大統領選挙戦でデジタル広告担当だった私がTwitterの政治広告禁止を支持する理由

2020年大統領選挙キャンペーンで、当時は大統領候補だったセス・モルトン下院議員(8月に撤退を表明)のデジタル・ディレクターとして私は、インターネット上で行われるあらゆるキャンペーン活動を取り仕切っていた。嫌われ者の電子メール、拡散して欲しいと願う動画、実地で活動してくれる支援者をまとめるオンラインインフラなどいろいろあるが、中でも時間的にも資金的にも最大の投資先はデジタル広告だった。

私たちのキャンペーンでは他の多くの候補者の場合と同様、給与を除き、単独で最も多くの資金が費やされるのがデジタル広告だった。ところが、そうした広告は、キャンペーンにとっては非常に厄介なものだ。民主主義にとって有害であり、それで利益を得ている企業にとっても害悪だ。先週、Twitter(ツイッター)のCEOジャック・ドーシー氏は政治広告を禁止するという、大胆にして初めての一歩を踏み出した。Facebook(フェイスブック)のCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏とGoogle(グーグル)のCEOであるサンダー・ピチャイ氏も、それに続くべきだ。

デジタル広告は、新しい支持者を得るためには最も重要なチャンネルのひとつであり、「10ドル、5ドル、または、できることならなんでも構わないのでご支援いただけますか?1ドルでも大助かりです!」といった極めて重要なお願いをすることができる。米民主党全国委員会がこの2月に、大統領候補者が最初の2回の討論会に参加するためには、少なくとも6万5000人の個人寄付者を集めなければならないと発表して以来、そのような少額の寄付をしてくれる人たちがキャンペーンの生命線になった。

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困ったことに、民主党の寄付市場で競合する企業は、2016年にはたったの5社だったものが今では25社となり、どの陣営も新しい寄付者を集めようと必死になっているため、費用が高騰している。激増だ。

私たちは(他所も同じだと推測するが)、本来は利益を生むはずの広告で、10ドル、20ドル、あるいは30ドルを出費して、わずか1ドルの新しい寄付者を獲得するという赤字の運営を日常的に続けていた。キャンペーンにおいて、これは最悪の取引だ。金を失うために大量の資金を投入して、数週、数カ月と、高価なキャンペーンの花道を伸ばす。そこで儲けているのはFacebookだけだ。大きなスケールになると、その結果は膨大なことになる。残っている18名の民主党候補者もこの悪循環にはまり、Facebookとグーグルにすでに5300万ドル(約58億円)以上を投じている。そのほとんどが、政治広告費用だ。

この5300万ドルの資金があれば(これに前候補のクリステン・ギルブランド上院議員とジェイ・インスリー、ワシントン州知事の数百万ドルを加えれば)、誰が候補者になろうとも有権者の支持を民主党に集めるためのインフラ整備や、11月の民主党候補者討論会に役立てることができたはずだ。ところが、そのすべてがFacebookとグーグルの懐に入ってしまった。

政治広告は民主主義の敵だ。ネット上での関心の移り変わりの素早さ、それを助長する文字数制限、そしてデジタル世界の門番となっているエンゲージメントアルゴリズムにより、キャンペーンでは複雑な政治的課題をたったの2行の骨子もどきに凝縮しなければならず、それにで討論会の司会者も説得できない。誰かに政治広告をクリックして欲しいと願うなら、できるだけ扇状的な内容にするべきだ。人は怒りを覚えるとクリックするものだ。

それを一番簡単にやるには、話をでっち上げるだけでいい。ほとんどの候補者が思いも寄らないことをだ。幸いなことに、11月第2週に開かれた米議会の公聴会で、ザッカーバーグ氏は、Facebookは喜んでそれを受け入れると明言していた。

Facebookやグーグルなどの企業は、白か黒かだけの世界を有権者に提示するよう私たちに強要する。そこでは、その中間の微妙な感覚など邪魔者に過ぎず、ほんの1ドルをスマートフォンから寄付することが、市民の社会参画(エンゲージメント)ということになる(毎月継続的に寄付をしたいという人などは、かつてないほど貴重な支持者だ!)。これは、十分に情報に基づく健全な民主主義のあり方とは言えない。

政治広告は、それを出す企業にしても、良いものではない。ドーシー氏の発表と同じ日に開かれた四半期の収支報告会でザッカーバーグ氏は、大統領選挙の候補者による政治広告の収益は、2020年のFacebookの予想収益の0.5パーセントに過ぎないと見積もっていた。それを過去12カ月間の収益と同等の660億ドル(約7兆2000億円)と想定するなら、政治広告による収益はおよそ3億3000万ドル(約360億円)となる。

その代償として、Facebookはこの数年間、悪評に悩まされてきた。米議会の積極的な議員たちは、これを国家の安全保障上の問題と見なすようになり、規制のリスクが高まっている。しかも大統領候補のエリザベス・ウォーレン上院議員は、大統領に選出されたならFacebook を解体すると宣言し、生存の危機まで浮上している。それだけの収益があっても、議会の公聴会のために何時間も準備を重ねるザッカーバーグ氏の潜在的コストは正当化されないだろう。

それでは、こうした広告で利益を得るのは誰なのだろうか?それは、事実は主観的なものであり、現実ははかなく、信頼できる唯一の情報はソーシャルメディアを操る人たちが流すものという、支離滅裂な情報環境をアメリカ合衆国にもたらしたいと考える人物だ。

そのため、ドーシー氏の決断を最初に非難した団体が、ロシアの後ろ盾になっている通信社ロシア・トゥデイであったことはうなづける。わずかな収益と生存の危機との間で、アメリカの民主主義のバグの修正とロシアのプロパガンダの幇助との間で、ドーシー氏は、自身の収支と国の両方のために賢明な決断をした。ザッカーバーグ氏とピチャイ氏も、ドーシー氏に従って欲しい。

【編集部注】著者のAaron Bartnick(アーロン・バートニック)はセス・モルトン米下院議員の選挙キャンペーンでデジタル・ディレクターを担当していた。現在は、大学院大学ハーバード・ケネディー・スクール・オブ・ガバメントで勉学中(@AaronBartnick)。

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(翻訳:金井哲夫)

Twitterの政治広告禁止はプラットフォームの本当の問題点を隠す目眩しだ

インターネットのプラットフォームでは、何もかもが逆さまに感じられることがある。政治とパブリッシング、文化と商売、そしてそう、嘘のための真実のすり替えだ。

今週は、Twitter(ツイッター)のCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏の周囲に広がる光景に奇妙な逆転現象が起きていた。その製品が何のプラットフォーム(舞台)になっているか(たとえばナチス)を示すモラルの歪曲を真後ろで支えているハイテク企業のCEOとして名高い彼が、政治的発言の倫理性に泥縄のツイートストームを展開したのだ。

実際、彼は、民主主義と社会を擁護する態度を示し、人々の生活に強大な影響力を与える巨大無料プロパガンダ帝国を運営しつつ、現実からはまったく遊離したもう一人のハイテク兄弟であるFacebook(フェイスブック)のMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の師匠だ。

したがって、完全な逆転とは言えないかも知れない。

要は、Twitterは今後は政治広告を受け付けないという、それだけの話だ。

Jack(ジャック)
私たちは11月15日に、いくつかの例外を含む最終ポリシーを発表する(例えば、有権者登録を促す広告は認められる)。新しいポリシーは、広告主への変更の周知期間を設けるため、11月22日から施行される。

Jack(ジャック)
最後通達。これは言論の自由とは関係ない。問題は、金でリーチを伸ばすことだ。政治的発言のリーチを金を払って伸ばすことには計り知れない悪影響があり、今日の民主主義の社会基盤は、その準備ができていない。これに対処するために、一歩後退することには意味がある。

一方、Facebookは、政治広告のファクトチェックはもう行わないと先日発表した。つまり、Facebookに料金を支払って拡散する限りは、嘘でも構わないということだ。

Facebookの立ち位置は、表面上はハッキリしていると言えないこともない。すなわち「政治に関して、我々は倫理感を持ち合わせていない」と要約できる。おそらく「だから偏向していると責めることはできないよ」と論点をずらそうとしているのだろう。

だが、これは何も不合理な推論ではない。政治キャンペーンに対して倫理的基準を一切設けないことで、Facebookは最も倫理観の乏しく、身勝手な規範しか持たない者たちの味方になっている。そのためその立場は、控えめに言ってもトゥルース・ライト(現実の希薄化)だ(どちらの政治陣営が優勢かを自分で決められる)。

Twitterの立場にも、やはり表面的な明確性がある。全面禁止だ。政治広告も問題提起広告もみなゴミ箱行き。だが私の同僚Devin Coldewey(デビン・コールデウィ)は、それが政治広告なのか(またはそうでないのか)を、さらに数少ない例外には何が該当するかを明確に判断しなければならない状況になると輪郭がぼやける傾向にあると、すぐさま指摘していた。

事実、Twitterの定義には、すでに疑わしい部分がある。例えば、気候変動は政治問題だと明確にしている部分だ。そのため、科学に関する広告も禁止されることになる。その一方で、おそらく大手石油企業からの金にはオープンで、気候変動を招く汚染ブランドの宣伝を許している。そう、めちゃくちゃなのだ。

Will Oemus(ウィル・オリマス)
問題提起広告とは何かをTwitterはどう決めてるのか?

Jack(ジャック)
私たちは、政治広告だけを禁止して、問題提起広告は猶予しようと考えた。だが、政治家だけが訴えたい問題のための広告枠が買えるのでは不公平だと思った。だから、これも禁止する。

Vijaya Gadde(ビジャヤ・ガディ)
現在の定義はこうです。1. 選挙や候補者に言及している広告。2. 国家的に重要な立法上の問題(気候変動、医療、移民、安全保証、税金など)。

Twitterの基準を挑発したり迂回を試みる動きは、必ず起きる。このポリシーは単純に見えるが、そこには同社の策略的な計算と、偏向や道義上の失敗を責められたときの逃げ道を確保するためのあらゆる判断が透けて見える。それでも、コンテンツの基準においては、ルールを定めることは簡単で分別のある行動であり、そうあるべきものだ。こうしたプラットフォームが本当に苦労するのは、その適用段階だ。

それもまた、Facebookが政治広告に関するルールを一切定めないという実験を決断した理由になっているのだろう。政治的発言のお目付役を押し付けられたくないという(はかない)望みのためだ。

それが戦略なのだとしたら、Facebookはすでに呆れるほど愚鈍で何も聞かないふりをする者を目指していることになる。同社は、自身の消極的な姿勢が招いた故意にポリシーに逆らった広告の摘発を強いられるという、今まさに渦中にある広告の悪夢への準備を整えたところだ。自ら望んで腐敗した警察官となったのだ。周囲から、パラパラと拍手が聞こえる。

とは言え少なくともそれは、自らの倫理感を迂回して金儲けをしている自分自身への慰めとしては役に立っている。

Erick Fernandez(エリック・フェルナンデス)
アレクサンドリア・オカシオ・コルテスからマーク・ザッカーバーグへの全質問。予備選挙中の共和党員に向けてグリーン・ニュー・ディールに彼らが賛成票を入れたという広告を私が出すことはできますか?』

Twitterの政治広告に対する逆のポリシーも、すでに述べたとおり批判は免れない。実際、政治広告の全面禁止は、一般の認識度が低いところからスタートする新人候補者に不利になるとの批判が起きている。その議論のエネルギーを、選挙費用の厳格な支出制限を含む、選挙運動資金調達の広範な改革に費やしたほうがましかも知れないが、すべての候補者が平等に戦えるようにして政治活動を再起動したいと本当に考えるならそれも必要だ。

また、不正な資金を厳格に管理できる規制も大切だ。それは、変身マントでマイクロターゲッティングによるハイパーコネクティビティーの姿をぼかしながら、嘘を大衆の真実だと偽って宣伝するために民主主義を買収する、あるいはインターネットプラットフォームのリーチとデータを乱用してプロパガンダの目に見えない種を播いては内部から民主主義を変貌させてしまうことを阻止するものだ。

説明責任を負わず民主主義の監視を受けず、豊富なデータを抱える億万長者から安く影響力を買おうという歪んだ関心が、新しい歪められた普通になっている。しかし、それは間違っている。

別の問題も伝えられている。政治宣伝のプラットフォームとしてTwitterは決してメジャーではないことを考えると、 同社の政治広告の禁止は目くらましだと言える。

2018年、米国の中間選挙の間にTwitterが政治広告で得た収益は、300万ドル(約3億3000万円)に満たない。

Ned Segal(ネッド・シーガル)
質問を受けたので:この決断は金ではなく原則に基づくものです。背景として、2018年中間選挙の際に得た政治広告の収益は300万ドル以下であることを公表している。Q4ガイダンスでも変化はない。私はTwitterで働くことに誇りを持っている!

Rich Greenfield(リッチ・グリーンフィールド)
Facebookは政治広告は収益の0.5パーセントだと言っている。2019年の政治広告の予想収益は最大で3億5000万ドル(約380億円)。Twitterは政治広告は300万ドル以下と言っている。2019年の予想収益の0.1パーセントであることを示している。

もうひとつ、Twitterにオーガニックなツイートとして投稿されたものはすべて、政治的な召集の呼びかけに利用できる。

Natasha(ナターシャ)
もちろん、実質的にはTwitterはみんな政治広告。

このでたらめなオーガニック”なツイートは、Twitter上の正真正銘の政治活動だ(ですよね、トランプさん)。

個人の純粋な気持ちではない、意図した(料金を払っていることが多いが)フェイクである偽のオーガニック”ツイートも含まれる。これはゴーイング・ネイティブ”(現地人に染まる)広告と呼ばれている。嘘を真実であるかのように言い広めることを目的とした偽ツイートだ。ボット軍団(偽アカウント)によって増幅され、見た目は普通のツイートを装い(Twitterのトレンドの話題が標的にされ)拡散される。関心を惹くことを目的とした、真実に逆らい歪める、一般の世論を模したジェスチャーとしての非公式”な広告もどきの構造だ。要するに、プロパガンダだ。

ボットのネットワークで宣伝ができるのに、なぜわざわざTwitterの政治広告に金を出す必要があろうか?

ドーシー氏も、一部の著名な政治家(これもまた基本的にトランプだけど)のツイートにはプラットフォームのルールを適用しないハイテク企業のCEOであることを忘れてはいけない。

なので、Twitterが政治広告を禁止すると言っても、世界の指導者たちのツイートには今後もダブルスタンダードが適用される。具体的には、米大統領の独裁的で右翼思想の政治的目標を達成するための弱い者いじめの暴言や脅しを許していることだが、Twitter社はその矛盾を両立させている。

最近になって、Twitterはポリシーをわずかに変更した。無法な世界的リーダーのツイートのリーチに制限を加えるというのだ。だが、引き続き2つのルールで運用される。

この葛藤を自身のツイートストームの中で前面に押し出したドーシー氏の行動は評価できる。彼はこう書いている。

インターネットによる政治広告は、民間の議論にまったく新しい課題を提示しています。機械学習によるメッセージの最適化やマイクロターゲティング、野花しの虚偽情報、ディープフェイクなど。これらすべてが急激に増大し、発達し、圧倒的な規模に発展しています。

こうした課題は、政治広告のみならず、あらゆるインターネット・コミュニケーションに影響を及ぼします。その根本にある問題に、さらなる負担や複雑性、費用をかけずに対処することが得策です。二兎を追うものは一途も得ず、私たちの信頼にも傷をつけます。

ドーシー氏にしては、よい文章だ。彼とTwitterの長年にわたる言論の自由原理主義のことを思えば、驚くほど良い。同社は、表現の自由をインターネット上に蔓延させるために、故意に目をつぶり耳を塞いで、一般社会による制限に対する盾になることで評価を得た。それがなければ、あらゆるひどいことを増幅させる自由”が、マイノリティーを一方的に傷つけ、言論の抑圧につながってしまう。

いわゆる言論の自由は、リーチの自由とは違うと、ドーシー氏は今になって話している。

今回の政治広告禁止に向けて、政治問題の定義に関するTwitterの判断にはいくつか残念なものもあったが、それは、まだ同じ熱い空気の中でもまれているFacebookやザッカーバーグ氏とは対照的だ。民主主義を、自身が所有する会社ですら忠誠を示すことができない二元論的イデオロギーに売り払うという、つじつまの合わないプラットフォームのポリシーを正当化しようとする姿は、硬直しているように見える。

Facebookの収支報告会の最中というドーシー氏のツイートストームのタイミングは、まさにその点を突こうと意図したものだ。

「ザッカーバーグは、複雑性の中に溺れかけている会社を経営しているにも関わらず、微妙な意味合いも、複雑性も、文化的特異性も関係なく、人は言論の自由に賛成か反対かのいずれかでなければならないと信じさせたいようだ」と、文化史家Siva Vaidhyanathan(シバ・ベイドヒャナサン)氏は、ザッカーバーグ氏の言論の自由に関する宣言”を受けた最近のガーディアンの記事で、道徳観を欠いたFacebookを批判した。「彼は、我々の議論をできる限り抽象的に観念論的にしたがっている。Facebook自身のことをあまり近くから見ないで欲しいと思っている」

言論に関するFacebookの立場は、単に抽象論の中でのみ成立する。その広告ターゲティング事業が、規制されていない曖昧さの中の道徳的な怒りとは無縁の場所でしか運用できないのと同じだ。そこに焼き付けられた偏見(アルゴリズムとユーザーによって生成される)は、目に見えない安全なところに隠されているため、人々は、そのことと自分にもたさされる被害とを結び付けて考えることができない。

次々とスキャンダルを生み出すその企業が、今ではそのでたらめなイデオロギーのために議会から呼び出されるまでになったことは驚きに値しない。ここ数年間のプラットフォーム規模の虚報や世界的なデータ漏洩スキャンダルのおかげで、一部の政治家たちはこの問題に詳しくなってきた。彼らは、Facebookのポリシーが現実世界ではどのような形で実行されるか、つまり不正選挙や社会的暴力だが、それをよく見て体験してきている。

関連記事:政治広告の嘘を容認しているとして英国議会がFacebookを非難(未訳)

これらの、プラットフォームの巨人を問題視するようになった政治家たちには、反社会的なソーシャルメディア事業に直接効く有意義な規制を立案することが期待される。

とりわけ、Facebookの自主規制は、いつだって新手の危機管理広報に過ぎない。本物の規制を、先手を売って回避するためにデザインされている。それは、私たちの関心を逆手に取って収入源を堅持しようとする冷笑的な試みだ。同社は、その有害な言論問題の修正に必要な体系的な改革に着手したことは一度もない。

つまるところ問題は、毒性と分断がエンゲージメントを高め、関心を引き、Facebookに膨大な利益をもたらしているということだ。

Twitterは、そのビジネスモデルからは少々距離を保っていると言ってもいい。その理由は、関心を独占して利益を生み出すことに関して、Facebookの大成功の足元にも及んでいないことの他にも、自分の興味に従ってネットワークを構築したりフォローできる大幅な自由をユーザーに与えていることがある。そこでは、アルゴリズムの介入は受けない(たしかにアルゴリズムを使ってはいるが)。

またTwitterはしばらくの間、改革と自称する道を進んでいたことがある。最近になって同社は、プラットフォーム上で会話的健康の推進に責任を持ちたいと語っている。そこにはすでに会話的健康があると言い切れる人間はいないものの、政治広告の禁止がTwitterに迅速な広報の勝利をもたらしたこととは別に、私たちはついに何らかの行動を見ることになりそうだ。

しかし、本当に骨の折れる仕事は今後も続く。例を挙げるなら、悪意のプロパガンダで公的空間が汚染される前にボット軍団を摘発するという作業だ。Twitterはまだ、その可能性が高まっているとは言っていない。

Facebookも、オーガニック投稿を装った政治的なフェイク・コンテンツの尻尾を捕まえられずにいる。フェイクは、ヘイトと嘘を撒き散らし、私たちの民主主義の負担で儲けている。

その手のコンテンツに関して、Facebookは検索可能なアーカイブを提供していない(今では政治的と判断された有料広告には提供がある)。つまり、グループやページでの無料の投稿という、民主主義を狡猾にハッキングする不正資金の隠れ蓑を提供し続けているということだ。

さらにFacebookは、有料政治広告の影響力を隠していたカーテンを開いて透明化すると宣言してはいるが、みごとに失敗続きだ。その政治広告用APIは、学術研究の世界からは目的に適わないいまだに非難されている。その間も、Facebookのポリシーは、政治家による嘘の広告を容認し、外部のファクトチェック団体への圧力を強めている。

Facebookは、組織的な非認証行為と彼らが遠回しに呼ぶ増幅とリーチ稼ぎのために設定した偽アカウントのネットワークを排除する際に、問題となるプロパガンダが米国内から発せられていて、政治的右派に傾いている場合は、偏向した基準を適用している点でも非難されている。

シバ・ベイドヒャナサン(10月26日付けツイート)
4000もの広告主がブライトバートに金を使わなくなったとき、なぜFacebookがブライトバードに資金を出すようになったかを考えて欲しい。
【訳注:ブライトバードは右派のニュースメディア】

Facebookは、例えば米国の保守系ニュースサイトThe Daily Wire(ザ・デイリー・ワイヤー)の内容を専門に広めているとされているFacebookページのネットワークは「米国の実在の人が運営する本物のページであり、彼らは我々のポリシーには違反していない」と主張し、それを否定している(そうした結論に至った詳細は、私たちには明かされていない)。

同社の広報担当者は、こうも言っている。「将来、Facebookのこうしたページに関する情報を人々がより多く得られるよう、透明化を進めています」

同社が約束しているのは、いまだにさらなる透明化”であって、実際に透明化するとは明言していない。そして、Facebookは、法的拘束力が一切ないポリシーの解釈と適用を行う唯一の裁判官で居続けている。つまり、いかさまの規制だ。

さらにFacebookは、国内でヘイトスピーチを撒き散らす特定の人物による有害なコンテンツを何度か禁止してきたものの、例えばAlex Jones(アレックス・ジョーンズ)氏のInfoWars(インフォウォーズ)ページを削除したとき、まったく同一のヘイト・コンテンツが新しいページで復活するのを止められなかった。または実際に、同じようなヘイト思想を持つ複数の人物が、別のFacebook内の公的空間で別のアカウントを持っていたりもする。ポリシー適用に一貫性がないのはFacebookのDNAだ。

それとは真逆に、ドーシー氏の政治広告に反対する姿勢をとるという判断は、良い意味で政治家的に思える。

また、基本的なレベルにおいて、明らかに正しい行動だった。政治活動で集めてきたよりも、ずっと大きな関心を金で買うということは、豊富な資金を持つ人間に有利に働くために逆進的だ。とは言え、Twitterのスタンスでも、金が流れ続け、政治を汚染しているこの崩壊したシステムを立て直すことはできない。

しかも、オーガニックなツイートの形式に収まっている場合に、Twitterのアルゴリズムが政治的発言をどのように増幅させるかについて、本当に詳しいところはわかっていない。そのため、そのアルゴリズムによって強調されるのが、煽動的な政治的ツイートなのか、または情報を提供し団結を求めるツイートなのかは判然としない。

前述したとおり、Twitterのプラットフォームは、全体が政治広告だと言うことができる。同社は、独自の(そして商業的な)エンゲージメント性”を基準にしたツイートを表に出すか抑制するかの判断を、実際にアルゴリズムにさせている。つまり、ツイートされた言葉をどれだけ広く伝えるか(または伝えないか)を選別ことこそが、Twitterの事業なのだ。

そこに数多くの政治的発言が含まれることは明らかだ。トランプのお気に入りのプラットフォームがTwitterなのは、理由があってのことだ。政治広告を禁止したところで、そこが変わることは一切ない。したがって、今回もまた、ソーシャルメディアの自主規制は、よくても端っこを少しいじくる程度のものと考えざるを得ない。

Twitterが政治広告を禁止したのは、関心を集めることを目的としたインターネット・プラットフォームに焼き付けられている構造的な問題から人々の目を逸らすためだと、皮肉な見方もできる。

世界の民主主義と社会が格闘を余儀なくされている有害な政治的論説の問題は、インターネット・プラットフォームのコンテンツの配信方法と公的な討論の作り方が招いたものだ。そのため、本当の鍵となるのは、これらの企業が私たちの個人情報をどのように使って、個々の私たちが目にするものをどのようにプログラムしているかだ。

私たちが心配しているのは、Twitterの政治広告禁止によってドーシー氏が何かのついでに話した根本の問題”から人々の目が逸れてしまう危険性だ(おそらく彼は、彼らの理念に別の定義を持ち出すであろうが。ツイートストームの中で彼は「私たちのシステムが虚報を広めているという批判を止めさせる努力をしている」と話していた)。

Facebookの、同じ問題に関する一般の診断は、つねに、じつに退屈な責任転嫁というものだ。それは単に、人間の中には悪い者もいるがゆえに、悪いものがFacebookでプラットフォーム化されることもあると言っているに過ぎない。問題の原因を人間性にすり替えている。

別の言い方をしよう。インターネット・プラットフォームが有害なプロパガンダを拡散することに関連するすべての問題に共通する核心は、私たちの関心を操作するために人の個人情報を集めているという根本的な事実だ。

マイクロターゲティングという事業(行動ターゲット広告とも呼ばれる)は、すべての人を、なんらかのプロパガンダのターゲットにする。これは、ドナルド・トランプにやられても、ディズニーにやられても、気分のいいものではない。左右非対称だからだ。不均衡だからだ。搾取的だからだ。そして本質的に反民主主義的だ。

またそれは、産業規模で個人情報をあまねく収集し大量備蓄するよう奨励する。したがってそれは自ずとプライバシーの敵であり、安全を脅かし、大量のエネルギーとコンピューター資源を消費する。なので、環境面から見ても不快なものだ。

そしてそれはすべて、非常に卑しい目的のために行われる。他の人たちがあなたに何かを売りつけるために、あなたの情報を売り渡すというプラットフォームだ。石鹸も政治的意見も同じ扱いだ。

このプロセスをザッカーバーグ氏は、Relevant ads”(関連広告)と命名した。下流で私たちの関心を売るのに必要な個人データを吸い上げるパイプに油を注すための億万長者の巧妙な嘘だ。

マイクロターゲティングは、個人にとっても(気味の悪い広告、プライバシーの喪失、偏向やデータ乱用の危険)、また、まったく同じ理由で社会にとっても不愉快なものだ。さらに、選挙への不当な介入や、苦労して勝ち取った民主主義を敵意に満ちた勢力が踏みにじるなど、社会レベルでも深刻な危険をもたらす。

個人のプライバシーは、公衆衛生と同じ、公共の利益だ。病気や、まさに虚報に対する予防接種は、私たち全員を感染症から守ってくれる。

間違いのないように言えば、マイクロターゲティングは、ターゲット広告の料金をプラットフォームが受け取ったときにだけ実行されるのではない。プラットフォームは、つねにこれを行っている。兵器化されたレイヤーを設け、扱うものすべてをカスタマイズしているのだ。

これが、ユーザーが自由にアップロードした情報を大量に配布しプログラムする方法だ。彼らが日課として作り上げている人々の日常の混沌の中から最大限のエンゲージメントを引き出すために、情報を魅力的でパーソナルな物語に作り替える。それを、人間の編集者を大勢雇うことなく行っている。

Facebookのニュースフィードは、行動ターゲット広告が関心を引きつけ保持するのに使用しているものと同じデータ駆動の原則に依存している。Twitterのトップツイート”も、ビューをアルゴリズムでランク付けしている。

これは、ソーシャル”サービスに詰め替えられた大規模な関心操作のプログラムだ。プラットフォームがインターネットのユーザーをスパイして学んだことを、対立を煽り、個人の関心を縛りつけるために利用している。たとえその目的が、私たちを互いに敵対させることであったとしてもだ。

ある特定の政治的な意見を投稿すると、文字通り秒速で、何年も会っていなかったFacebookの友達”から暴力的な反論が示されるのは、そのためだ。Facebookは、彼らが所有するデータのプリズムを通してあらゆる人を神のように監視しているため、その投稿に強烈なパンチを与えることができる。データは、エンゲージメントを跳ね上げる可能性がもっとも高い順にランク付けされ、関連する”ユーザーに表示するようアルゴリズムにパワーを与える。

本物の友だちのグループにそんな遊び感覚のストーカーが含まれているかどうかは、誰にもわからない。みんなの会話を盗聴し、定期的にチェックして、集めた情報を使って友だちを喧嘩させて楽しんでいるような輩だ。そんな人間がグループの親睦を高めるなんてことはあり得ない。しかしそれがFacebookが監視下に置いたユーザーの扱い方だ。

直近の米議会公聴会で、痛い質問をされたザッカーバーグ氏が気まずそうに沈黙したのも合点がいく。

政治家たちも、ようやくデータのためにコンテンツを扱い社会技術プラットフォームに埋め込まれた本当の根本的問題”を理解し始めたようだ。

私たちを招き入れ、注視してもらうことで永遠の親密な間柄を築こうとするプラットフォーム。しかしそれには、スパイによって学んだ、さらなるスパイ技術と、より早くデータを悪用する技術が使われている。

つまり政治広告の禁止は、聞こえはいいが、目眩しだ。あちらからはあらゆる方向から監視されているにも関わらず、こちらからは彼らが何をしているのか見せないようにしているマジックミラーのようなプラットフォームが、社会に反抗して固持しているものを粉砕できる本物の手段は、プライバシーを完全に守れるカーテンを閉じることだ。個人情報に対するターゲティングを許さないことだ。

投稿や広告を表示させるのは構わない。投稿や広告を、少数の一般的な情報に基づいて、その文脈の中で表示するのもいいだろう。住宅や日用品の広告を見たいかどうか、私たちに聞いてもいい。双方で話し合ってルールを決めるのだ。それ以外のこと、つまり誰と話し、何を見て、どこへ言って、何を言ったかなど、プラットフォームの内外での行動については、厳格に立ち入り禁止とする。

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(翻訳:金井哲夫)

サウジアラビアはTwitterの社員に活動家の個人データを盗ませた

最近公開された裁判所の文書によると、サウジアラビアの政府職員がTwitter(ツイッター)の少なくとも2人の社員を買収して、同国政府が関心を持つユーザーの個人情報にアクセスしたとされている。それらのユーザーは2015年に彼らのその行為について警告されたが、事件の全容はまだ明らかではない。

その連邦レベルの告訴を引用しているAP通信の記事によると、サウジ政府はAhmad Abouammo(アフマド・アブアムモ)とAli Alzabarah(アリ・アルザバラ)の2人に接近して「特定ユーザーの個人情報を取り出すことができたら高級腕時計と数万ドルを与える」と約束した。

アブアムモはTwitterで中東のメディアパートナーシップを担当し、アルザバラはエンジニアだった。どちらも正規の登録のないサウジのエージェント、すなわちスパイとして行動したとして告発された。

アルザバラは、2015年にワシントンD.C.でサウジの王族の一人と会い、その後の1週間以内に数千人のユーザーのデータへのアクセスを開始し、その中にはサウジアラビアが公式にTwitterにコンタクトして情報を求めた少なくとも33名が含まれていたとされる。これらのユーザーの中には、王室とサウジ政府にとって危険な政治活動家やジャーナリストが含まれていた。

その行為が社内で発覚し、上司に詰問されたアルザバラは「単なる好奇心でアクセスした」と言ったとされる。しかし彼は解雇されると、文字どおりその翌日に家族とともにサウジアラビアに飛び、現在は当地政府の職にある。

関連記事:サウジ政府に誘惑されたTwitter社員が2015年の国家によるハッキングの警告の契機だった(未訳)

この事件によりTwitterは数千名のユーザーに、彼らが国家がスポンサーである攻撃の対象かもしれないと警告したが、実際に彼らの個人データが秘かに盗まれた証拠はない。The New York Timesの報道では、この警告活動は個人情報取得の目的のためにサウジの政府職員に買収されたTwitter社員が契機だった。そして今回明らかになったのは、同様の行為に関わった社員がもう一人いたことだ。

問題の事件はまだ未確定であり、今後さらなる情報が明るみに出るものと思われる。将来の類似事件の防止策についてTwitterに尋ねたが、同社は明確な回答ではなく、次のような声明をくれた。

今回の捜査に関してFBIと司法省の支援に感謝する。悪者たちが弊社のサービスを毀損しようとする試みについては、十分に承知している。弊社は機密扱いであるアカウント情報へのアクセスを、訓練され審査された特定の社員グループに限定している。弊社は、Twitterを使って自分たちの考えを世界と共有しようとする権能の座にある人びとが直面する、大きなリスクを承知している。弊社には、彼らのプライバシーと重要な仕事をする能力を保護するツールが配備されている。弊社は、われわれのサービスを使って平等と個人の自由と人権を唱道する人びとの保護に真剣に取り組んでいる。

画像クレジット: Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Twitterに対する政府の開示請求件数が過去最高に

Twitterは、政府による情報開示請求の件数が過去最高だったことを発表した。同社が発表した透明性に関するレポートによると、今年1月から6月までの6カ月間に全世界の政府から受けたユーザーデータの開示請求は7300件で対前年比6%増だった。

ただし、特定されたアカウントの数は25%減少した。このうち同社がアカウントデータを提出したのは全体の半分以下だった。期間内に最も多く請求したのは米国政府当局で、2120件、4150アカウントで全体の約1/3を占めた。日本が1742件、2445アカウントで続いた。

同社はビデオストリームサービスのPeriscope(ペリスコープ)についても、33件、86アカウントのデータ請求を受け、そのうち60%のケースで何らかの情報を開示した。

さらにTwitterは、これまでにいわゆるNational Security Letters(NSLs、国家安全保証書簡)を3回受け取ったことも公表した。これはFBIの要求によって企業にコンテンツ以外のデータを提出するよう強制するものだ。これらは裁判所が承認した書簡ではない。また多くの場合に口外禁止命令が付随する。ただし2015年にUSA Freedom Act(米国自由法)が制定されて以来、企業はそのような口外禁止命令の解除を要求できるようになった。

同レポートには、個人情報、機密情報、ヘイトフル・コンテンツ、嫌がらせなどが全体的に増えているが、Twitterは継続的に対処していることも書かれている。Twitterによると、12万4339アカウントをなりすましにより、11万5861アカウントをテロ支援により、それぞれ削除した。これは前回の報告時よりも30%減少している。児童の性的搾取に関わる違法行為でも24万4188アカウントを削除したとTwitterは報告した。

関連記事:Twitter CEOのジャック・ドーシーが政治広告を全面禁止すると発言

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitterの政治広告全面禁止は正しいだけに猛攻撃を覚悟せよ

Twitter(ツイッター)の創設者でCEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は突如(とはいえ、タイミング的には偶然というわけではなく)、witter上での政治広告を間もなく全面的に禁止すると発表した。これは正しい行動だが、さまざまな理由から相当な苦難を味わうことになる。テクノロジーと政治の世界の常として、善いことは罰せられるのだ。

政治広告やアストロターフィング(一般利用者を装って政治的な宣伝活動を行うこと)などの悪役は、国を後ろ盾にするなどしてインターネットを通じて米国の選挙への介入を継続を、またこれから始めようと企んでいる。こうした広告の完全撤廃は、手荒ではあるがわかりやすい対策だ。さまざまなオンラインプラットフォームがターゲットを絞った対策を試みてきたが、ほとんど成果が上がらなかった。それを思えば、現時点で実施できる現実的な手段はこれしかない。

「料金を支払って嘘の情報を流す行為の禁止は、企業にできるもっとも基本的で倫理歴な判断」と、民主党ニューヨーク州選出のアレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員は、そのニュースの後にツイートしている。「企業が有料の政治広告をファクトチェックできない、またはしないなら政治広告は全面的に禁止すべき」と。

Facebookが政治広告や政治的コンテンツの制限を避けている理由のひとつには、それを行うことで、適切か不適切かを判断する、さらには無数の文化、言語、出来事にまたがり形成されるフラクタル構造の複雑な環境での実質的な裁定者になってしまうことがある。だが、ザッカーバーグ氏に泣きついても始まらない。これは彼自身が生み出したモンスターなのだ。私が進言したときに引退しておくべきだったのだ。
関連記事:FacebookとYouTubeのモデレーション失敗はプラットフォーム再編の好機-Exxtra Cruch(未訳)

しかしTwitterの、メスではなく大鉈を振るうという判断では、その本質的な困難を取り除くことはできない。そのため同社は、別の種類の懲罰に身を晒すことになった。なぜなら、何が適切かを判断する裁定者とはならず、何が政治的かを決める裁定者となったからだ。

これは、Facebookの課題よりもやや軽めだが、Twitterはそれが正しかったとしても強信的な共和党支持者や偏見による非難からは逃れられない。

たとえば、政治広告を禁止するという抜本的な判断は実に単刀直入で無党派的に見える。現職議員は従来型メディアへの依存度が高く、進歩主義者は若くてソーシャルメディアを上手に使いこなす傾向にある。ならばこれは、左派の候補者のツールを奪うことにならないか?だが、豊富な資金を持つ現職議員もソーシャルメディアへの出費を増やしているため、今の傾向を変える手段と考えることもできないか?誰がどのようにその影響を受けるのかは明確ではない。選挙運動や政治評論家の、終わりのない口論の種となるだろう。ちなみにトランプ大統領の再選をかけたキャンペーンでは「またしても保守派を黙らせるための試み」と断言している

「有権者登録に賛成する広告は今でも可能」とドーシー氏がすぐさま発表したことを考えてみよう。有権者登録とは、無党派的なよい落とし所ではないか?未登録の有権者は、さまざまな理由によりリベラル側に偏っているため、実際、保守派政治家の多くが一貫して反対している。従ってこれは、共和党支持の行為と考えることができる。

非公式な指針は存在するものの、Twitterは数週間以内に公式なものを打ち出すという。だが、満足のいく指針になるとはとうてい思えない。産業団体は、政府の補助金のおかげで新しい工場がうまく行っているとツイートできるのか?人権擁護団体は、国境での深刻な状況についてツイートできるのか?報道機関は選挙に関するツイートを出せるのか?特定の候補者を紹介するのはどうか?何かの問題に対する論評はどうか?

関連記事:Facebookは政治広告を禁止して嘘を止めよ(未訳)

これはいわば、政治の中の世界をパトロールするか、その境界線をパトロールするかの違いであり、明確化できるだろう。しかしそこにはまったく別の種類のトラブルがある。Twitterは苦痛の世界に足を踏み入れてしまった。

しかし、少なくとも事態は前進している。たとえそれが強硬手段であり、肝心な場所を強打するとしても(Twitterがそれを気にしていないというわけではない)、正しい判断だ。Facebookが臆病にも保身を貫いているのに対して、その決断は素晴らしい。Twitterが失敗したとしても、少なくとも挑戦したことを誇れる。

最後に、これがユーザーと有権者にとって、よい選択になったと言っておくべきだろう。巨大ハイテク企業や大手メディアが次々とユーザーいじめの決断を下すなかでの、稀有な例だ。大統領選挙の年を目前に、私たちは良質なニュースを入手して、利用できる。

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(翻訳:金井哲夫)

Twitterの政治広告全面禁止は正しいだけに猛攻撃を覚悟せよ

Twitter(ツイッター)の創設者でCEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は突如(とはいえ、タイミング的には偶然というわけではなく)、witter上での政治広告を間もなく全面的に禁止すると発表した。これは正しい行動だが、さまざまな理由から相当な苦難を味わうことになる。テクノロジーと政治の世界の常として、善いことは罰せられるのだ。

政治広告やアストロターフィング(一般利用者を装って政治的な宣伝活動を行うこと)などの悪役は、国を後ろ盾にするなどしてインターネットを通じて米国の選挙への介入を継続を、またこれから始めようと企んでいる。こうした広告の完全撤廃は、手荒ではあるがわかりやすい対策だ。さまざまなオンラインプラットフォームがターゲットを絞った対策を試みてきたが、ほとんど成果が上がらなかった。それを思えば、現時点で実施できる現実的な手段はこれしかない。

「料金を支払って嘘の情報を流す行為の禁止は、企業にできるもっとも基本的で倫理歴な判断」と、民主党ニューヨーク州選出のアレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員は、そのニュースの後にツイートしている。「企業が有料の政治広告をファクトチェックできない、またはしないなら政治広告は全面的に禁止すべき」と。

Facebookが政治広告や政治的コンテンツの制限を避けている理由のひとつには、それを行うことで、適切か不適切かを判断する、さらには無数の文化、言語、出来事にまたがり形成されるフラクタル構造の複雑な環境での実質的な裁定者になってしまうことがある。だが、ザッカーバーグ氏に泣きついても始まらない。これは彼自身が生み出したモンスターなのだ。私が進言したときに引退しておくべきだったのだ。
関連記事:FacebookとYouTubeのモデレーション失敗はプラットフォーム再編の好機-Exxtra Cruch(未訳)

しかしTwitterの、メスではなく大鉈を振るうという判断では、その本質的な困難を取り除くことはできない。そのため同社は、別の種類の懲罰に身を晒すことになった。なぜなら、何が適切かを判断する裁定者とはならず、何が政治的かを決める裁定者となったからだ。

これは、Facebookの課題よりもやや軽めだが、Twitterはそれが正しかったとしても強信的な共和党支持者や偏見による非難からは逃れられない。

たとえば、政治広告を禁止するという抜本的な判断は実に単刀直入で無党派的に見える。現職議員は従来型メディアへの依存度が高く、進歩主義者は若くてソーシャルメディアを上手に使いこなす傾向にある。ならばこれは、左派の候補者のツールを奪うことにならないか?だが、豊富な資金を持つ現職議員もソーシャルメディアへの出費を増やしているため、今の傾向を変える手段と考えることもできないか?誰がどのようにその影響を受けるのかは明確ではない。選挙運動や政治評論家の、終わりのない口論の種となるだろう。ちなみにトランプ大統領の再選をかけたキャンペーンでは「またしても保守派を黙らせるための試み」と断言している

「有権者登録に賛成する広告は今でも可能」とドーシー氏がすぐさま発表したことを考えてみよう。有権者登録とは、無党派的なよい落とし所ではないか?未登録の有権者は、さまざまな理由によりリベラル側に偏っているため、実際、保守派政治家の多くが一貫して反対している。従ってこれは、共和党支持の行為と考えることができる。

非公式な指針は存在するものの、Twitterは数週間以内に公式なものを打ち出すという。だが、満足のいく指針になるとはとうてい思えない。産業団体は、政府の補助金のおかげで新しい工場がうまく行っているとツイートできるのか?人権擁護団体は、国境での深刻な状況についてツイートできるのか?報道機関は選挙に関するツイートを出せるのか?特定の候補者を紹介するのはどうか?何かの問題に対する論評はどうか?

関連記事:Facebookは政治広告を禁止して嘘を止めよ(未訳)

これはいわば、政治の中の世界をパトロールするか、その境界線をパトロールするかの違いであり、明確化できるだろう。しかしそこにはまったく別の種類のトラブルがある。Twitterは苦痛の世界に足を踏み入れてしまった。

しかし、少なくとも事態は前進している。たとえそれが強硬手段であり、肝心な場所を強打するとしても(Twitterがそれを気にしていないというわけではない)、正しい判断だ。Facebookが臆病にも保身を貫いているのに対して、その決断は素晴らしい。Twitterが失敗したとしても、少なくとも挑戦したことを誇れる。

最後に、これがユーザーと有権者にとって、よい選択になったと言っておくべきだろう。巨大ハイテク企業や大手メディアが次々とユーザーいじめの決断を下すなかでの、稀有な例だ。大統領選挙の年を目前に、私たちは良質なニュースを入手して、利用できる。

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(翻訳:金井哲夫)

Twitter CEOのジャック・ドーシーがは政治広告を全面禁止すると発言

TwitterのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)CEOは、Twitterが政治広告を全面的に禁止することをツイートで発表した。ただし、投票者登録など「わずかな例外」を除くとしている。

「政治的メッセージのリーチは獲得するものであり、買うものではないと私は信じている」とも書いている。例外の範囲がどこまでなのかは明らかにされていないが、禁止の対象は候補者を推薦する広告、政治的問題における立場を支持する広告の両方と思わえる。

ドーシー氏は、会社として正式な方針を11月15日までに公表し、11月22日付けでその方針を適用すると言った。「インターネット政治広告は市民による議論にまったく新しい課題を投げかけている。機械学習によるメッセージングの最適化や細かいターゲティング、チェックを受けていない虚偽情報、そして悪質なフェイクニュースなど、すべてが猛烈な速さで広まり、技術もスケールも拡大している」と同氏は述べた。

それなら、虚偽情報を排除する努力をしながら広告を受け付けてもいいのではないか?同氏は会社として「金銭のもたらす余分な負担と複雑さを避けつつ、根本的問題に集中する必要がある」と彼は主張した。包括的な方針は、Twitterが真実性を個別に判断することの悩みと議論を避けるのにも役立つ。

この直前、Facebookは政治広告のファクトチェックを拒否したことで強い批判に晒され(選挙関連の虚偽情報撲滅を段階的に進めてはいた)、Facebook社員が公開書簡で会社のスタンスを批判する事態に至った。

また、最近の議論のきっかけになった、トランプ陣営がジョー・バイデン氏の陰謀論を流布した広告の1つはYouTubeとTwitterにも流された。なお、一部のTVネットワークにも流されたがCNNは放映を拒んだ。

つまり、たとえ議論の矛先はFacebookに向けられていても、寛容と責任に関わる判断は主要インターネットワークプラットフォームすべてが直面しなければならない問題だ。

実際今年の夏Twitterは、香港での抗議運動にまつわる「政治的不和の種をまく」活動を見つけた後、国が支援する報道機関の広告をブロックすると発言した。そこには 中国政府と繋がりのあるアカウント数百件が関わっていた

Facebookは単に政治広告をすべて禁止すべきだという考えは、一部の評論家の間で言われている解決策で、TechCrunchのJosh Constine(ジョシュ・コンスティン)も書いている。現在までは極端で非現実的な方法と思われていたかもしれない。それが突然現実的に見えてきた。少なくともMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は当分この質問に答え続けなくてはならないだろう。

ドーシー氏は自身のツイートでFacebookの名前に直接言及こそしなかったが「例えば、当社が『私たちは人々が当社のシステムを悪用して虚偽情報を流布するのを阻止するべく大いに努力している、しかし、誰かが金を払って人々をターゲットして自分たちの政治広告を強制的に見せれば、好きなことを言うことができます! 』、などと言ったら信用をなくすだろう」と言ってFacebookの立場を暗に批判した。

もうひとつ「興味深い」のは、TwitterがこれをFacebookが最新の決算報告を発表したその日を選んで発表したことだ。ドーシー氏は、Twitterが「はるかに大きな政治広告エコシステムの小さな部分」であることを認めながらも、「我々は一切の政治広告なしに多くの人たちに届けた社会運動をたくさん見てきた。これがもっと増えていくことを信じるばかりだ」と述べた。

eMarketerのシニアアナリストであるJasmine Enberg(ジャスミン・エンバーグ)氏は声明で、この行動について「Facebookとまったく対照的」と語ったが、「政治広告はTwitterの中核ビジネスにとってさほど重要な位置を占めていないに違いない」とも指摘した。

関連記事:Facebook should ban campaign ads. End the lies.

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

トランプ大統領がゲーム実況向けTwitchで選挙集会をストリーミング

米国は来年秋の大統領選挙に向けて政治の季節に入りつつあるが、選挙集会のライブストリーミングプラットフォームとしてトランプ大統領はAmazonのTwtchを選んだ。

Twitchはもちろんゲームの世界では有名だが、政治を含めてそれ以外のコンテンツではこれまでさほど知られていなかった。

本人認証されたDonaldTrumpというTwitchアカウントは、まずReuters(ロイター)が発見した。 アカウントのトップにはダラスの選挙集会が予告されているが、アップロードされたビデオはまだミネアポリスの選挙集会1本だけだ。

アップされたビデオにはユーザーが製作した各種のビデオリプライが表示されている。称賛しているものもあればLOLとかKEK(LOLと同じ意味のネットスラング)というビデオもある。

Twitchを活用している大統領候補はトランプ氏だけではない。民主党の有力大統領候補であるバーニー・サンダース上院議員も数カ月前からこのプラットフォームを使っており、フォロワーは8万8795人とトランプ大統領の3万7754人を大きく上回っている(現在はサンダース氏は8万9309人、トランプ氏は7万5476人)。

トランプ大統領は8月6日にはお気入りの拡声器、TwitterでGoogleのスンダー・ピチャイCEOを名指しで取り上げて攻撃している。

@sundarpichai (Google)はホワイトハウスの執務室にで私に好意を持っている、政権はよくやっていると思う、Googleは中国の軍と無関係だ、2016年の選挙でロクでなしのヒラリーを応援して私の足を引っ張ろうとしたことはない等々と懸命に説明した。

Twitterはこの物議をかもすトップユーザーがAmazonグループのストリーミングプラットフォームといちゃついているからといって不満を感じることはあるまい。もっともジェフ・ボゾと罵られたベゾス氏がトランプがTwitchを使い始めたことを喜ぶかどうかは別だ。

Twitter自身のストリーミングツールであるPeriscopeもトランプ氏は使っているが、Twitchのほうがゲーマー向きであるだけに選挙集会をストリーミングするには向いていると考えたのだろう。Periscopeはどちらかというとリアルタイムで現場の状況をモバイルデバイスに中継するのが目的だ。Twitchは自宅でくつろいでデスクトップの大画面から見るユーザーが多いだろう。

ゲーマーの世界はトロルが多く生息することでも悪名高いが、それならトロル大王のトランプにはさらにぴったりだ。

最近、PeriscopeではTwitterは不適切なコメントに対して 以前より強い方法で規制を行っている。また会話の健全さを守るという目標を実現するためにフェイクやスパムに対する取り締まりも強化している。それやこれや考え合わせるとトランプ大統領がTwitchを使ってくれたのはTwitterにとって面倒ごとを避けられることを意味したのかもしれない。

TwitterのCEOであるジャック・ドーシー氏はそれでなくてもトランプ大統領が次にどんなツイートをするかいつもヒヤヒヤしてきたに違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Twitter公式アプリのMac版がMac Catalystアプリとして復活

Twitter(ツイッター)の公式アプリが、Mac Catalyst対応アプリとして米国時間10月10日に公開された。6月にアップルがWWDCでMac Catalystを公式に発表した後、同社はこれを利用してアプリを開発するといち早く表明していた。Mac Catalystは、iPad用アプリをMac版に移植するためのアップルの新しいツールセットで、最新macOS Catalinaに搭載されている。

Mac Catalystは、iOSの開発者がMacのエコシステム向けのソフトウェアを簡単に作れるようにするものだ。開発者は、既存のiOSプロジェクトとソースコードをベースに、Macのネイティブの機能を追加し、タッチ操作をキーボードとマウスの操作に変更することができる。

TwitterはMac Catalystアプリとして登場が待ち望まれていた。Mac Catalystで作られるからという理由だけではない。Twitter社は昨年、Macのデスクトップクライアントを廃止し、デスクトップユーザーに対しTwitterのウェブサイトを使うようにと案内していたからだ。

ウェブではなくネイティブのアプリを使いたいMacユーザーは、TweetDeck、Twitterific 5、Tweetbot 3などの他社製アプリに乗り換えた。TweetDeckはソーシャルメディアの仕事をしている人やパワーユーザー向けのアプリだ。Twitterific 5とTweetbot 3は公式のクライアントアプリの代替に適しているが、有料で余分な機能が多い。

Mac Catalystの新しいTwitterアプリは無料で、Twitterプラットフォームのほかのアプリとエクスペリエンスが一貫している。コードベースを共有しているのでインターフェイスにはなじみがあり、ダークモードにも対応している。ただ、タイムラインがリアルタイムで更新されないことが、ユーザーから多く挙げられている不満のひとつだ。

ほかに不満として挙げられているのは、フルスクリーンで適切に表示されないことや、ツールバーが2段になっているのは収まりが悪いといったことだ。さらにデスクトップクライアントとウェブアプリの不自然な相違点もいくつか指摘されている。

とはいえ、デスクトップに公式アプリが復活したことは、全般に好評だ。指摘されている不満はこれから解決するかもしれないし、そう願いたい。

TwitterアプリはmacOS Catalinaでのみ動作する。おそらく、macOS Catalinaにまだアップデートしていないユーザーもいるだろう。アプリは無料で、Mac App Storeからダウンロードできる。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Twitterがターゲット広告に2段階認証の電話番号とメールアドレスが使われていたと認める

Twitter(ツイッター)は不注意にユーザーが提供した電話番号やメールアドレスを使用し、ターゲット広告を配信していた可能性があると発表した。

米国時間10月8日の発表によれば、Twitterは影響を受けたユーザーの数を把握していない。

この問題は、電話番号やメールアドレスなどの企業がマーケティングリストにもとづいて広告を展開できる、Twitterのオーディエンスプログラムに端を発している。しかし同社は、広告主がマーケティングリストをアップロードすると、Twitterユーザーがアカウントの2段階認証のために設定した電話番号やメールアドレスと一致することを発見した。

この問題は9月17日に解決されたと発表されている。

昨年Facebook(フェイスブック)が、セキュリティのためにユーザーが提出した電話番号とメールアドレスをターゲット広告に使っていたことが発覚したのとTwitterは同じ状況にある。

この問題に関してTwitterは、広告ターゲティングの設定は「誤りだった」と述べ、謝罪した。

これは、今年Twitterに発覚した最新のセキュリティー関連の問題だ。同社は昨年パスワードをプレーンテキストで保存していたこと、2年間も電話番号の漏洩バグを放置していたこと、5月には位置情報データが漏洩していたことを認めている。

今年8月には、Twitterの最高経営責任者のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏のアカウントがハッキングされている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Facebookでニュースを読む人は多いが内容を信用する人は少ない

画像クレジット:Jon SCC BY 2.0ライセンスによるFlickr

Facebookは、今月にも「ニュースタブ」を導入する準備を整えている。人手によってキュレーションしたニュースストーリーを表示するもの。友達だちがシェアした記事、有料のプロモーション、アルゴリズムによって選ばれた記事が表示されるニュースフィードを補うものとなる。しかし、ソーシャルメディアが、今日のニュースのプラットフォームとして、どのように見られているかを示す分の悪いレポートが登場した。

ソーシャルメディアごとのニュース消費量(Pew調べ)

Pew Research Center(ピューリサーチセンター)の調査によれば、この7月の調査の対象となった米国の成人の半数以上(約52%)は、すでにFacebookでニュースを読んでいるという。その結果、Facebookが、ソーシャルメディアの中でもっとも人気のあるニュースソースとなっている。ちなみに、2位はYouTubeで28%、3位はTwitterの17%となっている。Instagram、LinkedIn、Reddit、Snapchat、といった他のさまざまなプラットフォームも、数字は小さいながら、それなりの存在感を示している。

全体として、調査対象となった人の88%は、ソーシャルメディアがユーザーに見せるニュースは「少なくとも多少は統制」されていると考えていた。

しかし、そうした統制についての感情はさほど極端なものではない。

回答者の過半数(62%)は、ソーシャルメディア各社が、それぞれのプラットフォームに表示するニュースの選択について「統制し過ぎ」だと考えている。そして、55%の人は、その結果ニュースの取り合わせが偏っていると思う、と答えている。全体の53%は、一方的な視点で書かれたニュースの存在に気付き、51%は、不正確なニュースはソーシャルメディアの「非常に大きな問題」だと捉えている。

このような調査結果は不安をかきたてる。Facebookなどのメディアは、すでにニュースの配信に関しても、大きな力を握っていることを明確に示している。それと同時に、そうしたことが好ましくない影響を及ぼすと、すでに多くの人が判断していることも示している。

そうした不穏な話に続いて、ソーシャルメディアのプラットフォームが、悪意によってどの程度操作されているのか、ということも、今回の調査結果には含まれている。政治団体や政府が、身分を隠し、ソーシャルメディア上で人心を惑わすような話をばらまいているという話は、数年前から今日に至るまで囁かれてきた。しかし、いくらプラットフォーム側が、そうしたアカウントを特定して削除しようとしたところで、むしろおおっぴらな悪用は増え続けているのだ。

つい先月には、有料チャンネル(つまり広告)でストーリーを掲示する人は、自分の政治的な意図に合わせてニュースの見出しを書き換えられることが明らかになった。大多数の人に、ニュースの論調を偏向させて見せるためだ。多くの人は、友だちの子供の最新の写真をチェックしたりするためにスクロールする際、ストーリーをクリックして中身を読むことなく、表示されている要約を読んでいるだけなのだ。

そして、それは消費者にとってのみ悪いことなのではない。ニュースの発行元は、自分たちのストーリーをソーシャルメディアがシェアし、収益化可能なトラフィックに変換することで得ている収入の分け前を受け取っていないことを、長い間嘆いてきた。そして規制が強化されることで、こうした状況もじきに変わるだろうと考える人もいた。ところが、今週のWSJのレポートは、それもすぐには変わりそうもないことを示唆していた。Facebookは、人手でキュレーションされる新たなニュースタブでシェアされる記事についても、ごく一部の発行元にしか使用料を支払うつもりがないというのだ。

さらに興味をそそる詳細まで掘り下げてみると、共和党支持者は民主党支持者に比べて、ソーシャルメディアがニュースに及ぼす影響を問題視していることを、Pewは突き止めた。右寄りの人の75%が、ソーシャルメディアはニュースを統制しすぎだと考えているのに対し、左寄りの人は53%だけが、そう感じている。皮肉なことに、ソーシャルメディアが自分の考えを反映したものになっているか、という質問になると、これらの数字は逆転する。

またPewは、ソーシャルメディアでニュースを読む人の48%が、ニュースは「リベラル、または、かなりリベラル」と信じていることも示している。これは、共和党支持者は民主党支持者よりも、ソーシャルメディアがニュースを統制し過ぎていると考えていることと符合する。逆に、ニュースが保守的、または、かなり保守的だと信じている人は14%だった。これは、右寄りの人が、メディアはあまりにもリベラルだと感じていることを裏付けているのかもしれない。そして彼らは、彼ら自身の政治的信条にそぐわないニュースを見せられていると感じているのだろう。

また今回の調査は、Facebookから支払いを受けているのはごく一部のニュース発行元だけ、という最近の報告に沿った結果も示している。回答者の82%は、すべてのニュースソースが、現状ではFacebookから対等に扱われていないのではないかと感じている。つまり、一部のニュースソースが他よりも目立つような扱いを受けているということ。ほぼ88%の人は、「注目度の高い」、言い換えれば「クリックベイト」と呼ばれるような記事を発行している会社の記事が、フィードに表示されやすいと信じているのだ。そして84%が、ソーシャルメディア内でのフォローという行為が重要な役割を演じていると考えている。79%は、ストーリーの政治的傾向が、自分のフィードに表示される頻度に影響していると信じている。

男性と女性の読者の差異については、このレポートの調査結果も驚くに値しない。最近の他のソーシャルメディアに関する調査と似たりよったりとなっている。たとえば、Redditのようなメディアは、かなり男性の読者に偏っているが、Facebookでは逆に女性が多い。

最後に、このレポートは主にニュースの偏りと、それに対する感じ方についてのものだが、ここに登場しているプラットフォームの種類と、それぞれの傾向に注目して見てみるのも興味深い。たとえばTikTokは、ソーシャルメディアの世界では、やがて支配的な力を持つようになると多くの人が考えているものの、ニュースを読むためのプラットフォームだと考えている人は、1%にも満たない。一方Snapchatも、ニュース配信となると、たった6%でしかない。

これらのプラットフォームには、若いユーザーが多いことを考えると、これは、若い人たちが、ソーシャルメディアをニュースを読むためには使っていないことを示していると考えられる。さらに言えば、そもそもニュースには興味がないということなのだろう。ソーシャルメディアのプラットフォームは、今のところニュースの世界ではのけ者と位置付けられているのかもしれない。しかし、そうと決めつける必要はない。会話の種類を変えることもできるはずだ。そうして、これまでは会話に加わってこなかったような人を、引き込むこともできるだろう。

この調査は、Pewが、7月8日から7月21日にかけて、American Trendsのリサーチパネルに属する回答者5107人に対して実施したもの。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

TwitterとTweetDeckで一部環境で不具合が発生

Twitterで再び不具合が発生した。アジアとヨーロッパのTwitterユーザーのユーザーは米国時間10月2日の朝、特定の種類のコンテンツをツイートしたり閲覧する際に、さまざまな問題が発生していることを報告した。

報告によると、特定のタイプのコンテンツ(投票やメディア)が投稿できないとされているが、少なくとも一部のユーザーはテキストのツイートを投稿できている。

他のケースでは、ユーザーは自分のツイートにたいする最新の返信が見られない。TechCrunchのNatasha Lomas(ナターシャ・ロマス)記者の場合、Twitterのデスクトップ版では最新の返信が見られないが、(古い)iOS版では見ることができる。

一部のユーザーは、Androidでの投稿に問題があるとも報告している。また、トレンドトピックもダウンしているようだ。

Twitterの広報担当者は問題が発生していることをTechCrunchに対して認め、@TwitterSupportのツイートによりTwitterとクライアントのTweetDeckにも問題が発生していると伝えている。

この問題は、ツイートだけでなく、ダイレクトメッセージの閲覧にも影響を与えている。

「我々は現在問題の修正に取り組んでおり、近いうちに正常に戻る予定だ」とTwitterは付け加えたが、問題の原因についての詳細は明かさなかった。

この不安定な状況は、数ヶ月前のTwitterの大規模な機能停止に連なるものだ。

今年7月には、Twitterのサービスが1時間ダウンした。その際には「内部構成の変更」が問題を引き起こし、後にそれはロールバックされた。

また、同じ月にダイレクトメッセージに関する問題も発生した。

偶然なのかはわからないが、Twitterはこの夏、デスクトップ版の大幅なデザイン変更をロールアウトした。

Twitterの新しい 「Facebook風」の外観は人気があるとはいえない。ただ、デザインの変更が最近の問題の原因であるかどうかは、まだわからない。

Twitterのステータスページには、この件についての記載がない。現在は「すべてのシステムが動作している」と報告されているが、これは明らかに事実ではない。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹Twitter

Twitterが悪質なDMに対するフィルター機能を提供開始

Twitterがテスト開始を発表してから1か月半後米国時間9月30日から、ダイレクトメッセージのスパムや暴言に対するフィルターの実装展開を始めた。このフィルターはTwitterのiOS、Android、およびウェブアプリで利用できる。

このフィルターでは、フォローしてない人からのDMが行く「追加のメッセージ」に新しいビューが加わり、それをクリックすると、悪質と思われるメッセージのプレビューが隠され、オプションでそれらを開かずに消すこともできる。

フィルターの実装展開を告げる日本時間10月1日早朝のサポートメッセージが以下のとおりだ。

この新しいDMフィルターは、メッセージをオープンにしておきたいけど暴言は見たくないという人たちに向いている。でも悪質メッセージはかなり前からあるし、サードパーティ製のフィルタリングツールも出回ってるから、Twitterはもっと早くやるべきだった。

9月はじめにTwitterは米国とカナダでHide Replies(返事を隠す)機能を、カナダでテストしてからリリースした。これはツイートへの返事を隠すのだが、それらを事前に削除はしない。元のツイートのリンクボタンをクリックすれば見ることができる。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Twitterが利用約款を改正 、フィッシングや詐欺の詳細が通報できるように

米国時間9月23日、Twitterは利用約款を改正して詐欺的行為の禁止を含めたことを発表した。まだ禁止されていなかったのかと驚くが、明文での禁止はまだだったようだ。

詐欺的行為はこれまでもスパム報告ツールを通じて処理されていた。これは昨年、偽アカウントなどツイートの詳細を通報できるよう改正されている。通報のオプションにはなりすましなどの偽アカウントに加えて、悪意あるサイトへのリンクやハッシュタグなどが含まれる。しかしTwitter上に蔓延している詐欺的行為を直接禁じる条項は含まれていなかった。

約款の改正はTwitterが詐欺行為を取り締まるために力を入れていることを示すものだ。新約款は詐害的方法により経済的利益や個人的財務情報を得ようとする行為にTwitterを利用することを明文で禁じた。ユーザーはこのような目的のためにアカウントを作成し、ツイートし、ダイレクトメッセージを利用してはならない。

Twitterではユーザーのオンライン行動の変化に対応して随時利用ルールをアップデートしてきた。今日、われわれは経済的詐害行為を禁止するよう利用約款を拡大した。

Twitterではどのような行為が詐欺として分類されるのか詳しく述べている。これには偽の情報によって信頼を得ようとすること、容易に高額の収入を約束するビジネスや不正な割引の宣伝、フィッシング行為などが含まれる。詳細はヘルプセンターのこのページを参照

今回の約款改正は、Twitterが暗号通貨詐欺を野放しにしているという強い批判を受けたことによるものだろう。ユーザーに容易に大金が得られると約束する詐欺の多くは偽アカウントによるなりすまし、ツイートへのリプライ機能などを悪用している。今年、Twitterでは偽のPayPalサイトへの誘導を試みるフィッシングが発覚しており、監視を強めるべきだという批判が出ていた。

ユーザーが不正なツイートを発見した場合、新約款でも報告の必要があるのは従来と同様だ。投稿上部右側のドロップダウンメニューを開き「ツイートを報告」をクリックすると「このツイートの問題の詳細をお知らせください」というメニューが開くので適切な項目を選択する。

Twitterは通常の経済的クレームの処理には介入しないことを再確認している。通販における返金や返品、商品の瑕疵に関する苦情などなどは新約款の適用範囲外だ。

Twitterでは他の不正利用同様、詐欺行為やフィッシングを含むツイートが繰り返された場合、アカウントの無期限凍結を招く恐れがあることを指摘している。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook

Twitterが日米で「リプライ非表示」をスタート

Twitterの「リプライ非表示」は激しい賛否の議論を呼んでいるが、カナダでの初期テストに続いて、米国時間9月19日、米国と日本でこの機能が一般公開された。Twitterによればこれは「ユーザーが会話をよりよく管理できるようにする」ことを目標とする根本的な改革の一環だという。新機能では自分のツイートに向けられたリプライを「無関係、攻撃的もしくは意味不明」と考えた場合、非表示にできる。

ただし非表示にされたリプライはTwitterから削除されるわけではなく、 クリックひとつで再表示可能だ。

例えば、会話に加わったユーザーのリプライが不適切、無礼、いじめに類すると考え、そのリプライを非表示にすればタイムラインを見ているメンバーの大半の目に触れなくなる。ただし削除されているわけではないので「非表示のリプライを表示する」をクリックすれば見ることができる。

ModeratedRepliesAuthor

そもそも他のソーシャルネットワークでは返信者にTwitterほどの勝手を許さないことが多い。FacebookやInstagramでは、ユーザーは自分の投稿に対する返信は自由に削除できる。しかしこれまでTwitterは「誰もが自由に発言できる広場」を理想としてきた。

残念ながらこうしたTwitterのオープンな性格は無礼な攻撃やネットいじめを生んできた。これまでTwitterのユーザーの対処手段は対象となるアカウントをブロックミュート、あるいは報告することだった。しかしブロックとミュートは自分のTwitter体験そのものに影響してしまう。ユーザーはブロック、ミュートしたユーザーからの投稿すべてを目にすることができなくなる。ツイートが不適切だと報告した場合、実効を得るまでの手続きが複雑で時間もかかる。スレッドが暴走し始めたような場合にとっさに対処するには不向きだろう。

こうした問題に対処しようとするのが「リプライ非表示」だ。しかしこの機能能力にはデメリットもあリ得る。ユーザーが非表示にしたリプライにはなんら問題はないかもしれないし、それどころかユーザーが拡散しようとしている情報が間違っていると指摘しているかもしれない。

Twitterではこの新機能が 「会話を建設的にするために役立つ」ものと期待しているようだ。同社の会話のヘルス担当プログラム・マネージャーであるMichelle Yasmeen Haq(ミッシェル・ヤズミーン・ハック)氏は今年に入ってそう説明している。

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7月にカナダで初期テストが開始された後、Twitterは「(この機能の)利用者はたいていの場合、無関係、攻撃的もしくは意味のわからない返信を非表示にしている。、キーワードのミュート機能と同じように、会話の管理に役立つと考えている」と述べ、ユーザーからのフィードバックはおおむね肯定的だったと結論している。

Twiitterによれば、リプライを非表示にされたユーザーの約27%は将来ソーシャルネットワークで相手とどのようにやり取りすべきか考え直すと回答しているという。27%というのは過半数ではないが、利用率に影響する可能性がある数字だ。ただしこの調査がどの程度実態に即したものか不明だ。Twitterではこの調査のサンプル数などの詳細を明かすことは避けた。

新システムではリプライを非表示にしようとすると「アカウントをブロックする」というオプションも示される。これは「非表示」が「ブロック」とは異なる機能だということを明示するためだろう。

今回カバー地域が大幅に拡大されたものの、Twitterでは「リプライ非表示」はあくまでテスト中の機能だとしている。同社はフィードバックなどをベースにシステムをさらに検討するという。この機能は世界の他の地域では公開されていない。

新機能は、モバイル、デスクトップとも米国と日本ではすでに公開されている

画像:TechCrunch

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滑川海彦@Facebook

Twitterのジャック・ドーシーCEOのTwitterアカウントが乗っ取られる

ハッカーがTwitterの共同創業者で現在のCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏のアカウントを乗っ取った。

人種差別なども含む一連の悪質なツイートが、8月31日東部時間午後3時30分(9月1日日本時間午前4時30分)よりTwitterのCEOのTwitterアカウントへ彼からのツイートとしてポストされた。それらのツイートのひとつには、アカウント乗っ取り犯と称する者のTwitterハンドルがあった。そのアカウントは、即座に停止された。

ドーシー氏にはフォロワーが421万人いる。

TwitterのスポークスパーソンEbony Turner(エボニー・チューナー)氏によると、同社は目下調査中である同社は事件に関して、こんなツイートをポストした。

アカウントがどうやって乗っ取られたのか、まだわかっていない。しかし悪質なツイートはCloudhopperから送られた。Twitterが2010年に同社のSMSサービスを改良するために買収したこのサービスが使われたということは、誰かがドーシー氏のアカウントのパスワードを入手したのではなく、認証されているサードパーティのアプリが彼のアカウントを乗っ取った可能性を示唆している。

著名なアカウントをハックされてTwitterの大掃除が必要になったことは、これが初めてではない。FacebookのボスであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏も、二段階認証を使わなかったためにTwitterのアカウントをハックされたことがある。また、そのときの彼のパスワードは、知らない人が当てやすい笑えるほどシンプルなものだった。

その後Twitterは、ドーシー氏のアカウントを保護したと公表した。

Twitterのその後「アカウントに結びついている電話番号が、モバイルプロバイダーのセキュリティの欠陥により乗っ取られた。これによって、権限のない者がその電話番号からテキストメッセージでツイートを作って送ることができた」とコメントした。

つまり、ドーシー氏はSIMスワッピング(SIM交換を悪用する詐欺)の被害者になったようだ。Twitterは、そのモバイルプロバイダーの名を挙げていない。

Twitterからの声明でこの記事をアップデートした。

関連記事:マーク・ザッカーバーグのTwitter、Pinterest、LinkedInがハックされる、Facebookアカウントは無事

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Twitterは国がコントロールしているメディアの広告出稿をブロック

Twitter(ツイッター)は今、同プラットホーム上における国営メディアを広告出稿を禁じている

この新しいポリシーは同社が、中国と結びついた数百ものアカウントが関与している情報操作を見つけてから数時間後という早さで発表された。それらの情報操作は、香港で数週間続いている抗議活動に続くさまざまな出来事をめぐって「政治的不和」を撒き散らそうとする努力の一環だ。週末には100万を超える香港住民が、彼らが中国政府による権利の侵害と見なすものに対して通りに出て抗議運動を展開した。

関連記事
Twitter says accounts linked to China tried to ‘sow political discord’ in Hong Kong(中国と結びついている複数のアカウントが香港の政治抗争を煽っている、未訳)
Twitter is blocked in China, but its state news agency is buying promoted tweets to portray Hong Kong protestors as violent(Twitterがブロックされている中国で国営通信が香港の抗議運動は暴力と主張するツイートによる広告を展開、未訳)

Twitterは今回の声明で、国が資金を提供していて、言論機関として政府から独立していないメディア企業による同プラットホーム上の広告出稿を禁ずる、と言っている。BBCのDave Lee(デイブ・リー)記者によると、同じように国が資金を出していても、Associated Press(AP)やBritish Broadcasting Corp.(BBC)、Public Broadcasting Service(PBS)、そしてNational Public Radio(NPR))などは今回の規制対象にならない。

Twitterの声明によると、規制対象となるアカウントはTwitterの利用はできるが、同社の広告プロダクトにはアクセスできない。

声明では「あなたがフォローすることを選んだアカウントとの会話に参加することと、フォローしていないアカウントからの広告上でコンテンツを目にすることとは異なる。どちらに対しても弊社のポリシーはあるが、とくに広告主対してはより厳しい基準を設定している」とも記載されている。

そのより厳しい基準が今回適用される対象は、その財務や編集を国がコントロールしているメディアだ。Twitterによると、そのポリシーの適用はメディアのメディアとしての自由や独立性を基準にしている。とりわけ、記事やビデオに対して編集的コントロールが及んでいたり、出版物に対して財務的所有権を有していたり、政府が編集者や放送者やジャーナリストに影響力や妨害を揮っていたり、出版や流通に政治的圧力が及んでいたりするメディアは広告出稿を禁じられる。

また、エンターテインメントやスポーツ、旅行などの広告は規制を免れるが、その中にニュースがある場合には、その広告へのアクセスをTwitterはブロックする。

規制対象となるメディアは本日から30日以内にそれらの広告を取り去ること。それをしなかった場合は、Twitterが現在行われている広告キャンペーンを停止する。

国営メディアは相当前から、偽情報の源として非難されてきたし、2016年の大統領選ではロシアが行った主に民主党を非難する広告キャンペーンが問題になった。Twitterは、前にも国が金を出しているニュース企業を追放したことがある。2017年10月には同社プラットホーム上におけるRussia TodayとSputnik紙の広告出稿を禁じた。しかしRussia Todayは、Twitterは選挙前には同紙に広告出稿を強力に売り込んだと言っている。

関連記事: Twitter bans Russia Today and Sputnik from advertising on its service(Twitterがロシアの有力メディアの広告出稿を禁止、未訳)

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Twitterはスパムといじめに対抗するDMのフィルター機能をテスト中

Twitter(ツイッター)は、望まないメッセージをフィルタリングして、DM(ダイレクトメッセージ)の受信トレイから取り除く新しい方法をテスト中だ。

現在Twitterでは、誰からのメッセージでも受信するよう、DMの受信トレイを設定できる。しかしそうすると、嫌がらせなどの望まないメッセージを大量に受信してしまうことにつながる。1つの解決策は、自分がフォローしている人からのメッセージだけを受信するように設定することだが、それでは都合が悪いという人もいる。例えば、記者のような人は、プライベートな対話や、情報提供を受け取るために、受信トレーをオープンにしておきたいものだ。

今回の実験では、攻撃的な内容のものやスパムなど、望まないメッセージを別のタブに移動するフィルターをテストする。

すべてのメッセージを1つのビューにまとめてしまうのではなく、フォローしていない人からのメッセージは「メッセージリクエスト」セクションに分類する。その中には、フィルターされたメッセージにアクセスする方法が用意されている。

そうしたメッセージを読むためには、ユーザーは「表示」ボタンをクリックしなければならない。それにより、受信トレーをオープンに設定していることによって流れ込んでくる大量の望まないメッセージを、そのまま目にしてしまうことから、ユーザーを保護することができるのだ。

また、こうしてフィルタリングされたメッセージのリストを開いても、それらの中身がすべて自動的に表示されるわけではない。

Twitterは、読む人を不快にさせる可能性のあるコンテンツを認識すると、メッセージのプレビューには、不快な内容を含む可能性があるため、そのメッセージの内容は表示していないという通知を出す。ここでユーザーは、そのメッセージをあえて開くか、削除ボタンをクリックして消してしまうかを選べるというわけだ。

こうした変更により、DMは、オープンな受信トレイを好む人にとっては、より便利なツールになる一方で、ネット上の嫌がらせを撲滅する有効な手段を提供することもできそうだ。

これは、FacebookのMessenger(メッセンジャー)がリクエストを扱う方法に似ている。友達ではない人からのリクエストは、自動的に「メッセージリクエスト」という別の場所に移動される。そして、スパムっぽいものや、いかがわしい感じのものは、さらにその中の「フィルター済みメッセージ」に分類されて、目に触れにくくなる。

ところで、なぜこのような機能が事前のテストを必要とするのか、よくわからない。ほとんどの人は、迷惑メールや嫌がらせのメッセージを除外したいと思っていると考えて、ほぼ間違いないだろう。そして、何らかの理由によって、そうしたくない人は、単に設定によってフィルターをオフにすればいいだけの話だ。

これは、ネット上の嫌がらせに対抗するための変更を加えることに対して、いつものようにTwitterが消極的に見える例の1つとしか思えない。FacebookMessengerは、2017年の末あたりから、同じような方法でメッセージをフィルタリングしてきた。Twitterは、こうした変更をテストするのではなく、今すぐ導入すべきだろう。

それはそうと、このように疑わしいコンテンツをいきなり削除してしまうのではなく、非表示にするというアイデアを、Twitterは他の領域でもテストしている。たとえば先月にはカナダで、「返信を隠す」という新機能の試験的な運用を開始した。それによってユーザーは、自分のツイートに対する望まない返信を非表示にすることができ、他の誰からも見えなくすることができる。この場合も、ツイート自体は削除されないが、今回のDMのフィルターと同様に、明示的にクリックしないと読めなくなるのだ。

またTwitterは、他の点についても、DMのアップデートを検討している。

今回の記者会見では、Twitterのプラットフォームに今後導入されることになる変更が、いくつか発表された。たとえば、トピックをフォローする機能DMの受信トレイの中を検索するツール、iOSのLive Photos(ライブフォト)をGIFでサポートする機能、さらに写真の並び順を変更する機能などだ。

[原文へ]

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Twitterが特定トピックのフォロー機能をテスト中

もうすぐTwitterユーザーは、散乱するハッシュタグを整理してもっと賢く扱えるようになるかもしれない。ただし、Twitterがアプリのタイムラインを大改訂する大胆なアイデアを実現できればの話だ。

同社はユーザーをフォローする仕組みをやめるつもりはないが、サンフランシスコで行われたイベントで同社の幹部らは、ユーザーが「トピック」をフォローできるようにする計画を発表した。これは、必ずしもフォローしていない様々なアカウントのツイートでも、興味にあったものをタイムラインに表示する仕組みだ。現在Twitterはこの機能をAndroidで「総合格闘技からF1まで」スポーツ関連のトピックスに絞ってテストしている。

同社は今後トピックの範囲を拡大して、例えばバグ追跡やスキンケア専用のタイムラインを作れるようにする計画だ。本機能の目的は、ユーザーが新しいアカウントやコミュニティを発見して、さらに深く追求できるようにためだ。

現在は人力でトピックを集めているが、将来は人工知能を利用して自動的にトピックを収集し、最新状態のツイートを表示できるようにする。さらに同社は、ユーザーがメインのタイムラインだけでなく、複数のタイムラインを作り、複数のトピックやアカウント、ハッシュタグをフォローできる機能をテストしている。

さらにTwitterは、特定のトピックを一時的にアンフォローできる機能の実験も開始すると言った。ユーザーはテレビ番組の最終回やフットボールの試合を中継するツイートを タイムラインから外すことができる。現在Twitterでは、特定の単語やアカウントを永久あるいは一定時間ミュートすることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitter幹部が「修正ボタン」は最優先課題ではないと発言

米国サンフランシスコで行われたプレスイベントで、Twitterのプロダクト責任者であるKayvon Beykpour氏が近く実施されるサービスの変更について話した。同氏は、ユーザーの要望として再三話題になっている「修正ボタン」(Edit Button)にも言及した。端的に言えば、近い将来にそのボタンを見ることはなさそうだ。

「正直なところ、いつかは作るべき機能だと私は考えているが、最優先課題とまでは言えない」とBeykpour氏は言った。確かに正直な回答だ。

Twitter幹部は、明白なリスクファクターはあるものの、タイポを修正したり言いたいことを明確にしたいというユーザーニーズに答える機能を、いつかは開発できるだろうと思っていると語った。

Twitterはその前に同イベントで、ユーザーがアカウントをフォローするのと同じように特定のトピックをフォローできる機能をテストしていると発表した。

関連記事:Twitter tests ways for users to follow and snooze specific topics

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook