英国チャレンジャーバンクのMonzoが最大120名を解雇へ、「経済状況」は未だに困難

英国のチャレンジャーバンク(新興のインターネットバンク)であるMonzo(モンゾ)は、新型コロナウイルス危機による経済低迷を受け、苦しい決断を迫られ続けている。

ラスベガスのカスタマーサポート部門の閉鎖(未訳記事)と、英国内で300名のスタッフを在宅待機としたのに続き、同社は最大120名の英国スタッフが余剰人員となることを社内で発表(Reuters記事)。筆者も独自の情報筋を通じて確認した。

6月3日午後に新CEOであるTS Anil(TS・アニル)氏とMonzoの共同創業者でプレジデントのTom Blomfield(トム・ブロムフィールド)氏が開催した全社会議のあとにアニル氏が書いた社内メモによると「同社は最大120名の余剰人員が発生する。会社は自宅待機と賃金カットがすでに行われたことでそれ以上の解雇は回避できる可能性がある(未訳記事)」と語っていた。それはもはやありえないことのようで、アニル氏は現在の経済状況がすぐに平常状態に戻ることはないと説明している。

私の理解によれば、英国雇用法により、影響を受ける可能性のある社員には十分な相談期間が適用される。さらに同氏は社員に対して、これまでの貢献を認め、解雇によって株式の受給に影響がないように配慮することも伝えた。

解雇予定の発表は、最近続いているMonzoの混乱に続くものだ。他の多くのフィンテック企業と同様、新型コロナによる経済低迷から身を守るべく手を打ってきた。

去る4月に私は、Monzoがラスベガスのカスタマーサポート部門を閉鎖し、 165名の米国スタッフが職を失う(未訳記事)ことを報じた。そのわずか数週間前にも、英国のコロナウイルス雇用維持スキームによって、最大295名の社員を自宅待機にしたこと(未訳記事)をTechCrunchで報じた。さらに、経営チームと取締役会は、25%の自発的減給を行い、プロムフィールド氏は、今後1年間報酬を受け取らないことを決めた。

ほかの銀行やフィンテックと同じく、Monzoは顧客のカード利用が国内も(もちろん)国外も低迷し、交換手数料による売上は著しく減少した。同社は数少ない収益源のひとつである消費者向けプレミアム有料口座の導入も延期した。ほかの収入源はもちろん融資だ。

そして先週、Monzoは7000万~8000万ポンド(約95億6300万〜10億9300万円)の追加資金調達を完了し新型コロナ危機下の延命を図った(Sifted記事)ことが報じられた。しかし、新規投資家や一部の既存投資家の対応は強硬で、同社は前回昨年6月のラウンドで20億ポンド(約2730億円)だった会社評価額を40%減額されることを受け入れざるを得ず、新たな評価額は12.5億ポンドとなった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple Cardが米薬局大手Walgreensと提携し50ドルの新規登録ボーナスを提供

Apple(アップル)の特典付きクレジットカードのApple Cardは、初めての新規登録ボーナスを米国の薬局チェーンであるWalgreens(ウォルグリーンズ)との提携で実施する。6月1日にアップルとWalgreensは、Apple Cardを作成・入手後30日以内にWalgreensで50ドル以上買い物をした人に、Apple CardのキャッシュバックであるDaily Cash 50ドルぶんを付与する新サービスを導入した。

期間限定特典の詳しい内容はは、アップルのウェブサイトに記載されているほか、WalgreensのiOSアプリの「Weekly Ad & Coupons」ページの下にも表示される。特典付き新規登録の締切は2020年6月30日。

Walgreensはすでにアップルと密な関係をもっており、昨秋にはApple Cardを使った買い物に3%のDaily Cashを付加する提携企業に、小売業としてはUberに続いて加わった。現在、Walgreens(傘下の薬局・コンビニエンスストアチェーンのDuane Readeを含む)、Uber(Uber Eats)、T-Mobile、Nike、およびアップルは3% Daily Cashプログラムを展開している。それ以外のApple Cardによる購入でも2%または1%のキャッシュバックがあり、前者はApple Payを使った場合、後者はApple Payが使用できない店舗に適用される。

貯まったDaily Cashは、Apple Payの支払い時に利用できるほか、iMessageで家族や友達に送ったり、Apple Cardの請求残高から差し引いたりすることもできる。

WalgreensとDuane Read(デュエイン・リード)の店舗でApple Payを使った場合に3%のキャッシュバックが受けられるのに加えて、今から7月31日までの期間は、Walgreensドライブスルーで(Apple Payではなくチタン製の)Apple Cardを使って支払った場合にも3%がキャッシュバックされる。

昨今の特典付きクレジットカードのほとんどが、サインアップ時のボーナスを付与している。一部の年会費無料のクレジットカードもそうだ。「しかし、これまでApple Cardはその手のサインアップボーナスを顧客に提供していなかった」と、クレジットカードレビューサイトのCreditCard.comが今回の特典のレビュー記事(CreditCard.com記事)に書いている。例えば、米国でアメリカンエキスプレスが提供しているBlue Cash Everybody Cardや、Capital Oneが提供しているQuicksilver Cash Rewards Credit Cardは、条件に該当すれば150ドルが請求残高から差し引かれる。

「このサインアップボーナスはApple Cardにとっては初めてだが、時代の趨勢であることは間違いない」とNerdWalletのクレジットカード専門家であるSara Rathner(サラ・ラスナー)氏は言う。「消費傾向がわずか3カ月とも劇的に変わる今、クレジットカード業界全体が顧客の勧誘、維持のために変革を起こしている。Walgreensで買い物することに対して50ドルの特典を与えることは、消費者がこの種の特典にどの程度反応するかをApple Cardが試すひとつの手段なのかもしれない。

ただし、Apple Cardにはほかにも消費者にアピールする特典がある。カードに手数料は一切かからず、発行元のGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)はユーザーのデータを第三者に売ったり渡したりしないと約束している。クレジットカードを使う特典も欲しいが、プライバシーも守りたいという消費者にとって、Apple Cardがトップクラスの人気なのはこのためだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

マイクロ&ロボ投資のAcornsが人員削減とオフィス縮小へ、かつてない成長の裏で何があった?

TechCrunchは複数の情報源から、何百万もの人々に「お釣り」を株式市場で運用する手段を提供するAcorns(エイコーンズ)が50〜70人を解雇したとの情報を入手した。

カリフォルニア州アーバインに本拠を置く同社は解雇人数を明らかにしていないが、事業環境が大きく変化したために削減に至ったことは認めた。

このニュースは、Acornsが米国5月24日の週の初め、同社の4拠点のうちポートランドオフィスを閉鎖した数日後に飛び込んできた(Business Journals記事)。ポートランドの従業員に対しアーバイン本社に移転する機会を提供したものの、移転の一環で消えたポジションもあったと同社は明かした。

解雇された従業員は主にAcornsのサポートチームのメンバーだ。内部人員の削減はTaskUsとの提携と関係がある。TaskUsは顧客対応の受託などにより企業のビジネスニーズをサポートする。Acornsは来年、約80のポジションをTaskUsへの外注で補う予定で、それによりサポートチームはむしろ拡大する。

社内のAcornsサポートチームは電話による顧客対応に従事し、外注チームはメールサポートを行う。Acornsは、サポートチームの他にも社内のさまざまなチームで数名削減した。

新型コロナウイルスが新しいユーザーを投資と貯蓄の世界に引き込み、Acornsはかつてない成長を遂げた(未訳記事)。同社は最近、登録者700万人を達成し、底を打った市場からトレーディングアプリが恩恵を受ける傾向が続いている。

同時にAcornsは、ビジネス向けプロダクトとしても成り立つようユーザーの支出を対象とするデビットカードも発行した。決済はいま取り組むには危険な領域だ。なぜなら外出禁止令のため消費者の支出が急減しているからだ。現時点では、同社の弱点になる可能性がある。5月29日には、Brexが62名のスタッフを解雇した。ベンチャーキャピタルから1億5000万ドル(約160億円)を調達した1週間後だ。

巨大な成長機会に直面しているAcornsのような企業が解雇する必要があるのはなぜか。いま調子が良くても、パンデミックと長期不況の恐れが、企業に資金の使い道を再考するよう強いている。Acornsの場合、来年は現在よりも従業員数が増えているだろう。だが、少し深く掘り下げて、仕事を外注しオフィスを閉鎖するという選択が意味するのは、成長するためにはスリム化が必要だということだ。

Acornsの投資家には、PayPal、DST Global、楽天、Greycroft、Bain Capitalが名を連ねる。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

PayPayがオンライン診断のオンライン決済に対応、調剤薬局の服薬指導にも使える

コード決済サービスを提供するPayPayは6月1日、ビデオ通話を利用したオンライン診療や服薬指導に対する支払いをPayPayで決済できるようになったことを明らかにした。

オンライン診療はこれまで一部の診療科目の再診でしか認められていなかったが、新型コロナウイルスの蔓延に伴う感染防止の観点から、厚生労働省が特例的に初診でのオンライン診断を認めている。現在は特例とはいえ、将来的には一般化する確率が高いだろう。

具体的には、PayPay加盟店の医療機関や調剤薬局は、ビデオ通話を通じて診察や服薬指導を行ったあと、画面越しに患者に向けてオンライン診療専用のPayPayのQRコードを提示することで、その場で決済可能になる。

