米国の州検事総長がTikTokとSnapに対して他社製ペアレンタルコントロールアプリに対応するよう要望

TikTok(ティックトック)とSnapchat(スナップチャット)にはペアレンタルコントロールの強化が必要だとする書面に、44人の州検事総長が署名した。

米国時間3月29日、全米検事総長協会(NAAG)は10代の間で広く使われているTikTokとSnapchatに対し、一連の懸念を書面で送った。

州検事総長のグループはソーシャルメディアアプリに関して、広い意味で子どもの身体、感情、精神の健康に与える悪影響などさまざまな問題点を挙げている。虐待的な性的関係を表現したコンテンツは子どもの健全な関係に対する考え方を著しく傷つけることがあり、家庭内虐待や人身売買の継続を助長する恐れもあると指摘している。そして書面では、TikTokとSnapchatが他社製ペアレンタルコントロールアプリと効果的に連携して保護者がプラットフォーム上での子どもの行動を監視し制限することに努めていないと強調している。

NAAGはBarkというアプリの調査を引き合いに出した。2021年に30種類のアプリで34億通のメッセージを分析したところ、10代の74.6%が自傷や自殺の状況に関わり、90.73%がオンラインでヌードや性的コンテンツに接し、93.31%がドラッグやアルコールについて話したという。

書面では「ペアレンタルコントロールアプリは保護者や学校に対し、プラットフォーム上のメッセージや投稿が有害で危険な恐れがあることを警告します。子どもが自傷や自殺の願望を示した場合にも保護者に警告できます」と述べられている。

Snapchatにはすでにアプリ内のペアレンタルコントロール機能があり、TikTokにもあるが、州検事総長のグループはプラットフォームに対し他社製ペアレンタルコントロールアプリとの互換性を高めるように要望している。ただし、特定のプロダクトは推奨していない。州検事総長のグループは、ペアレンタルコントロールアプリはプライベートなメッセージなどアプリに内蔵のペアレンタルコントロールでは監視していないソーシャルメディアアプリの機能にもアクセスできることに言及している。さらに他社製アプリは、アプリのメインのフィードに表示されるユーザー生成コンテンツのフィルタリング機能も優れているとしている。

ただし、他社のコントロールアプリには子どもを監視する方法に関して独自の問題がある。

TikTokとSnapchatにはペアレンタルコントロール機能があるが、競合のInstagram(インスタグラム)にはなかった。ソーシャルメディアが10代のメンタルヘルスに与える影響に関する一連の上院公聴会の後、Meta(メタ)はようやくInstagramにペアレンタルコントロールの導入を開始した。

しかしペアレンタルコントロールの有無に関わらず、こうしたプラットフォーム上での10代の安全について米国政府は今も懸念を持っている。バイデン大統領は一般教書演説でソーシャルメディアが10代のメンタルヘルスに与える脅威に言及した。この一般教書演説にはFacebook(フェイスブック)の元従業員で内部告発をしたFrances Haugen(フランセス・ハウゲン)氏がゲストとして参加していた。

10代の間ではInstagramよりTikTokの方が人気があり、Instagramはそれに負けじとTikTokによく似たリールに投資している。しかしTikTokは急速に成長してソーシャルアプリとして地位を守っているため、Metaは自社の存在感を維持するために驚きの行動に出た。The Washington Postが米国時間3月30日に報じたところによると、Metaは共和党系コンサルティング企業のTargeted Victoryを使ってTikTokに対する大衆の反感をあおったという。Targeted Victoryが危険なクチコミトレンドがTikTokで始まったと主張して世論に影響を与えようとしたが、それは実際にはFacebookで始まったものだったというケースもあった。TechCrunchも2018年に、FacebookがTargeted Victoryと組んでFacebookプラットフォームの政治広告費に影響を及ぼす法案の進行を遅らせようとしたことを報じた

Targeted VictoryのCEOであるZac Moffatt(ザック・モファット)氏は声明で「Targeted Victoryの企業活動ではクライアントに代わって両党のチームに対応しています。我々が数年間にわたってMetaと協力しているのは広く知られていることで、我々はこれまでの仕事を誇りに思っています」と述べた。

いずれにしても、アプリを10代にとって安全なものにするためにペアレンタルコントロールにできることは限られている。アプリそのものが、危険なコンテンツを10代に提供しないように努めなくてはならない。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

MetaがVRヘッドセット発売から3年近く経ちようやく基本的な保護者向け管理ツールを追加

Meta(当時はFacebook)が最初にVRヘッドセットをリリースしたのは2019年5月だったが、ここにきてようやくMeta Questに保護者向け管理ツールを追加する。

Metaは2021年に驚きのリブランドをして以来、VRへの投資は社名変更の価値があったことを証明しようとしていると注目されている。しかし米国政府の最上層部が安全性を重要視する中で、Metaはさまざまな保護者向け管理ツールを公開することで子どもたちにとってより安全なプラットフォームにしようと取り組んでいる。

Meta Quest 2は2021年の年末商戦で販売数を大きく伸ばし、クリスマス後の2週間でOculus Questのモバイルアプリはおよそ200万回ダウンロードされたと推計される。しかしMetaのヘッドセットが普及するにつれ、ペアレンタルコントロール機能の欠如が問題視されるようになった。英国個人情報保護監督機関はこのヘッドセットがオンラインでの子どもの安全規定に違反している恐れがあるとして圧力を強めている。

画像クレジット:Meta

現在、Questヘッドセットではデバイスへのアクセスに関してパスコードなどのロック解除パターンを設定することができる。Metaによれば、4月にこの機能を拡張して特定のアプリに適用できるようにするという。つまり、保護者が共有使用しているヘッドセットで子どもに特定のゲームをプレイさせたくないなら、そのアプリ専用のロック解除コードを設定できるようになる。

同社は5月には、IARC(International Age Rating Coalition、国際年齢評価連合)がその年齢層には不適切とみなしたアプリを10代がダウンロードできないように自動でブロックする機能を追加する予定だ(QuestのプロフィールがFacebookアカウントと関連づけられて年齢が判断される)。ティーンが保護者のログイン情報と関連づけられているアカウントを使用している場合は、この保護機能は動作しないかもしれない。

今後数カ月かけて、MetaはQuestのペアレンタルコントロールを強化していく方針だ。Oculusのモバイルアプリで保護者はペアレントダッシュボードにアクセスし、このダッシュボードで子どものアカウントとリンクする。

Metaはさらに、ツールや保護者向けリソースを集めたファミリーセンター公開した。

画像クレジット:Meta

Metaはブログ記事でアカウントのリンクに関し「プロセスを開始するのはティーンで、保護者とティーンの双方がエクスペリエンスに同意する必要があります」と記している。

モバイルアプリにVR管理ツールを含めるのは、VRヘッドセットよりもモバイルアプリの操作に慣れている保護者にとってはスマートな方法だ。保護者はこのモバイルダッシュボードでティーンのアカウントに対し、例えば全年代向けアプリのダウンロードを事前に承認するというようにレーティングをもとに子どもがダウンロード可能なアプリを管理できる。ティーンが有料アプリを購入したい時に、保護者はそのリクエストを承認または拒否する設定もある。ウェブブラウザや、ヘッドセットをPCのVRゲームに接続するLinkアプリといった特定のアプリを子どもが利用できないようにブロックする機能もある。さらに、保護者が子どものスクリーンタイム、フレンドリスト、ダウンロード済みアプリを見ることもできる。

Questヘッドセットは13歳以上のユーザーを対象にしているが、もちろん13歳未満の子どもも必然的にバーチャルリアリティを利用するようになるだろう。ただし13歳以上のティーンであっても、MetaのソーシャルVRアプリである「Horizon Worlds」や「Horizon Venues」など一部のアプリには年齢制限がかけられている。

「Horizon Worlds」のウェルカムプラザだけは人間のモデレーターがいるが、モデレーターはメタバースでのセルフィーの撮り方に関する質問をするユーザーのサポートに忙しいようだ。

「Horizon Worlds」はすでにコンテンツモデレーションシステムの不備を悪用されている。BuzzFeedによれば、Qアノンの陰謀説のようなFacebookやInstagramで禁止されているコンテンツが満載のテスト用のワールドを作っても、Metaのコンテンツモデレーションシステムはガイドラインに違反していないと判断したという。このプラットフォームでセクハラや痴漢行為に遭ったと報告しているユーザーもいる。この種のハラスメントは残念ながらテキストベースのウェブのフォーラムでも起きるが、没入型の不慣れなバーチャルワールドではことさら強烈に感じられることもあるだろう。これまでMetaはこうした行為を抑制するための試みとして、オプションで他人との距離を一定以上に保つ個人境界機能を導入した。

TechCrunchはMetaに対し、多くのユーザーがすでに子どもたちがこのプラットフォームをうろついていると報告し、Quest Storeのアプリのレビューでは行儀の悪い子どもたちにつきまとわれたという苦情が散見されることから、18歳未満のユーザーが「Horizon Worlds」などのアプリを利用できないようにする方法についてコメントを求めた。

Metaの担当者はTechCrunchに対し「現時点では長いジャーニーの第一歩を踏み出したところであり、今後さらにオプションを増やしていく予定です」と述べた。Metaはアプリごとのロック解除パターンは解決策としてあり得るとしているが、これは保護者に知識と予見があれば18歳以上向けのプラットフォームを子どもが使えないようにするだけのものだ。Metaは「保護者とティーンが当社のプラットフォームに対して何を必要としているかをさらに把握しながら、保護者向け管理ツールの機能を引き続き開発し拡張していきます」と述べた。

結局のところ、ペアレンタルコントロールは保護者とティーンがそれをきちんと使って初めて効果を発揮する。しかし、こうしたガードレールの設置はMetaにできる最低限のことだ。

画像クレジット:Meta / Facebook

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

TikTokが10代に与える悪影響について米国各州の司法長官団が調査を行うと発表

米国各州の司法長官は、現地時間3月3日、TikTok(ティックトック)が、子どもたちや10代の若者たちの心身の健康状態に与える悪影響について調査を行うと発表した

この調査では、TikTokがどのように若いユーザーに悪影響を及ぼすか、またTikTokがその悪影響について事前に知っていたかどうかを分析する。この党派を超えた司法長官のグループは、TikTokが若年ユーザーのエンゲージメントを高める方法や、TikTokがユーザーに同プラットフォームでより多くの時間を過ごすように仕向ける誘因を調査する。この調査は、TikTokが州の消費者保護法に違反し、一般市民に害を与えているかどうかを弁護士団が判断するために役立つことになる。

「子どもや10代の若者が、すでに不安や社会的圧力、抑鬱などの問題と格闘している中で、ソーシャルメディアが彼らの身体や心の健康を、さらに害することは許容できません」と、マサチューセッツ州司法長官のMaura Healey(マウラ・ヒーリー)氏は、プレスリリースで述べている。「各州の司法長官にとって、若者を保護し、TikTokのような企業が彼らの日常生活にどのような影響を与えているかについて、より多くの情報を得ることは急務です」。

このような行動が起こることは珍しくないが、それが大手テック企業に大きな変化をもたらすことは滅多にない。それでも2021年には、44人の弁護士から成る同じような団体が、同じくヒーリー司法長官を共同代表として、Meta(メタ)にInstagram Kids(インスタグラム・キッズ)の立ち上げ計画を一時停止させることに成功した。しかし、この決定はおそらく、元Facebook(フェイスブック)の幹部だったFrances Haugen(フランシス・ホーゲン)氏の内部告発があったことが深く関係している。

ソーシャルメディアが子どもの精神衛生に与える影響は、政府も気にかけている。Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領が、米国時間3月1日夜の一般教書演説で、ソーシャルメディアに言及したほどだ。

「私たちは、ソーシャルメディアプラットフォームが利益のために、我が国の子どもたちに対して行っている国民的実験に対して、責任を持たなければなりません」と、大統領は全国的な演説の中で語った。「今こそ、プライバシー保護を強化し、子どもへのターゲティング広告を禁止し、テック企業に子どもの個人データ収集を止めるよう要求する時です」。フランシス・ホーゲン氏は、ファーストレディであるJill Biden(ジル・バイデン)博士の貴賓として出席し、バイデン大統領の演説の中で個人的な謝辞さえ送られていた。

TikTokに対する調査は、カリフォルニア、フロリダ、ケンタッキー、マサチューセッツ、ネブラスカ、ニュージャージー、テネシー、バーモントの司法長官をはじめ、全米の弁護士からなる超党派の連合団体が主導して行っていく。

画像クレジット:Bryce durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

バイデン大統領がソーシャルメディアのメンタルヘルスへの影響について訴え、一般教書演説で

ホワイトハウスは、バイデン大統領による初の一般教書演説に先立ち、米国におけるメンタルヘルスの危機に取り組む計画を発表し、特にソーシャルメディアが子どもや10代の若者に与える影響について強調した。この問題は、一部の議員の間で重要視されている。特に、内部告発者のFrances Haugen(フランシス・ホーゲン)氏がFacebook(フェイスブック、現在はMeta)に不利な内部文書を大量にリークした後はそうだ。内部文書には、10代の若者への悪影響を同社が認識している証拠も含まれていた。

ホワイトハウスによると、バイデン大統領は議会に対し、プライバシー保護の強化、子どもへのターゲット広告の禁止、テック企業による子どもの個人情報収集の停止を要請する。

一般的に、一般教書演説でテック企業が重要な役割を果たすことはない。バイデン大統領が米国3月1日夜、ロシアのウクライナ侵攻に関するより差し迫った危機を考慮し、言及さえしない可能性もある。とはいえ、大統領はソーシャルメディアのプラットフォームに対し、若いユーザーの安全を守るよう呼びかけている。ファーストレディのJill Biden(ジル・バイデン)博士がホーゲン氏を特別ゲストとしてこのイベントに招待したことは、ソーシャルメディア幹部に対する5回にわたる上院公聴会のきっかけとなったホーゲン氏の主張に、大統領が注目していることを示している。

「大統領は、子どものデータとプライバシーの保護をはるかに強化すべきと考えているだけでなく、プラットフォームやその他の双方向デジタルサービス提供者は、製品やサービスの設計において、利益や収益よりも、子どもや若者の健康、安全、幸福を優先させ確保すべきだと考えています」。ホワイトハウスのブリーフィングには、こう書かれている。

この文言は、ホーゲン氏が議会に登場した際に使っていた言い回しを彷彿とさせる。同氏は「60 Minutes」のインタビュー以来、元社員としての立場から、Facebookは安全性よりも利益を優先していると繰り返してきた。

大統領はまた、ソーシャルメディアが私たちにどのような害を及ぼすのか、およびその害に対処するためにどのような臨床的・社会的介入が可能かについての研究に、少なくとも500万ドル(5億7500万円)を投資する計画の概要を示した。また、米保健福祉省は「ソーシャルメディアとメンタルウェルネスに関する全米センター」を立ち上げ、10代のソーシャルメディア利用がもたらす影響について一般市民に啓蒙していく予定だ。

バイデン大統領はまた、子どもたちを対象とした過剰なターゲット広告やデータ収集を禁止するよう議会に要求する見通しだ。2000年に施行された児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)は、13歳未満のユーザーの追跡やターゲティングを制限することを目的としているが、プラットフォームがユーザーの年齢を認識していることが証明されない限り、この法律を適用することはできない。つまり、子どもが「はい、私は13歳です」というボックスをクリックするだけで、子ども向けではないコンテンツにアクセスできてしまうため、COPPAは簡単に適用できないことが多い。

すでに一部の議員は、COPPAをより効果的なものにするためにアップデートを試みている。Ed Markey(エド・マーキー)上院議員(民主党、マサチューセッツ州)とBill Cassidy(ビル・キャシディ)上院議員(共和党、ルイジアナ州)は2021年、インターネット企業が13〜15歳のユーザーの個人データを本人の同意なく収集することを違法とする法案を提出した。この法案はまた「消去ボタン」を設け、ユーザー(またはその親)が、企業が収集した自らに関するデータを手動で消去できるようにするものだ。

「消去ボタン」のコンセプトは、Richard Blumenthal(リチャード・ブルメンタール)上院議員(民主党、コネチカット州)とMarsha Blackburn(マーシャ・ブラックバーン)上院議員(共和党、テネシー州)が最近提出した「Kids Online Safety Act(KOSA)」にも登場する。2021年10月には、YouTube(ユーチューブ)、TikTok(ティクトック)、Snap(スナップ)の代表者が上院の公聴会で、親が自分の子どもや10代の若者のオンラインデータを消去できるようにすべきだという意見に同意した。

ホワイトハウスのブリーフィングでは、アルゴリズムが選ぶコンテンツが、特に若い有色人種の女性の間で、メンタルヘルスに悪影響を与える可能性があることも取り上げている。

「『黒人の女の子』、『アジア人の女の子』、『ラテン系の女の子』と検索すると、ロールモデルやおもちゃ、アクティビティではなく、ポルノなどの有害なコンテンツが並ぶことがあまりにも多い。プラットフォームは、子どもたちが何が可能かを理解し、アクセスする機会に方向性を与えます」と報告書は述べている。「私たちは、プラットフォームやその他のアルゴリズムによって強化されたシステムが、差別的に子どもたちを標的にすることがないようにしなければなりません」。

ここ数年、ホワイトハウスがこのブリーフィングで説明したような問題を解決することを目指す法案がいくつか議会を通過したが、ほとんどは可決されるに至っていない。法案が成立するほどの勢いになっても、意図したことが達成されないこともある。トランプ前大統領は2018年「オンライン性的人身売買対策法(FOSTA)」に署名し、法制化した。その名の通り、人身売買を抑制するための法律だったが、かえって合意の上で働くセックスワーカーにとって、より危険な状況を作り出しただけだった。

バイデン大統領は、研究に500万ドル(約5億7500万円)を投じ、ソーシャルメディアとメンタルウェルネスに関する全米センターを設立したが、ソーシャルメディアとメンタルヘルスに関するコメントは、長年にわたって議会で議論されてきたことを繰り返したに過ぎない。しかし、これらのメッセージから、大統領が少なくとも、米国人のオンラインでの生活にいくらか注意を払っていることがわかる。

バイデン大統領は一般教書演説で、ソーシャルメディアの巨人に関する計画を示唆した。

「パンデミック以前にも、子どもたちは苦労していました。いじめ、暴力、トラウマ、そしてソーシャルメディアの害。今夜ここにいるフランシス・ホーゲン氏が示したように、我々はソーシャルメディアプラットフォームが利益のために子どもたちに対して行っている国家的な試みに対して責任を負わせなければならないのです。今こそ、プライバシー保護を強化し、子どもへのターゲット広告を禁止し、テック企業に子どもの個人情報収集をやめるよう要求するときです」。

また、ホーゲン氏は演説後、バイデン大統領の発言についてコメントした。

「バイデン大統領が一般教書演説でこの問題を提起し、これにより我々がソーシャルメディアが子どもたちの精神衛生に与えている真実の暴露を続け、この恐ろしい現実を変えるためにすべての関係者に力を与えられることに感謝しています」とホーゲン氏は報道機関にメールで送った声明で述べた。声明はTwitter(ツイッター)にも投稿された。「FacebookとInstagram(インスタグラム)は、私たちを中毒にし、また子どもと私たち自身の最悪の事態を増幅させるために設計された欠陥商品です。彼らは私たちの子どものメンタルヘルスを犠牲にして利益をあげているのです」。

【更新】3月2日米国東部時間午前9時20分、バイデン大統領とフランシス・ホーゲン氏の言葉を盛り込んだ。

画像クレジット:Al Drago/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

ネットフリックス「ハイプハウス」が見せるクリエイターエコノミーの闇

私たちはこれまでキム・カーダシアンやパリス・ヒルトンのような有名人を「有名であることで有名」と表現していた。しかし、Netflix(ネットフリックス)のドキュソープ(ドキュメンタリー形式のリアリティ番組)「Hype House(ハイプハウス 〜TikTokスターのリアルライフ〜)」に登場するTikTok(ティックトック)のメガスターたちは「普通であることで有名」だ。このクラスのスーパースターは、有名人の裕福な子弟とは違い、神秘的なアルゴリズムによって、一見すると恣意的な理由で実質的に一夜にしてスターダムにのし上がった。

「20歳で大富豪だよ、何を落ち込む必要があるんだと思うだろ?」と語るのは、1470万人のフォロワーを持つTikTokのスターAlex Warren(アレックス・ウォーレン)氏だ。「とても馬鹿げたことに聞こえるのはわかっているさ、でも、それが苦しいんだよ、落ち込むことが許されていないように感じるんだ」。

「ハイプハウス」では、平凡な10代の若者が、有名人になったチャンスの本質について苦悩し、その名声が登場したときと同様にすぐに消えてしまうのではないかと心配している。「ハイプハウス」は、TikTokで最も長く続いている同名のコンテンツハウスの1つで、ソーシャルメディアのスターたちが一緒に暮らし動画を撮影している。このコンセプトは新しいものではない。YouTube(ユーチューブ)やTwitch(トゥッチ)、Vine(バイン)のスターたちは、何年も前からこのような共同生活のプロジェクトを実験してきた。

Thomas Petrou(トーマス・ペトルー)氏(フォロワー数800万人)が事実上のマネージャーだが、彼は利益の分配は受けていないという。彼は自分のことを「この家のお父さん」と呼んでいるが、それに加えて全員がちゃんと皿洗いをするのを確認するだけでなく、「ハイプハウス」ブランドが維持できるように、毎月少なくとも8万ドル(約923万円)のネット収入を得られるようにしている。彼のインフルエンサーの友人であるVinnie Hacker(ビニー・ハッカー)氏(フォロワー数1290万人)、Jack Wright(ジャック・ライト)氏(フォロワー数880万人)、アレックス・ウォーレン氏(フォロワー数1470万人)といった面々が、500万ドル(約5億8000万円)の豪邸に家賃なしで住んでいる。彼らがすることは、月に一度、「ハイプハウス」の公式TikTokアカウントに投稿することだけで、継続的なブランドコンテンツ契約によって収益を生み出している。さらにTikTokは、クリエイターたちがプラットフォーム上で誘導したトラフィックに対して直接報酬を支払うようになった。

このNetflixのシリーズは、「ハイプハウス」の一時代の終わりを告げるもので、若きミリオネアたちのおどけた姿よりも、インフルエンサーたちが直面する課題に焦点を当てている。

考えてみれば、このTikToker(ティックトッカー)たちが投稿している動画は、平均的なティーンエイジャーが投稿するものとさほど違ってはいない(大邸宅から投稿していることを除いて)。約2000万人のフォロワーを持つ「ハイプハウス」の公式TikTokアカウントでは、スターたちが新しいフィルターを試したり、次々に最新のトレンドを取り入れたり、そしてもちろん踊ったりしている。

全8話のシリーズを通して、風光明媚なサンタローザバレーの家には不穏な空気が漂っている。「ハイプハウス」のメンバーの中には、刺激を得られず幻滅を感じているせいで、ペトルー氏が望んでいるほどには頻繁にグループのためのコンテンツを作らない人もいる。あるシーンでは、「ハイプハウス」のメンバーが巨大なビーンクッションに寝そべってコンテンツのアイデアを考えようとしていたのだが、結局思いついた最高のアイデアは「手の込んだ握手方法」を編みだすことだった。きれいな大邸宅に家賃なしで住んでいても、楽しそうには見えない。

一方、アレックス・ウォーレン氏は、ワラにもすがるように、ネット上で思うようには反響を得られていない演出をしている。問題のある家庭環境や足の怪我を抱えながらも、心の休息を取ることに恐怖を感じているのだ。

「この仕事では、投稿をやめるとエンゲージメントが失われるんだ」とウォーレン氏は告白するように説明する。「この仕事には病欠はないんだ。病欠したらフォロワーが減り、つまり収入が減り、それはつまり、自分の仕事を失うことなんだ」。

インフルエンサーのゴールドラッシュ

TikTokのスターダムは、インターネット上のキャリアとして理解されつつあり、突然有名になった子どもたちのブランドとの契約やパートナーシップを支援することを目的とした、何十ものスタートアップ企業が生まれている(もちろん彼らの収益の一部を手にするためだ)。YouTubeでは、初期のクリエイターのほとんどが広告収入で利益を得ていたが、少なくとも初期の頃は、現在のようにマネタイズに注目が集まっていなかった。他のプラットフォームも、TikTokとその最大のスターたちの成功に乗じようと躍起になっている。Instagram(インスタグラム)、Snapchat(スナップチャット)、YouTube(ユーチューブ)は、クリエイターたちがTikTokではなく自分たちのプラットフォームに投稿するようにインセンティブを与えるために、数億ドル(約数百億円)を投じている。

Nikita Dragun(ニキータ・ドラガン)氏(フォロワー数1420万人)は「インフルエンサーとして、私たちの生活全体が、従来の有名人よりも奇妙な台座に置かれています」と番組で説明している。「スポークスマン、活動家、モデル、時事評論家、マネージャー……一度にたくさんのことをしなければなりません」。

クリエイターの収益化が進んでいることは、ほとんどの場合良いことだと思われる。クリエイティブな人びとが好きなことをして生計を立てるのに役立つツールがこれまでになく増えている。LinkedInでさえ、40人のスタッフがクリエイターとの仕事を専門に担当している。しかし一方で、生活のあらゆる面をマネタイズしなければならないというプレッシャーを感じるクリエイターもいる。ウォーレン氏の人気の一部は、同じくTikTokのスターで1360万人のフォロワーを持つガールフレンドのKouvr Annon(コーバー・アノン)氏との関係についての投稿から来ている。しかしウォーレン氏は、2人のプライベートな生活とコンテンツを切り離すのに苦労していて、カメラのないところ(滅多にないが)での2人の関係にも影響を与えている。

TikTokの成長によって加速されたインターネットの時代では、ただ動画を投稿していれば良いというわけではない。それは、自分のプラットフォームが明日死んでしまっても(以前にもあったことだが、Vine[バイン]がそうだった)、自分のキャリアを維持できるように、できるだけ多くの異なる収益源を組み合わせることなのだ。結局のところ、TikTokのスターたちは、TikTok自体から収入の大部分を得ているわけではない。ブランドとの契約、スポンサーシップ、商品の販売、ポッドキャスト、リアリティショー、音楽演技への思いがけない進出など、さまざまな形で幸運を手にしている。

「ハイプハウス」では、登場するクリエイターが自らの凡庸さを自覚していることが強調されている。彼らは、カリスマ性があり、おもしろく、大衆を楽しませるだけの魅力を持っているものの、自分の名声は才能よりも運に左右されていることを知っていて、いつその幸運が奪われるかわからないと心配している。彼らは、家族が離散した故郷に帰らなければならなくなったらどうしようとストレスを感じたり「キャンセルカルチャー」のターゲットになるのではと心配したりしている。

「ソーシャルメディアは数字のゲームだよ。お金はその数字にかかっているんだ」とウォーレン氏は説明する。「もし、僕が出しているものをみんなが見なくなったら、それは僕が何か間違ったことをしているということなんだ、だとしたら何が間違っているのか、どうすればその人たちを取り戻せるのか?」。

TikTokのアルゴリズムの変更のような恣意的な何かが、彼の成長を妨げる可能性があるのだから、ウォーレン氏の不安は杞憂ではない。ソーシャルメディアの爆発的な成長に慣れていたのに、その数字が停滞したり、最悪の場合は急落したりし始めたときには、どのように対処すればよいのだろう?

TikTokのアルゴリズムに対する心配に加えて、コンテンツハウスのビジネスモデルも同様に不安定だ。冒険を始めて以来、「ハイプハウス」は、インフルエンサー仲間で元メンバーだったDaisy Keech(デイジー・キーチ)氏との論争など、数々の訴訟に直面してきた。最近のYouTube動画で、ペトルー氏は訴訟に何十万ドル(何千万円)も費やしたと語っている。「ハイプハウス」では法的な問題には触れられていないが、ペトルー氏は共同体運営のストレスで目が覚めたり、嘔吐したりしたと語っている。このようなコンテンツハウスは、理論的には個々のクリエイターの負担を軽減してくれるはずだ。集団の一員となることで、アイデアのワークショップやビデオの共同制作を行うチームが周囲に生まれ、共有アカウントからの追加収入が得られる。しかしそうなる代わりに「ハイプハウス」では、明確な金銭的合意がないままお互いに頼り合うことが、ストレスをためてしまうことになったように見える。

「私もはしゃいでいるわけじゃないし」

「ハイプハウス」のソーシャルサークルの中には、TikTokで最も多くのフォロワー(1億3300万人)を持つCharli D’Amelio(チャーリー・ダミリオ)氏がいる。Forbes(フォーブス)の推計によると、彼女は同プラットフォームで最も高額の報酬を得ているクリエイターでもあり、2021年は1750万ドル(約20億2000万円)を稼いでいる。

Hulu(フールー)が制作した、突然有名になった彼女の家族についてのリアリティ番組で、ダミリオ氏は「私はただ、世界の他のティーンエイジャーと同じように投稿してるだけ」と語っている。「ただSNSに投稿していただけなので……何も」。かつてダミリオ氏がTikTokのバイオグラフィーに冗談で書いたように「大丈夫、私もはしゃいでいるわけじゃないし」というわけだ。

しかし、クリエイターエコノミーの最大のスターである彼女も、そのスター性が持続するかどうかについては疑問を持っている。「The D’Amelio Show」のパイロット版で、彼女は、もし自分が何百万ドル(何億円)も稼ぎ続けられなかったり、自分のライフスタイルのプレッシャーが大きくなりすぎたりしたら、どうしようかと考えていたことを明かしている。

「企業のCEOと電話で話すのは……ちょっと楽しいかな?という感じ」とダミリオ氏はいう。「だから、ソーシャルメディアで何が起こっても、その仕組みを知っているからこそ、マーケティングに進むことができるのです。私はすべてのバックエンドを知っているけど、それはクールなこと」。

1年でほとんどの人が一生かけて稼ぐ金額よりも多くのお金を稼いでいるのに(さらにその子どもが一生で、孫が一生で稼ぐよりも…少なくとも孫の1人がTikTokで大成功しない限り)ダミリオ氏がバックアッププランを持っているのは奇妙なことだ。しかし視聴者にとっては「ハイプハウス」や「The D’Amelio Show」のような番組の目的は、ソーシャルメディアのスターたちを人間として見ることにある。制作チームにとっては、NetflixやHuluを儲けさせることが目的であり、スター自身にとっては、余分な収入を得て、名声を維持・向上させることが目的である……と、ひどくメタ的な話になってしまった。彼らは、その半製品的な弱さを利用して、自分をより大きなスターにするのだ。

おそらくここでの最大の勝者はTikTokかもしれない。それが、このアプリの魅力なのだ。アレックス・ウォーレン氏のように、車の中で生活していた人が豪邸に住むようになれるかもしれない。すべては、あなたの短いビデオクリップが人々に好まれた結果だ。しかし、インターネット上で最も有名な10人の人たちと一緒に暮らしていても、トップは孤独なのだ。

画像クレジット:Netflix

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(文:Amanda Silberling、翻訳:sako)

フェイスブックやツイッターの元幹部が出資するTaggはZ世代向けの「ソーシャルブランディング」アプリ

Z世代は、自分たちが育ってきたソーシャルメディアに満足せず自分たちが使いたいアプリを作っている。クリエイティブな10代、20代の若者向け「ソーシャルブランディング」アプリである「Tagg(タッグ)」は、米国時間12月17日、シードラウンドで200万ドル(約2億3000万円)を調達したことを発表した。出資したのは、Twitter(ツイッター)共同創業者のBiz Stone(ビズ・ストーン)氏、Facebook(フェイスブック)の元インターナショナルグロース担当VPだったEd Baker(エド・ベーカー)氏、TripAdvisor(トリップアドバイザー)の創業者であるStephen Kaufer(スティーヴン・カウファー)氏、Pillar VC(ピラーVC)などだ。

Brown University(ブラウン大学)と近隣のRhode Island School of Design(ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン)の卒業生によって設立されたTaggは、まだプライベートベータ版だが、数千人のユーザーが利用しており、さらに数千人がウェイティングリストに申請している。Taggはいわゆるlink in bio(リンク・イン・バイオ)サービスのようなものだが、若いクリエイティブな人たちがつながり、協力し合い、友人関係を築くことを促進するソーシャルな要素が含まれている。

「デジタルの世界では、あなたのブランドが本物であればあるほど、あなたのつながりも本物になります。現在のソーシャルプラットフォームは、このブランドとつながりの進化する交点に対応できるように作られていません」と、同社は説明している。「Taggは、制限もスティグマ(偏見や差別)もない、自分自身の完全な創造的表現を可能にする環境を構築して、成長させています」。

Taggでは、自分のプロフィールを何に使いたいか(ソーシャルなプロフィールにしたいのか、自分のアートを宣伝してネットワークを広げたいのか)に応じて、アプリにログインしたときに5つのプロフィールスキンから選ぶことができる。そこから自分のページをカスタマイズし、他のSNSアプリでやるように、誰かをフォローしたり、コンテンツを投稿したりすることができる。しかし、Taggでは、投稿に「いいね!」の数が表示されない。これは意図的に選ばれた仕様だ。

「Taggに『いいね!』はありません。コメントやシェア、ビューだけです。なぜなら、クリエイティブな人たちには、自分の好きなものを、スティグマを気にすることなく、好きなように表現することに集中して欲しいからです」と、Taggの共同設立者であるVictor Loolo(ビクター・ルーロ)氏はTechCrunchに語っている。

特にTaggが対象としているZ世代では、ユーザーは「いいね!」の数を必ずしも求めていない。なぜなら「いいね!」の数は、表面的な形で仲間と自分を比較することを助長する可能性があるとわかっているからだ。米国の上院議員であるEd Markey(エド・マーキー)氏(民主党・コネティカット州選出)や、Richard Blumenthal(リチャード・ブルーメンタール)氏(民主党・マサチューセッツ州選出)も、10代の若者の精神衛生に悪影響を及ぼす可能性があるとして、16歳未満のソーシャルメディアユーザーには「いいね!」のカウントを禁止する法案を提出している。

画像クレジット:Tagg

Taggの「ソーシャルブランディング」というマーケティングは、一見すると直感に反したものに思えるかもしれない。また、このブランディングという概念は、自分自身を箱の中に入れてしまうことのように聞こえるかもしれない。しかし、Taggは、ユーザーが自分の居心地の良い場所から抜け出すことを促すようにデザインされている。ユーザーはあらかじめ用意されたスキンを使ってプロフィールを作成するが、これはあくまでも提案であり、もしユーザーが、白紙の状態からプロフィールを作成したり、独自のカテゴリーを作成してコンテンツを整理したいなら、それも可能だ。

「プロフィールはいかようにも見せることができる、それが魅力です。私たちは、すべてのソーシャルアプリに備わる伝統的で制限の多い、型にはまったプロフィールから脱却したいと考えました。なぜならZ世代の私たちは、表現の自由と独自性に大きな価値を置くからです」と、ルーロ氏は説明する。「私たちは、伝統的なプロフィールと真っ白なページの間で、心地よくユーザーフレンドリーな場所を見つけたかったのですが、それは多くの人にとって難しいことでした。そこで私たちは、プロフィールスキンを採用することにしたのです」。

Taggは、ブラウン大学でフットボール選手だったルーロ氏自身の経験からインスピレーションを得たものだ。同氏は当時、学生アスリートとしてのアイデンティティ以外で、自分を定義することは難しいと感じていた。そのことが、共同設立者のBlessing Ubani(ブレッシング・ウバニ)氏とSophie Chen(ソフィー・チェン)氏とともに、Taggを起ち上げる切っ掛けとなった。

「人は1つの枠にはめられてしまうものです。例えば、私がTikTok(ティックトック)で料理動画を配信しているとしましょう。そうすると、人は私のことを『料理動画を配信している男』という枠にはめて見ますが、しかし、私は同時に、ビデオゲームやその他のことを楽しんでいるかもしれないのです」と、ルーロ氏はTechCrunchに語った。「私たちは、そのような状況を打破し、クリエイティブな人たちが自分自身をより全体論的に表現できるようにしたかったのです」。

画像クレジット:Tagg

Taggのユーザーは現在、このプラットフォームに参加することでポイントを獲得するようになっている。このポイントは今のところ、特に価値のない機能に過ぎないが、ルーロ氏はこれをアプリの将来的な可能性として捉えている。

「Taggは現在、分散化やトークン化されていませんが、私たちのプラットフォームの原則は、Web3.0の価値観を反映しています」と、ルーロ氏は語る。「私たちの目標の1つは、コンテンツ共有やコミュニティへの参加から直接報酬を得られることが、クリエイター経済の問題を解決する手段であると、クリエイティブな人々に理解してもらうことです。それは、現状のクリエイターに対する支払い不足や、一貫性のないブランドとの提携とは相対するものです」。

将来的にTaggは、ユーザーが価値のあるコインやトークンを獲得できるようになる可能性もある。しかし今のところ、Taggはウェイティングリストからより多くのユーザーを参加させること、より多くのユーザーを獲得することに注力している。

2020年に大学を卒業した後、チームはベイエリアに移り、そこでアプリの開発を続けてきた。今回調達した資金を使って、Taggはチームを拡大するために採用活動を行っている。最近では、15年のエンジニアリング経験を持つSteven Fang(スティーブン・ファン)氏が、CTO兼共同設立者としてTaggに参加した。

画像クレジット:Tagg

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Instagramトップ、2022年初めに時系列順のフィードオプションを復活させ提供と発言

Instagram(インスタグラム)が時系列順のフィードを復活させる。これは、同アプリを使用している若者への害について開催される上院パネルの前に、InstagramトップのAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏が行った証言の中で明らかになった。消費者が「アルゴリズムに操作される」ことなくInstagramアプリを使用できるべきだと考えるかと質問されたモセリ氏は、ユーザーに対して時系列順フィードのオプションを提供することを支持すると語った。そして実際、同社は現在そのオプションを開発している最中だと付け加えた。

「透明性を高めることや説明責任を増やせることが良いことだと信じていますし、より細かいコントロールができることも良いことだと信じています。それが、2022年に提供する予定の時系列順フィードのバージョンに取り組んでいる理由なのです」とモセリ氏はいう。

この面での同社の計画の詳細を求められたモセリ氏は、Instagramがこの数年間、ユーザーが自分の体験をより細かく制御できるようにするためのさまざまな方法を試してきたと答えた。同社が公にテストしたアイデアの1つは「Favorits(お気に入り)」というもので、これはユーザーが自分のフィードのトップに表示したいアカウントを選択できるようにするものだ。モセリ氏によると、同社が取り組んできたもう1つのアイデアが、Instagramの時系列順バージョンだ。

この時系列順のオプションがいつ一般に公開されるかについてモセリ氏は「今すぐ具体的な提供月をお伝えできれば良いのですが、現時点での目標は来年の第1四半期です」と述べた。

2016年にInstagramが、アルゴリズムによるフィードに切り替えた決定は、物議を醸すこととになった。フィルタリングされたフィードそのものは、エンゲージメントメトリックを改善することから、当時のソーシャルメディア全体で標準になりつつあったが、多くのユーザーはその変更に不満を持っていた。Instagramは、新しいフィードがリリースされてから数年にわたり続いたユーザーの反発によって、アルゴリズムフィードに最近の投稿も追加することに同意さえするようになった。

2020年には、同社が「Latest Posts(最新の投稿)」機能の内部プロトタイプを構築していることが発見された。これにより、ユーザーはアプリの特別なセクションを通して最近の投稿を見ることができたが、それはFacebookが現在ニュースフィードのオプションとして提供しているもののような、完全な時系列順フィードへの回帰ではなかった。またこの機能は、Instagramのグローバルユーザーベースに公開されることもなかった。

現在モセリ氏は、ユーザーが本当に時系列順フィードオプションをもう一度手に入れることができることを約束している。しかし、ユーザーをアプリに引き付け続けるという点でアルゴリズムフィードがもたらす利点を考えると、Instagramがこれをデフォルト設定またはわかりやすい選択肢とする可能性はほとんどないだろう。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

フェイスブックがエンド・ツー・エンド暗号化の全面導入を「2023年中まで」延期

Facebook(フェイスブック)改めMeta(メタ)が、エンド・ツー・エンド暗号化を同社の全サービスに全面展開することを「2023年中まで」延期する。このことは、同社の安全部門のグローバル責任者であるAntigone Davis(アンティゴン・デイビス)氏が英国のTelegraph(テレグラフ)紙に寄稿した論説記事によって明らかになった。

Facebook傘下のWhatsApp(ワッツアップ)には、すでに2016年からエンド・ツー・エンド暗号化が全面的に導入されているが、ユーザーがメッセージデータを暗号化する鍵をユーザーのみに持たせるこの機能は、同社の他の多くのサービスではまだ提供されていない。つまり、エンド・ツー・エンド暗号化が提供されていないそれらのサービスでは、メッセージデータを公権力に提供するよう召喚されたり令状が発行されたりする可能性があるということだ。

しかし、Facebook創業者のMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、Cambridge Analytica(ケンブリッジ・アナリティカ)のデータ不正利用スキャンダルを受けて、2019年にはすでに「プライバシー重視のプラットフォームへと転換させる」取り組みの一環としてエンド・ツー・エンド暗号化を同社の全サービスに全面導入する計画であることを発表した。

ザッカーバーグ氏は当時、エンド・ツー・エンド暗号化の全面導入の完了時期について具体的な日程には言及しなかったが、Facebookは2021年初めに、2022年中には全面導入が完了する予定であると示唆していた。

それがこの度、同社は、2023年中の「いずれかの時点」まで完了する予定はないと発表した。明らかに先送りされているようだ。

デイビス氏によると、今回の延期は、子どもの安全に関わる捜査を支援するために情報を法執行機関に提供する能力を同社が保持できるようにして、安全性を確保しながらエンド・ツー・エンド暗号化を実装することに時間をかけたいと同社が希望しているためだという。

デイビス氏は次のように語る。「当社でもそうだが、ユーザーのメッセージにアクセスできない状態で、テック企業が虐待問題に立ち向かい続けることと法執行機関の重要な任務をサポートし続けることをどのように両立できるのかという点については、今も議論が続いている。プライバシーと安全性のどちらかを選ばなければならないような状態にしてはいけないと当社は考えている。だからこそ当社は、適切な方法でこの技術を導入するために、強力な安全対策を計画に盛り込み、プライバシー分野や安全分野の専門家、市民社会、政府と協力している」。さらに、同社は「プロアクティブな検知テクノロジー」を使用して不審なアクティビティを特定することに加え、ユーザーのコントロール権限を強化し、問題を報告する能力をユーザーに付与する予定だと同氏はいう。

Facebookが2年以上前に「全サービスへのエンド・ツー・エンド暗号化導入」計画を公に発表してからこれまで、英国を含む西側諸国の政府は、最高レベルの暗号化を全サービスに全面導入する計画を延期または断念するよう同社に対して強い圧力をかけ続けている。

英国政府はこの点で特に、Facebookに対して苦言を呈してきた。内務大臣のPriti Patel(プリティ・パテル)氏は、Facebookのエンド・ツー・エンド暗号化拡大計画は、オンラインの児童虐待を防止する努力を阻害するものになると、公の場で(繰り返し)警告し 、同社を、児童性的虐待コンテンツ(CSAM)の制作と配信を防ぐ闘いにおける無責任な悪役であるとみなした。

したがって、Metaが今回、英国政府ご贔屓の新聞に論説記事を寄稿したのは偶然ではなかったのだ。

Telegraph紙に寄稿された前述の論説記事の中で、デイビス氏は「エンド・ツー・エンド暗号化を展開するにあたり、当社は、市民の安全を確保する活動に協力しつつも、暗号化されていないデータの組み合わせを用いて各種アプリ、アカウント情報、ユーザーからの報告をプライバシーが保護された安全な状態に保つ」と述べ「この取り組みにより、すでに、子どもの安全を担当する当局機関に対し、WhatsAppから極めて重要な情報を報告することができている」と同氏は付け加える。

デイビス氏はさらに、Meta / Facebookは過去の事例をいくつも調査した結果「エンド・ツー・エンド暗号化をサービスに導入した場合でも、重要な情報を当局機関に報告することができていた」との結論に達したと述べ「完璧なシステムなど存在しないが、この調査結果は、当社が犯罪防止と法執行機関への協力を継続できることを示している」と付け加えた。

ところで、Facebookのサービスにおいてすべてのコミュニケーションがエンド・ツー・エンドで暗号化された場合に、同社は一体どのようにして、ユーザーに関するデータを当局機関に渡すことができるのだろうか。

Facebook / Metaがそのソーシャルメディア帝国において、ユーザーのアクティビティに関する手がかりを集めている方法の詳細をユーザーが正確に知ることはできない。しかし、1つ言えることとしてFacebookはWhatsAppのメッセージ / コミュニケーションの内容がエンド・ツー・エンドで暗号化されるようにしているが、メタデータはエンド・ツー・エンドで暗号化されていないということだ(そしてメタデータからだけでも、かなり多くの情報を得ることができる)。

Facebookはまた、例えば、2016年に議論を呼んだプライバシーUターンのように、WhatsAppユーザーの携帯電話番号データをFacebookとリンクさせるなど、アカウントとそのアクティビティを同社のソーシャルメディア帝国全体で定期的にリンクさせている。これにより、Facebookのアカウントを持っている、あるいは以前に持っていたユーザーの(公開されている)ソーシャルメディアアクティビティが、WhatsAppならではの、より制限された範囲内でのアクティビティ(1対1のコミュニケーションや、エンド・ツー・エンド暗号化された非公開チャンネルでのグループチャット)とリンクされる。

このようにしてFacebookは、その巨大な規模(およびこれまでにプロファイリングしてきたユーザーの情報)を利用して、たとえWhatsAppのメッセージ / コミュニケーションの内容自体がエンド・ツー・エンドで暗号化されていたとしても、Facebook / Metaが提供する全サービス(そのほとんどがまだエンド・ツー・エンド暗号化されていない)において、誰と話しているのか、誰とつながっているのか、何を好きか、何をしたか、といったことに基づいて、WhatAppユーザーのソーシャルグラフや関心事を具体的に把握できる。

(このことを、デイビス氏は前述の論説記事で次のように表現している。「エンド・ツー・エンド暗号化を展開するにあたり、当社は、市民の安全を確保する活動に協力しつつも、暗号化されていないデータの組み合わせを用いて各種アプリ、アカウント情報、ユーザーからの報告をプライバシーが保護された安全な状態に保つ。この取り組みにより、すでに、子どもの安全を担当する当局機関に対し、WhatsAppから極めて重要な情報を報告することができている」)。

Facebookは2021年の秋口に、WhatsAppが透明性に関する義務を遂行しなかったとして欧州連合から多額の罰金を科せられた。WhatsAppがユーザーデータの使用目的と、WhatsApp-Facebook間においてそのデータを処理する方法について、ユーザーに適切に通知していなかったことが、DPAの調べによって明らかになったためだ。

関連記事:WhatsAppに欧州のGDPR違反で約294億円の制裁金、ユーザー・非ユーザーに対する透明性の向上も命令

FacebookはGDPRの制裁金に関して控訴中だが、米国時間11月22日に、欧州の規制当局からの求めに応じて、欧州のWhatsAppユーザー向けのプライバシーポリシーの文言を少し変更することを発表した。しかし、同社によると、ユーザーデータの処理方法については、まだ何の変更も加えていないとのことだ。

さて、エンド・ツー・エンド暗号化そのものに話を戻すと、2021年10月、Facebookの内部告発者であるFrances Haugen(フランセス・ハウゲン)氏が、同社によるエンド・ツー・エンド暗号化テクノロジーの応用に関して懸念を表明した。このテクノロジーはオープンソースではなく、専有テクノロジーであるため、ユーザーはFacebook / Metaのセキュリティ方針を信じなければならず、同テクノロジーのコードが本当にそのセキュリティ方針を順守しているかどうか、独立した第三者が検証する術がない、というのが同氏の主張だ。

ハウゲン氏はさらに、Facebookがエンド・ツー・エンド暗号化をどのように解釈しているのかを社外の者が知る方法がないことも指摘し、同社がエンド・ツー・エンド暗号化の使用を拡大しようとしていることについて「Facebookが本当は何をするつもりなのかまったくわからない」と述べて懸念を表明した。

「これが何を意味するのか、人々のプライバシーが本当に保護されるのか、私たちにはわかりません」と英国議会の議員たちに語ったハウゲン氏は、さらに次のように警告した。「これは非常に繊細な問題で、文脈も異なります。私が気に入っているオープンソースのエンド・ツー・エンド暗号化製品には、14歳の子どもがアクセスしているディレクトリや、バンコクのウイグル族コミュニティを見つけるためのディレクトリはありません。Facebookでは、社会的に弱い立場にある人々を標的にすることが、この上なく簡単にできてしまいます。そして、国家政府がそれを行っているのです」。

ハウゲン氏は、エンド・ツー・エンド暗号化の支持については慎重に言葉を選んで発言し、エンド・ツー・エンド暗号化テクノロジーは、外部の専門家がそのコードや方針を厳正に調査できるオープンソースで対応することが望ましいと述べた。

しかし、Facebookの場合は、エンド・ツー・エンド暗号化の実装がオープンソースではなく、誰も検証できないため、規制当局による監視が必要だとハウゲン氏は提案した。ユーザーのプライバシーをどの程度確保するか(したがって、政府当局などによる潜在的に有害な監視からの保護をどの程度確保するか)、という点についてFacebookが誤解を招く指針を打ち出さないようにするためだ。

「私たちはプライバシーを保護し、危害の発生を防ぐ」という見出しの下で書かれた前述のデイビス氏の論説記事は、Metaが「外部の専門家と引き続き協力し、虐待と闘うための効果的な方法を構築していく」ことを誓う言葉で締めくくられており、英国議会の議員をなだめることによって、Facebookが一挙両得を狙っているように感じられる。

「Facebookはこの取り組みを適切な方法で進めるために時間をかけており、当社のすべてのメッセージングサービスでエンド・ツー・エンド暗号化を標準機能として導入することが、2023年中のある時点までに完了する予定はない」とデイビス氏は付け加え「Facebookはユーザーのプライベートなコミュニケーションを保護し、オンラインサービスを使用する人々の安全を守る」という、具体性のない宣伝文句をまた1つ発して記事を締めくくった。

英国政府は間違いなく、Facebookが今回、規制に配慮を示しながら非常に厄介な問題に関する記事を公に発表したことについて、喜ばしく思うだろう。しかし、同社が、パテル内相などからの長期にわたる圧力を受けて、エンド・ツー・エンド暗号化の延期の理由を「適切に導入するため」だと発表したことは「では、非常にセンシティブなプライバシーに関する問題という文脈において、その『適切』とは何を意味するのか」という懸念を強めるだけだろう。

もちろん、デジタル権利の擁護活動家やセキュリティの専門家を含むより大きなコミュニティも、今後のMetaの動向を注意深く見守っていくだろう。

英国政府は最近、児童性的虐待コンテンツ(CSAM)の検知または報告、作成阻止を目的として、エンド・ツー・エンド暗号化サービスにも応用できる可能性があるスキャニング/フィルタリング技術を開発する5つのプロジェクトに、およそ50万ポンド(約7700万円)の税金を投じた。「代替ソリューション」(プラットフォームにエンド・ツー・エンド暗号化を実装する代わりに、スキャニング / フィルタリング技術を暗号化システムに組み込むことによってCSAMの検知 / 摘発を行う)を開発することによって、革新的な方法で「テクノロジーにおける安全性」を確保するよう閣僚たちが求めたためだ。

したがって、英国政府は(ちなみに現在、オンライン安全法案の制定に向けても動いている)、子どもの安全に関する懸念を政治的な圧力として利用して、暗号化されたコンテンツを、エンド・ツー・エンド暗号化の方針のいかんに関わらず、ユーザーのデバイス上でスキャンすることを可能にするスパイウエアを実装するようプラットフォームに働きかける計画のようだ。

そのようにして埋め込まれたスキャンシステムが(閣僚たちの主張とは相容れないものの)堅牢な暗号化の安全性にバックドアを作ることになれば、それが今後数カ月あるいは数年のうちに厳密な調査と議論の対象になることは間違いない。

ここで参考にできるのがApple(アップル)の例だ。Appleは最近、コンテンツがiCloudのストレージサービスにアップロードされる前に、そのコンテンツがCSAMかどうかを検知するシステムをモバイルOSに追加することを発表した。

Appleは当初「当社は、子どもの安全とユーザーのプライバシーを両立させるテクノロジーをすでに開発している」と述べて、予防的な措置を講じることについて強気な姿勢を見せていた。

しかし、プライバシーやセキュリティの専門家から懸念事項が山のように寄せられ、加えて、そのように一度は確立されたシステムが(著作権下のコンテンツをスキャンしたいという市場の要求だとか、独裁政権下の国にいる反政府勢力を標的にしたいという敵対国家からの要求に応えているうちに)いや応なく「フィーチャークリープ」に直面する警告も発せられた。これを受けてAppleは1カ月もたたないうちに前言を撤回し、同システムの導入を延期することを表明した。

Appleがオンデバイスのスキャナーを復活させるかどうか、また、いつ復活させるのか、現時点では不明である。

AppleはiPhoneのメーカーとして、プライバシー重視の企業であるという評判(と非常に高収益の事業)を築いてきたが、Facebookの広告帝国は「利益のために監視する」という、Appleとは正反対の野獣である。したがって、全権力を握る支配者である創業者が、組織的に行ったプライバシー侵害に関する一連のスキャンダルを取り仕切った、Facebookという巨大なソーシャルメディアの野獣が、自社の製品にスパイウエアを埋め込むようにという政治的な圧力を長期にわたって受けた結果、現状を維持することになれば、それは自身のDNAを否定することになるだろう。

そう考えると、同社が最近、社名をMetaに変更したことは、それよりはるかに浅薄な行動だったように思えてくる。

画像クレジット:Justin Sullivan / Getty Images

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

アップルが新コーディングプログラム開始のためBoys & Girls Clubs of Americaと提携

Apple(アップル)は、全米の子どもたちやティーンエイジャーにコーディングの機会を提供することを目的とした新しいプログラムを開始するためにBoys & Girls Clubs of America(ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブ・オブ・アメリカ)と提携した。Appleの「Everyone Can Code」カリキュラムを使用して、Boys & Girls Clubの子どもたちやティーンエイジャーは、活動の中にコーディングを取り入れることになる。Appleによると、この新しいコラボレーションにより、生徒たちはアプリのデザインと開発の基本を学び、創作する機会を得ることができるようになる。このプログラムは、批判的思考と創造的な問題解決に焦点を当てる。

この新しいプログラムは、まずアトランタ、テキサス州オースティン、ワシントンD.C.、フロリダ州マイアミ・デイド郡、ノースカロライナ州ウェイク郡、シリコンバレーなど、10の地域で開始され、その後、コーディングの機会を全国のクラブに拡大していくことを目標としている。すでに、ニュージャージー州アトランティックシティ、シカゴ、デトロイト、テネシー州ナッシュビル、ニュージャージー州ニューアークでサービスを開始している。

画像クレジット:Apple

「Boys & Girls Clubs of Americaと協力して、何千人もの学生に革新的なテクノロジーの体験を提供してきました、そして、私たちは、Swiftによるコーディングを国内のさらに多くのコミュニティに提供するためこのパートナーシップを拡大することをうれしく思っています」とAppleの環境・政策・社会的イニシアチブ担当副社長であるLisa Jackson(リサ・ジャクソン)氏は、今回の発表に関するプレスリリースの中で述べた。

この最新の取り組みは、AppleのRacial Equity and Justice Initiative(人種的公平と正義のイニシアチブ)を支援するCommunity Education Initiative(コミュニティ・エデュケーション・イニシアチブ)を通じたBoys & Girls Clubs of Americaとの既存のパートナーシップに基づいている。

Appleの「Everyone Can Code」カリキュラムの最新の拡張は、新しい「Everyone Can Code Early Learners」アクティビティガイドを含む、小学生向けの新しいリソースを発表してから2カ月後に行われた。最近発表されたガイドは、Appleのカリキュラムリソースを幼稚園から大学まで拡大するものだ。「Everyone Can Code Early Learners」ガイドによって、幼稚園から小学校3年生までの生徒は、音楽、美術、科学、体育などの複数の科目を通じて、コーディングの中核となる概念の基礎を築くことができる。

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同社は、Everyone Can Codeプログラムを年々拡大し、より多くの年齢層で利用できるようにしてきた。2019年に、Appleは学生がコンセプトを試してみることを目的としているEveryone Can Code Puzzlesというプログラムを開始した。2020年、Appleは、より高度なコーディングアクティビティを行うプログラムEveryone Can Code Adventuresを開始した

画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

Instagramのアダム・モセリ氏、 10代のメンタルヘルスについて上院で証言

Instagram(インスタグラム)の責任者であるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は、子どもや10代の若者のオンラインの安全性に関する一連の公聴会の一環として、初めて上院で証言する。The New York Timesによると、モセリ氏の公聴会は米国時間12月6日に行われる。

モセリ氏の公聴会は、Richard Blumenthal(リチャード・ブルーメンタール)上院議員(民主党)が、Facebook(現Meta)のCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏に手紙を送り、彼かモセリ氏のどちらかが上院の公聴会に参加するよう要請したことに端を発する。

モセリ氏は、上院議会への出席のニュースを受けて動画を投稿した。彼は、10代の若者のオンラインでの安全性に対する懸念が高まっていることを話し、10代の若者のアカウントをデフォルトで非公開にしたり、若者が目にする広告の種類を制限したりするなど、Instagramが若いユーザーを保護するために行ってきた過去の対策を紹介した。

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「これらの問題について、比較的近いうちに議会で話すつもりです」とモセリ氏は語った。「これらは重要な問題ですが、私たちは共通の目標を持っています。私たちは皆、若い人たちがオンラインで安全に過ごして欲しいと願っています」。

9月にInstagramが10代の少女に危険な影響を与えていることを知っていたという報道が流れたとき、上院商務科学運輸委員会はそれを重くみた。委員会はまず、Facebookのセキュリティ部門のグローバルヘッドであるAntigone Davis(アンティゴン・デイビス)氏に質問したが、上院からの直接の質問には答えなかった。その数週間後、委員会はFacebookの内部告発者であるFrances Haugen(フランシス・ハウゲン)氏の証言を聴取した。ハウゲン氏は「Facebook Papers(フェイスブック・ペーパーズ)」として知られる何千もの内部文書を流出させた元シビックインテグリティプロダクトマネージャーだ。ハウゲン氏はこの証言で、Facebookはユーザーの安全よりも利益を重視していると上院に訴えた。

「Facebookが、私や他の議員、一般市民に対して完全に透明性を保とうとせず、若者のメンタルヘルスや依存症に関する重要な情報を隠しているように見えることに失望しています」と、この公聴会を主催する上院委員会の議長を務めるブルメンタール上院議員は書いている。「私が8月の手紙でInstagramと10代の若者に関する具体的な情報を求めたとき、Facebookは、ハウゲン氏が直接反論した明らかに回避的で誤解を招くような回答をした」。

2021年10月、Snap(スナップ)、TikTok(ティックトック)、YouTube(ユーチューブ)の幹部から話を聞いた後、再びInstagramの代表者から話を聞くために委員会は開催される。思春期の摂食障害の発症とInstagramの関連性について委員会が関心を示していることを考えると、モセリ氏は、Instagramが10代の少女に与える影響についてMetaが行いリークされた内部研究について質問されることが予想される。

関連記事:Snap、TikTok、YouTubeの公聴会で、米議員がオンラインで子どもたちを守る新ルールを声高にアピール

The Wall Street Journalが入手し、後にMeta自身が発表したこの内部研究によると、Instagramは10代の女の子の3人に1人のボディイメージの問題を悪化させ、10代の女の子は不安や鬱病の増加をInstagramのせいにしていることがわかった。自殺願望のある10代の若者の間では、6%のユーザーが自殺で死にたいと思ったきっかけをInstagramだとしている。さらに、調査対象となった10代の女の子の32%が、自分の体に悪い印象を受けたとき、Instagramがその気持ちをさらに悪化させたと報告している。

これらの文書が流出した直後、モセリ氏はInstagramがInstagram Kids(インスタグラムキッズ)の構築を一時停止することを発表した。Metaには、13歳未満のユーザーが親の承認した相手とチャットできるMessenger Kids(メッセンジャーキッズ)などの製品がすでにある。

「この体験を開発する必要性を支持しますが、このプロジェクトを一時停止することにしました」とモセリ氏は書いた。「これにより、保護者、専門家、政策立案者、規制当局と協力し、彼らの懸念に耳を傾け、10代の若者のオンライン経験にとってこのプロジェクトの価値と重要性を示すための時間を得ることができます」。

しかし、批評家たちは、Metaが責任を持ってInstagram Kids製品を構築する能力があるかどうかについて懐疑的だ。2021年11月に発表された調査によると、Facebookは広告ターゲティングのために10代の若者を監視し続けていると言われている。

「あなたかアダム・モセリ氏が証言して、記録を整理し、議会のメンバーや親たちに、あなたがどのように子どもたちを守るのかという計画を示すことが緊急かつ必要です」とブルメンタール上院議員はザッカーバーグ氏に書き送った。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Yuta Kaminishi)

良いことも悪いことも人のリアルな経験が反映されるソーシャルネットワークを目指すInpathy

ソーシャルメディアがメンタルヘルス、特に10代の若者のメンタルヘルスに与える悪影響については、数え切れないほどの研究がなされている。

しかし、私たちの多くはSNSをやめることができない。たとえそれが自分自身に悪影響であっても。

Facebook(フェイスブック)やInstagram(インスタグラム)に投稿されるハイライト映像と自分の人生を常に比較することは、ばかばかしいほどに偏っている。というのも、これらのプラットフォームのユーザーの大半は、自分のありのままの写真を投稿したり、悲しいニュースや悪いニュースを他人と共有したりしないからだ。

そこに、新しい「健康な」タイプのソーシャルネットワークInpathy(インパシー)が登場した。Ziarekenya Smith(ジアレケンヤ・スミス)氏は「ソーシャルメディアを透明化し、気分を正常化し、人間の経験を再現する」ことで、人々のソーシャルメディアの利用方法に革命を起こすというミッションを掲げ、2015年に同社を設立した。最終的な目標は、ソーシャルネットワークの世界により多くのウェルネスをもたらすことだ。

スミス氏は、デジタルアートとデザインの分野でキャリアをスタートさせた。初期の成功にもかかわらず、彼はその仕事が期待していたほど個人的に充実しているとは感じなかった。不安や抑うつの症状を感じるようになり、その気持ちをソーシャルメディアで表現したいと思うようになった。しかし、彼はそれを止めた。

「社会の不文律では、完璧でなければ、人生について話してはいけないことになっています」。とスミス氏は振り返る。「だから、私は自分の気持ちを胸にしまっておいたのです。しかし、私は自分自身に問いかけました。なぜそうなのか?」。

デトロイトを拠点とするInpathyのコンセプトは、彼が感じた痛みと葛藤、そして、現在のソーシャルメディアの構造は、長期的には持続可能ではないというスミス氏の信念から生まれた。

「お金を稼ぐにはいいけれど、本当の意味での人間の幸福には向いていません」スミス氏はTechCrunchの取材に対し語った。「私の目には、その核となっている部分を修正しなければならないと思えたのです」。

Inpathyは、完璧さだけではなく、よりバランスのとれた人生経験を提供することを目指している。良いことも、そうでないことも、悪いことも、自分の生の感情を共有する場を提供することを目指している。

「誰にでも浮き沈みはあります。その浮き沈みのタイムラインを見れば、その人の成長をより感謝することができます」とスミス氏はいう。「私たちはみんな、負け犬の物語が好きなのです」。

Inpathyのユーザーは、自分のストーリーやコンテンツを写真や文字ではなく、音声や動画で共有し、スミス氏が望む没入感のある体験を提供する。

Inpathyは、ユーザーに気分を尋ね、その気分の尺度が「怒り」「悲しみ」「喜び」といった気分でフィルターをかけられる他のユーザーにも見えるようになっている。

「私たちは感情を正常化し、透明なシステムを作りたいのです」とスミス氏はいう。「私たちが同じ土俵に立つためには、透明でなければなりません。そうすると、人々は『これは私だけのことではない。これが普通なんだ』と気づくことができます」。

フォローボタンや追加ボタンはない。Inpathyでは双方向のコミュニケーションが可能で、ユーザーは「友達」になることができる。

「私たちはロボットではありません。お金持ちだろうが、貧乏だろうが、地位に関係なく喜びや苦しみを感じるものです」とスミス氏は語る。「これが人間というものです。Inpathyは、人間であることがOKだと示すのです」。

このサイトでは、荒らしやいじめに対しては厳しく、それらを生涯にわたって禁止している。誰かがInpathyで何かを共有する勇気を出した後に、荒らしにあって、再び心を開くのが怖くなるということを考えて、この方針が決まった。

画像クレジット:Inpathy

今のところ、スミス氏はクラウドファンディングで資金を調達し、適切な投資家を見つけるまでは、基本的に自力で運営しています。

「私たちは、投資家に好印象を与えるためだけに機能を追加しなければならないような立場にはなりたくありません」と彼はいう。「ビジョンは非常に重要です」。

「今、ソーシャルメディアの状況を見てみると、テレビはYouTube(ユーチューブ)、短編動画はTikTok(ティックトック)、写真はInstagram(インスタグラム)、ニュースやトレンドはTwitter(ツイッター)、エンターテインメントはFacebook(フェイスブック)、ビジネスはLinkedIn(リンクドイン)、瞑想はHeadspace(ヘッドスペース)、デートはTinder(ティンダー)を使っています」とスミス氏は付け加える。「しかし、生の体験やただ自分自身でいるために、どこに行きますか?」。

スミス氏が思うようにいけば、Inpathyに。

関連記事:FacebookはInstagramが10代に悪影響を及ぼすことを把握していながら子供向けアプリ立ち上げを計画、この計画はさらに有害だと考えられる

画像クレジット:Founder Ziarekenya Smith / Inpathy

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Yuta Kaminishi)

欧州のデジタル規制の再改定でフェイスブックの態度が変わる可能性、内部告発者フランシス・ホーゲン氏が欧州議会で証言

Facebook(フェイスブック)の内部告発者Frances Haugen(フランシス・ホーゲン)氏は、先に行われた英国と米国の国会議員の前でのセッションの後、欧州議会で洗練された証言を行った。

ホーゲン氏のコアメッセージは、大西洋の両側で発せられたのと同様の深刻な警告だった。「Facebookは安全より利益を優先し、個人、社会、民主主義に悪影響を及ぼす有害コンテンツの増幅を無視することを選んでいる。そして、欧州の規制監督は、こうした無責任な運営を行うプラットフォームを統制し、責任あるものにするために不可欠であり、立法者たちがソーシャルメディアに規制を課すことに一刻の猶予もない」。

Facebookの内部告発者として(これまでで)最も注目度の高い人物であるホーゲン氏は、欧州議会から非常に好意的な反応を受けた。議員たちは、同氏が時間を割いてくれたことや、彼らが同氏の「勇気」と表現する、懸念を公に表明してくれたことへの感謝の言葉を惜しまなかった。そして同氏が発言する前や、約3時間にわたるプレゼンテーションと質疑応答の最後にも、同氏を称賛した。

議員たちはさまざまな問題について同氏に質問した。最も大きな関心が寄せられていたのは、新たに導入されるEU全域のデジタル規制が、不安定なプラットフォーム大手に対して、効果的な透明性と説明責任をいかに最大限にもたらし得るかということだった。

Digital Services Act(DSA、デジタルサービス法)は、欧州議会議員の知性の前に置かれている。欧州委員会の提案に対する修正の検討と投票が行われており、この過程で同法案が大きく変化する可能性もある。

一部の議員が行動広告の全面禁止を求める動きを見せたことなどを受け、コンテクスチュアル広告のようなプライバシー保護に配慮した代替手段が法案に盛り込まれた。あるいは最近支持を得た別の修正案では、ニュースメディアをプラットフォームコンテンツの削除から除外するよう求めている

蓋を開けてみると、ホーゲン氏はこうした修正案に好意的ではないことがわかった。しかし、この規制を総じて支持すると同氏は発言した。

DSAの全般的な要点は、信頼できる安全なオンライン環境を実現することに置かれている。そして本日のセッション中に発言した多くの欧州議会議員たちは、ホーゲン氏が欧州議会で発言することに世界的な注目が集まっていることを受けて、EUの警笛を吹く街頭演説的なオポチュニティを捉えた。Facebookの(さらに)別のパブリシティ危機の真っただ中にある中、デジタル規制が審議中であるだけでなく、採択に向かって急速に進んでいる進歩的な状態であることを知らせるものだ。

Facebookの内部告発者は政治的エゴを満たすことに快く応じてみせた。EUがプラットフォーム規制に真剣に取り組んでいることに「感謝する」と述べ、EUはDSAにより「グローバルなゴールドスタンダード」を築くオポチュニティを有していると示唆した。

とはいえ、同氏は2021年10月に行われた別の証拠審議の際にも、英国議会で同様の表現を用いている。そこで同氏は、同国のオンライン安全法について同じように熱弁を振るった。

ホーゲン氏は欧州議会議員たちに対し、Facebookは「データを使ってごまかす」ことに並外れて長けている、と英国の立法者たちに警告した内容を繰り返し、Facebookのプラットフォーム上で起きていることに関するデータを提出することを単純に要求するだけのような甘い法律を通過させてはならない、と議員らに印象つけた。むしろFacebookは、データを引き出して監視監査を生成するのに使用するクエリの詳細に至るまで、同社が引き渡すデータセットのすべてについて説明を求められるべきだということだ。

法制化においてこのようなステップを取らなければ、EUの新しいデジタル規則に大きな抜け穴ができ、Facebookはチェックマークを付ける構図を描くのに必要なあらゆるクエリを実行して、選択的に自己利益的なデータを提供することでうまく乗り切るだろう、とホーゲン氏は警鐘を鳴らした。

Facebookのように信頼できないプラットフォームでも規制が効果を発揮するためには、市民社会組織や外部の研究者たちの幅広いエコシステムからの多層的で動的かつ継続的なインプットが必要だと同氏は提言した。新たに発生してくる弊害を掌握し、法律が意図した通りに機能していることを確保するためだ。

AIがもたらすインパクトに関して求められている説明責任を真に果たすためには、現在DSAが提案している「吟味された学識者」だけではなく、より広範な分野の外部専門家にプラットフォームデータを提供することで、監視に対する広い視野を持つべきだと同氏は強く要請した。

「Facebookがデータで偽ることは明らかです」と同氏は欧州議会で語っている。「DSAの導入を奨励します。Facebookはデータを提供する際、その取得方法を示す必要があります【略】データを引き出すために使用したプロセス、クエリ、ノートを開示することが極めて重要です。これを確認できない限り、提供された情報を信頼することはできません」。

ホーゲン氏は単に警告を発するだけではなかった。同氏はさらに賛辞を重ね、欧州議員たちに次のように伝えた。「欧州がこれらのプラットフォームを規制する上で重要な役割を担うことを強く信じています。欧州は活気に満ちた、言語的に多様な民主主義国家だからです」。

「言語的にも民族的にも多様な4億5000万人のEU市民のためのDSAの権利を獲得すれば、世界に向けたゲームチェンジャーを創出できます。ビジネスのオペレーションに対する社会的リスクの評価を各プラットフォームに義務づけることで、構築するプロダクトやその構築方法の決定は、利益の最大化だけに基づくものではなくなります。言論の自由を保護しつつ、リスクに対処する体系的なルールや基準を確立し、透明性、監視、執行がどのように機能すべきかを世界に示すことができるでしょう」。

「プラットフォームは自社がどのような安全システムを持っているのか、それらの安全システムがどのような言語に対応しているのか、言語ごとのパフォーマンスを明らかにしなければなりません。これを確実にすることが、深刻に、切実に求められています」と同氏は続け、包括的な情報開示の必要性に関する自身の主張を具体化した。「正直なところこれは欧州人の大多数にとって危険なことなのだろうか?と思われるかもしれません」。

ホーゲン氏によると、このようなアプローチは、そのプラットフォームが稼働するすべての市場と言語にまたがる弊害に対処する上で必要な「言語に依存しないコンテンツ中立的なソリューション」をFacebookに迫ることで、欧州を超えた規模のメリットをもたらすという。

Facebookの(限られた)安全予算における偏り、つまりどれだけの予算が英語圏の市場に向けられているのか、そして / または規制を恐れている少数の市場に向けられているのかという点は、Facebookの非常に多くの内部文書が漏洩したことで増幅された核心的な問題の1つである。そして同氏は、FacebookのAIモデルに状況に応じた透明性を持たせることで、強力なプラットフォームがどのように運用されているのか(そして何を優先するのか、何を優先しないのか)というグローバルな公平性の欠如に対処できると提言。そのためには一般的なパフォーマンス指標に加え、市場、言語、安全システム、そしてターゲットを絞ったコホート単位においても、詳細な情報が必要になると指摘した。

安全性を体系的な要件としてFacebookに取り組ませることは、欧州全域の市場でプラットフォームが引き起こす問題を解決するばかりでなく「世界の脆弱な地域に住んでいて、あまり影響力を持たない人々のために声を上げることにもなる」と同氏は主張する。そして次のように言い添えた。「世界で最も言語的な多様性に富む地域は、往々にして最も脆弱な地域であり、欧州が介入する必要性を抱えています。欧州は影響力を有しており、そうした地域の人々のために真に力を発揮できるのです」。

ホーゲン氏の発言の多くは以前の証言や記者会見でもお馴染みのものであった。一方、質疑応答では多くのEU立法者たちが、有害なコンテンツの増幅というFacebookの問題がマイクロターゲット / 行動広告(当議会で活発に議論されている)の全面禁止により解決されるのではないか、という論点に同氏の声を引き込もうとした。これによりアドテックの巨人は、背後にある人々の情報をデータ駆動型操作を通じて利益を得るために使用することができなくなるだろう、ということだ。

これについてホーゲン氏は異議を唱え、規制当局が決定するのではなく、人々が自分でターゲティング広告の有無を選択できるようにすることを支持すると述べた。

全面禁止の代わりに、同氏は「特定の事柄や広告は【略】実際に規制される必要があります」と提案し、規制の対象となる領域の1つとして広告料金を挙げた。「現在のシステムはヘイトを助成しています。つまり、ヘイト的な政治広告を掲載する方が、そうではない広告を掲載するよりも5倍から10倍安いのです。それを考えると、広告料を均一にする必要があると思います」と同氏は説明した。「ただし、特定の人をターゲットにした広告を規制すべきであるとも考えています」。

「ご存じかどうかわかりませんが、特定の広告について100人のオーディエンスをターゲットにすることも可能です。それが悪用されていることはまず間違いないと思います。政治広告に過剰にさらされているのはどのような人かを分析したところ、驚くことではありませんが、最も影響を受けているのはワシントンD.C.の人々で、それは極端に過度な露出状態です。私たちは月に何千もの政治広告について話し合っています。ですから、特定の人々を彼らの認識なしにターゲットにするメカニズムを持つこと【略】は容認できないと私は考えます」。

ホーゲン氏はまた、Facebookはサードパーティのデータソースを利用して、広告ターゲティング目的でユーザーのプロファイルを充実させていることに言及し、その利用を禁止するよう主張した。

「プロファイリングとデータ保持に関して、サードパーティのデータを取得することを許可すべきではないと思います。Facebookはクレジットカード会社やその他の形態と協働していますが、これは彼らの広告の収益性を根底から高めています」と同氏は述べ、次のように付け加えた。「データソースと連携する際にはその都度承諾する必要があると思います。人々は、Facebookに自分たちのデータの一部があることを知ればとても不愉快に感じるはずです」。

しかし、行動広告ターゲティングに関しては、全面禁止の支持を慎重に避けている。

それはこのセッション中に生じた興味深い波紋だった。この問題にはEU内部でモメンタムがあり、それにはホーゲン氏自身の内部告発が地域の立法者たちのFacebookに対する懸念を増幅させた結果としての影響も含まれていた。そしてホーゲン氏はそれを喚起するのに貢献したかもしれないのだ(しかしそうしないことを選んだ)。

「ターゲット広告に関しては、人々がどのようにターゲティングされるかを選択できるようにすべきであると強く提言します。そして、人々に選択を強要するダークパターンを禁止することを推奨します」と同氏はある回答の中で述べている(しかし「ダークパターン設計」のようなシニカルで多面的な要素に対し、規制当局がどのようにして有効な法律を作ることができるのかについての詳細には触れていない)。

「プラットフォームは、そのデータをどのように使うかについて透明である必要があります」と同氏は自身の提案のすべてを包含する本質を伝えてから、次の提案を繰り返すことに依拠した。「すべての政治広告に均一の広告レートを提供するようプラットフォームに義務づけるポリシーを公表すべきであることは、私が強く提唱するところです。政治広告でヘイトを助成すべきではありません」。

行動広告を禁止することに反対する同氏の主張は、規制当局が完全に包括的なプラットフォームの透明性を達成することに集約されている(むしろそれに依存している)ようだ。それは、Facebook(およびその他の同業各社)が人々のデータを使って実際に行っていることの正確な実態を提示できること、つまり、ユーザーがそのようなターゲティングを望むかどうかについて真の選択ができるようにすることだ。したがって、全面的な説明責任の遂行が重要な意味を持つ。

しかしセッションの別の局面で、それは子どもたちがFacebookのようなプラットフォームによるデータ処理に本当の意味で同意できるかどうかを尋ねられた後だったが、ホーゲン氏は、子どもはもちろんのこと、大人たちも、Facebookが自分たちのデータで何をしているのかを(現時点で)理解できているのか疑問であると主張した。

「自分がどのような情報をトレードしているのかを子どもたちが理解できるかということに関してですが、大人である私たちはほぼ間違いなく、何をトレードしているのかを理解していないと思います」と同氏は議員たちに語った。「アルゴリズムに何が含まれているのか、子どもたちにインフォームドコンセントが与えられるような形でターゲット設定されているのか、私たちにはわかりません。インフォームドコンセントが与えられているとは思えませんし、子どもたちの能力も限られています」。

これを踏まえると、同氏の信念、つまり「前述のような包括的な透明性は可能であり、すべての大人が操作的な行動広告を受け入れるか否かの判断を真に情報に基づいて下すことができるデータ駆動型操作、という普遍的に包括的な構図を描き出すだろう」との考えは、何というか、やや希薄に見える。

ホーゲンの論理、すなわち、規制当局がユーザーに提供されているあらゆるものについて不適切 / 不正確に伝達すること、および / または規制当局がユーザーに自らのリスクと権利に関する適切かつ普遍的な教育を保証していないことを含む、根本的な透明性の欠如に対して同氏が提案した解決策に従うならば、データ駆動型の搾取が(今まさに法律に組み込まれているフリーパスで)続いていくリスクがあることは確かであろう。

ここでの彼女の議論は一貫性に欠けているように感じられた。行動広告を禁止することに対する同氏の反対、そしてそれゆえに、ソーシャルメディアの操作的な有害性を助長する1つの根本的なインセンティブに対処することに反対している同氏の主張は、論理的というよりむしろイデオロギー的なものであるかのようだ。

(確かに、世界中の政府は同氏が主張しているような高い機能を備えた「完全な」監視機能を緊急に導入することができるという信念の飛躍は必要なように思える。とはいえ、同時に同氏は、何週間もかけて立法者たちに対し、プラットフォームは非常にコンテキストに特化した、データが詳細に記述されたアルゴリズムマシンとしてしか解釈し得ないものだと強く訴えてきた。同氏が今回の質疑応答で述べたようなFacebookの「驚くべき」データ量を考えれば、目の前にあるタスクの規模の大きさはいうまでもない。Facebookからデータを生の形で取得した場合、規制当局にとってあまりにも膨大すぎることが示されている)

これはおそらく、権利の専門家ではなく、データサイエンティストに期待される視点でもあるだろう。

(前述のような、行動広告の禁止に対する同氏の即座の拒否は、害が流れてそれが感じられるマシンの外にいるのではなく、ブラックボックスに内通してアルゴリズムやデータを操作することに専念してきたプラットフォームのインサイダーに見られるような、一種のトリガー反応といえよう)

セッション中の別の場面で、ホーゲン氏は、ソーシャルメディアの問題に対する唯一の万能薬として徹底的な透明性を求める自身の主張をさらに複雑にした。EUがこのような複雑な問題の施行を最大27の国家機関に任せることに対して警告を発した。

もしEUがそうするなら、DSAは失敗するだろうと同氏は示唆した。代わりに立法者たちに助言したのは、Facebookレベルのプラットフォームを包み込むために必要だと同氏が指摘する、非常に詳細で階層化された動的なルールの実施に対処するための中央EUの官僚機構を作ることだった。同氏はさらに、自身のような元業界のアルゴリズムの専門家たちがそこに「居場所」を見つけ、彼らの専門的な知識への支援や「公的な説明責任に貢献することによる還元」が推進されることを提唱した。

「アルゴリズムが実際にどのように機能し、その結果がどのような結果をもたらすのか、これらの分野の正式な専門家の数は、世界的に見て非常に少ないのが現状です。この分野に修士号や博士号はありません。そのため、分野に携わる企業の1つで働き、社内で実地訓練を受ける必要があります」と同氏は説明し、さらに次のように付け加えた。「この機能を27の加盟国に委譲した場合、1つの場所でクリティカルマスを獲得できなくなることを、私は深く懸念しています」。

「十分な専門家を確保し、それを広く分散させることは、非常に難しいでしょう」。

プラットフォームが人々の目をたやすく欺くことを防ぐためには、利己的なデータセットや「脆弱な」AIの中の悪質な詳細を明らかにする必要があると立法者たちに警告する声が非常に多い中、広告に個人データを使用しないなどの単純な制限を規制当局が実際に設定することにホーゲン氏が反対していることは、教訓的であるように思える。

同氏はまた、規制当局はプラットフォームがデータを使って実行できることに制限を設けるべきか、および / またはアルゴリズムに使用できるインプットに制限を設けるべきかについて、欧州議会議員らから直接質問を受けた。この質問に対しても、同氏は制限ではなく透明性を優先した(しかし他のところでは、前述のように同氏は、広告プロファイリングを充実させる目的でFacebookがサードパーティのデータセットを入手することは少なくとも禁止すべきだと主張している)。

結局のところ、このアルゴリズムの専門家のイデオロギーには、データ駆動型ソフトウェアマシンのための効果的な規制を考え出す方法について、ブラックボックスの外で考えることに関してはいくつかの盲点があるようだ。

民主主義社会がデータマイニングテクノロジーの巨人たちからコントロールを奪い返すためには、ある程度の急ブレーキは必要なことかもしれない。

したがって、ホーゲン氏の最大のアドボカシーは、デジタル規制を致命的に台無しにする抜け穴のリスクに関する極めて詳細な警告であろう。ここでのリスクが多元的であるという点で、同氏は間違いなく正しい。

同氏はプレゼンテーションの冒頭で、もう1つの抜け穴の可能性を指摘した。立法者たちに、ニュースメディアのコンテンツをDSAから除外しないよう求めた(これも議員たちが検討している修正案の1つだ)。「コンテンツ中立性のルールを作るのであれば、本当に中立でなければなりません」と同氏は主張した。「何も選ばれず、何も除外されないということです」。

「現代の偽情報キャンペーンはいずれも、システムを操作することで、デジタルプラットフォーム上のニュースメディアチャンネルを不当に利用していくでしょう」と同氏は警告した。「プラットフォームがこれらの問題に取り組むことをDSAが違法とする場合、私たちは法の有効性を損なうリスクを負うことになります。実際、今日の状況よりも状況が悪化する可能性があります」。

質疑応答の中でホーゲン氏は、いわゆる「メタバース」の構築に向けて計画されているFacebookの方向転換に照らして、規制当局が直面するであろう新たな課題について議員たちからいくつかの質問を受けた。

関連記事:ザッカーバーグ氏は110兆円規模のフェイスブックを「メタバース」企業にすると投資家に語る

これについて、同氏は議員らに対し「非常に懸念している」と述べ、家庭やオフィスでのメタバース供給センサーの普及によってデータ収集量が増加する可能性に警鐘を鳴らした。

同氏はまた、Facebookがワークプレイス用ツールの開発に注力していることが、ビジネスツールに関して従業員がほとんど発言権を持っていないことを考えると、オプトアウトが選択肢にさえならない状況をもたらすのではないかという懸念を表明した。これは人々が将来、Facebookの広告プロファイリングと、生計を立てることのどちらかを選ぶというディストピア的な選択に直面する可能性を示唆している。

Facebookが「メタバース」に新たな焦点を当てたことは、ホーゲン氏がFacebookの「メタ問題」と呼んだものを浮き彫りにしている。これはつまり、同社が現在のテクノロジーによって生じた問題を終わらせて修復するよりも「先に進む」ことを優先しているということでもある。

規制当局はこのジャガーノート(圧倒的な力を持つ存在)に対して、安全性に重点を置いた新たな方向性を計画させるためのレバーを投入しなければならない、と同氏は強調した。

​​画像クレジット:BENOIT DOPPAGNE/BELGA MAG/AFP / Getty Images under a license.

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

プッシュ通知を送るだけのアプリ「Push it」が5カ国のApp Storeでナンバー1になった理由

Push itと呼ばれる、友達に「プッシュ通知」を送る機能を持つ新しいアプリがアプリストアのナンバー1アプリになっている。このアプリには2つのスクリーンショットしかない。1つは大きく赤いボタンで、もう1つは「送信中」というテキストが書かれた黒と赤のスクリーンだ。このアプリをインストールした人々の多くはこのアプリをまだ使用することができていない。それなのに、このアプリが5カ国でナンバー1になっているのはなぜなのだろう?

わかったのは、Push itが、Snapchatプラットフォームアプリ、Sendit(ARゲームや匿名Q&Aの機能を持つ)を作った人々が作り出した最新のアプリであることだ。

画像クレジット:fullsenders

Push itがなんであるのかを理解するには、この会社のオリジナルアプリであるSenditについて知る必要がある。

Senditは若い層を中心に人気のアプリで、ゲームをしたり、友達と会話をするのにこのアプリを利用するSnapchatユーザーを着実にひきつけている。Sensor Towerのデータによると、現在までのところ、Senditは世界中で900万回ダウンロードされ、300万ドル(約3億4000万円)近くの個人消費を生み出している。

Senditは、SnapchatがSenditの最大のライバルであるYOLOとLMKを一時停止したことを受け、最近新たに何百万人ものユーザーにインストールされた。このYOLOとLMKの2つのアプリは、これらを使用していた男の子が他の匿名のユーザーにいじめられ自殺したことから、その男の子の母親が裁判所に訴え、提訴の対象になっているのだ。Senditもやはり友達に自分が誰であるかを明かさずに質問するよう促す「何でも聞いて」ゲーム、といった匿名の機能を提供しているが、いまのところYOLOとLMKのような運命に陥らずにすんでいる。

Senditについての否定的なレビューの中には、やはりいじめについて言及したものがあるが、Snapchatはまだこれに対する措置を講じていない。TechCrunchがSnapchatに対し、未成年に対する匿名アプリをめぐるポリシーについて尋ねたところ、同社はプラットフォームの安全性を世界的に統括する責任者を採用したところであり、アプリのエコシステムとポリシーを見直しているとのことだった。

さらに、Senditのユーザーの一部は、このアプリは友達が絶対にしていないはずの質問を表示するボットを使用していると信じているようだ。

あるユーザーはアプリストアのレビューで次のように書いている。

このアプリはランダムにフェイク/自動化された質問を送ってくる。例えば、私と私の友達は全員20台中頃なのだが、全員がまったく同じ、「あなたは人間不信に陥っていますか?」「宿題を写すとしたら、誰が一番よい相手ですか?」といった質問を受け取ってっている。

こんなレビューもある。

受け取った質問の中には、私が知っている友達からのものではないと確信を持っていい切れるものがある。これがフェイクなのは間違い無く、AIからのものだと確信している。それらは誰も質問しないような、「ゾンビだらけの世の終末に生き残りをかけて自分のチームを作るとしたら、そのチームのメンバ-に誰を選びますか?」といったランダムで安っぽい質問だ。ばかばかしいし、こんな質問は誰もしない。本物のアプリを作るべし。

Senditの創設者である Hunter Rice(ハンター・ライス)氏は、ボットは関わっていないと述べている。また彼はSenditがティーンエイジャーに受け入れられているのは、匿名性によるものだという考えに異議を唱えている。

「私たちのユーザーがSenditに惹きつけられているのは、すばらしいAR体験のためです。私たちが当社の使命と感じ目指しているのは、友達との会話を盛り上げるの際の摩擦を低減する新しい方法です。私たちは非常に魅力的なフォーマットをこれらのARゲームを通して発見しました。これがSenditの背後にあるマジックであり、Senditがここまで成功している理由です」とライス氏は説明する。

今日、Senditは「Never Have I Ever」「Truth or Dare」など、若い層に受けるゲームを提供している。Senditではユーザーが「私とお似合いなのは誰だと思う?」といった質問をすることができたり「告白ー誰を好きか言ってください」「適合性試験」など、ティーンエイジャーが友達と話したがるような内容が反映されたものを提供している、

同様に、ライス氏によると、新しいアプリPush itも会話をはずませる新しい方法を提供するということである。

ただし、これは、Snapchat向けの有望なARレンズゲームやQ&Aではなく、直接友達のiPhoneに通知を送るというベーシックなツールだ。

画像クレジット:fullsenders

「私たちはSenditを通し、これらのARでのやり取りの中にすばらしいフォーマットを見つけました。そして、これは順調に進んでいます。そこで、これと同じ仕組みを別のフォーマットを使って複製しようと考えました」とライス氏はいう。

アプリストアの必要最低限のことしか書かれていないリストでははっきりしないが、この新しいアプリはベーシックなフォロワー / フォロウィングモデルを提供しており、ユーザーはアプリで、自分をサブスクライブしている人全員にプッシュ通知を送ることができる。これらのフォロワーはSenditと同様、その通知に反応して、一対一の会話を始めることができる。

ライス氏らは、このコミュニケーションスタイルが、友達グループやクリエーター、ブランドにも受け入れられるのではないかと考えている。

Push itを使用する場合、このアプリはユーザーのiphoneにあるアドレス帳データベースへの完全なアクセスを求める。またこれはテキストメッセージで友達を招待するツールも提供する。招待が必要な友達の名前の横に「OK」ボタンが表示され、それを押すと、友達を招待するためのテキストが作成される(アプリがテキストを送る相手をユーザーのアドレス帳にある人々の名前からランダムに選択するのかどうかは、はっきりとはわからない)。

プライバシー保護への機運が高まりを見せるなか、アプリ招待スパムはびこる現状を受け、SMSベースの成長メカニズムは一般的に良いものとは捉えられていない。しかし幸いなことに、Push itは友達に自動テキストを送るのではなく、ユーザー自らが友達にテキストを送るよう促すだけである(ただし、このアプリのプライバシーポリシーは、ユーザーの個人情報を使ってなにが行われているかについての不安を和らげる効果はありまない。ポリシーを読むと、データがマーケティング目的で使用され、Push itのベンダーやビジネスパートナーと共有されるのは明確である)。

このアプリはユーザーに熱心に5つ星レビューをねだってもくる。ユーザーが星のアイコンをタップすると、ポップアップウィンドウが表示され、アプリストアでPush itを5つ星評価をしたユーザーには「特別なメッセージ」を送ることを約束してくる。

画像クレジット:fullsenders

Push itのiOSアプリは10月後半にアプリストアで公開されたが、Sensor Towerのデータによると以前は「プロジェクトレッド」という名前のもとで準備が進められていた。昨夜の時点(米国時間11月3日)で、オーストラリアやカリフォルニアを含む一部の市場で利用可能になっている。このアプリがすでにナンバー1になっているのを見ると、そのローンチが、発売前マーケティング、あるいは今や当たり前の手法となったグロースハックに大きく依存したものなのではないか、という疑念が湧いてきてしまう(こちらの記事も参照して欲しい。春のチャートのトップを占めるPoparazzi(ポパラッチ)、このアプリがナンバー1になったのはグロースハックによる)。

関連記事:米App Storeトップに華々しく登場、作られた完璧さが並ぶInstagramのアンチを謳う新SNS「Poparazzi」

しかし、ライス氏はこれを否定している。

「Push itにまつわる熱狂は、すべて自然発生的なものです」とライス氏はいうが、それでも同社がソーシャルメディアを使ってアプリの発売を宣伝したことは認めている。例えば、現在Push it のインスタグラムのアカウントには約3万2000人のフォロワーがいる。

しかし、Sensor Towerのデータによると、Push itはすでに記事執筆時点(米国時間11月4日)で、5つの国で急速に拡散しており、米国、カナダ、バミューダ、アイルランド、ノルウェーでナンバー1になっている、と同社はいう。また英国、オランダ、オーストラリア、フィンランド、ニュージーランドでもトップ10に入っている(これらの国の多くは、Push itのInstagramインスタグラムには発売市場としてリストされていない、ということに留意すべきである)。

画像クレジット:fullsenders

Push itがナンバー1であることに違和感があるのは、まだ利用可能になっていない地域(記事執筆時で米国の大半の州を含む)では、このアプリは基本的に機能しないからだ。ユーザーは、アプリに対しユーザーネームを請求することができるが、それだけである。そしてユーザーは自分の地域でアプリが使えるようになるのを待たなくてはならない。

ライス氏によると、段階的な展開戦略をとっているのは、Push itが確実にトラフィックを処理できるようにするためであるが、これによって多くのユーザーの間に混乱が生じているようである。Instagramには「ちょっと、これいつから機能するの?」とか、「これ、一体なんの役に立つわけ?」とか、「超混乱してて、大爆笑」といったコメントが寄せられている。

「私たちは、ユーザーができる限り最善の体験をできるようなスムーズなかたちでアプリを展開しようとしています。全員がアプリにアクセスできるようにしたいですし、すぐにそのようになります。でも、私たちのサーバーが確実に機能し続けるようにしたいとも思っています」とライス氏は述べた。

Push itとSenditは、サンタモニカに拠点を置くFullsenders, Incの10人からなる小さなチームが作っている。同社は資金調達先を公開していないが、TechCrunchでは、関与しているエンジェル投資家の少なくとも1人を正しく推測することができた。

Push itの今後の試練は、アプリストアで現在のような高いランクを保てるかどうかである。自然な手法で、あるいはそうでない方法でダウンロード数を増やすにしても、新しく登場したソーシャルアプリが、高いランクを維持することは通常難しいとされている。また、未成年や10代前半の子ども向けのソーシャルメディアに今後規制がかかること予想されるが、Push itはそうした規制への対処にも取り組まなくてはならない。Push itに弾みがついた場合は、プライバシーポリシーと収益モデルを再考することも必要だろう。

ただし、当分の間Push itが収益を得ることはない。

「私たちは現在、とにかくすばらしいコミュニティを作り、ユーザーが関与したいと思うようなすばらしい機能を築きたいと考えています。そして、私たちが価値ある製品を提供できれば、当社に最もふさわしいビジネスモデルを思いつくことができると思います」とライス氏は述べた。

Push itはiOSにのみ対応している。

画像クレジット:fullsenders

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

アップル、iOS 15.2開発者ベータ第2弾で「メッセージ」アプリに子供向け新安全機能を搭載

Apple(アップル)は、iOS 15.2の2回目のデベロッパーベータをリリースし、メッセージAppの新機能「コミュニケーションセーフティー」のサポートを開始した。この機能が2021年初めに発表された際は、児童性的虐待コンテンツ(CSAM)検出技術の新機能と並んでのことだった。同時に発表されたCSAMは物議を醸し、反発を受けて延期された。

一方、このメッセージAppの新安全機能は、子どもたちがオンラインコミュニケーションを上手に使いこなせるよう、親がより活発な、情報に通じた役割を果たすのを支援することを目指している。メッセージAppは、デバイス上の機械学習(ML)を利用して画像の添付ファイルを分析し、共有されている写真が性的に露骨なものかどうかを判断できるようになる。この技術では、すべての処理がデバイス上で行われるため、Appleが子どものプライベートな通信にアクセスしたり、読み込む必要はない。この機能はデフォルトでは有効になっておらず、ファミリー共有機能の中で、保護者がオプトインするようになっている。

メッセージスレッドの中にセンシティブな写真が発見された場合、その画像はブロックされ、写真の下に「これはセンシティブな写真かもしれません」というラベルが表示され、クリックするとその写真を見ることができるリンクが表示されるようになっている。子どもが写真の閲覧を選択すると、詳細情報を示す別の画面が表示される。ここでは、センシティブな写真や動画について「水着で隠すようなプライベートな体の部分が映っています」「あなたのせいではないけれど、センシティブな写真や動画はあなたを傷つけるために使われる可能性があります」というメッセージが子どもに伝えられる。

注目すべきは、Appleがコミュニケーションセーフティー機能について、当初の計画に比べていくつかの変更を加えたことだ。同社は当初、13歳未満の子どもがメッセージAppで露骨な画像を閲覧した場合、親に通知する予定だった。しかし、その通知システムが子どもたちを危険にさらす可能性があるとの批判を受け、Appleはこの機能を削除した。

このコミュニケーションセーフティー機能は、現在、iOS 15.2のベータ版で提供されている。Appleがこの機能を正式にリリースする予定は今のところ不明だ。

編集部註:9to5Mac.comによると、上記の通知システムは特定の状況で機能するため Appleは削除したという。iOS 15.2 beta 2での機能の実装では、子どもがよりコントロールできるようにすることに重点を置いており、Appleは現在、年齢を問わず、子どもが助けを求めたい場合には信頼できる人にメッセージを送るという選択肢を与えているが、その判断は、画像を見るかどうかの判断とは完全に切り離されているとのこと。

画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Aya Nakazato)

【コラム】オンラインプラットフォームには子供たちを危害から守る責任がある

Facebook(フェイスブック)の内部告発者であるFrances Haugen(フランセス・ハウゲン)氏による、Instagram(インスタグラム)が10代の少女たちに与える影響に関するメッセージは明確だった。Facebookの調査によると、英国のティーンエージャーの13%が、Instagramが自殺の考えを誘発したと回答し、女性ティーンエージャーの17%がInstagramは摂食障害を悪化させると語った。

こうした数値は、しかし、ネットを利用するティーンエージャーの安全全般にかかわる問題の一部でしかない。

ある調査によると、 50万人以上の性犯罪者が日々インターネットで活動していると推計されている。2020年には2170万件の児童の性的搾取が、全米行方不明・被搾取児童センターのホットラインに報告された。何者かがインターネットを通じて搾取を目的に児童と連絡を取った際に発行されるオンライン誘惑レポートは前年より97%以上増加した。

オンライン性犯罪者の報告は増加しているが、ネット上の搾取行為の歴史はNetscape(ネットスケープ)に遡る。

わが家に最初のパソコンが来たのは1999年だった。私はNeopets(ネオペッツ)やGaia Online(ガイアオンライン)などのゲーミングプラットフォームを使い始めた。その後すぐにMyspace(マイスペース)とTumblr(タンブラー)で自分の考えを投稿したり他のユーザーと交流したりするようになった。オンライン世界が拡大すると、私はプリティーンを偽る成人男性と遭遇した。17歳の少年と「つきあい」始めたのは、私が12歳の時だった。もちろん誰にもこのことは話さなかったが、主としてそれは恥ずかしかったからだ。自分が「育成(grooming)」されていることなど知らなかった。性的暴力に関わる仕事を私自身が始めるまで、そんな言葉が使われるのを聞いたこともなかった。

育成は狡猾で、馴染みのないティーンエージャーは気づかない。育成によって信頼と精神的つながりを構築することで児童を操り、利用し、虐待できるようにする。その行為とは、たとえば年長のティーンエージャーが児童やティーンエージャーにウェブカム撮影を頼み、徐々に回転ポーズをとらせたり服を「可愛らしい」ものに着替えさせることや、デジタル「友達」がサイバーセックスを強要することだ。時として性犯罪者は、年齢を偽ることで写真や性的履歴などの個人情報を入手し、その情報を自らの享楽の武器にすることもある。

つい最近になって私は、自分のCSAM(児童席的虐待コンテンツ)がインターネットに出回っていることに気づいた。私の動画は今でも何者かの携帯電話やハードディスクでほこりを被っているかもしれない。そしてある日、Discord(ディスコード)やTelegram(テレグラム)のプライベートチャンネルでシェアされるのかもしれない。

インターネット上のティーンガールとしての個人的経験は、私が非営利のオンライン身元調査サイトを構築し、誰もが自分の話している相手に暴力行為歴があるかどうかを、理想的には対面する前に、調べられるようにするきっかけの1つだ。最近当サイトでは、最低13歳のユーザーから当サイトの公開情報データベースを利用できるようにすることを決定した。子どもたちがネット上で虐待されるのを完全に防ぐことはできないかもしれないが、少なくともオンラインで出会う人物に悪い行為の履歴があるかどうかを知るためのツールとテクノロジーで武装させることはできる。

もちろん、身元調査は安全を守る兵器の1つにすぎない。人は自分の名前や身元を偽ることがよくある。子どもが育成される時、あるいは大人が子どもを虐待する時、犯罪者は往々にして匿名で孤立して秘密裏に行動する。

オンラインで待ち受ける危険を避けるよう、子どもたちを教育することが重要である理由はそこにある。love bombing(ラブ・ボミング / 大げさな愛情攻撃)や極端な嫉妬、要求の限度を広げるといった早期の赤い旗に気づかせる教育も必要になる。他にも私たちは、若者たちに健全で安全で合意に基づく関係とは何かを、赤ではなく「緑の旗」とともに伝えることもできる。

子どもたちの教育に取り入れられる実用的スキルにもさまざまな種類がある。シェアする写真や誰のフォローリクエストを承認すべきかを慎重に選び、オンラインで知り合った人物と現実世界で会う時には大人を連れて行くことを教えるべきだ。

周囲の大人たちが、オンライン出会いやインターネットでの会話の危険性について、常に率直に話し合っていれば、子どもたちはリスクを認識する方法を学習する。これは深刻な心的外傷を防ぐ上で大きな役割を果たす可能性がある。ネット上の安全に関する会話は、性教育と同じく、親たちに任せられることが多くいが、親たちは子どもたちが学校で教えられていると思っている。この種の会話の進行は簡単ではなく、オンラインカルチャーに馴染みのない親にとっては特にそうだが、親たちは情報を探して自ら学習することが絶対に必要だ。

ホーゲン氏が指摘するように、オンラインプラットフォーム側にも責任がある。各プラットフォームに信頼と安全の部署が設けられたのは比較的最近であり、学習、改善すべき点がまだ数多くある。

多くのデジタルプラットフォームにおいて、コンテンツモデレーター(コンテンツ検査担当者)は人材不足、低賃金、訓練不足だ。オンラインプラットフォームは、利益より保護を有線し、自らのプラットフォームを安全に保つ責任を持つ人々のさらなる教育と心の健康の維持にもっと投資すべきだ。問題のあるコンテンツについて考えるために必要なツールと時間を安全管理チームに与えることによって、効果的かつ注意深く任務を遂行できるようになる。

インターネットは悪用につながる環境を作る可能性をもっていると同時に、若者たちに警告の前兆と世界の現実について教える強力なツールでもある。ネット上で話している相手に関する情報を入手できるように武装させることもその1つだ。

事後措置によって悪事と戦うことは、刑事司法制度からプラットフォームモデレーターまで、出血している傷口をバンドエイドで覆うようなものだ。性的虐待を事前に防ぐことは子どもたちに対する最良の保護だ。ネット上で起きる潜在的危害の責任を負うことによって、プラッフォームであれ政治家であれ親であれ、私たちは全員にとってより安全な世界をつくり始めることができる。

編集部注:本稿の執筆者Kathryn Kosmides(キャスリン・コスマイズ)氏は性的暴力被害の克服者で身元調査の非営利団体、Garboのファウンダー。

画像クレジット:JGI/Jamie Grill / Getty Images

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(文:Kathryn Kosmides、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Snap、TikTok、YouTubeの公聴会で、米議員がオンラインで子どもたちを守る新ルールを声高にアピール

Instagramでの10代のメンタルヘルスに関する情報暴露の影響は、Facebookだけではなく、今も続く。米国時間10月26日、YouTubeとSnap、TikTokのポリシー担当者が、子どもたちとオンラインの安全性について議会で議論した。SnapとTikTokが主要な技術系の公聴会に登場したのは初めてのことだ。

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上院の国消費者製品安全委員会が開催したこの公聴会では、この話題に触れるのは時間の半分程度にとどまった。委員会の共和党メンバーは、TikTokの幹部との貴重な時間を、同社と中国政府との関係をめぐるプライバシーの懸念についての質問に絡めようと必死だった。


このような逸脱はあったが、公聴会では、3人のポリシー担当者が、議会で審議されている具体的な政策案について、イエス / ノーで答えるよう求められるなど、有益な場面もいくつか見られた。公聴会では、Snapのグローバルパブリックポリシー担当副社長のJennifer Stout(ジェニファー・スタウト)、TikTokのパブリックポリシー担当副社長兼責任者のMichael Beckerman (マイケル・ベッカーマン)、YouTubeで政府関係およびパブリックポリシーを担当するLeslie Miller(レスリー・ミラー)が証言を行った。

YouTubeとTikTokの両社は、米国においてオンラインプライバシーに関する包括的な法律を制定することを求め、ベッカーマン氏は、国家的なプライバシー法の法的枠組みを「遅きに失した」と評価した。また、3社とも、親は子どもや10代の若者のオンラインデータをすべて消去できるようにすべきだという意見で一致しており、スタウト氏は、Snapchatのデータは仕様上消去されるようになっていると指摘している。しかし、Snapchatのプライバシーページには、同社が位置情報データを「どのくらいの精度で、どのサービスを利用しているかによって異なる期間 」保持することができる旨記載されている。

Ed Markey(エド・マーキー)上院議員(マサチューセッツ州)は、自身もTikTokで人気を博しているが、公聴会では、彼が「21世紀のプライバシー権利章典」と呼ぶ、子どもたちのための権利を主張した。マーキー氏は、自身が提案した児童オンライン保護法(COPPA)の改正案について、若いソーシャルメディアユーザーの保護を強化すると述べた。この法律は、テック企業が13歳から15歳までのユーザーのデータを明示的な同意なしに収集することを禁止し、未成年者の個人データを簡単に削除できる「削除ボタン」を導入するとともに、ソーシャルメディアのプラットフォームが収集できる情報の種類をより広範囲に制限するものだ。

マーキー氏は、COPPAの変更を支持するかどうかについて、各企業の担当者に質問した。TikTokを代表してベッカーマン氏は、同社はこの提案を支持するが、プラットフォームがユーザーの年齢を確認するための標準的な方法も、それ以上ではないにしても、同様に重要であると考えていると述べた。

SnapはCOPPAの提案にコミットしなかった。そして、マーキー氏はスタウト氏がテック企業が具体的な内容にコミットすることを拒否する「古いゲーム」をしていると揶揄した。YouTubeは、過去にCOPPA違反でFTC(連邦取引委員会)から1億7000万ドル(約193億円)という歴史に残る罰金を科せられたが、明確な約束はせず、マーキー氏のスタッフと「建設的な」話し合いを行ったことを強調した。

公聴会では、マーキー氏とブルメンタール氏は、2021年9月に再提出した「KIDS(キッズ・インターネットデザイン安全法」も強調した。この法案は、16歳未満のオンラインユーザーを、オートプレイ、プッシュアラート「いいね!」ボタンなどのエンゲージメントを高める機能から保護するものだ。また、16歳未満の子どもを対象としたインフルエンサーマーケティングを禁止し、プラットフォームに対し、有害なコンテンツを若いユーザーに提供した場合の報告システムの構築を義務付けるものだ。

画像クレジット:Jakub Porzycki/NurPhoto / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Akihito Mizukoshi)

グーグルで18歳未満やその親が検索結果からの写真データ削除を申請可能に

Google(グーグル)は、18歳未満のユーザーとその親が、同社の画像検索結果から写真を削除することを申請できる機能を導入する。

この新しいプライバシーオプションは、Googleが2021年8月に発表した多くの変更点の1つで、18歳未満のユーザーをより厚く保護するために先行導入される。この他にも、アップロードされた動画をデフォルトで非公開にしたり、開封動画などの「過度に商業的な」YouTubeキッズコンテンツを無効にしたり、排除したりすることが計画されている。

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18歳未満のユーザーまたはその親や保護者は、このリクエストフォームに必要事項を記入して、検索結果に表示される画像の削除をGoogleに依頼できる。その際「現在18歳未満の個人が写っている画像」を削除して欲しいと明示し、個人情報、画像のURL、検索結果に表示される検索クエリを示す必要がある。

Googleは、すべてのリクエストをレビューし、フォローアップのために必要に応じて確認のために追加で質問するという。問題のある画像が削除されたら、同社から通知が来るため、待たされたままになることはない。

米国をはじめとする多くの国では、オンライン上の「忘れられる権利」を扱う国内の法的枠組みが存在しない。強力なプライバシー規制の金字塔として広く知られているEUの包括的ルール「GDPR」では、写真を含むある種のオンライン識別情報の削除を要求する手段が用意されている。

Googleの新しいリクエストツールは便利で、世界中で利用可能だが、GDPRが定める要件には及ばない。Googleの場合、写真の削除を要求するには、対象となる人物が18歳未満でなければならない。GDPRはさらに進んでおり、画像がアップロードされた時点で本人が未成年であった場合、本人の要求に応じて画像を削除することをインターネット企業に義務付けている。

Googleが発表した上記の画像削除オプションをはじめとする一連の変更は、米国で同社や他のテック企業に対する規制当局の監視が厳しくなっていることを反映したものだ。10月26日には、YouTubeは上院商務委員会で同社の動画プラットフォームを利用する若くて脆弱なユーザーを保護する取り組みについて証言し、最近発表した変更点をアピールした。

画像クレジット:Alex Tai/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

YouTubeが2021年11月から「低品質の子ども向けコンテンツ」の収益化を停止するとクリエイターに警告

YouTube(ユーチューブ)は、同プラットフォーム上で「子ども向き」(made for kids)を謳っているチャンネルに対し、否定的行為や態度を奨励する、あるいは過度に商業的であるなど、質の低いコンテンツを制作している場合、近々収益化を停止すると発表した。同社は以前、この種のコンテンツは専用アプリのYouTube Kidsに採用されなくなることを警告したが、11月からYouTubeはさらに、新しい収益化ポリシーの適用を開始する。これはクリエイターのYouTubeパートナープログラムの参加資格に影響を与え、資格喪失にもつながる可能性がある。


YouTubeが未成年者保護を強化する計画を最初に発表したのは2021年の8月で、今後のアップデートのいくつかは近日施行される規制に直接対応する他、法律の要求を超えるものもある、と語った。当時YouTubeは、13歳から17歳のユーザー向けビデオのデフォルト設定を「非公開」に変更し、未成年ユーザーには休憩や就寝のリマインダーを有効にし、ティーンエージャーや子どもの広告ターゲティングするための「興味や関心」のデータの利用を中止すると語った。変更には、子ども向けコンテンツに特化してい制作しているクリエーターに対する警告もあり「過度に商業的」なコンテンツを同社の低年齢小児向けスタンドアローンアプリ、YouTube Kidsから除外する計画であると記載されている。

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今回の行動の前に、いくつかの消費者擁護団体がYouTubeと関係規制機関に対してこの種のビデオをやめさせるよう圧力をかけ、YouTubeはコンテンツと広告の境界を曖昧にしたと指摘していた。また、一部のクリエイターがこの種のコンテンツ制作を支援するブランドとの関係を公表していないことにも言及した。

しかし、何が子どもたちにとって適切かに関する規制やガイドラインがない中、YouTube最大のクリエイターの1人は、Ryan ToysReview(現在はRyan’s World)の億万長者、Ryan Kaji(ライアン・カジ)くん(8歳)という現状がある。同チャンネルは商業主義とおもちゃの開封儀式に強く特化している。

8月にYouTubeは、視聴者の製品購入を誘発するコンテンツや「商品の過剰な収集や消費に焦点を当てたコンテンツ」をYouTube Kidsから削除すると語った。そして今回、YouTubeは低年齢視聴者を対象とするチャンネルや「子ども向け」として分類されているその他のチャンネルも、低品質なコンテンツを公開すれば収益化中止の危機に直面する可能性があると警告した。

これには、ネガティブな行為や態度を助長するコンテンツ(いじめ、不誠実な行い、他社への尊敬を欠く行為、危険な行為、不健康な食習慣、等々)や、教育的内容にみせかけるコンテンツ、理解を妨げるコンテンツ、扇情的または誤解を招くコンテンツ、子どものキャラクターを不適切に利用するコンテンツなどが含まれる。最後の例は近年特に問題となっており、Peppa Pigのようなキャラクターを子どもにふさわしくない状況で登場させるビデオがある)。

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画像クレジット:YouTube

11月からYouTubeは「子ども向け」に指定されたチャンネルあるいは子ども向けコンテンツを頻繁に制作するチャンネルのために、上記の品質原則を念頭に置いて拡張された収益化ポリシーの施行を開始すると発表した。

もしクリエイターが低品質のコンテンツを作れば、この原則に則って、YouTubeパートナープログラムから除名あるいは参加が拒否される可能性がある。低品質の原理に当たるその他のビデオも、広告が制限あるいは禁止される場合がある。まず、否定的行為を助長するビデオから適用を開始するとYouTubeはいう。他にも質の悪い「子ども向け」コンテンツに重点を置いたチャンネルも審査の対象になる、と同社は付け加えた。

こうした不適切に関する原則は、コンテンツがYouTube Kidsに適しているかを決定する因子として、すでに利用されており、広くYouTubeアルゴリズムに情報提供されている。しかし、収益化ルールの変更は、コンテンツクリエイターが実際何を作るかを決めさせるはるかに強力な道具だ。

YouTubeは、収益化ルール変更の影響を受ける可能性のあるチャンネルのクリエイターには、変更が施行される前にメールが送られると言っている。また、すぐに影響を受けなくても低品質な子ども向けコンテンツを作っているチャンネルは、広告主向けの警告に黄色いアイコンが付加される。同社は、新たなポリシーの影響を受けるチャンネルの数は明らかにしていない。

反対に、質の高いコンテンツの原則に適合するコンテンツは、今後YouTubeアルゴリズムに推奨されることが多くなり、YouTube Kidsアプリにも採用されるようになる。

質の高いコンテンツの原則には、子どもたちの正しい行いを育むコンテンツ、向学心と好奇心を刺激するコンテンツ、創造性、遊び、想像力を育成するコンテンツ、現実世界の問題との関わりに焦点を当てたコンテンツ、多様性、公平性、包括性を奨励するコンテンツなどがある。

今回の発表は、テック企業が自社サービスを利用する未成年の幸福に関して果たしている役割に対する監視の高まりを受けたものだ。すでに、 GoogleとYouTubeInstagram(インスタグラム)、およびTikTok(ティックトック)は、低年齢ユーザーの安全とプライバシーを重視した改訂を発表している。YouTubeは新しいペアレンタル・コントロールも導入した。また、今週Snap(スナップ)とTikTokは、議会聴聞会に召喚されている。

YouTubeは、今後も各種原則の再評価と改訂を続けていくと言っている。

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米国会議員がSnap、TikTok、YouTubeに対して子供と安全に関する公聴会を開催
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画像クレジット:Olly Curtis/Future / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

米国会議員がSnap、TikTok、YouTubeに対して子供と安全に関する公聴会を開催

議会はこれまで、同じ企業の寡黙で場馴れした経営陣たちを何度も何度も呼び出してきたが、今回はハイテク業界の中でも重要な顔ぶれである2つの企業に新たに注目しようとしている。TikTok(ティックトック)とSnap(スナップ)だ。

米国時間10月26日火曜日には、上院の米国消費者製品安全委員会の議員たちが、この2社とYouTube(ユーチューブ)の政策担当者に、それぞれのプラットフォームが脆弱な若いユーザーにどのような影響を与えるかについて質問する予定だ。Facebook(フェイスブック)の内部告発者であるFrances Haugen(フランシス・ハウゲン)氏は、自らの正体を明かした直後の2021年10月初旬に、同委員会で同様の問題について証言している。

公聴会の模様は、米国時間10月26日午前7時(日本時間10月26日午後8時)から放映される予定で、Snapのグローバル・パブリック・ポリシー担当副社長のJennifer Stout(ジェニファー・スタウト)氏、TikTokのパブリック・ポリシー担当副社長のMichael Beckerman(マイケル・ベッカーマン)氏、YouTubeで政府関係およびパブリック・ポリシーを担当するLeslie Miller(レスリー・ミラー)氏が証言を行う。

公聴会は、委員長であるRichard Blumenthal(リチャード・ブルーメンソール)上院議員(民主党・コネチカット)が主導し、ソーシャルメディアが子どもや10代の若者に与える悪影響に焦点を当てる。ブルーメンソール議員は「FacebookとInstagram(インスタグラム)に関する衝撃的な報道は、若いユーザーに有害な影響を与え、真実性や透明性を欠いることから、ビッグテックによる子どもへのアプローチに深刻な懸念を抱かせるものです」と述べ、Instagramが10代の若者に与える危険性に関する報道を、より広範なソーシャルメディアに結びつけた。小委員会の幹部であるMarsha Blackburn(マーシャ・ブラックバーン)上院議員(共和党/テネシー)は、TikTokのプライバシーに関する問題に特に関心を持っていることを示唆している。

摂食障害、ハラスメント、いじめ、オンラインの安全性、データのプライバシーなどのテーマが取り上げられ、小委員会のメンバーが順番に3社のポリシー担当者に回答を求めていくことが予想される。また、この議員グループは、オンライン上の子どもや青少年を保護するための法案についても議論する予定だが、公聴会でどの程度解決案が提示されるかは未知数だ。そうした解決策の候補としては、16歳未満の子どもたちのために新しいオンライン保護を提供するKIDS法(Kids Internet Design and Safety)などがあり得る。ブルメンソール議員と同じ民主党のEd Markey (エド・マーキー)上院議員が、先月この法案を再提出しているからだ。

現在、ソーシャルプラットフォームが関与している社会的危機は、子どもや若者の精神的健康に限られるわけではないものの、共和党と民主党がともに訴えている問題だ。理由の1つは、珍しく双方の政治的主張に重なりが多い、批判対象であることだ。両党とも、テック系の大企業を何らかの形でコントロールする必要があるという点では一致しているようだが、その理由についてはそれぞれ異なる側面を強調している。保守派にとっては、プラットフォームから消去されるコンテンツに関して、これらの企業があまりにも多くの決定権を持っていることを問題視している。一方民主党側は、過激な表現や誤った情報などのコンテンツが放置されてしまうことを心配している。

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米国時間10月26日の公聴会では、アルゴリズムが有害なコンテンツをどのように増幅させるかについても検討されるだろう。ソーシャルメディア企業は、通常そのアルゴリズムの仕組みについては秘密にしているため、今回の公聴会は、こうした企業がどのようにユーザーに対してパーソナライズされたコンテンツを提供しているかを、一般の人々が知ることのできる貴重な機会となる。理想を言えば、この2、3年の間に米国議会が開催した、しばしば長く繰り返し行われた技術関連の公聴会を通して、私たちはこの種の事柄について多くのことを学んできたはずだ。しかし無知で無関係な質問をする議員と、何時間もメディアトレーニングを受けて回避術を身につけた技術系幹部の間に通常期待できるのは、いくつかのささやかな新情報だけだ。

今回の公聴会にはFacebookは登場しないが、同社やInstagramに関する最近の情報が、同日に行われる公聴会に反映されることが期待される。証言を行うソーシャルメディア企業3社は、Facebookのリーク文書ならびに、そのデータに関して月曜日(米国時間10月25日)に行われたさらなる報道に対する世間の反応に注目している。

Instagramが10代のユーザーに与えるリスクを認識しているという最初の報道が流れた直後に、TikTokはウェルビーイングガイド、より優れた検索ブロック、センシティブな検索語に対するオプトイン警告などの新しい安全対策を導入した。先週Snapは、家族に焦点を当てた新しい安全ツールを発表し、子どもがプラットフォームを使って何をしようとしているのかを、親がもっと見ることができるようにした。この2つのソーシャルネットワークは、Facebook、Instagram、Twitterなどのプラットフォームに比べて若いユーザーに偏っているため、強固な安全ツールがより必要とされている。公聴会に先立ち、YouTubeは、どのような子ども向けコンテンツが収益化の対象となり得るかについての自社の変更を発表するとともに、子どもを中心としたその他の安全対策についても強調した。

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画像クレジット:AaronP/Bauer-Griffin/GC Images / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:sako)

批判を受けてInstagramのCEOが10〜12歳向けバージョンの開発を「凍結」と発表

Instagram(インスタグラム)のトップが、13歳以下を対象とするバージョンの計画を「一時停止」することを発表した。ソーシャルメディアサービスはティーンエイジャー女子に不安や精神面での健康問題を引き起こすことをFacebook(フェイスブック)傘下の同社が認識していたことを示す内部資料を明るみに出した、ウォールストリートジャーナル(WSJ)の批判的な報道を受けての対応だ。

InstagramのCEOであるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は米国時間9月27日、TwitterのスレッドでWSJの報道に言及した。しかし、少女たちのメンタルヘルスへのInstagramの影響について、極めてネガティブな暴露へのパニック反応とは正反対に、意図的かつ思慮深い対応として「一時停止」してやり直すことを模索することで、調査報道の影響を軽く扱おうとしている。

WSJは2019年からの内部調査スライドを入手し、その中でInstagramの親会社Facebookは「10代少女の3人に1人の身体像問題を悪化させている」と認識していた。

「当社は『インスタグラム・キッズ』と呼ばれるトゥイーン向けのInstagramを構築するプロジェクトを一時停止しています」とモセリ氏は9月27日に一連のツイートに書いた。

「このエクスペリエンスは決して子どものためのものではありませんでした。我々はトゥイーン(10〜12歳)むけのエクスペリエンスをデザインしていました。そして今日展開されているInstagramと同じものにはならないはずでした。親がトゥイーンのアカウントを承認し、子どもが誰をフォローするか、誰が子どもをフォローするか、誰が子どもにメッセージを送るか、使用時間などを監視します。しかしプロジェクトは、それがどのようなものになるのかが見えてくる前に漏れました。人々は最悪のケースを恐れました。その時点で答えは持ち合わせていませんでした。最近のWSJの報道はより大きな懸念を引き起こしました。この件にもう少し時間をかける必要があるのは明らかです」

インスタグラム・キッズとよく呼ばれる、トゥイーンのためのInstagramを構築するというプロジェクトを一時停止し、ティーンエイジャー向けの選択制ペアレンタルコントロールを構築することを発表します。詳細はこちらhttps://t.co/fWwkK5yu6R

ーアダム・モセリ (@mosseri) 2021年9月27日27

「もう少し時間をかける」のが「中止」の婉曲表現なら、モセリ氏の結論はFacebookにこの計画を中止するよう何カ月も促してきた、多くの子ども保護グループや関係者に歓迎されるだろう。

例えば米国44州・準州の司法長官らは2021年5月にFacebookに13歳以下向けのInstagramの計画を破棄することを求める書簡を送った。

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しかしながら9月初めにTechCrunchが報じたように、モセリ氏は以前、アプリがティーンエイジャーに及ぼすネガティブな影響の懸念について「極めて少ない」と退け、軽視することを模索した。

13歳以下の子どもが代わりのアプリを見つけて使用することはなおさら悪いものになるかもしれないとも述べたが、その前に「批判家はこれを、プロジェクトが悪いアイデアだったと譲歩したととらえるでしょう。それは違います」とモセリ氏はプロジェクトを棚上げすると発表したツイートのスレッドで続けた。モセリ氏、落ち着いて欲しい。

Instagramトゥイーン(モセリ氏がそう表現している)を一時停止するという大きなニュースに加えて、 Instagramは「ティーンエイジャー向けの選択制ペアレンタルコントロール」というものを構築中であることも明らかにしている。

記事執筆時点で、この取り組みについてのInstagramのブログ投稿へのリンクは機能しておらず、詳細はまったくない。しかしこの動きは、WSJが報じた内部資料によると、ティーンエイジャー女子の32%が Instagramで身体像が悪くなったと回答していることが明らかになったことにInstagramがプレッシャーを感じていることを示している。

WSJの報道ではまた、この調査への参加者で自殺を考えたことのある人は、英国のティーンエイジャーで13%、米国のティーンエイジャーで6%で、自殺への関心を直接Instagramと結びつけていた。

「ティーンエイジャーは、不安や気分の落ち込みの増加をInstagramのせいにしています」と別の内部資料のスライドにはある。「この反応は全グループで自発的かつ一貫したものでした」。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi