2016年に約4600億円で非公開化したRackspaceが再IPOを準備、少々図々しい

1株当たり32ドル(約3400円)、総額43億ドル(約4600億円)の条件をApollo Global Management(アポロ・グローバル・マネジメント)から受け入れ2016年に非公開化(未訳記事)したあと、Rackspace(ラックスペース)は再び公開市場に目を向けている(Form S-1提出書類、上場前に米証券取引委員会に提出する書類)。同社は2008年に初めて株式を公開した。そのデビューから約12年経ち、 二度目の株式公開を目指している。

Rackspaceは自社の事業を「マルチクラウドテクノロジーサービス」ベンダーだと表現し、顧客のクラウド環境の「設計・構築・運用」を支援している。同社自身がサービスに注力していると強調していることは、後述するように同社の財務面の特徴を理解するヒントになる。

だが最初にいくつかの基本事項から。同社のS-1申請書類では、株式公開による調達金額を仮に1億ドル(約107億円)としている。この数字は変わるが、仮の数字としてよく使われるもう1つの数字である5億ドル(約535億円)よりも、株式発行による収入の目標が1億ドル(約107億円)に近いことを示している。

RackspaceはNadaq(ナスダック)市場にティッカーシンボル「RXT」で上場する。 Goldman(ゴールドマン)、Citi(シティ)、J.P. Morgan(J.P. モルガン)、RBC Capital Markets(RBCキャピタルマーケッツ)などの銀行が2度目のデビューで引き受けを担当する。

財務実績

非公開企業になったほかの企業と同様、後になって再び公開企業としてデビューするRackspace(未訳記事)は「借金の海」を抱えている。

2020年3月31日時点の同社の貸借対照表には現金および同等物が1億2520万ドル(約130億円)計上されている。貸借対照表の反対側には39億9000万ドル(約4300億円)の負債を抱える。主な内容はタームローンファシリティ(中長期のローン)が28億2000万ドル(約3000億円)とコスト(利率)8.625%のシニアノート(高格付け債券、シニア債)が11億2000万ドル(約1200億円)だ。シニアノートよりコストが4%ほど低いタームローンは、Rackspaceを非公開化した際の借入金20億ドル(約2140億円)と、後に「Datapipeの買収に関連して」借り入れた8億ドル(約820億円)からなる。

もともと総額12億ドル(約1300億円)あったシニアノートは、2016年に同社が非公開化した際に借り入れたものだ。借りてきた金で企業を買収し、後で再び公開し、その資金で膨らんだ負債を減らす。それを可能にするプライベートエクイティの能力が「もうけ」をもらたすが、少々図々しい。

RackspaceはIPOで調達する資金で、タームローンとシニアノートの両方を含めた負債を減らす予定だ。負債をどれだけ減らせるかはIPO価格による。この負債によって同社は、営業ベースの収益性は良いが、純利益ベースでは非常に収益性が低い会社となっている。下表を見てほしい。

画像クレジット:SEC

一番右の列を見ると、売上高が大きい企業だとわかるが、粗利益はテック企業にしては小さい。2020年第1四半期は売上高6億5270万ドル(約700億円)から営業利益2150万ドル(約23億円)を生み出した。だが、7200万ドル(約77億円)の支払利息もあり、4820万ドル(約52億円)もの巨額の純損失を計上した。

ただし、同じ3カ月で営業キャッシュフローはプラスになっており、何もかも失われたわけではない。それでも、同社の数十億ドル(数千億円)の負債は巨額であり、負担は大きい。

Rackspaceの事業の説明に戻り、同社が「マルチクラウドテクノロジーサービス」を提供していることを思い出してほしい。これが物語るのは、粗利益が今後はサービスから生まれ、ソフトウェアからではなくなるということだ。実際にそうなっている。2020年第1四半期の同社の粗利益は38.2%で、前年同四半期の41.3%から下落した。この傾向は気がかりだ。

成長の軌跡もやや不安定だ。2017年から2018年にかけて、売上高は21億4000万ドル(約2290億円)から24億5000万ドル(約2620億円)へと14.4%増加した。同社は2019年にわずかに縮小し、売上高は2018年の24億5000ドル(約2620億円)から翌年度には24億4000万ドル(約2610億円)に減少した。2019年の景気とクラウドの重要性を考えると、結果は少々驚きだ。

ただし2020年第1四半期は増収となった。同社の第1四半期のトップライン(売上高)6億5270万ドル(約700億円)は、2019年第1四半期の6億690万ドル(約650億円)を楽に上回り、7.6%成長した。それほど大きなことではないが(特に粗利率が低下している)、成長路線へ戻ることはいつでもおそらく歓迎される。

TechCrunchは開示書類に目を通したものの、現時点ではS-1で2020年第2四半期の結果を確認していない。新型コロナウイルスの時代にあって、第2四半期の数値を開示せずに魅力ある株価でデビューすることは難しいと考える。

Rackspaceの評価はパズルのように難しい。同社は一種のテック企業だから、ある程度の関心は集まる。だが、成長率の低さ、巨額の負債、さえない利益率により、「正しい」マルチプル(投資尺度)を定めるのが難しい。それらが解消すれば評価は上がる。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

Rackspaceが企業のSalesforce導入を助けるRelationEdgeを買収、アプリケーション管理の部門を充実へ

Rackspaceが今日(米国時間5/17)、Salesforceの実装パートナーでデジタルエージェンシーのRelationEdgeを買収したことを発表した。価額など買収の条件は公表されていない。

Rackspaceは今でも多くの人が、ホスティングとマネージドクラウドサービスとIaaSの企業だと思っている。そしてRelationEdgeは、企業がSalesforceのSaaSを実装しようとするとき、それを支援し管理するサービスだ。しかしRackSpaceは近年、業態の多様化に努めており、各種SaaSアプリケーションの管理サービスもそのポートフォリオに含めようとしている。その最初の試みが、昨年のTriCoreの買収で、こちらもやはりエンタープライズのアプリケーション管理を提供する企業だ。本日の買収も、同じ路線上にある。

Rackspace Application ServicesのゼネラルマネージャーGerard Brossardによると、アプリケーション管理サービスに関しては同社はまだ草創期だが、これらの新しい提供物により新たな顧客を獲得しつつあり、既存の顧客もRackspaceにIaaSを超えた管理サービスを求めるようになっている。そして、“これによってSaaSの管理サービスの分野に参入できるし、しかもSalesforceはエンタープライズSaaSのリーダー格だ”、という。

一方、業績も良く、社員が125名もいるRelationEdgeは、なぜ身売りするのか? RelationEdgeのファウンダーでCEOのMatt Stoykaはこう語る: “まるで木々の自然成長のように、わずかな資金でここまで伸びてきたが、目の前にはもっと大きな機会がある。しかしそれをものにするためには、現状を超えた力が必要だ。つまり社員と企業の両方にとって、正しい新居が必要なのだ”。

彼によると、両社は社風も似ているそうだ。とくに、技術そのものよりも、それが生み出す結果を重視するところが。

当面、RelationEdgeのブランドはそのまま残り、Rackspaceとしても、現状のリーダーシップによる企業の独立性を尊重する、とBrossardは言っている。RelationEdgeのブランドイメージは無視できない、ということだ。

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クラウドで出遅れたRackspaceがクラウドにやる気を見せてきたGoogleのCloud Platformに管理サービスを提供

AWSを筆頭とする三強に押されてこのところ管理サービスに転身しつつあるRackspaceが今日(米国時間3/8)、その管理サービスのポートフォリオにGoogle Cloud Platformを加える、と発表した。これまで同社がサービスを提供してきたのは、Amazon Web Services, Microsoft Azure, およびOpenStackのクラウドを使おうとするクライアントたちだ。これからはGoogleとRackspaceの協働により、管理を伴うクラウドサービスが提供される。その立ち上げは今年後半とされているが、具体的な日程は不明だ。

この二社共同提供物のクライアントには、クラウドの構成、実装、データのマイグレーション、その後のオペレーションのサポートなど、通常の管理サービスが提供される。こうやってパブリッククラウドの(その利用の)管理をRackSpaceのようなサービスに頼むと、ユーザー企業にとっては、自社でクラウド管理専任スタッフを雇うよりも、往々にして安上がりなのだ。

RackSpaceがこれまでGoogle Cloud Platform(GCP)をサポートしなかった理由は、それを求めるクライアントが少ないから、とされていた。しかし最近のGoogleはクラウドに本気で注力してきているから、状況は変わってきた。Rackspaceが挙げている 451 Researchの調査報告によると、最近の1年間でGCPのユーザーは倍増している。

RackSpaceでGCPサービスを担当するゼネラルマネージャーPatrick Leeが、今日の発表声明でこう述べている: “GCPはこのところ、日増しに勢いを増しており、ワークロードをこのプラットホームへ移行する企業も増えている。そして彼らは、その新しい旅路を支える専門的技術とサポートパートナーを求めている。そのGoogle Cloudに弊社のFanatical Supportを提供することにより、顧客企業のビジネスニーズの進化を支えることができる”。

たしかにGoogleのクラウド事業はこのところ、前向きの評価に変わりつつあるが、サポート、とくにエンタープライズ級のサポートに関してはまだ高評価とは言えない。これまでの煮え切らない数年間でAWSやAzureに許してしまったリードを挽回するためにGoogleは、これからは顧客にRackspaceの管理サービスを紹介することができる。

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Microsoftが次世代型クラウドハードウェアの設計をオープンソース化…コミュニティのコラボレーションに期待

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Microsoftが今日、同社の次世代型ハイパースケール(hyperscale, 自動スケーリング)クラウドハードウェアの設計をオープンソースにし、それをOpen Compute Project(OCP)に寄贈した。Microsoftが2014年に参加したOCPには、Facebook, Google, Intel, IBM, Rackspaceなど、多くのクラウドベンダがいる。これまでの2年間で同社はすでに、サーバーやネットワーキング、データセンターなどの設計をいくつか寄贈している。

同社がProject Olympusと呼ぶこのオープンソース事業は、完成した設計をオープンソースにして寄贈する通常のやり方と違って、設計がまだ最終的な商用化のレベルに達していない。つまり、設計過程にコミュニティがコラボレーションしていくことを、前提しているのだ。

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Azureでハードウェアインフラストラクチャを担当するゼネラルマネージャーKushagra Vaidが、今日の発表声明で述べている: “私たちは、これまでにも、OCP Foundationやオープンソースコミュニティとの密接な協働関係から、非常に多くのことを学んだ。しかしそこで理解した重要なことは、現在のオープンソースハードウェアの開発が、オープンソースソフトウェアほどアジャイルでもなく、頻繁な反復型でもないことである”。そこで、コミュニティに設計への初期的アクセスを与えることによって、Microsoftは“新製品の市場化までの時間を縮小し、投資費用を縮減する”ことを、期待するのだ。

Project Olympusの設計に含まれるのは、新しいマザーボードと、電池内蔵により高可用性の電源装置、高密度ストレージ拡張能力のあるサーバーシャシー、および、複数の(ときに多様な)マシンを載せるサーバーラック群に行き渡る電源配布ユニットだ。既存のデータセンターとその構成のもとで、すぐに使えるために、モジュール性を重視した設計になっている。

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FacebookのOCPサーバー

Open Compute Project FoundationのCTO Bill Carterは、今日の声明文でこう述べている: “Microsoftはオープンソースハードウェアの開発に、新しい時代を切り拓いた。コラボレーションと市場化の方法に新しい姿を持ち込んだProject Olympusは、OCPとオープンソースデータセンターハードウェアの、これまでの歴史になかったものである”。

Microsoftは、FacebookなどそのほかのOCPメンバーと同様、自己のデータセンターにおいてOCPのハードウェアを広範囲に利用している。Microsoftによると、同社が購入したサーバーの90%以上は、OCPに寄贈された仕様に基づいている。OCPを創始したFacebookでは、ほとんどすべてのサーバーがOCPマシンだ。Googleも今年初めにOCPに参加したが、クラウドプラットホームのマーケットリーダーであるAmazonは、まずそもそも、未だにオープンソースに向けての動きがなく、今後についても不明である。

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RackspaceがWebホスティング部門Cloud SitesをLiquid Webに売却

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一週間あまり前からの噂ではRackspaceが売りに出ているということだったが、しかし今日(米国時間8/8)の同社の発表によると、何もかも洗いざらい売るのではなく、Webホスティング部門のCloud SitesをLiquid Webに売る、という話だ。

Liquid Web自身が、クラウド上のWebホスティング企業だから、両社は相性抜群で、同社が買収によって事業を拡大しようとしているように見える。

また両社はともに、献身的なカスタマサポートをマーケティングの柱にしており、Liquid Webによると、それこそが同社をWebホスティングのその他大勢から差別化する要素だ、という。

Liquid WebのCEO Jim Geigerが、声明文で言っている: “残念なことにこの業界は、サポートのないサービスがトレンドになりつつある。そこで、急成長しているデベロッパー企業や、デジタル世界のエージェンシー、デザイナーなどは、ヘルプが必要になったときに頼れる者がいないのだ”。

同社のプレスリリースによると、買収はあくまでも“顧客に喜んでいただくためだ”という。そしてRackspaceのCloud Sitesが加わったことによって、そのミッションをさらに拡大できる、と。

Cloud Sitesを得たことによってLiquid Webのサービスには、WordPress, Drupal, Joomla, .NET, PHPおよびそのほかの開発環境〜プロダクション環境のサポートが加わる。

テキサス州サンアントニオのLiquid Webは、Cloud Sitesを手に入れてもまったく何もいじらないし変えないから、Cloud Sitesの既存のユーザーもスムースに移行ができる、と約束している。移行といっても、会社のオーナーが変わるだけだ。またLiquid Webによると、Cloud Sitesの拡張も今後行っていく。

というわけで、良い話ばかりのようだが、実際どうなるかは今後の経過を見ないと分からない。Cloud Sitesの社員と既存の顧客は、移行が実際にどれだけスムーズかを、体験することになる。

Rackspaceの残りの部分に関しても、いろんな兆候からして、今後、売却は大いにありえる。その時期は、近いかもしれない。今はまだすべてが、水面下のようだけど。

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Rackspaceが同社のプライベートクラウドの顧客のためのモニタリングツールとしてAppFormixを選ぶ

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Rackspaceが今日(米国時間4/25)、AppFormixとのパートナーシップを発表し、同社のOpenStackによるプライベートクラウドの顧客に、AppFormixのクラウドモニタリングとパフォーマンス最適化ツールを提供していくことになった。

このパートナーシップによりRackspaceはAppFormixのツールをライセンスし、Rackspaceを利用して自分たちのクラウドを管理しているプライベートクラウドの顧客全員に提供する。それによりR社の顧客はA社のリアルタイムモニタリング、アナリティクス、および最適化ツールにアクセスでき、またR社の技術者も、これらのツールを利用して顧客のクラウドを管理する。

Rackspaceにとって、これはやや異例な動きである。従来、同社のクラウド事業の技術的側面を管理するツールは、同社自身が作るのが通例だった…なんといってもRackspaceは、NASAと共に、OpenStackプロジェクトの創始者だ。Rackspaceのプロダクト管理担当シニアディレクターBryan Thompsonに、なぜ同社のOpenStack Private Cloudビジネスのために、ツールの内製でなくAppFormixを選んだのか、尋ねてみた。

彼は、最初は内製するつもりだったが、“AppFormixにはクラウドツール専門のチームがいた。チームと面談した結果、彼らがたいへん有能であることを知った。われわれがこれまでやろうとしていたことと、相性がとても良い。ツール作りに関しては、彼らにまかせた方が早い、と感じた”、と答えた。

それは、大企業がスタートアップを買収するときのよくある理由付けであり、Thompsonによると、内製よりも買収を選んだことで機嫌を損ねた社員も一部にはいるそうだ。

AppFormixのCEOでファウンダーのSumeet Singhによると、同社は必ずしもOpenStackオンリーの企業ではない。Googleが育てたコンテナ管理ツールKubernetesも、もちろんサポートしている。そして今では、KubernetesとOpenStackの併用は円滑にできるし、とくに問題はない、と。

AppFormixは昨年、August Capital率いるシリーズAのラウンドで700万ドルを調達し、すでにIntelなどとのパートナーシップにより、多くの顧客に同社のサービスを提供している。

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OpenStackの第13リリースMitakaは大企業のプロダクションユースの増加に対応して管理性とユーザー体験に注力

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OpenStack Foundationが今日(米国時間4/7)、そのオープンソースのエンタープライズクラウドプラットホームの13回目のリリース、Mitakaをローンチした。

多くの点でこの新しいリリースは、2010年にRackspaceとNASAから孵化したこのプロジェクトの、さらなる成長ぶりを見せている。重要な機能を新たにたくさん加えることよりも(今回も多いことは多いが)、焦点はこのプラットホームをクラウドの運用者にとって管理しやすくすることと、全体的なユーザー体験の改良に置かれている。

“焦点の置きどころを変えたのは、ほぼ2年前ぐらいから、大企業や大きな組織がOpenStackを彼らのITの最前線で使い始めているからだ”、とOpenStack FoundationのCOO Mark Collierは語る。

そういう大型ユーザー、AT&TやComcast、SAP、Time Warnerなどは、デプロイが容易であることを強く求める。どう転んでもOpenStackが相当複雑なプロジェクトであることに変わりはないから、ユーザーはまず、デプロイに関してさまざまな意思決定を迫られる。そう強調するCollierによると、そのため今では、このプラットホームのコアなコンポーネントはなるべくデフォルトの設定で行けるようにして、ユーザー元におけるセットアップや構成の努力を省力化している。それらのデフォルトは、OpenStackの大型ユーザーの多くが開発してきたベストプラクティスに基づいている。そのひとつの例であるOpenStackの”Keystone“アイデンティティサービスは、アドミニストレーターがActive Directoryなどのアイデンティティサービスを統合でき、またセットアップのプロセスを単純化している。

さらにCollierによると、この新しいリリースはユーザー体験の改良にも力を入れ、デベロッパーがOpenStack用のより良質なアプリケーションを書けるようにしている。たとえばデベロッパーは、これからはOpenStackの統一化クライアントを利用できるので、ワンセットの呼び出しでプラットホーム上にさまざまなリソースを作ることができる。今回のMitakaリリースはSDKもアップデートし、デベロッパーがOpenStackの”Neutron”ネットワーキングスタックをずっと容易に使えるようにしている(その一部はまだ開発途上ではあるが)。

ここ数年の動きの中でCollierにとってとくに意外だったのは、多くの通信企業が今では、ネットワーク機能のソフトウェアによる仮想化を採用するためのデファクトの方法としてOpenStackを利用し、これまでのようにプロプライエタリで高度に専用機化されているハードウェアを使わずに、情報のルーティングを行っていることだ。とくに彼が注目したのは、たとえば今のAT&Tの顧客は、電話をかけるたびに、なんらかの形でOpenStackに触(さわ)っている可能性が高いことだ。AT&T以外にも、Deutsche Telekom, Telefonica, (AOLとTechCrunchの親会社)Verizonなどの著名企業が、今やOpenStackのユーザーだ。

Collierがもうひとつ強調するのは、OpenStackに対する関心の多くが、これまでは、それをプライベートクラウドの構築に利用している企業に由来していたが、しかし今では、とくにアジアとヨーロッパで、OpenStackをパブリッククラウドのデプロイに使用している企業もたくさんあることだ。ただし合衆国は、まだそこまで行っていない。DreamHostやRackspaceなど、OpenStackによるパブリッククラウドに力を入れているところも少なくはないが、ユーザー数で言えばAWSが圧倒的に大きいのだ。

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ハードウェアからソフトウェアまで、企業のOpenStackプライベートクラウド導入と管理のすべてを支える「おまかせ」サービスをRackspaceがローンチ

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RackspaceはNASAと共に、オープンソースのクラウドコンピューティングプラットホームプロジェクトOpenStackの創始者であり、また同社は長年、OpenStackのプライベートなデプロイメントを管理するサービスを企業に提供してきた。しかしそのためには企業ユーザーは、ハードウェアのインフラストラクチャを自前で構築する必要があり、かなりの初期コストを要した。

しかし今日(米国時間4/7)からは、OpenStackでプライベートクラウドを構築したいと考えているエンタープライズ(大企業)や中小企業はRackspaceに、ハードウェアからソフトウェアスタックまで完全なワンセットのOpenStackクラウドを作らせて、そのモニタリングや管理も任せることができる。

これまでRackspaceは材料表を提供するだけで、企業がそれをRackspaceのリファレンスアーキテクチャに従ってデプロイしていた。これからの新しいサービスでは、Rackspaceが自分のデータセンターの構築に使用した仕様に基づいて、必要なハードウェアをセットアップする(それには少なくともネットワーキング、ストレージ、コンピュートなど用のキャビネットが含まれる)。デプロイのすべての側面もやはりR社の社員が管理し、顧客を彼らの新しいクラウドに慣れさせていく。R社はアップタイム99.99%のSLAを顧客に提供しするが、もちろんそれには、同社がコントロールできないデータセンターの停電などは含まれない。

RackspaceのOpenStack Private Cloud担当GM兼VP Darrin Hansonによると、その基本的な考え方は、OpenStackを管理付きサービスの集合の完全なスイートから成るサービスとして提供することにより、それを単純化することだ。現状は、多くの企業がOpenStackを使いたいと思っているが、それができる人材がいない。いたとしても、OpenStackのデプロイは複雑なタスクだ。しかし今回立ち上げたサービスなら人材問題をバイパスできるから、OpenStackの敷居がきわめて低くなる、とHansonは主張している。

Rackspaceはこの方式による新しいプライベートクラウドを、ほとんど世界中のどこのデータセンターにもインストールできるが、同社はEquinixともパートナーしているので、同社のデータセンターでのデプロイならさらに迅速容易になる。

この新しいサービスは当面はOpenStackが中心だが、Hansonによれば、長期的にはほかのサービスやプラットホームにも対応していきたい、という。たとえば、完全な管理を伴うHadoopのインストール、なんかだ。

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高価なGPUやFPGAなど特殊ハードウェアをクラウド上で安価に利用できるBitfusionのCloud Adaptorサービス

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今年の本誌主催TechCrunch Disrupt NYのStartup BattlefieldでデビューしたBitfusionは、アプリケーションが高性能なハードウェアの上で走る場合、ジェネリックで平凡なコードを実行させず、そのハードウェアの性能をフルに使って動けるようにする。デスクトップの場合はもちろんだが、これからは、特殊で高性能なコンピューティングクラウド(“スーパークラウド”)上でもそれができる。

同社の最初のプロダクトBoostは、ライブラリをマシンのハードウェアに合わせて最適化することによって、既存のアプリケーションを高速化する。これまで非公開アルファだったBoostはこのほどベータに移行したので、誰もがここで登録できる。

Bitfusionの協同ファウンダでCEOのSubbu RamaとCTO Maciej Bajkowskiによると、初期のユーザは機械学習やデータサイエンスのプロジェクトにBoostを使ってみて、感激している人が多いそうだ。今のところBoostが対応しているアプリケーションは、Blender, ImageMagick, Octave, Matlab, Torchなどだけだが、今後はもっと増やしたいと同社は言っている。

同社は、Boostをメインのプロダクトと見なしているが、これまでBitufsion Labsの実験的プロジェクトだったCloud Adaptorは、さらにエキサイティングなプロダクトだ。

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デベロッパがCloud Adaptorを利用すると、本来ローカルマシンのために書いたアプリケーションが、クラウドの上でもGPUやFPGAにアクセスできる。アプリケーションは自分が高度なハードウェアを揃えたラップトップの上で実行されていると思い込んでいるが、実際にはそれらのデバイスはクラウドにある。

Ramaは語る、“Cloud Adaptorはわれわれにとって、Boostの次に当然取り組むべき課題だった。Boostはインノード(in-node)のアクセラレーションを提供するが、でも自分のマシンに適正なデバイスがなかったら、そこでお手上げになる”。

しかしCloud Adaptorのコマンドラインツールを使えば、デベロッパはたとえばAWSやRackspace、SoftlayerなどのクラウドのGPUにアクセスでき、またRackspaceと共同開発したBitfusionのクラウド上のFPGAにもアクセスできる。

ふつう、デベロッパがAltera FPGAにアクセスするのは容易ではないが、このサービスを利用するとクラウド上のそれらを簡単に利用できる。あるいは、IntelがAltera FPGAを内蔵したXeonチップを出すまで待つか、だ。

もちろん、違いがはっきり現れるのは、デベロッパがそういう特殊なハードウェアをフルに利用するアプリケーションを書いた場合だ。デベロッパは、APIの呼び出し回数に応じて課金される。

RamaとBajkowskiによると、これまでのデベロッパはGPUやFPGAsの利用を前提とするコードを、書くことはできてもテストすることができなかった。でもこのCloud Adaptorを利用すれば、高価なハードウェアを買わなくてもクラウド上で自分のアプリケーションを動かせる。

このサービスによって、高度なハードウェアを利用するアプリケーションを書くデベロッパ人口が一挙に増える、とBitfusionは期待している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

コンテナ化したアプリケーションがベアメタル級の速さで動くクラウドホスティングサービスCarinaをRackspaceが立ち上げ

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Rackspaceが最近ますます、コンテナに深入りしてきた。その同社が今日(米国時間10/27)、コンテナサービスCarinaのベータローンチを発表した。Carinaは完全な管理サービスを伴うコンテナ環境で、ベアメタルのパフォーマンスを提供するとともに、デベロッパがローカルに使い慣れていたDockerツールをすべて提供する。

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Rackspaceのプロダクト/ストラテジ担当SVP Scott Crenshawと上級ソフトウェア設計技士Adrian Ottoによると、チームはとくに、高速で使いやすくて、コンテナ環境を使うときの複雑性をすべて隠した開発/運用環境の提供を目指した。OttoはOpenStackによるコンテナプロジェクトMagnumをリードし、Carinaはその上で動く。

このベータは長期に及ぶと想定されるが、その期間中はサービスを無料で利用できる。最初はDocker中心だが、長期的にはMagnumとOpenStackの柔軟性を生かして、KubernetesやMesosなどそのほかのコンテナオーケストレーションエンジンも使えるようにしていく。

Carinaによる、マルチテナント環境とベアメタルに近いパフォーマンスの組み合わせは、高性能なシステムをローコストで提供できる、とチームは信じている。Ottoによると、高度なセキュリティを目指した場合、マルチテナントのシステムは必ずしも最適の選択ではないかもしれないが、ユーザにはRackspaceのプライベートクラウドサービスを利用する選択肢もある。

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同社のこれまでの経験に基づいて選ばれたデフォルトの集合があり、ユーザは通常、それらのデフォルトの上でサービスを利用する。ただしもちろん、細部の変更は自由だ。Ottoはによると、多くのユーザがコンテナオーケストレーションエンジンとしてデフォルトのDocker Swarmをそのまま使い続けるだろう、という。癖の強いKubernetesに比べれば、Swarmの方が(重要な項目における)デベロッパの自由度が高いそうだ。

このサービスは従来的なハイパーバイザを使わない設計(代わりにlibvirt/LXCを使用)なので、従来からの仮想マシンを使うサービスに比べてコンテナの始動が相当に速い。しかしセキュリティなどの面で仮想マシンにこだわるユーザもいるので、今後は仮想マシンもサポートしていく予定だ。

大手のパブリッククラウドのベンダたち(Google, AWS, Microsoft)は今こぞって、独自にコンテナサービスを提供している。しかしRackspaceのサービス(Carina)は、それらよりも速いだけではなく、コンテナを抽象化して(物理的細部を隠して)デベロッパに提供している。それに、Rackspaceとしては当然ながら、競合他社よりも一段レベルの高いサービスを提供できる、とチームは信じている。

Rackspaceはこれまで、多くのパートナーと組んで非公開ベータを行ってきた。たとえばO’Reilly Media社は、オンラインの学習ツールをコンテナを使って動かしている。DrupalやWordPressのホスティングサービスPantheonは、かなり前から、プラットホームのコアにコンテナを利用している。

本番供用になった場合の料金体系を同社はまだ発表していないが、Ottoは、同じワークロードをほかのパブリッククラウドサービスで動かした場合よりも相当安くなる、と約束している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

OpenStack Foundationがクラウドアドミンの資格認定事業を発表、分かりやすい構造理解のため視覚化ツールをローンチ

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二年に一度行われるOpenStack Foundationのカンファレンスで、OpenStackによるクラウドを管理するアドミンの資格認定プログラムが発表された。

OpenStackは多くのサブプロジェクトで構成されているので相当複雑であり、このソフトウェアフレームワークを使ってクラウドを構築しようとする企業にとってはとくに、有能なアドミニストレータを見つけるのが難しい。

数年前に当Foundationは教育訓練のマーケットプレースを立ち上げ、そこにRedHat、MirantisなどのベンダやLinux Foundationのような団体が提供するコースを陳列した。Foundationの事務局長Jonathan Bryceは今日のキーノートで、このコース紹介は非常にうまくいったが、しかしそれでもまだ、十分な数の有能な人材は育っていない、と述べた。

今回の資格認定事業は、Foundationが多くの企業(Canonical, Cisco, HP, Mirantis, Rackspace, SuSEなど)の協力を得て開発したもので、これがOpenStackアドミンの基準になることをねらっている。

認定が欲しいアドミンは、まず地球上のどこからでも受けられる認定試験を受ける。最初の試験は同FoundationとLinux Foundationの協力により、2016年に行うが、その試験勉強のためのコースはおよそ20社の教育訓練プロバイダから提供される。受験料などは現段階では未定だ。

OpenStack FoundationのCOO Mark Collierが今日の記者会見で語ったところによると、今後はデベロッパをはじめ、OpenStackのエコシステムを構成するそのほかの主要ロールについても、このような資格認定方式を導入するそうだ。

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OpenStack Foundationは今日(米国時間10/26)、資格認定〜教育訓練事業のほかに、Project Navigatorという情報閲覧ツールをローンチした。このサービスもやはり、OpenStackの複雑性対応の一環で、ナビゲータは今のOpenStackを構成するおよそ25あまりのサービスやサブプロジェクトの一つ々々について情報を提供する(それらの成熟度、パッケージング、ドキュメンテーションなど)。Project Navigatorは、OpenStackが最近行った‘構造改革’の成果を前面に打ち出している。それは構成サブプロジェクトを「コア」(コンピューティング、ネットワーキング、ストレージ)と、そのほかの「オプション」の二つに分ける、という構造だ。

“サブプロジェクトを「コア」と「オプション」の2グループに分けた目的は、OpenStackによるクラウドの構築とデプロイを単純化するためだ”、とCollierは述べる。“Project Navigatorはその単純化された構造を分かりやすく視覚化して表現し、ユーザがOpenStackクラウドの構築に取り組むとき、必要な部位の選択を容易にできるようにすることが、ねらいだ”。

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OpenStackクラウド設営サービスのAnsibleがCiscoやCSC、HP、Rackspaceなどとパートナーして大幅アップデート

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IT自動化サービスAnsibleが今日(米国時間5/18)、HPやRackSpace、CSC、Ciscoおよびオープンソースのコミュニティとパートナーシップして、OpenStackによるクラウドの展開と管理を容易化するサービスを提供して行く、と発表した。

オープンソースのクラウドコンピューティングプラットホームOpenStackは、今やきわめて強力だが、その実装と展開はきわめて容易とは言いがたい。このプラットホームは構成部位の数が多くて、それらをシームレスにまとめて構成するのが難しい。AnsibleはOpenStackクラウドの管理サービスをすでに部分的に提供していたが、これからはこれらのパートナーとの協働で、その過程をさらにシンプルにしていく。

その新しいサービス名”Simple OpenStack Initiative”によりAnsibleの既存のOpenStackモジュールが改良され、またそのほかのOpenStack関連プロジェクトも、ITユーザの使い勝手を中心に見直しが行われる。それらがすべて、Ansibleのオープンソースプラットホームと同社の商用サービスAnsible Tower(AnsibleのUI)に統合される。

Ansibleはすでに多くの点で、OpenStackを構成しオーケストレーションする際のデファクトスタンダードだが、今ではPuppetや、CanonicalのMAASJujuのツールなど、コンペティタも現れている。セットアップしたいクラウドのタイプに合わせて、サービスやツールを選ぶ時代になりつつある。

OpenStackは複雑なシステムだから、競合はむしろ、そのエコシステムを強力に前進させる契機になりえるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

寿命の短い第二鍵によるクラウド認証を提供するScaleFTがシードで$800Kを調達

2015-05-11_1208

Rackspaceの元役員や技術者たちが始めたDevOpsサービスScaleFTが今日(米国時間5/11)、本家Rackspaceからの戦略的投資として80万ドルのシード資金を獲得した、と発表した。この投資ラウンドには、CoreOSのCEO Alex Polviなど、数名のエンジェル投資家も参加した。なお、PolviはRackspaceの出身だ。

前から報じられているように、RackspaceはクラウドサービスとしてAmazon(AWS)やGoogle、Microsoftなどと競合するだけでなく、それらのユーザを顧客とするサービスを提供しようとしている。ScaleFTの協同ファウンダでCEOのJason Luceが言うように、ScaleFTのプロダクトはRackspaceのそういう最近の方向性にもフィットしているのだ。

Luceは今日の声明文の中で、“RackspaceはAWSやGCE、Azureなどのユーザが利用するサービスを積極的に手がけてきたが、ScaleFTはそういうRackspaceのOpsチームが彼らの新しい戦略のために必要とするツールを、より高度化する。Rackspaceが弊社の取り組みを支援するのは、そのためである”、と述べている。

同じく今日ローンチするScaleFTの最初のプロダクトScale Accessは、サーバへのアクセスをより容易に、そしてよりセキュアにする。同社の主張によると、SSHの秘密鍵に基づく認証ソリューションは、面倒であるだけでなく、実はそれほどセキュアではない。“今あるRSAやX.509、SSHなどの技術はあまりにも複雑なので、企業がそれらをもっとも効果的に利用することが難しい”、とLuceは述べている。

それに対してScale Accessは、有効期間が数分と短いキーを使用し、その認証ソリューションはGoogle AppsやSAMLのようなシングルサインオンのソリューションに統合できる。そのためそれは、認証のための第二要素を必要とするツールで利用できる。

つまりSSHをそのまま使えるし、AnsibleなどのIT自動化ツールも従来どおり使える。そしてScaleFTのサービスが、VPNやWebアプリケーションや、そのほかのインフラストラクチャサービスへの証明を発行するのだ。

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AmazonのAWS re:Invent会場周辺でIBMとRackspaceが大型バスや女の子集団で(むなしい)対抗キャンペーン

Amazon Web Services(AWS)は競合他社にとってますます難攻不落の強敵になりつつある。今週行われたAWSのデベロッパカンファレンスre:Inventで、IBMやRackspaceも会場周辺で存在を誇示していたが、それらを見てもAWSとの落差の大きさをあらためて痛感してしまう。

先週IBMは、AWSよりも優れていると主張する広告で叩かれた。その広告はIBMを哀れっぽく見せ、むしろAmazonを一層有利にしたようだ。Amazonは、競争者をけなすことよりも、顧客に奉仕することが重要、と反撃したのだ。

今朝(米国時間11/13)の総合セッションではAmazonのSVP Andy Jassyが、IBMがラスベガスの通りを走らせた、車体に派手な広告を描いたバスを笑いながら批判し、IBMは顧客を馬鹿にしている、と言った。バスの車体のその広告は、古めかしくてわざとらしいマーケティングのスタイルを表している。

Rackspaceもやはり、自社に不利なことをやっている。同社は、デベロッパがAWSのカンファレンスへ行かないようにしたいので、AWS re:Inventの会場となったラスベガスのVenetian Hotelの外に、ショートパンツ姿の女の子たちをたくさん立たせて、同じくラスベガスのTreasure Island HotelのバーGilley’sで行われたRackspaceのパーティーの招待状を配らせた。

同社も、AWSの後塵を拝している。デベロッパたちが魅力を感じる部分がない。しかしRackspaceのクラウドサービスは、ひまがありすぎて、もっとワークロードが必要だ。そのためにはデベロッパをもっとたくさん集めてアプリケーションを作ってもらう必要がある。だからAWSのカンファレンスが行われているときに数万ドルを投じてパーティーを開き、ビールと安っぽいおつまみ料理をプログラマたちに大盤振る舞いするのが当然である、と同社は考えたのだ。

“ぜひいらしてください”、女の子の一人に声をかけられた。“お料理も飲み物も無料ですから、すてきなパーティーですよ”。

Rackspace的ブロマンス(bromance)*は、ほとんど品(ひん)がないし、IBMのお粗末な広告キャンペーンも効果があったとはとても思えない。要するに、今や、AWSとこれら二社との差が、あまりにも大きすぎるのだ。両社のおかしなマーケティングスタイルは、ますますその差を際立たせる。AWSのカンファレンスの会場周辺でうろつくために投じるお金は、真摯な差別化のために使うべきだろう。〔*: bromance, 男性同士の性行為を伴わない(ゲイではない)仲良し関係。日本語解説(1)(2)(3)。〕

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Amazon Web Services(AWS)がNode.jsによるSDK/オブジェクトライブラリを提供

Node.jsは今や、アプリケーションを開発するとき誰もが使っている。それはサーバサイドのJavaScriptだ。比較的おぼえやすいので、とても人気がある。今回はAmazon Web Services(AWS)が、Node.jsによるSDKをリリースし一般公開した。

あるブログ記事によると、AWSは12月のプレビューリリース以降、さらに機能を増強した。新しい機能は、バウンドパラメータ、ストリーム、EC2インスタンスのIAM roles、バージョンロッキング、プロキシなどだ。AWSによると、このSDKはAWSのサービス(Amazon S3, Amazon EC2, DynamoDB, Amazon SWF)のJavaScriptオブジェクトを提供して、デベロッパのコーディングを単純化することが目的だ。

Node.jsはその、イベント駆動型のノンブロッキングI/Oにより、アプリケーションのスケーラビリティを支え、しかも、スレッドやタイムアウトのポーリング、イベントループなどをプログラマは扱わずにすむ。だからこそ、大きな人気を獲得した。とくにゲームデベロッパに愛好者が多く、AmazonのCTO Wener Vogelsは、3月にAWSがElastic BeanstalkでNode.jsを提供したときに書いた記事の中で、そのことを説明している。Vogelsによると、Elastic BeanstalkはElastic Load Balancing、Auto Scaling、EC2などのAWSリソースのプロビジョニングとモニタリングと構成を自動化する”。彼によると、デベロッパたちはNode.jsの機能を利用することによって、レイテンシ(ネットワーキング待ち時間)の低い複数の並列的接続を実現している。UberやVoxer、それにDataheroのようなエンタプライズ向けスタートアップはすべて、サーバの実装にNode.jsを使っている。

Node.jsのサポートを提供しているクラウドプロバイダはAWSだけではない。Joyentはこのプラットホームを企業向けサービスの一環として提供している。Windows Azureもビッグなサポーターだ。Rackspaceもサポートしている。3月にMicrosoftは、Windows Azure Service Busを使うオープンソースの寄与貢献物を提供した。それは、Node.jsによるリアルタイムアプリケーションのためのスケールアウトをサポートするライブラリだ。

AWSが今回Node.jsによるSDKを一般公開したことは、デベロッパ界隈における、Node.jsというプラットホームの実力を物語るエピソードの一つだ。つまり、デベロッパを相手にするビジネスでは、もはやNode.jsを無視できない。これで、AWSをベースに開発〜プログラミングをするデベロッパが今後増えることは、ほぼ確実だ。

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珍しく初期段階で却下された特許訴訟: 数学的アルゴリズムは特許を取れないと

連邦判事がRackspaceに対する特許侵害訴訟を却下し、数学的アルゴリズムは特許の対象にならない、と裁定した。東部地区(Eastern Disrict)におけるこの裁定は、2012年にUniloc USAが行った告訴に対するもので、その訴えは、Linuxオペレーティングシステムによる浮動小数点数の処理は特許の侵犯であると主張していた。

首席判事Leonard Davisはこの裁定の根拠を、数学的アルゴリズムの特許取得を禁じている合衆国最高裁の判例法としている。Rackspaceによれば、これは、テキサス州の東部地区連邦地裁が、特許を取得できないものへの特許を主張しているとして、裁判の初期段階で告訴を却下した例としては、報告されているかぎりにおいて初めてのものである。

LinuxをRackspaceに供給しているRed Hatは、Rackspaceの弁護費用を負担した。Red Hatは、同社のOpen Source Assurance事業に基づいて、顧客を擁護することをポリシーとしている。

Red Hat法務部の知財担当次長Rob Tillerは、次のように述べている:

“不実施主体(NPE)訴訟は慢性化しており、テクノロジ業界にとって深刻な問題になっている。この種の訴訟は認められてはならない特許に基づいていることが多いが、その弁護費用は通常、数百万ドルにも達する。これらの訴訟は、イノベーションと経済成長と雇用機会の創出を妨げる疫病である。法廷は、初期段階において特許の有効性を判定して、適切な処置をすることにより、この問題に対応できる。今回の事案においては、判事Davisがまさにそれを為し、未来の案件に対する優れた例を設定した。”

特許訴訟は合衆国の古めかしい特許制度につけ込む悪質な行為となっている。今回のような却下はまれであり、特許訴訟において法廷が特許の種類を区別することもまれである。

Unilocにコメントを求めたが、無応答である。

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