TC Disrupt:マーク・ザッカーバーグ、株式公開について「怖がりすぎていたかも。結果的にはよい經驗だった」

今日(米国時間9/11)、サンフランシスコで開催中のTechCrunch DisruptカンファレンスにFacebookのファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグが登場した。TechCrunchのファウンダー、マイク・アリントンのインタビューに答えてザッカーバーグは「できるかぎり長い間上場しないでいる、と私は以前何度も強く言ってきた。しかし今になってみると、それは取り越し苦労だったかもしれない」と語った。

ザッカーバーグは「昨年株価が下落した時には失望した社員が会社を去るのではないかと心配した。しかし彼は頭を下げてじっと嵐をやり過ごし、Facebookのプロダクト開発に集中してくれた」という。

アリントンはザッカーバーグに「株式上場に関してTwitterにアドバイスはあるか?」と尋ねた。ザッカーバーグは「順調な株式公開について尋ねるなら他の人にしたほうがいい。しかし価値ある経験だった。最初の一年、ひどい思いをしたことがFacebookをうんと強くした。必要に迫られて自分の会社についてあらゆる細部まで知るようになった。これでFacebookは新たなレベルに上ることができた。経営状態は今やずっとよくなった」と答えた。

アリントンは去年のDisruptでもザッカーバーグにインタビューしている。これはFacebookの上場後、ザッカーバーグにとって最初のインタビューだった。このとき若きCEOはFacebookのモバイル事業のビジョンを語り、モバイルからの売上がすでに40%に達していることを明らかにした。

「1年前のモバイル・アプリはひどかった。あれじゃモバイルからの売上げゼロだったのも当たり前だ」とアリントン。

ザッカーバーグは「モバイルのユーザー体験がヒドイといってめちゃくちゃいじめられた」と笑って認めた。〔この項続く〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ハッシュタグおたく、その他、Instagramをつまらなくする6種類の人々

Facebookには10億の利用者がいる。Twitterは利益をかき集めつつあるようだ。

しかし、流行に敏感な若者にきけば、一番ヒップなソーシャルネットワークはInstagramだという回答が戻ってくるのではなかろうか。

但し、Instagramが広がるに連れて、少々変わった使い方をする人も増えてきたようだ。変わっているだけなら問題ないのだが、ときに眉をしかめられてしまう(あるいはアンフォローされてしまう)ことになってしまっている人もいるようだ。

どういう投稿が反感を招くのかについて、見ていってみようと思う。

自分撮りクイーン

まず言っておきたいのだが、自分撮りが悪いというわけでは全くない。

ただし、自分撮り「ばかり」を投稿する人は、白い目で見られることもあることを知っておくべきだろう。写真に撮りたくなる面白いものが自分の姿だけだとするのなら、ぜひとももっと外にでかけるようにした方が良いだろう。また、数秒間隔で自分の写真を撮り、それを共有する人もいる。まず素顔で一枚、そして新しい口紅を付けて一枚、さらに口紅姿にサングラスをかけて一枚といった具合だ。

その程度の違いであれば、一枚にしぼった方がウケは良くなる。

ちなみに最もウザがられる可能性が高いのは「大変さ自慢」の自分撮りだ。エクササイズが終わった瞬間や寝起きの写真に、「大変すぎる」なんてキャプションを加えれば、簡単に多くの人から嫌われることができる。疲れてるのなら、わざわざ自分撮りするようなことをせずに、しっかり休めばいい。

くどいけれど、自分撮りが悪いわけではない。自分撮りがあるおかげで、Instagramフィードに味が出るということもある。ぼく自身も、自分撮りをシェアしている人をフォローしているし、日々、顔を見ないと落ち着かない感じのする人もできた。ただ、やり過ぎは勘弁して欲しいということだ。これぞと思う自分撮りはぜひ見せてほしいのだ。ただ、代わり映えのしない写真ばかりでは飽きてしまう。

スクリーンショット・ラバー

先ほどと同じだが、スクリーンショットがいけないわけではない。ただ、Pinterestで見つけてきた名言集ばかりを載せるのはやめて欲しいのだ。「目標は大きくもとう。失敗しても、目標の近くに達している自分を見出すことができるはずだ」(Shoot for the moon. Even if you miss, you’ll land among the stars)などという「名言」には、ほとんどの人が聞き飽きている。ミミタコなだけでなく、なんだか抽象的すぎて、ほとんど意味をなさない「迷言」も多いのだ。考えてみよう。「Shoot for the moon」と言われて、自分自身を月に向けて打ち出すような努力をしたとしよう。外れても月の近くまで来てるじゃないか、というのが格言の教えだ。しかし近くまで言っても、酸素もなく、結局苦しんで果てることになるわけだ。

また、「マリリン・モンローの言葉によると」などという人も多い。そうして引用される言葉のうち、ほとんどはモンロー自身は全く関与していない言葉なのだそうだ。何かを引用して話をしようとするのであれば、出典は確かめておいた方が良い。

さらに言っておくならば、Instagramの主人公はあくまでも写真だ。テキスト表示のスクリーンショットというのは、基本的にInstagramの扱う素材ではないのではないかというふうにも、ぜひ考えてみよう。

どうしても「名言」系のものを共有したいというのであれば、他にもっと適した場所があるはずだ。たとえばFacebookやTwitterは、そうした言葉でのやり取りを行うのが前提となっている場所だ。言葉で通じ合いたいと思うなら、まず最初にそうしたサービスをターゲットに考えるべきだと思う。

(自分のメモ用アプリケーションのスクリーンショットというのは、一層ウケが悪いことを認識しておこう)

内輪受けマニア

一般的に歓迎されないスクリーンショットの中でも、最悪の部類に属するものだ。ショートメッセージのやりとりをスクリーンショットにとっておいて、Instagramにアップロードする人がいる。

ごく稀なケースには、こうしたスクリーンショットが歓迎されることがあるかもしれない。たとえば、滅多にみない悪夢シリーズなどは、多くの人の興味をひくこともあるだろう。

しかし、通常はテキストメッセージでのやり取りなどは、ごく内輪の人しか興味を持たないものだ(意味すら通じない)。一般的にInstagramの利用者はいろいろな人をフォローしている。友だちや有名人など、その範囲は幅広い。そしてほとんどの人とは、直接に話などしたことがないのが一般的だ。

高校時代の友人が挙げる結婚式の様子を見たり、あるいはテックレポーターがマイアミでのバケーションの様子をアップロードしたりする。そういう様子をみるのは楽しい。

ただ、母親や友だちとの、ちょっと面白いテキストメッセージのやり取りはどうだろう。たいていの人にはほとんど意味をなさない(そもそも興味を持てない)ものだと思うのだ。内輪受けの冗談というのは、あくまでも内輪にいてこそ楽しめるものだ。内輪向けのコンテンツをアップロードするというのは、フォロー関係にある人を排除するという意味でもある。そうしたバランスを十分に考えておきたいと思う。

「いいね!」しない人

その写真が気に入ったかどうかなんて、どうでも良いことじゃないかという人もいるだろう。

ただ「いいね」を押してもらうと、気持よく感じる人というのは多いと思うのだ。どういう写真が人気になっているのかを示すメジャーのような役割にもなっている。自分自身でも、もしガジェット系の写真に平均2ダースほどの「いいね」がついて、料理写真には2、3個しかつかないとしよう。するとやはりガジェット系写真の投稿頻度をあげるのが人情だと思う。こうして、より多くの人が興味をもってくれるコンテンツを、いっそうたくさん投稿できるようにもなる。

とてもカワイイ猫の写真があって、「かわいいですね」とコメントはしても「いいね」しないとしよう。コメントは確かに嬉しいものだが、他に「いいね」を集めた写真と比較して、「いいね」の少なかった写真の投稿頻度は減らすことになるかもしれない。

「いいね」の出し惜しみは、たとえば自分撮り写真ばかりを投稿するのにも似たような話なのだ。また、他の人からの「いいね」を期待しつつ、自分からは「いいね」しないというのもまた身勝手な話だ。Instagramというのは、写真を通じてコミュニケートするための場だ。そしてコミュニケーションの大部分を占めるのが「いいね」なのだ。コミュニティの中でうまくやっていきたいと考ええるのならば、コミュニティのルールに従った行動が望まれる。

