月曜日にAppleは、Homeと呼ばれるアプリが近日中に公開されると発表した。Homeを利用すればユーザーは、HomeKitに対応するスマートホームデバイスをまとめあげ、iPadやiPhone、さらにはApple Watchから各デバイスの操作ができるようになる。
既に公開されているTechCrunchのWWDCライブレポートの通り、Homeアプリによってユーザーは、ファンタジアような、スマートドアベルやスマートロック、サーモスタットや電球、加湿器や、AV機器などのスマートデバイス群の全てを一か所から操作できるようになる。
そしてもちろん、Homeに接続されたデバイスの設定は、Siriを使って微調整が可能だ。
それにしても、なぜAppleはスマートホームの万能リモコン、ないしは中枢になろうとしているのだろうか?
正直に言って、消費者はまだ家電メーカーが願っているほど熱狂的にIoTデバイス・サービスを受け入れてはいない。
1月に発表された、28ヶ国に住む14〜55歳のテック製品の消費者、2万8000人を対象とするAccentureの調査によると、対象者の半数がスマートホームやその他IoTデバイスの安全性に大きな疑問を抱いており、25%が意識的にIoTデバイスの購入や、IoTサービスへの登録を先延ばしにしている。
そして、スウェーデンのGothenburgを拠点とする市場調査会社Berg Insightによれば、スマートホームデバイスが明らかに市場へとなだれ込んでいるにも関わらず、現在ヨーロッパ全世帯のほんの20%、北米でも全世帯の35%でしか、そのようなデバイスは利用されていない。
これまでのところ、ネットに接続し、スマホで操作可能なサーモスタットや、防犯カメラ、AV機器、電球、カメラなどが最も普及しているスマートホームデバイスとして挙げられる。
次に続くのはスマートコールドプレスジューサーか、スマートチャイメーカーか、はたまたスマート歯ブラシか?それとも、スマートパーソナルロボットや、ネット接続されたマットレスカバーといった方向へ向かうのだろうか?勝者と敗者を見極めるのは難しい。
Homeアプリが、エンドユーザーを取り囲むこの空間の中心にあることで、Tim Cook氏とAppleがどんなハードウェアの開発に賭けたとしても、Appleはスマートホーム市場に今後現れるであろう、いかなるトレンドにも基本的に関われることとなる。
そしてHomeが、Appleにとっての最高のユーザーエクスペリエンスにかなうとすれば、エンドユーザーをiOSのエコシステムに惹きつけ、SamsungのSmartThingsや、AmazonのAlexa、そしてGoogleのBrilloやWeaveとの競合の中にあるAppleを支える一因となるだろう。
例え開発者が、Androidや他のプラットフォームに大きな商機を見出したとしても、一定数の消費者がHomeで操作可能なデバイスを欲しがっているとすれば、彼らがiOS向けのソフトウェア設計を学ぶ理由となる。
最後に、HomeによってAppleは、スマートホーム界で何がうまくいって、何がうまくいっていないのかということを、前線で眺めることが出来るかもしれない。というのもHomeは、ユーザーがどのスマートホームデバイスを一番使用・操作しているかや、それがどのように行われているかというのを把握できるようだからだ。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)