリー・メーターがまだ十分に残量があることを示す緑色に光っているのにiPhoneが作動しなくなるというのは苛立たしい経験だ。

アップデートの方法はいつもどおりで、MacユーザーはApp Storeを訪れて「アップデート」をクリックすればよい。iPhoneとiPadの場合は「設定」アプリを開き、「一般」タブからアップデートができる

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iOS 9.2.1

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

このトリックを使ってiPhoneの不要なアイコンを隠そう


デスクトップの乱れは精神の乱れ、と信じる人たちにとって、iPhoneのホーム画面では同じことがいっそうの真実であるにちがいない。悲しいかな、iPhoneの美的フローを完全にコントロールしたい人たちは、初期画面にあるあの避けられないAppleお仕着せアプリたちと常に戦わねばならない。

リマインダーアプリを捨て去りたい自由人であれ、ヘルスアプリから逃れたいクリスピークリーム愛好者であれ、あるいは株式アプリを削除したい残念なTwitter投資家であれ、このトリックは問題のアプリを意識の外へと追い出すのに役立つだろう。しかもSpotlight検索を使えばいつでもアクセス可能だ。

トリックのしくみは実に単純で、目的のアプリをフォルダーの外へドラッグしながらホームボタンを押すだけ。このハックを発見したYouTubeユーザー、videosdebarraquitoによる上のビデオ見てからならずっと簡単だ。気になったかもしれないが、フォルダーの名前は “Disappear” でなくてもハックは働く。

こうした「ロック」されたアイコンをホーム画面から追い出せることは実に嬉しい。なにしろ、これまでこれはjailbreakユーザーのみに許されていた特権なのだから(コメント欄に書かれる前に言っておくと、Androidユーザーにも可能)。

このトリックは、ダウンロードしたアプリのアイコンでも、もし機能は使いたいがホーム画面から痕跡を消したいという場合に使うことができる。

もし気が変わったときは、iPhoneを再起動すれば元にもどる。Apple Newsの形跡を完全に消し去りたい人にとっては残念なことだが、少なくともiPhone自身が死ぬまでは続く、片時の安心は与えてくれる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

合衆国のクリスマス商戦ではApple製品と“ファブレット”が勝者、上位ブランド盛衰のドラマも

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Flurryが今日(米国時間12/28)の午後発表したレポートによると、今年のホリデイシーズンは例年になく、“ファブレット”を購入する消費者が多かった。この大型画面のデバイスは”phone”(電話機、携帯電話)と”tablet”(タブレット)を混ぜあわせた新語、“phablet”(ファブレット)という名前で呼ばれている。今年のクリスマス前の週に新しく起動されたデバイスの27%がそのファブレットで、シェアは昨年から倍増し、2013年のわずか4%からは大飛躍だ。中でもAppleの現在のファブレットiPhone 6s Plusが、この飛躍に大きく貢献している。同じ週の、新たに起動されたすべてのAppleデバイスの12%が、この機種だった。

この年末レポートはFlurryの分析部門が作成し、同社がさまざまなデバイスに関して調べた78万のアプリに基づいている。ホリデイシーズンには新しい携帯やタブレットを入手する消費者が多いから、このスナップショット的なデータから、機種タイプ別の人気を推し量ることができる。また各メーカーの、市場シェアの盛衰も分かる〔下図については後述〕。

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今年Flurryが明らかにしたもっと大きなトレンドは、“小型スマホ/携帯の死”だ。2015年の消費者は初めて、画面の小さなデバイスを見捨てて、ファブレットを選んでいるようだ。Blackberryに代表されるような3.5インチ以下という画面の機種は、Flurryによるとほぼ絶滅した。来年はチャートに登場することもないだろう、と同社は予想している。

〔下図…空色=大型タブレット、青色=小型タブレット、グリーン=ファブレット、、紫色=中型機、オレンジ色=小型機〕

2014年に発売されたAppleのファブレットは、下図のように、中型機と小型タブレット(iPad miniなど)からもシェアを奪っているが、スライドの第二図でお分かりのように、Android国ではファブレットのシェアがさらに大きい。

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今年初めて、ファブレットはすべてのAndroid機の中で半分以上を占めた。それはアジアを中心とする市場でSamsung Galaxy Noteなどの人気が高いためだ。Samsung製品のシェアは2014年の17.7%から2015年は19.8%に上がった。それは主に、新製品Galaxy Grand Prime, Core Prime, S6などのおかげだ。

Appleは依然としてトップだが、そのシェア49.1%は昨年の51.3%に比べてやや下がった。Flurryによると、新製品iPad Proはシェア拡大に貢献しなかった、という。すなわち画面サイズ8.5インチ以上の大型タブレットは、1%にも達しなかった。

MicrosoftのNokiaは、今年のシェアが昨年の5.8%から2%へと落ち込んだ。また、Sonyも、もはや上位5社に含まれていない。代わってXiaomiが初めてチャート入りし、クリスマスの週のシェア1.5%を稼いだ。Flurryによると、中国には大きなクリスマス商機というものがないにもかかわらず、Xiaomiが伸びたことは注目に値する、という。

さて、新しいデバイスを起動したら、次にやることはアプリケーションのインストールだ。したがって12月にはアプリのダウンロードも急増する。そのことに付随する別のトレンドとして、App StoreのトップであるフィットネスアプリFitbitの、ホリデイシーズンにおける大売れなどが挙げられる。下図はアプリのインストール数の、12月21日までとクリスマスとの比較だ(前者を1.0とする指数比較)。

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ご覧のように、12月のふつうの日と比べると、クリスマスはアプリのインストール数がその2.2倍に達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Esplorioは、あなたに代って旅を記録してくれるアプリ

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結婚する前、私はちょっとした冒険家だった。ドラゴンズリーチからブルーパレスまで、訪れた先のマグカップや記念のショットグラスが証明してくれる。しかし、写真やウェブチェックインはどうだろう? カジートのみやげ物屋でそれを見つけるのは大変だ。