そもそも「いいね」をケチっても別に意味はない。何に「いいね」をしたかを、他の人がまとめて確認する術はない。ちょっと親指を動かすだけで「いいね」できるわけで、「いいね」に何の損もないはずだ。それであれば、コメントをするくらいに気に入っているのなら、ついでに「いいね」もすれば良いと思うのだがどうだろう。

Instagram中毒

ある友人の話だ。この記事の中ではBettyとしておこう。彼女はInstagramに投稿したくなるような行動をする際、必ず5枚以上もの写真を投稿する。友だちとバーにでかけると、すぐに6枚ほどもの画像を投稿する。あるいはコンサートに行けば、バンドの写真、集まっている客の写真、彼女自身の写真など、少なくとも9枚は投稿する。

Bettyは面白い人で、彼女の生活ぶりをInstagram経由で見るのも楽しい。しかしいろいろな中毒患者と同じく、Instagram中毒の人も同じようなことを何度も何度も繰り返すという傾向があるのだ。何かを話しだす。聞いている人はそれで理解する。でも中毒な人は、言い方を変えて同じ話を繰り返す。それが何度も繰り返されるのだ。

「わかった。わかったって言ってるじゃないか」と、つい周囲の口調もきつくなったりする。

同じシーンの写真を何度も投稿したいと考えるのなら、ぜひともPicStitchなど、写真をまとめて1枚にすることのできるアプリケーションを使ってみると良いだろう。

全世界旅行者(The World Traveler)

Instagram中毒の対極にあるのが「全世界旅行者」だ。少々わかりにくいネーミングではある。外国に行ったというような、稀な経験をしたときにしかInstagramに出てこない人のことだ。パリでオートバイに乗ったとか、バリでサーフィンを楽しんだなどということが投稿される。そして数ヶ月は音沙汰がなくなる。そしてある日突然ローマの歴史写真が投稿され、そしてまた音信不通になるといった具合だ。

もちろん、珍しい体験をしたときに、その様子をシェアしたくなるというのは、現代をいきる私達の共通した感覚だと思う。一方で、日常的な写真というのもInstagram上にはあふれている。たとえば海岸で撮った足の写真や飛行機の窓。あるいは綺麗なラテアートなどだ。こうした写真は確かにありふれたものではある。しかしそれでも「ちょっと楽しい」シーンでもあるのだ。

そうした写真があるのもInstagramの面白いところだと思うのだ。料理写真を連投してしまうことになるかもしれない。しかしそれも、Instagram上で交流を持つようになった人の日常生活を垣間見るのに役立つ。こうした「日常生活の窓」としての役割も、Instagramに期待している人が多いと思うのだ。バケーション中の非日常ももちろん面白い。ただ、アンティグアを訪れたときの写真を投稿して、あとは次に旅行する時まで放置というのでは「Instagramらしさ」が発揮されないと考える人もいる。日常の様子もバランスよう配することで、Instagramは一層楽しめるようになると思うのだ。

もちろん、どんなにつまらないものでもどしどし投稿しようなどということを言っているのではない。ただ、「珍しいもの」だけを投稿するのでは、全く意に反して「目立ちたがり」などと思われてしまうこともある。「すごい」ものだけでなく「ちょっと面白い」ものが混ざっている方が、面白く感じる人が多いようだ。

面白いと思うんだけどどうだろう、などと思ったら、取り敢えず投稿してみるのも良いかもしれない。

ハッシュタグおたく

実のところ、ハッシュタグおたくが一番の邪魔者だと考えられているのではないかと思う。なんでもかんでもハッシュタグ化して、とにかく何かにひっかかれば儲けものといった態度に反感を持つ人も多いようだ。定冠詞の前にハッシュタグをつけて「#the」などにする意味はないと思うのだ。しかし「#the」を検索してみると1600万もの写真がみつかる。いろいろと言い訳する人もいる。

#Not #only #does #this #make #your #caption #unreadable, #but #it #makes #you #look #incredibly #desperate #for #Instagram #love(ハッシュタグの乱用はキャプションを見にくくするだけでなく、「必死」すぎる様子にも見えてしまう)。適切な内容のハッシュタグを、適度な数だけ付けるほうが、フォロワーや「いいね」の獲得には役立つように思う。

尚、ハッシュタグにはもうちょっと別の使い方もある(個人的にはすごく便利だと思っている)。すなわちイベントや、特定のメンバーが写る写真に、全くランダムに作ったハッシュタグを付けるようにするのだ。これにより、いつでも自分の呼び起こしたい思い出を引き出すことが出来るようになる。さほど人をいらつかせることもなく、「なんでもハッシュタグ」よりは、他の人の理解も得られるのではないだろうか。

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(翻訳:Maeda, H)


身の回りの音(会話)を録音し続け、タップひとつでスマートフォンに保存するウェアラブルマイクのKapture

またしてもKickstarterの話題で恐縮だが、毎度、面白いプロジェクトが出てくる。今回紹介するのは、リストバンド風デバイスで、マイクが内蔵されている。「ウェアラブル」と「Quantified Self(QS)」(身体データの数値化)の動きに乗ろうとするプロダクトだと言えるかもしれない。リストバンド内蔵マイクは直近60秒の音声を録音し続け、iOSないしAndroidアプリケーションを使って、簡単に共有することができる。

コンセプトはHeardというアプリケーションと同様だ。こちらも自分の周りの音を録音するもので6月にデビューしている。録音時間は無料版で12秒となっており、アプリケーション内購入によってアップグレードすることにより、直近の5分間の音を録音できるようになる。一番大きな違いは、もちろんKaptureがハードウェアであるという点だ。リストバンド風ハードウェアをタップすることで、外部デバイス(スマートフォン)に録音音声を保存するように指示を出すことができる。

Kaptureは本体が耐衝撃性プラスチック製。ストラップはシリコン製になっている。バッテリー持続時間は24時間を上回る程度とのこと。マルチカラーのLEDを搭載しているが、画面はない。バイブレーション機能は搭載しており、防水加工がなされており、そして無指向性マイクを装備している。プロトタイプ段階ではBluetooth 2.1経由でスマートフォンに接続するようになっているが、製品版ではBluetooth 4.0を使う予定だ。他には充電用のマイクロUSBおよびモーション検知のための加速度計も搭載されている。

Kaptureを生み出したのは、Procter & Gambleで10年以上のプロダクト製造の経験を持つMike Sarow、プロダクトプレイスメントを担当してきたマーケティング担当のMatthew Dooleyたちだ。Kaptureの出荷のため、15万ドルの調達を目指している。調達をサポートしてくれる人へのプロダクト提供価格は99ドルだ。この価格で提供されるのはブラックあるいはホワイトモデルとなっている。他にもいろいろな色が用意されているが、そちらは110ドルからの提供となっている。

Heardと比較すると、Kaptureの方がよりコンセプトに相応しい設計になっていると言えるのではないだろうか。録音時間は60秒で、スパイ的な用途に使われる可能性は低い。まさに自分が記憶しておきたい瞬間が時の中に流れ去っていくことを防ぐためのデバイスとして位置づけられているわけだ。また、専用のハードウェアであるという意味で、録音品質などについえてゃアドバンテージがあるものと思われる。手首に取り付けるようになっていることも、音質面では有利に働くだろう。

もちろん問題点がないわけではない。バッテリーのもちが24時間少々というのは短いように思う。また、手首をタップして直近60秒を保存するという動作は、自然の流れの中で行える動作ではなく、慣れるのに時間もかかるかもしれない。また、下の写真にある「You being you.」というコピーは、自らのファッション性を訴える意味もあるのだろうが、同意しかねると考える人もいそうだ。

取り敢えず、ライフロギングツールのひとつとして面白い試みであるとは思う。無骨な、いかにも機械然としたものでないのも良い点だろう。但し、人間の手首の数には限りがあることも問題となってくるかもしれない。Samsungなどのビッグネームも同じ場所を狙ってスマートウォッチをリリースしてきている。デザインはまずまず面白く(異論はあるだろう)、コンセプトも時代の流れに則ったものだと言えそうだ。但し、非常に限られた利用者層しか想定できないという面も忘れてはならない。いずれにせよ、身の回りの音や会話など、有効に活用しようとする一つの試みとして評価できるものであると思う。