年商10億円未満の医療機関や調剤薬局は、オンライン決済システムの導入の開発費や初期費用がかからず、決済システム利用料も2021年9月まで無料で利用できる(2020年4月1日以降新たに加盟店になる年商10億円以上の法人の場合は有料)。患者側が注意したいのは、決済できるのはPayPay残高のみで、PayPay経由のクレジットカード払いには対応していない点。

同社では現在、既存加盟店向けにオンライン診療用QRコード決済の利用申し込みページを設けているほか、PayPayを導入していない医療機関や調剤薬局に向けて新規加盟店申し込みページも用意している。

なお、PayPayでは一部の医療機関で対面診察の支払いに対応しているが、現金決済以外の手段を用意していない医療機関はまだまだ多く、キャッシュレス化はあまり進んでいない。個人経営の医院やクリニックなどはクレジットカードの高い手数料を嫌って現金オンリーにしているところも多く、高齢者や子供連れの母親が診療費を現金で持ち歩く必要があるのは防犯上も好ましくない。入院費などは数万円から数十万円と高額になることも多いのだ。

PayPayには今回のオンラインの診療や服薬指導のオンライン決済はもちろん、手数料無料期間の延長などの施策を駆使して中小医療機関へのPayPayの導入と積極的に進め、キャッシュレス化を劇的に進めてほしいところだ。

死亡時に自動で遺族に情報共有する個人向け資産管理サービス「Kubera」

連続起業家のRohit Nadhani(ロヒト・ナダーニ)氏は、2018年にメールアプリのNewton MailをEssentialに売却した。人気抜群のそのアプリはこれまで何度も、サービス終了を免れている。そんなナダーニ氏は米国時間5月25日に、新しいスタートアップKuberaを立ち上げた。このサービスは財産や投資、暗号通貨、負債、保険や自分が死んだ際に大切な人に転送しなければならない重要な書類などを、スプレッドシートに記録して管理する方法からユーザーを解放することを目的にしている。

Kuberaは、創業者が体験したおそろしい事故がヒントになった。「Kubera(クベーラ)」とは、インドの神話に登場する「富の神」だ。ナダーニ氏はコスタリカの海で泳いでいるときに離岸流にさらわれ、救出された。自宅に戻った彼が最初にやったことは、自分のすべての資産をリストアップして妻に遺せるようにしたことだった。

しかしその作業は相当面倒で、不動産や株式や国債社債などの債券、年金口座、保険など、ありふれたものだけが資産ではなかった。

リストに載せるべきものとして、暗号通貨や蒐集品、貴金属、海外非上場企業への投資、登録商標、その他のデジタル資産そして家族や友だちのために借りた負債などがある。

さらに彼は、単純なスプレッドシートにはできない機能が欲しかった。まず、IntuitのMintのように資産価値を自動的にアップデートする機能だ。それに報告機能も欲しい。もっと重要なのは、本当に必要な場合以外は、彼の個人資産データを誰もシェアできないことだ。

このナダーニ氏の要求を満たす既存のソリューションは存在せず、どれも古臭い技術を使っており、彼やユーザーが望む機能を欠いていた。ユーザーのデータを使って予算管理や投資の推奨をする既存製品すらあった。それまでスプレッドシートを使っていた数名の友だちからのフィードバックも参考にして、彼は自らのソリューションをKuberaに実装した。

彼が声をかけた共同創業者のうち、Manoj Marathayil(マノジ・マラサイユ)氏はナダーニ氏が以前立ち上げた企業であるCloudMagic(Newton)とWebyogの創立エンジニアで、Webyogは2018年にIDERAにエグジットした。他にもCloudMagicでNewton Mailの設計のトップだったUmesh Gopinath(ウメシュ・ゴピナート)氏も加わった。

Kuberaは、通常の資産と特殊な資産の両方を管理できるカスタマイズ可能なソリューションとして、5月25日にローンチする。

サービスを利用するためには、まず自分の資産をシンプルな表にまとめ、それらの費用(原価)や価値、関連ドキュメントなどを登録する。表の値を更新は手作業で行うか、オンラインでアカウントに接続して自動的にアカウントを更新することもできる。

サービスはPlaidやYodleeのような、信頼されている財務データ集積サービスを利用してインターネットに接続するため、自分の財務データへのアクセスも「リードオンリー」だ。Kuberaがユーザーに代わってトランザクションをすることはできない。これによりKuberaのサービスは、世界中の1万以上の銀行へのアクセスをサポートする。

またこのサービスは、暗号化アルゴリズムのオープンソースのスタンダードであるAES256でユーザーデータを暗号化し、すべてのウェブページがHTTPSを必要とし、またHSTSを使ってブラウザは安全な接続だけにアクセスするようにする。Google Sign-inのニ段階認証をサポートするが、近くその他の二段階認証にも対応する。

ビジネスモデルはサブスクリプションだけなので、サードパーティや広告主とのデータの共有に依存しない。資産価値の自動アップデート機能がないベーシックなサービスは無料だが、自動アップデートが必要なら月額10ドル(約1080円)となる。

最初の入力が済んだら、Kuberaは定期的にユーザーにチェックインと資産価値のアップデートを勧める。この「生存確認」により、最初に指定した一定間隔でユーザー本人のアクセスがあるかをチェックする。

そしてKuberaからの確認に応答がないと、メールやテキストメッセージで受取人に通知が届く。そしてユーザーが提供したすべての情報を、ダウンロードできる形式で受取人にメールする。何度通知しても受取人の応答がなければ、Kuberaは非常時連絡先、ユーザーに「信頼されている天使(Trusted Angel)」に連絡する。

Kuberaには、MintやYNABのようなオンラインの予算管理ツールと競合する部分もあるが、しかしそれらは資産管理にまで踏み込んでいないため目的が異なっている。またPersonal Capitalのようなファイナンシャルアドバイザーやウェルスマネジメントとも競合するが、Kuberaはファイナンシャルアドバイザーなどの有料サービスを紹介したり、投資のアドバイスはしない。

今後Kuberaが、相続や遺言、信託などの分野を扱ったり、それら方面のサービスをパートナーとすることもありえるが、現在のところはユーザー本人の現存する遺志や預託だけが対象だ。

まだ自己資金だけの同社は、100日間の無料トライアルを提供している。正規の登録ユーザーになる前に、資産の整理を試してみるのも良いかもしれない。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

個人会計管理アプリのCopilotがApple Cardの取引明細のインポートに対応

2020年1月にApple(アップル)がApple Cardの取引明細をスプレッドシートにエクスポートする機能を発表したことを受けて、TechCrunchライターのMatthew(マシュー)は個人会計管理アプリのCopilot(コパイロット)に対し、この機能に対応する計画があるかどうかを問い合わせた。そのときの答えの要点は「現在はまだだが、近いうちに」だった。そして今週、Copilotの対応が正式に発表された。

Copilotは、ユーザーがApple CardからのCSVのスプレッドシートを同社のアプリにインポートできるようになったと発表した。インポートした後は、アプリが取引を交通費、サブクスリプションサービス、買い物、外食などの項目に分類する。

支出を手動で管理しているユーザーは情報を1カ所にまとめることができ、アプリはリストから重複する項目を削除する。そこから、Apple Cardの時系列の収支や利用率が作成される。

支出のような面倒なことから不一致を可能な限り取り除くのは、Copilotのようなアプリにとっては重要なポイントだ。アップルとの統合は、請求を1カ所にまとめて便利に管理するための、ばかばかしいほど簡単な方法であると思われる。Copilotの最大のライバルであるMint(ミント)はすでにスプレッドシートのインポートに対応しているし、Clarity Money、YNAB、Lunch Moneyなども同様だ。

残念ながら現時点ではスプレッドシートのインポートを自動化する方法はなく、手動で毎回実行する必要がある。Copilot創業者のAndres Ugarte(アンドレス・ウガルテ)氏は、プロセスの完全な自動化に取り組んでいると述べた。

ウガルテ氏は次のように語っている。「Apple Cardのサポートは、我々のサービス開始以来、ユーザーからの要望が最も多かったものだ。今回の統合では、インポート時にCopilotがシームレスにApple Cardのデータをユーザーの他の取引と統合できるようにするために、大規模なバックエンドの開発が必要だった。我々は手を抜かず、Apple Cardの取引でもCopilotが他の金融機関に対して利用しているのと同じアルゴリズムで分類や分析ができるようにしようと考えた」。

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(翻訳:Kaori Koyama)

米国の著名投資家がコロナ禍の中小企業サポートでフィンテック革命の重要性を説く

おそらく最も成功しているプライベートエクイティのテック投資会社であるVista Equity Partners(ビスタ・エクイティ・パートナーズ)のトップが、珍しくMeet The Pressに登場した。マイノリティの人が経営する事業が、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大による経済崩壊から復活するのをサポートするために国がとるべきステップを議論するためだ。

Robert F. Smith(ロバート・F・スミス)氏は世界で最も裕福なプライベートエクイティ投資家であり、博愛主義者として知られ、米国で最も裕福なアフリカ系米国人だ。インドの通信テックデベロッパーであるJio Platformsへの15億ドル(約1600億円)もの投資を発表してから数日後、スミス氏の注意は米国へと、そして新型コロナウイルスの感染拡大がマイノリティの人々の健康を脅かすにつれ、マイノリティの人々の事業や金融機関を崩壊させている経済危機へと向けられた。

