1週間足らずでKickstarterの目標額を達成しそうな学生プロジェクトの3DプリンタDeltaprintr

あなたの学校が3Dプリンタを買ってくれないときは、どうするか? あなたがニューヨーク州立大学のShai SchechterやAndrey Kovalevのような人なら、自分で作るだろう。彼らが(プロトタイプを)作ったDeltaprintrがこのほどKickstarterに登場し、目標額19万5000ドルに対してすでに10万2000ドルを集めている。資金を集める目標は、安価でとても使いやすい3Dプリンタを、お金持ちでない学生たちのために生産することだ。すでにその目標は、ほとんど達成されたように見える。

ShaiはNY州立大Purchase校の学生、Andreyは同じくニューヨークのCooper Unionカレッジの工学部の学生だ。Andreyが彫刻の宿題をやっていたとき、3Dプリンタを使いたい、とひらめいた。大学からもらった1000ドルの研究助成金を使って、デルタ形プリンタの基本形を作った。MakerBotのようなデカルト座標を使うプリンタと違って、背の高い3本のレールを使う。最初は手作りだったが、今では商用生産の方法を探っている。お値段は475ドルと安い。ただしKickstarter用のバージョンはすでに売り切って、今はもっと拡販する方法を探している。

このプリンタは、キャリブレーションを自力で行う。調整を人間が行う機械器具は、おおむね悪夢だ。PLA樹脂を100ミクロンの精度でプリントする。ベッドを加熱しないので、ABS樹脂はプリントしない。

ShaiやAndreyと同席して彼らのプリンタが動くところを見たことがある。学生の作品とは思えないぐらい、よくできている。まさに熱意と頑張りの結晶だ。この製品の将来が楽しみだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


携帯電話の助成金はもうすぐ終るかもしれない

15年近くにわたって、携帯電話利用者 ― 特にアメリカの ― はある種の経済援助を享受してきた。主要キャリアーによる助成金である。これは、契約にあたって、非常に高価な携帯電話をせいぜい数万円で手に入れることができることを意味しており、数年ごとにその端末を買い換えるインセンティブになっている。こうした助成金は、言論の自由やアップルパイのごとく神から与えられてきたが、そろそろ終りが近づいているかもしれない。
私はこの行動に対する偽りの激怒を扇動しようというのはないが(そもそも行動ですらなく、単にあるカンファレンスでAT&TのCEOが発したコメントだが、オンラインの井戸端では契約と同じ意味をもつ)、裏切りじみてはいる。CEOのRandall Stephensonはこう言った。

当初ビジネスを大きくする時には、人々をネットワークに呼び寄せるために、大胆な端末助成金が必要だ。しかし普及率が90%に近づくにつれ、維持モードに入る。つまり、端末の買い換えが多くなるという意味だ。だからモデルは変わる必要がある。もはやそういう助成を続ける余裕はない。

500ドルの機種を200ドルで買い換えさせる代わりに、AT&Tは既に、買い換えをしない利用者に対して低価格のプランを提供し、買い換えサイクルを従来の18~24ヵ月よりも延ばそうとしている。これは、AT&Tが値引きを考えるより前に、われわれはiPhoneを2世代逃がすことを意味している。もし、そんなことが起きて、それが端末持ち込みが増えることを意味するのであれば。

要するに、われわれは端末助成金が実は架空のものであり、結局はわれわれが月々の請求書で端末代金を払っていることを思い出す必要がある。助成金はまた、米国ユーザーの選択の自由を妨げてきた。ヨーロッパが当初端末の助成を拒んだ ― 現在は世界中殆どのキャリアが助成している ― 結果、プリペイドSIMカード、低価格で簡単な端末、さらにはローミングによる恩恵など、数多くのサービス改善が起きた。端末が数日毎に国境を越えているなら、キャリアーが端末をロックする理由はない。しかし、米国市場は一枚岩だ。めったにローミングすることはなく、安いプリペイドを探すこともない。

私に同意できることが2つあるとすれば、われわれが端末を買い換えすぎることと、ハードウェアメーカーがわれわれを愚かだと思っていることだ。Stephensonは直接口には出さなかったものの、実際には端末メーカーに用意させている。Samsung、HTC、LG、そしてAppleも、いくつかの理由で新機種を発売しなければならない。主として、前進しているイメージを与えるため、そして株主を喜ばせるために。

例えば、この見事に並んだGalaxyスマートフォンを見てほしい。それぞれがAT&Tの次期「無料」端末を運命づけられている。泳ぐのをやめると死んでしまうサメのように、メーカーは、端末を売るのをやめるの死んでしまう。だから端末助成金はメーカーにとって素晴らしい。そして、iPhoneのバージョン毎の緩やかな変化を考えてみれば、われわれにとっては必ずしも素晴らしくない。そこには十分な供給があり、助成金のおかげで、十分な人工的需要がある。

AT&Tの動きは、その無限のサイクルを止めるものだ。しかし、フェアではない。なぜ消費者は、役立たずの機種を3年間使い続けるか何百ドルも払わなくてはいけないのか ― 既に高額なプランに加えて? キャリアはリップサービスで低料金をうたうが、もしあなたが「ベスト」なプランを望むなら、覚悟が必要だ。端末の持ち込みと緩やかな買い換えサイクルを強要するなら、まさしく泣きっ面に蜂だ。

要するにStephensonはこう言っている。かつてAT&Tがまだ顧客を獲得しようとしていた頃は、助成金が有効だった。欲しいだけの顧客が集まった今、助成金はアンフェアである。何が本当に起ころうとしているのだろう? キャリアは端末メーカーとべッドを共にし、そして今別れたがっている。つけを払うのはわれわれだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


クラウドストレージのSugarSync、フリーミアムを捨て有料アカウントモデルへ

SugarSync。クラウドストレージに長く厳しい戦いを続けた剣闘士は、金に走る決断を下した。同社は今日(米国時間12/10)、「有料のみ」のサービスモデルに移行し、無料ストレージを廃止すると発表した。現行ユーザーは引き続きファイルのアクセスが可能で、料金の大幅なディスカウント ― 条件によって最大75% ― が受けられる。