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(翻訳:Maeda, H)


元Twitter所属のエンジニア、メッセージを自動削除するSnapchat風サービスをTwitter上に実現するTwitterspiritを提供中

Twitterは、利用者の投稿したコンテンツを一層活躍するための方法を探し続けている。最近行われた会話の表示順変更も、過去の会話に改めて注目を集めて、コンテンツを有効活用するための方法であると言えるだろう。そのような中、そうしたTwitterの努力と相反するようなサービスが登場してきた。かつてTwitterにも在籍していたPierre Legrainが、Twitterspiritというサービスの提供を開始したのだ。ハッシュタグを使って、簡単にツイートの有効期間を指定することができるというものだ。Twitter版Snapchatとでも言うべきもので、同様にほんの少しの間だけ表示される写真などを送ることができる(Snapchatのゴーストアイコンに対抗して、同様になかなか捉えがたい存在である精霊を意味するspiritを名前に冠したわけだ)。

自分で投稿したはずのデータであるはずなのに、自らのコントロール及ばない状況となり、まずはSnapchatが一定時間経過後に自動的に消滅するメッセージをやりとりする方法を提供し始めた。Twitterでも、もちろん自分のツイートを消去することはできる。ただそれは自分でいろいろと操作を行った場合の話で、自動的に消えるのとは別の話だ。Twitterspiritを使えば#1mないし#6h、あるいは#2yなどと、ハッシュタグを使ってメッセージの持続時間を指定することができるのだ。

時間がくればパッと消えてしまう。

なかなか面白いハックだとは思う。ただ、よく考えてみるといろいろと気になる点もある。

たとえば、利用者の投稿データを活用して、ブランドイメージを解析してみたり、あるいはプロモーションがTwitterの世界でいかに受け入れられているかといった情報を提供するのはTwitterのビジネスモデルのひとつと言って良いだろう。そのようなサービスの上に、一定期間でツイートを削除してしまう機能を実現するのは、Twitterの意に反するものであると言えるのではなかろうか。

また、作者の経歴をみると、少々微妙な気もしてしまう。LinkedInのプロフィールによれば、Twitterに籍をおいている時、Legrainは売り上げを管理するプロダクトマーケティング部門のマネージャー職にあった。2010年6月から2011年4月の在職期間中、「Promoted Tweets」「Promoted Trends」、「Promoted Accounts」および「Analytics」の開発に携わっていたはずなのだ。さらに自身も認めているように、「http://business.twitter.com」のアイデアを思いつき、設計して、開発にも携わったそうだ。

尚、広告代理店界の巨人であるWPPでの職務経験もある。

但し、メッセージが消え失せる仕組みになっていても、その結果、手に入るはずだった収入も失われてしまうと決まったものでもない。先輩のSnapchatは8億ドルの評価額で8000万ドルを調達したが、共同ファウンダーによるとマネタイズ手段は広告とアプリケーション内購入がキーなのだとのこと。TwitterにもSnapchat同様の機能が実現されることにより、むしろTwitterを利用した広告出稿が増えるということもあるかもしれない。

ちなみにLegrainは、このTwitterspiritはサイドプロジェクトであると述べている。

「当初の目的はPython、PostgreSQL、Redis、およびTwitter APIを使って何かを作ってみることでした」とのこと。このTwitterspiritとは全く関係のないことを本職として行っているのだそうだ。Twitterspiritを立ち上げてから、他にもいろいろと類似サービスのアイデアが浮かんできているのだという。たとえばチェックイン等、位置情報系サービスでSpirit風タグ機能を実装してみるのも面白いと考えている。レストランにいる旨を投稿しても、結局、そうした場所には1時間程度しかいないのだから、指定時間で消えるという機能には実用性があるのではないかと考えている。あるいは、気象関連ツイートに有効時間指定タグをつけるのも便利ではないかと考えているそうだ。確かに、古い時間の情報が消え去るわけで、現在の気象情報を知りたいと考えている人にとって便利になるのかもしれない。

TwitterユーザーはTwitterspiritのようなサービスを使いたいと考えるだろうか。Twitterという舞台の上で生き残っていくのか、それともハッシュタグによって行き残り時間を指定したツイートと一緒に、そのままどこかに消えていってしまうのか、注目しておきたいと思う。

(訳注:原文コメントには、類似サービスが既に公開されている旨のコメントもついています)

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(翻訳:Maeda, H)


Digg(およびDigg Reader)のAndroid版アプリケーションが登場

ソーシャルニュースサービスおよびGoogle Readerの代替としてのDigg Readerを提供しているDiggが、Androidアプリケーションをリリースした。Digg.comで提供されているサービスと、Digg Readerの機能が提供され、またFacebook、Twitter、Tumblr、Google+などのサービスとも連携させることができる。

Diggブログの記事によると、Digg Readerをリリースしてからの2ヵ月のうちに届けられた利用者からのリクエストでは、Android版アプリケーションのリリースを望む声が最も大きかったのだそうだ。Diggは、今はなきGoogle Readerの代替となるRSSリーダーの開発に必死に取り組み、6月に暫定版のような形でウェブ版をリリースし、そして数日して、iOS版アプリケーションを投入している。

今回リリースされたAndroid版では、iOS版と同様に、Diggが以前から扱っていた人気記事リンクとRSSの双方を扱う。特徴については、ブログ記事中に以下のような説明がある(当たり前のことが多いが)。

  • Diggのトップストーリーや記事、あるいはフォルダ間はスワイプ動作で簡単に行き来可能。記事はウェブビューとパースされたテキストビューのいずれかを選択可。
  • 記事はDiggしたり保存したりすることができる。後で読むためのサービスはInstapaper、Pocket、およびReadabilityに対応(設定により、Digg Reader内で保存した記事を自動的に外部サービスにも保存することもできる)。またFacebook、Twitter、Google+、LinkedIn、Tumblr、WordPress、Buffer、Dropbox、Google Drive、メール、ショートメッセージなどで記事の共有可能。
  • Digg Top Storiesは検索可能
  • 記事を人気順に並べ替えることが可能。Digg上で注目を集めている記事をまとめて読むことができる。
  • Google、Facebook、あるいはTwitterアカウントでログインできる。
  • フィード情報の検索、追加が可能。フィードはフォルダ単位での管理が可能。
  • 設定により、Diggした記事を自動的にFacebookに投稿可。

ただ、まだアプリケーションは完成という段階にはないようだ。たとえば未読アイテムのみを表示するという機能はまだテスト中ということで利用できない。またテキストサイズやディスプレイモードの変更、バックグラウンドでのアップデートなども、将来の実装予定ということで、今回のバージョンでは利用できない。今後数ヶ月をかけて定期的にアップデートを行っていくことにしているそうだ。

Android利用者はこれまではHTML5で作られたウェブ版を利用していた。iOSないしAndroid以外の利用者は、今後もそちらのウェブ版を利用することとなる。

運営母体としては、Digg.comおよびDigg Readerを双極とする、人気リンクを集めてくる仕組み全体を「Digg」と称していきたい考えだとのこと。RSSフィードを読むためのReaderというのは、パワーユーザー向けのプロダクトだと言えるだろう。各利用者に、自力で面白い記事(リンク)を探してもらうための仕組みだ。一方でDigg.comの方は、クラウドソースによる投票や、その他のアルゴリズムを使ってフィルタリングした後のリンク集を提供するものだ。ちなみにこの中間のサービスも提供されている。それは、記事を後で読むために利用するInstapaperだ。今月に入って最初のメジャーアップデートを行い、一般公開されている。

Android版DiggはGoogle Playより入手できる。

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(翻訳:Maeda, H)


Flickr、リニューアル後は成長を加速。参照元の7.2%はTumblr

YahooはFlickrについて新たな料金プランを導入、買収により関連サービスを強化、ウェブページのリニューアル、あるいはモバイルエクスペリエンスの改善などを行ってきており、どうやらそれが実を結びつつあるようだ。SimilarWebのレポートによれば、Flickrの訪問者数は着実に伸びており、4月比で38%の伸びを示すまでになっているのだとのこと。