Esplorioは、旅をリアルタイムで記録するのを簡単にしたいと考えている。このアプリは、あなたの旅を従順に記録し、移動に合わせて写真と位置情報を結び付けていく。リバーウッドからレイクビューまで乗馬の長旅? Esplorioが道中の位置情報を取得してあなたの冒険紀行を作ってくれる。

「われわれは他のどんな旅行アプリよりも多くのサービスを統合している」とCEO Tim Fernandoは言った。「Esplorioは、あなたの投稿、旅行記録、写真を、Facebook、Twitter、Foursquare、Instagram、Picasa、Flickrから収集し、コンテンツを利用して旅の記録を作る」

当然のことながらシステムにはあなたが上質のコンテンツ ― ツイート、写真等々 ― を送り込む必要があるが、作られらた紀行は、あなたがスカイリム(あるいはヨーロッパ)をゆっくり確実に横断した感覚をリアルに伝えてくれる。

Fernandoはこのアプリを、友人のEssas Saulat、Sean Phamと共に作った。全員デジタルマーケティングとアプリ製作の仕事経験があり、全員ヨーロッパとアジアに住んだことがある。

彼らはAkash Gupta、Elliot Mackenzie、およびStartup Funding Clubから、30万ドル調達した。アプリはApple App Storeで公開されている。

アプリの2つの特長は、バッテリー寿命とデータローミングた。定常的なデータ接続を必要としないため、バッテリー使用と通信費を節約できる。

「われわれのアプリは旅の記録にデータローミングを必要としないので、ユーザーはローミング料金が嵩む心配をすることなく世界を旅行できる」とSaulatは言った。「ユーザーには旅を楽しんでもらいたいので、手動で旅を記録する代わりに、Esplorioが自動的に訪れた場所にチェックインする」

「プロジェクトは、旅行を記録する簡単なツールがないというTimの長年の不満から生まれた。スリランカを当時の婚約者と訪れたとき、Timは以前訪れて既存のネットワークに記録したカメの産卵地を探したかったが、彼の携帯電話では見つけられなかった。行き方を聞かなくてはならない苛立たしさが、簡単な方法を作ることを彼に決心させた」とSaultは言った。

近年スカイリム(またはペルー)を横断していてドラゴン(またはラマ)に遭遇しないことは難しい、Esplorioのようなアプリがあれば冒険家仲間(バックパッカー)と楽しく旅を共有できるだろう ― 両手大剣(ファラフェルサンドイッチ)を手離す必要もなく。総合的に見て、ちょっといいアプリのようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アプリ開発のNagisaがiOS事業を終了、生々しいその経緯を明らかに

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10月にアップルが開発者アカウントを停止し、App Store上から自社アプリが一斉に削除されたNagisa。業界には様々なウワサが錯綜し、それに対してのアナウンスもしていた同社だが、12月11日には自社で提供するiOSアプリ事業のサービスを終了すると正式に発表。今後は受託制作、事業提携・協業等でiOSアプリを提供するほか、事業譲渡でのサービス提供の道を模索するとした。加えて、開発者アカウントの復旧に向けてアップルとは協議を継続するとしている。

この11日の発表だけでは、結局のところNagisaはなぜアカウントの停止措置を受けたのかという詳細は分からないままだった。そのため、これまでに同社が否定していた話も含めて「マンガアプリ上に性的描写があったのではないか」「SNSの運用監視を怠ったのではないか」といったウワサが流れた。だが14日、Nagisaはその経緯について生々しい内容を含めた発表を行っている。

性的描写や広告SDK、審査時のコンテンツ表示が原因

同社の発表によるとアカウント停止の理由は、(1)一般漫画作品の一部にある性的描写での規約違反、(2)既存アプリのアップデート未対応による広告SDKでの規約違反、(3)コンテンツの開発環境と本番環境の出し分け——の3点だ。

まずマンガの性描写について。アップルは以前から表現規制に厳しいという評判があったが(以前だと、マンガ内に描かれたMacbookのアップルマークが問題になったなんて話もある)、規約こそ開示しないものの、性描写についても日本の商業誌以上の規制を行っている。

Nagisaいわく「米アップル社からのご指摘を受け、作品の掲載取り下げ、及び性的描写の該当箇所の白塗り修正を順次進めておりました(中略)米アップル社へ複数回に渡る確認を行っておりましたが、十分な見解を得られることができず(中略)修正作業人員の不足から、迅速な対応が行えていたとは申し上げられない状況でした」という状況だったのだという。同社はアダルト作品については掲載していないとアナウンスしているが、アップルの(明確にしていない)規約上はたとえ一般誌のマンガであってもアウトだったということだろう。

また同社は過去3年間で100個以上のアプリを提供しているが、その広告実装に問題があったというのが2つめの話だ。同社も「具体的なアプリ名について米アップルからのご指摘はなく、いくつかのアプリで規約違反があるという報告をいただいておりました。」としている。僕も数社のアプリ開発者に話を聞いたところ、アップルでは具体的に問題箇所を指摘したり、修正の確認をしたりということはないそうだ。そのため、開発者側で「修正したつもり」であっても、アップル側から見ればペナルティが重なっていったということがあるということだろう。

また3つめに挙げた「コンテンツの開発環境と本番環境の出し分け」だが、Nagisaの説明によると「これまでマンガアプリの審査に3ヶ月以上を要したことがあり、800作以上にのぼる作品のチェックによる審査の遅延を考慮に入れた」ため、審査中のアプリの対応は、一部コンテンツのみが公開されている開発環境を利用していたということだ。つまり、審査をスムーズにするためだというのが言い分だが、それをアップル側が問題視したというわけだ。

これに関連しては「開発者あるある」とでも言うべき話を聞いた。例えばカードゲームアプリなんかであれば、規約上アウトもしくはグレーなコンテンツ(例えば性的描写そのものでなくても、きわどいイラストなど)はアプリ審査中には表示しないようにしておき、審査後に改めて表示するといったことは、アプリ開発者の間では時々聞くような話なのだそう。Nagisaがどんなコンテンツを表示しなかったのかは明らかにされなかったが、「すべてを開示していない」ということ自体が指摘すべきポイントになったことは間違いない。

ユーザーに対して謝罪

僕は経緯を説明したリリースが公開されるのと前後してNagisaに問い合わせを行っているが、リリースにも「これまで長くご愛用してくださったユーザーの皆様にはご迷惑をおかけいたしまして大変申し訳ございませんが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。」とあるように、同社からはユーザーに対する謝罪のコメントを得た。

アップルはアプリビジネスの個別具体例に関しては関して一切アナウンスを行っていないし、アプリやアカウントが停止措置を受けた際、アプリ開発サイドがここまで詳細な説明をするのは異例のケースだ。詳細を公開したのは、アプリのアップデートができないユーザーなどへの謝罪という観点が大きいのではないだろうか。

ただしそもそも論で言えば、アップルという企業のプラットフォームに乗ってビジネスをする以上、彼らが正しかろうが、そうでなかろうが、ルールはルールだということだ。プラットフォーマーの意向に沿わなければ、いつでも、誰でも、こういった事態が起こりうるということなのだろう。

朗報―Googleドライブ内のファイルがずっと見つけやすくなった

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実はこのアップデートは私自身が長年待ち望んでいたものだった。Googleドライブ内にあるファイルがずっと見つけやすくなった。ユーザーはファイルの種類、作成者、作成ソフト、開くことができるソフトなどをあらかじめ指定して検索ができる。

ウェブ、Android、 iOSその他どんなデバイスからでもこのファイルタイプによる絞込み検索は可能だ。また検索窓から「高度な検索」が可能になった。「最近使ったファイル」へのアクセスも簡単だし、
3D TouchのあるiOSのホームスクリーンからドライブ内を検索することもできる。Googleアプリをいちいち開くことなく、iOSの検索窓からドライブを検索することができる。

すべて朗報だ。

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今回のアップデートについてGoogleのチームはこう書いている

ユーザーの目に見えにくいところで努力したおかげで、検索結果が以前よりずっと改良されました。…だれでも以下のような検索ができます。:
– メールアドレスまたは所有者名を使って共有ファイルを探す.
– 「ファイルが最後に編集された時期」、「ファイルの含む単語数」、「共有者」など「高度な検索」機能を利用してファイルを探す

われわれは引き続きGoogleドライブでファイルを見つけやすくするための改良を続けます。アップデートは今後数週間にわたって世界各地で続けられる予定です。

Dropbox、Box、UpThereのような人気のクラウド・ストレージにもこうした高度検索機能が切実に必要とされているが、実装したのはGoogleドライブが初めてということになる。Googleは膨大なデータを持っている上に検索機能は得意中の得意だ、ということが(残念ながら)関係しているのだろう。それにしても時間がかかったことではある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AppleがAndroid版Musicを開発した理由―編集長がエディー・キュー上級副社長にロング・インタビュー

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今日(米国時間11/10)、 Apple MusicがAndroidにやって来た。これはplleにとって最初のAndroidアプリではないものの、最初のユーザー体験を中心としたAndroidアプリであることは間違いない。

アプリをダウンロードできるようになったからには、デベロッパーはAppleがどうやってiOS向けに開発されたMusicアプリをAndroidに移植したのか詳細に研究するに違いない。OSのほぼ全機能を利用する音楽アプリが別のOSでどのような姿を取るのかが分かるし、それによってAppleがモバイル時代におけるアプリの将来像をどのように捉えているか判明するからだ。

私はアプリの公開に先立ち、Appleのインターネット・ソフトウェアとサービス担当の上級副社長、 Eddy Cueにインタビューし、まさにこの点を聞いたので以下に報告したい。

「われわれはApple Musicに対するこれまでのユーザーの反応にたいへん喜んでいる。ユーザーは人間の専門家による楽曲のキュレーション、ディスカバリー、ラジオなどの特色を気に入ってくれたと思う」とCueは述べた。続いて、CueはAppleがこうした方針を採用した理由の説明に移った。

われわれが音楽の分野に手をつけたのは大昔だ。しかしその当初からAppleは万人のための音楽を目指してきた。ユーザーがどこにいようと、どんなデバイスを使っていようと、持っている音楽すべてを楽しめる仕組みにしたのはそのひとつの現れだ。

AppleがMusicのAndroid版を作ったのも同じ理由だ。Android版はiOSが公開されている世界の地域すべてで公開される。例外は中国だが、これも近々ベータ版が公開されるはずだ。Apple MusicのAndroid版はiOS版にきわめてよく似ている。3ヵ月の無料トライアルも同じだ。価格も世界中で同じ。Android 4.3以降で作動し、これにはFor You、New、 Radio、Beats 1、Connect、Musicが含まれる。

Apple Music on Android Image

つまりユーザーが別のデバイスにApple Musicをインストールしており、ライブラリーをすべてクラウド上に持っているなら、そのすべてがAndroidアプリからもアクセスができる。もしすべての楽曲をクラウドにアップロードしていないとしても、Androidアプリをインストールしたときに使ったのと同じApple IDで過去に楽曲を購入しているなら、Appleはユーザーが購入した曲をすべて楽しめるようにする。

Android版Apple Musicはまだベータ版だ。という意味はいくつか重要な機能が欠けている。音楽ビデオの再生はまだできない。ファミリー・プランの契約ができない。ただしユーザーがすでに他でファミリー・プランに加入ずみなら、承認されたIDでアクセスできる。

Android版を開発する際、われわれはできるかぎAndroid OS本来の機能を尊重した。

これはAndroidのネーティブ・アプリだ。ルック&フィールも完全にAndroidのものだ。メニューもAndroidだし、横棒3本のいわゆるハンバーガー・アイコンがトップに表示されるところも同じだ。どこもAndroidらしくないところはない。

続けCueはAppleが膨大な労力を費やしてAndroidのネーティブ・アプリを開発した背景を説明した。

われわれはユーザーに自然なアプリだと感じてもらいたかったからだ。Androidデバイスのオーナーが他のAndroidアプリを使う場合と同じく自然にApple Musicを使ってもらうのが理想だ。Androidアプリには一定の文法があり、ユーザーはそれに慣れて、自然に感じている。共有アイコンのデザインのような単純なものからメニューのツリー構造まで〔iOS版とは異なるが〕、Androidユーザーはそれに慣れている。われわれはユーザーが〔OSによるデザインの差などに〕煩わされることなく、じっくりApple Musicの機能を利用してもろいたいと考えた。

音楽は普遍的だ。さらに重要なことだが、音楽には国境がない。Apple Musicはなんとしても世界で出来る限り多くのユーザーにアクセス可能でなければならなかった。Androidの普及率は、特に途上国では依然としてiOSを大きく引き離している。.

