アスクがVR/AR対応スーツ型デバイスを取り扱い開始、モーションキャプチャ・触覚フィードバックなど対応

VR Electronics TESLASUIT

アスクは8月4日、VR Electronicsが展開するTESLASUITブランド製のVR/AR対応スーツ型デバイス「TESLASUIT」の取り扱いを開始したと発表した。全身用セット「Teslasuit Jacket & Trousers – DK1 edition」と、上半身スーツのみのTeslasuit Jacket – DK1 editionを用意している。納期や価格については要問い合わせ。

VR Electronicsは、ビジネス、スポーツ、および医療向けのAR/VR/XR分野においてハイテクソリューションの開発・製造を展開。TESLASUITは、触覚フィードバック、モーションキャプチャ、バイオメトリクスを独自に統合したスーツ型デバイス。VRおよびARにおいて、危険な環境を再現したシミュレーションやXRコンテンツによる効果的な教育トレーニングなど、あらゆる用途のシナリオに対して、感覚的かつリアルな没入感を提供することが可能という。

触覚フィードバックとして、スーツに備えたEMS(神経筋電気刺激。電気刺激を筋肉・運動神経に与えて筋肉を運動させる)により、体の感覚を直接刺激し、大きなインパクトシミュレーションを提供。TENS(経皮的電気刺激。知覚神経に対して微弱な電流・低周波を与える)は神経反応を引き起こすことで反射神経を改善し、より小さな衝撃からシミュレーションを提供するという。

VR Electronics TESLASUIT

モーションキャプチャシステムは、骨格の位置を追跡し、ユーザーのアバターとして表示される動きを認識できるとしている。バイオメトリクスシステムでは、センサーを利用し皮膚電気反応からユーザーのECG(心電図記録)データを収集・分析機能を提供する。

VR Electronics TESLASUIT

VR Electronics TESLASUIT

関連記事
横浜DeNAベイスターズとKDDIが「バーチャルハマスタ」無料トライアル実施、スマホ・PC・VRデバイス対応
VRヘッドセットは次なるPelotonになれるのか?
仮想サイクリング環境「Zwift」を長野県こもろ観光局が採用、大規模仮想サイクリングイベント開催へ

横浜DeNAベイスターズとKDDIが「バーチャルハマスタ」無料トライアル実施、スマホ・PC・VRデバイス対応

横浜DeNAベイスターズ KDDI バーチャルハマスタ SteamVR

横浜DeNAベイスターズとKDDIは8月4日、先端テクノロジーを活用して、自宅にいながら球場の雰囲気を味わい、試合観戦を楽しみ、選手を応援できる野球場「バーチャルハマスタ」の無料トライアルを実施すると発表した。実施日は8月11日「横浜DeNAベイスターズ対阪神タイガース」(午後5時~試合終了まで)。

バーチャルハマスタは、バーチャル空間上にもうひとつの「横浜スタジアム」の一部を構築したもので、観客は自宅からスマホやPC、VRデバイスを使って来場(アクセス)できる。オリジナルのアバターを使って「バーチャルハマスタ」内を自由に動き回りながら、多くのファンとコミュニケーションを取ることができ、一緒に横浜DeNAベイスターズを応援するなど球場の雰囲気を楽しめる次世代型のスポーツ観戦が可能としている。球団OBやゲストによる試合の生解説や限定企画も実施予定という。

バーチャルハマスタへのアクセスには、クラスター提供のバーチャルSNS「cluster」の無料アカウント作成と、利用するデバイス用の「cluster」アプリのインストールが必要。clusterアプリはiOS版Android版Windows版macOS版が用意されている。またVRデバイスを利用する場合は、clusterアプリに加え、「SteamVR」のインストールも必要となる。

インストールなど終了後、「バーチャルハマスタ 横浜DeNAベイスターズVS阪神タイガーズ」イベントページにアクセスし、イベントページ下部の「会場に入る」ボタンをクリックするとイベントに参加できる。

今後、横浜DeNAベイスターズとKDDIは、au 5GやIoTを活用した「スマートスタジアム」構築に加え、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響などによる、プロ野球を取り巻くさまざまな環境下においても、持続可能なファンコミュケーションの在り方を合わせて検討する。

またバーチャルハマスタの機能拡充を進め、先端テクノロジーを活用した、プロ野球における次世代型スポーツ・エンターテインメント体験の創出を通じて、国内スポーツの発展に貢献していく。

  • 実施日: 2020年8月11日「横浜DeNAベイスターズ対阪神タイガース」。開場 17:00/開演 18:00~試合終了まで
  • 利用料金: トライアルのため無料
  • 動作環境: クラスターの「推奨環境」参照
  • 利用方法: クラスター提供のバーチャルSNS「cluster」の無料アカウント作成、利用するデバイス用の「cluster」アプリのインストール後、「バーチャルハマスタ 横浜DeNAベイスターズVS阪神タイガーズ」イベントページにアクセスし、イベントページ下部の「会場に入る」ボタンをクリックする
  • clusterアプリ: iOS版Android版Windows版macOS版
  • VRデバイス: 「SteamVR」のインストールも必要

米国時間7月25日のFox Sportsのプロ野球中継に注目、空のスタジアムがバーチャルファンで満席に

MLBのトロント・ブルージェイズは今シーズンもホーム球場なし(CBS Sports記事)になりそうだが、1つだけ確かなことがある。それは「今年はとても多くのチームが不気味の谷でプレーする」ということ。メジャーリーグの所属チームが空のスタジアムでプレーする珍光景はすでに、韓国や台湾、日本などに前例がある。彼らは米国よりも先にシーズンを開始したが、MLBの選手やオーナーはこれまで、彼ら独自の1チーム年間60試合の短縮シーズンの企画で忙しかった。

一部のチームはボール紙を切り抜いて作ったファンを動員し、空のスタジアムの荒涼感を和らげるために満員の観衆のノイズを流したりしたが、Fox Sportsは、テクノロジーを利用するもっとずっといいソリューションを見つけたと確信している。空の球場に響き渡るスピーカーの音声や段ボールで作った人形がもたらす不気味な感じが、そのソリューションにはないそうだ。

Fox Newsが、試合の予告ツイートでその技術を紹介している。それには、オリオールズのファングッズを着たシムズのキャラクターのようなファンの大写しもある(ここにオリオールズの悪口を書くべきか?)。バーチャルファンたち(Faux FansだからAfaunsと呼ぶべき?)は、歓声を上げ、ブーイングし、ウェーブまでする。奇妙だが、フットボールのロボットCleatus(Fast Company記事)まで登場したこのご時世においては、ネットワークが与えたニューノーマルによく合った試みとも言える。

FOX Sports:ファンはいない?FOXスポーツにはファンはいます。
何千人ものバーチャルファンが今週の土曜日にFOXのMLBの試合に参加します。

Fox Sportsの上級副社長であるBrad Zager(ブラッド・ザガー)氏はVariety誌のインタビューで「メジャーリーグの野球放送を新型コロナウイルスがないときのような『自然な感じにしたい』と前から思っていた。そのためには何よりも、スタジアムに観衆がいなければならない」とコメントしている。

確かにそうだ。ベースボールの、そしてその他のあらゆるスポーツの復活は決して企業の愚かしい利益動機ではなく、私たちが何か月も前から渇望している生活の常態を取り戻すことの真剣で重要な試みの一部だ。私の好きなベースボールチームは、常態でも球場が満員にはならないが、その試合が今週見られることはとてもうれしい。でも正直に言うと、それは不気味さを新たな別の不気味さで増幅するだけかもしれない。

バーチャルファンは米国時間7月25日に、その全容が放映される。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

xR技術活用バーチャルライブのLATEGRAが小学館、Bilibili、トーハンから資金調達

LATEGRA ラテグラ

ライブエンターテイメントをxRや最新デジタル技術で拡張するLATEGRA(ラテグラ)は7月17日、第三者割当増資による資金調達の実施を発表した。調達額は非公開。引受先は小学館、Bilibili(ビリビリ)、トーハン。

今回調達した資金は、独自のライブエンターテイメント制作基盤ソリューション「LATEGRA engine.」の国内外における拡大展開、新規事業となるバーチャル空間上のライブエンターテイメントサービス「Live3.0」の開発促進に利用する。事業推進に伴うエンジニアやディレクター、マーケターなどの人材開発強化も行う。

また、引受先各社との事業シナジーを視野に入れ、xRやメイドインジャパンIPを中心に据えたライブエンターテイメント事業の強化・拡大を目指すという。

LATEGRAは、リアルとバーチャルを融合可能なLATEGRA engine.により、ARやリアルタイムモーションキャプチャー、ゲーム系グラフィックエンジンによるコンテンツ表現技術、演出力を統合させたライブイベントを実現。

リアルなライブ会場にバーチャルキャラクターを登場させ、生身の人間が行うコンサートと同様に、歌やダンス、演劇を披露できる。ステージ上でバーチャルキャラクターと人間の共演も可能。

Live3.0は、スマートフォン、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、3Dシアター設備を介し、バーチャル・キャラクターによるライブを展開可能なxRライブソリューション。

LATEGRAは、ドワンゴが主催し、歌舞伎役者・中村獅童氏とバーチャル・シンガーの初音ミクが共演した「超歌舞伎」において、デジタル面の演出・制作とテクニカルを担当。中国のバーチャルキャラクター「洛天依」(ルォ・テンイ)のコンテンツやイベント制作、映像メディアへの出演も全面的に手がけている。

関連記事
VRやAR内広告を扱うロンドン拠点のアドテックAdmixが約7.5億円を調達
インスタのARフィルターがますますダイナミックに、音楽に視覚的に応答するなどユニーク
アップルがVR配信スタートアップのNextVRを買収した理由
ゲームエンジンのUnityがAR/VRスタートアップのFinger Foodを買収
2億人近いユーザーを抱えUGC中心のBilibiliは中国版YouTubeになりつつある
NianticがARスタートアップの6D.aiを買収してアップルとFacebookに対抗

VRヘッドセットは次なるPelotonになれるのか?

仮想現実(VR)スタートアップへの投資は、ここ数年間、まばらになりつつある。普通の人たちに受け入れられるまでの長い時間を、投資家が耐えて続けなければならないからだ。その一方で、インターネットに接続できる「コネクテッド・フィットネス」機器は爆発的に伸びている。自宅待機で関心が高まり、Peloton(ペロトン)などの企業はユーザー数を大幅に増やしたほか、Lululemon(ルルレモン)はMirror(ミラー)を5億ドル(約540億円)で買収した。

FitXR(フィットエックスアール)は、VRヘッドセットが次なるコネクテッド・フィットネス分野の売れ筋になると見ている。人気のVR運動アプリBoxVR(ボックスブイアール)を開発するこのスタートアップは、Hiro Capital主導による750万ドル(約8億円)のシリーズB投資をクローズしたとTechCrunchに伝えた。この投資の内訳は、630万ドル(約6億7000万円)がエクイティー投資、120万ドル(約1億3000万円)がイギリスの政府系金融機関Innovate UKからの融資となっている。その他、Adam DraperのBoostVC、Maveron、TenOneTen Venturesが投資に参加している。

FitXRのゲームBoxVRは、VR機器で使えるエクササイズ専用アプリとして知られるようになった。Beat Saber(ビートセイバー)の影響を受けたGuiter Hero(ギターヒーロー)的なインターフェイスを備えたボクシングゲームだが、素早いアッパーカットやジャブなど、体を激しく使う動きに重点が置かれている。同スタートアップは、現在、FixVRをOculus Store、PlayStation Store、Steam
を通じて29.99ドル(日本では2990〜3259円)で販売している。追加コンテンツは9.99ドル(日本では1000円前後)で用意されている。

BoxVRの画面。画像クレジット:FitXR

VRを利用した運動は、ゆっくりとヘッドセットの一般的な使用事例になってきた。それは、体を動かす必要のある激しいゲームタイトルのお陰だ。昨年、価格は未公開ながらFacebook(フェイスブック)が買収したBeat Saberは、そうした機会を本格的に実現した最初のタイトルとなった。今年の初め、16zが支援するVRスタジオ、Within(ウイズイン)は、Supernatural(スーパーナチュラル)というタイトルの運動アプリをサブスクリプションで提供開始した。昨年末には、サンフランシスコのYUR(ユア)が、そのVR運動ソフトウェアに110万ドル(約1億1800万円)のプレシード投資を獲得している。

VR市場は、自宅待機要請によって大きく成長したが、この業界を支える柱であるOculus(オキュラス)がサプライチェーンの問題に苦しむと、多くのVRスタジオはその好機に恵まれずに取り残されてしまった。399ドルのスタンドアローン型Quest(クエスト)を含むOculusのすべてのヘッドセットは、今年の初めから売り切れか品薄が続いている。この状態は、次第にFacebook(フェイスブック)への依存度を高めるこの業界の成長に、悪影響を及ぼしている。

VRヘッドセットには心拍数モニターやその他のフィットネス用のトラッキング機能はないが、VR開発者は、ユーザーのヘッドセットやコントローラーの運動量や速度に関するデータを大量に収集できる。FitXRは、そのデータからユーザーが燃焼したカロリーを計算することで、1日に燃焼したいカロリー量をアプリ内でユーザーに設定させることが可能になっている。

今のところ、FitXRの製品はVRヘッドセットの中に留まっているが、同社は今回の投資を使って現在20名のスタッフを増員することにしており、ヘッドセットを超えた展開への興味を同社トップはほのめかしている。

「私たちは、製品の独自の利用法を考えています。それは仮想現実に縛られません」と、FixXRのCEO、Sam Cole(サム・コール)氏はTechCrunchのインタビューで話していた。「しかし、もっとも楽しい運動方法はVRヘッドセットにあるという信念が変わることはありません。そのため、私たちは企業として、その分野での開発とイノベーションを続けてゆきます」

画像クレジット:via FitXR

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

高級ヘアサロン向けサイネージでインスタのSpark ARを活用した新サービスが登場

THE TOKYO SALON VISION COVER Spark AR

動画マーケティングのニューステクノロジー(ベクトルグループ)は7月2日、ARコンテンツ企画・開発など行うport W.LLCと共同で、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)提供のAR開発プラットフォーム「SparkAR」を活用した新サービス2種類の提供開始を発表した。

AR新サービスのひとつは、ニューステクノロジー運営の高級ヘアサロン専門サイネージ・メディア「THE TOKYO SALON VISION COVER」と連携したメニューとして採用。美容院に設置されたタブレットに2次元バーコードコードを表示、読み込むと自身のスマートフォンと連動してARが立ち上がり、フィルターを通したAR体験が可能になる。そのまま商品購入ページまで誘導できる。

THE TOKYO SALON VISION COVER Spark AR

もう1点は、インスタグラムのストーリーズでARフィルターを活用した投稿ができるメニュー。インフルエンサーのキャスティングも可能で、オーガニック投稿による拡散も同時に狙えるという。広告配信の場合はフェイスブックのみ配信可能。

ニューステクノロジーによると、ARなど新しいテクノロジーにより、化粧品・スキンケア製品・ファッションアイテムをオンラインで試用・購入できる体験が消費者に急速に浸透しているという。Spark ARの場合では、企業が自社製品関連のオリジナルARフィルターをインスタグラム上でユーザーに提供。プロモーションやトライアルなど、様々なアプローチを開始しているとした。

関連記事
インスタのARフィルターがますますダイナミックに、音楽に視覚的に応答するなどユニーク
インスタのARフィルタ開発キットをFacebookが公開

資金調達した黒人起業家と支援した投資家のリストが入ったスプレッドシートが公開

何人の黒人起業家がベンチャー資金の調達に成功したのか、どのベンチャーキャピタルがスタートアップに投資したのかを知ることは、歴史的にも容易な作業ではない。ベンチャーキャピタルのデータが、ステージ別やスタートアップのタイプ別に分類されることはよくある。しかし、特定のベンチャーキャピタル会社が何人の黒人起業家に投資したかを知ろうとするのは、これまで非常に困難だった。

今年、Yonas Beshawred(ヨナス・ベシャワード)氏、Sefanit Tades(セファニット・タデス)氏、およびJames Norman(ジェームズ・ノーマン)氏の3人がTransparent Collectiveと協力して、米国ベンチャーキャピタルの支援を受けた黒人創業者の最も包括的なリスト(Medium記事)を作った。データはこちらで見ることができる。

これは、有用性においても、勇敢さにおいても、類まれな記録だ。米国時間7月1日現在、リストには283人の名前が載っているが時間とともに増えているようだ。

最近、同じグループがさらにデータを追加(Medium記事)した。このほどこの公開データベースに、どのベンチャーキャピタル会社が黒人起業家のスタートアップに投資したかの詳細が加わった(起業家のリストは黒人歴史月間に公開され、VCのリストはジュンティーンス(奴隷解放記念日)頃につくられた。テック業界の最近のジュンティーンスに関する行動について以下の記事を参照してほしい。

関連記事:奴隷解放の6月19日を記念する動きが米テック企業の間で続出

黒人起業家に投資したVC会社のほうが、VCから資金調達した黒人起業家よりも多い。これは、ひとつのラウンドに1社以上のVC会社が参加するのが普通であることを踏まえると当然だ。しかし、出てくるVC会社の数は心強いものの、このデータには微妙な部分がある。

TechCrunchが、Pilot.lyのCEOで、Transparent Collectiveのパートナーでもあるノーマン氏と話をしたところ、同氏は当初「570社が行った投資に数に驚かされた」が「よく見るとそのうちの75%は投資した黒人起業家が1人だけだった」。

さらにノーマン氏はデータを見て「リストにあるVCの大部分は、調達ラウンドへの後追い投資である可能性が高い」、ほとんどのVCが1社のみの黒人起業家のスタートアップに投資しているという事実は「黒人起業家全般に渡る資金の不足を浮き彫りにしている」と語った。

とはいえ、起業家とVCのデータがまとまったリストはそれ自身有用である。ノーマン氏は、このデータベースは他の企業が情報を取り込んで分析するのに役立つので、これまで閉ざされていた有用な知識が利用できるようになることを期待している。

同じくリスト作成に参加したTades氏は、データベースへの反応は「驚くほど肯定的であり、リストの拡張や追加データの提供への協力を申し出た人もいた」とTechCrunchに伝えた。さらにTades氏は、「フィードバックによって黒人起業家のリストやデータベースの改訂も早まる」と語った。これも楽しみだ。

シリコンバレーは「measure what matters」(重要なものを測れ)というような言葉が大好きだ。ちなみに、いまここに黒人起業家と、彼らのスタートアップに1枚か2枚か3枚小切手を書いたことのあるVCのリストがある。両方のリストが長くなることは重要であり、私達は今その進捗を測ることができる。

画像クレジット:slobo / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

東大・松尾研発AIスタートアップACESがAI活用のプレスリリースデジタル管理を開始、テレ東とタッグ

ACES(エーシーズ)

東大・松尾研発AIスタートアップのACES(エーシーズ)と、テレビ東京ホールディングスは6月24日、データ基盤をもとにしたAI活用に関する共同開発を行い、テレビ東京HD社内で運用を開始したと発表した。

テレワーク環境の整備や多様で柔軟な働き方のニーズが高まる中、報道機関などメディア業界でも情報のアナログ管理が課題となっており、現場の業務改善が求められている。なかでも、1日あたり数百件を超えるプレスリリースの情報管理が、紙媒体のアナログ管理が主となっている報道機関では、生産性を上げる際のボトルネックとなっている。
ACES(エーシーズ)

ACESとテレビ東京HDは、こうした課題を解決すべく、「AIを活用したプレスリリース情報のデジタル化アプリケーション」の開発を行い、報道局内での実運用を開始した。これにより、散逸しがちなプレスリリース情報の一元化、デジタル管理による業務効率化・テレワーク環境の整備、デジタル管理によるデータの資産化と報道の質の向上が可能になった。

ACES(エーシーズ)

東京大学松尾研発のAIスタートアップACESは、ディープラーニング(AI)アルゴリズムを用いることで、人が関わるさまざまなビジネスシーンをデジタル化し、課題解決と価値創出を行うDX(デジタルトランスフォーメーション)事業を展開。人間の認識・解析を行うHuman Sensing(ヒューマンセンシング)を中心とした画像認識・動画解析アルゴリズムのAPI/SDKの提供、共同でDX事業に取り組むプロジェクトを担っている。

関連記事:東大・松尾研発AIスタートアップACESが資金調達、画像認識アルゴリズムをパッケージ化して提供へ

Googleがカメラ46台を使って実現する「ライトフィールドビデオ」は物の裏側も見られる

Googleが、ふつうの写真やビデオをもっと没入的にしてしまう、とても感動的な方法を披露している。それは、見る人が遠近や視野角を変えられ、フレームの中の物の回りをぐるりと見ることもできる。ただし、46台のカメラを同期させて動かす技術と環境のない人は、この「ライトフィールドビデオ」今すぐ作ることはできない。

SIGGRAPHで発表される予定のこの新しいテクニックは、数十台のカメラが同時に撮った映像を利用して、巨大な複眼のようなものを作る。その多くの視野角や奥行き感を一つの映像にまとめると、見る人が視点を移動するとリアルタイムで情景も変わる。

研究論文に載ってるこの画像はカメラによる視界の捉え方と分割の仕方を示している。

HD以上の高精細度と移動の自由があれば、このライトフィールドビデオは本物のような現実感を見る人に与える。これまでのVR化ビデオは、以前からよくある立体眼鏡のような3Dを使うから、視点の変化に追随しない。写真の中の奥行きを理解して遠近感を加えるFacebookの方法は巧妙だが、制限がありすぎて、遠近感のほんのわずかな変化しか作り出せない。

Googleのビデオでは、見る人が頭を1フィート横へ動かすと角(かど)をぐるりと回ったり、物の向こう側を見れたりする。その像は本物そっくりに精細で動きもなめらかだが、3Dの映像なのでほんのちょっと視点を変えただけでも、それが正確に反映される。

画像クレジット: Google

そして相当巨大な装備を使うので、ひとつのシーンの、ひとつの視野角から隠れている部分も、別の視野角から見られる。見る人が右端から左端へ動いてズームインすると、まったく別の光景が見える。映画「ブレードランナー」の、あの悪名高い「拡張シーン」を思い出して、ちょっと気味が悪い。

これの最高の体験が得られるのはVRだと思うが、プロジェクトのWebサイトにはこのシステムのスチルバージョンがある。そしてChromeブラウザーを持ってる人なら、このブラウザーの実験的機能をインストラクションを読んで有効にすると、ライトフィールドビデオのデモをいろいろ見られる。

この実験は、昨年の終わりごろに見た、人間の動作を3D的に捉えるLEDの卵に似ている。明らかにGoogleのAI部門はメディアをよりリッチにすることに関心があるようだけど、車のように大きなカメラをたくさん並べて実現する技術を、Pixelスマートフォンでどうやって再現するか、それはまだ、誰にもわからない。

関連記事: Google AIのチームが開発した卵型LEDルームが人間の3Dモデルを見事に捉える

画像クレジット: Google

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

フェイスブックが最も安いVRヘッドセットOculus Goの販売を終了

Facebook(フェイスブック)は、同社のバーチャルリアリティーヘッドセットで最小機能、最低価格のOculus Go(オキュラスゴー)の発売を終了すると発表した。発売からわずか2年しか経っていない。

フェイスブックのCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が、2017年末に同製品を発表した。同社がスタンドアロン型ヘッドセットを販売したのはこれが初めてであり、VRは高価すぎるという消費者の認識と戦っていた。価格が199ドル(約2万1000円)からのOculus Goは、度重なる改訂を強いられながらも数年にわたり相当量ライブラリーを築いたSamsung Gear VRの販売中止を受けた代替品というのが主な位置づけだった。

関連記事:Oculus、イベントで199ドルのモバイルVRを発表

このエントリー製品は、消費者をVRの概念に引き込み、上位機器にアップグレードさせることが目的だった。しかしデベロッパーを呼び込むには市場が小さく、デベロッパーはRift SやQuestといった技術的に高度なプラットフォームに興味を示した。フェイスブックは2019年に399ドル(日本販売価格5万4780円)のOculus Questを発売し、Oculusの消費者戦略を進めるには位置追跡可能なヘッドセットが最良の選択であることがすぐに明らかになった。

フェイスブックはGoの発売を2020年中に終了するが、ウェブサイトではかなり前からすでに在庫切れだ。Oculusは同デバイスのバグ修正とセキュリティー修正を2022年まで継続するという。Oculus Goはフェイスブック最後の位置追跡のないヘッドセットとなり、同社は米国時間6月23日のブログ記事で「今後3DoF VR製品を販売することはない」と書いている。

ここ数カ月間、フェイスブックは同社のVRヘッドセット製品ラインであるGo、Quest、Rift Sの需要に応じることができず、長い間在庫切れが続いている。Goの販売が中止されたことで、類似の部品を利用するヘッドセットのサプライチェーンの整備が進むことが期待される。

Goの販売中止の発表とともに、Oculusはアプリエコシステムを開放しデベロッパーのアプリ配布を容易にする方法を検討していることを明らかにした。OculusがQuestを発売した際、Oculus Storeには承認されたソフトウェアのみを置き、実験的要素の強いアプリの拒否に力を注ぐ同社の閉鎖的な方針が議論になった。一部のデベロッパーは、非公式にダウンロードする「サイドロード」をユーザーに勧めたが、効果があったのはマニアに対してだけだった。

フェイスブックはOculus Storeのアプリ選出方法は変えないが、新たな配布方法について詳細の一部を発表した。

これでデベロッパーは、Questを所有しているユーザーへのアプリ配布が、Oculus Storeの認定を受けずに可能になる。まだ詳細を話すことはできないが、当社のストア経由でアプリを配布していない人たちを含め、多くのデベロッパーがQuestを扱えるためのプランを一部だけでも紹介したかった。

OculusのQuestアプリの承認プロセスは、自分のアプリを拒絶されたデベロッパーの間で不評だった。フェイスブックが3本の柱からなる製品ラインから柱のひとつを外したことで、デベロッパーにQuestのタイトルを扱いやすくする必要を感じたに違いない。Oculusは少なくなった製品を多くのユーザーに使ってもらわなくてはならなくなったわけで、アプリの配布方法に変更を加える必要を認識したことは当然だろう。

画像クレジット:JOSH EDELSON/AFP / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

フェイスブックがOculusで最も成功した「Lone Echo」を開発したVRスタジオReady at Dawnを買収

Facebook(フェイスブック)はこの1年の間、ゲームスタジオの買い上げを続け、最も人気のあるVRタイトルを制作した開発者たちを買収してきた。

今もその傾向が続いていることは、Oculus(オキュラス)で最も成功したゲームシリーズの1つである「Lone Echo(ローン・エコー)」の開発会社であるReady at Dawn(レディ・アット・ドーン)の買収を見てもわかる。このスタジオは、ここしばらくパブリッシングパートナーとしてフェイスブックおよびOculusと密接に協力してきた。今回の買収により、「Lone Echo」の続編のリリースに向けて準備を進める同チームは、Oculusの仲間入りを果たす。なおフェイスブックは、「Lone Echo II」の開発状況に関するアップデートを提供しなかった。同作品は当初2019年と発表されていたリリース日から延期を重ねてきている。同タイトルは、2020年中にリリースされる予定だ。

フェイスブックはチーム全体を参加させるといっているものの、取引条件は明らかにされていない。スタジオは、カリフォルニア州アーバインとオレゴン州ポートランドにあるフェイスブックのオフィスから独立して運営される。

「Lone Echo」は、より洗練され革新的なVRタイトルの1つとして知られ、シングルおよびマルチプレイヤーによって繰り返されるプレーが、VRユーザーの間での高い評価につながっている。このシリーズは、仮想現実(VR)ゲームを常に受け入れるとは限らないeスポーツの世界でも採用されている。VRに本格的に取り組む前のReady at Dawnは「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズのいくつかのライセンスゲームを含む、ゲーム機向けのタイトルを開発していた。

フェイスブックは以前、「Beat Sabrer」を制作したスタジオであるBeat Games(ビート・ゲームズ)と、Riftゲームの「Asgard’s Wrath」を制作したSanzaru Games(サンザル・ゲームス)の買収を発表した。フェイスブックの買収戦略は、より多くのVRスタジオたちが生き残りのために苦労することなく次のVRタイトルに投資し続けための多大な余裕を与える。

VR空間の進展は遅い。今回の自宅隔離(shelter-in-place)の動きの中で、使用量が少し上がったことに気が付いたVR開発者もいたものの、そもそもハードウェアの普及が不足しているために、成長度合いにはどうしても上限がある。他のVRハードウェアメーカーたちがゆっくりとこの分野を手控えてき、Magic Leap(マジック・リープ)のような没入型プラットフォームがコンシューマー市場を去る中で、高品質のタイトルを作成しようとするVR開発者にとって、生き残りはさらに困難になっている。

原文へ
(翻訳:sako)

仮想サイクリング環境「Zwift」を長野県こもろ観光局が採用、大規模仮想サイクリングイベント開催へ

こもろ観光局 Zwift

長野県小諸市・こもろ観光局は6月22日、域観光振興のための大規模スポーツイベントとして、仮想世界でサイクリストたちが健脚を競える「GRANFOND KOMORO feat. LongRiderStories! Enjoy Ride」の開催を発表した。

参加できるコースは、約100km、約50km、約12kmの3種類。6月27日午後3時から前日祭をYouTubeで配信し、出走は6月28日午前10時から。事前申し込みは不要で、イベント参加費も無料。ただしバーチャルサイクリングのプラットフォーム「Zwift」(ズイフト)の登録利用料、通信環境、自転車や計測機器などは参加者自身が各自負担する必要がある。なおZwiftは、7日間もしくは25kmまでの無償利用が可能だ。開催概要は以下のとおり。

  • 6月27日午後3時:前日祭(小諸市からYouTube配信)
  • 6月28日午前9時45分:開会式中継
  • 6月28日午前10時:出走

Zwiftは、屋内トレーニング用機器(インドアトレーナー、ローラー台)などを取り付けた自転車(ロードバイクやマウンテンバイク)をこぐことで、仮想世界をサイクリングできるプラットフォーム。自転車をこいだ際のパワーや心拍、またサイクルコンピュータなどの計測値などの反応が、Zwift上のアバターにリアルタイムで反映される。また1人で走るだけでなく、同時にアクセスしている世界中のユーザーとの競争なども可能。

こもろ観光局 Zwift

こもろ観光局によると、新型コロナ感染拡大を受け、浅間山麓6市町村が連携し毎年5月に開催していたサイクルイベント「グランフォンドKOMORO」の2020年大会が中止。地域の観光振興は大きな岐路に立たされれているそうだ。

グランフォンドKOMORO

その中で小諸市では、従来の観光催事の復興模索やソーシャル・ディスタンスの確保ができるネットワークを通じたイベント手法の可能性に注目。ブシロードメディア、グランフォンドKOMORO実行委員会、ワイズロード、Zwiftの協力により今回のイベントが実現したという。

またこもろ観光局は、4月からZwift上で8回の仮想グループライドイベントを実施。このイベントだけでも合計で1000人規模が参加するなどの手応えを得ており、6月28日はZwiftのロングライドイベントとしては「国内最大規模となると見込んでいる」とした。

前述のグループライドイベントでは、海外からの参加者もいたため、スポーツを通じた海外へのインバンド訴求の場としての活用も検討している。

Boseが音声ARプラットフォームから撤退

ヘッドフォンメーカーのBose(ボーズ)は、ARプラットフォームから撤退する。来月プラットフォームに関わるサードパーティーの開発者へのサポートを終了する予定だ。

最初にこのニュースを報じたニュースサイト「Protocol」(プロトコル)に掲載された声明で、ボーズの広報担当者はプログラムが計画どおりに機能しなかったことを認めた。さらに、同社はもうサードパーティーの開発者アプリに関与しておらず、サポートも7月中旬に終了すると述べた。

Bose ARは、当社が思い描いていたものにはなりませんでした。当社のテクノロジーを計画どおり商用化できなかったのはこれが初めてではありませんが、Bose ARのコンポーネントはBose製品の所有者の皆さまを別の方法で支援するために使用されます。当社はそれが適切だと考えています。当社の研究は所有者の皆さまのために行っており、当社自身のために行っているわけではないからです。

コメントを求めて現在ボーズに問い合わせ中だ。

同社は2018年、米国オースチンで毎年開催されるテクノロジーイベントであるSXSW(South by Southwest)でARプログラムを立ち上げた。同時に、骨伝導ヘッドフォンをフレームに組み込み、マイクも埋め込んだプロトタイプのサングラスもデビューさせた。

同社が想定していたのは、ユーザーの行動や場所に基づき絶えず音声で通知しフィードバックを受け取るテクノロジーだった。5000万ドル(約54億円)のファンドも立ち上げた。プラットフォームに関わる開発に携わるスタートアップへの投資を考えていた。そして多くのスタートアップに投資したが、5000万ドル(約54億円)のうち過去2~3年間にどの程度を実際に使ったのかは不明だ。

同社が4月以降、新しい開発者パートナーとの提携に踏み切らなかったことは、おそらく不吉な前兆だった。デジタルツールが五感をどう拡大するかに興味がある開発者にとって、この2年ほどのプラットフォームの状況は素晴らしいとは言えなかった。同社は専用の音声ARプラットフォームを開発する取り組みの中では最も注目を集めていた。一方、視覚ARプラットフォーム業界の方は過去2年間縮小を続け、ODG、Meta、Daqriなどの新規参入組がすべて店仕舞いをして資産を売却した。Magic Leapもまた厳しい年を迎えており、今年初めに大規模なレイオフを発表し、消費者向けから企業向けへの転換を発表した。

ボーズは音声ARスペースにテントを張った最初の会社ではない。DopplerLabsが初期の参入者だったが後に解散した。同社はボーズを相手取り、DopplerLabsの音声AR技術の一部を盗んだとして訴訟を起こした。ボーズのプラットフォームは常に困難な戦いに直面してきた。同社はハードウェアの会社だが出力デバイスのみであり、iOSとAndroidの気まぐれと空想に依存する立場に身を置いていた。

画像クレジット:Bose

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

VRやAR内広告を扱うロンドン拠点のアドテックAdmixが約7.5億万円を調達

アドテックスタートアップのAdmix(アドミックス)が、シリーズAにて700万ドル(約7億5000万円)の資金調達を行ったと発表した。

英国ロンドンを拠点とするAdmixは、CEOのSamuel Huber(サミュエル・フーバー)氏とCOOのJoe Bachle-Morris(ジョー・バックル・モリス)氏によって設立された。同社はゲーム、eスポーツ、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)に広告を持ち込もうとしている。フーバー氏は、インディーゲームスタジオを所有、モリス氏は広告代理業界で働いていた人物だ。

同社は開発者向けにUnityとUnrealのゲームエンジン用のSDKを提供しており、ビルボードやポスター、3Dスペースなどの広告フォーマットをゲーム内にドラッグ&ドロップできる。同スタートアップは200人以上の開発者と協力し、毎月500以上の広告主からのキャンペーンを実施しており、広告主にはナショナル・ジオグラフィックUber(ウーバー)State Farm(ステート・ファーム)などが名を連ねる。

「ゲームに広告を入れるというコンセプトは新しいものではないが、当社のソリューションはスケーラビリティこそが革命的であり、ゲームメーカーやストリーミングプラットフォームにたいして瞬時に一貫した収益を提供する」と、Huber氏は述べている。「全世界で毎日15億人がゲームをプレイしているという事実と相まり、ゲームが真に主流な広告チャンネルになりつつあることを意味する」。

Crunchbaseによると、Admixはこれまでに210万ドル(約2億2000万円)を調達している。シリーズAはイギリスを拠点とするForce Over Massがリードし、Speedinvest、Sure Valley Ventures、Nigel Morris(電通の元幹部)をはじめとするエンジェル投資家が参加した。

原文へ

(翻訳:塚本直樹 Twitter

アマゾンは倉庫で働く従業員の社会的距離確保にARを利用している

少なくとも外から見るかぎり、Amazon(アマゾン)の新型コロナウイルス(COVID-19)対策はちぐはぐだった。いろいろな報道に登場する同社は、ウイルスの拡散を抑えるためにあらゆる努力をし、特に同社にとって欠かせない労働力である倉庫の従業員たちの罹患防止に努めているはずだ。しかし一方で、各州の司法長官や上院議員、その他の議員たちは同社の労働条件や感染率、そして複数の内部告発者の解雇について詳しい情報を要求している。

最近の同社は、新型コロナウイルス対策として倉庫の中で行われていることを少しずつ開示している。米国時間6月15日朝、同社は倉庫の労働者たちがWHOの指定する6フィート(約182cm)のソーシャルディスタンスを維持するための「Distance Assistant(ディスタンスアシスタント)」というシステムを披露した。

すでに一部のフルフィルメントセンターで導入されているこのARシステムについて、アマゾンの副社長でロボティクスのトップであるBrad Porter(ブラッド・ポーター)氏が説明した。「このスタンドアローンのユニットは、機械学習モデルを利用して人々とその環境を区別する。奥行きセンサーも利用して、メンバー間の正確な距離を測定する。人がカメラの前を通ると、モニターにはメンバーたちがそれぞれ6フィート以内にいるか、いないかが視覚的にオーバーレイで表現される。他の人と6フィート以上離れている人にはグリーンの円が付き、近すぎる人には赤い円が付く」。

画像クレジット:Amazon

このシステムは、50インチのモニターに表示される。センサーの反応は触覚型ウェアラブルのように瞬間的ではない。システムの目的は、円の色によって従業員たちが正しいソーシャルディスタンスを意識し、維持してくれることにある。

ウェアラブルデバイスやカメラによる追跡には、プライバシーのトレードオフがつきものだが、初期テストのフィードバックが好評だったため、今後数週間以内にアマゾンのさまざまな建物に数百台を導入するとのことだ。

「これは、過去数ヵ月間に出てきたさまざまなアイデアのひとつだ。私の同僚たちは熱心なので、これが最後ではないでしょう。社員の健康と幸福がほど重要なものはありません。これからも従業員の安全をできる限り保つためのイノベーションに励みたい」とポーター氏はいう。

画像クレジット:Amazon

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

デモ参加者の顔をぼかして写真のメタデータを削除する無料ツール

先月ミネアポリスで白人警官によって殺された、武器を持たない黒人、ジョージ・フロイド氏の殺害に抗議するために、世界中で大勢の人びとが街頭に集まっている。

抗議行動者たちは、前例のない警察の暴力と監視の両方に直面している。そして今週に司法省は、麻薬取締局(通常は連邦政府の麻薬関連法の施行を任されている機関)に、抗議行動を鎮圧する政府の取り組み(BuzzFeed記事)の一環として、民間人に対する「内密の監視」を行う権限を与えた。最も技術に精通した政府機関の1つとして、麻薬取締局は、何十億もの国内電話記録(未訳記事)、傍受機能をもった携帯基地局(未訳記事)、および他の多くの連邦政府機関と同様に、顔認識技術を利用することができる。

抗議行動者が報復に直面するのではないかと恐れているのは、この厳しい監視のせいだ。

しかしこの1週間のうちに開発者は、抗議行動参加者が写真から隠されたメタデータを剥ぎ取ることができたり、顔をマスクしたりぼかしたりすることで顔認識システムが抗議者を識別できないようにしたりできる、アプリやツールの開発を急いで行ってきた。

Everest Pipkin(エベレスト・ピプキン)氏は、メタデータの画像を取り除き、ユーザーが顔をぼかしたり、ニューラルネットワークでぼかしを元に戻すことが難しくなるように顔を完全にマスクしたりすることができるウェブアプリを開発した。このウェブアプリは完全にブラウザー内で実行(GitHub記事)され 、外部に対するデータのアップロードも保存も行わない。また、コードはオープンソース(GitHub記事)化されているので、誰でも自分のオフラインデバイス上でアプリをダウンロードして実行することができる。

画像からメタデータをすばやく擦り落とし、顔や識別可能な特徴を選択的にぼかすことのできるツールを開発しました。それは携帯電話またはコンピューター上だけで実行され、どこにも情報を送信しません。

あなたと他の人が安全になるように画像を処理しましょう。

ピプキン氏は、抗議行動者が自身のプライバシーを保護できるように急いで動いた何人かの開発者の1人である。

「法執行機関が抗議行動のビデオをソーシャルメディアから収集して、抗議行動者を特定する方法について、たくさんの逸話を聞かされました」と開発者のSam Loeschen(サム・レッシェン)氏はTechCrunchに語った。彼は、iPhone XR以降で動作する仮想現実アプリであるCensrを作成した。このアプリは、写真に対してリアルタイムでマスキングおよびピクセル化を行う。

アプリは画像のメタデータも消し去るため、マスクされた画像のソースや場所の特定がさらに困難になる。レッシェン氏は、これは「本当に簡単な週末プロジェクトでした」と語った。現在ベータ版だ。

censr発表:あなたのアイデンティティを保護するためのシンプルなカメラアプリ!

iPhone XR以降で利用可能。

抗議者やプレス関係者に、TestFlightを通して配布します。ダウンロードリンクが欲しい人はDMを送ってください!

Noah Conk(ノア・コンク)氏は、Amazonの顔認識システムを使用して、検出した顔に自動的にぼかしをかけるiPhoneのショートカット機能(ShortcutsGallery.comリンク)を開発した。コンク氏は自身のツイートで 、デバイス内で完結して画像をぼかしているわけではないが処理前の画像も保存しない(@NoahConkのツイート)と述べている。

アイデアはスマートだが、アップロードされた写真は、理論的には(そして仮に保存されているとすれば)法執行機関の法的命令により入手できることを意味する。また、潜在的に悪意のあるショートカットへの扉を開く可能性も「信頼できないショートカットを許可する」(アップルサポート文書)必要もある。信頼できないショートカットを許可する前にはリスクを把握し、不要なときには無効にしておくべきだ。

抗議行動者やその他の人が、写真をぼかしたり匿名化したりするのを助けることは、着実に広がりつつあるアイデアだ。

今週、エンドツーエンドの暗号化メッセージングアプリSignalには独自の写真ぼかし機能が搭載された。抗議行動が始まって以来大量にダウンロードが行われてユーザーベースが急拡大した(Quartz記事)ために、普及はやや遅れた。

Signalの創業者であるMoxie Marlinspike(モクシー・マーリンスパイク)氏は、この動きは、米国および世界中で抗議行動をしている人びとを含む「路上にいるすべての人を支援する」ことを目的としたもの(マーリンスパイク氏のブログ投稿)だと語った。こうした抗議活動は多くの場合、新型コロナウィルスパンデミックの拡大を遅らせるために、政府によって課せられたソーシャルディスタンシング規則を無視して行われている。

「ひとつのことははっきりしています。2020年は顔を覆うのにはとても適した年だということです」とマーリンスパイク氏は語った。

関連記事:秘匿性の高いメッセージングアプリ「Signal」に顔をぼかす機能が加わる

原文へ

(翻訳:sako)

Magic LeapのCEOが退任

Magic Leapは常に話が大きかった。そしてその未来のビジョンをめぐって誇大妄想と興奮のカルトを煽った責任者は、同社の創業者でCEOのRony Abovitz(ロニー・アボビッツ)氏をおいてほかにない。米国時間5月28日にアボビッツ氏は「同社が本当に新たな資金調達のラウンドを確保したが、しかし同社は、トップに彼がいない状態で大きな方向転換をする」と発表した。

Business Insiderが入手したスタッフ宛てのメモによると、同氏は移行期の間も同社に在籍するが、しかし同社は彼に代わる者の候補を「積極的に募集している」そうだ。

そのメモには「私達は新たに有意義な資金調達を完了し、重要な戦略的エンタープライズパートナーシップの締結に向かう極めてポジティブな動きもある。Magic Leapが必要とする今後の変化とフォーカスを計画した取締役会と私にとって明らかとなったのは、私の役割が変わることが次の自然なステップであるということだ。私はこのことを取締役会と議論し、新たなCEOを導入すべきときが今であることで合意した。それは、エンタープライズにおける空間的コンピューティングにフォーカスした私達の計画の、商用化を推進できるCEOでなければならない」と書かれている。

この発表の前には、今月の初めにこの拡張現実のスタートアップは大量のレイオフを発表し、消費者製品の開発からエンタープライズ事業への完全なフォーカスに転換する、と発表した。そして今月の初めにはさらに3億5000万ドルの資金調達を確保して、今後のレイオフを避けた。

同社はAbovitz氏の在任期間中に数十億ドルのベンチャー資本を調達したが、AppleやMicrosoft、Facebook等とのメインストリームのARデバイスの開発競争では、たくさんのハードルを経験した。Abovitz氏はつねに消費者市場を意識していたようだから、エンタープライズへの方向転換で取締役会が別のCEOを求めるのも、当然だろう。

関連記事: What happens if Magic Leap shuts down?…Magic Leapが閉鎖したら何が起きるか?(未訳)

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

インスタのARフィルターがますますダイナミックに、音楽に視覚的に応答するなどユニーク

Instagram(インスタグラム)の拡張現実フィルターで、いくつかの新しいトリックが使えるようになった。FacebookのSpark ARプラットフォームの最新アップデートのおかげだ。

Spark ARは、昨年のInstagramの非公開ベータから抜け出して以降、デベロッパーが利用できるARフィルターの機能に関して順調にアップデートを続けている。米国時間の5月27日、FacebookはInstagram上のプラットフォームにいくつかの新機能を追加した。これによってクリエイターは、より複雑なフィルターを作成して、ユーザーの気を引くことができる。作成可能となったフィルターとしては、音楽に視覚的に応答するものや、ユーザーのカメラロールにあるメディアにエフェクトをかけることを可能にするものがある。こうした新機能に加えて、FacebookはAR Stickerと呼ぶテンプレートも提供する。クリエイターがARフィルターを簡単にカスタマイズできるようにするものだ。

新しいAR Music機能を使うと、デベロッパーは音楽に反応するフィルターを作ることができる。音楽としては、直接アップロードされたものだけでなく、Instagramの音楽選択ツールによって選択したものや、バックグラウンドで再生されているオーディオも利用可能だ。これはInstagramにとって、かなり有効なものとなるはずだ。イコライザーのようなスタイルの視覚効果をフィルターに組み込んだり、音楽とARをまとめてストーリーに取り入れることをユーザーに促すからだ。

ギャラリー選択ツールをInstagramのフィルターに導入したことで、ユーザーは既存の写真やビデオを選択して、そこに新たにAR効果を加えることも可能となった。Media Libraryを使えば、古い写真やビデオを利用して、その上にフィルターをかけることができる。一方、Gallery Pickerでは、ギャラリーのメディアに合わせて視覚的フィルターを変形できる。これによって、さまざまなカスタマイズが可能となり、1種類のフィルターでも、ユーザーごとに異なった使い方ができるようになる。

これらが、実際にどのように機能するものかは、今回のアップデートを発表したInstagramのブログで確認してほしい。

Facebookは、同社のすべてのプラットフォームにわたって、拡張現実の未来について大風呂敷を広げてきた。しかしこの数年間は、Facebookアプリ内で、カメラを意味のある機能として利用することにさえ苦労してきた。その方面の開発の成果は、もっぱらInstagramに注がれてきた。ただしそれらは、アプリ内のカメラ機能と視覚フィルターの両方に強く依存したからこそ実現できたものだった。今回のアップデートは、以前にも見たことがあるような気がするものながら、ARフィルター効果の有用性に関する根本的な問題に、部分的にでも対処している。その問題とは、何度も使いたくなるほどダイナミックなものではなかったということ。オーディオに連動するエフェクトの導入と、カスタマイズ機能の向上により、ユーザーの創造力しだいで、何度でも新しい命を生み出すようなフィルターを開発できる可能性を、デベロッパーは手にしたと言えるだろう。

今見てきたSpark AR Studioのアップデートは、すでに利用可能となっている。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

NianticがポケモンGOユーザーがアップした画像データで独自の3Dマップ構築へ

ポケモンGOを開発したゲームデベロッパーのNiantic(ナイアンティック)は会社評価額40億ドル(約4300億円)で4億7000万ドル(約505億円)の資金を調達し、AR(拡張現実)サービスの構築に乗り出すことを宣言した。

NianticはポケモンGOの成功で一般消費者にも認知されるメインストリーム企業になった。このブランド力とここで得たノウハウを活かしてFacebook(フェイスブック)やApple(アップル)のものに匹敵する本格的なARプラットフォームを制作するという。

米国時間5月26日にNianticはポケモンGOプレイヤーからの情報を3Dデータ化することを発表した。ユーザーは他のユーザーがアップした実際のポケストップやジムの画像、動画を共有できるようになる。Nianticはこのクラウドソーシングで詳細な3Dマップを作成する。

Nianticのブログ記事によれば「コンピュータで処理可能な3Dマップにより各種デバイス(スマートフォンや将来はスマートヘッドセットなど)を通じて、現実世界をその複雑さのままに立体的に把握できるようになる」という。

Nianticがユーザーからのリッチデータを収集し高度に処理を行うことなるため、このプロジェクトはプライバシー上の議論を引き起こす可能性がある。データ収集のターゲットをポケストップとジムに限定したのは、個人の家の中などのプライベートな場所のデータを収集してしまうリスクを最小化するためだ。プレイヤーは(少なくとも当初は)この機能を利用するために事前承諾する必要がある。同社によればサーバーにアップロードされたデータは匿名化され、顔やナンバープレートは自動的にぼかされる。

この発表は、世界の3Dマップをクラウドソースで構築することを目標としたARスタートアップ6D.aiをNianticが買収してからわずか2カ月後に行われた。

ポケモンGOは2016年に発表され大評判となったが、このタイトルはNianticにとって現在も金の卵だ。アナリストの推定によれば、ポケモンGOの2019年にこのゲームとして最高の9億ドル(約967億円)の売上を記録したという。

Nianticは3Dデータ収集のターゲットを多くのユーザーに拡大することでARプラットフォームの構築でライバルに対する優位性を確立しようしている。「ハリー・ポッター」をベースにした新しいゲームタイトルに加えて、同社はNiantic Real World Platformを構築中だ。サードパーティデベロッパーはこのプラットフォームを利用して独自のゲームやソフトウェアを開発できる。

デベロッパーを集める上で、NianticはアップルのARKitプラットフォームやフェイスブックがスタートさせたSpark ARプラットフォームとの厳しい競争に直面している。3Dマップのデータへのネットワークアクセスをデベロッパーに提供できる点を同社のプラットフォームの優位性のカギとしようとしているのかもしれない。これにより大規模かつ画期的なARプロジェクトが可能となる。そのサービスのユーザーがデータをNianticに送り返してくればプラスのフィードバックがかってプラットフォームはさらに強化されるだろう。

3Dデータの収集機能はレベル40以上のポケモンGOユーザーに対して、2020年6月に公開される。その後すぐに他のユーザーにも拡大される計画だ。

画像クレジット:LLUIS GENE / AFP / Getty Images

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

Magic Leapが新たに約377億円を調達、4月下旬に通知した大量解雇を中止か

Magic Leap(マジック・リープ)は1カ月前に従業員1000名を解雇して、消費者事業から撤退したが、報道によると最近また3億5000万ドル(約377億円)の救援資金を調達したようだ。Business Insiderが報じ、The Informationが確認したところによると、CEOのRony Abovitz(ロニー・アボビッツ)氏はスタッフに送ったメモでその投資を発表し「現在および新規の匿名の投資家たちのおかげである」と述べている。

一体誰が、そしてなぜ、そんな投資をしたのだろうか。某ヘルスケア企業かもしれない。いずれにしても同社は、4月下旬にスタッフに送付したWARN通知(大規模な人員削減のための60日間の通知)を取り下げようとしている。この動きは、同社が以前に発表した大規模な解雇を明らかに覆すものだ。

解雇がなくなったとしても、これまで大金を投資されたこの拡張現実企業が、前にも発表したように、フォーカスを全面的にエンタープライズに向ける計画であることは変わらない。そしてその結果、Microsoft(マイクロソフト)のHoloLensなどと直接競合することになる。

関連記事:Magic Leap reportedly slashes 1,000 jobs and steps away from consumer plan(Magic Leapが1000人解雇して消費者ビジネスから撤退、未訳)

アボビッツ氏は 「ヘルスケアとエンタープライズと国防関連の契約が順調に進んでいる。契約が完了したら発表できるだろう」と説明する。

Magic Leapは、COVID-19を4月のニュースの主因として挙げている。でもその閉鎖の前の同社は、消費者向けハードウェアで成功している企業とはとても言えない姿だった。9回のラウンドで26億ドル(約2800億円)という巨額を調達した同社は、開発が順調に進んでいるというよりも、ど派手な詐欺という言葉のほうが似合った。デモビデオは数年間発表し続けたが、その最初のデバイスはかなり期待外れだった。

TechCrunchではMagic Leapにコメントを求めている。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa