Apple、第2四半期中に新iPhoneの生産開始か(WSJ報道)

Appleは、現行機種と「似た」デザインの新iPhoneを2013年第2四半期に生産開始する計画であると、Wall Street Journalの最新記事が伝えている。この生産体制の準備は、夏のiPhone新機種発売に向けたものだと記事は言っており、最近本誌情報筋から入ってきている情報とも一致する。

先週John Biggsが、iPhone 5のデザインを踏襲しつつ内部スペックを高めたいわゆるiPhone 5Sに関して、Appleの製造パートナーらは2013年6月発売に向けて準備中と報じた。WSJの記事にアナリストの推測を合わせると、iPhoneの製品入替えは夏の初めが有力だ。Appleはその時期に年次Worldwide Developer’s Conferenceを開催するので、新機種の詳細を発表する機会があるとすればそこだろう。

WSJの記事は、Appleが低価格iPhoneの開発も続けており、早ければ2013年後半の発売を目指していることも報じている。本体カバーがハイエンドiPhoneと違うものになるという点は以前の報道でも聞いているが、低価格機にはカラーバリエーションが出来るという噂もある。

Appleが新しいiPhoneを作っているというニュースには何の驚きもないが、スケジュールに関しては、ここ数年夏ではなく秋に発売していたことから、予想とは少し異なる。しかし、複数の情報源によるこの手の情報が一致する時は、噂に強い根拠がある兆候だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


テレビ放送ストリーミングで勝訴したAereoのCEOが提携網の拡大について自信を語る

昨日(米国時間4/1)裁判所の重要な裁定を勝ち取ったAeroは、テレビ放送のストリーミングとDVRサービスをめぐる既存放送業界との法廷闘争でさらに有利な立場に立った*。同社のサービスは、HDのビデオコンテンツをユーザのお好みのデバイスへオンデマンドあるいは月額料金制で送り届ける。しかも最近の噂ではAereoは、Dish、DirecTV、AT&Tなどのテレビ局やISPと提携に関して協議しているという。〔*: 控訴審がAeroの著作権侵犯を否定、テレビ局側の残る手は最高裁への上告のみ。〕

AeroがFox、NBCといった大手ネットワーク〔==番組配信網を持つ〕放送局と法廷で争っているかぎり、そのような提携や買収の案件がまとまることは難しい、と言われていた。しかし、控訴審勝訴後のCEOでファウンダのChet Kanojiaは本誌TechCrunchのインタビューで、今回の勝訴によって業界の革新的破壊者としてのAeroの立場はより堅固になった、と説明する。昨日の判決はAeroにとって追い風である、と。

Kanojiaは具体的な社名等は挙げないまま、いま“多数の”企業と協議中であり、彼らはAeroとの協働に“非常に前向きの関心を”表明している、と語った。結局のところ、今回の問題の本質はただ一つ、“消費者に最大の利益をもたらすものは何か”である、と彼は言う。“提携に関しても、提携のための提携はしない”、と。

今回の勝訴によって、それら企業のAero観は変わっただろうか? この問いに関しKanojiaは、彼らとの協議はコンスタントに行われている、とだけ答えた。

Kanojiaは、裁判に関してはまったく心配していないようだ。“金の無駄遣いだし頭の無駄遣い”にすぎないが、今の放送業界の体質がそれだから、しょうがない、と。

Kanojiaは曰く、テレビ業界の歴史を見てみると、真の変化やイノベーションはどれもこれも、数ダースもの法廷闘争を背負わされている。非常に腰の重い業界だが、そのために今では熟れすぎていて、そろそろ木から落ちる頃合いだ。

私は彼に、“つまり、業界の既存の大型選手たちから攻撃されるのは吉兆である、ということですね”、と聞いてみた。彼は、面倒な訴訟に巻き込まれたこと自体を肯定はしなかったが、しかし裁判(とくに昨日の裁定)によって、Aeroに対する市場の信認がより揺るぎないものになったことは確実だ、と述べた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


いよいよ収益化へ:Facebookのエミリー・ホワイト、Instagramの事業運営責任者に就任。第2のサンドバーグになるか?

Instagramが事業運営責任者を雇った。これは巨大スケールの写真共有アプリを収益化し、ブランド提携による無限の可能性を拡大するための第一歩だろう。Facebookのモバイル提携担当ディレクター、Emily Whiteは、2月にユーザー数1億人を突破した20名足らずのチームに内部異動する。

Emily White自身がInstagramで就任を発表している。

ある筋が「実に行動的な人物」と呼ぶWhiteは、Goolgeの早期メンバーで、従業員わずか200名の時に入社し、2万2000人の時に退社した。Googleでは、AdWordsの開発などを手がけた。Whiteは2010年2月にFacebookに入社、ローカルおよびモバイルのディレクターを務めた。できるだけ多くのデバイスにFacebookを載せることに集中しその数は2500機種に上った。ヨガウェア最大手のLululemonの取締役を兼務している。

Sheryl Sandbergの弟子ともいえるWhiteは、若きInstagramチームを率いる、最初の著名で経験豊かな指導者となる。実際Whiteは写真アプリのShryl Sandbergになるかもしれない。Instagramの活用しきれていない人気を、ユーザー体験を大きく損うことなく本格的収入源へと変えることが彼女の使命だ。共同ファウンダーのKevin SystromとMike Kriegerは、事業運営をWhiteに任せることによって、モバイルおよびウェブの開発に専念できるだろう。

「Emily WhiteをInstagramチームに迎えたことを嬉しく思う。1億人を超えるアクティブユーザーをサポートするわが社の事業を今後もスケーリングしていくために、パートナー作りと事業運営に関する彼女の経験は、今後の成功の鍵を握っている」とWhiteの就任にあたってSystromは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Firefox 20がローンチ: プライベートウィンドウ, ダウンロードマネージャの刷新, WebRTCとHTML5の実装が充実, など

Firefox 20がリリースされ、今日(米国時間4/2)からダウンロードできる。この新バージョンの最大の目玉は“プライベートウィンドウで開く”という閲覧モードができたことだ。これでデスクトップのFirefoxユーザは、ブラウザを終了しなくてもプライベートウィンドウを開けるようになった。またFirefox for Androidのユーザは“プライベートタブ”を開ける。このほか新バージョンでは、デスクトップのダウンロードマネージャが改良され、モバイルではホーム画面のショートカットにお気に入りのサイトを置け、そしてHTML5とWebRTCのサポートがさらに充実した

Firefox for Androidの新バージョンは非力なARMv6プロセッサを使っているデバイスもサポートする(Samsung Galaxy Next, Dart, Pop, Q; HTC Aria, Legend; ほか)。

プライベートウィンドウ/タブについてMozillaは、“それまでの閲覧を妨害されずにお誕生日プレゼントの買い物をプライベートウィンドウでできる。複数のメールアカウントを同時にチェックできる”、という説明をしている。

でも、ユーザが最初に気づく機能は、新しいダウンロードマネージャだろう。下のビデオはそれを解説している:

デベロッパ向けには、今度のバージョンでWebRTCのgetUserMediaがサポートされた。これを呼び出してデベロッパはユーザのカメラやマイクにアクセスできる(パーミッションがあるなら)。HTML5では<canvas>でブレンドモード(色を重ねる)がサポートされ、また<audio>と<video>の実装が改善された。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Yahoo! Mail、添付ファイルでDropboxと提携。新規ユーザー送り込みに期待

ご存じの通りYahoo!は全主要プロダクトの総点検中で、メールサービスも類にもれない。ウェブ版、モバイル版の両メールシステム改訂に続き、同社はファイルバックアップ・共有サービスDropboxとの提携を発表した。

この提携によって、Yahoo! Mailでの添付ファイルのやりとりが簡単になる。お忘れかもしれないが、Yahoo! Mailは今でもGmail、Hotmailに続く世界で3番目に使われているメールサービスだ。しかし、本誌で最後に調べたデータによると、米国ではYahoo!がトップだ。こうした提携を利用して小さな改良を迅速に重ねていくことによって、ライバルとの戦いを優位に進めることができるだろう。

これは両社にとって朗報だが、Dropboxにとっては特に重要だ。今や職場や協業する小グループの人々にとって主要なツールとなっているDropboxに、この提携によって新しいユーザー層がもたらされる。Yahoo!には、そうでなければDropboxに手を出さなかったかもしれない新鮮なユーザーがたくさんいる。Dropboxアカウントを持っていないユーザーは、Yahoo! Mailを通じて簡単に登録できる。Dropboxにとっては、無料の2GBを使い切った後に収益を得るチャンスでもある。

Yahoo! Mailのプロダクト担当シニアディレクター、David McDowellが提携について語った。

今日から、DropboxかYahoo! Mailの中で使えるようになった。この統合によって、休暇の写真、確定申告の重要書類、論文などどんなファイルでも、簡単に共有や保存ができる。ファイルはネット上のDropboxアカウントに保存されるので、デスクトップを離れている時でも簡単にファイルを利用できる。

Dropboxは、Yahoo! Mailの英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、およびイタリア語版の中で利用可能。Dropboxを使ったことのない人は、Yahoo! Mailの中から簡単にアカウントを作れる。

Dropboxのブログには、あらゆる添付ファイルをDropboxで扱うことのメリットが挙げられており、ファイルサイズを気にしなくてよいことも書かれている。さらに、最近買収したSnapjoyチームのおかげでフォトアルバム全体をメールで共有することも可能になり、これは実に便利だ。新機能は今日全員に提供開始される。

Dropboxにとってこれは2度目のメール分野への大きな進出で、最初は、人気の、かつ手に入りにくいモバイルアプリ、Mailboxの買収だった。情報筋によると、Yahoo!は以前Mailboxの買収を真剣に進めていたというから いずれにせよ両社が手を組んだことは興味深い。

買収できないときは、提携してしまえ。

本誌はYahoo!に対して、基本的にDropboxと同様の機能を提供しているYouSendItとの提携関係を打ち切るのか尋ねている。回答があり次第本稿を更新する予定だ。

アップデート:Yahoo!広報担当者によると、YouSendItは「各アプリケーション」下、および「大型ファイルの添付」の際に今後も利用可能とのこと。

[写真提供:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi)


新刊『シリコンバレーの秘密:世界のイノベーションの中心からわれわれが学べること』の著者に聞く

われわれの秘密がついに暴露された。今日(米国時間4/2)、デボラ・ペリー・ピシオーネ(Deborah Perry Piscione) による期待の新刊 シリコンバレーの秘密:世界のイノベーションの中心からわれわれが学べること(Secrets of Silicon Valley: What EveryoneCan Learn From The Innovation Capital Of The World)が出版された。ピシオーネによれば、シリコンバレーの強さの本当の秘密は、ハイアラーキーによる硬直した上下関係のなさにあるという。

ニューヨークが貪欲と権力によって動かされているのに対してシリコンバレーはアイディアに固執しそれを原動力としている。新しいアイディアへの強い愛好の存在が、東海岸ではなく西海岸がアメリカのイノベーションの大半を生んでいることの原因だとピシオーネは主張する。しかしこれには東海岸の住民は反発するかもしれない。

シリコンバレーの秘密の刊行を機に、アメリカ経済の全体にイノベーションを浸透させるにはどうすればよいか、変化を恐れ、現状にしがみつこうとする経営者の意識をどうやったら変えられるか、全国的な議論が巻き起こることが期待される。

〔日本版:デボラ・ペリー・ピシオーネはジョージタウン大学卒業後、米議会の議員スタッフ、ホワイトハウス・スタッフなどを務めた後、ワシントでニュースショーのホスト、コメンテーターとして活動。2006年からシリコンバレーに移住して執筆、講演、テレビ出演のかたわら女性向けウェブサイト、BettyConfidential他を創立している。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、Dropboxをみならってドライブのデザインを改良―共有フォルダが見やすくなる

クラウドでのファイル保管サービスを魅力的なものにするにはいろいろな方法がある。他のアプリとの連携、モバイルとデスクトップがシームレスにつながることなどに加えて、そう、デザインも重要だ。

デザインではDropboxがトップといっていいだろう。UIはまったくシンプルで非常にクリーンだ。白とライトブルーはDropboxのシンボル・カラーになっている。最近GoogleドライブもDropboxのデザインの優秀さに気づいたらしい。

今日(米国時間4/2)、Googleドライブのチームは共有フォルダのデザインのリニューアルを発表した。正直、これまでドライブの共有フォルダのユーザー体験はひどいものだった。また今回のアップデートでユーザーは自分のドライブに共有アイテムを1クリックで追加できるようになる。

来週中に、共有フォルダを開くよう招かれたユーザーにフォルダの内容がこれまでよりずっと見やすいレイアウトで表示されるようになります。アイテムをクリックするだけで次々にプレビューを見ていくことができます。

共有フォルダの内容を保存したい場合は、右上端の“ドライブに追加”ボタンを押せばユーザーのドライブに直接追加され、どのデバイスからでもアクセスできるようになります。

こういう具合になるということだ。

Googleドライブはファイルの保存と共有に加えて、スプレッドシート、ワープロ、プレゼンテーションなどのウェブアプリが利用できる統合サービスだ。Dropboxによく似ているが、Dropboxにはファイルの編集機能はない。この点ドライブには大きな優位性がある。またGoogleの巨大なユーザーベースと一般ユーザーの間での信頼性もDropboxには欠けている。この点はDropboxとYahoo!の提携についての今朝のわれわれの記事でも触れられている。

こちらはDropboxの見慣れた軽快なデザインだ。

一方、Boxは世界中の企業のファイルを保管することを狙っている。これはGoogleのBusiness App版のドライブのライバルということになる。DropboxとBoxはGoogleでは小回りが効かないような分野に次々に進出していけるという優位性がある。またAmazonもこの分野への参入を始めた

Googleは検索の分野では絶対的な優位性を保っているが、世界中のあらゆるユーザーのファイルの共有と保管ということになれば、大いに競争の余地が生まれてくる。CEOのラリー・ペイジのイニシアチブで、Googleは保管、共有、生産性アプリなどをドライブにひとまとめして一般ユーザーにとっての使いやすさを狙っている。これは賢明は戦略といえるだろう。しかしいくらテクノロジーが優れていてもUIがみすぼらしく使いにくかったらユーザーは集まってこない。

クラウドストレージは地味だが、十分に利益を上げることが可能なビジネスだ。まず無料のストレージを提供し、それがいっぱいになったら追加ストレージを売るというのはなかなか効果的ビジネスモデルだ。しかし数十メガバイトもあれば大容量ハードディスクとされていた時代からはるかに来たものだ。

[写真:Flickr]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


日本のSDNスタートアップMidokuraがシリーズAで$17.3Mを調達;クラウド事業主体の増に備える

日本のMidokuraはオフィスがサンフランシスコと東京とローザンヌとバルセロナにある。同社は今日(米国時間4/1)、1730万ドルのシリーズA資金調達ラウンドを発表した。このラウンドの幹事会社は日本の産業革新機構、これにNTT GroupのDOCOMO Innovations, Inc.とNEC Groupの投資部門Innovative Ventures Fund Investmentが参加した。資金は陣容拡大により同社のネットワーク仮想化サービスMidoNetの将来的展開と拡張を準備することに充てられる。

Midokuraはそのサービスを、自分でクラウドを展開したいと考える企業、すなわちクラウドのユーザでなくクラウドの事業主体に提供する。それはモバイルネットワークの事業者やそのほかの大企業だ。同社は一般的によく使われているクラウドプラットホーム上で使える仮想化技術を提供し、クラウドコンピューティングの展開に伴う費用や要求を単純化する。MidoNetはIaaS(infrastructure-as-a-service)の一種であり、2012年の10月にベータで立ち上がったときから、大きな関心を集めてきた。

MidokuraのChief Strategy Officer、Ben Cherianの説明によると、“MidoNetは弊社のSDN(software-defined networking, ソフトウェアが定義するネットワーク)製品であり、クラウドを構築したいと考えている企業のためのソリューションだ。彼らはクラウドサービスのプロバイダであったり、ホスティングのプロバイダであったり、あるいは大きな企業であったりする。小さな会社でも、クラウドを構築したいと望むなら弊社の顧客でありえる。それを完全に自力でやろうとすると、スケーラビリティ、オートメーション、アイソレーションといった面倒な問題にぶつかるからだ。弊社のプロダクトであるMidoNetは、クラウドネットワーキングに伴うこれらの問題を解決する”。

今回は相当巨額な資金調達ラウンドであるが、Cherianによると、同社に今寄せられている関心を十分満たすだけのペースで成長するためには、それぐらいの額が必要である。協同ファウンダのTatsuya Katoは、今回の増資発表の一環としてCEOから取締役会の会長職となるが、以前は日本におけるAmazon Web Services的なサービスの構築に、同じく協同ファウンダで元CTO/新CEOのDan Mihai Dumitriuと共に取り組んだ。彼はその際に、サービスの設計構築以前にまず最初に解決すべき大きな問題があることに気づき、それがMidokuraの創業につながった。今チームは、その目標を達成するために迅速に成長したいと考えている。

“資金の大半は製品開発と技術者の増員に充てられる”、とCherianは述べる。“目標は、技術面でもっと深いところに到達することだ。今は、機能の増強とマネージメントの改善、ほかの技術や企業の統合、といった側面を重視している。いずれもさらなる人材が必要な課題であり、したがって資金の多くは技術陣の増員に充てられることになる”。

Midokuraは、この分野の市場が今後急速に進化していくと見ている。とくに今後はクラウドに乗り出す大企業が増えて、SDN関連製品への関心も高まるだろう。そのときの需要にタイミング良く応えるためには、今から、相当な額のシリーズAにより、技術的基盤を整備することが必要なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


SaaSでデータウェアハウスを価格破壊, Treasure Dataが分散データベース”Plazma”をローンチ

[筆者: Michael Seo]

データウェアハウスをクラウドから提供するTreasure Dataがそのサービスをローンチしてからまだ半年しか経っていないが、すでに順調な成長カーブに乗っているようだ。

昨年黒字に転じたTreasure Dataは、今年は月商が前年比で500%伸びた。50社の有名企業をクライアントに抱え、その中にはソーシャルゲームのトップ企業や、フランスのモバイル広告プラットホーム、そのほかのFortune 500企業がいる。これらは意外ではないが、同社はその社名を明かさなかった。

Treasure Dataは、企業がデータを保存するための大きな“倉庫”(warehouse, ウェアハウス)をクラウド上に提供する。IBMやOracle、Teradataなどの大企業もデータサービスを提供しているが、それらは料金がウン百万ドルのオーダーに達することもある。利用できる企業は、おのずから限られてくる。

一方Treasure Dataの料金は月額1500〜2500ドルで、年単位の契約だ。データウェアハウスを自力で構築できない中企業でも、十分利用可能な低料金である。

そのTreasure Dataが今日(米国時間3/29)、分散データベースPlazmaをローンチし、HDFS(Hadoop Distributed Files System, Hadoop分散ファイルシステム)の重要な改良バージョンを提供する。とくにそれまでのHDFSに比べて効率が良く、データの編纂や解析が相当速くできる。

“これはうちのサービスのロバストネス(堅牢性)と信頼性とパフォーマンスを上げるための投資でもある”、と同社のプロダクト担当VP Kiyoto Tamuraは語る。“Hadoopには信頼性に関していくつか問題があり、うちならもっとうまくやれると確信していた”。

Plazmaがあることによって、Treasure Dataのシステムは日量3000億以上のデータポイントを処理できるようになった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


OracleはJava APIの著作権にあくまでも固執, デベロッパの自由が危機に

[筆者: Sacha Labourey, Steven G. Harris]

編集者注記: Sacha LaboureyはCloudBeesのCEOで元JBossのCTOだ。彼をTwitterでフォローするには@SachaLaboureyへ。Steven G. HarrisはCloudBeesの製品担当SVPで、前はOracleのJavaサーバ開発担当SVPだった。彼のTwitterアドレスは@stevengharrisだ。

OracleがGoogleを訴訟した裁判で、William Alsup判事が下した裁定は、デベロッパたちを一(ひと)安堵させた。Oracleの言い分はほとんど何一つ通らなかったが、中でもOracleに致命傷を与えたのは、次の一文だ:

メソッドを実装するために使われているコードが異なってさえいれば、著作権法の下では誰もが自由に、Java APIで使われているどんなメソッドでも、それと正確に同じ機能や仕様を実現する自己独自のコードを書いてよい。メソッドの宣言やヘッダ行は同一であってもかまわない。Javaの規則においては、同じ機能を指定するメソッドはそれらの宣言も同じでなければならない–実装が異なっていても。ある考えや機能を表現する方法が一つしかないときは、誰もが自由にその表現ができ、誰もその表現を独占することはできない。そして、Androidのメソッドとクラスの名前をJavaにおけるそれらの同等物とは違う名前にしても、たしかに正常に動作したではあろうが、しかし著作権法による保護は名前や短い語句にまでは及ばないものである。

Oracleを支持する法廷助言人たちからの具申書にも示されているように、この裁定は企業世界の超保守派大物たちの憤激を買った。OracleがライバルのMicrosoftやIBMらと(Business Software Allianceを介して)一つのベッドを共にする光景は、珍しい。彼らの今回の同床異夢ならぬ同床同夢は、スタートアップという「ファウンデーション」から彼らの老いたる「帝国」を守ることであった。さらにそこに、合衆国著作権局のトップも加わる。そしてこのごった煮に最後にふりかけるスパイスと調味料が、さまざまな業界関係者たちだ。元Sunの役員Scott McNealyとBrian Sutphinも、彼らに兵糧を送った

法廷助言人たちによるこれらの趣意書の内容は、ソフトウェアデベロッパ全般と業界の未来に対し警鐘を鳴らしている。なぜか? 彼らは口を揃えて、Alsup判事の裁定は業界にとって有害だと主張している。たしかにそれは、旧守派の事業にとっては有害だろう。それでなくても彼らは今、オープンソースとクラウドベースのサービスがますます激しく燃え立たせている変化の炎の脅威にさらされている。しかし、Alsup判事の裁定が控訴審で否定されたら、逆に、ソフトウェアのプロフェッショナルとしてのあなたにとって、有害な事態になることは確実だ。

APIは、なぜ存在するのか? それは実装の提供者とその実装のユーザ、すなわちデベロッパとの間のコミュニケーションチャネル、共通語、接触界面である。もちろん、APIを作るためには投資が必要だ。高度な専門知識と経験知と、そして良い趣味も、効果的なAPIを作るためには必要だ。しかし企業や個人がそのような投資をするのは、実装をAPIを通じて露出することにより、デベロッパたちにその実装を使ってほしいからだ。その実装は、人びとにあなたのハードウェアやソフトウェア、あるいはサービスを買う動機を与えるかもしれない。それはもしかして、広告を売るためのより効果的な方法ですらありえる。

APIを作るときには、それなりのねらいや目的がある。しかしAPI自体は、収益化のための素材…商材…ではない。収益化の対象はあくまでも、そのAPIによってアクセス可能となる何ものかだ。APIは多くの本やブログやオープンソースのプロジェクトにドキュメントされ、使われている。APIの成功は、その採用利用数によって計れるかもしれない。しかしデベロッパにAPIの使用を積極的に勧めるときに、それによって生ずる副作用を抑えることはできない。Captain PicardがOracleのレプリケータに“お茶、アールグレイをホットで”とオーダーするとき、彼はお茶だけでなく、“オブジェクト、クォリファイヤー(Object, Qualifier)”といったAPI概念も使っている。Oracleが、ほかのシンタクスを使えと言い張るなら、Googleなどは自分たち独自のレプリケータを作らなければならない。

Oracleは、特許に関する彼ら独自の定義を、通せなかった。彼らは、Googleがほんの数行のコードをコピーしたことを、特許侵犯と認めてもらえなかった。彼らの主張どおり、コミュニティがスタンダードとしてプッシュしているJava APIを、Oracleの許可なくして使えなくなったら、敗者となるのはGoogleではなくソフトウェアデベロッパとイノベーションだ。Java言語を学ぶことは比較的易しいが、そのAPIをマスターするためには、Javaデベロッパとしての相当大きな–個人としての–投資が必要だ。AndroidがJavaデベロッパに与えたものは、彼らのそれまでの個人的なキャリアと職業的投資を、Sunがその正しい取り組みを失したモバイルの市場で、そのまま活かせる、という事態だ。

Androidの分裂と互換性の問題は、どうなるのか? 私たちは、Javaの互換性、Javaというブランドの力、そしてコンプライアンス試験の価値を大きく信じている。私たちはJava Community Process Executive Committeeに参加している。Javaに比べてAndroidには互換性という問題が確かにある。Googleによる互換性努力も、完全な成功には遠い(しかしJava MEも互換性が完璧ではなかった)。Androidの、Java APIをベースとするライブラリの下には、ノンJavaの仮想マシン(Dalvik)があり、Googleはそれによって、ライセンスの問題や、それに伴う互換性、サブセットかスーパーセットか、名前空間の汚染、といった問題を避けようとした。そこまでのことができる者は、今の世界にそんなに多くはない。

いずれにしても、AndroidがJava APIを使っているおかげで、JavaデベロッパはAndroidにすぐなじめる。コーヒーカップのロゴが消えただけだ。Javaデベロッパにとっては、Androidから得られる機会の方が、AndroidがJavaの標準APIのサブセットしか提供していないことによる不完全な互換性の問題よりも、大きかった。今JCP(Java Community Process)では、現在のルールをもっと前進させ、Javaをよりフォークフレンドリーなオープンソースやクラウドの世界で円滑に共用できるよう努力している。Java APIもその多くの部分はJCPが進化させてきた。それに対してOracleが今権利を主張しているが、それによって互換性が犠牲になり、Javaがコミュニティを無視して完全に私企業の商材になることはない、ありえない、と信じたい。

IT産業がパッケージソフトからクラウドベースのサービスというモデルへ移行していくに伴い、この議論はさらに重要性を増す。企業が今後ますます、SaaSやPaaSやIaaSによるソリューションに投資していくとき、彼らのオペレーションはサードパーティAPIへの依存度を増していかざるをえない。それらのAPIは、総体的にまだ標準化が未整備であり、そこに、APIの合法的使用をめぐる不安や恐れや懸念を今回のように持ち込むことは、業界に、イノベーションを阻む無意味な足かせを課すことにほかならない。

今は、そのナイフの柄を誰が持つべきか、を決めなければならない。経済の繁栄と競争力の強化は、APIが同一だから企業がサービスプロバイダのスイッチを安心して容易にできることにかかっている。ベンダロックイン(vendor lock-in, 閉じこめ)の停滞沈滞とは、逆の状態である。APIのプロプライエタリ化によるロックインは、競争を鈍化し、経済を窒息させる。しかもそんな事態が、ほんの一握りのレガシーソフトウェアのベンダたちが彼らのフランチャイズをせめてあと数年保護したいがために起きるとしたら、一体そんなことは、許されるだろうか?

Java〜Java APIの柄を握るのは誰か? その決定が及ぼす影響は今後数十年と長く、そしてクラウドという新しいITモデルにも影響は及ぶ。それなのにその決定が今、この激しい変化の時代に生き残りを画策するレガシーベンダたちによる、強力なロビー活動によって為されようとしている。デベロッパのみなさん、あなたの今後の長期的な生計の糧、技術選択の幅広さ、そして私たちの業界の活発な競争性、それらが今、危機に瀕しているのだ。

〔訳注: 豊富な原文コメントも、ぜひお読みください。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Heroku、全ユーザーにPostgreSQLのセキュリティーアップデートを強制適用

Herokuのユーザーは、PostgreSQLデータベースシステムの主要セキュリティーホールを修正する重要なアップデートをいち早く利用できる。一般のPostgreSQLユーザーは、木曜日(米国時間4/4)にアップデートが利用可能になる。

Herokuの声明は以下の通り:

Heroku Postgresデータベースに、月曜日(4月1日)から水曜日(4月3日)にかけて小規模だが重要なアップデートを適用する。アップデート中データベースは約60秒間オフラインになり、その後再起動される。本アップデートの性格上、正確な時間を定めることはできない。修正が必要なデータベースに対する個別の通知は送らない。

先週木曜日、PostgreSQLサイトは、4月4日にアップデートを発行し、そこには重大なセキュリティー脆弱性の修正が含まれているという声明を発表した。利用者はできるだけ早くこのアップデートを適用するよう同サイトは強く推奨している。

私はHerokuの広報チームに、なぜ強制アップデートを行うのか、および最初に適用される理由を尋ねたが、まだ回答はない。

Hacker Newsのコメント人たちは、早期アクセスの理由はでPostgreSQLデータベースを利用しているHerokuユーザーの数が膨大だからだろうと言っている。

しかしこの特権は、PostgreSQLのセキュリティー、および誰が早期に利用できるかに関する同社のポリシーに疑問を投げかけるものでもある。

Hacker Newsのあるコメント人がこう言っている。

一方でPostgreSQLは、同じようにセキュリティーを非常に深刻に捉えている数多くの会社を待たせている。これは、PosgreSQLの使用を考えている会社に「セキュリティー修正をすぐに受けられるのか,それともより重要なユーザーが早期に利用している一方で故意に危険に曝されるのか?」を考えなくてはならない状況を作り出している。私にはよい前例だとは思えない。

これはHerokuにとって異例の行動であり、クラウドのセキュリティーが重大問題であることを示す顕著な例だ。Herokuのような会社がこうした強制アップデートを発行することは稀で、その殆どはプラットフォームに対する主要なアップデートだ。しかし今回のようなセキュリティー脆弱性はプラットフォーム全体に影響を与ぼす可能性がある。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Queueing Theoryは、どんなアプリにもMailboxライクな予約システムを提供するサービス(噂を呼ぶためだけでも可)

Googleが、当時新しいメールサービスだったGmailを招待制にして以来、スタートアップのファウンダーたちは自分たちのサービスにも同じ盛り上がりを期待して策を巡らしてきた。しかし、かつてのGmailに少しでも近づくレベルの需要を再現できたのは、最近のiOSアプリ、Mailboxによる「予約システム」が初めてだった。そして今、サンフランシスコ拠点のQueueing Theoryという会社は、Mailboxと同様の予約システムを、どんなスタートアップでも、特にモバイルユーザーをターゲットにするスタートアップが使えるようにするサービスを提供する。

最近Dropboxに買収されたMailboxは、まず専用URLで登録ユーザーを集めることによって、 アプリへの関心を高めた。ユーザーには予約番号を伝えるSMSが送られ、そこには行列内の位置とアプリがApp Storeで公開された時にロックを解除するための暗証コードも書かれていた。

同社は予約システムがサーバー負荷の軽減に役立ったと言っているが、それ以外の副次効果があった。この噂の新アプリに、最先端のアーリーアダプターだけが入れる会員制クラブのような雰囲気をもたらしたのである。今や、新しい「スマート・カレンダー」Tempoをはじめとする他のアプリも類似のしくみを活用している。Tempoのケースでは、事前に「大がかりなメール処理」が必要であるために、専用の予約システムが必要だったと主張している。

しかし、このしかけをメールやカレンダーアプリだけに使わせる手はない。どこのスタートアップのファウンダーも言うように、大量のユーザーが押し寄せればサーバーがパンクしてユーザー体験を損う。

Queing Theoryの狙いはそこにある。このMailboxライクな予約システムは、モバイルアプリ開発者のニーズを想定して設計されている。ウェブインターフェースを備えてはいるが、システムは〈サーバーの能力が一般ユーザーの登録を受け付けられる水準になる前に〉、AppleのApp Storeで(近々はAndroidでも)アプリを公開したいデベロッパーに特化して作られている。

ユーザーは、アプリあるいは提供するメーカーのホームページからユーザー登録できる。メールアドレスを登録したユーザーには行列内に位置が与えられ、SMSで送られてくると共に、後にアプリが公開されたらそこに順番が表示される。

しかしこのシステムがMailboxのやり方と違うのは、新しいApp Storeアプリにユーザー登録する人たちの中でも「特別な」ユーザーだけのためのソーシャルネットワークを作っていることだ。スタートアップは、カスタム版のバッジやステッカーを作ることができて、Queueing Theoryのユーザープロフィールに掲載される。友達がどのアプリに登録しているのかが一目でわかり、そのステッカーをクリックすると自分も同じアプリの行列に並べる。

さらには、行列で前に飛び越すことのできる少額のプレミアム・ステッカーを買うこともできる。列の先頭近くにいるユーザーは「ゴールデン・チケット」ステッカーももらえる。Queueing Theoryシステムでいちばん多くゴールデン・ステッカーを集めたユーザーは、将来「スーパー・キュー」ステッカーを割引価格で買うことができる。

デベロッパーにとってこのシステムは、自社のモバイルアプリに待ち行列を簡単に組み込めるだけでなく、実際には誰もアプリを使う前に噂を起こしてApp Storeの順位を上げることができる(ただしAppleがこれにどう対処するのかは不明)。デベロッパーはオンラインで、登録ユーザーのフィルター、招待リストのカスタマイズ、自社専用「ステッカー・セット」のデザインなども行える。

面白いことに、Queueing Theoryは正式スタート前にメールアドレスを集めるために、自社製の招待システムを使っていない。今はこのLaunchrockのページでひっそりと受け付けている。同社によると自前のシステムはまだ開発中で数週間のうちにLaunchrockからQueueing Theoryのページへ移転するつもりだという。ユーザーはここで登録すれば、近く完成するページにアクセスが可能になり、そこでQueueing Theoryの登録ページが利用可能になったら通知をもらえるリストに載せられる。詳しくはここをクリック

アップデート:これまでに登録してくれた200名近い人たちには感謝しているが、これはエイプリルフールのいたずらだ。どうかあなたのアプリではこれをやらないで欲しい。お願いする。

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(翻訳:Nob Takahashi)


TechCrunch、オンライン・カジノに参入決定―作動するスロットマシンも完成!

ネバダ州、デラウェア州、ニュージャージー州が最近オンライン・カジノを合法化する法案を成立させた。これでZyngaに続いてオンライン・カジノへの参入が増えそうだ。

この不景気の時代にブログの運営はビジネスとして苦しい。われわれは新たな収入の道を探ったが、もっとも有望なのがこのオンライン・リアルマネー・ギャンブルだった。リアルマネーでカジノを運営するという計画の発表以後半年でZyngaの株価は15%もアップした。同じことがAOLでも起きるに違いない。

そこでわれわれはどのスタートアップが成功するかに現金を賭けられる新しいタイプのスロットマシンを開発した。これは同時に証券取引委員会のベンチャー投資家の資格に関する小うるさい規制を迂回して一般投資家が事実上のベンチャー投資が行える道を開くものだ。

そう、上にエンベッドしたスロットマシンは実際に作動する。真面目な話だ。SPINボタンをクリックしてみればわかる。賞品にはサンフランシスコで開催されるTechCrunch Disruptのチケット(1795ドル相当)が含まれる。テスラ・ロードスターは残念ながらバーチャル版だが、アレクシアを3つ並べることに成功したらわれらが共同編集長は読者に詩を書いてくれる。アンソニー・ハが当たればイギリスからSkypeを通じてセックス・ピストルズの曲を歌ってくれる。

リアルマネー・ゲーミングのプラットフォーム、Betableソーシャルゲーム・スタジオのMurkaのご協力に感謝する。両社は急なお願にもかかわらず、文字通り1週間でスロットマシンを作ってくれた。

〔アメリカではまだ4月1日であることにご注意。ただしスロットマシンは本当に作動する。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


フランスで無人ドローンによる新聞配達を5月から開始


フランスの新聞少年たちは別の仕事を探さなくてはいけなくなりそうだ。オーヴェルニュ地域圏では、ドローンによる新聞配達サービスを5月から開始する。公式郵便サービスのLa Poste Groupはすでに20機のススメバチ型無人航空機による自動配達のベータテストを行っている。これはエイプリルフールのジョークではない。

FedExはかねてからドローンを利用した配送サービスの積極的支持者であり、FAA(連邦航空局)は2015年秋を目指して着々と法制化を進めている。もし実現すれば、あのUPS配達員のセクシーな短パン姿ともお別れだ。

少なくとも1州、バージニア州では警察ドローンの2年間一時禁止措置を進めているが、これもFedExの自動配達ドローン軍団計画を頓座させるものではなさようだ。

朝刊も嬉しいが、私としてはタコス配達サービスのタココプターが待ち切れない。この味の妖精は作り話だったが(The Colbert Reportはひっかかった)、遠からず実現することを願っている。

The Colbert Report
Get More: Colbert Report Full Episodes,Indecision Political Humor,Video Archive

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebook携帯のハードは平凡なHTC機―カスタム・ホーム・アプリは一般のAndroid機種でも利用可能

Facebookの「Androidの新しいホーム」のハードウェアは結局、コードネームをMystというHTCの平凡な機種であるようだ。しかしアプリは標準的なAndroidスマートフォンならどれでも作動するという。

Android Policeによれば、この情報はリークされたFacebookフォンのソフトウェアを分析した結果判明したものという。 この分析は「今週木曜日にFacebookが大がかりなプレスイベントを予定している」というわれわれのスクープと合致する。

多少のカスタマイズをしたAndroid OSをHTCの携帯向けに提供することで、FacebookはiOSや標準のAndroid機種ではできないようなカスタマイズの自由を得るわけだ。これにはユーザー別に高度にカスタマイズされたホームスクリーンが含まれる。このホームスクリーンにFacebookのニュースフィードや通知が表示される他、OSの各所でFacebookの機能との密接な連携が図られている。

しかしFacebookの利用に特化したスマートフォンの市場はさほど大きくないことが予想されるので、FacebookはHTC版のカスタム・ホームスクリーンに似たユーザー体験を提供するホームスクリーン・ランチャーを一般のAndroid機にインストール可能な単独のアプリとして発表するものと思われる。ともかくもAndroidは世界でもっとも数多く利用されているスマートフォンOSだ。FacebookとしてはせっかくのホームスクリーンをHTCの特定機種だけに閉じ込めておくわけにはいかないだろう。

Android PoliceのRon Amadeoによるソフトウェアの分析によって、以下の詳細が明らかになった。

Facebookスマートフォンのハード

これはデベロッパー・ビルドの内容の分析に基づくもので、ターゲットのデバイスは単なるテスト目的であり、木曜日には何かもっとハイエンドの機種が登場する可能性はある。しかしAPK(アプリケーション・パッケージ・ファイル)の内容によれば、このソフトウェアは以下のハードウェアで作動するようデザインされている。

  • メーカー: HTC
  • モデル: MYSTUL (Myst_UL)
  • キャリヤ: AT&T
  • プラットホーム:MSM8960 (デュアルコア)
  • RAM: 1GB
  • ディスプレイ: 4.3 inch、720p
  • Androidバージョン:4.1.2
  • Senseバージョン:4.5
  • リアカメラ = 5M
  • フロントカメラ = 1.6M
  • SDカード・スロット:なし
  • Bluetooth 4.0
  • Wi-Fi a/b/g/n

このスペックはFacebookフォンはHTCSense 4.5かそれにごく近いモデルとなるだろうというUnwired Viewの情報とも一致する。ただしキャリヤはAT&T以外にも対応することになるだろう。

“Facebook Home”アプリ

先週われわれが報じたように、 “Facebook Home”というロゴが表示される。このFaceboookアプリの機能には以下のようなものがある。

  • あるウィンドウを常に他の窓の上に表示させる
  • ロックスクリーンを無効にする
  • デバイスを起動すると同時にこのアプリも起動する
  • 他のアプリの作動状態をモニタする
  • デバイスのWi-Fi接続を管理する
  • システム設定を変更する

XMLレイアウトと画像ファイルから判断するとFacebook Homeはホームスクリーンにニュースフィード、時計、他のアプリを起動するショートカット、Google検索などを表示するようだ。

APKから発見されたもっとも興味ふかい機能のひとつは“Chat Heads”だ。これはFacebookのチャット窓をフロート状態で他の窓の上に表示させることができる機能で、他のアプリを利用している場合でもそのまま表示され続ける。一部の音楽サービスのサイトがいったん起動すると他のアプリを使っていてもずっと表示が続くプレイヤー・アプリを提供しているが、そのチャット版と思えばよい。ただしChat HeadsはFacebookがカスタマイズしたAndroid OSでなければ作動しない。

一般Android向け“Home”アプリ

Android Policeの発見でもっとも重要なのはこの点だ。Facebook Homeソフトウェアにはカスタマイズされていない一般のAndroid OSの設定を読み込む機能があると判明した。またHTCランチャーだけでなくSamsungのフロントエンド、TouchWizランチャーにも対応している。このことはHomeアプリがHTC以外のメーカーの標準的Android OS搭載機でも作動することを示唆している。Facebookは一般Android向けHomeアプリをGoogle Playを通じて広く提供することになるだろう。

Homeアプリのプレミア・アージョンはHTCの専用OS搭載機で作動するが、いくつかの機能を外したバージョンは一般Android機で作動するということになるというのは合理的でもあり、先週の私の記事の推測とも合致する。イベントが予想されている4月4日はもう目前だ。カスタムOSによるプレミア版が成功すれば、FacebookはHTC以外にもOEMパートナーを増やすかもしれない。

つまりFacebookの戦略こうなるのだろう。1. HTC機で最高のユーザー体験をデモンストレーションする。 2. 現在のアプリより深いレベルでOSの機能を利用した一般Android向けHomeアプリを」提供する。 3. 他のメーカーをカスタムOSの専用機製造に勧誘する。

なかなか巧妙な戦略に聞こえるが、これが成功するかどうかはFacebook Homeが既存のアプリと比べてユーザーにどれだけの新たな価値を与えられるかにかかっている。さほどのメリットが見出されなければユーザーはHTCのFacebook携帯を買わないだろうし、他のメーカーも誘いには乗ってこないだろう。Facebookは何年もかけて無駄な骨折りをしたということになる。

しかし成功すれば、Facebook Homeのユーザーは常時リアルタイムでFacebookの友だちと交流しつづけるという新たなソーシャル感覚を手に入れることになる。もしかするとAppleもホームスクリーンのカスタマイズをデベロッパーに認めるようになるかもしれない。一方、Facebookは自らハードウェアの製造に乗り出さないでもモバイルでのユーザー体験に対するコントロールを強めることが可能になるだろう。

Facebookのスマートフォン計画については次の記事も参照

Facebook To Reveal “Home On Android” Sources Say Is A Modified OS On HTC At 4/4 Event

Facebook’s “Home” On Android Could Give You A Sixth Sense For Your Social Life

Facebook’s Android Homescreen Could Expose Apple’s Inflexibility

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


AppleのiWatchは、iPhoneないしiPadを手首に結びつけるための「バンド」だった?!

大いに話題を集めたAppleのiWatchではあるが、どうやら期待通りのプロダクトではないようだ。

フレキシブルディスプレイ搭載で、Siriによる操作が可能であるという噂もあった。しかし、実のところはiWatchとはAppleデバイスを装着するための「バンド」に過ぎないようなのだ。

上には、リハーサル時点でのリークビデオを掲載しておいた。ビデオを見れば使い方はすぐにわかる。この「バンド」でiPhoneないしiPadを手首に巻きつけて使うわけだ。「バンド」の価格は249ドルなのだそうだ。この価格は他のスマートウォッチを意識したものだが、もちろんiPhoneおよびiPadは別売りとなっている。

Appleに発売時期について尋ねてみたが、現在のところ詳細な情報は入手できなかった。アナリストによれば、iWatchは次世代iPhoneと同時に、7月に発表されるのではないかとのことだ。

発売時期や地域についての情報は得られなかったものの、MBAないしMBPについても対応可能であるとの説明は受けた。これによりスマートウォッチにて「フル機能」を体験することができるようになっているわけだ。

「iPhoneやiPadを指して、情報消費のためのデバイスであると言う人たちがいます」と、匿名を条件にAppleのエグゼクティブがインタビューに応じてくれた。「私たちは、iWatchについては生産的な用途にも活用してもらいたいと考えているのです。そこでノートデバイスを取り付けられるようにしたのです」とのことだ。

Appleとしては、デザイナーやクリエイティブによる利用シーンを想定しているのだろう。

ちなみにこのiWatchプロダクトを存分に活用してもらうため、Appleは関連プロダクトのリリースも計画しているようだ。見れば誰でもわかるように、このiWatchに大型のAppleデバイスを取り付ければ、身につけた状態で歩いたり、手を動かしたり、そしてもちろん作業を行ったりするのが、肉体的に大きな負担となる。そこでAppleはそうした動作による体重減を測定するための、エクササイズ関連グッズをリリースする予定だというのだ。「重たいスマートウォッチを使ってダイエットしよう」ということのようだ。

Appleがこうしたプロダクトのリリースを考えているのは、もちろんSamsungによる身体データの数値化(Quantified Self)関連プロダクトの充実を意識したものだ。Galaxy S IVにはハートレートモニターや体重計などの機能を持たせるのではないかと噂されている。

Appleとしてもいろいろな戦略があるのだろう。ただ、個人的にはiWatchがコンピューティングデバイスではなく、単なるアクセサリーであることに失望の気持ちを禁じ得ない。もちろんAppleのこうした選択は生産コストやR&D費用の削減を目指したものであるということなのかもしれない。

Appleは「期待値管理」の手法を用いているつもりなのだろう。これはMapsでも同様であったと言うことができるかもしれない。戦略の成否は時が明らかにしてくれるものと思う。

訳注:本記事は米国TechCrunchサイトからの翻訳であり、同地は未だ4月1日であることを記しておきます。みなさまの温かいご理解をよろしくお願い致します。

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(翻訳:Maeda, H)


幽霊はどんな臭い? Google Noseで検索しよう

GoogleがYouTubeを閉鎖? 清々する! どうせPaula Abdulの「正反対同士は引き合う」以来見るべきビデオはない。

Googleは、同社の〈まさしく本物〉の最新プロジェクトを発表することによって、オンライン娯楽の本当の未来が何かを知っていることを明らかにした。それは〈臭い〉だ。Google Noseを紹介しよう。

Google Noseを使えば、あの妖物を捕まえることなくバラの香りを嗅ぐことができる。

ではどうやってGoogleの新しい嗅覚の探究に参加できるのか? 特別なハードウェアに大枚をはたく機会を得るためにGoogleに向かってツイートする必要すらない。あなたは適切なハードウェアをすでに〈持っている〉。好みの香り(濡れた犬でも、パチパチと燃えさかるキャンプファイヤーでも、ジムの臭いでも)をGoogleして、「嗅ぐ」ボタンをクリックして鼻を利かせるだけでいい。Googleは、「光子と可聴下音波を交差」させることによって要求された香りを模倣する。みなさん、これが〈科学〉だ。

すぐに感じられなければ、鼻を近づけて嗅ぎ続けること。Googleの他の多くの製品がそうであったように、これはベータ版なのでいつもうまくいくとは限らない(そして、これまでの多くのGoogle製品のように、たぶん2週間ほどで閉鎖されるだろう)。

[明日(米国時間4/1)になれば本誌にエイプリルフールのジョーク一覧が載るのは間違いないが(なにせ慣例なので)、こいつは早く届いた上に私を大笑いさせてくれたので、単独記事に値すると判断した。

加えて、私はこのおかげで、幽霊がいったいどんな臭いかを少なくとも5分間考えさせられた。]

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(翻訳:Nob Takahashi)


ハッピー世界バックアップデー! 今すぐバックアップを取ろう!

ハードディスクのバックアップは、自分にプレゼントした靴下の詰め合わせのようなものだ。その時は面白くも何ともないが、イザという時には〈最高のプレゼント〉になる。出かける直前になっていつもの靴下がない? よかった買っておいて。あなたのハードディスクは必ず壊れて過去3年間のデジタル生活を道連れにする。バックアップに感謝!

今日は第3回毎年恒例世界バックアップデーだ。世界バックアップデーは、2011年にRedditで始まった習慣で、以来世界中のテクノロジー愛好家の間に広まっている。

バックアップデーが今日であることの特別な意味は、イースターと重なることだ。つまり、「ちょっと失礼。バックアップしてくる!」と言ってハム料理ができるまでの面倒な家族との会話から逃がれることができる。あるいは、機械に弱い家族や親戚たちにバックアップの重要性を説くのもいいかもしれない。

そうそうもう一つ。明日はエイプリルフール。多分データにとって一番安全な日ではない。

では、どうやってバックアップを取るのがよいだろう。

もし簡単にすませたければ、大きな外付けハードディスクを買ってきて、OS標準のバックアップツールに仕事を任せて(Widowsでのバックアップと、OS XでTime Machineを使う方法はこちら)、終ったらディスクをどこかにしまっておく。離れた場所(信頼できる友達の家など)に置いておけば、火事や洪水の時にもデータは守られる。

もっとおしゃれに、オンラインでバックアップしたい人は、今日のテクノ・ホリデーのためにバックアップ界の大物何社かが特別価格で提供している。Crashplanは通常の年額71ドルを今日だけ42ドルにしているし、Backblazeは新規ユーザーに3ヵ月分無料で提供している。バックアップが必要なファイルがさほど多くなければ、Dropboxの2GBプランが賢実な選択だ。

ハードディスクは安い。失われたデータは安くない。今すぐ、ゴーだ!

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(翻訳:Nob Takahashi)


YouTube、過去8年間がコンテストだったことを発表。審査のため4月1日にサイトを閉鎖

残念なニュースがある。YouTubeが閉鎖される。

8年前にこのサービスが提供されて以来、YouTubeビデオにのめりこむあまり忘れていた人もいるだろうが、実はあのすべてはコンテストだった。いや、YouTube自身が競争だと言ったことはない。いずれにせよ、YouTubeという名の、あのコンテストは終りに近づいている。

歴代最高のYouTubeビデオを決めるために、同社は専門家による審査パネルを設定し、映画評論家、YouTubeの常連コメント人に加え、YouTubeの有名人、“Charlie bit my Finger”のChalieと、“Antoine Dodson News Blooper(オリジナル版)”のAntoine Dodsonらを迎えた。

YouTubeでは3万人以上の作業員が、過去8年間に投稿されたビデオの絞り込みに日夜励んでいる。審査員は次の10年をかけてどのビデオが最終勝者になるかを決定する。

明日の深夜零時、サイトは閉鎖され全コンテンツが削除される。YouTubeは2023年まで復活することはなく、再開時点でサイトにあるビデオはこのコンテストの勝者のみだ。とはいえ勝者は今後10年間は選ばれることはないが、審査風景の最初の12時間は、明日YouTubeのロサンゼルスオフィスからライブ中継される。

ゆっくりと着実に、とは言うものの、果たして2023年に人々はYouTubeを覚えているのだろうか。

幸い、審査の対象となる15万本の投稿ビデオは人気に基づいては選ばれるのではない。『カンナムスタイル』の勝つチャンスはこれと同じだ。

優勝者にはMP3プレーヤーと、次の創造的作品を生むための報奨金500ドルが渡される。

このニュースへの反応は興味深い。YouTubeはGoogleにとって最も成功し最も価値のある資産であり、誰もが簡単にビデオをオンライン共有するための世界の必需品だ。しかし、最近Googleは春の大掃除を実施し、Readerをはじめ数多くのサービスをラインアップから外した。

恐らくこれも、同社による商品整理の次の段階なのだろう。

あるいは、マウンテンビューには1日早くエイプリルフールがやってきたのかもしれない

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(翻訳:Nob Takahashi)


運転中の携帯端末操作、年齢を問わずに増加(悪化)中

運転中にテキストメッセージを送受信するのは、若者に特有の傾向だと思っている人が多いのではないだろうか。ティーンエイジャーたちは運転中にどのようなことに気をつけるべきかを知らず、無謀な行動をしそうに思える。また携帯端末を常にいじり続けているという印象もある。

しかし、AT&Tが資金を出した最近の調査によると、実のところ「大人」でもかなりの人がテキストメッセージのやり取りを行なっているそうだ。本調査は1,011名の「大人」を対象に行われた。

この調査によれば、成人の半数近くが運転中にテキストメッセージのやり取りを行なっていることがわかった。ティーンエイジャーについての調査では43%であったので、むしろ「大人」の方が多い率を示していることになる。さらに、運転中にメッセージのやり取りをしている「大人」の98%以上が、悪いことと知りつつ行なっているそうなのだ。

この調査はAT&TのIt Can Waitキャンペーンの一環として行われたものだ。昨年中にAT&Tの販売店や、CMなどでよく宣伝されているキャンペーンなのでご存知の方も多いだろう。キャンペーンでは、運転中にメッセージ送受信を行なって注意力散漫となってしまったせいで、障害を負ってしまったり、あるいは大事な人を失ってしまったりした経験を持つヤングアダルトやティーンの悲惨な話を紹介している。

全米安全評議会(NSC)によると、ティーンも運転中に携帯端末をいじっているが、数にすると「大人」のドライバーの方がはるかに多く(1千万人程度対1億8千万程度)、成人による不注意運転にも大いに気をつけるべきであるとしている。ちなみに疾病予防管理センター(CDC)によれば、毎日平均して9名ほどが、テキストメッセージの送受信に関わる事故で命を失っている。関連事故により、日々1,060人もの人が負傷してしまっているのだそうだ。

メッセージのやり取りを行うには端末を見ながら操作する必要があり、当然ながら気持ちも運転から離れてしまう。路上で最も危険な行為のひとつだと言えるだろう。集中しているときと比べて23倍も事故を起こしやすくなるというデータもある。

尚、現在のところ大きく問題となっているのはテキストメッセージのやり取りについてではあるが、運転中の注意力を散漫にする仕掛けはますます多く生まれつつあるのが現状であると言えよう。Googleグラスのことを思い起こす人もいるだろう。関連事故を防ぐための動きなども現実化しつつあるところでもある。「It Can Wait」をもう一度よく考えてみるべきだろう。

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(翻訳:Maeda, H)