Kantar Worldpanelの調査パネルによれば、 Androidは中国で77%、日本で60%前後のシェアを保っている。ドイツでは79%、スペインではなんと90%だ。それぞれの地域で
iOSは2位につけているものの依然、差は大きい。現在Androidが支配的な地域にAndroidアプリとしてApple Musicのカタログを持ち込むことは来るべき世界的なストリーミング戦争で確固たる橋頭堡を建設するために欠かせないとAppleは判断したということになる。

さらに大きな理由もある。機種乗り換え問題だ。最近の決算発表の電話会見で、Appleの CEO、Tim Cookは said that iPhoneに新規購入者の30%はAndroidからの乗り換えだと発表した。これは実数として膨大な数だ。こうした機種乗り換え組の新規ユーザーのためにも、Apple MusicのAndroidアプリでAppleのサービスに馴染んでもらうのは重要だ。

最初のAndroidアプリはベータ版であり、Chromecast AudioやAndroid Wearとの互換性については発表されていない。アプリはスマートフォンに最適化されているはずだが、Android 4.3が動作するタブレットの多くでも正常に作動するはずだ。

小さいが、興味ある矛盾は、Androidアプリを通じてApple Musicのサブスクリプション料金を支払うことになる点だろう。 Googleは原則どおり、料金の30%を手数料として徴収する。これも一種のフェアプレイには違いない。

「これはAppleとして最初の〔他のOS環境での〕ユーザー中心のアプリだ。われわれはユーザーのフィードバックに特に期待している。われわれはAndrodアプリらしいAndroidアプリに仕上げるために大いに努力した。この点についてユーザーの感想が聞きたい」とCueは最後に強調した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google Driveのモバイルアプリが共有を通知で知らせるなどモバイル的UIをやっと実装

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Google Driveのモバイルアプリは、今のぼくにとってすごく重要だ。ノートをとるときでも、ブログ記事などを書いているときでも、それらを外出先から同僚と簡単に共有できるからだ。

今日(米国時間11/4)はそれの、スピードを速くし、共有とコラボレーションを助けるための新しい機能が発表された。これまで、これらの要素は、モバイル上で遅く感じられることがあった。

そう、これまでのGoogle Driveは共有リクエストやドキュメントへの招待をメールで送るのだ。今どき、なんたること!。

でもこれからは、iOSでもAndroidでも、共有は通知で知らされる。ファイルやフォルダを共有したら、指定したアプリに通知がやってくる。その通知をタップすると、そのドキュメントに直行する。この便利さはとても重要だ。

Androidでは、ファイルやフォルダへのアクセスを一回のタップでリクエストできる。通知がiOSやAndroidにやってくると、アクセスが素早く認められる。これまでは、リクエストと応答のキャッチボールで、かったるかった。

しかもこれからは、GoogleのアカウントがなくてもAndroid上でファイルをプレビューできる。デスクトップでは今でもできるが、Googleにログインしていないときには便利な機能だ。iOSでもできるようにならないと、便利さは100点とは言えないけど。

このアップデートが可利用になるのは、来週中だそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

珍しいことにAppleがiPhoneとApple Watchの抱き合わせ販売でディスカウント(一部のストアのみ)

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Appleはときどき学生割引やクリスマス商戦の特売はやるけど、一般的に安売りはしない企業だ。

だから、珍しい。今Appleは実験的に、iPhone 6sや6s PlusとApple Watchの抱き合わせ販売で、50ドルの値引きをやっている。

これはMacRumorsの特ダネだが、要点はこうだ:

  • これをやっているストアはカリフォルニア州の一部(Burlingame, Chestnut Street, Corte Madera, Hillsdale, SF, Stonestown)とマサチューセッツ州の一部(Boylston Street, Burlington, Cambridge Side, Chestnut Hill)のみ。オンライン(ネット販売)はなし。気になる人は、お近くのApple Storeに電話してみよう。
  • 値引きが適用されるのはiPhoneとApple Watchを同時に買う場合のみ。ただしiPhoneを買ったばかりの人(14日以内)は、返品してまた買う、という手はある。
  • ハイエンドのApple Watch(EditionとHermès)は対象外。

売出期間は10月30日から11月15日まで。

なぜこれをするのか? たぶん新規顧客を取り込むための誘い水だろう。

スマートフォンを売るだけでも、売上利益とその後のアプリやiCloudの売上などを期待できるが、こんな特売企画でウォッチも同時に買ってもらえたら、単なるお金の利益だけでなく、おそらく終生のAppleファンというでっかいメリットが得られる…という皮算用。

Apple Watchを使い慣れたら、その状態のままで今後、携帯だけをAndroidスマホに乗り換えることは、ちょっと想像しづらい。Android Wear+Androidスマホのセットに乗り換える動機は見当たらないから、終生のAppleファンにならざるをえない。しかもApple Watchを着けた腕は誰の目にもよく見えるから、歩く広告塔だ。

それが50ドルなら、安いね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Apple、iOS 9.1でPanguハッカー集団のJailbreakを締め出す

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それは速い動きだった。初のiOS 9デバイス用公開jailbreakがウェブに現れてからわずか数日後、Appleは中国ハッキングチームPanguが悪用していた2つの脆弱性を締め出した。Panguの紐なし脱獄ツールは、iOS 9.0~9.0.2の走るiPhone、iPadおよびiPod touchのほぼ全機種をjailbreakできる。

