Amazon、仕入先の倉庫から直接発送

Amazonは、価格に関して他の小売業者に対して強力な優位性を保っているが、Wall Street Journalの最新記事に理由の一端が表れている。AmazonはライバルのBest BuyやWalmartのように高価で巨大な小売店舗を維持しなくてよいだけでなく、仕入先自身の倉庫内からビジネスを行う実験をしている。これは一種の共生小売生物といえる。

WSJは今週の記事でこれをAmazonによる「野心的実験」と呼び、巨大なProcter & Gamble施設内の同社社員が配置された一区画を、どうAmazonが維持しているかを詳しく解説している。P&Gの労働者はパレットにAmazon顧客向け商品を積み込み、Amazonの〈倉庫内倉庫〉に運ぶと、オンライン販売の巨人が梱包して直接顧客に発送する。

サプライチェーン・マネジメントは、Apple、Walmartをはじめ成功している近代的消費者製品メーカーの殆どを特徴づけている強みだ。Appleは、ここ数年間サプライチェーンの整備に著しく成功し、殆ど自社施設に在庫を持たないジャストインタイム生産を実現して、組立て工場から消費者や小売店に直接配送している。Walmartは、サプライヤーから最低価格で仕入れる能力と、それらのパートナー向けの「カンバン」方式の在庫管理システムに関して、批判も賞賛もされてきた。

Amazonの新プログラムは “Vendor Flex” と呼ばれ、特に紙オムツや家庭用紙製品などの低価格多量販売商品におけるコスト削減が期待される。これらは、消費者に直接発送するには「嵩張りすぎて、安すぎる」と伝統的に考えられてきたと商品であるとWSJは伝えている。しかしAmazonは、この分野のビジネス拡大に力を入れており、経済的に意味のある成長を可能にする費用対効果への取り組みが大きな役割を果たしている。

このプログラムは主として保存の利く商品を対象としているようだが、将来にわたって利益が期待される運用モデルの野心的試みだ。現在AmazonFreshは、当初のシアトル以外の市場でも運用開始しており、さらなる拡大を目指している。次にAmazonがサプライパートナーと組む時、相手は大規模な工業型農場や食材メーカーか製パン会社なのかもしれない。

写真提供:flickr user jkirkhart35

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(翻訳:Nob Takahashi)


HTC One Maxの指紋センサーは、ワンタッチでアプリを呼び出せる

HTCが最新スマートフォンを発表した。5.9インチ大画面のフラグシップ機HTC Oneの姉妹機だ。新しいHTC One Maxは、6インチ近い画面を持ち立派にファブレット(phone + tablet)の領域に入るが、すっきりとしたアルミニウムのケースデザインは、同社の小型機種やどこか危っかしいUltrapixelカメラを継承している。1080ピクセル349ppiの画面は魅力的で、裏面につけられた指紋センサーにはちょっと面白いしくみが秘められている。

HTCの指紋センサーは、最大3種類の指紋を登録可能で、アンロックやホーム画面に戻ることなく3種類のアプリを起動できる。これはAppleのiPhone 5sが、内蔵指紋センサーをパスコードおよびiTunes、App Storeの購入承認の代わりに使用しているのとは一味違う。

One Maxの指紋センサーは端末のアンロックにも使用でき、端末裏面のカメラレンズのすぐ下に位置している。これは、LG G2の裏面にあったスリープボタンやボリュームスイッチでの私の経験から判断するに、少々不便な配置に思えるが、画面がほぼ全面を占めホームボタンもないことを考える、他に殆ど場所はないのだろう。

もう一つ、HTC One Maxで重要な改善は、メモリー拡張だ ― 内蔵16GBまたは32GBに加え、リアカバーを外せばmicro SDカードで最大64GB追加できる。これは大きな利点だ。他のスペックは1.7GHzクアッドコアSnapdragon 600プロセッサー(Oneと同じ)や赤外線送受信機など。ヨーロッパとアジアでは10月に発売され、米国にはその少し後、おそらく11月初めにはやってくるだろう。

HTCのスマートフォン販売戦略は、中心にOneを据え、それに一ひねりを加えて様々な消費者の要望に答えようとするものだ。One Maxは大画面体験をそのままに指紋センサーを加え、ただしカメラは光学手ぶれ防止が省かれ少々グレードダウンされている。メモリー拡張は興味深い変更であり、以前のモデルに対する利用者からのフィードバックに答えたものかもしれない。しかし総合的に見て、このOne Maxで、HTCの昨今の不運を逆転するのは難しいだろうと私は感じている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


iPhone 5c純正ケースを自慢する時がやってきた! ケースの丸い穴を使うゲーム、Flipcase登場

確かにiPhone 5cのケースは「ホームラン」ではなかったかもしれない。丸い穴など必要ないと思うのだ。しかしこの穴に魅力を感じる人もいるようなのだ。ストリーミングやソーシャル機能も備えた音楽発見アプリケーションを世に送り出しているDave McKinneyとStuart Hallのオーストラリア人デュオが、Flipcaseというゲームをリリースしたのだ。このゲームはiPhone 5cのケースがなければ楽しめない。

このFlipcaseはMcKinneyとHallが趣味で作り上げたものだ。そのせいもあってか、決して「奥の深い」ゲームというわけではない。上のビデオでもおわかりのように、タッチ対応の「四目並べ」(Connect Four)に過ぎない。しかし、iPhone 5c用ケースをひっくり返して、画面側につけて遊ぶのが面白い。ケースの穴をドットの置き場所として、4目並べを遊ぶわけだ。ひとりないし2人で遊ぶことができる。

画面をロックさせずにケースを画面側に付けるのにちょっとしたコツが必要かもしれない(実は何度かロックさせてしまった)。しかしなんとか成功すると、5cの穴あきケースを完璧に活かしたUIを持つ、これまでにないゲームを経験することができる。「革新的」ということはできないかもしれないが、シンプルで面白い。どのように感じるのが正しいのかよくわからなかったiPhone 5c用公式ケースだった。しかしCaseCollageやFlipcaseの登場で、ついに公式ケースを「自慢」できる時がやってきたのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


279ドルのHP Chromebook 11はマイクロUSBで充電, ディスプレイはIPS液晶を使用

GoogleのChromebookは、徐々に各社の製品が増えているが、今日(米国時間10/8)はHPからHP Chromebook 11が売り出された。この定価279ドルのデバイスは、白い筐体がAppleのMacBookの白を思い出させるが、もう一つの色塗りバージョンはGoogle Chromeのロゴの色を使って、やや強い印象に仕上げている。

このChromebookは、SamsungやAcerなどほかのパートナーの製品とよく似ているが、最高級の旗艦機、1600ドルのChromebook Pixelには似ていない。HP 11が超強力なPixelとは違う市場をねらっていることは確かだが、でも基本的な機能では大差がない。

11はとても軽くて、2.4ポンドしかない。そしてちょっとびっくりするのは、Androidスマートフォンやタブレットをはじめ、今の多くのモバイルデバイスが必ず使っているマイクロUSBを充電用に使っていることだ。だから同梱の充電器でNexus 4を充電することもできる。電池寿命は6時間とされているから、立派なものだ。もちろんMacBook Airが使ってるような終日型の電池には負けるが。

ディスプレイは11.6インチのIPS液晶を使っている。これも、安い製品にしては立派。プラスチックケースの内側はマグネシウムのフレームなので、耐久性も良さそうだ。HPは、スピーカーも自慢している。キーボードの真下にあるので、音質が良いそうだ。でもぼくはまだ、実際に音を聞いていない。

プロセッサはSamsung Exynos 5250だから、ビデオの多用は無理かもしれないが、しかしベースがChrome OSだから、意外といけるかもしれない。Linuxとのデュアルブートは、ビデオ処理の高速化には寄与しないが、でも一人のChromebookオーナーとして言わせてもらえば、絶対にやるべきだ。

HP Chromebook 11自身について言えば、これはWebとブラウザがコンピュータ利用のすべて、という人向けの製品だ。ほかの面倒なことは、いっさいしない人。しかしChromeとChrome OSに関してはGoogleの開発姿勢は積極的で、サイクルも早いから、もっと‘高度な’ユーザ層にも、やがてアピールするかもしれない。Chromebookをこれから試してみたい人には、今Best BuyやAmazon、Google Play、そしてHPのオンラインストアでセールをやっているから、チャンスだ(イギリスではCurrys、PC Worldなど)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


目の前の様子を30秒毎に撮影し続けるライフロギングカメラのMemoto、名前をNarrativeに変更して世界にうって出る準備は完了

スウェーデンのMemotoにとって、Kickstarterの活用は大成功だった。調達目標額の11倍にものぼる額(55万ドル)を調達して、無事、ライフロギング用カメラの生産を開始した。このカメラは身につけて使うことを想定している小さなデバイスだ。カメラ本体にボタンはなく、身につけている間、目の前の写真を撮り続ける。但しこのカメラ、これまでのMemotoの名前を捨て、新たにNarrativeとして世に出て行くことにしたようだ。調達した300万ドルの資金で運営を行っていく。資金を調達して、そして名前を変えて、新たな気持ちで世界に打って出る、という心づもりなのだそうだ。

実のところを言えば、同一ジャンルのサービスで、既にMemotoという名前が使われていることが判明したようなのだ。商標絡みの争いに巻き込まれることを避け、Narrativeという名前に変更することにしたというわけだ。潜在的な危機を回避したことで、今後は大手を振ってプロモーションも行えるようになった。また名前を変えることで、カメラ以外のプロダクトにもサービスを広げやすくなったと、肯定的にとらえておいて良いのではないかと思う。

カメラの名前は変わったが、しかし外見は以前から変わらない。プレオーダーをしている人も、ちゃんとイメージ通りのものが届くので心配はいらない。プロダクトは予定通り、そして会社にはKickstarterで獲得した資金以外にも資金が注入された。サンフランシスコのTrue Ventures主導による300万ドルのラウンドが完了したのだ。True Venturesはこれまでにも、MakerBotやFitbitなどのハードウェアスタートアップに資金を提供してきた。そういえばNarrativeはフィットネス部分以外について「データ化」(quantifying)する目的があるわけで、Fitbitに似ていると言えるかもしれない。ちなみに今回のラウンドにはLDV CapitalおよびロンドンのPassion Capitalも参加している。Passion CapitalはこれまでにEyeEmやLoopcamにも出資した経験を持っている。

Narrative Clipは、11月から予約購入者に向けて出荷される。また、初期ロット版もグレイ、ホワイト、オレンジに関してはまだオーダー可能となっている。このカメラは30秒毎に写真を撮り続ける。そして位置情報や時刻情報と一緒にネットワーク上にデータを送る。後にサイト上から閲覧したり共有することができるようになっている。写真は5メガピクセルで、バッテリーは充電式で2日間動作するようになっている。

Kickstarterで人気を集めたプロダクトの名前を変更するというのは、確かにある面ではマイナスであったかもしれない。しかしライフロギング用のカメラというのは、まだまだ新しい存在だ。おまけにまだ出荷すらしていない状態だった。そういうことを鑑みるに、名前の変更がマイナスの要因となるようなことはないと言っても良いだろう。ワーキングプロトタイプで撮影した写真を見ると、こうした「自動撮影」によるソーシャルフォトというのもなかなか面白いものとなるケースが多そうだ。きっとあらゆるケースで使ってみようとするであろう最初のユーザーたちが、どのように使うのかを楽しみに見てみたいと思う。

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(翻訳:Maeda, H


NTT Docomo、ついにiPhoneの取り扱いも開始するも(在庫不足もあり)加入者流出が止まらず

日本の通信キャリアであるNTT Docomoは、9月に加入者が大幅に減少したことを発表した。NTT Docomoは、これまで日本のメジャーキャリアの中では唯一iPhoneを提供していなかった。しかし今回のiPhone 5sおよびiPhone 5cにあわせて、9月からのiPhoneの提供を開始した。iPhoneを求める利用者の流出を防ぐ狙いもあったはずだが、どうやら奏功しなかった形だ。NTT Docomoは、むしろiPhoneこそが顧客流出の原因になった可能性があるとしている。つまりiPhoneの取り扱いを決定したことで顧客層の心に火がついたものの、販売店では品薄が続き、それにより待ちきれなくなった顧客が流出してしまった面もあるようだ。

ロイターのレポートによれば、DocomoはiPhoneの在庫不足により66,800名の加入者を失ってしまうことになったそうだ。ライバルのKDDIやSoftbankと明暗がわかれてしまったかっこうだ。両者ともに新しいiPhoneの登場を受けて、加入者数を伸ばしているのだ。こうした状況をみてDocomoは、両者については十分なiPhoneを供給されていたのではないかとしている。

スタートダッシュには完全に失敗したように見えるDocomoの状態ではあるが、しかし結局のところはiPhoneを扱うことにしたのは成功と出るのではないだろうか。アメリカの状況を見てみても、当初はiPhoneの販売を独占していたAT&Tのライバルたちが、利用者を取り戻し始めたのはしばらくたってからのことだった。在庫については、あるいは今回の初期販売台数については、既存取り扱い2社に対して優先割り当てがあったのかもしれない。あるいはDocomo側の見積もりに甘さがあったのかもしれない。iPhoneの吸引力を理解するにも、やはりそれなりの時間がかかることだろう。

ともかく、この日本の動きを見て、世界の携帯キャリアは、iPhoneの「力」を再認識することになったのではないだろうか。iPhoneを使うためにキャリアを乗り換え、そして手に入れられるとわかっていても、待ちきれなくなってしまう。これまでのデバイスを、馴れたキャリアで使い続けて数週間待つことよりも、すぐに他のキャリアで使い始めたいという気持ちになってしまうものなのだ。各国のキャリアは寺社サービスの「土管化」(dumb pipe)を危惧している。しかし、日本のマーケットを見ると、まさにそうした事態になりつつあることがよくわかる。

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(翻訳:Maeda, H


Microsoft、HTCのAndroid Phoneを使ってWindows Phoneとのデュアルブートを画策中?!

AndroidフォンのセカンドOSとしてWindowsを搭載するというのはどうだろう。そんなアイデアを持って、MicrosoftがHTCにアプローチしているのだそうだ。報じているのはBloombergだ。2つのOSをどのような形で共存させるのかは定かでない。デュアルブートを行うのか、それともハードウェアが共通というだけで、どちらかのOSが搭載されている端末を選択するということなのだろうか。いずれにせよ、Microsoftは、自社製モバイルOSの普及に向けて、できることはなんでもやろうと考えて、そして動き出したのかもしれない。

Bloombergの情報源によれば、話はまだまだ始まったばかりなのだそうだ。HTCの気持ちを動かすために、Windows Phoneのライセンス価格を低く、あるいはなしにするという提案も行っているらしい。この話の相手がHTCであるのは、既にMicrosoftのパートナーとしてWindows搭載のスマートフォンを出したこともあり、Androidを含めた双方に経験を持っているからだ(Windows Phoneに肩入れしていたというわけではないが、それは置いておくことにしたようだ)。MicrosoftのOS部門トップのTerry MyersonがHTCとの話を進めるために台湾を訪問するのだとBloombergは報じている。

あり得ない話だと思う人もいるかもしれないが、真実かもしれないと思わせる要素もある。もともとHTCはMicrosoftから頼まれてWindows Phoneを世に出しているというような雰囲気もあったが、それがMicrosoftによるNokiaの買収で、少々話が変わってきているということもある。またHTCが、なかなか売り上げを伸ばせずにいる状況もある。すなわちHTCとしても、利用者に対するアピールのためには、少々変わったデバイスを出してでも、注目を集めたいと考えている関係者もいるはずなのだ。

またMicrosoft内にもAndroidとのうまい関係を築きたいと考えているグループがあるようなのだ。情報筋によればMicrosoftの若いエンジニアでSurfaceタブレットでもAndroidとのデュアルブートにすべきだと考えている人がいるらしいのだ。そういう人たちならば、HTCのデバイスを使って、デュアルOSのスマートフォンを実現したいと考えていても不思議ではない。ちなみに、TechCrunchに入った情報によると、若手には賛同する人も多いが、管理職層のウケがあまりよくないらしい。

しかし、時代は動きつつある。CEOのバルマーは来年中に退陣する予定であると、8月にアナウンスした。エグゼクティブ層にもさまざまな動きが見られる。たとえばXbox部門のヘッドであったDon MattrickやWindows部門のSteven SinofskyはMicrosoftを去った。そうした大きな動きの中では、おそらくより良い未来を目指したラディカルな動きも認められるようになるに違いない。HTCのデバイスに、2つのOSをのせてみようというのも、そうした流れの中では当然に出てきそうなアイデアであると言えるかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


ロイター報道:レティナ版iPad miniは歳末商戦向けに投入ながら、年明けまで安定供給ならず

Appleが、ホリデーシーズンに向けて新しいiPadを準備中だとの噂がある。レティナ版iPad miniなど、複数の機種を準備中だとの話だ。但しロイターの報道によれば、レティナ版miniは年明けまでは品薄の状態になりそうだとのこと。

この話の情報元はAppleのサプライチェーンのひとつであるらしい。それによると、Retina版miniの生産台数をなんとか増やそうと試みているところながら、ホリデーシーズンにはほとんど入手できない状態になりそうだという話らしい。但し、新機種の発表自体は今月中に行いたい考えなのだそうだ。

生産が遅れそうだと見られている理由は明らかではない。但し、使用するディスプレイパネル部の消費電力について、Appleがかなり厳しい要求をしているという話もある。モバイルデバイスにおいては、ディスプレイの電力消費は常に頭の痛い問題となる。しかもAppleは新機種を出すときには前機種比で同等以上のバッテリー駆動時間を提供することを心掛けている。たとえ消費電力が間違いなく増える高解像度モデルにおいても譲れないところと考えている様子。Retina版となったからといって、バッテリーのもちを犠牲にするようなことがあってはならないと考えているらしい。確かにそれは、遅れの原因のひとつとなり得るだろう。

ロイターの情報源は、ともかくAppleのRetina版miniは少なくとも年明けにならなければまとまった台数を確保できないだろうと言っているそうだ。そうした状況を受けて、レティナ版miniの発売を来年に伸ばすか、それともともかく製造出来るだけの台数を年内に売り出すつもりなのか、それも含めて今のところは検討中であるとのこと。

尚、価格面についてもAppleはサプライヤーに圧力をかけている最中らしい(これもApple絡みではよくある話ではある)。Appleとしては、アジアマーケット等コストが大きく影響する市場を意識して、エントリー機(非レティナ)はKindle Fireなど安価なAndroidデバイスと同じ価格帯で出したい考えを持っているらしい。こうした戦略にもとづき、iPad miniの最安値モデルでは、価格を抑えるために8GBストレージモデルを用意しようとしているという噂もある。

しかし、そうは言ってもAppleのデバイスが200ドルあたりの額になることはないのではないかと思わる。それであれば、わざわざ8GBモデルなどを用意する必要はないのかもしれない。供給が追いつかないというのはAppleの新製品ではありがちのことだ。iPhone 5sもそのせいでバックオーダーがたまってしまっている。というか、新製品のリリース前には、ほぼ必ず供給状況の遅れが報道されると言っても良いくらいだ。

結局のところレティナ版iPadはホリデーシーズンに向けて売りだされるのではないかと思う。供給が間に合わなくても、在庫がなくても、ともかく売り出すのではないかと思っている。つまりは消費者がオーダーしてから入手するまでにかなり待つことになるというわけだ。今回出てきた情報は、消費者への覚悟を促す目的であるのかもしれない。実際にはそれほど待たずに製品を入手できるということも、十分にあり得るのではないかと思うのだ。どのようなスペックのものが、どういった価格帯で出てくるのかは、もちろん現時点ではわかっていない。

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(翻訳:Maeda, H


John McAfeeの専用機によるプライベートネットワーク, Occupy.hereとほぼ同じものか

ウィルス撃退ソフトで大儲けし、世界中を放浪している変人であるJohn McAfeeには、“D-Central”と名づけたガジェットを使って、NSAのスパイ行為を回避する計画がある。それは要するに100ドルぐらいで買えるルータで、それら同士がインターネットとは無関係な小さなプライベートな隔絶したネットワークを作る。そのネットワークのノード同士ではアクセスの共有ができるが、より広域のworldwide webなどには接続されない。

賞賛に値する計画だと思うが、実はすでにどこかで見たことがある。TechCrunch Disrupt NYC 2013のStartup Alleyに参加したOccupy.hereが、まさにそれだ。Occupy.hereのファウンダDan Phifferが作ったものは、WiFiによる分散ネットワークで、各WiFiエリアが軽量のフォーラムソフトウェアを動かし、そのネットワークのメンバにサーブする。彼らのソフトウェアを動かすルータハードウェアが増えれば、各エリア間での通信もでき、一つの都市全体や、もっと大きな範囲をカバーできる。

Occupy.hereではルータハードウェアの上でOpenWRT Linuxが動き、USBメモリがファイル共有を担う。Disruptのときファウンダは、専用のハードウェアを作ってくれるところを探している、と言っていた。McAfeeも、ハードウェアの設計はできているが、あとは協力してくれるハードウェアメーカーが必要だ、と言っている。

D-Centralは、まだほとんどアイデアだけの段階だが、McAfeeによれば、通信を完全に暗号化するのでNSAなどを撃退できるという。D-CentralのオフィシャルWebサイトには秒読みクロックがあるが、それによると、詳細の発表は約半年後だそうだ。一方、Occupy.hereのGithubリポジトリは、ちょうど今朝(米国時間9/30)アップデートされた。今すぐにでも、ダウンロードしてサードパーティ製のハードウェアで使えるそうだ。

この二つのアイデアはよく似ており、オープンでグローバルなネットワークであるインターネットの上では実現不可能な、強力なプライバシーを求めるグループには、適しているかもしれない。一つはもしかして変人の妄想かもしれないが、もう一つは実際に開発が進んでいるまともなプロジェクトだ。どっちを選ぶかは、あなた次第だけど。

〔訳注: 原文のコメントを読むと、McAfeeの変人ぶりがよく分かります。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Android用Remote Application Framework(RAF)はモバイルに本物のマルチスクリーン体験をもたらす

Androidには実はAirPlayのようなものがない。MiracastやMirrorlinkはやや似ているが、でも、Appleのそれのように第一画面にあるものとは無関係に第二画面の体験を作り出すことはできない。そこでデンマークのSolution57はRemote Application Framework(略称RAF)を作ったのだが、こいつはAppleより上で、Androidデバイスにくっつけたディスプレイが従来のデスクトップPCに接続したディスプレイのように使える。

RAFを使うと、Androidデバイスは、リモートのディスプレイ上にアプリが動いている体験を作りだし、同時にホスト側のデバイス上では別のソフトを動かせる。ホストデバイスがすべてのアプリを動かし、受信側はそのコンテンツを表示する。アプリが違えば当然UIも違う…たとえば手元のデバイスでゲームを楽しみながら接続した第二のディスプレイ上ではGPSソフトを動かせる。一つのシステムが、二つのディスプレイ上の二つのアプリを動かす。それはたとえばMacBook Proに第二のモニタをつないだときなどと同じだ。

ただし、それと完全に同じではない。RAFの場合は、つながれた側のディスプレイは何らかのOSを必要とする。だからRAFははじめ、車載用に最適のインフォテイメント(infotainment, information+entertainment)システムだ、ともてはやされた。たとえばGMやNissanの車載システムが、QNXなど、ノンAndroidのOSを使っていてもよい。ユーザは、その車載システム本来のツールを使ってもよいし、あるいは自分のAndroid携帯がそれを完全に乗っ取った状態で使ってもよい。それはちょうど、AppleがiOS 7で提案した車載機能と同じだ。

RAFを使うためにAndroidもその上のアプリも何ら変更の必要はないが、Solution57のディレクターRafal Malewskiがぼくに語ったところによると、RAFがMirrorlinkの正式仕様の一部になれば、たいへんありがたいそうだ。

“自動車業界がモバイルと車載系の統合を本格的に採用して正規に普及していく場合に、これがMirrorlinkの拡張スペックとして採用される必要がある”、と彼は説明する。“今はCar Connectivity Consortiumと接触して、彼らの関心のほどを探っているところだ”。

そしてその一方でSolution57は、すでに二社のOEMに売り込んで、車載系以外のリモート技術を実現しようとしている。消費者向けのVNCクライアントもあり、それはAndroid、iOS、QNX、Windows、Linuxなどで使える。Malewskiは、今後はもっと、ありとあらゆる種類のアプリケーションがありえる、と言う。たとえばウェアラブル製品のセカンドスクリーンとか、Androidゲーム機用のスマートコントローラ。スマートテレビなどだ。

Solution57が究極的に望んでいるのは、GoogleがこれをAndroid本体に採用することだ。つまり、Solution57の買収である。今はOEMへのライセンス提供というビジネスモデルだが、RAFを統合した最初のデバイスの発売は、予定どおりいけば来年の半ばだそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google HangoutsとGoogle Talkのバグでメッセージの誤配が相次ぐ

本誌‘直属’の情報筋をはじめ多くのソース、およびGoogleのサポートフォーラムの投稿、それにTwitter上の個人たちが、GoogleのHangoutsサービスにインスタントメッセージを正しく配達できない不具合がある、と報告している。レガシーのGoogle Talkクライアントから送られたメッセージが、Hangoutsを使っている友だちで、本来の宛先とは違う人に行ってしまうらしい。

本誌の情報筋の一人が、具体的に状況を述べている: Windows 7の上でGoogle Talkを使い、メッセージを仕事仲間に送ると、別の社員に行ってしまったことが一回、元社員に行ってしまったことが一回あった。チャットとHangoutsサポートのためのGoogle Groupには、同様の報告が10以上来ている。また、Twitter上の報告も多い(下図):

今のところ問題は、Google TalkのユーザがGoogleの新しいインスタントメッセージングプラットホームGoogle Hangoutsに移行した人とコミュニケーションしようとしたときだけ、に限定されるようだ。Hangoutsはビデオに加えてテキストによるコミュニケーションもできるようアップデートされ、5月のGoogle I/Oデベロッパカンファレンスでスタンドアロンのアプリとしてリリースされた。したがってこの問題は、Googleで今進行中の、旧サービスから新サービスへの乗り換えに伴う技術的な問題かもしれない。またHangouts for Androidは最近アップデートされたばかりなので、そこにバグが生じたのかもしれない。

今本誌はGoogleに詳細を問い合わせているが、当面の最良の対策はHangoutsとTalkを一緒に使わないことだろう*。あるいは、誤配されても構わないようなメッセージだけ送る、とか。プライバシーの侵犯事件としてはかなり深刻な方だから、Googleも解決を急ぐと思われるが、本誌としては確定的な解決情報が得られてからお知らせしたい。〔*: 原文には、“HangoutsまたはTalkをまったく使わない”とありますが、それは明らかにこの問題に関して不適切なので、上のような訳にしました。〕

アップデート: Googleもこの問題を認識し調査中だ。広報は次のような声明をよこした: “われわれはGoogle Talkに関して報告された問題を調査中である。ご迷惑をおかけしたことを、お詫び申し上げる。今後のアップデートに関しては、Apps Status Dashboardをご覧いただきたい。”

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonのタブレットはエンタプライズ(中~大企業)の大量導入をねらう…最新のKindle HDとHDXにその兆候を見る

AmazonのAndroidタブレットKindleのOSは、Amazon自身がちょっといじったバージョンのAndroid(通称Fire OS)を使用しているが、そのせいで最近はますます、消費者という名の大きな木馬の中にエンタプライズの恰好をしたギリシア人の大軍がいる、という風情になってきた。Fire HDとHDXには”Mojito”が載っている、それはFire OSのいわばv.3.0で、いくつかの重要なエンタプライズ向け機能が予定されている。

いくつか挙げてみると、エンタプライズ用メール、VPNクライアントを内蔵、ワイヤレス印刷、Office互換のOAツールセットをプレインストール、ハードウェアレベルでのデータ暗号化、認証の改良、SilkによるセキュアなWeb閲覧、そしてきわめつけは、各種の広く使われているモバイルデバイス管理サービスをネイティブAPIからサポート。

エンタプライズ(中~大企業)にとってKindleの魅力は、まず、コストだ。Amazonの元々安いタブレットを全社員向けに導入するとなると、一人当たりの費用はiPadを大幅に下回る。しかも単に安いだけでなくAmazonは、Whispercastのようなサービスを提供してユーザの下支えをする。このサービスは、自社独自でMDMを導入していない企業向けの無料のネイティブのMDMソリューションだ。Fire OSの今回のアップデート(そして上述の機能が実装されるv.3.1)は、Goodのようなプロバイダによりエンタプライズモバイルデバイスプロビジョニングネットワーク(enterprise mobile device provisioning network)をすでに構築している企業に、新たなITインフラのための大きな支出を必要とせずに、容易に入り込んでいける。

さらにこれらのタブレットには、新たにMayday Button(メイデイボタン、お助けボタン)というものがある。HDXのオーナーは、このボタンでAmazonのテクニカルアドバイザーをリモートで直ちに呼び出せる。しかもサポート担当者はライブのビデオ画面に現れるから、まさに一対一でお世話していただけるのだ。

Maydayは、一見、消費者向けだが、エンタプライズユーザにとってもありがたい機能だ。企業としては、社員にHDXを持たせておけば、社内的なITサポートや教育訓練は不要になり、Amazonにおまかせ、となる。社員個人々々のタブレットの使い方を、社内ITで面倒見るなんて、あまりにもたいへんである。

Amazonはまず、タブレットが安いということでBYODの成功に近い位置につけている。背後には消費者向けコンテンツの強力なエコシステムがあり、また、新たにエンタプライズオンリーの付加価値(上述)も構築している。Amazonはタブレットで、企業と教育分野をねらっていることが、今回ますます明らかになってきた。買い手であるエンタプライズは、そのようなAmazonの売り込みに対して、どんな態度に出るだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple高マージンの秘密; iPhone 5sの製造原価は199ドル, 5cは173ドル

Appleの新製品が出るたびに、検索企業のIHSはその部品を調べ上げて原価を試算する。それによって、Appleがその製品を消費者に1台売るたびにいくら儲けるのか、およその見当がつくのだ。

AllThingsDがIHSから入手したiPhone 5sとiPhone 5cに関する初期の試算によると、16GBの5sの材料原価は少なくとも191ドル、組み立て費用が8ドルで、製造原価は199ドルとなる。64GBの5sが最高で208ドル、これは昨年IHSがiPhone 5の最小ストレージ製品に関して出した最小推定額205ドルに近い。

iPhone 5cの製造原価は16GBモデルが173ドル、32GBモデルが183ドル、これには組み立て費用7ドルが含まれている、という試算だ。指紋センサー(単価7ドル)や13 LTE用の特注RFチップなど新しい部品を導入したにも関わらず、Appleはいつものように前世代製品に比べてコスト削減に成功している。RFチップセットは5sも5cも同じで、単価は32ドルだが、iPhone 5の5バンドLTE用推定34ドルに比べて安い。

Appleは製品の原価や供給コストを明かさないから、IHSによる計算の妥当性は分からないが、彼らはこういうことを昔から長年やっているので、それほど大きな外れはないだろう。Appleの、供給価格を下げてマージンを上げるというやり方は、依然として健在だ。むしろ、今回がいちばんうまくいった、とも言えるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、高速CPU、802.11ac、PCIe Flashストレージを用意してiMacラインをリニューアル

AppleがオールインワンiMacのリニューアルを発表している。昨年末の大幅リニューアルとは異り、今回の変更は外見的にはマイナーチェンジとなっている。しかしパフォーマンスは大幅に向上しており、細かくスペックをみるとかなりの変更点がある。たとえばインテルのクアッドコアを採用し、802.11ac Wi-Fiを搭載、さらにはより高速なPCIeベースのフラッシュストレージにも対応している。

基本モデルとなる21.5インチのiMacには2.7GHzのクアッドコアIntel Core i5プロセッサが搭載されている。IntelのCrystalwellアーキテクチャを採用した初めてのデスクトップで、新しいIris Proグラフィックスチップも搭載している。ちなみにIros ProというのはミッドレンジのゲーミングPCで一般的なGPUだ。これまでのモデルと比べて、かなりの性能向上が期待できる。27インチモデルではCTOオプションで3.5GHzクアッドコアIntel Core i7を搭載したり、4GBのビデオメモリを搭載するNVIDIA GeForce GTX 780Mを選ぶこともできる。

ネットワークにも802.11acが搭載され、今年初めに新世代ネットワーク環境として投入された、最新のAirPort ExtremeおよびTime Capsuleルーターの機能をフルに活用できるようになった。PCIeベースのフラッシュストレージは、Appleの発表によると前モデルとの比較で最大50%の速度向上を望むことができる。起動速度が速くなり、アプリケーションのロードも高速となり、全体的なシステムパフォーマンスが大きく向上することになるはずだ。CTOではストレージを1TBのフラッシュストレージにすることもできる。またFusion Driveは1TBと3TBのふたつが用意されている。

基本モデルの構成ではRAMは8GB、そしてドライブ容量が1TBとなる。メモリは最大で32GBまで拡張することができる。今回発表になった新モデルは、既にApple Storeで販売が開始されており、プレスリリースによればショップでの販売も直ちに開始されるのだそうだ。標準のマウントモデルと、自前のスタンドなどで利用する人用にVESAアダプタ搭載モデルも用意されている。価格はオプションの選択をしない場合で133,800円から208,800円となっている。

ハイエンドの27インチモデルは、最大で40%高速なグラフィック性能を持ち、PCIeおよびIntel Haswellクアッドコアプロセッサを搭載している。高速なマシンを必要とするゲームをプレイする人や、あるいは本格的ビデオ編集を行う人も満足できる性能だろう。こうしたハイスペックが、昨年のレビューでお話した通りのスマートな筐体に収められている。Appleの美学を体現したデバイスになっていると言えると思うが如何だろうか。

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(翻訳:Maeda, H)


iPhone 5sおよび5c、発売3日で全iPhone中1.5%を占めるまでの急成長。中でも5sが絶好調

AppleのiOS 7は、かなりの勢いで広がりつつあるようだ。Mixpanelのレポートによると、モバイルサイトおよびアプリケーションへのトラフィックベースでは、既にiOS 6を凌駕しているところもあるのだそうだ。新しいOSの普及速度もさることながら、ハードウェアも急速に普及しつつある。Localyticsの調査によると、iPhone 5sも5cも非常によく売れているようだ。発売後3日もたたないうちに、アメリカにおける全iPhoneのうちの1.36%を占めるまでになったようだ。

Localyticsの調査は、iPhone 5sおよび5cの発売日である9月20日から、日曜日である9月22日の午後8時(ET)までの期間、アメリカにおける2000万台のiPhoneを対象に行なったものだ。ちなみに現行のiPad(第4世代およびiPad mini)が発売された時は、発売後1ヵ月たった時点で、全iPadトラフィックの4%を占めるのみだった。

調査ではキャリア毎のiPhone率についても調査している。中ではAT&Tの割合が最も高くなっている。AT&Tでは、5sと5cをあわせて全体の0.67%となっている。

尚、iPhone 5sが大いに在庫不足状態になっているという話からも想定されるように、Localyticsの調査の中でも、米国内iPhoneの中で5sが占める割合は1.05%となっており、5cは0.31%となっているようだ。Twitterなどのソーシャルメディアでも5sの需要が高く、それによって品薄状態になっているということが言われている。イギリスにおいても、コヴェント・ガーデンのAppleストア店員が、土曜日段階で5sは早々に売り切れ、そして5cの方はまだ在庫が残っていると話をしていた。

5sに関しては供給が追い付いていないということもあるのだろうが、世界中で売り切れが続出しているというのは、ともかく需要があまりに大きいことを意味しているのだろう。今回集めているデータはごく初期の販売動向を示すだけのものであり、表面的なデータを見ているだけであるかもしれないが、取り敢えずここからは5cの販売が伸びていないらしいことがわかる。但し、価格を抑えた5cが、従来とは違った層を狙ったものであることも考慮しておいて良いかもしれない。すなわち登場してすぐに端末を手に入れに走る人々とは異なる層をターゲットにしているという見方もあるわけだ。

Appleのプレスリリースでも好調な売上状況と、5cに対する5sの優勢が伝えられている。

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(翻訳:Maeda, H)


Apple、iPhone 5sとiPhone 5cの先週末の合計販売台数は900万以上と発表―iPhone 5の500万台を大きく上回る

Appleは先ほどプレスリリースを発表し、先週末に新モデルのiPhone 5cとiPhone 5sを合わせて900万台販売したと述べた。Appleはこれまで同じく、モデル別の販売数内訳は発表しなかったが、他の情報から推測すると、ハイエンド・モデルのiPhone 5sの人気の方が5cより高かったようだ。新モデル発表の週末の売上としては昨年のiPhone 5の500万台を大きく上回る新記録となる。

iPhone 5sが発売開始後すぐに売り切れたという報道が世界中から届いた。現在Apple Storeのウェブサイトでは5sの発送予定日が「10月」という漠然としたものになっている。しかし5cは世界中の大部分のオンラインストアで在庫があり、24時間以内に発送可能だ。

アナリストは最初の週末のセールスを合計500万台から800万台程度と予測していた。KGIのMing-Chi Kuoは安価なiPhone 5cの方が売れると予測した。5sが売り切れ状態のためKuoの予測は結局当たるかもしれないが、 Localyticsのデータからはやはり5sの方が売れていることが示唆される。

Appleはまた先週発表されたiOS 7を、現在すでに2億台のデバイスが搭載していると発表した。これは史上最速のOSアップデートだ。デベロッパーや調査会社から当初発表された「アップデートは急速」という予測を裏付けるものだ。Appleによれば、iOS 7と同時に発表された新しい音楽ストリーミング・サービスのiTunes Radioは先週末だけで1100万人のユーザーを獲得したという。アメリカ国内のみのサービスであることを考えると驚異的な数字といえるだろう。Pandoraが2億人の登録ユーザーを得るまでに6年かかっている。

なおiPhone 5は当初、世界で9カ国で発表されたが、iPhone 5sと5cは旺盛な需要が見込まれる中国を含む11カ国で同時にローンチされた。中国では iPhone 5の場合、発表直後の週末で200万台売れている。今回も中国での販売数はかなりの割合を占めているはずだ。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


速報:iOS 7のアップデート率は予想を上回るハイペース―初日で35%を記録

Appleは画期的な新OS、iOS 7を昨日(米国時間3/18)東部標準時で午後1時ころ公開した。アクセスの殺到によるサーバーのエラーで当初かなり待たされるユーザーも多かったが、結局驚くべき数のアップデートが実行されたようだ。

われわれは各種の調査をできるだけ広くあたってiOS 7の公開開始から24時間のアップデート率の推測を試みた。どうやらiOS 7へのアップデートはきわめて急速に行われつつあるようだ。Chitikaによれば、iOS 7デバイスは今や北アメリカのトラフィックの18%以上を占めるという。これはiOS 6の初日のアップデート率を上回る。この調査はアメリカとカナダのデバイスによる3億ページビューをモニタしており、iOS 6のアップデートの初日のトラフィックのシェアに比べて、今回のiOS 7の場合は3%ポイント上回っているという。

モバイル・ウェブ・アナリティクスのMixpanelはiOS 7のシェアの変化をリアルタイムで観察し、同社のサービスにアクセスするユーザーのiOSデバイスのうちiOS 7のシェアが最初の24時間で35%に達したと発表した。Mixpanelによると、多くのユーザーが公開直後にアップデートを行った(ローンチ後10時間以内に22%)という。Mixpanelは今後24時間以内にiOS 7のトラフィックがiOS 6を追い越すものと予測している。これに対してAndroidではJelly Bean(の全バージョン)が、公開後450日も経つのに、まだ57%しか普及していない。

モバイルとタブレットの最適化ソリューションを提供するOnswipeもプラットフォーム別のシェアのモニタしており、カバー範囲には100万のユニークなiOSデバイスが含まれる。この調査によると、すでに31.27%のデバイスにすでにiOS7%が搭載されている。 iPhoneが34.04%、iPadが26.12%とiPhoneのアップデート率がわずかに上回っている。

私の取材に対して、OnswipeのCEO、Jason BaptisteはiOS 7について「これほどアップデート率が高い理由は、いわば新型のデバイスを無料で入手できる(ほど大幅なアップデートだった)からだろう」と語った。【中略】

結局、インターフェイスデザインの一新をはじめとする大胆な改良がiOS 7のアップデート率を鈍らせることはまったくなかった。そうなるかもしれないという予測は杞憂に終わったといえる。まだ1日目を終えたばかりだが、すでにトレンドは明白だ。

(Matthew Panzarinoが協力した)

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もしものときのため、iPhone 5sのTouch IDにペットの「指紋」も登録しておこう

上のビデオでおわかりのように、iPhone 5sに搭載された指紋センサーは「人間限定」ではないようだ。猫を某所より調達し、そして「ペットの指紋もTouch IDに登録することができるのではないか」という仮説を、実際に試してみたという次第だ。

ちなみに、確かに猫の手でもロック解除することができたが、人間の指で行う場合に比べて、エラーになる頻度は高かった。まあそれでも正しい場所に乗せることができれば、きちんと繰り返し解除することができた。実のところ猫にも人間同様、個々に異なる「指紋」のようなものがあるそうなのだ。確かにそれを裏付けるように、ロック解除用に登録した足以外の足ではロックを解除することができなかった。すなわち、「猫にでも解除できる不安定なデバイス」というわけではなく、セキュリティ機能はきちんと機能しているのだ。

このビデオを見て、いろいろとセキュリティ関連が気になるという人のために実験をしてみた。すなわちロック解除用に指紋ではなく、掌底部の掌紋を登録してみたりもした。あるいは手首付近をセンサーに押し付けて登録を強行してみたりもした。いずれの場合もきちんと登録でき、iPhoneをアンロックすることができた。但し、登録したのと逆側の手の同じような部分をセンサーに押し付けても、アンロックすることはできなかった。

ZDNetは、istouchidhackedyet.comが「偽の指紋によってバイオ認証をかいくぐった人に与える賞金のクラウドファウンディング」を行っているという記事を掲載していた。ここで報告している「猫の手認証」や、「掌底認証」は、そうした類の「ハック」では全くない。iPhone 5sによる「指紋」の定義が、一般よりも少々広めであるということを意味するに過ぎない。自分にもしものことがあったとき、ペットに5sの面倒を見てもらいたいと思うのなら、ぜひとも登録可能な5つのアカウントのうちのひとつに、ペットの「指紋」を登録しておくと良いだろう。

本稿を作成するにあたって、TechCrunchのNatasha Lomasに大いに協力してもらった。

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(翻訳:Maeda, H)


AppleがiOS 7を一般公開―次の注目はユーザーのアップデート率

映画「イージー・ライダー」ではないが「エンジンをかけてハイウェイをぶっとばす」ときがやってきた。いや、つまり先ほどAppleから画期的な新OS、iOS 7が公開されたところだ。iPhone 4以降、iPad 2以降、iPad mini、第5世代のiPod touchにインストールが可能だ。

ここで大きな注目が集まっているのは、ユーザーがiOS 7にアップデートする速度だ。これほど大幅ではないOSのマイナー・アップデートの場合、ユーザーの移行は非常に急速だった。

Chitikaの調査によれば、iOS 6.1、6.12はどちらもアメリカ、カナダで非常に急速な移行率を示した。また世界的にみてもこれまでAppleのiOSデバイスのユーザーが新OSをインストールするスピードは速かったが、iOS 7の場合はいろいろな面で過去のOSアップデートとは事情が異なる。

iOS 7ではほとんどすべてが変えられた。まずルック&フィールが根本的に変化した。ナビゲーションから各種機能まですべてが改良の対象になっている。私も以前の記事で指摘したが、ほとんどの変化は実際に改良になっているものの、ユーザーがiOS 7に慣れるには少々時間がかかるだろう。

アップデートをスタートするには設定メニューで一般 >ソフトウェア・アップデートを開くか iTunesをインストールしたパソコンに接続する。 Appleのサーバーには膨大な負荷がかかることが予想されるので、ダウンロードが始まるまでに少々時間がかかるかもしれない。エラーがあっても根気よく再試行を続けること。

AppleがiOSをアップデートするつど、ユーザーの移行カーブは注目されてきたが、今回は特に強い関心が注がれている。テクノロジーに強くない友だちや親類を持っている人は、iOS7の変化に驚いて助言を求める電話がひんぱんにかかってくる覚悟をしておいたほうがいい。iOSのユーザビリティは今回大きく向上しているので、当初の驚きがすぎれば大きな問題はないだろう。またAppleがiBookstoreで公開しているアップデートのガイドを教えてやってもよい。

われわれはiOS 7の移行率についていつもの情報源が発表を行うのを待っている。情報が入り次第アップデートしていく。

〔日本版〕Engadget Japanのアップル iOS 7提供開始。iPhone 4 / iPad 2以降とiPad mini、iPod touch(5代目)対応も参照

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iPhone 5sとiPhone 5c, どちらを買うべきか

iPhoneの新機種にはiPhone 5ciPhone 5sがある。だから、その日のために苦労してためたお金をどっちに投ずるべきか、迷う人も多い。本誌のリビューで詳しく述べたように、どちらも魅力的な製品だが、5cを選ぶべき、あるいは5sを選ぶべき、絶対強力な理由はあるだろうか? 以下に、迷っている人のための主な検討要素を挙げてみた。

カメラ

スマートフォンのカメラというものを大幅に改良しているPhone 5sは、カメラをとくに重視するユーザにとっては、これでキマリの機種だ。高価な傘を使わなくてもよいフラッシュ撮影やオフカメラユニット、ソフトボックスなどは基本的にまずいが、5sのTrue Toneフラッシュは5cのフラッシュよりも圧倒的に優れている。

フラッシュ以外にも、5sのセンサとレンズ部品はずっと良い。またプロセッサが高速なのでオートフォーカスやシャッターの起動も速い。ビデオのスローモーションやバーストモードも、人によっては絶対に5sを選ぶ決め手になるだろう。つまり、ほかの機会だけでなく、スマートフォンを使っているときでも写真に真剣な人は、お値段が高くても5sできまりだ。

コストパフォーマンス

コストパフォーマンスに関しては、iPhone 5cは非常に優れている。同じストレージサイズなら5sより100ドルも安いが、上に述べたカメラとプロセッサ(A7+M7)の速度や付加的能力(後述)を除けば、大きな違いは何もない。

iPhone 5cのデザインは意外なほど魅力的だ。ぼくなら5sにカラー版があれば(5sを選ぶとしたら)そっちを取るだろう。結論としては、iPhone 5, 4S, 4の現ユーザが、ごくふつうのアップグレードを望むなら5cだ。カメラやプロセッサを初め、いろいろ最先端を望むなら5s。

未来性

5sには、SoCのA7の上にモーションコプロセッサM7が載っているという秘密装備がある。A7は64ビットの処理能力を提供し、M7は省エネや動き追跡機能を提供する。これらの機能をフル活用したアプリが将来登場したとき、それを絶対に欲しいと今から思う人は、5sだ。

結局のところ、あなたに合ったスマートフォンは、あなたが個人的にいちばん魅力を感じたスマートフォンだ。それがAndroid機である可能性も、もちろんある。Androidはだめ、という点は何一つないが、でも二機種同時に出すというAppleの新しいやり方は、多くの消費者に、どっちかに決めなければならないという心の負担をもたらした。この記事で述べたことが、その負担解消のお役に立てば、幸いである。


iPhone 5sのビデオリビュー


iPhone 5cのビデオリビュー

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))