YouTube MusicがSpotifyに対抗して3つの新プレイリストを追加

YouTube Musicは、3種類のパーソナライズされたプレイリストを導入することで、Spotify、Apple Musicといったサービスの要素を取り込もうとしている。その3つのプレイリストとは、SpotifyのDiscover WeeklyをパクったようなDiscover Mixと、New Release Mix、そしてYour Mixだ。Discover Mixについては、以前のテスト中に出回ったことで、すでに発見されていた。現在では3つすべてのプレイリストが世界中のYouTube Musicユーザーに提供されている。

これらの新しいミックスを導入する同社の計画は、この秋のTechCrunch Disrupt SF 2019で発表されていた。YouTubeの最高製品責任者、ニール・モハン(Neal Mohan)氏は、機械学習と人間のキュレーションを組み合わせることで、提供する音楽サービスを改善する計画について話していた。

Discover Mixは、SpotifyのDiscover Weeklyに非常によく似ている。ユーザーが、新しいアーティストや好きな音楽を見つけられるよう、手助けすることに焦点を当てたもの。ユーザーが、これまでに聴いたことのない曲や、好きなアーティストの曲ながら、あまり知られていないものを紹介してくれる。しかし、競合の音楽サービスと異なるのは、このプレイリストは、YouTube MusicとYouTube、両方の聴取データの履歴を活用して作成されること。

このミックスは、毎週水曜日に更新され、リスナーに毎週50曲を提供する。

New Release Mixは、名前から想像できるように、ユーザーのお気に入りのアーティストや、ユーザーが気に入りそうだとYouTubeが考える他のアーティストによる、すべての最新リリースを取り上げるもの。これは、ほとんどの新曲のリリースと同様、毎週金曜日に更新されるが、必要に応じてそれ以外の日に曲が追加されることもある。

最後のYour Mixは、ユーザーのお気に入りの音楽と、まだ聴いたことのない、好きそうな曲を組み合わせたプレイリスト。中身は、普段の聴き方の傾向によって選ばれる。このミックスは、定期的に更新され、常に最新の状態に保たれる。

もちろん、YouTube Musicを長い時間聴けば聴くほど、ミックスは良いものになる。しかしYouTubeによれば、ユーザーが設定で自分の好きなアーティストを選んだり、実際に数曲を聴くだけで、すぐにパーソナライズされたミックスの提供が可能になるという。

このようなプレイリストの登場は、現在Googleがストリーミング音楽サービスに熱心に投資するようになっていることと無関係ではない。この秋には、YouTube Musicは、Google Play Musicに代わって、新しいAndroidデバイスに付属するデフォルトの音楽アプリになった。そして最近の報告によれば、Spotifyの主要市場であるインドでは、遅れて参入したにもかかわらず、YouTube MusicはSpotifyやJioSaavnより優位に立っているという。

新しいプレイリストは、iOS、Android、およびウェブ版のYouTube Musicで、すでに利用可能となっている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Spotifyがこの10年間を振り返るオリジナルポッドキャストを配信

Spotify(スポティファイ)のポッドキャスト推しは続いている。米国時間12月16日に、10個のエピソードから構成されるポッドキャストのオリジナルシリーズ「The Decade Wrapped」(10年間のまとめ)が新たにリリースされた。Spotifyの年末の「Wrapped」(まとめ)キャンペーンから得られた知見やデータを活用したポッドキャストだ。WrappedはSpotifyが年に1度(今年は10年分)、その年最大の音楽のトレンドを振り返るものだが、それぞれのユーザーに合わせてパーソナライズされている。これに対してThe Decade Wrappedは、Spotifyユーザーがストリーミング再生したデータを集計して制作されている。

画像:stockcam / Getty Images

The Decade Wrappedには、ドレイク、ニッキー・ミナージュ、ワン・ダイレクション、ビヨンセといったアーティストや、ハーレムシェイクやDespacito(デスパシート)のような大きな流行が取り上げられている。Spotifyユーザーがアーティストや曲を何回ストリーミング再生したかに基づいて選ばれた。

ストリーミング再生の回数を紹介しよう。ニッキー・ミナージュの曲で最も人気のある「Bang Bang」は7億3000万回以上。ワン・ダイレクションの「What Makes You Beautiful」は2億7000万回以上。ビヨンセの「Halo」は 7億500万回以上。アリアナ・グランデの「hank u, next」は9億7300万回以上。 ケンドリック・ラマーの最大のヒット曲「Humble」は11億回以上。 マーク・ロンソンの「Uptown Funk」は10億8000万回以上。

ヒット曲の「デスパシート」は13億回以上、「江南(カンナム)スタイル」は2012年の登場以来2億500万回以上再生された。

The Decade WrappedポッドキャストのホストはEric Eddings(エリック・エディングズ)で、Robin Thede(ロビン・テド)、Hannah Bronfman(ハナー・ブロンフマン)、Lele Pons(レレ・ポンズ)といった評論家、コメディアン、インフルエンサー、ライターも出演している。こうした出演者がこの10年間にポップカルチャーを定義した音楽を振り返っている。

過去を懐かしく振り返るコンテンツは、エンターテインメントでは人気の形式だ。例えばケーブルテレビチャンネルのVH1が放送する「I Love the…」シリーズは、同局で最も人気のある番組のひとつだ。Spotifyが年末に配信するWrappedも、ソーシャルメディアにたくさんの投稿があるところを見ると多くのリスナーが楽しんでいるようだ。

The Decade Wrappedは、ポッドキャストのリスナーをSpotifyのサービスに引き寄せようとする一連の動きのうち最も新しいものだ。最近では、ユーザーが好きなトピックを選ぶとおすすめのポッドキャストがリコメンドされるようになった。Wrappedにポッドキャスターの指標が追加され、パーソナライズしたポッドキャストのプレイリスト機能が登場し、自分のプレイリストにポッドキャストを追加できるようになり、Spotify Studios、そして同社が買収したGimletParcastが制作する新しいオリジナルシリーズが次々に配信されている。

The Decade Wrappedの最初の3エピソードは米国時間12月16日から配信されていて、残りのエピソードは今週、毎日配信されるとSpotifyは発表している。このポッドキャストの詳しい内容はSpotifyのサイトで紹介されている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Spotifyはポッドキャスト強化に本気だ

静聴。Spotifyはポッドキャストの強化に本気だ。同社はこれまでもポッドキャストの普及に大金を使ってきた。大金といったらとんでもない大金だった!しかも今後さらに多額の投資をする構えだという。

もちろん音楽ビジネスも好調だ。しかしSpotifyは2019年だけでもポッドキャストのプラットフォーム整備に4億ドルから5億ドルも投資してきたのだからみんなポッドキャストを聞いてもらわないと困る。今週、Spotifyはすぐに好みのポッドキャストを開くことがきるボタンを導入した。

「ポッドキャストの好みのテーマ」を尋ねるこのポップアップは Vergeが最初に見つけたが、当面は米国、英国、メキシコ、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドといった英語圏の国とブラジルでまだポッドキャストを聞いていないユーザーに対して表示されるようだ。しかしすぐに世界のユーザーに表示されるようになるだろうと思う。Spotifyはポッドキャスト分野には比較的新しい参入者だ。今もポッドキャストは急成長を続けているが多くのリスナーはすでにお気に入りのポッドキャスト・プラットフォームを持っている。