Appleのウェブサイトに掲載されたセキュリティー文書で、同社は現在修正済みのiOSオペレーティングシステムにあった2つの脆弱性を発見したPanguの功績を称えている。

脆弱性の一つは、悪質なアプリケーションが権限を上げられるもので、もう一つは、悪質なアプリケーションが任意のコードをカーネル権限で実行できるものだった。

JailbreakコミュニティーはAppleがiOS 9.1でこれらの穴を塞いだことを既に知っている。そもそもこのjailbreakはベータ版のiOS 9.1では動かなかった。おそらくPanguチームがiOS 9 jailbreakをiOS 9.1の公開直前に提供したのはそれが理由だろう ― 遅すぎる前にユーザーの手に届ける唯一の方法だった。

しかし、これはうっかり9.1にアップグレードしてしまった人が二度とjailbreakできない、という意味ではない。Panguチームや他のハッカーが、将来別の弱点を見つける可能性は常にある。

今日午前、このニュースと9.1が公開される直前、Panguチームは新しいバージョンのjailbreakツール(バージョン1.1.0)を公開し、以前より安定性が高く結果も良いと主張した。しかし、これもiOS 9.0.2までが走るデバイスを対象としている。9.1のハックを開発中かどうかについてチームはまだ何も言っていない。

もし、jailbreakを考えていて、今もやりたいなら、ここでの教訓は9.1に近づかないことだ。しかし、jailbreakによって数多くのアプリや小技利用できるようになる一方、同時に自分自身や個人データをセキュリティーの危険に曝していることも認識する必要がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS 9はリリース後24時間ではやくも12%の普及率(iOS 8を上回る速度)

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情報分析事業を展開するMixpanelによると、iOS 9は順調に受け入れられつつある模様だ。更新についてトラブルのあったユーザーもいたようだが、なかなかのペースで広まりつつあるらしい。

Mixpanelによると、リリース後24時間にも達しないうちに、iOS 9は12%の普及率(adoption)を示したとのこと。これはiOS 8よりも速いペースであるとMixpanelのCEOであるSuhail Doshiは述べている。これは、Appleとして始めて一般利用者向けにベータ版を公開して、新しい機能に慣れてもらいつつ、リリーススケジュールを調整した成果のひとつといえるだろう。

またDoshiは、Androidの普及ペースとも比較しつつ、次のようにも述べている。

iOS 9は24時間で12%の普及率(adoption)を示しました。昨年のiOS 8の際と同様な状況を示していると言えます。AndroidではのLollipopについていえば、同様の普及率を達成するのに5ヶ月を要しています。Appleの成功の理由のひとつとして、アップデートモジュールのサイズ(前回のアップデートモジュールよりも3.5倍も小さくなっている)を挙げることもできるでしょう。iPhoneの記憶容量がほとんど残っていないような利用者にも配慮しているともいえるわけです。ただし、サーバー側で一部不具合があったこともあってかiOS 7と比べると普及の速度は大きく遅れてはいるようです。

各OSの割合は次のようになっている。

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上の図から明らかなように、iOS 9はすでに「8以前のOS」よりも多くインストールされているようだ。

iOS 8にくらべて3.5倍も小さいというのが、やはり大きく寄与しているようだ。対応機種をもつひとは、即座にアップデートしようとすることが多い様子。現在も猛烈な速度でiOS 9が増えているようだ。

(なお、タコスの絵文字は9.1からの対応となっている)。

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(翻訳:Maeda, H

AppleのiPhone発表イベント“Hey Siri”の実況ブログを行います

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ついにその日が来ました! 何週間も気をもませた挙句、今日こそ、Appleがサンフランシスコの大会場Bill Graham Civic Auditoriumを占拠して、大量の発表を行う日だ! あちこちから聞こえてくる噂によると、今日は新型iPhoneからiOS 9のリリースに関する詳しい情報、さらにApple TVの大改良バージョンまで発表されるらしい。

イベントは9月9日太平洋時間午前10時〔日本時間10日午前2時〕に始まる(東部時間午後1時、ハワイ午前7時、ロンドン午後6時、北京10日の午前1時)。本誌TechCrunchのGreg KumparakとMatthew Panzarinoが会場からリアルタイムでニュースを伝える。イベント開始の少なくとも30分前から、写真やコメントで実況する。だから、早めにご参加を!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Android WearのスマートウォッチがiOSをサポート?、この予約ページを眉に唾して見よう

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Apple Watchが嫌なら、これはどう? Huawei WatchのAmazonの予約ページには、 このデバイスがiOSをサポートしている、とある。現時点では誤報なのか未公開情報なのかよく分からないが、後者ならおもしろい。

今のところ、iPhone互換のスマートウォッチは意外と種類が少ない。Apple WatchとPebbleの製品ぐらいだ。一方、Android Wearのスマートウォッチはすでに何十種類もあり、それぞれ独自のデザインや機能で差別化に努力している。Android WearのウォッチがiOS互換にもなったら、iPhoneを持ってる人には突如として、スマートウォッチの選択肢がどっと増えるのだ。

このHuawei Watchは、豪華ではないが洗練されたデザインで、明らかに高級品ふうだ。ステンレスのケース+革バンドだと349ドル、最高は800ドルまで。1.4インチの円形AMOLED ディスプレイで、iOS 8.2互換をうたっている。予約者への出荷は、9月2日からになる。

今、AmazonとHuaweiの両方に、問い合わせているところだ。

〔訳注: 日本時間08/29 11:00現在、このHuawei Watchのページは存在しない。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Androidの第2四半期の成長は伸び悩む―iPhoneは中国で圧倒的勝利(Gartner調べ)

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Gartnerが発表した’s 2015年第2四半期の世界のスマートフォン市場のレポートによれば、成長率は 2013年以来最低となった。この四半期のスマートフォンの販売台数3億3000万台で対前年同期比で13.5%の増加にとどまった。