スミス氏は新型コロナウイルスを「一連の伝染病の中でも稀に見るパンデミック」と指摘し、「次の刺激策は従来の金融機関のサービスを受けられていない零細事業者をサポートする必要があり、それには新たな金融テクノロジーソフトウェアやサービスが役立つ」と述べた。

「最初に、そして最も大きな影響を受け、おそらくサポートソリューションを持ってしても回復までに最も時間がかかるコミュニティが再び成長できるようにするために、真に長続きするスケーラブルなソリューションを展開できるよう米国人が引き続き結集する必要がある」とスミス氏はNBCのChuck Todd(チャック・トッド)氏に述べた。

スミス氏はコミュニティ開発金融機関への現金の注入、それから透明性の確保と大きな金融機関のサービスが受けられない都市の農村部コミュニティでのオペレーションを促進する新たなテクノロジーツールを求めた。

米国の経済刺激策では、財務省の4兆ドル(約430兆円)の資金提供と、さまざまな業界への20億ドル(約2160億円)の現金支払いを通じて、第一ラウンドとして6兆ドル(約646兆円)が注入された。

LendioのCEOを務めるBrock Blake(ブロック・ブレーク)氏がForbes(フォーブス)に寄稿したPayroll Protection Program(PPP、新型コロナで影響を受けている事業者が雇用を維持するためのプログラム)の検証によると、そうした初期のローンの平均サイズはわずか24万ドル(約2600万円)以下だった。

PPPの欠点についてブレーク氏の評価は、スミス氏のPPPプログラム批判を表すものだ。「小規模コミュニティの多くが大きな金融機関にサポートされていない」とスミス氏は述べた。その代わり、小規模コミュニティの人々はコミュニティ開発金融機関に頼っているが、それらの機関の多くが米国中小企業庁に承認されておらず、そのためにPPP資金を分配したり顧客にローンを提供したりすることができない。

「我々は今こそ、こうした中小企業におけるビジネスインフラに再投資しなければならない。我々がさらに強くなってこの状況から立ち上がることができるよう、銀行業務のインフラにだ」とスミス氏は述べた。「こうした『毛管銀行業務システム』がより効率的になるよう、そして銀行に相手にされていない中小企業にサービスを提供するために資金にアクセスできるよう、テクノロジーとソフトウェアに投資しなければならない」。

多くの場合、これは2008年の景気後退後にマイノリティ・コミュニティの間で出現し始めたばかりの零細事業をサポートするために、完全に新しい金融インフラを構築することになる。

「ローンの平均サイズを2万5000〜1万5000ドル(約270〜160万円)にする必要がある」とスミス氏は話した。実現するためには、コミュニティ・バンクと開発金融機関は顧客の信用度を査定する能力を向上させ、どのように資本を配分してローンを組むかこれまでとは異なった考え方をし、そして新たなフィンテックソリューションにアクセスできるようになる必要がある。

いくつかの点においては、PPP経済刺激策が金融機関システムを通じて導入され、銀行がローンを提供し始めた後にフィンテックの幹部たちが上げていた声をスミス氏は反映させている。

「資本を零細事業者に分配するインフラへの再投資、零細事業者への直接的な再投資、大きく育つ機会があることを零細事業者が認識できるようテクノロジーと能力の提供にかなりの資金を注ぎ込まなければ、失態となる。バンキング砂漠だった昔に戻るようなところは見たくない」とスミス氏は話した。

Vista Equity Partnersの最高責任者であるスミス氏はポートフォリオにある企業にソリューションを示すよう課した。週刊投資金融情報専門紙のBarron’sが先週報道したように、スミス氏はVista EquityのポートフォリオにあるFinastraに、サービスを受けられていないコミュニティの零細事業者のためのPPPローン小規模貸しの手続きをサポートするテクノロジーを開発するよう依頼した。

「プロセスにおいて、銀行を利用できない事業者がいかに脆弱なコミュニティであるか明らかになった。零細事業者がPPP以降も中小企業庁と長期的な関係を構築できるよう、金融業務における永続的なインフラの構築サポートに真っ先に取り組むべきと考えた」とスミス氏はBarron’sに語った。

先週時点で、ロンドン拠点のFinastraが米国の小規模貸し手のために開発したソフトウェアを使って800もの貸し手が7万5000件のローンを処理した。これらのローンはフィンテック企業に220万ドル(約2億4000万円)の手数料をもたらした。そしてFinastraも零細企業向け貸し出し促進の見返りを受けた。Vista Equityの広報担当によると「同社とスミス氏はそれと同じ額を地域のフードバンクに寄付している」とBarron’sは報じた。

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(翻訳:Mizoguchi

PayPayがネット通販で最大1000%還元を6月開催、1万円購入で10万円相当が当たるかも

コード決済サービスを提供しているPayPayは5月8日、オンラインの対象加盟店でPayPayで決済すると、決済金額の最大10倍(1000%)のPayPayボーナスを付与する「ペイペイジャンボ(オンライン)」キャペーンを6月から開始することを明らかにした。期間中の付与上限は10万円相当。1等が購入金額の10倍にあたる1000%還元、2等が購入金額相当がそのまま戻ってくる100%還元となる。当たりの数は1等が1500本、2等が1万5000本。

なお抽選に外れても、オンラインの対象加盟店でPayPay決済すればPayPayボーナスの10%還元が受けられる「6月はオンラインがお得!最大10%戻ってくるキャンペーン」も同時開催する。こちらの期間中の付与上限は5000円相当。両キャンペーンともPayPay残高以外での決済はキャンペーンの対象となるので注意しよう。

対象店舗などの詳細はキャンペーンページで後日告知するとしている。

ジャパンネット銀行が新型コロナ対策で2カ月間利息なしのビジネスローンを発表、ヤフーグループ加盟店を支援

ネット専業銀行であるジャパンネット銀行は4月28日、ビジネスローンの新規契約者を対象に、 契約月から2カ月後の月末までを無利息期間とするキャンペーンを開始した。利息ぶんを該当の普通預金口にキャッシュバックすることで実質利息なしになる。

ジャパンネット銀行はヤフーの連携子会社。そのヤフーの親会社であるZホールディングスは、同社の子会社および関連会社が提供する、Yahoo!ショッピング、ヤフオク!、PayPayの加盟店などに向けて本キャンペーンを案内・事業支援していくとのこと。もちろん、加盟店以外の事業者も同キャンペーンを利用できる。

なお、すでにヤフー出店者専用、freee会員専用、USS会員専用などの提携ローンを組んでいる事業者はキャンペーン対象外だが、このビジネスローンを新規に申し込んでキャッシュバックを受けることは可能だ。

同行のビジネスローンは24時間ネットから審査申込が可能で、審査後に通過すれば利用限度額の範囲内で何度でも繰り返し借り入れできる。新型コロナウイルスの蔓延で資金繰りが厳しい事業者にとっては利便性が高い。

ビジネスローンの概要は以下のとおり。

  • ビジネスローン(法人向け・個人事業主向け)
  • 申込期間:2020年6月30日まで
  • 契約期限:2020年7月31日
  • 対象者:申込期間中にビジネスローン(法人向け・個人事業主向け)を新規で申し込み、契約期限までに契約が成立した事業者

なお、以下の条件に当てはまる場合はキャッシュバックの対象外となるので注意したい。

  • 無利息期間中に一度でも延滞があった場合
  • キャッシュバック時にビジネスローンを解約した場合
  • 不正利用、 利用規約違反など総合的判断により対象外と判断した場合

店頭での非接触弁当受け渡しを実現する「O:der Locker」が誕生、東京都の助成金も活用できる

Showcase Gigは4月27日、店頭での完全非接触型注文パッケージ「O:der Locker」(オーダー・ロッカー)の開発を発表した。O:der Lockerは、同社が提供中のモバイルオーダーサービス「O:der」と連動するピックアップロッカーで、飲食店の店頭に設置することで、モバイルオーダーで事前注文・決済された商品を完全に非接触で受け渡し可能になる。なお、ロッカー内の照明は殺菌効果のある紫外線(UV)ライトを使用する。

O:der Locker

スマートロッカー自体は、ユーボが開発・提供。同社は、2018年にオートメーションレストラン「beeat sushi burrito Tokyo」をオープンしたほか、大手外食チェーンへのピックアップ専用ロッカーなどを提供している企業だ。

beeat sushi burrito Tokyo

O:der Lockerに加えてShowcase Gigでは、飲食店向けに新型コロナウイルス(COVID-19)関連情報の発信、相談窓口の新設も発表。

同社の飲食店向け新型コロナ対策相談センター(covidbuster@showcase-gig.com)に、名前、連絡先(メール、電話番号など)、店舗名(会社名)、相談事項を問い合わせることができる。そのほか、飲食店向け新型コロナウイルス感染症対策情報の専用ウェブページや、公式Facebookでも情報を発信していくという。

ちなみに東京都では、個人事業主を含む飲食業を営む中小企業者を対象に、テイクアウトや宅配、移動販売を新たに開始する際の初期経費について最大100万円として対象経費の5分の4以内を助成する制度があり、同社の「O:der」システムを導入した場合も、この助成金の対象になるとのことだ。

そのほか、東京・世田谷の世田谷松陰神社の参道沿いに拡がる松陰神社通り商店街に、モバイルオーダープラットフォームであるO:derを導入すること明らかした。4月28日から商店街にある海鮮居酒屋の「マルショウ アリク」、アイラ地方のウイスキーを取り揃える「barオルガ」、コロッケ専門店の「All About My Croquette」で利用可能になる。

新型コロナウイルス 関連アップデート

香港で初めてのネットネイティブのペット保険が誕生、飼い主の安心のため新型コロナも対象

香港の保険テクノロジーのスタートアップOneDegreeが今日(米国時間4/23)、最初のプロダクトをローンチした。それは、Pawfect Careと名付けた一連のペット向け医療プランだ。同社は今後、サイバー保険や人間の医療保険なども出す予定で、すべてが完全にオンラインのそれらが出揃うのは今から12か月後だそうだ。

2016年に創業されたOneDegreeは、昨年シリーズAで3000万ドルを調達した。投資家はBitRock Capital、Cyperport Macro Fund、そしてCathay Venturesなどだ。

共同創業者でCEOのAlvin Kwock氏によると、香港では規制が厳しく保険の免許をもらうのが難しいので、Pawfect Careの立ち上げまでに2年を要した。

香港で初めてインターネットを利用する保険に免許が下りたのは、既存の保険企業Sun LifeのBow TieとAsia InsuranceのAvoの2例だ。香港の保険監督機関は、既存企業のデジタル進出には熱心だ。既存企業とは無縁の独立企業としてネット保険の免許が下りたのは、OneDegreeが初めてである。

OneDegreeは来年、サイバー保険と人間の医療保険を徐々に立ち上げるつもりだ。Kwock氏によるとCOVID-19のパンデミックが「パラダイムシフト」を起こした。人が顔と顔を合わせることが、激減したからだ。保険監督機関も今ではネット保険に免許を出すようになったし、いろんなネット製品の登場を許容している。

同社がペット保険から始めることに決めたのは、ペットの医療は高いにもかかわらず、香港では飼い主の3%しか医療保険に入っていないからだ。OneDegreeでは、顧客が保険証書を買って管理するのも、保険金を請求するのも、モバイルアプリからだ。請求の約90%は支払いが2営業日以内に行われるそうだ。

パンデミックへの対応としてPawfect Careのペット保険はCOVID-19関連の医療費もカバーしている。ただしOneDegreeが強調するのは、ペットを検査してウイルス陽性になった例がきわめて少ないことだ。実際にキャリアが見つかった証拠もない。でもペット保険にそれを入れたのは、飼い主を安心させるためだ。

画像クレジット: OneDegree

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

雇用維持のために誰もが利用可能な金融テクノロジーを

【編集部注】本稿はAnn Marie Mehlum(アン・マリー・メフルム)氏とJavier Saade(ハビエル・サーデ)氏による寄稿記事である。メフルム氏は、Summit Bankなど数社で役員を務める人物。FS Vector上級顧問、Fenway Summer顧問。前職はSBA資金アクセス担当副長官。サーデ氏はFenway Summerベンチャーパートナー、FS Vector上級顧問、Fenway Summer投資顧問を務める人物。前職は、SBA副長官兼投資イノベーション担当部長だ。

我々は以前、米国中小企業庁(SBA)で中小企業向けの資金、投資、ローン、イノベーションに関するプログラムを監督する職に就いていた。米国は3000万社の中小企業を支援している。中小企業による雇用は米国の就労人口の半分以上にのぼり、新規雇用の大半は中小企業が創出している。一方で、中小企業の8割は手元の資金で60日以上の期間を持ちこたえることができない。

今、世界の企業活動と雇用は、未曾有の規模と速さで壊滅的な影響を受けている。米国議会と政府が総額2兆ドル(約215兆円)の経済対策を打ち出したことは称賛できる。このうち3500億ドル(37兆7300億円)が米国の中小企業に注入されている。また、本記事の執筆時点で、さらに2500億ドル(約27兆円)の追加対策案の検討と交渉が進行中である。

政府は金融部門と定期的に話し合いを行ってきたが、中小企業を効果的に救済するには、あらゆる規模の銀行、フィンテック企業、その他のテクノロジー企業、地方銀行、資金のパイプ役となるその他の企業を巻き込んだ救済策が必要である。とにかく資金を企業に確実に届けることが急務であり、そのためにはテクノロジーの活用が必要不可欠だ。

米国時間4月8日、2つの有望な展開があった。1つは、SBAが金融機関の新規参入をより簡単にするために、AWSを利用したゲートウェイシステムを立ち上げたこと、もう1つは、ノンバンクやフィンテック企業への融資申し込みが可能になったことだ。もちろん良い展開だが、環境の変化に対応するように後付けされた対策にはたいてい根本的な制限が付いて回る。

温故知新ということで過去を振り返ってみると、2008年の金融危機は多くの点で、我々が現在直面している危機の「予行演習」だったと思う。両者には類似点がある。しかし、今回のパンデミックでは、実質的に経済のあらゆる部門が同時に大打撃を被っている。このことは、1700万人が失業保険の受給申請を行っていることからも明らかだ。

2008年の金融危機は、金融システムにおける過剰なリスクによって引き起こされたもので、そのショックが経済に及ぼす影響もある程度は予測できた。しかし、今回のパンデミックが経済に与えている外的ショックは、2008年の場合よりも相互関連度が高く、より速くかつ広範に打撃を与えている。

21世紀の問題には21世紀の解決策が必要だ。そのためには、政策から実施までのあらゆる段階でこれまでの考え方を一新する必要がある。米国の経済活動の大部分は中小企業と金融システムの交差部分で行われている。だからこそ、この分野において新しい考え方と実施方法が必要なのである。

ここで指摘しておくべきことが1つある。CARES Act法の実施に制限があるのは、銀行業務に今もなお利用される従来型のテクノロジーが足かせとなっていることが原因だ。各政府機関の時代遅れのシステム(これまでに何度も指摘されている、SBAの旧式で扱いづらいE-Tranシステムなど)もそれに含まれる。

政府機関のシステムはもちろん政府機関自体も、これほど大規模で緊急度が高い事態に対応できるようには作られていない。しかし、金融テクノロジーにはもともと、こうした事態にも対応できるスケーラビリティ、普及率、インフラ、アルゴリズム的機能、資金支給パイプとしての機能が備わっており、今こそそれを発揮すべきときである。以下この点について詳しく説明する。

金融システムは、テクノロジーが採用されるまでのタイムラグ、(現状を維持しようとする)組織的な慣性、規制による制約に大きく左右される。それが、今回の政策の実施に伴う混沌とした状況を生み出す原因となっている。今後検討される可能性がある経済対策の第4弾は、その点を考慮に入れて策定すべきである。中小企業に追加資金を注入するのは良い決断だが、その実施プロセスは改善する必要がある。

規制当局と各政府機関には、米国の中小企業が今回の危機によって受ける被害を最小限に抑えつつ、議会の本来の意図に従ってCARES Act法を実施して欲しいと願う。本記事の執筆時点では、納税者や中小企業に十分な現金が行き渡っているとは思えない。最新の数字によると、すでにSBAの救済資金の25%が中小企業に対して融資されることが確定しているという。これは心強い指標ではあるが、それでも3500億ドルという総額からみれば、ほんのわずかに過ぎない。

おそらく理解しておくべきもっと重要な点は、銀行が融資を確約したとしても、それで即、現金が中小企業に届くというわけではないという点だ。

現金が動くには、以下のような方法により、CARES Act法が中小企業に対して円滑に実施される環境を整える必要がある。(1)銀行券発行残高に関する最終指針の決定、 (2)流通市場の流動性の向上、(3)最新のデジタルインターフェイスによりすべてのステークホルダーが簡単に接点を持てるようにすること、(4)例えばフィンテック企業がサービスプロバイダー、資金のパイプ、または融資機関としての役割を担えるようにするなど、新規参入者への門戸開放。

これらが重要なのは、SBAは処理能力を最低でも50倍に拡大せよとの使命を課せられているからだ。SBAの全融資プログラムの融資額を合計しても年間250億ドルである。SBAは現在、8~12週間で3500億ドルという巨額の融資を取り扱っている。SBAが財務省、FRB、その他の政府機関と連携して24時間体制で、システム、テクノロジー、融資の実施に対応していることは分かっているが、喫緊の課題の解決に障害となる摩擦点が存在する。

今回のSBA融資に必要な資金の流動性をバックアップするために、FRBがサポートを表明したことは良いニュースだ。しかし、その実施にも時間がかかるだろう。同様に、FDIC(連邦預金保険公社)による地方銀行のレバレッジ比率の緩和も歓迎すべきニュースだ。規制当局は、慎重かつ一時的な要件および制限事項の追加緩和を検討している。これらはすべて今回の救済策の円滑な実施を助けるものだが、それでもまだ未解決の疑問点が残っており、さまざまな金融機関が傍観者となる原因になっている。

融資の規模や件数、短期間で融資を実施する必要性などの要因を考えると、デジタル化と最新テクノロジーの活用が急務である。SBAおよびその他の政府機関と規制当局には、デジタルファイナンスと金融テクノロジーを活用するためにエネルギーとリソースを投入することを求めたい。

金融テクノロジーは、融資申請の簡素化、顧客の確認(KYC)と資金洗浄防止ルールへの準拠、融資申請の自動化に役立つ。また、テクノロジーにより、融資の創出、引受、支出、処理なども改善される。これを使わない手はない。数百万の中小企業のうち最も脆弱な企業に限って、実は銀行与信を利用していない。しかし、そのような中小企業でも、例えばSquareなどのモバイル決済システムを利用している。フィンテックは今や、誰でも利用できるレベルに達しているのだ。今の状況にまさにぴったりである。規制当局はテクノロジーの集約的な能力をフルに活用して欲しい。

