サンフランシスコ市営鉄道(MUNI)をランサムウェアで脅迫した犯人が逆ハックされる

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「復讐は甘美だ」という言葉があるが、悪い奴が自業自得の目に合うのを見るのはもっと面白い。先週の土曜、サンフランシスコ市営鉄道(MUNI)をランサムウェアでハックした犯人は自分で掘ったサイバー落とし穴に転落したもようだ。

サイバーセキュリティーに詳しい記者、Brian Krebsによれば、あるセキュリティー専門家がMUNIのハッカーを逆ハックした。

これには身代金を要求するハッカーが送信してきたメールを手がかりに、知られているかぎりもっとも古いハッキング技法を使っただけだったという。

ハイジャックしたサンフランシスコ市営鉄道のファイルを元に戻すために100ビットコインを要求すべく、問題のハッカーはMUNIの駅の券売機のディスプレイすべてにこういうメッセージを貼り出した。

Contact for key (cryptom27@yandex.com) 〔復号化キーについてcryptom27@yandex.comに連絡〕

Krebsが情報を得た匿名のセキュリティー専門家はこのアドレスのパスワードを素早く探り当てた。「セキュリティーのための質問」で保護されていたがこれも弱いものだったという。専門家はcryptom27@yandex.comのパスワードを再設定し、予備のアドレスcryptom2016@yandex.comの「安全のために質問」(同じものだった)も変更した。

匿名の専門家によれば、MUNIハッカーはビットコインのウォレットについては頻繁に変更するという賞賛すべき用心をしていたが、メールのセキュリティーには同様の注意を払っていなかった。ハッカーのウォレットを調査したところでは、このハッカーの脅迫行為はMUNIが最初ではなかった。ウォレットにはなんと14万ドルを超えるビットコインがあり、おそらくは過去3ヶ月の間に油断していた被害者から搾り取った金だろうという。予備的調査の情報ではこのアドレスの住所はイランであり、一部のメモはファルシ語〔ペルシア語ともいう〕に翻訳されていたという。

MUNIのハックはこの犯人の通常の行動ではなかったらしい。KrebsonSecurityによれば、アメリカにおけるランサムウェアのターゲットは製造業、建設業の会社で、過半数は脅されるままにサーバー1台につき1ビットコイン程度の身代金を支払っていたという。【引用略】

Krebsが書いているとおり、ランサムウェアによっていわれなくビットコインをむしり取られないために(またその他の事故に備えて)、企業は頻繁にサーバーのデータをバックアップしておくことが必須だ。またこのハッカーが自分で落ちたような穴に落ちないために「安全のための質問」に個人情報を入れないことも重要だ。母親の旧姓、卒業した高校の名前、最初の勤め先などは皆危険だ。完全にランダムな文字列ではないいしても事実とは違う答えを書く方がよい。「正直は最良の政策」ということわざはここでは通用しない。

画像: Michael Fraley/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

BMW、ダイムラー、フォード、VWがヨーロッパに高速充電ネットワークを設置へ

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大手自動車メーカーによる新しいジョイントベンチャーが、ヨーロッパを電気自動車で走りやすくしようとしている。充電時間が従来より劇的に短くなる最大350 kWの容量をもつ充電ネットワークを構成する。参加するのはBMW、Daimler、Ford、およびVolkswagenで、高速充電ステーションの設置は2017年にスタートする。

設置場所はまずヨーロッパで400箇所を選び、2020年までに「数千箇所」に拡大する計画だ(参加メーカーの製品ラインにEVが増える時期と一致しているのは偶然ではない)。

充電ネットワークを支えるテクノロジーは、CCS(Combined Charging System)と呼ばれるもので、「コンボカプラー」というAC/DCを組み合わせたコネクターを使って最大350 kWの充電速度を実現する。この規格は、VW、BMW、Daimler、Fordの他、Hyundai、GM、およびFCAが採用している。

最近発売されたChevy BoltもCCSを使用している。この規格を管理しているCharging Interface Initiativeは、Audi、BMW、Daimler、VW等が設立したグループで、CCSを業界標準にするべく強く推進している。Teslaも今年の3月に同標準グループに参加し、CCS規格に対応するアダプターを開発中であることを2月に発表した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

メルカリ創業者の山田進太郎氏、日米5500万DLの躍進をTechCrunch Tokyoで語る

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11月17日、18日に、東京・渋谷で開催したTechCrunch Tokyo 2016。18日のキーノート・セッションでは、フリマアプリ「メルカリ」創業者でCEOの山田進太郎氏に、日米5500万ダウンロードを達成したメルカリの海外展開の取り組み、プロダクトへの姿勢について語ってもらった。聞き手はTechCrunch Japan編集長・西村賢。

躍進するメルカリの海外展開

今年3月に84億円の大型資金調達を果たし、未上場ながら評価額はビリオン(10億ドル)超、日本発のユニコーン企業として注目を集めるメルカリ。この週、11月15日にメルカリでは決算公告を発表していた。既に2015年末時点で黒字化、2016年3月時点で月間の流通総額100億円以上を達成していたメルカリ。2016年6月期の決算では、売上高は122億5600万円と前期の約3倍となり、営業利益は32億8600万円で、2013年創業から4期にして黒字化、大きな話題となった。

発表された決算の数字の中でも興味深いのは、90%を超える高い粗利率。山田氏は「原価のほとんどが人件費」と言う。「日本で300人ぐらいの人員がいて、海外でも結構増えています。」(山田氏)

山田氏はしかし、この超優良な決算公告の数字を「まだ日本単体で、海外や子会社の数字は含まれていない。(世界)全体として見たらまだまだ投資している(モードだ)」と控えめに評価する。「国内でも伸びしろはあるが、次の桁を変えるには海外へ出て行かなければいけない。開発リソースは9割、米国に割いている。最悪、日本を落としてでも、米国市場を取っていく」(山田氏)

なぜ米国にこだわるのか。タイや台湾などは、日本と文化的にも親和性が高いし、インドネシアであれば多くの人口を狙っていけるが、東南アジアではいけないのか。この質問に「米国市場は大きい。ミッションである”世界的なマーケットプレイスを創る”ためには、米国でサービスが使われていないといけない」と山田氏は話す。

「個人的には、世界のいろんな人にサービスを便利に使ってもらうことで、大きく言えば人類への貢献ができるんじゃないかと考えている。そのために会社を作ったんだし、そこ(世界へのサービス展開)をやっていく」(山田氏)

「実は最初(に起業した時)から、(世界への展開に対する)意識はあった」という山田氏は、ウノウのZyngaへの売却と、Zynga Japanへの参加についても「グローバルなインパクトを出すことができると考えたから。Facebookで強かったZyngaはユーザーが全世界に3億人以上いて魅力があった」と言う。

今年だけでも84億円の調達を実施し、株式市場への上場も視野に入っているはずのメルカリだが、これまでのところ、上場は選択していない。海外展開に当たって、海外市場への上場などは検討しているのだろうか。「いろんなオプションを探っているところだ。いつIPOするかも含めて、まだ何も決まっていない。会社が大きくなっていけば、社会責任を果たすこと、社会の公器になることは必要だと思うけれども、まだタイミングではないですね」(山田氏)

そのタイミングとは。山田氏は「米国でのサービスは伸びているが、もっともっと成功しなければ。米欧で成功できれば、いろんな国で継続的に成功していく方法論が確立するのでは、と思っている。今のところ、どうやって米国で成功するかに集中している。その後、日米欧3拠点でどうやって開発していくのか、コミュニケーションをどう取っていくのか、多拠点での事業の進め方も考えなければならない。まだ、事業計画を出して(ワールドワイドで)継続的に成長していくという段階ではない」と堅実に事業を進めていく考えを示す。

プロダクトの差別化は少しずつの改善の積み重ね

アプリケーションとしてのメルカリは、2016年8月時点で、日本で3500万ダウンロードを達成している。メルカリの日本での今後の見通しについて、山田氏は「減速の予見はない。流通額も伸びている」と話す。「PC時代やガラケー時代に比べると、スマホ時代はユーザーが多い。LINEなんかもMAU(月間アクティブユーザー数)が国内で6000万ぐらいある。一家に1台だったPCと比べると、ひとり1台に普及していることが大きい」(山田氏)

米国でも、2000万ダウンロードを2016年9月に達成。ダウンロード数の推移を見ると、この夏、急速に伸びていることが見て取れる。

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「この伸びは、CMなど特別なプロモーションを打ったわけではなくて、インスタグラマーやSnapchatユーザーが“メルカリはいいよ”と投稿を始めて、そこから招待コード制度で拡散したことが理由。App StoreやGoogle Playのランキングに載ったことで、さらに加速した」(山田氏)

現在の米国の状況については「一時よりは落ち着いたが、ベースが上がっている感じ。招待コードキャンペーンは続けている。インフルエンサーにお金をかけるプロモーションは行っていない。ただ、あらゆる機能改善を米国にフォーカスして、1年ぐらい続けてやってきていて、それが広がる下地となった」と山田氏は話している。

この施策が当たった!というものはなく、少しずつの積み重ねが、米国でのDL数増に功を奏したと言う山田氏。「GoogleでもSnapchatでも、エンジニア中心の小さなチームが無数にあって、それぞれが改善を続けている。Facebookで動画が急にきれいに見えるようになったりしたのも、そうした結果。みんな、ちょっとずつそういう改善を続けて、Facebookの場合なら友だちが増えたり投稿が増えたりしていって、今や誰も追いつけないくらいの機能とユーザー数になっている。メルカリにとっても、1%の改善をどれだけ繰り返せるか、ということをやり続けることが強みになっている」(山田氏)

開発には現在100人ぐらいが関わっているが、役割を固定せず、流動性を大きくしている、と言う山田氏。「A/Bテストができる基盤は作ってあるので、各チームの中で自由に『こういうことしたら、いいんじゃない?』と(機能の調整を)やってます」(山田氏)

「Facebookなんかだと、少しずつ違う機能や見た目が部分的に反映された、何万というABテストが(同時に)走っている。メルカリでも数十本は走ってる。米国版ではテストが特に多い。(米国版の機能で)日本だと受け入れられるかどうか、というものは日本でもテストしているので、パターンは膨大にある」(山田氏)

アプリの機能以外のサービス面でも、米国ではトライアルが続いている。手数料の導入はサービス面での大きな変更だ。「米国でも新規の出品者に10%の手数料を導入したところ。まだ結果は分からない。来週からは出品者全体で手数料を始めるので、勝負どころになります」(山田氏)

山田氏は、米国でも日本でも、今までのウェブサービスの普及パターンと違う動きが見えると言う。「LINEなどもそうかもしれないが、日本だと、ユーザー数でいえば東京は多いんだけれども、地方ユーザーでも若くて子どものいるお母さんみたいな層から火が付いた。米国の場合もこれまでは東西海岸の都市部が普及の中心だった。それがメルカリでは、カリフォルニアは確かにユーザー数は一番多いけれども、その後はテキサス、フロリダと続いていって、普通の人が使っている印象。両海岸から広がっているのは今までと同じだが、広がるスピードが早くなっている。スマホ時代になって、時間×量という意味では、地方に住んでいる可処分時間が多い人がサービスを使うようになった。ユーザー数と時間・量の全体で見たときに、総時間では都市も地方も同じになっているのではないか」(山田氏)

メルカリ特有の“文化”について

「取り置き」「○○さん専用ページ」「確認用ページ」……。メルカリにはアプリ独自で、利用規約やシステムとは連動していないユーザーによる“私設ルール”がたくさんある。これらの“メルカリ文化”ともいうべきルールについても、山田氏に聞いてみた。

photo03「本来はシステムや機能で解決すべきだとは思います。Twitterの返信で使われている“@”なんかも、元々はユーザーが勝手に使い始めた運用をシステムで取り入れた例。ユーザーの使われ方によって、機能を取り入れられるのが良いとは思う。メルカリでもやりたいんですが、優先順位の問題で取り入れられていないですね。米国にフォーカスして(開発を)やっているので、日本でやったらいいな、ということがなかなかできていない。それは申し訳ないけど、これから要望に応えていく部分もあるので……」(山田氏)

日本だけにフォーカスした機能は、ローカライズが進みすぎるので避けたい、とも山田氏は言う。「バランスを取っていかなければ。シンプルで誰が見ても使える、というものをユニバーサルに作っていきます。会社全体、経営陣として、全世界に必要な機能は議論(して検討)する。それが日本ローカルな機能なら、優先順位は低くなる」(山田氏)

またeBayなどのオークションサービスでは価格が安定しているのに対し、メルカリでは出品物の価格のばらつきが大きく、状態もさまざまだ。このことについては「オークションでは、モノに適正な値段を付けるというところがある。でも(メルカリの場合は)価格だけじゃない。同じ物でもコンビニはスーパーより高く売っているけれども、それはその分便利という価値がある、ということ。メルカリならすぐに買える、店にないものがある、という購入者の感情と、自分はいらないから誰かに使ってもらいたい、という出品者の感情をうまくつなげている。中には、タダでもいいから、もったいないから使ってほしいという出品もある。その気持ちに経済的価値があるんです」と山田氏は話す。

山田氏は、ポイントの存在も購入行動に影響を及ぼしていると見る。「アマゾンより高い出品もあるのに、なんで売れるのかというと、ユーザーが別の出品で売上を持っていて、ポイントなんかを使う感覚なのではないか。売上を引き出してアマゾンで買えばいいんだけど、それだと手間と時間がかかるので、利便性を取っているのではないかと思う」(山田氏)

メルカリの日本での利用の伸びについては、こうも話している。「昔は日本でも道ばたでモノを売るような世界があったし、新興国では今でもまだそういう売買のシーンがある。それが単純にオンラインで仕組み化されたことで、復活してきているということではないか」(山田氏)

メルカリでは、企業ではなく個人ユーザー同士によるCtoCのフリマにこだわっている。運営側が常に見てくれていて、ヤフオクなどと比べると気を遣ってくれている感じ、安心感がユーザーにあるのではないだろうか。だがここへ来て、業者ではないかと思われるユーザーも出てきているようにも見える。ユーザーのサポートやケアについて、山田氏はどう考えているのか。

「メルカリはできる限り、自由な場であってほしい。(先日Twitterなどで話題になった)お子さんが仮面ライダーカードを買うために、お母さんが子どもの拾ってきたドングリをメルカリに出品したケースのように、何でもやり取りしてもらえれば、と思う。規制していたら、ドングリみたいな新しいものは生まれないです」(山田氏)

一方で取引のトラブルや、悪い出品者・購入者に当たったというケースもある、と山田氏は続ける。「そこでメルカリに問い合わせをすれば、解決してくれる、という安心感があれば、場が健全に保たれる。商品が送られてこなかった、という時でも、すぐにお金を返してくれた、となれば、『今回はたまたま悪い取引に当たっただけで、メルカリ自体はいいところだ』と思ってくれるでしょう」(山田氏)

「こういう出費は5年先、10年先を考えたら回収できる」と山田氏。「長期的に使ってくれて、何十年も続いていけるサービスにしたいと思って、そういうカスタマーサポートをやってます。今はエンジニアとカスタマーサポートにお金をかけている」(山田氏)

日本発ユニコーン企業の先駆者として

日本人メジャーリーガーとして活躍し、イチローや松井秀喜のメジャーリーグ入りに先鞭をつけた、投手・野茂英雄。彼を例えに、山田氏に米国での躍進と、後進への思いについて聞いたところ、その返事は意外なほど慎ましいものだった。

「誰かが(アメリカへ)行って通用すると分かれば、フォロワーが出る。先駆者がいれば後も変わっていくと思っているので、何とかして成功したいとは思っている。だが、そこまで余裕があるわけじゃないんです。自分たちが何とかしなければ、という危機感は社内にも強い。2000万ダウンロードで順風満帆、人材も潤沢で完成されているように見えるかもしれないけれども、実際は大変。日本のプロダクトも改善は足りないし、相当の危機感がある」(山田氏)

好調決算についても「日本単体での数字で、それもアメリカへの投資に使っているわけだし、まだまだ」とさらなる成長を追求する姿勢だ。

さらに競合に関する質問では「プロダクトで勝つしかないので、競合という視点はないんです。プロモーションなどでお金をかけることはできるが、結局いかにいいものにし続けられるかが大事」と山田氏は語る。そのプロモーションについては、メルカリではTV CMに大きく費用を投下しているという。「米国でもCMのテストを行っている。まだ結果は分からないが、分析を続けて、あらゆるチャレンジをしている」(山田氏)

最後に、起業家志望の方に向けて、山田氏からメッセージを伺った。「僕も必死でやっているところだけれど。海外へ出て、何かを作って、便利に使ってもらうことはとても価値があること。一緒に頑張っていきましょう」と山田氏。学生起業を目指す人にはこう語った。「僕が1990年代後半の楽天に内定して働いていた頃は、毎月のように人が増えていて高揚感があった。それが起業家としての原体験にもなっていて、そのころの雰囲気をメルカリでいかに再現するかが指標にもなっている。だから伸び盛りの会社に一度行ってみるのもいいと思う。ただ、やりたいことがもうハッキリしているなら、早くやればいいと思うよ」(山田氏)

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日本のSoracomがSIMカードとサービスを世界にローンチ―IoTサービスの展開が簡単になる

One of Soracom's case studies is Farmnote, "a solution that involves attaching a sensor to heads of cattle and polling data on their activity."

Soracomnのケーススタディーの一つ、FarmnoteはIoTセンサーを家畜の頭部に取り付けて活動データを収集する。

来るべきIoT(Internet of Things)時代の課題の一つは、少なくともアメリカでの困難はモバイルデータの量が少なく、収集コストも高くつきがちな点だ。Twilioは今年に入って、これを改良していくと発表している。一方、日本のスタートアップ、SoracomはIoTの採用を簡単にするすべての産業分野で利用できるソリューションをリリースした。

Soracomの課金体系〔 英語版日本語版〕はやや複雑だが、帯域幅を最小に、アプリケーションの効率を最大にすべく最適化されたいくつかのプランが用意されている。同社のSIMカードは1枚5ドル、プラス1.8ドル/月(正確には0.06ドル/日だ)の利用料金となっている。注文ロットは1枚から1000枚だ。またSoracomhがIoTアプリ向けプランも数多く提供している。

SIMカードはグローバルでの使用を前提としているため、地域によって料金はメガバイトあたり0.08ドルから2.0ドルと幅がある。アメリカ、ヨーロッパ、中国の大部分の地域は最安区分だ。

Soracom's global data SIM cards are perfect for roaming Internet of Things applications.

Soracomのグローバル・データSIMカードはIoTアプリのろーミングに最適。

「アメリカでセキュリティーを確保しながらスケーラブルなIoTサービスを実施したい場合、われわれのクラウド・ファーストというアプローチはエンタープライズ、スタートアップのどちらにも適切な体験を提供できする」と
SoracomのCEO、共同ファウンダーの玉川憲氏は言う。

同社がローンチしたプロダクトにはSoracom Air(スタートアップ、エンタープライズ双方のIoTが対象)、Soracom Beam(コンピューティング処理をクラウドに移すことによってIoTデバイスの電力消費を押さえるサービス)、Soracom
Canal(ネットに接続されたデバイスとAWSプライベート・クラウド・サービスの間を接続しセキュリティの高いコミュニケーションを提供するVPNサービス)などがある。

訂正 – この記事の最初のバージョンではSIMカードの価格をもっと高く書いていた。 上の記事内の金額は訂正済み。

〔日本版〕SoracomについてはTechCrunch Japanでこの7月に詳しく紹介している

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

実世界測定スタートアップPlacemeter代表が語る、創業ストーリーと国外で事業を伸ばす秘訣

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Webサイトやアプリの世界では自社のページに訪れた人数を数え、属性や行動を分析し、より高い成果を獲得するために最適化するという一連のプロセスは当たり前のように行われてきた。

ここ数年、センサーが取得できるデータの精度が向上しディープラーニングに代表される画像認識技術が進歩したことで、道路や広場、施設内など「実世界」での出来事を定量化するプレイヤーが世に出始めている。

店内に設置された監視カメラのデータを元に店舗オペレーションを分析、最適化できるスタートアップとして日本ではAbejaが有名だが、11月17〜18日に東京・渋谷で開催された「TechCrunch Tokyo 2016」ではリアルタイムの映像解析技術を持つNY拠点のスタートアップ、PlacemeterのCEO Alexandre Winter氏が登壇し現状を語った。

きっかけはうんざりするハンバーガー屋の待ち行列

「世界で1番美味しいと評判のNYのハンバーガー屋に初めて行ったとき、1時間以上行列で待たされてヘトヘトになりました。ようやく入れた店内でWebカメラを見つけたとき、コンピュータビジョンの技術で待ち時間を予想できるのではないかと思ったのです」とAlex氏はPlacemeterの原型となったアイディアを語る。

創業したスタートアップのイグジット経験を持つAlex氏だが、その後シードアクセラレータであるTechstarsに参加し急速に事業を伸ばす。「軽い気持ちで応募したら受かってしまいました。アクセラレーターに参加する必要はないと思っていたのですが、初日に言われた『ここで過ごす3ヶ月間は2年分の仕事に相当する』という言葉が実際にその通りで、劇的に会社を変えることができました」。

アジャイルな都市開発計画

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今では街中の監視カメラや自前のセンサーデバイスが取得したデータで屋内外の人数をカウントし性別を特定したり、人間だけでなく車両やバイクの動線を分析することで、企業向けのビジネスに留まらず都市計画にもサービスが活用されているという。パリで行われている都市計画プロジェクト「The Paris Smart City 2020」では広場の再開発を行うためPlacemeterで人々の動線データ取得・分析を行っている。

「都市計画では一回建てると長い期間変えることはできません。パリでは有名な7つの広場の再開発を行っています。1つの広場では従来の方法で施策を立てて実行しましたが、結果的に利便性が向上せず市民からのクレームが多かったと聞いています。そのためナシオン広場はアジャイル型の全く新しい開発プロセスを導入したのです」。19台のカメラを広場に設置し、どの程度人の行き来がある場所なのかを測定。実験的にフェンスを立てて人や車の流れを変えるパターンを複数試し、最適な動線になるよう広場の設計を行っているという。

国外で成功する事業開発の勘所と日本市場の魅力

日本で法人向けのビジネスを行う場合、導入実績をセールストークに次の案件を獲得していくケースが一般的な手法だが、それは海外でも変わらないようだ。「新しい市場では最初の案件をまず勝ち取る。そしてそれをレファレンスとしてさらに拡大することが重要です」。Alex氏によると、特にアメリカで事業を行う場合はとりわけ人からの紹介が重要だという。

Placemeterは新しい国に参入する場合、技術的なチューニングはもちろん、システムのインテグレーションを行う現地のパートナーと共同で事業を行う場合が多い。日本市場は過小評価されることが多いが、日本を入り口にすることでアジアに展開できることを考えると魅力的な市場であるという。日本は2020年に向けたオリンピックに向けた観光含めた多額の投資を行っており、施策を効果測定する手段としてぜひ自社の技術を活用して欲しいと語った。

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翻訳サービスから東大門市場のファッションアプリまでーー韓国の有望なスタートアップ8社を紹介

日本から韓国まで飛行機で3時間もかからないが、すぐ隣の国のスタートアップについて知る機会は案外少ない。11月28日、韓国のスタートアップ支援を行う官民ネットワークStartup Alliance Koreaと日本のベンチャーキャピタル、グローバルブレインは韓国スタートアップのピッチイベントを共催し、勢いのある韓国スタートアップ8社が登壇した。

ブロックチェーンやVRといった全世界的に注目が集まっている分野のスタートアップがある一方で、韓国の東大門市場のファッションを扱うショッピングアプリなど韓国独自のビジネスを活かすスタートアップもあった。この記事では登壇した8社の概要を紹介したい。

Flitto:翻訳プラットフォーム

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Flittoはクラウドソース翻訳とプロによる専門翻訳を提供するプラットフォームを提供している。Flittoの主な顧客は、観光客向けに案内やメニューを多言語化したいと考える観光スポットや美術館、レストランなどだ。立て看板などを翻訳したい施設は、Flittoのアプリで看板を撮影し、翻訳を発注する。Flittoは画像の情報と訳文を保存しているため、以降施設を訪れた観光客はFlittoのアプリで看板を撮影すると、すぐに訳文を得ることができる。Flittoは観光客が撮影した文字をOCRで読み取って随時翻訳するのではなく、画像解析と位置情報に基づいて以前に翻訳した訳文を取得しているのだ。

クラウドソース型翻訳サービスは海外にも国内にも複数あり、さらにはGoogle翻訳などの機械翻訳も競合になりうるだろう。ただFlittoは翻訳会社ではなく、言語データの会社であるという。Flittoは翻訳時に得た翻訳言語データを収集し、自動翻訳や辞書を作成する会社に販売しているという。

SCATTERLAB:心理学と人工知能を用いた恋愛コンテンツ

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ネットには様々な恋愛コンテンツがあるが、その多くは個人の経験や見解によるものが多い。SCATTERLABは、心理学の論文に基づいた科学的な恋愛アドバイスを「恋愛の科学」ウェブサイトとアプリを通じて提供している。

2016年6月にアプリをローンチし、現在までに25万ダウンロードを達成した。アプリでは、例えばLINEでの恋人同士の会話を分析して相性診断をするテストなども用意している。有料テストの売上は好調で、1ヶ月の売り上げは2~300万円になるという。「恋愛の科学」の日本語版ウェブサイトは今年8月にベータローンチした。2017年初旬にも日本版iOSとAndroidアプリをローンチする予定だ。

10PING:モバイルネイティブな広告ネットワーク

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10PINGのユーザーは、広告主のコンテンツを広めることで収益を得ることができる。まずユーザーは広告主が広めたいコンテンツの一覧から得意なコンテンツを選び、口コミやコメントとともにFacebookやLINEといったSNSに投稿する。投稿を見た友人や他のユーザーがコンテンツをクリックし、5秒以上コンテンツを閲覧すると、広告主に200ウォン(約20円)が課金される。その内およそ半分がコンテンツを投稿したユーザーに支払われる仕組みだ。

10PINGではクリック型、アプリダウンロード型、連絡先取得型などの広告形式を提供している。投稿したコンテンツには法規制に準拠し、「この広告により収益が発生する」などの文言が明記されている。2015年7月にサービスをローンチしたばかりだが、2016年の年間売上は20億ウォン(約2億円)を見込んでいるという。

HUM ON:ハミングで楽曲制作

Appleが提供するGarageBandなど、音楽を作るためのアプリはいくつかあるが、扱うには音楽の知識や楽器の演奏技術が必要なものだ。COOLJAMMが開発するアプリ「HUM ON」は、独自の楽譜生成アルゴリズムで鼻歌やハミングを楽譜に変換することができる。また、バラード、R&B、ロックなどのジャンルを選ぶと、メロディーに最適な伴奏をつけることができる。

2016年5月にAndroidアプリをローンチし、現在までに9万ダウンロードを達成した。MAUは2万5000人ほどだそうだ。現在SNSで簡単に曲をシェアできる機能の開発を行っているという。2017年2月にはiOS版のローンチを予定している。

MOIN:海外送金を効率的に


海外で学ぶ子供のために送金する場合、両親は銀行に出向いて送金手続きをしなければならない。銀行を介した海外送金では、送金から入金まで1週間ほどかかる場合もあり、手数料も送金額の5%から10%と高額だ。モインはブロックチェーンに基づいたシステムで、1時間から24時間以内での送金を実現する。また、手数料も通常の50%から80%に抑えることが可能だ。

現在はウェブサービスのみだが、来月にはモバイルアプリをローンチする予定だという。今後は中国、東南アジアを始めアジア全域にサービスを広めたい考えだ。

Lollicam:動画セルフィーアプリ

SEERSLABはシリコンバレーのアクセラレータープログラムY Combinator、2016年夏季バッチの卒業生だ。彼らは動画のセルフィーアプリLollicamを提供している。Lollicamの特徴は動画を撮影しながらリアルタイムでアニメーション、スタンプ、特殊効果、BGMを加えることができる点だ。

Lollicamは、動画セルフィーをプロモーションの一環に取り入れたい企業との提携も進んでいる。例えば、ディズニーとは映画ズートピアやファインディング・ドリーのアニメーションフィルターを提供している。2015年の夏にアプリをローンチし、現在このアプリで毎日270万の動画クリップが作成されているそうだ。現在までの累計600万ダウンロードを達成し、年末までに1000万ダウンロードを目指すという。

POLARIANT:照度センサーで位置を検出するVR用モーションコントローラー

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POLARIANTはモバイルVR用のモーションコントローラーPolを開発している。POLARIANTが目指すのは、ケーブル接続の必要がなく、誰でも利用しやすいモバイルVRの利用環境を整えることだ。Oculusにもモーションコントローラーがあるがコントローラーだけでも比較的高額で、使用するのにPCの処理容量を多く使う。Polは偏光フィルムと照度センサーを搭載し、偏光LED照明を基準に3次元の位置を割り出している。測定結果はBluetooth経由でモバイルに送られるが、この時の処理のモバイルプロセッサーの占有率はわずか1%だという。Polのモーションコントローラーは2017年に発売予定で、価格は50ドルほどだそうだ。

ZIGZAG:東大門市場のファッションアイテムが購入できる

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Croquisが提供するZIGZAGは、若い女性向けにノーブランドのファッションアイテムを揃えるショッピングアプリだ。韓国の東大門市場はファッションアイテムの卸売と小売の両方を行う市場だが、ZIGZAGには東大門市場のショップが2000以上登録している。アプリには毎日1万点以上の新商品が登録され、月間の取引額は200億ウォン(約20億円)になるという。

東大門市場の競争は激しく、アプリでは最新のトレンドの商品を低価格で手に入れることができるという。今後は、日本でのパートナーを探し、日本市場に商品販売を行うことを視野に入れているそうだ。

任天堂、日米のユニバーサル・スタジオにマリオ・ワールドを作る〔ビデオあり〕

任天堂はファンがゲームの世界を実際に体験できるアトラクションを開発中だ。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、ユニバーサル・スタジオ・オーランドとユニバーサル・スタジオ・ハリウッドに作られるマリオの世界ではVRヘッドセットは必要ない。

任天堂とユニバーサル・スタジオが提携して建設する新しいアトラクションに関して任天堂の宮本茂氏とユニバーサル・クリエーティブのプレジデント、マーク・ウッドベリは「ファンが現実に体験できるワールド」だと表現している。

この任天堂パークの詳細についてはまだ具体的な情報はほとんどない。しかしウッドベリは上にエンベッドしたビデオで「われわれは任天堂の世界そのものを創ろうとしている」と語っている。この「任天堂の世界に入り、目の当たりにしたとき、まるでゲームの中にいるような感覚が味わえる」という。宮本氏は「マリオの世界を本当に実際の形にした部分があるので〔マリオも〕家に帰ってきたような気がするんじゃないですか」と語っている。

3箇所の任天堂「ワールド」はアトラクションの他にグッズのショップ、レストランも併設される。完成するのは数年以内だという。今後少しずつ詳細が明らかになりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ビデオのTwilioを目指すSynqが高度なビデオAPIを提供、既存のビデオプラットホームに不満なデベロッパーにも

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あなたがこれから作るアプリには、ユーザーがビデオをアップロードしたり、保存したり、再生する機能が必要だ。しかしビデオコンテンツの管理システムを自分で作るのも、既存のシステムのライセンスを買うのも、ちょっとたいへんすぎる。そんなときは、Synqに第三のオプションがある。同社は、“デベロッパーのためのビデオAPI”をクラウドから提供するサービスを、今日(米国時間11/29)立ち上げた。ビデオのための完全なインフラストラクチャを、ワンセットで提供することをねらっている。

特殊なニーズがないかぎり、デベロッパーが自分で作らずに済むための、補助的機能のサービスは、今やいろいろある。電話機能ならTwilioだし、支払い決済はStripeやPayPal、Squareなどを使える。アプリ内のアナリティクスともなると、APIプロバイダーは枚挙に暇(いとま)がない

同社は自分のことを、ビデオのためのTwilioだ、と言う。今ではTwilioにもビデオはあるけど、でもそれは、Synqが考えているようなのとは、違う。

デベロッパーが自分のアプリにビデオを容易に実装できるようにする

SynqのCEOでファウンダーのStian Haugeは、デベロッパーが自分のアプリケーションの中でビデオを使うのが難しすぎる、と嘆き、“ビデオってヘンなやつだからね”、と言う。“だからうちのプラットホームは、デベロッパーが今相手にしている既存のインフラストラクチャが何であっても、その上で高度なビデオ機能を実装できるための、十分な柔軟性を提供する。またそれと同時に彼らが、ARやVR、機械学習などにも取り組めるようにしていく”、とサービスの概要と抱負を語る。

そのプロダクトには複数のコンテンツ・デリバリ・ネットワーク(CDN)が含まれ、Haugeは、ビデオのデリバリのスピードと料金ではAkamaiやCloudFrontなどとも十分競合できる、と言う。

でも、VimeoBrightcoveKalturaのようなプラットホームが今やたくさんあるから、それらを利用する方が簡単では?

“たしかに既存のビデオプラットホームはストレージとトランスコードと配布は面倒見てくれる”、とHaugeも認める。しかしアプリケーションが必要とするビデオ機能が、それだけでは済まない場合も多い。“たとえば彼らには、十分なカスタマイズの機能がない。データ構造にも柔軟性がない。標準的なワークフローと限定的なAPIを提供しているだけだ”。

“Synqは逆に、デベロッパーがやりたいことをあくまでも優先する。だからうちのAPIなら、プログラマブルなクェリやWebhookも実装できる”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Uberがバックグラウンドで乗客の位置情報の収集を開始した

FILE - In this Dec. 16, 2015 file photo a man leaves the headquarters of Uber in San Francisco. Uber and advocates for the blind have reached a lawsuit settlement in which the ride-hailing company agrees to require that existing and new drivers confirm they understand their legal obligations to transport riders with guide dogs or other service animals. The National Federation of the Blind said Saturday, April 30, 2016, that Uber will also remove a driver from the platform after a single complaint if it determines the driver knowingly denied a person with a disability a ride because the person was traveling with a service animal. (AP Photo/Eric Risberg, File)

あなたはダウンタウン高層ビルでの予約したセラピーに向かっている途中だと想像して欲しい。あなたはUberを呼び、セラピーの前に軽食でも取ろうと、目的地近くのコーヒーショップを行き先として入力する。車の中では、Instagramを眺めたり、メールをチェックしたり。車を降りて、コーヒーを買って、角を曲がればセラピストのオフィスだ。

もしアプリの最新アップデートを行っていたなら、Uberはこれらの位置情報の全てを追跡していたことになる。

アプリのアップデート(確かめたい人のために:バージョン3.222.4だ)によって、Uberはユーザーからの位置データの収集方法を変更した。以前は、ユーザーがアプリを開いている間(フォアグラウンドの間)だけ、Uberは位置情報を収集していたが、今やUberはユーザーに、その位置を常に会社と共有するように求めてくる。

Uberによれば、アプリが携帯電話のバックグラウンドで実行されている間、位置を絶えず収集することは可能ではあるものの、その機能は使用しないということだ。その代わりに、Uberは、サービスを改善するために位置データがもう少しだけ必要で、デバイスレベルの権限の都合から、一定のアクセスを求めなければならないのだと主張している。

具体的には、Uberは乗客が乗車を要求した瞬間から、運転手が乗客を降ろしてから5分後まで、その位置を追跡したいと考えている。たとえアプリが携帯電話でフォアグラウンド状態でなくてもだ。以前なら、Uberは、乗車中の乗客のバックグラウンド状態での位置や、降車後の位置を集めたりはしていなかった。

同社はこの情報を降車時と乗車時のサービスを改善するために利用する、そこはずっとUberや他の配車サービスが苦慮している点なのだ。乗客と運転手がコンタクトをとる最も多い理由は、アプリケーションが正確な場所を提供していない場合にコミュニケーションをとるためである。そしてUberはこうした乗車時の混乱を減らしたいと思っているのだ。

Uberははまた、乗客が降車後どれくらい頻繁に通りを直接横断しているのかを追跡したいと思っている、こちらは安全上の問題を示していると同社が考えているからだ。乗客は目的地に達するために道路を横切らなくても良かったはずだ、と広報担当者は説明する。降車後にユーザーを追跡することで、ドライバーが危険な場所に乗客を降ろしたかどうかを判定するのに役立つのだ。

「ETA(到着予測時刻)をより正確にし、特定の通りにおける最適なピックアップ位置を特定することで、私たちはお客さまの体験を向上させる方法を常に考えています、位置情報はUberの経験の中心であり、乗客の皆さまに、これらの目標を達成するための情報提供を求めているのです」とUber広報担当者は述べている。

バックグラウンドでの位置データの新しい収集は、乗客にとっては驚くようなものかもしれないが、Uberは昨年この変更のための基礎固めを行っている。同社は昨年の夏にプライバシーポリシーを更新して、バックグラウンドの位置情報収集を可能にしたために、プライバシーグループからの反発と、連邦取引委員会(FTC)への訴状を受けている

Uberはバックグラウンド位置データによって「新しい有益な機能を提供できる。例えばユーザーがアプリを開いた際により早く立ち上がる(現在はアプリを開いてから周辺の乗車可能な車が表示されるまでには遅れがある、これはアプリが現在地を特定しようとしているからだ)」とその時に語っている。最新のアプリのアップデートにより、Uberはついに昨年のプライバシーポリシーの変更を活かしたことになる。

Uberに対する訴状をFTCに提出した電子プライバシー情報センター(The Electronic Privacy Information Cente)は、提案されたバックグラウンド位置情報収集を「違法で欺瞞的な商取引」と呼んでいる。しかし、Uberはバックグラウンドの位置収集を開始する前にユーザーの同意を得ており、また乗客がGPSの許可を求められる際に変更点を説明するページへのリンクを示していると主張しいている。

1月にニューヨーク州検察局は、プライバシー・グループが提起した問題のいくつかを取り上げ、Uberとの和解に達した。合意事項として、Uberはユーザーの位置情報を暗号化(携帯電話から、及びUberのサーバー同士での送信時)することが求められ、同社によって保存されるGPSデータは多要素認証で保護されなければならいことになった。

しかし、乗客の中には、Uberの車を降りた後や、バックグラウンドでアプリが起動している間に、位置情報を追跡されることを不快に思う人もいるかもしれない。 Uberと余計な位置情報を共有したくない人は、携帯電話の設定で位置情報共有をオフにすることができる。その場合、続けるためにはUberが場所を知る必要がある、といった告知が表示されるものの、ピックアップのための住所は手入力で行うことができる。

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(翻訳:Sako)

仕事の未来へようこそ

Marty Linn, General Motors manager of advanced technology and principal engineer for robotics, shakes hands with Robonaut 2 (R2), a humanoid robot developed by GM and NASA during a nine-year collaboration that also led to development of the RoboGlove, an exo-muscular device that enhances strength and grip through leading-edge sensors, actuators and tendons that are comparable to the nerves, muscles and tendons in a human hand. GM is licensing the RoboGlove intellectual property to Bioservo Technologies AB, a Swedish medical technologies company that will combine RoboGlove with its owner patented SEM glove technology.

【編集部注】著者のBrooks RainwaterはNational League of Cities(全国都市同盟)のシティソリューションおよび応用研究センターのディレクター 。共著者のNicole DuPuisはNational League of Cities(全国都市同盟)のシティソリューションおよび応用研究センターのインフラ担当シニアアソシエイトである。

情報技術、ロボット工学、人工知能の進歩が急速に進展する中で、現在労働力の転換が起こり、それが続いている。既に私たちが気が付いているように、現在の傾向が労働力の変化を不可逆的に加速させるときに、答えられなければならない疑問は、利益を広く共有し困難を和らげるためには私たちは何をすればよいのだろうか、というものである。

都市はしばしば、新技術が大量採用される際のトレンドサイクルをリードする。私たちは、新技術による失業が、新技術による革新と同じくらい古い話題であることを知っている。しかしながら米国の都市は、テクノロジーの成熟がローカル経済の全て、全ての労働者、そして全ての職業に多大な影響を与える時代に突入しているのだ。

自動化は技術革新の繁栄を支え、ビジネスにコストダウンをもたらすが、既存の仕事も変えてしまう。過去数十年にわたり、労働力の要素はますます自動化されるようになってきている。

最近は、食品サービスから工場のフロア、その他に至るまで、沢山の例を見ることができる。例えばEatsa人間とのやりとりが全く不要の新しいファーストフードレストランだ。客はタブレットを経由して注文し、用意された食品を壁に設置されたガラス棚から受け取るのだ。

Amazonのフルフィルメント・ウェアハウスではRobo-Stowを採用している。大きな在庫を動かす6トンのロボットアームと、Kiva Systemsが製造した箱移動ロボットたちが働いている。Kivaの導入以来、何かを見つけて箱に詰め出荷するまでの平均時間は1時間半から15分に短縮された。Amazonはまたその新しい Amazon Robotics部門を通して、自動化されたドローンと人工知能に多大な投資を行っている。

こうした初期の例は、エキサイティングなものではあるが私たちが失うものが自動化される仕事以上のものであることも明らかにした。多くの場合、企業は効率性の恩恵を受ける一方で、多くの消費者が依然として必要としている個人的な人間関係を失う可能性があるのだ。この方程式の人的側面はあらゆる理由で大切なものである — 仕事の中で最も重要なものだ。

プロジェクトに協力し、若いビジネスマン。

写真提供:Getty Images.

こうした中で、生計が危機に瀕している人びとがいる。過去20年間で、先進的なロボットが急速な技術の改善を受け、能力と可用性の両方が大きく変化している。学者たちは、2025年までに食品準備、ヘルスケア、商業清掃、そして老人介護の7から12パーセントのタスクがが商用ロボットによって実施可能になると予測している。

これが意味することは、高コストの都市化されたエリア ‐ ハイソで高給取りのホワイトカラーを既に引き付けている場所 ‐ における労働者階級が、更に追い詰められていくということである。それらの仕事の多くは自動化の煽りを受けやすく、私たちは多くの人たちが労働の場を離れ、都市の外に出ていくのを見送ることになるだろう。

労働者階級とサービス部門の仕事だけが、リスクに晒されているわけではない。人工知能と機械学習の進歩が「知識労働」の自動化をも可能にし始めているのだ。

進歩が現在のペースで進めば、2025年までに全世界で自動化ツールは、事務、顧客サービス、販売、教育、保健、科学技術、IT、財務、法律部門などに影響が及び、1億1000万から1億4000万人の人々の作業を行うことができるようになるだろう。

表面的な価値を見れば、これらの技術的進歩は非常に有意義であり、商業的相互作用に革命をもたらし、これまでとは異なる可能性を広げていく。

私たちにはまだ、オートメーション技術と人工知能が作り出す、新たな潜在的な仕事の種類はまだ分かっていない。それは技術を前にして想像を絶するものだ。しかし私たちは、訓練、教育を通じた準備と、究極的には柔軟性を奨励することが、私たちの都市での成功につながることを知っている。

人間とロボットが一緒に取り組んでいます。

写真提供:Getty Images.

私たちNLC(全国都市同盟)のFuture of Work報告書は、労働力の大きな変化に直面したときに抱える課題と機会について検討している。どこで、いつ、特定のジョブが消滅するかを予測することは困難だが、2025年以降に私たちが目にする仕事は、現在のものとは随分違っているものだろう。

ある者にとってはメリットは素晴らしいものになるだろうが、システムレベルでは課題はとても大きなものになるだろう。テクノロジーは、労働者間の不平等を悪化させ、経済のほとんどの分野に何らかの影響を与える。

これらの潜在的な緊張と激動は都市に集中するだろう。技術的実現可能性だけに左右されるわけではなく、自動化の採用は、技術のコスト、交換される労働のタイプ、そして重要な点だが社会的に受け入れられるかどうかに依存している。

これらの技術が仕事や仕事全体に取って代わるようになるにつれて、反応は楽観的な受け入れから怒り、欲求不満、さらには政治的な激変にまで及ぶようになるだろう。

社会への利益がより均等に分散する可能性があるのか、あるいは最近の歴史的傾向に沿って、収入ピラミッドの最上部に集中していくのか。私たちが行う政策の選択は非常に重要だ。

ネガティブな反応は、賃金や雇用を失う人々の間でより局所的に起きる可能性がある。一方で、ポジティブな反応は、より低い価格とより大きな選択の恩恵を受ける消費者の間で、より広範に広がる可能性がある。

私たちが政策上の解決策を模索しているところで、幅広い議論が始まる必要がある。これらは、ポータブルベネフィット(フリーランスのための持ち歩ける福利厚生制度の概念)から、労働力の再訓練、ベーシックインカムなどに及ぶ可能性がある。明日の労働力のために構築される、こうした種類の拡張された社会基盤は、これまでの職を失った労働者だけではなく、新しい方法で働く人々を支援するために必要となる。

同時に、この拡大された観点は、成長のための積極的な環境を作り出すことができる。これらの選択肢に焦点を当てることで、これらの急激な変化にただ流されて対応するのではなく、むしろ崩壊に先回りをすることができるようになる。

社会への利益がより均等に分散する可能性があるのか、あるいは最近の歴史的傾向に沿って、収入ピラミッドの最上部に集中していくのか。私たちが行う政策の選択は非常に重要だ。都市の指導者たちは、積極的に、公平さを第一の目標とする、より包括的なコミュニティを創造しようとしている。したがって、私たちすべてが、目の前に未来を早急に構築するのを手助けする場は都市にある — そしてそれを真に導くことが、指導者の責務なのだ。

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(翻訳:Sako)

Kwiksetのスマートロックコンバーターが予約販売を開始、簡易で安価なスマートロック機能を提供

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KwiksetがKevo Convertを発表したのはずっと前、昨年のCESだったが、早くもCES 2017があと1か月に迫っている(そうだよね?)。そしてこの時期に同社は、同社のスマートロック改造キットの予約販売をやっと開始した。そのシステムは、標準的な正面ドアロックの内側をリプレースするもので、鍵全体を取り替えるものではない。

ところで、なぜ半分なのか? まず、お値段149ドルは、この夏ローンチした標準の第二世代Kwikset Kevo(229ドル)よりも相当安い。また、ドアの前面(外観)の美学で悩まなくてよい。それがあなたのお気に入りなら、なおさらだ。

そのほかの点では、標準的なスマートロックの機能のほとんどがある。Kevo ConvertはBluetoothでアンロックし、アンロックしてから30秒後にオートロックする。ゲストには、電子キーを送れる。アップグレードされたKevo Plusで、どこからでもロック(施錠)/アンロック(解錠)できる。また、ドアベルのRingや、サーモスタットのNest Learningなど、他のスマートホームデバイスを操作できる。

今現在はHome Depoだけで予約を受け付けている。同じくCESでローンチしたHomekit互換のKwikset Premisについては、まだ何も発表されていない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

巨額買収、eスポーツの加速──ゲーム実況動画コミュニティの今後をTwitchディレクターに聞く

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11月17日、18日に、東京・渋谷で開催したTechCrunch Tokyo 2016。17日の午後にはTwitchからAPACディレクターのRaiford Cockfield III(レイフォード・コックフィールド、以下レイ)氏を迎え、ゲームのライブストリーミングサービス、Twitchの創業からAmazonによる1000億円の巨額買収に至る道のり、ビデオゲームを競技化したeスポーツの勃興、日本やアジアでのサービス展開などについて、語ってもらった。聞き手は元TechCrunchのライターで、日本のゲーム産業のコンサルタントとして活躍する、Kantan Games CEOのSerkan Toto(セルカン・トト)氏。

創業からAmazonによる巨額買収、そして現在

バンカーとして自身の経歴をスタートさせたレイ氏は、香港でプライベート・エクイティに関わり、その後、事業に参画。コミュニティに役立つ仕事がしたい、との思いから、Twitchへやってきた。そのTwitchの生い立ちは、2007年にスタートした24時間ライブ配信サイト、Justin.tvにさかのぼる。

photo02「リアルのアーケード(ゲームセンター)って、いろいろな人とプレイを見せあったり感想を言ったりする、コミュニティだったでしょう? ビデオゲームって、元々ソーシャルなものだったんだ。だから、それがライブ配信サイトであるJustin.tvにも現れ始めたんだ」(レイ氏)

2011年、Justin.tvからゲームカテゴリーを切り出して誕生した、Twitch.tv。現在、PCのブラウザでもスマホのアプリでもゲーム動画のライブストリーミングが楽しめ、お気に入りの配信ユーザーをフォローして、チャットでコミュニケーションが取れる、ゲームユーザーの一大コミュニティとなっている。

Twitchが重視しているのは、Justin.tvから受け継がれたライブキャスティングの部分なのか、それともビデオゲームなのか。レイ氏は「どちらも重視している」と質問に答える。「ビデオキャスティングの分野では、Amazon、YouTube、Netflixに続く、第4の勢力を目指している。だから接続と回線スピードの質を上げたくてAWS(Amazon Web Services)を利用しているし、Amazonの買収も受けたんだ」(レイ氏)

2014年5月時点では、TwitchはGoogleによる買収を受けると目されていた。だが8月にふたを開けてみれば、Googleではなく、Amazonが1000億円での買収を完了させていた。なぜGoogleは選ばれず、Amazonが買い手となったのだろうか。レイ氏は「Amazonとは、顧客第一の思想が共通していた。それにTwitchの独立性を担保してくれたので、Amazonを選んだんだ」と振り返る。

「実は買収の2年半前から話はあった。Twitchとしてはスケーリングしたい、バックエンドも整えたいと考えていたから、インフラは大事だった。そこをAmazonが対応してくれた」(レイ氏)

超巨大IT企業による巨額の買収ということで気になる、事業への干渉などはなかったのだろうか。「干渉はない。TwitchのDNAはしっかり残されている。変わったことといえば、規模がワールドワイドに広がったことと、社員が何百人にも増えたことかな」(レイ氏)

その“TwitchのDNA”とは一体どういうものなのだろう。「まずはコミュニティありき、コミュニティが一番(大事)ということだね。それから絵文字なんかもDNAかな。アジアでは特に絵文字は大事なんだ」と言うレイ氏は、Twitchがいかにコミュニティを重視しているかについて、「コミュニティによって、事業のロードマップが決まるし、ミッションが決まる」と話している。

「今は(ゲームの)ジャンルは全てにフォーカスしている。それから、(音楽やイラストなどの創作活動を実況する)クリエイティブカテゴリも大切にしている。アジアの場合は、インタラクションを失いたくないという思いも強い。コミュニティとインタラクションが肝だ」(レイ氏)
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加速するeスポーツと日本、アジアでのTwitchの展開

今や一大ジャンルとなったゲーム実況動画。だが何時間も視聴に費やすユーザーがいることを、不思議がる人もいるのでは?と尋ねられたレイ氏はこう答える。「サッカー観戦と一緒だよ。興味がある分野の映像なら、何時間でも見るよね? ゲーム動画を見る動機は、プレイを体験したい、もしくはプレイスキルを学びたい、っていうところから。それって、サッカーと同じだよね」(レイ氏)

そして、まさにサッカーと同様に、ハイレベルのプレイヤーによるビデオゲームの対戦を、競技として楽しみ、観戦し、プロも誕生しているのがeスポーツの世界だ。何千万という規模のアカウントと何千万ドルもの金額が動き、加速するeスポーツについて、レイ氏はこう話す。

「今、eスポーツのアクティブユーザーは1日100万以上。トーナメント数も多くなっている。アジアなら大規模なイベントとして成立する。日本ではまだそれほど大きな動きではないが、それは成長の機会がまだまだある、ということだ」(レイ氏)

他の面でも、Twitchのアジアのユーザーへの期待は高い。「ワールドワイドでは、1ユーザーが1日当たりTwitchで費やす時間は106分。アジアだとそれが300分以上にもなる。コミュニティからのエンゲージメントも高い。ユーザー層はミレニアル世代が中心だ」(レイ氏)

Twitchの売上の大半は、気に入った配信者のチャンネルを月額4.99ドルでサポートする「スポンサー登録」(サブスクリプション)と広告だという。「日本なら(単にスポンサーになった配信者のチャンネルの広告が消えるだけじゃなくて)配信者を“応援”する機能なんかがあるといいかもしれないね」(レイ氏)

日本での展開も具体化に入ったTwitch。レイ氏は東京オフィスと日本での成長について、こう話す。「2017年の成長にフォーカスして、スタッフを採用し、まだリモートで仕事をしているけれどもオフィスも構えるし、コミュニティも作る。また韓国、東南アジアの一部も攻めていくつもりだ」(レイ氏)

コミュニティファーストで、コミュニティからロードマップが決まると話していたレイ氏。日本でのコミュニティについても「2016年は、日本ではデータの収集と言語ローカライズをやってきた。これから、外資のサービスだと気づかれないぐらいのサービスを提供していきたい」と意気込む。

日本の場合、ゲーム実況動画のプラットフォームとしては競合にYouTubeとニコニコ動画がある。ニコニコ動画は既にミレニアル世代のユーザーも多く抱えている。そんな中、Twitchはどのように日本でサービスを広げていくつもりなのか。「Twitchは大手企業からの関心も高いし、そもそもコミュニティ第一主義を採っているのでコミュニティは大切にするけど、競合の存在とかはサービス拡大には関係ないんだ。それにeスポーツの分野は、まだまだ伸びるしね」(レイ氏)

また、モバイルに関しては「ウェブサービスもアプリも、プラットフォームとしては総合的に対応しているつもり。でも特にアジアではモバイルは重要。ロードマップもモバイル中心で考えている」とレイ氏は話してくれた

最後に日本のゲームファンに向けて、レイ氏はこう語った。「Twitchを生活の一部、ゲームスキルの向上やキャリアアップにつなげてもらえるとうれしい。日本のみんなにもぜひ、この体験を共有してほしいな」(レイ氏)

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電動トラックのCharge、カーレースに挑戦

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英国オックスフォード拠点の電気自動車メーカー、Chargeは、最も伝統的なやり方でプロトタイプをテストしている。カーレースだ。

自動車時代の夜明け以来、発明家や製造メーカーは自分たちの作った車の能力を試すためにコースへ繰り出した。ただしこのトラックはレースで走るのではない。電気自動車のレースシリーズFormula Eの、公式サポート車両として参加する。Formula Eは、Chargeにとってとりわけ都合が良い。このシリーズでは専用コースではなく公道を使用する。Chargeが市場に出た時に走るのと全く同じ環境だ。

Chargeは小型の配達用車両と、大型のフルサイズトラックを製造して様々なニーズに答えようとしている。車の説明にはプラグインハイブリッドと思われる記載がある。このトラックは最初の100マイルを完全排出ゼロで走るが、エンジンでバッテリーを再充電する「デュアルモード」で最長500マイルまで距離を延ばせる。

トラックはモジュラー設計で作られているので、1台を組み立てるのに1人で4時間しかからないとChargeは言っている。同社の計算によれば、10人が1日2シフトで働けば年間1万台のトラックを作れる。これはChargeにとって、製造・運用のスケーリングが容易であることを意味する。英国のハブで生産して世界に配送するのではなく、販売場所に近い現地の小さな設備で組み立てられるからだ。同じアイデアは、Local MotorsOXも探っている。

Chargeのレースへの関りは、レースコース周辺に物を運ぶことだけでは終らない。同社は来シーズンから本格的に始まる自立サポートレース、Roboraceにも関与する。ChargeはRobocarの電源回路やモーターの開発全般に協力している。

Chargeの最初の工場は2017年に本社近くに竣工の予定で、電動(あるいはハイブリッド)トラックを「一般的トラックと同等の」価格で作ることを目標に置いている。

下のビデオで、ChargeのDHL配達トラックがFormula Eのレーシングカーを載せているところが見られる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ビデオプロダクションの共有化を志向したBemeをCNNが買収してデジタルメディア部門の充実を目指す

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ユーチューバー(YouTuber)のCasey Neistatが創ったソーシャルアプリBemeをCNNが買収した。BemeはCNN傘下の独自のメディアブランドになり、Varietyによれば、その11名チームをNeistatがエクゼキュティブプロデューサーとして率いる。

Bemeのファウンダーたちの同社設立動機は、撮影したビデオをすぐに、“編集して作品にする”前の段階で素早く簡単に共有したい、というものだ。YouTubeのビデオは作品指向、一方ライブのストリーミングにはビデオの共有という概念がない。このギャップを填めることを志向したのが、Bemeだ。NeistatはDisrupt New York 2016でBemeの創立ビジョンや財政状況を語ったが、そのとき彼は、わずかな資金を有効に使うために彼自身は同社からの給与がない、と述べた。

Bemeはソーシャルアプリとして2015年の夏にローンチし、最初のうちは、ダウンロード数50万、アップロードされたビデオ100万本と好調だったが、その後無風状態になり、ローンチから1年後にはNeistatがYouTubeビデオで、不調について説明した。そのあと5月には、アプリはベータを脱し、多くのバグフィクスと機能の調整が行われた。

結局Bemeは今でも、SnapchatやMusical.lyがソーシャルビデオアプリとして享受している成功とは、縁遠いところにいる。しかしCNNは、アプリよりもそのチームが欲しかったものと思われる。Bemeのプロデューサーもデベロッパーもコンテンツクリエイターも全員がCNNに雇用され、今後はミレニアル世代のオーディエンスに焦点を絞った新しいブランドとプロダクトを作っていく、とVarietyは報じている。

CNNがデジタルメディア部門の充実のために買収を行うのは、これが初めてではない。2011年にはFlipboardと競合していたZiteを買収したが、その後2014年には、そのZiteをFlipboard自身が買ってしまった。

Neistatは前に、彼が相当前からやっていた日刊のヴログ(vlog, ビデオによるブログ)をやめる、と発表したことがある。それは、今日のCNNへの参加のことを言っていたのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

コンテンツ キーワードが廃止されます

Search Console がまだウェブマスター ツールと呼ばれていた初期の頃、コンテンツ キーワードは、Googlebot によるクロールで検出されたウェブサイトのキーワードを知るための唯一の方法でした。また、Google がページを問題なくクロールできることを確認したり、サイトがハッキングされていないかを確認できる便利な機能でした。

その後、Googlebot がページをどのように取得しているかについては、サイト内のあらゆるページに対して瞬時に確認することができるようになりました。また、検索アナリティクスでは、どんなキーワードによる検索で自分のサイトが表示されたかも確認できます。ハッキングについても様々な種類について Google から自動で通知が届くようになりました。その一方で、コンテンツ キーワードについては、表示されたキーワードについて、ユーザーの間でしばしば混乱が見られました。この状況に鑑み、このたび、 Search Console のコンテンツ キーワードを廃止する運びとなりました。

ページ上の単語(キーワード)は、現在も Google やユーザーがあなたのページを理解するうえで依然として重要です。Google のシステムは改善されましたが、まだあなたの思いを読み取ることまではできません。そのため、自分のサイトはどんなサイトなのか、何を見てほしいのかを明確にする必要があります。あなたのサイト、商品、サービスの特徴を訪問者にしっかりと伝えましょう。

これまでにコンテンツ キーワードに表示されたキーワードの中で、印象深いキーワードにはどのようなものがあったでしょうか?ぜひコメント欄でお知らせください!

ご意見やご感想がございましたら、以下のコメント欄やウェブマスター ヘルプ フォーラムでお気軽にお問い合わせください。

Androidスマートフォンでお手軽に360度ビデオ/写真を撮影〜ストリーミングできるInsta360 Air

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360度カメラははまだ物珍しさが先に立つが、お値段も、まともな製品なら300ドル前後とお高い。しかし今日(米国時間11/28)Indiegogoに登場したInsta360 Airは、従来製品よりもコストパフォーマンスが良いのではないか。スマートフォンに簡単に接続でき、ライブストリーミングもできて、予約価格が99ドル、一般市販価格が119ドルだ。

Indiegogoのキャンペーンの中には積極的に推せないものも少なからずあるが、Insta360というブランドとその親会社Shenzhen Arashi Visionはハードウェアに関して実績がある。たとえばスマートフォン用の良質なVRカメラも作っている。今あるiPhone用のInsta360 Nanoとほぼ同じ光学系を使用し、ぼくの個人的な体験から言えば、なかなか画質の良い写真やビデオを撮ってくれる。撮像部は二つの魚眼レンズを使用、そしてその二つの画像を内蔵のソフトウェアにより“縫い合わせて”いる。

Insta360によると、AirはNanoと基本的に同じ光学的品質を持ちつつ、お値段はNanoよりも約100ドル安い。Nanoはバッテリーがあるので、デバイスから電源をもらわなくても使えるが、Airは違う。でもスマホと一緒に使う人がほとんどだろうから、それはあまり問題にならないだろう。しかもスマホだけでなくノートブックなどのコンピューターの上でも使えるし、その場合は長時間のライブ360度ストリーミングができる。

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解像度は、スマートフォンの基本仕様にもよるが、基本的には写真が3K、ビデオが2Kだ。ビデオはソフトウェアが安定化を行うので、手持ちで撮影しストリーミングしても、視聴者が吐き気を催すことはない。接続はmicroUSBまたはType Cだから、ほとんどのデバイスで使えるだろう。

Insta360 Airで捉えたコンテンツは、ソーシャルメディアで共有したり、VRヘッドセットへエキスポートできる。360度コンテンツをちょっとやってみたいが、あまり巨額を投資したくない、という人はこの製品がぴったりだ。製品は、クラウドファンディングの支援者には2017年の3月に発送される、と同社は言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ブレグジットで陰るイギリスのフィンテック業界にGoCardlessが見た一縷の望み

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イギリス政府は依然としてブレグジットの計画に関する詳細を明らかにしておらず、そもそも計画の存在自体を疑う人もいる中、イギリスに拠点を置く企業は、ブレグジットが持つ意味について分からないままでいる。

首相の「ブレグジットはブレグジットでしかない」という主張は上手い表現だが、ビジネスプランをつくろうとしている人にとっては何の意味もなさない。

イギリスのEU離脱による予算への影響を予測しようとしている予算責任局(OBR)にとってもそれは同じだ。

OBRよ、まさにその通りだ。「私たちが政府にブレグジットの意味を尋ねたところ、ブレグジットはブレグジットでしかないと、何の役にも立たたない回答が返ってきた」

しかし、ロンドンに拠点を置くGoCardlessは、少なくとも国内のフィンテク業界には一縷の望みがあると考えている。11月23日に財務大臣が発表した秋季財務報告書の中には、(ブロードバンドのインフラ、自動運転車、電気自動車、VCなどを強化する施策と並んで)フィンテックをサポートするいくつかの施策が明記されていたのだ。

その施策には、スタートアップ向けの特別予算年間50万ポンドや、各地域におけるフィンテック特使の任命、“State of UK fintech(イギリスフィンテック業界の現状)”年間レポートの発行、電子ID認証の近代化に関するガイダンスなどが含まれていた。

ブレグジットの広範囲に及ぶ影響を考慮すると(OBRはブレグジットにより、イギリスの公共財政に590億ポンドの悪影響があるとの概算を示している)、フィンテック業界に投じられる年間50万ポンドという額は大したことがないように映る。とはいえ、ブレグジットの悲劇の中でも、イギリスのスタートアップにとって何か良いことがあるべきだ。

「政府は、フィンテックが高成長を見込める業界で、多くの可能性を秘めていると示唆しようとしているのだと、私たちは考えています。数十億ポンドの予算を見込んでいれば、イギリス中の注意をフィンテックに向けようとしているサインになりますが、少なくとも政府自体がこの業界に注目しており、成長を促そうとしているのがわかります」とGoCardlessで法務部門のトップを務めるAhmed Badrは語る。

現行政府は、これまでにイギリスのフィンテックスタートアップの経済的な可能性に注目したことがあるのだろうか?という問いに対して、彼は「政府の公式な文書にそれが現れたのは、恐らく今回が初めてのことでしょう。しかし、財務報告書のように公式かつ重要な文書としてではないものの、これまでにも政府は、Innovate Financeのような団体を通じて、フィンテック業界の発展を促進しようとしていました。その活動は今でも続いており、これ自体はとてもポジティブなことです。今回そのような動きが、きちんと財務報告書の中に反映されたというのは、もちろんさらに喜ばしいことです」と答えた。

さらにBadrは、金融サービスへのアクセスに利用される(紙ベースのIDチェックとは対照的な)テクノロジーをサポートする目的で、政府が金融サービスの業界団体であるJoint Money Laundering Steering Groupと共に、電子ID認証システムの近代化を図っていることを、”極めて明るい話題”だと歓迎する。

そして「電子認証システムが導入されれば、サービス利用開始時やデュー・デリジェンスの業務がかなり効率化する可能性があります。利用者の中には本人確認のプロセスを面倒だと感じている人もいるため、カスタマーエクスペリエンスの向上に努めている私たちのようなフィンテック企業にとって、この施策は極めて重要です」と続ける。

「電子ID認証は、詐欺や身元詐称を阻止する上でも大変有効なツールです。古臭い紙の文書から、便利かつ正直なところ信用性も高い電子IDへのシフトが早く実現することを私たちは願っています」

もちろん、ブレグジットに関してフィンテック業界が1番心配しているのは、EU離脱に関する条件交渉をイギリス政府が進める中で、同国が金融パスポートを失うことになるのかどうかということだ(数年におよぶ条件交渉は、来年3月末までにスタートする予定)。金融パスポートとは、欧州経済領域(EEA)加盟国のいずれかで金融サービスを提供することを許された企業が、長期に渡る複雑な認証プロセスを繰り返すことなく、他加盟国でも同じサービスを提供することができる権利を指す。

Badrは、秋季財務報告書の内容から今後イギリスのフィンテックスタートアップにとってポジティブな流れが生じると考えているが、フィンテック業界を支える金融パスポートを、イギリス政府がなんとしても保持しようとしているかについてまでは確証を持っておらず、長引いているブレグジットの条件交渉に触れながら「現段階では、金融パスポートについて何も言うことはできません。何が起きるか全く分からないことについて無責任な予測もしたくないですしね」と語っていた。

「もちろん私たちは、政府に対して金融パスポートがフィンテックにとってどれだけ重要かという説明を行ってきました。恐らく私たちが言うまでもなく、継続的にヨーロッパ市場へアクセスできることが金融サービスにとって大切だということは政府も認識していると思います。金融パスポートであれ、他の形であれ、もしも政府高官の間でどのようにヨーロッパ市場へのアクセスを保つことができるかという議論が行われていないとすれば、むしろ驚きです」と彼は付け加える。

しかしGoCardlessは、ブレグジットの影響で金融パスポートが失効してしまったときのためのバックアッププランも用意している。最悪の場合同社は、他のEU加盟国のどこかに子会社を設立し、金融パスポートを保持しようとしているようで「必要であればそれも辞さない」とBadrもそれを認めている。

同時に、設立から5年が経ったGoCardlessは、イギリスから国外へ完全に脱出する必要もないと今の段階では考えている。ロンドンという街には、住みやすさや、例えば教育水準が高い大学のおかげで、優秀な人材へアクセスしやすいことなど、不変の良さがあるとBadrは話す。「このようなロンドンの長所は、ブレグジット後も無くなってしまうことはありません。本当に金融パスポートを保持することだけが、GoCardlessが後回しにしていたかもしれないことを、恐らく前進させるきっかけになると思っているんです」と彼は主張する。

ヨーロッパのフィンテック中心地としてのロンドンの地位が、ブレグジットによって危ぶまれることになると彼は考えているのだろうか?その答えとしてBadrは、ヨーロッパ中でフィンテック業界の競争が激化することで、ビジネスを国外へ移動させる動機が増えるだけでなく、イギリス国内の金融サービスのイノベーションが活発化すると期待している。

「誰も金融サービス企業にとっての金融パスポートの重要性を疑っていはないでしょう。ただ、それはイギリス企業だけの話ではなく、イギリス以外のヨーロッパ諸国に拠点を置く数々の企業が、イギリス市場で金融ビジネスを行う上でも同じです」と彼は語る。

「他国の金融サービス企業も、イギリス企業と同じを動きをとることになると思いますか?もしもイギリスの金融パスポートがなくなり、何の代替手段もないとすれば、きっと双方向に同じ動きが起きると私は思います。つまり、これまでヨーロッパ諸国で営業するために金融パスポートを利用していたイギリスの金融サービス企業は、他国に子会社を設立するでしょうし、イギリス国外の企業で、これまで金融パスポートを使って、イギリス市場にアクセスできていた企業についても、イギリスに子会社を設立して、営業を行うことになると思うんです」

「現在のところ、GoCardlessの売上の大半はイギリス国内で発生しているため、外国に子会社を設立してもしばらくの間は、小規模なオペレーションにとどまると思います。しかし同時に、イギリスでそうだったように、他国の子会社も急成長することを願っています。もしかしたら、将来的にはイギリス以外にも、フィンテックの”中心地”となるような国や都市が突如誕生したり、現在ある程度力を持っている地域が、徐々にヨーロッパ内での地位を高めていったりするかもしれません。また、イギリス企業が国外に出ていくにあたり、全ての企業があるひとつの街や地域に集中して移動するというのは考えづらいです。むしろ、移転候補先になりえる都市が、これからいくつか誕生してくるでしょう」

ブレグジットに関して明らかになっていない点は多々あるものの、Badrは現時点でGoCardlessが、この困難を乗り切る”ひそかな自信がある”と語っている。「困難という意味では、スタートアップはこういった問題に直面する運命にあります。私たちは、新しい環境や社内の変化に適応するのに慣れているので、今後も引き続き、私たちの順応性を証明していければと思います」と彼は話す。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

カナダ・オンタリオ州、公道での自動運転テストを可能に。BlackBerryも参加

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カナダの自動運転車テストがオンタリオ州の公道で始まろうとしている。自動運転テスト(非常用ドライバーが同乗)に必要なライセンスプログラムには3つのグループが承認された。そのうちの1社はBlakBerryで、他にウォータールー大学自動車研究センターとドイツのキャンピングカー、レジャー車両メーカー、Erwin Hyper Groupが参加する。The Globe and Mailが報じた。

同州は、ここを多くの自動車メーカーが自動運転技術をテストする場にすることを望んでいる。この種のテストが可能な公道はまだ少ないが、世界中で増え続けている。今回の発表に先立ち、州政府は昨年末に当地で自動運転のテストを可能にする旨を発表していた。

オンタリオ州がテスト場所として有利な理由は、天候の多様さにある。四季それぞれを楽しむことができ、北部では極限の条件でテストすることもできる。ミシガン州も、335エーカーの広大なテスト施設と類似の道路状況を提供しているが、天候の厳しさに関してオンタリオは異色といえる。州内のあらゆる道路で州の定めたルールによるテストが可能だ。

ウォータールー大学の技術能力と、トロント大学の機械学習の学門的知識に、GM、トヨタをはじめとする主要自動車メーカーの資金と存在感を組み合わせることによって、オンタリオ州は自動運転の場として先行の利を生かせるだろう。

ただし、たまたまオンタリオに住んでいる人(私がそうだ)も、自動運転テスト車を道路で見かけるのはまだ先の話だ。初期の参加グループが最初のテストを行うのは、2017年始めの予定だ。

【日本語版注:BlackBerryの子会社QNXは、自動運転用ソフトウェアを開発している】

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

トップシェアであるからこそ、プラットフォームになり得る──LINE舛田氏が語ったグローバル戦略

LINE取締役CSMOの舛田淳氏

LINE取締役CSMOの舛田淳氏

11月17日から18日にかけて開催されたスタートアップの祭典「TechCrunch Tokyo 2016」。ここでは2日目のセッション「日米同時上場のLINE、その次の挑戦」の様子をレポートする。このセッションに登壇したLINE取締役CSMOの舛田淳氏は、米TechCrunch記者のHaje Jan Kampsとの質疑を通じてLINEのグローバル戦略について熱く語った。

まずLINEと他のメッセンジャーアプリの違いについて。舛田氏によれば、LINEは日常的なコミュニケーションに徹底的にこだわってきたという。「日常生活で会ったことのある、プライベートな関係。そんな人達を友だちリストに並べて、その中だけでコミュニケーションを取る。そんなリアルグラフに徹底的にこだわったのが開発当初のLINEの差別化のポイント」(舛田氏)

ユーザー数の伸びに意味はない

LINEは、日本や台湾・タイ・インドネシアなどアジア圏を中心に、2016年9月末時点で2億2000万人のMAU(月間アクティブユーザー数)を抱えている。一方で2016年6月末に比べるとほぼ横ばいと、ここにきて伸び悩んでいるのも事実だ。舛田氏は、グローバル全体のユーザー数の伸びについて、本質的な意味はないと切り捨てる。

「LINEが誕生した2011年から2013年頃まで、我々は『どこまでいけるんだろう』と考えていた。日本発のサービスが海を超え、アジアや欧州でどんどん普及していった。ユーザー数が毎週伸びていくなかで、世界中に足を運んで、現地のパートナーと手を結び、現地のコンテンツを調達してきた」

「ただある時、全体としてのユーザー数の伸びに本質的な意味はないことに気づいた。毎週毎週ユーザーは増えるが、全体的にユーザーが増えることには意味がない。これ(MAU)が3億になっても4億になっても5億になっても、我々の思い描いているLINEというサービスを成功させるためには、意味がないとわかった」

トップシェアである必要がある

米TechCrunch記者のHaje Jan Kamps

米TechCrunch記者のHaje Jan Kamps

「我々のサービスは、その国々においてトップシェアでなければならない。トップシェアであるからこそ、プラットフォームとなり、その先の事業がうまれる。当時を振り返ると、LINEは多くの国で使われていたが、シェアが3位・4位という国が山ほど出てきた。短期的な投資家の観点では、例えば我々がバイアウトを考えていた場合では、ある種の評価がされるのかもしれない。ただ、私達は私達のサービスを戦略的に成長させていきたいという思いがあり、戦略を切り替えた」

「もちろんグーグルやFacebookのように、世界中で使われるサービスもある。しかし、全てがグローバルなサービスになってはいない。日本のApp Storeのランキングを見ても、決してグローバルプレイヤーだけが並んでいるわけでもない。グローバルプレイヤーが勝っていないケースはたくさんある。LINEはまさにその中の1つ」

「ネクストグローバル」はローカルに

「それぞれの国やローカルエリアによって、ユーザーのニーズは違う。(世界で)画一的なサービスを提供しようというのが、少し前のインターネットの形。ローカルから始まってグローバルになったが、『ネクストグローバル』はローカルになった。そこで文化がきちんと意識されて、慣習に合ったユーザーの行動パターンが求められている。そこにうまく最適化したところが、ユーザーを掴むのだと思う」

「我々のグローバル戦略というのは、きちんと1個1個、日本をやって台湾をやってタイをやって、次はインドネシアだと。アジアのマーケットが我々の挑戦すべきフィールドで、そこを押さえることに今は注力している。つまり(各国の)ローカルのユーザーに愛していただくことが、我々の成長に繋がる、結果としてグローバルにチャレンジできるという考え方。2014年後半から4か国に焦点を絞り、アジアフォーカスとして戦略を動かしている」

「(日本できちんとしたポジションがあるから海外に出ていきやすいというのは)あまり関係ないと思う。日本で考えたことをそのままやるというスタンスでは決して無い。日本で作ったものは当然あるが、やはり現地のスタッフが最前線でその国の人達と触れ合い、そこで生まれるアイデアを吸収して、そこで事業を行う。我々の考え方は、その国その国で最も愛されるサービスを作ることだ」

プラットフォーム化に先行してチャレンジしてきた

インドネシアはLINEがフォーカスする地域の1つだ。しかし、BlackBerry Messengerが同国のメッセンジャーアプリのシェア1位を獲得。LINEは2位と後塵を拝している。その点について舛田氏はこう語る。

「インドネシアではBlackBerry Messengerが強い。これはメッセンジャー業界のミステリーだ。とはいえ、ユーザーの属性を見てみると、若いユーザーはBlackBerryではないものをアクティブに使っている。それがLINEだ。そこではニュースが読めたり、ゲームも楽しめる。メッセンジャーだけでなく、メッセンジャーをアクティブにするためのコンテンツやサービスがあったりする」

「バラバラなサービスではなく、例えばニュースを読もうとすると、メッセンジャーを必ず通過する。LINEが持っているメッセンジャーのユーザー体験、それによって我々はインドネシアに注力するのが遅かったにもかかわらず、シェアを2位にまで伸ばすことができた」

「今はスマートフォンを1人1台持ち始めているし、アプリケーションも使われている。ただ調査によれば、スマートフォンで日常的に使われているアプリは10個もない。これは世界中で同じ。世に出ている90%以上のアプリはゾンビ化していて、作っても使われない」

「その代わりにメッセンジャーがそのプラットフォームになってきている。今までOSが担っていたサービスのプラットフォームを担っていたが、今やメッセンジャーが最もユーザーを集めるゲートウェイになり、擬似的なOSとして振る舞い始めている。WeChatもFacebook Messengerもやろうとしている、メッセンジャーの可能性。そこへLINEは先行してチャレンジしてきた」

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著名なデザイン思想家Christian Villumが明日のインテリジェント・シティのデザインを語る

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今週のTechnotopiaは、Christian Villumと対話した。彼はDanish Design Center(デンマークデザインセンター)のデザイナーで思想家だ。彼の未来のビジョンは単純で、正しい教育と正しいツールがあれば、都市はデザイン思考で生まれ変わる。活動家で、ハッカーで、メイカーでもある彼は、学校と都市における3Dプリントの未来についても語った。

彼は文化的・アート的ハードウェアのデザインを目指すデンマークのデザイナー集団Science Frictionの創始者で、現在は主にDesign Centerですばらしいものを作り、いくつもの小グループを指導している。彼へのアクセスはここからできる。

彼の話のMP3はここでダウンロードできる。あるいはStitcheriTunesでもよい。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))