「職場エクササイズ」は普及するか? デスク下でペダル運動をするCubii登場

椅子に座った状態でデスクワークばかりを行うのは非常に身体に悪いのだそうだ。しかしスタンディングデスクに移行するのもさほど簡単ではない。自分ではスタンディングデスクを利用しているが、確かに座っている方がらくに感じる。しだいに慣れてくるものではあるが、それでも1日中立っているとふくらはぎや足の裏なども疲れてしまう。

そんなあれこれに対処するために登場してきたのがCubiiだ。オフィスで使っているデスクの下において使う、ペダル型のエクササイズマシンだ。仕事中でも単に座っているのではなく、ペダルを踏んでエクササイズを行おうとするものだ。

このCubii、見かけも仕組みも非常にシンプルなものではあるが、確かに機能デザイン的には十分な配慮もなされているようだ。たとえば一般的なペダル型エクササイズマシンと異なり、あまり膝を高くあげる必要がないようになっている。これはもちろん、仕事用デスクを裏から蹴飛ばしてしまったりしないようにと考えてのことだ。

またBluetoothにも対応していて、専用アプリケーションと通信を行うようにもなっている。すなわち、現代のフィットネスデバイスらしく、行ったエクササイズはきちんと計量できるようになっているのだ。

製作したのはシカゴのメーカーで、Kickstarterでのキャンペーンに持ち込んだ。まだ若干のキャンペーン期間を残しているが、無事に目標出会った8万ドルの資金を調達し、市場投入への第一歩を踏み出している。

Kickstarterでの早期割引は279ドルだったが、これはすべて申し込み終了となっており、現在の価格は299ドルとなっている。出荷開始は来年の1月を予定しているとのことだ。新年の誓いを忘れないうちにフィットネスを始めることができるかもしれない。

技術的にはとくに細かくみておく必要がある部分はなかろう。新しい仕組みを採用しているというわけでもない。ウォーキングデスクの導入は考えられないが、しかし職場でもエクササイズをしたいという人を対象としたデバイスだ。もちろん座り続けることの健康被害は意識しつつ、しかし一日中ずっと立ってはいられないという人にむけたソリューションでもある。

ところで以下は余計な話だ。Cubii製作チームが言うように、スタンディングデスクには高価なものが多い。しかしそれはおしゃれなメーカー品を望むからだとも言える。たとえば19ドルでイケアのコーヒーテーブルを買って、足の長さを調整して既存の机の上に乗せて使ったりしても良いわけだ。これであれば予算はかからず、なかなか快適に使うことができる(写真は私のスタンディングデスクだ)。

スタンディングデスク化すれば、机の下を物置に使うこともできるのが便利な点だ。たまりにたまったガジェット類をダンボールに詰めて、それを置いておくのにベストな場所だと思う。

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(翻訳:Maeda, H


トイレ・パニックを防いでくれるトイレットペーパー残量検知メカ

きっと経験があるだろう。友人たちとの集まりを楽しんでいる最中に、こっそりと席を外してトイレに向かう。ほっと一息ついたのもつかの間、あるべき場所に白い紙がなく、無骨なダンボールの円筒しか見当たらない。作り付けの棚を見ても何もない。貯水タンクの下をのぞきこんでもやはり何もない。もはや何も考えられなくなってしまう。そうこうするうちに時間は経過する。誰かがドアをノックしても恥ずかしさもあって状況を伝えることもできない。

トイレットペーパーの残りが少なくなったことを伝えてくれるメカニズムさえあったなら、そのような窮地に陥ることもないのだ。自分と、そして愛する人を守るために、ぜひとも通知メカニズムが必要なのではないだろうか。

現在Kickstarterキャンペーン中のRollScoutが、まさにそうした状況から救ってくれるデバイスだ。トイレットペーパーの残量が危険レベルになると通知してくれるのだ。

電源は電池からとるようになっている。トイレの壁に据え付けて利用する。内蔵の赤外線センサーが残量低下を検知すると、通知用の円形ライトが点灯し、必要な準備が行えるようになるのだ。

場所が場所だけに外見にも心を配り、光沢あるクローム仕立てやアンティック・ブロンズ、つや消しニッケル、セラミック・ホワイト、あるいは14Kゴールドなどのバリエーションを用意する。

光で教えてくれるのも、確かに役に立つ。しかしたとえば、コンビニなどにいるときにアプリケーションで通知してくれれば一層便利なのではないかと思う人も多いことだろう。こちらの機能は目標調達額の次のゴールに到達すれば実装を考えようとしているそうだ。

キャンペーンの目標調達額は3万7500ドルだ。詳細はこちらののキャンペーンページにて確認できる。

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(翻訳:Maeda, H


遠隔地からも訪問者を確認できるリモート・ドアベルのi-Bell

Wi-fiを使ってネットワークと繋がるドアベルを提供しようとするi-Bellがクラウドファンディング・キャンペーンを展開している。家の中のみならず、どこにいてもスマートフォンから訪問者とコミュニケートできるようになるというものだ。

これまでにも似たようなデバイスはあった。たとえば昨年登場してきたDoorBotSkyBellを覚えている人も多いだろう(あるいは古いスマートフォンをビデオ機能付きドアベルに転用しようとするものもあった)。しかしイギリス発のi-Bellは、同様の機能を提供する各種デバイスと比べ、性能面で上回っているのだとのこと。

具体的にはどのような点が異なるのだろうか。i-Bellの共同ファウンダーであるGraham Kershbergによれば、i-BellはLinux Arm 11/Debianプラットフォームに構築されており、接続の安定性が増していることも大きな魅力であるはずだとのこと。ちなみにDoorBotにはビデオのやり取りに不安定な面があるのだそうだ。

さらにSkybellと比較すると、i-Bellではより多くの機能をサポートしているそうだ。既存のドアベルを外してドアベル用電源に接続する必要はなく、普通のコンセントないし充電式リチウムバッテリーで用いることができる。

またi-Bellはモーションセンサーや、リモートでのビデオ撮影開始機能をサポートしている。データをクラウドストレージに保存することができるようになってもいる。家に訪問してきた人のデータをすべて保存しておくこともできるわけで、自宅についてはビッグブラザー的な情報権力を手にすることができるわけだ。