Gartnerのアナリストによれば、この成長鈍化の主要な原因は中国市場の飽和にある。Gartnerは7月にもこの点を指摘していた。中国は1国で世界のスマートフォン販売台数の30%を占める最大の市場だ。

Gartnerの調査アナリスト、Anshul Guptaはコメントで次のように述べている。「この四半期では、中国市場の不振がスマートフォン市場全体の不振を招いている。中国ではスマートフォンの普及はすでに飽和点に達した。市場は買い替え需要に頼る段階に入っている。低価格の入門機を別にすれば、メーカーが中国市場で成長を維持するためには、上級機への買い替えを喚起する必要があり、フラグシップモデルの魅力をいかにアピールできるかがカギとなる。」

中国ではAndroidの頭打ちと対照的にAppleの好調なパフォーマンスが目立っている。 Gartnerによれば、AppleのiOSはここ3四半期連続でAndroidからシャアを奪っている(ことにファブレット・サイズの iPhone 6 Plusはアジアでのシェア拡大に大きな役割を果たした)。

Guptaによれば、成長率は伸び悩んでいるとはいえ、Android OSは依然として世界で82.2%のシェアを握っており、第2四半期の対前年同期比成長は11%だった。一方、AppleのiOSのシェアは
14.6%で、対前年同期比で15%台の成長を記録した。iOSのシェアは昨年同期に比べて12.2%アップしている。

Gartner

「Androidの市場シェアはこれが限界なのか?」というわれわれの質問に対してGuptaは「そうかもしれない。われわれはAndroidの最大シェアを82%程度と考えていた。しかし去年は83.5%から 84%程度までアップしていた」 と答えた。

またGuptaは「しかし世界的にみれば数量ベースではまだ拡大の余地が十分にある。今年のスマートフォンの販売台数は合計で12億台から12.5億台くらいだろう。全モバイル・デバイスの販売台数は18億台程度になるはずだから、まだ3分の1はスマートフォン・ベースになっていない。今後もAndroidは80%以上のシェアを維持するだろうから、販売台数の増加余地は大きい」と説明した。

GoogleのAndroid Oneは、自ら主要なベンダーになろうとしているというより、Android製品のさらなる競争を促すための呼び水という性格が強いとGuptaは見ており、「これによって途上国市場にAndroid Oneのライバル製品が多数現れた。またXiaomi、OnePlus、MotorolaなどがOSのアップデートを直接ユーザーに提供するようになったが、これもAndroid Oneの特長だ」と付け加えた。.

個々のメーカーについてGartnerのレポートを見ると、SamsungがGalaxy S6をリリースしたにもかかわらず、対前年同期比で4.3ポイントも市場シェアを落としたのが目立つ。販売台数も5.3%の減少となった。

対照的に、iPhoneの販売台数は36%アップし、 Appleのスマートフォンのシェアは 2.4ポイントアップした。Gartnerによれば、Appleは途上国、先進国、新規ユーザー、買い替えユーザーのすべてで強く、特に中国でのパフォーマンスは圧倒的だ。ここでは iPhoneの販売台数は68%もアップして1190万台が販売された。

Gartner

【後略】

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iOS 9は、Wi-Fiが不調な時に携帯通信を使うことを知っている

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わが家のWi-Fiは〈ほぼ〉完璧だが、唯一苛立たしい問題がある。駐車場所から約1.5メートルの位置でほぼ信号が途絶える。

信号は接続状態が続く程度には強いが、〈ちょうど〉何も ー 例えば、ここからの道順 ー 読み込めないくらい弱いので実際役に立たない。手動でWi-Fiを切るまでホイールが回転し続けるだけだ。

iOS 9がこれを解決する。Wi-Fi信号が十分強くないとき ー たとえ大丈夫のはずでも ー 自動的に携帯電話通信に切り替える。

これは一見単純なコンセプト(接続が悪い?だったら他を使おう)だが、これまで誰もうまく実装していなかった(ただし、Androidでは一部のSamsung機種や、BestSignalやTaskerなどのサードパーティー製品が実現している)。殆どの場合、われわれの電話機はその一見強力な信号を本当に良好な接続と信じて、永遠に待ち続ける。

注意! この新しい小技はデベロッパー版iOS 9 betaでしか使えない。よってiOS 8ではまだしばらく待つ必要がある。数日のうちに、公開の誰でも使える版iOS 9にも入るはずだ。

この新しい「Wi-Fiアシスト」機能は、最初に9to5Macが他の多くのベータに隠された機能と共に発見した。

自宅のWi-FiデッドゾーンにたまたまNiftflixがはまって、携帯データプランを食い尽くすのが心配だって?ご安心あれ、Wi-Fiアシストはオフにできる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

研究結果:開発者は人気低下iOSアプリの復活にマイナーアップデートを利用する

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アプリのアップデートは、開発者にとって失われつつある自社ソフトウェアへの関心を再燃させ、ダウンロードを活気づけるための戦略的ツールである。それがイタリアの学者グループによる、アプリ開発者がどうやって注目を引くためにアップデートを利用しているか、その戦略がAndroidおよびiOSでどこまで効果的かを研究した結果だ。

Updates Management in Mobile Applications. iTunes vs Google Play[モバイルアプリケーションにおけるアップデート経営。iTunes vs Google Play]と題したこの論文は、Google PlayストアおよびApple iTunesストアのアプリアップデートの効果を比較検証するものであり、研究者らはアップデートのダウンロード促進の効果はiOSの方がAndroidよりも大きいという結論を下した。

彼らはヨーロッパ5ヵ国のiTunesおよびGoogle Play各ストアで、トップアプリ1000本を6ヵ月にわたって追跡した。アップデートが公開されるのは、開発者がアプリ実績の「悪化」に気付いた時に多いと論文は書いている。

「研究結果は、アップロードがダウンロードを促進すること、および公開されるのはアプリの成績が悪い時であることを確認した。われわれはこの結果を、アプリ開発者がアップデートを「復活に賭ける」戦略として使っていることの証だと理解している」と彼らは書いた。