銀行に行くことができないだけでなく、プリンタさえ持っていない人もいる。だが、大半の中小企業とその経営者はスマートフォンを所有しており、すでに何らかのデジタルテクノロジーを活用している。多くのフィンテック企業が銀行自体にテクノロジーを提供している。そうした銀行は、今こそ迅速に動いて、そうしたテクノロジーを活用する必要がある。金融危機以来、2000億ドルが金融テクノロジーに投資されてきたことを考えれば、はっきり言って、フィンテックをイノベーションの実験だと考える段階はとっくに過ぎている。

資金を出すということに計り知れないプレッシャーがかかっているが、厳しい規制も同様に大きな障害となっている。今回のパンデミックにより、誰もが利用できる金融システムを導入する必要性が浮き彫りになっており、その中核となるのがテクノロジーである。新しい仕組みを試すのに今以上の好機はない。

失われた雇用を再び創出するのは本当に難しい。それよりも、雇用を維持すること(これは米国政府の最近の対策すべてに共通する基本理念だ)にエネルギーを注いだほうがはるかに効率的である。雇用を維持し、米国経済の心臓である中小企業に救済資金を届けることに力を尽くそう。
“新型コロナウイルス

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(翻訳:Dragonfly)

フリーランス向け報酬先払いのyupがセブン銀行と提携、24時間365日ATMから引き出し可能に

フリーランス向け報酬即日払いサービスを提供中のyupは4月23日、セブン銀行との業務提携契約を締結したことを発表した。yupは、TechCrunchが主催したスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2019」のスタートアップバトルでファイナリストに輝いた2019年2月設立のスタートアップだ。

今回の提携によってyupは、セブン銀行が提供する「リアルタイム振込機能」を利用可能になり、フリーランスは営業時間の制約を受けずに原則24時間365日いつでも報酬を即時に受け取れるようになる。
リアルタイム振込機能とは、セブン銀行が企業向けに提供する機能(API接続)。このAPIを利用することで、yupから振込指示を受けて即時に振込が実行可能になるという仕組みだ。セブン銀行のATMは、セブン-イレブンのほかショッピングモールやスーパーマーケットなどに設置されているので、利用しやすいのもメリットだろう。

yupの先払いサービスは、2019年9月26日にβ版の提供を開始。面談や書面でのやり取りは不要で、審査はオンラインのみで最短60分で完了する。そして、会員登録をした当日からサービスを利用できる。利用者は報酬の支払い元に送る請求書をyupに送ることで10%の手数料を差し引かれた金額を即日受け取れる。後日、支払い元から受け取った報酬額をyupに振り替えることで処理が完了する。利用者は手数料を取られるものの、通常は1~2カ月後にになる報酬の受け取りを大幅に短縮できるほか、回収不能のリスクを回避できるというメリットがある。

同社代表取締役社長の阪井 優氏によると、yupサービスは新型コロナウイルスの影響もあり、3月の申請は2月の2倍に増えたとのこと。同社は、直近の収入が減少したフリーランスが手元資金を増やすため、取引先の経営不安などの理由で利用者が増えたと分析している。

口約束だけで業務委託契約などを結んでいない場合、支払い元の発注担当者の事務処理能力が原因で期日どおりに報酬を受け取れないケースはいまだに多い。今回の提携により、フリーランスの資金繰りを迅速に支援するための新しい選択肢が増えたことになる。

グーグルがアップル対抗のデビットカード準備中であることが写真から判明

近く「Googleカード」が出るかもしれない。TechCrunchはリーク写真を入手した。 Google(グーグル)は物理的、オンライン、双方で利用できるデビットカード決済システムを開発中だ。システムのユーザーはカードと連動するアプリと口座を使って店頭でも携帯電話やデスクトップからでも支払いができるようになる。支払い履歴や預金残高を確認したり、利用にロックをかけたりするのはカード・アプリから簡単にできる。カードはGoogleとCITIなど提携金融機関の共同ブランドになる。

情報源は写真に加えてこれがグーグルのものである証拠もTechCrunchに提供した。別の情報源は「グーグルは現在デビットカードの開発に取り組んでいる。開発チームはこれがGoogle Payアプリのプラットフォームになる期待している」と述べた。同社はこのシステムがApple PayとApple Cardに匹敵する存在となり、オンラインのピア・ツー・ピアの資金移動手段にもなることを狙っている。Googleカードが登場すればGoogle Payのユースケースは大きく拡大し、グーグルをフィンテックの巨人に押し上げる可能性がある。

グーグルは金融サービス企業を狙う

Young wealthy man pays card using mobile payment

Image Credits: jossnatu / Getty Images

スマートデビットカードを構築することで、グーグルは新たな収入源を開拓するチャンスを得る。同社は膨大なデータにアクセス可能であり、伝統的金融機関よりも正確にリスク管理が可能だ。さらに、広告、検索、アプリ、Android OSなど消費者が直接利用する多数のサービスを運用しており、カード・システムをマーケティングし、自社の他のサービスに統合するのに絶好の立場にある。

TechCrunchがグーグルに情報の確認を求めたところ、広報担当者は内容については否定せず、昨年11月のWall Street Journalの記事とその後発表されたプレス向け声明のとおりだと述べた。Googleは、同紙のインタビュー に対し決済手段の分野で実験を行っていると述べた。 これがデビットカードだということを掴んだのTechCrunchが最初だ。

【略】

これがGoogle Cardだ

従来の銀行カードはいったんセキュリティ上の問題が生じるとサポートデスクに電話したり、ウェブサイトのわけのわからぬコンテンツから必要な箇所をみつけたり手間取ることが多かった。Googleは地図やメールで積んだ経験を生かして、支払システムも直感的で使いやすいものにするつもりだ。

下がそのカードの写真だが、デザインは今後変更される可能性がある。またGoogleカードが実際にリリースされる時期も不明だ。しかしグーグルが部内で金融分野への参入に力を入れていることは注目に値する。以下それを見ていこう。

まずグーグルのデビットカードは同社と提携銀行の共同ブランドになることがわかる。TechCrunchではGoogleカード、G Payなどと呼んでいるが、正確なプロダクト名もまだ発表されていない。カード自身はICチップを内蔵しており、VISAネットワークを利用する。しかし将来はMastercardなどほかのカードネットワークを利用する可能性もある。 ユーザーはグーグルのアプリを使ってカードのアカウントに資金を追加したり、アカウントから送金したりできる。このアプリはおそらくGoogle Payになり、認証には指紋とPINが使われるものとみられる。

ユーザーが銀行や信用金庫などの口座を登録すると物理的なGoogleカードで店頭の支払を行うことができるようになる。これは無人チェックアウト、つまりユーザー自身でカードリーダーにカードをかざすだけでもいい。スマートフォン・アプリのバーチャルカードはBluetoothを利用した支払いが可能だ。またオンライン通販やアプリ内課金にも利用できる。

アプリには最近の利用履歴が表示され、それぞれの販売者、日付、料金がわかる。トランザクションの詳細を開けば地図上で店舗の場所を確認したり、道順を調べたり、電話したりできる。また利用した覚えがないトランザクションがあればカードには豊富なセキュリティオプションがあるので自衛は簡単だ。

カードを紛失したなど不正利用のリスクが生じた場合、アプリから簡単にカードをロックし、新しいカードを発注するすることができる。この間もスマートフォンのバーチャルカードを利用して店頭ないしオンラインで支払いを続けられる。これは物理カードの番号とバーチャルカードの番号が異なるためだ。マルウェアなどによってバーチャルカードの番号が盗まれた場合のリセットも容易だ。また重大なハッキングが疑われる場合はデビットカードのトランザクション全体をロックすることもできる。

【略】

あらゆる場面にフィンテック

グーグルのカード分野への参入はライバルに比べて遅れている。アップルは昨年8月にApple Cardをリリースした。このクレジットカードはGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)が共同発行し、スマートなデザインのチタニム製のマスターカードだ。手数料率は低く抑えられ、Apple Payと接続されたバーチャルカードでもある、またキャッシュバックもあるためユーザーの間に強い関心をひき起した

Apple Card

しかしアップルは加盟店からは手数料を徴収する。グーグルも同様にマーチャント課金によって収入を確保するのだろう。先月アップルはカードのプライバシー既約を変更し、ゴールドマン・サックスに提供するデータの範囲を拡大した。両社はこのデータを利用してさらに新しい金融サービスを開発できる。現在、Apple Payは世界のカードトランザクションの 5%を占めているが、調査会社のBernstein Research(バーンスタイン・リサーチ)は2024年には10%となると予測している。グーグルが狙いをつけているのはまさにこの巨大市場だ。

株式売買や投資のロボアドバイザーのデベロッパーも決済分野に参戦している。Wealthfront は昨年2月に預金口座とデビットカードをスタートさせ2か月で10億ドルを集めた。会社の総資産は9月までに倍増して200億ドルとなったBettermentも10月にVISAと提携してデビットカードをスタートさせたが、こちらは大きな関心を集めていない。なにかと世間を騒がせているRobinhoodも2018年12月にクレジットカードと口座をスタートさせたが、保険でカバーされないことが明らかとなって失敗している

