Microsoftが企業のDevOps的実践を支援するツールとドキュメンテーション(eブック)をローンチ

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Microsoftが今日、企業のデベロッパやITスタッフ、あるいは開発専門のデベロッパショップによる、DevOps的実践を支援する新しいプロジェクトを発表した。そのひとつは、開発実践の改良策を提案する自己評価ツール、もうひとつは、この分野におけるMicrosoft自身の過去数年間の知見を綴ったeブックだ。

MicrosoftのSam Guckenheimerがこう語る: “クラウド上のサービスを何百万ものユーザに対応してスケールしていく技術で優れた存在になるためには、われわれ自身が学ぶべきことが多かった。そして、そのための上手な実験のやり方や、技術的に足りない部分を管理する方法については、学習の成果をシェアしてほしいという要望が多かった”。

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Guckenheimerによると、そのツールは正しくない実践のすべてを指摘するものではない。

むしろそれは、今やってることを改善するためには次に何をやるべきか、を推奨する。この自己評価ツールはたとえば、技術的な不備を解決しようとするときは、まず静的な分析をして現在のコードの、いくつかの基本的な測度(今後の比較等の基準となる数値)を把握せよ、と勧める。

“いくつかの測度で表される、それらの実践領域を調べて、それらをより効果的にするための、‘チェスの次の手’を提案する”、とGuckenheimerは述べる。“それらは、最初からクラウドで生まれ育ったような企業ならすでに実践していることばかりかもしれないが、われわれのところに助言を求めにくる企業も、たいへん多いのだ”。 なお、彼が強調するのは、このツールが提供する推奨事項がどれも、特定の技術や企業には依存していないことだ。Microsoftのプロダクトにすら、依存していない。

“一貫して言えるのは、たった一つの、これしかない、という答は提供しない、ということだ。もっともリクエストの多いニーズに応えようとしているが、それはツールに関するニーズではない。ツールなら、すでに、Gitもあるし、さまざまなモニタリングツールもある”、と彼は言う。抱える問題はもっぱら、実践の領域に集中しているのだ。

〔DevOps、オペレーション的部分もやるデベロッパ、デベロッパ的部分もやるオペレータ、参考記事(未訳)。〕

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Microsoft、AndroidタブレットメーカーにOfficeプレインストールを推進

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Microsoftが今日(米国時間5/26)発表したところによると、同社のAndroidハードウェアメーカー向けOEMプログラムで、新ハードウェアにOfficeアプリをプレインストールする会社が新たに20社増え、現在同プログラムの「パートナー」は31社になった。

筋書きは単純だ。Microsoftは自社のアプリとサービスをあらゆるプラットフォームに載せたがっていて、そのために、あらゆる端末のホーム画面に場所を欲しがっている。〈史上〉最重要になりつつあるプラットフォームを支配できていないのなら、入り込むしかない。しかしそのプラットフォームを所有しているのが重要なライバルの一人であるなら、新たな仲間が必要だ。例えば、タブレットハードウェアを通じて実際にプラットフォームを配っている会社。

公式声明は以下の通り:

この31社のパートナーは、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、OneDriveおよびSkypeをプリインストールしたAndroidタブレットを近々出荷する。新しいLGタブレットはその一つで、Sonyも90日以内にXperia Z4タブレットにプレインストールする予定だ。

新たな提携は、同社によるiOSおよびAndroidへのOffice導入の早期成功に続くものだ。Microsoftはあらゆる主要プラットフォームでOfficeを推進することで、重要な資金源の一つが、最大の潜在市場を持つことを確実にしようとしている。

もちろんMicrosoftは、自らのWindows 10プラットフォームでも同様の計画を進めている。OfficeとWindowsは、Azure、Skype for Business、Office 365等のサービス製品が重要な役割を持つようになった今も、Microsoftの中心である。

提携先はグローバルで、アジア、中南米、およびヨーロッパ市場をターゲットにしている。これはMicrosoftが世界中で新ユーザーを集めることを示唆している。

契約は無償ではあり得ない。私はMicrosoftに、誰が誰に支払っているかを尋ねた。丁重な断わりが来ると予想している。

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マイクロソフト、社内チャンピオンが世界と競う「ソリティア大会」を開催

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Microsoftがソリティアのトーナメントを開催するのだそうだ。Microsoft社内のベストスコアラーと、全世界の人が競う形となるようだ。なお、次のOSとなるWindows 10にはソリティアが復活することも既にアナウンスされている。

このトーナメントは、ウィンドウズにソリティアが搭載されて25周年となることを記念して行われるものだ。ソリティアくらい大したことはないと思う人もいるかもしれない。しかしなかなか本格的なトーナメントとなるようだ。

まずMicrosoft社内でのチャンピオンを決定します(社内トーナメントは18日より開催中)。そして6月5日月曜日より、25周年記念トーナメントにおけるチャンピオンの座をかけて、全世界の人と直接競うことになります。

クロンダイク、フリーセル、スパイダー、トライピークス、 そしてピラミッドなどすべてのソリティアゲームが対象で、得点の高い者が勝者となります。

賞品などの詳細に関する情報はない。もし賞品を何も予定していないということなら、個人的にサンフランシスコでのディナーないし酒5杯程度なら奢ってもいい。ただし危ない人はお断り。

ところでまだソリティアをプレイしている人なんているんだろうか?