「今後無料ストレージは永久に提供しない」とCEO Mike Grossmanは言った。「SugarSyncはこの分野の他社とは異なり、単なるファイルストレージ以上のことを数多くやっている。今後は、プロシューマーやスモールビジネス向けに、当社独自のマルチ同期機能を通じて過去に類を見ないデータの制御と柔軟性をもったプレミアムサービスを提供する」

これは要するに、ビジネス顧客を増やしたいという意味だ。ライバルのBoxやDropboxGoogle Driveは言うに及ばず ― らは間違いなく一般クラウド市場を埋めつくしている。 SugarSyncがピボットするのはそれが理由だ。

無料アカウントは2014年2月8日に終了するが、ユーザーは90日間5GBまたは30日間60GBのトライアルに登録することができる。しかし、無料ストレージを使い続けさせるのではなく、SugarSyncはできるだけ早くユーザーを収益化しようとしている。

「この分野には無料ストレージを配っている会社がたくさんいるが、殆どの会社は存続できないだろう。われわれはすでに堅牢な財務状態を確保しており、今回の変更は当社の事業をさらに強化するものだ」とGrossmanは言った。数十GBが無料で使えるのが当たり前の時代に、主要プレーヤーによるこの行動は実に興味深い。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


家を「スマート」化するOwl Platform(センサー+ベースステーション+オンラインシステム)

家を「スマート・ホーム」化するのはなかなか大変なことだ。いろいろなハードウェアを導入して、ライトやセンサーなど、さまざまなものを制御するプラットフォームを構築(導入)する必要がある。こうした苦労を可能な限り低減しようとするのがOwl Platformだ。

このプラットフォームは、身の回りにある各種センサーを効率的に管理したいというチャレンジから生まれてきたものだ。システムはセンサー群およびベースステーションから成る。センサーはドアの開閉、水位、温度などを検知することができる。センサーのバッテリー寿命は10年で、ベースステーションとはワイアレスで通信を行い、Owl Platformを形成する。本格的ベースステーション(これまではRaspberry Piを利用していたそうだ)およびオープンソースで開発しているサーバーシステム構築のために、5万ドルの資金調達を目指している。システムはセンサーで検知したドアの開閉やさまざまな環境変化をメールないしテキストメッセージで利用者に通知する。

コンパクトで長寿命のセンサーを開発しました。またこれらを有効に活用するスマートホームシステムの開発も進んでいます。縦横1インチのセンサーはボタン電池(coin cell battery)を利用しており、バッテリー寿命は10年となっています。センサーで検知した情報はオンラインシステムに送られ、家の中で発生したさまざまな事象を即座に認知することができます。システムの設計にあたってはシンプルさを重視しており、届いた製品を開封して15分以内に設定は完了します。

150ドルを出資すれば水センサーおよびドアの開閉センサーがセットになった基本パッケージを手に入れることができる。Pipsと名付けられたセンサーは既に完成していて、Owlシステム全体の完成は2014年7月が予定されている。現段階のものを触って見ることが出来たが、まずはセンサーの小ささと、設定の容易さに驚いた。誰もが必要に感じるプロダクトというわけではないだろうが、DIYの好きなホームオーナーはきっと興味を持つことだろう。身体のデータをさまざまに数値化するプロダクトは既に世に溢れている状況となっている。つぎは家の中にある各種データの数値化(Quantified Home)が進んでいくことになるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


本物のナカモト・サトシは誰か? 一人の研究者が答を見つけたかもしれない

先週インターネットでちょっと不思議なことが起きた。Skye Greyという研究者がBitcoinの創作者、Satoshi Nakamotoと、ジョージワシントン大学のNick Szaboという研究者が同一人物であるとする、詳細なテキスト分析結果を公開したところ、関心はおよそ薄かった。

Greyは、個人的な内容に立ち入ることを拒んだが、果たして彼は謎を解明したのか?あるいは、例のごとく単なる臆測なのか。

果たしてSatoshが実在の人物なのか、集団なのか、あるいは何らかの政府組織でなのかは重要だ。それによって、この貸幣の誕生秘話は終りを告げ、Bitcoin市場の異端な部分に関する数多くの噂やほのめかしの真偽が確認される。果たしてBTCは、われわれが政府から逃がれるための方法だったのか、なぜSatoshiはそこまで秘密主義なのか? Greyの分析は未だに証明も反証もされていないが、そのプロセスは実に興味をそそられる。

見たところGreyの分析は信頼できそうだったので、私は短かいインタビューを行うことにした。


TC:自身について。なぜこの研究を行ったのか?
SG:当初は単なる興味からだった。私はミステリー好きだ。その後2つの理由から公開する決心をした。
・他の人々に私の方法と発見を反証あるいは証明してもらうため。私は確信を持ちたかったし、自分の発見の真偽がわからないままになるのはいやだった。
・「悪いやつ」がBitcoinを作ったのではないか、という人々の懸念を解消したかった。この問題は、近い将来Bitcoinが主流になることを妨げると私は考えている。

TC:その人物がNick Szaboであるという確信はあるか?
SG:Nick Szaboであるという確信はないが、彼を指し示す個別の証拠が数多くあり、いずれも興味深い。
・テキスト分析(暗号研究者のわずか0.1%しか、この文章スタイルで書いていない ― 改めてお願いするが、これに関して私の方法を批判してほしい)
・Nickが、Bitcoin発表の数ヵ月前にbit goldプロジェクト(非常によく似た暗号化通貨)の共同研究者を探していたという事実(そして、それ以来bit goldプロジェクトが全く音沙汰なしであること)
・Nickの研究についてSatoshiが言及しておらず、より関連の薄い暗号化通貨には言及していること。
・NickがBitcoinについて発言していないこと。Bitcoinのような分散的通貨は10年以上にわたって彼の主要研究であったにもかかわらず。
・Nickが、Bitcoinの発表直後に、自分のbit goldに関する記事の日付を書き換えてBitcoinより後に見えるようにした事実。

現在私は、それぞれ独自のテキスト分析手法を持つ2人の人物に、私の方法を検証してもらおうとしている。

TC:これに意味はあるのか? もしあるなら何が変わると思うか?
SG:Bitcoinの歴史上のこの時点でSatoshiの正体を特定することは非常に重要だと思っている。Bitcoinの背後に「筋書き」があるとして、もし代貸通貨の主流になるのであれば、陰のままでい続けることはできない。Bitcoinは政府機関(暗号を研究する数学者の主要雇用主)が、金銭取引のデータパターンを発見しやすくするために作った、という臆測もある。われわれの生活にBitcoinが深く浸透する前に、それを確かめておく必要がある。

もしNick Szaboが首謀者なら、Bitcoinにとってすばらしいニュースだと思う。Nickは、才気あふれる私欲のない博識な学者だと思われる。Bitcoinの創造者としてどちらがいいと思うだろうか? 洞察力のある教授と協力者たち、それとも幽霊。

TC:BTCコミュニティーの反応は? 不評な話題のようだが。
SG:まだ好意的に受け入れられておらず、人々は私に「Satoshiをそっとしておけ」と言っている。しかし、世界に大きな影響力を持つようになった人物は、匿名でいる権利を失う。Satoshiは現在約100万BTC、10億ドル相当を所有し、Bitcoin市場を破壊する潜在能力を持っている。われわれは、誰が自分たちを支配する権力を持っているか、その意図は何かを知る必要がある。リーダーを選ぶ際に素性調査が必要なのはこのためだ。同じように、われわれが貨幣交換取引に使い始める前に、Bitcoinシステムの「素性調査」が必要だ。その次は、Satoshiの隠しBTCがどうなるかを知ることだ。

おそらくSatoshiの匿名性は、Bitcoinの早期導入に役立っただろう(「誰もがSatoshi」)。その神秘性が早期熱狂者たちを引き込む強力なストーリーを生んだからだ。今この匿名性は、本流への参入を妨げている。Bitcoinの起源と目的に関する当然の懸念があるからだ。

TC:文章中の「癖」から個人を特定するのは簡単なのか?
SG:比較的簡単だ。人はみな独自の方法で言語を使っている。われわれの書く文章の中の、稀な表現、文構成、無意味な単語の確率分布は、一種の「シグナチャー」になる。指紋やDNAほどの特定識別性はないが、数百人数千人の中から1人を特定するのに十分な識別性はある。作家や学者等の中にはとりわけ特徴的な癖を持つ傾向の人がいて、確実な識別が可能だ。

Satoshiの場合、内容に依存しない稀な表現が、Satoshiの白書とNicksの論文から複数見つかった。そのうち4つの表現について、(Google Scholarを使って)論文でこれらの表現を使う可能性のある研究者が暗号学界にいる確率を推定することができた。確率はそれぞれ15%、10%、15%、および50%だった。それぞれの表現を使うする可能性が互いに独立であると仮定すると、ある研究者がその全部を著作物に使用する同時確率は0.1%のオーダーになる。つまり、この「癖」の組み合わせを用いて、1000人から1人の暗号研究者を識別できる。推定確率が大きくずれたとしても、同時確率はかなり小さいままだ。

TC:Satoshiのアイデンティティーに、僅差の次点はいるのか?
SG:Nickは、断トツでナンバーワンの候補だ。言うに値する名前は他にない。

TC:あなたはBitcoinをどれだけ持っているのか?
SG:1から10 BTCというところ。私はBitcoinに巨額な投資をしていないが、これが受け入れられる見通しについては、間違いなく楽観的だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


おしゃれなWiFiルータAirfyはモバイルPOSとしても使えるなど, なにしろ多機能

WiFiのルータはどれを見ても退屈だ。できるだけ目立たないデザインを心がけているから、“黒い箱にライトがついているもの”を作ってそれで終わりだ。でもAirfyは違う。

ベルリンのDisruptで初お目見えしたAirfyは、ぼくの知るかぎりもっともセクシーなWiFiルータの一つだ。アールデコ調のランプのようでもあり、ゼルダの伝説の(貨幣)ルピーにも似ている。802.11ac/nのルータであると同時にBluetoothでiBeaconも演じるから、あなたのお店や会社でワイヤレスのPOSを構築することもできる。独自規格のPOSゲートウェイを提供しているからモバイルの支払い~決済アプリも利用できる。さらに、ショッピングガイド機能もある。

お店なんかやってない人にも、Airfyについている50個のLEDが、あなたのシステムに起きたいろんなことを知らせてくれる。たとえば、Facebookのアップデートがあったら色が変わるようにできる。ecサイトの売り出しの開始や、電話がかかってきたこと、なども教えてくれる。 IFTTT(イフト)のプログラムで対話的な利用もできる。有料のWiFi接続ポイントや、広告入りの無料ポイントなどとしても使える。データはWPA2で暗号化される。今後の拡張により、ホームセキュリティのためのカメラや、ワイヤレスのオーディオストリーミング機能も加わる。要するに彼らは、ルータに詰め込めるものをすべて詰め込む気でいる。

今indiegogoで802.11Nモデルは169ドル、スタンドアロンのビーコンは49ドルを募っている。目標額10万ドルに対し現在集まっているのは2000ドルだ。彼らのサイトは、重要な機能である仮想POSをはっきり打ち出していないが、Indiegogoでお金を集めるつもりなら、それはまずいだろう。とても魅力的な製品であることは確かだから、彼らはそのうち、おもしろい売り方も発明するだろう、とは思うけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Sugru、何かと何かをくっつけるのに便利なSugru+磁石キットの事前予約を受付開始

何かと何かをくっつけるのはありふれた行為だ。たいていは接着剤を用いる。しかしもし接着したものを、改めて別々にしたくなったらどうしよう。そんなときに便利なのが、「磁石」だ。さらにSugruと磁石のコラボは最強だ。

Sugruというのは、これまでも何度か取り上げてきた。自硬性を持つゴム素材のパーツだ。どんな形にもすることができ、いろんなものにフィットする。このSugruを提供しているチームが、世界中のハードウェアハッカーに向けて、シンプルな「接続ツール」の提供をしようと作戦を練ったわけだ。パッケージには4つの磁石と、そしてSugruが同梱される。適量をまとめたSugruに、磁石を埋め込む。そしてくっつけたいものにSugruを押し付ける。くっつけたいペアの方にも同様の作業を行う。Sugruが固まれば、磁石の力で2つのパーツはぴったりとくっつくことになる。

Sugruのマグネットキットは年内中に生産を開始する予定で、現在はプレオーダーを受付中だ。何ら特別な科学技術を用いているわけでもない。磁石くらい誰にでも使うことはできる。このプロダクトのキモは、Sugruといっしょに利用するのに最適な磁石を選んで、同一パッケージにまとめたことにある。これはなかなかSugreatなアイデアだと思う。

SugruとgreatをかけてみたSugreatはグレートじゃなかった。今は反省している。ともかく、下の動画は面白いのでぜひ見てみてもらいたい。

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(翻訳:Maeda, H


高級腕時計レンタルを通じてライフスタイルコンシェルジュを目指すEleven James

男性用におしゃれアイテムのレンタルサービスが欲しいと考える人もいるはずだ。Le ToteRent The Runwayといった女性向けサービスにならって、男性向けのEleven Jamesというサービスがスタートした。提供するのは、興味を持つ人も多い高級腕時計だ。月額費用を支払うことで、数ヶ月毎に新しい高級時計を身に付ける機会がやってくる。

サービスを立ち上げたのはRandy Brandoffだ。以前はNetJetsおよびMarquis JetでCMOを務めた経験を持つ。このEleven Jamesは、自らを単純なレンタルサービスであるとは位置づけていない。より広く、「コンシェルジュ」サービスを提供していきたいのだとのこと。提供を開始した腕時計について見ると、月額249ドルコースの場合、1万ドル前後の「安価な」時計を、年に3つまで借りることが出来る(月額449ドルなら6つまで)。また、月額459ドルの「目利きコレクションコース」(Connoisseur Collection)では、より高額な時計を身に付けるチャンスを得ることができる。コースにはさらに上があって「巨匠コース」(Virtuoso)では月額899ドルで年に3つ、1599ドルで年に6つまでの超高額時計を試してみることができる。憧れの高級時計を身につけてあちこちに出かけ、いろんな人に見せて回った後には時計を返却する。返却した時計はクリーニングに回され、そして他のメンバーに貸し出されることとなる。さきに書いたように「ローエンド」の時計の価格がほぼ1万ドル程度だ。1万ドルがローエンドだなんてとんでもないと思う人は、おそらくこのサービスの対象ではないのだ。

ターゲットとしているのは、時計に数カ月分の給料をつぎ込みたくはないが、しかし仕事や外出にちょっとおしゃれなものを身につけたいと考えている人たちだ。また、腕時計フリークの中には、ひとつの時計を使い続けることに非常な抵抗を示す人もいる。Eleven Jamesはそうした層を対象に、利用コースに応じた腕時計をいろいろと提案してくれるわけだ。コレクションに収められている時計はIWC、パネライ、パテック・フィリップなどといったものだ。サービス公開前のベータテストを終えたところで、会員数は100名程度なのだそうだ。メンバーたちは必要なときに新しい時計を身につけそしてパーティーなど、腕時計が大いに注目を集めるイベントに出かけて行くというわけだ。

あわせてEleven Jamesは腕時計の下取りサービスも行いたい考えなのだそうだ。委託販売を行ったり、あるいは貸出用に利用していきたいと考えているそうだ。メーカーにとってはマーケティングとして利用できる可能性もあり、興味を示しているブランドもあるのだそうだ。また、利用者の情報に基づいて、どのような時計が好まれる傾向があるのかを求めるアルゴリズムも開発しているらしい。

冒頭にも書いたが、Brandoffはこのサービスを単純なレンタルサービスであるとは考えていない。「入手が容易で、そして手軽に体験できるといった形での贅沢が流行しつつあります」と彼は言う。「たとえばプライベートジェットや別荘、クラッシックカーなど、かつては入手がほとんど不可能だったようなものも、いろいろなクラブやオーナーシップ・シェアの形で、たくさんの人が利用するようになってきています」とのこと。Eleven Jamesはこのトレンドが育っていく方向性を見据えてサービス展開を行っていきたいのだそうだ。

資金面を見ると、これまでにBox Group、WGI Group、Kenny Dichter、Ken Austin、Brian Distelberger、Ed Moran、およびJason Saltzmanなどの戦略的投資家たちから140万ドルのシード資金を獲得している。腕時計など時間がわかれば良いのだと思っている人には、このサービスの意味が理解できないかもしれない。しかし例えばメーカーにとってみれば、いろんな人に自社の時計を使ってもらうきっかけとなるサービスだとも言える。またオシャレなスイス製高級腕時計を身につけて通りを闊歩して、ちょっと気取った振る舞いをしてみたいと思う人もいる。これまでは手の届かなかった贅沢が、少々身近になるサービスだとも言えるかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


われはドローン ― 無人飛行機による配送、ついに本気の時代へ

ドローン配送の、実現上の細かい問題点など、取り敢えずおいておこう。ライフルの名手であれば、Amazonから無料で商品をゲットできるということだなどという考えも脇に置こう。配送可能距離が短すぎて、これまで配送対象地域外だったような場所はやはり対象外のままだとか、人口の密集する都会で飛ばせば、またいろいろと問題が起こりそうだという話も今のところは無視する。マーサズ・ヴィニヤードの隠れ家で受け取るのでもなければ、庭にペーパーバックを投げ入れていくような配送方式が受け入れられるわけがないとか、そういう話はまた次の機会にしよう。

あるいはもしかすると配送中のドローンが人の上に落ちてくるなんてことがあるかもしれない。「Amazonのプライム・ヘアカットだ」などと笑っていられない事態を招来することもあるかもしれない。そんな可能性も、まあ、頭から追い出しておく。まさかとは思うがFAAがBezosのアイデアを拒否するなどということがあり得るかもしれない。そういうネガティブな可能性はすべて忘れよう。「Amazonの本気」を感じてみようではないか。

取り敢えず、Amazonには豊富なマンパワーがある。カスタマーサービスの担当者たちは、1年365日24時間体制で、Kindle Fire HDXに登載した「メーデーボタン」がクリックされるのを待ち続けている。Bezosによると、このシステムの構築は数週間のうちに行ったそうだ。そして準備中はカスタマーサポート部門の長ですら、自分たちがいったい何を準備しているのかを知らなかったそうなのだ。つまり、Amazonは不可能とも思えることに向けて、従業員の能力を注力させることができる企業であるということを意味する。

また、ドローンの「知能」は大きく進化しつつある。たとえばAirwareなどの企業が無人ドローン向けのインテリジェントシステムを構築しつつある。結局のところは配送用ドローンは人力で管理し、緊急事態に備えておかなければならないだろう。しかしすべてを人力で行うなら、このドローン配送システムは実現不可能だ。ドローン側のインテリジェンスが向上することで、実現可能性がどんどん上がりつつあるのが現状だ。Centeyeのような仕組みを備えることにより、民生用ドローンも、軍事用無人攻撃機であるドローンと同様の性能をもつにいたっているのだ。もちろん搭載するのはヘルファイアミサイルなどではなく、たとえば『Diary Of A Wimpy Kid』などということになる。

さらに、Amazonにはドローン配送を実現したい熱意もある。Amazonもいわゆる「ラストワンマイル問題」を抱えていて、それに対処したいと考えているのだ。その辺りを考えればわかるように、ドローン配送システムのメイン舞台となるのはマンハッタンなどの大都会ではない。配送システムなども整備された既存マーケットではなく、新たな市場での展開を企図しているのだ。

新しい市場とはすなわち、これまでは即日配送などのシステムから見放されていた郊外のことだ。たとえば荷物を満載したトラックを配送地域付近まで送り、そこからドローンを飛ばすのだ。ミツバチの逆転版だと言えばわかりやすいだろうか。自分たちの持ってきた荷物を各家庭に届けて回り、そして巣に戻ってくるのだ。配送にかかる手間は減り、システマティックな配送システムで管理できるエリアが広がり、そして市場を広げることとなる。ブルックリンではAmazonに頼んだものは翌日にやってくる。しかし一部地域では迅速な配送を行うのに多くの費用がかかるということもある。ドローン配送は、この配送コストを大幅に下げてくれる可能性を持つ。

もちろん、ドローン配送というのが、全く新しい発明であるというわけではない。タコスを配送するTacocopterというものもあった。そうしたものをみて、ドローン配送が「ネタ」レベルだろうと考えている人もいることだろう。しかし、実現に向けて乗り出したのがBezosだ。ドローンはテクノロジーの粋を集めてますますパワフルに、そしてスマートになっていく。そしてAmazonもまたパワフルでスマートな組織だ。夢の実現に向けて、理想的な組み合わせが実現したと見ることもできるのではなかろうか。

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(翻訳:Maeda, H


YourFreeProxy、ツールバーが裏でBitcoinを発掘していたことが発覚

今日の「テク系サービスがやってはいけないこと」コーナーは、Mutual Public(別名Build Toolbars, LLC = WBT)のYourFreeProxyをご紹介する。ファイヤーウォールや検閲を回避するためのプロキシサーバーを提供するこの会社は、ツールバーを通じて秘かにユーザーのパソコンを利用してBitcoinの発掘を行っている。しかもこの「機能」は、サービス利用規約に堂々と記載されている。

コンピューティング、およびセキュリティー。Mutual Public製品をダウンロードすることによって、取引の確認およびセキュリティー向上を目的に、あなたのコンピューターは当社関連ネットワークのために数値計算を行うことがあります。当社または関連会社が回収した謝礼あるいは手数料はすべて当社および関連会社に帰属します。

みんなが感謝祭の眠りから醒めてネット上を悪口雑言が駆け巡れば、変更されるのではないかと私は思うが、Bitcoinの発掘に必要となる膨大なCPUパワーを考えると、これはユーザーに対する大きな裏切りであり、フリーミアムモデルの明らかな乱用である。事実、あるユーザーがMalwarebytesに報告したところによると、この「ツールバー」をインストール後CPU利用率が50%上昇した。WBTは、Monitor.exeから実行されるjhProtominerというプログラムにこの汚れ仕事を行わせており、伝統的マルウェア技術のおかげでユーザーは削除することができない。

「私に言わせれば、この種の方式は最悪の極みに達した。彼らはすでに検索ツールバーやリダイレクターによって、利用者のブラウジングや購入傾向の情報を集めてきた」と、MalwarebytesのAdam Kjawaは言う。「彼らはポップアップ広告や不必要なソフトウェアによってアフィリートから金を受け取り、ユーザーを冒涜してきた。今度は、リソースを奪いユーザーのシステムを死に追いやることによって、とどめを刺そうとしている」

私の意見では、最悪なのは、発掘ソフトウェアに近々マルウェアの烙印が押されるかもしれないことで、そうなれば場合によってプログラムの利用が困難になるという問題が生じる。要するに、これは誰にとっても悪であり、WBTの詐欺師たちにとってもそうなのである。

via Malwayrebytes

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(翻訳:Nob Takahashi)


ブラックフライデーには、じっとしていよう

アメリカでは今日がサンクスギビング、そして明日は1年で最大のショッピング・デーだ。実際には店は今夜開くので、バーゲンハンターや接触愛好者たちのスクラムに入り込むことができる。私は、これを負け試合だと言いたい。少なくとも消費者電子機器とパソコンハードウェアに関しては。

明日出かけるな、と言っているのではない。おもちゃやスカーフや下着を家族に買いたい? 何をおいてもモールに走れ。これらの「ソフト製品」は、大量仕入れで安くなるので劇的にディスカウントをしても、利益の減少は数で補える。Legoの限定セール? 行くべきだ。

しかし、コンピューター・ハードウェアは全く違う話だ。今や消費者電子機器の利幅はあまりにも小さく、メーカーは1台当たり数セントしか儲からない。大幅にディスカウントされるのは、いずれにせよ消えゆく製品だ。私はBest Buyのブラックフライデーページを調べてみた。iPad 2が299ドルで売られているが ― 通常価格は399ドル ― Wi-Fiオンリーの16GBモデルだから、入門中の入門レベルだ。Appleのウェブサイトに行けば64GBモデルの整備品が469ドルで買える。「でもこれはママのためだから」と言うかもしれない。「本を読んで、たぶんSkypeするくらい」だったら、Kindle Fire HDXを50ドル安く買おう。モールに行く必要はない。

では、300ドルのノートPCはどうなのか(Best BuyにはToshiba製品がある)? うーん、セール品のノートの商品価値は長くないので、ブラックフライデーは在庫処理に最適だ。CESはもうすぐだし、IntelのBroadwellチップは3ヵ月ほどで出てくるだろう。つまり売られているのは陳腐さだ。

Xbox OneやPS4の割引も期待しないこと。そもそも店頭にないだろうし、ディスカウントなどあり得ない。

テレビを買いたい? Best Buyは、Insigniaブランドの39インチを169ドルで売っている。これは店内在庫のみなので、たぶん買えないだろう。買う価値はあるかって?ああ、もし余計な機能のない39インチモニターを探しているなら、イエス。おばあちゃんのために最後の1台を争う価値があるか? ノー。

つまるところ、ブラックフライデーは純粋に商業的活動だ。店はみんなに来てほしい。なぜなら、短時間に在庫を一掃できるから。彼らにとってホリデーシーズン後の落ち込みのためのクッションとなる。ショッピングを一種のイベントに見せている。私は大いなる商魂を全面的に支持するが、ブラックフライデーはソファーから起き上がって駆けつける価値のない、悲観的で詐欺的な体験だ。本物のオタクを喜ばせるなら ― ThinkGeekグッズを買うか、イカしたボードゲームにするか、小さなホビーショップでEstesロケットを買って、12ドルのBlu-Rayプレーヤーの争奪戦は他の連中にまかせよう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


iRobotのファウンダに聞くRoomba開発苦労史

ボストン郊外の大自然の中で暮らすマッドサイエンティストたちのチームが、人の生活を支える究極のロボットを作った。iRobotのRoombaだ。今では世界中の人が知っている自動真空掃除機だが、それはわれわれ一般人にとって初めての、自律性のあるロボットだった。Roombaの脳は、その先祖が軍用の地雷除去機、パーツは最初、子どものおもちゃを利用した。そして、掃除機の自律ロボット化というアイデアは、床にワックスを塗るロボットからひらめいた。Roombaは長年の研究の成果であり、これまでのロボットの中ではもっとも複雑で、もっともクールなものの一つだ。

Roomba 800シリーズのローンチを記念して、iRobotのCEOでファウンダのColin Angleのランダムアクセスメモリの中にある、思い出の数々をうかがった。今や国際的企業のトップとなった人物の、おだやかだが辛口の頭脳は、Roombaの研究開発史、とくに、ブラシに髪の毛が絡みつく問題を解決した経緯を語るとき、生き生きと輝いた。リビングルームの床のごみを吸い込むことに、半生を捧げたこの人物に、われわれはあらためて感謝すべきだろう。

今回のTechCrunch Makersでは、クールな新しい消費者製品をゼロから作り出すために欠かせぬ要件と、犬の毛という古典的な問題がいかに難題であったかを知ることができる。では、お楽しみを!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iPhoneでギターを正確にチューニングする自動調弦器Roadie

ご存知のように、ローディーの仕事は、ステージのセットアップ、その取り壊し、飲み物の用意、そしてギターのチューニングだ。でもこれからは、ローディーの仕事が一つだけ楽になり、何かほかのことができる。こちらのローディー(Roadie)は、弦を張って使う楽器のための自動チューニングマシンで、iPhoneがギターの音を聞き、そしてモーターがマシンヘッドを回して正しい位置に調弦する。これで、たくさんのローディーが失業するだろう。

Band IndustriesのBassam JalghaとHassane Slaibiが作ったRoadieは、深圳のインキュベータHaxlr8rで生まれ、今では製品としてほぼ完成している。マシンヘッドとモーターのホルダーのサイズがほぼ合えば、ギターに限らずどんな弦楽器でも調弦でき、代替チューニングもできる。単純に、弦を外したり巻いたりにも使える。速いから、演奏中でもたぶんOKだ。今ならKickstarterで69ドルで買える。

ギター(など)用のチューナーは前からいろいろあるが、コンピュータが音をチェックして、いろんな構成(~音階)をセットアップできるのは、たぶんこれが初めてだ。Instrument Doctorという機能を使うと、弦やギター本体の不良や劣化を指摘してくれる。充電はMicroUSBで行い、一回の充電で6000回調弦できる。Bluetoothでスマホと通信し、アプリはiOS用とAndroid用が用意されている。

発売は6月を予定している。夏のロックシーズンに間に合うように。ぼくは自分の耳でチューニングするから、つねに不正確だ。ぜひ、こいつを使いたい。ぼくのへたくそなギターも、かなりましな音になるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GPSを使わず磁気で歩行ルートを知るフィットネス腕輪Digi-Care ERI, 深圳生まれのオリジナル製品だ

ユニークでデザインのきれいな、フィットネス用のウェアラブルが、クラウドファンディングサイトIndiegogoに登場した。Digi-Care ERIと名づけられた、この深圳生まれのウェアラブルは、ユーザの歩きを記録するが、おもしろいのは、GPSではなく磁気センサを使って経路を捉えることだ。どこをどう通ってきたか知りたいとき、電池寿命を縮めずにすむ。

このデバイスは、キャンディーのパッケージのように色がいろいろ(!)あり、求めている資金額は5万ドルだ。資金提供者には39ドルで進呈されるが、最終小売価格は99ドルを予定している。

上海で行われたTechCrunch/Technode共催イベントでこれを見たのだが、かなり感心した。位置検出の精度は、使ってみてないので何とも言えないが、同社によると一回充電した電池が1か月もち、歩きと走りだけでなくサイクリングにも対応する。それにSDKを公開しているので、デベロッパは体温などのデータのほかに、ビルドの通知やNFCによる対話を自分の作品に利用できる。

発売までこぎつけそうか? 同社によると、製品は完成しており、人びとの目の前でデモもやった。Fitbit Forceをやや鋭角的にしたようなデザインで、明るいOLEDのスクリーンがある。腕輪型のデバイスは今の世の中に氾濫しているが、その中でちょっと変わったやり方をしているこの製品は、なかなかおもしろい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Bitcoinハイプを(ほぼ)信じる

Mt. Goxによると、Bitcoinはこの数時間に最高900ドルを記録した。よほどの支持者でさえとんでもない数字であることに同意するだろう。これはバブルなので、弾けた時はよろしくない。とは言え、Bitcoinの上り調子は結構なことだが、このプラットフォームの資産移動媒体としての可能性が無視されていると私は言いたい。要するに、今起きていることは、Bitcoinが変人や金投資家やホビイスとの世界から、もっとずっと強力な何かへと変わる関心の高さを示している。

Bitcoinは、一言で言えば金銭移動プラットフォームだ。通貨と呼ぼうが、経済革命の次段階と呼ぼうが、最終的には、われわれに即時かつ匿名の金銭移動の可能性を与えてくれる共有幻影だ(あらゆる通貨と同じように)。これは絶対的に重要だ。従来の銀行たちはこれを重大な危険と考えており、政府もその可能性を明確に理解している。ただし彼らの定義による「悪用」の可能性を。しかし、この惑星に住む平均的人間 ― 実家の両親に送金する若者、市場で瞬時に資金移動が可能になるトレーダー、クレジットカードが不要になる中小店舗 ― なら、少なくともこの無料でオープンな資金移動プラットフォームの威力を理解できる。

なぜ中国はそれほどBitcoinに熱心なのか? そこには群衆の狂気という側面もあるが ― CNNのStan Stalnakerの指摘によると、Tencentの作ったQQというバーチャル通貨で似たような急騰が起きた ― 、同時にある種の自由を可能にし、売買や少額取引における有効な価値移動プラットフォームになる準備が整っている。途上国の小麦取引でカードをスワイプするのは難しい。Bitcoin取引にひも付けされたテキストメッセージを送るのは簡単だ。

しかし、この急騰は異常だ。安定した変動のない価格がなければ、Bitcoinはオランダ人の財布の中のチューリップ球根ほどの価値しかない。ついに通貨としての真価を認められた、などと言うBitcoin擁護派は無限に出てくる。彼らは間違っている。現時点でわれわれが見ているのは純然たる投機だ。確かに価値はあるが、それは今見えているような活気あるものではない。Bitcoinの価値は、解放者として、変化を起こさせるものとして、そして世界初のオープンで、国際的で、使いものになる、世界共通暗号通貨としての価値なのである。

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(翻訳:Nob Takahashi)


複数のカードに変身する電子クレジットカードの「Coin」。予約目標を40分で達成

われわれは今、支払い方法の端境期にいると私は考えている。クレジットカードは未だに王様で ― Squareに聞いてみるとよい ― 、NFCは殆どの国で単なるドリームだ。Coinが実に興味深いのはそのためだ。このクレジットカードサイズのデバイスには、他のクレジットカードを入れておくことができ、次々とカードを切り換えられ、超薄型本体の中に店のギフトカードを保存することもできる。

Coinは、予約キャンペーンをスタートし、目標は5万ドルだった。今日(米国時間11/14)その目標は40分で達成され、プラスチックを家に置いて出かけたい人々の願望が証明された。

カード本体の厚さは通常のクレジットカードと同じだ。私は、ボタンが出っぱっているのと液晶が小さい(やや読みにくい)ことを除いてほぼ最終版のプロトタイプを見た。カードを使うには、ボタンでカードの種類を選び、スワイプするだけだ。Coinカードは、取り込んだクレジットカードやギフトカードを「模倣」する。そのテクノロジーはプラスチック製カードの中に固く閉ざされている。

カードは低電力Bluetoothを使って、標準カードリーダーと繋いだiOSデバイスと通信する。カードを読み込ませればそれで完了。Coinデバイスには最大8枚、カードを入れられる。

エンジニアのKanishk Parasharが、このY Combinator出身スタートアップを率い、投資家で取締役会メンバーのManu Kumarが彼を支える。Parasharは、SmartMarketというスタートアップでクレジットカードの経験を積んできだが、この製品は彼の成功例になりそうだ。

この会社は業界初ではなく ― Flintという会社が既に参入している ― いずれもっと大きい企業が大衆市場でCoinを叩きにくるに違いない。しかし、これは秀逸なアイデアでありパッケージも美しく、間違いなく歓迎されるだろう。

製品ページはこちら。出荷は2014年夏の予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Makerbotが全米の学校に3Dプリンタを寄付する大規模なクラウドファンディング運動を開始

3Dプリンタを作っているMakerbotが、全米の学校に3Dプリンタを寄付するためのクラウドファンディングキャンペーンをやっている。そのキャンペーンのタイトルはMakerbot Academy、まず最初の出資者、CEOのBre Pettisが個人として、会社のあるニューヨークブルックリンのすべての公立学校にMakerbotを寄贈する、としている。

“MakerBot Academyはでっかいプロジェクトだ。大事業だ。合衆国には約10万の学校があり、そこの児童生徒全員に未来に備えてもらいたいのだ”、とPettisは書いている。

寄付はDonorsChoose.orgのこのページで受け付けている。Pettisはブログの記事で次のように書いている:

”私も教師だったので、学校にイノベーションの新しいモデルを作れることを強く信じている。MakerBotには、物作り教育の完全なワンセットがある。教師たちと子どもたちをやる気にさせて、物作りとイノベーションの新しい考え方や取り組みを学校が始める必要がある”。

MakerbotはAmerica Makesと提携している。ここはThe National Additive Manufacturing Innovation Instituteの下部機関として、合衆国における3Dプリンティング産業の振興に努めている。

3Dプリンタを学校やクラスに導入したい先生は、ここで申し込む。教育用の3Dモデルを作ってみたいデザイナーは、自分のデザインをThingiverseに登録するとよい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ウォズニアックも愛用するNixie管腕時計に、ハンドメイドの太陽電池版が登場

Nixie管時計はすっかり市民権を得た感じもある。ウォズニアックも身につけた姿を目撃されている。しかし、もともとは産業用に開発された放電管はバッテリー消費量も多く、メンテナンスも非常に難しい。しかし、魅力的なスタイルを維持しつつ、電源問題を解決する素晴らしいソリューションが生まれたようだ。

製作したのはオーストラリア人のMichel van der Meijだ。腕時計に搭載するNixie管は1本で、残りのスペースにソーラーパネルを配置している。上部のボタンで操作を行うようになっている。時間は一文字ずつ表示されるので、それを頭のなかで並べて時間を読み取る。eBayに出品(訳注:リンク先に該当プロダクトがないようです)していて、価格は1000ドルだ。名前をKopriso Mi Espositaといい、すべてMichelのハンドメイドによるものだ。

以前にはCold Warという名前のプロダクトも製作しているが、こちらはバッテリーを1つのみ搭載していて、長時間の利用には耐えないものとなっていた。今回のモデルの方は太陽光を充分に浴びている限り、充電なしで1ヶ月は動作するそうだ。非常にレアなプロダクトで、世界中に7つしかない。

量産のためにクラウドファンディングを利用してはどうかとも思うが、少なくとも今のところは利用していないようだ。バッテリーチャージャーを持ち歩かずにNixieを持ち運べるのはとても楽しそうだ。プロダクトの詳細について、Techmoanが長い長いビデオを投稿している。写真を見たいということであれば、MichelのFacebookページを見てみると良いだろう。

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(翻訳:Maeda, H


人類家畜化計画を進めるロボット。東京大学情報システム工学研究室もダークサイドに?!

ハロー、ハロー、またやってきた。お馴染みのTIDWRTWHUFOOの時間だ。もちろんToday In Dystopian War Robots That Will Harvest Us For Our Organsをわかりやすく短縮しているんだよ。

今回紹介するのは、ついにここまでやってきた、集団で飛行するドローン軍団、それから人間の身体を這い登るロボット、さらにそこら中を自在に這いまわり人間や、あるいはペットの首を狙う奴らだ。心を落ち着けてじっくりと見て、そして来るべき未来に備えよう。

まずは、「ロボットにダンスをさせている」などと呑気なことを考えている人々の様子を見ておこう。ロボットがダンスなどに興じるわけがないのだ。人類を油断させて、そして攻撃のチャンスを伺っているのだ。KMel Roboticsの開発で、Lexusの広告に登場している。このロボット集団は赤外線で互いの距離を調整し、カメラで互いの行動を見つめながら行動する。

次に紹介するのは不死身ロボットだ。IROS 2013という名前のロボットで、回転翼の周囲に発泡素材の衝撃緩衝材を配置しているので、何かにぶつかっても全く問題ないのだ。

回転翼のまわりに物体を配置するということでは、日本生まれのドコデモロボットもある。外宇宙からやってきたUFOのような形状で、水陸+空で人類を追いかけ回す。名前をMulti-field Universal Wheel for Air-land Vehicle(MUWA)という。開発したのは(他にも怪しげなロボットを研究している)東京大学の情報システム工学研究室だ。

今回もまた身の毛もよだつような恐ろしいものばかりが目につく。少しは良い話も書いておこう。たとえばBaxterだ。手にしている刃物は、人間を刺すためのものではないことを教えてあげよう。

最後はまた恐ろしい、しかし小さいRubbotを紹介しておこう。Guangchen Chen、Yuanyuan Liu、Ruiqing Fu、Jianwei Sun、Xinyu Wu、そしてYangsheng Xuが開発したロボットだ。この小さいロボットは、なんと人間の着ている衣服を這い登ってくる。衣服をよじ登ってきて、その衣服を燃やすなりして脱がしてしまう目的なのだろう。人間を潰して肥料などにする際、ナイロン繊維などが混ざってしまわないようにする配慮だ。首を洗って待っていやがれ、というメッセージが聞こえてきそうだ。

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(翻訳:Maeda, H


世界初の3Dプリントによる本物の銃が完成–ただしプリンタのお値段は50万ドル

あれほど騒がれたLiberatorは、本当の銃ではなかった。しかし、この(左図)3Dプリントで作った小火器は、まさしく銃だ。1911のコピーで、パブリックドメインの図面から型を起こし、レーザー焼結で金属粉を固化している。本物のセミオートマチックと同じように、実弾を撃てる。

Solid Conceptsが製作したこの銃は、完全に合法的だ。同社には国の許可証Federal Firearms Licenseがあり、またネット上で青写真を見つけるのは簡単だ。同社は1911の3Dモデルを作り、それに金属粉を吹き付け、加熱して、堅固な、実射可能な銃を作った。いちばんたいへんだった工程は、補強材の削除や薬室の加工などの仕上げ工程だった。グリップはナイロン樹脂をレーザー焼結して作ったが、ばねや弾倉は一般市販品を使った。これまでに、実弾50あまりを発射している。

マーケティング担当VPのScott McGowanは曰く、“これを作ったのは、わが社の金属レーザー焼結技術を実証することだ。Liberatorからの決別にもなるだろう。ホビイスト用の3Dプリンタで作ったものではない。誰かが自分ちのガレージで作る、というレベルのものではないね”。

McGowanは、銃職人たちが難しい部品をこの技術を利用して作るようになることを期待している。合衆国では、個人の銃職人もその顧客も、両方が有資格者でなければならない。使用した3Dプリンタは1台50万ドル以上する。“あくまでも、プロの技術者がプロのクライアントのために使用するプロ級のマシンだ”、とMcGowanは言った。

“技術の実証には成功したから、これからは3D金属プリントで銃を製造できる”、Solid Conceptsの付属品担当VP Kent Firestoneがそう言う。“これからは、免状を持った顧客が、特殊な銃の部品を5日で作ってくれと言ったら、できます、と言えるね”。

とにかくこれが記事になるのは、本物の初めて、初めての本物だからだ。

“これは世界初の、3Dプリントで作られた金属製の銃だと思うね”、とMcGowanも言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))