統計データは4月比ということになっているが、Flickrが大規模なデザイン変更や、あるいはこれまでの料金体系を変更して広告なしのメンバーシップや、1テラバイトの追加(年間500ドル)といった料金プランを導入したのは5月末のことだった。マリッサ・メイヤー(Marissa Mayer)指揮のもと、ビジュアル面での変更や、モバイル版のアップデートなどを強力に推し進めてきている。

4月と5月を比較すると、訪問者数は8600万から9000万へと伸びていた。これはすなわち、サイトの外見や機能面での改善がなくても、利用者は増加傾向にはあったということだ。但し、サイトの各種リニューアルを経た6月には、訪問者数が1億700万となり、7月には1億1000万へと伸びを加速させている。

さらに、平均のサイト滞在時間も6月には4月(4.5分だった)比で11%伸びて4.9%となり、7月には5分となった。ソーシャルトラフィックも増加し、4月に970万だったものが6月には1200万、そして7月には1370万へと伸びている。つまるところ、Flickrのリニューアルは、「ソーシャル」という視点からみても成功だったということを意味するのだろう。

尚、同じくYahooが買収したTumblrが、Flickrの成長に寄与している点も興味深いところだ。検索エンジンおよびソーシャルネットワークを除いて、Flickrにとって最大の参照元となっているのだ。この3ヵ月のトラフィックのうち7.2%がTumblrからのものなのだ(訪問者数になおすと475万人ということになる)。Yahooが傘下に収めたがったのも当然ということなのだろう。SimilarWebによると、この関係はTumblrの買収前と後にて特に変化はないそうだ。Flickr利用者の多くも、Tumblrとの親和性が高いことは以前から感じていたようだ。プロの写真家兼ブロガーであるThomas Hawkは、FlickrがTumblrを買収して、種々のリニューアルを行い始めた時点で「Flickrに投稿した写真の最大の参照元はTumblrだ」という旨を発言している。

FlickrおよびTumblrは、今後ますますシナジー効果を高めていくということがあるかもしれない。Tumblrの買収がアナウンスされてから、Flickr利用者たちは、Flickrの写真を簡単にTumblrに登録する方法だとか、あるいはTumblrに投稿した写真をすぐにFlickrにバックアップする方法などについてブレインストーミングを行っている様子だ。

もちろん、SimlarWebのトラフィックっ解析は(他のサービスと同様に)一部の利用者の行動に基づいたものではある。しかしSimilarWebは、自社ブランドプラグインなどからのみではなく、自社名を冠していない利用者向けプラグインなどからも情報を収集している。調査報告に出てくる数字が全く正確なものではないにしても、時期毎の変化などについてはきちんと読み取ることができる。もちろん、他のトラフィック計測サービスでも、Flickrはリニューアル以来トラフィックを伸ばしているという報告を行っているようだ。

たとえば、アメリカ国内での状況は、QuantcastやCompeteなどでも見ることができる。ちなみにQuantcastの予測では、利用者像がリニューアル後の一時的な現象で、また減っていく可能性もあるとはしている(一番下に掲載したGoogle Trendsのデータとも比較して考えてみたいところだ)。

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(翻訳:Maeda, H)


Facebook、プライバシー約款改定へ―ユーザーデータの利用をさらに拡大

今日(米国時間8/29)、Facebookはユーザー・データ利用の権利と責任に関する2つの文書の改定案を発表した。これらの文書は広告、サードパーティーのデータ利用方法を含めてユーザーデータの取り扱い方法を定めたものだ。

今回発表されたのは改定案であり、私の取材に対してFacebookは「ユーザーからのコメントや提案を受け付ける」と述べた。しかしユーザーの意見によってFacebookが案の内容を大幅に変えるとは思えない。最高プライバシー責任者のErin Eganが発表した短いプレスリリースによれば、この改定は広告に関連した訴訟の和解条件の一環だという。

改定の範囲はかなり広い。以下主要な部分を簡単に見ていく。

広告

広告に関する改定案は簡明だ。「ユーザーは氏名、プロフィール画像、コンテンツ、広告、スポンサー投稿に関連して生じる情報をFacebookが利用することを許可するものとする」

つまりFacebookは原則としてユーザーのあらゆる情報を広告システム、そのアルゴリズムの中で利用できるということだ。ただし、Facebookはユーザーのプライバシー設定を尊重するという。「ユーザーがコンテンツを特定の範囲に限って公開することを選択している場合、Facebookはその選択を尊重して使用する」。これはよいことだ。

訴訟

Facebookに対する訴訟は北カリフォルニア地区連邦裁判所またはサンマテオ郡に所在するカリフォルニア州裁判所にのみ提起することができる。従来はサンタクララ郡だったが、本社が移転したため改定となったもの。

データ利用

Facebookは新たに「ユーザーが利用しているコンピューターまたはデバイスの種類」の情報を利用できるようになる。つまりAndroidかiPhoneかというような情報を収集し、それに基づいて処理を行うことができる。以前からFacebookは「GPSその他による位置情報を利用できる」と定めている。ビッグブラザーのFacebookが「友だちが近所のバーに入った」とプッシュ通知してくる日も近いだろう。

ユーザーデータ共有

Facebookはユーザーの公開データを第三者と共有する権利を求めている。Facebookはユーザーが公開しているデータを誰とでも共有できることになるので、もう一度プライバシー設定を見なおして、あちこちに公開されて欲しくないデータが公開設定になっていないかよくよく確認することをお勧めする。

第三者のデータ保存

ユーザーがFacebookアプリにサインアップした場合、そのアプリにアクセスを許可したユーザーデータ(メール・アドレス等々)をアプリのプロバイダはサーバーに保存することができる。この場合、ユーザーがFacebookからアプリを削除した後でもプロバイダはそのユーザー・データの保存と利用を続けることができる。

つまりアプリを削除した後でもアプリのプロバイダはユーザーデータのコピー(もし作成していれば)を保管し、その後も利用できる。それを望まない場合、ユーザーはプロバイダに直接データの削除を要求する必要がある。

この改定に反発してFacebookを使うのを止めるかどうかは各自の判断だが、すくなくとも酔っ払って出会い系アプリを片っ端からインストールし、ユーザー情報全部へのアクセスを許可するのはよした方がいいだろう。

すべての改定の逐条的説明はこちら

画像:Acid Pix

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、今年の世界のモバイル広告売上シェア、15.8%へ(昨年は5.35%)

最近モバイル分野でFacebookがビジネスを躍進させていることは秘密ではない。今日(米国時間8/28)、有力調査会社のeMarketerが発表したレポートによると、Facebookの世界のモバイル広告市場におけるシェアも急上昇中だ。

このレポートは今年のFacebookの世界のモバイル・インターネット広告のシェアが15.8%に達するものと予測している。 これは2012年の5.35%の3倍近い伸びだ。eMarketerによれば、2013年の世界のモバイル広告市場は昨年同期比で89%アップして166億5000万ドルになるという。

Facebookのモバイル広告の急成長は、モバイル・アプリを通じて、ニュースフィードの通常の投稿と同じ形式のニュースフィード広告を積極的に表示し、クリックスルー率を大きく高めたことが影響しているという。

Facebookがモバイル・アプリに広告を流し始めたのは去年のことだから、この成功にはいっそう驚かされる。先月の第2四半期の決算報告でFacebookはモバイル広告が全広告収入のなんと41%を占めると発表した。5月には3分の1、第1四半期には5分の1(23%)だったことを考えればその急成長ぶりがわかる。また第2四半期の決算報告には「近くモバイル広告の売上がデスクトップの売上を追い越すだろう」と書かれている。

Facebookのモバイル広告で特に好成績なのがアプリのインストールを勧める広告だ。5月にFacebookの広告プロダクト・ディレクターGokul RajaramがTechCrunchのインタビューに答えて、「モバイル・インストール広告は好成績を上げており、ユーザーの反応の質も高い」と述べた。つまりこれによって実際多くのアプリがインストールされているという意味なのだろう。

Facebookのモバイルでの躍進はあるものの、全体としてみれば依然Googleが世界のモバイル広告の王者だ。eMarketerの推計ではGoogleは全モバイル広告の53.17%のシェアを握っており、これは2012年に比べて微増だという。