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(翻訳:Maeda, H

GoogleがCloud Computingの料金を最大30%値下げ、アイドルリソースを使う超安価なインスタンスをローンチ

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Googleが今日(米国時間5/18)またまた、同社のクラウドコンピューティングプラットホームの料金を値下げした。また、企業がクラウドコンピューティングの利用でさらに一層の省マネーを図れるための、新しいインスタンスタイプを導入した。

今日の値下げはCompute Engineが中心で、最小のインスタンスで最大30%の下げとなる。その、Google Cloudプラットホーム上のMicroインスタンスは、通常の利用で1時間0.006ドル(0.6セント)になる。そのほかのインスタンスは、これほど激しくはなくて、High CPUインスタンスで5%、Standardインスタンスで20%の値下げとなる。

Googleの主張によると、これでGoogle Cloud Platformの利用料金は多くのワークロードにとって40%安くなるそうだ。例によってこういう数字は、眉に少し唾をつけて見る必要があるが、しかし誰の目にも明らかなのは、Googleがクラウドコンピューティングを継続的に値下げしてAmazonやMicrosoftなどに勝ちたい、というその意志だ。

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今日同社は値下げと並行して、preemptible instances(プリエンプティブルインスタンス)と呼ばれる新しいインスタンスタイプのベータをローンチした〔仮訳: (ユーザでなくシステム側に)先買権のあるインスタンス〕。Amazonのspotインスタンスにやや似ているこのインスタンスは、Googleのデータセンターのアイドルリソースを使うので、standardインスタンスよりも70%安くなる。

ただしCloud Platformは、リソースが必要になったらそのインスタンスを、30秒の警告ののちに終了させる。このインスタンスの上では、フォールトトレラントなサービスしか動かすべきでない、ということ。spotの場合と同じく固定料金なので、料金の変動を心配する必要はない。

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Microsoftの新ブラウザ、Edgeは当面Windows版のみ

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今日(米国時間5/18)、Microsoftのブロガーが新しいブラウザ、Egdeについて、Windows 10以外のプラットフォームに提供する計画は当面ない とツイートした。私はMicrosoftに直接取材してこの方針を確認した。

MicrosoftがEgdeを他のプラットフォームに提供するつもりがないということは、いささか奇妙だが、重要な情報だ。Microsoftは近年、家宝ともいうべきOfficeアプリを他のプラットフォームに提供するなどクロスプラットフォーム化を積極的に進めてきた。一方でWindowsの覇権を全盛時なみに再度高めようとすると同時に、アプリとサービスを他のプラットフォームにも提供してシェアとユーザーを獲得しようという両面作戦だ。

その中で、Edgeの提供をWindows 10に限るという選択は、効率の観点からはうなずける。たとえば OS X向けのEdgeを開発したとしても獲得できるシェアはわずかだろう。そもそもOS Xのインストールベース自体がWindowsマシンに比べて少ない。モバイル・プラットフォームでもChrome、Safariなど既存のブラウザの支配が圧倒的だ。

Microsoftがブラウザ戦争で有利な戦いができる場所はWindowsだけだ。そこでEdgeはWindows 10専用ということになる。もしEdgeがモバイル・ブラウザとして明らかに最優秀だということになれば、Android版の開発も考えられる。しかしそういう可能性はそれほど高くなさそうだ。

このあたりがMicrosoftのクロスプラットフォーム戦略の一つの限界といえるだろう。ニ正面作戦の難しさがこういうところにも現れている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

変わる検索アルゴリズム ― Bingも「モバイルフレンドリー」ページのランクアップを計画中

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Googleは先月、モバイルデバイス上で使いにくいサイトをペナライズするランキングアルゴリズムの適用を開始している。これをさして「モバイルゲドン」(mobilegeddon)だとか、これまでの時代の黙示録的終末(mobilepocalyse)だとかいう人もいる。そのような中、Bingもこの動きに沿うような形でモバイルフレンドリーか否かを検索ランキングに反映させる旨をアナウンスした。

この流れは「検索ビジネス」全体を巡る変化の中の一環としてとらえることができるだろう。多くの人が、モバイルアプリケーション内部からの情報検索によりさまざまなコンテンツにアクセスするようになってきている。たとえばFacebookも、サービスの中からさまざまな情報にアクセスできるように進化を続けている。Google検索も、アメリカや日本などの10ヵ国では、コンピューター上からよりもむしろモバイルデバイスから多く利用されている

検索してもモバイルフレンドリーなサイトが見つからず、利用者が検索エンジンから離れてしまうようなことがあれば、それはGoogleの広告ビジネスの根幹に関わる問題となる。それでGoogleは、モバイルフレンドリーのサイトを優遇するような「最適化作業」を行ったわけだ。

ちなみに、Bingの方はGoogleほどドラスチックな変化を直ちに取り入れるわけではない様子。

Bingでは最近になって、モバイルフレンドリーなサイトに「mobile-friendly」のタグ付に加えている。これに加えて、条件に適合するページのランキングを上げていくことにしているのだとのこと。

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Googleのアプローチとの違いは何か。Googleの方は、モバイルフレンドリーでないサイトを「ペナライズ」しているのが大きな違いだ。画面を拡大しないと文字が読みにくいような場合や、ハイパーリンクが近すぎて操作しにくい場合、必要な操作が行いにくかったり、横スクロールが必要なページなどについてペナライズされている。

Bingの方では、モバイルフレンドリーでなくても、関連性の高い情報であれば検索ページ内での位置が下がるように操作されることはないとしている。

ブログ記事から引いておこう。

モバイルデバイスからBingで検索を行った場合、検索した内容と関連性の最も高いものが上位に表示されます。そのページがモバイルフレンドリーでないがゆえに順位を変動させることはありません。モバイルフレンドリーなページのランキングを押し上げるようにはするものの、検索用語との関連性をまず重視して検索結果を表示するということです。「関連性」と「モバイルフレンドリー」の判定バランスは微妙なものであり、アルゴリズム的にはいろいろと手を加えていくことになるでしょう。しかしどうやらうまいバランスで結果を表示することができそうだと考えています。

アルゴリズムの変更を行う前に、Bingの方もGoogle同様にページのモバイルフレンドリー性をチェックするツールを公開するとしている。サイト内でどのページに問題があるのかなどが判定しやすくなるものだ。ツールの方は、数週間以内に公開される予定だとのこと。

モバイルフレンドリーにするために必要な要素は、Googleの求めているものと同じであると考えて良い。ナビゲーションが容易であり、ズームや横スクロールをすることなく内容を読み取ることができ、そしてさまざまなデバイスで表示できることが求められる(Flashなどは使わないこと)。なお、Bingはポップアップの有無なども判定基準として取り入れたいと述べている。

ランキングアルゴリズムをいつから変更するのか、具体的な日時はまだ発表になっていない。「数ヶ月のうちに実施する」ということのようだ。

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(翻訳:Maeda, H

Microsoft、スマートフォン用Windows 10の名称を決定

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MicrosoftはWindows 10に数多くのバージョンを用意していることを今日(米国時間5/13)明らかにし、何より重要なことに、そのスマートフォン向けOSの名前は「Windows 10 Mobile」になる。

ソフトウェア会社は、Windows 10がシングルプラットフォームであり数多くのフォームファクターのデバイスをサポートできるという考えを再三述べてきた。それは真実であるが、Microsoftは様々な方法でこのOSに調整を加えてきた(Windows 10 Mobileの動くところはここで見られる)。

内訳はこうだ:

  • Windows 10 Home: 両親向けWindows 10。
  • Windows 10 Mobile: Windows Phoneを持っている友達向けWindows 10。
  • Windows 10 Pro: ビジネス向けWindows 10。
  • Windows 10 Enterprise: エンタープライズ向けWindows 10。
  • Windows 10 Education:学校向け数量割引版
  • Windows 10 Mobile Enterprise: このエンタプライズ端末は自分を管理できない!
  • Windows 10 IoT Core: ATMその他日頃あまり考えることのない物事向けWindows 10。

Microsoftは公式ブログで、Windows 10が「予定通り」今夏の一般公開に向けて進んでいることを公表した。同社の説明によると、Windows 10をテストしている人数は390万人に上る。数字は繰り返し更新されており、同社がこれを好調と見ていることに間違いはない。

私はMicrosoftがこいつを単にWindows 10と呼ぶことを期待していたのだが、過去の歴史的命名体系は、捨て去るには大きすぎたようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleに次いでMicrosoftも太平洋横断光ケーブルの敷設に投資―日中台との接続の高速化へ

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今日(米国時間5/11)、Microsoftは日本、中国、台湾、韓国とアメリカの西海岸(オレゴン州ヒルズボロ)を結ぶ太平洋横断海底光ケーブルの敷設のためのテレコム企業のコンソーシアムに参加することを 発表した。Microsoftは「このNCP (New Cross Pacific)ケーブル・ネットワークはクラウド事業の価格競争力を強める高速接続を提供するだろう」と述べた。

Microsoftは、今日これに加えて、カナダ、イギリス、アイルランドとの接続を高速化するHiberniaと契約を結んだことを発表した。この光ケーブル回線は AcquaCommsが準備しているAEConnectケーブルを利用し、ニューヨーク州シャーリーとアイルランドの西岸を結ぶ(その後、中間ネットワーク・プロバイダによってイギリスに接続される)。

Hibernia Expressケーブルは新たな大西洋横断ケーブルとしては12年ぶりのもので、来る9月に運用開始の予定だ。この新ネットワークはレイテンシーの低さ(ニューヨーク-ロンドン間で60ミリ秒を約束)をセールスポイントとしている。運用が軌道に乗れば、一対のケーブルが10Tbpsの伝送速度を発揮することが期待されている。AEConnectの建設費用はおよそ3億ドルでMicrosoftが最初のユーザーとなる。建設資金の借り入れは野村が仲介した。

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グローバルな通信インフラの拡大に努力しているのはMicrosoftばかりではない。最大のライバル、Googleも2008年と2011年に3億ドルを投じて日本とアメリカを結ぶ光ケーブルを敷設している。

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バージョンアップよさらば―Windows10のリリース以降、Windowsはサービスになる

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Windows 10でMicrosoftは新しいソフトウェアモデルに移ろうとしている。Microsoftのデベロッパー・エバンジェリストのJerry Nixonは先週シカゴで開催されたMicrosoft Igniteカンファレンスで「Windows 10はWindowsの最後のバージョン」だと述べた。Telegraphの記事によると、Microsoftの広報担当者も「Windows 10のリリース以降、これまでのような派手なイベントとしてのメジャー・バージョンアップは廃止され、日常的に漸進的な改良が続くことになる」と、この趣旨を確認した。

こうした動きは多くの人々のパソコンに高速で信頼性の高いインターネット接続が普及していく過程で必然的に起きた変化だといえる。多くのソフトウェア企業はすでにアプリケーションをインターネットを通じて連続的、恒常的にアップデートするようになっている。しかしデスクトップ・パソコンのOSの主要メーカーであるMicrosoftがこのモデルに完全に移行することを決断した影響はソフトウェア市場に大きな影響を与えるだろう。

ソフトウェアの販売にこのモデルをすでに採用している有力ソフトウェア企業も多い。たとえばAdobeはすべてのソフトウェア製品をひとまとめにして、Creative Cloudという単一のサブスクリプション契約でユーザーに提供している。ユーザーは定額の料金を毎月支払うことで常に最新のバージョンのPhotoshopやIllustratorなどのAdobeのアプリケーションを利用できる。Adobeはこれらのソフトウェアを利用して作られたファイルをクラウドに保存し、ユーザーの複数のデバイスで同期するCreative Cloudストレージなどのサービスを提供することでさらに利便性を高めている。

Microsoftは、特にサティヤ・ナデラがCEOに就任して以後、 ソフトウェア販売企業からサービス企業への変身を加速させている。Windowsを常にアップデートが続く一連のサービスに変えるという決断はMicrosoftの提供するプロダクトの価値を高めるために重要な動きとなるだろう。 また何年かに一度のメジャー・アップデートではなく、恒常的に改良を続けていくというモデルは社内の開発リソースの利用の最適化にも貢献するだろう。また新テクノロジーの速やかな採用にも有利に働く。

Windowsのサービス化によって販売モデルがどう変化することになるのか興味深い。MicrosoftではWindows 10が利用できるデバイスはWindows 10の公式ローンチ後、1年間に限って無料でアップデートできるとしている。もしMicrosoftが今後もOSから収入を得ようとするのであれば、Windowsは現在のOffice 365を拡張したより広汎なプロダクト・バンドルの一環となるのかもしれない。

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Microsoft、ハイブリッドクラウド戦略を強化―Azureがオンプレミスのデータセンターで稼働へ

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Microsoftは以前からエンタープライズ・ユーザーに対するハイブリッド・クラウドの提供に力を入れてきた。今週、Microsoftはこの戦略をさらに一歩推し進め、Microsoft Azure Stackを発表した。この新サービスはAzureのクラウド・アプリの導入、運用、管理をあらゆるデータセンターに提供するものだ。データセンターは企業のオンプレミスのものであってもホスティング会社のものであってもよい。

Azure Stackはソフトウェアによるネットワーキング、ダイレクトアタッチストレージの共有、バーチャルマシンの運用とセキュリティー管理、オンプレミス・データセンターのクラウド運用モニタなどMicrosoftのクラウド・テクノロジーを広汎に提供する。IT管理者のための新しいプライベート・クラウドのソリューションだ。デベロッパーにとっても専用アプリを既存のデータセンターで運用するのが容易になるだけでなく、スケールを拡大する必要が生じた場合でも即座に対応が可能になる。

MicrosoftはAzure Stackの上でマイクロサービスを走らせるためにAzure Service Fabricという新しいサービスもリリースした。デベロッパーは新しいAzure Resource Managerを使って、パブリック・クラウドのAzure上でもプライベートなデータセンターのAzure Stack上でも自由にアプリケーションを運用できる。 .

現在のところ、Azure StackがサポートするのはWindowsとLinuxのバーチャルマシンだ。エンタープライズ・ユーザーの大部分がこの両プラットフォームを利用しているとMicrosoftは考えている(ただしコンテナへのシフトも広がっている)。今後Microsoftはさらに広汎なAzureサービスをAzure Stackに導入する計画だ。

このサービスにはAzure Preview Portalが統合されているので、デベロッパーは必要とするサービスを自分でローカルクラウドにプロビジョニニングできる(また必要が生じればそのままパブリッククラウドにも展開できる)。 このサービスにはさまざまなエンタープライズ向け課金機能も含まれる。現在IT部門はクラウドサーバーをプロビジョニングするためにそれを迂回することに決めたグループに対処しなければならない。新しいソリューションによってこうした必要がなくなる。

Microsoftのクラウドプラットフォーム・マーケティングのゼネラル・マネージャー、 Mike Schutzは私の取材に対して「Microsoftはカスタマーのデータセンターをクラウドの拡張と考えている。カスタマーはAzureを自らのプライベートクラウドの拡張と考えることができるようになるだろう」と述べた。

Azure Stackは今年の夏の終わり頃にプレビュー版が公開される予定だ。一般向けに正式リリースされるのはWindows Server 2016と合わせて2016年になる。

またMicrosoftは今日(米国時間5/4)、IT部門がオンプレミス、パブリックの双方でクラウド・アプリケーションを運用することを助けるためのOperations Management Suiteを発表した。これは。アプリケーションがどこで、どんなプラットフォーム(Azure、AWS、Windows Server、Linux、VMWare、OpenStackをサポート)上で作動していてもモニターできるツールで、Azureチーム自身がクラウドを運用する際に得た豊富な経験がフィードバックされているという。

このツール・スイートにはログ解析、セキュリティー、運用オートメーション、アプリケーションとデータの保護の各ツールが含まれる。 将来Microsoftはさらにクラウド・ベースのパッチ、インベントリー、アラート、コンテナ管理などのサービスを加えていく計画だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Windows 10 IoTをRaspberry Pi 2にインストールする方法

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Windows 10が複数のシングルボードコンピュータ向けにもリリースされたので、Raspbianのようなオープンソースのオペレーティングシステムより意外と良いかも?、という関心が界隈で芽生えている。では、Raspberry PiでどうやってWindowsを動かすのか? そしてそれは、何のために?