さらにこのシステムには、応答できないときのためにボイスメールを残すための仕組みも備えられている。

訪問者を映し出すカメラはHD対応のもので、また広範囲ナイトビジョンの機能も持っている。すなわち暗くなってからの訪問者を映すこともできるようになっている。

現在は3万ポンドの資金調達を目指してKickstarterキャンペーンを展開中だ。キャンペーンの方は20日間を残して既に2万4000ポンド以上を調達しており、なかなか好調に展開しているようだ。出荷時期は11月を予定しているのだとのこと。

価格についても触れておこう。キャンペーン的な先着割引はすでにすべて売り切れの状態だ。現在用意されている価格は145ポンド/250ドルとなっている。DoorBotの199ドルに比べると高くも感じる。さらに言えばSkyBellもまた199ドルにて提供されている。

さらに言えば、ドアベルの価格としてみれば200ドル程度というのはかなり高価ではある。この程度の価格となるのであれば、スマートロックシステムと統合してしまえば、消費者のウケがよくなるかもしれない。両者の機能をあわせれば、遠隔地からやってきた人を認識するだけではなく、さらにうちの中に入って待っていてもらうということもできるようになる。

現在でもDoorBotはLockitronというスマートロックシステムとあわせて利用することもできる。しかし別々に購入して、それをあわせて利用するということが必要になる。確かに便利にはなるだろうが、非常に高価なものとなってしまうのだ。双方を最初からあわせてしまうことで、価格的にも利用者に訴えかけることができるようになるだろう。

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(翻訳:Maeda, H


試験管発、本当の(人工)チーズ登場

菜食主義者でも、芳醇なチーズの味を羨む人は多いのではないだろうか。そのような人のため、ついに新時代プロダクトがやってきた。カリフォルニア州オークランドのCounter Culture Labsおよび、カリフォルニア州サニーベールのBioCuriousに所属するバイオハッカーたちが、パン用イーストを用いてチーズを作ることに、世界で初めて成功したのだ。牛の産するミルクなしにチーズが作れるようになった。

これまでにもベジタリアン向けのチーズと称するものはあった。しかしそれらは大豆やナッツ類を加工したもので、チーズとは似ても似つかない味だった。ベジタリアン歴の長い人なら、もうクリーミーでほどよい塩気をもつ、おいしいチェダーチーズの味や、リンバーガーやブリーチーズの独特の匂い香りなども忘れてしまっているかもしれない。しかし科学の力で、あらためてチーズを楽しめるようになるわけだ。

どのような工夫でチーズ作りに成功したのだろうか。San Francisco Bay Area iGEM Teamと称するチームは、哺乳動物の遺伝子配列を解析することでチーズの生成を試みた。イーストの中に同様の遺伝子配列を再現してみたのだ。この手順の中で、実際の動物を用いることはない。動物出自の遺伝子配列を利用していながらベジタリアン向けであるのかどうかを怪しむ人もいるだろう。チームの科学者たちは、動物の中にあった遺伝子をそのまま用いるのではなく、同じ遺伝子配列を実験室にてゼロから作り上げることに成功したのだ。こうして作り上げた遺伝子パーツをイーストの中に埋め込み、そして乳タンパク質と等価となるものを生み出したわけだ。

さらに、動物の遺伝子配列を「人間」のものと置き換える実験も行なっている。人間由来の乳タンパク質を利用することで、牛のミルクを体内に入れるよりも健康的に安全であるのではないかという発想に基づくものだ。これによりアレルギー誘発物質を減らすことができるのではないかとも考えているそうだ。牛のミルク成分を摂取することで粘膜に障害を起こしたり、あるいはラクトースの分解がうまくいかないという状況になる人もいるのだ。

もちろん、ヒト・チーズなど食べる気にもならないという人もいることだろう。もちろん牛のDNA情報を使ったチーズ制作も行なっている。水と油および糖分を加えることで、作ったミルクはチーズになる。この場合でも、不快な住環境で牛を育てる必要もなく、当然にホルモンや抗生物質などが全く混入していないチーズを作ることができるわけだ。

ちなみに、こうした手順でチーズを生み出すのは今のところ非常に高くつく。この面での支援をあおぐため、現在Indiegogoキャンペーンが行われている最中だ。目標額は初期に必要となる1万5000ドルだ。幸いなことに、このゴールは2週間もたたないうちに達成された。本稿翻訳時、キャンペーン終了まで27日を残して15,595ドルを集めている。

このプロジェクトを推進する無償の有志たちは、チーズ生成のためのパン用イーストについて4種類のバリエーションを生み出そうとしている。研究成果はすべて公開ウィキに発表され、また「特許になりそうな技術についてもパブリックドメインとする」とのことだ。

最終目標は、生み出したチーズを市場に送り出すことだ。もちろんそこに至るまでは長い道のりだ。スポークスマン役を務めるCraig Rouskeyは、まずは実用性があることを示すところから始めていく必要があると述べている。そして大量生産を行うための道筋を見つけ出す必要がある。さらにはFDAによる認可も必要となってくる。認可を受けるまでは、少なくとも人はそのチーズを食べることはできない。Indiegogoのキャンペーンは8月末に完了予定だが、それまでには最初の「成果物」を世に送り出したいと考えているそうだ。

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(翻訳:Maeda, H


モバイルと人類の関係を描くドキュメンタリー映画。Kickstarterでキャンペーン展開中

私たちがいったいどのようなソフトウェアを生み出し、そしてソフトウェアによりどのような影響を受けているのかということに興味のある人は、きっとこの話にも興味を持つことだろう。2007年のiPhone誕生以来、世界がどのように変わってきたのかを描くドキュメンタリー映画を作ろうとするKickstarterキャンペーンが展開中なのだ。タイトルを「App: The Human Story」という。

作品の完成は2015年の12月予定とまだ先の話だが、ブロガーでありVesperの共同創業者であるJohn Gruber、Instapaperを産んだMarco Arment、そしてMacWorldのJason Snellなど、ソフトウェア界の名だたる大物たちへの取材も行っている。

上に掲載した予告ビデオを見ると、Appleのことばかりであるように思われるかもしれない。それも当然であるようだ。本プロジェクトの共同クリエイターであるJake Schumacherがメールで教えてくれた話によれば、彼自身も、同じく共同クリエイターのJedidiah Hurtも、iOSおよびMacのヘビーユーザーなのだそうだ。「そういうこともあって、iOS関連の話から始めるのが私たちにとってもとっつきやすかったのです」とのこと。予告ビデオを制作したのちには、もちろんAndroid側への取材もすすめており、ビッグネームへのコンタクトを行っているのだそうだ。

また、AndroidについてはAndroid OSの適用範囲の拡大などについても話をまとめていきたいと考えているそうだ。Android、Chrome、およびGoogle Appsを担当するGoogleのバイスプレジデントであるSundar Pichaiについてはぜひとも取り上げたいのだとのこと。またAndroidのユーザーエクスペリエンスについてのディレクターを務めるMatias Duarteにもコンタクトをとっているとのことだ。

人気を集めたインディーゲームに注目して、その背景をドキュメンタリーで綴るIndie Game: The Movieが、やはりクラウドファンディングで資金を獲得した。また、こうした情報ドキュメントは多くの人が興味をもち、実際に手がけている分野でもある。ただ多くの人はブログやポッドキャスティングでの情報発信を行っており、全体をひとつにまとめたものというのはなかなかないのが現状だ。これに着目したのが「App: The Human Story」で、あちこちの情報をかき集めずとも、大事な情報をすべて一箇所から得られるようなコンテンツを生み出したいと考えているのだ。

プロジェクトのサポーターに対しては特別なお返しも用意しているのだそうだ。映画の作成にあたって用意したインタビューは、多く編集段階で捨てられてしまうことになる。300ドル以上を出資した人に対しては、映画で省かれる部分も含めた完全版を提供することにしているとのこと。300ドルはなかなかの高額だ。しかしDaring FireballのTシャツやプレミアムポッドキャストを購入したりしている人にとっては、こちらの「完全版」もかなり魅力的なものかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


Kickstarterの支援者数最高記録9万+を達成したReading Rainbowは人気の子ども番組

いろんな賞を山ほど取った人気の子ども番組Reading Rainbowは2006年に放送を終了したが、その直後から番組のホストだったLeVar Burtonは復活のための努力を開始した。2012年にはタブレット用のアプリを立ち上げ、そして最近では、すべてのプラットホームにReading Rainbow提供するために、KickStarterで目標額100万ドルの資金募集活動を始めた。そのクロスプラットホームバージョンは、学校の教室に無料で提供される予定だ。

Kickstarterの募金は今500万ドル近くに達していて、支援者数91000名はKickstarterの新記録だ。

Burtonはそのことを今朝(米国時間6/30)ツイートし、Kickstarterも確認した

集まった金額では、Pebbleの1000万ドルあまりが今でも最高記録だ。しかしそのときの支援者数は約60000名だった。

Reading RainbowのKickstarterキャンペーンは、はなから大成功だ。目標額の100万ドルに達したのはわずか1日で、そのときのLeVar Burtonの感動ぶりを、ビデオで見ることができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


超コンパクトなポータブルスキャナのPocketScan、Kickstarterでの資金調達に成功

Kickstarterでキャンペーンを展開していた、ワイヤレスでスマートフォンやタブレット、あるいはコンピューターに繋いで利用する小さなスキャナが、見事資金調達に成功した。当初より増やした5万ドルを目標額としていたのだが、現在24万ドルを集め、出資者も2000名を超えている。スティッチング(stitching)と呼ばれる技術を採用しており、従来のスキャナよりも活用範囲も広がっている。

プロダクトの名前はPocketScanで、130の言語に対応した文字認識機能を備えている。サイズはミリメートル単位で95 x 50 x 27で重さは85gしかない。1度の充電で400回のスキャンを実行できる。他のスキャナのように、1度のスキャニングで全体を認識するのではなく独自技術で読み込んだイメージを組み合わせて全体を構成するようになっている。布地のスキャニングも可能となっている。Bluetooth/iBeaconを使ってPC、Mac、あるいはiPadと繋いで使うことができる。表データは自動的にエクセルで編集できる形式に認識され、文章はもちろんWordで編集できるようになる。

出資者にはWellington Partners、Schwyzer Kantonalbank(スイス銀行)、Hans-Peter Metzler(オーストリアのシリアルアントレプレナー)などがいる。

PocketScanを手に入れるための、Kickstarterでの最低金額は99ドルだ。これは予定されている定価よりも50ドルも割り引かれた価格となっている。出荷は12月を予定しいているそうだ。ちなみに競合のプロダクトとしてはNeatReceiptsやScanSnapなどの名前を挙げることができるだろう。

PocketScanを開発したのはスイスのDacudaだ。2009年にチューリッヒ工科大学(ETH Zurich)、マサチューセッツ工科大学(MIT)、ミュンヘン工科大学(TUM)、およびザンクトガレン大学(HSG)などの卒業生たちが、ETH Zurichからのスピンオフとしてはじめたものだ。今後、ますますの発展が期待できそうだと感じている。

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(翻訳:Maeda, H


クラウドソーシングによるローカル天気予報システムの構築を目指すStormTag

StormTagはキーフォブタイプのデバイスで、他のデバイスとの連携してクラウドソーシングによる気象データの収集を行い、そして局地的天気予報の仕組みも確立しようそするものだ。Bluetooth LEを採用し、スマートフォンやタブレットと通信する。利用者はアプリケーションを通じて気象データなどを確認するようになっている。

StormTagは2つの種類が用意されている。ベーシック版は温度および気圧センサーを搭載したもので、価格は25ドルだ。高機能版のStormTag+は35ドルで、湿度センサーとUVセンサーを搭載し、またメモリも内蔵している。すなわちBluetooth LEにて他デバイスと連携していなくても、電池のもつ限り、データをためておいてあとで同期するというような使い方もできるようになっている。

現在のところはプロトタイプで、製品化を目指してKickstarterキャンペーンを展開中だ。プロダクトの出荷時期は11月を予定している。

ちなみに最新の高級スマートフォンの中には、数多くのセンサーを搭載しているものがある。たとえば昨年登場したSamsungのGalaxy S4は温度、気圧、そして湿度センサーを積んでいる。これによりスマートフォンのみで気象情報を収集することができるわけだ。しかしマーケットを拡大しつつある低価格スマートフォンにはそうしたセンサーは搭載されていない。スタンドアロンのセンサーデバイスからスマートフォンなどにデータを送ってクラウドで活用するというやり方にも、需要はあるものと思われる。

また、スマートフォンはバッグやポケットの中にしまい込まれていることも多く、身の回りの環境データを正しく測定することができない状況にあることもしばしばだ。そうした場合にも、コンパクトなスタンドアロン型デバイスが有効だろう。

そうしたスタンドアロンデバイスに対するニーズに対応してStormTagは開発されている。同様のコンセプトでCliMateというものもある。双方ともにKickstarterキャンペーンを展開中だが、今回紹介しているStormTagの方は、キャンペーン終了までに1ヵ月以上を残しつつ、市場投入のための目標額である1万7500ドルの倍以上を集めている。

このStormTagを開発したのはJon Athertonで、これまでにもYuFuNotaJaJaスタイラス、そしてe-inkを利用したBluetooth対応目覚まし時計のaclockなどで、クラウドファンディングを成功させている。

AthertonによるとYuFuで使った圧力検知系のパーツをリサイクルした部分もあり、それによりStormTagでの希望調達額を低くおさえることができたのだそうだ。競合ともいえるCliMateの方は、希望調達額が5万ドルとなっている。

またクラウドソーシングを活用する天気マップサービスを展開するWeatherSignalと提携したのも良いアイデアであるように思える。WeatherSignalは最初からセンサーを搭載しているAndroidデバイスに対応したネットワークだが、ここと連携することでSmartTag利用者は当初より膨大に蓄積されたデータを有効に活用することができるようになる。また、WeatherSignalはアプリケーションを提供しているので、StormTag側で独自のアプリケーションを作る必要がなくなるのも大きなメリットだ。

「WeatherSignalは膨大な量のデータを集めています。そこにiOS利用者や、センサーのついていないAndroidデバイスを使っている人のデータを追加していくことになります」とAthertonは言う。WeatherSignalにデータを提供するデバイスは5万台に達しており、アプリケーションのインストール数は23万件となっているのだそうだ。

「WeatherSignalは平均して1日に200万件のデータを収集しています。それぞれのデータにはタイムスタンプが付加されており、また各種センサーで取得した情報をジオタグを付してまとめられたものとなっています。すなわちひとつひとつのデータをカウントすれば、1日に数百万ないし数千万のデータが蓄積されつつあるわけです。StormTagでは、そうして集まったデータを有効に活用し、そしてまた新たなデータを蓄積していくことができるわけです」。

Athertonは、StormTagを市場に投入し、2年間程度で真に実用的な地域毎天気予報システムを構築していきたいと考えているそうだ。

「データを蓄積し、個々のデータがどういう状況を示すのかを適切に判断できるようにしたいと思っています。そしてクラウドソーシングを活用して、各地の天気状況などを示すための仕組みを作りたいと考えているのです」と述べている。「もちろん、トータルな仕組みの構築に向けた中でも、利用者の方々には有益な地域気象情報を提供していきます」とも言っている。

StormTagデバイスの隅には穴があいていて、鍵や洋服などに簡単に取り付けることができる。もちろん防水設計になっていて、スキーやボート遊びの際にも利用できるようになっている。

目標調達額には既に到達しており、Atherton曰く既に製造活動に入っているのだとのこと。それにより、出荷時期は予定より早まるかもしれないとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H


TechCrunch Tokyo 2012で優勝したWhillが個人用移動デバイスのソフトウェア開発でKickstarterに登場

TechCrunch Tokyo 2012で大賞を取った移動器具を作っているWhillが、このたび、Kickstarterに登場して、製品の最終的なブラッシュアップのための資金を募集している。対象製品はWHILL Type-Aと、その付随アプリだ。

Type-Aは元々車いすに代わるものとして作られたのだが、同社を作った元Sony、Olympus、Toyotaなどの技術者たちはそれを車いすとは呼ばない。事業開発部長のAtsushi Mizushima(水島淳?)によると、その理由は、“弊社は万人向けのパーソナルモビリティ–個人の移動–に専念している”からだそうだ。

Type-AはRed Dot Design Awardのプロダクトデザイン部門で佳作賞を取った。最小旋回円は半径28インチで、いろんな地形に対応できるが、坂道は約10度までだ。

今、7月12日までの目標額3万ドルに対して1万ドル以上集まっているが、もし募金に成功したらWhillはそのお金でType-Aに搭載できるスマートフォンアプリを開発し、リモートコントロールができたり、至近の充電ステーションを見つけたり、問題発生時にはハードウェアの診断レポートとともにフィードバックを同社に送れるようにする。

資金募集に対し9500ドル以上を出すとType-Aをもらえるが、100ドルならシリコンバレーの同社本社とテクショップに招待される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))
 


オープンハードウェアとしてのラップトップコンピュータNovena、クラウドファンディングで人気殺到

ハードウェアのマジシャンと呼ばれるBunnie Huangの、完全にオープンソースなラップトップコンピュータNovenaは、クラウドファンディングの目標額を達成し、1月に発売可能となった。締め切りまでまだ13時間ある(米国時間5/18現在)が、目標額10万ドルをとっくに超えて50万には達しそうだ。

このラップトップはツール不要のシンプルなアップグレードができる設計と、完全にオープンなアーキテクチャを目指している。PCBも完全オープンで、その上にARM/Freescaleの2GHクァドコアプロセッサ〔jpDOC〕が載る。OSも自由にダウンロードできる。

標準構成で1995ドルとお高いが、マザーボードだけなら500ドルだ。

ケースの内部にはガススプリング(ガスダンパー)があって、それがスクリーンを立てたり寝せたりする。ただしケースはユーザが完全にカスタマイズでき、自作品を使ってもよい。ケース内部(ケースの底)にはHuangが”Peek Array”と呼ぶ基板マウント用のネジ穴が並んでいる(上図)。つまり、ユーザが今後、好きなものを何でもマウントできる。

基本バージョンはバッテリーコントローラとスクリーンはあるが、キーボードはない(ユーザが自分で用意する)。ただし5000ドルの”heirloom”は、木とアルミで手作りされた完成品のラップトップだ。

これはハードウェアおたくのHuangが最近発表したものの中では、最高の傑作の一つだろう。資金募集キャンペーンは目標額を上げて続行中のようだから、あなたが気軽にハードウェアハッカーになれるための、よいチャンスかもしれない。お値段は、量産量販になればきっと下がるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


複数の3Dプリンタをネットワーキングしてジョブ共有化するPrintToPeer, エンジンはRaspberry Pi

カナダのカルガリーでクラウドファンディングされたPrintToPeerは、一つの建物内や世界各所にある3Dプリンタをネットワーキングする。そんなものは必要ない、という読者も多いと思われるが、昔のレーザプリンタのことを思い出してみよう。高価で電力を食いメンテナンスのたいへんなプリンタが一台だけ地下の機械室などにあって、一日中、プリントジョブの待ち行列ができていた。安価なプリンタのネットワーク、という発想はなかった。

ファウンダは、そんな昔を知らない20代のTom BieleckiとJames Thorneだが、彼らはバンクーバーのアクセラレータGrowLabで孵化した。そのシステムは、Raspberry Piを使ってジョブをプリンタに送る。

“そのRaspberry Piを3DプリンタにUSBでつなげば、すぐに使えるようになる”、とBieleckiは語る。

“3Dプリンタは扱いづらいし遅い。でもこのシステムを使えば、大量のプリントでも苦にならなくなる。ぼくたちは、自動化と抽象化の鬼なんだ。今回は、3Dプリンタという一見ばらばらな機械群を、共通のプラットホームで束ねたんだ。それによってソフトウェアデベロッパが、実用ユーザのためのアプリケーションを作れるようになる。ぼくたちのAPIを、いろんなデベロッパが使いこなして、おもしろい体験を作り出してくれることを、心待ちにしている”。

といっても、対応機種はMakerbotとMarlinの3Dプリンタで、それらに(というかRaspberry Piに)、今多くの3Dプリンタで使われているSTLのオブジェクトファイルを送信する。するとシステムがオブジェクトのデータをスライスしてプリンタに送る。プリンタマネージャが各プリンタの稼働状況を表示するとともに、各プリンタのジョブが終わったら通知する。ぼくも3Dプリンタを使っていて、いちいち二階に上がって行って状況をチェックするのはいやだから、プリンタマネージャを使えるだけでもこのシステムはありがたい。

PrintToPeer自身はオープンソース化されるが、Raspberry PiとカメラとSDカードに焼かれたソフトウェアのセットは、140ドルで買う。同社は今、このプラットホームで何かをするデベロッパを求めている。彼らのお値段は15000ドルだ。

“3DプリントにDRMという鍵をかけて、高い塀で囲まれた庭に閉じ込めている企業もある。でも、そんな企業に消費者はそっぽを向くだろう。顧客に選択の自由を与えないのは、よそへ行かれるのが怖いからだが、われわれはそんな状況をイノベートしたい。そして豊かなユーザ体験を作り出したいのだ”、とBieleckiは述べる。

“3Dプリンタはハードウェアに話題が集中して、ソフトウェアのことは忘れ去られていた。でもそれでは、使いやすい環境がいつまでたってもできない。たとえば3Dプリンタが学校で使われるようになったら、それらをネットワーク化して共有することが必須になるはずだ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


家庭用真空調理ヒーターのAnovaがバージョンアップへ―Kickstarterですでに50万ドル集まる

昨日のMellowにつづいて、真空(低温)調理器の話題だ。

私が以前にレポートしたAnovaが真空調理用ヒーターのバージョンアップを発表した。鍋にこのヒーターを取り付けると、湯音を指定の温度に精密に温度をコントロールして調理ができる。AnovaのKickstarterプロジェクトは目標額10万ドルをはるかに越して50万ドルに達している。

現行の第一世代のAnovaは、タイマーや温度設定をすべてデバイスの中で行うものだった。 新システムではスマートフォンから専用アプリを通じて詳細なコントロールができるようになる。また外出先からリモートで調理をスタートさせることもできる。昨日紹介したMellowとは異なり、Anovaはユーザーの手持ちの鍋にクリップで取り付ける方式。またMellowと違って食材を入れるプラスチック・バッグは真空にする必要はなく、市販のジップロックでよい。

新しいAnovaは市販予定価格は169ドルと業務用真空調理器はもちろん、400ドルのMellowとくらべても大幅に安い。開発者のJeff Wuはこの種のデバイスを以前から作っており、最初に完成させたのは2013年だった。

家庭用真空(低温)調理器市場は現在立ち上がりかけているところで、まだまだ大きなチャンスがある。本来なら大手家電メーカーから製品が出ていてもいいはずなのに、私は一つも見つけられないでいる。デバイスのスタートアップを狙っている起業家には絶好の時期だ。低温調理の柔らかいステーキのファンとしては、この市場がさらに活気づくことを期待したい。


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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


勝手にペグも回してくれるギター・チューニングマシンがDisruptに登場

Roadieは小さいながら非常に便利なツールだ。ギターのペグをかませて、そしてスマートフォン・アプリケーションに繋ぐ。すると各弦のチューニングを自動で行ってくれるのだ。現在行われているDisrupt NY Battlefieldにて「audience choice」(観客による人気投票)を獲得した。正確にチューニングすることができそして速い。ギターのチューニングを経験したことのある人なら、誰もがきっと欲しくなるのではないかと思う。

「私たちの会社はBand Industries」と言います。音楽関連テックプロダクトに注力しています。音楽に関わるエクスペリエンスをより豊かなものとしたいと考えているのです」と、共同ファウンダー兼CEOのHassane Slaibiは述べている。

最初に作ったデバイスが、このRoadieだ。価格は79ドルで、サイトからプレオーダーできるようになっている。発想は7月を予定しているとのこと。2014年1月にはKickstarterキャンペーンにて、みごと18万ドルほどの資金を調達している。

「レバノンのベイルートにはじまり、2年間にわたり開発に勤しんできました」とSlaibiは言う。その後、中国深セン市のスタートアップアクセラレーター・プログラムのHaxlr8rに参加した。

Roadieは、あらゆるギターに対応しているのが強みのひとつだ。エレキギターでもアコースティックギターでも、あるいはギター風のヘッドがあるものならRoadieを利用することができる(訳注:あらゆるとは言っても、さすがにヘッドレスは無理)。

技術面の説明もしておこう。RoadieはBluetooth経由でスマートフォンに接続する。スマートフォンこそが全体の中で中心的な役割を果たす。弦をはじくとスマートフォンがその音程を認識し、現在の状態をRoadieに伝える。そしてRoadieがチューニングを行うという仕組みになっているのだ。

4人のメンバーが属するBand Industriesは、Kicksatrterキャンペーンに加えてHaxlr8rより2万5000ドルの資金を調達している。今回、Disruptのステージに登場したことにより、今後はさらに多くの人から注目を集めることになるだろう。

訳注:原文サイトではDisrupt運営者側とのQAも掲載されています。

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(翻訳:Maeda, H


続々と参入者が増えるキッズ向けウェアラブル。Tinitellは簡単電話+GPS機能に特化

デバイスメーカーにとって、すくなくともここしばらくは「ウェアラブル」が注目すべきバトルフィールドとなる。Tinitellも、子供向けのウェアラブルフォン+GPSトラッカーを投入してきた。最新の技術を用いて、子供の手首に装着できるようなサイズにおさめたプロダクトだ。

製作したのは昨年設立されたスウェーデンのスタートアップだ。10万ドルの資金調達を目指してKickstarterキャンペーンを展開している。資金を調達して来年4月からの出荷開始を目指している。本稿訳出時点で24日のキャンペーン期間を残して7万4千ドルほどを調達している。

Tinitellはそのサイズのみでなく、操作方法についてもコンパクトにうまくまとめられているようだ。デバイス自体にスクリーンはなく、物理的なボタンで操作するようになっている。電話をかける相手は音声認識で選択するようになっている。

たとえば「ママ」といえば、予め「ママ」として登録しておいた相手が通話相手として選ばれる。もちろんボリュームキーを押すことで、リストから電話相手を選ぶこともできる。選んだ相手を表示するスクリーンはないので、音声にて現在選択されている相手を通知してくれる。

ちなみに音声認識は、完璧に発話を認識する仕組みではなく、予め録音しておいた音声ラベルとのマッチングを行うものだ。これにより、さほど処理能力の高くせずとも機能を実装できるようにと工夫しているわけだ。

通話相手リストの追加を行うにはTinitellのウェブサイトないしアプリケーションから行う。こうした仕組みにより、子供が誰と通話できるかを親の側で設定できるようになっているわけだ。また、現在の場所を地図上に表示することもできるようになっている。

通話網へは2G GSM SIMを介して接続している。搭載しているバッテリーは、一回の充電で1時間の連続通話を行うことができる。あるいはスタンバイモードならば1週間はもつのだそうだ。子供たちといえば外で乱暴に遊ぶこともあるわけで、防水および防塵設計ともなっている。

「他の子のお父さんと話すうちにTinitellのアイデアを思いついたのです」とファウンダーのMats Hornは言っている。「子供が外で遊びたいと言ったときに、携帯電話を持たせていないことが気になったのだそうです。その子は以前携帯電話を失くしてしまったことがあり、それで親のスマートフォンを貸すのもどうかと感じたようです。ちょうど料理をしていて、子供と一緒に外に行くこともできませんでした。結局子供は部屋でiPad遊びをしていたのだそうです。それはちょっと残念なことだと感じました」。

「自分が子供の頃を思い出すと、外で遊ぶことが何より好きでした。その当時のことを思い出してみて、子供用のシンプルな携帯電話というものがあっても良いのではないかと思ったのです。いろいろな機能を付け加えることは必要ないと考えました。スピーカーとマイク、そして簡単に通話でき、そして自分の場所を通知することができれば良いと考えたのです」。

Hornは子供向けのシンプル携帯電話の市場には大きなチャンスがあると感じているようだ。もちろん彼もいろいろと「子供向け」を主張するデバイスがあることは承知している。しかしたとえばTinitellは「ウェアラブル」であり、その面だけでも通常のデバイスと比較して優位性をもつのだと主張している。確かにウェアラブルであれば、うっかりなくしてしまう可能性を多いに減らすことにはなるだろう。GPS機能の面でみても、Loccaなどのような無骨さがないのもまた魅力となり得ると考えているようだ。もちろん、こうした「優位性」がTinitellの市場獲得に繋がるのかどうかはまだわからない。

確かにウェアラブルというのは「カンブリア大爆発」の現代版になりそうな気配もありそうに思える。ウェアラブルを投入するさまざまな企業が便利さを強くアピールしていもいる(もちろんRufus Cuffのようなデバイスをみて「そりゃないわ」と感じている人もいることだろう)。

Tinitellは、ウェアラブルの将来に、そしてとくに子供用のウェアラブルの将来に賭けているわけだ。この分野には将来性があると考えているところは他にもある。たとえばMoffという腕輪型ウェアラブルも、子供たちの遊びジェスチャーにサウンドエフェクトを加えることで多くの子供たちに使ってもらえるはずだと考えている。GuardianというBluetooth LEを使った位置情報トラッキングのためのウェアラブルもある。これもまた子供の居場所を通知するためのツールとして登場してきたものだ。

子供用ウェアラブル全体でみたとき、コストも普及に関わる大きな要因となるだろう。TinitellはKickstarterの初期割引で99ドルの価格を提示している。こちらが完売となれば、価格kは149ドルとなる。「安価」であるとはいえない価格だ。

Horn曰く、Tinitellの開発には個人資産を投じ、そして足りない部分は借金で補ってきたとのこと。2013年にはスウェーデンの最も大きなアントレプレナーシップコンペティションのひとつで賞を獲得してもいる。

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(翻訳:Maeda, H


自転車の「スマート化」を目指すVanhawks Valour

車は最近、どんどんスマートになってきている。ドライバーに方向を教えたり、かかってきた電話に対応したり、さらには車自身で運転できるようにもなりつつある。一方で、自転車の方はあくまで20世紀の技術に留まっている。技術進歩がないわけではないが、最大の進歩が「電動化」で、坂道をのぼるのが少々らくになった程度のものだ。

そのような中、自転車にも「スマート」を導入しようと登場してきたのがVanhawksだ。まず投入したのがValourというモデルで、Bluetooth経由でスマートフォンなどと繋がる。繋がることでナビゲーション機能や、アラート機能などを備えるようになる。

Vanhawksがまず重視するのは安全性だ。たまに自転車に乗りながらスマートフォン上の地図で行き先を確認している人がいる。そういうことをせずに済むよう、自転車自体をiPhoneやAndroidデバイスと繋ぎ、道案内は自転車自体に任せるわけだ。曲がる必要のあるところにくれば、ハンドルバー上のLEDランプが光って通知してくれる。

さらに自転車後部にセンサーも搭載し、後ろから何か(車など)が接近してくれば検知できる。後ろから接近してきたものが危険なほどに近づいてくると、ハンドルバーのグリップ部分が振動して伝えてくれるのだ。

搭載しているセンサーは、自転車の現在地をモニタリングし、また各種統計情報もリアルタイムで収集する。メッシュネットワーク機能も搭載しており、近くにあるVanhawksを検知することもできる(盗難時などにクラウドの力で見つけ出すことなどができる)。

確かに、自転車に「スマート」を投入しようとする動きは他からも出てきそうだ。嚆矢となるVanhawksは外見もなかなか格好良い。フレームは全てカーボン製だそうで、確かに非常に軽い。

Vanhawksは現在Kickstarterキャンペーンを展開中。シングルスピード版がカナダドルで999ドルとなっている。変速ギアのついたものはプラス300ドルだ。

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Neil YoungのPonoMusic, Kickstarterの爆発的ヒットに次ぐ‘その後’をCEOに聞く

Kickstarterにはときどき、何千人もの人がその実現を望み、こぞって資金を提供する大ヒットプロジェクトが登場する。FLAC形式による高品質な音楽ダウンロードサービスと、それ用の音楽プレーヤーを作ろうとしているPonoMusicは、それの最近の例だ。

PonoMusicの目標額は80万ドルだったが、一週間あまり前の締切り日には620万ドルをかき集めた。協同ファウンダがNeil Youngであったり、投資者の中にはBruce Springsteenがいるといった有名人現象も、PonoMusicにとって有害ではなかったと思うが、セレブたちの影響力だけでこれだけのお金は集まらない。PonoMusicの主張に対しては批判も多いけど、でも、多くの人たちがPono Playerのようなものが欲しい、と願っていたからこそ、資金募集が大成功したのだ。

お金が集まったからには、PonoMusicものんびりしてはいられない。むしろ、これからがいよいよ正念場だ。今回はPono MusicのCEO John Hammに会って、Pono Playerのプロトタイプに触らせてもらい、また今後の計画について話を聞いた(上のビデオ)。彼によると、プレーヤーの完成と発売は今年の10月を予定、それを目指して全社邁進しているところ、という。現時点で力を入れているのは、サンフランシスコの本社の要員を増やすことと、VCからの資金調達のお膳立てだ。

彼へのインタビューを、上のビデオでご覧いただきたい。

〔訳注: 日本ではたとえばオーディオ装置メーカーのオンキョーが、FLAC音源の有料ダウンロードサービスと、iOS用プレーヤーアプリを提供している。[onkyo flac]で、検索してみよう。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


家のすべてのドアと窓をスマートフォンから24時間監視できるKorner, Indiegogoでクラウドファンディング中

スマートホームセキュリティの新人企業がそのプロダクトをクラウドファンディングして、先輩のCanaryなどに挑戦しようとしている。その、今Indiegogoで15万ドルを集めようとしているKornerは、ルータ用のドングルとドアにつけるタグから成る100ドルのシステムだ。

そのドングル(というかFOBキーみたいなもの)をルータに挿入して、タグをすべてのドアや窓につけると、これで、この家に出入りする者を24時間監視できるようになる。あなたの使い慣れたスマートフォンから。

アプリが、今どこのドアが開けられたかを教えてくれるので、あなたはそのままスマートフォンから110番したり、家族、あるいは、いざという時たよりになる友人を呼ぶことができる。

ファウンダたちによると、同製品の最大の差別化要因がタグだ。タグを用いるこれまでの製品は、開け閉めを感知するために二つのタグを必要とした。Kornerでは一つのドアや窓に対してタグは一つだ。

また、タグを一つにできただけでなく、Kornerは風などの無害な動きと本物の侵入を区別できる。

Canaryもセンサを搭載したホームセキュリティデバイスで、同じくスマートフォンのアプリを使うが、ライブのビデオフィードや、空気の質と煙の感知などの豊富な機能があって200ドルだ。アプリのデザインも良い。

ただしCanaryでは、Kornerのようにすべてのドアや窓を監視することはできない。

詳細は、IndiegogoのKornerのページを見てみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


「プリンテッド・エレクトロニクス」のオープンモジュール化を目指すPrintoo

世は「メーカーブーム」の時代だとも言えそうだ。そのような中、さらに時代の流れに拍車をかけようとするのがPrintooだ。プリンテッド・エレクトロニクスを活用した、文字通りフレキシブルなモジュール化パーツを利用できるようにしようとしているのだ。固い基板を用いないことで、ディスプレイや発光回路を瓶の中に入れて使うようなこともできるようになる。あるいは3Dプリントで作ったものの中にBluetoothモジュールをねじ込んで、スマートフォンなどからコントロールできるようにすることもできる。

Printooの目標は、プリンテッド・エレクトロニクスのモジュール化にある。さまざまに組み合わせて利用できるようにすることで、応用範囲を拡大していこうと考えているわけだ。回路作成についてもハンダ付けや配線を行わず、導電インクも利用できるように考えている。こうした仕組みを普及させようと展開しているKickstarterプロジェクトでも、余裕を持って目標額の2万ドルの調達に成功している。

Printoo曰く、これまではプリンテッド・エレクトロニクスはごく限定的な利用しかされてこなかったとのこと。プラットフォームをArduino互換とし、モジュール設計をオープンソース化することにより、こうした状況に変化をもたらそうとしているのだ。各モジュールのプラットフォームを共通化することで、リリースされたさまざまなモジュールを組み合わせて利用することができるようになる。現在利用可能なモジュールとしては、Blue SparkおよびEnfucellの激薄の柔軟バッテリー、Isorgによる光検出器、VTTによるLEDストリップ、Mekoprintによるポリマー太陽電池、そしてPrintooが製作しているエレクトロミックディスプレイであるYnvisibleなどがある。

Printooキットは45ドルのコアキット(3つのコンポーネントが同梱される)や95ドルのベーシックパック(7つのコンポーネントが同梱される)などが用意されている。Ultimate Blimp Packというのもあって、これには23種類のコンポーネントが入っている。価格ももちろんそれなりで、550ドルとなっている。入ってくるコンポーネントはディスプレイ、センサー、モーター、バッテリーパックなどといった具合だ。

LEDマトリクスや静電容量式センサなどの各種単体コンポーネントに加えて、Printooのシステムで用いるためのドライバーモジュールやコネクターなどもすべて含まれる。細かな設計についてはまだ手を加えているそうだが、出荷時には柔軟なボード上に実装される本体に加え、きちんとしたコネクターが用意されるそうだ。

Printooシステムを制御するためのアプリケーションも開発中なのだそうだ。利用方法を限定するためののものではなく、モジュール化したPrintooシステムをいっそう簡単に利用できるようにするためのものだとのこと。さらに教育用途での利用も視野に入れているのだそうだ。もちろん腕自慢たちは、自らどんどんハッキングして新しい用途を広げていくこともできる。

訳注:Kickstarterページにあるサンプルプロジェクトもぜひご覧ください。

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(翻訳:Maeda, H


Kickstarterにて無事目標額を調達した冗談のような「便利待ち合わせツール」のLookFor

大勢が集まるイベント会場などで、特定の人を見つけ出すのはとても難しいことだ。「プレッツェル売り場の近くにいるからね」などといった感じで場所を伝えるのが一般的な方法だろう。こうした労を軽減しようとする、Kickstarterプロジェクトが展開中だ(Twitter経由でRoss Rubinに教えてもらった)。大混雑の中でも簡単に、スマートフォンを活用して、目的の人を見つけようとする仕組みだ。スマートフォンの画面で、特定の色のライトを点滅させるのだ。

プロジェクトの名前をLookForという。調達目標はわずか1000ドルだ。ただ、実際のところはプロジェクトの実現には1000ドルもかかるまい。アプリケーションの機能は、利用者に使いたい色を選ばせて、そしてそれをスマートフォン画面全体で点滅させるというものだ。もちろん、このLookForを使う前には、適当なアプリケーションを使って何色を表示させるかを通知しておく(イベント会場では電波が通じないこともあるので、会場入りの前にSMS、メールなどを使うわけだ)。そして会場についたらLookForを起動して、伝えておいた色をフラッシュさせる。

非常に古臭い方法ではある。しかし誰もが持つようになったスマートデバイスを用いるというあたりが新しいとは言えるだろうか。スマートフォンを使いながら、しかし電波の届く範囲外でも利用できるというのが面白いといえるかもしれない。技術的に何ら新しいものはないが、確かに有効な方法ではある(クリエーターのLogan Rileyも、本で仕入れた程度の知識でLookForを構築したのだと言っている)。誰にでもわかりやすい仕組みであり、コンサート、タクシーやUberでの迎車待ちなどにも利用できるだろう。

出資者は1ドルにて完全に機能する「ベータ」版を受け取ることができる。もし5ドルを出資すれば「アナログ版」もついてくる(財布などに入れておいて使うカラープレートだ)。ちなみにRileyは、将来的には「スマート」機能も付け加えたいと考えているのだとのこと。たとえば近くにいるときに通知するiBeaconのサポートや、プッシュ通知、あるいはアプリケーションの中からメッセージを送る機能などが考えられる。さらに、このLookForはメジャーになればなるほど有効性を失うという性質をもつ(パープルを探してくれと言ってるときに、周囲に何人もパープルを点滅させる人がいては何にもならない)。そこで、点滅周期をはかって、どれが自分の待ち合わせ相手なのかを判別する機能なども考えてはいるのだそうだ。

自分のスマートフォンでも使えるのだろうかと考える人もいるかもしれない。幸い、現在のところLookForはウェブアプリケーションとなっている。さまざまなデバイスで利用可能だ。「そんなものなら自分で作ることもできるのではないか」と考える人もいるだろう。もちろんそうだ。あっという間に作ることのできる人も多いはずだ。しかし、価格はわずか1ドルだ。アイデアに経緯を表して支払っても良い価格といえるかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


クラウドファンディングのカンファレンスで見つけた自分の足で歩く自転車

でっかくて、車輪の代わりに足先が複数ある脚(あし)のある自転車が欲しかった人、ついに出ましたよ。名前はBoneshakered Bigwheelで(マジに)で*、作者のRonald L. Schroerによるこの一台しかない手作りのプロジェクトは、後輪があるべき場所に脚がある異様な三輪自転車だ。ほとんどすべて木製で、前輪は“ヒプノホイール(hypno-wheel)”になっているので、乗っても見ても快感を得られる。〔*: Boneshakered Bigwheel, 直訳: ガタガタ観覧車。〕

Ronaldがこのプロジェクトをデモしたのは、フロリダ州Jacksonvilleで行われた、クラウドファンディングのカンファレンスの会場で、実はぼくが今日(米国時間4/10)の午後ここでスピーチすることになってる。クラウドファンディングをする/求めるカンファレンスは、これまでなかったと思うし、そこにこんな、やはり前例のない自転車が登場することもおもしろい。Kickstarterなどのメインストリームなサイトでは芽が出そうもない、奇抜なプロジェクトを見られることは、絶対すばらしいね。

Ronaldに、大量生産を考えたことはあるか、と聞いたら、需要があるかどうか分からない、と言った。この自転車をおもしろいと思った読者は、ぜひここで彼にご出資を。ぼくのうちにガレージがあったら、ぜひ一つ買って、ブルックリンでフィクシー(fixie)(固定ギア自転車)に乗ってる連中を、びっくりさせたいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))