そこでSpotifyはポッドキャストの強化に大変な力を入れており、多数の人気ポッドキャストを無料で提供するなどライバルとの差別化に懸命だ。今年は「2019年のまとめ」に音楽だけでなくポッドキャストも含めた。もっともこのリストには1、2回聞いただけのアーティストもフィーチャーされるが。

いずれにせ好みのポッドキャストを発見するディスカバリー・システムはきわめて重要だ。ユーザーの好みを推定して「お勧め」として表示する以外にどういう方法があるのか各プラットフォームとも試行錯誤を繰り返している。Spotifyでは同社のプラットフォームだけでなく、外部のポッドキャストも含めて推薦している。この方式が巨額の投資に見合うだけのリターンをもたらすかどうか興味深い。

【Japan編集部追記】Spotifyのデスクトップ・アプリのホーム左サイドバーには「ポッドキャスト」ボタンが表示される。また検索バーからカタカナで「ポッドキャスト」と入力すると日本語ポッドキャストを検索できる。Androidアプリではスクロールダウンすると「2019年、話題になったポッドキャスト」が表示される。また「検索」タブにも「ポッドキャスト」ボタンが表示される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米国ではアップルとSpotifyのポッドキャストをEchoで聴ける

Amazon(アマゾン)のAlexaがApple(アップル)のポッドキャストを再生できるようになり、Amazonの一連のEchoデバイスは、AirPlayを使わずにアップルのポッドキャストをサポートする最初のサードパーティクライアントになった。これまで、このレベルのサポートはAppleのHomePodだけだった。Amazonによると、これによりAlexa対応デバイスはアップルが保有するの80万件あまりのポッドキャストライブラリにアクセスできることになる。そしてユーザーは、アップルのポッドキャストtをお気に入りに指定できる。

以前にも、最近は両ライバルのパートナーシップが見られるようになっていた。例えばAmazonのFire TVにApple TVアプリが提供されたし、Apple MusicがEchoデバイスFire TVでアクセスできるようになった。そしてAmazonの売り場では、Apple TVやiPad、iPhone、Apple Watchなどのアップル製品を扱うようになった。

Alexa対応デバイスでアップルのポッドキャストにアクセスするためには、Alexaのアプリの中でアップルの自分のIDをリンクする。そして聴きたいポッドキャストをAlexaに指示する。「次」や「早送り」などのプレーヤーコマンドも使える。デバイスを変えても、各エピソードの聴取位置が同期しているので、Alexaの続きをiPhoneで聴くこともできる。

Alexaアプリの設定アップルのポッドキャストをデフォルトに指定すると、Alexaのポッドキャストを要求するだけでアップルのポッドキャストからのストリーミングが始まる。

これに負けたくないSpotifyは、アメリカにおけるAlexa上のポッドキャストのストリーミングのサポートを米国時間12月13日に発表した。Spotify Premiumのユーザーは前からSpotify Connectを使ってEchoへストリーミングできていたが、本日からは米国の無料と有料の両方の顧客がAlexaにポッドキャストを頼めるようになり、Spotifyをデフォルトに指定することもできる。

AlexaのSpotifyポッドキャストのサポートは、シアトルで行われた例年のAlexaイベントでそのほかのニュースとともに9月に発表されていたので、アップルほどのサプライズはない。

そのときAmazonは、米国ではSpotifyのポッドキャストライブラリのサポートを加える。それによりAlexaから数十万のポッドキャストにアクセスできると語っていた。それにはSpotifyの数多い限定版ポッドキャストも含まれるので、それがSpotifyをデフォルトに指定する動機になるかもしれない。

シアトルでの発表の直後、Spotifyは有料だけでなく無料のサービスもAlexaデバイスにストリーミングできると表明していた。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Spotifyの誕生ストーリーがNetflixでドラマ化

Facebookの創立の過程はアーロン・ソーキン脚本、デビッド・フィンチャー監督で「ソーシャル・ネットワーク」という映画になった。ハリウッドの大物プロデューサーであるジェフリー・カッツェンバーグが準備中のQuibiはSnapchatの立ち上げ取り上げるという。米国時間12月11日、Netflixが発表したところによれば、世界最大の音楽ストリーミングサービスのストーリーがドラマ化される。

製作のきっかけとなったのはスウェーデンのDagens Industriに掲載されたSven Carlsson(スベン・カールソン)氏とJonas Leijonhufvud(ジョナス・レイホンフフヴド)氏による Spotify Untold(知られざるスポティファイ)という記事だったという。これはSpotifyの創立と、同社の10年が人々の音楽の聞き方を一変させた過程を描いたものだった。

Netflixの北欧オリジナル担当ディレクターであるTesha Crawford(テシャ・クロフォード)氏は「Spotify創立のストーリーはローカルなスタートアップの創立が世界に大きな影響を与えることになるという驚くべき例だ。Netflixはこのエキサイティングな成功物語をドラマ化しようと取り組んでいる。我々はPer-Olav Sørensen(パー-オラフ・ソレンセン)監督と英国のYellow Bird UKのチームと引き続き協力していく」と述べた。

フランスの独立系スタジオのBanijay Groupに属するYellow Bird UKは、Netflixで近く公開される刑事ヴァランダーの活躍を描くドラマ「Young Wallander」の製作にもあたっている。まだタイトルが決定していないSpotifyの物語の製作もYellow Bird UKが担当する予定だ。製作総指揮となるBerna Levin(ベルナ・レビン)氏はYoung Wallanderの製作にも当たっている。

物語はスウェーデンのテクノロジー起業家であるDaniel Ek(ダニエル・エク)氏、Martin Lorentzon(マーティン・ロレンツォン)氏のコンビが海賊版音楽の横行する時代に無料かつ合法的な音楽サービスを構築するところに焦点を合わせている。Netflixでは「無名の起業家を信念と固い決意がいかに助け、現状を打破して巨大な夢を実現させたかを描く」という。シリーズは英語版、スウェーデン語版の双方で提供される。

製作総指揮のレビン氏は「タイムリーかつエンタテインメント性の高い物語をNetflixに提供できるものとと期待して興奮している。スウェーデンのテクノロジー・コミュニティの数人のメンバーが世界の音楽業界に革命を起こすに至ったかというストーリーだ。音楽の作られ方も聞き方もSpotify以後は一変した。これはまぎれもなく実話だ。この10年でSpotifyは我々の生活を変えたが、それは同時に世界をデジタル化するという文化的、経済的な苦闘の過程でもあった」と語った。

Netflixの声明によれば、テクノロジーの動きは極めてに速いため、スタートアップの物語をドラマ化するのは大変難しいという。Spotifyは現在でも変化を続けている。ドラマが放映されるときはさらに変化を遂げているに違いない。

「Spotifyをテーマにすることでスウェーデンのリアルな生活を描けると期待している。これはスウェーデンのウィズキッズが世界の音楽シーンを永久に変えてしまったという現代版シンデレラ・ストーリーであり、今もなお展開中だ」とソレンセン監督は述べた。

Netflixではリリース日時はまだ明かしていない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

初のApple Musicアワード受賞者はビリー・アイリッシュとLizzo、LIL NAS X

アップルは今年からApple Musicアワードをスタートし、初の受賞者がApple Musicのエディトリアルチームの選考とストリーミングデータから選出された。Apple Musicアワードの頂点であるグローバル・アーティスト・オブ・ザ・イヤーの受賞者はBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)。日本時間12月5日午前11時30分から米国カリフォルニア州クパティーノのアップル本社にあるスティーブ・ジョブズ・シアターでビリー・アイリッシュがパフォーマンスし、その模様はライブストリーミングされる。

画像:Apple Music

Apple Musicアワードには5つのカテゴリーがある。エディトリアルチームが、グローバル・アーティスト、ソングライター、ブレイクスルー・アーティストのオブ・ザ・イヤーを選出した。アルバムとソングのオブ・ザ・イヤーは、ストリーミングデータに基づいて決定された。

ビリー・アイリッシュは、アルバム・オブ・ザ・イヤーと、兄のFinneas(フィンニア)と共同でソングライター・オブ・ザ・イヤーも受賞した。アルバム・オブ・ザ・イヤーは「WHEN WE FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?」に対して贈られたもので、これはApple Musicで10億回以上再生され、2019年で最も多く再生されたアルバムだという。

ブレイクスルー・アーティスト・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのは「Cuz I Love You」を歌うLizzo(リゾ)。ソング・オブ・ザ・イヤーは、今年Apple Musicで最も多くストリーミングされたLIL NAS X(リル・ナズ・X)の「Old Town Road」だ。

アップルは受賞者に贈るトロフィーについて、プレスリリースで「磨かれた1枚のガラスシートと機械加工され酸化被膜で覆ったアルミニウムボディーとの間にAppleのカスタムシリコンウエハーを配しています」。

【中略】

「世界の音楽を皆様の指先に届けるデバイスを動かすのと同じチップがApple Musicアワードの真ん中に座っているのは象徴的です」と述べている。

Apple Musicアワードが今年スタートしたのは、ハードウェアの売上が伸び悩む中でアップルがサービスに力を入れていることの表れだ。アップルは今年、Apple TV+、Apple Arcadeと新しいサブスクリプションサービスを開始し、どちらもアップルだけで楽しめるコンテンツであることを前面に押し出している。

Apple MusicのライバルであるSpotifyも先日、独自のミュージックアワードを設ける計画を発表した。ストリーミングとユーザーエンゲージメントのデータに基づいて受賞者が決定される。第1回のSpotifyアワードは来年3月5日に、都市としてSpotifyの最大のマーケットであるメキシコシティで開催され、有料テレビサービスのTNTでラテンアメリカのスペイン語圏向けにライブ中継される予定だ。

アップルのApple Musicおよびインターナショナルコンテンツ担当バイスプレジデントであるOliver Schusser(オリバー・シュッサー)氏はプレスリリースで「Apple Musicアワードは、世界で好まれているアーティストの情熱、エネルギーそしてクリエイティビティを評価すべくデザインされています。初の受賞者たちは音楽的にも多様であり、深い社会的会話に火をつけ、文化に影響を与え、世界中のお客様を鼓舞しました。彼らを祝うことは私たちにとってもこの上ない喜びです」と述べている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Spotifyが曲と完全同期したリアルタイムの歌詞表示をテスト中

iOS 13からAppleはApple Musicに曲と完全に合った歌詞を加えた。そして今度はSpotifyの番か。国際市場の何人かのユーザーが、Spotifyのモバイルアプリで同じように同期した歌詞を見たことを報告している。歌詞が曲に合わせてスクロールするのだ。ツイートのスクリーンショットによると、その機能はMusixmatchが提供している。SpotifyはTechCrunchに対して「この機能は今いくつかの限られた市場でテスト中である」と確認した。

Spotifyは具体的に地域の名前を挙げなかったが、カナダとインドネシアとメキシコがテスト市場に含まれるらしい。

この機能は再生コントロールの下にあり、Behind the Lyrics(歌詞の裏側)やStoryline(ストーリー)など、そのほかの拡張機能と並んでいる。ユーザーの報告によると、歌詞は全画面モードでも見られる。ここ米国では同じ体験を再現できなかったから、テスト市場に含まれていないのだろう(下図のツイートの言語はインドネシア語とスペイン語。内容は「Spotifyに歌詞が突然現れた」など)。

Spotifyはデスクトップでは数年前から歌詞をサポートしていたが、その後その機能はなくなった。ユーザーは何度も何度も、それが戻ってくることを求めた。たとえばSpotifyのユーザーフィードバックコミュニティでは、「歌詞を戻せ」というリクエストの賛成票が1万4300票にも達した。Spotifyはリクエストに応えようとしなかったが、Geniusを統合した機能Behind the Lyrics(歌詞の裏側)を指示した。

しかしGenius提供のその機能は歌詞全文ではなくて、歌詞とストーリーを組み合わせた注釈だった。それなりに勉強になるし、楽しくもあるけど、その歌がなんと言ってるのか知りたいという欲求は満たしてくれない。

現在Spotifyのデスクトップもモバイルアプリも、日本を除いては歌詞をサポートしていない。今回のようなテストはときどきやっているから、これも近日中にローンチするというサインではない。

歌詞を提供しないというSpotifyの決定は、Apple Musicに有利に働いている。Spotifyの今の有料ユーザー数は1億1300万で、Apple Musicは6000万だから、歌詞のあるなしが決定的な競争要因になることはないだろうけど、ユーザーのつなぎとめには貢献するだろう。歌詞のないサイトに移行したい人は、たぶんいないから。Alexaデバイスに音楽と歌詞を統合したAmazonも、Spotifyの歌詞なしポリシーに助けられている。

Spotifyのスポークスパーソンは「同期する歌詞は目下テスト中である」と確認した。「確かにこの機能は目下、少数の市場でテストしております。Spotifyでは常に、さまざまな新しいプロダクトやユーザー体験をテストしていますが、現時点でシェアできるニュースはございません」。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Apple Musicが一年を振り返るプレイリスト「リプレイ」を提供

Apple MusicはSpotifyに対抗する新機能、Apple Music Replayを発表した。ユーザーは2019年に聴いたお気に入りの曲を振り返ることができる。これはSpotifyで人気の年末レビュー機能、Wrappedに似ているが、Appleバージョンは単なる年間サマリーだけではない。これは現在進行形の体験だ。

Apple Music Replayを選ぶと、そこには2019年のトップソングのプレイリストが表示
されるだけでなく、Apple Musicを契約して以来毎年のプレイリストも見ることができる。これらはApple Musicのライブラリに追加できるのでいつでも、オフラインでも、聴くことができる。ふつうのプレイリスト同様Apple Musicリプレイは他の人とシェアすることもできるので、友達とトップソングを見せ合ったり、SNSに投稿したりできる。

そして、SpotifyのWrappedが年間の振り返りにとどまっているのに対して、Apple Musicレプレイは一年間ずっとアップデートされ続け、ユーザーの音楽テイストや興味に従って進化していく。プレイリストや関連データは毎週日曜日に更新されてユーザーの最新のリスニング傾向が反映される。

こうして作られるプレイリストはお気に入りのコンピレーションといえるものになり、年末に一度だけでなく、一年を通じて価値が追加され続ける。そして1月になると、2020年リプレイのプレイリストが白紙状態で、Apple Musicの6000万曲の中から見つかるお気に入りの曲が追加されるのを待っている。

Apple Music リプレイは、Apple Musicの全プラットフォームで利用可能で、ウェブではreplay.music.apple.comから入れる。

Apple Music リプレイは使ってたのしいだけでなく、AppleがSpotifyとの競争力を強化する役割を担っている。Spotifyはストリーミングデータを使ってさまざまなパーソナライズされたプレイリストや機能をユーザーに提供している。最近同社は、予想以上に好調な売上で黒字に転じた決算を報告し、有料メンバー数は9月末で1.13億人に達した。一方Appleの有料メンバー数は、6月末時点で
6000万人だった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazon MusicがSpotifyに続いて世界のApple TVにやって来た

Amazon(アマゾン)が米国時間10月10日朝に発表したところによれば、Amazon MusicApple TVで楽しめるようになる。これにはApple TV 4K、Apple TV HD(tvOS 12.0以降)が含まれる。Amazon Musicが加わったのは数日前にSpotify(スポティファイ)がApple TVで利用可能になったことに続くものだ。

Apple TV向けの新しいAmazon Musicアプリは米国や日本のほか、英国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、フランス、イタリー、スペイン、ドイツ、メキシコ、ブラジル、インドで公開される。

これでアマゾンとApple(アップル)は音楽ストリーミングサービスを相手のプラットフォームに相互乗り入れすることになり、長年緊張していたアマゾンとアップルの関係はやや緩和された。

新しいAmazon MusicのFire TVアプリには数百万の楽曲と数千のプレイリストが含まれている。Spotifyで人気のラップ音楽のプレイリストであるRap CaviarはAmazon MusicではRap Rotationとなっている。ユーザーは楽曲名、アーティスト名で個別検索できるのはもちろん、マイミュージックタブには購入ないしインポートした曲やアルバムが分類・表示される。

Apple TVへのAmazon Musicの乗り入れは3月にApple MusicがFire TVで利用可能になったことに続くものだ。

両社の関係が改善に向かっていることは、例えばアマゾン本体におけるアップル製品の取り扱いを拡大したことにも示されていた。今や Apple TVだけでなくApple Watch、Beatsヘッドフォンもアマゾンのストアから購入できる。子供向けの電子書籍、映画を提供するFreeTime UnlimitedアプリのiOS版が配布されたのと同時に Apple MusicもEchoデバイスで利用できるようになっている。

もともと2017年12月以降、Amazon Prime VideoはApple TVで見ることができたが、 来るべきアップルのストリーミングサービスであるApple TV+ではFire TVを含むクロスプラットフォーム機能を約束している。こうした緊張緩和の流れの中にあっても今回のアマゾンの動きが注目されるのには反トラスト法という別の観点があるからだ。

現在、アップルは米司法省以外にもEUロシアなど各国の反トラスト法当局による厳しい調査の対象となっている。

ことにSpotifyは反トラスト法に違反する不当な競争阻害を行っているとしてアップルを非難してきた。これには「アップル税」と呼ばれるアプリ内課金への手数料、 アプリアップデートへの過度な干渉など. SpotifyがApple Musicのライバルだとして不利な取り扱いをされたとする例がいろいろ含まれている。これに対してアップルは自社プラットフォーム上で多数のライバルが運用されていることを挙げて反論していた。しかし最近の音楽ストリーミング各社の動向からすると、こうしたライバル関係の緊張は緩和に向かっているようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

SpotifyがApple TVに、iOS 13ではSiriもサポート

米国時間10月7日、音楽ストリーミングの大手であるSpotifyのサービスがついにApple TVで使えるようになった。またiOS 13に対応した最新のSpotifyアプリがSiriをサポートしたことも発表された。 音楽を聞くときにSiriの音声コマンドが使える。「Hey Siri, play」の後に楽曲名を付け加え、最後に「on Spotify」と付け加えればいい。

Siriのサポートがテストされていることは今年に入って発見されていたが、一般向けにサポートされる日時についての正式な発表はなかった。

Spotifyによれば、AirPods、CarPlay、HomePodでもSiriはサポートされているという。また最新のSpotifyアプリは、データ帯域幅が問題になる場合に役立つ、iOSのデータセーバーモードにも対応する。

アプリのアップデートは順次行われているのでApple TVでSpotifyが使えるようになるまでいま少し待つ必要があるユーザーもいるかもしれない。

これまでSpotifyでSiriがサポートされていなかったのもSpotifyの責任ではなかった。Siriを使ってアプリに音声コントロール能力を与えるAppleのSiriKititフレームワークがiOS 13でやっとサードパーティに公開されたのだ。これでSpotifyなどの音楽サービスはオーディオ再生や、曲のスキップや移動、トラック情報の取得などの機能を音声で操作できるようになった。

iOS 13になって、まずPandora、Googleマップ、WazeなどがSiriのインテグレーションを行った。 つまり日頃Appleのライバルである企業もSiriのサポートができるようになれば即座に飛びつくということが証明されたわけだ。

もちろんSiriの音声コマンドが使えるのは一般ユーザーにとって便利だし、結局アプリの運営者のビジネスにもメリットがあることになる。SpotifyはこれまでAppleの行動を反トラスト法に違反する疑いのある競争制限的なものとして対立していたが、こうした事情がその主張を軟化させたようだ。

長らくSpotifyはAppleのアプリプラットフォームは反競争的であり、自社アプリやApple Musicのような自社サービスを不当に優先するビジネス慣行を継続させてきたと非難してきた。そうした不満の最たるものがAppleがSiriに自社のアプリ、サービスを優先させていることだった。またApp StoreにおけるAppleの取り分が30%であることもSpotifyの成長を妨げる要因だとしていた。

この3月にSpotifyはEUに対しAppleに対して反トラスト的ビジネス慣行の申立を行っていた。また米議会もAppleに関する反トラスト法調査に関連して情報を提供するようSpotifyに接触しているとReuters(ロイター)が報道している。

iOS 13でSirikitがサードパーティに公開され、Siriが使えるようになってもSpotifyは「これでは十分でない」という立場を維持するだろう。たとえばユーザーがSiriにSpotifyを操作させるためにはいちいち「on Spotify」と付け加える必要がある。ユーザーがいつもSpotifyで音楽を聞いているなら、このサービスを音楽再生のデフォルトに設定できる機能があれば大いに手間が省けるわけだ。またSiriのサポートが行われたのはすべてのiOSではなくiOS 13のデバイスのみだ。

Spotifyは本日、Google Nest Home Max、Sonos Move、Sonos One SL、Samsung Galaxy
Foldに加えて、スマートウオッチではMichael Kors(マイケル・コース)のAccessシリーズ、Wear OSを搭載したDiesel(ディーゼル)やEmporio Armani(エンポリオ・アルマーニ)のサポートも発表している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Spotifyにポッドキャストのプレイリストを作る新機能が登場

米国時間9月30日、Spotifyはポッドキャストをプレイリストに追加する新機能を公開した。ユーザーは好きなポッドキャストを集めた自分だけのプレイリストを作ったり、それに音楽を組み合わせることもできる。6月にSpotifyが導入した「Your Daily Drive」(毎日のドライブ)のようなものだ。

「Your Daily Drive」はSpotifyのパーソナライズエンジンで音楽とニュースを組み合わせるものだ。今回公開されたのはポッドキャストを自分で集めてプレイリストを作る機能で、Spotifyの選択に任せるものではない。

自分でポッドキャストのプレイリストを作るには、ポッドキャストのエピソードに表示されている「…」をタップし、「プレイリストに追加」をタップする。すでに作成されているプレイリストに追加しても、新たにプレイリストを作成してもいい。プレイリストには、音楽などのコンテンツをさらに追加できる。

Spotifyによれば、ポッドキャストを音楽のストリーミングに統合できるようになって以来、ユーザーからこの機能を求める声が多く寄せられたという。ただし手動で追加する方法なので、好きなプログラムの最新エピソードを簡単に聞く方法とはいえない。

多くのポッドキャストは、新しいエピソードを週に1本程度リリースしている。毎週リリースされるエピソードをプレイリストに欠かさずに追加するのは大変だ。この機能はむしろ、あるテーマに関するポッドキャストを集めたり、長時間の移動に備えてプログラムをいくつか聞けるようにしておくといった使い方に適している。

今回の発表でSpotifyは、ユーザーが作成した音楽のプレイリストはすでに30億以上となったので、この新しいプレイリスト作成機能もユーザーに喜ばれるだろうと述べている。

ポッドキャストのプレイリストを作ったら、音楽のプレイリストと同様に友達と共有したり広く公開したりすることができる。ポッドキャスト制作者が自分の作った優れたエピソードや人気ゲストを招いたエピソードをプレイリストとしてまとめれば、有望なマーケティングツールになり得るだろう。ユーザーが自分のお気に入りのエピソードをまとめて友達に勧めるプレイリストを作ることもできる。

ニュースやエンターテインメントに興味があれば、さまざまなソースから同じトピックに関するエピソードをまとめたプレイリストを作ることもできるだろう。例えば、いろいろな人が語る新しいiPhoneのレビューを集めたプレイリストのようなものだ。

ここ1年ほど、Spotifyはポッドキャスト市場に大きな投資をしてきた。GimletParcastAnchorを買収し、プログラムの開発に関してはバラク・オバマ氏とミシェル・オバマ氏の制作会社「Higher Ground」と提携したり、独占プログラムやオリジナルプログラムも増やしている。さらに「VOGUE」や「GQ」を出版しているCondé Nast(コンデナスト)の元エンターテインメント担当プレジデントであるDawn Ostroff(ドーン・オストロフ)氏をコンテンツ担当のトップとして迎えた

現在、Spotifyのプラットフォームでは「数十万」のポッドキャストをストリーミングできるという。

Spotifyによれば、ポッドキャストのプレイリストを作成する新機能は、現在はモバイルでのみ利用できる。デスクトップでは作成済みのプレイリストをストリーミングすることはできるが、プレイリストを作成することはできない。

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(翻訳:Kaori Koyama)

GoogleがYouTube Musicを今後出荷のAndroid 9/10端末にプリインストールへ

ストリーミングが音楽マーケットの主流になってきた現在、Google(グーグル)はすべてのAndroidデバイスに音楽アプリをプリインストールすることで一気にライバルに追いつこうとしている。これがYouTube Musicをめぐる動きだ。

米国時間9月28日、Googleは同社のPixelシリーズを含め、今後発売されるAndroid 10とAndroid 9スマートフォンにYouTube Musicプリインストールすると発表した

実際、Googleの音楽戦略は根本的な再編成を必要としていた。2015年11月にYouTube Musicをスタートさせて以後、Googleの音楽サービスは2本立てになっていた。一方は2011年開始のGoogle Play Musicだ。さらに事態をわかりにくくさせていたのは、YouTubeが有料のサブスクリプション、YouTube Premiumも始めたことだ。このサービスはGoogle Play MusicとYouTube Musichの双方にアクセスできる。逆にGoogle Playの有料サブスクリプションメンバーはYouTube Premiumもカバーしている。さらにややこしいことに、今年5月にはYouTube Musicのみのサブスクリプションも始まっている。

Googleの音楽サブスクリプションの全体像は飲み込めただろうか?Googleのチャットアプリの現状は混乱を極めているが、音楽サービスもわかりやすいとはいえない。

4月にGoogleは、Google Play MusicをYouTube Musicに1本化するつもりであることをとうとう認めた。これはGoogle PlayのArtist Hubをシャットダウンするのはもっと大きな音楽サービスの再編の一環なのだという説明だった。

しかしYouTube Musicが今後発売されるAndroidにプレインストールされるという本日の発表の後でもGoogle Play Musicはまだ健在だ。

ただし新しいAndroid 10デバイスにGoogle Play Musicはプリインストールされず、必要とするユーザーはアプリをPlay Storeからダウンロードしなければならな。逆にYouTube MusicがプリインストールされていないAndroidデバイスのユーザーも、Play Storeからダウンロードすることになる。

YouTubeの音楽ストリーミングはApple MusicやSpotifyといった市場リーダーと比較してもそこそこ充実したサービスだ。ユーザーの視聴傾向から新しい音楽を推薦する機能もあり、これには楽曲だけでなくアルバムやライブ、リミックスも含まれる。サブスクリプションであればYouTube Musicは広告が入らないし、オフライン再生もできる。最近はSpotifyの毎週のお勧め、Discover Weeklyに対抗して、Discover Mixもスタートしている。

しかしYouTube Musicはユーザーがダウンロードしなければならないため、iOSのApple Musicのようなプリインストールサービスに比べて不利だった。さらにGoogle Play Musicのユーザーは長年かけて蓄積したプレイリストをYouTube Musicにインポートインポートできないのも痛かった。

5月にYouTube Musicは、有料定期購入者が1500万人に達していた。一方Spotifyの発表によれば、6月末の時点でのSpotifyの月間アクティブユーザー2億3200人うち、1億800万人が有料定期購入者のアカウントだという。Apple Musicの有料定期購入者は6月に6000万人の大台に載せた

Googleによれば、Google Play MusicのYouTube Musicへの統合は作業中だという。つまりまだ実現していない。

YouTubeの広報担当者はTechCrunchの取材に対し、「以前発表したとおり、我々は最終的にはGoogle Play MusicをYouTube Musicで置き換える。この再編の一環としてYouTube MusicがAndroid Q以降のデバイスにプリインストールされる」と確認した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Spotifyが音楽制作マーケットプレイスのSoundBetterを買収

米国時間9月12日Spotify(スポティファイ)は、レーベルに対してストリーミングロイヤリティを支払うことを前提にした自身のビジネスモデルを多様化するために、アーティストたち向けのサービス構築を行うための新たな一歩を踏み出した。アーティスト、プロデューサー、そしてミュージシャンを特定のプロジェクトでつないだり、音楽の提供とライセンシングを橋渡ししたりすることを助ける、音楽制作マーケットプレイスであるSoundBetter(サウンドベター)を買収したのだ。

SoundBetterは約18万人の登録ユーザーを抱えており、これまでにミュージシャンやプロデューサーたちに1900万ドル(約20億円)以上の支払いを行ってきた。その平均値は現在毎月平均100万ドル(約1億800万円)である。同社はプラットフォームを通して行われるそれぞれの取引から、手数料を徴収している(徴収率は非公開)。

買収の金銭的条件は明らかにされていない。つまりそれは、2億3200万人のユーザーを抱え、そのうちSpotify Premium購読者が1億100万人もいる、240億ドル(約2兆6000億円)規模のストリーミング大手にとって、大きな金額ではないだろうということを意味している。ニューヨークに拠点を置くSoundBetterは、500 Startups、Foundry Group、Eric Ries、そしてAOL傘下でNautilusと呼ばれていた頃のVerizon Venturesといった投資家たちから資金を調達していた(情報開示、TechCrunchはVerizon Mediaの一部である)。金額は非公開となっている。Drummond Roadなどからの転換社債を使ったその最後の資金調達は2015年に遡る。

SoundBetterはこの買収によって閉鎖されることはない。広報担当者はTechCrunchに対して、Spotifyと同様にビジネスを続けることを認めた。そしてスタートアップは、現在SoundBetterのサービスとSpotify for Artists(現在ミュージシャンやその他へSpotifyトラックの分析データやマーケティングを助けるその他のサービスを提供している)の統合に取り組んでいる。

SoundBetterは、2012年に現在はCEOを務めるShachar Gilad(シャチャー・ギラッド)氏)とCTOを務めるItamar Yunger(イタマル・ユンガー)氏によって創業され、現在2つの主要なサービスを運営している。その主な事業は、ミュージシャンが音楽トラックを仕上げるために、歌手、サウンドエンジニア、プロデューサー、その他の音楽およびオーディオの専門家を探すためのオンライン市場だ。音楽に特化したFiverrまたはBehanceを想像してみてほしい。同社は今年6月には、Tracksと呼ばれる新しいマーケットプレイスを立ち上げている。これは完成した音楽をライセンスしたい人のためのマーケットプレイスで、ここにはEpidemic Sound(エピデミックサウンド)のような競合相手がいる(Epidemic Soundは今年の始めに3億7000万ドルの評価額の下に資金調達を行っている)。

興味深いことに、かつてSpotifyは自身で直接音楽配給を行うプラットフォームを立ち上げようとしたことがある。その中にはミュージシャンがクロスプラットフォームでアップロードが可能な音楽配信サービスDistroKidへの投資も含まれている。しかしそうした試みはベータ版を脱することはなく、この7月には閉鎖された。SoundBetterへの道を開くために、この閉鎖が行われた可能性があるため、この決定は今ではより意味が理解できる。

実際、Spotifyにとってこの取引は、同社が音楽エコシステムのアーティストやその他の人々のために、より多くの裏方サービスに投資し続けるというメッセージなのだ。これを行う理由は、いくつか存在する。

まず、ミュージシャンたち自身の財政的苦境がある。彼らはSpotifyから得られる収入が少ないことを、長い間嘆いてきたので、追加のお金を稼げる、または少なくとも自分の仕事をより効率的に行えるような追加のサービス提供することは、両者の関係をただ良くするだけだ。

第2に、Spotify自身にとっての、Spotifyのストリーミングビジネスの基本に関わる問題である。同社は、その創業以来、権利者に対して130億ユーロ(約1兆5000億円)以上の支払いを行っていると語っている。各ストリーム毎に支払いが行われていて、常にレーベルとの間で再交渉が行われているが、それでも基本的なビジネスモデルでは依然として損失を出しているのである(とはいえ損失は縮小しているように見える)。

第3に、多様化はビジネス全体に対するストリーミング側の圧力をある程度取り除くのに役立つ。収益性は脇に置いたとしても、先の四半期でSpotifyはサブスクリプションの成長目標を達成できなかったことに対する批判に晒されたのだ(そして株価も下落した)。

「クリエイター向けのツールを構築する際には、彼らが成長するために必要なリソースを提供したいと考えています。SoundBetterも同じビジョンを持っています」と声明で語るのは、Spotifyのクリエイターで、製品担当VPのBeckwith Kloss(ベックウィズ・クロス)氏だ。「私たちは、SoundBetterを通じてクリエイターの皆さんが、インストゥルメンタリストからソングライター、プロデューサーに至るまでの、トッププロフェッショナルのネットワークを活用して、トラックを完成させることができるメリットを得られることだけでなく、収入を生み出せることも楽しみにしています」。

Spotifyはここ数年に渡って、同社のプラットフォームを音楽ストリーミングを超えて活用できる資産のリストを増やしている。最近ではナレーションコンテンツへの注目が高まっていることを受けて、SoundTrap(2017年にSpotifyが買収)を介したクラウドベースのスタジオサービスを提供したり、Anchor(昨年買収)によるポッドキャストプラットフォームを提供したりしている。

しかし、音楽は変わらずプラットフォームの心臓であり、有料ストリーミングサービスは物理的な音楽ビジネスを犠牲にしながら成長を続けている。そのため、Spotifyはそのビジネス分野も強化し続けている。とりわけAppleのような競合他社が、従来のレーベルを迂回するために、アーティスト向けの独自のサービスを構築し続けていることも、そうする理由だ。

SoundBetterは、比較的小規模なビジネスとはいえ、ビッグネームをかなり抱えた、まずまずのビジネスを行っている。同社は「カニエ・ウエストのプロデューサー、フーバスタンクのドラマー、ジャミロクワイのギタリスト、ビヨンセのソングライター、ジョー・コッカーのベーシスト、ハービー・ハンコックのエンジニア、モリッシーのギタリスト、ザ・キラーズのミキシングエンジニア、ジョージ・マイケルのマスタリングエンジニア」たちがサービスを使用していると表明している。買収によってその規模は大きく伸びるだろう。Spotify for Artistsは現在、40万人の登録ユーザーを獲得しているが、デジタル音楽配信の基盤としてのプラットフォームを使い、SoundBetterが構築したようなものを含む適切なサービスの組み合わせれば、そのユーザー数がはるかに大きくなることをSpotifyは期待している。

「SoundBetterは、世界の176か国と1万4000の都市にまたがるメンバーコミュニティとともに、世界中で音楽およびオーディオ制作の専門家を探せる、最も包括的なグローバル市場を提供しています」とSoundBetterの共同創業者でCEOであるシャチャー・ギラッド氏は語る。「私たちは、Spotifyのグローバルな規模、リソース、ビジョンを活用してネットワークを拡大し、あらゆるレベルのアーティストの皆さんにさらなる経済的チャンスをもたらすことを楽しみにしています」。

画像クレジット: stockcam (opens in a new window) / Getty Images

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(翻訳:sako)

Spotifyから音楽やポッドキャストをSnapchatにも共有できる

Spotifyのユーザーは、お気に入りの音楽やポッドキャストをSnapchatで友達に共有できるようになった。これは同社が米国時間9月9日に発表したもので、曲、プレイリスト、アーティストのプロフィール、ポッドキャストを友達に対してSnapchatで直接、またはSnapchatのストーリーで共有できる。

これでSnapchatは、Spotifyユーザーからの共有先のひとつになった。ほかの共有先にはWhatsApp、アップルのメッセージ、Facebook Messenger、Twitter、Instagramのストーリーズ、そして8月末に加わったFacebookのストーリーなどがある。

Snapchatに共有する方法は、ほかの共有先と同じだ。右上の「…」アイコンか右下の共有アイコンをタップし、共有先としてSnapchatを選択する。するとSnapchatで新しいスナップが開き、アルバムのアートワークが含まれる。これを編集してから、いつもの通りスナップとして送信できる。

このスナップを受け取った人は、カードをタップして共有された音楽やポッドキャストを聴くことができる。

この機能は音楽を友達と共有するだけでなく、SpotifyのアーティストやチームがSnapchatの2億300万人のデイリーユーザーに向けて音楽をプロモーションするのに使うことができる。Snapchatのユーザー層は、Spotifyのアーティストが狙うヤングアダルト層のティーンに集中している。

この機能は、ユーザーがアプリやウェブサイトからメディアを共有するためのCreative Kit(Snap Kitに含まれる)を利用している。

2018年6月にSnap Kitのプラットフォームが登場し、Spotifyは今や、Snap Kitと統合された200以上あるアプリのひとつだ。Snap Kitは、Facebookに代わる、もっとプライベートなプラットフォームを目指している。しかし今回のケースがまさにそうであるように、FacebookやInstagramをすでにサポートしているアプリやサイトがSnapchatのサポートを追加することがほとんどだ。

ストリーミングサービス、特にAmazon MusicやApple Musicといったライバルとの競争が激しくなり、ストリーマーの期待を受けてSpotifyは共有機能を強化している。Amazon MusicはAmazonプライムやAlexaとの統合に支えられ、Apple Musicはアップルのデバイスにプリインストールされていることが強みだ(そしておそらく、今週のアップルのイベントでApple TV+との新たな統合も発表されるだろう)。

一方のSpotifyは、2019年第2四半期に新規有料会員数の見込みが850万人であったのに対し、実際には800万人と予想を下回った。共有のオプションを増やすことで、Spotifyは有料会員になる可能性のある多くのユーザーにアプローチしたい考えだ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Spotifyが2人用サブスクPremium Duoプランをラテンアメリカへ拡大

Spotifyの最新の2人用有料サブスクリプションであるPremium Duoプランは、今年3月にパイロット版としてアイルランド、コロンビア、チリ、デンマーク、ポーランドで開始された。米国時間9月4日、同社はこのプランをラテンアメリカの14カ国に拡大すると発表した。

新たに利用できるようになるのは、アルゼンチン、ボリビア、コスタリカ、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ。

Duoプランは主にカップルを対象にしているが、ルームメイトなど自宅住所が同じ2人で利用できる。

価格は、1人用のPremiumサブスクリプションよりは高いが、2アカウントに制限されるためFamily Planよりは安い。Premiumを2アカウントよりもDuoのほうが安い。

メリットはFamily Planと似ている。各ユーザーの音楽の好みは別々に保存され、お勧めはそれぞれ異なる。Family Planでは8月に追加された機能で曲を追加して作ったオリジナルのミックスを家族のほかの人も楽しめるが、これと同じように、DuoのサブスクリプションにもDuo Mixという共有プレイリストがある。これは2人が簡単にプレイリストのライブラリをお互いに共有できるものだ。

これで19カ国で展開されることになったが、SpotifyはPremium Duoプランをいまだに「パイロット版」と説明している。パイロット版といえば一般には、その企業がサービスを全ユーザーに提供すると完全にコミットしているわけではないことを表す。この呼び方はたいてい、企業が新しいサービスの影響を評価中であるという意味だ。

Spotifyの場合、3月に開始したPremium Duoはサブスクリプションの大幅な増加にはまだつながっていない。Spotifyは2019年第2四半期の収益報告で、その四半期の新規サブスクリプションは800万人で、予想の850万人を下回ったと発表した。同社の現在の月間ユーザーは2億3200万人、有料サブスクリプションのユーザーは1億800万人だ。

やはり、Duoのようなプランが有料ユーザーの数に大きな影響を与える米国などの重要な市場に、Spotifyはまだリーチできていない。

Duoが提供されている国に住んでいてPremiumプランに加入しているユーザーは、Spotifyのウェブサイトでアカウントページを開き、パートナーを追加してアップグレードできる。Duoの2人の自宅住所が同じであることが必要だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

SpotifyからFacebookのストーリーに音楽を共有できる

Spotifyは米国時間8月30日、友達と、あるいはアーティストがファンに対して、音楽を共有する新しい方法を発表した。Facebookのストーリーと統合し、15秒間の試聴を共有できる。これを見た人はストーリーにある「Spotifyで再生」ボタンをタップしてSpotifyアプリに移動し、曲をもっと聴くこともできる。

この機能は主にアーティストとそのチームがFacebookのソーシャルネットワークで新曲をプロモーションする新しい方法として設計された。ミュージシャンやマネージャーは、Spotifyアプリの共有機能を使って、コンテンツをInstagram、Twitter、WhatsAppなどのソーシャルメディアに投稿していることが多い。

2018年にSpotifyは、アルバム、曲、プレイリストをInstagramのストーリーに共有する方法を導入した。これは、Facebookが他社のアプリからFacebookやInstagramのストーリーに共有する機能を公開すると発表したことを受けたものだった。

その時点でSpotifyは、Facebookのストーリーとの統合もまもなく開始すると発表していた。

Instagramとの統合を開始して以来、共有機能はSpotifyとInstagramの双方にとって有効なものとなった。音楽を見つけようとしてSpotifyアプリに戻ってくるトラフィックが増え、ユーザーのストーリーもより魅力的なものになるからだ。

しかしFacebookのストーリーへの共有は、それほど需要がないかもしれない。

15秒間のクリップをFacebookのストーリーに共有するには、Spotifyアプリで共有ボタンをタップし、共有先としてFacebookを選択する。

補足しておくと、現時点ではSpotifyが公表し上のツイートの動画にもあるニュースフィードへの共有は表示されない。「Facebook」をタップするとすぐにストーリーのインターフェイスが表示される。

この後はふだんと同じようにストーリーを編集して投稿する。これを見た人は15秒間のクリップを試聴でき、タップしてSpotifyに移動してもっと聴くこともできる。

Spotifyは過去にもFacebookのストーリーへの共有機能を提供していたが、その後、利用できなくなっていた。

曲の試聴は、1曲だけをストーリーに共有した場合に限られる。Spotifyによれば、アルバムやプレイリスト、アーティストのプロフィールページといったコンテンツを共有した場合、それを見た人はコンテンツをタップすることはできるが、試聴はできない。