まず、Windows 10をRaspberry PiやArduino、Galileo、MinnowBoardFirstなどにインストールしてみたい人には、MicrosoftのGitHubページをおすすめしたい。嬉しいことに、ここには詳細で完全なドキュメンテーションが揃っている。それらは、“Windows Embedded IoT”のオフィシャルイメージをこれらのデバイスで使うためのインストラクションだ。それはここでもダウンロードできる。

OSXユーザへの注記: 最初ぼくは、Raspberry Pi 2用のSDカードをOS XやLinuxを使ってフラッシュするやり方を書こうと思っていたけど、残念ながらMicrosoftのFFUイメージファイルはWindows上の特殊なファイル操作ソフトでないと扱えない。ファイル名の拡張子を変えてもだめだったし、いろいろググっても名答はない。答が見つかったら、この記事をアップデートしよう。〔SDカードをフラッシュするために使うコンピュータは、Windows 10が動いていることが必要。〕

それでは、Windows 10 IoTをRaspberry Piにインストールしよう。

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1. Microsoft Connectのアカウントを作る。

2. ファイルWindows_IoT_Core_RPI2_BUILD.zipをダウンロードする(この中にflash.ffuがある)。このファイルを、アクセス可能な場所に置く。

3. 8GBのClass 10 SDカードをコンピュータに挿入する。

4. コマンドプロンプトを開き、次のようにタイプする:

diskpart
list disk
exit

これでSDカードのドライブ番号がわかるので、それを次のステップで使う。

5. Microsoftのインストラクションに従ってWindows 10からSDカードをフラッシュする。

そのやり方は、管理者のコマンドプロンプトから下のコマンドでイメージをSDカードに載せる(下のPhysicalDriveNの’N’は、前のステップで見つけた値。たとえばSDカードのディスク番号が3なら、下は/ApplyDrive:\.PhysicalDrive3になる):

dism.exe /Apply-Image /ImageFile:flash.ffu /ApplyDrive:\.PhysicalDriveN /SkipPlatformCheck

6. SDカードを慎重に取り出す。

これで、Raspberry Pi 2はこのカードでブートする。

[ツイート訳: Windows IoTのシェルはWin 10のいわゆる‘ユニバーサルアプリケーション’の一つだ。Raspberry Piにできるのは、これだけだけど。:D]

これは一体、何のためにやるのだろう? Microsoft自身の言葉によると、“Windows 10 IoT CoreはWindows 10の新しいエディションで、メイカーたちや商用デバイスの作者が無料または低価格で入手できる小さなデバイスでの使用に向いている”。つまり、Windowsの簡素化されたバージョンを、自分のデバイスに容易にフラッシュできる、ということだ。ArduinoやRaspbianをこれまで使っていた人なら、Windowsのこのバージョンにすぐになじめるだろう。

これの上でFar Cryをプレイする、というようなことではなくて、これにたとえばリレーやLEDなどをつないでIoTシステムを作るためのベースだ、と考えた方がよい。UIも、自分で独自のプログラムを作らないかぎり、とても簡素だ。

[related_articles]〔原文関連記事の日本語訳〕
This DIY Raspberry Pi Laptop Is Perfect For Your Weekend Machinations
Raspberry Pi Sales Pass 5 Million
Raspberry Pi 2 Arrives: 6x Faster, An “Entry-Level PC” For $35

 

これは、Microsoftにしては意外なほどフレンドリーなやり方だ。でも、根っからのオープンソースファンですら、Raspberry Piで組み込みシステムを作る人が増えることは大歓迎だろう。OSが何であれ。

Windows 10を使って何かクールなものを作った人は、ぜひ教えてほしい。今後の本誌記事で、ぜひ取り上げさせていただきたい。

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「何歳に見える?」Microsoftが年齢当てサイトを作った

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あなたは何歳に見える?年より老けてる? ビールを買うたびに身分証明書を要求されるくらい若い?

では、年齢を推定することだけのコンピューターから見て、あなたは何歳に見えるだろうか?

ちょっとした実験として、Microsoftの機械学習チームは、写真を渡すと写っている人たちの年齢を推定する(精度はまちまち)サイトを作った。彼らは「たぶん50人」が試してくれればいいと思っていたそうだが、数時間のうちに何万人もの人々が押し寄せた。

今日(米国時間4/30)のBUILDカンファレンスで簡単なデモを行って以来、サーバーを維持するのに苦労するほどの人気だ。

3MB以下ならどんな写真でもアップロードできるが、いろいろとバカなことを試す人たちもいる。私の犬は何歳に見えるか? あの壁についた顔みたいに見える汚れは? 37歳? わかった!