GoogleはモバイルOSの主導権を握っており、Androidは世界のスマートフォンの80%にインストールされている。同時にプレインストールされたYouTubeが何千万というデバイスから広告売上を稼ぎ出しているわけだ。

ともあれ、Googleが世界のデジタル・パブリッシャーの王者であることは間違いない。 今年Googleは世界の全デジタル広告収入の33%を得るという。これは2012年の31.46に比べてわずかに増加している。Facebookは5.41%になるという。これに対してYahoo!は微減、Microsoftは昨年並みを維持しそうだとeMarketerでは推計している。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Twitter、初心者にも分かりやすいようUIをアップデート―会話を今までと逆に「時間順」に表示

【抄訳】Twitterは先ほど会話のタイムライン表示の順序をひっくり返した。通常のタイムラインの表示は今までどおり「最新のツイートがトップ」のままだが、ツイートにリンクされた会話については「いちばん古い返信がトップ」に表示される。

リンク・ツイートは青い縦線で関連していることが表示され、全体がボックスの中に収まっている。このアップデートで会話を追ってストーリーを読み取ることがTwitterに慣れない初心者にも容易になった。しかしこのアップデートの理由は単にそれだけではなく、もっと深いところにある。つまり会話をより人間的にして、Twitterらしさを薄めることを狙ったのだろう。

会話で最新の返信が最後に表示される新しいUIはTwitter.comだけではなく、iPhoneとAndroidアプリにも導入されている。

下に会話を拡張表示したサンプルを掲載しておく(オリジナル・ツイートをクリックないしタップしないと返信はすべて表示されない)。

右端のタイムスタンプを見ると、従来とは逆に上から下へだんだん新しくなっていくのが分かる。時間の順序で会話を読めるこのやり方の方が話の流れを理解しやすいと私自身も感じた。

Twitterのコミュニケーション方式は、サードパーティーのデベロッパーがイニシアチブを取って@記号によるメンションやRTなど独特の機能が追加されるにつれて、初心者には理解が難しいものになってきた。

そうした追加機能がなければTwitterの魅力は半減するだろう。しかしTwitterが開かれたメディア企業を目指すなら、新しいユーザーにも容易に理解できるようにUIを改良する配慮が必要になってくる。

とはいえ、新しい会話ビューは長年のユーザーの間に賛否の議論を巻き起こしているようだ。たとえばあるツイートに返信があるとオリジナルのツイートと関連する会話が全て一括してタイムラインで上に押し上げられる。たしかに会話の流れは理解しやすくなったが、逆にタイムラインの流れは把握しにくくなったという意見も出ている。つまりTwitterは個別の会話の理解を、タイムライン全体の把握より優先したのだろう。

新UIについてもうひとつ付け加えると、ツイートを拡張表示しない状態では従来通り、フォローしている相手のツイートだけが表示される。しかし会話を拡張すると、フォローしていない相手からの返信も含めてすべての会話が表示される。【後略】

画像: John Verive /CC Flickr

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、共有写真アルバム機能を導入―グループ活動の促進を狙う

最初に報じたのはMashableだが、Facebookは共有写真アルバムを導入しつつある。このアルバムには50人まで写真を投稿できる。1人が投稿できる枚数は最大200枚だという。

計算に強くない読者のために説明すると、一つのアルバムには最大で1万枚の写真が保存できる。これまでのFacebookアルバムの場合、投稿できるのはアルバムを作ったユーザー本人だけで、最大枚数も1000枚にすぎなかった。

この新機能はグループでアルバムが作れるという点でユーザー活動の活発化に役立つだろう。Facebookは単一の写真の投稿と共有は さきごろ買収したInstagramに任せ、Facebook本体ではもっと大規模なグループ活動に向いた機能に注力していくようだ。その場その場のスナップを公開するにはInstagramが便利だが、結婚式、卒業式、バケーションの旅行など大規模ないし長期にわたる活動を記録するには、この共有アルバムのような機能が必要だった。

一方で、似たようなグループ写真機能を追求しているAlbumaticFlockのようなアプリにはかなりの打撃になるかもしれない。ただ、グループ写真アルバムという分野では過去に多数の挑戦者が現れては失敗を繰り返しているのでFacebookの新機能が他を押しのけて市場を独占するような存在になるかどうかは不明だ。Google+のParty Modeも似たような機能を備えている。このモードではユーザーは指定されたイベントの参加者すべてと写真、ビデオをリアルタイムで共有できる。

Facebookの共有アルバムは、一般公開、写真投稿者とその友だち、写真投稿者のみ、の3種類の公開範囲を選択できる。プロトタイプは社内ハッカソンで短時間で開発されたのだそうだ。

今日Facebookは比較的少数のユーザーを対象にこの機能を公開した。当面、英語版のデスクトップ版ユーザーのみがサポートされ、その後徐々に公開範囲を広げていくということだ。

Image via Mashable

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebookを長時間使いすぎている人にショックを与えて警告するPavlov Poke

あなたは、Facebookで過ごす時間が多すぎる、と思ってるかな? そんな人には、たとえばニュースフィードをクリックする回数が多すぎたら死なない程度のショックを与えるのはどう? MITで博士号準備中Robert R. MorrisとDan McDuffの二人が、どちらも毎週Facebookで50時間以上を消費していることに気づき、おもしろくて、しかも意味深なプロジェクトを立ち上げた。

McDuffが言うには、“ショックは不快だけど危険ではない”。ただし、痛い! そのシステムはユーザのアクションを監視して信号をArduinoのボードに送り、そしてそいつが、特性のキーボードレスト(リストレスト)からショックをトリガする。すると徐々にあなたはFacebookを避けるようになり、部屋のすみですすり泣くようになる。

だろうか?

“分からないね”、とMorrisは言う。“苦痛の回数と、正しい条件づけが効果を左右するだろう。ぼくたちの場合は、インストール直後に装置を取り外してしまったけど、Facebook時間はやや減ったと思うね”。

AmazonのMechanical Turkを利用して見知らぬ人に電話をかけさせる、という方法も検討した(下のビデオ)。結果は、びっくりするし笑ってしまうが、ショック療法のように痛みはない。電話をかける人は、あらかじめ用意された台本を読み、Facebookを使いすぎているユーザを叱責するのだ。

プロジェクトの全容はここで見られるし、台本はダウンロードできる。Morrisによると、Facebookはタバコと同じぐらい有害だそうだ。彼は、こう書いている:

人びとは、特定のテクノロジを、自分がそれを使いたいし、使えば自分の利益になる、と信じて使う。でもその想定は、そのテクノロジの本来の目的や機能に必ずしも即していない。Facebookのようなサイトは、エンゲージメントを定量化しようとする。そのために、毎日のアクティブユーザ数を数えたり、ユーザのサイト滞留時間を計ったりする。でも、それらの測度は幸福の大きさを計れない。だから、エンゲージメントの計測値がものすごく大きなサイトも、ユーザの幸福にとっては極度に有害なことがありえる(ちょうど、タバコがそうであるように)。

スーパーに多種類のジャンクフードを売ってるように、インターネットの上にはFacebookのようなジャンクネットがある。それはわれわれにとって有害であり、快適ではあるがなんとなく物足りない。短時間楽しくても、そのあと一日中人を不快にする。この、禁酒ならぬ禁FBプロジェクトは、半分冗談で言うなら、われわれ全員が日常のインターネット生活で直面している重大な問題の解決を目指しており、さらにもっと重要なのは、そもそもわれわれが数時間おきに必ず、Zuckerbergの巨大なゴミ捨て場を訪れるのはなぜなのか、それを再検討するための良い機会である。

“このプロジェクトはジョークだけど、コミュニケーション技術の設計~デザインについては、真剣な議論が必要だと思う”、とMorrisは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Android版YouTubeで大改造を実施。検索中も(最小化画面にて)ビデオ再生を継続

Googleは一部利用者に対してAndroid版YouTube最新版の提供を開始した。これまでの更新履歴を振り返っても最大級のもののひとつだといえそうだ。いわゆるアプリケーション内マルチタスキングをサポートしているのだ。どのようなものかといえばすなわち、チャネル内を閲覧していたり、あるいは検索中には、再生中のビデオを最小化して表示するというものだ。また、Googleが提唱する「カード」インタフェースもサポートするようになった。

これまでは別のビデオを探したりする際には、閲覧中のビデオを停止する必要があった。新しいバージョンでは再生中のビデオは右下隅に表示されるようになり、再生は継続されるようになる。最小化状態からフルスクリーンには簡単に戻ることができる。あるいは左右にスワイプすれば再生中のビデオは停止する。

他の動作をしているときにビデオ再生をストップしないというのが、新リリースの目玉であることは間違いない。しかし他にもいろいろな新機能が搭載されている。たとえばビデオを連続して閲覧できるようなプレイリストの検索が、一層簡単に行えるようになっているのだ。

Google Chromecastのリリースなどもあり、YouTubeアプリケーションに利便性向上は当たり前のことと言えるのかもしれない。Chromecastや、スマートTVでビデオを再生していても、他の作業を行いつつプレビュー画面を見ることができるようになるわけだ。ビデオを次々に再生していくのに必要な機能が実装されつつあると言えるだろう。

今回のアップデートが、いつiOS版に反映されるのかについて正式なアナウンスはない。しかしGoogleによれば、すぐにも全プラットフォームに対応する予定なのだそうだ。

Android版は部分的なリリースから始まっているが、まもなくすべての人に公開されるようになりそうだ。公式リリースが待てないという人のためには、Android PoliceがAPKへのリンクを公開している。

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(翻訳:Maeda, H)


LinkedInさらに拡大中―13歳以上の中高生にドアを開き、世界の大学に専用ページを提供

Facebookが若い層に魅力を失いつつあるのかどうかについては多くの議論がなされてきた。これに対して今日(米国時間8/19)、LinkedInが若年層を取り込もうとする大胆な動きを見せた。中高生(取材に対して「世界のほとんどの国で13歳以上から利用可能となる」と広報担当者が回答)にドアを開くと同時に、個別の大学の専用ページをローンチした。

LinkedInでは学生たちがオンラインに履歴書をアップする標準的な場所となり、また同時にLinkedInが多数の若いユーザーと長期的な関係を結べるようになることを強く期待しているという。この新機能は全世界で導入される。13歳以上のユーザーの受け入れは9月12日以降となる。

LinkedInは私の取材に対して「この2つのイニシアチブは学生、両親、大学教職員が就職の準備をいち早く始められるようにすることを狙っている」と語った。

今回の発表では学生のインターン活動については触れられていないが、LinkedInがすでに導入している求職、求人活動のプラットフォーム(現在、モバイルから直接求人に応募できるようになった)の役割を学生インターンの職にも拡大するというのは自然だ。

一方、大学専用ページは、当初ニューヨーク大学、ヨーロッパのINSEADビジネス・スクールなど200校が対象でスタートする。将来は数千校に拡大されるという。

高等教育機関向けプロダクト責任者のChristina Allenによれば、この大学ページは今後の教育機関向けサービスの要となるものだという。

Allenによれば、大学のページは現在LinkedInが提供している企業ページと同様の機能を果たすものだ。大学はこのページを通じて入学志望者者、在学生、卒業生に広く情報を提供し、対話をスタートさせることができる。これはたいへん興味深いアイディアだ。

たとえば、現在多くの大学は卒業生の動向を詳しく把握する手段を持っていない。LinkedInのページが利用できれば、社会的地位や収入を推定し、効率的な寄付金集めができるかもしれない。考えてみると大学の同窓生ネットワークをFacebookがなぜもっと真剣に整備しようとしないのかわからない。もともとFacebookは大学生の間から広まったはずなのだが。この他にもさまざまな可能性がありそうだ。つまりLinkedInはすでに企業の求人インフラを構築しているのだから、それを大学の学生募集、入試プロセスに応用するのは比較的やさしいだろう。

いずれにせよ、LinkedInはこうした着実な機能拡充によって今後さらに一段と成長しそうだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


子供のアート作品をクラウドに残せば、Kiipを使った「ご褒美」を受け取れるるCanvsly

iPhone用に、Canvslyというアプリケーションが登場してきた。これは、子供の「アート作品」を写真に撮って保存およびシェアしようという目的に利用するアプリケーションだ。既にママブロガーたちの注目を集めつつあるArtkiveと、直接の競合となるサービスだ。しかしサービスの内容をよく見ると、大きく異なる部分もあることがわかる。子供アート作品を登録していって、一定のマイルストーンに達する度にリアルないしバーチャルな「ご褒美」(リワード)がもらえるのだ。

そもそもの発想はArtkiveと同じだと言ってよかろう。子供の「作品」を捨ててしまうことに罪悪感やもったいなさを感じる人は多いが、そういう人たちにデジタルアルバムで思い出を残してもらおうとしているわけだ。Artkive同様に子供ごとにプロフィールページを作成して、そこにお気に入りの作品を登録していって、ギャラリーを作成することができるようになっている。

スタートアップ企業の技術コンサルタントとしての経歴ももつファウンダーのAmit Murumkarは、子供時代に自分でいろいろな「作品」を生み出していた経験から、このアプリケーションを考えだしたのだそうだ。「学校の発表会レベルではありますが、何度も賞をもらいました。ただその頃の『作品』は何も残っていないのです」とのこと。

大人になってみて、そうした子供時代の「作品」をすべてとっておくことは不可能なのだと理解した。しかし3歳の子供の父親として、娘の思い出を一瞬のものとして消してしまいたくはないと考えるようにもなった。

そうして立ち上げたCanvslyには、同じようなターゲットを狙うArtkiveとは大きく異なる点がある。たとえばCanvslyは「ソーシャル」面により重点を置いている。シェアすることで家族や友人の注目を集める仕掛けに力点が置かれ、コメント機能や「いいね」機能(Canvslyでは「high-five」という名前になっている)も実装されている。

また、長く使い続ける中でさまざまな「ご褒美」獲得の機会も用意されている(最もたくさん投稿した人や、最も多く「high-five」と獲得した人には「artist of the month」の称号が与えられる)。「ご褒美」には、アプリケーションの世界に存在する「バッジ」のようなものもあるし、またKiipを使った「リアル」世界で通用するものもある。実のところCanvslyは2013 Kiip Build Fund Creationアワードも獲得している(Kiipをご存じない方のために説明しておくと、無料の製品サンプルなどをご褒美としてアプリケーションの利用者に対して提供する仕組みを構築するサービスだ。提供しているプロダクトにはギフトカード、MP3のダウンロード権など。何らかを「達成」するためのアプリケーションにおいて、褒賞システムとして多く利用されている)。

尚、Artkiveの方はフォトブック機能も実装するようになった。Canvslyは、今のところはフォトブック機能を提供していない。その代わりに写真を使った25種類に及ぶ小物類の提供を行っている。マグネット、マウスパッド、コーヒーマグ、ウォーターボトル、ポストカードなどといったものに「作品」写真を貼り付けて提供しているのだ。

アプリケーションが登場してきたのは1週間ほど前のことだ。宣伝もFacebookを使ってほんの少しだけ行なったにすぎない。したがって、まださほど多くの注目を集めるにはいたっていない。しかし地元の幼稚園や絵画教室などで紹介するといった地道な活動を通じて、口コミによる利用者拡大をはかろうとしているところだ。

私自身、3歳の子供の親である立場から、双方のアプリケーションを使ってみた。ただ、以前ArtKiveを試したときに感じたのと同じ不満をCanvslyに対しても感じてしまった。双方ともに、「作品」の登録に手間が掛かり過ぎるのだ。

たとえば、Canvslyでは登録作品にタイトルを付けることが必須となっている。ときに、子供の作品がいったい何を描いたものなのかわからず、タイトルに困ることもある。これは改善点ではなかろうか。また、双方ともに過去の写真を登録して、それをタイムスタンプにしたがって整理するという使い方ができない。

現在では、子供の「作品」とっておこうと考えるママ(ないしパパ)は、まずスマートフォンで写真を撮っておき、しかる後にFacebook、Google+、Flickr、Shutterflyといった一般的なクラウド環境に保存しておくというのが一般的スタイルになっている。こうしたソーシャルサイトが簡単に使える中、Canvslyのような「ニッチ」サービスが生き残っていくためには、「ご褒美」の仕組み以外にも、利用者を惹きつけるアイデアがより多く必要になってくると思う。

Canvslyはニュージャージー州プリンストンにて、個人提供のサービスとして成長を目指しているところだ。試してみようという方はこちらからダウンロードできる。

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(翻訳:Maeda, H)


GIF大好きな人にとっての必携ツール、Gif.Meという名前のChrome拡張機能が登場

Gif.meというのは新しくリリースされたChromeの拡張機能だ。インターネットで見つけたGIFを右クリックひとつで保存して共有することができる。

とても便利だ。

ウェブで発見したGIFの上で右クリックしてGIFME THISを選ぶと、画面右に表示されるGIF MEフォルダに保存され、いつでも確認することができるようになる。GIFへのリンクをコピーするのもクリックひとつで行うことができる。さらにはタグを付けてGIF MEライブラリを管理しておくこともできる。

GIFの保存管理のためのツールというのは誰もが必要とするものではないだろう。但し、少なくとも私のような(GIFおたく的)存在にはなくてはならないツールだ。

多くの人は、GIFを見たくなったらおそらくネットから探してくるというのが一般的だろう(Giphyのようなサービスを使うことが多いだろうか)。あるいは面白いものを見つけたときにブックマークしておいて、それを時々見なおしたりするだろうか。人によってはファイルをダウンロードしておくという人もいるかもしれない。

おたくな人々は、マクロを組んでおいて、思いついたときに必要なGIFを呼び出せるようにしている人も多い。

そうした振る舞いをしている人(ないし、そこまでいかなくても、ちゃんと整理しておきたいと思う人)にとっては、このGif.me拡張機能が必携ツールとなるのではないだろうか。さまざまな苦労が右クリック一発で解決することとなる。

また、ファイルのURLはそのままで変更されることはない。これも著作権的に好ましいことだろう(訳注:但し、ファイルへの直接リンク形式です)。

試してみたいと思う方はこちらからインストールすることができる。

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(翻訳:Maeda, H)


Facebook、サードパーティー・サービスの支払情報の自動補完機能をテスト中(AllThingsDの「PayPal的サービス」というのは誤報)

Facebookがテスト中の新しい機能はPayPalのライバルになるようなものではなく、ユーザーの支払情報を自動的に補完入力して買い物を便利にする機能だと判明した。

今日(米国時間8/15)、AllThingsDは「Facebookはサードパーティー・アプリ向けに新機能をテストしている。これはPayPalのライバルになるようなサービスだ」と報じたが、詳細は明らかにしなかった。

現在テストされている機能は、ユーザがサードパーティーのモバイル・アプリ内で買い物をするといにクレジットカード情報、住所などの情報を自動的に入力してくれるというものだ。この情報はFacebookないでGifts機能やゲーム内購入などの機能を利用して支払いをしたときにユーザーが入力したものを利用する。この機能の利用を許可した後は数クリックで買い物が完了できる。いらいらさせられるモバイル・デバイス上での入力をしないですむ。

Facebook自身が支払いを仲介処理するわけではないのでPayPalのライバルになるというのは誤報だった。 この機能を使っても実際の支払いはPayPal、Braintree、Stripeその他、既存のサービスを経由する。この機能の利用は無料。

Facebookの狙いは、Facebook広告がクリックされた際に実際に購入行動に結びついたかどうかについて情報を得ることだ。これによってFacebookは広告主に対していっそう正確な費用対効果を示すことができる。

さらに詳細な情報は Facebook PaymentのテストはPayPalのライバルではなく入力情報の自動入力というわれわれの記事を参照。

われわれはFacebookに取材中なので、新しい情報が入り次第アップデートする。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Flipboard、iOS版もGIFに対応するアップデートをリリース

GIFのないインターネットなど、とても耐えられない。多くの人に同意していただけるものと思う。しかしiOS版Flipboardは、ながらく利用者にGIFなしの世界を強いてきた。しかしそれもようやく終わる。Android版にならって、ついにiOS版でもGIFがサポートされることになったのだ。

今回のアップデートにより、ニュースフィード内でもGIFが楽しめるようになったし、“Just GIF It”(猫中心に関連画像など)、“GIF Pop”(ちょっと怖面白い画像コレクション)、あるいは“GIF Me A Break”(アーティスティックなGIF集)といった、GIFを集めたマガジンも楽しめるようになっている。

また、最新版では他にもいろいろなアップデートが行われている。最も目立つのは「トップストーリー」だろう。News、Sports、Tech、およびBusinessといった「セクション」を購読している場合、自動的に新しいものないし人気のコンテンツが上の方に一覧表示される機能だ(訳注:たとえば「海外版」→「セクション」→「Business」を選ぶと表示されますが、表示されないものもあり、どういう場合に表示されるのか、今のところちょっとよくわかりません)。

また、マガジンを10ページ以上分フリップすると、自動的に共有プロンプトが表示されるようにもなっている。また、3つ以上のマガジンを作成している人には、自動的にプロフィールページが作成されるようにもなっている。GIFをサポートしたことに比べれば大したことはないかもしれないが、それでも便利に感じる人もいるだろう(少々押し付けがましい感じがする人もいるかもしれない)。

インターネット上でGIF人気はますます高まっている。Tumblr、Cinemagram、そしてVine(これはちょっと種類が違うか)などのビッグネームも、ループアニメーションの楽しさを訴えている。生まれたばかりのスタートアップも含めれば、非常に多くがGIFアニメをフィーチャーするサービスを提供している。

たとえば5月にスタートしたStillyも、ワンクリックで動画GIFを作成できる。Tumblerは6月から、ウェブカメラを使ってGIFが作成できるようになった。また、GIF風の短い音楽ビデオの作成サービスであるCoubも、同月に100万ドルの資金を調達している。

さらに、ViberやWhatsAppの競合にあたるPingerも数日前からGIFメッセージをサポートするようになっている。

騒々しさを増すインターネットにて、Flipboardも利用者が求めて止まないコンテンツを提供するようになったと言うことができるかもしれない。

アップデート版はこちらからダウンロードできる。

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(翻訳:Maeda, H)


Pinterest、利用者獲得のきっかけとして「Pinterest For Teachers」のハブサイトを提供開始

Pinterestが、特定のジャンルに応じた「ハブ」サイトを作成・運営するためのの実験として、「Pinterest for Teachers」を立ち上げた。URLもそのままpinterest.com/teachersとなる。もちろん9月からの新学期を意識してタイミングをあわせたものだ。Pinterest側も、他の関心分野についてもハブ化を推進する意味があるかどうかをテストする意味もあるのだと述べている。

この教師向けのハブサイトは数週間前に立ち上げられた。公式アナウンスやプロモーション以前に1300人が利用を開始したのだそうだ。8月13日のPinterestブログの記事により、公式デビューを果たしたと考えて良いのだろう。

ちなみに、このハブサイトを開設するにあたり、Edutopiaの協力も仰いだとのこと。Edutopiaというのは教育者向けのオンラインリソースを集めたサイトだ。ハブサイトには開設時点で19のボードがあり、プレスクールないしエレメンタリースクール(K-6)の教師向けのボードもある。またアート、科学、算数などといった科目毎のボードや、教室の装飾方法やおすすめブログなどを集めたボードもある。それぞれのボードのメンテナンスは、教職についているPinterestユーザーによって行われる。管理者のほとんどは、自前の教育関連サイトやブログも運営しているようだ。Pinterestによれば、この教師用ハブは、分野についても対象学年についても拡大していきたいと考えているとのこと。

分野別ハブ構築の様子をみるのに、まず教師用ハブの構築からスタートしたのは、ちょうど新学期間近の季節だからというだけではない。Pinterestの利用者には、Pinterestのサービスを利用して教育関連ツールや各種TIPS、教育プラン、図画工作素材などの情報交換を行っている教師たちがたくさんいるのだ。Edutopiaも、Pinterestは教師たちの情報交換の場所としてトップ5に入るサービスであると述べている。その言葉を裏付けるように、教育関連pin数は日々50万以上にのぼるのだそうだ。

尚、今回アナウンスされたハブサイト化への動きも、一連のコンテンツ・レコメンデーション機能のひとつとして理解することができる。6月以来、Pinterestはさまざまなレコメンド機能を実装しつつある。また、それにあわせてオプトアウト(do not track)のための仕組みも提供し始めている。サービス全体を「パーソナライズ」しようとする動きとしてとらえることができよう。こうした機能はモバイルアプリケーションでも実装されてきている。

もちろん、「Pinterest for Teachers」ハブがすなわち「パーソナライズ」の動きとイコールであるわけではない。ただ、「パーソナライズ」した情報を提供するための「きっかけ」としてハブを機能させたいと考えているわけだ。どのようなサービスなのだろうとアクセスしてきた人を受け入れるのがハブの役割のひとつだ。アクセスしてきた人の中には、誰をフォローしてどのようなページを見れば良いのかとレコメンドを欲しがる人もいるだろうし、また気の向くままにページを見て回りたいという人もいるだろう。そうした利用者のとっかかりとしてハブサイトを提供することにより(ハブサイトを見て回るだけならばアカウント登録も必要ない)、ちょっと訪問してみただけという利用者にも、サービスを一層深く利用してもらえるきっかけになればと考えているわけだ。

ハブを提供するという考えがうまくいくのかどうか、Pinterestは実験をしているところだ。pin数がどうこうというのではなく、エンゲージメントの具合やフィードバックの様子、ブログ記事への反応、あるいはFacebookページへの投稿などを総合して判断したい考えだ。

他ジャンルのハブについては、まだ何のアナウンスもない。しかしグルメ、ファッション、デザイン、テクノロジー、およびアウトドアといったジャンルに興味のある利用者は非常に多い模様だ。ハブ化というアイデアがうまくいきそうだとなれば、きっとそうしたジャンルでハブサイトを提供してくるに違いない。

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(翻訳:Maeda, H)


ウォンテッド、メール解析で連絡帳を作成するアプリ「CARD」をローンチ

日本のスタートアップ界隈ではエンジニアやデザイナーの人材採用時によく使われているソーシャルリクルーティングサービス「Wantedly」のβ版が公開されたのは2年程前のことだ。現在は約1,400社と5万のユーザーが利用しており、最近ではスタートアップだけでなく、複数の上場企業も同サービスを活用しているそうで、順調に成長している。

そして本日、このWantedlyを運営するウォンテッドが2つ目のプロダクトである名刺管理アプリ「CARD」のローンチを発表した。まずはiOSでのみ提供される。CARDを簡潔に説明すると「メールアドレスを登録するとメールを解析し、自動で連絡帳を作成してくれるアプリ」だ。

このアプリはメールアドレスを認証すると、受信したメールと送信したメールの本文を解析し、署名欄などから相手の名前、会社名、役職、電話番号といった情報を取得することで自動的に連絡帳をCARD内に作成してくれる。自動作成された連絡先はデフォルトの連絡帳のようにアプリ内で名前や会社名を入力し検索することも可能だ。

一度自分のメールアドレスをアプリで認証すれば、それ以降の更新は自動でやってくれるので、ユーザーが必要な作業はほとんど発生しない。また、メールは受信したものを全て解析して連絡帳に登録するわけではなく、1往復以上のやり取りをした相手だけ連絡先として登録する仕様になっている。

名刺管理サービスというと、本誌でも紹介した三三が提供する「Eight」(最近はTVでCMも放送している)やScanSnapとEvernoteを組み合わせるなどして、もらった名刺全て登録しておく利用法が一般的だが、CARDは「メールのやり取り」が基本なので、他のサービスと比べるとより密な関係にある人に絞った名刺管理サービスとなる。

ウォンテッドはWantedlyを見てわかる通り「何をするか」よりも「誰とするか」を重視しているから、このようなサービス設計をしたことにも納得できる。これを強調するかのようにCARDにはライブ機能と呼ばれるものもあり、これは他のユーザーの連絡先情報をリアルタイムにアップデートしてくれる。

ライブ機能をONにしておけば、自分が異動などをした際にプロフィールを更新するだけで、自分が登録されている他のユーザーの連絡帳で情報がアップデートされる。この機能を使うことで、一度関係を作れば、その後最新の情報が常に登録されている状態になるわけだ。

しかし、このような個人情報を取扱うサービスには、企業によってはセキュリティなどの不安があることも確かだろう。

この点に関しては「セキュリティはもちろん気にかけているし、メールの意味解析などはせず、アカウント情報は暗号化し、連絡先作成・更新に必要な情報は一定期間後に破棄している」とウォンテッド代表取締役社長の仲暁子氏はいう。

その上で、仲氏は「こういうもの(CARD)が便利だということを認識してもらいながら、使ってもらえる企業からどんどん展開していきたい」という。最近では大企業でもGoogle Appsを使ったり、iPhoneを支給してiCloudに接続しているケースもあるから、こういった取り組みを行っている会社には使ってもらえるのではないかと考えているそうだ。

Wantedlyでは転職者というごく一部の層にしかリーチできず、企業理念である「シゴトでココロオドル人を増やす」には対象者が少なすぎた。だから、CARDではビジネスパーソン全員をターゲットにして、”ココロオドル”人をもっと増やしていきたいと仲氏はいう。

今後の展開としては現在iOSにのみ対応のところ、他のデバイス・OSも順次提供。また、IMAPのみに対応しているがPOP3にも対応する予定とのこと。


惜しみなくFacebookは奪う?! モバイルウェブ利用者向けにトレンド・トピックの提供をテスト中

Facebookがハッシュタグを導入してしばらくになる。また、プレスイベントなどでも「リアルタイム・コンテンツ」ということを強調している。いずれももともとはTwitterで使われた表現だが、他にも「Twitter風」の仕組みを試しているようだ。

何の話かといえば「トレンド」(trending topics)だ。TechCrunchからの問い合わせに対し、確かにトレンド・トピックを一部の利用者に対して表示しているとの回答があった。本件を最初に報じたのはAllThingsDだ。

新機能についてのFacebookからの説明を掲載しておこう。

Facebook上でトレンド・トピックを表示する実験を開始しました。アメリカ国内のごくわずかの利用者のみを対象に行なっているものです。またモバイルサイトのみで提供しています(m.facebook.com)。これはあくまでもテスト目的のものであり、細かな仕様などの定まったものではありません。より広範囲に公開することになれば、改めて発表を行いたいと思います。

Facebookが言うように、ごく限られた範囲に提供しているベータ的機能なので、一般公開されるにしても、細かい部分は変わる可能性が高い。ただ現状では、多くのコメントがついているものが「トレンド」としてピックアップされているようだ。表示されるトピックをタップすると、友だちの投稿はもちろん、該当トピックスについて一般公開にて意見を寄せている人の投稿もみることができる。

トレンド・トピックはTwitterでは2008年夏に導入された。そして2010年には有料のPromoted Trendsが導入された。このPromoted Trendsの費用は、現段階で1日あたり20万ドルにもなっているとのことだった。企業・ブランドからの収入はもちろん売り上げの小さからぬ部分を占めるようになっている。Facebookも、閉じた人間関係の中だけでなく、よりパブリックな情報を扱うようにして、リアルタイムの情報を入手する場所としての価値をあげようとしている。トレンド・トピックもその一環で、利用者により魅力的なコンテンツを提供してマネタイズのための要素としたい考えだ。

但し、トレンド・トピックは、フィード上でのノイズともなり得る。モバイル環境では、既にプロモート・ポストや広告なので、友人やネットワークからの情報が見づらい状態になってしまっている。そういう不満の声がありそうだという予想もあって、まずはごく小さな利用者層を対象にテストを行なっているのだろう。友だちや家族からの投稿と、そしてリアルタイムニュースやエンタテインメント情報の表示量バランスを探ろうとしているわけだ。トレンド・トピックが全利用者向けに公開されることになるかどうかはまだわからない。しかしFacebookは変わり続けており、今後はいったい何をTwitterから奪いとろうとするのか、興味深いところだ。

掲載したスクリーンショットはAllThingsDに掲載されたものを拝借している。

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(翻訳:Maeda, H)