【略】

Robinhoodのデビットカード

この分野がグーグルその他にとって魅力的だというのは明らかだ。人々が金を動かせばそのいくぶんかは必然的に「トラックから落ちて」誰かのポケットに入る。カード事業は金融サービスが利益を生み出す方法として比較的オーバーヘッドが少ない。グーグルが「その他の賭け」と呼ぶ大胆な新規事業の大半が赤字に終わっているだけに、この点は非常に魅力的だろう。タコで風力発電するMakaniプロジェクトなど本業と無関係な実験の一部は中止されている。

グーグルは、検索と広告という中心的事業以上に利益を生むビジネス分野を発見することはできないかもしれない。しかしフィンテック分野で重要なプレーヤーになることには大きなメリットがある。無尽蔵のキャッシュ、最優秀のエンジニア、複雑なユーティリティの構築経験、多数の消費者との接点、膨大なデータの蓄積を誇るグーグルは古臭い銀行や誰も聞いたことがないスタートアップに比べて明らかに有利だ。Facebookは規制の壁に跳ね返されて野心的なLibra暗号通貨プロジェクトを縮小することを余儀なくされている。デビットカードという地味だが多くの人々になじみがあるGoogleのアプローチは成功するかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

スタートアップが資金を得るクラウドファンディングRepublicがゲーム開発のクラファンFigを買収

スタートアップのためのクラウドファンディングRepublicが、ゲームのためのクラウドファンディングFigを買収して、両者の力を合わせてクリエイターたちが自分のアイデアを実現できるようにしたい、と考えている。各サービスの既存のユーザーは、そのままの状態を今後も維持できる。

誰もがアクセスできるこのようなマイクロエクイティ(小規模なプライベート投資)は、効果を実証されているので両プラットホームとも近年では成功している。いろんなスタートアップが、Republicで数百から数千ドルを調達しており、一方Figは昨年、Outer WildsWhat the Golf?が大好評だった。

KickstarterやIndiegogoほど大きなサイトではないが、プロジェクトはより注意深く精査され、クラウドファンディングではあるけれどもRepublic/Figは独自のやり方で、出資者に製品ではなくエクイティ(非公開株)を与える。あるいは、エクイティに加えて製品もくれる場合でも、たとえばIntellivisionのその奇妙なゲーム機の魅力に抵抗できる人はいないだろう。

Figの買収の価額などは公表されていないが、誰でも考えるのはこれは両者の同格合併であり、どちらかが傷つくことはない、ということだ。そしてそれによって、オーディエンスとプロジェクトが増えてくれれば御の字だ。ゲームへの投資は増えているし、とくにニッチのゲームに今後のビッグヒットの期待が集まる。だからRepublicにとってFigは、同社の既存のプラットホームの自然な拡張だ。

Republic Funding PortalのCEO Chuck Pettid氏は、TechCrunchに送ってきた声明でこう述べている: 「Figの良いところは、すでに投資家たちにかなりのリターンがあることだ。調達した資金でゲームを作り、そのゲームを売り、収益を投資家と共有する。プライベートな(市場を介さない)投資は、まともなリターンを得るまで7年から10年はかかることが多い。Figはそれを加速して、2017年からの3年間連続で投資家にリターンしている。そんなクラウドファンディングプラットホームは、ほかにない」。

FigのCEO Justin Bailey氏はRepublicの取締役会に残り、両社のインテリジェントな統合をガイドする。

そのBailey氏は曰く、「Figは前と変わらないが、徐々にRepublicの一部になるだろう。RepublicはFigの、コミュニティにパブリッシングしていくプラットホームの中核部分を維持し、それに同社独自の材料、たとえばダイバーシティへのコミットメントなどを加えていく。それによって、インディーのゲームデベロッパーのためのより強力なプラットホームが築かれる。結局のところ、Figのミッションはインディーのデベロッパーをサポートすることであり、彼らのゲーム制作を可能にすることだ。Figがなければできない、と言えるぐらいに」。

両CEOはともに、彼らのサイトが不遇な人たちの価値を認め、彼らの唯一の資金獲得方法としてクラウドファンディングを提供していくことを強調する。Pettid氏によると、「サイト上の資金募集キャンペーンの半分以上がいわゆる、影の薄い名も無き創業者からだ。これまでの数年間、テクノロジーもビデオゲームの業界もダイバーシティのメッセージを広めてきたが、実際に実現したことはまだ少ない」、という。

Bailey氏によると、パンデミックで投資の方法が大きく変わった。クラウドファンディングはすでに成功しているが、コロナウイルス以後の変化した世界ではさらにもっと重要になる、と彼は言う。

彼曰く、「デベロッパーは、資金調達の方法がワンパターンであってはいけない。効果的なクラウドファンディングキャンペーンには、イノベーションとクリエイティブな思考が必要であり、われわれはそのためのアシストができる」。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

新型コロナ禍でVCが尻込みする中、Clearbancはスタートアップ支援の新商品を発表

Clearbanc Runway

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によってベンチャー市場が鈍化し、スタートアップの資金調達はますます厳しいものになっている。パンデミックにより市場活動が減退した。これは投資家達にとって流動性の高い取引が減り、スタートアップに回す新規資本(ドライパウダー、待機資金)が減っていることを意味している。

その結果、投資家達は既に資金援助したスタートアップに対し、ディールフローのバブルが戻るまでランウェイを引き延ばす必要があると伝えている。これには数四半期を要する可能性があると投資家たちは話している。2008年度のデータを見ると、数年かかる場合も考えられる。

カナダのClearbanc(クリアバンク)は、Clearbanc Runway(クリアバンク・ランウェイ)という新しい金融商品を発表し、スタートアップの資金確保を支援する。

Clearbancのウェブサイトでは、スタートアップ創業者が現在のランウェイ額、現金残高、諸経費、収益、マージン、成長率などの条件を入力できるようになっている。同社はそのデータを分析し、起業家の持ち分を減らさない形で資金を提供する。創業者はレベニューシェア契約を通じて現金を返済できるようになっている。企業が対象資格を得るには、毎月最低1万ドル(約108万円)の収益と、最低6カ月間の一貫した収益履歴が必要になる。

Clearbancが金融会社のように聞こえるかもしれないが、実際のところ(ほとんど)その通りだ。Clearbancはスタートアップに融資し、返済計画に上乗せして利子を請求する。ただし同社は金融会社として規制されていないため、法的には金融会社にはならない。ローンには固定返済スケジュール、複利、返済日があるが、Clearbancにはそうした要素はない。その代わり売上に対する定率を取り分とし、スタートアップの業績が下がれば、返済されるまでしばらく待つことになる。同社がスタートアップ創業者にペナルティを課すことはないらしい。

レベニューシェア契約では一律6%の手数料が課され、その返済は既に資金調達プランの一部となっている。Clearbancからの投資を受けるスタートアップの売上が前月比で伸びている場合、企業が取得できる資金調達合計額はそれに反映される。

クリアバンク・ランウェイ グラフ

Clearbanc Runwayは同社のフラッグシップ商品「20分タームシート」に似ている。

Clearbancは、20分タームシートを作り、企業がGoogleやFacebookの広告に費やせるように、希薄化しない広告資金を取得できるようにした。株式資本が関わることから、スタートアップは貴重なベンチャー投資資金をその他の経費に使用することが前提とされた。Clearbanc Runwayはさまざまな目標を実現させている。

「我々は当初、主に広告費用に重点を置いていた。今では企業を維持するためのあらゆる経費に資金供給できる」とClearbanc共同創業者のAndrew D’Souza(アンドリュー・ドゥスーザ)氏は言及した。Clearbanc Runwayでは、将来エンタープライズ、ソフトウェアビジネス、eコマースビジネスにも資金供給する。

この2つの商品におけるわずかな違いは、新商品の方がやや保守的であるという点だ。Clearbancはこのパンデミックの状況下で、eコマースビジネスに多額の資金供給を行っているため、独自の位置にいる。そうしたインターネットビジネスは、新型コロナウイルスの大流行で実店舗が閉店する中、トラフィックを増やしている。

ただしそれは「不安定で、先行きは不透明だ」とドゥスーザ氏は言及している。「我々が6カ月前よりもさらに保守的になるのは明らかだ。おそらく、より少額をより頻繁に投資する感じになるだろう」。

Clearbancはベンチャーキャピタル企業とディールフローで競ってはいない。その代わりに、小規模事業に融資を行うフィンテック企業と競うことになるだろう。そしてその焦点は珍しくもなければ、新しくもない。

関連記事:Here’s why so many fintech startups are loaning to small businesses(未訳)

2020年3月、小規模事業が従来の融資資産の代わりにクレジットカードで経費を支払えるようにするPlastiq(プラスティック)は7500万ドル(約81億円)を調達した。決済処理大手のStripe(ストライプ)もStripe Capital(ストライプキャピタル)と呼ばれる融資商品を用意し、一律の利率でインターネットビジネスに融資している。

2020年1月、Lighter Capital(ライターキャピタル)は他のスタートアップに融資するために1億ドル(約108億円)を調達した。これはClearbancのレベニューシェア契約のフォーマットに似ている。これらすべては、融資を行う意思のある企業が多く存在することを示している。どの取引条件が最適かを決めるのは小規模事業の方だ。

ベンチャーキャピタル投資先スタートアップがすべての小規模事業ローンを利用できるわけではない。例えば米国政府が提供した2兆ドル(約215兆円)の景気刺激パッケージで用意された小規模事業への融資は3億4900万ドル(約375億円)だ。しかし新しいガイダンスでは、ほとんどのスタートアップが未だに金銭的支援から除外されている。だが先着順で配布されるため、ローンを申請する者も中にはいる。

Clearbancは、スピード感において競合するサービスと差別化できるという。

ドゥスーザ氏は「『SBA(米国中小企業局)ローン』に申請できるのはすばらしいことだが、時間がかかる可能性がある」と言及した。「莫大な未処理分があるし、取引銀行とそのシステムの設定にもよるだろう」。

ほぼ1年前に、Clearbancの共同創業者であるMichele Romanow(ミケーレ・ロマノウ)氏はIPOとユニコーンについて語っていた。会社の倒産や大量のレイオフを回避するための支援に関するドゥスーザ氏の話を聞くと、Clearbanc Runwayへの敷居は明らかに低くなっているようだ。

同社は2200の企業に対し10億ドル(約1075億円)の投資または金銭的取引を行った。

そもそもClearbancでは、従来の株式資本取引に含まれる所有権譲渡なしに、eコマース創業者がスタートアップを成長させる方法として同社を売り込んできた。現在では、世界中でベンチャーキャピタルが以前より活発ではなくなったことを受け、すべての創業者がビジネスを存続させる方法として売り込んでいる。

原文注:クリアバンクは、従来の金融会社とは異なる金融構造を有しているため、法的には金融会社とは言えないと言及している。記事はこの点を明確にするため更新されている。

画像クレジット: Malte Mueller / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳: Dragonfly)

国際送金決済サービスのAirwallexが約170億円を調達

昨年「ユニコーン」の仲間入りを果たしたオーストラリア・メルボルン拠点のクロスボーダー金融サービススタートアップであるAirwallex(エアーウォレックス)は4月15日、シリーズDで1億6000万ドル(約170億円)を調達したと発表した。このラウンドにはANZi Ventures、ANZ Bankの投資部門、Salesforce Venturesが参加したほか、既存投資家からDST Global、Tencent、Sequoia Capital China、Hillhouse Capital、Horizons Venturesが参加した。

2015年に創業した同社の金融サービスには、企業が世界のあらゆる国から入金できる外貨口座が含まれている。Airwallexのシステムはインターバンク市場を利用してミッドマーケットレートで外貨を取引し、複数の国で事業を行う企業をターゲットにしている。新たに得た資金は、将来の買収、米国・欧州・中東市場での拡大、入金ツールなどの新しいプロダクトの立ち上げに使う予定だ。

Airwallexのバリュエーションは昨年のシリーズCの資金調達完了時点で10億ドル(約1080億円)を超えていた。これまでに総額で3億6000万ドル(約390億円)を調達している。シリーズCの後、東京、バンガロール、ドバイで拠点を立ち上げ、Visaとの提携によるAirwallex Borderless Cardsや、会計プラットフォームXeroと統合したプロダクトを発表した。同社は現在、企業が独自の仮想カードを発行できるAPIも提供している。

Salesforce Venturesのオーストラリア責任者であるRobert Keith(ロバート・キース)氏は声明で次のように述べた。「世界中の顧客と取引したり事業が行えたりすることは、デジタルトランスフォーメーションの時代を生き抜く企業にとって重要な要件だ。Airwallexが拠点を世界中に広げ製品機能を拡張するこの重要な成長の時期に同社と提携できることを嬉しく思う」。

中小企業が多通貨で取引を行う際の課題に対処するスタートアップで、最近資金調達を行った企業として、これもユニコーンであるBrex(ブレックス)や香港拠点のNeat(ニート)などがある。

画像クレジット:Airwallex

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(翻訳:Mizoguchi

サプライヤーが早く代金をもらえるようにするフィンテックPreviseが12億円相当を調達

企業間の支払いスピードと早めるフィンテック企業の、Previseが、1100万ドルの資金調達を発表した。そのラウンドはReefknot InvestmentsとMastercardがリードし、これまでの投資家Bessemer Venture PartnersとHambro Perks、およびAugmentum Fintechが参加した。

2016年に創業したPreviseは、今では1日に約10万通の請求書を処理し、目標としては今後5年以内に500万社のサプライヤーの決済を扱いたいとのこと。

Previseの資金調達総額は2180万ドルあまりになり、それを同社のInstantPayプロダクトの全世界的な普及のために用いたいという。Previseは、Mastercardのアクセラレーター事業であるStart Pathに参加している。Reefknot Investmentsは、Temasek HoldingsとKuehne+Nagelが昨年、ロジスティクスとサプライチェーンのスタートアップに投資するために創った投資会社だ。

Previseの創業者でCEOのPaul Christensen(ポール・クリステンセン)氏によると、企業のバイヤーはInstantPayを利用してサプライヤーにすぐに支払いができる。その際、機械学習を使って決済の履歴データを調べ、至近に支払ってもいい請求書を予測する。そしてまた、リスクが大きいので手作業でチェックすべき請求書も見つける。

これまでは、大企業のバイヤーがサプライヤーに支払う済度は最大で2カ月ぐらいあった。そしてそれが、中小企業であるサプライヤーのキャッシュフローを苦しめた。クリステンセン氏によるとそれは、ひとつにはサプライヤーと大企業との一方的な契約に由来し、一方ではデータの入力、チェック、請求書の承認といった管理業務の煩雑と時間的長さに由来している。InstantPayは、そのタイムフレームを最短1日に縮小できる。

同氏によると、今のように疫病が蔓延していると、中小企業にとって決済が早いことはなお一層重要である。

クリステンセン氏は「パンデミックは世界中で、企業の大小を問わず、運転資金に大きな重圧をもたらしており、深刻なキャッシュ不足が生じている。Previseのプラットホームは運転資金のこのような逼迫を解き、大企業のサプライチェーンに供給している何千もの中小のサプライヤーが、取引の初日に支払いを受けられる。数週間も数カ月も待つことはない」と説明する。

同氏は続けて「サプライチェーンが壊れていることは深刻だが、同じく需要側も深刻だ。需要は跳ね上がり、サプライヤーはその巨大な受注に応じなければならない」と語る。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

フィンテックで新たに大規模なイグジット、SoFiが銀行・支払いプラットフォームのGalileoを約1300億円で買収

SoFi

フィンテック戦争はこの分野で新たに実行される大規模なイグジットによって相変わらず熱気を帯びている。

コンシューマー向け金融サービスプラットフォームのSoFiは米国時間4月7日、支払い・銀行口座インフラ企業のGalileo(ガリレオ)を現金と株式により総額12億ドル(約1290億円)で買収すると発表した。この買収は慣習的な買収完了条件を満たしたのちに成立する。

ソルトレイクシティを拠点とするガリレオは、Clay Wilkes(クレイ・ウィルクス)氏により2000年に創業され、自己資金による起業からこれまで20年間にわたり利益を生み出し続けている。ガリレオについては、昨年11月のJon Shieberの記事で、同社が外部からの資金調達の第2ラウンドとして、成長パートナーのJohn Locke(ジョン・ロック)氏が主導するシリーズAでAccel(アクセル)から7700万ドル(約80億円)を調達したことが報告されている。同社はそれまでに2014年4月のシリーズAラウンドでMercato Partners(メルカートパートナーズ)から800万ドル(約8億6300万円)を調達していた。

ガリレオはその数あるサービスの中でも、Monzo(モンゾ)やChime(チャイム)などのフィンテック企業が簡単に銀行口座を開設したり、プラスチックカードやバーチャルカードを発行できるAPIを提供している。理論的にはシンプルだが、銀行業務への規制や金融規定によってフィンテック企業に課される負担は大きく、ガリレオはプラットフォームの機能の一部としてこの規制負担を引き受ける。

同社は英国で目覚ましい成功を収め、同国の大手フィンテック企業5社のすべてが顧客になっている。世界全体で、先月は年換算にして450億ドル(約4兆8540億円)に相当する取引高を処理した。この取引高は2019年10月の260億ドル(約2兆8050億円)から、わずか6か月でほぼ倍増している。

戦略的な視点から見ればSoFiの目標は、拡大を続ける同社の金融商品をガリレオの協力を得て前進させ、コンシューマーサービス以外の新たな収益源を得ることである。SoFiは10年前に、学生ローンの借り換えサービスを提供して創業されたが、現在はローン、投資商品や保険商品、現金・資産管理ツールなど、コンシューマーファイナンスのさまざまなサービスを提供している。ガリレオの買収で、同社は明確なB2Bの収益要素も手に入れたことになる。

現在、Twitterの元COOであるAnthony Noto(アンソニー・ノト)氏がトップを務めているSoFiも、近年カタールなどから数億ドルの新規資本を調達している。同社の直近の企業価値は43億ドル(約4640億円)と評価されている。今後ガリレオはSoFiの独立した一部門として運営し、創業者のウィルクス氏が最高責任者として留任する。

近年フィンテック企業の価値評価が急速に上昇していることから、投資家たちの戦略はフィンテックにサービスを提供する企業に向けられている。今年に入ってVisaはPlaid(プレイド)を53億ドル(約5720億円)で買収したが、これは金融インフラ企業として極めて重要なイグジットと見なされていた。このイグジットが投資家の関心と戦略的な興味をこの分野に強く引き寄せ、ガリレオへの関心もまた日増しに膨らんでいたことは確実だ。そう考えれば同社のイグジットが昨年の資金調達ラウンドから比較的早い時期に行われたことにも説明がつきやすい。

アクセルは長年の戦略として、大部分を自己資金で創業した企業への投資を行ってきた。これらの企業には創業から10年以上経っているものもあり、ガリレオ以外にも1Password(ワンパスワード)、Qualtrics(クアルトリクス)、Atlassian(アトラシアン)、GoFundMe(ゴーファンドミー)、Tenable(テナブル)などがある。また、アクセルはこのようなタイプの資金調達ラウンドを支払いプラットフォームのBraintree(ブレインツリー)でも主導した。そのとき出会ったブレインツリーのゼネラルマネージャーであるJuan Benitez(ホアン・ベニテス)氏も、アクセルのロック氏とともに昨年11月にガリレオの役員となった。

この取引でのアクセルの価値評価は11月には公表されなかったが、現在、買収の情報筋によれば同社のリターンは4倍を越えるという。アクセルが株式を保有したのが約半年であることを考慮すれば、マクロ経済が世界的に困難な状況では、かなりのはIRR投資倍率だ。ガリレオの買収は現金と株式によることから、アクセルは今回SoFiにも出資することになり、リターンの少なくとも一部は未実現となる。

今回の買収で、ガリレオのアドバイザーはQatalyst(カタリスト)が務めた。

画像クレジット: Drew Angerer / Getty Images

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(翻訳: Dragonfly )

エコノミストはまだモデルを放棄していない、でも時間の問題だ

認識の柔軟性が世界の新しい秩序

昨今、多くのものが不足しているが、認識の柔軟性もその1つである。

現代の世界ではデータ、モデリング、ヒューリスティック(経験則)、「直感」が混在しているが、人間はこのような極度の複雑さに向き合うことに慣れている。我々はすべてを知ることはできないので、目の前にある無秩序に秩序を与えるためには、特定の視点で切り取る必要がある。直線的な時代では、そのようなプロセスが実際に(ほとんどの場合)有効である。一般的に経済は一方向に進む傾向があり、モデルと直感は多少隔たりがある場合もあるが、現実にかなり合致する。

新型コロナウイルスは我々に新しいシナリオを提示する。それは現代のグローバル化した経済環境において我々が経験したことのないものである。どのようなモデルも直感も、現在起こっている事象を正確に評価できないでいる。我々が世界を認識するあらゆる方法(文字どおりあらゆる方法)をゼロから再構築する必要がある。

先日、米国で経済の健全性に関する2つの重要な指標が発表された。週次失業保険申請件数と、3月分の雇用調査である。

失業保険に関する数値が発表される前に、ブルームバーグのMax Reyes(マックス・レイズ)氏がエコノミストの予想について次のように述べている。

ブルームバーグの調査によるエコノミスト予想の中央値は350万件で、これは前回の予想をやや上回っており、すでに過去の最大件数の4倍を越えている。

実際の結果は660万件で、予想の約2倍であった。このような数字になるには、標準偏差と中央値にどれくらいの差が必要かを考えて欲しい。

だが、私にとって真に意外だったのはその翌日の発表だ。多くの経済統計と同様に、失業者数には注目する必要がある。失業者数は毎月第1金曜日に発表されるが、調査期間はその2週間以上前に終了している。そのため、「3月」の雇用データは、実際には2月中旬から3月中旬のデータを示している。通常、このような食い違いについては多くの計量経済学者が大学院のゼミで論じるだけだが、経済における最近の極めて大きな変化により、調査の設計から生まれたこの結果が突如注目を浴びることになった。

この統計が発表される前に、ウォール・ストリート・ジャーナルのEric Morath(エリック・モラス)氏がエコノミストの意見について次のように要約している。

ウォール・ストリート・ジャーナルが月曜日までに調査したエコノミストの予想は、雇用主が従業員1万人を削減し、3月の失業率は3.5%から3.7%に上昇するというものだった。この数字はそれほど悪くないように見えるが、飲食店、小売業、製造業などで発表された大規模な解雇が含まれていない。それらは調査期間終了後の3月後半に発生したためだ。

モラス氏は以前の記事の最後で、次のような課題について述べている。

3月のレポートから考えられる結果は著しく広範なものである。調査対象のエコノミストの予想は、雇用数31.2万の増加から125万の減少までさまざまである。失業率が50年ぶりの低水準になると予想する者もいれば、5%超に上昇すると予想する者もいる。

「現在の特殊な状況に対応できる予測モデルは作られていない。不確実性が非常に大きい」と、Upjohn Institute for Employment Research(アップジョン雇用問題研究所)のエコノミストであるBrad Hershbein(ブラッド・ハーシュバイン)氏は語った。

実際にハーシュバイン氏の言うとおりで、次のように中央値は大きく乖離していた

労働省による金曜日の発表によると、ウイルスを抑え込むための努力が米国経済を崩壊させたため、3月は雇用が70.1万件減少した。さらに、3月の失業率は2月の3.5%から4.4%に上昇した。これは1か月の上昇幅としては1975年1月以来最大である。

予想1万に対して実際は70.1万であった。

専門家(および報道関係者)にとって難しい点の1つは、最近の市場の不確実性を伝える方法である。31.2万の増加から125万の減少という範囲は、もはや範囲とは言えない。この世で起こり得る現実すべてを表している(それを踏まえると、グローバルなパンデミックの中で数十万の新規雇用を予想したエコノミストは、診療所や避難所に行くのをやめるべきであろう)。

スタートアップの世界でベンチャーキャピタルから繰り返し聞いた言葉は「わからない」である。これは健全な反応である。市場が来週どうなるかは誰にもわからないのだから。ましてや3ヶ月後や2年後のことなど当然わからない。さまざまな合理的シナリオがあるが、それらのシナリオは相互に矛盾することがよくあるので、分析麻痺が発生する。

繰延需要のおかげで2年後には旅行業界は回復するのだろうか。それとも海外旅行業界は長期的に衰退するのだろうか。小売業は活性化されるだろうか。新型コロナウイルスが多くの不要な店舗を一掃して小売業の展望をリセットし、それにより小売業が今後10年間、経済における最もダイナミックなセクターになるのだろうか。

誰にもわからない。それらすべてのデータ、すべてのモデル、ヒューリスティック、直感によって多少の見通しが示される可能性はある。だが、それらは理解を助けるのと同様、新しい世界を見ることを妨げる可能性もある。

配当と自社株買い

柔軟な認識の欠如は専門家だけの問題ではなく、一般の消費者や個人投資家にも同様に影響を与える。
世界中の主要銀行は、準備金と自行の貸し付けのニーズについて熟慮し、配当を見直そうとしている。それに納得できない投資家もいる

HSBCホールディングスの株式を2%保有する、香港を拠点とする個人投資家グループは、イギリスの規制当局の圧力によってこの銀行が74年ぶりに中止した現金配当の代わりに、スクリップ配当(株式配当)を要求している。また、臨時株主総会の開催をするよう強く求めている。

銀行制度を支え、信用を維持することは、このような金融株の長期的な健全性にとって極めて重要である。そのため、短期的な配当を支払うことで、基盤となる資産の価値が完全に崩壊するという代償を払うことになる可能性がある。

それでも配当を求めるシグナルが強いため、銀行は市場に悪いシグナルを送らないよう、自行の財務健全性から目を背けようとしている。フィナンシャル・タイムズのRichard Henderson(リチャード・ヘンダーソン)氏は、今後の市場における配当についてのネガティブな見解を書いている

支払いの額を毎年上げようとしている上場企業にとって、配当は財務的安定性の印である。通常、配当を実施しないと投資家からペナルティを科される。配当の安定的な増加は、最近の爆発的な自社株買いの増加とは対照的だ。自社株買いはお金を還元するためのより柔軟な方法だと考えられている。あまり目立つことをしなくてもプログラムを一時停止または廃止できるからだ。

「配当を削減するのは悪いシグナルであるため、削減はしたくないだろう。一度配当の実施を決めたら、削減するのは極限の状況においてのみである」とヴェリス氏は語った。

「削減するのは極限の状況においてのみである」。しかし、コロナウイルスの大流行という、今回の非常事態は極限の状況ではないらしい。実際に、安定を保つことは重要である。そのため、銀行の幹部は世界が何も変わっていないかのように物事を進めている

モルガン・スタンレーのCEOであるJames Gorman(ジェームズ・ゴーマン)氏がCNBCに語ったところによると、当面、配当を一時的に停止することは「非常にまずい方法」であり、「不安定化をもたらす」ということだ。一方、シティグループのCEOであるMike Corbat(マイク・コーバット)氏は同じくCNBCに対して、銀行の配当は「健全であり、払い続けるつもりだ」と語った。

直線的な世界では、「安定した企業は安定した配当を支払うべき」というようなヒューリスティックが意味を成すのであろう。しかし現在の状況を考えれば、企業が現金の配布をやめるべき理由がわかる。それでもやめない場合は、過去のモデルに固執しており、未来を歩む方法を考えていないのだ。

今は新しい時代である。ヒューリスティックやモデルなど、我々が世界を理解するためのあらゆる認識の手段の限界を認める必要がある。そしてそれらを放棄する必要がある。15年前に学んだ経済の仕組みに賭けるときではない。今は長期的な考え方を再構築する機会である。

画像クレジット: Michael Raines / Getty Images

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(翻訳: Dragonfly)