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(翻訳:Kaori Koyama)

SpotifyがCreate podcastをテスト、ポッドキャストのファンをクリエーターに

EngadgetのJane Manchung Wong(ジェーン・マンチャン・ウォン)が最初に発見したように、Spotify(スポティファイ)はアプリ上でユーザーが購読しているポッドキャストのリストの一番上に表示される、新しい機能「Create podcast」をテストしている。このボタンは、Spotifyが2月に買収したポッドキャスト作成アプリ 「Anchor」 をダウンロードするように、ユーザーを誘導するプロモーションを提供する。

これはSpotifyがポッドキャストに投資しているひとつの例で、消費と制作という両面の意味がある。同社はまた、ポッドキャスト向けの新しいアナリティクス・ダッシュボードを今年発表し、8月にすべてのクリエーターに向けにリリースした。これには、ポッドキャストクリエーターに彼らのリスナーがなにに関心を寄せているかを示すことが含まれている。

Spotifyはまた、2019年だけでも音楽とPodcastをミックスしたパーソナライズ・プレイリストをローンチし、Podcast配信ツールをすべてのクリエーターに公開し、アプリのナビゲーションを再設計してPodcastを音楽と対等な立場においた。同社は、コンテンツと制作の両面で数々の買収を行い、プラットフォーム全体の重要な要素としてポッドキャストに力を入れている。

現在の音楽レーベルとのライセンス契約では、楽曲ストリームにもとづいて加入者からSpotifyに支払われる金額はごくわずかでしかないため、Podcastは同社が収益を多様化し、より多くの利益を得るための新しい事業分野を生み出す手段となっている。特に、クリエイターや広告主に広告を販売することで、Spotifyはリスナーの利用を増加させ続けられればポッドキャストからより多くの利益を得られる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Shazamのデータを活用したチャートがApple Musicに登場

Apple(アップル)は、2018年に4億ドル(約425億円)で買収した音楽認識アプリのShazamを活用している。今月前半にアップルが公式に開始した「Apple Music for Artists」ダッシュボードには、Shazamのデータに基づく分析が使われている。米国時間8月20日には、Shazamのデータを利用したApple Musicの新しいチャート「Shazamディスカバリー Top 50」を公開した。

このチャートには毎週、世界中のShazamのデータをもとに、注目アーティストのヒットしつつある曲、トップ50がフィーチャーされる。

Shazamアプリはこれまでに10億回ダウンロードされ、鳴っている曲が何かを調べるために世界中のユーザーが1日に2000万回、ボタンをタップしている。このデータを使って、ブレイクしそうな曲が選ばれる。

これは、これまでの音楽チャートとは異なる指標だ。ダウンロード、購入、ストリーミングの数を参照するのではなく、これから来そうなアーティストを見つけ出そうとしている。

ただし、このチャートに含まれる曲が、その曲のライフサイクルのどの時点にあるかは、おそらくまちまちだ。大半は新しいアーティストだろうが、すでに大ヒットした曲が何らかの理由で含まれるかもしれない。このチャートにランクインする曲は、Shazamのチャートで動きが速いパターンである、急激に伸びている、着実に伸びている、ある地域で伸びているなどの特徴を示していると思われる。あるいは、これらのすべてに当てはまるかもしれない。

この新しいチャートには、米国をはじめとする10数カ国の傾向に基づいて曲が選ばれる。

Shazamが音楽チャートに進出するのはこれが初めてではない。現在、Shazamのサイトでは、米国やその他の一部の国のディスカバリーチャート10曲に加え、米国や日本など、そして世界のトップ200も公開されている。

Apple Musicの「ディスカバリー Top 50」は、今のところShazamのサイトのディスカバリーチャートとは一致していない。これは更新のタイミングによるのかもしれない。

この新しいチャートから、アップルがShazamを社内に取り込んだ理由がうかがえる。曲を認識するテクニックではなく、音楽のトレンドを知るためのデータを取得したかったのだろう。これはアップルがSpotifyと戦うための新たな手段になる。Spotifyは2017年にベータ版として独自のアーティストダッシュボードを公開し、アーティストやミュージシャンに有益な考察を提供して他社と差をつけていた。

Apple MusicのShazamのチャートは「見つける」タブに表示されていることもあるが、「Shazam」で検索して見つけることもできる。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Spotifyにペアレンタルコントロールが追加される

子供にSpotifyの「クリーン」なコンテンツだけを利用させたいと考える人のためのオプションがまもなく登場する。

15ドルで6つのアカウントを利用できるSpotifyのファミリープランに、同社に対して長年求められてきた機能が追加される。ペアレンタルコントロールだ。

Spotifyのメインのアカウントの所有者が、任意のサブアカウントに対して露骨なコンテンツのフィルタのオン/オフを切り換えられるようになる。オンにすると、そのサブアカウントではアカウント管理者の手を借りずにフィルタをオフにすることはできない。

Spotifyは数年前に露骨なコンテンツのフィルタを実装したが、ユーザー自身がオン/オフを切り換えるだけのもので、保護者が子どものアカウントに対してオンに設定するものではなかった。

Spotifyは「ファミリーミックス」という新機能も発表している。これは家族のみんなが気に入るだろうとSpotifyが判断した曲を集めたオリジナルのプレイリストだ。家族旅行に出かけるがプレイリストを作る時間がないというときに、ファミリーミックスを再生すれば家族みんながハッピーでいられるだろう。子供が「もう1回、モアナをかけて」と言うまでのわずかな間かもしれないが。

Spotifyによれば、この2つのファミリー向け機能はまずアイルランドで公開し、その後、ファミリープランを提供しているほかの国にも順次展開していくという。

画像:Thomas Trutschel/Photothek

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(翻訳:Kaori Koyama)

Spotifyが一部地域でプレミアムサービスの値上げをテストとの報道

Bloomberg(ブルームバーグ)の報道によると、Spotify(スポティファイ)は北欧地域の一部にてファミリープランの料金を13%値上げする計画だという。この値上げは、同社のサービス料金を世界的に引き上げられるかどうかを判断するための限定的なテストとなる。限定的なテストの結果次第では、値上げが固定化されたり、他地域に反映されることもないとしている。

Spotifyは音楽ストリーミング業界で最大のユーザーを抱えているにもかかわらず、同社は一貫して赤字となっている。同社が上場を続けて収益性を改善するためには、これはより重要な事案となる。

ビデオストリーミング業界に目を向けると、Netflixは成長と売上向上のために何年にもわたり値上げを続け、そして顧客を維持してきた。しかしNetflixはマーケットでユニークな存在で、また従来のケーブルテレビや衛星テレビの契約よりはずっと廉価だ。

Spotifyはまったく異なる環境で事業を進めており、Apple(アップル)、Google(グーグル)、Amazon(アマゾン)らが非常によく似た競合サービスを提供しているが、これらのサービスはすべて独自に収益を上げるためではなく、他の事業を補完するものなのだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter