ロケット・ラボが本部とミッションコントロール、生産設備を統合した新施設をロングビーチに開設へ

Rocket Lab(ロケット・ラボ)は、米国バージニア州のワロップス島に初となる発射場を開設するとともに、米国での事業を拡大する。この宇宙開発スタートアップは、カリフォルニア州ロングビーチに新しい本社を開設する。同センターは、ニュージーランドの既存の施設を補完する、第2のミッションコントロールセンターとして機能する。

ロケット・ラボによると、新施設の建設はすでに始まっており、今年の第2四半期(4月〜6月)に完成する予定だという。施設では年間12機以上のElectronロケットを生産でき、ワロップス島の発射場からの月間1回というロケット発射サイクルに見合うという点で、同社のニーズを満たすであろう。

Electronにくわえて、ロングビーチの施設はロケット・ラボのオプションサービスとなる、人工衛星も生産する予定だ。同社は昨年、単に顧客に打ち上げサービスを提供するだけでなく、エンドツーエンドのミッションサービスを提供すると発表した。これには、小型衛星をさまざまな目的に利用したい顧客のニーズにあわせてカスタマイズできる、衛星のハードウェアも含まれる。

ロケット・ラボはこのロングビーチに、アメリカでは初となるミッションコントロールセンターを設置する予定で、ここからワロップスでの打ち上げが管理できる。ニュージーランドのLC-1(打ち上げ施設)とワロップスのLC-2、そして最終的にはニュージーランドのマヒア半島に設置される第2の打ち上げ施設にて、増加するロケット打ち上げを管理するのに役立つだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テスラがあの『窓ガラス破壊』自虐Tシャツを公式に発売

テスラは、それが商品の宣伝になることなら、恥ずかしい出来事でも取り込んでしまうことに抵抗はないようだ。同社はCybertruck(サイバートラック)の運転手側の窓ガラスが破壊された様子がデザインされたTシャツの販売を始めた。この「窓ガラス破壊」は、2019年末に同社が論争の的となったピックアップトラックを公開したときに起きた出来事だ。

11月のイベントでは、テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏が、Cybertruckの頑丈さをテストするために、同社のリードデザイナーであるFranz von Holzhausen(フランツ・フォン・ホルツハウゼン)氏をステージ上に呼んだ。ホルツハウゼン氏がトラックの側面をハンマーで殴ったときには、目に見える傷は残らなかったが、次に彼が鋼球を防爆性があるはずの車窓に投げつけたら、簡単に割れてしまったのだ

運転席側のサイドウィンドウが最初に破壊され、ガラスがクモの巣状に割れた(しかしマスク氏が指摘したように、鉄球は完全にガラスを通過することはできなかった)。一瞬呆然としたような様子だったマスク氏から許可を得たホルツハウゼン氏の第2投は、後部座席の窓も割ってしまった。

テスラの公式ショップで入手できる新しいTシャツの価格は45ドル(約4900円)。前部の窓がクモの巣状に割れた様子を写真から再現したデザインになっている。またTシャツの背中には、Cybertruckの公式ロゴが入っている。これはホイールから上のCybertruckシルエットのように見えるシンプルな三角形だ。

私がチェックしたときには、実際にTシャツを購入できなかったが、これはヒットするだろう(最初の2分間ですでに売り切れたのではなかったなら)。事件は即座にミーム化した。後にテスラは、事前に行われたホルツハウゼン氏によるドアへの打撃が窓のガラスを構造的に弱めていたのだと説明したが、いずれにせよそれはマスク氏もしくはテスラのプレゼンテーションにとって、計画も期待もされていなかったものだ。

窓ガラスの強度に対するステージ上でのマスク氏の主張と同様に、Twitterにおける彼の主張である「このTシャツは防弾で、着れば筋骨隆々になれるぞ!」という発言も、割り引いて受け取っておこう。

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(翻訳:sako)

Satellogicが2機の地球観測衛星を打ち上げ、画像・分析サービスを拡大

地球観測ビジネスを手がける宇宙開発企業のSatellogic(サテロジック)は、米国時間1月15日に中国の長征2Dロケットで打ち上げる2機の新型衛星を使って、軌道上の衛星群(コンステレーション)を拡大する。同社は2010年に設立され、現在軌道上で8機の衛星を運用しており、今回の打ち上げでマルチスペクトルおよびハイパースペクトルカメラを搭載し、高解像度での地上撮影を実現する2機のNewSat Mark IV衛星を追加する。

Satellogicの最終的な目標は、地上の画像を顧客に提供するだけでなく、衛星が収集したデータを基にした分析や洞察を提供することだ。同社のデュアルカメライメージング衛星は、マルチスペクトルレベルで1メートル、ハイパースペクトルレベルで30メートルの解像度を実現する。マルチスペクトルカメラはより詳細な画像を撮影できるが、ハイパースペクトルイメージングでは、例えば地上に存在するさまざまな鉱物のような見えない情報を顧客に提供できる。

Satellogicは今後2年間で80機以上の衛星を打ち上げる計画で、すでに契約も結んでいる。そして衛星の打ち上げによりコンステレーションを構築し、衛星画像サービスの範囲と頻度を拡大する。同社はまた、ウルグアイの組立・試験施設を拡大し増加する従業員に対応する予定だと発表しており、また最近は継続的な事業拡大のために5000万ドル(約55億円)の新規資金調達を完了した。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

宇宙開発企業Blue Originが新本社と研究開発センターをワシントン州に開設

eff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が創設した宇宙開発企業のBlue Origin(ブルー・オリジン)は、ワシントン州ケントに新たな本社および研究開発施設を開設し、正式にリボンカットを行った。Amazon(アマゾン)の本社の近くにある23万平方フィート(約2万1368平方m)の新施設は、30エーカー(約12万1406平方m)以上の土地の中に建設され、最終的には1500人のBlue Originの従業員の拠点となる。

新本社はプリンストン大学の物理学者であるGerard O’Neill(ジェラード・オニール)氏にちなんで、O’Neill Buildingと名付けられた。O’Neill氏は1970年にNASAと共同研究を行い、長期滞在者や宇宙船内での農業のため、地球の重力を再現するために回転するよう設計された、いわゆるO’Neillシリンダーを含む、宇宙で人間が持続的に活動するための未来技術を考案したことで知られている。

ベゾス氏は2019年、オニール氏のビジョンの実現について議論し、地球上の人類の住み家を拡張するために、1つの宇宙ステーションで100万人もの人々が居住する方法を詳しく語った。

Blue Originの従業員数は、米国のフロリダ州ケープ・カナベラル、テキサス州西部のバンホーン、アラバマ州ハンツビルの施設を含めれば2500人を超える。今年3月には、アラバマ州にてエンジン製造の専用施設を開設する計画だ。そして2020年にはサブオービタルロケットのNew Shepardにて、初の有人飛行を実施する。New Shepardは有人飛行の認証の獲得に向けて順調に開発が進んでおり、さらに翌年には大型ロケットのNew Glennの運用を始める予定だ。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

プログラマブルな猫ロボ「Meet MarsCat」は飼い主と一緒に成長・進化する

CES 2020で、製品の見せ方の完成度が高かったジャンルといえば断然、家庭向けロボットだ。そして中でも最もかわいらしいのが、工業用ロボットメーカーのElephant Robotics(エレファント・ロボティクス)が出展したロボペット「MarsCat」だろう。このロボットペットは完全に自律的なコンパニオンで、接触や音声に反応するだけでなく、おもちゃで遊ぶこともできる。ほんの数分間遊んだだけで、誰もが好きになってしまいそうだ。

MarsCatの出自は一風変わっている。なぜならElephant Roboticsは、Cobots(コボット)と呼ばれる、工場や組み立てプラントで人間と一緒に仕事をする工業用ロボットのメーカーだからだ。Elephantは2016年の創業で、今では協働ロボットの製造ラインが3つもあり、韓国、米国、ドイツなど世界中の企業に販売網を広げている。

MarsCatは、そんな同社の初めての家庭用製品で、もちろん工場や研究所ではなく家庭で使用する。初めてのとは言っても、これまでに蓄積されたロボット製造技術が至るところで生かされているはずだ。たとえば脚や尻尾や頭部の関節の動きがとても滑らかで、座る、立つ、歩く、遊ぶ、人の動きを注視するなどの動作を完全に自律で実現する。

しかもMarsCatは、そんな機能性が最初からあるだけでなく、ユーザーがプログラミングしてカスタマイズできる。全体をRaspberry Piが動かしていて、プログラミングする人のためのオープンなライブラリとしてMarsCat SDKが同梱される。そのAPIを使えば、ロボットの動きや機能を完全にコントロールしプログラミングできる。だから、STEM教育の教材にもなるし、ロボティクス(ロボット工学)の勉強もできる。

MarsCatは今、Kickstarterでクラウドファンディングを実施しているが、目標額の2万ドル(約220万円)はとっくに超えて、10万ドル(約1100万円)以上には達しそうだ。Elephant RoboticsのCEOで共同創業者のJoey Song(ジョーイ・ソング)氏によると発売は3月の予定なので、そんなに長く待たされることはない。

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ロボットペットは現在さまざまな製品が市場に出ているが、ソング氏によるとMarsCatのように高度な機能がたくさんあってしかもそのわりには安いという製品はほかにない。例えば、現状でいろんな音声コマンドに応答できるし、ユーザーとのコミュニケーションを通じて進化できる。ユーザーがたくさん話せばお喋りになるし、たくさん遊んでやれば遊びが大好きな子猫みたいになる。しかもプログラミングができるオープンなプラットホームだ。支援者価格699ドル(約7万6600円)はお買い得だろう。

ソニーのAibo(アイボ)はMarsCatの犬バージョンだが、米国の小売価格が2899ドル(約31万7600円)なので、MarsCatはお買い得だ。しかも、本物の猫と違ってMarsCatには排泄も抜け毛もない。それも魅力の1つだろう。

CES 2020 coverage - TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

電動化やネット接続など未来感を満載したSea Rayのプレジャーボート

自動車産業は最近の10年間で動力系と操縦系の両方に大きな変化を経験したが、でもボートはどうだろうか?ボートもやはり、スマートフォンのパワーとパフォーマンスの改良に貢献している同じ技術で最先端のアップグレードが進められている。そしてSea Ray(シー・レイ)はCES 2020で、それらの最新技術をたっぷり詰め込んだ美しい最上級の船外機ボートを披露した。

そのSea RayのSLX-R 400eには、ボート愛好家たちに知れ渡ったらそのほかのプレジャーボートにも当然普及していくと思われる、まったく新しい機能がひとつある。それは、パートナーのBrunswick(ブランズウィック)が開発したFathom e-Powerシステムで、SLX-R 400eに盛り込まれたイノベーションを支えている。それはこの船の動力系の電動化の部分で、大容量のリチウムイオン電池を搭載し、エンターテインメントを含め同船のすべてのアクセサリーシステムを動かす。

ただしメインエンジンに使われるのは昔ながらの燃料だ。そして3台の450馬力8気筒Mercury船外機が、この全長12mのボートを動かす。でもFathom e-Powerシステムがあるので、水の上で定員上限21人の友だちが楽しんでいるときでも燃料は消費しない。そしてこの「エコフレンドリーな」プレジャーボートは、同型の船と比べて航続距離が長い。

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e-Powerシステムに加えて、Sea Ray SLX-R 400eにはジョイスティックによる操船機能がある。船外機の方向をより精密にコントロール可能になるだけでなく、船の操縦経験のあまりない人でも容易に操船できる。

コックピットもかなり未来的で、複数台の16インチディスプレイに船とシステムの状態が刻々映し出される。オーディオシステムは船全体に装備され、しかもApple(アップル)のAirPlay(エアプレイ)によるストリーミングをサポートしている。しかもこれは、単なるコンセプトボートではない。Sea Rayの発表では、今年後半に発売の予定だ。

CES 2020 coverage - TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

空飛ぶタクシーのEHangが米国で初の自律飛行を披露

空飛ぶ旅客用ドローンのスタートアップであるEHangは米国時間1月7日、米国ノースカロライナにて2人乗り自律飛行タクシーのEHang 216による完全自律飛行を実施した。これは同社にとって、米国おいても、そして北米においても初の試みだ。

中国の広州を拠点とするEHangは、すでに中国国内およびヨーロッパとアジアのさまざまな地域で機体の飛行を実証しているが、同社の航空機がFAA(連邦航空局)から飛行認可を受けたのはこれが初めてであり、EHangは現在その認可を乗客を乗せての飛行へと拡大しようとしている。これは、EHangが最終的に米国で商業サービスを提供するという目標に向けた重要な要件である。

州都のローリーで実施されたこのデモ飛行には、州知事のRoy Cooper(ロイ・クーパー)氏も参加した。EHangは最終的には、都市部およびその周辺の短距離ルートに沿って乗客と貨物の両方を自律的に輸送し、さまざまな産業に向けてこれらを展開したいと考えている。

EHangにとって、2019年も多忙だった。同社は昨年12月にNasdaq(ナスダック)で上場した。Ehangはまた、広州で航空シャトルサービスを開始する計画を明らかにし、また市内を対象としたドローンタクシーサービスではその自律飛行能力だけでなく、複数の機体を相互に連携させたり、あるいは市内上空の空域を共有する他の航空機と連携させたりして、どのような展開と運用ができるかを示すことが目的となっている。

2019年末には、EHangは計画の遂行に向けた初期段階として、216台の車両を同時に飛行させる試験飛行を2回実施した。同社は約40機の航空機を顧客に販売しており、すべてが計画通りに進めば、来月までに中国民用航空局とのパイロットプログラムを完了し、中国での商業飛行のための機体耐久性に関する完全な承認が得られる。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

SpaceXのドラゴン補給船が科学実験機器とともにISSから帰還

SpaceX(スペースX)は国際宇宙ステーション(ISS)への19回目の商用補給(CRS)ミッションを成功させ、使用されたDragon補給船が米国時間1月7日の朝早く、太平洋に着水した。今回使用されたDragon補給船は、SpaceXのCRSミッションで、すでに2回もISSを往復している。

12月5日にCRS-19ミッションで打ち上げられたDragon補給船は、12月8日にISSにドッキングし、約1カ月間係留されている間に宇宙飛行士が約5700ポンド(約2.6トン)の物資や実験機器を含む、その内容物を積み降ろした。そしてDragon補給船は、地上の研究者が研究するための実験素材を持ち帰っている。

その中には「ワムシ類」と呼ばれる微小な水生動物やマウスが含まれており、どちらも微小重力がさまざまな生物に及ぼす影響を研究するために利用された。またもう1つの実験は、宇宙飛行士が長期の宇宙滞在中に受ける、放射線被曝の解決策を科学者が開発するのを支援するというものだ。これはほんの一例にすぎず、学術機関やNASA、そして民間のパートナーによる、何百もの実験が行われている。

今後、Dragon補給船は太平洋から回収され、地上にて内容物が回収される。SpaceXは3月上旬にも補給ミッションを予定しており、ISSへの有人宇宙飛行を実現するためのCrew Dragonのミッションも継続している。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

ヴァージン・ギャラクティックの商業旅行用宇宙船、2号機の建造進む

Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)の宇宙船は規模を拡大しており、同社の2番目の商用宇宙船は、初号機のSpaceShipTwoよりもはるかに早く、建造プロセスにおける重要なマイルストーンを達成した。2号機となるSpaceShipTwoは初号機の「VSS Unity」に加わり、商業宇宙旅行を提供する予定だが、現在は機体が自立することで組み立てにおける重要な成果に到達している。

この新型のSpaceShipTwoの名前はまだ公表されていないが、現段階では機体の約80%が完成しているという。一方、ヴァージン・ギャラクティックはVSS Unityの飛行テストも実施しており、さらに3号機の建造も開始している。その完成度は約50%に到達しており、作業はカリフォルニア州モハベにある本社で、2号機とともに進められている。

この2号機の次の目標は、飛行制御、出力、高度調整などを提供する、すべての統合システムを接続することだ。組み立ては多くのモジュラーコンポーネントを使用するなど、建造プロセスの効率が大幅に向上したため、初号機よりもはるかに高速化された。同社は2021年の収益化を目指しており、最終的には宇宙旅行のチケットの価格を下げたいと考えているため、複数の宇宙船の建造はそれに貢献することになる。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

日本のFPV Roboticsが水陸空のインフラ検査用ドローン「Waver」を発表

日本のスタートアップFPV Robotics は、ドローンテクノロジーを活用して世界中で増大するインフラ検査ニーズに対応する。予期せぬ橋の崩壊などの重大な問題を回避するため、老朽化し​​たインフラを検査するニーズが増えている。FPV RoboticsのCEO兼創業者である駒形政樹氏は、同社のドローン「Waver」を筆者に見せてくれた。WaverはラスベガスのCES 2020でデビューする。

水空両用ドローンであるWaverは、8つのローターを使ってフライトし、フロートを使用して水面上での移動速度を上げることもできる。この二面性が、限定された特定の問題の解決にとても適している。駒形氏は、JR(Japan Railways)が特定の問題を抱えていることに気づき、これを解決すべきだと考えた。

特定の問題とは、鉄道橋の崩壊だ。2011年に只見川の洪水で新潟と福島の複数の橋梁が損傷・崩壊した。JRの新幹線やローカル線を支える鉄道施設の大部分は古く、老朽化が進んでいる。気候変動の結果として頻度を増す自然災害により、損耗がさらに進む可能性がある。

FPV Roboticsは、老朽化したインフラを魔法のように修復したり、自然災害を防止したりすることはできないが、既存の方法に比べてコストを大幅に削減し、オンデマンドで柔軟なモニタリングと検査を可能にする。駒形氏は、JRそしてセンサー企業のOKIと提携してWaverを開発し、カスタム設計として水空両用能力とマルチビームセンサーアレイを加えた。

OKI提供のマルチビームテクノロジーはWaverの底部に設置され、ドローンが水面から川や海底を正確にマッピングできるソナーイメージング機能を提供する。得られた情報は、損傷や崩壊に至る前に、橋や道路などのインフラの交換・補強すべき時期の予測に役立つと駒形氏は言う。

Waverは、河床の所定領域を自律的にマッピングし、水を横切ってルンバのように移動しながら領域ごとの情報をつなげて全体像を構築する。また、平均的なVTOL(垂直離着陸型)ドローンより多い8つのローターが装備されているが、一度に複数のローターへの電力が失われても動作し続けることができるように、余裕を持たせていると駒形は述べた。

Waverは海と河床の検査に加え、地面に足場を伸ばして従来型カメラで橋自体を近距離から視覚的に検査できる。駒形氏は、このような複数の種類の検査には、専門のボート、何時間もの訓練を受けた人員、接近して目を近づけるための一時的な足場などが必要になると指摘する。同氏は、自社の研究に基づき、無人機によって検査コストを従来の方法のわずか20分の1まで削減できると推定する。コスト削減により、従来の方法では人間の検査官を危険にさらすような現場でも、より頻繁にモニターすることが可能になる。

FPVは、橋梁だけで年間約2500万ドル(約27億円)の市場規模と見込んでおり、2020年にはその約4%(約100万ドル=約1億900万円の売上高)を獲得し、翌2事業年度にわたり毎年約200万ドル(約2億2000万円)の増加を目指している。現在、ほとんど外部資金なしで運営されており、既存のシード資金である3070万円(30万ドル)の90%は駒形氏自身が拠出した。この資金で、同社はすでにプロトタイプ(この投稿に貼り付けた画像)から、CESでお披露目する洗練された製品バージョンに移行した。

ドローン開発を得意とするエンジニアである駒形氏は、Waverが日本だけでなく世界中の老朽化したインフラの課題に対応できると見込んでいるが、FPVの最初の焦点は日本の市場機会になると考えている。究極的に同氏が望むのは、FPV Roboticsが世に出すWaverなどのドローン技術が「世界をより良くする」ことに役に立つことだ。インフラ検査のような課題への取り組みは、その手始めとして申し分ない。

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(翻訳:Mizoguchi

ドローンが監視しながら飛び回る、Sunflowerのホームセキュリティシステム

2020年のCESで目を引く製品のひとつに、新しいタイプのホームセキュリティシステムがある。ドローンを使って家屋を見守り、ガーデンライトを模したセンサーと中央処理装置を合体させたものだ。

Sunflower Labs は、新製品のSunflower Home Awareness Systemを発表した。システムは、社名を冠したSunflower(ひまわり:移動・振動センサーで一見ふつうのガーデンライトだが近くに存在するクルマ、人間、動物などをリアルタイムでマップに表示する)、Bee(蜂:自身で発着する完全自動ドローンで、搭載カメラでライブストリーミングビデオを撮影する)、Hive(蜂の巣:Beeの充電ステーションで、コンポーネントが集めたデータをすべて処理する頭脳を格納している)の3つからなる。

空飛ぶロボットが所有地を監視しながら飛び回る様子は、少々ディストピア風で、複数のカメラとセンサーを配置すればもっと安く簡潔に同じことができるだろう。それでも、Sunflower Labは自社のセキュリティシステムを、「周囲に反応して学習」することで時間とともに改善されていくため、標準的なシステムの進化形だと考えている。

Beeは、従来型の受動的監視システムを補完するように作られており、所有地内で不審な行動が見つかったとき、必要に応じて出動して詳細情報とライブビデオを提供する。つまり、夜どこかでへんな音が聞こえた時、調べに行くための人を待機させておくのと似ている。

Sunflower Labsは2016年に設立され、General Catalystなどから資金提供を受け、サンフランシスコとスイス・チューリッヒにオフィスがある。システムは安くはないが、仕様を見れば驚きではない。価格は9950ドル(約110万円)からで、顧客のニーズに応じて変わる。現在予約受付中で、999ドル(約11万円)の前金が必要。最初の受注分が届けられるのは今年の中頃の予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXがCrew Dragon宇宙船の脱出装置の空中テストを1月18日に実施

SpaceX(スペースX)とNASAは、Crew Dragon宇宙船にとって重要な飛行中の脱出装置テストのための、公式なスケジュールを決定した。飛行中の脱出装置のテストは、NASAの宇宙飛行士がCrew Dragonに搭乗して飛び立つ前の必須の条件だ。NASAとSpaceXは現在、米国時間1月18日(日本時間1月19日)の土曜日にこのテストを実施する予定となっている。

飛行中の脱出装置のテストはその名のとおり、ミッションにトラブルが発生したことを想定して、実際にCrew Dragonが飛行している最中にそれを中断するものだ。宇宙船のカプセルをロケットから高速で分離することで搭乗している宇宙飛行士の安全を確保する。

これは、SpaceXとNASAの商業乗員輸送プログラムの最終目標に向けた長い道のりの中で、最も重要なステップのうちの1つだ。これにより、米国は独自に宇宙飛行士を打ち上げる能力の再確立を目指す。SpaceXはすでに、Crew Dragonが大気圏に突入した後に安全に降下するための新型パラシュートシステムの一連のテストに成功しており、今回の重要な脱出装置のテストが成功すれば、2020年後半には乗員を乗せたCrew Dragonを初めて打ち上げる予定だ。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

4つの温度センサーを制御できるスマホ連動の後付けグリル調理用ハブ

Weberはスマート調理器具のスタートアップであるJuneとの提携を深めており、CES 2020の開幕を控えた米国時間1月6日に、どんなグリルでもスマートグリルに変えられる新製品を発表し、初心者の料理人にも専門家の指導とグリル調理のアドバイスを提供しようとしている。

新しいWeber Connect Smart Grilling Hubには、肉やその他の食品の調理中の温度を監視する、有線接続の温度計が接続できるポートを備えた小型デバイスが含まれている。Hubは一度に4つまでの温度センサーをサポートしており、同時にさまざまな料理の温度を監視できる。そしてWeberの専用アプリを使ってスマートフォンとHubを連携させれば、調理中の食品の内部温度に関する情報を受け取れる。またアプリは、肉が希望する焼き具合になる適切な温度に達したときに、アラートを発する。

さらに食べ物をひっくり返すタイミングの通知や、最高の料理法についての専門家によるヒントやコツなどもアプリに表示される。Weberによると、今年中にはAlexaのサポートが追加され、その他の新機能もソフトウェアアップデートで提供される予定だ。

Weberは以前、発売予定のペレットグリル「Weber SmokeFire」でJuneと提携した。これはWeberが作った最初のペレットグリルで、Smart Grilling Hubが提供しているのと同様のスマート調理テクノロジーを内蔵している。Smart Grilling Hubは、2020年初頭より30カ国以上で発売され、米国では129.99ドル(約1万4000円)で手に入る。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

SpaceXがStarlink衛星群打ち上げへ、約180機の運用予定で民間として最大規模に

 

SpaceX(スペースX)は、2020年中に衛星インターネットサービスを開始する準備を進めるために、さらなるStarlink(スターリンク)の衛星群を打ち上げる。打ち上げは米国時間1月6日の東部標準時で午後9時19分(太平洋標準時で午後6時19分)から始まり、ミッションのライブ配信は打ち上げ時間の約15分前(東部標準時で午後9時4分、太平洋標準時で午後6時04)に始まる。

今回の打ち上げは2019年末に打ち上げられた60機と、テストと実験の目的で2019年に打ち上げられた60機のスペースXのStarlinkコンステレーションの合計120機に、60機の衛星を追加するものとなる。スペースXは約180機の衛星(なお、一部の打ち上げ済み衛星は稼働していない)を運用する予定で、これは現在活動している民間の衛星事業者の中で最もアクティブな運用例となる。

スペースXは、Starlinkのためにさらに多くの衛星を打ち上げる計画だ。その目的は、利用エリアが限られていたり、低速だったり、あるいはサービスがまったく提供されていない地域に高速ブロードバンドを提供することだ。Starlinkはまず、2020年末までにアメリカとカナダでサービスを開始し、60機のStarlink衛星をさらに20回打ち上げたいとしている。

スペースXは同社のグローバルインターネットサービスのために、3万機の衛星打ち上げ許可を申請しており、「Starlinkの総ネットワーク容量とデータ密度を、予想されるニーズの増加にあわせて拡張するための対策を講じる」と記している。同社は、Starlinkが天体観測に与える影響のために科学者から批判されてきたが、地球に面した衛星の側面を黒く塗るなど、その影響を最小限に抑えるための対策を講じるとも伝えている。

今回の打ち上げは、スペースXにとって2020年最初のものとなる。1月初旬からの打ち上げは、2020年に同社が計画している積極的なペースでのそれを期待させるものだ。打ち上げにはFalcon 9ロケットが使用される。このロケットは2019年の2回を含め、これまでに3回使用されている。今回の打ち上げにはブースターだけでなく、ロケットのペイロードを保護するフェアリングの半分の回収の試みも含まれている。

 

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Nvidiaが驚異の360Hz駆動のeスポーツ向けG-Syncディスプレイを発表

Nvidia(エヌビディア)はPCディスプレイで新しいテクノロジーを開発した。これにより、プレイ中のパフォーマンスに関わるリフレッシュレートの向上が重要となる、eスポーツに最適なかつてない応答性を実現する。

新開発された360Hzのリフレッシュレートを実現する新G-syncテクノロジーは、今週に米国ラスベガスで開催されるCES(コンシューマ・エレクトロニクスショー)で展示されるAsus ROG Swift 360モニターが搭載しており、初めて市場へと投入される。これはNvidiaのRTXシリーズのGPUと連携して動作し、3ミリ秒以下の入力レイテンシを実現し、24.5インチのフル1080p HD解像度のゲーミングディスプレイで利用できる。

NvidiaのG-Syncは2013年に登場した技術で、ディスプレイのリフレッシュレート(G-sync認定済み製品に限る)とGPUのフレームレートを同期させるVariable Refresh Rate(VRR)の導入によって、パフォーマンスを最適化できる。同社はG-Syncの導入以来、その機能をeスポーツプレーヤーやプロのためにより最適化させることに特に注力しており、ミリ秒単位の操作が重要なシューティングゲームなどのジャンルで、可能な限り最高の反応時間を確保している。

Asus ROG Swift 360モニタは年内に発売される予定だ。価格はまだ発表されていないが、その高度なパフォーマンス機能とeスポーツのターゲット市場を考えれば、一般的なゲーム用モニタより高くなるのは間違いない。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

幻となったアップルの無線充電器AirPowerのスペックをほぼ満たすLiberty Wireless Charger

Apple(アップル)がAirPowerワイヤレス充電マットの開発を中止したのは、同社の数少ない派手な失敗の1つだった。だが開発中止になったこの製品の、接続のためにいちいち手を煩わす必要がなく複数デバイスを充電可能なワイヤレスパッドというコンセプトはいまでも魅力的だ。このたび、ワイヤレス充電アクセサリメーカーのZensが、Liberty Wireless Chargerという名前のデバイスを開発した。この製品は、AirPowerができると主張していたもののすべてを提供しているわけではないが、現在のワイヤレス充電器からは大きく一歩前進するものであり、iPhone、AirPods、そしてApple Watchたちの素晴らしい相棒だ。

コイル、コイル、そしてコイル

Zens Libertyは、ワイヤレス充電器の充電能力を担っているワイヤレス充電コイルの使用方法が特殊だ。最新のiPhoneやAirPods充電ケースのように、デバイスに誘導電力を提供できるよう巻かれた円形銅ケーブルが使われているが、Zensの場合、このようなコイルが16個重なるように並べられている。好都合なことにこの様子は、透明なガラスケースで覆われた製品版で詳細に見ることができる。

これらの重なり合ったコイルが、Zens Libertyのユニークな能力の鍵だ。これらの配置によって、基本的にデバイスを任意の方向に置くことができ、すぐに充電が始まる。これに対して、多くの充電パッドは、特定の場所に1つ、2つ、または3つのコイルが配置されているだけだ。つまり、実際に充電を開始するには、デバイスがいずれかのコイルの上に正しく置かれている必要があるのだ。従来のワイヤレス充電器をある程度の期間使ってきた経験があるなら、おそらく置く方向がよくなかったために、翌朝目覚めたときに携帯電話がまったく充電されていないという災難を経験したことがあるだろう。

ZensのLibertyはこの厄介な問題を確実に解決する。そして基本的にはデバイスを好きなように置いて充電させることができたのだ。

2台を柔軟に充電

本製品は、一度に最大2つのQi互換デバイス(それぞれ15Wまで)を充電できる。Androidの携帯電話、iPhone、AirPods(およびAirPods Pro)でテストしてみたところ、すべてが問題なく機能した。基本的に思うようにパッドの上に置くことができたのだ。注意すべき点は、充電器の端の領域は、基本的に非アクティブだと考えなければならない点だ。従って最外周から1インチ(2.54cm)ほど内側に置くことを心がければ問題はない。

もし従来の充電器にデバイスを置くときにも、ちょっと注意を払えば良いだけではと考えるなら、この柔軟性にはあまりありがたみがないように思えるかもしれない。しかし実際のところ、これは本当に便利なのだ。デバイスをLibertyの表面に気軽に置いて、実際に接続が行われたかどうかをあまり気にしなくてもいいというささやかな保障は、iPhoneやAirPodsくらい頻繁にデバイスを充電するときには大きな安心だ。

Apple Watchも充電できる

Zens Libertyは、パッド上でApple Watchを充電することはできない。アップルがキャンセルしたAirPowerでは、これは可能だと宣伝されていた。しかし、アクセサリを使用すれば、Libertyパッドは、Watchを含むアップル製モバイル機器向けの、真のオールインワン充電ステーションになる。Zensがアドオンオプションとして正式にサポートするApple Watch充電器は、一端にUSB-Aコネクタを備えていて、Zens LibertyにあるUSBポートに簡単に挿入できる。そして、使用していないときには保護のためにゴムのフタをして隠すことができる。

実際には、このポートはあらゆる種類のUSB給電デバイスをサポートしているので、ケーブルを使えば、例えばiPadなどの別のガジェットを充電することもできる。しかしこの製品は、新しいZens Apple Watch充電器アクセサリ用向けにフィットするようにデザインされていて、充電中にWatchを支えるための小さな台も付属している。それはまたApple Watchのナイトスタンドモードにぴったりの角度を提供する(オールインワンソリューションを探している人にとって必要な追加機能だ)。

まとめ

Zens Libertyは、これまでの私がテストした範囲では、現在利用可能な最高の総合充電オプションだ。60ワットのUSB-C電源アダプターも付属していて、海外用プラグ変換アダプターが2個付属しているので、他のデバイス用にもなる絶好の旅行グッズとなる。つまり、専用の電源アダプターの代わりに、標準のUSB-C電源アダプターとして使うこともできるのだ。

ただし、留意すべき欠点がいくつかある。例えば、これは大きな充電器であることを認識しておく必要がある。複数のデバイスを簡単にサポートできるという点で優れているが、平均的なワイヤレス充電器よりも多くのスペースを占有する。また、コイルを重ね合わせ、冷却機構を実現するために厚みもあるこの製品は、これまで私が使った中で、はっきりとした通気孔をもつ唯一のワイヤレス充電器だ。

とはいえ、Zens Libertyは、利便性と柔軟性を実現するというワイヤレス充電の本来の約束を果たしている。そして、布地で覆われたデザインと印象的な透明ガラスのデザインのどちらも、魅力的で優れたデザインだ。現在、Zensは予約注文を受け付けていて、今月中に出荷が開始される。標準の布地バージョンは139.99ユーロ(約1万7000円)、ガラス版は179.99ユーロ(約2万2000円)、Apple Watch USBアダプターは39.99ユーロ(約4800円)で発売される。

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(翻訳:sako)

Maxarが次世代ロボットアーム開発の子会社MDAを約830億円で売却

Reuter(ロイター)の記事によると、人工衛星分野で大手のMaxar(マクサー)が、同社の宇宙ロボット関連子会社のMDAを10億カナダドル(約8億3000万円)で売却する。買収企業は民間投資会社のNorthern Private Capitalが率いる企業コンソーシアムで、Canadarm(カナダアーム)やCanadarm2(カナダアーム2)といったスペースシャトルや国際宇宙ステーション(ISS)で用いられるロボットアームを開発する、MDAのカナダでの事業全体を買収する。

Maxarの事業売却の目的は、昨年9月時点で31億ドル(約3400億円)に達していた多額の負債の一部を軽減することにある。同社がMDAの買い手を探していることは以前から知られており、それほど驚くことではない。MDAは新所有者の元で引き続き自主的に運営され、現在の計画と契約は継続される。

MDAは、山火事の監視衛星や他社の衛星に使用するナビゲーションアンテナ、さらには月を周回するNASAの月軌道ゲートウェイで使用される次世代ロボットアーム「Canadarm3」(カナダアーム3)の開発など、複数顧客向けの多数のプロジェクトに取り組んでいる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

イーロン・マスクがStarshipの建造と飛行時期に関する詳細を明かす

SpaceX(スペースX)のCEOことElon Musk(イーロン・マスク)氏によると、ホリデーシーズンはテクノロジー業界の多くの企業にとって活動が停滞する時期かもしれないが、同社にとっては最新のStarshipプロトタイプ「Starship SN1」の生産性を強化する時期だったという。飛行可能なStarshipのプロトタイプはテキサス州ボカ・チカにあるSpaceXの開発施設で建設中で、マスク氏は先週末にその製造と組み立てを監督していた。

マスク氏はStarshipの主要部品の中でも「最も難易度が高い」と呼ぶ、完成したStarship SN1(Serial Number 1の略で、オリジナルのプロトタイプに使われていた「Mark」という命名法から離れ、より反復的な命名法に)の上部に位置する湾曲したドームの製作に取り組んでいる、SpaceXチームのビデオを共有した。彼はStarshipのSNは少なくとも20バージョンまで小さな改良が加えられると付け加えており、これはすなわち急ピッチでテストが行われることを意味する。

マスク氏はいつStarshipが実際に打ち上げられるのかについて「2〜3カ月後」と述べており、これは今年にプロトタイプのStarship Mk1が公開された時の、高高度テスト飛行のスケジュールと合致する。このプロトタイプは当初、高高度テスト用に飛行するものと位置づけられていたが、11月のテストでドーム部分が吹き飛ばされて以来、同氏はMk1の修理や再構築を試みるのではなく、新しい設計に移行すると述べている。

マスク氏はまた、Starshipの建設プロセスについての新しい詳細を共有し、2020年1月にSpaceXは将来の宇宙船ことStarship SN2の建設プロセスを、閉鎖された建物内に移行する予定だという。これは主に、ボカ・チカで経験した風の影響を遮断するためではあるが、ステンレス鋼(Starshipの胴体の主要材料)の溶接はアルミニウムよりも、塵や破片に対する危険性がずっと低いとも同氏は述べている。

マスク氏は別のツイートにて、宇宙船開発におけるSpaceXの以前の運用モデルからのもう一つの変更を詳述している。Starshipの開発は現在ボカ・チカに集中しており、一方でケープカナベラルのチームは「Falcon/Dragonに焦点を当てている」という。今まで、SpaceXは両方の拠点で2つのチームが並行してStarshipのプロトタイプ開発に取り組んできた。なお同氏は、ケープカナベラルで現在開発中のもう1つの初期プロトタイプことStarship Mk2の今後の詳細を明らかにしなかった。

そのほか、同氏が所有する採掘会社で2020年にラスベガス地下のトンネルを車両に開放する見通しであるThe Boring Co.(ボーリング・カンパニー)や、2020年または2021年にカリブ海地域の顧客にサービスが提供される可能性があるStarlink(スターリンク)、チョコレートチップマフィン(チワワのネットミーム)に関する最新情報も共有した。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

「マンダロリアン」シーズン2が2020年秋、Disney+に登場

ディズニーの「マンダロリアン(The Mandalorian)」のシーズン1の最後を飾るエピソード8は、米国時間12月27日からDisney +でストリーミングで視聴きるようになった。プロデューサーのジョン・ファヴロー(Jon Favreau)氏は、この大ヒットとなった作品のシーズン2が、来年の秋には配信されることを、間髪入れずに明らかにした。

ファヴロー氏は金曜日に「マンダロリアン」の続編の予定をツイートしたのだ。そこには、ガモーリアン(Gamorrean)のフィギュアの写真が添えられていた。スター・ウォーズにも登場する、ブタのような特徴的な外見をしたエイリアンの一種だ。ガモーリアンが、スター・ウォーズで最も華々しい活躍を見せたのは、おそらく「帝国の逆襲」だろう。彼らは、タトゥイーンの犯罪王、ジャバ・ザ・ハットの番兵として雇われていた。

「マンダロリアン」にシーズン2があること自体は、すでに周知の事実となっていた。ファヴロー氏が、去る11月に、同作品のエピソード2の撮影を開始したことを明らかにしたからだ。しかし今回のツイートで、あとどれだけ待てば、このストリーミング作品の今後を見ることができるのかがわかった。この作品は、間違いなくスター・ウォーズのオリジナル映画以来、その世界を描いた最高のコンテンツと言えるだろう。

まだこの作品を観ていないという人は、現在、8本のエピソードすべてをDisney+でストリーミングできる(日本ではディズニーデラックスが12月26日から配信を開始した)。このシリーズを楽しむためだけに、1カ月分の料金を払ったとしても、十分元が取れるはずだ。

 

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

テスラ、中国で製造したModel 3の出荷を2019年12月末から開始

Tesla(テスラ)が上海で製造したModel 3セダンの最初の出荷を、2019年12月30日の月曜日に開始するとBloombergが報じている。これらの車両は新しいTesla Shanghai Gigafactoryの組み立てラインから出荷される。この工場は操業中だが、今週初めに報道されたように、地元、中国の銀行から新たな14億ドル(約1500億円)の資本注入を受けたおかげで、将来拡張される予定だ。

上海のギガファクトリー建設は2019年初めに始まったばかり。建設から実際の車両生産までのスピードはすばらしい。国内生産された車両は輸入車に適用される10%の税金が免除されるため、上海で生産されるModel 3は、中国国内に安価で提供できる。また中国製のModel 3には、政府により車両1台あたり最大3600ドル(約40万円)の購入奨励金が交付される予定で、これによりさらに販売台数が増えることだろう。

テスラの上海工場はアメリカ以外では初の製造工場となるが、ベルリンの郊外でもギガファクトリーの建設が進められている。さらに、第5のギガファクトリーの建設予定地も発表される予定だ。

上海ギガファクトリーの生産能力は、当初はそれほど大きなものではないだろう。しかし、年末までに週1000台程度の生産能力を目指しており、最終的には週3000台程度まで拡大する可能性があると同社は語っていた。税制優遇措置やインセンティブにより、中国では2019年にModel 3の需要が大幅に増加した。中国国内での生産が進めば、世界の自動車販売の増加にも貢献することになる。

 

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(翻訳:塚本直樹 Twitter