福岡県が災害対応に向けAIリアルタイム危機管理情報のSpectee Proを採用

Spectee Pro(スペクティプロ)

Spectee(スペクティ)は6月22日、AIリアルタイム危機管理情報サービス「Spectee Pro」(スペクティプロ)が、福岡県の災害対応・危機管理対応に向け採用されたと発表した。

福岡県は、2017年の九州北部豪雨で大きな被害を受けるなど、近年激甚化する災害対応に従来以上の多角的な情報収集が必要と判断。同年より実施中の防災・行政情報通信ネットワーク再整備事業において、ビッグデータのひとつとしてSNS情報を基にした被害状況の把握が重要との考えから、Spectee Proを導入した。

プレスリリースにおいて福岡県防災危機管理局防災企画課は「地域によっては、災害発生時に消防や警察、報道などから情報を得られないため、住民からのSNS投稿による情報は災害発生時の初期対応に有用」という旨のコメントを行っている。

Spectee Proは、AI技術を活用し情報解析を行い、早期かつ正確に緊急情報を配信、被害状況を可視化する危機管理情報サービス。SNSへの投稿情報をもとに、自然災害・火災・事故など緊急性の高い情報、感染症情報など、100以上の事象を市区町村・空港・駅、商業施設・観光地周辺といった対象と組み合わせて、「どこで何が起きているか」をリアルタイムに確認できる。

また同サービスでは、AIを活用し、デマ・誤情報、情報の重要度などを的確に分析するとともに、24時間対応の専門チーム(情報分析官)による情報の精査も合わせて行う。現場で働く職員の方々が情報に惑わされないようサポート体制を敷いている。

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犬の飼い主向けアプリ「parnovi」が企業・店舗がプレゼント企画を実施できる「キャンペーン機能」を追加

parnovi(ぱるのび)

ペットアプリ開発を手がけるparnoviは6月22日、犬の飼い主向けiOSアプリ「parnovi」(ぱるのび)上で、企業・店舗がプレゼント企画やモニター募集を実施できる「キャンペーン機能」をリリースした。

parnoviは、ユーザーが普段使っているペット関連商品や店舗の情報を投稿したり、自分と価値観や状況が似た飼い主の情報を閲覧したりできる、ペットサービス探しのコミュニティアプリ(現在はiOS 12.0以降のみ対応)。

今回追加したキャンペーン機能は、ペット向け商品・サービスを提供する企業・店舗が、parnoviユーザーにプレゼント企画やモニター募集を直接告知できるというもの。アプリのキャンペーンタブに掲載されるため認知拡大につながるとともに、商品・グッズをparnoviユーザーである飼い主に直接利用してもらう機会を得られる。

parnovi(ぱるのび)

またリリースを記念して、同機能を9月末まで無償で提供する。「プレスリリースの記事を見た」と記入の上メールで問い合わせると、キャンペーン掲載の審査が行われる。初期の対象はペット向け商品を提供するメーカーを想定。今後地域性のある店舗やサービスなどにもジャンルを拡大予定としている。

インドの通信会社Reliance Jio Platformsが総額1.6兆円調達、5年以内に上場へ

もしあなたのベンチャーファンドが、ここ数週間でReliance Jio Platforms(リアイアンス・ジオ・プラットフォームズ)に投資(未訳記事)した10の投資家の1つではないなら、急成長しているインドの通信ネットワークに少なくとも数四半期は現金を投入することができなくなった。同社はもはや資金調達取引を求めていないからだ。

過去9週間で152億ドル(約1兆6300億円)を調達したReliance Jio Platformsは6月19日、前日のサウジアラビアのPIFからの15億ドル(約1600億円)の投資(未訳記事)により「現段階でのJio Platformsによる資金面でのパートナー勧誘は終了となる」と発表した。

Jio Platformsほか多数の会社の親会社であるReliance Industries(リアイアンス・インダストリーズ)を束ねるMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏は、Jio Platformsと国内最大の小売チェーンであるReliance Retail(リアイアンス・リテール)が「戦略的投資家および金融投資家から高い関心を集めた」と語った。だが次は「今後2〜3四半期の間に両社へ世界的な人材を招き入れる」。

インド最大の資産家である同氏は、今後5年以内にJio PlatformsとReliance Retailの両方を上場する予定だと付け加えた。「上場を実行すれば、間違いなく世界で最も強力なバランスシートを持つことになる」

2019年8月12日月曜日、インド・ムンバイで開催される年次総会に出席するReliance Industries Ltd.の会長兼マネージングディレクターであるムケシュ・アンバニ氏(写真家:Dhiraj Singh / Bloomberg via Getty Images)

本日の発表により、3カ月近く続いた一連の騒々しい資金調達のニュースはおそらく終わりを告げる。4年足らずで3億8800万人以上の加入者を獲得したReliance Jio Platformsは4月、Facebookから57億ドル(約6100億円)を調達したと発表した。

それから数週間で、同社はSilver Lake(シルバーレイク)、KKR、General Atlantic(ジェネラル・アトランティック)を含む9つの著名な投資家からさらに95億ドル(約1兆200億円)を調達した。

Bloomberg(ブルームバーグ)によれば、今年の世界的なパンデミックの間に続いた巨額の資本注入は、世界全体の通信会社への投資の半分以上を占めた。アンバニ氏が「スタートアップ」と表現するJio Platformsは152億ドル(約1兆6200億円)の調達により、昨年だけでインドのハイテクスタートアップエコシステムを全部あわせたよりも多くの資金を調達した。

アンバニ氏は6月19日、そもそもReliance Jio Platformsがなぜ資金調達しているのかという市場の憶測についても確認した。同氏は、調達した資金により、Reliance Industriesの正味の借入金210億ドル(約2兆2000億円)を予定より早く返済できたと語った。2012年に無借金であった石油と小売の巨人は、再び正味の借入金がゼロになったと同氏は述べた。

アンバニ氏は昨年8月、インドで最も重要な企業であるReliance Industriesが2021年初頭までに借入金をすべて返済すると株主に約束していた。

「本日、当初計画していた2021年3月31日よりも大幅に前倒しでRelianceの正味の借入金をゼロにし、株主への約束を果たしたことを発表できることを嬉しく思う」

画像クレジット:Sanjit Das / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ドイツがオンラインヘイトスピーチを取り締まる法律を厳格化

オンラインヘイトスピーチに関する法律は表現の自由の観点から違憲だとフランスの憲法評議会が判断した一方で、ドイツはヘイトスピーチに関する法律を強化する。ユーザーから指摘があった時点で犯罪が疑われるコンテンツを直接連邦警察に届けることをプラットフォームに義務付ける条項を盛り込む。

この動きは、右翼過激主義の高まりとヘイト犯罪に対するドイツ政府の幅広い取り組みの一環だ。ヘイト犯罪はオンライン上でのヘイトスピーチの拡散と関係している。

ドイツの既存の法律「Network Enforcement Act」(別名NetzDG法)は2017年に発効し、ソーシャルネットワークプラットフォームに明白に違法と分かるヘイトスピーチを24時間以内に削除することを義務付けた。違反した場合の罰金は最大5000万ユーロ(約60億円)だ。

6月19日にドイツの議会はプラットフォームに特定の種の「犯罪的なコンテンツ」を連邦刑事庁に報告することを義務付けることを加えた改正案を可決した。

NetzDG法の幅広い改正が並行して進行中で、これはユーザーの権利と透明性をさらに確固たるものにするのが狙いだ。ここには、ユーザーノーティフィケーションを簡素化したり、人々がコンテンツ削除に異議を唱えやすくしたり、主張が認められたコンテンツを復活させられるようにしたりといったことが含まれる。必須事項の報告に関するさらなる透明性もプラットフォームに求めている。

NetzDG法は常に議論の的になってきた。罰金のリスクを取るよりコンテンツを削除する方向にプラットフォームを誘導することで表現の自由を制限することになるのでは、との批判もある(言い換えると、過度の表現制限のリスクだ)。2018年に人権NGOのHuman Rights Watchは欠陥のある法律、と指摘した。「不明瞭で過度だ。そして高額な罰金を避けようとする民間企業による検閲が行き過ぎになるものであり、ユーザーは司法の監視ができず、主張する権利も失われる」と批判した。

ヘイトスピーチ法律への最新の変更もまた議論を巻き起こしている。現在の懸念は、国が市民に関する膨大なデータベースを構築するのをソーシャルメディア大企業が確たる法的正当化なしに手伝っているということだ。

最新の法改正に関する多くの変更案が却下された。ここには、指摘されたソーシャルメディアへの投稿の作者の個人データが自動的に警察に送られないようにする、という緑の党が提出したものも含まれる。

緑の党は、新たな報告義務が乱用され、実際に犯罪的なコンテンツを投稿していない市民のデータが警察に送られることになるリスクを懸念している。

また、多々ある批判の中でも、すでにデータが警察に送られた要注意の投稿をした作者にその旨を伝える必要性が確保されていないことも議論の的となっている。

緑の党は、警察に直接送られることになる投稿コンテンツは、真に調査する必要があるものだけにすべき、と提案した。警察はこれまでプラットフォームに個人データを要求できていた。

ドイツ政府のヘイトスピーチ法の改正は、難民受け入れ賛成の政治家Walter Lübcke(ヴァルター・リュブケ)氏が2019年にネオナチ過激派によって殺害された事件を受けてのものだ。殺害に先立ってオンライン上で標的型攻撃とヘイトスピーチがあったとされている。

ドイツのメディアによると、今月初め警察はリュブケ氏に関する「犯罪的なコメント」を投稿したとして多くの州にまたがるヘイトスピーチ疑い犯40人を検挙した。

政府はまた、オンライン上でのヘイトスピーチは言論の自由に萎縮効果をもたらし、標的を脅すことでデモクラシーに有害な影響を及ぼすと主張する。つまり人々が恐怖心なしに自由に表現したり社会に参画したりできなくなることを意味する。

EU全体では、テック企業がEU Code of Conduct on hate speech(欧州ヘイトスピーチ行動規範)に自発的に同意した後、欧州委員会はヘイトスピーチをなくそうと何年もの間プラットフォームに報告の改善を強制してきた。

扱うコンテンツにテック企業がどれくらいの責任を負うのかを示すことになる今後導入される予定のデジタルサービス法のもとで、欧州委員会はプラットフォームの規則とガバナンスについて幅広い変更を加えることを検討している。

画像クレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

BMWとメルセデス・ベンツは合意発表から1年未満ながら「長期」自動運転アライアンスを打ち切り

BMW Group(ビーエムダブリュー・グループ)とMercedes-Benz AG(メルセデス・ベンツAG)は、次世代自動運転技術を共同開発するために結んだ長期的なコラボレーション合意を、発表後1年も経たないうちに諦めることとなった。

ドイツの自動車メーカーたちは、この合意解消を「双方にとって友好的なもの」と呼び、それぞれが現行の開発路線に集中することに同意した。それぞれの新しい路線には、新規または現在のパートナーとの連携が含まれる可能性がある。両社はまた、後日協力が再開される可能性があることも強調した。

2019年7月に発表されたこのパートナーシップは、決して排他的なものではなかった。独占が目的ではなく、自動運転技術の開発、テスト、検証という、投資を集約しなければならない作業を共有することを目的にして、既存のメーカー間で緩やかな開発契約を結ぶという、増え続ける一般的アプローチを反映したものだったのだ。

両社はしっかりとした高い目標をいくつか掲げていた。このパートナーシップが目指していたのは、ドライバー支援システム、高速道路での高度に自動化された運転、自動駐車を開発し、2024年に発売される予定の一連の車種にこれらの技術を搭載することだった。

両社のコメントからは、どうやら期待されていた共同作業によるメリットが共有テクノロジープラットフォームの作成が予想よりも複雑で費用のかかる作業だという現実によって霞んでしまった様子がうかがえる。BMWとメルセデス・ベンツAGは、昨年契約が締結されるまでは、専門家による詳細な話し合いを行い、技術ロードマップについてサプライヤーたちと話をすることができなかったのだという。

「こうして行われた議論と、広範な検討の結果、両社は、共有テクノロジープラットフォームの作成に関連する費用、および現在のビジネスと経済状況を考慮して、協力を成功させるためのタイミングとしては適切ではないという結論に達しました」と両社は述べている。

BMWとメルセデスはそれぞれ他のプロジェクトやパートナーを抱えている。例えばBMWは、Intel(インテル)、Mobileye、Fiat Chrysler Automobiles(フィアット)、Ansysたちと行なうコラボレーションの一員だ。またDaimler(ダイムラー)と Bosch(ボッシュ)は2019年に、サンノゼでロボタクシーのパイロットプロジェクト(未訳記事)を開始した。

一方、両社はまだ他の分野では協力を行っている。5年前には、BMWとメルセデスベンツの親会社であるダイムラーAudi AGと3社共同で、位置情報ならびに技術プラットフォームであるHEREを買収した。その後、その所有コンソーシアムはより多くの企業を抱えるように成長した。

また2019年には、BMWグループとダイムラー AGはNOWファミリー傘下の合弁事業にモビリティサービスを統合している。

なお、以上の話題とは別に、ドイツ時間6月19日にBMWは、ドイツ労働評議会との間で6000人の雇用削減の合意に達したと発表した。新型コロナウィルス(COVID-19)のパンデミックによる販売の低迷が引き金となったこの削減は、早期退職、一時契約の非更新、余剰ポジションの手仕舞いと空ポジションに対する採用を行わないことによって達成されるとMarketwatchは報告している

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(翻訳:sako)

7月15日に再開する大型映画チェーンで任意だったマスク着用が猛反対により義務に

アップデート:AMCはマスクに関する方針を変更した(Hollywood Repoter記事)。マスク着用を義務化しないという最初の声明に追記された部分は、以下のとおりとなる。

この発表を受けてお客様から激しい抗議が寄せられたが、これまで私たちがマスクの着用について十分に考えていなかったことは明らかです。AMC Theatresにおいては、お客様の声に耳を傾けるlことは何よりも大切なことだと考えています。従って科学アドバイザーの全面的な支援を受けて私たちは方針を改め、観客のみなさんのマスクに関するポリシーを変更します。

劇場を再開するにあたって全国のAMCのお客様が入館されて映画をお楽しみになるときは、マスクの着用を義務とさせていただきます。マスクに関するポリシーをAMCが急に改訂したことは、お客様の安全と健康に対する私たちに強い責任感によるものです。

閉館決定からまだ1カ月も経っていないが、ついにAMCは全米における劇場再開の具体的な日程を明らかにした(Variety記事)。映画館チェーンであるAMCは、600あまりの映画館のうち450カ所で2020年7月15日にサービスを再開する。7月半ばという時期は以前からの約束していたとおりだ。しかし映画ファンたちは、私たちが書いた記事で述べた理由(未訳記事)により、劇場に戻ることをためらうだろう。CEOのAdam Aron氏(アダム・アロン)による最近のコメントも、来場者を安心させるとは思えない。

Variety誌のインタビューでCEOは、劇場で観客はマスクを着ける必要がないと述べた。彼はその決定というより不決定を、マスク着用の要請は本質的に政治的なものだ、というおかしな理由で正当化した。

彼は「政治的な議論に巻き込まれたくない。必要ないと思っている人にマスクの着用を強制することは反生産的だ。AMCの観客の大半は、マスクを着けているだろう。私もAMCに映画を観に行くときにマスクを着けて、模範を示す」と言っている。

いつごろ映画館で映画を観ようと思うか?

今夏21%

秋 / 冬14%

2021年23%

ワクチンを待つ42%(3429名のアンケート結果)

これまでAMCはCinemarkやRegalなどの映画館チェーンと同じ決定(マスク着けなくてもよい)をしていたが、カリフォルニアのように屋内でのマスク着用が義務化されている州では、映画を観に行く人もマスクを着けなければならない。劇場でどうやってそれを強制するのか疑問は残るが、AMCによると社員は全員マスクの着用が義務で、また来場者にはマスクを1ドル(約107円)で販売する。

社員は検温も受けるが、来場者は受けない。このようなチェックや防御は新型コロナウイルス(COVID-19)の拡散下において重要な対策だが、無症な者の感染の有無はは検温ではわからない。その他の対策として、静電噴霧装置や微粒子を吸い取れる掃除機などによるウイルスの拡散防止策がある。

大手映画会社のほとんどがメジャーな作品を2021年の後ろ倒しにしている。ただしChristopher Nolan(クリストファー・ノーラン)監督の「Tenet(テネット)」やディズニーの「Mulan(ムーラン)」などは、来月7月に封切られる予定となっている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナ感染者の増加でオープンしたアリゾナ、フロリダなどのアップルストアがまたも閉鎖に

Apple(アップル)は米国時間6月19日、4つの州で再オープンした店舗をまた閉鎖するという噂を確認した。その対象となるのはアリゾナの6店舗、フロリダの2店舗、ノースカロライナの2店舗そしてサウスカロライナの1店舗だ。

同社はTechCrunch宛ての声明で「私たちがサービスを提供しているコミュニティの一部における、現在の新型コロナウイルス(COVID-19)の状況により、一時的に店舗を閉鎖する。これは状況を仔細に監視し、チームと顧客が可及的速やかに戻ってこれることを期待している」と述べている。

同社が州の再開努力に呼応して一部の店舗を再オープンさせてから、まだ1カ月強しか経っていない。再オープンにあたり同社は、マスク着用の義務化や検温、社会的距離の強制といったいくつかの安全策を採っており、清掃の強化も行っている。

関連記事:アップル直営店が米国で一部店舗の営業再開、マスク着用義務や体温チェックなどの安全対策も

当時、小売担当の上級副社長Deirdre O’Brien(ディアドラ・オブライエン)氏は「これらは拙速で決めたわけではない。そして再オープンは、今後2度と閉鎖しないという意味ではない。地域の状況によっては、予防策として再度、閉鎖することもある」と記している。

同社は、そのときと同じ方法で店舗を再々オープンさせるかもしれない。しかし、いくつかの州では州政府が再開の手続きを開始して以降、新型コロナウイルスの患者が増加している(CNBC記事)。先週、アリゾナ、フロリダ、オクラホマ、ネバダ、オレゴン、テキサスの各州は感染の記録的な増加を報告した。ウイルスの拡散には不確実性があるため、アップルAppleなどの小売店が方針を転換するのはこれが最後ではないだろう。

米国時間6月21日から、以下の店舗が再度閉鎖される。

フロリダ州
  • Waterside Shops
  • Coconut Point
ノースカロライナ州
  • Southpark
  • Northlake Mall
サウスカロライナ州
  • Haywood Mall
アリゾナ州
  • Chandler Fashion Center
  • Scottsdale Fashion Square
  • Arrowhead
  • SanTan Village
  • Scottsdale Quarter
  • La Encantada

それぞれの店舗に関する詳しい情報はアップルのウェブサイトにある

画像クレジット:Apple

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

元フェイブック幹部「大手テック企業は規制により今後10年間で解体される」

投資家のChamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏は、Facebook(フェイスブック)で財産の一部を形成した。同氏は4年以上副社長を務め、2012年のIPOの1年前に去った。

同氏は以前の雇用主について何度も懸念を表明してきた(The Verge記事)が、ユーザーが重要な情報を報告・拡散する上でフェイスブックが積極的な役割を果たしてきたとも考えている。例えばGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏の悲劇に多くの米国人が気づき、米国の他少なくとも12カ国の市民が人種差別に対する抗議活動を組織できたのは、ソーシャルメディアがあったからこそという部分もあるのではないかと語る。同氏が信じているのは、そうしたプラットフォームがなければ、米国では内戦が発生する可能性さえあるということだ。

だからといって、フェイスブックや他の巨大企業が規制からまったく自由でいられるわけではない。同氏は少なくともそう思っている。今朝のCB Insightsのイベントで同氏はフェイスブックについてこう発言した。「フェイスブックは解体されるのか。そうだと思う。各国政府はそれに続くか。もちろんだ」。

同氏がより具体的に予測するのは、フェイスブック、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)、Apple(アップル)がもはやリバイアサンとはいえない存在になるまで、世界中の規制当局は調査や罰金を続けるということだ。同氏は「まず課税され、次に信頼を失う」と述べた。

同氏はそうなるまでにそれほど長くはかからないと考えている。

投資家は現在、企業が大きく衰えることなく「長寿化」することで報われている一方、パリハピティヤ氏は「マージンに関しては、今後10年間、規制当局が自分たち望む方向に誘導するだろう。巨大インターネット企業は規制当局がやりたいこと、つまり権力を邪魔しているからだ。末端まで力と情報を行き渡らせるほど、規制当局の標的になりやすい」と語った。

同氏は、独占禁止法の規制対象にならなかった唯一の大手テクノロジー企業はMicrosoft(マイクロソフト)だが、同社も永遠に無傷ではいられないと示唆した。同社は2002年の同意判決後、商慣行の一部が制限された。2011年に期限切れになったが、パリハピティヤ氏は同社がひと息つく間を与えられているにすぎないと考えている。

興味深いことに、今後のフェイスブックの規模に関係なく、パリハピティヤ氏は「Twitter(ツイッター)という振り子が米国沿岸部の都市に振れると同時に、フェイスブックという振り子は米国中部へ振れる、つまりソーシャルメディア版Fox Newsのようなものになるだろうと考える」と述べた。「巨大プロダクトの中で起こっている人口統計学的セグメンテーションがすでに容易に見出せる」と同氏は述べた。

この傾向は最近特に顕著かもしれない。テクノロジー、ビジネス、文化が交差する論点をカバーするThe New York Times(ニューヨーク・タイムズ)のコラムニストであるKevin Roose(ケビン・ルーズ)氏は、フェイスブックにおける人気上位の投稿についてツイートすることがある。2020年6月17日の検索結果は、よくあることだが、保守的な人物やテーマに大きく偏っていた。

フェイスブックがこの比較にどう反応するかについてFTのインタビュアーであるRobin Wigglesworth(ロビン・ウィグルスワース)氏にしつこく聞かれ、パリハピティヤ氏はさまざまなプラットフォームに関して次のように述べた。「コンテンツは、それを利用する人の傾向を強める。あなたが今日、MSNBC、CBS、Fox Newsのどれを観るか選択するのと変わらない」。

画像クレジット:Michael Kovac / Getty Images for Vanity Fair / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

今週の記事ランキング(2020.6.14〜6.18)

今週もTechCrunch Japanで最もよく読まれた5つの記事を紹介しよう。

今週の1位は、高精度として知られる機械翻訳サービス「DeepL」が日本でも有料サービス「DeepL Pro」を開始するというニュースだ。日本でのサービス開始以前から知名度が高かっただけに、ニュースの注目度も高かった。

先週末に発表されたPS5の記事も引き続き読まれている。ホリデーシーズンまであと約半年。僕も少しづつ軍資金を溜めているところだ。

スマホやEVなど電子機器の「熱問題」解決へ、名古屋大発素材ベンチャーのU-MAPが約3億円調達

自社で研究開発した独自素材を用いて電子機器の熱問題の解決に取り組むU-MAPは6月19日、リアルテックファンド、京都大学イノベーションキャピタル、OKBキャピタル、新生銀行、東海東京インベストメントの5社より総額約3億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

普段スマホやPCを長時間使っていると、機器が熱くなってパフォーマンスが低下することがある。僕自身ビデオ会議が続いた時などにそういった状況によく陥るけれど、これも電子機器の熱問題の1つだ。他にもEVや通信システム(5G)、データセンターのサーバー、AI・IoT端末など個人向けのデバイスから産業機器まで熱問題が影響を及ぼす領域は幅広い。

機器の発熱はパフォーマンスの低下だけでなく、機器寿命の低下や安全性の低下にも繋がる。EVのバッテリーは適正温度より10度高くなるだけで性能や寿命が50%低下するケースもあると言われるほど。特に産業機器などでは発熱が大規模な障害や事故の原因になったりもする。

だからこそ電子機器を設計する際にはパソコンにおける冷却ファンのように、冷却設備を搭載することで機器の温度が上がりすぎないように工夫されるわけだ。

U-MAP代表取締役社長兼CEOの西谷健治の氏によると冷却設備は大きなエネルギーが必要になるだけでなく、デザインの自由度の低下やコストの増加などいくつか課題もあるそう。ただし今の所は「それでも冷却設備を入れざるを得ないのが現状」だという。

そこで「機器の内部に使われる材料を従来よりも高性能化(高熱伝導化)する」ことで現在課題となっている部分を解決するとともに、熱問題自体をなくしていこうというのがU-MAPのアプローチだ。

西谷氏の話では電子機器の多くは主要な材料としてセラミックスや樹脂が使われている。それらを高性能化するためのカギとなるのが「フィラー」と呼ばれる添加物であり、U-MAPでも独自のフィラーの研究開発に取り組んできた。

コアとなるのは名古屋大学の宇治原研究室の研究成果である繊維状窒化アルミニウム単結晶(Thermalnite : サーマルナイト)だ。U-MAPはThermalniteの社会実装を目指すべく2016年に設立された名古屋大学発のスタートアップで、西谷氏も同研究室の出身。一度別の企業で経験を積んだ後、U-MAPに入社して2018年に代表に就任した。

Thermalniteはセラミックスや樹脂に混ぜ込むことで、これまでにない「高熱伝導+α」の新機能材料を実現できるのが最大の特徴だ。

たとえばセラミックスにThermalniteを添加した「セラミックス複合材料」では、高い熱伝導性に加えて機械強度の向上が見込める。セラミックス複合材料は主に産業用のパワーモジュールや光モジュール、EVの基盤などに使用されるもので、尋常じゃない熱が発生するためそれをいかに逃していけるかが重要だ。

ここでポイントとなるのがセラミックスは特性上「強度が弱い」という弱点を持っていること。そのため基盤を分厚くしなければならないが、分厚くすればするほど熱の逃げ方は悪くなってしまう。要は「熱を逃がすために高い伝導性を持つセラミックスを使っているのに、分厚くするために熱が逃げづらくなっている状況」がこれまでの課題だった。

「Thermalniteを使えば高い熱伝導と同時に高い機械強度も両立できる。たとえばEVであれば放熱性能を高めつつモジュールサイズを小型化し、ボディのデザイン性を高めたり(冷却エネルギーを抑えることで)燃費を向上させたりする効果も見込める」(西谷氏)

樹脂にThermalniteを加えた「樹脂複合材料」の場合であれば、高熱伝導性を維持したまま樹脂の特性を十分に発揮できるようになる。樹脂複合材料はスマホやPC、EV、5G基地局など広い用途で使われるものだが、従来の高放熱樹脂材料は少しでも性能を高めるべく樹脂の中に放熱フィラーを70〜80%以上添加している。それによって生じる問題は樹脂の軽さや柔軟性といった特性が損なわれてしまうことだ。

「Thermalniteの強みは10〜20%の少ない添加量でも従来と同等以上の熱伝導性を実現できること。これまでは熱伝導性を担保するために樹脂の特性などは気にしていられなかったが、添加量を少なくできれば軽さや高い加工性など樹脂の特性も残せる」(西谷氏)

U-MAPの樹脂複合材料は従来とは異なる特性が要求される成形方法での部品製造や、機能性材料のニーズが強い5Gなどの次世代通信、EVなどへの展開が可能だ。

一例をあげると多様なメーカーが5G対応の材料開発に力を入れているが、そこでは電波の透過率(誘電率)が重要な指標になる。誘電率を低くするほど電波が通りやすくなるためメーカー側は誘電率の低い材料を望み、そのニーズに応えるにはフィラーの添加量を抑えることが効果的でU-MAPの素材の特性とマッチするのだという(フィラーを添加するほど誘電率が高くなるため)。

5Gは今後U-MAPがメインターゲットにしていく領域の1つになるが、同社ではそれ以外にも様々な産業での展開にチャレンジしていく方針。すでにThermalniteおよびThermalniteをセラミックスや樹脂に添加したマスターバッチのサンプル販売に取り組んでいて、延べ70社以上の企業に販売している。

今回の調達はThermalniteの量産化を見据えた研究開発体制の強化やアライアンスの強化などが主な目的だ。U-MAPでは今後も名古屋大学とも連携しながらThermalniteを社会に広げていくことで、熱問題の解決を目指すという。

勃興するEdTech

他のほとんどの分野とは異なり、EdTech(エドテック)はここ数か月間、急速に成長している。フラッシュカードを専門とするQuizlet(クイズレット)が既にユニコーン企業になっており、デジタルテキスト企業のTop Hat(トップハット)のユーザー数がこれまでにない伸びを見せ、学生の成功を支援するEdsights(エドサイツ)は一流の投資家から200万ドルにおよぶ資金を集めている。これらすべては業界内で興味が高まった結果である。投資家は自宅学習が流行すると確信しているため、つい最近、「フルスタックのインフラ」を提供し、親たちが自宅教育を開始しやすくするPrimer(プライマー)へ370万ドルを投資した

しかし、保護者が仕事、家庭、理性のすべてに対し毎日、またはほとんどの日で向き合う一方で、エドテックは現在の学習環境の課題をすべて解決するわけではない、と言われている。

収入の大小に関係なく、どの保護者も自宅学習に困難を感じている

Fuze(フューズ)でブランドおよび企業マーケティングのバイスプレジデントを務めるLisa Walker(リサ・ウォーカー)はこう語る。「精神状態の上がり下がりはまるでモグラ叩きのようだ。」ウォーカーはボストン在住だが、パンデミックのためバーモント州へ引っ越している。彼女は10歳と13歳の子供を2人抱えている。「一人が機嫌よくしている日に、もう一人は機嫌悪く、いつも家族の誰かをケアしなければいけない。」

社会経済的に困難を抱えている家族は頼れるものがなく、両親は生活を維持するために複数の仕事を掛け持ちしなければならないため、さらに深刻な状況にある。

保護者にとって大きな問題のひとつに、「自分のペース」で学習する量の増えるにつれ、ライブ授業が減っているため、バランスをとりにくい点が挙げられる。

ウォーカーは、10歳の子供が毎日教師やクラスメートと直接やりとりする時間が少ないことに不満を感じている。1時間のライブ授業が終了すれば、子供は残りの1日中、コンピューターの前で座っているだけになる。録画済みのビデオとオンラインのクイズをこなしたら、Google ドキュメントで宿題を済ませて終了となる。

非同期型の学習はインタラクティブ性に欠けるが、どんな社会経済的な背景の生徒も対象にできるため、一概に良し悪し判定できない、とウォーカーは述べる。教材がすべて録画済みであれば、コンピューターよりも子供の数が多い家庭の場合、午前8時の科学の授業に間に合わせる手間が省け、交代で授業を受けられる。

ウォーカーはこう述べる。「多くの子供たちがビデオ接触に疲労を感じるのはわかっているが、それでもライブ授業をもっと多くしてほしいと感じている。テクノロジーは問題を解決してくれるが、問題を増やす原因でもある」。

PWC(プライス・ウォーターハウス・クーパース)のシニア税務マネージャーとしてフルタイム勤務し、アトランタに住むシングルマザーのTraLiza King(トラリザ・キング)は、小さな子供を相手にする場合、ライブのビデオ授業が欠点となることを指摘する。

難題の一つは、4歳の娘のZoom(ズーム)通話を見守ることである。ズームは小さな子供が直感的に扱えるプラットフォームではないため、キングはその場で娘を助けなければならない。彼女は娘のゾーイがログオン・ログオフに手伝い、皮肉なことに、授業を中断なく進められるよう必要な場合にミュートする。

大学1年生になる彼女のもう一人の子供は4歳児の面倒を見れるはずだが、キングは長女に教育の責任を負わせたくないと考えている。つまり、キングは母親とフルタイムの従業員に加え、ズームの技術サポートと教師の役割も演じなければならないことになる。

彼女はこう述べる。「現在の状況は良い面と悪い面が両方あります。娘たちが何を学んでいるかを見て、生活を共有できるのは素晴らしいと思っているが、私は幼稚園の先生ではないのだ」。

保護者の中には、これまでと同じように対処すると決めて、そしてうまくやり過ごしている人々もいる。ロサンゼルスに拠点を置くRythm Labs(リズム・ラブズ)の創立者、Roger Roman(ラジャー・ローマン)と彼の妻は、シャットダウンを目の当たりにした直後、子供たちのスケジュールを大急ぎで組み立てた。午前6時に朝食、その直後に体育、続いてワークブックと宿題の時間が並ぶ。彼らの5歳の子供がすべてをこなせば、電子機器で遊ぶ時間を30分間だけ「勝ち取る」。

テクノロジーは間違いなく役に立つ。ローマンは、Khan Academy Kids(カーン・アカデミー・キッズ)やLeapfrog(リープフロッグ)など数種類のアプリを活用して、仕事の電話やミーティングの時間を確保している。しかし、こうした対策は解決策というよりは一時しのぎのようなものだ、と彼は言う。彼によると、本当に役に立ったのは、あまりハイテクとは言えないものだった。

「プリンターで本当に救われました」と彼は言う。

子供たちが自宅にいることで、ローマン一家はアメリカを覆う人種差別に起因する暴力や警察による強権の行使について話し合う機会が得られている。歴史に関する既存の教材は、黒人のリーダーや奴隷制度をあまり正確に、詳細に扱っていなかったため、現在審査が入っている。両親が家にいる現在、こうした現実との乖離はますます明白になっている。各家庭に応じて、奴隷制度に関する教育が欠如していることは、アメリカでの差別制度に関する難しい話し合いを始めさせたり、学校が再開された際の議題として置かれたりしている。

ローマンによると、彼は人種差別や不正に気付かされなかったことは人生で一度もなく、彼の子供たちも同様のはずだと考えている。

「Ahmaud(アマド)、Breonna(ブレオナ)、George(ジョージ)の殺害事件を通じて、私と妻はアメリカに横たわる白人優位主義と人種差別の長い暗黒の歴史を真剣に捉えなければならなかった。子供とそうした会話をこれほど早く行うことになるとは思ってなかったが、彼は目にする映像についてたくさんの疑問を抱えており、私たちはそうした質問を正面から受け止めている」。
ローマンは本を通じて息子たちへ人種差別を説明している。エドテックプラットフォームのほどんどは人種差別撤廃をどう扱うかについて沈黙を保ってきたが、クイズレットでは「真のインパクトを与えるためにプログラミングを結集している」と語る。

遠隔学習の将来

現行のオンライン学習ツールは若い学習者に刺激を与えられないため、保護者や教育者は苦慮している。それに対応するため、新たなエドテックのスタートアップは遠隔学習の将来を描き出そうとしている。

Zigazoo(ジガズー)の共同創立者、Zak Ringelstein(ザック・リングルスタイン)は、彼が「子供向けのTikTok(ティックトック)」と呼ぶプラットフォームを立ち上げている。このアプリは幼稚園から中学校までの子供を対象にしており、ユーザーはプロジェクトごとのプロンプトに応じて短い動画を投稿できる。課題は、ナトリウム化合物を用いた火山を噴火させたり、日用品を使用して太陽系を構築するなど、科学実験のようなもので、また保護者はアプリを管理できるようになっている。

最初のユーザーは、リングルスタインの子供たちである。子供たちは画面を眺めるだけでは学習に集中しなかったため、双方向のやりとりが鍵を握るとの結論に至ったと彼は語る。将来的に、キャラクターが「ブランドアンバサダー」として振る舞い、短いビデオコンテンツに登場できるよう、ジガズーはエンターテイメント企業との提携を予定している。例えば、光合成について子供たちが学べるように、「セサミストリート」のキャラクターがティックトックのトレンドに現れるのを想像してみてください。

「子供向けのティックトック」を目標としたジガズーのプレビューとビデオベースのプロンプトを通じ、彼は「教育者として、エンターテイメント性を持つだけでなく、学習効果も高いコンテンツがあまりにも保護者へ提供されていないことに驚きました」と言う。

Lingumi(リングミ)は、例えば英語学習などの重要なスキルを幼児が学習できるプラットフォームである。同社が設立された理由は、幼稚園のクラスで生徒が多すぎで、子供が「スポンジのように知識を吸収する時期」に教師が十分な1対1の時間を提供できなかったことにある。リングミは別のスタートアップ企業であるSoapBox(ソープボックス)と同社の音声技術を使用して、子供たちの声を聴き取って理解し、彼らが言葉を発音する様子を評価して、流ちょう度を判定している。

ソープボックスのCEO、Patricia Scanlon(パトリシア・スカンロン)博士はこう述べる。「エドテック製品は教室で機能するよう設計されており、どこかで教師が介在しなければならない。現在、教師は子供たちと個別に交流できないため、この技術を使用すれば子供の進捗度を把握できる」。

もう一つのアプリ、Marcus Blackwell(マルクス・ブラックウェル)が作成したMake Music Count(メイク・ミュージック・カウント)は、生徒がデジタルのキーボードを使用して数式を解けるようにしている。200を超える学校で5万人の生徒が使用しており、最近ではCartoon Network(カートゥーン ネットワーク)とMotown Records(モータウン)と提携し、両社のコンテンツをレッスンとしてフォロワーが利用できるようにしている。アプリへログインすれば数学の問題が提示され、解決すればどのキーを弾くかが示される。セット内の数式をすべて解けば、弾いたキーが並んで、Ariana Grande(アリアナ・グランデ)やRihanna(リアーナ)などのアーティストの人気曲が流れる。

このアプリはゲーミフィケーションと呼ばれる有名な戦略を使用して、若年層のユーザーを引き付けている。学習のゲーミフィケーションは、特に若年層に対し、生徒の興味を持続させ、学習を体系化させるための効果が長い間実証されてきた。歌や最終製品などで達成感が得られれば、ポジティブなフィードバックを求めている子供たちが満足する。この戦略は、クイズレットDuolingo(デュオリンゴ)など、今日最も成功した教育企業の一部が基本原則として採用している。

しかしメイク・ミュージック・カウントの場合、ゲーミフィケーションで通常用いられるポイントやバッジ、その他のアプリ内の報酬を採用せず、仮想的なアイテムよりもずっと楽しいものーー子供たちが楽しみ、自分で探すことも多い音楽を提供している。

テクノロジーと同様に、ゲーミフィケーションは学校で得られる個人的で実践的な体験をすべて賄えるわけではない。しかし、それこそが保護者が現在求めているものなのである。私たちは、遠隔学習しか選択肢がない場合だからこそ、テクノロジーがこんなに役に立てることと、教育は単なる知識の理解やテストにとどまらない豊かさを常に提供してきた事実を痛感した。

エドテックに欠けている要素:学校は学ぶだけの場所ではなく、子供をケアする場所である

結局、仕事が将来的にリモート化するのであれば、保護者たちが子供のケアをするためにより多くのサポートを必要としている。それを目指すスタートアップの1社にCleo(クレオ)が挙げられる。同社は子育てをサポートするスタートアップであり、最近、オンデマンドの保育サービスを提供するUrbanSitter(アーバンシッター)提携した

CleoのCEO、Sarahjane Sacchetti(サラジェーン・サッケッティ)は5月にTechCrunchに対してこう答えている。「保護者が危機に直面している今、仕事を持つ母親はソリューションを熱望している。当社は単に会員や企業の顧客が利用できるだけでなく、私たち自身でも使用しようと思うソリューションの開発を目指した。仮想ケアからスケジュール調整や新たな保育士探しまで、私たち自身ですべてを試して実験した結果、家庭の手助けになる唯一のソリューションには、新型コロナウイルスがもたらした独自の問題を解決するために構築された新たな保育モデルが必要であると判明した。」

保育のマーケットプレイスであるWinnie(ウィニー)の共同創立者、Sara Mauskopf(サラ・マウスコプフ)は、遠隔学習の支援を試みるテック企業は、「解決するのは教育面の問題だけではない」ことを念頭に置かなければならない、と言う。

彼女はこう述べている。「学校は保育の一形態だ。一番私の気に障るのは、『これまで以上に多くの人が自宅学習に切り替える』というツイートが氾濫しているのを見ることだ。だからといって誰も、私の赤ん坊へマカロニチーズを食べさせたり、おむつを替えてくれないじゃない」。

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Category:EdTech

Tag:教育 コラム

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(翻訳:Dragonfly)

肥料や農薬を葉の気孔から取り入れさせて99%の高効率で植物に吸収させるナノ粒子技術

植物の施肥や農薬の撒布は一般的に損失の大きい問題だ。今、工業生産や食品生産の農業で使用されている物質のわずか1%しか実際に植物に取り込まれていない。残りは土壌に流出している。カーネギーメロン大学のGreg Lowry(グレッグ・ローリー)氏のチームは世界で初めてこの比率を逆転させ、植物が最大99%の効率で分子を吸収し、わずか1%しか無駄にしない技術を実証した。

ローリー氏らの研究は、Nanoscale Communications誌で公開されている査読論文で概説されているように、植物に吸収させたい分子物質である成長や作物の収量を最適化するように設計された栄養素や、破壊的な虫や害虫から植物を守る殺虫剤などを、ナノ粒子でコーティングすることで実現している。

本誌は2019年に、この技術をデモンステレーション前の段階で紹介したことがある。現在、ローリー氏のチームは、植物の葉の表面にある気孔に合ったサイズのナノ粒子を実際に生産することができるようになっている。その作業は基本的に、葉の表面にある受容体のためのレゴブロックをカスタマイズして作り、そのレゴブロックに届けたい栄養素を結びつけて完璧にフィットさせるようなものだ。

この実証はチームの仮説を裏付けるものだ。これによってさらなる開発の可能性や最終的には商用化の見通しも立てられるようになった。収穫可能な作物の40%がいまだに植物病害で害虫などで失われていると同社は推定しており、この技術はおそらく農薬としての商業利用の可能性が最も高いと考えられている。また、この技術を使うことで植物の栄養分や肥料の吸収率を上げて生長を刺激することもできる。それらを組み合わせることで、1回のナノ粒子の投与で防除と施肥の両方ができるため、労働生産性においても植物や作物の生産量を増加させる大きな可能性がある。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Colorの新型コロナ検査データも陽性者の大半は症状軽微か無症状であることを裏付ける

サンフランシスコ拠点のColor(カラー)は米国6月15日、自社の検査プログラムに関するデータを公表した。それによると新型コロナウイルス(COVID-19)で陽性となった人のほとんどは発熱なども含め症状が軽微か、無症状だった。既存のデータや研究と同じ分析結果だ。カリフォルニア州の検査ステーションで同社はこれまでに3万人超の検査を行った。その結果は全米で地域や州の経済を再開させる動きが続いているにも関わらず、広範な検査がいまだに経済再生プログラムの鍵を握っていることを示している。

Colorによると、検査を受けた人の1.3%が新型コロナ陽性で、そのうち78%が症状が軽微か、あるいはまったく症状がなかった。つまり特に目立つ症状が皆無だった。加えて37.7度以上の熱があったのは12%のみだった。職場や共有施設での体温チェックのような方策で感染拡大を抑制しようという取り組みにとっては悪い知らせだ。

Colorのデータは、WHO(世界保険機関)が最近発表した情報と一致する。WHOは新型コロナ検査の結果が陽性となった人の最大80%が症状が軽微か、まったく症状がないと指摘した。またColorは症状があったと答えた人がどんな症状を経験したのかについての具体的な情報も明らかにし、大半の人が咳が出たと答えた。ただし実際に陽性となった人が報告した症状で最も多かったものは嗅覚の喪失だった。これは、熱などよりもましな症状だ。

Colorはサンフランシスコ市との提携のもとに同市の最前線で働いているエッセンシャルワーカーにも検査を行った。そうした人の検査結果も含めたColorのデータで他に興味深いのは、陽性となった人の大半は若く(68%が18〜40才)、白人やアジア人よりもラテン系と黒人系のコミュニティで陽性率が高かった、という点だ。この2点に関するColorのデータは、他の機関や研究者が発表した結果を裏付けるものであり、性急で不用意な経済再開で誰が最も影響を受けるかという懸念をサポートするものだ。

画像クレジット:Justin Sullivan / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

VTuber「ゲーム部」運営のUnlimitedがBrave groupへ社名変更、約8億円の調達と役員体制の刷新も発表

ゲーム部プロジェクト」など複数のVTuberチャンネルを展開するUnlimitedは6月16日、Brave groupへ社名を変更したことと共に、複数の投資家を引受先とした第三者割当増資により総額8億円を調達したことを明らかにした。同社では合わせてCI(コーポレートロゴやミッションなど)や役員体制も刷新している。

Brave groupは2017年10月に上⻄恒輔氏と野⼝圭登氏が共同で立ち上げた。これまでは2人が代表取締役を務めていたが新体制では上西氏が退任。代表取締役は野口氏1人(代表取締役CEOに就任)となる。またCSO/経営企画室室⻑を担っていた吉弘⽂昭氏が取締役 CSO、コーポレート本部⻑を担っていた舩橋純氏が執⾏役員 CFOに就任し体制面をアップデートしている。

加えて複数のVC・事業会社やエンジェル投資家から約8億円を調達し資金面も強化した。主な新規の株主は以下の通り。事業会社とはVTuberやバーチャル体験を絡めた事業上の連携も視野に入っているようだ。

  • アニヴェルセル HOLDINGS
  • AG キャピタル
  • セプテーニ・ホールディングス
  • みずほ成⻑⽀援第 3 号投資事業有限責任組合
  • efu Investment
  • gumi ventures3 号投資事業有限責任組合
  • マイナビ
  • ⽚⼭晃氏など複数の個人投資家

なおBrave groupではこれまでグリー子会社のWright Flyer Live Entertainmentや中国のBilibiliから資金調達を実施していて、累計の調達額は約10億円となった。

独自の制作フローで複数のVTuberチャンネルを運営

Brave groupの主力事業はVTuberを軸としたIP開発事業だ。30万人強がチャンネル登録しているゲーム部プロジェクトを始め、独自のキャラクターを活かしたチャンネルを複数展開する。

VTuberのプロデュースやマネジメントを手がけるスタートアップは複数存在するが、同社の特徴は漫画の原作を考えるような役割を担うプロデューサーを社内で抱え、最初の段階でストーリーやキャラクターといったチャンネルのキモとなる部分を入念に設計していること。それが固まった後にキャラクターを演じる“中の人”を探し、YouTube上だけでなく様々なメディアに展開できるIPを目指して一緒に作品を作っていくケースが多いという。

その観点からBrave groupではキャラクターユーチューバーの略で「CTuber」と表現している。

「VTuberでは中の人を務める声優さんの個性をそのままバーチャル化することが多いが、自分たちは別のやり方をしている。チャンネルやコンテンツの制作フローは漫画やアニメに近く、ビジネスモデルも(芸能事務所やYouTuberが所属する事務所などではなく)集英社などIPの会社をかなりベンチマークしながら取り組んできた」(野口氏)

今まではエクイティファイナンスで調達した資金などを用いてオリジナルのIPを100%権利保有する形で運営してきたが、直近ではナショナルクライアントや地方自治体からVTuberを起用したプロモーションの引き合いが強くなってきているそう。そこでチャンネルにスポンサードしてもらう形で資金提供を受け、IPを50%ずつ保有しながら共同でIPを育てつつ収益をシェアするモデルも始めている。

Brave groupが運営する主要チャンネル。数字は6月15日時点のもの

体制変更や業務フローの見直しを経て、次世代IPの創出目指す

VTuber関連の事業はここ1〜2年で急速に盛り上がってきた領域だ。複数のチャンネルが立ち上がり、キズナアイや輝夜⽉を始め人気のバーチャルタレントが生まれた。

関連するスタートアップも続々と立ち上げってきていて、直近でもBrave groupだけでなくActiv8(小学館やホリプロなどから約10億円調達)やカバー(複数VCなどから約7億円調達)、にじさんじ(伊藤忠商事などから約19億円調達)が億単位の資金調達を実施。大手企業がそれらのスタートアップに出資をしたり、オリジナルのVtuberを手がけたりする例も増えてきた。

その反面まだまだ未成熟な業界で、トラブルの話を耳にしたりすることもある。Brave groupのゲーム部プロジェクトに関しても昨年4月に声優との間で問題が発生し、業務辞退の申し入れがあったことが発覚。最終的には関係者で協議を行った末、4人の声優陣が交代したことも明らかになった。

同社からも発表されている通り声優スタッフとのコミュニケーションや業務マネジメント体制の部分に課題があったため、この1年ほどは冒頭で触れた社内体制の変更も含めて体制や業務フローの改善を進めてきたという。

「演者さんや(演者の)親御さんとの密なコミュニケーションや評価制度の見直しなどに加えて、月の動画制作本数の適正化も進めた。ゲーム部ではピーク時に月間で50〜60本の動画をアップしていたが、それが過度な業務負担の一因にもなってしまっていた」(野口氏)

また演者だけでなくチャンネルを応援しているユーザーとの間のコミュニケーションも見直すべき点があった。ゲーム部ではユーザー向けに適切な情報開示などを行わずに声優陣の変更を進めたことがわかったため、ファン離れにも繋がった。

昨年末には同じくBrave groupが手がける「ここあMusic(道明寺ここあ)」を担当していた声優がバンド活動へ専念することを理由に卒業。今年3月から新声優のもと「COCOA CHANNEL」に名称を変える形で再スタートを切ったが、その際には演者だけでなくユーザーに対しても情報共有をしっかり行うことで新チャンネルにも少しずつユーザーが戻ってきているという。

今回の資金調達は体制を変更し社名も新たにした上で、再度「世代を超えて親しまれるようなIPをスマホ・Youtubeから生み出す」ことを目指していくために実施したものだ。Bilibiliが既存株主に入っていることからもわかるように、ゆくゆくは日本だけでなくIPを世界で展開することも計画している。

調達資金はIPコンテンツ制作や採用・マーケティング活動へ投資をするほか、新規事業の開発にも用いる方針。具体的には芸能人のバーチャル化プロジェクト(バーチャルライバー)やクリエイターの人材紹介事業などを考えているという。

中国ラウンドアップ:アリババがクラウド部門で5000人採用へ

中国テック業界の最新の動きダイジェスト版、TechCrunchの中国ラウンドアップへようこそ。今週はAlibaba(アリババ)の急成長中のクラウドコンピューティング部門の動き、Apple(アップル)が中国のApp Storeからのポッドキャストアプリ2つを削除したニュースなどを紹介する。

中国企業の海外での動き

TikTokを取り巻くライバル

2020年5月にリリースされてからわずか数週間でダウンロードチャートのトップに躍り出たTikTokのライバルZynnが今週、盗作の疑いでGoogle Playから削除された。TikTok中国版のDouyin(抖音)の手強いライバルKuaishou(快手)が開発したZynnは、国際マーケットをたちまち魅了したTikTokに続く中国産のアプリだ。

今週初めに発表された声明文の中で、Kuaishouは他のプラットフォームからの盗作で、ユーザーが作ったビデオについての1件の苦情によってアプリが削除されたと述べた。ベンチャーキャピタリストのTurner Novak(ターナー・ノバック)氏はZynnの初期のコンテンツは、TikTokから抽出されたもののようだ(ターナー氏ブログ)との見方を示した。

しかしZynnの人気の主な要因は、報奨制度だ。Zynnは同アプリを使用したり促進したりするユーザーに金を払う。中国の地方や人口の少ない町で人気を集める戦略だ。 Nasdaq(ナスダック)に上場しているコンテンツアグリゲータのQutoutiao(趣頭条)も成長するために同じ戦略をとった(未訳記事)。従量支払いの戦略が持続可能かどうかはまだわからない。Zynnは、コンテンツを充実させるために「セレブリティレベル」のクリエイターと話せる、とうたうなど、明らかに他の手段を通じてユーザーをつなぎ留めようとしている。

Alibabaは販促目的でグローバルインフルエンサーをハント中 (未訳記事)

インフルエンサーはこのところ引っ張りだこだ。インフルエンサーのライブプロモーションを通じてeコマースの販売を促進しようという戦略を展開した後、Alibabaはこのモデルを中国外マーケットにも持ってくることを決めた。そうして同社の国際マーケットプレイスであるAliExpressで販売されているプロダクトの販促を手伝う最大10万人のコンテンツクリエイターを募集する案内を出した。

中国と南アジアをつなげるデータセンターをチベットに

中国が国内で最も貧しい省の1つ貴州省を、Apple中国を含む(未訳記事)多くのクラウドサービスを集めたテックハブにしたことを多くの人が知っているだろう。そして現在、中国はチベットをもう1つのクラウドコンピューティングセンターに変えている。主要プロジェクトの1つは、中国・南アジア間のデータ交換に対応する広さ64万5000平方メートルものデータ施設だ。

中国国内での動き

OSとしてのDingtalk

今週開かれた年次サミットで、Alibaba CloudはSlackに酷似のAlibabaの作業コラボアプリDingtalkにクラウドを搭載するための最新戦略を繰り返した。スローガンから察せられるAlibabaがDingtalkに期待している戦略的役割は、Alibaba Cloud上でのOS構築だ。Alibaba CloudはAmazon(アマゾン)とMicrosoft(マイクロソフト)に続いて世界で3番目に大きいサービスとしてのインフラだ(Alibaba Cloudリリース)。Microsoft 365とAzureのような互いを反映し合う関係だ、とAlibaba Cloudの社長であるZhang Jianfeng(張建峰)氏は以前インタビューで述べた。

しかし当初法人向けだったDingtalkは仕事や教育、政府サービス向けに作られた数多くのサードパーティのオールインワンプラットフォームに発展した。例えば、文部科学省はDingtalkを通じて簡単に生徒や保護者にアンケートをとることができる。Dingtalkはいまや1500万もの組織と個人ユーザー3億人にサービスを提供している。

Dingtalkの統合に加え、Alibaba Cloudはネットワークやデータベース、人工知能などの分野で成長するために、今会計年度にエンジニア5000人を採用すると話した。

この新規採用は、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックを事業者が受け入れるにつれビデオ会議やライブストリーミングのようなサービスに対する需要が増大するなかで、データインフラをさらに構築するために今後3年間で2000億元(約3兆円)を注入するとAlibabaが2020年4月に明らかにした後に発表された。

Appleがポッドキャストアプリを削除

ポッドキャストが中国で普及する中で、独立したコンテンツクリエイターに人気の海外ポッドキャストアプリがAppleのApp Storeから削除された。2019年6月頃に、Appleポッドキャストプラットフォームで中国語のポッドキャストを対象に実施された取り締まりを反映している。

投資家のお気に入りアプリが復活

アプリの削除といえば、今週、中国の多くのベンチャーキャピタリストやプロダクトマネジャーがJike (即刻)の復活を祝った。中国のテック関係者の間で愛用者が多いソーシャルメディアのJikeは1年ほど前にアプリストアから姿を消した。はっきりとした理由は示されなかったが、多くの人が検閲によるものと推測している。

JikeはReddit(レディット)とTwitter(ツイッター)を掛け合わせたようなアプリで、ユーザーは関心や話題性に基づいてコンテンツを発見したり、コネクトしたりできる。多くのVCやインターネット企業の従業員がゴシップを交換したり、ホットな話題を共有したりするのに使っている。このアプリの死活は中国で操業しているテック企業が直面している厳しい監視の不確実さを思わせるものだ。

香港上場の動き

中国と米国の政府が論争を繰り広げる中、米国に上場している最大の中国企業の2社が、香港で二次上場した。Tencent(テンセント)に次ぐ世界第2位のゲーム企業NetEase(ネットイーズ)は上場初日、公募価格から6%増の130ドル(約1万3960円)をつけた(South China Morning Post記事)。Alibabaの最大のライバルであるJD.comは公募価格を1株あたり226ドル(約2万4270円)にしたようだ。

半導体メーカーEswinが2.8億ドル(約305億円)を調達

中国の大手ディスプレイテック企業BOE Technologyのトップが創業した半導体企業Eswin(エスウィン)は、中国政府がチップ国内生産を推奨する中、かなりの額の資金を調達した。

画像クレジット:Chesnot / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

傘シェアのアイカサが阪神電鉄駅構内など関西計90カ所でサービス開始、大阪ガスと0円キャンペーンも

Nature Innovation Groupは6月15日、神戸市と阪神電気鉄道の協力のもと、シェアリングエコノミーを活用した街づくり推進の一環として、傘のシェアリングサービス「アイカサ」を阪神電鉄駅構内や神戸市の施設など計90カ所で展開すると発表した。

阪神電車では、大阪・梅田と神戸・元町を結ぶ阪神本線の、春日野道、石屋川、住吉、打出、香櫨園の6駅を除く33駅中27駅。元町より西の乗り入れ路線である神戸高速鉄道では、西代を除く、西元町、高速神戸、新開地、大開、高速長田の6駅中5駅。阪神なんば線では、大阪難波、伝法、福を除く11駅中9駅にそれぞれ設置される。尼崎と大物は本線となんば線が乗り入れているため、合計すると39駅49カ所でアイカサが使えるようになる。

神戸市営地下鉄では、山手線・三宮、海外線・和田岬の2カ所に展開。神戸市が出資する第三セクターの神戸新交通が運営する、神戸・三宮と人工島のポートアイランドを結ぶポートライナーでは、三宮、みなとじま、医療センターに設置される。同じく神戸新交通が運営する、JR住吉駅ともう1つの人工島である六甲アイランドを結ぶ六甲ライナーについても、住吉、魚崎、アイランドセンター駅で利用できる。

また関西初の展開を記念して、「利用料0円キャンペーン」を7月31日まで実施する。関西では、大阪・京都・奈良エリアの展開も今後予定しており「傘のいらない関西」を目指しているという。

アイカサ

アイカサは、2018年12月に開始した傘シェアリングサービス。突発的な雨でもビニール傘を購入せずに傘スポット(アイカサ傘立て)から傘を借りて利用し、雨が止んだ際には最寄り傘スポットに返却できる。東京においては、西武鉄道(新宿線全駅、池袋線飯能まで)、渋谷や上野などの都内全域に展開済みとなっている。東京都と福岡市を合わせて、スポット数約500カ所(2020年6月15日現在)に達している。

今回の展開は、「(アイカサ活用の)実証事業から得られるデータを活かした街づくり・地域課題の解決」「市民のエコアクション促進(環境アプリとの連携)」といった目的を掲げ、複数テーマのサービス運用と効果検証を行うというもの。テーマの内容は、「まちの利便性・快適性向上による地域経済・沿線活性化」「市内学生の起業・経営マインド育成」「市内福祉作業所の参画機会提供」など。

アイカサ

また、大阪ガス協賛によりアイカサ利用料金「0円キャンペーン」を実施。破棄されるビニール傘の数を減らす取り組みに大阪ガスが賛同し、コラボキャンペーンが実現した。キャンペーン期間は7月31日まで。対象エリアはすべての関西設置エリア。通常24時間あたり70円のところ、何度レンタルしても無料(0円)で利用可能になる。

アイカサ

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テスラが米国産Model 3にもワイヤレス充電とUSB-Cポートが標準装備に

Tesla(テスラ)のカリフォルニア州フリーモントで生産されるModel 3にワイヤレス充電パッドとUSB-Cポートが標準装備されるようになるようだ。このアップグレードは最初にテスラ専門メディアのDrive Tesla Canadaが取り上げた。自動車専門メディアのElectrekもこの変更を報じた。

今回のアップグレードにより、テスラの中国工場で生産されるものと同じModel 3になる。ワイヤレスのスマホチャージャーとUSB-Cポートは3月から納車が始まった新Model Yにまず搭載された。 以来、この新機能を古いModel 3にも持ってくる取り組みを展開し、最初に中国工場で組み立てられたModel 3に登場した。Drive Tesla Canadaによると、6月4日以降に組み立てられたModel 3で標準装備となった。

Teslaはまだ、2020年6月4日以前のModel 3のオーナーには125ドル(約1万3000円)で新機能搭載を提供している。アフターマーケット企業のJeda ProductsもQiワイヤレスチャージャーを99ドル(約1万1000円)で販売している。

アップグレードはおそらく、組立をより効率的にすること、それから新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで販売がスローダウンしているために、潜在顧客を引きつけられる車両にするのが狙いだろう。

Teslaは今年第1四半期にアナリストの予想を上回る8万8400台を販売した。それでも、新型コロナパンデミックにより需要が抑制され、またロジスティック面で問題が生じるなどしたために前四半期比21%減だった。同社は第1四半期に前四半期比2%減の10万3000台を生産(テスラのプレスリリース)した。

3月31日までの第1四半期には、新型コロナで中国と欧州のサプライチェーンや販売に混乱が生じた。期末に向かうにつれ、パンデミックによる経済への影響は米国に波及し、第2四半期はひどいものになっている。同社は通常、四半期末から数日して生産台数と販売台数を発表する。第2四半期は6月30日までだ。

画像クレジット: Tesla

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(翻訳:Mizoguchi

ザッカーバーグ氏とチャン氏が科学者からの人種差別的な暴言への懸念に関する書簡に儀礼的な返事をする

Mark Zuckberg(マーク・ザッカーバーグ)氏とPriscilla Chan(プリシラ・チャン)氏が、Chan Zuckberberg Initiative(CZI)が投資しているプロジェクトで働く140名あまりの科学者たちから先週彼らに送られた公開書簡への返事をした。元の書簡を本記事の下部に埋め込んだが、それは特定の人びとの集団を対象とする誤った情報や、有害で攻撃的で差別的な言葉に対するFacebook(フェイスブック)の管理方法に対する懸念を表明している。特にDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領の攻撃的で、人種差別的で危険な暴言に対するフェイスブックの対応を問題にしている。

チャン氏とザッカーバーグ氏の返事は、懸念を表明したことに対して科学者たちに感謝し、特に両氏は「個人的にはトランプ大統領の、分断を煽るような発言にひどくショックを受け嫌悪感を抱いている」と述べており、CZIとフェイスブックはまったく異なる存在だが、当然ながら共通のリーダーはザッカーバーグ氏である、と認めている。

書簡はさらに、フェイスブックの立場を説明するために最近ポストされたブログ記事やそのほかのリソースにも言及している。そしてまた、同社プロダクトの人種問題や社会正義との関わり方に関して、今後も既存のポリシーの見直しを行う、ともいう。

CZIのトップからの返事では、フェイスブックのポリシーとは無縁だというが、しかしながら彼らの個人的見解としては人種間の不平等や不公平への対策をより積極的に行うべきである、ともいっている。

マーク・ザッカーバーグ氏とプリシラ・チャン氏が誤報対策を求める270名余の科学者に応答した。彼とチャン氏は「トランプ大統領の分断を煽るレトリックに深くショックを受け嫌悪感を抱いた」そうだ。

しかしながら、結局のところチャン氏とザッカーバーグ氏の書簡には実体がほとんどない。そこではただ、最初に懸念を表明した科学者たちからの書簡の核心にある問題が、改めて強調されているだけだ。同一の個人がトップだがCZIとフェイスブックは異なる存在なので指導原理も異なるといった言い逃れをしており、肝心の科学者たちの主たる訴えに対峙していない。科学者たちの書簡が求めているのはいうまでもなく、CZIの今後の変化ではなく、社会的影響力が大きいフェイスブックのトップであるザッカーバーグ氏の今後の態度の変化だ。

CZIとフェイスブックの間には、これからもこのようなちぐはぐが続くのだろう。両社は確かに、相対的な位置づけも関係者の顔ぶれも異なる。そのため今回のような返事も、CZIの研究者や学者たちの長期的な懸念を鎮めることにはならないだろう。

以下は科学者たちの書簡の全文となる。

画像クレジット:Florian Gaertner

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

今週の記事ランキング(2020.6.7〜6.11)

みなさんはどんな金曜日をお過ごしだろうか。金曜日に毎週お伝えしているTechCrunch Japanのウィークリーランキング。今週もTechCrunch Japanで最もよく読まれた記事を紹介しよう。

今週のランキング1位は、ホンダが北米で展開する高級車ブランド「Acura(アキュラ)」のレビュー記事だった。クルマのレビュー記事はさまざまなメディアで読めるけれど、Acuraに標準装備されているスマホホルダーに焦点をあてるという、ちょっと珍しい記事になっている。ぜひ読んでいただきたい。

2位も同じくレビュー記事。同記事ではLenovoが展開する老舗PCブランドのThinkPad X1 Carbonをレビューしている。3位はTechCrunch Japanでも過去に紹介してきたAIベンチャー、エルピクセルの元取締役が約33.5億円を横領した疑いで逮捕されたという衝撃的なニュースだった。

それではまた来週!

アップルが人種間の公平と正義のためのイニシアチブを創出して1億ドルを拠出

Apple(アップル)は米国時間6月11日、新たにRacial Equity and Justice Initiative(人種間の公平と正義のためのイニシアチブ)の創出と、1億ドル(約106億8400万円)の拠出を発表した。

画像クレジット:Denise Taylor/Getty Images

このイニシアチブを先導するのは、アップルの環境、政策、社会的イニシアチブ担当副社長のLisa Jackson(リサ・ジャクソン)氏だ。ジャクソン氏は、これまでのアップルでの在任期間中にも、同社のサプライチェーンの環境持続可能性を向上させるなど、数々の目覚ましい成果を上げてきた。

「私たちは人類の歴史の中の重要な分岐点に立っています。これまではあまりにも遅い動きだったものが、突如して飛躍的な前進を遂げる準備が整ったように感じられるような瞬間です」と、アップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は、Twitterによる声明の中で語っている。「物事は変化する必要があります。アップルはその変化の原動力となることを誓います」。

クック氏によれば、アップルは1億ドルを出資して、教育、経済的平等、刑事司法の改革に取り組むこのイニシアチブを財政的に支えるという。まずは米国で始めて、世界的にも展開するつもりだ。

また同社は歴史的に、黒人のカレッジや大学、コミュニティカレッジ、科学、技術、工学、数学教育など、特に正当な扱いを受けてこなかったような、黒人を中心とするコミュニティに協力してきた経緯があるが、そうした既存の関係を大切にするつもりだとしている。

アップルが新たに築いた協力関係として、アラバマ州のモンゴメリーを拠点とするEqual Justice Initiativeとも協働するつもりだとクック氏は語った。このイニシアチブは、刑事司法の改革と人種による不公平の解消に取り組んでいるNPOだ。

同社はまたWWDCに先立ち、有望な起業家のために、デベロッパーと起業家のキャンプを開催するという。

最後にクック氏は、アップルは黒人がオーナーとなっているビジネスパートナーに対する支出を増やす努力をし、取引先のすべての企業に対する責任分担を増やすよう取り組むことを約束すると述べた。

クック氏によれば、アップルのイニシアチブは、代表として動くこと、多様性を受け入れること、説明責任を果たすことに注力するという。

その一環として、こうした変化に対する最終的な責任は、会社のリーダーシップが引き受けるとクック氏は言う。それによって、すでに不当な責任を負わされているような社員や協力会社に要求したり、仕事を押し付けたりすることのないようにするのだという。「変化に対する責任が、不公平に扱われている人々にかかるようなことがあってはなりません」とクック氏は強調した。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)