AndroidおよびiOSの開発者らは、研究者らが言うところの「著しく高い頻度」でアップデートを発行しているが、アップデートの頻度はAndroidの方が高い ― Google Playではアプリが平均28日でアップデートされるのに対し、iTunesでは59日毎だった。

著者らは、Google Playでアプリのアップデートが「大きな影響」を与えていない理由について、品質レビュープロセスがないためだと示唆している ― そのために「高品質、低品質両方のアップデート」が公開され、Google Playにおけるアプリの「過剰なアップデート」はダウンロード全体の与える影響を稀薄化している。
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一方iOSアプリでは、デベロッパーがマイナーアップデート(バグ修正あるいは微小な変更)を、ストアでのアプリ成績を向上させる「戦略ツール」として使っている。メジャーアップデート(アプリの機能に重要な変構をもたらす)には開発期間がかかり、多くの労力が伴うためだ。

つまり、何度もマイナーアップデートを繰り返しているiOSアプリは、開発者が関心の低下と戦うために戦略的行動に出ている兆候だ。

彼らはこう指摘する:

われわれは、アプリの実績が低くなると開発者がマイナーアップデートを発行する確率は高まるが、メジャーアップデートには影響を与えていないことも見つけた。この結果から、マイナーアップデートのみが、過去の低い実績に対する戦略的ツールとして使われている証拠だと解釈している。

その他の研究結果:

  • トップアプリの殆どは無料(Google Playのトップ1000中有料アプリはわずか17)
  • iOSでトップ1000に有料アプリの占める割合は高い(8.3%)
  • アプリ内購入のあるアプリは、iOSの方がGoogle Playよりも一般的でiOSアプリの過半数(56.2%)にアプリ内購入があり、Google Playアプリでは1/3以下(29.7%)だった。
  • App Storeダウンロード数はGoogle Playの方がApp Storeより5倍程度多い。
  • トップ1000アプリのユーザー評価は両ストア共に4つ星以上だったが、ユーザー評価の件数はGoogle Playが2倍。
  • iOSアプリのトップ1000は、平均してGoogle Playのトップ1000よりも古く、人気Androidアプリの回転率の高さを示している。
  • いずれのストアでも約1/3(35%)のアプリがローカル(ダウンロードの40%以上が作成者の国からとい定義)。

The research paper can be viewed here.

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

手持ちのファッションアイテムから最適なコーディネートを提案する「ベストスタイルミー」

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エモーシブは6月5日、男性向けのファッションコーディネート提案アプリ「ベストスタイルミー」のiOS版を正式公開した。Android版は2014年10月に公開されている。

人力とアルゴリズムで最適なコーディネートを提案

ベストスタイルミーは、ユーザーが質問に回答して自分の服の好みを選択した上で、所有している、もしくは購入を検討しているファッションアイテムの写真を撮影すると、24時間以内にそのアイテムを使った最適なコーディネートを提案してくれるサービス。

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コーディネートの提案は、人力での画像判定と、独自のアルゴリズムを組み合わせて行う。アップロードされた写真に対して、そのファッションアイテムがシャツなのかジャケットなのかという「種類」やアイテムの「色」、半袖か長袖かといった「袖丈」などをまず人力で判定。その上で機械的に最適なコーディネートを提案する。

人力でのチェックが入ることもあって、ECサイトで見かけるような背景白抜きできっちり撮影した写真でなくとも利用可能。例えばコーディネートを知りたいアイテムを着た自分自身の写真をアップしてもいいのだそうだ。写真を数多くアップデートすることでユーザーの好みを学習し、さらに最適なコーディネートを提案してくれる。ただ、人力ということでどこまでの件数を処理できるかというのはちょっと気になるところだけれども。

サービスを提供するエモーシブは2012年11月の設立。これまでにインキュベイトファンドおよびディー・エヌ・エー、プライマルキャピタルから資金を調達している(金額は非公開)。

スタイリストの「ロジック」をシステムに落とし込む

エモーシブ代表取締役の坂本慧氏は、新卒でホリプロに入社。3年2カ月芸能人のマネージャーを務めたのちに起業を志した。インキュベイトファンドが主催する起業支援プログラムの「Incubate Camp 4th」にも参加している。papeboy&co.(現GMOペパボ)創業者の家入一真氏が自由な発想で次々とサービスをリリースしているのを見て、自らもサービスを立ち上げたいと思ったという坂本氏だが、前職で出会ったスタイリストとのやりとりがベストスタイルミーの企画に繋がったと説明する。

「スタイリストはセンスや感覚でファッションアイテムを選んでいるように見えるかも知れないが、実は何と何が似合うのかということを非常にロジカルに考えている。ロジカルなのであれば、その考え方をシステムに落とせないかと考えた」(坂本氏)

僕もそのアルゴリズムのベースになっているスタイリストへのヒアリングシートの一部を見せてもらったのだけれども、「○○の柄は××な体型には合わない」といったことからファッションアイテムの区分、配色の組み合わせに関する内容まで幅広い。坂本氏いわく「スタイリストには合計100時間以上話を聞いている」(坂本氏)とのこと。これに季節ごとのトレンドなどの情報を追加してアルゴリズムをアップデートしている。

ダウンロード数は4万件に満たない程度でまだまだこれからという数字だが、「リテンションは高い」(坂本氏)とのこと。コーディネートアプリと聞くと、スタートトゥデイの「WEAR」などを思い浮かべるが、坂本氏は利用のニーズが違うと説明する。

「ゼロベースでコーディネートを考えるのであればWEARでいいと思うが、ベストスタイルミーは自分の持っているファッションアイテムを軸にコーディネートを提案してくれる」(坂本氏)。今はアップロードした写真以外、ユーザーの所有していないファッションアイテムを組み合わせてコーディネートを提案しているが、「自分が持っているファッションアイテムだけでのコーディネートを提案する機能が欲しい」という要望も少なくないという。

現状、収益源はファッションアイテムのアフィリエイトのみ。今後はオプション機能の提供などでユーザー課金をする予定だという。

AppleのHomeKit用アプリ”Home”には、バーチャルルームとApple TVハブが入るらしい

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AppleはHomeKitを近々、おそらく来月のWWDCまでに公開すべく準備を進めているようだ。このiOSデバイス向けソフトウェアを使うと、Appleの要求を満たす〈つながった〉ホームデバイスを制御し、”Home”と呼ばれるであろう中央制御アプリを通じて様々なデベロッパーツールを使用することができると、 9to5Macは報じている。これはHomeKitのユーザーインターフェースに関して、Siriを通じて対応ハードウェアを制御できること以外に得られた初めての情報だ。

HomeKit機能を制御する”Home” と呼ばれるユーザー向けアプリが存在することに加えて、9to5Macは同アプリの機能をいくつか紹介している。それによると現在iOSデバイスで動くAirPortアプリに似ているが、ネットワークに接続されたアクセサリーをより直接的に制御できるらしい。

アプリはローカルのHomeKitデバイスをワイヤレスで発見したり、バーチャルルームに基づいてアレンジする機能を提供するという。これは同社ウェブサイトの公式資料に書かれていた、ユーザー定義による「グループ」経由でデバイスを制御する機能に近いものと思われる。”Home” (仮称)アプリには、全HomeKitデバイスのハブとして働くと言われているApple TVを経由して制御する機能も含まれるようだ。

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Apple Watchアプリと同じく、Homeアプリは発見ツールとしても働き、HomeKitフレームワークに対応したハードウェアとアプリを一覧できるページがある。

HomeKitは、どちらかというと地味にゆっくりと立ち上がっていく機能だ。Appleは、公式提供が「今秋」にずれ込むのではという報道を受け、最初のいくつかのHomeKit対応デバイスは来月市場に出ると公表した。それでも、製品や機能が出揃うには時間がかかるだろう ― たとえHomeKitのためのハブ機能を持つApple TVが来月のWWDCで発表されたとしても。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、iOS 8.3をリリース―絵文字の拡張とバグフィックス

今日(米国時間4/8)、AppleがiOSのアップデートをリリースした。これによって300種類の新しい絵文字が追加された。これらは同時にOS Xにも追加され、両プラットフォームのエモーティコンの表現の幅が大きく広がった。iOS 8.3では多数のバグフィックス、機能の改良も行われた。その範囲はWi-Fi、アプリのランチャー、Bluetooth、メッセージ、CarPlayなど非常に広い。

アップデート・ノートがそっけないほど短いAppleにしては珍しく、今回のノートは長い。重要なバグフィックスには、たとえば、iPhoneを回転させたときに表示の向きが自動的に変わらない問題、 Wi-FiやBluetoothでスピーカーのようなデバイスを接続しているとき接続がときおり切れる問題などが修整されている。

絵文字の他に今回のアップデートで追加された機能としては、CarPlay対応車種との通信機能、iMessageでのジャンク、スパムのフィルター機能、OS Xの新しいPhotosアプリに対応したiCloud写真ライブラリーのサポートなどが含まれる。

アップデートをインストールするには「設定」を開いて「ソフトウェア・アップデート」を実行すればよい。

〔日本版〕 日本語版もリリーズずみ。Apple Watchのサポート、ヘルスケア・アプリの機能改善、メール、マップ、ミュージックの安定性の向上などが主要な内容とされている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iOSの次のバージョンからは無料のアプリやコンテンツのダウンロードがパスワード不要に

AppleのiOSオペレーティングシステムの次のバージョンiOS 8.3では、無料アプリのデベロッパがユーザを獲得しやすくなる。”iTunes & App Store”に設けられる新しいオプションと、それに対応するiOSのSettingsアプリにより、iOSデバイスのオーナーは無料のアプリケーションやコンテンツをダウンロードする際に、パスワードを不要にできる。つまりiTunesの”Get”ボタンをタップするだけでアプリが彼らのデバイスへ送られ、パスワードを要求されない。

ささやかな変化だが、モバイルアプリのデベロッパにとっては大きいかもしれない。iPhoneやiPadのユーザの多くは、アプリのダウンロードをそれほど頻繁には行わない。スマートフォンやそのほかのモバイルデバイスの今日の大普及にもかかわらず、ある調査によれば、1か月のダウンロード数がゼロのユーザがほとんどである。comScoreによると、だいたいダウンロード総数の約半分は上位7%のユーザによって行われている。

つまり、コンスタントにアプリをダウンロードする人たちと、大人気になりマスコミや友だちのあいだで話題になったアプリはダウンロードする、という人たちがおり、後者の人たちは最初に自分のスマートフォンをセットアップして、好きなアプリをインストールしたら、その状態で満足している。

そもそも、日常、“こんなアプリがほしいな”と思うユーザは少数派だし、またそんな人たちにとってもアプリを見つけてダウンロードするのは面倒で難しい。そしてその他大勢の人たちは、上で書いたように、最初の基本的な設定で満足している。しかし、新しいアプリに対して積極的にならないもうひとつの理由が、アカウント情報を思い出すのが面倒、というものだ。そういう人は、おもしろそうなアプリを知っても、iTunesで認証情報の入力に一回失敗したら、もう二度と近づかない。

この、パスワード不要という新しい機能は、読者からのタレコミにより9to5Macが最初に見つけた。それは今のiOS 8.3ベータでは無効だが、一般公開される安定バージョンでは生きてるだろう。今後Appleの方針が変ることもありえるが、Appleが少なくともこの問題の対策に乗り出したらしいことは、おもしろい。

9to5Macの記事によると、同社は過去にパスワードなしの無料ダウンロードを試みたが、一部のユーザから苦情が出たのでやめたそうだ。

なお、この設定がポップアップするのは、デバイス上のTouch IDを無効にしているときにかぎる。Appleとしては、セキュリティの点で問題がないときだけ、ダウンロードを簡易化したい意向のようだ。

有料アプリは依然としてパスワードが必要で、“どんなアプリでもパスワード不要にする”というオプションは残念ながらない。また、アプリのほかにiTunesの本、映画などのコンテンツも、無料のものはパスワード不要にできる。

画像クレジット: 9to5Mac.com

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa