無から水を得る懸賞Water Abundance XPRIZEのファイナリスト5作品が決定

水は生命にとって欠かせないものであるにもかかわらず、戦争でインフラが破壊されたり、気候変動で川や帯水層が干上がってしまったところなどでは、飲用に適したきれいな水を得ることがとても難しい。技術革新推進のための懸賞NPO Xprizeの新しい応募課題Water Abundance XPRIZEがこのほど締め切りを迎え、大気から水を採取する技術5点が、決勝に残った。

課題の要件は、まるでSFなみに厳しい。それは、“再生可能エネルギーだけを使って大気から一日に2000リットル以上の水を取り出すこと、そのコストはリッターあたり2セント以下”だ。そんなこと、可能だろうか?

目の前に100万ドルの優勝賞金が人参のようにぶら下がっていると、誰もがその課題に挑戦したくなる。しかし決勝に残ったのは5社で、彼らは25万ドルの予選突破賞(milestone prize)を仲良く分け合う。それは決勝戦に向けての資金でもある。まだ詳しい技術情報は得られていないが、5つの作品をアルファベット順にご紹介しよう:

Hydro Harvest: オーストラリアのニューカッスル大学のチームは、“基本に帰れ”を実践した。コストを抑えるためには賢明な判断だろう。このチームは以前、ごみを燃料とする無公害の発電機を作ったことがある。

JMCC Wing: ハワイのチームのチームリーダーは長年、太陽光発電や風力発電に取り組んでいる。そこで今回の応募作品も、超高効率でスケーラブルな風力発電装置と商用の復水器(water condenser)を組み合わせている。発電機が大きいほど、エネルギーコストは安い。

Skydra: シカゴのチームの作品だが、“自然と工学系のシステムを併用したハイブリッドなソリューション”、という超短い情報しか、今のところ得られていない。

The Veragon & Thinair: これはアルファベットではUの下と上の両方に来るが、とりあえずここに置いた。このイギリスの共同チームは、復水(water condensation, (主に冷却により)空気中の水を回収)効率の高い素材を発明し、真水だけでなくミネラルウォーターへの応用も計画している。

Uravu: インドのハイデラバードのチームもやはり“基本に帰って”ソーラーを利用しているが、太陽電池は使わずに、装置の設計により、太陽光を直接利用する。得られる水は、たぶんかなり温かいのだろう。

最初の試験は1月に行われ、第二ラウンドは7月だ。そのときは、ビジネスプランも評価の対象になる。8月に賞金100万ドルを得る勝者が決まる。誰が勝ってもいいけど、全員の今後の健闘と地球上各地での活躍を期待したいね。

画像提供: https://www.rwlwater.comのライセンスによる。

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IBM、どんな物にも内蔵できる「世界最小のコンピューター」を開発中

IBMは、ユビキタスコンピューティングに力を注いでいる。そしてそのアプローチは、コンピューターを砂粒と間違えるくらい小さくすることだ。将来この小さなコンピューターが普及すれば、製品の真偽確認や薬剤の追跡などに役立つだろう。

上の画像をよく見ると、砂山の上と人の指先の両方にチップがあるのがわかるだろう。その大きい方じゃない。もっとよく見ること!

これはIBMの “crypto anchor” プログラムから生まれた。製品のハイテク・ウォーターマークと呼ばれるもので、さまざまな方法を使って製品がメーカーが言う通りの工場で作られたものであり、偽物が混じったりしていない本物であることを証明するために使われる。

IBMが世界最小のコンピューターと言い続けるこのチップは、ブロックチェーンを導入することも目的のひとつだ。ブロックチェーンを利用したロジスティクスや追跡システムの高度なセキュリティーが、ワインボトルやシリアルの箱のようなものにも適用できるようになる。

A schematic shows the parts (you’ll want to view full size).

IBMはコンピューターを超小型にしただけではなく、これを非常に安く、おそらく1つ10セント程度にするつもりだ。つまり、このテクノロジーを装備する製品のタイプに下限はない。

それだけではない。これにはユビキタスコンピューティングの一般的な特徴もあてはまる。この賢い小粒はどこにでもいられて、ちょっとした計算をしたり周囲の状況を感知したり、他のデバイスやインターネットとつながる。あとは想像力次第だ。

これは小さい(約1 mm x 1 mm)ながら、一人前のコンピューター(最新型ではないが)の能力を持っている。数十万個のトランジスターとわずかなRAMと太陽電池と通信モジュールを備えたチップの能力は、おおむね1990年のチップと同じだ。当時はあれを使ってずいぶんいろんなことができていた。

もちろん現段階ではまだまだIBMの実験室内の研究プロジェクトであり、現実ではない。このプロジェクトは、同社が今後5年間のイノベーションを予言する “five in five” の一環だ。

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Stephen Hawkingが76歳で逝去

物理学の進歩とともに、その大衆的な理解にも貢献したStephen Hawkingが、彼の家族によると、76歳で亡くなった。

Hawkingの優れた知性と頑強な個性は、彼を生涯苦しめ、彼の運動と発話を制限した破壊的な疾病と著しい対照をなし、彼はそのことでも有名だった。彼は21歳のときの診断と、30歳までは生きられないという予測にひるむことなく、あらゆる予想を撥ねつけて、非凡で実り多い生涯を生きた。

“知性とは変化に適応する能力だ”、と彼はかつて言った。それは、彼がその正しさを見事に証明した声明だ。

彼の作品が一般大衆に広く理解されたとはとても言えないが、Hawkingは執筆の才能に恵まれた物理学者であり、多くの著作の中でもとくにA Brief History of Timeはとりわけ有名で、複数の世代を楽しませ、教育した。彼は、専門分野への大きな貢献と、親しみやすい教育のスタイルを兼ね備えていた点で、Feynmanのような巨人たちの一人でもある。彼は聴衆や読者を見下したり見くびることが、決してなかった。

彼の逝去を受けて、その業績の優れた要約が次々と出版されるものと思われるが、彼に関心を持った方には、自伝My Brief Historyをお薦めしたい。

彼は複雑な人物で、自説に固執する天才でもあり、多くの人を啓発するとともに、ときには論争も招いた。しかしそれが、彼のふつうの姿だった。彼のような生き方をする人物は、過去にも、そして未来にもいないだろう。遺族の中には彼の三人の子ども、Robert, Lucy, そしてTimothyがおり、三人の孫がいる。

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SpaceX、50回目のFalcon 9で最大サイズの衛星を打ち上げへ(ライブ中継あり)

SpaceXは、Falcon 9ロケットの50回目の打ち上げに向けて準備中だ。積荷も新しい節目にふさわしい。2時間の打ち上げ目標期間が始まるのは3月6日0:33 EST(日本時間同日14:33)からと夜遅いが、SpaceXが歴史を作るところを目撃したい人にとっては必見だ。

今夜Falcon 9が運ぶのは、静止トランスファ軌道に向かう人工衛星、Hispasat 30W-6だ。これまでにSpaceXが静止軌道に送り込んだ中で最大の衛星で、重量は6トン、大きさは市内バスほどもあるとSpaceX CEO Elon Muskは言っている。

Hispasatはスペインの衛星会社で、SpaceXは最近のミッションでも同社が運用する積荷を運んだことがあり、SpaceXが将来国際ブロードバンドインターネットサービスに使おうとしている同社初のデモ用衛星も同じロケットで運ばれた。

SpaceXはこのロケットについは回収を試みない予定で、これはフロリダ州海岸沖の悪天候が理由だ。打ち上げはフロリダ州ケープカナベラル航空基地にあるSpaceXのSLC-40打ち上げ施設で実施される。何らかの理由で延期された場合は3月7日水曜日の0:33 ESTからの予備期間を利用する)。

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SpaceX、次期Falcon 9で自社の衛星ブロードバンドサービスをテスト

SpaceXは次期Falcon 9の打ち上げを2月17日に予定している。主要な貨物はスペインの地球観測衛星、Pazだが同乗するもうひとつの積荷の方が興味深い。SpaceX自身は衛星を利用したブロードバンドインターネット通信サービスをテストするために、自社の通信衛星2基を軌道に送り込む。

ロケットに載せられるのはMicrosat-2AおよびMicrosat-2B(via TheNextWeb)という小型の衛星で、稼働期間はわずか20カ月だ。いずれもKu帯ブロードバンド無線送受信機を備え、低地球軌道から地球上に通信環境を提供する能力をテストする。

SpaceXは長期利用可能な本格的ブロードバンド通信衛星を打ち上げる前にこのテストを行う。同社はロケット発射事業に加えて、宇宙ベースの安価なブロードバンドを地上に提供することを新たな収入源として考えている。衛星インターネットサービスが利益を生めば、同社が構想する野心的火星ミッションなどのプロジェクトを賄うことができる、とSpaceX CEO Elon Muskが同社の長期計画の概説で語っていた。

Microsatを軌道に打ち上げることは、同社のブロードバンド事業を現実にする最初の一歩にすぎないが、SpaceXの壮大なビジョンが進展していることを示す良い兆候だ。SpaceXは、今月始めにFalcon Heavyの初飛行に成功し、今年中に有人宇宙船Crew Dragonの打ち上げを予定している。2018年はMuskの宇宙ベンチャーにとって記念すべき年になるだろう。

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SpaceX、ロードスターを運転するスターマンを宇宙ライブ中継(録画あり)


SpaceXは、火星を目指す模擬宇宙飛行士として同社の新しいユニホームを着たダミー人形をライブ中継する。ダミーが「運転」しているTesla Roadsterには複数のカメラが装着されている。この車は今日(米国時間2/6)ほぼ完璧に打ち上げられたSpaceXのFalcon Heavyの主たる積載物だ。

ライブ中継は、車のボンネット、飛行士の肩の後ろ、および地球を見下ろす位置にそれぞれ設置されたカメラを切り換えながら放映される。

これはこれまで宇宙に送り込まれた中で、いちばん楽しい荷物であることは間違いない。グッドジョブ、イーロン。

【日本語版注:ライブ中継終了後はビデオで視聴可能】

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SpaceX、Falcon Heavy打ち上げのしくみがわかる動画を公開

SpaceXは米国時間2月6日にFalcon Heavyロケットの初飛行を予定しており、現在順調に準備が進んでいる。このたびミッションの計画を詳しく説明したアニメーション(上に貼った動画)ができたので、理想的状況での打ち上げがどのように行われるのかを知ることができるようになった。

Elon Muskはこの短編ビデオをTwitterでシェアした。これは打ち上げの全プロセスと完全な世界では打ち上げがどのように進むのかを見る初めての機会だ。ビデオにはFalcon Heavyの打ち上げだけでなく、打ち上げの第一段目を受け持つ3基のブースターコアが着陸する様子も入っている。

積荷を配置する様子も見られる。SpaceXは初代のTesla Roadsterを広大な火星軌道に送り込もうとしており、これはその第一歩だ。ラジオではデビッド・ボウイの「スペース・オディティ」がかかっている。運転席のダミー人形はSpaceXの新しい宇宙服を来ている。過去最高にクールな打ち上げだ。

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SpaceX、Falcon Heavyのブースター3基とも軟着陸を目指す

SpaceXのFalcon Heavyの歴史的初飛行のすぐ後には、歴史的初着陸の試みが控えている。先週末Elon Musk率いる民間宇宙会社は、今回のテスト飛行ではロケットを軌道に運ぶ3基のブースターコアの回収も試みることを発表した(via Space.com)。

ロケットの両側に装着された2つのコアはいずれも、フロリダ州のケープカナベラル空軍基地の地上着陸地点、LZ-1およびLZ-2に帰還し、中央のコアは、大西洋上のSpaceXが浮遊着陸場所として利用している無人ドローン艀(はしけ)、”Of Courcse I Still Love You”に着地を試みる。

SpaceXのFalcon HeavyはFalcon 9ロケット3台相当の推進力を持ち、総積載重量は約12万ポンド(約54トン)になる。現在フロリダ州ケープカナベラルから初の離陸を目指しているところだ(TechCrunchチームは現地から打ち上げの模様を報告する)。

この打ち上げでブースター3基すべてを着陸させようという試みは、この野心的初飛行にふさわしい大胆な挑戦だ。これはSpaceXの有人軌道ミッションおよび軌道内打ち上げゾーンを構築する舞台を整えるものだ。将来この打ち上げゾーンから火星に向けて飛び立ち、いずれは基地を造り、さらには人間の共同体を作ることを願っている。

Falcon Heavyの発射は、2月6日(火曜日)の1:30 PM EST(日本時間 3 AM)に予定されており、今のところすべては順調に進んでいるようだ。

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SpaceX、Falcon Heavy初のテスト飛行を2月6日に設定

SpaceXは、Falcon Heavyの初めての打ち上げ予定日を2月6日に設定した。Falcon Heavyは同社が制作中の新型大容量ロケットで、一度のミッションでこれまでの3倍近い積載量を軌道に運べる、今回が初めてのテスト飛行となる。

土曜日、SpaceX CEOのElon Muskは打ち上げ目標日をツイートし、近くの土手から誰でも打ち上げの様子を見学できることを付け加えた。発射されるのはケネディー宇宙センターの39A発射台で、SpaceXはこの大型ロケットのために発射台に修正を施した。また、ここはかつてNASAのアポロやスペースシャトル計画に使われた中心地でもある。

2月6日という日付は先週後半に噂されていた。以前SpaceXは、ロケットの静止噴射テストに成功してから約一週間後に打ち上げると言っており、テストは1月24日に行われた。このたびMuskが正式に認めたことで、具体的な日付がはっきりした。

SpaceX初のFalcon Heavyの飛行は、現実世界での飛行をテストすることが主目的だ。同社は数多くの準備とシミュレーションを重ねてきたが、ロケットが空中でどう振る舞うかは実際に飛ばすまでわからない。Muskは、ロケットが打ち上げ後、軌道に乗る前に爆発する可能性も示唆していたが、かりにそうなったとしても、SpaceXのこの大型ブースターロケットにとって大きな一歩だ。

このミッションの積載物はチェリーレッドのTesla Roadsterオリジナルモデルだ。すべてが順調に運べば、将来火星の軌道に送り込まれる予定で、Muskのベンチャー精神が生んできたものと、将来達成するであろうことへの賛意を表している。

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SpaceXの宇宙船ドラゴン、ISSから2度目の帰還

SpaceXのDragonカプセルが、約一カ月間ドッキングしていた国際宇宙ステーションから予定通り帰ってきた。このDragon宇宙船は、以前ISS再補給ミッションで飛んだことがあり、これで2度目の往復飛行に成功したことになる。

Dragonは約6時間前に宇宙ステーションから切り離されて出発し、数時間後に軌道脱出噴射を終え、着陸用パラシュートを開いて土曜日(米国時間1/13)午前に着水した。

このカプセルは12月15日に打ち上げられ、約2.2トンの補給物資を宇宙ステーションに運んだ。科学実験器具など、ステーションに滞在している宇宙飛行士のミッションに必要な物資だ

Dragonは帰路にも多くの貨物を積載しており、実験結果は地上の多くの科学者らによって分析される。

これはSpaceXにとって大きな意味を持つ出来事だ。「飛行証明済み」再利用可能宇宙船プログラムの実証結果がまたひとつ増えたからだ。上記の通りこのDragonは以前再補給ミッションに使用されており、今回使われた第一段ブースターのFalcon 9も以前飛んだことのある再利用ロケットだった。

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SpaceX、2018年初の打ち上げは謎の宇宙船Zuma(ライブ中継)


まもなくSpaceXが2018年最初の打ち上げを行う。打ち上げ可能期間は、米国時間1月7日 5 pm PST(日本時間1/8 10 am)から2時間で、予備期間は翌日の同じ時刻。当初この打ち上げは昨年末に予定されていたが、発射に用いられたフェアリングに関連するデータをSpaceXが見直したいという理由で延期された。

今回の積荷である宇宙船 ‘Zuma’ は米国政府のトップシークレットで、Northrop Grummanが依頼を受けている。Zumaについては、低地球軌道のどこかの挿入位置を目標としていること以外殆どわかっていない。

SpaceXはZumaの打ち上げにFalcon 9を使う(今月中に同じフロリダ州ケープカナベラルで打ち上げ予定のFalcon Heavyではない)。

今日の打ち上げでもロケットの回収が試みられる。SpaceXはFalcon 9の第一段ブースターをケープカナベラルのLZ-1パッドに着地させる計画だ。

SpaceXのライブウェブキャストは、発射予定期間開始の15分前(4:45 PM PST/日本時間 1/8 9:45 AM)頃から始まる予定。

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イーロン・マスクはFacon Heavyの初飛行にTesla Roadsterを本当に載せる

今日(米国時間12/24)Elon Muskは自身のInstagramで、大型ロケットFalcon Heavyの初飛行に積載される貨物の画像を掲載した。それは、赤いTesla Roadsterだった。SpaceX CEOは以前、この車を打ち上げると発言してからジョークであることを匂わせたが、後にSpaceXが再度これを認め、今回この投稿でついに正式となった。

Muskによると、初飛行時の積載物は実際の貨物を想定して重量を提供するだけであることが普通で、コンクリートや鉄のブロックが使われるという。彼はもっと面白いことをしたかったので、来年初めに打ち上げ予定で現在ケープカナベラルで最終試験中のFalcon Heavryには、Tesla Roadster(当初のモデルで、最近発表された改訂版ではない)が搭載されている。

載せられたRoadsterは、計画通り発射されればデビット・ボウイのスペース・オディティを流しながら「10億年続く火星の周回軌道」に入る。ただし、スムーズにことが運ばない可能性はゼロではない。Musk自身、Falcon Heavyが離陸後に爆発を起こすかもしれないと示唆している。

いずれにせよ、Tesla車が実際にFalcon Heavyの初飛行に搭乗することがわかった。ロケットはMerlinエンジン27基によって推進される。これはFalcon 9エンジンを3体まとめたものに相当する。

SpaceXはIridium ミッションの打ち上げにも 成功し、2017年を締めくくった。

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World Viewの高高度バルーンから撮影したこのすばらしい画像を見よ

近宇宙企業の草分け、World Viewは、同社の”Stratollite”と呼ばれるバルーンに市販のイメージセンサーを組み合わせて地上20~22 kmの上空から撮影できることを示す画像を披露した。

同社はこの超高空バルーンをリアルタイム画像撮影など様々な商業利用に活用すべく、1 m以内の解像度で地上の写真を提供できる光学イメージセンサーを載せたバルーンを放った。これは低地球軌道から撮影するには難しい解像度であるため、軌道衛星に代わる遠隔撮影の手段を求める顧客に答えられることをWorld Viewは期待している。

World ViewのStratolliteは、近いうちに10~15 cmの解像度を提供することが可能になり、さらに「リアルタイム連続ダウンリンク」によって、商用、官用いずれの応用にも適した画像の転送にも対応する。

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  2. world-view-stratollite_crop-monitoring.png

  3. world-view-stratollite_asset-monitoring-2.png

  4. world-view-stratollite_asset-monitoring.png

World Viewはこの高高度バルーンの潜在的使い道についていくつか構想をもっており、僻地への高帯域幅インターネットの提供もその一つだ。このバルーンには長時間一定の領域に停留していられるという独自の能力がある。これまでの成層圏用バルーンには飛行経路については現地の気流しだいという面があった。World Viewは、いずれこの宇宙の入り口まで人間を飛ばすことも願っている。

成層圏バルーン旅行を待つあいだ、この写真は見る価値がある。一般のドローン写真とは一線を画している。

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GoogleのAI、太陽系以外で8つの惑星をもつ恒星系を初めて発見

今日(米国時間12/14)GoogleとNASAは、 ケプラー90恒星系の新しい惑星を、機械学習を使用して発見したことを発表した。科学者らはケプラーのデータにニューラルネットワーキングを適用することで、ケプラー90系で8番目の惑星を新たに発見した。これでケプラー90系は、これまでにわかっている中で最も多くの惑星をもつ恒星系として太陽系と並んだ。

ケプラー90iは、Googleのニューラルネットワークが発見した新しい惑星で、従来惑星の識別に用いられていた信号と比べて弱い信号しか発信しない。Googleのツールはこの系で最も小さい惑星であるケプラー80gも発見している。

Googleはこの発見を発表した会見で、写真に写った猫や犬を識別するのと本質的には同じツールを使用して、過去4年間に集めたケプラーのデータをを分析したことを説明した。

ケプラー90は、太陽よりやや高温で質量も大きいが、その他多くの点でわれわれの太陽と似ている。ケプラー90iはこの星を周回する最小の惑星で、生命が存在する可能性はほぼない —— NASAによると表面は岩が多く温度は華氏800度(427℃)。しかしそれは、恒星に近い惑星は遠方の惑星よりも小さく岩が多いという理論を裏付ける新たな証拠でもある。地球が365日周期で太陽の周りを回るのに対して、新惑星はケプラー90の軌道をわずか14日間で周回する。

ケプラー90には、すでに発見されたもの以外の惑星がある可能性もある —— ケプラー系は恒星にごく近い部分の惑星だけしか探索されていない。まだ観察されていない遠方にもっと惑星がある可能性は高い、とNASAは言っている

GoogleのAIは、ケプラーで観察された約20万の天体のうち670個を調べただけで今回2つの太陽系外惑星を発見するにいたった。つまり、さらに多くのデータを分析すればもっと発見がある可能性は非常に高い。

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恒星間天体「オウムウムア」、観察結果から人工的信号の証拠は見つからず

覚えているだろうか。先週、Breakthrough Initiativesの研究者グループは、恒星間天体、オウムウムア(’Oumuamua)を観察する計画を発表した。

その形状と密度 —— 長さ約800メートル、幅わずか80メートルで平均的小惑星よりも密だとみられる —— から、科学者の間では100%の自然物ではない可能性がごくわずかにあると考えられている。

第一フェーズの観察は完了し、予想通りオウムウムアから人工的信号が発せられている証拠はなかった。

観察は12月13日水曜日午後3:45 ETから午後9:45 ETまで、ウェストバージニア州のロバート・バード・グリーンバンク望遠鏡を使用して実施された。Breakthrough Listenチームは、4つの無線帯域にわたる1 GHzから12 GHz間まで数十億の個別チャンネルでオウムウムアを観察した。

Breakthrough Listenの最大の支援者の一人であるYuri Milnerによると、オウムウムアの観察に使用された機器はこの天体から発せられた携帯電話の電波信号を検出できるという。

しかし今のところまだ運には恵まれていない。あるいは、どんな幸運がやってくるかは、あなたが(映画)「メッセージ」派か、「マーズ・アタック」派によって異なるのかもしれない。

ともあれ、まだまだ終わりではない。

グリーンバンクの機器には2時間の観察から得た90 TBの生データが蓄積されている。このデータの分析にはかなりの時間を要する。これまでに処理されたのは、Sバンド受信機(1.7~2.6 GHzをカバー)が検出したデータのみだ

処理されたデータの一部は研究者向けにここで公開されている。

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ホタルの体内にある酵素を使って植物を光らせることに成功…夜の町の省エネに貢献か

MITの研究チームが、ホタルのおしりを光らせる発光酵素ルシフェラーゼを使って、暗いところで光る植物を作った。そもそも、なぜそんなものが必要なのか、という質問への答はもちろん、“科学そのものがクールだから”だ。

もっと退屈な答は、省エネだ。今のところ、結果に再現性があったのはルッコラやケール、ホウレンソウ、クレソンなどだが、彼らは、夜の町を街灯不要で明るくする街路樹など、もっと大きなものを目指している。

この研究のペーパーを書いたMichael Strano教授は曰く、“われわれのビジョンは、植物がデスクランプになることだ。電源の要らないランプだ。光は植物自身の代謝エネルギーから生成される”。

Stranoが引用する研究によれば、照明は世界のエネルギー消費の約20%を占める。暗闇で光る植物は、夜になると自分のエネルギーで光るから、省エネに貢献するだろう。もちろん実用化は、遠い先の話だ。今のところチームは、植物を約3時間半光らせることに成功しているが、しかしその光量は人間が本を読める光量の1/1000ぐらいにすぎない。

だから、科学者たちが改良に成功するまでは、Kindleで我慢しよう。改良には、酵素の密度を高めることも含まれるだろう。酵素を拡散する方法も、たぶん改良が必要だ。

MITによると、これらの酵素を使って植物を光らせる試みはこれが初めてではない。でも今回のチームのやり方は、発光効率がやや良い。それには、ルシフェラーゼとルシフェリンと補酵素Aの溶液に植物を浸す工程がある(ホタルが光る組み合わせだ)。そしてその圧力を上げることによって、溶液を植物の気孔に強制的に注入する。

研究者たちは、ルシフェラーゼ抑制剤を使って光を消すことにも成功した。その化学的スイッチを使えば、夜が明けたら植物の光をoffにできるだろう。

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SpaceX、再利用ロケットで再利用宇宙船を打ち上げへ

アップデート:発射時刻が変更になり、予備時間帯の12月13日 8:24 AM PST(日本時間12/14 1:24 AM)を利用することになった。ライブ中継は発射15分前に始まる。

今日(米国時間12/12)午前、SpaceXは宇宙ステーション再補給ミッションをスタートする。予定時刻は8:46 AM PSTで、フロリダ州ケープカナベラル空軍基地のLC-40発射施設から打ち上げられる。

このミッションはSpaceXにとって歴史的な一歩だ —— 民間宇宙開発企業が、再生されたDragon宇宙船を、やはり以前飛んだことがある再生されたFalcon 9ブースターロケットを使って打ち上げる初の試みだ。言い換えれば、SpaceXが完全再利用打ち上げ計画というビジョンに最も近づく瞬間だ。

今回使用されるFalcon 9ブースターロケットは今年6月のISS再補給ミッションCRS-11で使用されたもので、Dragonは2015年に別の商用再補給プロジェクトで飛行した。今回の貨物は補給物資のほかISSで実施されている研究で使用する化学実験器具などで重量は約4800ポンド(約2177 kg)。

DragonはISSにドッキングして貨物を下ろし、約1カ月間滞留したあとISSから持ち帰る貨物を積んで地球に戻る。SpaceXはFalcon 9第一段ロケットをケープカナベラルのLZ-1施設に着陸させふたたび回収する予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

地球の比較的近くに人が住めそうな惑星が見つかった、そこまでの距離は11光年

火星のことは忘れましょう。わずか11光年先に、地球ぐらいの大きさで、居住できるかもしれない惑星が見つかったのです。

Ross 128bと呼ばれるその惑星は、推定年齢70億歳の、生命にやさしい赤色矮星のまわりを周回している。

赤色惑星は銀河系でいちばんありふれた星で、知られている星の約70%を占め、その周回軌道上には水のある惑星がありえる、と言われている。つまりそれらの惑星には大気があり、生命をサポートしているかもしれない。

ここ数年、そういう赤色惑星を周回している、居住可能かもしれない惑星の発見が爆発的に増えた。というか、最近の研究によると、赤色惑星の恒星系の可住域には惑星が600億ぐらいあるかもしれない。その中でRoss 128bが話題になるのは、地球から近いからだ。

もっと近い地球サイズの惑星として、4.25光年先のProxima Centauriをご存知の読者もおられるだろう。でも、その恒星系の太陽である赤色惑星は若くて高温なので、惑星は灼熱地獄だろう。人が住める場所ではない。

Ross 128bには、人間が住めるかもしれないと思わせる特徴がいくつかある。まず、自転の揺れが安定している。その‘太陽’は高齢なので、かなり沈静化しているだろう。コンピューターのシミュレーションでは、雲におおわれているので水が表面から蒸散しない。ということは大気もあって、生命をサポートできるだろう。

この惑星を発見した科学者たちが、それを最初に報じたNational Geographic誌で語っているところによると〔日本語訳〕、今後はもっともっとデータが必要である。目下チームは、16光年以下の範囲内に、そのほかのRoss 128b的惑星を探している、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

地球の比較的近くに人が住めそうな惑星が見つかった、そこまでの距離は11光年

火星のことは忘れましょう。わずか11光年先に、地球ぐらいの大きさで、居住できるかもしれない惑星が見つかったのです。

Ross 128bと呼ばれるその惑星は、推定年齢70億歳の、生命にやさしい赤色矮星のまわりを周回している。

赤色惑星は銀河系でいちばんありふれた星で、知られている星の約70%を占め、その周回軌道上には水のある惑星がありえる、と言われている。つまりそれらの惑星には大気があり、生命をサポートしているかもしれない。

ここ数年、そういう赤色惑星を周回している、居住可能かもしれない惑星の発見が爆発的に増えた。というか、最近の研究によると、赤色惑星の恒星系の可住域には惑星が600億ぐらいあるかもしれない。その中でRoss 128bが話題になるのは、地球から近いからだ。

もっと近い地球サイズの惑星として、4.25光年先のProxima Centauriをご存知の読者もおられるだろう。でも、その恒星系の太陽である赤色惑星は若くて高温なので、惑星は灼熱地獄だろう。人が住める場所ではない。

Ross 128bには、人間が住めるかもしれないと思わせる特徴がいくつかある。まず、自転の揺れが安定している。その‘太陽’は高齢なので、かなり沈静化しているだろう。コンピューターのシミュレーションでは、雲におおわれているので水が表面から蒸散しない。ということは大気もあって、生命をサポートできるだろう。

この惑星を発見した科学者たちが、それを最初に報じたNational Geographic誌で語っているところによると〔日本語訳〕、今後はもっともっとデータが必要である。目下チームは、16光年以下の範囲内に、そのほかのRoss 128b的惑星を探している、ということだ。

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Google、キッズ向け科学実験アプリをアップデート――Science Journalに新しいセンサー追加、iOS版も

昨年 Googleは好奇心あるキッズ向けに愉快なアプリをリリースした。このアプリではスマートフォンのセンサーを利用して周囲の光度、音量、加速度を計測するなどの科学実験ができる。利用者からのフィードバックを参考に、Googleでは新しいセンサーやiOS版に加えて、子どもたちが周囲を記録し、メモを付して共有できる機能を追加するなどのアップデートを行った。

Science Journalのプログラム・マネージャーAmit Deutschは、「われわれは教師から子供たちが周囲を記録し、簡単に観察メモを付して共有できるようにすれすればこのアプリはもっと役に立つはずだという提案を受けた。そこでわれわれはScience Journalを一種のデジタル版のフィールドノートとして使えるように改良した」とブログ記事に書いている。

新しいScience Journalアプリではセンサーを使って現象を記録した後で、それが何に関するものであるか(鳥のさえずり、自分がジャンプしたところ、等)をメモし、他の実験と比較することができる。また新たに加速度計(平行運動)、磁力計、コンパスという3つのセンサーも利用できるようになった(このセンサーを備えているデバイスに限る)。

たとえば走行する車内で(こういう実験は助手席でお願いしたいが)加速度や磁気の変化を記録できる。

Googleのガイドを参照すればこの他にも無数の実験が可能だ。Googleは大学や教育関係のスタートアップと提携して家庭や教室で再現できる手軽な実験を多数開発している(Googleの最初のスマートフォン、Nexus Oneは新しい実験の一部に対応していないかもしれない)。

アプリは無料でAndroid版とiOSがダウンロード可能だ。

画像:: Google

〔日本版〕アプリは日本語化ずみ。実験サイトは英語だが、「なわとびの加速度を測定しもっとも速くなわとびができるロープの長さを決定する」など多数の実験が提案されている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+