明るく写った写真を使えば、大体1~2歳の誤差で年齢を当てる[訳注:私(61歳)が今試したら62と出た!]。

もしひどく年を間違われても心配はいらない ― あなた一人ではない。最初に試した暗い写真では、システムは私に80の老人だと告げた。「オレがわからないのか、ロボットめ」と叫んでコンピューターを閉じれば、何の問題もない。

完全に爆発したこともある。

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アプリのバックエンドは常に新しい写真とデータを探しては学習を続けているので、理論的には時間と共に向上する〈はず〉だ。

もしサイトが〈全く〉表示されなくても心配はいらない。これもあなた一人ではない。人気が出始めた直後、サイトはかなり深刻なダウンに見舞われた。

MicrosoftのHow-Oldアプリはここでお試しあれ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Microsoftが.NETをオープンソースにしてLinuxとMacにポート

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昨年11月にMicrosoftは、これまでWindowsオンリーだった.NETプラットホームの中核的機能の一部をLinuxとMacに持ち込む、と発表した。今日(米国時間4/29)同社のデベロッパカンファレンスBuildで同社は、LinuxとMac OS X用の.NET Coreランタイムの完全な形のプレビューを披露した。

さらにMicrosoftは、Windows用.NETフレームワークの完全な形のリリースキャンディデート(リリース候補)を、デベロッパが即使える状態で発表した。

しかしもちろん最大の呼び物は、Windows以外のプラットホーム向けに.NET Coreがリリースされたことだ。Microsoftのデベロッパ部門担当VP S. “Soma” Somasegarによると、これからのMicrosoftは従来のようにデベロッパにWindowsを使わせるのではなくて、Microsoftがデベロッパが今使っているものに合わせていく。.NET Coreももちろん、そういう動きの一部だ。

Microsoftによると、.NETをクロスプラットホームにするのは、そのエコシステムを大きくすることから、メリットを得たいからだ。同社は最初の発表の直後に、.NETをクロスプラットホームにし、しかもオープンソースのプロジェクトとしてそうする、と述べた。そのための推進組織としてMicrosoftは昨年、.NET Foundationを立ち上げた。

オープンソースの世界で活発に振る舞うMicrosoftの姿を、異様と感じる人もいるかもしれないが、実は最近のMicrosoftは、いろんなオープンソースプロジェクトに積極的にコードを寄与貢献している。

.NETフレームワークの発表の前にも同社はすでに、Roslyn .NET Compilerプラットホームをオープンソースにした。今年の初めにMicrosoftが、オープンソース担当の子会社MS OpenTechを閉鎖したのも、これからはオープンソースプロジェクトへの取り組みをMicrosoftの本体内に位置づけるためだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Microsoftはクラウド企業への変身を志向する…2018会計年度の商用クラウドの売上を$20Bと予測

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Microsoftが今日(米国時間4/29)のデベロッパカンファレンスBuildで、2018会計年度(2017年半ば以降)に同社の商用クラウドの売上(年商)が200億ドルに達する、と発表した。Microsoftがここで“商用クラウド”と言っているのは、Azureと企業向けのOffice 365などのことで、その売上が一四半期あたり約50億ドルになる、というのだ。

それは、大金だろうか? まさに、そのとおりだ。同社の商用クラウドの今の年商は63億ドルだ。これは前年比で8億ドルの増になる。Microsoftの2017会計年度は今からほぼ9四半期後だが、それまでに各四半期ごとに10億ドルあまりの成長を達成する必要がある。今のペースから、大きく飛躍しなければならない、ということだ。

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ということはMicrosoftは、商用クラウドがなるべく早く同社の収益の柱になってほしい、と期待しているのだ。同社の最新四半期の総売上は、217億ドルだった

企業としてのMicrosoftは、WindowsやOfficeのユーザをオンラインの有料会員に変えたいと画策している。消費者向けのOffice 365は急成長して、最新四半期では会員が前四半期比で35%も増えた。Office 365の1250万の消費者会員ユーザは、同社にとって重要な継続的売上源だ。

つまりMicrosoftのクラウド化は、今や実際に起きていることであり、同社は投資家たちに、その成長がはやいのだ、と訴求している。これまでクラウドでは影が薄かったMicrosoftは、今やクラウド化に積極的に挑戦しようとしている。もしも目標の200億ドルに達しなかったら、同社のクラウド化はまだ道半ば、ということになる。

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Microsoftはクロスプラットホームな開発とホログラフ技術HoloLensに大きく賭ける

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Microsoftはこれまで、何をしてきたのか? 実は、いろんなことをやってきた。今日(米国時間4/29)のBuildカンファレンスは、キーノートが3時間半以上にもおよび、多様なプロダクトが紹介された: Office、Windows、Azure、そしてまだリリース前のHoloLensホログラフヘッドセットとオペレーティングシステム。

HoloLensは、ベーパーウェアではないことが明らかになった。Microsoftは集まったデベロッパたちに、HoloLensおたくたちのためのヘルメットを100基以上用意した、と告げた。 それで、ホログラフWindowsがエイプリルフールのジョークだ、という説が一掃された。

ぼく(Alex Wilhelm)とFrederic Lardinoisの二人は、イベントのあとで会場を歩きまわり、写真を撮った。今回の内容豊富なBulidを、ぼくらなりに総括すると、こうだ:

Microsoftは依然としてデベロッパに、Windows向けの開発を期待しており、今ではそのために提供するツールが、これまでになく充実している。たとえばAndroidやiOSのアプリをWindows 10のプラットホームにポートするツールがある。また、新しい(無料の)コードエディタは、WindowsとMacとLinuxの上で使える。ここまでのマルチプラットホーム化は、数年前までは考えられなかったことだ。

しかし今日は、Windows 10についてはあまり話が聞けなかった。でもMicrosoftは公開ベータを一定のペースでずっと出してきたから、年に一回の大きなイベントでまとめて発表するようなことは、ないのかもしれない。Windows 10のリリース予定日すらまだ発表しないことは、やや意外だったけど。

明日も本誌TechCrunchはBuildカンファレンスを取材する予定だが、今日ほど大きな発表は、もうないだろうな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Mesosphereの総合化プロダクトDatacenter Operating System(DCOS)がMicrosoft AzureとAWSに上陸

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さまざまなサーバで構成されるデータセンターを単一のエンティティとして扱えるためのサービスを提供しているMesosphereが、重要な結実期を迎えた。今日(米国時間4/29)同社は、Microsoft AzureとAmazon Web Services(AWS)の両クラウド上で、同社のDatacenter Operating System(DCOS)の公開ベータローンチした。オープンソースのApache Mesosをベースとする同社の技術にとって、これは大きな前進だ。

デベロッパはDCOSを使ってHadoopやCassandra、Jenkins、Googleのコンテナ管理サービスKubernetesなどのLinuxアプリケーションをクラスタ上で容易に動かすことができ、処理需要の増減に応じてのスケーリング、そのためのリソースプロビジョニングは、DCOSが自動的に行う。Mesosの基本機能により、これらのアプリケーションにとってデータセンターは、共有リソースの単一のプールになる。〔データセンター全体を一台のPCのように操作/管理できる。〕

TwitterやYelp、NetflixはすでにMesosを使っており、AppleもSiriのバックエンドをMesosの上で動かしている。

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今日行われたMicrosoftのデベロッパカンファレンスBuildで、AzureのCTO Mark Russinovichが、Mesosphereを使ってAzure上でクラスタをローンチするやり方を見せた。彼はその、200のノードから成るクラスタを素早く始動し、その上で2000のDockerコンテナをローンチした。Azureは今日、ややカスタムなデモを見せたが、AWSを使っているデベロッパもそれと同じ機能を同プラットホーム上で利用できる。

これまでMesosphereという名前だったはずのプロダクトがなぜ今日から急にDCOSになるのかというと、それまで同社はそのサービスを、Mesosの“スタック”に焦点を当てて語っていたのに対し、昨年の終わりごろからはそれらの関連サービスのすべてをDCOSへとパッケージングして、選ばれた少数のデベロッパにアーリーアクセスを提供し始めていたからだ。そして今日からは、すべてのデベロッパがここを窓口として、公開ベータにサインアップできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Microsoft、Windows 10は2~3年以内に10億台のデバイスで動くと予想

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Microsoftは今日(米国時間4/29)のBuildデベロッパーカンファレンスで、次期オペレーティングシステムWindows 10が2~3年のうちに10億台のデバイス上で動くと予想していることを発表した。

目標は理にかなっている。同社はWindows 10を現行のWindows 7, 8および8.1ユーザーに1年間無料で配布する決定を下したのだから。これに通常のパソコン販売サイクルとWindows Phoneユーザーのアップグレードを加えることによって、Microsoftは10億台という数字に致った。

留意点が2つある:Microsoftは自らにかなり大きな猶予を与えている ― 複数年のタイムフレームによる丸1年の幅は相当広い。しかし、Micsrosoftが何らかのリスクを抱えていることを考えればそれも驚くことではない。もし同社が逸早く大量のユーザーを引きつけることができなければ、デベロッパーはプラットフォームから逃げてしまう。

そしてもしデベロッパーがWindows 10を選ばなければ、消費者はWindowsストアの利用を控えるかもしれない。その結果ダウンロードは減り、Microsoftの売上、そしてもちろんデベロッパーの収入はダウンする。これは負の強化サイクルである。

10億の数字はMicrosoftの未来に向けた良い挑戦であり、達成されなければならない基準である。Windows 10は数ヵ月後に登場し、その時Microsoftにとってこの特別な時計が動き始める。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Microsoft、Windows PhoneをデスクトップPCに変える”Continuum”をデモ

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Microsoftは、Windows 10のシングルプラットフォーム/複数フォームファクター化アプローチの興味深い可能性を披露した:スマートフォンをデスクトップパソコンとして使う。

Appleの “Continuity” が電話、タブレット、およびデスクトップをシームレスにつなぐのに対し、MicrosoftのContinuumは、使用環境に合わせてスマートフォンのインターフェースを順応させる。

MicrosoftのJoe Belfirreが壇上のデモでWindows Phone端末にモニター、キーボード、マウスをつなぐと、瞬時にUIがに新たな入出力に対応した。画面のOSインターフェースは、ノートやデスクトップパソコンのWindows 10と全く同じには見えなかったが、アプリ(特にPowerPoint)はそっくりだ。5インチ画面用にプレゼンテーションを微調整するよりも、スマートフォンをHDMI対応モニターにつなげばデスクトップと同じスペースとツールが使える。

Belfioreは、PowerPointのプレゼンをあらゆるフォームファクターにスケーリングされるよう作っておくと最も効果的だと指摘していたので、この機能を多くのユーザーが利用したくなるかどうかは、Windows 10対応を約束しているデベロッパーたちの努力にかかっている。

もちろんスマートフォンのハードウェアは本格的デスクトップインターフェースを動かすようには作られていない(Motorolaに聞いてみるといい!)。それを踏まえBelfioreは、この機能が将来のデバイスで動作するものであることを示唆した ― Continuumが来たるべきLumiaシリーズのセールスポイントになる兆候だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Microsoft、Visual Studio Codeをリリース―OS X、Linux、Windowsで動作する無料の軽量コードエディタ

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今日(米国時間4/29)からスタートしたBuild 2015デベロッパー・カンファレンスでMicrosoftはVisual Studio Codeを発表した。これは最新のウェブ・アプリ、クラウド・アプリを開発するのに向いた軽量のクロスプラットフォームのコードエディタで、Windowsの他にOS XとLinuxで作動する。現在はまだプレビュー版だが、 こちらからダウンロードできる(無料)。

Visual Studio CodeはMicrosoftとして初めてのクロスプラットフォーム・コード・エディタだ。フル機能版のVisual StudioはまだWindowsのみだが、今日の発表はMicrosoftが他のプラットフォームのサポートにも本腰を入れてきたことをはっきり示すものとなった。

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今週、私の取材に対してMicrosoftのデベロッパー部門のコーポレートVP、S. ‘Soma’ Somasegarは、「多くのデベロッパーがWindows上で開発を行っているが、同時にLinuxやMacで開発を行っているデベロッパーも多い。彼らにWindowsを強制せず、オリジナルの環境で開発できるようにしたいと考えた」と語った。Mac、LinuxのデベロッパーはVisual Studioのようなフル機能のIDEを使わず、Sublime Textのような簡素なエディタで開発を行うことが多い。

Buildカンファレンスのキーノートによれば、Visual Studio Codeは主要な開発言語を多数サポートするという。またコード入力アシスタント、ナビゲーション機能が強力で、特にJavaScript,、TypeScript、Node.js、ASP.NET 5のデベロッパーには特別なツールが提供される。

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Visual Studio Codeにはシンタックスのハイライト、キーボードのカスタマイズ、括弧の対応、スニペットなど最新のコード・エディタに期待されるツールはすべて含まれている。Somasegarによれば、デフォールトでGitに対応するという。

またSomasegarは、「このエディタはわれわれがStudio OnlineのMonacoエディターでAzureウェブサイトを開発した経験に一部基いている。同時にVisual Studioの言語対応機能も取り入れた」と説明した。これにはNETのコンパイラ・プラットフォーム、Roslynが含まれる。Microsoftによれば、Visual Studio Code向けに開発された言語サービスはSublime Text、Vi、Atomなどのエディタからも利用できるようにするという。

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最近、MicrosoftはTypeScriptプラグインをSublime Textから利用できるようにするなど外部エディタのサポートに力を入れ始めている。Somasegarは「われわれはこうした外部エディタのサポートを拡大していく」と語った。

今日の発表は多くのデベロッパーにとって驚きだったはずだ。しかし、Microsoftが幅広い環境でデベロッパーをサポートする努力を始めたのはかなり前からだ。たとえば、.NET Coreのオープンソース化(とクロスプラットフォーム化)や無料のVisual Studio Community Editionをリリースするなどしている。

ほんの数年前にはMicrosoftがこうした方向に舵を切るとは想像できなかった。ともあれ嬉しい驚きだ。

〔日本版〕ダウンロードとインストールは日本からも可能。ダウンロードファイルは58.1MB。ユーザーに既存プロジェクトがない場合は新規プロジェクトをYeomanで作成するよう勧められる。

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Build 2015カンファレンス関係記事〔原文〕

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft、Build 2015カンファレンスで新ブラウザはMicrosoft Edgeと発表―ビデオ予告編公開

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Internet Explorerが終了することは分かっていた。

後継のブラウザが近くリリースされることも分かっていた。

しかしブラウザの名前はProject Spartanという開発コードネームしか分からなかった。

その新ブラウザのプロダクト名がさきほど公開された。Microsoft Edgeだ。

Microsoftのデベロッパー向けカンファレンス、BuildでMicrosoft EdgeがWindows 10のデフォールト・ブラウザになると発表された。

Edgeに関する詳細はまだ不明だが、少なくとも以下のような特長があるという。

  • パーソナル・アシスタントのCortanaの組み込み
  • ブラウザ内でのメモ書き込みと共有
  • デザインはシンプル第一のミニマリズム
  • レンダリングは独自のEdgeHTMLエンジン

今回もフルサイズのスクリーンショットは公開されなかったが、何枚かデモ画面から撮影した画像を下に貼っておこう。

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映画予告編スタイルのイメージ・ビデオ

〔日本版〕表示中のウェブページに直接書き込みができるのが特長の一つのようだ。下のビデオでMicrosoftは「Edgeではユーザーが積極的に行動を起こせる」と強調している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+